説明

光学用透明シロキサン樹脂組成物

【課題】(1)ビニルオリゴシロキサンハイブリッドと、(2)二つ以上の珪素結合水素を含有する有機水素珪素化合物と、(3)メタル触媒下で水素珪素化反応を通じて熱硬化させることにより、多様な光学用応用できる光学用透明シロキサン樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】有機シランジオールとビニル基を含む有機アルコキシシランの非加水縮合反応により、縮合度の高い無機網目構造のビニルオリゴシロキサンハイブリッドを製造する。また、ビニル基を含む有機アルコキシシランの一部を金属アルコキシドで置換した混合物を使用する場合、高い縮合度及び高い屈折率を有する光学用透明シロキサン樹脂を製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビニルオリゴシロキサンハイブリッドと、二つ以上の珪素結合水素を含有する有機水素珪素化合物と、メタル触媒と、を含む光学用透明シロキサン樹脂組成物に関し、水素珪素化反応を利用し、組成物の種類と組成方法によって屈折率、硬度、熱安定性、透過率及び柔軟性を調節できる優れた性能の光学用樹脂に応用できる光学用透明シロキサン樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
無機/有機ハイブリッドは、有機物が有する柔軟性、優れたコーティング性及び機能性と、無機物が有する透光性、耐摩耗性、耐熱性及び絶縁性を同時に利用することができて、低温焼成が可能であり、加工性に優れているため、現在、光学用応用に適用させるために活発に研究されている。
【0003】
従来の無機/有機ハイブリッドは、有機金属アルコキシドを水と触媒により加水分解、縮合反応を経て溶液を製造した後、硬化させる方法であるゾル−ゲル法を通じて製造されている。米国特許第6,054,253号、第5,774,603号、第6,309,803号には、このようなゾル−ゲル法を通じて製造された無機/有機ハイブリッドを光素子に適用させる方法が開示されている。しかしながら、前記方法により製造された無機/有機ハイブリッドは、低温で硬化が十分起こらないため、材料の内部にシラノール基が残ってしまう。このような残留シラノール基は、現在光通信で使用されている近赤外線領域である1310、1550nmの波長の光を吸収するため、転送損失が大きいという問題がある。また、長時間使用時、材料内部のシラノール基が大気中の水分を吸着して、素子の性能を低下させる恐れがある。米国特許第6,391,515号は、テトラエトキシシランを利用してゾル−ゲル法で溶液を製造した後、コーティングし、800℃まで熱処理することにより、十分な硬化を通じてシラノール基を除去したシリカ光導波路を製造する方法を提示しているが、純粋な無機材料ではない無機/有機ハイブリッドは、高温で硬化させる場合、材料内部の有機基が熱分解されるため、上記方法の適用が不可能である。
【0004】
また、大韓民国特許出願第2001−23552号や第2002−23553号では、ゾル−ゲル法で製造した無機/有機ハイブリッドをTFT−LCD用ゲート絶縁体、カラーフィルターの保護膜または回路保護膜への応用を開示している。しかしながら、前記特許では、無機酸化物ゾルと高分子形態の有機金属アルコキシドを別途に製造し、互いに混合する方式で無機/有機ハイブリッドを製造したため、相分離の可能性が大きくて、大面積コーティング時、材料の均一な特性の具現が難しく、溶媒を多量使用するため、乾燥時、溶媒の蒸発による欠陥が発生し、透光性が低下されやすく、寸法安定性に乏しく、緻密な構造をなし難いため、耐電圧性や耐摩耗性が低下する恐れがある。
【0005】
さらに、前記問題点に対する解決方法として、大韓民国特許出願第2004−25063号では、非加水ゾル−ゲル法を通じて無機/有機ハイブリッドを製造し、これを、開始剤を使用して光または熱硬化し、光学用材料に応用する方法を開示している。前記方法は、無機/有機ハイブリッドの外部に官能性有機グループとして、主にエポキシ、アクリル系の有機官能基を有するオリゴシロキサンを使用する。しかしながら、前記有機官能基は、内部に有するシリカまたはシリカと金属酸化物の複合体に比べ、耐熱性、耐光性などの特性が低く、無機/有機ハイブリッドの熱安定性を低下させる。前記無機/有機ハイブリッドは、約300℃でこのような有機官能基の熱分解による重量の変化が顕著になるため、高温で物質の安定性を要求する多様な種類の光学用材料としての応用に制限的である。そして、前記方法の光または熱硬化方法は、開始剤による連鎖反応を使用して硬化することにより、最終目標材料の他に、付随的な生産物が発生し、材料の透明性、熱安定性などの特性を低下させる問題点がある。また、分子量の大きい無機/有機ハイブリッドであるほど、立体障害効果が大きくなるため、連鎖反応が邪魔されて、硬化が十分なされなく、材料の熱安定性、硬度などを低下させる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,054,253号
【特許文献2】米国特許第5,774,603号
【特許文献3】米国特許第6,309,803号
【特許文献4】米国特許第6,391,515号
【特許文献5】大韓民国特許出願第2001−23552号
【特許文献6】大韓民国特許出願第2002−23553号
【特許文献7】大韓民国特許出願第2004−25063号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の従来技術の問題点を解決するために導出されたもので、ビニルオリゴシロキサンハイブリッドと二つ以上の珪素結合水素を含有する有機水素珪素化合物とを、メタル触媒下で水素珪素化反応を通じて熱硬化させることにより、多様な光学用材料に応用できる光学用透明シロキサン樹脂組成物を提供する。非加水ゾル−ゲル法を通じて製造されたビニルオリゴシロキサンハイブリッドは、緻密な無機網目構造を形成して、非常に透明であり、縮合度が非常に高い緻密な構造を有する。前記ビニルオリゴシロキサンハイブリッドを利用して、光透過率、耐光性及び耐熱性、屈折率、機械的強度に優れて、成形時、ほとんど収縮のない光学用透明シロキサン樹脂組成物を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明は、(1)ビニルオリゴシロキサンハイブリッドと、(2)二つ以上の珪素結合水素を含有する有機水素珪素化合物と、(3)メタル触媒と、を含む光学用透明シロキサン樹脂組成物を提供する。
【0009】
詳しくは、本発明は、ビニル基を含む有機アルコキシシランを単独で使用するか、ビニル基を含む有機アルコキシシランと金属アルコキシドの混合物を使用して、有機シランジオールと縮合反応を通じて製造したビニルオリゴシロキサンハイブリッドと、珪素結合水素を少なくとも二つ以上含む有機水素珪素化合物と、メタル触媒とを含有した光学用透明シロキサン樹脂組成物として、光素子、ディスプレイ、LEDなどに応用できる光学用透明シロキサン樹脂組成物を提供する。
【0010】
ビニルオリゴシロキサンハイブリッドとは、無機成分とビニル基を含む有機官能基が、結果物に一緒に分子単位で結合をなしている化合物であって、有機シランの縮合反応を通じて製造される。
【0011】
本発明による光学用透明シロキサン樹脂組成物に含有されるビニルオリゴシロキサンハイブリッドは、ビニル基を含む有機アルコキシシランまたはビニル基を含む有機アルコキシシランに有効量の金属アルコキシドが置換された混合物と有機シランジオールの縮合反応を通じて製造されて、縮合度が高い。このような樹脂は、珪素結合水素を少なくとも二つ以上含む有機水素珪素化合物と、メタル触媒下で水素珪素化を通じて熱硬化され、耐光性及び耐熱性に優れているだけではなく、透光度及び屈折率が高くて、機械的特性に優れており、成形時、収縮がほとんど起こらない特性がある。
【0012】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0013】
本発明による光学用透明シロキサン樹脂であるビニルオリゴシロキサンハイブリッドは、ゾル−ゲル法を通じて製造されて、特に、本発明によるビニル基を含む有機アルコキシシラン単独またはビニル基を含む有機アルコキシシランと金属アルコキシドの混合物と、有機シランジオールの縮合反応は、下記反応式1に示したように、非加水ゾル−ゲル法で水の添加無しに縮合反応により製造される。非加水ゾル−ゲル法は、伝統的な方式の加水ゾル−ゲル法との最も基本的な差異点は、水の使用有無にある。加水ゾル−ゲル法は、2種物質間の反応速度の差により、複合酸化物の形成が難しくて、前駆体の選択に制約がある。また、例えば、高温の熱処理工程が必要であり、材料内に存在する未反応水酸基により材料の安定性が落ちる問題点など、水を使用することにより必然的に発生する問題点がある。しかし、非加水ゾル−ゲル法を利用すると、複合酸化物だけではなく、多様な前駆体を利用してビニルオリゴシロキサンハイブリッドを形成することができて、加水ゾル−ゲル法の短所も克服することができる。
【0014】
[反応式1]
【化1】

