光学部材および該光学部材を備えたストロボ装置および該ストロボ装置を内蔵した画像記録装置
【課題】 光学特性を変更することなく、広い範囲の照射角に対応した光学部材および該光学部材を備えたストロボ装置および該ストロボ装置を内蔵した画像記録装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 矩形開口7に連なる反射面を有する反射体1と、前記反射体1の底部に対して固定もしくは相対位置変位可能に配置された棒状光源2とからなる発光部8の前記矩形開口7に対して相対位置変位可能に配置される光学部材3であって、前記矩形開口7と正対する領域に第一の集光レンズ11を形成し、前記矩形開口7と正対する領域以外の領域に第二の集光レンズ12を形成し、任意の位置の前記発光部8に対して前記第一の集光レンズ11による照明光の照射角が前記第二の集光レンズ12による照明光の照射角よりも広角となるような光学特性を有することを特徴とする。
【解決手段】 矩形開口7に連なる反射面を有する反射体1と、前記反射体1の底部に対して固定もしくは相対位置変位可能に配置された棒状光源2とからなる発光部8の前記矩形開口7に対して相対位置変位可能に配置される光学部材3であって、前記矩形開口7と正対する領域に第一の集光レンズ11を形成し、前記矩形開口7と正対する領域以外の領域に第二の集光レンズ12を形成し、任意の位置の前記発光部8に対して前記第一の集光レンズ11による照明光の照射角が前記第二の集光レンズ12による照明光の照射角よりも広角となるような光学特性を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口に連なる反射面を有する反射体と光源とからなる発光部の上記開口に配置される光学部材および該光学部材を備えたストロボ装置および該ストロボ装置を内蔵した画像記録装置に関し、より詳しくは、前記光学部材と前記発光部との相対位置を変化させて照明光の照射角の変更に対応した光学部材および該光学部材を備えたストロボ装置および該ストロボ装置を内蔵した画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ等の画像記録装置による撮影時に使用する人工光源としてのストロボ装置において、撮影画角変更、すなわち撮影倍率変更に伴い照明光の照射角を変更する場合、発光部と発光部前面に設けた集光レンズ(光学部材)との相対距離を変更することで、照射角を変更していた。すなわち、照射角を広くする広角照明のときは、発光部と集光レンズとを近接させ、照射角を狭くする狭角照明のときは、発光部と集光レンズとを離間させていた。また、発光部が光源と反射体とで構成されるときは、光源と反射体との相対距離を変更することによっても照射角変更に対応でき、広角照明時は光源と反射体とを離間させ、狭角照明時は光源と反射体とを近接させていた。
【0003】
そして、上記の構成にて同一の集光レンズを用いてできるだけ広い範囲の照射角変更に対応できるような集光レンズの構成も様々提案されてきた。
【0004】
しかしながら、実際上は、同一の集光レンズにより幅広い照射角の変更に対応することは難しく、例えば、35mmフィルムカメラの焦点距離換算値で、焦点距離17mm程度の広角(以下「超広角」という。)もしくは焦点距離135mm程度の狭角(以下「超狭角」という。)に対応するには、集光レンズを超広角もしくは超狭角のいずれか側に寄せた光学特性としたうえで、オプションパネルを設置し、集光レンズの光学特性を補うしかなかった。
【0005】
そこで、広角撮影時には発光部を集光レンズに近接させることに着目し、発光部の反射体の開口部が接する集光レンズの範囲に拡散光学系を形成することが提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−175203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献に記載の構成では、集光レンズの一部に拡散光学系を形成しているため、狭角照明時においてこの拡散光学系に入射した光が拡散してしまい、狙い通りの集光が得られず、狭角照明時のガイドナンバーが低下する原因となっていた。
【0008】
したがって、本発明は、光学特性を変更することなく、広い範囲の照射角に対応した光学部材および該光学部材を備えたストロボ装置および該ストロボ装置を内蔵した画像記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の光学部材は、開口に連なる反射面を有する反射体と、前記反射体の底部に対して相対位置変位可能に配置された光源とからなる発光部の前記開口に対して相対位置変位可能に配置される光学部材であって、前記開口と正対する領域に第一の集光光学系を形成し、前記開口と正対する領域以外の領域に第二の集光光学系を形成し、前記第一の集光光学系は、前記第二の集光光学系よりも焦点距離が長い凸レンズであることを特徴とする。
【0010】
このようにすれば、発光部の開口と正対する領域に第一の集光光学系を形成しているので、広角照明時、つまり発光部が光学部材に近接したときは、ほぼ第一の集光光学系のみが機能し、狭角照明時、つまり発光部が光学部材から離間したときは、第一の集光光学系および第二の集光光学系の両方が機能することとなる。ここで、凸レンズにあっては、焦点距離が長い方が配光角が広くなり、焦点距離の短い方が配光角が狭くなる。したがって、第一の集光光学系について、発光部を光学部材に近接させたときに所要の超広角の特性が得られるような設計とし、第二の集光光学系について、発光部を光学部材から離間したときに所要の超狭角の特性が得られるような設計とすることにより、オプションパネルを別途設置しなくとも、発光部の駆動のみで従来例の構成では得られなかった超広角、超狭角の両方に対応できるようになる。
