説明

光学材料の製造方法および製造装置

【課題】予備反応、冷却、脱気処理の進捗を制御することができ、さらに、量産可能かつ再現性の高い光学材料の製造方法および製造装置を提供すること。
【解決手段】製造装置100は、樹脂原料を収納するタンク110と、タンク110内部で樹脂原料の反応により生成した反応組成物の粘度を測定する粘度計120と、反応組成物を重合硬化させるモールド130と、タンク110からモールド130の内部に反応組成物を供給する原料供給装置140と、反応組成物の供給や反応の進捗を制御する制御部150と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックレンズなどの光学物品を形成する光学材料の製造方法および製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチックレンズなどの光学物品を形成するには、複数の材料を混合し、この混合物をモールドに注入し、モールド内で重合反応させることにより行っている。使用する材料によっては重合反応が十分に行われないこともあるため、モールドに注入する前に、予備的に反応させる予備反応工程を実施することが効果的とされている。
また、一定の品質の光学物品を製造するためには、この予備反応の進行度を制御することが望ましい。
【0003】
例えば、特許文献1では、モールドに注入する前に予備反応および脱気処理を行っており、反応の進行度合いを、反応組成物の屈折率を測定することによって検知する方法が提示されている。つまり、予備反応や脱気処理を行う調合タンクにインライン屈折率計を取り付け、常に反応組成物に屈折率計の検出部が浸漬した状態にすることで、常時反応組成物の屈折率を測定・監視し、調合操作の進捗を管理する方法である。
【0004】
【特許文献1】特開2004−137481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プラスチックレンズなどの光学物品の製造工程においては、モノマー(反応組成物)をモールドへ注入する操作が自動化されてきており、モノマーの粘度がある一定の値より低くなければモールドへの注入が困難となる。手作業による注入では、自動注入に比べて高粘度の注入も可能となるが、やはりある一定の値より低くなければモールドへの注入は困難となる。
【0006】
特許文献1のような屈折率を測定する進捗管理では、最終的に出来上がるレンズの品質のバラツキをある程度抑えられるものの、粘度については把握できず、モールドに注入する時に不具合が生じる可能性が大きい。つまり、実際の量産工程において、屈折率による進捗管理では常に安定した製造を行うことができない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、予備反応、冷却、脱気処理の進捗を制御することができ、さらに、量産可能かつ再現性の高い光学材料の製造方法および製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光学材料の製造方法は、タンク内に、(a)硫黄原子およびセレン原子のうち少なくともいずれか一方を含有する無機化合物と、(b)下記式(1)で表される化合物と、(c)チオール(SH)基を1個以上有する化合物とのうち、化合物(a)と(b)との混合物全量基準で、化合物(a)を1質量%以上50質量%以下、化合物(b)を50質量%以上99質量%以下の割合で混合し、さらに化合物(c)を添加して、予備重合反応工程、冷却工程および脱気処理工程を実施する光学材料の製造方法であって、前記予備重合反応工程、前記冷却工程および前記脱気処理工程のうち少なくとも1つの工程で、前記タンク内に収納された組成物の粘度を管理することを特徴とする。
【0009】
【化1】

【0010】
この発明では、上記(a)(b)(c)に記載の材料をタンク内で混合し、予備重合反応工程、冷却工程および脱気処理工程を実施する。
各工程において、タンク内の組成物の粘度を常時測定できる状態とし、組成物の粘度がある一定の値になったところで次の工程に進めることができる。具体的には、予備重合反応工程においてタンク内の組成物の粘度を測定し、ある一定の粘度に達したときに次の工程である冷却工程を行う。また、冷却工程でもタンク内の組成物の粘度を常時測定し、ある一定の粘度に達したときに脱気処理工程を実施する。そして、脱気処理工程でもタンク内の組成物の粘度を常時測定し、ある一定の粘度に達すると、組成物をモールドへ注入する。
なお、粘度の測定および監視は、予備重合反応工程、冷却工程、脱気処理工程の全工程で行ってもよいし、いずれか一つの工程、またはいずれか二つの工程で行ってもよい。
【0011】
このように、各工程における粘度を測定し、その粘度に応じて次の操作を行うことにより、モールド注入時の粘度を最適なものとすることができる。モールド注入時の最適な粘度は、モールドへの注入操作が良好に行える程度であれば特に制限はないが、200mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは150mPa・s以下である。粘度が200mPa・sを超えると、注入操作が容易に行えなくなり、工業的な量産が困難となるおそれがある。
【0012】
なお、各工程におけるある一定の粘度は材料によって異なるので、モールド注入時の粘度が上記範囲となるように、使用する材料に応じて適宜決定することができる。
【0013】
以上のような工程は、タンクに取り付けられた粘度計により粘度の測定が常時可能であるので、組成物の一部をタンクから取り出す必要がない。したがって、タンク内の組成物の正確な粘度を測定できるとともに、同時連続的にタンク内の組成物の粘度を監視することができる。
したがって、粘度の変化に応じて、予備反応工程、冷却工程、脱気処理工程の進捗を制御することができる。これにより、モールド注入時の粘度が最適なものとなるので量産が可能となるとともに、再現性の高い光学材料を製造することができる。
【0014】
本発明の光学材料の製造方法において、前記組成物の粘度の管理は、前記予備重合反応工程と前記冷却工程との双方で行われることが好ましい。
【0015】
この発明では、予備重合反応工程と冷却工程における粘度を常時測定し、粘度がある一定の値に達したときに次の工程を進める。予備重合反応工程と冷却工程とで粘度の管理を行うことにより、より確実にモールド注入時の粘度を最適なものにすることができる。
【0016】
本発明の光学材料の製造装置は、タンク内に、(a)硫黄原子およびセレン原子のうち少なくともいずれか一方を含有する無機化合物と、(b)下記式(2)で表される化合物と、(c)チオール(SH)基を1個以上有する化合物とのうち、化合物(a)と(b)との混合物全量基準で、化合物(a)を1質量%以上50質量%以下、化合物(b)を50質量%以上99質量%以下の割合で混合し、さらに化合物(c)を添加して、予備重合反応、冷却および脱気処理を行う光学材料の製造装置であって、前記タンク内に収納された組成物の粘度を測定するとともに、検出部が前記組成物に浸漬される粘度計と、この粘度計の測定値を表示する表示装置と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
【化2】

【0018】
この発明では、粘度計の検出部がタンク内の組成物に浸漬されており、タンク内の組成物の粘度を常時測定できるようになっている。そして、この粘度計で検出された測定値を表示する表示装置に、タンク内の組成物の粘度が表示される。
したがって、タンク内の組成物の粘度を常時監視することができるので、前述のような作用効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を詳述する。
(原料の説明)
(化合物(a))
本発明で使用する化合物(a)は、硫黄原子およびセレン原子のうち少なくともいずれか一方を1個以上有する全ての無機化合物である。
【0020】
化合物(a)は、光学材料用組成物中の合計質量の割合が30%以上であることが好ましい。この割合が、30%未満である場合、光学材料用組成物中の化合物(a)の質量の割合の上昇分が小幅となるために、樹脂の高屈折率化の効果が小さくなる。
化合物(a)の添加量は、化合物(a)および後述の化合物(b)の合計を100質量%とした場合、1質量%以上50質量%以下を使用するが、好ましくは5質量%以上50質量%以下、より好ましくは10質量%以上45質量%以下、特に好ましくは15質量%以上40質量%以下、最も好ましくは20質量%以上35質量%以下である。
【0021】
硫黄原子を有する無機化合物の具体例としては、硫黄、硫化水素、二硫化炭素、セレノ硫化炭素、硫化アンモニウム、二酸化硫黄、三酸化硫黄等の硫黄酸化物、チオ炭酸塩、硫酸およびその塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、次亜硫酸塩、過硫酸塩、チオシアン酸塩、チオ硫酸塩、二塩化硫黄、塩化チオニル、チオホスゲン等のハロゲン化物、硫化硼素、硫化窒素、硫化珪素、硫化リン、硫化砒素、金属硫化物、金属水硫化物等が挙げられる。これらの中で好ましいものは硫黄、二硫化炭素、硫化リン、硫化セレン、金属硫化物および金属水硫化物であり、より好ましくは硫黄、二硫化炭素および硫化セレンであり、特に好ましくは硫黄である。
【0022】
セレン原子を有する無機化合物とは、硫黄原子を含む無機化合物の具体例として挙げたセレノ硫化炭素、硫化セレンを除き、この条件を満たす無機化合物をすべて含む。具体例としては、セレン、セレン化水素、二酸化セレン、二セレン化炭素、セレン化アンモニウム、二酸化セレン等のセレン酸化物、セレン酸およびその塩、亜セレン酸およびその塩、セレン酸水素塩、セレノ硫酸およびその塩、セレノピロ硫酸およびその塩、四臭化セレン、オキシ塩化セレン等のハロゲン化物、セレノシアン酸塩、セレン化硼素、セレン化リン、セレン化砒素、金属のセレン化物等があげられる。これらの中で好ましいものは、セレン、二セレン化炭素、セレン化リン、金属のセレン化物であり、特に好ましくはセレンおよび二セレン化炭素である。これら硫黄原子およびセレン原子を有する無機化合物は、単独でも、2種類以上を混合して使用しても良い。
【0023】
(化合物(b))
化合物(b)は、上記式(1)で表される化合物である。具体例としては、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(β−エピチオプロピル)トリスルフィド、ビス(β−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、ビス(β−エピチオプロピルチオエチル)スルフィドなどのエピスルフィド類が挙げられる。化合物(b)は単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。中でも好ましい具体例は、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィドおよび/またはビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィドであり、最も好ましい具体例は、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィドである。
【0024】
化合物(b)の添加量は、化合物(a)および化合物(b)の合計を100質量%とした場合、50質量%以上99質量%以下を使用するが、好ましくは50質量%以上95質量%以下、より好ましくは60質量%以上90質量%以下、特に好ましくは65質量%以上85質量%以下、最も好ましくは70質量%以上80質量%以下である。
【0025】
(化合物(c))
化合物(c)は、チオール(SH)基を1個以上有する化合物である。チオール(SH)基は活性水素を有しているため、上記の化合物(a)および化合物(b)に添加することで、低黄色な光学材料を得ることができる。また、低粘度な組成物を得るという観点から、(c)化合物は、チオール(SH)基を1個だけ有する化合物であることがより好ましい。
