説明

光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物及び光拡散成形品

【課題】 優れた光透過性、光拡散性に衝撃強度を兼ね備えた光拡散性樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる光拡散成形品を低価格で提供する。
【解決手段】 芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、ビーズ状架橋アクリル樹脂(B)1〜15重量部、並びに、少なくとも芳香族ビニル単量体にて形成されたコア層、ゴム状重合体からなる中間層、及び芳香族ビニル単量体にて形成された重合体からなる最外層を有する多層構造重合体(C)1〜5重量部を含有してなる光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる光拡散成形品に関する。更に詳しくは、優れた光透過性、光拡散性と共に優れた衝撃強度を兼備する光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる光拡散成形品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
芳香族ポリカーボネート樹脂は優れた機械的強度、耐久性、寸法安定性を活かし、電気電子、OA、精密機械、医療、自動車、雑貨、建材等幅広い分野に利用されている。各種照明灯カバー、液晶ディスプレイ等に使用する際には、前記芳香族ポリカーボネート樹脂の諸特性を損なうことなく、高い光線透過率と優れた光拡散性が求められる。この種の用途に適する材料として、例えば特許文献1には、芳香族ポリカーボネートに対して、芳香族ポリカーボネートと屈折率が異なり、且つ、少なくとも部分的に架橋しており、その平均粒径が0.5〜100μmの範囲にあるポリマー微粒子を分散添加せしめた光拡散性ポリカーボネート樹脂が提案されている。特許文献1では、ポリマー微粒子の添加量がポリカーボネート100重量部に対し,0.5〜1重量部の組成物の物性を測定して、ポリカーボネートの衝撃強度の低下が小さいという具体例を開示しているが、充分な光拡散性を得るために、ポリマー微粒子(光拡散剤)を1重量%以上添加すると衝撃強度が著しく低下するため、光拡散性と衝撃強度の両特性を具備する材料を得ることは困難であった。
【0003】
特許文献2には、芳香族ポリカーボネート樹脂、炭酸カルシウム、ガラス短繊維、ホスファイト化合物および/またはホスフェート化合物およびフェノール系酸化防止剤を配合した光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が開示されているが、該樹脂組成物には炭酸カルシウムやガラス短繊維が配合されているため、衝撃強度が低下するという欠点があった。特許文献3には、透明樹脂100重量部に、平均粒子径5μm未満の架橋樹脂微粒子を5重量部以下の量および平均粒子径5〜10μmの架橋樹脂微粒子を5重量部以下の量それぞれ分散せしめることを特徴とする光拡散性樹脂組成物が開示されているが、かかる光拡散性樹脂組成物も衝撃強度が低く、実用性に乏しかった。
一方、ポリカーボネート樹脂組成物の衝撃強度を改善する手段として、種々のエラストマーを配合することが多数提案されているが、光拡散性を損なうことなく衝撃強度を向上させるには如何なる耐衝撃改良材が適しているかは不明である。衝撃強度を向上させる手段の1つとして、特許文献4にはポリカーボネート樹脂に、ビーズ状多層構造重合体、すなわち、芳香族ビニル単量体によって形成されたコア層、アルキル基の炭素数が2〜8であるアルキルアクリレート単量体から形成されたゴム状重合体からなる中間層、及び芳香族ビニル単量体にて形成された最外層を有するビーズ状多層構造重合体の配合が提案されている。しかしながら、特許文献4には光拡散性に関する記載は全く無く、また、ポリカーボネート樹脂に上記ビーズ状多層構造重合体を配合しただけでは、充分な光拡散性は得られず、光拡散性と耐衝撃性の両特性を兼備する材料を得ることは困難であった。
【0004】
【特許文献1】特開平03−143950号公報
【特許文献2】特開平09−003310号公報
【特許文献3】特開平11−060966号公報