【0011】
また、前記第一の集光光学系および前記第二の集光光学系は、フレネルレンズであってもよく、また、前記光学部材は、一つまたは複数の透光性部材で構成され、前記第一の集光光学系および前記第二の集光光学系の光学パワーがそれぞれ各透光性部材の各面に分散して形成されていてもよく、また、前記光学部材は、前記第一の集光光学系および前記第二の集光光学系の光学パワーを拡散するための拡散光学系を前記第一の集光光学系および前記第二の集光光学系を形成した領域の全部または一部に重ねて形成されていてもよい。
【0012】
本発明のストロボ装置は、前記光学部材を特徴とする。このようにすれば、オプションパネルを別途設置しなくとも、発光部の駆動のみで従来では得られなかった超広角、超狭角の両方に対応できるストロボ装置を提供できる。勿論、このようなストロボ装置は、カメラ等の画像記録装置の筐体内に内蔵するものであってもよいし、画像記録装置とは別の単体の筐体に収めたものでもよい。
【0013】
本発明の画像記録装置は、前記ストロボ装置を備えることを特徴とする。このようにすれば、ズーム撮影時に撮影画角の変更に応じてストロボ装置の照射角を変更する場合に、オプションパネルを別途設置しなくとも、発光部の駆動のみで従来では得られなかった超広角、超狭角の両方の撮影画角に対応できる画像記録装置を提供できる。
【発明の効果】
【0014】
以上、説明したように、本発明の光学部材によれば、発光部の開口と正対する領域に第一の集光光学系を形成しているので、第一の集光光学系について、発光部を光学部材に近接させたときに所要の超広角の特性が得られるような設計とし、第二の集光光学系について、発光部を光学部材から離間したときに所要の超狭角の特性が得られるような設計とすることにより、オプションパネルを別途設置しなくとも、発光部の駆動のみで従来では得られなかった超広角、超狭角の両方に対応できるようになる。
【0015】
また、本発明のストロボ装置によれば、前記した光学部材を備えたストロボ装置として構成しているので、オプションパネルを別途設置しなくとも、発光部の駆動のみで従来では得られなかった超広角、超狭角の両方に対応できるストロボ装置を提供できる。
【0016】
また、本発明の画像記録装置によれば、前記した光学部材を有するストロボ装置を備えた画像記録装置として構成しているので、ズーム撮影時に撮影画角の変更に応じてストロボ装置の照射角を変更する場合に、オプションパネルを別途設置しなくとも、発光部の駆動のみで従来では得られなかった超広角、超狭角の両方の撮影画角に対応できる画像記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光学部材と発光部との位置関係を示した斜視図
【図2】同実施の形態1に係る広角照明時および狭角照明時のそれぞれにおける発光部の位置関係を示したイメージ断面図
【図3】同実施の形態1に係る光学部材の正面図
【図4】同実施の形態1に係る光学部材のA−A断面図
【図5】同実施の形態1に係る光学部材のB−B断面図
【図6】同実施の形態1に係る広角照射時における配光特性図
【図7】同実施の形態1に係る狭角照射時における配光特性図
【図8】本発明の実施の形態2に係る光学部材の正面図
【図9】同実施の形態2に係る光学部材のC−C断面図
【図10】同実施の形態2に係る光学部材のD−D断面図
【図11】本発明の他の実施の形態に係る光学部材のレンズ構成を示すイメージ断面図
【図12】本発明の他実施の形態に係る光学部材の正面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について、図1から図7を用いて説明する。
【0019】
本実施の形態1に係る光学部材3は、図1に示すように、矩形開口に連なる略放物面反射面4および側方反射面5を有する反射体1と、この略放物面反射面4の底部6に対して相対位置変位可能に反射体1の矩形開口7の長手方向に沿って配置された光源としての棒状光源2とからなる発光部8の前記矩形開口7に対向して配置されている。光学部材3は、例えば装置外装を形成する図示しない外部筐体に固定されて配置され、これに対して発光部8が、相対位置変位可能なよう、図示しない駆動機構を伴って移動可能に配置されている。
【0020】
光学部材3の被写体側の面には凸レンズの光学特性を有するフレネルレンズが形成されており、光学部材3の全体が集光の特性を有している。そして、広角照明のときは、発光部8と光学部材3とを近接させ、狭角照明のときは、発光部8と光学部材3とを離間させる。
【0021】
また、この実施の形態1では、棒状光源2と反射体1との相対距離を変更することによっても矩形開口7からの照明光の照射角変更に対応しており、広角照明時は棒状光源2と反射体1とを離間させ、狭角照明時は棒状光源2と反射体1とを近接させる。とくに反射体1の略放物面反射面4の焦点位置に棒状光源2が位置したとき最も狭角となる。
【0022】
本実施の形態1の光学部材3の特徴は、前記フレネルレンズを、第一の集光レンズ11と、第二の集光レンズ12とに分けて形成している点である。以下、図2を参照して具体的に説明する。
【0023】
図中において、広角照明時における発光部8を実線で示し、狭角照明時における発光部8を破線で示している。第一の集光レンズ11は、前記矩形開口7と正対する領域wに形成され、矩形開口7と正対する領域以外の領域tに第二の集光レンズ12が形成されている。そして、第一の集光レンズ11は、第二の集光レンズ12よりも焦点距離が長い光学特性を有している。すなわち、第一の集光レンズ11の焦点Wは、第二の集光レンズ12の焦点Tよりも遠くに設定されている。
