説明

光学式情報記録再生装置

【目的】 ハブを有する光学式情報記録媒体とハブを有しない光学式情報記録媒体、光学式情報記録媒体単体とカートリッジに収納された情報記録媒体、のいずれも装着可能な光学式情報記録再生装置を提供する。
【構成】 光学式情報記録媒体を収納したカートリッジ装着用のカートリッジホルダーと、該カートリッジホルダーの下部に配設され光学式情報記録媒体単体を載置した、情報の記録および/または再生位置と光学式情報記録媒体の交換位置との間を往復動可能なトレイと、回転駆動手段によって回転されるセンターシャフトと、磁性体、光学式情報記録媒体の調芯手段、ならびに、光学式情報記録媒体を支持する支持面が設けられ、前記センターシャフトに固定されたターンテーブルと、該ターンテーブルの支持面に接離可能とされ、ハブを有しない光学式情報記録媒体をターンテーブルの支持面に圧接保持するクランプ手段とからなる保持機構と、を具備してなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光ビームをディスク状の光学式情報記録媒体面に照射することにより、情報の記録および/または再生を行う光学式情報記録再生装置に関するものである。さらに詳しくは、異仕様の光学式情報記録媒体、すなわち、ハブを有するかまたは有しない光学式情報記録媒体が単体仕様もしくはカートリッジに収納された仕様になっていても、それらに拘わらず、1台の装置によって異仕様の光学式情報記録媒体に情報の記録および/または再生を行うことのできる兼用型の光学式情報記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディスク状の光学式情報記録媒体は、再生専用型、追記型、書換可能型に分類される。書換可能型には、光磁気方式、相変化(結晶アモルファス変態)方式、有機色素方式等があり、このうち光磁気方式のディスクが多用されている。
【0003】再生専用型は、ビデオディスク、コンパクトディスク(CD)、CD−ROM等として広く利用されている。この型は、一般に、ディスクの中心にセンター孔が穿設されているものとして規格化され、大量に利用されている。これは、保存用カートリッジから取り出され、単体の状態で再生装置のトレイに載置され、再生位置に移動させられた後、同位置においてセンター孔を用いてターンテーブル上で調芯されて、クランプされ、記録された情報を光ヘッドによって読み出し再生することができるようになっている。
【0004】また、追記型、書換可能型のうち、直径130mmのものについては、1990年に規格が決定されている。これは、ディスクの中心に穿設されたセンター孔に磁性体の薄い金属板からなる調芯およびマグネットクランプ用のハブを設けたディスクをカートリッジに収納したものである。そして、カートリッジのまま記録再生装置に装着し、カートリッジに設けられたシャッターを開口させ、ディスクのハブを利用して記録再生装置のターンテーブル上で調芯つつ、ターンテーブルに設けられた磁性体にハブを磁着して、光ヘッドと記録用の磁気ヘッドとによりディスクに情報を記録したり、ディスクから情報を読み出すことができるようになっている。
【0005】追記型、書換可能型のディスクの記録再生装置は前述の如く、調芯方式、クランプ方式が規格として同一であることからメディアの交換が可能であって、1台の記録再生装置の駆動手段、光ヘッド等を共用することができる。しかしながら、CD、CD−ROMの如き再生専用のディスクとは、調芯方式、クランプ方式、カートリッジへの収納の有無等の仕様が相違することから、メディアの互換性がなく、追記型、書換可能型の記録再生装置をそのまま使用することができない。そのため、再生専用型の光学式情報記録媒体用の再生装置、または、追記型、書換可能型の光学式情報記録媒体用の記録再生装置がそれぞれ製造されている。
【0006】近年、マルチメディア化の進展に伴い、大容量の情報を取り扱うことのできる光学式情報記録媒体の有効な活用がますます必要となってきている。前記の如く再生専用型の光学式情報記録媒体用の再生装置、または、追記型、書換可能型の光学式情報記録媒体用の記録再生装置をそれぞれ製造することは、類似または同様な構造の駆動手段、高価な光ヘッド等の部品を2台分使用することになり、製造コストが高くなる。また、ユーザーの立場に立つと、光学式情報記録媒体用機器の設置スペースだけでも再生専用型と、追記型、書換可能型の2台分が必要となり、マルチメディアへの対応には、フロッピイディスク等の他の情報記録媒体用機器、インメージスキャナ等の入出力機器の拡充をも必要なことからすると、再生専用型、および、追記型、書換可能型といった光学式情報記録媒体用機器の如き類似機器はできるだけ省スペースで使い勝手のいいものであることが好ましい。こういったことから、マルチメディア化に即応するには、例えば、CD、CD−ROMといった直径120mmの再生専用光学式情報記録媒体と、直径130mmの光磁気ディスクである書換可能型光学式情報記録媒体との仕様の相違に拘わらず、共通の記録再生装置によって使用できるようになっていることが望ましい。
【0007】一方、CD、CD−ROMといった再生専用の光学式情報記録媒体は、使用時に保存用のカートリッジから取り出され、再生装置に単体状態で装着され使用されているが、その際、CD、CD−ROMの表面に手垢、指紋、ゴミ等が付着しやすく、また、CD、CD−ROMの再生時に表面に異物が介在しやすく、情報の再生不良を起こしたりする。これを防止するには、CD、CD−ROMをカートリッジに収納したまま情報の再生をすることができるようにすることが好ましい。