また、この化合物(c)のうち、光学材料の高屈折率を維持するためには芳香環を有する化合物(c)が好ましく、光学材料の低黄色を実現するためには化合物(c)の分子量は200未満が好ましく、化合物(c)が液状または固状で臭気が弱くハンドリングしやすい面から化合物(c)の分子量は100以上が好ましい。
【0026】
化合物(c)の具体例としては、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、n−プロピルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン、i−プロピルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、t−ノニルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、アリルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、2−(2−メルカプトエチルチオ)エタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−1,3−プロパンジオール、メルカプト酢酸、メルカプトグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、メチルメルカプトグリコレート、メチルメルカプトプロピオネート、(2−メルカプトエチルチオ酢酸)メチルエステル、(2−メルカプトエチルチオプロピオン酸)メチルエステル、2−ジメチルアミノエタンチオール、2−ジエチルアミノエタンチオール、2−ジブチルアミノエタンチオール、2−(1−ピロリジニル)エタンチオール、2−(1−ピペリジニル)エタンチオール、2−(4−モルフォリニル)エタンチオール、2−(N−メチルアニリノ)エタンチオール、2−(N−エチルアニリノ)エタンチオール、2−(2−メルカプトエチルメチルアミノ)−エタンチオール、シクロペンチルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、メルカプト−1,4−ジチアン、メルカプトメチル−1,4−ジチアン、メルカプトエチルチオメチル−1,4−ジチアン、チオフェノール、4−ヒドロキシチオフェノール、2−メチルチオフェノール、3−メチルチオフェノール、4−メチルチオフェノール、4−t−ブチルチオフェノール、2,4−ジメチルチオフェノール、2,5−ジメチルチオフェノール、3−メトキシチオフェノール、4−メトキシチオフェノール、5−t−ブチル−2−メチルチオフェノール、2−クロロチオフェノール、3−クロロチオフェノール、4−クロロチオフェノール、2,5−ジクロロチオフェノール、3,4−ジクロロチオフェノール、2,3−ジクロロチオフェノール、2,6−ジクロロチオフェノール、3,5−ジクロロチオフェノール、2,4−ジクロロチオフェノール、2,4,5−トリクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノール、2−アミノ−4−クロロチオフェノール、2−ブロモチオフェノール、3−ブロモチオフェノール、4−ブロモチオフェノール、4−ニトロチオフェノール、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノール、ベンジルメルカプタン、4−メトキシベンジルメルカプタン、4−クロロベンジルメルカプタン、2,4−ジクロロベンジルメルカプタン、4−ブロモベンジルメルカプタン、3−ビニルベンジルメルカプタン、4−ビニルベンジルメルカプタン、2−フェニルチオエタンチオール、2−ベンジルチオエタンチオール、2−メルカプトナフタレン、1−メルカプトフラン、2−メルカプトフラン、1−メルカプトメチルフラン、2−メルカプトメチルフラン、1−メルカプトチオフェン、2−メルカプトチオフェン、1−メルカプトメチルチオフェン、2−メルカプトメチルチオフェン、2−メルカプトピリジン、4−メルカプトピリジン、2−メルカプトビフェニル、4−メルカプトビフェニル、メルカプト安息香酸等が挙げられる。化合物(c)は単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。中でも好ましい具体例は、チオフェノール、2−メチルチオフェノール、3−メチルチオフェノール、4−メチルチオフェノール、ベンジルメルカプタン、4−クロロベンジルメルカプタン、1−メルカプトメチルフラン、2−メルカプトエタノール、シクロヘキシルメルカプタンであり、最も好ましい具体例は、ベンジルメルカプタンである。
【0027】
化合物(c)の添加量は、化合物(a)および化合物(b)の合計を100質量%とした場合、1質量%以上20質量%以下使用するが、好ましくは2質量%以上18質量%以下、より好ましくは3質量%以上15質量%以下、特に好ましくは4質量%以上12質量%以下、最も好ましくは5質量%以上10質量%以下である。
【0028】
(重合触媒)
また、上記材料を重合硬化する際には、必要に応じて重合触媒を添加することができる。重合触媒としては、アミン類、ホスフィン類、第4級アンモニウム塩類、第4級ホスホニウム塩類、アルデヒドとアミン系化合物の縮合物、カルボン酸とアンモニアとの塩、ウレタン類、チオウレタン類、グアニジン類、チオ尿素類、チアゾール類、スルフェンアミド類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン酸塩、第3級スルホニウム塩類、第2級ヨードニウム塩類、鉱酸類、ルイス酸類、有機酸類、ケイ酸類、四フッ化ホウ酸類、過酸化物、アゾ系化合物、酸性リン酸エステル類を挙げることができる。
【0029】
アミン類としては、エチルアミン、n−プロピルアミン、sec−プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、i−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミスチリルアミン、1,2−ジメチルヘキシルアミン、3−ペンチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、アリルアミン、アミノエタノール、1−アミノプロパノール、2−アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、3−エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−イソブトキシプロピルアミン、3−(2−エチルヘキシロキシ)プロピルアミン、アミノシクロペンタン、アミノシクロヘキサン、アミノノルボルネン、アミノメチルシクロヘキサン、アミノベンゼン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、α−フェニルエチルアミン、ナフチルアミン、フルフリルアミン等の1級アミン;エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノブタン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ビス−(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エタン、1,3−ビス−(3−アミノプロポキシ)−2,2’−ジメチルプロパン、アミノエチルエタノールアミン、1,2−、1,3−あるいは1,4−ビスアミノシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノエチルシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノプロピルシクロヘキサン、水添4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2−あるいは4−アミノピペリジン、2−あるいは4−アミノメチルピペリジン、2−あるいは4−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルモルホリン、イソホロンジアミン、メンタンジアミン、1,4−ビスアミノプロピルピペラジン、o−、m−、あるいはp−フェニレンジアミン、2,4−あるいは2,6−トリレンジアミン、2,4−トルエンジアミン、m−アミノベンジルアミン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、テトラクロロ−p−キシリレンジアミン、4−メトキシ−6−メチル−m−フェニレンジアミン、m−、あるいはp−キシリレンジアミン、1,5−あるいは、2,6−ナフタレンジアミン、ベンジジン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−(4,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−チオジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジトリルスルホン、メチレンビス(o−クロロアニリン)、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−アミノエチルピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、1,4−ビス(アミノエチルピペラジン)、1,4−ビス(アミノプロピルピペラジン)、2,6−ジアミノピリジン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン等の1級ポリアミン;ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−3−ペンチルアミン、ジヘキシルアミン、オクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、メチルヘキシルアミン、ジアリルアミン、ピロリジン、ピペリジン、2−、3−、4−ピコリン、2,4−、2,6−、3,5−ルペチジン、ジフェニルアミン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、ジベンジルアミン、メチルベンジルアミン、ジナフチルアミン、ピロール、インドリン、インドール、モルホリン等の2級アミン;N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジメチル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−あるいは2,6−ジメチルピペラジン、ホモピペラジン、1,1−ジ−(4−ピペリジル)メタン、1,2−ジ−(4−ピペリジル)エタン、1,3−ジ−(4−ピペリジル)プロパン、1,4−ジ−(4−ピペリジル)ブタン、テトラメチルグアニジン等の2級ポリアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−iso−プロピルアミン、トリ−1,2−ジメチルプロピルアミン、トリ−3−メトキシプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−iso−ブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリ−ペンチルアミン、トリ−3−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−2−エチルヘキシルアミン、トリ−ドデシルアミン、トリ−ラウリルアミン、ジシクロヘキシルエチルアミン、シクロヘキシルジエチルアミン、トリ−シクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