説明

光学部材貼合体の製造装置及び製造方法

【課題】表示領域周辺の額縁部を縮小して表示エリアの拡大及び機器の小型化を図ることができる光学部材貼合体の製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】光学表示部品の表示領域に対応する幅の帯状の第三光学部材シートF3をセパレータシートSSと共に巻き出すロール保持部と、第三光学部材シートF3に幅方向に沿うカットを施して前記表示領域に対応する大きさの第三光学部材F13とする切断装置19cと、第三光学部材シートF3のカット位置よりも第三光学部材F13一つ分だけ下流側で第三光学部材シートF3のカットラインを検出する第二検出カメラ23と、前記カットラインを検出したときにその位置に応じてカット位置と検出位置との間の距離を調整する制御装置とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学表示部品に光学部材を貼合してなる光学部材貼合体の製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶ディスプレイ等の光学表示デバイスの生産システムにおいて、液晶パネル(光学表示部品)に貼合する偏光板等の光学部材は、長尺フィルムから液晶パネルの表示領域に合わせたサイズのシート片に切り出され、梱包されて別ラインに搬送された後、液晶パネルに貼合されることがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−255132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の構成では、液晶パネル及びシート片の各寸法バラツキ、並びに液晶パネルに対するシート片の貼合バラツキ(位置ズレ)を考慮して、表示領域よりも若干大きめのシート片を切り出している。そのため、表示領域の周辺部に余分な領域(額縁部)が形成され、機器の小型化が阻害されるという問題がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、表示領域周辺の額縁部を縮小して表示エリアの拡大及び機器の小型化を図ることができる光学部材貼合体の製造装置及び製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、本発明は、光学表示部品に光学部材を貼合してなる光学部材貼合体の製造装置において、ライン上を搬送される複数の前記光学表示部品に対し、その搬送方向と直交する部品幅方向で前記光学表示部品の表示領域に対応する幅の帯状の光学部材シートを、原反ロールからセパレータシートと共に巻き出す巻き出し部と、前記光学部材シートに、前記表示領域に対応する長さを巻き出す毎に幅方向に沿うカットを施して、前記表示領域に対応する大きさの前記光学部材とするカット部と、前記光学部材シートにカットを施すカット位置よりも、前記光学部材シートの巻き出し方向で前記光学部材一つ分に対応する距離だけ下流側に離間した位置で、前記光学部材シートに前記カットにより形成されたカットラインを検出する検出部と、前記カット位置よりも前記光学部材一つ分下流側の検出位置で前記カットラインを検出したときに、このカットラインの位置に応じて前記カット位置と前記検出位置との間の距離を調整する制御部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、光学表示部品に光学部材を貼合してなる光学部材貼合体の製造方法において、ライン上を搬送される複数の前記光学表示部品に対し、その搬送方向と直交する部品幅方向で前記光学表示部品の表示領域に対応する幅の帯状の光学部材シートを、原反ロールからセパレータシートと共に巻き出す工程と、前記光学部材シートに、前記表示領域に対応する長さを巻き出す毎に幅方向に沿うカットを施して、前記表示領域に対応する大きさの前記光学部材とする工程と、前記光学部材シートにカットを施すカット位置よりも、前記光学部材シートの巻き出し方向で前記光学部材一つ分に対応する距離だけ下流側に離間した位置で、前記光学部材シートに前記カットにより形成されたカットラインを検出する工程と、前記カット位置よりも前記光学部材一つ分下流側の検出位置で前記カットラインを検出したときに、このカットラインの位置に応じて前記カット位置と前記検出位置との間の距離を調整する工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、表示領域に対応する幅の帯状の光学部材シートを所定長さにカットして光学部材とし、この光学部材を、光学部材シートと共に巻き出したセパレータシートをキャリアとして搬送しつつ、前記カットを行うライン内で光学表示部品に貼合することで、表示領域に合わせて加工した偏光板を別ラインに搬送するような場合と比べて、光学部材の寸法バラツキや貼合バラツキを抑え、表示領域周辺の額縁部を縮小して表示エリアの拡大及び機器の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態における光学表示デバイスのフィルム貼合システムの概略構成図である。
【図2】上記フィルム貼合システムの第二貼合装置周辺の斜視図である。
【図3】上記フィルム貼合システムの光学部材シートの光学軸方向とこれに貼合する光学表示部品とを示す斜視図である。
【図4】上記フィルム貼合システム中の第一貼合シートの断面図である。
