説明

光学素子及び光集積デバイス

【課題】Si基板等の任意の基板上に形成した高速、小型で低電圧駆動の光変調器等の光学素子、光集積デバイスを提供する。
【解決手段】基板と、前記基板上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成され、電気光学材料よりなる導波層を有する光導波路構造とを有する光学素子であって、前記下部電極が金属導電層と透明導電層よりなり、前記透明導電層が前記光導波路構造と接していることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信、光配線、光ストレージに用いられる光学素子、それを集積した光集積デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
電界と物質の相互作用により屈折率が変化する電気光学効果は、その高速性、電圧駆動であることによる低消費電力性、構造の単純性から、光変調器に応用されている。LiNbOを用いた光変調器では、単結晶LiNbO基板上にTi拡散法によりマッハツエンダー型導波路を形成し、電極を組み合わせることで光変調器を形成している。電圧を印加することで、導波路の屈折率を変化させ、光信号のON/OFFをおこなうことができる。しかし、単結晶基板を用いる必要があることから高価であること、また、LiNbOの電気光学効果が小さく、プレナー電極構造であることから導波路の長さが必要になり、素子サイズがcm台と非常に大きいという欠点がある。
【0003】
透明セラミックスであるPb1−xLa(ZrTi1−y1−x/4(=PLZT)は、現行の光変調器に用いられているLiNbO単結晶より二桁近く電気光学係数が大きいことから、光素子の小型化による低コスト化、低消費電力化、および高速化が期待でき、これまでゾルゲル法による薄膜化の検討がなされてきている(非特許文献1ならびに非特許文献2参照)。しかし、光の透過率が高く電気光学効果の大きな薄膜を形成するためには、エピタキシャル成長をさせる必要があり、下地材料として単結晶基板が必要になることからシリコン系導波路等の他基板上の形成が困難であること、光学素子に必要な膜厚をゾルゲル法で形成するためには長時間の成膜プロセスを必要とすることから高価になるという欠点があった。
【0004】
LiNbO、PLZT等の電気光学材料はいずれも強誘電性材料であり、その特性はそれぞれの化合物に特有の結晶構造を形成した場合に発現する。このため電気光学材料を光学素子として利用するためには、それ自身の単結晶基板を用いるか、単結晶基板上に電気光学材料をエピタキシャル成長させることが、必須と考えられてきた。特許文献1では、単結晶基板上に高品質な光導波路層の形成するために、基板上に格子整合層を形成し、その上部に光導波路層を形成する技術が開示されている。また、特許文献2では、酸化マグネシウム基板上に高品質な光導波路層の形成するために、基板上に応力緩和層を形成し、その上部に光導波路層を形成する技術が開示されている。
【0005】
今後、光とエレクトロニクスの1チップ上の集積を可能とするナノフォトニックデバイスの実現が大きな革新技術として求められている。これを実現するためにはCPU、メモリー等のLSIと光スイッチ等の能動光学素子を同一基板上に形成する技術が必要であり、シリコンや石英基板上にPLZT等の電気光学材料を、高い結晶性で成膜する技術が求められている。異種基板上への電気光学素子を形成する技術として、薄層化したバルク電気光学材料を直接接合する技術が知られており、電気光学素子の導波特性を確保するために単層もしくは多層構造の中間層を設けることが報告されている(特許文献3参照)。
【0006】
一方、酸化物の新たな膜形成技術として、常温衝撃固化現象を利用したエアロゾルデポジション(AD法)が開発されている。AD法は超微粒子材料の衝突付着現象を利用している。従来の薄膜形成法に比べ高い成膜速度と低いプロセス温度の実現が期待されている(非特許文献3)。また、AD法は、膜特性が下地層に依存しないことから、基板を自由に選択することができる。
【0007】
特許文献4に開示されている技術はAD法の形成方法であり、基板上に供給した超微粒子脆性材料に機械的衝撃を負荷して粉砕して前記超微粒子脆性材料同士及び前記超微粒子脆性材料と前記基板とを接合させることを特徴としている。これにより、超微粒子相互の接合を実現し、熱を加えることなく、高密度、高強度の膜が形成される。
【0008】
特許文献5に開示されている技術はAD法により形成された構造物に関するものであり、構造物は結晶配向性がない多結晶体であり、ガラス層からなる粒界層が実質的にないことを特徴としている。
【0009】
このAD法を用いた透明度の高い電気光学材料の薄膜成形に関する検討がなされている(非特許文献4参照)。それによると、光学素子の基本特性である、AD膜の透過損失は、成形体を形成する微粒子、及び屈折率を異にする非成形体微粒子のレイリー散乱によることが明らかにされている。