N−メチルジヘキシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、N、N−ジエチルエタノールアミン、N、N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルアミノ−p−クレゾール、N,N−ジメチルアミノメチルフェノール、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、キノリン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−4−メチル−1,3,2−ジオキサボルナン等の3級アミン;テトラメチルエチレンジアミン、ピラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N’−ビス((2−ヒドロキシ)プロピル)ピペラジン、ヘキサメチレンテトラミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンアミン、2−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロパン、ジエチルアミノエタノール、N,N,N−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)アミン、2,4,6−トリス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、ヘプタメチルイソビグアニド等の3級ポリアミン;イミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、N−エチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、N−ブチルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、N−ウンデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、N−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、N−ベンジルイミダゾール、2−ベンジルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、N−(2’−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール、N−(2’−シアノエチル)−2−ウンデシルイミダゾール、N−(2’−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾール、3,3−ビス−(2−エチル−4−メチルイミダゾリル)メタン、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、5−メルカプト−1−メチル−テトラゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、アルキルイミダゾールとイソシアヌール酸の付加物、アルキルイミダゾールとホルムアルデヒドの縮合物等のイミダゾール類;3,5−ジメチルピラゾール、3,5−ジ(2-ピリジル)ピラゾール、3,5−ジメチル−1−ヒドロキシメチルピラゾール、3,5−ジイソプロピルピラゾール、3,5−ジメチル−1−フェニルピラゾール、3−メチルピラゾール、4−メチルピラゾール、N−メチルピラゾール、5−(チエニル)ピラゾール等のピラゾール類;1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のアミジン類;等が挙げられる。
【0030】
ホスフィン類としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−iso−プロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−ヘキシルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(3−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(ジエチルアミノ)ホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、クロロジフェニルホスフィン等が挙げられる。
【0031】
第4級アンモニウム塩類としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヨーダイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファイト、テトラ−n−ブチルアンモニウムハイドロゲンサルファイト、テトラ−n−ブチルアンモニウムテトラフルオロボーレート、テトラ−n−ブチルアンモニウムテトラフェニルボーレート、テトラ−n−ブチルアンモニウムパラトルエンスルフォネート、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムアセテート、テトラ−n−オクチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−オクチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−オクチルアンモニウムアセテート、トリメチル−n−オクチルアンモニウムクロライド、トリメチルデシルアンモニウムクロライド、トリメチルドデシルアンモニウムクロライド、トリメチルセチルアンモニウムクロライド、トリメチルラウリルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリエチル−n−オクチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリ−n−ブチル−n−オクチルアンモニウムクロライド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムフルオライド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムヨーダイド、n−ブチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、n−オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、メチルトリフェニルアンモニウムクロライド、メチルトリベンジルアンモニウムクロライド、メチルトリフェニルアンモニウムブロマイド、メチルトリベンジルアンモニウムブロマイド、エチルトリフェニルアンモニウムクロライド、エチルトリベンジルアンモニウムクロライド、エチルトリフェニルアンモニウムブロマイド、エチルトリベンジルアンモニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルアンモニウムクロライド、n−ブチルトリベンジルアンモニウムクロライド、n−ブチルトリフェニルアンモニウムブロマイド、n−ブチルトリベンジルアンモニウムブロマイド、1−メチルピリジニウムクロライド、1−メチルピリジニウムブロマイド、1−エチルピリジニウムクロライド、1−エチルピリジニウムブロマイド、1−n−ブチルピリジニウムクロライド、1−n−ブチルピリジニウムブロマイド、1−n−ヘキシルピリジニウムクロライド、1−n−ヘキシルピリジニウムブロマイド、1−n−オクチルピリジニウムブロマイド、1−n−ドデシルピリジニウムクロライド、1−n−ドデシルピリジニウムブロマイド、1−n−セチルピリジニウムクロライド、1−n−セチルピリジニウムブロマイド、1−フェニルピリジニウムクロライド、1−フェニルピリジニウムブロマイド、1−ベンジルピリジニウムクロライド、1−ベンジルピリジニウムブロマイド、1−メチルピコリニウムクロライド、1−メチルピコリニウムブロマイド、1−エチルピコリニウムクロライド、1−エチルピコリニウムブロマイド、1−n−ブチルピコリニウムクロライド、1−n−ブチルピコリニウムブロマイド、1−n−ヘキシルピコリニウムクロライド、1−n−ヘキシルピコリニウムブロマイド、1−n−オクチルピコリニウムクロライド、1−n−オクチルピコリニウムブロマイド、1−n−ドデシルピコリニウムクロライド、1−n−ドデシルピコリニウムブロマイド、1−n−セチルピコリニウムクロライド、1−n−セチルピコリニウムブロマイド、1−フェニルピコリニウムクロライド、1−フェニルピコリニウムブロマイド1−ベンジルピコリニウムクロライド、1−ベンジルピコリニウムブロマイド等が挙げられる。
【0032】
第4級ホスホニウム塩類としては、テトラメチルホスホニウムクロライド、テトラメチルホスホニウムブロマイド、テトラエチルホスホニウムクロライド、テトラエチルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムクロライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムヨーダイド、テトラ−n−ヘキシルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−オクチルホスホニウムブロマイド、メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、メチルトリフェニルホスホニウムヨーダイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムヨーダイド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムヨーダイド、n−ヘキシルトリフェニルホスホニウムブロマイド、n−オクチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラキスヒドロキシメチルホスホニウムクロライド、テトラキスヒドロキシメチルホスホニウムブロマイド、テトラキスヒドロキシエチルホスホニウムクロライド、テトラキスヒドロキシブチルホスホニウムクロライド等が挙げられる。
【0033】
アルデヒドとアミン系化合物の縮合物としては、アセトアルデヒドとアンモニアの反応物、ホルムアルデヒドとパライルイジンの縮合物、アセトアルデヒドとパライルイジンの縮合物、ホルムアルデヒドとアニリンの反応物、アセトアルデヒドとアニリンの反応物、ブチルアルデヒドとアニリンの反応物、ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドとアニリンの反応物、アセトアルデヒドとブチルアルデヒドとアニリンの反応物、ブチルアルデヒドとモノブチルアミンの縮合物、ブチルアルデヒドとブチリデンアニリンの反応物、ヘプトアルデヒドとアニリンの反応物、トリクロトニリデン−テトラミンの反応物、α−エチル−β−プロピルアクロレインとアニリンの縮合物、ホルムアルデヒドとアルキルイミダゾールの縮合物等が挙げられる。
【0034】
カルボン酸とアンモニアとの塩としては、酢酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、アンモニウムトリフルオロアセテート等が挙げられる。
ウレタン類は、アルコールとイソシアネートの反応により得られる。
チオウレタン類は、メルカプタンとイソシアネートの反応により得られる。
【0035】
グアニジン類としては、ジフェニルグアニジン、フェニルトリルグアニジン、フェニルキシリルグアニジン、トリルキシリルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルグアニド、ジフェニルグアニジンフタレート、テトラメチルグアニジン、グアニジンチオシアネート、トリフェニルグアニジン、アミノグアニジン硫酸塩、1,3−ジフェニルグアニジン硫酸塩、ジカテコールホウ酸のジオルトトリルグアニジン塩等が挙げられる。
