説明

光学部品、これを含む製品およびこれを作製する方法

第一の基板と、第一の基板の第一の表面の所定の領域上に置かれた量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料と、光学材料上および光学材料に覆われていない第一の基板の第一の表面の任意の一部の上に置かれた接着材料を含む層、および接着材料を含む層上に置かれた第二の基板を含む光学部品であって、第一および第二の基板が一緒に密閉されている光学部品が開示される。一定の実施形態において、この光学部品は、さらに、接着材料を含む層と第二の基板との間に置かれた量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む第二の光学材料を含む。方法も開示される。また、この光学部品を含む製品も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、米国出願番号61/252,658(2009年10月17日出願)、61/252,743(2009年10月19日出願)および61/291,072(2009年12月30日出願)に対する優先権を主張するものである。これらの出願は、全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、光学部品、これを含む製品および関連方法に関し、より詳しくは、ナノ粒子を含む光学部品、これを含む製品および関連方法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ナノ粒子を含む光学部品、ナノ粒子を含む光学部品を作製する方法、およびナノ粒子を含む光学部品を含む製品に関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一つの態様によれば、第一の基板と、第一の基板の第一の表面の所定の領域上に置かれた量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料と、光学材料上および光学材料に覆われていない第一の基板の第一の表面の任意の一部の上に置かれた接着材料を含む層と、および接着材料を含む層上に置かれた第二の基板とを含む光学部品であって、接着材料を含む層によって、第一および第二の基板が一緒に密閉されている光学部品が提供される。
【0005】
一定の実施形態において、光学部品は、光学材料を含む所定の領域の周縁と密閉構造物の辺縁との間に、光学材料を含まない辺縁シール面を含んでいてもよい。
【0006】
一定の実施形態において、辺縁シール面は、光学材料の周縁の周辺において実質的に均一であってもよく、より好ましくは均一であってもよい。
【0007】
一定の実施形態において、光学部品は、さらに、接着材料を含む層と第二の基板との間に置かれた量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む第二の光学材料を含む。
【0008】
一定の実施形態において、第一および第二の光学材料は、同一であっても異なっていてもよい所定の配置を含む。
【0009】
一定の好適な実施形態において、第二の光学材料は、第一の基板の第一の表面の第一の所定の領域上に置かれた第一の光学材料の配置と同じ配置を含む。
【0010】
一定の実施形態において、第一および第二の光学材料は、一方が他方の上に配置されている。
【0011】
好適な実施形態において、光学部品は、さらに、第二の基板の第一の表面の第二の所定の領域上に置かれた量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む第二の光学材料を含み、接着材料を含む層は、第一および第二の基板上の光学材料および光学材料が置かれていない第一の基板の第一の表面および第二の基板の第一の表面の任意の一部の上の間に置かれている。このような実施形態の一部において、所定の領域は、一方が他方の上に配置されている。一定の好適な実施形態において、所定の領域は、互いに完全に重なっている。
【0012】
一定の実施形態において、光学部品は、光学材料の周縁と密閉構造物の辺縁との間に、光学材料を含まない辺縁シール面を含む。一定の実施形態において、辺縁シール面は、光学材料の周縁の周辺が実質的に均一であってもよく、より好ましくは均一であってもよい。
【0013】
一定の実施形態において、各基板の辺縁シール面は、互いに対して密閉構造物の中で互いに重なるように配置されている。
【0014】
一定の実施形態において、光学材料および接着剤層が間に置かれている基板の表面の少なくとも一方、好ましくは両方とも滑らかでない。このような実施形態の一部において、このような基板表面の一方または両方にざらつきがある。このような実施形態の一部において、このような基板表面の一方または両方は粗面になっている。このような実施形態の一部において、このような基板表面の一方または両方はエッチングされている。
【0015】
一定の好適な実施形態において、このような非平滑基板表面の一方または両方は、1000オングストロームよりも大きい表面粗さ(Ra−算術平均プロファイル粗さパラメータ)をもつ。
【0016】
一定の実施形態において、非平滑面は、基板を完全には覆っていないが、標準的な方法(例えば、マスキングまたは選択的粗化、エッチング、テクスチャ化など)によってパターン化されている。
【0017】
一定の実施形態において、光学材料および接着剤が間に置かれている基板表面の一方または両方は滑らかである(例えば、Raが約100オングストロームよりも小さい)。このような実施形態において、このような滑らかな基板表面の少なくとも一方、好ましくは両方の水接触角は、空気−基板界面において40°以下、好ましくは25°以下、およびより好ましくは15°以下である。
【0018】
一定の実施形態において、基板の一方または両方は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対し少なくとも80%光学的に透明である。一定の実施形態において、基板の一方または両方は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対し少なくとも85%光学的に透明である。一定の実施形態において、基板の一方または両方は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対し少なくとも90%光学的に透明である。一定の実施形態において、基板の一方または両方は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対し少なくとも95%光学的に透明である。一定の実施形態において、基板の一方または両方は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対し少なくとも99%光学的に透明である。
【0019】
一定の実施形態において、光学材料は、一つ以上の異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子(組成、構造および/またはサイズ、またはナノ粒子に基づく)を含み、各異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子が、該光学材料に含まれる別のタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって放出される所定の波長と同一であっても異なっていてもよい所定の波長の光を放出する。所定の波長は、光学部品の目的とする最終用途に基づいて選択される。2つ以上の異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む一定の実施形態において、少なくとも2つのタイプが、該光学部品に含まれ得る、少なくとも一つの別のタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって放出される波長とは異なった所定の波長の光を放出することができる。
【0020】
異なった所定の波長で放出する2つ以上の異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む一定の実施形態において、異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、一つ以上の異なった光学材料に含まれていてもよい。
【0021】
一定の実施形態において、例えば、所定の波長は、約470nmから約650nm、約580nmから約630nm、約590nmから約630nm、約590nmから約630nm、または約600nmから約620nm、約600から約610、または608から約618の範囲であってもよい。
【0022】
2つ以上の異なった光学材料を含む一定の実施形態において、このような異なった光学材料は、例えば、層状に配置された別々の層として、および/またはパターン層の別々のフィーチャとして含まれ得る。
【0023】
一定の実施形態において、光学部品は、一つ以上の光学材料を含む一つ以上の別々の層を含んでいてもよい。一定の実施形態において、一つ以上の別々の層は、同一の光学材料を含んでいてもよい。光学材料を含む一つよりも多い層を含む一定の実施形態において、すべての層が同一の光学材料を含むものではない。一定の実施形態において、2つ以上の層が、同一でない光学材料を含んでいてもよい。一定の実施形態において、別々の層のそれぞれが、他の層に含まれている他の光学材料のそれぞれとは異なる光学材料を含んでいてもよい。
【0024】
一定の好適な実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、半導体ナノ結晶を含む。
【0025】
一定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料は、少なくとも40%の固体量子効率をもつ。
【0026】
一定の実施形態において、光学材料は、一つ以上の所定のスペクトル領域に光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。
【0027】
一定の実施形態において、光学材料はさらに、量子閉じ込め半導体ナノ粒子が分布している母材を含む。一定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約0.001から約5重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。一定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約0.1から約3重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。一定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約0.5から約3重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。一定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約0.1から約2重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。一定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約0.1から約1重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。一定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約0.1から約0.75重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。
【0028】
母材をさらに含む光学材料の一定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の約5重量パーセントよりも多量に光学材料に含まれていてもよい。例えば、光学材料は、母材の重量あたり約5から約20重量パーセントの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含んでいてもよく、光学材料は、母材の重量あたり約5から約15重量パーセントの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含んでいてもよく、光学材料は、母材の重量あたり約5から約10重量パーセントの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含んでいてもよいなどである。
【0029】
光学材料における上記範囲以外の濃度の量子閉じ込め半導体ナノ粒子であっても、有用または所望であると判断され得る。
【0030】
一定の実施形態において、光学材料はさらに光散乱体を含む。
【0031】
一定の実施形態において、光散乱体は光散乱粒子を含む。一定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約0.001から約5重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。一定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約0.5から約3重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。一定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約1から約3重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。一定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約1から約2重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。一定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約0.1から約1重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。一定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約0.05から約1重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。
【0032】
一定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の約5重量パーセントよりも多量に光学材料に含まれる。例えば、光学材料は、母材の重量あたり約5から約20重量パーセントの光散乱粒子を含んでいてもよく、光学材料は、母材の重量あたり約5から約15重量パーセントの光散乱粒子を含んでいてもよく、光学材料は、母材の重量あたり約5から約10重量パーセントの光散乱粒子を含んでいてもよいなどである。
【0033】
光学材料における上記範囲以外の濃度の光散乱粒子であっても、有用または所望であると判断され得る。
【0034】
一定の実施形態において、光学部品は、固体照明装置のカバー板として使用することができる。
【0035】
一定の実施形態において、基板の一方または両方は剛性である。
【0036】
一定の実施形態において、基板の一方または両方は可塑性である。
【0037】
一定の実施形態において、基板の少なくとも一つが、照明装置の光拡散部品を含んでいてもよい。
【0038】
一定の実施形態において、光学材料は、基板の表面の所定の領域上の一つ以上の層として置かれる。
【0039】
一定の実施形態において、母材を含む光学材料を含む層は、例えば、約0.1ミクロンから約1cmの厚さである。一定の実施形態において、母材を含む光学材料を含む層は、約0.1から約200ミクロンの厚さである。一定の実施形態において、母材を含む光学材料を含む層は、約10から約200ミクロンの厚さである。一定の実施形態において、母材を含む光学材料を含む層は、約30から約80ミクロンの厚さである。これら以外の厚さを有用または所望であると判断することも可能である。
【0040】
一定の実施形態において、光学材料の中に含まれる量子閉じ込め半導体ナノ粒子はカドミウムを含まない。
【0041】
一定の実施形態において、光学材料の中に含まれる量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、III−V半導体材料を含む。
【0042】
一定の実施形態において、光学材料の中に含まれる量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、半導体材料を含むコア、およびコアの表面の少なくとも一部の上に置かれた無機シェルを含む半導体ナノ結晶を含む。
【0043】
本明細書記載の光学部品の中に含まれる接着材料は、好ましくは光透過特性および接着品質で選択される。
【0044】
一定の好適な実施形態において、接着材料は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対して光学的に透明である。
【0045】
一定の実施形態において、接着材料は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対して少なくとも80%光学的に透明である。一定の実施形態において、接着材料は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対して少なくとも85%光学的に透明である。一定の実施形態において、接着材料は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対して少なくとも90%光学的に透明である。一定の実施形態において、接着材料は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対して少なくとも95%光学的に透明である。一定の実施形態において、接着材料は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対して少なくとも99%光学的に透明である。
【0046】
一定の好適な実施形態において、接着材料は、密閉している間に黄ばむことも変色することもない。より好ましくは、接着材料は、光学部品の有用耐用期間内に黄ばんだり変色したりして、光学部品の光学特性を実質的に変えることはない。
【0047】
一定の好適な実施形態において、接着材料は、光学部品の基板を一緒に密閉するのに適した接着特性をもつ。より好ましくは、シールは、光学部品の有用耐用期間内に一部または全部が薄い層に裂けたり、そうでなければ機能しなくなったりすることはない。
【0048】
一定の好適な実施形態において、接着材料の性質は、光学材料の固体光ルミネセンス量子効率に対して最小限の影響しか与えない。
【0049】
一定の好適な実施形態において、接着材料は酸素障壁特性をもつ。
【0050】
一定の好適な実施形態において、接着材料は酸素障壁特性および防湿特性をもつ。
【0051】
一定の好適な実施形態において、接着材料は、光学材料および光学材料の外部量子効率に悪影響を与えない条件下で硬くする(例えば硬化または乾燥させる)ことができる。好ましくは、接着材料はUV硬化させることができる。
【0052】
一定の好適な実施形態において、接着材料は、層を形成するに際して、光学材料上に分注された後も、最小限の落ち込みで盛り上がった状態が残る程度の粘度をもつ。この粘度特性によって、基板の間にある物質が、裸眼で観察できる気泡を実質的に含むことがなく、および好ましくは、含むことがない光学部品を実現することを容易にする。好適な接着材料はUV硬化性アクリル系ウレタンである。UV硬化性アクリル系ウレタンの例は、Norland光学接着剤68およびNorland光学接着剤68Tという名のNorland Adhesives社によって販売されている製品などである。
【0053】
一定の実施形態において、接着材料は、感圧接着剤を含んでいてもよい。