【0010】
特許文献6に開示されている技術はAD法による光学素子、光集積デバイス、光情報伝搬システム及びその製造法に関するものであり、基板上に供給した超微粒子脆性材料に機械的衝撃力を負荷して前記超微粒子脆性材料を粉砕、接合させる衝撃固化現象により成形体を形成した光学素子であって、前記光学素子に含有されるポア(空孔)、異相等の屈折率が成形体の主たる構成体と異なる部分の平均半径d(nm)と前記成形体を伝搬する光の波長λ(nm)の間にd/λ<4×10−5nmの関係があることを特徴としている。さらに、光学素子として、基板上に形成された下部電極と、この下部電極上に超微粒子脆性材料に機械的衝撃力を負荷して前記超微粒子脆性材料を粉砕、接合させる衝撃固化現象により形成された成型体よりなる導波路と、この導波路上に形成された上部電極とからなる構造が開示されている。
【0011】
また、光導波路中の光伝播損失を増加させることなく、スイッチング電圧を低減することを目的として、光導波路層の上に形成される制御用電極として、二層構造の透明電極を用いるものがある(特許文献7参照)。特許文献7には、制御用電極の電気抵抗を低減し、動作速度を向上させるために制御電極の上部に金属層を設けることも記載されている。
【0012】
【非特許文献1】K. D. Preston and G. H. Haertling : Appl. Phys. Lett. 60 (1992) 2831.
【非特許文献2】K. Nashimoto, K. Haga, M. Watanabe, S. Nakamura and E. Osakabe : Appl. Phys. Lett. 75 (1999) 1054.
【非特許文献3】Jun Akedo and Maxim Lebedev: Jpn. J. Appl. Phys. 38 (1999) 5397.
【非特許文献4】Masafumi Nakada, Keishi Ohashi and Jun Akedo: J. of Crys. Growth, 275(2005)e1275.
【特許文献1】特開2004−144935号公報
【特許文献2】特開2003−177262号公報
【特許文献3】特開2004−145261号公報
【特許文献4】特開2001−3180号公報
【特許文献5】特開2002−235181号公報
【特許文献6】特開2005−181995号公報
【特許文献7】特開2003−21850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
電気光学効果を利用した高速、小型で低電圧駆動の光変調器をSi基板等の任意の基板上に形成するためには、基板上に形成した任意の下部電極上に電気光学材料からなるコア層を有する光導波路層を形成し、光導波路層を下部、上部電極で挟み込む構造を実現することが有効である。この構造をとることで、電界を導波路に有効に作用させることができ、光学素子の小型化もしくは低消費電力化が可能となる。これらの電極材料には、電気抵抗の小さな金属材料を用いることが、光学素子の高速動作を可能にすることから望ましい。しかし、金等の金属材料からなる下部電極上に電気光学材料膜からなる光導波路層を形成する場合、導波損失を低減するためにクラッド層を厚くすると、電気光学材料からなるコア層に作用する電界は低減し、駆動電圧が高くなるという課題がある。
【0014】
なお、特許文献7に記載された導波路型光制御デバイスは、単結晶基板上に光導波路を形成するものであり、下部電極に金属材料を用いた場合に生じる上記問題点及びその問題点を解決する手段について全く開示も示唆もしていない。
【0015】
本発明は上記の如き事情に鑑みてなされたものであって、任意の基板上に形成された高速、小型で低電圧駆動の光変調器等の光学素子を提供することを目的とする。また、その光学素子を用いた光集積デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は上記の如き事情に鑑みてなされたものであって、任意の基板上に金属導電層と透明導電層からなる下部電極を形成し、透明電極層上に電気光学材料からなるコア層を有する光導波路層を形成することで、導波損失が小さく、低電圧駆動の光変調器が実現可能であるという発見からなされたものである。
【0017】
即ち、本発明の第1の要旨に係る光学素子は、基板と、前記基板上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成され、電気光学材料よりなる導波層を有する光導波路構造とを有する光学素子であって、前記下部電極が金属導電層と透明導電層よりなり、前記透明導電層が前記光導波路構造と接していることを特徴としている。
【0018】
下部電極を金属導電層と透明導電層の二層にすることで、導波損失が小さく、低電圧駆動の光変調器等の光学素子を実現することができる。