【化2】

【0015】
M=Metal
【0016】
上記の反応式1から分かるように、出発物質である有機シランジオールの水酸基と他の単量体であるビニル基を含む有機アルコキシシラン単独あるいはビニル基を含む有機アルコキシシランと金属アルコキシドの混合物のアルコキシ基と縮合反応をして、無機網目構造を形成し、無機網目構造の周辺には、ビニル基を含むR’、R”のような有機基が修飾されたビニルオリゴシロキサンハイブリッドを形成するようになる。
【0017】
非加水ゾル−ゲル法を利用してビニルオリゴシロキサンハイブリッドを製造する場合、有機シランモノマーは、水酸基が修飾された水酸化有機シランと有機シランの縮合反応を通じてビニルオリゴシロキサンハイブリッドが形成されるため、反応温度を低めてゾル−ゲル法を促進するために、好ましくは触媒を投入できる。使用可能な触媒としては、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウムなどのような水酸化金属が使用できる。触媒の投入量は、特に制限されず、モノマーの0.0001〜10mol%として添加するだけで十分である。前記反応は、常温で6〜72時間程度攪拌することで十分であり、反応速度を促進して完全な縮合反応の進行のために、0〜100℃、好ましくは40〜80℃で1乃至10時間縮合反応を誘導して、無機網目構造を形成することができる。
【0018】
また、縮合反応を通じて製造されたビニルオリゴシロキサンハイブリッド内には、副産物であるアルコールが存在するようになるが、これは、大気圧及び減圧下で0〜120℃、好ましくは、−0.1MPa、40乃至80℃の条件で10分乃至1時間行うことにより除去することができる。
【0019】
前記ビニル基を含む有機アルコキシシランは、官能基が置換または非置換された有機鎖及びアルコキシ基が結合されたシラン化合物であって、下記化学式1の化合物またはこれの混合物から選択して使用することができる。
【0020】
[化学式1]
【化3】