【図5】上記フィルム貼合システムの第二切断装置中の第二貼合シートの断面図である。
【図6】図5の第二貼合シートの平面図である。
【図7】上記フィルム貼合システムを経た両面貼合パネルの断面図である。
【図8】液晶パネルに貼合した光学部材シートのレーザーによる切断端を示す断面図である。
【図9】光学部材シート単体のレーザーによる切断端を示す断面図である。
【図10】上記フィルム貼合システムの第三貼合装置周辺を拡大した概略構成図である。
【図11】上記フィルム貼合システムの第一貼合装置周辺の変形例を示す概略構成図である。
【図12】上記フィルム貼合システムの第三貼合装置周辺の変形例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、光学表示デバイスの生産システムとして、その一部を構成するフィルム貼合システムについて説明する。
【0011】
図1は、本実施形態のフィルム貼合システム1の概略構成を示す。フィルム貼合システム1は、例えば液晶パネルや有機ELパネルといったパネル状の光学表示部品に、偏光フィルムや位相差フィルム、輝度上昇フィルムといったフィルム状の光学部材を貼合するもので、前記光学表示部品及び光学部材を含んだ光学部材貼合体を製造する。フィルム貼合システム1では、前記光学表示部品として液晶パネルPを用いる。フィルム貼合システム1の各部は、電子制御装置としての制御装置20により統括制御される。
【0012】
フィルム貼合システム1は、貼合工程の始発位置から終着位置まで、例えば駆動式のローラコンベヤ5を用いて液晶パネルPを搬送しつつ、液晶パネルPに順次所定の処理を施す。液晶パネルPは、その表裏面を水平にした状態でローラコンベヤ5上を搬送される。なお、図中左側は液晶パネルPの搬送方向上流側(以下、パネル搬送上流側という)を、図中右側は液晶パネルPの搬送方向下流側(以下、パネル搬送下流側という)をそれぞれ示す。
【0013】
図5,6を併せて参照し、液晶パネルPは平面視で長方形状をなし、その外周縁よりも所定幅だけ内側に、前記外周縁に沿う外形状を有する表示領域P4を形成する。液晶パネルPは、後述する第二アライメント装置14よりもパネル搬送上流側では、表示領域P4の短辺を概ね搬送方向に沿わせた向きで搬送され、前記第二アライメント装置14よりもパネル搬送下流側では、表示領域P4の長辺を概ね搬送方向に沿わせた向きで搬送される。
【0014】
この液晶パネルPの表裏面に対して、長尺帯状の第一、第二及び第三光学部材シートF1,F2,F3から切り出した第一、第二及び第三光学部材F11,F12,F13が適宜貼合される。本実施形態において、液晶パネルPのバックライト側及び表示面側の両面には、偏光フィルムとしての第一光学部材F11及び第三光学部材F13がそれぞれ貼合され、液晶パネルPのバックライト側の面には、第一光学部材F11に重ねて輝度向上フィルムとしての第二光学部材F12がさらに貼合される。
【0015】
図1に示すように、フィルム貼合システム1は、上流工程からローラコンベヤ5のパネル搬送上流側上に液晶パネルPを搬送すると共に液晶パネルPのアライメントを行う第一アライメント装置11と、第一アライメント装置11よりもパネル搬送下流側に設けられる第一貼合装置12と、第一貼合装置12に近接して設けられる第一切断装置13と、第一貼合装置12及び第一切断装置13よりもパネル搬送下流側に設けられる第二アライメント装置14とを備える。
【0016】
また、フィルム貼合システム1は、第二アライメント装置14よりもパネル搬送下流側に設けられる第二貼合装置15と、第二貼合装置15に近接して設けられる第二切断装置16と、第二貼合装置15及び第二切断装置16よりもパネル搬送下流側に設けられる第三アライメント装置17と、第三アライメント装置17よりもパネル搬送下流側に設けられる第三貼合装置18とを備える。
【0017】
第一アライメント装置11は、液晶パネルPを保持して垂直方向及び水平方向で自在に搬送すると共に、例えば液晶パネルPのパネル搬送上流側及び下流側の端部を撮像する一対のカメラCを有する(図3参照)。カメラCの撮像データは制御装置20に送られる。制御装置20は、前記撮像データと予め記憶した後述の光学軸方向の検査データとに基づき、第一アライメント装置11を作動させる。なお、後述する第二及び第三アライメント装置14,17も同様に前記カメラCを有し、このカメラCの撮像データをアライメントに用いる。
【0018】
第一アライメント装置11は、制御装置20に作動制御され、第一貼合装置12に対する液晶パネルPのアライメントを行う。このとき、液晶パネルPは、搬送方向と直交する水平方向(以下、部品幅方向という)での位置決めと、垂直軸回りの回転方向(以下、単に回転方向という)での位置決めとがなされる。この状態で、液晶パネルPが第一貼合装置12の貼合位置に導入される。
【0019】
第一貼合装置12は、貼合位置に導入された長尺の第一光学部材シートF1の上面に対して、その上方を搬送される液晶パネルPの下面(バックライト側)を貼合する。第一貼合装置12は、第一光学部材シートF1を巻回した第一原反ロールR1から第一光学部材シートF1を巻き出しつつ第一光学部材シートF1をその長手方向に沿って搬送する搬送装置12aと、搬送装置12aが搬送する第一光学部材シートF1の上面にローラコンベヤ5が搬送する液晶パネルPの下面を貼合する挟圧ロール12bとを備える。
【0020】