【0019】
本発明の第2の要旨に係る光学素子は、基板と、前記基板上に形成された下部電極と、前記下部電極上に供給した超微粒子脆性材料に機械的衝撃力を負荷して前記超微粒子脆性材料を接合させ成形体を形成し、前記成形体よりなる電気光学材料の導波層を有する光導波路構造とを有する光学素子であって、前記下部電極が金属導電層と透明導電層よりなり、前記透明導電層が前記光導波路構造と接していることを特徴としている。
【0020】
このような成形体を用いることで、Si等の任意の基板上に、導波損失が小さく、低電圧駆動の光変調器等の光学素子を実現することができる。
【0021】
本発明の第3の要旨に係る光学素子は、第1または第2の要旨に係る光学素子において、前記光導波路構造がコア層と、該コア層の上下に形成された上部クラッド層及び下部クラッド層とからなることを特徴としている。コア層の上下にクラッド層を形成することで、導波光をコア層に閉じ込めることができ、導波損失を小さくすることが可能になる。
【0022】
本発明の第4の要旨に係る光学素子は、第1、第2または第3の要旨に係る光学素子において、前期光導波路層上に上部電極が、前記下部電極と対向するように形成されていることを特徴としている。下部、上部電極で挟み込む構造をとることで小型化もしくは低消費電力化が可能な光変調器、光スイッチ等の光学素子を形成することができる。
【0023】
本発明の第5の要旨に係る光学素子は、第4の要旨に係る光学素子において、前記上部電極が、金属導電層と透明導電層よりなり、前記透明導電層が前記光導波路構造と接していることを特徴としている。上部電極層を金属導電層と透明導電層の二層とし、透明導電層を光導波路構造と接するようにすることで、導波損失を低減することが可能になる。
【0024】
本発明の第6の要旨に係る光学素子は、第1乃至第5の要旨のいずれかに係る光学素子において、透明電極層がITO,IZO,ZnOのいずれか、もしくは複数を主成分とすることを特徴としている。ITO,IZO,ZnOのいずれも、光学吸収が小さく電気抵抗の低い材料であり、本発明の透明電極材料に適している。
【0025】
本発明の第7の要旨に係る光学素子は、第1乃至第5の要旨のいずれかに係る光学素子において、下部電極を構成する金属材料が金、銀、銅、Ir,Ru,W,Moのいずれか、もしくは複数を主成分とする金属層からなることを特徴としている。金、銀、銅、Ir,Ru,W,Moはいずれも電気抵抗が低く、光学素子の下部電極に適している。
【0026】
本発明の第8の要旨に係る光学素子は、第1乃至第5の要旨のいずれかに係る光学素子が、電極に電気信号を印加することで光を制御する光変調器または光スイッチであることを特徴としている。本発明により高速応答可能で、下部、上部電極で挟み込む構造をとることで小型化もしくは低消費電力化が可能な光変調器、光スイッチを形成することができる。
【0027】
本発明の第9の要旨に係る光集積デバイスは、基板と、前記基板上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成され、電気光学材料よりなる導波層を有する光導波路構造とを有する第1の光学素子と第2の光学素子の少なくとも1つを基板上に集積する光集積デバイスであって、前記下部電極が金属導電層と透明導電層よりなり、前記透明導電層が前記光導波路構造と接していることを特徴としている。こうすることで、複数の光学素子を集積化できる。
【0028】
本発明の第10の要旨に係る光集積デバイスは、基板と、基板上に形成された下部電極と、前記下部電極上に供給した超微粒子脆性材料に機械的衝撃力を負荷して前記超微粒子脆性材料を接合させ成形体を形成し、前記成形体よりなる電気光学材料の導波層を有する光導波路構造とを有する第1の光学素子と第2の光学素子の少なくとも1つを基板上に集積する光集積デバイスであって、前記下部電極が金属導電層と透明導電層よりなり、前記透明導電層が前記光導波路構造と接していることを特徴としている。本発明では、製造プロセスが異なるために困難であった複数の光学素子の集積化を、どのような下地材料上でも室温で形成可能な衝撃固化現象により形成することで可能にしている。
【0029】
本発明の第11の要旨に係る光集積デバイスは、第9または第10の要旨に係る光集積デバイスにおいて、前記第2の光学素子は、レーザー、電気光変換器、光電気変換器、光増幅器、光スイッチまたは光フィルターのいずれか一つであることを特徴とする。
【0030】
本発明の第12の要旨に係る光集積デバイスは、基板と、前記基板上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成され、電気光学材料よりなる導波層を有する光導波路構造とを有する光学素子と電子回路の少なくとも1つを基板上に集積する光集積デバイスであって、前記下部電極が金属導電層と透明導電層よりなり、前記透明導電層が前記光導波路構造と接していることを特徴とする。本発明により、光学素子と電子回路の同一基板上での集積化が可能となる。
