説明

光方向転換を用いたLCDディスプレイ

【課題】光をディスプレイパネルの方に向けるためのバックライト装置を提供する。
【解決手段】得られるディスプレイ装置は、対向するTIR面を備える固体光ガイドであって、TIR面間に位置しかつTIR面の一方を中断する所望パターンの光方向転換表面特徴を含み、前記特徴が、前記光ガイドの固体材料の屈折率とは異なる屈折率を有する固体光ガイドを備える。かかる装置は、ディスプレイにより均一な配光をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、代理人整理番号93845の下での出願と同時に出願されるものである。
【0002】
本発明は、ディスプレイのためのバックライト装置及び該装置を用いる液晶ディスプレイの技術に関する。特に本発明は、半導体光源を備える液晶ディスプレイ(LCD)バックライトに関する。
【背景技術】
【0003】
液晶ディスプレイ(LCD)は、ブラウン管(CRT)モニタのコンパクトかつ軽量な代替品を提供するが、特にこれらのデバイスの相対的サイズが大きいときに、LCDディスプレイの画質がまだ十分ではない多くの用途がある。大型LCDパネル、例えば、ラップトップコンピュータ又は大型ディスプレイに用いられるものなどは、透過型であり、したがって、バックライトを必要とする。LCDパネルの背後に配置されるこの種の光供給面は、光を外向きにLCDの方へ向ける。
【0004】
バックライティングのための従来の手法は、光ガイドプレート、1種以上の増強フィルム、偏光フィルム、反射面及び他の光調整要素を備える冷陰極蛍光(CCFL)光源の様々な配置を用いる。側面に取り付けられたCCFLを用いる従来のフラットパネルバックライト解決策は、ディスプレイサイズが増大すると、ますます望ましくなくなり、特に表示域が大きくなると、製造時に又は熱のために反りやすくなり得る。小型デバイスに従来用いられている光ガイドバックライト技術は、低い明度又は輝度レベルによって、また、例えば、デジタルテレビに必要とされるように、ディスプレイサイズが増大するときの不十分な均一性に関連する問題によってますます妨げになっている。LCDディスプレイ及び他のディスプレイ並びに照明用途向けの既存のバックライト装置は、平行に並べられたCCFLの列を用いることが多く、比較的非効率となり得る。これらのディスプレイ解決策は、また、CCFL及びその支持フィルム並びにLCパネル背後の面を収容する必要があるため、比較的厚くなり得る。CCFL光源自体は、これらのデバイスが若干の水銀を含有するため、廃棄に関して環境問題を起こす。従来のCCFLに基づくバックライトによる均一性及び明るさの問題を補償するために、いくつかの支持フィルム、例えば、比較的高コストの反射偏光フィルムなどが、従来、バックライトとディスプレイとの間に置かれるか又はディスプレイの後に配置されている。周知の通り、CCFLのスペクトル特性は、他のタイプの光源と比べると、比較的不十分である。
【0005】
バックライティング用途に用いられるCCFLに固有の問題及び制限に直面し、研究者達は、代替のバックライティング手法を追求する意欲を持っている。発光ダイオード(LED)を用いるいくつかの解決策が提案されている。LEDの明るさ、色出力及び全体的性能の近年の進歩は、コストの削減が続く中で、LED、レーザ及び半導体光源全般を特に魅力的にしている。しかしながら、LED及びレーザは、点光源として作動するので、適切な解決策は、バックライティングに必要とされる光の均一な面を提供し、かつ必要な色均一性を提供するために、この光を方向転換して拡散する必要がある。
【0006】
LEDを用いてバックライト照明を提供するための1つの手法は、例えば、M.Zeiler,J.Huttner,L.Plotz及びH.Ottによる「Late−News Paper:Optimization Parameters for LED Backlighting Solutions」と題する論文(SID 2006 Digest、1524〜1527頁)に記載されているようなアレイ配置を用いることである。この種の解決策を用いて、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のLEDを用いたLED群のアレイは、LCDディスプレイのバックライトとして配置される。2種類の群、すなわちRGGB及びRGBが記載されている。同様に、Deloy等の「Method and Apparatus for Backlighting a Dual Mode Liquid Crystal Display」と題する米国特許第6,789,921号は、インストルメントパネルに用いられるアレイ配置を記載している。しかしながら、例えば、ある種のインストルメントパネル用及び非常に高性能なモニタ及びテレビパネル用などの特殊な用途を除いて、アレイ配置は、不十分な色及び明るさの均一性、部品点数の多さ、高熱及び寸法要件の問題によって、有望とは思われない。
【0007】
光ガイドは、一連の光を形成するために、点光源からの光の拡散に用いられている。例えば、Kawai等の「Light Guide,Illuminating Device Having the Light Guide,and Image Reading Device and Information Processing Apparatus Having the Illuminating Device」と題する米国特許第5,499,112号は、その長さに沿って分散された取り出し特徴を有する1つの光ガイドを用いて、1以上のLEDからの光を方向転換して走査装置内で一連にすることを開示している。DuNah等の「Lighting Panel」と題する米国特許第5,400,224号は、バックライティングのために背面全体にわたってランダムな粗さに処理された複数の光ガイドを有する成形パネルアセンブリを記載している。
【0008】
LED光を光ガイドパネルに沿ってより大きい面積にわたって再分散するために、いくつかの解決策が提案されている。提案された1つの解決策は、1つのLEDからの光を大型光パネル全体に拡散するオハイオ州ブレックスビルのGlobal Lighting Technologies Inc.のMicroLens(商標)成形光ガイドである。同様に、Parkerの「Light Emitting Panel Assemblies」と題する米国特許出願公開第2003/0123246号は、光をパネルに向け直す光学的「変形部」を備える複数の点光源を用いた小型光パネルを示している。
【0009】