【0021】
前記化学式1において、Rは、全てビニル基を含む、(C1〜C20)アルキル、(C3〜C8)シクロアルキル、(C3〜C8)シクロアルキルで置換された(C1〜C20)アルキル、(C2〜C20)アルケニル、(C2〜C20)アルキニル、(C6〜C20)アリールから選択されるか、全てビニル基を含んでいるアクリル基、メタクリル基、アリル基、及びビニル基から選択される1種以上の官能基を有することができて、R乃至Rは、直鎖または分岐鎖の(C1〜C7)アルキルである。
【0022】
より具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、アリールトリメトキシシラン、アリールトリエトキシシラン、N−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリプロポキシシラン、3−アクリルオキシプロピルメチルビス(トリメトキシ)シラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリプロポキシシラン、3−(メト)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メト)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メト)アクリルオキシプロピルトリプロポキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシランまたはこれらの混合物から選択して使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
前記有機シランジオールは、官能基が置換または非置換された有機鎖及び二つの水酸基が結合されたシラン化合物であって、下記化学式2の化合物またはこれの混合物から選択して使用できる。
【0024】
[化学式2]
【化4】

【0025】
前記化学式2において、R及びRは、独立的に、(C1〜C20)アルキル、(C3〜C8)シクロアルキル、(C3〜C8)シクロアルキルが置換された(C1〜C20)アルキル、(C2〜C20)アルケニル、(C2〜C20)アルキニル、(C6〜C20)アリールから選択されるか、アクリル基、メタクリル基、アリル基、ハロゲン基、アミノ基、メルカプト基、エーテル基、エステル基、(C1〜C20)アルコキシ基、スルホン基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハイドライド基、シクロブテン基、カルボニル基、カルボキシル基、アルキド基、ウレタン基、ビニル基、ニトリル基及びエポキシ基から選択される官能基を有することができて、nは、単位体の数であり、単位体の種類は、一つ以上が可能であって、nは、1以上の整数であり、好ましくは、nは、1乃至100000の整数である。
【0026】
具体的な化合物としては、ジフェニルシランジオール、ジイソブチルシランジオール、シラノールターミネイテッドポリジメチルシロキサン、シラノールターミネイテッドジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、シラノールターミネイテッドポリジフェニルシロキサン、シラノールターミネイテッドポリトリフルオロプロピルメチルシロキサンまたはこれの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
前記金属アルコキシドは、アルコキシ基が結合された金属化合物であって、下記化学式3の化合物またはこれの混合物から選択して使用できる。
【0028】
[化学式3]
【化5】


化学式3において、Mは、金属から選択されて、nは、Mの原子価であり、前記Rは、直鎖または分岐鎖の(C1〜C7)アルキルである。
【0029】
前記化学式3において、nは、1〜5、好ましくは3〜5であり、Mは、具体的に、原子価3乃至5の金属であって、アルミニウム、ゲルマニウム、チタニウム、ジルコニウム、タンタルが挙げられる。
【0030】
前記化学式3の具体的な化合物としては、アルミニウムエトキシド、タンタルエトキシド、ゲルマニウムエトキシド、チタニウムエトキシド、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムプロポキシド、チタニウムプロポキシド、アルミニウムイソプロポキシド、ゲルマニウムイソプロポキシド、チタニウムイソプロポキシド、ジルコニウムイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、タンタルブトキシド、アルミニウムt−ブトキシド、チタニウムブトキシド、チタニウムt−ブトキシド、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムt−ブトキシドまたはこれの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
本発明において、ビニル基を含む有機アルコキシシランに有効量の金属アルコキシドが置換された混合物と有機シランジオールの縮合反応を通じて製造されたビニルオリゴシロキサンハイブリッドにおいて、屈折率を高めて、高い縮合度のための金属アルコキシドの添加量は、全体有機アルコキシシラン量に対して1〜80mol%程度置換することが好ましく、さらに好ましくは20〜70mol%である。この量が多すぎると、屈折率は増加するが、透過率が低下する傾向があり、量が少なすぎると、屈折率の増加効果が十分ではない。
【0032】
前記金属アルコキシドは、有機アルコキシシランに比べて有機シランジオールとの反応速度が速いので、均質な樹脂組成物を製造するために、金属アルコキシドの反応速度を有機アルコキシシランの反応速度と類似に調節する必要がある。本発明では、金属アルコキシドの添加時、金属アルコキシドの反応を調節するために、金属キレート剤をさらに添加することが好ましい。金属キレート剤としては、アセチルアセトンなどのβ−ジケトネート化合物、またはアクリル酸、メタクリル酸など、不飽和炭化水素基を有する有機酸を使用することが好ましい。金属キレート剤を添加すると、金属アルコキシドのアルコキシ基と置換されて、金属キレート剤−金属アルコキシド錯化合物が形成される。金属アルコキシドの一部アルコキシド基が金属キレート剤で置換されるように添加量を調節することが好ましく、具体的には、金属アルコキシドのアルコキシドに対して1/5乃至1/2当量で付加することが好ましい。即ち、金属キレート剤を前記範囲で添加することで、反応系内で適切な反応速度で有機シランジオールと反応し、無機網目構造内に金属成分が均一に分散できるようになる。
【0033】
本発明によるビニルオリゴシロキサンハイブリッドの製造時または製造後、粘度を制御して樹脂の安定性を付加するために、本発明の効果に影響を与えない範囲内で溶媒をさらに添加することができる。使用可能な溶媒としては、特に制限はないが、好ましくは、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶媒またはベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、またはメチルイソブチルケトン、1−メチル−2−ピロリジノン、シクロヘキサノン、アセトンなどのケトン系溶媒またはテトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテルなどのエーテル系溶媒、またはエチルアセテート、ブチルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのアセテート系溶媒、またはイソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール系溶媒、またはジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、またはシリコン系溶媒、またはこれらの混合物が使用できる。
【0034】
本発明で製造されたビニルオリゴシロキサンハイブリッドを含有するシロキサン樹脂は、メタル触媒下で珪素結合水素を少なくとも二つ以上含む有機水素珪素化合物とメタル触媒下で水素珪素化反応を通じて熱硬化されて、光学用応用に使用できる。前記有機水素珪素化合物は、化学式4の官能基を少なくとも二つ以上含む。
【0035】
[化学式4]
【化6】