【0031】
本発明の第13の要旨に係る光集積デバイスは、基板と、前記基板上に形成された下部電極と、前記下部電極上に供給した超微粒子脆性材料に機械的衝撃力を負荷して前記超微粒子脆性材料を接合させ成形体を形成し、前記成形体よりなる電気光学材料の導波層を有する光導波路構造とを有する光学素子と電子回路の少なくとも1つを基板上に集積する光集積デバイスであって、前記下部電極が金属導電層と透明導電層よりなり、前記透明導電層が前記光導波路構造と接していることを特徴としている。本発明では、製造プロセスが異なるために困難であった光学素子と電子回路の同一基板上での集積化を、どのような下地材料上でも室温で形成可能な衝撃固化現象により形成することで可能にしている。
【0032】
本発明の第14の要旨に係る光集積デバイスは、第12または第13の要旨に係る光集積デバイスにおいて、前記電子回路は、中央処理装置またはメモリーであることを特徴とする。
【0033】
本発明の第15の要旨に係る光学素子または光集積デバイスは、第1,2,9,10,12または13の光学素子または光集積デバイスにおいて、前記電気光学材料が、ジルコン酸チタン酸鉛、またはランタンが添加されたジルコン酸チタン酸鉛が主な成分であることを特徴としている。これにより、小型で低電圧駆動の光変調器等の能動素子、デバイスが可能となる。
【発明の効果】
【0034】
本発明により、任意の基板上に金属導電層と透明導電層からなる下部電極を形成し、透明電極層上に電気光学材料からなるコア層を有する光導波路層を形成することで、導波損失が小さく、低電圧駆動の光変調器等の光学素子が実現可能となり、それにより高い性能の光学素子、および光集積デバイスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0036】
まず、下部電極層が金属層単層である場合と、透明電極層単層である場合について説明し、それぞれの問題点を明らかにする。
【0037】
図1(1)は、金属層単層を下部電極11とし、その上に下部クラッド層12、コア層13、上部クラッド層14が形成され、その上部に上部金属電極層15が形成されたリッジ型導波路の断面構造の模式図である。この構造における電界パタンを図1(2)に、導波損失を図1(3)にそれぞれ示す。計算にはビーム伝播法を用い、波長1.55μmで計算した。下部クラッド層と上部クラッド層の屈折率は2.2とし、膜厚は下部クラッド層が1.5μm、上部クラッド層が1μmとした。コア層の膜厚は1μm、屈折率は2.4である。クラッド層としてSiTiOを、コア層としてPZTを想定している。この場合の導波損失は0.14mm/dBであり、光デバイスとして用いるには適当な値である。これは、クラッド層が充分厚いため、コア層からクラッド層に広がった電磁界が、光学吸収の大きな金属電極により吸収されないためである。
【0038】
図2は、図1(1)の構造の導波路でマッハツエンダー型変調器を構成した場合の消光特性の計算結果を示すグラフである。クラッド層の誘電率を100、コア層の誘電率を500とした。横軸は印加電圧、縦軸は光出力である。電圧が印加される変調部の長さを1mmとしている。3dBの消光比を取るためには、8Vのバイアス電圧を印加し、5Vppの電圧で駆動する必要がある。駆動電圧5Vppは、大きな値でこれを低減する必要がある。駆動電圧が大きな理由はクラッド層の誘電率が低く、そこで電圧降下が起こるためである。従って、クラッド層の厚さを薄くすることが、駆動電圧の低減には必要である。
【0039】
図3(1)は、クラッド層の屈折率を小さくし、層厚を薄くした場合の電界パタン、図3(2)は、その場合の導波損失を示す図である。計算にはビーム伝播法を用いた。下部クラッド層と上部クラッド層の膜厚はともに0.5μm、屈折率は2.05とした。SrTiOの屈折率は成膜方法を制御することで、ある程度のコントロールは可能である。コア層の膜厚は1μm、屈折率は2.4である。図1の構造と比較して、クラッド層の屈折率を低くし、コア層に電磁界を閉じ込めることで、クラッド層の厚さを薄くしている。しかし、この場合の導波損失は5.4mm/dBであり、光デバイスとして用いるには大きすぎる値である。これは、コア層から広がった電磁界が、光学吸収の大きな金属電極により吸収されてしまうためである。
【0040】
図4は、透明電極材料であるITOを下部電極兼下部クラッド層41とし、コア層をPLZT42、その上部にITOからなる上部クラッド層兼上部電極層43が形成された場合の逆リッジ型導波路の断面構造の模式図である。下部電極兼下部クラッド層41とPLZT42との間には、部分的にSiO層44が設けられている。リッジ高さは0.5μm、リッジ幅は2μmとした。このときの導波損失のITO層の消衰係数k依存性は、下記の表1のようになる。