【0024】
図3から図5において、光学部材3のフレネルレンズの形状を詳述する。
【0025】
第一の集光レンズ11は、図2で定義した領域w内において長手方向寸法の1/2程度の離間距離を有して配置される頂点13、14およびそれに連なるレンズ曲面を複数の同心円状の壁面17、18により複数のレンズ曲面15,16に分割してフレネルレンズ19,20を形成した上で、さらに前記頂点13,14を通り光学部材3の短辺方向と平行な直線21,22間に囲まれる領域にシリンドリカルレンズ23を形成してなる。
【0026】
第二の集光レンズ12は、矩形状の光学部材3上に設定された中心24を頂点に、この中心24に連なるレンズ曲面を複数の同心円状の壁面25により複数のレンズ曲面26に分割してフレネルレンズ27を形成してなる。
【0027】
第一の集光レンズ11における二つのフレネルレンズ19,20は、第二の集光レンズ12のフレネルレンズ27よりも焦点距離が長く設定されている。シリンドリカルレンズ23は、狭角照明時(図2において発光部8が光学部材から離間した時)において上下方向、すなわち棒状光源2の長手方向に直交する方向の配光特性を狭角にする光学特性を有している。
【0028】
以上の構成による作用・効果を、図2を参照して説明する。図中において、実線矢印41は、広角照明時、すなわち発光部8が光学部材3に最も近接したときにおける矩形開口7からの照射光の光路を示し、二点鎖線矢印42は、狭角照明時、すなわち発光部8が光学部材3から最も離間したときにおける矩形開口7からの照射光の光路を示し、破線矢印43は、狭角照明時における二点鎖線矢印42で示した照射光のうち第二の集光レンズ12を透過する光の光路を示す。
【0029】
発光部8の矩形開口7と正対する領域wに第一の集光光学系を形成しているので、広角照明時、つまり発光部8が光学部材3に近接したときは、ほぼ第一の集光レンズ11のみが機能し、狭角照明時、つまり発光部8が光学部材3から離間したときは、第一の集光レンズ11および第二の集光レンズ12の両方が機能することとなる。したがって、図2に示すように、広角照明時は実線矢印41の配光イメージとなり、狭角照明時は破線43の配光イメージとなる。ここで、第一の集光レンズ11について、発光部8を光学部材3に近接させたときに所要の超広角の特性が得られるような設計とし、第二の集光レンズ12について、発光部8を光学部材3から離間したときに所要の超狭角の特性が得られるような設計とすることにより、発光部8の駆動のみで従来では得られなかった超広角、超狭角の両方に対応できるようになる。図6および図7において、広角照明時および狭角照明時のそれぞれにおける配光特性のイメージをさらに詳しく説明する。
【0030】
図6は、広角照明時における配光特性を示す配光特性図、図7は、狭角照明時における配光特性を示す配光特性図である。なお、図6、図7において、上下方向、すなわち棒状光源2の長手方向に直交する方向の配光特性を示しているが、水平方向、すなわち棒状光源2の長手方向の配光特性についても、以下に記載した作用・効果が同様にあてはまる。
【0031】
広角照射時においては、ほぼ第一の集光レンズ11しか機能しないため、発光部8を近接したときに所要の超広角の特性が得られるような第一の集光レンズ11の設計とする。このときの第一の集光レンズ11による配光特性を図6に示すが、ここに示す配光特性は、目標とする所要の超広角の配光特性とほぼ一致する。
【0032】
狭角照射時においては、第二の集光レンズ12を所要の超狭角の特性が得られるような設計とする。このときの第二の集光レンズ12のみによる配光イメージは、図中二点鎖線で示すようになる。ここで、上記のように、第一の集光レンズ11は、第二の集光レンズ12よりも焦点距離が長く設定されているため、第一の集光レンズ11のみによる配光は、図中実線のようになり、第二の集光レンズ12によるものほど狭角を実現することは難しく、ガイドナンバーも第二の集光レンズ12の場合に比べて若干下がってしまう。しかし、第一の集光レンズ11は凸レンズで構成されており、発光部8を離間することで近接したときに比べれば狭角となるため、図6における第一の集光レンズ11による場合に比べれば十分狭角にできる。したがって、図7において二点鎖線と一点鎖線との合成和をとれば、ガイドナンバーをあまり低下させることなく、所要の超狭角の配光特性をほぼ達成することができると言えるのである。
【0033】
なお、上記効果を奏するためには、少なくとも、発光部8が近接したときの第一の集光レンズ11による照明光の照射角が、発光部8が離間したときの第一の集光レンズ11および第二の集光レンズ12による照明光の照射角よりも広角となるような光学特性であることが必須要件となる。
【0034】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について、図8から図10を用いて説明する。図中、図1から図5と同図番を付した構成要素は、同一機能の構成要素を示す。本実施の形態2は、実施の形態1とは光学部材3の第一の集光レンズ11の構成が異なる例である。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0035】