【0008】そのためには、前記の如く光学式情報記録媒体が異仕様であっても光ヘッド等を共用とし、再生専用型と、追記型、書換可能型の光学式情報記録媒体何れにも柔軟に対処できる記録再生装置が製造コスト、仕様勝手の良さ等の観点から好ましい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記したような事情に鑑み、鋭意研究の結果創案されたものであり、調芯方式、クランプ方式、カートリッジへの収納の有無といった仕様の相違に拘わらず、駆動手段、光学ヘッド等を共用とし、再生専用型と、追記型、書換可能型の光学式情報記録媒体何れにも柔軟に1台で対処できる記録再生装置、換言すれば、ハブを有する光学式情報記録媒体とハブを有しない光学式情報記録媒体、光学式情報記録媒体単体とカートリッジに収納された情報記録媒体、のいずれも装着可能な光学式情報記録再生装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、この発明は、(i)センター孔にハブを有するかまたは有しないディスク状の光学式情報記録媒体面に光ビームを照射することにより情報の記録および/または再生を行う光学式情報記録再生装置として、カートリッジホルダーと、該カートリッジホルダーの下部に配設された情報の記録および/または再生位置と光学式情報記録媒体の交換位置との間を前後に往復動可能なトレイと、センターシャフトと、磁性体、調芯手段ならびに支持面が設けられ前記センターシャフトに固定されたターンテーブルと、該ターンテーブルの支持面に接離可能とされ、ハブを有しない光学式情報記録媒体を該支持面に圧接保持するクランプ手段とからなる保持機構と、を具備してなることを特徴とする。
【0011】そして、(ii)保持機構は、センターシャフトと同心の磁性体、該磁性体と同心の光学式情報記録媒体調芯手段、および、該調芯手段と同心の支持面が設けられてなるターンテーブルと、磁性体を中心部に固設した円盤状のクランパーを備え、該クランパーの磁性体とセンターシャフトと同心の磁性体との磁気吸引力によりハブを有しない光学式情報記録媒体をターンテーブルの支持面に圧接保持するようにしたクランプ手段とからなるものであってもよい。
【0012】そして、(iii)調芯手段は、センターシャフト側に設けられた筒状部に沿って上下に摺動可能な円錐状の調芯外周面が設けられた筒状部材と、筒状部材を上方に付勢する弾性部材とからなるものであることが好ましい。そして、(iv)光学式情報記録媒体のハブの有無が検出手段によってハブなしと検出された場合、クランプ手段により、ハブを有しない光学式情報記録媒体をターンテーブルの支持面に圧接保持するようにしてもよい。
【0013】また、(v)カートリッジホルダー上面で上下動可能な支持板にクランパーが遊嵌されるとともに、光ヘッドを往復動可能支持にした回動機構にターンテーブル回転駆動手段が一体固定されていることが好ましい。
【0014】
【作用】
(i)によれば、トレイを光学式情報記録媒体の交換位置に引き出し、カートリッジに収納されていないハブを有するかまたは有しない光学式情報記録媒体単体をトレイ上に載置して記録再生装置の情報の記録および/または再生位置に引き込み、カートリッジに収納されたハブを有するかまたは有しない光学式情報記録媒体をカートリッジホルダーに挿入する。これらの光学式情報記録媒体がセンター孔にハブを有しない場合は、調芯手段によって調芯されるとともにクランプ手段によってターンテーブル支持面との間でクランプされ、一方、ハブを有する場合は、調芯手段によって調芯されるとともに磁性体による磁気吸引力によりハブが磁着保持される。
【0015】(ii)によれば、センター孔にハブを有しない光学式情報記録媒体の場合は、センター孔が調芯手段によって調芯されるとともに、クランパーの磁性体とセンターシャフトと同心の磁性体との磁気吸引力により光学式情報記録媒体をターンテーブルの支持面に圧接保持し、ハブを有する光学式情報記録媒体の場合は、調芯手段によって調芯されるとともにターンテーブル上面の磁性体による磁気吸引力によりハブが磁着保持される。
【0016】(iii)によれば、センター孔にハブを有しない光学式情報記録媒体の場合は、センター孔が筒状部材の円錐状の外周面に沿って自動調芯され、クランパーの磁性体とセンターシャフトと同心の磁性体との磁気吸引力により光学式情報記録媒体をターンテーブルの支持面に圧接保持し、ハブを有する光学式情報記録媒体の場合は、ハブのセンター孔が筒状部材の円錐状の外周面に沿って自動調芯され、ハブが筒状部材を下方に押圧し、ハブとターンテーブル上面の磁性体の磁気吸引力により磁着保持が行われる。
【0017】(iv)によれば、光学式情報記録媒体のハブの有無が検出手段によってハブなしと検出された場合は、クランプ手段によりハブを有しない光学式情報記録媒体をターンテーブルの支持面に圧接保持し、ハブ有りと検出された場合は、クランプ手段を介することなく、ハブとターンテーブル上面の磁性体の磁気吸引力により磁着保持が自動的に行われる。
【0018】(v)によれば、装置内のスペースを有効に使用できる。
【0019】
【実施例】以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明について説明する。もちろんこの発明は以下の例によって限定されるものではない。図1は、この発明の一実施例である光学式情報記録再生装置の斜視図、図2は、駆動部の分解斜視図、図3は、図1の光学式情報記録再生装置に用いられる光学式情報記録媒体の保持機構を示す断面図で、(a)は光学式情報記録媒体が未装着の状態を示し、(b)はハブを有しない光学式情報記録媒体単体を保持した状態を示し、(c)はカートリッジに収納されたハブを有する光学式情報記録媒体を保持した状態を示す。