【0041】
【表1】

【0042】
表1より、消衰係数kの増加に伴い導波損失は増加することが分かる。透明電極であるITOでは、消衰係数kが増加すると電気抵抗が減少する関係がある。これは、ITOの電気特性がフリーキャリアにより規定されており、フリーキャリアの増加により電気抵抗は低下するが、光学吸収も増加することによる。
【0043】
図5にITOの電気抵抗と消衰係数kの関係を示す。実験に用いた試料はスパッタ法で作製し、成膜条件を変えることで、電気特性を変化させている。計算にはドルーデ(Drude)モデルを用いている。導波損失が十分小さい消衰係数k=0.002における電気抵抗は0.02Ω・cmであり、電極として用いるには抵抗が高すぎ、高速駆動は困難である。従って、透明電極であるITOをクラッド層と兼用で用いる構造は変調機構造として適していない。
【0044】
以上のように、下部電極として金属層単層を用いる場合や、透明電極を下部電極兼クラッド層として用いる場合には、駆動電圧が高いまたは導波損失が大きいという問題点がある。
【0045】
次に、本発明の一実施の形態に係る光学素子について説明する。
【0046】
図6(1)は、金属電極61上に透明電極ITO層62を積層した二層膜を下部電極とし、その上に下部クラッド層63、コア層64、上部クラッド層65が形成され、その上部に上部金属電極層66が形成されたリッジ型導波路の断面構造の模式図である。この構造における電界パタンを図6(2)に、導波損失を図6(3)にそれぞれ示す。計算にはビーム伝播法を用いた。ITOの膜厚は0.3μm、屈折率nは1.7、消衰係数kは0.03である。下部クラッド層と上部クラッド層の膜厚はともに0.5μm、屈折率は2.05、とした。コア層の膜厚は1μm、屈折率は2.4である。図3の場合の構造と比較すると、下部金属電極層と下部クラッド層との間に透明電極ITO層62が挿入されている点で異なっている。透明電極ITO層62の挿入により導波損失は5.4mm/dBから0.79dB/mmに劇的に低減することができた。これは、コア層から広がった電磁界が、下部クラッド層63と透明電極ITO層62に閉じこまり、光学吸収の大きな金属電極61に吸収されなくなるためである。
【0047】
図7(1)は、金属層71上に透明電極ITO層72を積層した二層膜を下部電極とし、その上に下部クラッド層73、コア層74、上部クラッド層75が形成され、その上部に透明電極ITO層76と金属電極層77の二層膜が上部電極として形成されたリッジ型導波路の断面構造の模式図である。この構造における電界パタンを図7(2)に、導波損失を図7(3)に示す。計算にはビーム伝播法を用いた。ITOの膜厚は下部、上部電極ともに0.3μm、屈折率nは1.7、消衰係数kは0.03である。下部クラッド層と上部クラッド層の膜厚はともに0.5μm、屈折率は2.05、とした。コア層の膜厚は1μm、屈折率は2.4である。図6の構造と比較すると、金属電極層77と上部クラッド層75の間に透明電極ITO層76が挿入されている点で異なっている。透明電極ITO層76の挿入により導波損失は0.79mm/dBから0.43dB/mmにほぼ半減することができた。これは、コア層74から広がった電磁界が、上部クラッド層75と透明電極ITO層76に閉じこまり、光学吸収の大きな金属電極77に吸収されなくなるためである。
【0048】
図8は、図7(1)の構造を持つ導波路でマッハツエンダー型変調器を構成した場合の消光特性の計算結果である。クラッド層の誘電率を100、コア層の誘電率を500とした。横軸は印加電圧、縦軸は光出力である。電圧が印加される変調部の長さを1mmとしている。3dBの消光比を取るためには、3Vのバイアス電圧を印加し、2Vppの電圧で駆動すればよい。金属電極層とクラッド層の間に透明電極を挿入することで、低誘電率のクラッド層を薄くしながら、導波損失が小さく、低電圧駆動の光変調器が実現できる。
【0049】
以上、説明したように金属導電層と透明導電層からなる下部電極を形成し、透明電極層上に電気光学材料からなる導波層を有する光導波路層を形成することで、導波損失が小さく、低電圧駆動の光変調器、光スイッチが実現可能である。この結果を適用することで高い性能の光学素子、光集積デバイスを安価に形成することができる。
【0050】
なお、上記実施の形態では、透明電極としてITOを用いる場合について説明したが、ITOに代えてIZOやZnOを用いることができる。また、ITO、IZO及びZnOのうちの2つまたは3つを組み合わせることもできる。
【0051】
また、下部電極を構成する金属材料としては、金、銀、銅、Ir,Ru,W,Moのいずれか、またはこれらのうちの2以上からなる合金あるいは積層膜とすることができる。
【実施例1】
【0052】
以下、本発明の原理を含めて実施例を詳細に説明する。
【0053】