他のタイプの解決策は、最初に、LED、ランプ又は他の点光源からの光を線に沿って向け、次に、この光をパネル全体にわたって拡散する。例えば、Tai等の「Light Expanding System for Producing a Linear or Planar Light Beam from a Point−Like Light Source」と題する米国特許第5,835,661号は、一連の光を光パネルへ向けて領域全体に分散させるビーム拡大ライトパイプを記載している。同様に、Cassarly等の「Efficient Luminaire with Directional Side−Light Extraction」と題する米国特許出願公開第2005/0231973号は、展示又は陳列ケースなどの場合に、光をバックプレーンに沿って方向転換するために、光取り出し構造を備えるライトパイプを用いている。この手法のさらに別の例として、Abe等の「Illumination Device」と題する米国特許第5,857,761号は、点光源の光を光放射板に広げる光ガイドを記載している。
【0010】
さらに他のバックライティング解決策は、1つの光源からの光を方向付け、次いで、LCDパネルの背後に放射するために、その光を拡散処理するためのフレキシブル光学ファイバを採用している。この手法の様々なバージョンが、例えば、Kim等の「Back Lighting Apparatus of Liquid Crystal Display Using Optical Fiber」と題する米国特許第6,714,185号及びKaschkeの「Optical Fiber Light Emitting Apparatus」と題する米国特許第5,542,016号に記載されている。
【0011】
上記の例が証明するように、LEDバックライティングを提供するという目的に向けられた多くの研究がある。しかしながら、提案されたいくつかの解決策があるとはいえ、特に、標準的なラップトップサイズ以上のディスプレイパネルのバックライティングの問題に直面した場合、それぞれのタイプの解決策には固有の重要な欠点がある。Deloy等の上記‘921号の開示で提案された2次元マトリックスは、安価に実施することが困難であり、比較的高コストで分厚く、均一性問題を起こしやすい。Kawai等の上記‘112号の開示に記載された光ガイドの配置は、ディスプレイバックライティング用途ではなく、一連の均一な光を必要とする走査用途に対して最適化される。DuNah等の上記‘224号の開示に記載された成形パネルの配置は、一般的照明には十分に機能するかもしれないが、フルカラーディスプレイ用途には均一性の問題を起こしやすい。この種の解決策は、より大きいサイズでは製作にますます費用がかかり、熱及び機械的圧力による反りが起こりやすい。さらに重要なことに、そのような解決策は、良好な色混合を提供せず、半導体光源を用いる用途にはあまり適していない。点光源とパネルの構造、例えば、Parkerの上記‘3246号の出願に記載された構造などは、非実用的であり、より大きいサイズのディスプレイでは色及び明るさに関して均一性の問題を示す。光ガイドとバックパネルの配置、例えば、Tai等の上記‘661号の開示に記載された配置などは、非効率的であり、不十分な均一性になりやすく、比較的小さいディスプレイにしか適さない。処理した光ファイバの使用は、小型の携帯型ディスプレイには有利であるが、デスクトップ又は大型ディスプレイの設計には非実用的で非効率である。
【0012】
これらの欠点に加えて、従来の解決策は、一般に、LCディスプレイの広範囲の商品化及び採用のために必要とされる高品質のカラー画像処理に関する重要な課題に対処できていない。色域は、ディスプレイ設計者にとって特に関心がある1つの重要な検討事項である。従来のCCFLは、多くの用途に受け入れられる色品質の基準を提供し、NTSC色域の最大約70%まで提供する。これは、ラップトップ及びコンピュータモニタ用途に許容可能であるが、フルカラーテレビディスプレイに必要とされる程度には達していない。
【0013】
CCFL光源と対照的に、LED及び他の半導体光源は、それらの比較的高度なスペクトル純度のために、NTSC色域の100%以上を提供することが本質的に可能である。この拡張した色域を提供するために、3色以上の異なる色のLED又は他の半導体光源が必要とされる。LED又は他の半導体光源を用いる場合に、そのような拡張した色域を支援するために、バックライト装置による高レベルの色混合が必要とされる。画像ディスプレイ技術の当業者に周知のように、例えば、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のLEDなどの半導体光源を用いる場合に、十分な色均一性を達成することは、特に困難である。より大きい面積の光ガイド、例えば上記の光ガイドなどを採用する従来のバックライティング解決策は、相当に劣った色混合を提供する。
【0014】
大型ディスプレイの場合のバックライティングに関する他の課題としては、低コストのアセンブリ、光効率、均一性及び小型化が必要であることが挙げられる。前述したように、従来のLEDバックライティング解決策は、これらの追加的な要件を満たすために必要とされる程度には達していない。LEDベースのディスプレイの均一性および明度は、改善される必要がある。光ガイドプレートとライトバーの両方の光取り出しを改善するための多くの提案がある。大きいディスプレイの場合、同様の方法で光を向け直したり取り出したりできるようにすることは、困難である。光方向転換手段の改良が残る。
【非特許文献1】論文「Late−News Paper:Optimization Parameters for LED Backlighting Solutions」,SID 2006 Digest,1524〜1527頁
【特許文献1】米国特許第6,789,921号明細書
【特許文献2】米国特許第5,499,112号明細書
【特許文献3】米国特許第5,400,224号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2003/0123246号明細書
【特許文献5】米国特許第5,835,661号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2005/0231973号明細書
【特許文献7】米国特許第5,857,761号明細書
【特許文献8】米国特許第6,714,185号明細書