【0036】
具体的な化合物としては、前記化学式4の官能基を少なくとも二つ以上含むフェニルトリスジメチルシロキシシラン、テトラキスジメチルシロキシシラン、トリフルオロプロピルトリスジメチルシロキシシラン、ハイドライドターミネイテッドポリジメチルシロキサン、ハイドライドターミネイテッドポリフェニルメチルシロキサン、トリメチルシロキシターミネイテッドメチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、ハイドライドターミネイテッドメチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシターミネイテッドポリメチルヒドロシロキサン、トリエチルシロキシターミネイテッドポリエチルヒドロシロキサン、ハイドライドターミネイテッドポリフェニル−ジメチルヒドロキシシロキサン、ハイドライドターミネイテッドメチルヒドロシロキサン−フェニルメチルシロキサンコポリマー及びメチルヒドロシロキサン−オクチルメチルシロキサンコポリマーアンドターポリマーから選択される1種以上のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
また、前記少なくとも二つ以上の珪素結合水素を含有する有機水素珪素化合物として、下記化学式5の水素を含む有機アルコキシシランと前記化学式2の有機シランジオールの縮合反応を通じて製造された水素オリゴシロキサンハイブリッド、または前記水素オリゴシロキサンハイブリッドと前記化学式4の官能基を少なくとも二つ以上含む有機水素珪素化合物の混合物が使用できる。
【0038】
[化学式5]
【化7】