【0020】図1および図2に示されるように、光学式情報記録再生装置(A)の前面に、カートリッジ挿入用のスロット(1)が開口され、その下に、トレイ(2)の引き出し、引き込み用のスロット(3)が開口されている。カートリッジ挿入用のスロット(1)にはカートリッジホルダー(4)が連設されており、光学式情報記録媒体(50)、例えば、CD、CD−ROMをカートリッジに収納したもの、または、磁気クランプ用のハブを有しカートリッジに収納された市販の光磁気ディスクのような光学式情報記録媒体(51)を装着することができるようになっている。トレイの引き出し、引き込み用のスロット(3)には、光学式情報記録媒体単体(52)、例えば、CD、CD−ROM単体、または、磁気クランプ用のハブを有する光学式情報記録媒体単体(53)をそのまま載置できる載置部(2a)を有するトレイ(2)が、前後方向に往復移動できるようになっている。
【0021】カートリッジホルダー(4)は、前後と、下方が開放された形状に板状体を折り曲げて形成したものであり、上面板(5)の両側部が下方に折り曲げられ、さらに、内側に折り曲げられている。そして、前方からカートリッジが挿入されることができるようになっており、断面コの字状部はカートリッジが挿入されるためのガイド(5a)となっている。カートリッジホルダー(4)の下方の開放部は、光学式情報記録媒体を受け入れることができるとともに、後述するターンテーブル(12)、光ヘッド(13)が挿入でき、光ヘッド(13)が半径方向に移動できる空間を形成するものである。上面板(5)の左側部には前後方向に途中で外方に屈曲した形状のガイド溝(5b)が設けられ、該ガイド溝(5b)にはシャッターフック(6)がスライド可能に設けられている。シャッターフック(6)は、後述するように、カートリッジ(54)が挿入されてきたとき、カートリッジの係合孔(54b)に係合し、カートリッジ(54)の挿入により、ガイド溝(5b)に沿って滑動しシャッター(54a)を開くことができるものである。また、上面板(5)に設けられたガイド溝(5b)の後方端部の下面にはリミットスイッチ(7)が設けられ、カートリッジの挿入が検出できるようになっている。上面板(5)は後端よりコの字状に開口され、該開口部(5c)にはクランパー(8)の支持板(9)が上下動可能に設けられている。該支持板(9)は、上面板の開口部(5c)の左側に沿って配設されたソレノイド(11)のシャフト(11a)と平行移動機構を介して連結されており、ソレノイドのシャフト(11a)の伸縮に応じ支持板(9)が上面板(5)に対し平行に上下動するようになっている。支持板(9)の中央部にはクランパー(8)が回転自在に設けられており、これによって光学式情報記録媒体のクランプ手段(10)を構成している。
【0022】そして、カートリッジホルダー(4)の下部にはトレイ(2)が配設されている。該トレイ(2)には、光学式情報記録媒体単体をそのまま載置できる載置部(2a)が設けられている。該載置部(2a)は円盤状の凹部からなる載置面を有し、中心近傍から後方に向かってU字型の開口部(2b)が形成されている。なお、光学式情報記録媒体の径が相違する場合には径の相違する円盤状の凹部を複数設けたものを採用するようにすればよい(図示せず)。該開口部(2b)は、トレイ(2)が記録および/または再生位置にある時、ターンテーブル(12)、光ヘッド(13)を受け入れるとともに光ヘッド(13)が半径方向に移動できる空間を構成するものである。トレイ(2)の両側部にはガイドレール(2c)が併設され、装置内に設けられたガイド(図示せず)に沿ってトレイ(2)が移動可能となっている。また、トレイ(2)の左右端後方下面にはガイドレール(2c)と平行にブロック(14)がトレイの後半部から外方にまで延長して突設され、そのうち左側のブロック(14)の開口部(2b)側にはラック(14a)が形成されている。該ラック(14a)は、ローディング駆動部の上部ギヤ(40)と噛み合うようになっており、上部ギヤ(40)の正逆転により、トレイ(2)が記録および/または再生位置とディスク交換位置との間で前後方向に往復移動させられる。
【0023】そして、トレイ(2)の円盤状の載置部(2a)には、CD、CD−ROMのような光学式情報記録媒体単体を検出するためのセンサー(15)が配設されている。
【0024】トレイ(2)の前後方向への往復移動は、ラック(14a)と噛み合うローディング駆動部の上部ギヤ(40)からの動力の伝達によって行われる。上部ギヤ(40)への動力の伝達は、ローディングモーター(41)からの回転をベルト(42)、ベルト車(43)、ベルト車(43)と同軸に設けられたギヤ(図示せず)、中間ギヤ(44)、上部ギヤ(40)と同軸に設けられた伝達ギヤ(図示せず)を介し行われる。そして、上部ギヤ(40)の正逆転に応じトレイ(2)は前後方向に往復移動される。上部ギヤ(40)の下部には後述するターンテーブル昇降用の下部ギヤ(45)が一体固定されている。上部ギヤ(40)と下部ギヤ(45)には、その外周の2/3に歯が設けられており、上部ギヤ(40)、下部ギヤ(45)の歯は相互に所定角度ずらして同軸に重ね合わせられている。上部ギヤ(40)にはギヤの角度検出用の一対の検出孔(40a)、(40b)が軸芯を対称にして設けられており、上部ギヤの検出孔(40a)、(40b)に対応した位置に設けられた下部ギヤ(45)の貫通孔(図示せず)を通して検出孔(40a)、(40b)に反射式センサー(46)からの投光が入射可能となっている。検出孔(40a)はトレイ(2)を光学式情報記録媒体単体の交換位置までの移動を検出するものであり、それに基づきトレイ(2)の停止、ローディングモーター(41)の回転方向の切り替え制御を行うことができるようになっており、検出孔(40b)はトレイ(2)の記録および/または再生位置にまでの移動を検出するものであり、それに基づきトレイ(2)の停止等の制御を行うことができるようになっている。