【特許文献9】米国特許第5,542,016号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、安価に製造でき、最小肉厚を有し、十分な均一性、高輝度及び高レベルの効率性を有する色混合を提供するLEDバックライト解決策の必要性があるといえる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、対向するTIR面を備える固体光ガイドであって、TIR面間に位置しかつTIR面の一方を中断する所望パターンの光方向転換表面特徴を含み、前記特徴が、前記光ガイドの固体材料の屈折率とは異なる屈折率を有する固体光ガイドを提供する。本発明は、バックライト照明の技術を進歩させるとともに、半導体光源の利点を活用するために必要な改善された高レベルの色混合を提供する。例えば、所望のパターンは、光ガイドの一体的な部分として形成されてもよく、光ガイドが形成された後で追加されてもよく、あるいは光ガイドに光学フィルムとして追加されてもよい。
【0017】
本発明は、また、バックライト装置の変更形態およびバックライト装置を用いたディスプレイでも使用されうる。光方向転換を実現するためのプロセスも開示される。本発明の利点は、ディスプレイに対してエリアバックライティングを提供するために、半導体光源を採用することである。本発明の装置は、拡張可能であり、より大きいサイズのLCパネルに特に適合可能である。
【0018】
本発明のもう1つの利点は、本発明が、光ガイドプレートまたは他の平面タイプのパネル、並びに細長い発光体に使用されうることである。
【0019】
本発明のこれらの目的及び他の目的、特徴並びに利点は、本発明の例示的実施形態が示され、記載される図面とともに以下の詳細な説明を読めば当業者に明白となるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、ディスプレイ用途、特にLCディスプレイパネル、例えば、液晶テレビ、医療診断ディスプレイ、画像ディスプレイ及び軍用ディスプレイに用いられるものなどによく適しているバックライト装置として働く光ガイドを提供する。さらに、本発明の光ガイド装置は、半導体照明が有利な他の照明用途に用いることができる。
【0021】
本開示の文脈の中では、用語「半導体光源」は、照明技術の当業者によって一般に認められた従来の意味を有し、半導体材料から形成される発光光源の一種を指す。半導体光源には、例えば、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)及び高分子発光ダイオード(PLED)のほかに半導体レーザも含まれる。一般に、本明細書で用いられる用語「半導体光源」は、小さな点状光源からなる任意の光源を意味するが、発光源の設計は、放出される光が非点状に見えるように平行化されるか又は拡散されるようにすることができる。複数の半導体光源のアレイは、広範な非点状光源の光を混合するように、ある態様で又はレンズ要素とともに配置され得る。
【0022】
本開示の文脈の中では、光の方向転換が、上方に、実質的にはディスプレイの目視側または照明デバイスの光放出側に向けて描かれる。したがって、バックライト装置として働く光ガイドは、照明面から上方に光を放出する。そして、用語「下」及び「上」は、この方向指定に従う。用語「目視側」および「非目視側」は、見る側または光放出側を意味し、非目視側は、目視側の反対側である。ディスプレイパネルは、例えば、LCディスプレイデバイス又は光バルブの他のアレイなどの透過型空間光変調デバイスである。発光体及び光チャネルに関して本明細書で用いられる用語「線形」又は「細長い」は、幅より長さがはるかに長いことを意味し、典型的には、一方向(長さ方向)においてはほぼディスプレイの長さに等しいが、他方向(幅方向)においてはその長さに到底達しない。これらの用語は、一直線状又は蛇のように曲線状であってもよい。例としては、四角形、直線形、円形、三角形のような様々な端部断面形状を挙げることができ、又はそれらは2以上の形状から成る複合形状であってもよい。発光体又は光チャネルの少なくとも1つの面は、光チャネルの全内部反射を取り出し又は他の方法で分割又は方向転換するための手段を含み得る。
そのような手段は、一様に明るい外観を提供する態様で実行され得る。本明細書で用いられる用語「細長い発光体」と「ライトバー」は、同一である。用語「光入力側面」または「端面」は、光源からの光が光ガイドに入射する主要面を意味する。本明細書において用いられている用語「穴」、「刻み目」、および「光方向転換特徴」は、光の向きを、光ガイド、細長い発光体またはディスプレイの目視側の方に変化させることを意味する。
【0023】
上述の代理人整理番号93845で同時出願された米国特許出願の実施形態は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
本発明に有用な細長い発光体を有する固体光ガイドは、照明面に沿って延び、光を上方に、すなわちディスプレイパネルの方向に向け直す。ディスプレイパネル及び照明面は、実質的に平行である。光チャネルアレイからの光の主な方向は、上向きであり、ディスプレイパネルまたは観察者に向けられる。画像技術の当業者によく理解され得るように、細長い発光体は、それらがx軸の通常方向に延び、かつy軸に沿っていくらか離間されるように、直交して配置され得る。後の説明及び図では、y軸に沿って延びるように示されているが、直交配置が代わりに用いられ得る。本発明に有用ないくつかの実施形態では、細長い発光体は、細長い発光体間に25mm未満の中心間距離を有する。
【0025】
典型的な細長い発光体の光チャネルは、その幅寸法W又は厚さ寸法Tをはるかに超える長さ寸法Lを有する。長さLは、幅寸法Wの5倍より大きいことが好ましい。幅寸法W及び厚さ寸法Tは、互いに2倍以下で異なることが好ましい。一実施形態では、寸法T及びWは、ほぼ等しい。寸法W及びTを長さLよりはるかに小さく維持することにより、細長い光チャネル18に向けられた光が、全内部反射(TIR)によってこの光ガイド構造を通って伝播されるため、色混合及び均一性が改善する。細長い発光体の光チャネルは、TIRを用いるため、きわめて効率的であり、光取り出し要素によってもたらされる意図した方向を除いて、非常に低い光損失で済む。本発明に有用な他の実施形態では、光入力面の面積に対する細長い発光体の長さは、100/1より大きい比を有する。
【0026】
2000cd/mを超える軸上輝度をもたらす光ガイドを設けることが好ましい。
【0027】