搬送装置12aは、第一光学部材シートF1を巻回した第一原反ロールR1を保持すると共に第一光学部材シートF1をその長手方向に沿って繰り出すロール保持部12cと、第一光学部材シートF1の下面に重なって第一光学部材シートF1と共に繰り出されたプロテクションフィルムpfを第一貼合装置12のパネル搬送下流側で回収するpf回収部12dとを有する。
【0021】
挟圧ロール12bは、互いに軸方向を平行にして配置された一対の貼合ローラを有する。一対の貼合ローラ間には所定の間隙が形成され、この間隙内が第一貼合装置12の貼合位置となる。前記間隙内には、液晶パネルP及び第一光学部材シートF1が重なり合って導入される。これら液晶パネルP及び第一光学部材シートF1が、前記貼合ローラ間で挟圧されつつパネル搬送下流側に送り出される。これにより、複数の液晶パネルPを所定の間隔を空けつつ長尺の第一光学部材シートF1の上面に連続的に貼合した第一貼合シートF21が形成される。
【0022】
第一切断装置13は、pf回収部12dよりもパネル搬送下流側に位置する。図4,5を併せて参照し、第一切断装置13は、第一貼合シートF21の第一光学部材シートF1を切断して表示領域P4よりも大きい(本実施形態では液晶パネルPよりも大きい)シート片F1Sとするべく、第一光学部材シートF1の所定箇所(搬送方向で並ぶ液晶パネルPの間)を前記部品幅方向の全幅にわたって切断する。なお、第一切断装置13が切断刃を用いるかレーザーカッターを用いるかは問わない。前記切断により、液晶パネルPの下面に表示領域P4よりも大きい前記シート片F1Sが貼合された第一片面貼合パネルP11が形成される。
【0023】
図1を参照し、第二アライメント装置14は、例えばローラコンベヤ5上の第一片面貼合パネルP11を保持して垂直軸回りに90°回転させる。これにより、表示領域P4の短辺と略平行に搬送されていた第一片面貼合パネルP11が、表示領域P4の長辺と略平行に搬送されるように方向転換する。なお、前記回転は、第一光学部材シートF1の光軸方向に対して、液晶パネルPに貼合する他の光学部材シートの光学軸方向が直角に配置される場合になされる。
【0024】
第二アライメント装置14は、前記第一アライメント装置11と同様のアライメントを行う。すなわち、第二アライメント装置14は、制御装置20に記憶された光学軸方向の検査データ及び前記カメラCの撮像データに基づき、第二貼合装置15に対する第一片面貼合パネルP11の部品幅方向での位置決め及び回転方向での位置決めを行う。この状態で、第一片面貼合パネルP11が第二貼合装置15の貼合位置に導入される。
【0025】
第二貼合装置15は、貼合位置に導入された長尺の第二光学部材シートF2の上面に対して、その上方を搬送される第一片面貼合パネルP11の下面(液晶パネルPのバックライト側)を貼合する。第二貼合装置15は、第二光学部材シートF2を巻回した第二原反ロールR2から第二光学部材シートF2を巻き出しつつ第二光学部材シートF2をその長手方向に沿って搬送する搬送装置15aと、搬送装置15aが搬送する第二光学部材シートF2の上面にローラコンベヤ5が搬送する第一片面貼合パネルP11の下面を貼合する挟圧ロール15bとを備える。
【0026】
搬送装置15aは、第二光学部材シートF2を巻回した第二原反ロールR2を保持すると共に第二光学部材シートF2をその長手方向に沿って繰り出すロール保持部15cと、挟圧ロール15bよりもパネル搬送下流側に位置する第二切断装置16を経た第二光学部材シートF2の余剰部分を回収する第二回収部15dとを有する。
【0027】
挟圧ロール15bは、互いに軸方向を平行にして配置された一対の貼合ローラを有する。一対の貼合ローラ間には所定の間隙が形成され、この間隙内が第二貼合装置15の貼合位置となる。前記間隙内には、第一片面貼合パネルP11及び第二光学部材シートF2が重なり合って導入される。これら第一片面貼合パネルP11及び第二光学部材シートF2が、前記貼合ローラ間で挟圧されつつパネル搬送下流側に送り出される。これにより、複数の第一片面貼合パネルP11を所定の間隔を空けつつ長尺の第二光学部材シートF2の上面に連続的に貼合した第二貼合シートF22が形成される。
【0028】
第二切断装置16は、挟圧ロール15bよりもパネル搬送下流側に位置する。図2,5を併せて参照し、第二切断装置16は、第二光学部材シートF2とその上面に貼合した第一片面貼合パネルP11の第一光学部材シートF1のシート片F1Sとを同時に切断する。第二切断装置16は例えばCO2レーザーカッターであり、第二光学部材シートF2と第一光学部材シートF1のシート片F1Sとを表示領域P4の外周縁に沿って(本実施形態では液晶パネルPの外周縁に沿って)無端状に切断する。各光学部材シートF1,F2を液晶パネルPに貼合した後にまとめてカットすることで、各光学部材シートF1,F2の光学軸方向の精度が高まると共に、各光学部材シートF1,F2間の光学軸方向のズレが無くなり、かつ第一切断装置13での切断が簡素化される。
【0029】
第二切断装置16の切断により、液晶パネルPの下面に第一及び第二光学部材F11,F12が重ねて貼合された(図7参照)第二片面貼合パネルP12が形成される。またこのとき、第二片面貼合パネルP12と、表示領域P4との対向部分(各光学部材F11,F12)が切り取られて枠状に残る各光学部材シートF1,F2の余剰部分とが分離される。第二光学部材シートF2の余剰部分は複数連なって梯子状をなし(図2参照)、この余剰部分が第一光学部材シートF1の余剰部分と共に第二回収部15dに巻き取られる。