【0039】
前記化学式5において、R、R及びR10は、直鎖または分岐鎖(C1〜C7)アルキルである。
【0040】
前記化学式5の具体的な化合物としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシランまたはこれの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記有機水素珪素化合物の添加量は、シロキサン樹脂に含まれたビニル基の当量比に対して添加する。
【0041】
本発明によるビニル基を含むシロキサン樹脂は、卓越な耐光性、耐熱性、透光度及び屈折率を示して、光学材料に適した硬度を有し、成形時、収縮率が少なくて、光素子、ディスプレイ、LEDなどの光学用応用に使用できる理想的な樹脂である。
【0042】
前記熱硬化は、通常的に使用されるメタル触媒下で水素珪素化を通じてなされる。使用可能なメタル触媒としては、プラチナム(O)−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンコンプレックスソリューションインキシレンプラチナム(〜2%)、プラチナム−シクロビニルメチルシロキサンコンプレックス、トリス(ジブチルスルフィド)ロジウムトリクロライドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。触媒の投入量は、特に制限されず、全体樹脂質量に対して白金量が10〜20ppmになるように添加すれば十分である。
【0043】
本発明の前記光学用透明シロキサン樹脂組成物は、
(1)ビニルオリゴシロキサンハイブリッド9.00〜89.99重量%、
(2)二つ以上の珪素結合水素を含有する有機水素珪素化合物10.00〜90.00重量%、及び
(3)メタル触媒0.01〜1.00重量%
の組成比を有する光学用透明シロキサン樹脂組成物であり、80℃以上の温度で熱処理することにより熱硬化できる。また、熱硬化後に180℃以下、具体的には、150℃乃至180℃、好ましくは、150℃以下で熱処理する段階が含まれる。前記硬化温度が180℃を超過して高すぎる場合は、有機官能基間の結合鎖を破壊する恐れがあり、低すぎる場合は、付随的に添加された溶媒の除去がよくなされない可能性がある。
【0044】
本発明による光学用透明シロキサン樹脂組成物は、必要に応じて、不活性充填剤、補強性及び非補強性充填剤、殺菌剤、香料、流動学的添加剤、腐食抑制剤、酸化抑制剤、光安定化剤、難燃剤、電気的特性に影響を及ぼす製剤、分散剤、溶媒、結合剤、顔料、染料、可塑化剤、有機重合体、熱安定化剤、酸化物または窒化物のナノ粒子、防炎剤、及び耐熱剤から選択される1種以上の追加添加剤をさらに含むことができる。追加添加剤は、シロキサン樹脂組成物100重量部に対して0.0001乃至30重量部の比で含む。前記追加添加剤は、公知のものを使用するか、公知の方法により製造して使用することができて、例えば、石英粉、珪藻土、粘土、チョーク、リソポン、カーボンブラック、グラファイト、金属酸化物、金属炭酸塩、硫酸塩、カルボキシル酸の金属塩、金属粉塵、ガラス繊維、合成繊維、重合体粉末、染料、顔料などを含むことができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明により製造された(1)ビニルオリゴシロキサンハイブリッドと、(2)水素と珪素結合を少なくとも二つ以上含む有機水素珪素組成物と、(3)メタル触媒と、からなる光学用透明シロキサン樹脂は、水素珪素化反応を通じて熱硬化されて光学用に応用でき、これは、無機成分と有機成分が分子水準で均一に混合されているため、樹脂の安定性が非常に高く、機械的、熱的特性に非常に優れており、光透過率に優れていると言える。また、各種有機基または有機官能基を付与することができるため、屈折率のような多様な物性の調節が可能である。
【0046】
また、本発明による光学用透明シロキサン樹脂は、耐熱性及び耐光性に優れているだけではなく、高い屈折率を有して、光透過率が高い長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、本発明を下記の実施例によりさらに詳細に説明する。但し、下記実施例は、本発明を例示するためのもので、限定するものではない。
【実施例1】
【0048】
ビニルトリメトキシシラン(VTMS; Vinyl tri-methoxysilane)とジフェニルシランジオール(DPSD; Di-phenylsilane-diol)を1:1(VTMS, 0.1M : DPSD, 0.1M = 14.824g : 21.631g)モル比として200mlフラスコに入れた後、触媒として水酸化バリウムをシランに対して0.1mol%(0.0379g)添加し、80℃で72時間攪拌した後、減圧蒸発器を利用して−0.1MPa、60℃で30分間反応後、樹脂内に残存するメタノールを除去し、ビニル基とフェニル基が修飾された有機オリゴシロキサン樹脂を収得した。製造された有機オリゴシロキサン樹脂(Resin A)に有機水素珪素化合物としてフェニルトリスジメチルシロキシシラン(PTDMSS; Phenyl tris-dimethylsiloxysilane)を1:1当量比(Resin A : PTDMSS = 5g : 1.83g)で添加して、メタル触媒としてプラチナム(0)-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンコンプレックスソリューションインキシレンプラチナム(〜2%)を、全体樹脂質量に対して白金量が10ppmになるように添加(0.003415g)した。この樹脂を、ガラスで作られた1mm厚の型枠に入れた。この型枠を、150℃で2時間硬化を行った。
【実施例2】
【0049】
ビニルトリメトキシシラン(VTMS)とジフェニルシランジオール(DPSD)を0.9:1.1(VTMS, 0.09M : DPSD, 0.11M = 13.342g : 23.794g)モル比として200mlフラスコに入れた後、触媒として水酸化バリウムをシランに対して0.1mol%(0.0379g)添加し、80℃で72時間攪拌した後、減圧蒸発器を利用して−0.1MPa、60℃で30分間反応後、樹脂内に残存するメタノールを除去し、ビニル基とフェニル基が修飾された有機オリゴシロキサン樹脂を収得した。製造された有機オリゴシロキサン樹脂(Resin B)に有機水素珪素化合物としてフェニルトリスジメチルシロキシシラン(PTDMSS)を1:1当量比(Resin B : PTDMSS = 5g : 1.65g)で添加して、メタル触媒としてプラチナム(0)-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンコンプレックスソリューションインキシレンプラチナム(〜2%)を、全体樹脂質量に対して白金量が10ppmになるように添加(0.003325g)した。この樹脂を、ガラスで作られた1mm厚の型枠に入れた。この型枠を、150℃で2時間硬化を行った。
【実施例3】
【0050】