【0025】図2では左側のみ図示しているが、筺体(16)には左右一対のサブフレーム(17)が固定され、該サブフレーム(17)に設けられたガイド(17a)、(17b)に沿って前後方向にスライダー(18)が連動して摺動できるようになっている。下部ギヤ(45)には、左側のスライダー(18)に設けられた内側向きの歯を有するラック(19)が噛み合っており、下部ギヤ(45)の回転に伴いスライダー(18)が前後方向に摺動する。スライダー(18)にはドライブフレーム(20)の側部に突設された倣いシャフト(21)の先端部が挿入される傾斜溝(22)が設けられている。ドライブフレーム(20)には基端部にシャフト(23)が突設されており、該シャフト(23)がサブフレーム(17)の軸受(24)に軸支され、これによってドライブフレーム(20)が回動可能となっている。ドライブフレーム(20)には矩形状の開口部が設けられており、該開口部には前後方向に一対の案内シャフト(25)が平行に設けられ、該案内シャフト(25)により光ヘッド(13)が前後方向にリニアモーター(図示せず)によって移動可能になっている。また、ドライブフレーム(20)の先端部にはスピンドルモーター(26)が固定されている。従って、スライダー(18)の前後方向への摺動に伴い倣いシャフト(21)が傾斜溝に追従することで、ドライブフレーム(20)はシャフト(23)を中心に回動しターンテーブル(12)および光ヘッド(13)をトレイ(2)の開口部(2b)、および、カートリッジホルダー(4)の下方の開放部にまで上昇、下降させることができるようになっている。
【0026】また、サブフレーム(17)にはスライダー(18)の位置検出用のセンサー(28)が設けられ、スライダー(18)の後方位置、すなわち、トレイ(2)の記録および/または再生位置への移動完了を検出する。光学式情報記録媒体単体の場合は、上部ギヤ(40)に設けられた検出孔(40a)、(40b)と、サブフレーム(17)に設けられたセンサー(28)とによって、トレイの交換位置と記録および/または再生位置との動作制御、および、ドライブフレーム(20)の昇降制御とが行われるようになっており、カートリッジに収納された光学式情報記録媒体の場合は、上部ギヤ(40)に設けられた検出孔(40a)、および、サブフレーム(17)に設けられたセンサー(28)によって、ドライブフレーム(20)の昇降制御が行われるようになっている。
【0027】また、図3(a)に示されるように、光学式情報記録媒体の保持機構は、スピンドルモーター(26)によって回転させられるセンターシャフト(29)に固定されたターンテーブル(12)と前述のクランプ手段(10)とからなる。ターンテーブル(12)の上面にはセンターシャフト(29)と同心に環状の凹溝が形成され、内周側の筒状部(12a)と外周側の筒状部(12b)とが形成されている。内周側の筒状部(12a)の上面にはセンターシャフトと同心に環状磁石(30)が固定され、ハブを有する光学式情報記録媒体のハブが磁着されるようになっている。そして、内周側および外周側の筒状部(12a)、(12b)の間には圧縮コイルバネ(31)が遊嵌されている。該圧縮コイルバネ(31)の上方には調芯のための筒状部材(32)が上下方向に摺動可能に嵌挿されている。該筒状部材(32)の上端は円錐状の調芯外周面を有する鍔部(32a)が設けられ、該鍔部(32a)の下面に圧縮コイルバネ(31)を当接することで、筒状部材(32)を上方に付勢するようになっている。一方、外周側の筒状部(12b)の内側には段部(12c)が設けられ、外側には光学式情報記録媒体を支持するための平坦な支持面(12d)を有する鍔部(12e)が設けられている。
【0028】また、センターシャフト(29)、および、ターンテーブルの支持面(12d)上方には、円盤状のクランパー(8)と、該クランパーと所定のクリアランスをもってクランパーを回転可能に支持する支持板(9)とを有するクランプ手段(10)が、センターシャフト(29)、および、ターンテーブル(12)に対し接離可能に配設されている。クランパー(8)の中心部には同心円状に磁性体(8a)が固定されており、該磁性体(8a)とセンターシャフト(29)と同心の環状磁石(30)との磁気吸引力によりクランパー(8)の外周下面に設けられた環状突部(8b)の下端平面でハブを有しない光学式情報記録媒体をターンテーブルの支持面(12d)に圧接保持し、光学式情報記録媒体と一体となって回転できるようになっている。ハブを有する光学式情報記録媒体の場合は、クランパー(8)の接離機構は作用せずクランパーはセンターシャフト(29)と磁着することなく所定の上方位置に維持される。
【0029】従って、ハブを有しない光学式情報記録媒体単体(52)、例えば、CD、CD−ROMは、図3(b)に示されるように、前述の如く、ターンテーブル(12)によって調芯され、クランパー(8)によってターンテーブルの支持面(12a)との間で圧接保持される。すなわち、記録および/または再生位置でのターンテーブル(12)の待機位置から記録および/または再生位置までの上昇に伴い、光学式情報記録媒体単体のセンター孔(52a)が、筒状部材(32)の鍔部(32a)の円錐状の調芯外周面と当接して行き自動的に調芯されるとともに、クランパー(8)の下降により、クランパーの磁性体(8a)がセンターシャフト(29)と同心の環状磁石(30)との磁気吸引力によりクランパー(8)の外周下面の環状突部(8b)の下端平面でハブを有しない光学式情報記録媒体単体(52)を調芯された状態でターンテーブルの支持面(12d)に圧接し、保持する。
