説明

光学素子製造装置および製造方法

【課題】 温度制御点の温度と、その温度と連動し、かつ温度制御点から離れたn箇所の温度とを比較して算出されたズレ量をプロセス条件に設定できる光学素子製造装置および光学素子の製造方法を提供する。
【解決手段】 温度制御点の温度で成形型の温度を制御し、プレスにより光学素子を連続サイクル成形する光学素子製造装置において、温度制御点の温度T0と、温度T0に連動する温度制御点から離れたn箇所の、k=1〜nとした温度Tkを検出する温度検出部と、温度T0と温度Tkの、k=1〜nとしたズレ量ΔTPk、かつ、あるいは、連続サイクル成形中の、k=1〜nとした前記ズレ量ΔTPkの、k=1〜nとした標準値ΔTSkを算出する演算部と、k=1〜nとしたズレ量ΔTPk、k=1〜nとした標準値ΔTSk、k=1〜nとした標準値ΔTSkの許容範囲、のうちの少なくとも1つを制御パラメータとするプロセスコントローラを備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度が制御された成形型で加熱したガラス、プラスチック等を成形する技術に関し、特に、温度制御点から離れた周囲の温度変化が、成形品の精度、外観等の良否に影響を及ぼす、高精度な光学素子を成形するための製造装置および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、熱間プレス成形で、成形品を大量生産するには、単位成形プロセスを連続で実行させて、成形品を次々に成形していく成形(以下、連続サイクル成形)が行われる。この連続サイクル成形においては、成形品の品質バラツキを極力抑えるために、サイクルの繰り返し単位となる成形プロセス(以下、単位成形プロセス)をなるべく同一条件にすることが重要となってくる。
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示されているように、成形を繰り返していくうちに、成形型やその周辺部材が酸化等で変質することで、放射率といった熱物性が経時変化するような環境変化が起こってしまい、単位成形プロセスが常に安定しないことがある。
【0004】
さらに、コストダウンを目的として、連続サイクル成形のハイサイクル化が進められてきている。このハイサイクル化が進むと、型やその周辺部材の温度の変化速度が大きくなり、熱の流れが急激になってしまう。さらには、急激になった熱の流れが定常の安定した状態になるまで待つ時間さえも短縮されているため、非定常のままプロセスが繰り返されていく。この状態で、成形品のハンドリングが失敗したといった等の外乱が起こり、安定していた単位成形プロセスに変化が生じてしまうと、その変化を吸収するのに必要な時間さえも十分に与えられていないために、単位成形プロセス間にバラツキが生じてしまい、その結果、成形品の品質にバラツキが発生することになる。このように、ハイサイクル化と成形品の品質を両立させるため、型やその周辺部材の熱の制御や管理を従来よりもさらに高度化していかなければならないという要求が出てきている。
【0005】
この要求に対して、温度制御点間の温度差を制御する方法が特許文献2において開示されている。この方法によれば、温度制御点間の温度バラツキは小さくなる。しかし、温度制御点ではない部分の温度バラツキについては保証できていない。なぜなら、仮に温度制御点の温度がサイクル間で全く同じである場合でも、温度制御点を取り巻く熱的環境がサイクルごとに変わっていれば、温度制御点以外の部分が必ずしもサイクル間で同一の温度にはならないからである。これにより発生するサイクルごとの、温度制御点ではない部分の温度バラツキが、成形素材のプレス変形速度等に影響を及ぼした場合、成形品の品質が低下することがある。そうならないためには、単位成形プロセスが標準の状態となっているかを直接的かつ的確に判断するための指標が必要であるが、その指標を算出できる光学素子製造装置や、その指標を用いた光学素子の製造方法に関する技術の開示はこれまでにない。
【特許文献1】特開平11−35334号公報