【0054】
一定の実施形態において、光学部品はさらに、一つ以上の別々の障壁層を含んでいてもよい。障壁材料は、実質的に酸素を通さない材料である。一定の実施形態において、障壁層は、実質的に酸素および水を通さない。酸素障壁特性を有さない接着材料を含む実施形態においては、光学材料上に別々の障壁層を含ませることが望ましい可能性がある。
【0055】
場合により、部品にはさらなる材料を含ませることができる。一定の実施形態において、このような材料は、付加的な層として含ませることができる。一定の実施形態において、このような材料は、光学材料に含ませるか、および/または接着材料を含む層に含ませることができる。
【0056】
一定の実施形態において、層は、一つ以上の副層を含んでいてもよい。
【0057】
一定の実施形態において、光学部品は光源を用いて有用となる。
【0058】
一定の実施形態において、光学材料は、少なくとも一つのスペクトル領域における光源からの光出力の全部または一部を変えることができる。
【0059】
一定の実施形態において、光学材料は、少なくとも一つのスペクトル領域における光源からの光出力を補うことができる。
【0060】
一定の実施形態において、光学材料は、少なくとも一つのスペクトル領域における光源からの光出力の全部または実質的に全部を変えることができる。
【0061】
本発明の一態様によれば、光源、および光源によって発生した光の少なくとも一部を受ける位置に置かれた本明細書記載の光学部品であって、本明細書に教示された光学部品を含む光学部品を含む照明装置が提供される。
【0062】
一定の実施形態において、照明装置は、少なくとも一方が本発明に係る光学部品を含む光学部品である2つ以上の異なった光学部品を積層状に含んでいてもよい。
【0063】
一定の好適な実施形態において、光学部品は、光源と直接的に接触していない。
【0064】
一定の好適な実施形態において、操作中の発光装置内のナノ粒子が存在する位置における温度は90℃以下である。
【0065】
一定の好適な実施形態において、照明装置は、固体光源を含む固体照明装置を含む。固体光源の好適な例は、半導体発光ダイオード(LED)などであるが、これは、場合により、LEDと光学部品との間に発光色変換材料をさらに含むことが可能である。
【0066】
本明細書に記載されているこれ以外の光源の例も、本発明の照明装置に用いることができる。
【0067】
本発明の別の一態様によれば、一つ以上の光源を受けるように構成された照明器具であって、光源によって発生した光の少なくとも一部が器具から発光される前に光学部品の中を通過するよう、一つ以上の光源の位置に相対して器具の中に置かれた本明細書記載の光学部品であって、本明細書に教示されている光学部品を含む照明器具が提供される。
【0068】
一定の実施形態において、照明器具は、少なくとも一方が本発明に係る光学部品を含む光学部品である2つ以上の異なった光学部品を積層状に含んでいてもよい。
【0069】
本発明のさらなる一態様によれば、照明器具に取り付けるよう構成されたカバー板であって、本明細書に教示された光学部品を含むカバー板が提供される。
【0070】
本発明の別の一態様によれば、光学部品を作製する方法であって、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を、第一の基板の第一の表面の所定の領域の上に付着させること、光学材料上および光学材料に覆われていない第一の基板の第一の表面の任意の一部の上に、接着材料を含む層を形成すること、接着材料を含む層の上に第二の基板を置くこと、および基板を一緒に密閉することを含む方法が提供される。
【0071】
一定の実施形態において、光学部品は、光学材料の周縁と密閉構造物の辺縁との間にある辺縁シール面であって、光学材料を含まない辺縁シール面を含むよう形成されている。一定の実施形態において、辺縁シール面は、光学材料の周縁の周辺が実質的に均一であってもよく、より好ましくは均一であってもよい。
【0072】
一定の実施形態において、各基板の辺縁シール面は、互いに対して密閉構造物の中で互いに重なるように配置されている。
【0073】
一定の好適な実施形態において、このような非平滑基板表面の一方または両方は、1000オングストロームよりも大きい表面粗さ(Ra−算術平均プロファイル粗さパラメータ)をもつ。
【0074】
一定の実施形態において、非平滑面は、基板を完全には覆っていないが、標準的な方法(例えば、マスキングまたは選択的粗化、エッチング、テクスチャ化など)によってパターン化されている。
【0075】
一定の実施形態において、光学材料および接着剤が間に置かれている基板の表面の一方または両方は滑らかである。このような実施形態の一部において、このような滑らかな基板表面の少なくとも一方の、好ましくは両方の水接触角は、空気−基板界面において40°以下、好ましくは25°以下、およびより好ましくは15°以下である。
【0076】
一定の実施形態において、光学部品を作製する方法は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を、第一の基板の第一の表面の複数の所定領域上に付着させること、光学材料上および光学材料に覆われていない第一の基板の第一の表面の任意の一部の上に、接着材料を含む層を形成すること、接着材料を含む層の上に第二の基板を置くこと、基板を一緒に密閉して密閉構造物を形成すること、および密閉構造物から個別の光学部品を分離することを含んでいてもよいが、ここで、個別の光学部品は、光学材料を含む所定の領域を含む、密閉された基板の一部に対応する。
【0077】
個別の光学部品の分離は、水ジェット切断、スコアリング、レーザ切断、または他の技術によって行うことができる。
【0078】
別の実施形態において、光学部品を作製する方法は、第一の基板の第一の表面上に置かれた光学材料を含む所定の領域を含む第一の基板を提供すること、光学材料上および光学材料に覆われていない第一の基板の第一の表面の任意の一部の上に、接着材料を含む層を形成すること、接着材料を含む層の上に第二の基板を置くこと、および基板を一緒に密閉することを含む。
【0079】
一定の実施形態において、光学部品を作製する方法は、第一の基板の第一の表面の上に置かれた光学材料を含む複数の所定の領域を含む、第一の基板を提供すること、光学材料上および光学材料に覆われていない第一の基板の第一の表面の任意の一部の上に、接着材料を含む層を形成すること、接着材料を含む層の上に第二の基板を置くこと、基板を一緒に密閉して密閉構造物を形成すること、および密閉構造物から個別の光学部品を分離することを含んでいてもよいが、ここで、個別の光学部品は、光学材料を含む所定の領域を含む、密閉された基板の一部に対応する。
【0080】
個別の光学部品の分離は、水ジェット切断、スコアリング、レーザ切断または他の技術によって行うことができる。
【0081】
一定の実施形態において、個別の光学部品は、光学材料の周縁と密閉構造物の辺縁との間にある辺縁シール面であって、光学材料を含まない辺縁シール面を含むよう形成されている。一定の実施形態において、辺縁シール面は、光学材料の周縁の周辺が実質的に均一であってもよく、より好ましくは均一であってもよい。
【0082】
一定の好適な実施形態において、各基板の辺縁シール面は、互いに対して密閉構造物の中で互いに重なるように配置されている。
【0083】
一定の実施形態において、第二の基板は、光学部品にとって内側となる基板の表面の一つ以上の第二の所定の領域の上に置かれた量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む第二の光学材料を含む(図4A参照)。一定の実施形態において、光学材料を含む所定の領域と、第二の光学材料を含む第二の所定の領域とは同じである。一定の実施形態において、このような領域は、密閉構造物の中で互いに重なるように配置されている。
【0084】
一定の実施形態において、光学材料および第二の光学材料は、本明細書に教示されている光学材料を含んでいてもよい。一定の実施形態において、一つ以上の光学材料は、層状に配置された別々の層として、および/またはパターン層の別々のフィーチャとして含まれていてもよい。
【0085】
一定の実施形態において、光学材料は、2つ以上の別々の層として置かれていてもよい。
【0086】
本明細書に記載されている光学材料、量子閉じ込め半導体ナノ粒子、基板、接着材料、および他の選択的フィーチャも、本方法において有用である。
【0087】
一定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を、量子閉じ込め半導体ナノ粒子および液体溶媒を含むインクとして付着させる。一定の好適な実施形態において、液体溶媒は、架橋され得る一つ以上の官能基を含む組成物を含む。官能単位は、例えば、UV処理、熱処理、または当業者によって容易に確認することができる別の架橋技術によって架橋することができる。一定の実施形態において、架橋され得る一つ以上の官能単位を含む組成物は、液体溶媒そのものであってもよい。一定の実施形態において、架橋され得る一つ以上の官能単位を含む組成物は共溶媒であってもよい。一定の実施形態において、架橋され得る一つ以上の官能単位を含む組成物は、液体溶媒との混合物の成分であってもよい。一定の実施形態において、インクはさらに光散乱体を含んでいてもよい。
【0088】
光学材料がインク中に置かれている一定の実施形態において、インクは、接着材料を含む層を形成させる前に、(例えば、溶媒を蒸発もしくは乾燥させることによって、硬化によって、または具体的なインクの組成に基づいて適切な他の方法によって)硬くすることができる。好ましくは、接着材料はUV硬化させることができる。
【0089】
一定の実施形態において、インク硬化手順は空気中で行うことができる。
【0090】
一定の実施形態において、インク硬化手順は、好ましくは空気のないところで行われる。
【0091】
一定の実施形態において、光学材料は、さらに母材を含む。このような実施形態の一部において、母材は、硬化性である、インクの液状媒質を含んでいてもよい。このような実施形態の一部において、光学材料は、好ましくは、次にこの上に置かれる次の層を形成させる前に硬化されている。
【0092】
一定の実施形態において、接着材料を含む層は、光学材料の上に所定量の接着材料を置き、この上に第二の基板を配置し、および第二の基板に圧力をかけて第一の基板の第一の表面全体(例えば、光学材料上、および光学材料に覆われていない第一の基板の第一の表面の任意の一部の上)に接着材料を広げることによって形成される。この後、接着材料を硬化させて、光学部品を形成させる。
【0093】
光学部品を製造する際に、分注する接着材料の量は、カバーしようとする領域のサイズ、および接着材料から形成されるべき層の所望の厚さに基づいて予め決めておくことができる。好適な実施形態において、第一と第二の基板の間の領域を完全に覆い、基板を一緒にしたときに基板の間から押し出されるものがほとんどなく所定の厚さをもつ層を形成する量が用いられる。一定の実施形態において、層は、約20から約200ミクロンの厚さである。光学部品を形成させるために基板を一緒にしたときに基板の間から押し出される余剰物は、好ましくは層を硬化させた後に除去する。除去するのに適した技術の例は、切断、研磨などである。他の適切な技術も、関連技術分野の当業者によって容易に確認することができる。
【0094】
一定の実施形態において、硬くすることは、接着材料を、この硬化特性に応じて、硬化または乾燥させることを含む。
【0095】
一定の好適な実施形態において、接着材料を含む層は、基板間の領域を完全に覆う。
【0096】
上記および他の本明細書記載の態様および実施形態は、すべて本発明の実施形態を構成する。
【0097】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子、光散乱体、母材、支持要素、他のフィーチャおよび上記したものの要素に関するさらなる情報、ならびに本発明で有用な他の情報は後述されている。
【0098】
本発明の特定の態様および/または実施形態について本明細書に記載された任意の特徴を、本明細書に記載された本発明の任意の他の態様および/または実施形態の他特徴の任意の一つ以上と組み合わせ、この組合せの適合性を確かなものにするのに適切な改変を加えることができることは、本発明が関連する技術分野における当業者には当然理解できることである。このような組合せも、本開示によって想定された本発明の一部であるとみなされる。
【0099】
上記の一般的な説明および下記の詳細な説明はともに例示的で説明のためのものにすぎず、請求の範囲に記載された発明を制約するものではないと理解されるべきである。他の実施形態は、本明細書および図面に鑑み、請求の範囲の記載および本明細書に開示された発明の実施を見れば、当業者には明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明に係る方法の一実施形態の流れ図の概要の一例を示す概略図である。
【図2】本発明に係る光学部品の一実施形態例を断面図にて示す概略図である。
【図3】量子効率を測定する方法を例示するためのスペクトル図を示す。
【図4A】第二の基板の表面上に光学材料を含む光学部品の実施形態の一例を調製するための本発明の方法における中間手順の実施形態の一例を示す概略図である。
【図4B】各基板の内側表面上に光学材料を含む光学部品の実施形態の一例を断面図にて示す概略図である。
【図5】本発明に係る方法の一実施形態の流れ図の一例を示す概略図である。 添付図は、単なる例示目的で示された簡略図であり、実際の構造は、特に図示された製品の相対的大きさおよび態様など、数多くの態様で異なり得る。
【0101】
本発明を、本発明の他の利点および可能性とともに、より十分に理解するには、上記図面とともに以下の開示および添付の請求の範囲を参照されたい。
【発明を実施するための形態】
【0102】
以下の詳細な説明において、本発明の様々な態様および実施形態をさらに詳しく説明する。
【0103】
本発明の一態様によれば、第一の基板と、第一の基板の第一の表面の所定の領域上に置かれた量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料と、光学材料上および光学材料に覆われていない第一の基板の第一の表面の任意の一部の上に置かれた接着材料を含む層、および接着材料を含む層上に置かれた第二の基板を含む光学部品であって、第一および第二の基板が密閉されている光学部品が提供される。
【0104】
図2は、本発明に係る光学部品の一実施形態例を断面図にて示す概略図である。
【0105】
一定の実施形態において、光学部品は、光学材料の周縁と密閉構造物の辺縁との間に、光学材料を含まない辺縁シール面を含むように形成されている。一定の実施形態において、辺縁シール面は、光学材料の周縁の周辺において実質的に均一であってもよく、より好ましくは均一であってもよい。
【0106】
一定の実施形態において、光学部品は、さらに、接着材料を含む層と第二の基板との間に置かれた量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む第二の光学材料を含む。
【0107】
一定の実施形態において、第二の光学材料は、第二の基板の第一の表面の第二の所定領域の上に置かれる。
【0108】
一定の実施形態において、第一および第二の光学材料は、所定の配置で光学部品の中に含まれていてもよい。このような実施形態の一部において、第一および第二の光学材料は、互いに同一の所定の配置(例えば、同じ大きさおよび同じ配置(例えば、パターン化されている場合には同じパターンの配置、またはパターン化されていない同じ配置。ただし、組成物は同一であってもなくてもよい)で光学部品の中に含まれていてもよい。一定の実施形態において、光学材料の所定の配置および第二の光学材料の第二の所定の配置は、互いに対し密閉構造物の中で互いに重なるように配置されている。
【0109】
第二の基板の表面上に第二の光学材料を含む光学部品の実施形態の一例を、断面図にて図4Bに示す。量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、電子および正孔を閉じ込めることができ、光を吸収して異なった波長の光を放出する光ルミネセンス性をもつ。量子閉じ込め半導体ナノ粒子からの放出光の色特性は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子の大きさと量子閉じ込め半導体ナノ粒子の化学組成によって決まる。
【0110】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、化学組成、構造および大きさについて少なくとも一タイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。本発明に係る光学部品の中に含まれる量子閉じ込め半導体ナノ粒子のタイプは、変換される光の波長と所望の光出力によって決まる。本明細書で検討されているように、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、粒子の表面にシェルおよび/またはリガンドを含んでいても含んでいなくてもよい。一定の実施形態において、シェルおよび/またはリガンドは、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を不動態化して、凝集または集塊形成を防止して、ナノ粒子間のファンデルワールス結合力に打ち勝つことができる。一定の実施形態において、リガンドは、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる任意の母材に対して親和性をもつ材料を含んでいてもよい。本明細書で検討されているように、一定の実施形態において、シェルは無機シェルを含む。
【0111】
一定の実施形態において、光学材料の中に含まれる量子閉じ込め半導体ナノ粒子はカドミウムを含まない。
【0112】
一定の実施形態において、光学材料の中に含まれる量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、III−V半導体材料を含む。
【0113】
一定の実施形態において、光学材料の中に含まれる量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、半導体材料を含むコア、およびコアの表面の少なくとも一部の上に置かれた無機シェルを含む半導体ナノ結晶を含む。
【0114】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、本明細書において、「QD」という略称で呼ばれることもある。
【0115】
一定の実施形態において、光学材料は、一つ以上の異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子(組成、構造および/またはサイズに基づく)を含み、各タイプは、所定の色をもつ光が得られるよう選択される。
【0116】
一定の実施形態において、光学材料は、橙色から赤色のスペクトル領域(例えば約575nmから約650nm)で発光することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。
【0117】
一定の実施形態において、光学材料は、赤色スペクトル領域で発光することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。
【0118】
一定の実施形態において、光学材料は、橙色スペクトル領域で発光することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。
【0119】
一定の実施形態において、光学材料は、シアン色スペクトル領域で発光することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。
【0120】
一定の実施形態において、光学材料は、一つ以上の他の所定のスペクトル領域で発光することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。