【0030】なお、クランプ手段は、前述の如き構造に限らず、クランパーの外周下面に設けられた環状突部を磁性体とし、これとターンテーブルの支持面とに磁気的吸引力を作用させて、光学式情報記録媒体単体を圧接保持するようにしたもの等適宜の周知の構造が採用できることはいうまでもない。
【0031】一方、カートリッジ(54)に収納されたハブ(55)を有する光学式情報記録媒体(51)、例えば、光磁気ディスクは、図3(c)に示されるように、ターンテーブル(12)によって調芯され、ハブ(55)がターンテーブルの環状磁石(30)に磁着されて、支持面(12d)上に保持される。すなわち、光学式情報記録媒体(51)は、そのセンター孔に沿って設けられた環状段部(51a)に遊嵌孔(55a)を有するハブ(55)が固定されるとともに、該環状段部(51a)の下面に環状突部(51b)が突設された構造のものであって、カートリッジ(54)に収納された状態となっている。そして、ターンテーブル(12)の待機位置から記録および/または再生位置までの上昇に伴い、ハブ(55)の遊嵌孔(55a)がセンターシャフト(29)に遊嵌し、次いで、下面の環状突部(51b)が、筒状部材の鍔部(32a)の円錐状の調芯外周面と当接して行き自動的に調芯されつつ、ハブ(55)がターンテーブル(12)の環状磁石(30)に磁着される。その際、筒状部材(32)は、圧縮コイルバネ(31)を押圧し、ターンテーブル(12)の内周側の筒状部(12a)に沿って下方に摺動し、環状磁石(30)と同一平面となる。その結果、カートリッジ(54)に収納されたハブ(55)を有する光学式情報記録媒体(51)がターンテーブルの支持面(12d)に調芯された状態で支持され、該光学式情報記録媒体(51)が磁着保持される。この時、クランプ手段(10)は上昇位置に維持されるようになっている。
【0032】また、光ヘッド(13)に対向した上方位置には、例えば、光磁気ディスクに情報の記録を行うための磁気ヘッドが光ヘッド(13)と対向して配置されており、磁気ヘッドは光ヘッド(13)の左右往復移動に連動して移動させられるようになっている(図示せず)。そして、光学式情報記録媒体のハブの有無の検出手段、カートリッジ内への光学式情報記録媒体の収納の有無の検出手段が装置内に配設されている(いずれも図示せず)。
【0033】以上のように構成された光学式情報記録再生装置による光学式情報記録媒体への記録および/または再生動作について以下説明する。まず、図4に従い光学式情報記録再生装置(A)にハブを有しない光学式情報記録媒体単体(52)、例えば、CD、CD−ROMを装着する動作を以下説明する。
(i) 図4(a)は光学式情報記録媒体単体(52)を装着する前の待機状態を示す。トレイ(2)は所定の待機位置、すなわち、記録および/または再生位置にある。そして、反射式センサー(46)の真上には、上部ギヤ(40)の検出孔(40a)が位置しており、上部ギヤ(40)とラック(14a)、下部ギヤ(45)とラック(19)とは噛み合い状態にあり、また、クランパー(8)、ターンテーブル(12)、光ヘッド(13)も待機位置にある。
(ii) 図4(a)の状態でエジェクトスイッチ(33)を押圧すると、その信号により、ローディングモーター(41)が回転を始め、ベルト(42)、中間ギヤ(44)、を介し、上部ギヤ(40)、下部ギヤ(45)が反時計方向に回転し、ラック(14a)が前方に移送されトレイ(2)が引き出される。トレイ(2)の引き出し動作開始直後に、下部ギヤ(45)は歯のない箇所となるためラック(19)との噛み合いが外れ、スライダー(18)は移動せず、ドライブフレーム(20)は下降位置のままの状態に留まっている。上部ギヤ(40)が180゜回転し、反射式センサー(46)の真上に検出孔(40b)が位置すると、反射式センサー(46)からの信号に基づき、ローディングモーター(41)の回転が停止され、トレイ(2)は交換位置にまで引き出される(図2、および、4(b)参照)。
(iii) トレイ(2)に光学式情報記録媒体単体(52)を載置すると、センサー(15)が光学式情報記録媒体単体(52)の載置状態の検出信号を発する。そして、エジェクトスイッチ(33)を押圧すると、押圧信号が発せられ、その信号と、光学式情報記録媒体単体(52)の載置検出信号、上部ギヤ(40)の検出孔(40b)による反射式センサー(46)からの検出信号とに基づきローディングモーター(41)が時計方向に回転を始め、ラック(14a)の後方移動によりトレイ(2)を引き込ませる。トレイ(2)が記録および/または再生位置にまで引き込まれる直前に、下部ギヤ(45)とラック(19)とは噛み合いが外れた状態から噛み合った状態に戻る。そして、カートリッジ(54)の装着中にハブの有無の検出手段により光学式情報記録媒体単体(52)がハブを有しないことが検出される。なお、光学式情報記録媒体単体(52)がトレイ(2)に載置されていない時は、センサー(15)からの検出信号が発せられないため、ローディングモーター(41)は停止状態を保ち続ける(図2、および、4(c)参照)。