【特許文献4】特許第2998310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、優れた光透過性、光拡散性、衝撃強度を兼ね備えた光拡散性樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる光拡散成形品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記の課題を解決すべく、芳香族ポリカーボネートに種々のエラストマーとビーズ状架橋アクリル樹脂を組み合わせて配合する研究を行った。その結果、芳香族ポリカーボネート樹脂にビーズ状架橋アクリル樹脂とエラストマーとして特定の多層構造重合体を特定量配合した樹脂組成物は、優れた光透過率、光拡散性及び衝撃強度を兼ね備えていることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、ビーズ状架橋アクリル樹脂(B)1〜15重量部、並びに、芳香族ビニル単量体にて形成されたコア層、ゴム状重合体からなる中間層、及び芳香族ビニル単量体にて形成された重合体からなる最外層を有する多層構造重合体(C)1〜5重量部を含有してなる光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物及びかかる組成物からなる成形品に存する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物及び光拡散成形品は、高い光透過性、光拡散性及び衝撃強度を兼備しているので、射出成形品、ブロー成形品、押出成形品、ツインウォール成形品、3層以上のウォールを有する成形品として照明カバー、照明看板、透過形のスクリーン、各種ディスプレイ、液晶表示装置の光拡散シート等の用途に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)は、特に限定されるものではなく、芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンを反応させる界面重合法、或いは芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのエステル交換反応による溶融法で製造される分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネート樹脂が挙げられる。
原料の芳香族ジヒドロキシ化合物の代表的なものとしては例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン等が挙げられ、これらの中でも特にビスフェノールAが好ましい。
【0009】
界面重合法において分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等で例示されるポリヒドロキシ化合物、或いは3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロロイサチンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5−ブロモイサチンビスフェノール等を前記ジヒドロキシ化合物の一部、例えば0.1〜2モル%と置換すればよい。
【0010】
又末端停止剤としては、フェノール、m−又はp−メチルフェノール、m−又はp−プロピルフェノール、p−ブロモフェノール、p−tert−ブチルフェノール、トリブロモフェノール等の通常の末端停止剤、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カブリル酸、オクチル酸、ラウリル酸、ステアリン酸等の脂肪酸、酢酸クロライド、プロピオン酸クロライド、酪酸クロライド、カブリル酸クロライド、オクチル酸クロライド、ラウリル酸クロライド、ステアリン酸クロライド等の脂肪酸クロライド、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸エチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、ヒドロキシ安息香酸ブチル、ヒドロキシ安息香酸オクチル、ヒドロキシ安息香酸ノニル、ヒドロキシ安息香酸ステアリル等のヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ラウリルフェノール、パルミチルフェノール、ステアリルフェノール等の長鎖アルキルフェノール、p−ヒドロキシフェニル酢酸メチル、p−ヒドロキシフェニル酢酸エチル等のヒドロキシフェニル酢酸アルキルエステル、オクチルエーテルフェノール、ノニルエーテルフェノール、ラウリルエーテルフェノール、パルミチルエーテルフェノール、オクタデシロキシフェノール、ドデシロキシフェノール等の長鎖アルキルエーテルフェノール等が例示される。使用量は用いるニ価フェノール系化合物100モルに対して、通常0.8〜10モル、好ましくは2〜7モルの範囲であり、二種以上の化合物を併用することも可能である。
【0011】
エステル交換法により芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには、原料として芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを用い、エステル交換触媒の存在下、溶融縮重合させて製造する。原料の芳香族ジヒドロキシ化合物としては上述の界面法の場合と同じ化合物が挙げられ、特に好ましくはビスフェノールAである。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独でも2種以上の混合物でもよい。