【0121】
一定の実施形態において、光学材料の中に含まれる量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、光学材料に含まれる前に少なくとも約60%、好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、最も好ましくは少なくとも約85%の溶液量子効率をもつ。
【0122】
一定の実施形態において、光学部品は、一つ以上の異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子(組成、構造および/またはサイズ、またはナノ粒子に基づく)であって、各異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子が、光学材料に含まれる別のタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって放出される所定の波長と同一であっても異なっていてもよい所定の波長の光を放出するナノ粒子を含む光学材料を含む。所定の波長は、光学部品の目的とする最終用途に基づいて選択される。2つ以上の異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む一定の実施形態において、少なくとも2つのタイプが、該光学部品に含まれ得る、少なくとも一つの別のタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって放出される波長とは異なった所定の波長の光を放出することができる。
【0123】
異なった所定の波長を放出する2つ以上の異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む一定の実施形態において、異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、一つ以上の異なった光学材料に含まれていてもよい。
【0124】
異なった所定の波長を放出する2つ以上の異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む一定の実施形態において、異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、2つ以上の異なった光学材料に含まれていてもよい。
【0125】
2つ以上の異なった光学材料を含む一定の実施形態において、このような異なった光学材料は、例えば、層状に配置された別々の層として、および/またはパターン層の別々のフィーチャとして含まれ得る。
【0126】
一定の実施形態において、例えば、所定の波長は、約470nmから約650nm、約580nmから約630nm、約590nmから約630nm、約590nmから約630nm、または約600nmから約620nm、約600から約610、または608から約618の範囲であってもよい。他の所定の波長が有用または所望されると判断され得る。
【0127】
一定の好適な実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、半導体ナノ結晶を含む。
【0128】
一定の実施形態において、光学材料中の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、少なくとも40%の固体光ルミネセンス量子効率をもつ。一定の実施形態において、光学材料中の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、少なくとも50%の固体光ルミネセンス量子効率をもつ。一定の実施形態において、光学材料中の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、少なくとも60%の固体光ルミネセンス量子効率をもつ。一定の実施形態において、光学材料中の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、少なくとも70%の固体光ルミネセンス量子効率をもつ。一定の実施形態において、光学材料中の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、少なくとも80%の固体光ルミネセンス量子効率をもつ。一定の実施形態において、光学材料中の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、少なくとも90%の固体光ルミネセンス量子効率をもつ。
【0129】
一定の好適な実施形態において、光学材料は、赤色光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。別の好適な実施形態において、光学材料は、橙色から赤色のスペクトル領域で光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。
【0130】
一定の実施形態において、光学材料は、母材に分布する量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。
【0131】
一定の実施形態において、光学材料はさらに、量子閉じ込め半導体ナノ粒子が分布している母材を含む。一定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約0.001から約5重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。一定の実施形態において、光学材料は、母材の重量あたり約0.1から約3重量パーセントの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。一定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約0.5から約3重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。一定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約1から約3重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。一定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約1から約2重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。一定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約0.1から約1重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。一定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約0.1から約0.75重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。
【0132】
母材をさらに含む光学材料の一定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の約5重量パーセントよりも多量に光学材料に含まれていてもよい。例えば、光学材料は、母材の重量あたり約5から約20重量パーセントの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含んでいてもよく、光学材料は、母材の重量あたり約5から約15重量パーセントの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含んでいてもよく、光学材料は、母材の重量あたり約5から約10重量パーセントの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含んでいてもよい。
【0133】
光学材料における上記範囲以外の濃度の量子閉じ込め半導体ナノ粒子であっても、有用または所望であると判断され得る。
【0134】
好ましくは、母材は、固体の母材を含む。本明細書に記載された本発明の様々な実施形態および態様において有用な母材の例は、ポリマー、モノマー、樹脂、結合剤、ガラス、金属酸化物、および他の非高分子物質などである。好適な母材は、所定の波長の光に対し光学的に透明な高分子物質または非高分子物質などである。
【0135】
一定の実施形態において、母材は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対し少なくとも90%光学的に透明である。一定の実施形態において、母材は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対し少なくとも95%光学的に透明である。一定の実施形態において、母材は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対し少なくとも99%光学的に透明である。
【0136】
一定の実施形態において、所定の波長は、電磁スペクトルの可視(例えば400から700nm)領域の波長の光を含んでいてもよい。
【0137】
好適な母材は、架橋ポリマーおよび溶媒キャストポリマーなどである。好適な母材の例は、少なくとも所定の波長の光に対し光学的に透明なガラスまたは樹脂であるが、これらに限定されない。特に、非硬化性樹脂、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂などの樹脂が、加工性の観点から適切に使用される。このような樹脂の具体例は、オリゴマーまたはポリマーいずれかの形状のメラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメチルメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリカーボナート、ポリビニル・アルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、これらの樹脂を形成するモノマーを含むコポリマーなどである。この他の適切な母材は、関連技術分野の当業者によって確認可能である。
【0138】
本開示によって想定される発明の一定の実施形態および態様において、母材は光硬化性樹脂である。光硬化性樹脂は、一定の実施形態、例えば、組成物がパターン化される実施形態においては好適な母材であろう。光硬化性樹脂としては、光重合性樹脂、例えば、アクリル酸またはメタクリル酸を原料とし、反応性ビニル基を含有する樹脂、光増感剤を通常含有する光架橋性樹脂、例えばポリビニルシンナマート、ベンゾフェノンなどを使用することができる。光増感剤を用いない場合には熱硬化性樹脂を使用することができる。これらの樹脂は、個別に、または2つ以上を組み合わせて使用することができる。
【0139】
本開示によって想定される発明の一定の実施形態および態様において、母材は溶媒キャスト樹脂を含む。ポリウレタン樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメチルメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリカーボナート、ポリビニル・アルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、これらの樹脂を形成するモノマーを含むコポリマーなどの樹脂は、当業者に既知の溶媒に溶解させることができる。溶媒を蒸発させると、樹脂は、半導体ナノ粒子用の固体の母材を形成する。
【0140】
一定の実施形態において、光散乱体が光学材料に含まれる。一定の実施形態において、光散乱体は光散乱粒子を含む。一定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約0.001から約5重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。一定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約0.5から約3重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。一定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約1から約3重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。一定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約1から約2重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。一定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約0.05から約1重量パーセントまでの範囲の量で光学材料に含まれる。
【0141】
一定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の約5重量パーセントよりも多量に光学材料に含まれる。例えば、光学材料は、母材の重量あたり約5から約20重量パーセントの光散乱粒子を含んでいてもよく、光学材料は、母材の重量あたり約5から約15重量パーセントの光散乱粒子を含んでいてもよく、光学材料は、母材の重量あたり約5から約10重量パーセントの光散乱粒子を含んでいてもよいなどである。
【0142】
光学材料における上記範囲以外の濃度の光散乱粒子であっても、有用または所望であると判断され得る。
【0143】
一定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子と散乱体の重量比は約1:100から100:1である。
【0144】
本明細書記載の発明の実施形態および態様において使用することができる光散乱体(本明細書では、散乱体または光散乱粒子とも呼ばれている)の例は、金属もしくは金属酸化物、空気泡、ならびにガラスおよび高分子のビーズ(固体または中空)などであるが、これらに限定されない。この他の散乱体は、当業者によって容易に確認することができる。一定の実施形態において、散乱体は球形である。光散乱粒子の好適例は、TiO、SiO、BaTiO、BaSOおよびZnOなどであるが、これらに限定されない。母材と非反応性で、母材における励起光の吸収経路長を増加させることができる、他の材料の粒子を使用することもできる。一定の実施形態において、光散乱体は、高い屈折率をもっていること(例えばTiO、BaSOなど)または低い屈折率をもっていること(気泡)が可能である。一定の好適な実施形態において、光散乱体は発光性ではない。
【0145】
散乱体のサイズとサイズ分布の選択は、当業者によって容易に決定可能である。サイズとサイズ分布は、散乱粒子と、中に光散乱体を分散させる母材との屈折率の不整合や、レイリーの散乱理論に従って散乱させるために予め選択された波長に基づいていてもよい。散乱粒子の表面をさらに処理して、母材の分散性と安定性を向上させることができる。一つの実施形態において、散乱粒子は、中央粒径0.405ミクロンのTiO(デュポン社(DuPont)のR902+)を約0.001から約5重量%の濃度で含む。一定の好適な実施形態において、散乱体の濃度範囲は0.05重量%から2重量%の間である。
【0146】
一定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子と母材を含む光学材料を、量子閉じ込め半導体ナノ粒子と、架橋され得る一つ以上の官能基を含む組成物を含む液体溶媒とを含むインクから形成することができる。官能単位は、例えば、UV処理、熱処理、または当業者によって容易に確認することができる別の架橋技術によって架橋することができる。一定の実施形態において、架橋され得る一つ以上の官能基を含む組成物は、液体溶媒そのものであってもよい。一定の実施形態において、これは共溶媒であってもよい。一定の実施形態において、これは液体溶媒との混合物の成分であってもよい。一定の実施形態において、インクはさらに光散乱体を含んでいてもよい。さらに、光学材料に含まれ得る他の添加剤および/または成分をインクに含ませることができる。
【0147】
本開示によって想定された発明の一定の好適な実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子(例えば、半導体ナノ結晶)を個別の粒子として光学材料の内部に分布させている。
【0148】
一定の実施形態において、光学材料は、他の添加剤(例えば、湿潤剤またはレベリング剤)も含むことができる。
【0149】
本明細書で教示されている発明の一定の態様および実施形態において、光学部品は、第一の光学的に透明な基板および第二の光学的に透明な基板を含む。
【0150】
一定の実施形態において、基板の一方または両方は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対し80%光学的に透明である。一定の実施形態において、基板の一方または両方は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対し少なくとも85%光学的に透明である。一定の実施形態において、基板の一方または両方は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対し少なくとも90%光学的に透明である。一定の実施形態において、基板の一方または両方は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対し少なくとも95%光学的に透明である。一定の実施形態において、基板の一方または両方は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対し少なくとも99%光学的に透明である。
【0151】
一定の実施形態において、基板の一方または両方は、剛性の材料、例えば、ガラス、ポリカーボナート、アクリル、クォーツ、サファイア、または他の既知の剛性材料を含んでいてもよい。
【0152】
一定の実施形態において、基板の一方または両方は、可塑性の材料、例えば、プラスチック(例えば薄いアクリル、エポキシ、ポリカーボナート、PEN、PET、PEであるが、これらに限定されない)やシリコンなどの高分子材料を含んでいてもよい。
【0153】
一定の実施形態において、基板の一方または両方は、シリカまたは基板の上のガラスコーティングを含む可塑性材料を含んでいてもよい。好ましくは、シリカまたはガラスコーティングは、可塑性基材の可塑性を保持するのに十分な薄さである。
【0154】
一定の実施形態において、基板は同じものである。
【0155】
一定の実施形態において、各基板は異なっている。
【0156】
一定の実施形態において、基板の一方または両方は、約0.1%から約5%の範囲にある透過ヘイズ(ASTM D1003−0095に定義されている)を含んでいてもよい。(ASTM D1003−0095は参照することにより本明細書に組み込まれる。)一定の実施形態において、基板の一方または両方の主表面の一方または両方は平滑である。
【0157】
一定の実施形態において、光学材料と接着層が間に置かれている基板表面の少なくとも一方、好ましくは両方とも非平滑である。このような実施形態の一部において、このような基板表面の一方または両方はざらつきがある。このような実施形態の一部において、このような基板表面の一方または両方は粗面になっている。このような実施形態の一部において、このような基板表面の一方または両方はエッチングされている。
【0158】
一定の好適な実施形態において、このような非平滑基板表面の一方または両方は、1000オングストロームよりも大きい表面粗さ(Ra−算術平均プロファイル粗さパラメータ)をもつ。
【0159】
一定の実施形態において、非平滑面は、基板を完全には覆っていないが、標準的な方法(例えば、マスキングまたは選択的粗化、エッチング、テクスチャ化など)によってパターン化されている。
【0160】