ビニルトリメトキシシラン(VTMS)とチタニウムイソプロポキシド(TIP; Titanium iso-propoxide)、アセチルアセトン(ACAC; Acetylacetone)及びジフェニルシランジオール(DPSD)を1.2:0.8:0.8:3(VTMS, 0.06M : TIP, 0.04M : ACAC, 0.04M : DPSD, 0.15M = 8.89g : 11.37g : 4.00g : 32.45g)モル比として200mlフラスコに入れた後、触媒として水酸化バリウムをシランに対して0.1mol%(0.0549g)添加し、80℃で72時間攪拌した後、パラ-キシレンを総重量の10%(4.71g)だけ添加して、減圧蒸発器を利用し−0.1MPa、60℃で30分間反応後、樹脂内に残存するメタノールを除去し、ビニル基とフェニル基が修飾された有機オリゴシロキサン樹脂を収得した。製造された有機オリゴシロキサン樹脂(Resin C)に有機水素珪素化合物としてフェニルトリスジメチルシロキシシラン(PTDMSS)を1:1当量比(Resin C : PTDMSS = 5g : 0.702g)で添加して、メタル触媒としてプラチナム(0)-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンコンプレックスソリューションインキシレンプラチナム(〜2%)を、全体樹脂質量に対して白金量が10ppmになるように添加(0.002851g)した。この樹脂を、ガラスで作られた1mm厚の型枠に入れた。この型枠を、150℃で2時間硬化を行った。
【実施例4】
【0051】
ビニルトリメトキシシラン(VTMS)とジルコニウムイソプロポキシド(ZIP; Zirconium iso-propoxide)、メタクリル酸(MAA; meta-Acrylic acid)及びジフェニルシランジオール(DPSD)を1.2:0.8:0.8:3(VTMS, 0.06M : ZIP, 0.04M : MAA, 0.04M : DPSD, 0.15M = 8.89g : 13.10g : 3.44g : 32.45g)モル比として200mlフラスコに入れた後、触媒として水酸化バリウムをシランに対して0.1mol%(0.0549g)添加し、80℃で72時間攪拌した後、パラ-キシレンを総重量の10%(4.827g)だけ添加して、減圧蒸発器を利用し−0.1MPa、60℃で30分間反応後、樹脂内に残存するメタノールを除去し、ビニル基とフェニル基が修飾された有機オリゴシロキサン樹脂を収得した。製造された有機オリゴシロキサン樹脂(Resin D)に有機水素組成物としてフェニルトリスジメチルシロキシシラン(PTDMSS)を1:1当量比(Resin D : PTDMSS = 5g : 0.6849g)で添加して、メタル触媒としてプラチナム(0)-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンコンプレックスソリューションインキシレンプラチナム(〜2%)を、全体樹脂質量に対して白金量が10ppmになるように添加(0.002842g)した。この樹脂を、ガラスで作られた1mm厚の型枠に入れた。この型枠を、150℃で2時間硬化を行った。
【実施例5】
【0052】
トリエトキシシラン(TES; Tri-ethoxysilane)とジフェニルシランジオール(DPSD)を1:1(TES, 0.1M : DPSD, 0.1M = 16.427g : 21.631g)モル比として200mlフラスコに入れた後、触媒として水酸化バリウムをシランに対して0.1mol%(0.0379g)添加し、80℃で72時間攪拌した後、減圧蒸発器を利用して−0.1MPa、60℃で30分間反応後、樹脂内に残存するメタノールを除去し、水素基とフェニル基が修飾された有機オリゴシロキサン樹脂(Resin E)を収得した。有機水素珪素化合物で製造された前記樹脂を、実施例1で製造されたビニル基とフェニル基が修飾された有機オリゴシロキサン樹脂(Resin A)に1:1当量比で添加(Resin A : Resin E = 5g : 5.2667g)して、メタル触媒としてプラチナム(0)-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンコンプレックスソリューションインキシレンプラチナム(〜2%)を、全体樹脂質量に対して白金量が10ppmになるように添加(0.005133g)した。この樹脂を、ガラスで作られた1mm厚の型枠に入れた。この型枠を、150℃で2時間硬化を行った。
【実施例6】
【0053】
有機水素珪素化合物で製造された実施例5の水素基とフェニル基で修飾された有機オリゴシロキサン樹脂(Resin E)を、実施例2で製造されたビニル基とフェニル基が修飾された有機オリゴシロキサン樹脂(Resin B)に1:1当量比で添加(Resin B : Resin E = 5g : 4.7386g)して、メタル触媒としてプラチナム(0)-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンコンプレックスソリューションインキシレンプラチナム(〜2%)を、全体樹脂質量に対して白金量が10ppmになるように添加(0.004869g)した。この樹脂を、ガラスで作られた1mm厚の型枠に入れた。この型枠を、150℃で2時間硬化を行った。
【実施例7】
【0054】
有機水素珪素化合物で製造された実施例5の水素基とフェニル基で修飾された有機オリゴシロキサン樹脂(Resin E)を、実施例3で製造された、チタニウムを含んでビニル基とフェニル基が修飾された有機オリゴシロキサン樹脂(Resin C)に1:1当量比で添加(Resin C : Resin E = 5g : 2.0157g)して、メタル触媒としてプラチナム(0)-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンコンプレックスソリューションインキシレンプラチナム(〜2%)を、全体樹脂質量に対して白金量が10ppmになるように添加(0.003508g)した。この樹脂を、ガラスで作られた1mm厚の型枠に入れた。この型枠を、150℃で2時間硬化を行った。
【実施例8】
【0055】
有機水素珪素化合物で製造された実施例5の水素基とフェニル基で修飾された有機オリゴシロキサン樹脂(Resin E)を、実施例4で製造された、ジルコニウムを含んでビニル基とフェニル基が修飾された有機オリゴシロキサン樹脂(Resin D)に1:1当量比で添加(Resin D : Resin E = 5g : 1.9668g)して、メタル触媒としてプラチナム(0)-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンコンプレックスソリューションインキシレンプラチナム(〜2%)を、全体樹脂質量に対して白金量が10ppmになるように添加(0.003483g)した。この樹脂を、ガラスで作られた1mm厚の型枠に入れた。この型枠を、150℃で2時間硬化を行った。
【0056】
[評価]
前記実施例1乃至実施例8で得られたサンプルの物性を下記のような方法で評価し、その結果を表1乃至表4に示した。
【0057】
(a)縮合度
Bruker社の核磁気共鳴分光器(BrukerBiospin DMX600)を使用して測定し、測定されたデータから次の式を利用して縮合度を計算した。そして、実施例5で製造された水素基とフェニル基が修飾された有機オリゴシロキサン樹脂の縮合度は、上記と同一な方法により計算された。
【0058】
【数1】