本発明で用いられる炭酸ジエステルは通常下記式(1)で表される。
【0012】
【化1】

【0013】
(式中、A及びA’は、炭素数1〜18の脂肪族基或いは置換脂肪族基、又は芳香族基或いは置換芳香族基であり、A及びA’は同一であっても異なっていてもよい。)。
上記一般式(1)で表される炭酸ジエステルは、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等のジアルキルカーボネート、ジフェニルカーボネート、及びジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート等が例示されるが、好ましくはジフェニルカーボネート、置換ジフェニルカーボネートであり、特にジフェニルカーボネートが好ましい。これらの炭酸ジエステルは単独、或いは2種以上を併用してもよい。
【0014】
エステル交換法で芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するには、通常、芳香族ジヒドロキシ化合物としてビスフェノールAが用いられ、炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネートが用いられる。ジフェニルカーボネートはビスフェノールA1モルに対して、1.01〜1.30モル、好ましくは1.02〜1.20モルの量で用いられることが好ましい。
エステル交換法により分岐ポリカーボネート樹脂を得るには、界面法の場合と同様の分岐化剤を使用しても良いが、エステル交換反応の条件を選択することにより特に分岐化剤を使用することなく、分岐ポリカーボネート樹脂を得ることが出来る。特に、特開2003−119369号に記載されるような反応条件を採用すると、主鎖中に制御された量の特定の構造単位を含有し、分岐構造を有する流動性が良好な芳香族ポリカーボネート樹脂が得られるので好ましい。
【0015】
本発明に使用される芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、16,000〜40,000の範囲にあることが好ましく、より好ましくは18,000〜34,000、特に好ましくは20,000〜30,000である。粘度平均分子量が16,000未満のものは、衝撃強度等の機械的強度が低下し、粘度平均分子量が40,000越えると溶融粘度が高すぎて、成形加工性が低下する惧れがある。
【0016】
本発明に使用されるビーズ状架橋アクリル樹脂(B)は、非架橋性アクリルモノマー(B1)と架橋性モノマー(B2)を、例えばポリビニルアルコールを分散剤として用いて懸濁重合を行い、ろ過、洗浄、篩別、乾燥することにより得られる球状微粒子である。非架橋性アクリルモノマー(B1)としては、メタクリル酸メチル単独又はメタクリル酸メチルを主成分とし、これと共重合可能な単量体とを併用する。メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体としては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、メタアクリル酸、アクリル酸、スチレン、α−メチルスチレン、マレイミド等が挙げられ、好ましくはメタクリル酸エステル類である。
【0017】
また、架橋性モノマー(B2)としては例えば、エチレングリコール、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジビニルベンゼン等が挙げられるが、好ましくはエチレングリコールジメタクリレートである。
【0018】
本発明に使用されるビーズ状架橋アクリル樹脂(B)は、非架橋性アクリルモノマー(B1)と架橋性モノマー(B2)を懸濁重合させることにより製造できる。例えば、両モノマーをポリビニルアルコールを分散剤として懸濁させて重合を行い、ろ過、洗浄、篩がけ、乾燥することにより得られる。架橋性モノマー(B2)の量は、非架橋性アクリルモノマー(B1)100重量部に対し、0.05〜20重量部である。架橋性モノマーの量が少なすぎると、得られたビーズ状架橋アクリル樹脂のポリカーボネート樹脂中への分散性が不良であり、逆に、架橋性モノマー(B2)の配合率が20重量部を越えると、ビーズ状架橋アクリル樹脂(B)が硬くなりすぎて衝撃強度が低下するので好ましくない。また、架橋性モノマーの量が3重量部未満では、ビーズ状架橋アクリル樹脂(B)の熱安定性が低下することがある。架橋性モノマーの好ましい配合量は、3〜10重量部である。ビーズ状架橋アクリル樹脂(B)の粒径は0.1〜30μm、好ましくは0.3〜20μm、特に好ましくは0.5〜10μmである。粒径が0.1μm未満では光拡散性が低下し、30μmを越えると光拡散性にムラが生じ、ぎらつきが感じられ、さらには衝撃強度も低下するので好ましくない。
【0019】
本発明に使用される多層構造重合体(C)は、少なくとも3層から構成され、先の段階の重合体を後の段階の重合体が順次に被覆するような連続した多段階シード乳化重合法によって得ることができる。本発明に関わる多層構造重合体(C)は、少なくとも三段階の乳化重合によって得られる多層構造重合体であることが好ましい。