【0036】
チオ尿素類としては、チオカルボアニリド、ジオルトトリルチオ尿素、エチレンチオ尿素、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、ジラウリルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジメチルエチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、1,3−ジフェニル−2−チオ尿素、1−アリル−2−チオ尿素、グアニルチオ尿素等が挙げられる。
【0037】
チアゾール類としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(2,4−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール、2−(モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、N,N−ジエチルチオカルバモイル−2−ベンゾチアゾリルスルフィド、1,3−ビス(2−ベンゾチアゾリルメルカプトメチル)尿素、ベンゾチアジアジルチオベンゾエート、2−メルカプトチアゾリン、2−メルカプト−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール、2−(モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、ジベンゾチアジルジスルフィドと塩化亜鉛の錯塩等が挙げられる。
【0038】
スルフェンアミド類としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−tert−オクチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジエチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等が挙げられる。
【0039】
チウラム類としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムモノスルフィド、テトラブチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、N,N’−ジエチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、環状チウラム等が挙げられる。
【0040】
ジチオカルバミン酸塩類としては、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ナトリウム、シクロヘキシルエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸カリウム、ジメチルジチオカルバミン酸鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ビスマス、ジエチルジチオカルバミン酸カドミウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸カドミウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジメチルジチオカルバミン酸鉄、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、ジブチルジチオカルバミン酸N,N−シクロヘキシルアンモニウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン、シクロヘキシルエチルジチオカルバミン酸シクロヘキシルエチルアンモニウムナトリウム、メチルペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペコリン、ピペコリルジチオカルバミン酸ピペコリウム、N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛とピペリジンの錯化合物等が挙げられる。
【0041】
キサントゲン酸塩類としては、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛、ジブチルキサントゲン酸ジスルフィド等が挙げられる。
【0042】
第3級スルホニウム塩類としては、トリメチルスルホニウムブロマイド、トリエチルスルホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルスルホニウムクロライド、トリ−n−ブチルスルホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルスルホニウムヨーダイド、トリ−n−ブチルスルホニウムテトラフルオロボーレート、トリ−n−ヘキシルスルホニウムブロマイド、トリ−n−オクチルスルホニウムブロマイド、トリフェニルスルホニウムクロライド、トリフェニルスルホニウムブロマイド、トリフェニルスルホニウムヨーダイド等が挙げられる。
【0043】
第2級ヨードニウム塩類としては、ジフェニルヨードニウムクロライド、ジフェニルヨードニウムブロマイド、ジフェニルヨードニウムヨーダイド等が挙げられる。
鉱酸類としては、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、炭酸等が挙げられ、これらの半エステル類も使用できる。
ルイス酸類としては、3フッ化硼素、3フッ化硼素のエーテラート等が挙げられる。
有機酸類およびこれらの半エステル類や、ケイ酸、四フッ化ホウ酸なども使用できる。
【0044】
過酸化物としては、クミルパーオキシネオデカノエート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジアリルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジミリスチルパーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオヘキサノエート、tert−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシネオヘキサノエート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−ter−ブチルパーオキサイド等のパーオキサイド類;クメンヒドロパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド等が挙げられる。
【0045】
アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−〔(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ〕ホルムアミド、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチル−バレロニトリル2、2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2、2’−アゾビス(2、4、4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。
【0046】
酸性リン酸エステル類としては、モノ−および/またはジメチルリン酸、モノ−および/またはジエチルリン酸、モノ−および/またはジプロピルリン酸、モノ−および/またはジブチルリン酸、モノ−および/またはジヘキシルリン酸、モノ−および/またはジオクチルリン酸、モノ−および/またはジデシルリン酸、モノ−および/またはジドデシルリン酸、モノ−および/またはジフェニルリン酸、モノ−および/またはジベンジルリン酸、モノ−および/またはジデカノ−ルリン酸等が挙げられる。
【0047】
以上、重合触媒を例示したが、重合硬化を発現するものであれば、これらに限定されるものではない。また、これら重合触媒は単独でも2種類以上を混合して使用してもかまわない。これらのうち好ましい具体例は、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、1−n−ドデシルピリジニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド等の第4級ホスホニウム塩が挙げられる。これらの中で、さらに好ましい具体例は、トリエチルベンジルアンモニウムクロライドおよび/またはテトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイドであり、最も好ましい具体例は、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイドである。
【0048】
重合触媒の添加量は、化合物(a)および化合物(b)の合計100質量%に対して、0.001質量%以上5質量%以下であり、好ましくは0.002質量%以上5質量%以下であり、より好ましくは0.005質量以上3質量%以下である。
【0049】
(重合調整剤)
さらに、上記材料を重合硬化する際に、ポットライフの延長や重合発熱の分散化などを目的として、必要に応じて重合調整剤を添加することができる。重合調整剤は、長期周期律表における第13〜16族のハロゲン化物を挙げることができる。以下にこれらの代表的な具体例を示す。
【0050】
シランのハロゲン化物としては、四塩化ケイ素、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、トリエチルクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、ジプロピルジクロロシラン、トリプロピルクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、ジn−ブチルジクロロシラン、トリn−ブチルクロロシラン、t−ブチルトリクロロシラン、ジt−ブチルジクロロシラン、トリt−ブチルクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ジオクチルジクロロシラン、トリオクチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、アリルクロロジメチルシラン、トリクロロアリルシラン、t−ブチルクロロジメチルシラン、ジフェニルーt−ブチルクロロシラン、t−ブトキシクロロジフェニルシラン、トリメチル(2−クロロアリル)シラン、トリメチルクロロメチルシラン、n−ブチルクロロジメチルシラン、およびこれらの塩素の全部または一部をフッ素、臭素、ヨウ素へ変えた化合物等が挙げられる。
【0051】
ゲルマニウムのハロゲン化物としては、四塩化ゲルマニウム、メチルゲルマニウムトリクロライド、ジメチルゲルマニウムジクロライド、トリメチルゲルマニウムクロライド、エチルゲルマニウムトリクロライド、ジエチルゲルマニウムジクロライド、トリエチルゲルマニウムクロライド、プロピルゲルマニウムトリクロライド、ジプロピルゲルマニウムジクロライド、トリプロピルゲルマニウムクロライド、n−ブチルゲルマニウムトリクロライド、ジn−ブチルゲルマニウムジクロライド、トリn−ブチルゲルマニウムクロライド、t−ブチルゲルマニウムトリクロライド、ジt−ブチルゲルマニウムジクロライド、トリt−ブチルゲルマニウムクロライド、アミルゲルマニウムトリクロライド、ジアミルゲルマニウムジクロライド、トリアミルゲルマニウムクロライド、オクチルゲルマニウムトリクロライド、ジオクチルゲルマニウムジクロライド、トリオクチルゲルマニウムクロライド、フェニルゲルマニウムトリクロライド、ジフェニルゲルマニウムジクロライド、トリフェニルゲルマニウムクロライド、トルイルゲルマニウムトリクロライド、ジトルイルゲルマニウムジクロライド、トリトルイルゲルマニウムクロライド、ベンジルゲルマニウムトリクロライド、ジベンジルゲルマニウムジクロライド、トリベンジルゲルマニウムクロライド、シクロヘキシルゲルマニウムトリクロライド、ジシクロヘキシルゲルマニウムジクロライド、トリシクロヘキシルゲルマニウムクロライド、ビニルゲルマニウムトリクロライド、ジビニルゲルマニウムジクロライド、トリビニルゲルマニウムクロライド、アリルトリクロロゲルマン、ビス(クロロメチル)ジメチルゲルマン、クロロメチルトリクロロゲルマン、t−ブチルジメチルクロロゲルマン、カルボキシエチルトリクロロゲルマン、クロロメチルトリメチルゲルマン、ジクロロメチルトリメチルゲルマン、3−クロロプロピルトリクロロゲルマン、フェニルジメチルクロロゲルマン、3−(トリクロロゲルミル)プロピオニルクロライド、およびこれらの塩素の全部または一部をフッ素、臭素、ヨウ素へ変えた化合物等が挙げられる。