一定の実施形態において、基板の一方または両方の主表面の一方または両方は波形であってもよい。
【0161】
一定の実施形態において、基板の一方または両方の主表面の一方または両方は粗面になっていてもよい。
【0162】
一定の実施形態において、基板の一方または両方の主表面の一方または両方はざらつきがあってもよい。
【0163】
一定の実施形態において、基板の一方または両方の主表面の一方または両方は凹状であってもよい。
【0164】
一定の実施形態において、基板の一方または両方の主表面の一方または両方は凸状であってもよい。
【0165】
一定の実施形態において、基板の少なくとも一つの一つ主表面がマイクロレンズを含んでいてもよい。
【0166】
一定の実施形態において、基板の一方または両方の厚さは実質的に均一である。
【0167】
一定の実施形態において、光学材料および接着剤が間に置かれている基板の表面の一方または両方は滑らかである。このような実施形態の一部において、このような滑らかな基板表面の少なくとも一方、好ましくは両方の水接触角は、空気−基板界面において40°以下、好ましくは25°以下、およびより好ましくは15°以下である。
【0168】
一定の実施形態において、第一の基板および第二の基板の幾何学的形状および寸法は、具体的な最終用途に基づいて選択される(例えば、ランプ、固体照明装置、照明器具、または他の装置もしくは器具)。
【0169】
一定の実施形態において、光学部品は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む一つ以上の光学材料を含む、少なくとも一つの層を含む。
【0170】
一つよりも多くのタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む一定の実施形態において、各タイプが別々の層に含まれていてもよい。
【0171】
一定の実施形態において、光学材料は、基板の主表面の全域に置かれている。
【0172】
一定の実施形態において、光学材料は、基板の主表面の全域に不断の層として置かれている。
【0173】
本明細書に記載されているように、一定の実施形態において、光学材料を、パターン化されていてもパターン化されていなくてもよい所定の配置に置くことができる。
【0174】
一定の実施形態において、光学材料は、基板の表面の所定の領域上に一つ以上の発光層として置かれる。
【0175】
一定の実施形態において、母材を含む光学材料を含む層は、例えば、約0.1ミクロンから約1cmの厚さである。一定の実施形態において、母材を含む光学材料を含む層は、約0.1から約200ミクロンの厚さである。一定の実施形態において、母材を含む光学材料を含む層は、約10から約200ミクロンの厚さである。一定の実施形態において、母材を含む光学材料を含む層は、約30から約80ミクロンの厚さである。これら以外の厚さを有用または所望であると判断することも可能である。
【0176】
一定の実施形態において、この他の光学層を含むことも可能である。
【0177】
一定の実施形態において、一つの層が2つ以上の層を含んでいてもよい。
【0178】
エネルギのことを考えると、さらにフィルタを含むことは望ましくない可能性があるが、別の理由でフィルタが含まれる事例もあり得る。このような場合には、フィルタを含むことも可能である。一定の実施形態において、フィルタは、支持要素の全部または少なくとも所定の一部を覆うことができる。一定の実施形態において、フィルタは、一つ以上の所定の波長の光の通過を遮断するために含まれていてもよい。フィルタ層は、光学材料の上または下に含まれていてもよい。一定の実施形態において、光学部品は、支持要素の様々な表面に複数のフィルタ層を含むことができる。一定の実施形態において、ノッチフィルタ層が含まれていてもよい。
【0179】
一定の実施形態において、一つ以上の反射防止膜が光学部品に含まれていてもよい。
【0180】
一定の実施形態において、一つ以上の波長選択性反射被膜が光学部品に含まれていてもよい。このような被膜は、例えば、光を光源に向かって戻すことができる。
【0181】
一定の実施形態において、例えば、光学部品は、さらに、表面の少なくとも一部を横切って出力結合用の部材または構造物を含むことができる。一定の実施形態において、出力結合用の部材または構造物は、表面の全域に均一に分布させることができる。一定の実施形態において、出力結合用の部材または構造物の形状、サイズおよび/または頻度は、表面から出力結合される光の分布をより均一にするために異なっていてもよい。一定の実施形態において、出力結合用の部材または構造物は、凸状、例えば、光学部品の表面上に乗っているか突き出していてもよく、または凹状、例えば、光学部品の表面で窪みになっていてもよく、または両方を組み合わせたものであってもよい。
【0182】
一定の実施形態において、光学部品は、光が放出される表面上にレンズ、角柱面、格子などを含んでいてもよい。他のコーティングも場合によりこのような表面に含むことができる。
【0183】
一定の実施形態において、出力結合用の部材または構造物は、型打ち、エンボス加工、ラミネート加工、硬化性調合剤の適用(例えば、吹付け、リソグラフィ、印刷(スクリーン、インクジェット、フレキソ印刷など)などであるが、これらに限定されない技術によって形成される)によって形成することができる。
【0184】
一定の実施形態において、基板の一方または両方は、光散乱体を含んでいてもよい。
【0185】
一定の実施形態において、基板の一方または両方は、空気泡または空隙を含んでいてもよい。
【0186】
一定の実施形態において、光学部品は、平面仕上げまたはつや消し仕上げをした一つ以上の主表面を含んでいてもよい。
【0187】
一定の実施形態において、光学部品は、つや出し仕上げをした一つ以上の表面を含んでいてもよい。
【0188】
本明細書に教示された発明の一定の態様および実施形態において、光学部品は場合により、環境(例えば、埃、湿気など)および/または引っかき傷や摩耗から保護するために、該部品の外側表面の全部または一部の上にカバー、膜または層をさらに含んでいてもよい。
【0189】
接着材料は、好ましくは光透過特性および接着品質で選択される。
【0190】
一定の好適な実施形態において、接着材料は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対して光学的に透明である。
【0191】
一定の実施形態において、接着材料は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対して少なくとも80%光学的に透明である。一定の実施形態において、接着材料は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対して少なくとも85%光学的に透明である。一定の実施形態において、接着材料は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対して少なくとも90%光学的に透明である。一定の実施形態において、接着材料は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対して少なくとも95%光学的に透明である。一定の実施形態において、接着材料は、光学部品を出入りする、少なくとも所定の波長の光に対して少なくとも99%光学的に透明である。
【0192】
一定の好適な実施形態において、接着材料は、密閉している間に黄ばむことも変色することもない。より好ましくは、接着材料は、光学部品の有用耐用期間内に黄ばんだり変色したりして、光学部品の光学特性を実質的に変えることはない。
【0193】
一定の好適な実施形態において、接着材料は、光学部品を一緒に密閉するのに適した接着特性をもつ。より好ましくは、シールは、光学部品の有用耐用期間内に一部または全部が薄い層に裂けたり、そうでなければ機能しなくなったりすることはない。
【0194】
一定の好適な実施形態において、接着材料の性質は、光学材料の固体光ルミネセンス量子効率に対して最小限の影響しか与えない。
【0195】
一定の好適な実施形態において、接着材料は酸素障壁特性をもつ。
【0196】
一定の好適な実施形態において、接着材料は酸素障壁特性および防湿特性をもつ。
【0197】
一定の好適な実施形態において、接着材料は、光学材料および光学材料の外部量子効率に悪影響を与えない条件下で硬くする(例えば硬化または乾燥させる)ことができる。好ましくは、接着材料はUV硬化させることができる。
【0198】
好ましくは、接着材料は、層を形成するに際して、光学材料上に分注された後も、最小限の落ち込みで盛り上がった状態として残る程度の粘度をもつ。この粘度特性によって、基板の間にある物質が、裸眼で観察できる気泡を実質的に含むことがなく、および好ましくは、含むことがなくなる光学部品を得ることを容易にする。好適な接着材料はUV硬化性アクリル系ウレタンである。UV硬化型アクリル系ウレタンの例は、Norland光学接着剤68およびNorland光学接着剤68Tという名のNorland Adhesives社によって販売されている製品などである。
【0199】
一定の実施形態において、接着材料は、感圧接着剤を含んでいてもよい。
【0200】
さらなる適切な接着材料(例えば、エポキシ類、アクリル類、ウレタン類、他のUV硬化型アクリル類など)を、関連技術分野の当業者によって容易に確認することができる。
【0201】
一定の実施形態において、光学部品はさらに、一つ以上の別々の障壁層を含んでいてもよい。例えば、光学材料を付着させる前に別々の障壁層を基板の表面に適用し、および/または、接着材料と接触させる前に、別々の障壁層を光学材料の上に適用することもできる。障壁材料は、実質的に酸素を通さない材料である。一定の実施形態において、障壁層は、実質的に酸素および水を通さない。
【0202】
適切な障壁用のフィルムまたは膜の例は、金属酸化物コーティング、薄いガラス層およびVitex Systems,Inc.から入手できるBarixコーティング材料を含むが、これらに限定されない。この他の障壁用のフィルムまたは膜は、当業者によって容易に確認することができる。
【0203】
一定の実施形態において、一つ以上の障壁用のフィルムまたは膜を用いて、基板の間に光学材料をさらに封入することができる。
【0204】
一定の好適な実施形態において、障壁材料は、少なくとも光学部品を出入りする光の所定の波長をもつ光に対して光学的に透明である。一定の実施形態において、障壁材料は、光学部品を出入りする所定の波長の光に対して少なくとも80%光学的に透明である。一定の実施形態において、障壁材料は、光学部品を出入りする所定の波長の光に対して少なくとも85%光学的に透明である。一定の実施形態において、障壁材料は、光学部品を出入りする所定の波長の光に対して少なくとも90%光学的に透明である。一定の実施形態において、障壁材料は、光学部品を出入りする所定の波長の光に対して少なくとも95%光学的に透明である。一定の実施形態において、障壁材料は、光学部品を出入りする所定の波長の光に対して少なくとも99%光学的に透明である。
【0205】
一定の好適な実施形態において、障壁材料は、黄ばんだり変色したりして光学部品の光学特性を実質的に変えることはない。
【0206】
一定の好適な実施形態において、障壁材料は、光学部品の有用耐用期間内に一部または全部が薄い層に裂けることはない。
【0207】
一定の好適な実施形態において、障壁材料の性質は、光学材料の外部量子効率に対して最小限の影響しか与えない。
【0208】
一定の好適な実施形態において、障壁材料を、光学材料および光学材料の外部量子効率に悪影響を与えない条件下で形成することができる。
【0209】
一定の実施形態において、光学部品は光源を用いて有用となる。
【0210】
一定の実施形態において、光学材料は、少なくとも一つのスペクトル領域における光源からの光出力の全部または一部を変えることができる。
【0211】
一定の実施形態において、光学材料は、少なくとも一つのスペクトル領域における光源からの光出力を補うことができる。
【0212】
一定の実施形態において、光学材料は、少なくとも一つのスペクトル領域における光源からの光出力の全部または実質的に全部を変えることができる。
【0213】
光源は、好ましくは電磁スペクトルの可視領域で発光する。
【0214】
光源の例は、例えば、青色スペクトル領域(例えば約400から約500nm、約400から約475nmなど)に少なくとも一つのスペクトル成分を含む光出力を生じさせる光源を含むが、これに限定されない。
【0215】
一定の実施形態において、光源は、白色光を放出するように選択される。
【0216】
一定の実施形態において、光源は、オフ・ホワイト光を放出するように選択される。
【0217】
一定の実施形態において、白色光を放出するLEDは、青色LED光出力を白色光に変換するための蛍光体材料または他の発光体材料を含む青色発光半導体LEDを含む。
【0218】
一定の実施形態において、オフ・ホワイト光を放出するLEDは、青色LED光出力をオフ・ホワイト光に変換するための蛍光体材料または他の発光体材料を含む青色発光半導体LEDを含む。
【0219】
一定の実施形態において、例えば、白色発光LEDに含まれる青色発光LED成分は、例えば、(In)GaN青を含む。
【0220】
一定の実施形態において、青色LEDは、約400nmから約500nmまでの範囲の光を放出する。一定の実施形態において、青色LEDは、約400nmから約475nmまでの範囲の光を放出する。
【0221】
一定の実施形態において、LEDは、UV LED光出力を白色またはオフ・ホワイトに変換するための蛍光体材料または他の発光体材料を含むUV発光半導体LEDを含む。
【0222】
一定の実施形態において、光学材料は、青色から赤色のスペクトル領域(例えば約470nmから約650nm)で発光することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。一定の実施形態において、光学材料は、赤色スペクトル領域で発光することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。一定の実施形態において、光学材料は、シアン色スペクトル領域で発光することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。一定の実施形態において、光学材料は、橙色スペクトル領域で発光することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。一定の実施形態において、光学材料は、光源が欠如している一つ以上の他の所定のスペクトル領域で発光することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。
【0223】
光学部品を、青色のスペクトル領域での発光を含む光出力を生じさせる光源とともに使用することを意図した実施形態において、光学部品は、青色スペクトル領域における発光の少なくとも10%を一つ以上の所定の波長に変換することができる。このような実施形態の一部において、光学部品は、青色スペクトル領域における発光の少なくとも30%を一つ以上の所定の波長に変換することができる。このような実施形態の一部において、光学部品は、青色スペクトル領域における発光の少なくとも60%を一つ以上の所定の波長に変換することができる。このような実施形態の一部において、光学部品は、青色スペクトル領域における発光の少なくとも90%を一つ以上の所定の波長に変換することができる。
【0224】
光学部品を、青色のスペクトル領域での発光を含む光出力を生じさせる光源とともに使用することを意図した実施形態において、光学部品は、青色スペクトル領域における発光の約50%から約75%を一つ以上の所定の波長に変換することができる。
【0225】
有利なことに、本発明の一定の実施形態においては、赤色発光量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料が、赤色スペクトルの欠如を補うことができ、これと同時に白色発光LEDの相関色温度を低下させることもできる。このような光学材料は、装置からの光出力の平均演色評価数(Ra)が、光源から直接放出される光のRaに比べて増加するように光源からの光出力を変化させることができる。このような光学材料は、装置からの光出力の相関色温度が、光源から直接放出される光の相関色温度よりも低い相関色温度になるよう、光源からの光出力を変化させることができる。
【0226】
一定の実施形態において、光学部品は、照明装置のカバー板として使用することができる。
【0227】
一定の実施形態において、基板は、照明装置の光拡散部品を含む。
【0228】
本明細書に記載されているように、本発明の別の態様において、光を発生させることができる一つ以上の光源と、一つ以上の光源の少なくとも一つによって発された光の少なくとも一部を受け、受けた光の少なくとも一部を一つ以上の所定の波長に変換し、この結果、固体照明装置によって放出される光が、光源からの一つ以上の所定の波長での発光によって補足された発光を含むように置かれた、本明細書教示の光学部品を含む光学部品とを含む照明装置が提供される。
【0229】
一定の実施形態において、照明装置は複数の光源を含むことができる。
【0230】
複数の光源を含む一定の実施形態において、各光源は同じものであっても異なっていてもよい。
【0231】
複数の光源を含む一定の実施形態において、各光源は、他光源の各々によって放出される波長と同一の波長をもつ光を放出しても、異なった波長をもつ光を放出してもよい。
【0232】
複数の光源を含む一定の実施形態において、各光源は、装置内のアレイとして配列することができる。
【0233】
本明細書記載の光源を、本発明の照明装置に含ませることができる。他の光源も使用に適している。他の適した光源は、関連技術分野の当業者によって容易に確認することができる。
【0234】
一定の実施形態において、光学材料は、少なくとも一つのスペクトル領域における光源からの光出力を補うことができる。
【0235】
一定の実施形態において、少なくとも一つのスペクトル領域における光源の光出力を補うことによって、光学部品は、光源からの光出力の平均演色評価数(Ra)を増加させることもできる。
【0236】
平均演色評価数(Raと略されることもある)は、本明細書において、平均演色評価数を8種の標準的な試験色(R1−8)についての平均値とする一般的な定義を意味する。
【0237】
例えば、一定の実施形態において、光学部品は、光源からの光出力の平均演色評価数(Ra)を少なくとも10%増加させることができる。一定の実施形態において、平均演色評価数(Ra)を所定の平均演色評価数(Ra)にまで増加させる。
【0238】
一定の実施形態において、例えば、光学部品は、光源によって放出される、平均演色評価数(Ra)が80よりも少ない光を、80よりも、85よりも、90よりも、または95よりも多い評価数に変えることができる。
【0239】
一定の実施形態において、例えば、光学部品は、光源によって放出される光を変えることができる。
【0240】
一定の実施形態において、光学部品は、白色の光出力が正のR9値をもつように変えることができる。より好ましくは、R9値は少なくとも50である。最も好ましくは、R9値は80よりも大きい。
【0241】
一定の実施形態において、少なくとも一つのスペクトル領域における光源の光出力を補うことによって、光学部品は、光源からの光出力の相関色温度(CCT)を変えることもできる。一定の実施形態において、光学部品は、光源からの光出力の相関色温度を、例えば、少なくとも約1000Kずつ、少なくとも約2000Kずつ、少なくとも約3000Kずつ、少なくとも約4000Kずつなどというように低下させることができる。
【0242】
一定の実施形態において、CCTを所定のCCTに変えることができる。
【0243】
一定の実施形態において、光学材料は、光源に直接的に接触していない。
【0244】
一定の実施形態において、光学部品は、光源に直接的に接触していない。
【0245】