【0030】
図1を参照し、第三アライメント装置17は、液晶パネルPの表示面側を上面にした第二片面貼合パネルP12を表裏反転させて液晶パネルPのバックライト側を上面にすると共に、前記第一及び第二アライメント装置11,14と同様のアライメントを行う。すなわち、第三アライメント装置17は、制御装置20に記憶された光学軸方向の検査データ及び前記カメラCの撮像データに基づき、第三貼合装置18に対する第二片面貼合パネルP12の部品幅方向での位置決め及び回転方向での位置決めを行う。この状態で、第二片面貼合パネルP12が第三貼合装置18の貼合位置に導入される。
【0031】
図1,10に示すように、第三貼合装置18は、第三光学部材シートF3をこれに重なるセパレータシートSSと共に巻回した第三原反ロールR3から第三光学部材シートF3及びセパレータシートSSを巻き出しつつ搬送すると共に第三光学部材シートF3から第三光学部材F13を切り出して貼合位置に供給する搬送装置19と、搬送装置19が第三光学部材シートF3から切り出した第三光学部材F13の上面をローラコンベヤ5が搬送する第二片面貼合パネルP12の下面(液晶パネルPの表示面側)に貼合する挟圧ロール21とを備える。
【0032】
搬送装置19は、セパレータシートSSをキャリアとして複数の第三光学部材F13を連続的に搬送する。第三光学部材シートF3及びセパレータシートSSは、前記部品幅方向で液晶パネルPの表示領域P4に対応する幅(本実施形態では表示領域P4の全幅以上で液晶パネルPの全幅以下の幅に相当)を有する長尺の帯状とされる。セパレータシートSSは、第三光学部材シートF3(第三光学部材F13)に重なって分離可能に貼合される。以下、セパレータシートSSと第三光学部材シートF3との組み合わせを第三光学部材シート体F3Sという。
【0033】
搬送装置19は、第三原反ロールR3を保持すると共にこの第三原反ロールR3から第三光学部材シート体F3Sをその長手方向に沿って巻き出すロール保持部19aと、第三原反ロールR3から巻き出した第三光学部材シート体F3Sを第三貼合装置18の貼合位置まで所定のシート搬送経路に沿って案内するべく第三光学部材シート体F3SのセパレータシートSS側を巻きかける単数又は複数(図では一つのみ示す)のガイドローラ19bと、シート搬送経路上の第三光学部材シート体F3SにセパレータシートSSを残したハーフカットを施す切断装置19cと、ハーフカットを施した第三光学部材シート体F3SのセパレータシートSS側を鋭角に巻きかけてセパレータシートSSから第三光学部材F13を分離させつつ第三光学部材F13を貼合位置に供給するナイフエッジ19dと、ナイフエッジ19dを経て単独となったセパレータシートSSを巻き取るセパレータ回収部19eとを有する。
【0034】
搬送装置19の始点に位置するロール保持部19aと搬送装置19の終点に位置するセパレータ回収部19eとは、例えば互いに同期して駆動する。これにより、ロール保持部19aが第三光学部材シート体F3Sをその搬送方向へ巻き出しつつ、セパレータ回収部19eがナイフエッジ19dを経て単独となったセパレータシートSSを巻き取る。
【0035】
切断装置19cは、第三光学部材シート体F3Sが所定長さ巻き出された際、第三光学部材シート体F3Sをその長手方向(巻き出し方向)と直交する幅方向の全幅にわたってセパレータシートSSを残して切断する(すなわち第三光学部材シートF3のみを切断する)。切断装置19cは、第三光学部材シート体F3Sの搬送中に働くテンションによってセパレータシートSSが破断しないように切断刃の進退位置を調整する。
【0036】
前記切断後の第三光学部材シート体F3Sには、第三光学部材シート体F3Sの幅方向の全幅にわたるカットラインが形成される。
ここで、ナイフエッジ19dの先端部近傍であって第三貼合装置18の貼合位置近傍のパネル搬送上流側の部位には、当該部位における第三光学部材F13の巻き出し方向下流側の切断端を検出する第一検出カメラ22が設けられる。第一検出カメラ22の検出情報は制御装置20に送られる。制御装置20は、例えば第一検出カメラ22が第三光学部材F13の下流側端を検出した時点で、搬送装置19を一旦停止させる。その後、第一検出カメラ22が第二片面貼合パネルP12の下流側端を検出した時点で、制御装置20が搬送装置を19を駆動させ、第二片面貼合パネルP12と第三光学部材F13とを同期させて第三貼合装置18の貼合位置に導入可能とする。
【0037】
一方、第一検出カメラ22よりも巻き出し方向上流側であって切断装置19cよりも第三光学部材F13一つ分だけ前記巻き出し方向下流側の部位には、同じく第三光学部材F13の巻き出し方向下流側の切断端を検出する第二検出カメラ23が設けられる。第二検出カメラ23の検出情報も制御装置20に送られる。制御装置20は、例えば切断装置19cによる第三光学部材シートF3の切断後にこれを巻き出し、その切断端(第三光学部材シートF3の最上流側のカットライン)を第二検出カメラ23が検出した時点で、搬送装置19を一旦停止させる。このとき、切断装置19cによる第三光学部材シートF3のカットがなされる。すなわち、第二検出カメラ23による検出位置(第三光学部材シートF3における第二検出カメラ23の光軸延長位置に相当)と切断装置19cによるカット位置(第三光学部材シートF3における切断装置19cの切断刃進退位置に相当)との間のシート搬送経路に沿う距離が、第三光学部材F13の長さに相当する。
【0038】