(iv) トレイ(2)と上部ギヤ(40)との噛み合いは、トレイ(2)の引き込みが進行し、上部ギヤ(40)の歯のない箇所となると上部ギヤ(40)とラック(14a)との噛み合いが外れ、トレイ(2)は記録および/または再生位置に停止される。引き続き下部ギヤ(45)の時計方向への回転に伴い、下部ギヤ(45)からの駆動力がラック(19)に伝達され、スライダー(18)が後方に移動される。これに伴い、倣いシャフト(21)がスライダーの傾斜溝(22)の下部水平部、傾斜部、上部水平部の形状に追従し上昇する。そのため、ドライブフレーム(20)が軸受(24)を中心に回動し、ターンテーブル(12)、光ヘッド(13)が上昇し、トレイの開口部(2b)を通過し、トレイ(2)に載置されたハブを有しない光学式情報記録媒体単体(52)のセンター孔(52a)が、ターンテーブルの筒状部材(32)の鍔部(32a)の円錐状の調芯外周面と当接して行き自動的に調芯される。スライダー(18)の後方への移動によりセンサー(28)がスライダー(18)を検出し、検出信号を発すると、その信号によりローディングモーター(41)が停止される。そして、ハブの有無の検出手段からのハブを有しないとの信号に基づき、ソレノイド(11)が作動されてソレノイドのシャフト(11a)が伸長され、支持板(9)が降下され、クランパーの磁性体(8a)とスピンドルモーター(26)のセンターシャフト(29)と同心の環状磁石(30)との磁気吸引力により、光学式情報記録媒体(52)をターンテーブルの支持面(12d)とクランパー(8)との間に圧接、保持する(図2、3(b)、および、4(d)参照)。光ヘッド(13)は所定の再生位置に到達していることから、再生動作を行わせることができる。
【0034】なお、ハブを有しない光学式情報記録媒体単体(52)を装置(A)から排出させるには、逆の動作を行えばよいことから説明は省略する。その際、センサー(40b)は、ドライブフレーム(20)の下降位置を検出し、ローディングモーター(41)の駆動を停止させる。
【0035】次に、図5に従い、光学式情報記録再生装置(A)にカートリッジに収納されたハブを有する光学式情報記録媒体(51)、例えば、光磁気ディスクを装着する動作を以下説明する。
(v) 図5(a)は光学式情報記録媒体(51)を装着する前の待機状態であって、光学式情報記録媒体(51)が、カートリッジ挿入用のスロット(1)の前面に位置している。
(vi) カートリッジ(54)をカートリッジホルダー(4)に挿入すると、カートリッジの係合孔(54b)にシャッターフック(6)が係合し、カートリッジ(54)の挿入に伴いシャッターフック(6)がガイド溝(5b)に沿って摺動することで、カートリッジのシャッター(54a)が開かれる。そして、カートリッジ(54)後端がリミットスイッチ(7)を押圧することによりがカートリッジ(54)の装着完了の信号が発せられる。該信号に基づきローディングモーター(41)が回転を始める(図5(b)参照)。
(vii) ローディングモーター(41)の回転により上部ギヤ(40)は時計方向に回転するが、すぐに上部ギヤ(40)の歯のない箇所となるためラック(14a)との噛み合いが外れ、トレイ(2)は待機位置に留まる。ローディングモーター(41)の回転は下部ギヤ(45)によりラック(19)に伝達され、スライダー(18)は後方に移動される。これに伴い、倣いシャフト(21)がスライダー(18)の傾斜溝(22)の下部水平部、傾斜部、上部水平部の順に追従し上昇する。そのため、ドライブフレーム(20)が軸受(24)を中心に回動し、ターンテーブル(12)、光ヘッド(13)が上昇し、カートリッジホルダー(4)の下方の開放部を通過し、ハブを有する光学式情報記録媒体(51)のカートリッジのシャッター(54a)の開口から露呈したハブ(55)の遊嵌孔(55a)が、センターシャフト(29)に遊嵌し、次いで、下面の環状突部(51b)が、筒状部材の鍔部(32a)の円錐状の調芯外周面と当接して行き自動的に調芯されつつ、ハブ(55)がターンテーブルの環状磁石(30)に磁着される。その際、筒状部材(32)は、圧縮コイルバネ(31)を押圧し、ターンテーブル(12)の内周側の筒状部(12a)に沿って下方に摺動し環状磁石(30)と同一平面となる。その結果、カートリッジに収納されたハブを有する光学式情報記録媒体(51)がターンテーブルの支持面(12d)に調芯された状態で支持され、該光学式情報記録媒体(51)が磁着保持される(図1、2、3(c)および、5(c)参照)。
【0036】そして、カートリッジ(54)の装着中にハブの有無検出手段によってハブのあることが検出されており、ソレノイド(11)は不作動とされ、クランパー(8)は待機位置に維持されている。この時、光ヘッド(13)はドライブフレーム(20)の上昇とともに所定の記録および/または再生位置に到達しており、光磁気ディスクの場合は、図示していない磁気ヘッドも所定の記録可能位置に到達していることから、記録および/または再生動作を行わせることができる。
【0037】なお、カートリッジに収納されたハブを有する光学式情報記録媒体(51)を装置(A)から排出させるには、上記と逆の動作を行えばよい。その際、センサー(40b)は、ドライブフレーム(20)の下降位置を検出し、ローディングモーター(41)の駆動を停止させる。
【0038】以上、光学式情報記録再生装置(A)にハブを有しない光学式情報記録媒体単体(52)、例えば、CD、CD−ROMを装着する動作、および、カートリッジに収納されたハブを有する光学式情報記録媒体(51)、例えば、光磁気ディスクを装着する動作について説明したが、ハブを有する光学式情報記録媒体単体(53)、カートリッジに収納するようにしたハブを有しない光学式情報記録媒体(50)の光学式情報記録再生装置(A)への装着も可能であるが、それについての説明は省略する。