【0020】
第一段目の重合は、多層構造重合体(C)のコア層を形成するものであり、芳香族ビニル単量体を用いて行なわれる。芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、モノクロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、ブロモスチレン等を挙げることができる。これらのなかでは、特にスチレンが好ましく用いられる。
【0021】
第一段目の重合においては、上記芳香族ビニル単量体と共に、非芳香族系単量体を用いることができる。その使用量は、第一段目の重合に用いる単量体の全量に対して、好ましくは50重量%以下の範囲であり、より好ましくは20重量%以下の範囲である。このような非芳香族系単量体としては、例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアルキルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のアルキルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニルやシアン化ビニリデン等を挙げることができる。
【0022】
本発明に用いる多層構造重合体(C)のコア層は、架橋性単量体にて架橋されていてもよい。架橋性単量体の使用量は、第一段目の重合に用いる単量体の全量に対して、通常、30重量%以下の範囲であり、好ましくは0.5〜20重量%の範囲であり、より好ましくは5〜15重量%の範囲である。かかる架橋性単量体としては、好ましくは、分子内に二個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体が用いられる。具体例としては、例えば、ジビニルベンゼン等の芳香族ジビニル単量体、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のアルカンポリオールポリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらのなかでは、特にジビニルベンゼンが好ましく用いられる。
【0023】
第一段目のコア層の形成には、グラフト化単量体も用いることができる。その使用量は、第一段目の重合に用いる単量体の全量に対して、通常、5重量%以下の範囲であり、好ましくは0.1〜2重量%の範囲である。かかるグラフト化単量体としては、分子内に二個以上の反応性の異なるエチレン性不飽和結合を有する単量体が用いられる。その具体例としては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルイタコネート等の不飽和カルボン酸アリルエステル等を挙げることができる。これらのなかでは、特にアリルメタクリレートが好ましく用いられる。
【0024】
第二段目の重合は、アルキル基の炭素数が2〜8であるアクリル酸アルキル又はそれらの混合物を重合させて、多層構造重合体(C)のゴム状重合体の中間層を形成するものである。そのようなゴム状重合体は、通常、−30℃以下のガラス転移温度を有することが望ましい。上記アルキル基の炭素数が2〜8であるアクリル酸エステルとしては、例えば、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等を挙げることができる。これらの中では、特にブチルアクリレートや2−エチルヘキシルアクリレートが好ましく用いられる。
【0025】
この第二段目の中間層の形成においても、上記したアルキルアクリレートと共に、それに共重合可能な他のビニル系単量体を併用することができる。そのようなビニル系単量体の使用量は、第二段目の重合に用いる単量体の全量に対して、通常、50重量%以下の範囲であり、好ましくは30重量%以下の範囲である。かかるアルキルアクリレートと共重合可能な他のビニル系単量体の具体例としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物や芳香族ビニリデン化合物、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のシアン化ビニルやシアン化ビニリデン、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のアルキルメタクリレート等を挙げることができる。
【0026】
ゴム状重合体の中間層も、前述したような架橋性単量体で架橋されていてもよい。架橋性単量体としては、特にジビニルベンゼン、ブチレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート等が好ましく用いられ、なかでも、ジビニルベンゼンが好ましく用いられる。かかる架橋性単量体の使用量は、第二段目の重合に用いる単量体の全量に対して、通常、0.01〜5重量%の範囲であり、好ましくは0.1〜2重量%の範囲である。第二段目の重合においても、前述したグラフト化単量体も用いることができる。特に、アリルメタクリレートが好ましく用いられる。かかるグラフト化単量体の使用量は、第二段目の重合に用いる単量体の全量に対して、通常、5重量%以下の範囲であり、好ましくは0.1〜2重量%の範囲である。