第一の集光レンズ11は、図2で定義した領域w内において長手方向寸法の1/2程度の離間距離を有して配置される頂点33、34およびそれに連なるレンズ曲面を複数の同心円状の壁面37、38により複数のレンズ曲面35,36に分割してフレネルレンズ39,40を形成してなる。第二の集光レンズ12は、上記実施の形態1と同様のフレネルレンズ27が形成されてなる。
【0036】
第一の集光レンズ11における二つのフレネルレンズ39,40は、第二の集光レンズ12のフレネルレンズ27よりも焦点距離が長く設定されている。そして、各フレネルレンズ39,40が長手方向に上記のような離間距離を有して配置されることで、第一の集光レンズ11は、主として長手方向の配光特性をさらに広角にする役割を担う。
【0037】
以上の構成によれば、上記実施の形態1と同様の効果に加えて、棒状光源2を用いた場合に問題となりやすい、広角照明時における棒状光源2の長手方向の配光特性をよくすることができる。
【0038】
なお、本発明はもちろん、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、例えば下記に示す用途の他、あらゆる用途に適用可能である。
【0039】
(1)上記各実施の形態では、第一の集光レンズ11は、発光部8の矩形開口7と正対する領域に形成したが、第一の集光レンズ11は、かかる領域wをはみ出して形成されてもよい。たとえば、図11(a)に示すように、第一の集光レンズ11を形成する領域pが前記領域wを越えて形成されてもよく、図11(b)に示すように、領域pを領域w内に形成してもよい。
【0040】
したがって、例えば、図12に示すように、発光部8の矩形開口7と正対する領域(図中鎖線内)内に図示のような第一の集光レンズ11を形成することが考えられる。この第一の集光レンズ11は、光学特性としては実施の形態1と同様にフレネルレンズ19,20とシリンドリカルレンズ23とで構成されているが、外枠がフレネルレンズ19,20に沿ってトラック状に形成されている。第一の集光レンズ11の領域以外の領域に第二の集光レンズ12が形成されている。第二の集光レンズ12は、光学特性としては実施の形態1と同様であるが、内周が第一の集光レンズ11の外形に沿うよう、フレネルレンズ44,45とシリンドリカルレンズ46とで構成されている
(2)光学部材3の第一の集光レンズ11および第二の集光レンズ12の形状、特性は、上記した構成以外にもあらゆる形態が適用できる。例えば、第一の集光レンズ11および第二の集光レンズ12は必ずしもフレネルレンズで構成する必要はなく、厚みの増加が許容されるか、もしくはフレネルレンズにして薄くすると十分な光学特性が得にくいなどの場合は、フレネルレンズではない通常の凸レンズとして形成してもよい。
【0041】
(3)発光部8は、必ずしも反射体1と棒状光源2との相対位置を変化させるものでなくてもよく、反射体1と棒状光源2との相対位置を固定するものであってもよい。また反射体1の形状も、棒状光源2の軸方向に直交する方向の断面が略放物線形状のものに限定されない。
【0042】
(4)光学部材3は、上記実施の形態のように1枚で構成してもよいし、複数枚構成してそれぞれ第一の集光レンズ11および第二の集光レンズ12を分散配置し光学パワーを分散してもよい。また光学部材3は前記第一の集光レンズ11および第二の集光レンズ12による光学パワーを拡散し照明光のムラを抑制する拡散光学系を含んでも良い。
【0043】
(5)図2において、光学部材3は領域wと領域tとに分けて構成したが、領域wの外縁から光学部材3の外縁にかけて、焦点距離が徐々に短くなっていく構成にしてもよい。この場合、発光部8の移動量と、光学部材3における前記矩形開口からの光が照射される領域の変化との関係を割り出し、定量化する。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、撮影画角変更、すなわち撮影倍率変更に伴い照明光の照射角を変更するのに対応した光学部材および該光学部材を備えたストロボ装置および該ストロボ装置を内蔵した画像記録装置として好適である。
【符号の説明】
【0045】
1 反射体
2 棒状光源
3 光学部材
4 略放物面反射面
5 側方反射面
6 底部
7 矩形開口
8 発光部
11 第一の集光レンズ
12 第二の集光レンズ
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口に連なる反射面を有する反射体と光源とからなる発光部の上記開口に配置される光学部材および該光学部材を備えたストロボ装置および該ストロボ装置を内蔵した画像記録装置に関し、より詳しくは、前記光学部材と前記発光部との相対位置を変化させて照明光の照射角の変更に対応した光学部材および該光学部材を備えたストロボ装置および該ストロボ装置を内蔵した画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ等の画像記録装置による撮影時に使用する人工光源としてのストロボ装置において、撮影画角変更、すなわち撮影倍率変更に伴い照明光の照射角を変更する場合、発光部と発光部前面に設けた集光レンズ(光学部材)との相対距離を変更することで、照射角を変更していた。すなわち、照射角を広くする広角照明のときは、発光部と集光レンズとを近接させ、照射角を狭くする狭角照明のときは、発光部と集光レンズとを離間させていた。また、発光部が光源と反射体とで構成されるときは、光源と反射体との相対距離を変更することによっても照射角変更に対応でき、広角照明時は光源と反射体とを離間させ、狭角照明時は光源と反射体とを近接させていた。
【0003】
そして、上記の構成にて同一の集光レンズを用いてできるだけ広い範囲の照射角変更に対応できるような集光レンズの構成も様々提案されてきた。