【特許文献2】特開平8−133767号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
連続サイクル成形がハイサイクルで繰り返される光学素子の製造において、連続サイクル成形中に発生する成形型の経時変化や外乱が、成形品の精度、外観等の品質をばらつかせるという問題がある。
【0007】
本出願に係る第1の発明の目的は、連続サイクル成形中のプロセスがバラツキ無く安定しているかを的確に判断できる指標をプロセス条件に設定できる光学素子の製造装置を提供することにある。
【0008】
本出願に係る第2の発明の目的は、連続サイクル成形中のプロセスがバラツキ無く安定しているかを的確に判断し、成形不良の成形品を良品に混入させない光学素子の製造方法を提供することにある。
【0009】
本出願に係る第3および4の発明の目的は、連続サイクル成形中に発生した環境変化や外乱の影響の程度を的確に判断し、連続サイクル成形中の単位成形プロセスとは異なる別プロセスでその影響を除去する光学素子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本出願に係る第1の発明は、温度制御点の温度で成形型の温度を制御し、プレスにより光学素子を連続サイクル成形する光学素子製造装置において、温度制御点の温度T0と、温度T0に連動する温度制御点から離れた、k=1〜nとしたn箇所の温度Tkを検出する温度検出部と、温度T0と温度Tkの、k=1〜nとしたズレ量ΔTPk、かつ、あるいは、連続サイクル成形中の、k=1〜nとした前記ズレ量ΔTPkの、k=1〜nとした標準値ΔTSkを算出する演算部と、k=1〜nとしたズレ量ΔTPk、k=1〜nとした標準値ΔTSk、k=1〜nとした標準値ΔTSkの許容範囲、のうちの少なくとも1つを制御パラメータとするプロセスコントローラを備えていることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するために、本出願に係る第2の発明は、温度が制御された成形型で熱間プレスにより光学素子を連続サイクル成形する光学素子の製造方法において、温度制御点の温度T0と、温度T0と連動する温度制御点から離れた、k=1〜nとしたn箇所の温度Tkとを比較して算出された、k=1〜nとしたズレ量ΔTPkが、連続サイクル成形中の、k=1〜nとした前記ズレ量ΔTPkの、k=1〜nとした標準値ΔTSkの許容範囲内となるまで成形品を成形しないか、あるいは、許容範囲外のときに成形された成形品を他の成形品と区別することを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するために、本出願に係る第3と4の発明は、温度が制御された成形型で熱間プレスにより光学素子を連続サイクル成形する光学素子製造方法において、温度制御点の温度T0と、温度T0と連動する温度制御点から離れた、k=1〜nとしたn箇所の温度Tkとを比較して算出された、k=1〜nとしたズレ量ΔTPkが、連続サイクル成形中の、k=1〜nとした前記ズレ量ΔTPkの、k=1〜nとした標準値ΔTSkの許容範囲外となったとき、連続サイクル成形の単位成形プロセスと比較して、少なくとも温度条件、プレス条件、制御条件のうちの一つが変更された、別のプロセスを実行することを特徴とする。好ましくは、別のプロセスを、連続サイクル成形の単位成形プロセスに対し、少なくとも、温度制御点の温度がプレス温度に到達してから実際にプレスが開始されるまでの待機時間が変更されたプロセスする。
【発明の効果】
【0013】
上記のように構成された本発明の製造装置によれば、連続サイクル成形における安定性や再現性を的確に判断できる指標が算出でき、また、その指標を用いてプロセス制御を行うことができる。
【0014】
上記のように構成された本発明の製造方法によれば、成形品の良品に不良品が混入することを防止でき、成形品の品質検査を簡略化することができる。また、前記指標を利用しプロセス条件を変更した場合には、環境変化や外乱があった場合でも、成形不良の発生を最低限にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を用いて説明する。