前記カットラインは、例えば同一サイズの液晶パネルPに貼合する第三光学部材F13を切り出す場合には、第三光学部材シート体F3Sの長手方向で等間隔に形成される。第三光学部材シートF3は、複数のカットラインによって長手方向で複数の区画に分けられ、この第三光学部材シートF3における長手方向で隣り合う一対のカットラインに挟まれる区画が、それぞれ第三光学部材F13とされる。第三光学部材F13の長さは、本実施形態では表示領域P4の全長以上で液晶パネルPの全長以下とされる。
【0039】
また、切断装置19cは、第三光学部材シート体F3Sのシート搬送経路に沿って移動可能とされる。この移動により、第二検出カメラ23による検出位置と切断装置19cによるカット位置との間のシート搬送経路に沿う距離が変動する。切断装置19cの移動は制御装置20により制御され、例えば切断装置19cによる第三光学部材シートF3の切断後にこれを第三光学部材F13一つ分だけ巻き出した際、その切断端が所定位置からずれる場合には、このずれを切断装置19cの移動により補正する。
【0040】
なお、切断装置19cの移動により長さの異なる第三光学部材F13のカットに対応することも可能である。また、切断装置19c及び第二検出カメラ23の少なくとも一方をシート搬送方向で移動させることで、前記補正や第三光学部材F13の長さ変更を行う構成としてもよい。また、切断装置19cと第二検出カメラ23とは互いに近接するが、切断装置19cの移動等に伴う第二検出カメラ23の振動を防止するために、これらは別フレームで支持することが好ましい。
【0041】
ナイフエッジ19dは、ローラコンベヤ5の下方に配置されて第三光学部材シート体F3Sの幅方向で少なくともその全幅にわたって延在する。ナイフエッジ19dは、ハーフカット後の第三光学部材シート体F3SのセパレータシートSS側に摺接するようにこれを鋭角に巻きかける。
【0042】
第三光学部材シート体F3Sは、ナイフエッジ19dで鋭角に折り返す際、セパレータシートSSから第三光学部材F13を分離させる。ナイフエッジ19dは、挟圧ロール21のパネル搬送下流側に近接して配置される。ナイフエッジ19dによりセパレータシートSSから分離した第三光学部材F13は、ローラコンベヤ5が搬送する液晶パネルPの下面に重なりつつ、挟圧ロール21の一対の貼合ローラ間に導入される。
【0043】
挟圧ロール21は、互いに軸方向を平行にして配置された一対の貼合ローラを有する。一対の貼合ローラ間には所定の間隙が形成され、この間隙内が第三貼合装置18の貼合位置となる。前記間隙内には、第二片面貼合パネルP12及び第三光学部材F13が重なり合って導入される。これら第二片面貼合パネルP12及び第三光学部材F13が、前記貼合ローラ間で挟圧されつつパネル搬送下流側に送り出される。これにより、第二片面貼合パネルP12に第三光学部材F13を貼合した両面貼合パネルP13が形成される(図7参照)。
【0044】
両面貼合パネルP13は、不図示の欠陥検査装置を経て欠陥(貼合不良等)の有無が検査された後、下流工程に搬送されて他の処理がなされる。
【0045】
ここで、一般に長尺の光学フィルム(各光学部材シートF1,F2,F3に相当)は、二色性色素で染色した樹脂フィルムを一軸延伸させて製造されており、光学フィルムの光学軸の方向は樹脂フィルムの延伸方向と概ね一致する。しかし、光学フィルムの光学軸は、光学フィルム全体で均一ではなく、光学フィルムの幅方向で若干ばらついている。
【0046】
このため、光学フィルムにその幅方向で複数の光学表示部品を貼合するような場合、光学フィルムの光学軸方向に合わせて光学表示部品のアライメントを行うことが望ましい。これは、光学表示デバイス単位の光学軸のバラツキを抑えて精彩やコントラストを高めるという点で有効である。
【0047】
偏光フィルムとしての光学フィルムは、一方向に振動する光以外の光を遮断するために、例えばヨウ素や二色性染料等により染色されている。なお、光学フィルムに剥離フィルムや保護フィルムがさらに積層されてもよい。
【0048】
光学フィルムの光学軸方向を検査する検査装置は、光学フィルムの表裏一側方に配置された光源と、光学フィルムの表裏他側方に配置された検光子とを有する。検光子は、光源から照射されて光学フィルムを透過した光を受光し、この光の強度を検出することで、光学フィルムの光学軸を検出する。検光子は、例えば光学フィルムの幅方向で移動可能であり、光学フィルムの幅方向の任意箇所で光学軸を検査可能である。
【0049】
本実施形態の場合、前記検査装置で得た各光学部材シートF1,F2,F3の光学軸方向の検査データは、各光学部材シートF1,F2,F3の長手方向位置と幅方向位置とに関連付けられて制御装置20のメモリに記憶される。この検査後に各光学部材シートF1,F2,F3が巻き取られて各原反ロールR1,R2,R3をそれぞれ形成する。以下、各光学部材シートF1,F2,F3を光学部材シートFX、各光学部材シートF1,F2,F3に貼合される液晶パネルP及び各片面貼合パネルP11,P12を光学表示部品PXと総称することがある。
【0050】
ここで、光学部材シートFXを構成する偏光子フィルムは、例えば二色性色素で染色したPVAフィルムを一軸延伸して形成されるが、延伸する際のPVAフィルムの厚さのムラや二色性色素の染色ムラ等に起因して、光学部材シートFXの幅方向内側と幅方向外側とで光学軸方向の相違が生じる傾向にある。
【0051】