【0004】
しかしながら、実際上は、同一の集光レンズにより幅広い照射角の変更に対応することは難しく、例えば、35mmフィルムカメラの焦点距離換算値で、焦点距離17mm程度の広角(以下「超広角」という。)もしくは焦点距離135mm程度の狭角(以下「超狭角」という。)に対応するには、集光レンズを超広角もしくは超狭角のいずれか側に寄せた光学特性としたうえで、オプションパネルを設置し、集光レンズの光学特性を補うしかなかった。
【0005】
そこで、広角撮影時には発光部を集光レンズに近接させることに着目し、発光部の反射体の開口部が接する集光レンズの範囲に拡散光学系を形成することが提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−175203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献に記載の構成では、集光レンズの一部に拡散光学系を形成しているため、狭角照明時においてこの拡散光学系に入射した光が拡散してしまい、狙い通りの集光が得られず、狭角照明時のガイドナンバーが低下する原因となっていた。
【0008】
したがって、本発明は、光学特性を変更することなく、広い範囲の照射角に対応した光学部材および該光学部材を備えたストロボ装置および該ストロボ装置を内蔵した画像記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の光学部材は、開口に連なる反射面を有する反射体と、前記反射体の底部に対して相対位置変位可能に配置された光源とからなる発光部の前記開口に対して相対位置変位可能に配置される光学部材であって、前記開口と正対する領域に第一の集光光学系を形成し、前記開口と正対する領域以外の領域に第二の集光光学系を形成し、前記第一の集光光学系は、前記第二の集光光学系よりも焦点距離が長い凸レンズであることを特徴とする。
【0010】
このようにすれば、発光部の開口と正対する領域に第一の集光光学系を形成しているので、広角照明時、つまり発光部が光学部材に近接したときは、ほぼ第一の集光光学系のみが機能し、狭角照明時、つまり発光部が光学部材から離間したときは、第一の集光光学系および第二の集光光学系の両方が機能することとなる。ここで、凸レンズにあっては、焦点距離が長い方が配光角が広くなり、焦点距離の短い方が配光角が狭くなる。したがって、第一の集光光学系について、発光部を光学部材に近接させたときに所要の超広角の特性が得られるような設計とし、第二の集光光学系について、発光部を光学部材から離間したときに所要の超狭角の特性が得られるような設計とすることにより、オプションパネルを別途設置しなくとも、発光部の駆動のみで従来例の構成では得られなかった超広角、超狭角の両方に対応できるようになる。
【0011】
また、前記第一の集光光学系および前記第二の集光光学系は、フレネルレンズであってもよく、また、前記光学部材は、一つまたは複数の透光性部材で構成され、前記第一の集光光学系および前記第二の集光光学系の光学パワーがそれぞれ各透光性部材の各面に分散して形成されていてもよく、また、前記光学部材は、前記第一の集光光学系および前記第二の集光光学系の光学パワーを拡散するための拡散光学系を前記第一の集光光学系および前記第二の集光光学系を形成した領域の全部または一部に重ねて形成されていてもよい。
【0012】
本発明のストロボ装置は、前記光学部材を特徴とする。このようにすれば、オプションパネルを別途設置しなくとも、発光部の駆動のみで従来では得られなかった超広角、超狭角の両方に対応できるストロボ装置を提供できる。勿論、このようなストロボ装置は、カメラ等の画像記録装置の筐体内に内蔵するものであってもよいし、画像記録装置とは別の単体の筐体に収めたものでもよい。
【0013】
本発明の画像記録装置は、前記ストロボ装置を備えることを特徴とする。このようにすれば、ズーム撮影時に撮影画角の変更に応じてストロボ装置の照射角を変更する場合に、オプションパネルを別途設置しなくとも、発光部の駆動のみで従来では得られなかった超広角、超狭角の両方の撮影画角に対応できる画像記録装置を提供できる。
【発明の効果】
【0014】
以上、説明したように、本発明の光学部材によれば、発光部の開口と正対する領域に第一の集光光学系を形成しているので、第一の集光光学系について、発光部を光学部材に近接させたときに所要の超広角の特性が得られるような設計とし、第二の集光光学系について、発光部を光学部材から離間したときに所要の超狭角の特性が得られるような設計とすることにより、オプションパネルを別途設置しなくとも、発光部の駆動のみで従来では得られなかった超広角、超狭角の両方に対応できるようになる。
【0015】
また、本発明のストロボ装置によれば、前記した光学部材を備えたストロボ装置として構成しているので、オプションパネルを別途設置しなくとも、発光部の駆動のみで従来では得られなかった超広角、超狭角の両方に対応できるストロボ装置を提供できる。
【0016】
また、本発明の画像記録装置によれば、前記した光学部材を有するストロボ装置を備えた画像記録装置として構成しているので、ズーム撮影時に撮影画角の変更に応じてストロボ装置の照射角を変更する場合に、オプションパネルを別途設置しなくとも、発光部の駆動のみで従来では得られなかった超広角、超狭角の両方の撮影画角に対応できる画像記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光学部材と発光部との位置関係を示した斜視図