【0027】
第三段目の最外層を形成するための重合は、芳香族ビニル単量体を用いて、ガラス転移温度が50℃以上の硬質の重合体が前記ゴム状重合体を被覆するように行なわれる。上記芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、モノクロルスチレン、3,4−ジクロロスチレン、ブロモスチレン等を挙げることができるが、特にスチレンが好ましく用いられる。
この第三段目の重合においても、上記芳香族ビニル単量体と共重合し得る非芳香族系単量体を用いることができる。その使用量は、第三段目の重合に用いる単量体の全量に対して、好ましくは50重量%以下の範囲であり、より好ましくは30重量%以下の範囲である。このような非芳香族系単量体としては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸アルキル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニルやシアン化ビニリデン等を挙げることができる。本発明で使用する多層構造重合体(C)の硬質の最外層は、特に、スチレン−アクリロニトリル系共重合体を主体とするものが好ましい。
【0028】
第三段目の重合で得られる最外層は、前述したような架橋性単量体にて架橋されていることが好ましい。架橋性単量体の使用量は、第三段目の重合に用いる単量体の全量に対して、通常、0.5〜20重量%の範囲であり、好ましくは5〜15重量%の範囲である。架橋性単量体としては、ジビニルベンゼンやブチレングリコールジメタクリレートが好ましく用いられるが、特にジビニルベンゼンが好ましく用いられる。
【0029】
更に、本発明においては、前記ゴム状重合体からなる中間層と上記硬質の最外層との間に硬質の中間層を導入することができる。この硬質の中間層は、ガラス転移温度が50℃以上である硬質の重合体からなり、好ましくは、炭素数1〜5であるアルキルメタクリレート、例えば、メチルメタクリレートやブチルメタクリレート等から形成される。
【0030】
この硬質中間層も、前述した架橋性単量体で架橋されていてもよい。架橋性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼンやブチレングリコールジメタクリレート等が好ましく用いられ、特にジビニルベンゼンが好ましく用いられる。かかる架橋性単量体の使用量は、硬質中間層の形成に用いられる単量体の全量に対して、通常、30重量%以下の範囲であり、好ましくは0.5〜20重量%の範囲であり、特に好ましくは5〜15重量%の範囲である。
【0031】
また、硬質中間層の形成において、前述したグラフト化単量体を併用することができる。その使用量は、硬質中間層の形成に用いられる単量体の全量に対して、通常、5重量%以下の範囲であり、好ましくは0.1〜2重量%の範囲である。本発明に使用される多層構造重合体(C)は、前述したように、コア層、硬質中間層及び/又は最外層は、それぞれその層を形成するために用いられる単量体の全量に対して、5〜15重量%の架橋性単量体にて架橋されていることが好ましい。
【0032】
本発明に使用される多層構造重合体(C)は、このように、コア層、硬質中間層及び/又は最外層が多量の架橋性単量体で架橋されており、かかる多層構造重合体(C)を芳香族ポリカーボネート樹脂(A)とビーズ状架橋アクリル樹脂(B)との混合物に配合することで、光透過性、光拡散性及び衝撃強度の優れた光拡散性樹脂組成物を得ることができる。
【0033】
しかしながら、コア層、硬質中間層及び最外層に用いられる架橋性単量体の全量は、それらコア層、硬質中間層及び最外層の形成に用いられる単量体の全量に対して、1〜30重量%の範囲にあるのが好ましく、特に3〜20重量%の範囲にあるのが好ましい。本発明による多層構造重合体は、既に知られているシード乳化重合法でラテツクスを製造し、これを凍結融解、或いは塩析により重合体を分離した後、遠心脱水、乾燥して、粒状、フレーク状又は粉体等として取り出すことができる。スプレー・ドライヤーによる噴霧乾燥によれば、ラテツクスから直接に重合体を取り出すこともできる。このようにして得られたビーズ状多層構造重合体(C)は、そのまま用いることができるが、必要に応じて、押出機及びペレタイザーによりペレットとすることもできる。
【0034】
本発明に使用される多層構造重合体(C)は、トルエン可溶分が10重量%以下、特に6重量%以下であることが好ましい。このような多層構造重合体(C)を芳香族ポリカーボネート樹脂(A)とビーズ状架橋アクリル樹脂(B)との混合物に配合すると、得られる樹脂組成物は光透過性、光拡散性及び衝撃強度の優れた成形品を与える。ここに、トルエン可溶分とは、ビーズ状多層構造重合体(C)をその100重量倍のトルエンに分散させ、室温にて48時間放置したとき、トルエンに溶解した多層構造重合体(C)の百分率として定義される。