そこで、本実施形態では、制御装置20に予め記憶した光学部材シートFXの各部における光学軸の面内分布の検査データに基づき、これらに貼合する光学表示部品PXのアライメントを行った上で、光学部材シートFXに光学表示部品PXを貼合している。
【0052】
具体的には、光学部材シートFXにおける光学表示部品PXを貼合する部位の面内において、例えば所定の基準軸(長手方向軸等)に対する角度が最大の光学軸と最小の光学軸とを見出し、これら各光学軸がなす角を二等分する軸を当該部位の平均的な光学軸として、この軸を基準に光学表示部品PXのアライメントを行っている。
【0053】
これにより、光学部材シートFXの幅方向で異なる位置に光学表示部品PXを貼合する場合にも、光学表示部品PXの基準位置に対する光学部材シートFXの光学軸方向のバラツキを抑制でき、光学軸公差をほぼ0°(許容公差は±0.25°)にすることができる。
【0054】
なお、光学部材シートFXを巻き出しつつ光学軸方向を検出し、この検出データに基づき光学表示部品PXのアライメントを行うようにしてもよい。また、前述した種々のアライメント手法は、光学部材シートFXの光学軸方向が0°及び90°の場合に限らず、任意の角度の場合にも適用できる。
【0055】
また、図3は比較的幅の広い光学部材シートFXにその幅方向で三つの光学表示部品PXを並べて貼合する例を示すが、これに限らず、二つ以下又は四つ以上の光学表示部品PXを光学部材シートFXの幅方向で並べて貼合する構成であったり、比較的幅の狭い光学部材シートFXを幅方向に複数並べてこれらのそれぞれに光学表示部品PXを貼合する構成であってもよい。
【0056】
図4を参照し、液晶パネルPは、例えばTFT基板からなる長方形状の第一基板P1と、第一基板P1に対向して配置される同じく長方形状の第二基板P2と、第一基板P1と第二基板P2との間に封入される液晶層P3とを有する。なお、図示都合上、断面図の各層のハッチングを略すことがある。
【0057】
図6を参照し、第一基板P1は、その外周縁の三辺を第二基板P2の対応する三辺に沿わせると共に、外周縁の残りの一辺を第二基板P2の対応する一辺よりも外側に張り出させる。これにより、第一基板P1の前記一辺側に第二基板P2よりも外側に張り出す電気部品取り付け部P5が設けられる。
【0058】
図5を参照し、第二切断装置16は、表示領域P4の外周縁をカメラ16a等の検出手段で検出しつつ、表示領域P4の外周縁等に沿って第一及び第二光学部材シートF1,F2を切断する。表示領域P4の外側には、第一及び第二基板P1,P2を接合するシール剤等を配置する所定幅の額縁部Gが設けられ、この額縁部Gの幅内で第二切断装置16によるレーザーカットがなされる。
【0059】
図9に示すように、樹脂製の光学部材シートFXを単独でレーザーカットすると、その切断端tが熱変形により膨れたり波打ったりすることがある。このため、レーザーカット後の光学部材シートFXを光学表示部品PXに貼合する場合には、光学部材シートFXにエア混入や歪み等の貼合不良が生じ易い。
【0060】
一方、図8に示すように、光学部材シートFXを液晶パネルPに貼合した後に光学部材シートFXをレーザーカットする本実施形態では、光学部材シートFXの切断端tが液晶パネルPのガラス面にバックアップされるため、光学部材シートFXの切断端tの膨れや波打ち等が生じず、かつ液晶パネルPへの貼合後であることから前記貼合不良も生じ得ない。
【0061】
液晶パネルP上で光学部材シートFXをカットするような場合、レーザー加工機の切断線の振れ幅(公差)は切断刃のそれよりも小さく、したがって本実施形態では、切断刃を用いて光学部材シートFXを切断する場合と比べて、前記額縁部Gの幅を狭めることが可能であり、液晶パネルPの小型化及び(又は)表示領域P4の大型化が可能である。これは、近年のスマートフォンやタブレット端末のように、筐体のサイズが制限される中で表示画面の拡大が要求される高機能モバイルへの適用に有効である。
【0062】
ここで、光学部材シートFXを液晶パネルPの表示領域P4に整合するシート片にカットした後に別ラインに搬送して液晶パネルPに貼合する場合、前記シート片及び液晶パネルPそれぞれの寸法公差、並びにこれらの相対貼合位置の寸法公差が重なるため、液晶パネルPの額縁部Gの幅を狭めることが困難になる(表示エリアの拡大が困難になる)。
【0063】
一方、光学部材シートFXを液晶パネルPに貼合した後に表示領域P4に合わせてカットする場合、切断線の振れ公差のみを考慮すればよく、額縁部Gの幅の公差を小さくすることができる(±0.1mm以下)。この点においても、液晶パネルPの額縁部Gの幅を狭めることができる(表示エリアの拡大が可能となる)。
【0064】
さらに、液晶パネルP上の光学部材シートFXを刃物ではなくレーザーでカットすることで、切断時の力が液晶パネルPに入力されず、液晶パネルPの基板の端縁にクラックや欠けが生じ難くなり、ヒートサイクル等に対する耐久性が向上する。同様に、液晶パネルPに非接触であるため、電気部品取り付け部P5に対するダメージも少ない。
【0065】
また、第三貼合装置18では、表示領域P4に対応する幅の帯状の第三光学部材シートF3を所定長さにカットして第三光学部材F13とし、この第三光学部材F13をセパレータシートSSと共に搬送しつつ、前記カットを行うライン内で第二片面貼合パネルP12に貼合することで、表示領域P4に合わせて加工した偏光板を別ラインに搬送するような場合と比べて、第三光学部材F13の寸法バラツキや貼合バラツキの影響が抑えられる。