【図2】同実施の形態1に係る広角照明時および狭角照明時のそれぞれにおける発光部の位置関係を示したイメージ断面図
【図3】同実施の形態1に係る光学部材の正面図
【図4】同実施の形態1に係る光学部材のA−A断面図
【図5】同実施の形態1に係る光学部材のB−B断面図
【図6】同実施の形態1に係る広角照射時における配光特性図
【図7】同実施の形態1に係る狭角照射時における配光特性図
【図8】本発明の実施の形態2に係る光学部材の正面図
【図9】同実施の形態2に係る光学部材のC−C断面図
【図10】同実施の形態2に係る光学部材のD−D断面図
【図11】本発明の他の実施の形態に係る光学部材のレンズ構成を示すイメージ断面図
【図12】本発明の他実施の形態に係る光学部材の正面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について、図1から図7を用いて説明する。
【0019】
本実施の形態1に係る光学部材3は、図1に示すように、矩形開口に連なる略放物面反射面4および側方反射面5を有する反射体1と、この略放物面反射面4の底部6に対して相対位置変位可能に反射体1の矩形開口7の長手方向に沿って配置された光源としての棒状光源2とからなる発光部8の前記矩形開口7に対向して配置されている。光学部材3は、例えば装置外装を形成する図示しない外部筐体に固定されて配置され、これに対して発光部8が、相対位置変位可能なよう、図示しない駆動機構を伴って移動可能に配置されている。
【0020】
光学部材3の被写体側の面には凸レンズの光学特性を有するフレネルレンズが形成されており、光学部材3の全体が集光の特性を有している。そして、広角照明のときは、発光部8と光学部材3とを近接させ、狭角照明のときは、発光部8と光学部材3とを離間させる。
【0021】
また、この実施の形態1では、棒状光源2と反射体1との相対距離を変更することによっても矩形開口7からの照明光の照射角変更に対応しており、広角照明時は棒状光源2と反射体1とを離間させ、狭角照明時は棒状光源2と反射体1とを近接させる。とくに反射体1の略放物面反射面4の焦点位置に棒状光源2が位置したとき最も狭角となる。
【0022】
本実施の形態1の光学部材3の特徴は、前記フレネルレンズを、第一の集光レンズ11と、第二の集光レンズ12とに分けて形成している点である。以下、図2を参照して具体的に説明する。
【0023】
図中において、広角照明時における発光部8を実線で示し、狭角照明時における発光部8を破線で示している。第一の集光レンズ11は、前記矩形開口7と正対する領域wに形成され、矩形開口7と正対する領域以外の領域tに第二の集光レンズ12が形成されている。そして、第一の集光レンズ11は、第二の集光レンズ12よりも焦点距離が長い光学特性を有している。すなわち、第一の集光レンズ11の焦点Wは、第二の集光レンズ12の焦点Tよりも遠くに設定されている。
【0024】
図3から図5において、光学部材3のフレネルレンズの形状を詳述する。
【0025】
第一の集光レンズ11は、図2で定義した領域w内において長手方向寸法の1/2程度の離間距離を有して配置される頂点13、14およびそれに連なるレンズ曲面を複数の同心円状の壁面17、18により複数のレンズ曲面15,16に分割してフレネルレンズ19,20を形成した上で、さらに前記頂点13,14を通り光学部材3の短辺方向と平行な直線21,22間に囲まれる領域にシリンドリカルレンズ23を形成してなる。
【0026】
第二の集光レンズ12は、矩形状の光学部材3上に設定された中心24を頂点に、この中心24に連なるレンズ曲面を複数の同心円状の壁面25により複数のレンズ曲面26に分割してフレネルレンズ27を形成してなる。
【0027】
第一の集光レンズ11における二つのフレネルレンズ19,20は、第二の集光レンズ12のフレネルレンズ27よりも焦点距離が長く設定されている。シリンドリカルレンズ23は、狭角照明時(図2において発光部8が光学部材から離間した時)において上下方向、すなわち棒状光源2の長手方向に直交する方向の配光特性を狭角にする光学特性を有している。
【0028】
以上の構成による作用・効果を、図2を参照して説明する。図中において、実線矢印41は、広角照明時、すなわち発光部8が光学部材3に最も近接したときにおける矩形開口7からの照射光の光路を示し、二点鎖線矢印42は、狭角照明時、すなわち発光部8が光学部材3から最も離間したときにおける矩形開口7からの照射光の光路を示し、破線矢印43は、狭角照明時における二点鎖線矢印42で示した照射光のうち第二の集光レンズ12を透過する光の光路を示す。
【0029】
発光部8の矩形開口7と正対する領域wに第一の集光光学系を形成しているので、広角照明時、つまり発光部8が光学部材3に近接したときは、ほぼ第一の集光レンズ11のみが機能し、狭角照明時、つまり発光部8が光学部材3から離間したときは、第一の集光レンズ11および第二の集光レンズ12の両方が機能することとなる。したがって、図2に示すように、広角照明時は実線矢印41の配光イメージとなり、狭角照明時は破線43の配光イメージとなる。ここで、第一の集光レンズ11について、発光部8を光学部材3に近接させたときに所要の超広角の特性が得られるような設計とし、第二の集光レンズ12について、発光部8を光学部材3から離間したときに所要の超狭角の特性が得られるような設計とすることにより、発光部8の駆動のみで従来では得られなかった超広角、超狭角の両方に対応できるようになる。図6および図7において、広角照明時および狭角照明時のそれぞれにおける配光特性のイメージをさらに詳しく説明する。
【0030】