【0035】
更に、本発明に使用される多層構造重合体(C)は、得られる光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物が満足すべき衝撃強度を有するように、100〜700nm、好ましくは200〜500nmの粒径を有することか好ましい。本発明においては、ビーズ状多層構造重合体(C)は、コア層10〜40重量%、ゴム状中間層30〜80重量%及び最外層10〜40重量%、好ましくは、コア層15〜30重量%、ゴム状中間層40〜70重量%及び最外層15〜25重量%の構成であることが好ましい。
【0036】
前述したように、多層構造重合体(C)はゴム状中間層と最外層の間に硬質中間層を有していてもよい。この硬質中間層は、硬質中間層と最外層との合計量がビーズ状多層構造重合体(C)全体の10〜40重量%、好ましくは15〜25重量%を占めるような割合で含まれる。更に、硬質中間層は、最外層100重量部に対して、100重量部以下の範囲で含まれる。コア層、ゴム状中間層、硬質中間層及び最外層は、合計にて100重量%である。
【0037】
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、ビーズ状架橋アクリル樹脂(B)を1〜15重量部配合する。1重量部未満であると、光拡散効果が充分でなく、15量部を超えると光透過性や衝撃強度が低下し好ましくない。なお、ビーズ状架橋アクリル樹脂(B)の配合率は、成形品の肉厚によって加減すべきであり、例えば成形品肉厚1〜4mmの場合、ビーズ状架橋アクリル樹脂(B)の配合率は1〜4重量部であり、成形品肉厚0.1〜1mmの場合、ビーズ状架橋アクリル樹脂(B)の配合率は、2〜10重量部が好ましい。さらに本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物には、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、多層構造重合体(C)を1〜5重量部配合する。多層構造重合体(C)の配合率が1重量部未満であると、衝撃強度が劣り、5重量部以上であると光透過性に劣り好ましくない。
【0038】
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲でリン系、イオウ系、ヒンダードフェノール系等の熱安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、難燃剤、顔料や染料等の着色剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、滑剤、防曇剤、熱線吸収剤、天然油、合成油、ワックス、ガラス繊維や炭素繊維等の有機系または無機系添加剤、ポリエチレンテレフタレート等の他の熱可塑性樹脂を添加することができる。
【0039】
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるものでは無く、前記(A)、(B)、(C)及び、要すれば更にその他の樹脂添加剤等を配合することにより製造される。配合方法は公知の種々の方法を採用出来る。例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)へのビーズ状架橋アクリル樹脂(B)と多層構造重合体(C)、及び必要に応じて用いられるその他の添加剤の添加時期としては、重合反応の途中、重合反応終了時又はエステル交換法により芳香族ポリカーボネート樹脂を製造する場合には、重合に使用した触媒を触媒失活剤で失活後、ペレット化する前等のポリカーボネート樹脂が溶融した状態で添加することができるが、ペレット又は粉末等の固体状態のポリカーボネート樹脂とブレンド後、単軸または2軸以上の押出機等で混練することも可能である。エステル交換法により芳香族ポリカーボネート樹脂を製造する場合には、重合反応の途中、重合反応終了時または重合に使用した触媒を触媒失活剤で失活後、ペレット化する前のいずれかに添加することが、分解抑制や着色抑制の観点から好ましい。
【0040】
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物から得られる光拡散成形品は、高い光透過性、光拡散性を有し、しかも高い衝撃強度を兼備している。成形方法は射出成形、射出圧縮成形、ブロー成形、押出成形等熱可塑性樹脂の成形法が何れも適用できる。断面形状がある程度複雑な成形品の場合は、異形押出成形法、或いは断面形状が平面やパイプ状等の単純形状の成形品は押出成形法によって成形することができる。成形品の形状、構造、大きさ、寸法精度等は、公知の成形法によって成形できるものであれば特に制限がなく、例えば、中実丸棒、中実角棒、中空丸棒、中空角棒、ツインウォール、3層以上のウォール等が挙げられる。