好ましくは、固体照明装置が動作しているときにナノ粒子が存在する場所における温度は、90℃よりも低く、75℃よりも低く、60℃以下であり、50℃以下であり、40℃以下である。一定の好適な実施形態において、固体照明装置が動作しているときにナノ粒子が存在する場所における温度は約30℃から約60℃の範囲にある。
【0246】
本発明に係る照明装置であって、例えば、白色発光LEDと、橙色から赤色のスペクトル領域の光を放出することができる、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を含む光学部品とを含む光源を含む照明装置の一定の実施形態において、橙色から赤色のスペクトル領域での発光を、固体照明装置の光出力に加える。約470nmから約650nmまでのスペクトル範囲の所定の発光波長をもつナノ粒子を加えると、固体照明装置のルーメン毎ワット効率を、所要電力を増加させることなく向上させることができる。
【0247】
一定の実施形態において、照明装置は、以下のものを含む:白色光を放出することができ、青色スペクトル領域における発光を含み、赤色スペクトルが欠如しているLEDを含む光源;およびLEDによって放出された光を受けるように置かれている光学部品であって、固体照明装置によって放出された光が赤色スペクトル領域における発光によって補足された、LED光源からの白色発光を含むように、青色スペクトル領域における発光の少なくとも一部を約600nmから約620nmの範囲の波長をもつ赤色スペクトル領域の光に変換する光学材料であり、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を含む光学部品。
【0248】
一定の実施形態において、照明装置は、以下のものを含む:白色光を放出することができ、青色スペクトル領域における発光を含み、橙色から赤色スペクトルが欠如しているLEDを含む光源;およびLEDによって放出された光を受けるように置かれている光学部品であって、固体照明装置によって放出された光が約575nmから約650nmのスペクトル領域における発光によって補足された、LED光源からの白色発光を含むように、青色スペクトル領域における発光の少なくとも一部を約575nmから約650nmのスペクトル領域の光に変換する光学材料であり、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を含む光学部品。一定の実施形態において、例えば、光学材料は、青色スペクトル発光の少なくとも一部を約575nmから約650nmの、約580nmから約630nmの、約590nmから約630nmの、約600nmから約620nmなどのスペクトル領域の光に変換することができる。一定の実施形態において、波長は約600から約610であってもよい。一定の実施形態において、波長は約608から約618であってもよい。
【0249】
一定の実施形態において、青色スペクトル領域における少なくとも10%の発光が、量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって変換される。
【0250】
一定の実施形態において、青色スペクトル領域における少なくとも30%の発光が、量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって変換される。
【0251】
一定の実施形態において、青色スペクトル領域における少なくとも60%の発光が、量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって変換される。
【0252】
一定の実施形態において、青色スペクトル領域における少なくとも90%の発光が、量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって変換される。
【0253】
一定の実施形態において、青色スペクトル領域における約50%から約75%の発光が、量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって変換される。
【0254】
本発明の別の一態様によれば、一つ以上の光源を受けるように構成された照明器具であって、光源の少なくとも一つによって発生された光の少なくとも一部が器具から発光される前に光学部品の中を通過するよう一つ以上の光源の少なくとも一つの位置に相対して器具の中に置かれた光学部品であって、本明細書に教示されている光学部品を含む照明器具が提供される。
【0255】
本発明のさらなる一態様によれば、光源のために照明装置または照明器具に取り付けられるよう適合されたカバー板であって、本明細書に教示された光学部品およびカバー板を照明装置または照明器具に取り付けるため手段を含み、光学部品が、これとともに用いられる発光装置の光出力を改変することができるカバー板が提供される。
【0256】
一定の実施形態において、光学部品は、一つ以上のフィーチャおよび、場合により、さらに別の本明細書記載の材料および/または層を含むことができる。
【0257】
本明細書に記載されている本発明の一定の実施形態および態様において、光学部品の幾何学的形状および寸法は、具体的な最終用途に基づいて選択され得る。
【0258】
一定の実施形態において、照明装置または照明器具は、固体照明装置(例えば、LED)を含む。
【0259】
本発明の別の一態様によれば、光学部品を製造する方法であって、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を、第一の基板の第一の表面の所定の領域上に付着させること、光学材料上および光学材料に覆われていない第一の基板の第一の表面の任意の一部の上に、接着材料を含む層を形成すること、接着材料を含む層の上に第二の基板を置くこと、および基板を一緒に密閉することを含む方法が提供される。
【0260】
本発明の別の一実施態様によれば、複数の光学部品を作製する方法であって、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を、第一の基板の第一の表面の複数の所定の領域上に付着させること、光学材料上および光学材料に覆われていない第一の基板の第一の表面の任意の一部の上に、接着材料を含む層を形成すること、接着材料を含む層の上に第二の基板を置くこと、基板を一緒に密閉して密閉構造物を形成すること、密閉構造物から、光学材料を含む所定の領域を含む密閉された基板の一部に対応する個別の光学部品を分離することを含む方法が提供される。
【0261】
個別の光学部品の分離は、水ジェット切断、スコアリング、レーザ切断、他技術によって行うことができる。
【0262】
一定の実施形態において、第二の基板は、この表面の第二の所定の領域であって、光学部品の内側となる領域の上に第二の所定の配置で量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む第二の光学材料を含む。(図4A参照。)一定の実施形態において、光学材料の所定の配置および第二の光学材料の第二の所定の配置は、上記したとおり、同じであってもよい。
【0263】
一定の実施形態において、光学材料は、本明細書に教示されている光学材料を含む。一定の実施形態において、一つ以上の光学材料は、層状に配置された別々の層として、および/またはパターン層の別々のフィーチャとして含まれていてもよい。
【0264】
本明細書に記載されている光学材料、量子閉じ込め半導体ナノ粒子、基板、接着材料、および他の選択的フィーチャも、本方法で有用である。
【0265】
本方法の実施形態の一例が図1に概略されている。図1に概略された例では、光学材料が、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むUV硬化性インクとして付着させられる。図示された例において、インクは、第一の基板(例えばガラス板)の上に所定のパターンでスクリーン印刷またはステンシル印刷される。一定の好適な実施形態において、第一の基板はガラスを含むが、別の適切な基板も使用することができる。または、一定の実施形態において、インクは、関連技術分野に詳しい当業者に既知の他の技術によって印刷され得る。インクは、所定の厚さに印刷される。このような所定の厚さは、インク中の量子閉じ込め半導体ナノ粒子(例えば、半導体ナノ結晶)の濃度およびインク中に存在する光散乱体(選択的である)の量および光学部品の目的とする最終用途(例えば、光学部品に含まれる光学材料によって補足される光の特徴および光学部品を通過した後の光の所望の色点)に基づいて選択される。
【0266】
一定の実施形態において、インクは空気中で印刷される。空気中での印刷は、製造をより容易にする。
【0267】
一定の実施形態において、インクは、制御された(例えば、空気を排除した)環境中で印刷される。
【0268】
一旦印刷されると、インクに含まれる液状媒質に基づく機構によってインクは硬化する。例えば、インクの液体成分が硬化性樹脂である実施形態では、インク樹脂を硬化させることによってインクが硬くなる。一定の好適な実施形態において、インク樹脂はUV硬化性であり、十分な時間UV光源に曝露するとインクが硬化する。例えば、UV硬化性アクリル樹脂を含むインクは、DymaxフュージョンH電球に、30から45ミリワット/cmで20秒間曝露することで硬化させることができる。
【0269】
一定の実施形態において、インク硬化手順は空気中で実施することができる。
【0270】
一定の実施形態において、インクは、制御された(例えば、空気を排除した)環境中で硬化される。
【0271】
次に、一定量の光学的に清澄な接着材料(図中に好適な封入用接着剤として示されているもの)を、硬化した光学材料上に分注する。
【0272】
好ましくは、接着材料は、層を形成するに際して、光学材料上に分注された後も、最小限の落ち込みで盛り上がった状態として残る程度の粘度をもつ。この粘度特性によって、基板の間にある物質が、裸眼で観察できる気泡を実質的に含むことがなく、および好ましくは、含むことがなくなる光学部品を得ることが容易になる。好適な接着材料はUV硬化性アクリル系ウレタンである。UV硬化性アクリル系ウレタンの例は、Norland光学接着剤68およびNorland光学接着剤68Tという名のNorland Adhesives社によって販売されている製品などである。
【0273】
一定の実施形態において、接着材料は、感圧接着剤を含んでいてもよい。
【0274】
第二の基板(例えばガラス板)を制御された方法で下に降ろして、分注した接着材料(図中に好適な封入用接着剤として示されているもの)の最上部に触れさせる。好ましくは、接着材料は酸素障壁特性をもつ。第二の基板を、底のガラス基板との平行性を維持しつつゆっくりと下方に押す。この圧縮力を、能動的に、例えば、制御加力装置(スクリュー式、水圧式、空気圧式など)を用いて適用することができる。また、この圧縮力を、受動的に、例えばおもりを用いて適用することができる。好ましくは、圧縮力は、部品全域で実質的に均一である。圧縮力は、接着材料の厚さを調節するために調整することができる。
【0275】
一定の実施形態において、80lbf(10.6psi)以下の圧縮力を用いる。一定の実施形態において、20lbf(ほぼ2.6psi)以下の圧縮力を用いる。これら以外の圧縮力も有用または好ましいものであり得る。
【0276】
好ましくは、この力を、力を除くまで約1分間保持する。これ以外の時間も有用または好ましいものであり得る。
【0277】
この後、接着剤を硬くして装置を密閉する。
【0278】
UV硬化性接着剤を含む一定の実施形態において、硬化過程における全UVエネルギは、好ましくは5000mJ/cmよりも小さい。
【0279】
UV硬化性接着剤を含む一定の実施形態において、低収縮性接着剤を用いて、縮み応力を最小限にすることができ、または縮み応力を最小限にする硬化条件を用いることができる。これらの条件は、本技術分野に詳しい当業者に知られており、長時間にわたってより低い強度のUV照射をすることを含み得る。一定の実施形態において、光学部品に対して内側になる第二の基板の表面はさらに、第二の所定の配置で量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む第二の光学材料を含む。一定の実施形態において、第二の光学材料は、第二の基板の内側表面の第二の所定の領域の上に置かれて、所定の配置で第一の基板と向かい合う。一定の実施形態において、第二の光学材料の所定の配置は、第一の基板上に置かれた光学材料の所定の配置の鏡像であり、第一の基板上に置かれた光学材料の所定の配置に重なり合うよう並べられている。第二の基板上に第二の光学材料を含む実施形態において、20lbf(ほぼ2.6psi)以下の圧縮力が好適である。
【0280】
他の圧縮力も有用または好ましいものであり得る。
【0281】
図1に示した本方法の実施形態の例によって生産される光学部品は、接着材料によって大気から完全に封入されている、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料のフィルムを含む。
【0282】
図2は、本発明に係る光学部品の一実施形態例を断面図にて示す概略図である。
【0283】
パッケージは空気中で組み立てられるが、完成した光学部品には実質的に空洞部分がないため、ほとんどの部分で酸素が排除されている。光学材料は、3つの面で接着材料に囲まれ、4つ目の面ではガラスに囲まれている。
【0284】
光学部品が密閉された後に光学部品に浸透するためには、酸素は、末端シールを通って光学材料層の中に拡散しなければならない。パッケージの障壁特性は、辺縁シールの長さ(例えば、基板の辺縁から、基板の間にある光学材料の層の外縁までの距離)によって調節することもできる。
【0285】
一定の実施形態において、辺縁シールの長さは、基板の周縁において実質的に均一である。一例として、一定の実施形態において、辺縁シールの長さは0.5mm以上である。一定の実施形態において、辺縁シールは1mmであってもよい。一定の実施形態において、辺縁シールは2mmであってもよい。一定の実施形態において、辺縁シールは3mm以上であってもよい。他の辺縁シール長も有用または好ましいものであり得る。
【0286】
本明細書に教示された発明の一定の好適な態様および実施形態において、密閉された光学部品を、光学材料の光ルミネセンス効率を増加させるのに十分な時間、光束に曝露する。
【0287】
一定の実施形態において、光学材料の光ルミネセンス効率を増加させるのに十分な時間、光学部品を光および熱に曝露する。一定の実施形態において、光、または光および熱への曝露を、光ルミネセンス効率が実質的に定常値に達するまでの時間続ける。一定の実施形態において、365から480nmの範囲で放出される光出力を含む光源を光束の発生源として使用する。一定の実施形態において、365から470nmの範囲で放出される光出力を含む光源を光束の発生源として使用する。
【0288】
一定の好適な実施形態において、青色LEDまたは青色発光蛍光ランプが使用される。このような波長範囲で放出する他の既知の光源は、当業者によって容易に確認され得る。一定の実施形態において、光束は、約10から約100mW/cmであり、好ましくは約20から約35mW/cmであり、より好ましくは約20から約30mW/cmである。光学材料を光および熱に曝露することを含む実施形態において、光学材料を、約25℃から約80℃までの範囲にある温度で光に曝露する。一定の実施形態において、密閉した後、光学部品を、空気中80℃の温度で450nmという公称中心波長の青色LED発光に曝露する。一定の実施形態において、密閉した後、光学部品を、空気中50℃の温度で450nmという公称中心波長の青色LED発光からの光に曝露する。
【0289】
本発明で有用なさらなる情報については、2009年5月4日に出願された米国特許出願番号61/175,456(Linton,et al.,「Optical Material,Optical Component,Devices,And Methods」)を参照されたい。なお、本文献は参照されることによって本明細書に組み込まれる。
【0290】
複数の光学部品を製造する方法の実施形態の一例が図5に概略されている。図5に概略された例において、光学材料は、第一の基板上の複数の所定の領域の上に量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むUV硬化性インクとして置かれている。図示された例において、インクは、第一の基板(例えばガラス板)の上に所定のパターンでスクリーン印刷またはステンシル印刷される。一定の好適な実施形態において、第一の基板はガラスを含むが、別の適切な基板も使用することができる。
【0291】
一定の実施形態において、光学材料および接着剤層が間に置かれている基板の表面の少なくとも一方、好ましくは、両方とも滑らかでない。このような実施形態の一部において、このような基板表面の一方または両方にざらつきがある。このような実施形態の一部において、このような基板表面の一方または両方は粗面になっている。このような実施形態の一部において、このような基板表面の一方または両方はエッチングされている。
【0292】
一定の好適な実施形態において、このような非平滑基板表面の一方または両方は、1000オングストロームよりも大きい表面粗さ(Ra−算術平均プロファイル粗さパラメータ)をもつ。
【0293】
一定の実施形態において、非平滑面は、基板を完全には覆っていないが、標準的な方法(例えば、マスキングまたは選択的粗化、エッチング、テクスチャ化など)によってパターン化されている。
【0294】
一定の実施形態において、光学材料および接着剤が間に置かれている基板の表面の一方または両方は滑らかである。このような実施形態の一部において、このような滑らかな基板表面の少なくとも一方、好ましくは両方の水接触角は、空気−基板界面において40°以下、好ましくは25°以下、より好ましくは15°以下である。
【0295】
または、一定の実施形態において、インクは、関連技術分野に詳しい当業者に既知の他の技術によって印刷され得る。インクは、所定の厚さに印刷される。このような所定の厚さは、インク中の量子閉じ込め半導体ナノ粒子(例えば、半導体ナノ結晶)の濃度およびインク中に存在する光散乱体(選択的である)の量および光学部品の目的とする最終用途(例えば、光学部品に含まれる光学材料によって補足される光の特徴および光学部品を通過した後の光の所望の色点)に基づいて選択される。
【0296】
一定の実施形態において、インクは空気中で印刷される。空気中での印刷は、製造をより容易にする。
【0297】
一定の実施形態において、インクは、制御された(例えば、空気を排除した)環境中で印刷される。
【0298】
一旦印刷されると、インクに含まれる液状媒質に基づく機構によってインクは硬化する。例えば、インクの液体成分が硬化性樹脂である実施形態では、インク樹脂を硬化させることによってインクが硬くなる。一定の好適な実施形態において、インク樹脂はUV硬化性であり、十分な時間UV光源に曝露するとインクが硬化する。例えば、UV硬化性アクリル樹脂を含むインクは、DymaxフュージョンH電球に、30から45ミリワット/cmで20秒間曝露することで硬化させることができる。
【0299】
一定の実施形態において、インク硬化手順は空気中で実施することができる。
【0300】
一定の実施形態において、インクは、制御された(例えば、空気を排除した)環境中で硬化される。
【0301】
次に、一定量の光学的に清澄な接着材料(図中に好適な封入用接着剤として示されているもの)を第一の基板上に分注する。図示された例において、接着剤の帯が、硬化した光学材料を含む基板の表面を横切って末端近くに分注されている。接着剤の量は、好ましくは硬くなった光学材料を含む基板の表面上に、所定の厚さをもった接着剤の均一の層を提供するのに、少なくとも十分な量である。または、硬くなった光学材料を含む基板の表面上に、所定の厚さをもった接着剤の均一の層を得るための他の技術および/または配置によって接着剤を置くこともできる。
【0302】