図9は、本実施例の光学素子の断面構造の模式図である。シリコン基板91上に、SiO層92を1μm熱酸化により形成した。金属下部電極としてTi層(膜厚10nm)93、Au層(膜厚1μm)94、Ti層(膜厚10nm)95を形成した。Ti層93、95はDCマグネトロンスパッタ法で、Au層94はメッキ法で形成した。その上部に透明電極としてITO層96をDCマグネトロンスパッタ法により、Arガスをスパッタガスとして0.3μm形成した。さらに、クラッド層としてSiTiO層97をRFマグネトロンスパッタ法で、基板温度300℃、スパッタガスAr+Oで成膜した。膜厚は0.5μmである。逆リッジ構造を形成するために3μm幅のレジスト形成を行い、SrTiO層をイオンミリング法でエッチングした。次に、SiO層98を熱CVD法で膜厚1.5μmで形成した。コア層を埋め込むための凹構造を形成するために、15μm幅のレジストの抜きを作り、反応性イオンエッチングでエッチングした。形成した1μm深さの凹構造にAD法によりコア層99を形成した。成膜方法等は、あとで詳しく説明する。600℃30分大気中でアニール後、表面研磨を行い、コア層の平坦化を行った。その上部に上部クラッド層910としてSrTiOを膜厚0.5μmで形成し、さらに透明電極ITO層911を膜厚0.3μmで成膜した。さらに、金属上部電極としてTi層(膜厚10nm)912、Au層(膜厚1μm)913を形成した。上部クラッド層910、上部透明電極ITO層911、Ti層912及びAu層913の形成方法は、下部構造の場合と同じである。金属上部電極の一部は下部電極と接続しており、グランデッド・コプレーナ構造になっている。
【0054】
次に本実施例で用いたAD法の成膜方法について詳しく説明する。図10は、本発明で用いた成膜装置の概略図である。酸素ガスを内蔵するガスボンベ101は搬送管を介してガラスボトル102に接続されている。ガラスボトル102内に粉末原料103を入れ、排気管104を介して20Torr程度の真空に排気した後、キャリアガスとして酸素を、その流量を制御しながら導入する。ガラスボトル102を加振器105により振動させることで、気体中に原料粉末の微粒子を分散させたエアロゾルを発生させ、キャリアガスにより搬送管106を介して、成膜チャンバー107に搬送する。成膜チャンバー107は真空ポンプ108により所定の真空度に排気される。ノズル109から基板1010に粉末を吹き付けることで、薄膜を形成する。
【0055】
成膜条件は、次のようになる。キャリアガスは酸素とし、ノズル109と基板1010の入射角を30度、ガス流量は12l/分、成膜速度は0.5μm/分、加振器の振動数は200rpmである。基板1010にはガラスを用いた。電気光学効果の大きな酸化物であるジルコン酸チタン酸鉛(PZT)系粉末を成膜材料とした。PZTの組成は、Pb(ZrTi1−x)Oにおいてx=0.3である。透明度を高めるためにMnを0.5at%添加している。原料粉末の平均粒径は、0.7μmとした。膜厚は3μmである。成膜材料のPZT系粉末はペロブスカイト型結晶構造を持つ強誘電体の組成であり、一次の大きな電気光学係数を持つ光学デバイスの適応が可能な組成である。
【0056】
作製した光学素子でマッハツエンダー型変調器を構成した。波長1.55μmのCW光を入力し、バイアス電圧として3.5V印加した状態で、2Vppで変調したところ5GHzの高周波までの変調が可能であった。
【0057】
以上より、下部電極を金属電極と透明電極の二層化することで、導波損失が小さく、低電圧駆動の光変調器等の光学素子が実現可能となった。
【0058】
本実施例は、電気光学材料であるPZTに関しているが、材料系はそれに限定されるものではなく、ランタンが添加されたジルコン酸チタン酸鉛、チタン酸バリウム、ストロンチウム添加チタン酸バリウム、KTN等の電気光学材料や、SiO、窒化珪素等の光導波路形成材料にも同様の効果がある。
【実施例2】
【0059】
本実施例の光学素子は、リング型変調器である。図11は、本発明の光変調器の断面構造の模式図である。シリコン基板111上に、SiO層112を1μm熱酸化により形成した。金属下部電極としてTi層(膜厚10nm)113、Au層(膜厚0.4μm)114、Ti層(膜厚10nm)115を形成した。Ti層113,115、Au層114はともにDCマグネトロンスパッタ法で形成した。その上部に透明電極としてITO層116をDCマグネトロンスパッタ法により、Arガスをスパッタガスとして0.3μm形成した。さらに、クラッド層としてSiTiO層117をRFマグネトロンスパッタ法で、基板温度300℃、スパッタガスAr+Oで成膜した。膜厚は0.5μmである。逆リッジ構造を形成するために1.8μm幅のレジスト形成を行い、SrTiO層をイオンミリング法でエッチングした。次に、SiO層118を熱CVD法で膜厚2μm形成した。コア層を埋め込むための凹構造を形成するために、1.8μm幅のレジストの抜きを作り、反応性イオンエッチングでエッチングした。さらに3μm幅の溝を同様の手法で形成した。形成した1μm深さの凹構造にAD法によるコア層119を形成した。成膜方法等は、実施例1と同じである。600℃30分大気中でアニール後、表面研磨を行い、コア層の平坦化を行った。その上部に上部クラッド層1110としてSrTiOを膜厚0.5μm形成し、さらに透明電極ITO層1111を膜厚0.3μm成膜した。さらに、金属上部電極としてTi層(膜厚10nm)1112、Au層(膜厚0.4μm)1113を形成した。上部クラッド1110、上部透明電極ITO層1111、Ti層1112及びAu層1113の形成方法は、下部構造の場合と同じである。