図6は、広角照明時における配光特性を示す配光特性図、図7は、狭角照明時における配光特性を示す配光特性図である。なお、図6、図7において、上下方向、すなわち棒状光源2の長手方向に直交する方向の配光特性を示しているが、水平方向、すなわち棒状光源2の長手方向の配光特性についても、以下に記載した作用・効果が同様にあてはまる。
【0031】
広角照射時においては、ほぼ第一の集光レンズ11しか機能しないため、発光部8を近接したときに所要の超広角の特性が得られるような第一の集光レンズ11の設計とする。このときの第一の集光レンズ11による配光特性を図6に示すが、ここに示す配光特性は、目標とする所要の超広角の配光特性とほぼ一致する。
【0032】
狭角照射時においては、第二の集光レンズ12を所要の超狭角の特性が得られるような設計とする。このときの第二の集光レンズ12のみによる配光イメージは、図中二点鎖線で示すようになる。ここで、上記のように、第一の集光レンズ11は、第二の集光レンズ12よりも焦点距離が長く設定されているため、第一の集光レンズ11のみによる配光は、図中実線のようになり、第二の集光レンズ12によるものほど狭角を実現することは難しく、ガイドナンバーも第二の集光レンズ12の場合に比べて若干下がってしまう。しかし、第一の集光レンズ11は凸レンズで構成されており、発光部8を離間することで近接したときに比べれば狭角となるため、図6における第一の集光レンズ11による場合に比べれば十分狭角にできる。したがって、図7において二点鎖線と一点鎖線との合成和をとれば、ガイドナンバーをあまり低下させることなく、所要の超狭角の配光特性をほぼ達成することができると言えるのである。
【0033】
なお、上記効果を奏するためには、少なくとも、発光部8が近接したときの第一の集光レンズ11による照明光の照射角が、発光部8が離間したときの第一の集光レンズ11および第二の集光レンズ12による照明光の照射角よりも広角となるような光学特性であることが必須要件となる。
【0034】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について、図8から図10を用いて説明する。図中、図1から図5と同図番を付した構成要素は、同一機能の構成要素を示す。本実施の形態2は、実施の形態1とは光学部材3の第一の集光レンズ11の構成が異なる例である。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0035】
第一の集光レンズ11は、図2で定義した領域w内において長手方向寸法の1/2程度の離間距離を有して配置される頂点33、34およびそれに連なるレンズ曲面を複数の同心円状の壁面37、38により複数のレンズ曲面35,36に分割してフレネルレンズ39,40を形成してなる。第二の集光レンズ12は、上記実施の形態1と同様のフレネルレンズ27が形成されてなる。
【0036】
第一の集光レンズ11における二つのフレネルレンズ39,40は、第二の集光レンズ12のフレネルレンズ27よりも焦点距離が長く設定されている。そして、各フレネルレンズ39,40が長手方向に上記のような離間距離を有して配置されることで、第一の集光レンズ11は、主として長手方向の配光特性をさらに広角にする役割を担う。
【0037】
以上の構成によれば、上記実施の形態1と同様の効果に加えて、棒状光源2を用いた場合に問題となりやすい、広角照明時における棒状光源2の長手方向の配光特性をよくすることができる。
【0038】
なお、本発明はもちろん、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、例えば下記に示す用途の他、あらゆる用途に適用可能である。
【0039】
(1)上記各実施の形態では、第一の集光レンズ11は、発光部8の矩形開口7と正対する領域に形成したが、第一の集光レンズ11は、かかる領域wをはみ出して形成されてもよい。たとえば、図11(a)に示すように、第一の集光レンズ11を形成する領域pが前記領域wを越えて形成されてもよく、図11(b)に示すように、領域pを領域w内に形成してもよい。
【0040】
したがって、例えば、図12に示すように、発光部8の矩形開口7と正対する領域(図中鎖線内)内に図示のような第一の集光レンズ11を形成することが考えられる。この第一の集光レンズ11は、光学特性としては実施の形態1と同様にフレネルレンズ19,20とシリンドリカルレンズ23とで構成されているが、外枠がフレネルレンズ19,20に沿ってトラック状に形成されている。第一の集光レンズ11の領域以外の領域に第二の集光レンズ12が形成されている。第二の集光レンズ12は、光学特性としては実施の形態1と同様であるが、内周が第一の集光レンズ11の外形に沿うよう、フレネルレンズ44,45とシリンドリカルレンズ46とで構成されている
(2)光学部材3の第一の集光レンズ11および第二の集光レンズ12の形状、特性は、上記した構成以外にもあらゆる形態が適用できる。例えば、第一の集光レンズ11および第二の集光レンズ12は必ずしもフレネルレンズで構成する必要はなく、厚みの増加が許容されるか、もしくはフレネルレンズにして薄くすると十分な光学特性が得にくいなどの場合は、フレネルレンズではない通常の凸レンズとして形成してもよい。
【0041】
(3)発光部8は、必ずしも反射体1と棒状光源2との相対位置を変化させるものでなくてもよく、反射体1と棒状光源2との相対位置を固定するものであってもよい。また反射体1の形状も、棒状光源2の軸方向に直交する方向の断面が略放物線形状のものに限定されない。
【0042】