前述したように、RGB LEDを用いるときに、高レベルの色均一性を達成することは、重要な課題となり得る。白色光LEDなどの1つのLEDを代わりに用いてもよい。あるいは、例えば、RGGB構成を設けたり、シアン、オレンジ又は他の色を追加したりするなど、追加の色LEDが、明度を増大するか又は色域を広げるために使用され得る。後でより詳細に説明するように、他の照明構成もまた可能である。いくつかの実施形態では、光入力面ごとに複数の半導体光源を備えることが有用となり得る。長さの長い細長い発光体の場合、光入力面ごとに複数の光源を備えることで、高レベルの出力で動作する必要なしに、かつ半導体光源が焼損する潜在的リスクなしに、より多くの光をもたらす。複数の光源を備えることは、また、十分な明るさを維持しながら、十分な光が固体導波路の離れた部分に確実に達するようにするのにも役立つ。
【0028】
本発明の固体導波路とともに使用され得る別の機能を持った様々なフィルムがある。これらは、顔料、空気の細孔又は内部ガラスビーズを用いたバルク型ディフューザとすることができるディフューザを含むが、これに限定されるものではない。あるいは、ディフューザは、表面型ディフューザ、例えば、透明バインダとともに単一又は複数サイズのビーズを有するビーズ面とすることができる。フレネルレンズ型ディフューザも使用され得る。本発明に有用であるディスプレイにおける固体光ガイドの使用は、光拡散、光コリメーション、輝度増強、偏光、光変調、光フィルタリング、光源からなる群から選択される少なくとも1つの機能をさらに含むことができる。そのような機能は、より高い明度、良好な軸上並びに軸外観察をもたらすのに有用である。光のコリメーション、拡散及び散乱は、観察者に対して最も快適な観察状態を提供するために光を操作するのに役立つ。
【0029】
上述の光管理フィルムは、例えば、ミネソタ州セントポールの3M社の製品であるVikuiti(商標)薄い輝度増強フィルムなどの様々なタイプの光増強フィルム又は輝度増強フィルムを含むが、これに限定されるものではない。反射偏光子などの偏光子を設けることもできる。フィルム及びそれらの機能は、複数の機能を有する1つのフィルムに組み合わされてもよい。
【0030】
本発明では、光ガイドが細長い発光体を含む場合、細い発光体は、いくつかの構成のうちのいずれかに分散されうる。隣接する細長い発光体間の分離距離は、必要な明るさ、面積及び均一性などの因子に基づいて変化することができる。隣接する細長い発光体は、隣接することができるが、光学的に結合されない。一体ブリッジは、本発明の図のうちのいくつかに示されているように、プロファイルの一部に、1つ又は複数の細長い発光体を接合してもよい。そのような一体ブリッジは、改善された剛性を提供するのに有用であり、かつ細長い発光体間に改善した明るさの均一性を提供するのに役立ち得る。
【0031】
曲線因子は、必要な明るさレベルを達成するとともに、異なる波長の光源が用いられるスペクトル成分を混合するために、重要な検討事項となり得る。それぞれの光ガイドおよび/または細長い発光体の曲線因子は、光を光チャネルに向ける1つ又は複数の光源の表面積と光チャネルの入射光表面積の比として計算されることになる。バックライト装置の曲線因子は、細長い発光体の発光面積の和と装置の照明面の表面積の比として計算されることになる。
【0032】
光源
それぞれの光ガイドまたは細長い発光体は、少なくとも1つの独立した半導体光源16を有する。半導体光源は、それが光を供給するという点で独立することができる。
【0033】
半導体光源16は、前述したように、LEDとすることができる。LEDは、高い輝度及び優れたスペクトル特性のおかげで利点に恵まれている。LEDは、狭い波長域内で直接光を放出するので、それによって、従来の光源に勝る改善された色域を与える照明を提供することが可能である。例えば、CCFL光源は、LCDパネルで使用されたときに、NTSC色域の約70%を提供する。LED光源は、NTSC範囲の100%以上を達成することができる。LEDは、また、それらが高速でパルス化され得るため、利点に恵まれている。
【0034】
細長い発光体及び特に本発明の混合部を備える固体導波路は、LEDに高度の色混合を提供する。光ガイドプレート及び他の従来の解決策とは異なり、細長い発光体と、相対的に狭い幅寸法を有する光チャネルを形成する混合部とを備える固体導波路は、優れた色混合を提供する。この構成は、光が混合部と細長い発光体の光チャネルによって提供される経路の下方とを伝搬したときに、相当数の反射を引き起こす。TIR活動。赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のLEDは、光チャネル18の一端又は両端にLEDのRGBトライアドとして配置され得る。あるいは、1つ又は複数の色の複数のLEDを有するRGGB構成が、緑色光レベルを高めるために使用され得る。あるいは、R、G及びBのLEDが、例えば、1つの光チャネルが一端に赤色LED及び緑色LEDを有し、他端に緑色LED及び青色LEDを有するように、光チャネルの異なる端部に分散され得る。任意に、白色光LED又は他の色のLEDなどの第4のLEDが、光チャネルの一端又は両端に配置され得る。他の実施形態では、個々の光チャネルのそれぞれが、例えば、3つの隣接する光チャネルが、それぞれ赤色LED、緑色LED及び青色LEDを有するように、1色の光源を有することができる。
【0035】
干渉フィルタが、光を個々の細長い光チャネルの中に向けるために使用され得る。
【0036】
光源は、混合RGB光又は白色光がディスプレイ面に供給されるように、連続的に点灯することができる。あるいは、色の順次バックライティング配置も可能である。一実施形態では、R、G及びBは、対応する光源16を順々に起動することによって、バックライト装置から高速で循環される。あるいは、線形走査が、バックライト装置の表面を横切るスクロールシーケンスで生成されたR、G及びB又は他の色で提供され得る。次いで、ディスプレイ面が、画素の対応する行又は列を同じシーケンスで起動して、順次変調された色を生成することができる。そのような配置により、例えば、LCディスプレイでは、カラーフィルタアレイが不要となる。シアン、マゼンタ及びイエローなどの混合色が、光源のタイミングを合わせた起動を用いて交互に生成され得る。
【0037】
あるいは、レーザ光源が、本発明の細長い発光体に使用され得る。それらの相対スペクトル純度及び高速応答時間は、レーザをいくつかのタイプのディスプレイ用途に対する魅力的な代替手段にする。レーザの高い輝度レベル及び高い光学出力レベルにより、1つの光源が複数の細長い発光体の光チャネルを照射することが可能となり得る。
【0038】
細長い発光体と併用され得る別の光源としては、有機発光ダイオード(OLED)及び高分子発光ダイオード(PLED)を挙げることができる。
【0039】
光チャネル