【0060】
作製した光学素子でリング型変調器を構成した。波長1.55μmのCW光を入力し、バイアス電圧として2V印加した状態で、3Vppで変調したところ10GHzの高周波までの変調が可能であった。
【0061】
AD層の特性が下地層の結晶性に本質的に依存しないという利点は、例えば、レーザー、電気光変換器、光電気変換器、光増幅器、光導波路、光フィルター等の別種の光学素子を予め形成した基板、あるいは、CPU、メモリー等の電子素子で構成される集積回路が予め形成されている基板に対して、さらに、これらの基板上に本発明にかかる光学素子を作製して、全体として、本発明の光学素子で構成される光デバイスと、他のデバイスを集積した光集積バイスの作製に応用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明により、任意の基板上に金属導電層と透明導電層からなる下部電極を形成し、透明電極層上に電気光学材料からなるコア層を有する光導波路層を形成することで、導波損失が小さく、低電圧駆動の光変調器等の光学素子が実現可能となり、それにより高い性能の光学素子及び光集積デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】(1)はリッジ型導波路の断面構造の断面図、(2)はその電界分布を示す図、(3)は導波損失計算結果を示す図である。
【図2】図1のリッジ型導波路でマッハツエンダー型変調器を構成した場合の消光特性の計算結果を示すグラフである。
【図3】(1)はリッジ型導波路の断面構造の電界分布を示す図、(2)は導波損失計算結果を示す図である。
【図4】逆リッジ型導波路の断面構造の模式図である。
【図5】透明電極ITO層の電気抵抗と消衰係数kの関係を示すグラフである。
【図6】(1)は本発明の一実施の形態に係るリッジ型導波路の断面構造の模式図、(2)はその電界分布を示す図、(3)は導波損失計算結果を示す図である。
【図7】(1)は本発明の他の実施の形態に係るリッジ型導波路の断面構造の模式図、(2)はその電界分布を示す図、(3)は導波損失計算結果を示す図である。
【図8】図7(1)の導波路でマッハツエンダー型変調器を構成した場合の消光特性の計算結果を示すグラフである。
【図9】本発明の実施例1の光学素子の断面構造の模式図である。
【図10】図9の光学素子の作製に用いられる成膜装置の概略図である。
【図11】本発明の実施例2の光学素子の断面構造の模式図である。
【符号の説明】
【0064】
11 下部電極
12 下部クラッド層
13 コア層
14 上部クラッド層
15 上部金属電極層
41 下部電極兼下部クラッド層
42 PLZT
43 上部クラッド層兼上部電極層
44 SiO
61 金属電極
62 透明電極ITO層
63 下部クラッド層
64 コア層
65 上部クラッド層
66 上部金属電極層
71 金属層
72 透明電極ITO層
73 下部クラッド層
74 コア層
75 上部クラッド層
76 透明電極ITO層
77 金属電極層
91 シリコン基板
92 SiO
93 Ti層
94 Au層
95 Ti層
96 ITO層
97 SiTiO
98 SiO
99 コア層
910 上部クラッド層
911 透明電極ITO層
912 Ti層
913 Au層
101 ガスボンベ
102 ガラスボトル
103 粉末原料
104 排気管
105 加振器
106 搬送管
107 成膜チャンバー
108 真空ポンプ
109 ノズル
1010 基板
111 シリコン基板
112 SiO
113 Ti層
114 Au層
115 Ti層
116 ITO層
117 SiTiO
118 SiO
119 コア層
1110 上部クラッド層
1111 透明電極ITO層
1112 Ti層
1113 Au層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成され、電気光学材料よりなる導波層を含む光導波路構造とを有する光学素子であって、前記下部電極が金属導電層と透明導電層よりなり、前記透明導電層が前記光導波路構造と接していることを特徴とする光学素子。
【請求項2】