【0059】
D0, D1, D2, T0, T1, T2, T3は、以下の通りである。
【0060】
【化8】

【0061】
ここで、R’は、有機官能基であり、Rは、フェニル基である。
【0062】
(b)透過率
Shimadzu CorporationのUV/VIS/NIRスペクトル分析器UV-3101PCを使用して450nm波長で測定した。
【0063】
(c)屈折率
633nm波長でPrism coupler(Pennington, Metricon 2010)を利用して測定した。
【0064】
(d)耐光性
試料を365nm波長のランプに600時間露出した後、透過率を測定した。
【0065】
(e)耐熱性
試料を120℃オーブンに600時間入れておいた後、透過率を測定した。
【0066】
(f)硬度
Schmidt社のショア硬度測定器HPSDを使用して測定し、その結果値をShore D値として示した。
【0067】
(g)熱安定性
TA instrument社のTGA(thermogravimatric analysis; TGA Q50)を使用して測定し、常温から800℃まで窒素雰囲気下で加熱した時、サンプルの重量が5%減少される時点の温度を示す。
【0068】
【表1】

【0069】
【表2】

【0070】
【表3】

【0071】
【表4】

【0072】
表1は、実施例によるサンプルの屈折率と硬度を示し、表2は、実施例で製造されたサンプルに600時間紫外線を照射する前後の透過率を示しており、表3は、実施例で製造されたサンプルに120℃で600時間熱処理する前後の透過率を示している。そして、表4は、実施例で製造されたサンプルを窒素雰囲気下で常温から800℃まで5℃/minの昇温速度で加熱した時、サンプルの重量が5%減少される時点の温度を示す。
【0073】
前記実施例3と実施例4、及び実施例7と実施例8は、それぞれ実施例1と実施例5のシロキサン樹脂に金属アルコキシドが付加された場合であって、実施例1及び5と比較してみると、縮合度及び屈折率が著しく向上されたことが分かる。
【0074】
また、前記実施例の結果から、本発明による光学用透明シロキサン樹脂は、優れた耐光性及び耐熱性だけではなく、光学用応用に適した透光度、屈折率、及び硬度を有するため、光素子、ディスプレイ、LEDなどの多様な光学用応用に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)ビニルオリゴシロキサンハイブリッドと、(2)二つ以上の珪素結合水素を含有する有機水素珪素化合物と、(3)メタル触媒と、を含む光学用透明シロキサン樹脂組成物。

【請求項2】
前記ビニルオリゴシロキサンハイブリッドは、ビニル基を含む有機アルコキシシランまたはビニル基を含む有機アルコキシシランと金属アルコキシドとの混合物を有機シランジオールと非加水縮合反応して製造されることを特徴とする、請求項1に記載の光学用透明シロキサン樹脂組成物。

【請求項3】
前記ビニル基を含む有機アルコキシシランは、下記化学式1の化合物またはこれの混合物から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の光学用透明シロキサン樹脂組成物。
[化学式1]
【化1】


(前記化学式1において、Rは、全てビニル基を含む、(C1〜C20)アルキル基、(C3〜C8)シクロアルキル基、(C3〜C8)シクロアルキルで置換された(C1〜C20)アルキル基、(C2〜C20)アルケニル基、(C2〜C20)アルキニル基、(C6〜C20)アリール基、アクリル基、メタクリル基、アリル基、及びビニル基から選択される1種以上の官能基を有することができて、R乃至Rは、独立的に直鎖または分岐鎖の(C1〜C7)アルキル基である。)

【請求項4】
前記ビニル基を含む有機アルコキシシランは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、アリールトリメトキシシラン、アリールトリエトキシシラン、N−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリプロポキシシラン、3−アクリルオキシプロピルメチルビス(トリメトキシ)シラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリプロポキシシラン、3−(メト)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メト)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メト)アクリルオキシプロピルトリプロポキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の光学用透明シロキサン樹脂組成物。

【請求項5】
前記有機シランジオールは、下記化学式2の化合物またはこれの混合物から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の光学用透明シロキサン樹脂組成物。
[化学式2]
【化2】


(前記化学式2において、R及びRは、独立的に、(C1〜C20)アルキル基、(C3〜C8)シクロアルキル基、(C3〜C8)シクロアルキル基が置換された(C1〜C20)アルキル基、(C2〜C20)アルケニル基、(C2〜C20)アルキニル基、アクリル基、メタクリル基、アリル基、ハロゲン基、アミノ基、メルカプト基、エーテル基、エステル基、(C1〜C20)アルコキシ基、スルホン基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハイドライド基、シクロブテン基、カルボニル基、カルボキシル基、アルキド基、ウレタン基、ビニル基、ニトリル基及びエポキシ基から選択される官能基を有することができて、nは、単位体の数であり、単位体の種類は、一つ以上が可能であって、nは、1乃至100000の整数である。)

【請求項6】
前記有機シランジオールは、ジフェニルシランジオール、ジイソブチルシランジオール、シラノールターミネイテッドポリジメチルシロキサン、シラノールターミネイテッドジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、シラノールターミネイテッドポリジフェニルシロキサン、シラノールターミネイテッドポリトリフルオロプロピルメチルシロキサンまたはこれの混合物から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の光学用透明シロキサン樹脂組成物。

【請求項7】
前記金属アルコキシドは、下記化学式3の化合物またはこれの混合物から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の光学用透明シロキサン樹脂組成物。
[化学式3]
【化3】


(化学式3において、Mは、アルミニウム、ゲルマニウム、チタニウム、ジルコニウム及びタンタルから選択されて、nは、Mの原子価であり、前記Rは、直鎖または分岐鎖の(C1〜C7)アルキル基である。)

【請求項8】
前記金属アルコキシドは、アルミニウムエトキシド、タンタルエトキシド、ゲルマニウムエトキシド、チタニウムエトキシド、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムプロポキシド、チタニウムプロポキシド、アルミニウムイソプロポキシド、ゲルマニウムイソプロポキシド、チタニウムイソプロポキシド、ジルコニウムイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、タンタルブトキシド、アルミニウムt−ブトキシド、チタニウムブトキシド、チタニウムt−ブトキシド、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムt−ブトキシドまたはこれの混合物から選択されることを特徴とする、請求項7に記載の光学用透明シロキサン樹脂組成物。

【請求項9】
前記金属アルコキシドは、ビニル基を含む有機アルコキシシランに対して1〜80mol%使用されることを特徴とする、請求項2に記載の光学用透明シロキサン樹脂組成物。

【請求項10】
前記ビニル基を含む有機アルコキシシランと金属アルコキシドの混合物は、金属キレート剤をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の光学用透明シロキサン樹脂組成物。

【請求項11】
前記金属キレート剤は、金属アルコキシドのアルコキシドに対して0.2乃至0.5当量を含むことを特徴とする、請求項10に記載の光学用透明シロキサン樹脂組成物。