光ガイドおよび細長い発光体の光チャネルは、合わせガラスなどの様々なタイプのガラスを含む透明性の高い材料から形成される。使用され得るプラスチックとしては、PMMA、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリオレフィン、環状オレフィン及びそれらのコポリマーが挙げられる。光チャネルは、熱安定性及び光安定性を改善するために添加物を有してもよい。材料の光透過率は、約90%を上回るべきである。意図的に処理される場合を除いて、光チャネルの表面は、光学仕上げとするべきである。高い屈折率nが、その有利な光ガイド特性のために好ましい。
【0040】
製造では、光ガイドおよび/または細長い発光体の光チャネルは、例えば、キャスト、プロファイル押出成形又は成形され得る。加熱や研磨などによる材料のさらなる調整が、改善された光学性能を達成するために有利となり得る。高度の平滑性を有する固体導波路及び細長い発光体を提供することも有用である。50nm Ra未満の粗さを有するTIR面を有することは、光が粗面に当たったときに散乱することによる光漏れを最小限に抑えるのに役立つ。粗面は、光のTIRを離散させ、かつその角度を変化させ、したがって、光は、細長い発光体から望まれないポイントで出射する可能性がある。これは、細長い発光体の全体的な有効性を減じる可能性がある。
【0041】
細長い発光体の場合、高度のスチフネスすなわち剛性は、光チャネルを大型背面装置用のモジュール構成要素として設けるために有利である。高い剛性は、ライトパイプアレイの簡単な扱い及び組み立てやすさを可能にする。10mNを超える剛性が好ましい。クリップ、ホルダ又は他の支持体は、より長い長さの光チャネルの場合に、弛み又は撓みの防止に役立つように、使用され得る。光チャネルは、曲げを抑制するのに十分な幅寸法Wを有するべきである。必要に応じて、追加の支持構造が、横からの曲げを防止するために使用され得る。
【0042】
細長い発光体の光チャネルは、本出願に示される実施形態では、光源から少しだけ離れて置くことができる。しかしながら、光源を細長い光チャネルの中に埋め込むことも可能である。
【0043】
光方向転換特徴
本開示の図に示されているように、光方向転換要素又は特徴に関していくつかの実施形態がある。細長い発光体または光ガイドの光方向転換特徴の基本機能は、普通ならTIRによって通される光を方向付け、それによって、光を転向させ、次いで、細長い光チャネルの目視側から放出させることである。これは、下記を含むいくつかの方法で行うことができる。
【0044】
(i)光ガイドまたは細長い発光体に対する処理は、一般に、非目視側に適用されるかまたは形成される。本発明に有用な光方向転換手段は、内部に形成されるか、あるいは光ガイドまたは発光体の目視側または放出側の方へ向けられる。それらは、非目視側のTIR面を中断し、したがって、2つの主要TIR面の間に位置付けられる。それらは、一連の刻み目を形成する。刻み目は、一般にサイズが小さいが、それらをずっと大きくすることができるため、以前の微細構造とは異なる。刻み目は、数ミクロンのサイズ範囲とすることができるが、数百ミクロンとすることもできる。ほとんどの形状が使用されうるが、好ましくは、それらは、TIRを妨げるために、プリズム、ピラミッド、半球、穴、複合形状、または他の明確な形状である。微細構造の刻み目は、成形、エンボス加工、押出ロール成形、穴あけ、またはその他の方法で形成されうる。それらの形状およびサイズは、光源からの距離の関数として変化することができる。マイクロ刻み目は、光ガイドまたは細長い発光体の一体部分として形成されうるか、あるいは、光学フィルムの一部として形成され、次いで光ガイドまたは細長い発光体に接着されうる。使用される接着剤の例としては、感圧性または感熱性接着剤、あるいは例えば紫外線または電子ビーム放射線を用いる硬化性の接着剤がある。あるいは、エポキシなどの化学的架橋材料も使用されうる。広い温度範囲(−40〜85℃)に耐えることができる接着剤が、LCDディスプレイ用途に必要とされることが多い。より高い温度範囲(60〜85℃)およびより高い相対湿度(65℃で95%)に耐えることができる接着剤が好ましい。高い光透過率が好ましい。接着剤、特にナノ粒子は、接着剤の屈折率を修正するために使用されうる。先の細いディスペンサ又は熱溶融性接着剤ディスペンサが、フィルム構成要素の各部分を細長い発光体に取り付けるために使用することができ、あるいは、光ガイドの場合、接着剤は層として塗布(コーティングまたは転移)され、次いで所望の刻み目パターンを有する光学フィルムが積層されうる。接着剤層は、刻み目を含む光学フィルムの反対側にコーティングまたは転移され、次いで、接着剤を有するフィルムは、光ガイドまたは細長い発光体に積層されうることが留意されるべきである。任意のリリースライナが、光学フィルムおよび接着剤に当てられ、次いで、積層前に除去されうる。任意選択で、細長い発光体の非光放出面は、その上に光方向転換構造を形成するように特徴付けられてもよい。発光体または光ガイドの一部は、光方向転換微細構造を形成するように、ローラなどを使用して成形されるかまたはその他の方法で処理されうる。射出成形プロセスでは、光方向転換構造が、型の一部として形成されうる。次いで、ポリマーが注入され冷却されたときに、光取り出し構造は、細長い発光体の一体部分になる。押出ロール成形を用いたプロセスでは、ポリマーが溶解され、次いで所望の特徴を有するローラまたはベルト上にキャストされる。得られるフィルムまたは物品は、所望の刻み目パターンを有することになる。UVまたは他の化学ポリマーが、物品またはフィルム層を形成するように、型の中にまたは所望のパターンを有するローラまたはベルト上にキャストされうる。層が形成され、次いで所望のパターンが層またはフィルム内に形成しうることにも留意されたい。
【0045】
これらのタイプの上記プロセスの組み合わせも使用され得る。光方向転換特徴は、個別の要素とすることができる。光ガイドまたは発光体の長さに沿って均一な光放出を提供するために、刻み目のサイズ及び密度は、半導体光源からの光チャネルに沿った距離の関数として変化することができる。例えば、光チャネルの各端部にLED光源がある場合、光方向転換特徴は、端部の方よりも中心付近により高密度で分散され得る。あるいは、光方向転換要素の分布密度は、一方向に実質的に連続することもできる。
【0046】
光方向転換は、複数の面で提供され得る。LCD及び出力面から最も遠い光チャネルの反対側は、通常、光漏れを防止するために平滑面を設けるが、別法として、光取り出し量を増やすために、構造化、処理又は粗面化されてもよい。
【0047】
光方向転換要素は、細長い発光体または光ガイドに成形、エンボス加工、加圧、接着、印刷又は積層され得る。
【0048】
色シフトの監視