好ましくは、接着材料は、層を形成するに際して、光学材料上に分注された後も、最小限の落ち込みで盛り上がった状態として残る程度の粘度をもつ。この粘度特性によって、基板の間にある物質が、裸眼で観察できる気泡を実質的に含むことがなく、および好ましくは、含むことがなくなる光学部品を得ることを容易にする。好適な接着材料はUV硬化性アクリル系ウレタンである。UV硬化性アクリル系ウレタンの例は、Norland光学接着剤68およびNorland光学接着剤68Tという名のNorland Adhesives社によって販売されている製品などである。
【0303】
一定の実施形態において、接着材料は、感圧接着剤を含んでいてもよい。
【0304】
第二の基板(例えばガラス板)を制御された方法で下に降ろして、分注した接着材料のラインの最上部に触れさせ、圧縮力を積層状に並べられた物に適用して構造物を圧迫し、硬化したインクを含む第一の基板の表面の全域に接着剤を広げる。
【0305】
ロールラミネート加工を例に図示したように使用することができる。関連技術分野に詳しい当業者に既知の他の技術を代わりに用いて、2枚の基板と密閉構造物の間に接着剤層を形成することができる。好ましくは、基板は密閉した後に平行である。
【0306】
上記したように、好ましくは、接着材料は酸素障壁特性をもつ。
【0307】
第二の基板を、底のガラス基板との平行性を維持しつつゆっくりと下方に押す。好ましくは、圧縮力は、構造物全域で実質的に均一に適用される。圧縮力は、接着材料の厚さを調節するために調整することができる。一定の実施形態において、80lbf(10.6psi)以下の圧縮力を用いる。一定の実施形態において、20lbf(ほぼ2.6psi)以下の圧縮力を用いる。これら以外の圧縮力も有用または好ましいものであり得る。
【0308】
この後、接着剤を硬くして装置を密閉する。
【0309】
UV硬化性接着剤を含む一定の実施形態において、硬化過程における全UVエネルギは、好ましくは5000mJ/cmよりも小さい。
【0310】
UV硬化性接着剤を含む一定の実施形態において、低収縮性接着剤を用いて縮み応力を最小限にすることができ、または縮み応力を最小限にする硬化条件を用いることができる。これらの条件は、本技術分野に詳しい当業者に知られており、より長時間にわたってより低い強度のUV照射をすることを含み得る。基板を密閉した後、個別の光学部品を密閉構造物から分離する。個別の光学部品は、光学材料を含む所定の領域を含む、密閉された基板の一部に対応していてもよい。好ましくは、個別の光学部品は、光学材料の周縁と光学部品の辺縁との間にある接着剤の縁を含む。より好ましくは、縁は均一である。
【0311】
個別の光学部品の分離は、水ジェット切断、スコアリング、レーザ切断または他の技術によって行うことができる。
【0312】
一定の実施形態において、間に光学材料が置かれている基板表面の少なくとも一方、好ましくは両方ともが滑らかでない。
【0313】
このような実施形態の一部において、このような基板表面の一方または両方にざらつきがある。このような実施形態の一部において、このような基板表面の一方または両方は粗面になっている。
【0314】
一定の実施形態において、間に光学材料および接着剤層が置かれている基板表面の少なくとも一方、好ましくは両方ともが滑らかでない。このような実施形態の一部において、このような基板表面の一方または両方にざらつきがある。このような実施形態の一部において、このような基板表面の一方または両方は粗面になっている。このような実施形態の一部において、このような基板表面の一方または両方はエッチングされている。
【0315】
一定の好適な実施形態において、このような非平滑基板表面の一方または両方は、1000オングストロームよりも大きい表面粗さ(Ra−算術平均プロファイル粗さパラメータ)をもつ。
【0316】
一定の実施形態において、非平滑面は、基板を完全には覆っていないが、標準的な方法(例えば、マスキングまたは選択的粗化、エッチング、テクスチャ化など)によってパターン化されている。
【0317】
一定の実施形態において、光学材料および接着剤が間に置かれている基板の表面の一方または両方は滑らかである。このような実施形態の一部において、このような滑らかな基板表面の少なくとも一方、好ましくは両方の水接触角は、空気−基板界面において40°以下、好ましくは25°以下、およびより好ましくは15°以下である。
【0318】
一定の実施形態において、光学材料が間に置かれている基板表面の一方、および好ましくは両方が、30°以下、好ましくは20°以下、より好ましくは10°以下の接触角を有する。
【0319】
一定の実施形態において、光学部品に対して内側となる第二の基板の表面はさらに、第二の基板の第一の表面上の第二の複数の所定の領域上に置かれた量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む第二の光学材料を含んでいてもよい。一定の実施形態において、第一および第二の基板上の複数の所定の領域は、基板が密閉されたときに互いに重なり合うよう並べられている。
【0320】
各基板上にある第一および第二の光学材料の所定の領域を含む実施形態において、このような領域は同じ大きさおよび同じ形状であってもよい。
【0321】
この実施形態によって作製された個別の光学部品はさらに、光学材料を含む所定の領域の周縁と密閉構造物の辺縁との間に、光学材料を含まない辺縁シール面を含むことができる。
【0322】
本明細書に教示された発明の一定の好適な態様および実施形態において、密閉された光学部品を、上記したように、光学材料の光ルミネセンス効率を増加させるのに十分な時間光束に曝露する。
【0323】
図5に示した本方法の実施形態の例によって生産される光学部品は、接着材料によって大気から完全に封入されている、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料のフィルムを含む。
【0324】
たとえ、組み立て工程の一部を、例えば、インクを硬化させる前を、本発明の一定の実施形態に従って空気中で実施したとしても、完成した光学部品には実質的に空洞部分がないため、ほとんどの部分で酸素が排除されている。光学材料は、3つの面で接着材料に囲まれ、4つ目の面ではガラスに囲まれている。
【0325】
光学部品が密閉された後に光学部品に浸透するためには、酸素は、末端シールを通って光学材料層の中に拡散しなければならない。パッケージの障壁特性は、辺縁シールの長さ(例えば、基板の辺縁から、基板の間にある光学材料の層の外縁までの距離)によって調節することもできる。
【0326】
一定の実施形態において、辺縁シールの長さは、基板の周縁において実質的に均一である。
【0327】
一例として、一定の実施形態において、辺縁シールの長さは0.5mm以上である。一定の実施形態において、辺縁シールは1mmであってもよい。一定の実施形態において、辺縁シールは2mmであってもよい。一定の実施形態において、辺縁シールは3mm以上であってもよい。他の辺縁シール長も有用または好ましいものであり得る。
【0328】
一定の実施形態において、間に光学材料および接着剤層が置かれている基板表面の少なくとも一方、好ましくは両方ともが滑らかでない。このような実施形態の一部において、このような基板表面の一方または両方にざらつきがある。このような実施形態の一部において、このような基板表面の一方または両方は粗面になっている。このような実施形態の一部において、このような基板表面の一方または両方はエッチングされている。
【0329】
一定の好適な実施形態において、このような非平滑基板表面の一方または両方は、1000オングストロームよりも大きい表面粗さ(Ra−算術平均プロファイル粗さパラメータ)をもつ。
【0330】
一定の実施形態において、非平滑面は、基板を完全には覆っていないが、標準的な方法(例えば、マスキングまたは選択的粗化、エッチング、テクスチャ化など)によってパターン化されている。
【0331】
一定の実施形態において、光学材料および接着剤が間に置かれている基板の表面の一方または両方は滑らかである。このような実施形態の一部において、このような滑らかな基板表面の少なくとも一方好ましくは両方の水接触角は、空気−基板界面において40°以下、好ましくは25°以下、より好ましくは15°以下である。
【0332】
光ルミネセンス効率は、例えば、NISTの追跡可能な校正光源を含む積分球の中の分光光度計を使用して測定することができる。
【0333】
例えば、外部量子効率(EQE)は、12インチの積分球の中でNISTの追跡可能な校正光源を用い、Melloら、Advanced Materials 9(3):230(1997)、によって開発された方法を用いて測定することができる。本文献は参照されることによって本明細書に組み込まれる。この方法は、視準が合った450nmLED光源、積分球および分光計を使用する。3つの測定値が取られる。まず、LEDが直接的に積分球を照射すると、この方法を説明する際に例示する目的でL1と標示されて図3(発光強度(a.u.)を波長(nm)の関数としてグラフで表している)に示されているスペクトルが得られる。次に、PL試料を積分球の中に入れて、LED散光だけが試料を照射するようにすると、図3に例示目的で示された(L2+P2)スペクトルが得られる。最後に、PL試料を積分球の中に入れて、LEDが試料を(垂直入射を少し外れて)直接照射すると、実施例4の目的で示された(L3+P3)スペクトルが得られる。データを集めた後、各スペクトル分布(L’およびP’)をコンピュータで計算する。L1、L2およびL3は、各測定値のLEDスペクトルの合計に相当し、P2およびP3は、2回目および3回目の測定値のPLスペクトルに関連する合計である。以下の等式によって、外部PL量子効率が得られる:
EQE=[(P3・L2)−(P2・L3)]/(Ll・(L2−L3))
【0334】
一定の実施形態において、光学材料は、光散乱粒子および本明細書記載の他の選択的添加剤をさらに含んでいてもよい。
【0335】
半導体ナノ結晶は、狭い線幅をもち、光ルミネセンス効率が高く、ナノ結晶のサイズおよび/または組成を用いて調節可能な発光波長をもつため、本明細書記載の発明の様々な態様および実施形態で使用するのに好適な量子閉じ込め半導体ナノ粒子である。
【0336】
本発明の様々な態様および実施形態で有用な量子閉じ込め半導体ナノ粒子(例えば半導体ナノ結晶など)のサイズおよび組成は、半導体ナノ結晶が、スペクトルの遠可視、可視、赤外または他の所望の部分における波長帯域の所定の波長で光子を放出するように選択することができる。例えば、この波長は、300から2,500nm以上、例えば300から400nmの間、400から700nmの間、700から1100nmの間、1100から2500nmの間、または2500nmよりも大きい。
【0337】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子(例えば半導体ナノ結晶など)は、ナノメートルサイズの無機半導体粒子である。半導体ナノ結晶は、例えば、直径約1nmから約1000nm、好ましくは約2nmから約50nm、より好ましくは約1nmから約20nm(例えば約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20nm)の無機結晶などである。
【0338】
本発明の様々な態様および実施形態に含まれる半導体ナノ結晶は、最も好ましくは、平均ナノ結晶直径が約150オングストローム(Å)未満である。一定の実施形態において、平均ナノ結晶直径が約12から約150オングストロームの範囲にある半導体ナノ結晶が特に望ましい。
【0339】
しかし、半導体ナノ結晶の組成と所望の発光波長によっては、平均直径は、これらの多様な好適サイズ範囲を外れる可能性もある。
【0340】
本明細書記載の発明の様々な態様および実施形態において使用するためのナノ粒子およびナノ結晶を形成する半導体は、IV族元素、II−VI族化合物、II−V族化合物、III−VI族化合物、III−V族化合物、IV−VI族化合物、I−III−VI族化合物、II−IV−VI族化合物またはII−IV−V族化合物を含み、例えばCdS、CdO、CdSe、CdTe、ZnS、ZnO、ZnSe、ZnTe、MgTe、GaAs、GaP、GaSb、GaN、HgS、HgO、HgSe、HgTe、InAs、InP、InSb、InN、AlAs、AlP、AlSb、AIS、PbS、PbO、PbSe、Ge、Si、これらの合金、および/またはこれらの混合物であって、三成分および四成分の混合物および/または合金などを含む。
【0341】
ナノ粒子およびナノ結晶の形状の例には、球状、棒状、円盤状、これら以外の形状、またはこれらを混合した形状などがある。
【0342】
発明の一定の好適な態様および実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子(例えば半導体ナノ結晶など)は、一つ以上の第一の半導体材料の「コア」を含み、またこの材料は、コアの表面の少なくとも一部の上に第二の半導体材料の保護膜または「シェル」を含むことが可能である。一定の実施形態において、シェルはコアを囲んでいる。コアの表面の少なくとも一部の上にシェルを含む、量子閉じ込め半導体ナノ粒子(例えば半導体ナノ結晶など)のコアは、「コア/シェル」半導体ナノ結晶とも呼ばれる。
【0343】
例えば、量子閉じ込め半導体ナノ粒子(例えば半導体ナノ結晶など)は、IV族元素または化学式MXで表される化合物を含むコアを含むことができる。ただし、式中、Mは、カドミウム、亜鉛、マグネシウム、水銀、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウムまたはこれらの混合物であり、Xは、酸素、硫黄、セレニウム、テルリウム、窒素、リン、ヒ素、アンチモンまたこれらの混合物である。コアとして使用するのに適した材料の例には、CdS、CdO、CdSe、CdTe、ZnS、ZnO、ZnSe、ZnTe、MgTe、GaAs、GaP、GaSb、GaN、HgS、HgO、HgSe、HgTe、InAs、InP、InSb、InN、AlAs、AlP、AlSb、AIS、PbS、PbO、PbSe、Ge、Si、三成分および四成分の混合物および/または合金などを含む、これらの合金および/またはこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。シェルとして使用するのに適した材料の例には、CdS、CdO、CdSe、CdTe、ZnS、ZnO、ZnSe、ZnTe、MgTe、GaAs、GaP、GaSb、GaN、HgS、HgO、HgSe、HgTe、InAs、InP、InSb、InN、AlAs、AlP、AlSb、AIS、PbS、PbO、PbSe、Ge、Si、三成分および四成分の混合物および/または合金などを含む、これらの合金および/またはこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0344】
一定の実施形態において、周辺「シェル」材料は、コア材料のバンドギャップよりも大きなバンドギャップを有していてもよく、「コア」基板の原子間距離に近い原子間距離をもつように選択することができる。別の実施形態において、周辺シェル材料は、コア材料のバンドギャップよりも小さなバンドギャップをもっていてもよい。さらなる実施形態において、シェル材料およびコア材料は同一の結晶構造をもっていてもよい。シェル材料についてはさらに後述する。コア/シェル半導体構造物のさらなる例については、2003年8月12日に出願された、「Semiconductor Nanocrystal Heterostructures」という名称の米国出願番号10/638,546を参照されたい。なお、本文献は参照されることによって全体が本明細書に組み込まれる。
【0345】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、好ましくは、狭いサイズ分布をもつ半導体ナノ粒子集団の一員である。より好ましくは、量子閉じ込め半導体ナノ粒子(例えば半導体ナノ結晶など)は、ナノ粒子の単分散集団または実質的な単分散集団を含む。
【0346】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、ナノ粒子のサイズおよび/または組成を用いて調節可能な光学特性を作出するためのボトムアップ化学研究法を設計する際に利用することができる強い量子閉じ込め作用を示す。
【0347】
例えば、半導体ナノ結晶の調製および操作については、Murray et al.(J.Am.Chem.Soc,115:8706(1993));Christopher Murrayの論文、「Synthesis and Characterization of II−VI Quantum Dots and Their Assembly into 3−D Quantum Dot Superlattices」,Massachusetts Institute of Technology,1995年9月;および「高発光色選択材料」という名称の米国特許出願番号08/969,302に記載されている。なお、これらの文献は参照されることによって、全体が本明細書に組み込まれる。半導体ナノ結晶の調製および操作の他の例が、米国特許6,322,901および6,576,291、ならびに米国特許出願番号60/550,314に記載されている。なお、これらの文献はそれぞれ参照されることによって、全体が本明細書に組み込まれる。
【0348】
本発明で有用な他の材料、技術、方法、応用および情報は、以下の文献に記載されている:2009年3月21日出願の米国出願番号61/162,293、米国出願番号61/173,375、米国出願番号61/175,430、米国特許出願番号61/175,456、米国特許出願番号61/234,179、国際特許出願番号PCT/US2009/002789、ならびに2008年9月12日出願の「Compositions,Optical Component,System Including An Optical Components,Devices,And Other Products」に関するSeth Coe−Sullivanらの米国特許出願番号12/283,609、2008年9月12日出願の「Functionalized Nanoparticles And Method」に関するBreenらのPCT/US2008/10651および2009年5月6日出願の「Optical Components,Systems Including an Optical Component,And Devices」に関するSeth Coe−Sullivanらの国際出願番号PCT/US2009/002796および2009年10月17日出願の「Method For Preparing Quantum Dots」に関するBreenらの米国特許出願番号61/252,656。上記文献はそれぞれ参照されることによって、全体が本明細書に組み込まれる。
【0349】
本発明の様々な態様および実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子(半導体ナノ結晶を含むが、これに限定されない)は、場合により、これに接着したリガンドをもつ。
【0350】
一定の実施形態において、リガンドは、成長工程で使用される配位性溶媒に由来する。表面は、被覆層を形成させるために過剰な競合配位基に繰り返し曝露することによって修飾することができる。例えば、キャップされた半導体ナノ結晶の分散物をピリジンなどの配位性有機化合物で処理して、ピリジン、メタノールおよび芳香族化合物にはすぐに分散するが、もはや脂肪族溶剤では分散しない晶子を生成させることができる。このような表面交換工程は、例えばホスフィン、チオール、アミンおよびリン酸など、半導体ナノ結晶の外側表面に適合するか結合することができる任意の化合物を用いて実施することができる。半導体ナノ結晶を、表面に対して親和性を示し、懸濁媒または分散媒に対して親和性を有する部分に末端がある短鎖ポリマーに曝露することができる。このような親和性によって、懸濁液の安定性が向上し、半導体ナノ結晶の軟凝集を阻止する。他の実施形態において、半導体ナノ結晶は、代わりに非配位性溶媒を用いて調製することもできる。
【0351】