【0052】
スズのハロゲン化物としては、四塩化スズ、ジエチルジクロロシラン、ジメチルスズジクロライド、トリメチルスズクロライド、エチルスズトリクロライド、ジエチルスズジクロライド、トリエチルスズクロライド、プロピルスズトリクロライド、ジプロピルスズジクロライド、トリプロピルスズクロライド、n−ブチルスズトリクロライド、ジn−ブチルスズジクロライド、トリn−ブチルスズクロライド、t−ブチルスズトリクロライド、ジt−ブチルスズジクロライド、トリt−ブチルスズクロライド、アミルスズトリクロライド、ジアミルスズジクロライド、トリアミルスズクロライド、オクチルスズトリクロライド、ジオクチルスズジクロライド、トリオクチルスズクロライド、フェニルスズトリクロライド、ジフェニルスズジクロライド、トリフェニルスズクロライド、トルイルスズトリクロライド、ジトルイルスズジクロライド、トリトルイルスズクロライド、ベンジルスズトリクロライド、ジベンジルスズジクロライド、トリベンジルスズクロライド、シクロヘキシルスズトリクロライド、ジシクロヘキシルスズジクロライド、トリシクロヘキシルスズクロライド、ビニルスズトリクロライド、ジビニルスズジクロライド、トリビニルスズクロライド、ブチルクロロジヒドロキシスズ、ビス(2,4−ペンタジオナート)ジクロロスズ、カルボメトキシエチルトリクロロスズ、クロロメチルトリメチルスズ、ジアリルジクロロスズ、ジブチルブトキシクロロスズ、トリn−ペンチルクロロスズ、およびこれらの塩素の全部または一部をフッ素、臭素、ヨウ素へ変えた化合物等が挙げられる。
【0053】
アンチモンのハロゲン化物としては、五塩化アンチモン、メチルアンチモンテトラクロライド、ジメチルアンチモントリクロライド、トリメチルアンチモンジクロライド、テトラメチルアンチモンクロライド、エチルアンチモンテトラクロライド、ジエチルアンチモントリクロライド、トリエチルアンチモンジクロライド、テトラエチルアンチモンクロライド、ブチルアンチモンテトラクロライド、ジブチルアンチモントリクロライド、トリブチルアンチモンジクロライド、テトラブチルアンチモンクロライド、フェニルアンチモンテトラクロライド、ジフェニルアンチモントリクロライド、トリフェニルアンチモンジクロライド、テトラフェニルアンチモンクロライド、およびこれらの塩素の全部または一部をフッ素、臭素、ヨウ素へ変えた化合物等が挙げられる。
【0054】
また、塩化アルミニウム、塩化インジウム、塩化タリウム、三塩化リン、五塩化リン、塩化ビスマス等の塩化物およびこれらの塩素の全部または一部をフッ素、臭素、ヨウ素へ変えた化合物、ジフェニルクロロホウ素、フェニルジクロロホウ素、ジエチルクロロガリウム、ジメチルクロロインジウム、ジエチルクロロタリウム、ジフェニルクロロタリウム、エチルジクロロホスフィン、ブチルジクロロホスフィン、トリフェニルホスフィンジクロライド、ジフェニルクロロヒ素、テトラフェニルクロロヒ素、ジフェニルジクロロセレン、フェニルクロロセレン、ジフェニルジクロロテルル等のハロゲンと炭化水素基を有する化合物およびこれらの塩素の全部または一部をフッ素、臭素、ヨウ素へ変えた化合物、クロロフェノール、ジクロロフェノール、トリクロロフェノール、クロロアニリン、ジクロロアニリン、クロロニトロベンゼン、ジクロロニトロベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロアセトフェノン、クロロトルエン、クロロニトロアニリン、クロロベンジルシアナイド、クロロベンズアルデヒド、クロロベンゾトリクロライド、クロロナフタレン、ジクロロナフタレン、クロロチオフェノール、ジクロロチオフェノール、メタリルクロライド、塩化ベンジル、塩化ベンジルクロライド、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、クロロコハク酸、シュウ酸ジクロライド、トリグリコールジクロライド、メタンスルホニルクロライド、クロロ安息香酸、クロロサリチル酸、4,5−ジクロロフタル酸、3,5−ジクロロサリチル酸、イソプロピルクロライド、アリルクロライド、エピクロロヒドリン、クロロメチルチイラン、プロピレンクロロヒドリン、クロラニル、ジクロロジシアノベンゾキノン、ジクロロフェン、ジクロロ−1,4−ベンゾキノン、ジクロロベンゾフェノン、N−クロロフタルイミド、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、2,3−ジクロロプロピオン酸メチル、p−クロロベンゼンスルホン酸、2−クロロプロピオン酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等の炭化水素のハロゲン置換体や安息香酸クロライド、フタル酸クロライド、イソフタル酸クロライド、テレフタル酸クロライド、メタクリル酸クロライド、コハク酸クロライド、フマル酸クロライド、ニコチン酸クロライド、クロロニコチン酸クロライド、オレイン酸クロライド、塩化ベンゾイル、クロロベンゾイルクロライド、プロピオン酸クロライド等の酸クロライドに代表される有機ハロゲン化物およびこれらの塩素の全部または一部をフッ素、臭素、ヨウ素へ変えたその他のハロゲン化合物等が挙げられる。
【0055】
これら重合調整剤は単独でも2種類以上を混合して使用してもかまわない。これらのうち好ましいものはケイ素、ゲルマニウム、スズ、アンチモンのハロゲン化物である。より好ましいはケイ素、ゲルマニウム、スズ、アンチモンの塩化物であり、さらに好ましくはアルキル基を有するゲルマニウム、スズ、アンチモンの塩化物である。最も好ましいものの具体例はジブチルスズジクロライド、ブチルスズトリクロライド、ジオクチルスズジクロライド、オクチルスズトリクロライド、ジブチルジクロロゲルマニウム、ブチルトリクロロゲルマニウム、ジフェニルジクロロゲルマニウム、フェニルトリクロロゲルマニウム、トリフェニルアンチモンジクロライドである。
【0056】
重合調整剤の添加量は、化合物(a)および化合物(b)の合計100質量%に対して、0.001質量%以上5質量%以下であり、好ましくは0.002質量%以上5質量%以下であり、より好ましくは0.005質量%以上3質量%以下である。
【0057】
(予備重合反応触媒)
また、予備反応させる際に、反応を促進させる予備重合反応触媒を加えてもよい。予備重合反応触媒としては、前記した重合触媒と同じ化合物が挙げられるが、中でも窒素または燐原子を含む化合物が好ましく、窒素または燐原子を含みかつ不飽和結合を有する化合物がより好ましい。特に好ましくはイミダゾール類であり、最も好ましくは2−メルカプト−1−メチルイミダゾールである。予備重合反応触媒の添加量は、化合物(a)と化合物(b)の合計を100質量%に対して、0.001質量%以上5質量%以下であり、好ましくは0.002質量%以上5質量%以下であり、より好ましくは0.005質量%以上3質量%以下である。
【0058】
(その他添加剤)
上記以外にも、耐酸化性、耐候性、染色性、強度、屈折率等の各種性能改良を目的として、組成成分の化合物と一部もしくは全部と反応可能な化合物を添加して重合硬化することも可能である。この場合は、反応のために必要に応じて公知の重合触媒を別途加えることができる。
組成成分の化合物と一部もしくは全部と反応可能な化合物としては、SH基を2個以上有する化合物類、エポキシ化合物類、イソ(チオ)シアネート類、カルボン酸類、カルボン酸無水物類、フェノール類、アミン類、ビニル化合物類、アリル化合物類、アクリル化合物類、メタクリル化合物類等が挙げられる。以下にこれらの代表的な具体例を示す。
【0059】
SH基を2個以上有する化合物類としては、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、2−(2−メルカプトエチルチオ)−1,3−ジメルカプトプロパン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、2,4−ビス(メルカプトメチル)−1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、4,8−ビス(メルカプトメチル)−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ビス(メルカプトメチル)−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ビス(メルカプトメチル)−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,2,7−トリメルカプト−4,6−ジチアヘプタン、1,2,9−トリメルカプト−4,6,8−トリチアノナン、1,2,8,9−テトラメルカプト−4,6−ジチアノナン、1,2,10,11−テトラメルカプト−4,6,8−トリチアウンデカン、1,2,12,13−テトラメルカプト−4,6,8,10−テトラチアトリデカン、テトラキス(4−メルカプト−2−チアブチル)メタン、テトラキス(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン、1,5−ジメルカプト−3−メルカプトメチルチオ−2,4−ジチアペンタン、3,7−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,9−ジメルカプト−2,4,6,8−テトラチアノナン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2−メルカプトエチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1−チアン、2,5−ビス(2−メルカプトエチル)−1−チアン、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)スルフィド、3,4−チオフェンジチオール、等が挙げられる。
【0060】