【0039】次に、(I)光学式情報記録再生装置(A)にカートリッジに収納された光学式情報記録媒体として光磁気ディスクが装着された場合、(II)光学式情報記録再生装置(A)にハブを有しない光学式情報記録媒体単体としてCDが装着された場合を例にとり、記録および/または再生動作を図6に示された回路に基づいて以下説明する。該回路は、光学式情報記録媒体の記録および/または再生フォーマットの相違に対応することができるようにAフォーマット用のENDEC(ENCODER/DECODER)−以下、ENDECという−とBフォーマット用のENDECを備えている。なお、その他の光学式情報記録媒体についての記録および/または再生動作についての説明は省略する。
(I)光学式情報記録再生装置(A)にカートリッジに収納された光学式情報記録媒体として光磁気ディスクが装着された場合には、光学式情報記録媒体の種別を判別することのできる適宜の判別手段(図示せず)によって光磁気ディスクであることが判別され、切り替えスイッチ(74)、(75)が中立位置からAフォーマットENDEC(72)側に連動して切り替えられる。光磁気ディスクに情報を記録するには、システムコントローラ(76)からの記録指令信号が出され、AフォーマットENCODER(72)を記録変調可能状態にする。一方、システムコントローラ(76)からの指令信号によりサーボ制御回路(80)を駆動し、光ヘッド(13)を光磁気ディスクに接近させてレーザー光を光磁気ディスク面に記録照射できる状態にする。記録用の入力信号はLPF(ローパスフィルタ)(70)を通り、変換器(71)によりA/D変換されてディジタル信号に変換され、AフォーマットENCODER(72)でAフォーマット変調される。AフォーマットENCODER(72)で変調された信号は、図示していない磁気ヘッド駆動回路を経て磁気ヘッドに記録信号として供給され光磁気ディスクに記録磁界を印加する。一方、レーザー駆動回路(77)によって光ヘッド(13)から記録用の強度のレーザー光を照射する。磁気ヘッドからの記録磁界と光ヘッド(13)からのレーザー光とによって、光磁気ディスクに情報を記録する。磁気ヘッドと光ヘッド(13)は光磁気ディスクの半径方向へ連動して送られて光磁気ディスクへの記録を連続して行う。磁気ヘッドと光ヘッド(13)の半径方向への送りはサーボ制御回路(80)によってリニヤーモーター等の送り機構(81)を制御することによって行われる。
【0040】Aフォーマット変調で記録された光磁気ディスクから情報の再生を行うには、システムコントローラ(76)からの再生指令信号によりAフォーマットDECODER(72)を再生変調可能状態にする。一方、システムコントローラ(76)からの指令信号によりサーボ制御回路(80)を駆動し、光ヘッド(13)を光磁気ディスクに接近させてレーザー光を光磁気ディスク面に再生照射できる状態にする。レーザー駆動回路(77)によって光ヘッド(13)から再生用の強度のレーザー光を照射するとともに、光磁気ディスク面からの反射光を光ヘッド(13)で受光する。得られた受光信号はRFアンプ(78)を通り、AフォーマットDECODER(72)で復調される。復調された信号は変換器(71)でD/A変換されアナログ信号となって、LPF(70)を通して出力される。光ヘッド(13)は光磁気ディスクの半径方向に送られて光磁気ディスクから情報の再生を連続して行う。光ヘッド(13)の半径方向への送りはサーボ制御回路(80)によってリニヤーモーター等の送り機構(81)を制御することによって行われる。
【0041】(II)光学式情報記録再生装置(A)にハブを有しない光学式情報記録媒体単体としてCDが装着された場合には、光学式情報記録媒体の種別判別手段によってCDであることが判断され、切り替えスイッチ(74)、(75)が中立位置からBフォーマットENDEC(73)側に連動して切り替えられる。Bフォーマット変調で記録されたCDから情報の再生を行うには、システムコントローラ(76)からの再生指令信号によりBフォーマットDECODER(73)を再生変調可能状態にする。一方、システムコントローラ(76)からの指令信号によりサーボ制御回路(80)を駆動し、光ヘッド(13)をCDに接近させてレーザー光をCD記録面に再生照射できる状態にする。レーザー駆動回路(77)によって光ヘッド(13)から再生用の強度のレーザー光を照射するとともに、CD記録面からの反射光を光ヘッド(13)で受光する。得られた受光信号はRFアンプ(78)を通り、BフォーマットDECODER(73)で復調される。復調された信号は変換器(71)でD/A変換されアナログ信号となって、LPF(70)を通して出力される。光ヘッド(13)はCDの半径方向に送られてCDから情報の再生を連続して行う。光ヘッド(13)の半径方向への送りはサーボ制御回路(80)によってリニヤーモーター等の送り機構(81)を制御することによって行われる。
【0042】