LED及び他のタイプの半導体光源に関する1つの周知の問題は、若干の色シフトをもたらしうるスペクトルの安定性及び精度に関する。オプションの色センサが、1つ又は複数の細長い発光体の構成要素として設けられてもよい。色センサは、経年劣化、熱、あるいはLED又は他のタイプの光源間の製造誤差のためにありうるような色シフトを補償する制御ループに使用され得る。任意に、特定のライトパイプに最も近い画素の画像データが、検出された色シフトを補償するように調整され得る。
【0049】
システムの検討
現在利用可能ないくつかのデバイスのうちのいずれかを使用すると、本発明の細長い発光体または光ガイドは、2000〜6000nit又はそれ以上の高レベルの照明を提供することができる。高いエネルギーレベルでは、発熱が、一部の用途におけるLEDで問題となり得る。バックライト装置は、1つ又は複数のヒートシンク、冷却ファン又は動作中に過剰な熱を消散させるのに役立つ他の機構を設けることができる。有利には、本発明の装置及び方法を用いる場合に、熱消散構成要素が、LCDパネルから離れたディスプレイデバイスの周縁部に沿って配置され得る。
【0050】
実施形態
図1A、図1Bおよび図1Cは、非目視側に形成された一連の穴または刻み目11、12および13を有する固体光ガイド10の側面断面図である。光ガイドは、光源16によって一端または両端から照明されうる。一端だけから照明される場合、光源の反対端に反射体を有することができる。穴または刻み目は、任意の形状またはサイズでよく、あるいは、形状またはサイズが光源からの距離の関数として変化することができる。いくつかの実施形態では、穴の幅寸法および長さ寸法は、同じ相対サイズを有する。特徴の深さサイズは一般に、1〜300ミクロンとすることができるが、さらに大きいかまたはわずかに小さいことが望ましいことがある。特徴は、光を散乱させるとともに、それをライトバーの目視側の方に向け直すのに有用である。ライトバーは、平坦、テーパ、円形または他の形状あるいは複合形状とすることができる。改善された光混合均一性をもたらすように、光混合部分があるとよい。間隔、密度、サイズおよび形状は、ライトバーの長さに沿って均一な照明をもたらすように、変化することができる。これらの図には側面しか示されていないが、側面の寸法は、特徴の数について異なっていてもよい。ライトバーはまた、光源をライトバー内により効率的に連結させるための手段を提供することもできる。これらの手段としては、くぼんだ端部または凹設された端部、反射体、光源を接着剤などの可撓性媒体内に埋め込むこと、光が光源から出射したときにその光を整形したり、平行にしたり、またはその他の方法で方向付けるためにレンズを設けることなどがあるが、それらだけに限定されるものではない。そのような手段は、入射する光量対光源から出射する光量を最適化するために、ライトバー内にTIR角度を設定するのに役立つ。さらに、穴および刻み目並びに他のライトバー最適化手段は、光ガイドプレート対ライトバーに適用されかつ使用されうる。
【0051】
図2は、光学フィルムの非目視側に、キャスト、エンボス加工、成形、またはその他の方法で形成された一連の光方向転換刻み目を有する光学フィルム21を有する光ガイドである。光学フィルム21は、接着剤層22によって光ガイドに接着して取り付けることができる。接着剤は、高レベルの透過率を有する光学的に透明な接着剤とすることができる。80%を超える透過率が望ましく、90%を超える透過率では、均一な光透過を可能にするとともに、光を目視側の方に向け直すという点で、より効率的なバックライトを提供する。接着剤の厚みは、0.3〜75ミクロンとすることができる。接着剤は一般に、厚みが薄いほど接着強度が低下するとともに、厚みが増大するにつれて光をより多く吸収することに留意されたい。最も好ましい範囲は、10〜25ミクロンである。さらに、接着剤の屈折率は、刻み目を製作するために使用されるフィルム並びに光ガイドの材料の0.02以内に整合されるべきである。本発明に有用ないくつかの他の実施形態では、接着剤は、光ガイドの長さ寸法または幅寸法内に、パターン化されてもよく、あるいは連続的でもよい。接着剤は、ディスプレイおよびディスプレイ構成部品の環境条件に耐えるように、十分な接着力を有するべきである。本発明に有用な光ガイドは、それらのプロファイルに関して任意の設計(正方形、長方形、円形、テーパ)のものとすることができる。光ガイドは、混合部分も含むことができ、一端または両端から照明することもでき、反射体も含むことができる。刻み目は、1〜300ミクロンの深さを有することができる。刻み目の側面は、直線、円形またはテーパとすることができる。刻み目の相対形状は、例えば、正方形、長方形、三角形、円錐形、円筒状、レンズ状、円盤状、台形、または部分台形とすることができる。刻み目の相対深さは、光ガイド上のすべての刻み目について実質的に同じとすることができ、刻み目の深さは、光源からの距離の関数として変化することができる。刻み目間の距離並びに刻み目の実装密度もまた、より均一な光混合と輝度均一性とを提供するのに役立つように変化することができる。刻み目は、分離した特徴とすることができ、あるいは、2つ以上の刻み目を接合する相互接続領域を形成し、それによって連続的な刻み目を有するように、パターン化されうる。刻み目はまた、わずかに粗くてもよい上面プロファイル面が変化することができる。
【0052】
図3Aは、少なくとも一端にある少なくとも1つのプリズム形状の光入力端部31と、少なくとも光源16と、光ガイド10の2つのTIR面35(目視側)および34(非目視側)間の光方向転換手段35とを有する固体光ガイド10配置である。光方向転換手段は、光ガイドの一体部分として形成される。光方向転換手段36は、非目視側面内の一連の刻み目である。刻み目は、光源からの距離が変化するにつれて、それらのサイズ、形状および密度が変化することができる。光ガイドが互いに対向する2つ以上の光源を有する場合、刻み目パターンは、両端から変化し、中央の密度および高さが高くなる。一端だけから照明される場合、光入力端部の反対側の端部は、反射体をさらに含むことができる。反射手段は、スペクトルまたは拡散性とすることができる。また、光入力端部付近には、取出し特徴または反射特徴がない小さな領域がある(少なくとも非常に最小限)。そのような領域は、色混合を行うのに有用である。そのような領域は、細長い発光体の場合に特に有用である。さらに、光入力端部に光混合部分33がある。
【0053】
図3Bは、混合部分33を有する類似の光ガイド10であり、プリズム形状の光入力端部32が、光入力端部全体にわたり、刻み目は、光学的に透明な接着剤22で光学フィルム34として付着される。
【0054】