エポキシ化合物類としては、エチレンオキサイド、プロピレオキサイド等のモノエポキシ化合物類、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールエーテル、ハロゲン化ビスフェノールA、ノボラック樹脂等の多価フェノール化合物とエピハロヒドリンの縮合により製造されるフェノール系エポキシ化合物、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1、3−プロパンジオール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1、3−および1、4−シクロヘキサンジオール、1、3−および1、4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールA・エチレンオキサイド付加物、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド付加物等のアルコール化合物とエピハロヒドリンの縮合により製造されるアルコール系エポキシ化合物、上述のアルコールおよびフェノール化合物とジイソシアネート等から製造されるウレタン系エポキシ化合物、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸、フタル酸、イソ、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘット酸、ナジック酸、マレイン酸、コハク酸、フマール酸、トリメリット酸、ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボン酸化合物とエピハロヒドリンの縮合により製造されるグリシジルエステル系エポキシ化合物、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノブタン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、ビス−(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エタン、1,3−ビス−(3−アミノプロポキシ)−2,2’−ジメチルプロパン、1,2−、1,3−あるいは1,4−ビスアミノシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノエチルシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノプロピルシクロヘキサン、水添4,4’−ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミン、1,4−ビスアミノプロピルピペラジン、m−、あるいはp−フェニレンジアミン、2,4−あるいは2,6−トリレンジアミン、m−、あるいはp−キシリレンジアミン、1,5−あるいは、2,6−ナフタレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−(4,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジメチル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−あるいは2,6−ジメチルピペラジン、ホモピペラジン、1,1−ジ−(4−ピペリジル)−メタン、1,2−ジ−(4−ピペリジル)−エタン、1,3−ジ−(4−ピペリジル)−プロパン、1,4−ジ−(4−ピペリジル)−ブタンとエピハロヒドリンの縮合により製造されるアミン系エポキシ化合物、ビス(β−エポキシプロピル)スルフィド、ビス(β−エポキシプロピル)ジスルフィド、ビス(β−エポキシプロピルチオ)メタン、ビス(β−エポキシプロピルジチオ)メタン、1,2−ビス(β−エポキシプロピルチオ)エタン、1,3−ビス(β−エポキシプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス(β−エポキシプロピルチオ)プロパン、1−(β−エポキシプロピルチオ)−2−(β−エポキシプロピルチオメチル)プロパン、1,4−ビス(β−エポキシプロピルチオ)ブタン、1,3−ビス(β−エポキシプロピルチオ)ブタン、1−(β−エポキシプロピルチオ)−3−(β−エポキシプロピルチオメチル)ブタン、1,5−ビス(β−エポキシプロピルチオ)ペンタン、1−(β−エポキシプロピルチオ)−4−(β−エポキシプロピルチオメチル)ペンタン、1,6−ビス(β−エポキシプロピルチオ)ヘキサン、1−(β−エポキシプロピルチオ)−5−(β−エポキシプロピルチオメチル)ヘキサン、1−(β−エポキシプロピルチオ)−2−〔(2−β−エポキシプロピルチオエチル)チオ〕エタン、1−(β−エポキシプロピルチオ)−2−[〔2−(2−β−エポキシプロピルチオエチル)チオエチル〕チオ]エタン、テトラキス(β−エポキシプロピルチオメチル)メタン、1,1,1−トリス(β−エポキシプロピルチオメチル)プロパン、1,5−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−2−(β−エポキシプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−2,4−ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1−(β−エポキシプロピルチオ)−2,2−ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(β−エポキシプロピルチオ)−4−(β−エポキシプロピルチオメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−4−(β−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−4,5ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−4,4−ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−2,4,5−トリス(β−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−2,5−ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,9−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−5−(β−エポキシプロピルチオメチル)−5−〔(2−β−エポキシプロピルチオエチル)チオメチル〕−3,7−ジチアノナン、1,10−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−5,6−ビス〔(2−β−エポキシプロピルチオエチル)チオ〕−3,6,9−トリチアデカン、1,11−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−4,8−ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−5,7−ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−5,7−〔(2−β−エポキシプロピルチオエチル)チオメチル〕−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−4,7−ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,3および1,4−ビス(β−エポキシプロピルチオ)シクロヘキサン、1,3および1,4−ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)シクロヘキサン、ビス〔4−(β−エポキシプロピルチオ)シクロヘキシル〕メタン、2,2−ビス〔4−(β−エポキシプロピルチオ)シクロヘキシル〕プロパン、ビス〔4−(β−エポキシプロピルチオ)シクロヘキシル〕スルフィド、2,5−ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(β−エポキシプロピルチオエチルチオメチル)−1,4−ジチアン、1,3および1,4−ビス(β−エポキシプロピルチオ)ベンゼン、1,3および1,4−ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)ベンゼン、ビス〔4−(β−エポキシプロピルチオ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−(β−エポキシプロピルチオ)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(β−エポキシプロピルチオ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(β−エポキシプロピルチオ)フェニル〕スルフォン、4,4’−ビス(β−エポキシプロピルチオ)ビフェニル等の含硫エポキシ化合物、3、4−エポキシシクロヘキシル−3、4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクリヘキサンジオキサイド、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)−5、5−スピロ−3、4−エポキシシクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3、4−エポキシシクロヘキシル)アジペート等の脂環式エポキシ化合物、シクロペンタジエンエポキシド、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエン、ビニルシクロヘキセンエポキシド等の不飽和化合物のエポキシ化により製造されるエポキシ化合物、ビニルフェニルグリシジルエーテル、ビニルベンジルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテル等の不飽和基を有するエポキシ化合物、等が挙げられる。
【0061】
イソシアネート類としては、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、iso−プロピルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、sec−ブチルイソシアネート、tert−ブチルイソシアネート、ペンチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、オクチルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、トルイルイソシアネート等のモノイソシアネート類、ジエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ノルボルネン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)デカヒドロナフタレン、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン、リジントリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、o−トリジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、3−(2’−イソシアネートシクロヘキシル)プロピルイソシアネート、トリス(フェニルイソシアネート)チオホスフェート、イソプロピリデンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、2,2’−ビス(4−イソシアネートフェニル)プロパン、トリフェニルメタントリイソシアネート、ビス(ジイソシアネートトリル)フェニルメタン、4,4’,4’’−トリイソシアネート−2,5−ジメトキシフェニルアミン、3,3’−ジメトキシベンジジン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルビフェニル、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナト、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトベンゼン)、1,1’−メチレンビス(3−メチル−4−イソシアナトベンゼン)、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(2−イソシアナト−2−プロピル)ベンゼン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)テトラヒドロジシクロペンタジエン、ビス(イソシアネートメチル)ジシクロペンタジエン、ビス(イソシアネートメチル)テトラヒドロチオフェン、ビス(イソシアネートメチル)チオフェン、2,5−ジイソシアネートメチルノルボルネン、ビス(イソシアネートメチル)アダマンタン、3,4−ジイソシアネートセレノファン、2,6−ジイソシアネート−9−セレナビシクロノナン、ビス(イソシアネートメチル)セレノファン、3,4−ジイソシアネート−2,5−ジセレノラン、ダイマー酸ジイソシアネート、1,3,5−トリ(1−イソシアナトヘキシル)イソシアヌル酸等のポリイソシアネート類、これらのポリイソシアネート類のビュレット型反応による二量体、これらのポリイソシアネート類の環化三量体およびこれらのポリイソシアネート類とアルコールもしくはチオールの付加物等が挙げられる。