【請求項12】
前記金属キレート剤は、β−ジケトネート化合物、及び不飽和炭化水素基を有する有機酸から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の光学用透明シロキサン樹脂組成物。

【請求項13】
前記反応は、水酸化金属触媒下でなされる縮合反応であることを特徴とする、請求項2に記載の光学用透明シロキサン樹脂組成物。

【請求項14】
前記二つ以上の珪素結合水素を含有する有機水素珪素化合物は、下記化学式4の官能基を少なくとも二つ以上含むフェニルトリスジメチルシロキシシラン、テトラキスジメチルシロキシシラン、トリフルオロプロピルトリスジメチルシロキシシラン、ハイドライドターミネイテッドポリジメチルシロキサン、ハイドライドターミネイテッドポリフェニルメチルシロキサン、トリメチルシロキシターミネイテッドメチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、ハイドライドターミネイテッドメチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシターミネイテッドポリメチルヒドロシロキサン、トリエチルシロキシターミネイテッドポリエチルヒドロシロキサン、ハイドライドターミネイテッドポリフェニル−ジメチルヒドロキシシロキサン、ハイドライドターミネイテッドメチルヒドロシロキサン−フェニルメチルシロキサンコポリマー及びメチルヒドロシロキサン−オクチルメチルシロキサンコポリマーアンドターポリマーから選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の光学用透明シロキサン樹脂組成物。
[化学式4]
【化4】



【請求項15】
前記二つ以上の珪素結合水素を含有する有機水素珪素化合物は、下記化学式2のシランジオールと化学式5のアルコキシシランの縮合反応により製造された水素オリゴシロキサンハイブリッド、またはこれと、下記化学式4の官能基を少なくとも二つ以上含むフェニルトリスジメチルシロキシシラン、テトラキスジメチルシロキシシラン、トリフルオロプロピルトリスジメチルシロキシシラン、ハイドライドターミネイテッドポリジメチルシロキサン、ハイドライドターミネイテッドポリフェニルメチルシロキサン、トリメチルシロキシターミネイテッドメチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、ハイドライドターミネイテッドメチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシターミネイテッドポリメチルヒドロシロキサン、トリエチルシロキシターミネイテッドポリエチルヒドロシロキサン、ハイドライドターミネイテッドポリフェニル−ジメチルヒドロキシシロキサン、ハイドライドターミネイテッドメチルヒドロシロキサン−フェニルメチルシロキサンコポリマー及びメチルヒドロシロキサン−オクチルメチルシロキサンコポリマーアンドターポリマーから選択される1種以上との混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の光学用透明シロキサン樹脂組成物。
[化学式2]
【化5】


[化学式4]
【化6】


[化学式5]
【化7】


(前記化学式2及び化学式5において、R及びRは、独立的に、(C1〜C20)アルキル基、(C3〜C8)シクロアルキル基、(C3〜C8)シクロアルキル基が置換された(C1〜C20)アルキル基、(C2〜C20)アルケニル基、(C2〜C20)アルキニル基、アクリル基、メタクリル基、アリル基、ハロゲン基、アミノ基、メルカプト基、エーテル基、エステル基、(C1〜C20)アルコキシ基、スルホン基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハイドライド基、シクロブテン基、カルボニル基、カルボキシル基、アルキド基、ウレタン基、ビニル基、ニトリル基及びエポキシ基から選択される1種以上の官能基を有することができて、R、R及びR10は、独立的に直鎖または分岐鎖の(C1〜C7)アルキルであり、nは、単位体の数であり、単位体の種類は、一つ以上が可能であって、nは、1乃至100000の整数である。)

【請求項16】
前記化学式5のアルコキシシランは、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、及びこれの混合物から選択されることを特徴とする、請求項15に記載の光学用透明シロキサン樹脂組成物。

【請求項17】
前記メタル触媒は、プラチナム(O)−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンコンプレックスソリューションインキシレンプラチナム(〜2%)、プラチナム−シクロビニルメチルシロキサンコンプレックス、トリス(ジブチルスルフィド)ロジウムトリクロライドから選択される水素珪素化触媒であることを特徴とする、請求項1に記載の光学用透明シロキサン樹脂組成物。

【請求項18】
前記光学用透明シロキサン樹脂組成物の組成比は、
(1)ビニルオリゴシロキサンハイブリッド9.00〜89.99重量%、
(2)二つ以上の珪素結合水素を含有する有機水素珪素化合物10.00〜90.00重量%、及び
(3)メタル触媒0.01〜1.00重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の光学用透明シロキサン樹脂組成物。

【請求項19】
前記光学用透明シロキサン樹脂組成物は、不活性充填剤、補強性及び非補強性充填剤、殺菌剤、香料、流動学的添加剤、腐食抑制剤、酸化抑制剤、光安定化剤、難燃剤、電気的特性に影響を及ぼす製剤、分散剤、溶媒、結合剤、顔料、染料、可塑化剤、有機重合体、熱安定化剤、酸化物または窒化物のナノ粒子、防炎剤、及び耐熱剤から選択される1種以上の添加剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の光学用透明シロキサン樹脂組成物。

【公開番号】特開2011−32470(P2011−32470A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−163548(P2010−163548)
【出願日】平成22年7月21日(2010.7.21)
【出願人】(592127149)韓国科学技術院 (129)
【氏名又は名称原語表記】KOREA ADVANCED INSTITUTE OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】373−1,Gusung−dong,Yuseong−ku,Daejeon 305−701 KR
【Fターム(参考)】