一般的な配位性溶媒の例は、アルキルホスフィン、アルキルホスフィン酸化物、アルキルホスホン酸またはアルキルホスフィン酸を含むが、これらに限定されず、他の配位性溶媒、例えばピリジン、フランおよびアミンもナノ結晶生成に適しているであろう。他の適した配位性溶媒の例には、ピリジン、トリ−n−オクチルホスフィン(TOP)、トリ−n−オクチルホスフィン酸化物(TOPO)およびトリス−ヒドロキシルプロピルホスフィン(tHPP)などがある。工業等級用TOPOを使用してもよい。3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸をリガンドとして用いることもできる。
【0352】
例えば、配位リガンドは以下の化学式をもっていてもよい:
(Y−)k−n−(X)−(−L)
ただし、式中、kは2、3または5、nは1、2、3、4または5であって、k−nは0以上であり;XはO、S、S=O、SO2、Se、Se=O、N、N=O、P、P=O、AsまたはAs=Oであり;YおよびLはそれぞれ独立してアリール、ヘテロアリール、または場合により少なくとも一つの二重結合、少なくとも一つの三重結合または少なくとも一つの二重結合および一つの三重結合を含む直鎖状もしくは分岐状のC2−12炭化水素鎖である。この炭化水素鎖は、場合により一つ以上のC1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アミノ、ニトロ、シアノ、C3−5シクロアルキル、3−5員ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C1−4アルキルカルボニルオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニルまたはホルミルで置換することができる。また、この炭化水素鎖は、場合により、−O−、−S−、−N(Ra)−、−N(Ra)−C(O)−O−、−O−C(O)−N(Ra)−、−N(Ra)−C(O)−N(Rb)−、−O−C(O)−O−、−P(Ra)−または−P(O)(Ra)−によって中断されていてもよい。RaおよびRbはそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ヒドロキシルアルキル、ヒドロキシルまたはハロアルキルである。アリール基は、置換型または非置換型の環状芳香族基である。例には、フェニル、ベンジル、ナフチル、トリル、アントラシル、ニトロフェニルまたはハロフェニルなどがある。ヘテロアリール基は、環の中に一つ以上のヘテロ原子をもつアリール基であり、例えばフリル、ピリジル、ピロリル、フェナントリルなどである。
【0353】
適切な配位リガンドは購入するか、例えばJ.March,Advanced Organic Chemistryに記載されているような通常の有機合成技術によって調製することができる。なお、本文献は参照されることによって、全体が本明細書に組み込まれる。
【0354】
また、2003年8月15日に出願された、「Stabilized Semiconductor Nanocrystals」という名称の米国特許出願番号10/641,292を参照されたい。なお、本文献は参照されることによって、全体が本明細書に組み込まれる。
【0355】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子(半導体ナノ結晶を含むが、これに限定されない)上に電子および正孔が局在すると、ある発光波長で発光が起こり得る。発光は、量子閉じ込め半導体材料のバンドギャップに対応する周波数を有する。バンドギャップは、ナノ粒子の大きさに依存する。小さな直径をもつ量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、物質の分子形態とバルク形態の中間の性質をもつことができる。例えば、小さな直径をもつ量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、3次元のすべてにおいて電子と正孔両方の量子閉じ込めを示すことができ、結晶サイズが減少するとともに材料の有効バンドギャップの増加をもたらす。これにより、例えば、晶子のサイズが小さくなるにつれて、半導体ナノ結晶の光吸収と発光がともに青色にシフトするか、より高いエネルギにシフトする。
【0356】
青色発光半導体ナノ結晶材料の例については、2005年3月4日出願の米国特許出願番号11/071,244を参照されたい。なお、本文献は参照されることによって、全体が本明細書に組み込まれる。
【0357】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子からの発光は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子のサイズ、量子閉じ込め半導体ナノ粒子の組成または両方を変えることによって、スペクトルの紫外領域、可視領域または赤外領域の完全な波長域を通して調節することができる狭いガウス型発光帯であってもよい。例えば、CdSeは可視領域の中で調節することができ、InAsは赤外領域で調節することができる。量子閉じ込め半導体ナノ粒子集団の狭いサイズ分布は、狭いスペクトル範囲における光の放出をもたらし得る。この集団は単分散でもよく、好ましくは、量子閉じ込め半導体ナノ粒子の直径において15%rms未満の(二乗平均平方根)偏差、より好ましくは10%rms未満、最も好ましくは5%rms未満の偏差を示す。可視で発光する量子閉じ込め半導体ナノ粒子では、約75nm以下、好ましくは60nm以下、より好ましくは40nm以下、および最も好ましくは30nm以下の半値全幅(FWHM)の狭い範囲におけるスペクトル発光を観測することができる。IR発光量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、150nm以下または100nm以下のFWHMをもつことができる。発光のエネルギを用いて表すと、発光は0.05eV以下、または0.03eV以下のFWHMをもつことができる。発光の幅は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子の直径の分散度が低下するにつれて小さくなる。
【0358】
例えば、半導体ナノ結晶は高い発光量子効率、例えば10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%よりも高い効率をもっていてもよい。
【0359】
半導体ナノ結晶の狭いFWHMは飽和色発光を生じさせることができる。単一材料系の可視スペクトル全体にわたる広範に調節可能な飽和色発光は、いかなる種類の有機発色団とも比べものにならない。(例えば、Dabbousiら、J.Phys.Chem.101、9463(1997年)を参照されたい。なお、この文献は参照されることによって、全体が本明細書に組み込まれる。)半導体ナノ結晶の単分散集団は、狭い波長域にわたる光を放出する。2つ以上のサイズの半導体ナノ結晶を含むパターンは、2つ以上の狭い波長域で発光することができる。視察者が感知する発光色は、半導体ナノ結晶のサイズと材料の適切な組合せを選択することによって制御することができる。半導体ナノ結晶のバンド端エネルギ準位の縮退により、すべての可能な励起子の捕獲および放射再結合が容易になる。
【0360】
透過型電子顕微鏡法(TEM)によって、半導体ナノ結晶集団のサイズ、形状および分布に関する情報が提供される。粉末X線回折(XRD)パターンによって、半導体ナノ結晶の結晶構造のタイプおよび品質に関する最も完全な情報が提供され得る。粒径は、X線コヒーレンス長を介してピーク幅と逆相関しているため、サイズを推定することも可能である。例えば、半導体ナノ結晶の直径を、透過型電子顕微鏡法によって直接測定するか、例えば、シェラー(Scherrer)の式を用いて、X線回折データから推定することができる。半導体ナノ結晶の直径は、UV/Vis吸収スペクトルからの推定することもできる。
【0361】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子を、好ましくは制御された(酸素を排除し、水分を排除した)環境中で取り扱い、製造過程でルミネセンス効率が消失するのを防ぐ。
【0362】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料は、液体媒質に分散させることができるため、回転成形、ドロップ成形、および浸漬被覆などの薄膜形成技術と適合性がある。
【0363】
一定の好適な実施形態において、本発明に係る様々な態様および実施形態で使用するための光学材料を、例えば、量子閉じ込め半導体ナノ粒子と、重合されて(例えば架橋されて)母材を形成することができる一つ以上の官能基を含む液体溶媒とを含むインクから調製することができる。一定の実施形態において、官能単位は、UV処理によって架橋することができる。一定の実施形態において、官能単位は、熱処理によって架橋することができる。一定の実施形態において、官能単位は、関連技術分野の当業者によって容易に確認することができる他の架橋技術によって架橋することができる。一定の実施形態において、架橋され得る一つ以上の官能基を含む光学材料は液体溶媒そのものであってもよい。場合により、インクは散乱体および/または他の添加剤をさらに含む。
【0364】
インクは、印刷、スクリーン印刷、スピンコーティング、グラビア印刷、インクジェット印刷、ロール印刷などによって、基板の表面上に付着させることができる。インクを所定の配置に付着させることができる。例えば、インクをパターン化された配置またはパターン化されていない配置にさせることができる。インクを基板上に付着させるのに役立つさらなる情報については、例えば2007年6月25日に出願された「Methods For Depositing Nanomaterial,Methods For Fabricating A Device,And Methods For Fabricating An Array Of Devices」という名称のSeth A.Coe−Sullivanの国際出願番号PCT/US2007/014711、2007年6月25日に出願された「Methods For Depositing Nanomaterial,Methods For Fabricating A Device,Methods For Fabricating An Array Of Devices And Compositions」という名称のSeth A.Coe−Sullivanらの国際出願番号PCT/US2007/014705、2007年6月25日に出願された「Methods And Articles Including Nanomaterial」という名称のSeth A.Coe−Sullivanらの国際出願番号PCT/US2007/014706、2007年4月9日に出願された「Composition Including Material,Methods Of Depositing Material,Articles Including Same And Systems For Depositing Material」という名称のSeth A.Coe−Sullivanらの国際出願番号PCT/US2007/08873、2007年4月13日に出願された「Methods Of Depositing Material,Methods Of Making A Device,And Systems And Articles For Use In Depositing Material」という名称のMaria J,Ancらの国際出願番号PCT/US2007/09255、2007年4月9日に出願された「Methods And Articles Including Nanomaterial」という名称のSeth Coe−Sullivanらの国際出願番号PCT/US2007/08705、2007年4月9日に出願された「Methods Of Depositing Nanomaterial & Methods Of Making A Device」という名称のMarshall Coxらの国際出願番号PCT/US2007/08721、2005年10月20日に出願された、「Method And System For Transferring A Patterned Material」という名称のSeth Coe−Sullivanらの米国特許出願番号11/253,612、および2005年10月20日に出願された、「Light Emitting Device Including Semiconductor Nanocrystals」という名称のSeth Coe−Sullivanらの米国特許出願番号11/253,595を参照されたい。上記特許出願のそれぞれは、参照されることによって本明細書に組み込まれる。
【0365】
これらの付着技術によって、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料をフィーチャまたは層の中に位置させるため、ナノ粒子のすべての表面を、光を吸収および放出するために利用できるわけではない。
【0366】
一定の実施形態において、密着焼付けを用いて、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を表面上に付着させることができる。例えば、A.Kumar and G.Whitesides,Applied Physics Letters,63,2002−2004,(1993);およびV.Santhanam and R.P.Andres,Nano Letters,4,41−44,(2004)を参照されたい。なお、これらの文献はそれぞれ、参照されることによって全体が本明細書に組み込まれる。
【0367】
この技術は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料の様々な厚さのものを付着させるために用いることができる。一定の実施形態において、厚さは、この技術によって所望の%吸収が達成されるよう選択される。最も好ましくは、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、再放出された光子を全く吸収しないか、またはごく少量しか吸収しない。
【0368】
一定の実施形態において、材料(例えば光学材料)は、基板上の一つ以上の予め定義されたか所定の領域に適用される。予め定義された領域は、材料が選択的に適用される、基板上の領域である。光源の2つ以上のスペクトル欠損を補うために、光学材料が一つ以上の異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む一定の実施形態において、異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、場合により、一つ以上の異なった光学材料に含まれていてもよい。光源の2つ以上のスペクトル欠損を補うために、光学材料が一つ以上の異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む一定の実施形態において、異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、場合により、2つ以上の異なった光学材料に含まれていてもよく、異なった光学材料のそれぞれを、基板の異なった領域に、および/または基板を覆う別の層として適用することができる。材料および基板は、材料が実質的に全体的に所定の区域内に留まるようなものを選んでもよい。
【0369】
または、溶液を利用した処理技術、相分離、回転成形、インクジェット印刷、シルクスクリーニング、および表面上にパターンを形成するのに利用できる他の液膜技術によって量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を付着させてもよい。
【0370】
または、上記した技術または他の既知の技術のいずれかによって完全な層または部分的な層として、またはパターン化された配置で付着している光透過性母材(例えばポリマー、樹脂、シリカガラスまたはシリカゲルなど。少なくとも所定の光の波長に対して好ましくは透明であり、この中に量子閉じ込め半導体ナノ粒子を分散させることができる。)の中に量子閉じ込め半導体ナノ粒子を分散させてもよい。適切な材料には、多くの安価で広く利用されている材料、例えばポリスチレン、エポキシ、ポリイミドおよびシリカガラスなどがある。表面に適用した後、このような材料は、一定の色の光を生じるようにサイズ選択されている量子閉じ込め半導体ナノ粒子の分散物を含有することができる。材料に置かれた量子閉じ込め半導体ナノ粒子の他の立体配置、例えば、ポリマーの保護膜をもつ基板上の二次元層なども想定されている。
【0371】
本明細書において、「最上部」、「底」、「上に」および「下に」は、基準点からの位置に基づいた相対的位置を示す語である。より具体的には、「最上部」は、基準点から最も遠く、一方、「底」は、基準点に最も近い。例えば、ある層が、部品または基板の「上に」配置または付着していると記載されている場合、層と部品または基板との間には別の層または別のフィーチャまたは部品があり得る。本明細書において、「覆う」も、基準点からの位置に基づいた相対的位置を示す語である。例えば、第一の材料が第二の材料を覆っていると記載されている場合、第一の材料は、第二の材料の上に置かれているが、必ずしも第二の材料と接触しているわけではない。
【0372】
本明細書において、文脈上明確に別段の指示がない限り、単数形「a」、「an」および「the」は複数形を含む。従って、例えば、放出物質という場合、一つ以上の該物質への言及を含む。
【0373】
出願人は、本開示中のすべての引用文献の全内容を明確に取り込む。さらに、量、濃度または他の値もしくは変数が、範囲、好適な範囲または上方好適値と下方好適値とのリストのいずれかとして与えられている場合、これは、範囲が別々に開示されているか否かに関わらず、任意の範囲の上限値または好適値と、任意の範囲の下限値または好適値との任意の対からできるすべての範囲を具体的に開示していると解されるべきである。本明細書において数値の範囲が記載されている場合、別段の記載がない限り、この範囲は、範囲の端点ならびにすべての整数および分数を範囲の中に含むことを意図している。発明の範囲が、範囲を定義するときに記載された具体的な値に制限されることを意図しているものではない。
【0374】
本明細書および本明細書に開示されている本発明の実施を考慮すれば、本発明の他の実施形態は当業者にとって明らかであろう。本明細書および実施例は例示にすぎず、本発明の真の範囲と精神は以下の請求の範囲およびこれに準ずるものに示されていることを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の基板と、第一の基板の第一の表面の所定の領域上に置かれた量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料と、光学材料上および光学材料に覆われていない第一の基板の第一の表面の任意の一部の上に置かれた接着材料を含む層と、および接着材料を含む層上に置かれた第二の基板とを含む光学部品であって、第一および第二の基板が一緒に密閉されている光学部品。
【請求項2】
請求項1に記載の光学部品であって、一つ以上の異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含み、各異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子が、光学材料に含まれる少なくとも一つの別のタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって放出される所定の波長とは異なった所定の波長で光を放出する光学部品。
【請求項3】
請求項1に記載の光学部品であって、異なった所定の波長で放出する2つ以上の異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含み、異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子が2つ以上の異なった光学材料に含まれている光学部品。
【請求項4】
請求項3に記載の光学部品であって、異なった光学材料が、層状に配置された別々の層として該光学部品に含まれている光学部品。