さらには、イソチオシアネート類として、上記のイソシアネート基を1分子あたり1個以上有する化合物のイソシアネート基の全部または一部をイソチオシアネート基に変えたものが挙げられる。
【0062】
カルボン酸類としては、前述のエポキシ化合物のところで説明したエピハロヒドリンと反応させる相手の原料として例示したカルボン酸類が挙げられる。
【0063】
カルボン酸の無水物類としては、前述のエポキシ化合物のところで説明したエピハロヒドリンと反応させる相手の原料として例示したカルボン酸の無水物類が挙げられる。
【0064】
フェノール類としては、前述のエポキシ化合物のところで説明したエピハロヒドリンと反応させる相手の原料として例示したフェノール類が挙げられる。
【0065】
アミン類としては、前述のエポキシ化合物のところで説明したエピハロヒドリンと反応させる相手の原料として例示したアミン類が挙げられる。
【0066】
ビニル化合物類としては、ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、ビニルアルコール、メチルビニルカルビノール、エチレングリコールモノビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールモノビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ビニルエチルスルフィド、ビニルフェニルスルフィド、メチルビニルケトン、ジビニルジカーボネイト、ビニルジグリコールカーボネイト、ビニレンカーボネイト、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、アジピン酸ジビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、アクリル酸ビニル、メタクリル酸ビニル、ビニルブロマイド、ビニルアイオダイド、ビニルリン酸、ビニル尿素、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、スチルベン、ビニルフェノール、3−ビニルベンジルアルコール、4−ビニルベンジルアルコール、2−(4−ビニルフェニルチオ)エタノール、2−(3−ビニルフェニルチオ)エタノール、2−(4−ビニルベンジルチオ)エタノール、2−(3−ビニルベンジルチオ)エタノール、1,3−ビス(4−ビニルベンジルチオ)−2−プロパノール、1,3−ビス(3−ビニルベンジルチオ)−2−プロパノール、2,3−ビス(4−ビニルベンジルチオ)−1−プロパノール、2,3−ビス(3−ビニルベンジルチオ)−1−プロパノール、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、1,3−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルフタレート、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、3−クロロメチルスチレン、4−クロロメチルスチレン、4−アミノスチレン、3−シアノメチルスチレン、4−シアノメチルスチレン、4−ビニルビフェニル、2,2’−ジビニルビフェニル、4,4’−ジビニルビフェニル、2,2’−ジスチリルエーテル、4,4’−ジスチリルエーテル、2,2’−ジスチリルスルフィド、4,4’−ジスチリルスルフィド、2,2−ビス(4−ビニルフェニル)プロパン、ビス(4−ビニルフェニル)エーテル、2,2−ビス(4−ビニロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
【0067】
アリル化合物類としては、前述のビニル化合物類で例示した化合物のビニル基の一部もしくは全部がアリル基に置き換わったアリル化合物類が挙げられる。
【0068】
アクリル化合物類としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートモノアクリレート、2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートジアクリレート、2−ヒドロキシエチルシアヌレートモノアクリレート、2−ヒドロキシエチルシアヌレートジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、1、3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1、4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシエトキシ)シクロヘキシル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(2−ヒドロキシ−3−アクリロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ビス(2,2,2−トリメチロールエチル)エーテルのペンタアクリレート、ビス(2,2,2−トリメチロールエチル)エーテルのヘキサアクリレート、ビス(4−アクロイルチオフェニル)スルフィド等が挙げられる。
【0069】
メタクリル化合物類としては、前述のアクリル化合物類で例示した化合物のアクリル基の一部もしくは全部がメタクリル基に置き換わったメタクリル化合物類が挙げられる。
【0070】
さらに、公知の酸化防止剤、ブルーイング剤、紫外線吸収剤、消臭剤、等の各種添加剤を加えて、得られる材料の実用性をより向上せしめることはもちろん可能である。
【0071】
(製造装置の構成)
次に、本発明の光学材料を製造する製造装置について説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる光学材料の製造装置の概略図である。
図1に示すように、製造装置100は、樹脂原料を収納するタンク110と、タンク110内部で樹脂原料の反応により生成した反応組成物の粘度を測定する粘度計120と、反応組成物を重合硬化させるモールド130と、タンク110からモールド130の内部に反応組成物を供給する原料供給装置140と、反応組成物の供給や反応の進捗を制御する制御部150と、を備えている。
【0072】
タンク110は、底面111と、底面111から垂直に立ち上げられた壁面112とからなる略円筒状の容器である。壁面112の底面111側には、粘度計120を取り付けるための取付孔113が形成されている。
【0073】
粘度計120は、取付孔113に嵌合する本体部121と、本体部121の先端で反応組成物の粘度を検出する検出部122と、検出部122での測定値を表示する表示装置123と、を備えている。本体部121と取付孔113との間は、タンク110内の原料が漏れないように密封されている。検出部122は、タンク110内の反応組成物(または原料)に浸漬されている。表示装置123は本体部121に接続され、検出部122で検出した粘度を数値化して表示している。
粘度計120としては、一般に市販されている粘度計を使用することができる。例えば、CBC株式会社製のシールド型粘度計「FVM80A−ST」などのインライン型粘度計を好適に使用することができる。
【0074】
モールド130は、一対のレンズ型131の周縁部にテープ132が巻き付けられて形成される。
原料供給装置140は、モールド130の内部に反応組成物を注入するディスペンサ141と、このディスペンサ141の基端部に下端部が接続される原料流通管142と、を備え、原料流通管142の他端部は、タンク110内の反応組成物に浸漬された状態となっている。ディスペンサ141は、反応組成物の注入を調整する本体部1411と、反応組成物を吐出するノズル1412と、を有している。
【0075】
制御部150は、モールド130の内部に反応組成物を注入する工程を管理する第一の制御部151と、タンク110内の反応組成物の粘度に応じて進捗管理を行う第二の制御部152と、を備えている。
第一の制御部151は、ディスペンサ141からの反応組成物の注入量を調整したり、原料流通管142を流通する反応組成物の流量を調節したり、モールド130の内部に反応組成物が所定位置まで注入されたことを検知したりする。
第二の制御部152は、粘度計120で測定した測定値に基づいて次の処理を行うかどうかを判断する進捗管理を行う。
【0076】
(光学材料の製造方法)
次に、製造装置100による光学材料の製造方法を説明する。
図2は、本発明の一実施形態にかかる光学材料の製造工程を示すフロー図である。
図2に示すように、まず、原料をタンク110に投入する(ステップS1)。原料としては、例えば、本発明の化合物(a)として硫黄、化合物(b)としてビス(β−エピチオプロピル)スルフィド、化合物(c)としてベンジルメルカプタンを用いることができる。
配合量は、化合物(a)と(b)との混合物全量基準で、化合物(a)を20質量%、化合物(b)を80質量%、化合物(c)を5質量%とした。
なお、ここで予備重合反応触媒を添加してもよい。
【0077】
そして、タンク110に投入した原料を加温しながら攪拌する(ステップS2)。
具体的には、化合物(a)と化合物(b)を攪拌し、0℃以上150℃以下で、1分間〜72時間かけて予備反応工程を実施し(ステップS3)、反応組成物とする。
なお、反応時間のより好ましい範囲は10分間〜48時間であり、さらに好ましくは30分間〜24時間である。また、反応温度のより好ましい範囲は10℃以上120℃以下であり、さらに好ましくは20℃以上100℃以下である。
ステップS3により、化合物(a)を10%以上(反応前を100%とする)反応させておくことが好ましく、20%以上反応させておくことがより好ましい。反応は、大気、窒素または酸素等の気体の存在下、常圧もしくは加減圧による密閉下、または減圧下等の任意の雰囲気下で行ってよい。
また、このステップS3を実施する際には、化合物(c)や各種添加剤を加えて行う。
【0078】
タンク110の反応組成物(または原料)に浸漬された粘度計120により、常時反応組成物の粘度を測定できる。したがって、第二の制御部152は表示装置123に表示された粘度を監視し(ステップS4)、一定の粘度に達するまでは、ステップS3を続行する。ここで、本実施形態の予備反応工程における一定の粘度とは、50mPa・sである。
【0079】
一方、表示装置123に表示された粘度がある一定の粘度に達すると、第二の制御部152は、ステップS3を終了させ、次の冷却工程を実施する(ステップS5)。
【0080】
ステップS5においても、第二の制御部152は表示装置123に表示された粘度を監視し(ステップS6)、一定の粘度に達するまでは、ステップS5を続行する。このように、冷却工程では一定の粘度に達するまで冷却するが、例えば、20℃程度に冷却することが好ましい。ここで、本実施形態の冷却工程における一定の粘度とは、170mPa・sである。
一方、表示装置123に表示された粘度がある一定の粘度に達すると、第二の制御部152は、ステップS5を終了させる。
【0081】
そして、重合触媒として2−メルカプト−1−メチルイミダゾールを添加した(ステップS7)後、脱気処理を行う(ステップS8)。