【0016】
図1は、高精度なプロセス管理が必要なガラス光学素子の製造装置の構成図である。成形型1には、加熱用のヒータ2、温度制御点3、図中4で示す測温点1(非温度制御点)、図中5で示す測温点2(非温度制御点)がある。3、4、5には、それぞれに温度検出子(ここでは熱電対)が取り付けられている。6はプロセス制御用のPCで、本発明である、温度制御点の温度T0と、温度T0に連動する温度制御点から離れたn箇所の温度Tk(k=1〜n)を検出する温度検出部と、温度T0と温度Tkのズレ量ΔTPk(k=1〜n)、かつ、あるいは、連続サイクル成形中の前記ズレ量ΔTPk(k=1〜n)の標準値ΔTSk(k=1〜n)を算出する演算部と、ズレ量ΔTPk(k=1〜n)、標準値ΔTSk(k=1〜n)、標準値ΔTSk(k=1〜n)の許容範囲、のうちの少なくとも1つを制御パラメータとするプロセスコントローラを備えている。このプロセスコントローラでは、光学素子の成形に必要な、温度条件、プレス条件、各種バルブの開閉条件等が設定、制御できる。7はヒータ用の電源である。
【0017】
温度制御点3の現在温度は、制御用PC6で算出され温度制御に使用される。制御用PC6は、予め定められている温度プロセスの設定値と温度制御点3の現在温度との差分から、PID制御理論により、ヒータの発熱量をヒータ用電源7で調節し、温度制御点の温度が常に設定温度に近づくようにフィードバック制御する。一方、図中4,5で示す測温点1、2(何れも非温度制御点)の温度は、制御用PC6で算出されプロセスコントローラの制御パラメータとして用いられるのみで、直接温度制御には使用されない。なお、測温点の数に関しては、ここではn=2としたが、その数を増やすことにより、連続サイクル成形のプロセスの信頼性を向上させた堅牢な装置することができる。また、測温点の場所に関しては、成形品の品質への影響が相対的に大きいところを選択する。
【0018】
図2には、連続サイクル成形中の成形型の温度プロファイルを示す。装置は図中の単位成形プロセスを連続的に繰り返し、成形品を製造している。
【0019】
温度制御点の温度と測温点1、2との温度差はそれぞれΔTP1、ΔTP2である。ΔTP1、ΔTP2は制御用PCで計算され、PCの記憶領域に時系列で順次記録される。PCに記録されたΔTP1、ΔTP2は、連続サイクル成形の単位成形プロセスごとに整理され、単位成形プロセス開始からの経過時間ごと、あるいはサイクル中に発生するイベントごとに統計処理される。この統計処理によりΔTP1、ΔTP2の標準値であるΔTS1、ΔTS2が算出されPCに記録される。ここでは、例として、プレス開始のイベントが発生した時点でのΔTP1、ΔTP2を単位成形サイクルごとに計測し、その平均値をΔTS1、ΔTS2とした。なお、予めΔTS1、ΔTS2が決まっている場合は、統計処理は行わず、直接PCに設定する。
【0020】
図3には、連続サイクル成形中のΔTP1、ΔTP2のサイクルごとのプロファイルを示す。図中のΔTS1、ΔTS2の許容範囲は、成形された成形品の品質が基準を満足するか、しないかをもとにして決定すると良く、また、逆に、ΔTS1、ΔTS2、ΔTS3の許容範囲を調節することで、成形品のバラツキの程度を自由に制御することもできる。
【0021】
このΔTS1、ΔTS2の許容範囲が設定されると、その範囲内か外かで、成形された成形品が良品となるか不良品となるかが、判断できるようになる。この判断を連続サイクル成形中に自動的に行わせるために、制御PCにはΔTP1、ΔTP2がΔTS1、ΔTS2の許容範囲の内か外かを監視するソフトウェアを組み込んでおくと良い。このようにすることで、良品に不良品が混入することを防止でき、その後の検査工程が簡略化される。
【0022】