【請求項5】
請求項3に記載の光学部品であって、異なった光学材料がパターン層の別々のフィーチャとして該光学部品に含まれている光学部品。
【請求項6】
請求項1に記載の光学部品であって、量子閉じ込め半導体ナノ粒子が半導体ナノ結晶を含む光学部品。
【請求項7】
請求項1に記載の光学部品であって、量子閉じ込め半導体ナノ粒子が少なくとも40%の固体量子効率をもつ光学部品。
【請求項8】
請求項1に記載の光学部品であって、光学材料中の量子閉じ込め半導体ナノ粒子が少なくとも60%の固体光ルミネセンス量子効率をもつ光学部品。
【請求項9】
請求項1に記載の光学部品であって、光学材料が、量子閉じ込め半導体ナノ粒子が中に分布している母材をさらに含む光学部品。
【請求項10】
請求項1に記載の光学部品であって、光学材料が、光散乱体をさらに含む光学部品。
【請求項11】
請求項1に記載の光学部品であって、光学材料が完全に封入されている光学部品。
【請求項12】
請求項1に記載の光学部品であって、接着材料がUV硬化性アクリラートウレタンを含む光学部品。
【請求項13】
請求項1に記載の光学部品であって、第一の基板がガラスを含む光学部品。
【請求項14】
請求項1に記載の光学部品であって、第二の基板がガラスを含む光学部品。
【請求項15】
光源、および光源によって発生した光の少なくとも一部を受ける位置に置かれた光学部品を含む照明装置であって、該光学部品が請求項1に記載の光学部品を含む照明装置。
【請求項16】
請求項15に記載の照明装置であって、光源が固体半導体発光ダイオードを含む照明装置。
【請求項17】
一つ以上の光源を受けるように構成された照明器具であって、一つ以上の光源によって発生した光の少なくとも一部が器具から発光される前に光学部品の中を通過するよう、一つ以上の光源の位置に相対して器具の中に置かれた光学部品を含み、該光学部品が請求項1に記載の光学部品を含む照明器具。
【請求項18】
照明器具に取り付けるよう構成されたカバー板であって、請求項1に記載の光学部品を含むカバー板。
【請求項19】
光学部品を作製する方法であって、
第一の基板の第一の表面の所定の領域の上に置かれた量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を含む第一の基板を提供すること;
光学材料を含む第一の基板の第一の表面の上および光学材料に覆われていない第一の基板の第一の表面の任意の一部の上に接着材料を含む層を形成すること;
接着材料を含む層の上に第二の基板を置くこと;および
基板を一緒に密閉すること
を含む方法。
【請求項20】
光学部品を作製する方法であって、
量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を、第一の基板の第一の表面の所定の領域の上に置くこと;
光学材料上および光学材料に覆われていない第一の基板の第一の表面の任意の一部の上に、接着材料を含む層を形成すること;
接着材料を含む層の上に第二の基板を置くこと;および
基板を一緒に密閉すること
を含む方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を、量子閉じ込め半導体ナノ粒子および液体溶媒を含むインクとして付着させる方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、液体溶媒が、架橋され得る一つ以上の官能基を含む組成物を含む方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であって、光学材料を空気中で付着させる方法。
【請求項24】
請求項21に記載の方法であって、光学材料を、酸素を含まない雰囲気中で付着させる方法。
【請求項25】
請求項21に記載の方法であって、インクを、その上に接着材料を含む層を形成させる前に硬化させる方法。
【請求項26】
請求項22に記載の方法であって、インクを、その上に接着材料を含む層を形成させる前に硬化させる方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、架橋可能な官能基を架橋することによってインクを硬化させる方法。
【請求項28】
請求項22に記載の方法であって、架橋され得る一つ以上の官能基を含む組成物が共溶媒であってもよい方法。
【請求項29】
請求項19または20に記載の方法であって、光学材料がさらに光散乱体を含む方法。
【請求項30】
請求項19または20に記載の方法であって、光学材料がさらに母材を含む方法。
【請求項31】
請求項19または20に記載の方法であって、光学材料上に所定量の接着材料を分注し、その上に第二の基板を配置し、および第二の基板を第一の基板の第一の表面に向かって押し付けて接着材料を第一の基板の第一の表面の上(例えば、光学材料上、および光学材料に覆われていない第一の基板の第一の表面の任意の一部の上)に広げることによって接着材料を含む層を形成して、接着材料を含む層を形成させる方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法であって、接着材料を含む層を加工して基板を一緒に密閉する方法。
【請求項33】
請求項1に記載の光学部品であって、第一の基板が、所定の波長の光に対し少なくとも80%光学的に透明である光学部品。
【請求項34】
請求項1に記載の光学部品であって、第二の基板が、所定の波長の光に対し少なくとも80%光学的に透明である光学部品。
【請求項35】
請求項34に記載の光学部品であって、第一の基板が、所定の波長の光に対し少なくとも80%光学的に透明である光学部品。
【請求項36】
請求項20に記載の方法であって、第一の基板が、所定の波長の光に対し少なくとも80%光学的に透明である方法。
【請求項37】
請求項19または20に記載の方法であって、第二の基板が、所定の波長の光に対し少なくとも80%光学的に透明である方法。
【請求項38】
請求項37に記載の方法であって、第一の基板が、所定の波長の光に対し少なくとも80%光学的に透明である方法。
【請求項39】
請求項19または20に記載の方法であって、約365nmから約470nmの範囲内にピーク波長をもつ光を、密閉された光学部品に照射することをさらに含む方法。
【請求項40】
請求項39に記載の方法であって、ピーク波長が約450nmである光を、密閉された光学部品に照射することをさらに含む方法。
【請求項41】
請求項39に記載の方法であって、光が約10から約100mW/cmの範囲内に光束をもつ方法。
【請求項42】
請求項40に記載の方法であって、温度が約25℃から約80℃の範囲にある間に光学部品が照射される方法。
【請求項43】
請求項1に記載の光学部品であって、光学材料中の量子閉じ込め半導体ナノ粒子が、少なくとも約70%の固体光ルミネセンス量子効率をもつ光学部品。
【請求項44】
請求項1に記載の光学部品であって、光学材料中の量子閉じ込め半導体ナノ粒子が、少なくとも約80%の固体光ルミネセンス量子効率をもつ光学部品。
【請求項45】
請求項1に記載の光学部品であって、光学材料中の量子閉じ込め半導体ナノ粒子が、少なくとも約90%の固体光ルミネセンス量子効率をもつ光学部品。
【請求項46】
請求項1に記載の光学部品であって、接着材料が酸素障壁特性をもつ光学部品。
【請求項47】
請求項1に記載の光学部品であって、接着材料が酸素障壁特性および防湿特性をもつ光学部品。
【請求項48】
請求項20に記載の方法であって、接着材料が酸素障壁特性をもつ方法。
【請求項49】
請求項19または20に記載の方法であって、接着材料が酸素障壁特性および防湿特性をもつ方法。
【請求項50】
請求項1に記載の光学部品であって、光学材料が、一つ以上の異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含み、各異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子が、光学材料に含まれる少なくとも一つの別のタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって放出される所定の波長とは異なった所定の波長で光を放出する光学部品。
【請求項51】
請求項1に記載の光学部品であって、光学材料が2つ以上の光学材料を含む光学部品。
【請求項52】
請求項51に記載の光学部品であって、異なった光学材料が、層状に配置された別々の層として光学部品に含まれている光学部品。
【請求項53】
請求項51に記載の光学部品であって、異なった光学材料が、パターン層の別々のフィーチャとして含まれている光学部品。
【請求項54】
請求項51に記載の光学部品であって、量子閉じ込め半導体ナノ粒子が半導体ナノ結晶を含む光学部品。
【請求項55】
請求項1または50に記載の光学部品であって、接着材料を含む層および第二の基板の間に置かれた量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む第二の光学材料をさらに含む光学部品。
【請求項56】
請求項55に記載の光学部品であって、第二の光学材料が一つ以上の異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含み、各異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子が、光学材料に含まれる少なくとも一つの別のタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって放出される所定の波長とは異なった所定の波長で光を放出する光学部品。
【請求項57】
請求項55に記載の光学部品であって、第二の光学材料が2つ以上の光学材料を含む光学部品。
【請求項58】
請求項57に記載の光学部品であって、第二の光学材料に含まれる2つ以上の光学材料が、層状に配置された別々の層として光学部品に含まれる光学部品。
【請求項59】
請求項57に記載の光学部品であって、第二の光学材料に含まれる2つ以上の光学材料が、パターン層の別々のフィーチャとして光学部品に含まれる光学部品。
【請求項60】
請求項55に記載の光学材料であって、第二の光学材料が光散乱体をさらに含む光学部品。
【請求項61】
請求項55に記載の光学部品であって、光学材料および第二の光学材料に含まれる量子閉じ込め半導体ナノ粒子が半導体ナノ結晶を含む光学部品。
【請求項62】
請求項55に記載の光学部品であって、光学材料および第二の光学材料が、同一の所定の配置で置かれており、ならびに第二の光学材料が光学材料と重なり合うように並べられている光学部品。
【請求項63】
請求項19または20に記載の方法であって、第二の基板が、この表面の第二の所定の領域の上に置かれた量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む第二の光学材料を、第一の基板と向かい合うように含む方法。
【請求項64】
請求項63に記載の方法であって、第二の光学材料が一つ以上の異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含み、各異なったタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子が、光学材料に含まれる少なくとも一つの別のタイプの量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって放出される所定の波長とは異なった所定の波長で光を放出する方法。
【請求項65】
請求項63に記載の方法であって、第二の光学材料が2つ以上の光学材料を含む方法。
【請求項66】
請求項65に記載の方法であって、第二の光学材料に含まれる2つ以上の光学材料が、層状に配置された別々の層として光学部品に含まれる方法。
【請求項67】
請求項65に記載の方法であって、第二の光学材料に含まれる2つ以上の光学材料が、パターン層の別々のフィーチャとして光学部品に含まれる方法。
【請求項68】
請求項65に記載の方法であって、光学材料および第二の光学材料が、同一の所定の配置で置かれており、ならびに第二の光学材料が光学材料と重なり合うように並べられている方法。
【請求項69】
請求項55に記載の光学部品であって、第二の光学材料がさらに母材を含む光学部品。
【請求項70】
請求項9に記載の光学部品であって、光学材料が、母材の重量あたり15重量パーセント以下のナノ粒子を含む光学部品。
【請求項71】
請求項1に記載の光学部品であって、光学材料が約200ミクロンまでの厚さをもつ光学部品。
【請求項72】
請求項70に記載の光学部品であって、第二の光学材料が、母材の重量あたり15重量パーセント以下のナノ粒子を含む光学部品。
【請求項73】
請求項55に記載の光学部品であって、第二の光学材料が約200ミクロンまでの厚さをもつ光学部品。
【請求項74】
請求項63に記載の方法であって、第二の光学材料がさらに母材を含む方法。
【請求項75】
請求項20に記載の方法であって、光学材料が、母材の重量あたり15重量パーセント以下のナノ粒子を含む方法。
【請求項76】
請求項20に記載の方法であって、光学材料が約200ミクロンまでの厚さをもつ方法。
【請求項77】
請求項74に記載の方法であって、第二の光学材料が母材の重量あたり15重量パーセント以下のナノ粒子を含む方法。
【請求項78】
請求項63に記載の方法であって、第二の光学材料が約200ミクロンまでの厚さをもつ方法。
【請求項79】
複数の光学部品を作製する方法であって、
量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を、第一の基板の第一の表面の複数の所定の領域上に付着させること;
光学材料に覆われていない第一の基板の第一の表面の任意の一部の上に、接着材料を含む層を形成すること;
接着材料を含む層の上に第二の基板を置くこと;
基板を一緒に密閉して密閉構造物を形成すること;および
密閉構造物から、光学材料を含む所定の領域を含む各個の光学部品を分離すること
を含む方法。
【請求項80】
複数の光学部品を作製する方法であって、
第一の基板の第一の表面上に置かれた光学材料を含む複数の所定の領域を含む第一の基板を提供すること;
光学材料に覆われていない第一の基板の第一の表面の任意の一部の上に、接着材料を含む層を形成すること;
接着材料を含む層の上に第二の基板を置くこと;
基板を一緒に密閉して密閉構造物を形成すること;および
密閉構造物から、光学材料を含む所定の領域を含む各個の光学部品を分離すること
を含む方法。
【請求項81】
請求項79に記載の方法であって、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を、量子閉じ込め半導体ナノ粒子および液体溶媒を含むインクとして付着させる方法。
【請求項82】
請求項81に記載の方法であって、液体溶媒が、架橋され得る一つ以上の官能基を含む組成物を含む方法。
【請求項83】
請求項81に記載の方法であって、光学材料を空気中で付着させる方法。
【請求項84】
請求項81に記載の方法であって、光学材料を、酸素を含まない雰囲気中で付着させる方法。
【請求項85】
請求項81に記載の方法であって、インクを、その上に接着材料を含む層を形成させる前に硬化させる方法。
【請求項86】
請求項82に記載の方法であって、インクを、その上に接着材料を含む層を形成させる前に硬化させる方法。
【請求項87】
請求項86に記載の方法であって、架橋可能な官能基を架橋することによってインクを硬化させる方法。
【請求項88】
請求項82に記載の方法であって、架橋され得る一つ以上の官能基を含む組成物が共溶媒であってもよい方法。
【請求項89】
請求項79または80に記載の方法であって、光学材料が光散乱体をさらに含む方法。
【請求項90】
請求項79または80に記載の方法であって、光学材料がさらに母材を含む方法。
【請求項91】
請求項79または80に記載の方法であって、光学材料上に所定量の接着材料を分注し、その上に第二の基板を配置し、および第二の基板を第一の基板の第一の表面に向かって押し付けて接着材料を、光学材料を含む第一の基板の第一の表面の上に広げることによって接着材料を含む層を形成して、接着材料を含む層を形成させる方法。
【請求項92】
請求項91に記載の方法であって、接着材料を含む層を加工して基板を一緒に密閉する方法。
【請求項93】
請求項79または80に記載の方法であって、接着材料が酸素障壁特性をもつ方法。
【請求項94】
請求項79または80に記載の方法であって、接着材料が酸素障壁特性および防湿特性をもつ方法。
【請求項95】
請求項19、20、79または80に記載の方法であって、光学部品に対して内側となる基板表面の一方または両方が滑らかでない方法。
【請求項96】
請求項79または80に記載の方法であって、約365nmから約470nmの範囲内にピーク波長をもつ光を、密閉された光学部品に照射することをさらに含む方法。
【請求項97】
請求項96に記載の方法であって、光が約10から約100mW/cmの範囲内に光束をもつ方法。
【請求項98】
請求項96に記載の方法であって、温度が約25℃から約80℃の範囲にある間に光学部品が照射される方法。
【請求項99】
請求項79または80に記載の方法であって、第一の基板および第二の基板がガラスを含む方法。
【請求項100】
請求項79または80に記載の方法であって、各個の光学部品が水ジェット技術によって分離される方法。
【請求項101】
請求項19または20に記載の方法であって、光学部品が、光学材料を含む所定の領域の周縁と密閉構造物の辺縁との間に、光学材料を含まない辺縁シール面を含んでいる方法。
【請求項102】
請求項79または80に記載の方法であって、各個の光学部品が、光学材料を含む所定の領域の周縁と密閉構造物の辺縁との間に、光学材料を含まない辺縁シール面を含んでいる方法。
【請求項103】
請求項1に記載の光学部品であって、光学材料を含む所定の領域の周縁と密閉構造物の辺縁との間に、光学材料を含まない辺縁シール面を含む光学部品。
【請求項104】
請求項1に記載の光学部品であって、光学部品に対して内側となる基板表面の一方または両方が滑らかでない光学部品。
【請求項105】
請求項1に記載の光学部品であって、第二の基板が、この表面の第二の所定の領域の上に置かれた量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む第二の光学材料を、第一の基板の第一の表面と向かい合って含む光学部品。
【請求項106】
請求項105に記載の光学部品であって、密閉構造物に含まれる光学材料の外側周縁と密閉構造物の辺縁との間に、光学材料を含まない辺縁シール面を含む光学部品。
【請求項107】
請求項79または80に記載の方法であって、第二の基板が、この表面の複数の第二の所定の領域の上に置かれた量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む第二の光学材料を含み、複数の第一の所定の領域と複数の第二の所定の領域とが、基板が密閉されるとき互いに重なり合うように並べられる方法。
【請求項108】
請求項65に記載の方法であって、第二の光学材料が、光散乱体をさらに含む方法。
【請求項109】
請求項65に記載の方法であって、光学材料および第二の光学材料に含まれる量子閉じ込め半導体ナノ粒子が半導体ナノ結晶を含む方法。
【請求項110】
本明細書に表示および記載されている内容の、新規、有用および非自明な方法、機械、製造物および組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−508895(P2013−508895A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534439(P2012−534439)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/053073
【国際公開番号】WO2011/047385
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(508241026)キユーデイー・ビジヨン・インコーポレーテツド (12)