図4は、イニシャル光混合部分33と刻み目を有するテーパ面41とを有する光ガイド40である。2つの主要なTIR面が混合部分を除いて平行でないことに留意されたい。テーパ側の傾斜は、刻み目とともに光を向け直すのを助けるように設計される。刻み目は、光ガイドの長さに沿って最高レベルの明度および均一性を提供するために、それらのサイズ、形状および密度が変化することができる。上記の図は、細長い発光体とすることもできる。
【0055】
図5Aは、半導体光源16、混合タブ51および反射面52を有する固体光ガイド53の平面図である。
【0056】
図5Bは、光源16からの均一な色温度を提供する、光方向転換特徴55および色混合タブ51を有する固体光ガイド53の断面図である。光方向転換特徴は、光ガイドの一体部分として示されているが、他の実施形態は、光ガイドに、光方向転換特徴を中に有する光学フィルムを設けた光ガイドを提供する。
【0057】
本発明の他の有用な実施形態は、光ガイドに細長いチャネルと光チャネルを取り付ける一体ブリッジとを設けて、ハイブリッドの細長い発光体および光ガイドを形成することができる。
【0058】
本発明の有用な実施形態は、対向するTIR面を含む固体光ガイドであって、TIR面間に位置しかつTIR面の一方を中断する所望のパターンの光方向転換表面特徴を含み、前記特徴が、光ガイドプレートの固体材料の屈折率とは異なる屈折率を有する、固体光ガイドを形成する。かかる実施形態は、一体特徴を有する光ガイドを提供する。一体特徴は、それが内部にあることにより、損傷を受けにくく、光を制御し所期の方向に向け直すのに役立つ所定の量の低屈折率材料を有する。本発明の一実施形態では、光方向転換表面特徴は、光ガイドまたは細長い発光体を形成するために使用される材料の屈折率よりも0.02を超える屈折率差を有する材料を含む。有用な実施形態では、光方向転換表面特徴は空気を含み、他の実施形態では、光方向転換表面特徴は刻み目である。
【0059】
他の有用な実施形態では、光方向転換特徴は、刻み目であり、普通なら材料を欠いていて、燐光材料で充填されうる。そのような実施形態では、燐光材料は、光エネルギーの一部を吸収し、次いでそれを再び入れることができる。
【0060】
他の有用な実施形態では、光方向転換特徴は、3次元形状を有する。光方向転換表面特徴の形状は、円錐状、円筒状、台形状、レンズ状、円形、正方形、三角形、およびピラミッド形からなる群から選択された少なくとも1つの形状を含む。他の光方向転換表面特徴は、複合形状を有することができる。特徴が頂点を有する場合、それは一般に、光ガイドの光放出面に面する頂点ポイントを有することが望ましい。本発明の有用な他の実施形態では、光方向転換表面特徴は、前記中断面から反対側のTIR面の方へ、広い幅から狭い幅に先細りになっている。これは、光ガイドの放出側または目視側に向け直される光の量を最大にするのに有用である。光方向転換表面特徴は、少なくとも1つの別個の要素を含むことができる。光方向転換表面特徴の有用な実施形態は、分離した特徴である。分離したすなわち個々の要素は、光ガイドまたは細長い発光体内で向け直された光の量および均一性を制御するために、容易に形成されるとともに、最高レベルの可撓性をもたらす。他の実施形態では、光方向転換表面特徴が相互接続されうることに留意されたい。特徴はまた、チャネルをシミュレートまたは形成するためにも形成されうる。
【0061】
本発明の光方向転換表面特徴は、0.1〜300ミクロンの深さを有することができるが、好ましくは、光方向転換表面特徴は、1〜100ミクロンの深さを有する。テーパ穴が形成される場合、高さは、頂点からそれが形成されている層の表面までを測定される。テーパ穴または刻み目の場合、幅は、それらが測定される場所に応じて変化する。光ガイドの変更形態もまた、2つのTIR面が互いに平行でなくても、これらのタイプの刻み目を用いて優れた均一性を提供しうることに留意されたい。テーパ状の光ガイドまたは細長い発光体の場合、主要面は平行でなく、刻み目パターンのパラメータは、最高レベルの明度および均一性を提供するために、光方向転換特徴とともに変化することができる。有用な実施形態である本発明の固体光ガイドは、TIR面と実質的に平行でない光入力面を有する。利点は、形態係数が低減されうることであり、そのことは、消費者にとって非常に魅力的である。ディスプレイを薄くすることにより、ディスプレイの構造内の材料を減らすことができる。光方向転換表面特徴の密度は、光入力面からの距離の関数として変化することができる。典型的には、均一な色温度を提供するイニシャル光混合部分を設けることが好ましい。そのような色混合部分は、光方向転換を必要とせず、光入力面に隣接する。混合部分の長さは異なっていてもよいが、ほんの数ミリメートルの長さが、優れた光混合を実現するために必要である。導波路または細長い発光体の長さに沿った密度関数は、光方向転換特徴の密度関数の差を有する。
【0062】
本発明の有用な実施形態は、対向するTIR面を有する固体光ガイドを含むディスプレイであり、TIR面間に位置しかつTIR面の一方を中断する所望の光方向転換表面特徴パターンを含み、特徴は、光ガイドプレートの固体材料の屈折率とは異なる屈折率を有する。光方向転換特徴の好ましい材料は、空気である。特徴は、気体以外の材料のない穴または領域である。すべてまたはいくつかの穴に別の材料を充填することが可能であるが、穴を充填することができる任意の材料を含む穴と光ガイドの材料との屈折率差が大きくなるほど、光方向転換の効率が向上する。穴は、完全にまたは部分的に材料で充填することができ、材料は、多数の気泡を有するフォームなどの複合材料とすることができることに留意されたい。本発明の他の有用なディスプレイの実施形態は、光源、光拡散、光コリメーション、光散乱、光再生、偏光、および光変調からなる群から選択された少なくとも1つの機能をさらに含むことができる。これらの機能材料の使用は、光拡散などの光操作の向上、軸上輝度の向上、および視野角外輝度の向上をもたらす。
【0063】