【発明の効果】この発明は、以上詳しく説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(i)光学式情報記録媒体単体用のトレイと、光学式情報記録媒体を収納したカートリッジ用のカートリッジホルダーと、回転駆動手段によって回転されるセンターシャフトと、磁性体、光学式情報記録媒体の調芯手段、ならびに、光学式情報記録媒体を支持する支持面が設けられ前記センターシャフトに固定されたターンテーブルと、該支持面に接離可能とされ、ハブを有しない光学式情報記録媒体をターンテーブルの支持面に圧接保持するクランプ手段とからなる保持機構とを具備してなることにより、調芯方式、クランプ方式、カートリッジへの収納の有無といった仕様の相違に拘わらず、駆動手段、高価な光学ヘッド等を共用し、再生専用型と、追記型、書換可能型何れの光学式情報記録媒体をも1台の光学式情報記録再生装置により記録および/または再生をすることができるようになり、マルチメディア化に対応した安価かつ省スペース化した光学式情報記録再生装置を提供できる。そして、ハブを有するかまたは有しない光学式情報記録媒体単体、および、カートリッジに収納されたハブを有するかまたは有しない光学式情報記録媒体の何れもこの光学式情報記録再生装置1台で対処でき、使用者にとっても使い勝手がよい。
(ii)センター孔にハブを有しない光学式情報記録媒体の場合は、光学式情報記録媒体のセンター孔が筒状部材の円錐状の外周面に沿って高精度で自動調芯され、クランパーの磁性体とセンターシャフトと同心の磁性体との磁気吸引力により光学式情報記録媒体をターンテーブルの支持面に圧接保持し、ハブを有する光学式情報記録媒体の場合は、ハブのセンター孔が筒状部材の円錐状の外周面に沿って高精度で自動調芯され、ハブが筒状部材を下方に押圧してハブとターンテーブル上面の磁性体の磁気吸引力により磁着保持がなされ、記録および/または再生ミス等のない良好な記録および/または再生を行うことができる。
(iii)光学式情報記録媒体単体をカートリッジに収納して光学式情報記録再生装置に装着し記録および/または再生を行うので、光学式情報記録媒体表面への手垢、指紋、ゴミ等の付着が防止され、また、記録および/または再生時に光学式情報記録媒体表面への異物の介在が防止されることで、情報の記録および/または再生不良を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である光学式情報記録再生装置の概略図である。
【図2】図1に示された光学式情報記録再生装置の要部の分解斜視図である。
【図3】図1の光学式情報記録再生装置に用いられる光学式情報記録媒体の保持機構を示す断面図で、(a)は光学式情報記録媒体が未装着の状態を示し、(b)はハブを有しない光学式情報記録媒体単体を保持した状態を示し、(c)はカートリッジに収納されたハブを有する光学式情報記録媒体を保持した状態を示す。
【図4】光学式情報記録再生装置にハブを有しない光学式情報記録媒体単体を装着する動作説明図である。
【図5】光学式情報記録再生装置にカートリッジに収納されたハブを有する光学式情報記録媒体を装着する動作説明図である。
【図6】光学式情報記録再生装置における記録および/または再生を行わせるための回路のブロック図である。
【符号の説明】
A 光学式情報記録再生装置
2 トレイ
4 カートリッジホルダー
8 クランパー
12 ターンテーブル
29 センターシャフト

【特許請求の範囲】
【請求項1】 センター孔にハブを有するかまたは有しないディスク状の光学式情報記録媒体面に光ビームを照射することにより情報の記録および/または再生を行う光学式情報記録再生装置であって、光学式情報記録媒体を収納したカートリッジ装着用のカートリッジホルダーと、該カートリッジホルダーの下部に配設され光学式情報記録媒体単体を載置した、情報の記録および/または再生位置と光学式情報記録媒体の交換位置との間を往復動可能なトレイと、回転駆動手段によって回転されるセンターシャフトと、磁性体、光学式情報記録媒体の調芯手段、ならびに、光学式情報記録媒体を支持する支持面が設けられ、前記センターシャフトに固定されたターンテーブルと、該ターンテーブルの支持面に接離可能とされ、ハブを有しない光学式情報記録媒体をターンテーブルの支持面に圧接保持するクランプ手段とからなる保持機構と、を具備してなることを特徴とする光学式情報記録再生装置。
【請求項2】 保持機構は、センターシャフトと同心に磁性体が設けられ、該磁性体と同心に光学式情報記録媒体の調芯手段が設けられるとともに、該調芯手段と同心に光学式情報記録媒体を支持する支持面が設けられてなるターンテーブルと、磁性体を中心部に固設した円盤状のクランパーを備え、該クランパーの磁性体とセンターシャフトと同心の磁性体との磁気吸引力によりハブを有しない光学式情報記録媒体をターンテーブルの支持面に圧接保持するようにしたクランプ手段とからなることを特徴とする請求項1記載の光学式情報記録再生装置。
【請求項3】 調芯手段が、センターシャフト側に設けられた筒状部に沿ってターンテーブルの上面で上下方向に摺動可能な円錐状の調芯外周面を備えた筒状部材と、該筒状部材を上方に付勢する弾性部材とからなることを特徴とする請求項2記載の光学式情報記録再生装置。
【請求項4】 光学式情報記録媒体のハブの有無検出手段を設け、該検出手段によるハブなしとの検出信号に基づきクランプ手段を作動させ、ハブを有しない光学式情報記録媒体をターンテーブルの支持面に圧接保持するようにしたことを特徴とする請求項1、2または3記載の光学式情報記録再生装置。
【請求項5】 クランパーが支持板に遊嵌され、該支持板がカートリッジホルダー上面に上下動可能に設けられており、光ヘッドを往復動可能に支持した回動機構にターンテーブル回転駆動手段が一体固定されていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の光学式情報記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【図6】
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