【0066】
図6に示すように、光学部材シートFX(図6では第二光学部材シートF2)をレーザーカットする場合、例えば表示領域P4の一長辺の延長上にレーザーカットの始点pt1を設定し、この始点pt1からまず前記一長辺の切断を開始する。レーザーカットの終点pt2は、レーザーが表示領域P4を一周して表示領域P4の始点側の短辺の延長上に至る位置に設定する。始点pt1及び終点pt2は、光学部材シートFXの余剰部分に所定の接続代を残し、光学部材シートFXを巻き取る際の張力に耐え得るように設定される。
【0067】
以上説明したように、上記実施形態における光学部材貼合体の製造装置は、液晶パネルPに光学部材F11,F12,F13を貼合してなる両面貼合パネルP13の製造装置において、ローラコンベヤ5上を搬送される複数の第二片面貼合パネルP12に対し、その搬送方向と直交する部品幅方向で前記液晶パネルPの表示領域P4に対応する幅の帯状の第三光学部材シートF3を、第三原反ロールR3からセパレータシートSSと共に巻き出すロール保持部19aと、前記第三光学部材シートF3に、前記表示領域P4に対応する長さを巻き出す毎に幅方向に沿うカットを施して、前記表示領域P4に対応する大きさの第三光学部材F13とする切断装置19cと、前記第三光学部材シートF3にカットを施すカット位置よりも、前記第三光学部材シートF3の巻き出し方向で前記第三光学部材F13一つ分に対応する距離だけ下流側に離間した位置で、前記第三光学部材シートF3に前記カットにより形成されたカットラインを検出する第二検出カメラ23と、前記カット位置よりも前記第三光学部材F13一つ分下流側の検出位置で前記カットラインを検出したときに、このカットラインの位置に応じて前記カット位置と前記検出位置との間の距離を調整する制御装置20とを備えるものである。
【0068】
この構成によれば、表示領域P4に対応する幅の帯状の第三光学部材シートF3を所定長さにカットして第三光学部材F13とし、この第三光学部材F13を、第三光学部材シートF3と共に巻き出したセパレータシートSSをキャリアとして搬送しつつ、前記カットを行うライン内で液晶パネルPに貼合することで、表示領域P4に合わせて加工した偏光板を別ラインに搬送するような場合と比べて、第三光学部材F13の寸法バラツキや貼合バラツキを抑え、表示領域P4周辺の額縁部Gを縮小して表示エリアの拡大及び機器の小型化を図ることができる。
また、第三光学部材シートF3のカット位置よりも第三光学部材F13一つ分だけ下流側に位置する第二検出カメラ23によって、前記第三光学部材F13の巻き出し方向下流側端を検出したときに、切断装置19cによって第三光学部材シートF3にカットを施すことが可能となり、規定長さの第三光学部材F13を得ることができる。また、第三光学部材シートF3の巻き出し量に誤差が生じても、第二検出カメラ23の検出情報に基づく切断装置19cの相対移動により前記誤差を補正(吸収)することが可能となり、第三光学部材F13の長さの精度を確保することができ、かつ長さの異なる第三光学部材F13の切り出しにも対応することができる。
【0069】
ここで、上記実施形態における光学部材貼合体の製造方法は、ローラコンベヤ5上を搬送される複数の第二片面貼合パネルP12に対し、その搬送方向と直交する部品幅方向で前記液晶パネルPの表示領域P4に対応する幅の帯状の第三光学部材シートF3を、第三原反ロールR3からセパレータシートSSと共に巻き出す工程と、前記第三光学部材シートF3に、前記表示領域P4に対応する長さを巻き出す毎に幅方向に沿うカットを施して、前記表示領域P4に対応する大きさの第三光学部材F13とする工程と、前記第三光学部材シートF3にカットを施すカット位置よりも、前記第三光学部材シートF3の巻き出し方向で前記第三光学部材F13一つ分に対応する距離だけ下流側に離間した位置で、前記第三光学部材シートF3に前記カットにより形成されたカットラインを検出する工程と、前記カット位置よりも前記第三光学部材F13一つ分下流側の検出位置で前記カットラインを検出したときに、このカットラインの位置に応じて前記カット位置と前記検出位置との間の距離を調整する工程とを含むものである。
【0070】
なお、図11はフィルム貼合システム1の変形例を示す。これは、図1の構成に対して、前記第一貼合装置12に代わる第一貼合装置12’と、前記第一切断装置13に代わる第一切断装置13’とを備える点で特に異なる。その他の、前記実施形態と同一構成には同一符号を付して詳細説明は省略する。
【0071】
第一貼合装置12’は、前記搬送装置12aに代わる搬送装置12a’を備える。搬送装置12a’は、前記搬送装置12aに比して、ロール保持部12c及びpf回収部12dの他に、第一切断装置13’を経て梯子状に切り残された第一光学部材シートF1の余剰部分を巻き取る第一回収部12eをさらに有する。
【0072】
第一切断装置13’は、pf回収部12dよりもパネル搬送下流側で第一回収部12eよりもパネル搬送上流側に位置し、第一光学部材シートF1から表示領域P4よりも大きいシート片を切り抜くべく、第一光学部材シートF1を切断する。第一切断装置13’は前記第二切断装置16と同様のレーザー加工機であり、第一光学部材シートF1を表示領域P4外側の所定ラインに沿って無端状に切断する。
【0073】