【0041】
本発明の光拡散成形品は、用途によっては、少なくとも1つの表面に、ハードコート層、導電層、帯電防止層、防曇層、赤外線吸収層、光反射性被膜、印刷層、耐候性向上のための層から選ばれる少なくとも1種の機能層を設けてもよい。これらの機能層を設ける方法は特に限定されるものではなく、従来から知られている方法によることができる。例えば、光拡散成形品の表面に共押出等の手段を用いて直接設けることもできるし、機能性層を別途熱可塑性樹脂フィルムまたはシートの表面に形成し、これらと光拡散成形品とを積層一体化して機能層を有する成形体とすることもできる。このとき熱可塑性フィルムまたはシートを構成する樹脂は、特に制限はないが、芳香族ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートのようなアクリル系樹脂が好ましい。
【実施例】
【0042】
以下、本発明を実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
以下の例において、特記しない限り、部は重量部であり、パーセントは重量パーセントである。また、使用した材料及び評価方法は次の通りである。
<材料>
(1)PC:芳香族ポリカーボネート樹脂、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)「ユーピロンS−3000F」(登録商標)、粘度平均分子量=21,000。
(2)PMMA:製造例1により製造したビーズ状アクリル樹脂。
(3)3層コアシェル:製造例2により製造した多層構造重合体。
(4)2層コアシェル:ガンツ化成(株)製、「スタフィロイド IM−101」、ポリブチルアクリレートのコア層、架橋ポリメチルメタクリレートの外層から構成される2層重合体。
【0043】
<評価法>
(1)全光線透過率:長さ90mm、幅50mm、厚み3mmの試験片を用い、日本電色工業(株)製のヘーズメーターNDH−2000を使用して、その厚み方向の透過率をASTM D1003に従い測定した。
(2)分散度:長さ90mm、幅50mm、厚み3mmの試験片を用い、(株)村上色彩技術研究所製の変角光度計GP−5を使用して測定した。分散度とは試験片の厚み方向に平行な光線を試験片中央部に入射させ、入射光に平行な透過光量を100としたとき、その透過光量が50になるときの角度を言う。
(3)アイゾット衝撃強さ:長さ63.5mm、幅12.7mm、厚さ3.2mmの試験片にASTM 256に従いノッチ加工を行った後、東洋精器(株)製アイゾット衝撃試験機を用い、ASTM 256に従いアイゾット衝撃強さを測定した。
【0044】
製造例1(ビーズ状架橋アクリル樹脂の製造例)
脱イオン水にポリビニルアルコールを混合し、その溶液にメチルメタクリレート95重量部、エチレングリコールジメタクリレート5重量部、及びパーオキサイド1重量部を注入後、分散させ、80℃で重合させた。次いで、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5重量部及びパーオキサイド0.25重量部を加えて80℃で更に重合反応させた後、脱水し、その後脱イオン水で洗浄、脱水して、湿粉を得た。この湿粉に脱イオン水を加えて再懸濁させた後、水酸化ナトリウムと過酸化水素水を加えて60℃で反応させた。更に10%トルエン液を添加して60℃に保った後、ろ過、脱イオン水による洗浄、脱水、乾燥、篩がけを行ってビーズ状架橋アクリル樹脂(PMMAと略記することがある。)を得た。
【0045】
製造例2(3層構造重合体の製造例)
還流冷却器を備えた5リツトル容量の重合器内に脱イオン水448g、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩(SSS)1%水溶液12g及び炭酸水素ナトリウム(SHC)1%水溶液32gを仕込み、窒素気流下で還流しながら70℃に昇温した。次いで、メチルメタクリレート30gを加え、10分間かけて分散させた後、過硫酸ナトリウム(SPS)2%水溶液80gを加えてシード重合を開始させた。
【0046】
続いて、反応混合物を75℃に昇温し、下記の一段目単量体乳化液918gを60分間かけて連続的に供給し、次いで、80℃で1時間熟成した。
[第一段目単量体乳化液]
スチレン 332g
ジビニルベンゼン 36g
アリルメタクリレート 2g
SSS-1%水溶液 308g
SHC-1%水溶液 48g
脱イオン水 192g
【0047】
引き続いて、第一段重合反応液にSPS2%水溶液80gを加え、次いで、下記の第二段目単量体乳化液2320gを180分間かけて加えて、80℃で第二段目の重合を行なつた後、80℃で1時間熟成した。
[第二段目単量体乳化液]
2-エチルヘキシルアクリレート 1176g
ジビニルベンゼン 18g
アリルメタクリレート 6g
SSS 1%水溶液 960g
SHC 1%水溶液 80g
脱イオン水 80g
【0048】