ΔTP1、ΔTP2は、サイクルが相当数繰り返されると、成形型やヒータの熱的な特性の経時変化、雰囲気温度の変化、その他の外乱により、図中、黒塗り円(●)で示しているように、ΔTS1、ΔTS2の許容範囲外となることがある。この場合、黒塗り円(●)に該当する成形サイクル数がPCに記録されるか、プレス動作を行わないようにするかを設定できるようにして、プロセス条件を制御する。このようにすることで、良品に不良品が混入することを防止でき、その後の検査工程が簡略化される。
【0023】
また、連続サイクル成形中に、ΔTP1、ΔTP2がΔTS1、ΔTS2の許容範囲外になることが頻繁に起こる状態となってしまったときは、温度制御が異常になっていると判断できる。この場合は、状況に合わせて温度条件、プレス条件、制御条件の何れかを変更する。例えば、成形型の熱特性が変化し、制御性が悪くなりオーバーシュート等が発生した場合はPID、最大出力量といった制御条件を変更する。
【0024】
型交換などにより、連続サイクル成形の途中で成形を停止し、その後、連続サイクル成形を再開することが良くある。通常、連続サイクル成形を再開してからの初期のサイクルは、成形機の温度状態がサイクル間で安定していないことが多く、不良品が成形される場合がある。この場合でも、ΔTP1、ΔTP2がΔTS1、ΔTS2の許容範囲内であるかを、監視しておけば、良品となるか、不良品となるかが判断でき、効率良く連続サイクル成形を再開することができる。もし、前記初期のサイクルにおいて、ΔTP1、ΔTP2がΔTS1、ΔTS2の許容範囲外となるようなことがあれば、連続サイクル成形の単位成形プロセスに対し、温度制御点の温度がプレス温度に到達してから実際にプレスが開始されるまでの待機時間を長くする。このことによって、型交換後に比較的温度が上昇し難くなってしまう部分(ヒータからの距離が遠い部分)の熱の状態が正常の状態になる。なお、待機時間の延長時間は、ΔTP1、ΔTP2がΔTS1、ΔTS2の許容範囲内に戻る時間で判断する良い。
【実施例1】
【0025】
図4は、第1の実施例で使用した光学素子製造装置の構成図である。上記発明を実施するための最良の形態の項で述べた図1の装置と同様のところは同じ番号を記載し機能等の説明は省略する。図4において、8はランプヒータ、9は温度制御点である。温度制御点9は成形型外周付近とした。これは、熱源であるランプヒータ8と温度制御点をなるべく近くにすることで、温度の制御遅れ時間を短くし、温度制御性を高めるためである。
【0026】
一方、測温点に関しては、本実施例ではその点数をn=3とした。10は成形型プレス面の中心に位置する測温点1、11は成形型を固定する継手に位置する測温点2、12はチャンバ13に位置する測温点3である。これらの測温点で温度が計測され、連続サイクル成形中に温度制御点の温度との差、ΔTP1、ΔTP2、ΔTP3が常に制御PCにより監視されることで、成形品の品質のバラツキが極力抑えられる。仮に、ΔTP1、ΔTP2、ΔTP3がΔTS1、ΔTS2、ΔTS3の許容範囲外となった場合も、上記発明を実施するための最良の形態の項で述べたように、成形品が良品と不良品とに区別されるので、不良品を抜き出すために別途検査をする必要がない。
【0027】
本実施例ではランプヒータにより成形型を加熱しているが、連続成形を繰り返していくうちに、ランプが照射される表面の吸収率が変化してしまうと、大幅に熱の流れが変わってしまうことがある。しかし、本発明によると、その変化がΔTP1、ΔTP2、ΔTP3で的確に検出可能なため、不良品を大量に製造してしまうようなことを防止できる。
【実施例2】
【0028】
図5には、熱容量や寸法の大きな成形型で本発明を実施する場合の構成図を示している。第1の実施例で述べた図4の装置と同様のところは同じ番号を記載し機能等の説明は省略する。14、15、16、17は測温点であり、成形型の寸法が大きいため、成形型に集中して位置させている。
【0029】