第一切断装置13’の切断により、液晶パネルPの下面に表示領域P4よりも大きい第一光学部材シートF1のシート片が貼合された第一片面貼合パネルP11’が形成される。またこのとき、第一片面貼合パネルP11’と、梯子状に切り残された第一光学部材シートF1の余剰部分とが分離され、第一光学部材シートF1の余剰部分が第一回収部12eに巻き取られる。
【0074】
また、図12はフィルム貼合システム1の他の変形例を示す。これは、図1の構成に対して、前記第三アライメント装置17及び第三貼合装置18に代わる第三アライメント装置17’及び第三貼合装置18’を備える点で特に異なる。その他の、前記実施形態と同一構成には同一符号を付して詳細説明は省略する。
【0075】
第三アライメント装置17’は、前記第三アライメント装置17に比して、パネル表裏反転機能を無くし、前記第一及び第二アライメント装置11,14と同様のアライメント機能のみを有することで、比較的簡単な構成とされる。すなわち、第三アライメント装置17’は、制御装置20に記憶された光学軸方向の検査データ及び前記カメラCの撮像データに基づき、第三貼合装置18’に対する第二片面貼合パネルP12の部品幅方向での位置決め及び回転方向での位置決めを行う。この状態で、第二片面貼合パネルP12が第三貼合装置18’の貼合位置に導入される。
【0076】
第三貼合装置18’は、前記第三貼合装置18に比して、貼合位置に導入された長尺の第三光学部材シートF3の下面に対して、その下方を搬送される第二片面貼合パネルP12の上面(液晶パネルPの表示面側)を貼合する。第三貼合装置18’は、前記搬送装置19及び挟圧ロール21に対してその天地を逆にした構成の搬送装置19’及び挟圧ロール21’を有する。これにより、第三光学部材シートF3の貼合面が下向きになり、この貼合面に対する傷付きや塵埃等の異物の付着が抑制される。
【0077】
なお、本発明は上記実施形態及び変形例に限られるものではなく、例えば前記第三貼合装置18’と同様、第一及び第二貼合装置12,15の天地を逆にすることも可能である。また、これら天地を逆にした各貼合装置と前記第一貼合装置12’及び第一切断装置13’とを適宜組み合わせることも可能である。さらに、第一及び第二貼合装置12,15を第三貼合装置18と同様の構成とすることも可能である。
そして、上記実施形態及び変形例における構成は本発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0078】
5 ローラコンベヤ(ライン)
19a ロール保持部(巻き出し部)
19c 切断装置(カット部)
20 制御装置(制御部)
23 第二検出カメラ(検出部)
P 液晶パネル(光学表示部品)
P4 表示領域
F3 第三光学部材シート(光学部材シート)
F11 第一光学部材(光学部材)
F12 第二光学部材(光学部材)
F13 第三光学部材(光学部材)
P12 第二片面貼合パネル(光学表示部品)
P13 両面貼合パネル(光学部材貼合体)
R3 第三原反ロール(原反ロール)
SS セパレータシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学表示部品に光学部材を貼合してなる光学部材貼合体の製造装置において、
ライン上を搬送される複数の前記光学表示部品に対し、その搬送方向と直交する部品幅方向で前記光学表示部品の表示領域に対応する幅の帯状の光学部材シートを、原反ロールからセパレータシートと共に巻き出す巻き出し部と、
前記光学部材シートに、前記表示領域に対応する長さを巻き出す毎に幅方向に沿うカットを施して、前記表示領域に対応する大きさの前記光学部材とするカット部と、
前記光学部材シートにカットを施すカット位置よりも、前記光学部材シートの巻き出し方向で前記光学部材一つ分に対応する距離だけ下流側に離間した位置で、前記光学部材シートに前記カットにより形成されたカットラインを検出する検出部と、
前記カット位置よりも前記光学部材一つ分下流側の検出位置で前記カットラインを検出したときに、このカットラインの位置に応じて前記カット位置と前記検出位置との間の距離を調整する制御部とを備えることを特徴とする光学部材貼合体の製造装置。
【請求項2】
光学表示部品に光学部材を貼合してなる光学部材貼合体の製造方法において、
ライン上を搬送される複数の前記光学表示部品に対し、その搬送方向と直交する部品幅方向で前記光学表示部品の表示領域に対応する幅の帯状の光学部材シートを、原反ロールからセパレータシートと共に巻き出す工程と、
前記光学部材シートに、前記表示領域に対応する長さを巻き出す毎に幅方向に沿うカットを施して、前記表示領域に対応する大きさの前記光学部材とする工程と、
前記光学部材シートにカットを施すカット位置よりも、前記光学部材シートの巻き出し方向で前記光学部材一つ分に対応する距離だけ下流側に離間した位置で、前記光学部材シートに前記カットにより形成されたカットラインを検出する工程と、
前記カット位置よりも前記光学部材一つ分下流側の検出位置で前記カットラインを検出したときに、このカットラインの位置に応じて前記カット位置と前記検出位置との間の距離を調整する工程とを含むことを特徴とする光学部材貼合体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−114227(P2013−114227A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262951(P2011−262951)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】