基板と、前記基板上に形成された下部電極と、前記下部電極上に供給した超微粒子脆性材料に機械的衝撃力を負荷して前記超微粒子脆性材料を接合させ成形体を形成し、前記成形体よりなる電気光学材料の導波層を有する光導波路構造とを有する光学素子であって、前記下部電極が金属導電層と透明導電層よりなり、前記透明導電層が前記光導波路構造と接していることを特徴とする光学素子。
【請求項3】
請求項1または2の光学素子において、前記光導波路構造がコア層と、該コア層の上下に形成された上部クラッド層及び下部クラッド層とからなることを特徴とした光学素子。
【請求項4】
請求項1,2または3の光学素子において、前記光導波路層構造上に上部電極が、前記下部電極と対向するように形成されていることを特徴とした光学素子。
【請求項5】
請求項4の光学素子において、前記上部電極が、金属導電層と透明導電層よりなり、前記透明導電層が前記光導波路構造と接していることを特徴とする光学素子。
【請求項6】
請求項1,2,3,4または5の光学素子において、透明電極層がITO,IZO,ZnOのいずれか、もしくは複数を主成分とすることを特徴とする光学素子。
【請求項7】
請求項1,2,3,4または5の光学素子において、下部電極を構成する金属材料が金、銀、銅、Ir,Ru,W,Moのいずれか、もしくは複数を主成分とする金属層からなることを特徴とする光学素子。
【請求項8】
請求項1,2,3,4または5の光学素子が、電極に電気信号を印加することで光を制御する光変調器または光スイッチであることを特徴とする光学素子。
【請求項9】
基板と、前記基板上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成され、電気光学材料よりなる導波層を有する光導波路構造とを有する第1の光学素子と第2の光学素子の少なくとも1つを基板上に集積する光集積デバイスであって、前記下部電極が金属導電層と透明導電層よりなり、前記透明導電層が前記光導波路構造と接していることを特徴とする光集積デバイス。
【請求項10】
基板と、基板上に形成された下部電極と、前記下部電極上に供給した超微粒子脆性材料に機械的衝撃力を負荷して前記超微粒子脆性材料を接合させ成形体を形成し、前記成形体よりなる電気光学材料の導波層を有する光導波路構造とを有する第1の光学素子と第2の光学素子の少なくとも1つを基板上に集積する光集積デバイスであって、前記下部電極が金属導電層と透明導電層よりなり、前記透明導電層が前記光導波路構造と接していることを特徴とする光集積デバイス。
【請求項11】
請求項9または10の光集積デバイスにおいて、前記第2の光学素子は、レーザー、電気光変換器、光電気変換器、光増幅器、光スイッチまたは光フィルターのいずれか一つであることを特徴とする光集積デバイス。
【請求項12】
基板と、前記基板上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成され、電気光学材料よりなる導波層を有する光導波路構造とを有する光学素子と電子回路の少なくとも1つを基板上に集積する光集積デバイスであって、前記下部電極が金属導電層と透明導電層よりなり、前記透明導電層が前記光導波路構造と接していることを特徴とする光集積デバイス。
【請求項13】
基板と、前記基板上に形成された下部電極と、前記下部電極上に供給した超微粒子脆性材料に機械的衝撃力を負荷して前記超微粒子脆性材料を接合させ成形体を形成し、前記成形体よりなる電気光学材料の導波層を有する光導波路構造とを有する光学素子と電子回路の少なくとも1つを基板上に集積する光集積デバイスであって、前記下部電極が金属導電層と透明導電層よりなり、前記透明導電層が前記光導波路構造と接していることを特徴とする光集積デバイス。
【請求項14】
請求項12または13の光集積デバイスにおいて、前記電子回路は、中央処理装置またはメモリーであることを特徴とする光集積デバイス。
【請求項15】
請求項1,2,9,10,12または13の光学素子または光集積デバイスにおいて、前記電気光学材料が、ジルコン酸チタン酸鉛、またはランタンが添加されたジルコン酸チタン酸鉛が主な成分であることを特徴とする光学素子または光集積デバイス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2008−281896(P2008−281896A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127663(P2007−127663)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成18年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「次世代半導体材料・プロセス基盤(MIRAI)プロジェクト」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】