熱容量や寸法の大きな成形型の場合、温度分布がつきやすく、かつ、定常状態になるまでの所要時間が比較的長くなる。これに加え、ハイサイクルで連続サイクル成形を行うと、温度制御点以外の部分の温度とその他の部分との温度差やそのバラツキも大きくなる。しかしながら、本発明は、熱容量や寸法の大きな成形型にも問題なく適用でき、温度制御点と測温点との温度差を常に監視しながら、プロセス条件を決定することができる。本発明は、熱の回りが悪い、熱容量や寸法の大きな成形型には特に有効である。本発明によると、形状を問わずあらゆる部分の測温点と制御点との温度差が考慮され連続サイクル成形が行われるので、成形品の品質を安定、制御させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明を実施するための最良の形態に係る、光学素子製造装置を説明する図である。
【図2】本発明を実施するための最良の形態に係る、連続サイクル成形中の温度プロファイルを説明する図である。
【図3】本発明を実施するための最良の形態に係る、プレス開始時のΔTPkをサイクルごとにプロットした図である。
【図4】第1の実施例に係る、光学素子製造装置を説明する図である。
【図5】第2の実施例に係る、光学素子製造装置を説明する図である。
【符号の説明】
【0031】
1 成形型
2 ヒータ
3 温度制御点
4 測温点1
5 測温点2
6 制御用PC
7 ヒータ用電源
8 ランプヒータ
9 温度制御点
10 測温点1
11 測温点2
12 測温点3
13 チャンバ
14 測温点1
15 測温点2
16 測温点3
17 測温点4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度制御点の温度で成形型の温度を制御し、プレスにより光学素子を連続サイクル成形する光学素子製造装置において、
温度制御点の温度T0と、温度T0に連動する温度制御点から離れた、n箇所の、k=1〜nとした温度Tkを検出する温度検出部と、温度T0と温度Tkの、k=1〜nとしたズレ量ΔTPk、かつ、あるいは、連続サイクル成形中の、k=1〜nとした前記ズレ量ΔTPkの、k=1〜nとした標準値ΔTSkを算出する演算部と、k=1〜nとしたズレ量ΔTPk、k=1〜nとした標準値ΔTSk、k=1〜nとした標準値ΔTSkの許容範囲、のうちの少なくとも1つを制御パラメータとするプロセスコントローラを備えていることを特徴とする光学素子製造装置。
【請求項2】
温度が制御された成形型で熱間プレスにより光学素子を連続サイクル成形する光学素子の製造方法において、
温度制御点の温度T0と、温度T0と連動する温度制御点から離れた、k=1〜nとしたn箇所の温度Tkとを比較して算出された、k=1〜nとしたズレ量ΔTPkが、連続サイクル成形中の、k=1〜nとした前記ズレ量ΔTPkの、k=1〜nとした標準値ΔTSkの許容範囲内となるまで成形品を成形しないか、あるいは、許容範囲外のときに成形された成形品を他の成形品と区別することを特徴とする光学素子の製造方法。
【請求項3】
温度が制御された成形型で熱間プレスにより光学素子を連続サイクル成形する光学素子製造方法において、
温度制御点の温度T0と、温度T0と連動する温度制御点から離れたn箇所の、k=1〜nとした温度Tkとを比較して算出された、k=1〜nとしたズレ量ΔTPkが、連続サイクル成形中の、k=1〜nとした前記ズレ量ΔTPkの、k=1〜nとした標準値ΔTSkの許容範囲外となったとき、連続サイクル成形の単位成形プロセスと比較して、少なくとも温度条件、プレス条件、制御条件のうちの一つが変更された、別のプロセスを実行することを特徴とする光学素子の製造方法。
【請求項4】
別のプロセスとは、連続サイクル成形の単位成形プロセスに対し、少なくとも、温度制御点の温度がプレス温度に到達してから実際にプレスが開始されるまでの待機時間が変更されたプロセスであることを特徴とする請求項3に記載の光学素子の製造方法。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−298696(P2006−298696A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−122339(P2005−122339)
【出願日】平成17年4月20日(2005.4.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)