反応組成物にあらかじめ脱気処理を行うことは、光学材料の高度な透明性を達成する面から好ましい。脱気処理条件は、0.001〜50torrの減圧下、1分間〜24時間、0℃〜100℃で行う。脱気処理の際は、撹拌、気体の吹き込み、超音波などによる振動などによって、反応組成物の界面を更新することは、脱気効果を高める上で好ましい。脱気処理により、主に硫化水素等の溶存ガスや低分子量のメルカプタン等の低沸点物等が除去される。
【0082】
ステップS8において、第二の制御部152は表示装置123に表示された粘度を監視し(ステップS9)、一定の粘度に達するまでは、ステップS8を続行する。ここで、本実施形態の脱気処理における一定の粘度とは、90mPa・sである。
一方、表示装置123に表示された粘度がある一定の粘度に達すると、第二の制御部152は、ステップS8を終了させる。
そして、原料供給装置140によりタンク110内の組成物を輸送し、ディスペンサ141からモールド130の内部に組成物を注入する(ステップS10)。
【0083】
以上説明した本実施形態によれば、次のような作用効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、光学材料の製造段階における予備反応工程、冷却工程および脱気処理工程において、タンク110内の反応組成物の粘度を測定し、その粘度に応じて各工程の進捗を管理する。
このように、一定の粘度に達するまで各工程を実施するので、予備反応、冷却および脱気処理を十分に行うことができる。したがって、後の工程のモールド内での重合反応がより確実に行われ、高品質の製品を製造することができる。
【0084】
(2)また、各工程での粘度に応じて進捗を管理することにより、反応組成物の粘度をモールド注入時の最適粘度により近づけることができる。その結果、モールド注入がスムーズに行われるので、量産が容易となる。
【0085】
(3)本実施形態では、タンク110に粘度計120を取り付け、検出部122がタンク110内の反応組成物(または原料)に常時浸漬する状態とした。また、測定値を表示装置123に表示することにより、タンク110内の反応組成物の粘度を常時測定および監視することができる。
したがって、タンク110内の反応組成物の粘度を測定するために反応組成物の一部をタンク110の外に取り出して粘度を測定するという手間を省くことができる。また、タンク110の外部に取り出して粘度を測定すると誤差が生じるおそれがあったが、本実施形態では、タンク110内の反応組成物の正確な粘度を測定することができる。その結果、モールド注入時の最適粘度により近づけることができるとともに、高品質の製品を製造することができる。
そして、このような製造装置を用いることで、前述のような進捗管理を行うことができる。
【0086】
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的および効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、タンク110に粘度計120のみを取り付けたが、屈折率計をさらに取り付けてもよい。これにより、粘度と屈折率との双方を監視することができ、量産可能かつより高品質な製品を製造することができる。
【実施例1】
【0087】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0088】
[実施例1]
インライン型粘度計(CBC株式会社製、製品名「FVM80A−ST」)を装着した反応容器中で、硫黄20質量%、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド80質量%を65℃でよく混合し均一とした。
次いで、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール0.5質量%を加え、60℃で約60分反応させた(予備反応工程)。この時点のインライン型粘度計で測定した粘度(30℃変換値)は、50mPa・sであった。
その後、得られた樹脂用組成物を20℃に冷却した(冷却工程)。この時点の粘度(30℃変換値)は、170mPa・sであった。
一方、ベンジルメルカプタン5質量%、トリエチルベンジルアンモニウムクロライドを0.03質量%、ジn−ブチルスズジクロライド0.2質量%を加えてよく混合して均一とし、これをA溶液とした。
そして、このA溶液を前述の冷却した樹脂用組成物に加えて均一な樹脂用組成物とした。
次いで、得られた樹脂用組成物を、10torr、10分間、20℃の条件下で脱気処理した(脱気工程)。この時点のインライン型粘度計で測定した粘度(30℃変換値)は、90mPa・sであった。
その後、この組成物を2枚の鏡面仕上げのガラスフラット板を用いて、粘着テープで保持した鋳型中に注入し、30℃から100℃まで20時間かけて昇温し、重合硬化させた。室温まで放冷した後、モールドから離型し、硬化した光学材料を得た。
【0089】
[実施例2]
実施例1と同じ材料を用い、55℃で予備反応させた(予備反応工程)。このとき、実施例1の予備反応終了時と同じ粘度(50mPa・s)に到達するまでに約240分を要した。
その後は、実施例1と同様に冷却工程、脱気工程および重合硬化処理を実施し、光学材料を得た。なお、冷却工程後の粘度(30℃変換値)は170mPa・s、脱気工程後の粘度(30℃変換値)は、90mPa・sであった。
【0090】
[実施例3]
実施例1と同じ材料を用い、65℃で予備反応させた(予備反応工程)。このとき、実施例1の予備反応終了時と同じ粘度(50mPa・s)に到達するまでに約30分を要した。
その後は、実施例1と同様に冷却工程、脱気工程および重合硬化処理を実施し、光学材料を得た。なお、冷却工程後の粘度(30℃変換値)は170mPa・s、脱気工程後の粘度(30℃変換値)は、90mPa・sであった。
【0091】
[比較例1]
実施例1と同じ材料を用い、60℃で予備反応させた(予備反応工程)。この時点の反応物をサンプリングして回転型粘度計で測定した粘度(30℃変換値)は、60mPa・sであった。
その後は、実施例1と同様に冷却工程、脱気工程および重合硬化処理を実施し、光学材料を得た。なお、冷却工程後の粘度(30℃変換値)は200mPa・s、脱気工程後の粘度(30℃変換値)は、120mPa・sであった。
その後、鋳型に注入した組成物を30℃から100℃まで20時間かけて昇温し、重合硬化させた。室温まで放冷した後、モールドから離型し、硬化した光学材料を得た。
なお、反応容器の真空をリークさせ、反応物をサンプリングして粘度を測定し、再度真空排気させるのに要した時間は約7分であった。さらに、次の測定を行うため、測定後に粘度計の内部を掃除するのに要した時間は約2分であった。
【0092】
[比較例2]
比較例1と同じ材料を用い、55℃で予備反応させた(予備反応工程)。この時点の反応物をサンプリングして回転型粘度計で測定した。比較例1の予備反応終了時と同じ粘度(60mPa・s)に到達するまでに約240分を要した。
その後は、比較例1と同様に冷却工程、脱気工程および重合硬化処理を実施し、光学材料を得た。なお、冷却工程後の粘度(30℃変換値)は200mPa・s、脱気工程後の粘度(30℃変換値)は、120mPa・sであった。
その後、鋳型に注入した組成物を30℃から100℃まで20時間かけて昇温し、重合硬化させた。室温まで放冷した後、モールドから離型し、硬化した光学材料を得た。
なお、サンプリングおよび粘度計の内部を掃除するのに要した時間は、比較例1と同様である。
【0093】
[比較例3]
比較例1と同じ材料を用い、65℃で予備反応させた(予備反応工程)。この時点の反応物をサンプリングして回転型粘度計で測定した。比較例1の予備反応終了時と同じ粘度(60mPa・s)に到達するまでに約30分を要した。
その後は、比較例1と同様に冷却工程、脱気工程および重合硬化処理を実施し、光学材料を得た。なお、冷却工程後の粘度(30℃変換値)は300mPa・s、脱気工程後の粘度(30℃変換値)は、220mPa・sであった。
その後、鋳型に注入した組成物を30℃から100℃まで20時間かけて昇温し、重合硬化させた。室温まで放冷した後、モールドから離型し、硬化した光学材料を得た。
なお、サンプリングおよび粘度計の内部を掃除するのに要した時間は、比較例1と同様である。
【0094】
各実施例、比較例の予備反応条件、粘度および注入結果を以下の表1に示す。
なお、注入結果の評価基準は以下の通りである。
<注入結果の評価基準>
○:問題なく注入可能
△:注入困難
×:注入不可
【0095】
【表1】

【0096】
表1からわかるように、実施例1〜3では、予備反応工程の条件が変わったとしても、粘度が50mPa・sになるまで予備反応を行ったので、脱気処理工程後の反応組成物の粘度は、最適な粘度となり、注入もスムーズに行われた。
一方、比較例1および2では、モールドの内部に注入しようとしたところ、反応組成物の粘度が高く、注入が困難なため実施例1〜3に比べて約倍の注入時間を要した。また、比較例3は、粘度が高すぎて、注入が不可能であった。
このように、粘度に応じた進捗管理を行った実施例1〜3では、モールドへの反応組成物の注入を良好に行うことができ、量産に十分に対応できるという結果が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、メガネレンズなどのプラスチック、プリズム、光ファイバー、情報記録基盤、フィルター、接着剤等の光学物品に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の一実施形態にかかる光学材料の製造装置の概略図。
【図2】本発明の一実施形態にかかる光学材料の製造工程を示すフロー図。
【符号の説明】
【0099】
100…製造装置、110…タンク、120…粘度計、130…モールド、140…原料供給装置、150…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク内に、(a)硫黄原子およびセレン原子のうち少なくともいずれか一方を含有する無機化合物と、(b)下記式(1)で表される化合物と、(c)チオール(SH)基を1個以上有する化合物とのうち、化合物(a)と(b)との混合物全量基準で、化合物(a)を1質量%以上50質量%以下、化合物(b)を50質量%以上99質量%以下の割合で混合し、さらに化合物(c)を添加して、予備重合反応工程、冷却工程および脱気処理工程を実施する光学材料の製造方法であって、
前記予備重合反応工程、前記冷却工程および前記脱気処理工程のうち少なくとも1つの工程で、前記タンク内に収納された組成物の粘度を管理することを特徴とする光学材料の製造方法。
【化1】

【請求項2】
請求項1に記載の光学材料の製造方法において、
前記組成物の粘度の管理は、前記予備重合反応工程と前記冷却工程との双方で行われることを特徴とする光学材料の製造方法。
【請求項3】
タンク内に、(a)硫黄原子およびセレン原子のうち少なくともいずれか一方を含有する無機化合物と、(b)下記式(2)で表される化合物と、(c)チオール(SH)基を1個以上有する化合物とのうち、化合物(a)と(b)との混合物全量基準で、化合物(a)を1質量%以上50質量%以下、化合物(b)を50質量%以上99質量%以下の割合で混合し、さらに化合物(c)を添加して、予備重合反応、冷却および脱気処理を行う光学材料の製造装置であって、
前記タンク内に収納された組成物の粘度を測定するとともに、検出部が前記組成物に浸漬される粘度計と、
この粘度計の測定値を表示する表示装置と、を備えたことを特徴とする光学材料の製造装置。
【化2】


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−144094(P2009−144094A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−324530(P2007−324530)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】