続いて、第二段重合反応液にSPS2%水溶液50gを加え、次いで、下記の第三段目単量体乳化液680gを60分間かけて加えて、80℃で第3段目の重合を行なつた後、80℃で1時間熟成した。
[第三段目単量体乳化液]
スチレンSt 240g
アクリロニトリルAN 100g
ジビニルベンゼンDVB 60g
SSS 1%水溶液 100g
SHC 1%水溶液 40g
脱イオン水 40g
【0049】
第三段重合反応液を室温まで冷却し、300メツシユのステンレス金網で濾過して、固形分44.5%、重量平均粒子径276nmの多層構造重合体のラテツクスを得た。このラテツクスを凍結融解して凝析させ、水洗、脱水、乾燥して、ビーズ状多層構造重合体(3層コアシェルと略記することがある。)を得た。なお、ビーズ状多層構造重合体の重量平均粒子径は、大塚電子株式会社製レーザー粒径解析システムLPA−3000にて測定した。
【0050】
〔実施例1〜2及び比較例1〜5〕
芳香族ポリカーボネート樹脂と上記製造例で得られたビーズ状架橋アクリル樹脂及びビーズ状多層構造重合体を表1に示す割合でドライブレンドした後、スクリュー径40mmのベント付き単軸押出機〔いすず機械(株)製:SV−40〕により、シリンダー温度270℃で溶融混練・押出し、ストランドカットして得られたペレットを120℃で6時間、熱風循環式乾燥機により乾燥した。その後、射出成形機〔(株)名機製作所製:M150AII−SJ〕により、シリンダー温度280℃、金型温度80℃で成形し、上記(1)〜(3)の評価用試験片を得た。評価結果を表1に示した。
【0051】
【表1】

実施例3
特開2003−119369号公報の実施例2に記載のエステル交換法で製造され、粘度平均分子量が24,500の分岐化ポリカーボネート樹脂96重量部と、前記製造例1で製造された微粒子状アクリル重合体(PMMA)2重量部、前記製造例2で製造された多層構造重合体(3層コアシェル)2重量部をドライブレンドした後、スクリュー径40mmのベント付き単軸押出機〔いすず機械(株)製:SV−40〕の先端に賦形ダイを取り付け、シリンダーを温度270℃で溶融混練し、図1に示した断面形状のツインウォール(ウォール部の厚みが夫々0.5mm、2つのウォール部間の距離6.5mm)を押出し成形した。得られたツインウォール成形体を通して光源(電灯)を観察したところ、直接光源は見えないが全体は明るく、光拡散性は良好であった。
【0052】
比較例6
実施例3で用いた多層構造重合体の代わりに、市販の2層コアシェル重合体(ガンツ化成(株)製、スタフィロイドIM-101)を2重量部配合して実施例3と同様に異形押出しを行ってツインウォールを作製した。得られたツインウォール成形体を通して光源(電灯)を観察したところ、全体に斑がみられ、光拡散性は不良と判断された。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施例3及び比較例6で製造したツインウォール成形体の断面図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、ビーズ状架橋アクリル樹脂(B)1〜15重量部、並びに、少なくとも芳香族ビニル単量体にて形成されたコア層、ゴム状重合体からなる中間層、及び芳香族ビニル単量体にて形成された重合体からなる最外層を有する多層構造重合体(C)1〜5重量部を含有してなる光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項2】
芳香族ポリカーボネート樹脂(A)が分岐ポリカーボネートである請求項1記載の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項3】
芳香族ポリカーボネート樹脂(A)が、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのエステル交換法によって得られた分岐ポリカーボネート樹脂である請求項1又は2に記載の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の樹脂組成物より形成された光拡散成形品。
【請求項5】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の樹脂組成物より形成されたツインウォ−ル又は3層以上のウォ−ルを有する成形品。

【図1】
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【公開番号】特開2006−131834(P2006−131834A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−325266(P2004−325266)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(594137579)三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 (609)
【Fターム(参考)】