(4)光学部材3は、上記実施の形態のように1枚で構成してもよいし、複数枚構成してそれぞれ第一の集光レンズ11および第二の集光レンズ12を分散配置し光学パワーを分散してもよい。また光学部材3は前記第一の集光レンズ11および第二の集光レンズ12による光学パワーを拡散し照明光のムラを抑制する拡散光学系を含んでも良い。
【0043】
(5)図2において、光学部材3は領域wと領域tとに分けて構成したが、領域wの外縁から光学部材3の外縁にかけて、焦点距離が徐々に短くなっていく構成にしてもよい。この場合、発光部8の移動量と、光学部材3における前記矩形開口からの光が照射される領域の変化との関係を割り出し、定量化する。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、撮影画角変更、すなわち撮影倍率変更に伴い照明光の照射角を変更するのに対応した光学部材および該光学部材を備えたストロボ装置および該ストロボ装置を内蔵した画像記録装置として好適である。
【符号の説明】
【0045】
1 反射体
2 棒状光源
3 光学部材
4 略放物面反射面
5 側方反射面
6 底部
7 矩形開口
8 発光部
11 第一の集光レンズ
12 第二の集光レンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口に連なる反射面を有する反射体と、前記反射体の底部に対して相対位置変位可能に配置された光源とからなる発光部の前記開口に対して相対位置変位可能に配置され、広角照明時は狭角照明時に比べて前記発光部を近接させる光学部材であって、
前記開口と正対する領域に第一の集光光学系を形成し、前記開口と正対する領域以外の領域に第二の集光光学系を形成し、前記第一の集光光学系は、前記第二の集光光学系よりも焦点距離が長い凸レンズであることを特徴とする光学部材。
【請求項2】
前記第一の集光光学系及び/又は前記第二の集光光学系は、フレネルレンズであることを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
【請求項3】
一または複数の透光性部材で構成され、前記第一の集光光学系及び/又は前記第二の集光光学系の光学パワーがそれぞれ前記各透光性部材の各面に分散して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光学部材。
【請求項4】
前記第一の集光光学系及び/又は前記第二の集光光学系の光学パワーを拡散するための拡散光学系を前記第一の集光光学系及び/又は前記第二の集光光学系を形成した領域の全部または一部に重ねて形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の光学部材。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載の光学部材を備えることを特徴とするストロボ装置。
【請求項6】
請求項5に記載のストロボ装置を備えることを特徴とする画像記録装置。
【請求項1】
開口に連なる反射面を有する反射体と、前記反射体の底部に対して相対位置変位可能に配置された光源とからなる発光部の前記開口に対して相対位置変位可能に配置され、広角照明時は狭角照明時に比べて前記発光部を近接させる光学部材であって、
前記開口と正対する領域に第一の集光光学系を形成し、前記開口と正対する領域以外の領域に第二の集光光学系を形成し、前記第一の集光光学系は、前記第二の集光光学系よりも焦点距離が長い凸レンズであることを特徴とする光学部材。
【請求項2】
前記第一の集光光学系及び/又は前記第二の集光光学系は、フレネルレンズであることを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
【請求項3】
一または複数の透光性部材で構成され、前記第一の集光光学系及び/又は前記第二の集光光学系の光学パワーがそれぞれ前記各透光性部材の各面に分散して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光学部材。
【請求項4】
前記第一の集光光学系及び/又は前記第二の集光光学系の光学パワーを拡散するための拡散光学系を前記第一の集光光学系及び/又は前記第二の集光光学系を形成した領域の全部または一部に重ねて形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の光学部材。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載の光学部材を備えることを特徴とするストロボ装置。
【請求項6】
請求項5に記載のストロボ装置を備えることを特徴とする画像記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−181542(P2012−181542A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−105803(P2012−105803)
【出願日】平成24年5月7日(2012.5.7)
【分割の表示】特願2006−313794(P2006−313794)の分割
【原出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月7日(2012.5.7)
【分割の表示】特願2006−313794(P2006−313794)の分割
【原出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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