本発明に有用な光方向転換特徴は、材料のない穴または領域であるので、所望の光方向転換特徴パターンを有する固体光ガイドを形成する方法では、穴あけ、成形、エンボス加工、キャスティング、または当技術分野で知られるその他の手段によって形成される。光ガイドの厚みは、数ミリメートルとすることができるより厚いものに対して、0.025〜0.76ミリメートル(10〜30ミル)の範囲で変化することができる。薄い光ガイドの場合、押出ロール成形などの方法が好ましい。というのは、基本的な光ガイドは、得られるフィルムに穴または刻み目を形成することになる突起部を含むローラまたはベルト上にポリマーをキャストすることによって形成されうるからである。そのような方法は、PMMA、ポリスルフォン、ポリカーボネート、ポリエステル、アセテート、または他の透明ポリマーを使用することができる。典型的には、ポリマーは、その融点を超える温度に加熱され、次いで、所望の光方向転換特徴を有するフィルムを形成する移動型の上に直接的または間接的に押し出される。一部のポリマーは、溶剤中に溶解することができ、得られる溶剤は、成形ホイールまたはベルト上にキャストされる。本発明の他のプロセス実施形態では、最初にフィルムまたはスラブが形成され、次いで、所望の穴パターンが、表面に熱または圧力を加えることによって施されうる。他の有用な方法では、光ガイドのフィルムまたはスラブを形成し、次いで少なくとも片面上に別の層をキャストし、次いでその層内に所望のパターンを形成する。この方法は、様々なポリマーを使用することができるが、1つの好ましい材料が、所望の光方向転換特徴で成形され、次いでパターン形成プロセス中に硬化されうる紫外線硬化性層である。紫外線キャスティングおよび硬化の有用な手段は、特徴の形成中に紫外線モノマーおよびオリゴマーを硬化できるようにする透明な型をさらに含むことができる。他の材料が層付加法に使用され、次いで、所望の特徴パターンが、成形および/またはエンボス加工によって形成されうる。本発明の他の実施形態では、光方向転換特徴は、別のフィルムの中または上に形成することができ、次いで、そのフィルムは、光ガイドまたは細長い発光体に接合される。光方向転換特徴をさらに含む別の光学フィルムの使用は、多くのユーティリティを提供し、光ガイドまたは細長い発光体は、特徴なしに形成することができ、次いで、別の薄膜が、特徴を形成するために使用され、後日に光ガイドまたは発光体に取付けられうる。光ガイドは、非常に堅くすることができ、片面上に特徴を形成しようとすると、均一な配光手段を設けていないそった面で問題を引き起こす可能性がある。導波路は、非常に高価でもあり、機能を付加することができるので、分離した光学フィルムは、非常に望ましく、製造コストが低減する。光学フィルムは、品質および所望の機能のために事前に選別されうる。フィルムは、透明であり(85%を超える)、色がなく、かつより薄いことが、光学干渉を低減するためにより好ましい。所望の光方向転換特徴は、フィルムまたは別の層内に直接形成されうる。成形、キャスティング、押出ロール成形、エンボス加工などの類似方法が使用されうる。
【0064】
本発明の有用な実施形態は、対向するTIR面を含む目視側および非目視側を有する固体光ガイドと、前記光ガイドの非目視側に隣接する光学透明接着剤と、目視側および非目視側を有する光学フィルム(または層)とを備え、前記光学フィルムの非目視側と目視側の間に位置しかつ非目視側面を中断する所望の光方向転換表面特徴パターンを含み、特徴は、光学フィルムの固体材料の屈折率とは異なる屈折率を有する。かかる実施形態は、品質が高く、製作コストが安価であり、かつ多大な自由度を提供する。
【0065】
上記の光ガイドまたは細長い発光体を形成するのに役立つ光学フィルムは、光学フィルムの屈折率と少なくとも0.02の屈折率差を有する材料を含む光方向転換表面特徴を有する。本発明の光学フィルム内の光方向転換特徴は、特徴(固体または液体材料のない穴または領域)間に高い屈折率差をもたらすように、空気または気体を含むことができる。光方向転換特徴は、1〜100ミクロンの深さを有することができる。
【0066】
光方向転換特徴は、前記中断面から反対側のTIR面の方へ、広い幅から狭い幅に先細りにすることができる。光学フィルムおよびそれらの前記光方向転換表面特徴は、少なくとも1つの別個の要素を含む。特徴は、分離することができ、それらのサイズ、形状、高さ、密度、またはその他の物理的パラメータは、異なることができる。ある実施形態では、個々の特徴は、光ガイドまたは細長い発光体の長さまたは幅に沿って、チャネルによって相互接続されうるか、あるいは個々の特徴と連続的な特徴との組合せを形成するように配置されうる。密度関数は、光源からの距離の関数として変化することができる。光学フィルムは、光方向転換特徴のない領域も含むことができる。そのような領域は、光が通常TIRの外側へ方向転換しないことが望ましい色混合部分全体にわたって適用されうる。本発明の光学フィルムは、光ガイドまたは細長い発光体の幅または長さに沿って均一な配光および明度を提供する。
【0067】
本発明の他の有用な実施形態は、対向するTIR面を含む目視側および非目視側を有する固体光ガイドと、前記光ガイドの非目視側に隣接する光学透明接着剤と、目視側および非目視側を有する光学フィルムとを備えるディスプレイであって、前記光学フィルムの非目視側と目視側の間に位置しかつ非目視側面を中断する所望の光方向転換表面特徴パターンを含み、特徴が、光学フィルムの固体材料の屈折率とは異なる屈折率を有する、ディスプレイを提供する。上述のディスプレイは、光源、光拡散、光コリメーション、光散乱、光再生、偏光、および光変調からなる群から選択された少なくとも1つの機能をさらに含むことができる。かかる実施形態は、優れた軸上輝度および/または広い視野角を有するディスプレイを提供するために有用である。カラーフィルタを有する光変調手段が、観察者用の画像を提供するために望ましい。
【0068】
他の実施形態は、対向するTIR面を含む目視側および非目視側を有する固体光ガイドと、目視側および非目視側を有する光学層とを備え、前記光学層の非目視側と目視側の間に位置しかつ非目視側面を中断する所望の光方向転換表面特徴パターンを含み、特徴は、光学層の固体材料の屈折率とは異なる屈折率を有する。この実施形態では、層が、光学フィルムの代わりに、光ガイドまたは細長い発光体上に設けられる。本発明に適した固体光ガイドを形成する方法では、一方のTIR面に付着されたポリマー層を設け、光方向転換特徴パターンが、前記ポリマー層内に形成される。そのようなポリマー層は、所望の特徴パターンを有する層を形成するために、紫外線硬化性モノマーまたはオリゴマーをさらに含むことができる。
【0069】
実施例
サンプル1:
一実施形態は、公称1.6cm(1/4インチ平方)の断面を有する細長いアクリル発光体を使用する。細長い発光体は、透明性が高く、すべての側面および端面が光学仕上げである。細長い発光体を形成するために、PMMAのバーストック(0.64cm(0.25インチ)×0.64cm(0.25インチ)×36cm(14インチ))を旋盤上で光学研磨し、次いで、微細グリットのスラリで手磨きして、側面および光入力端面において25nm未満の表面Raを得た。所望の光方向転換を与えるように、バーの背面すなわち非目視側を穴パターンで穴あけした。穴は、ドリルで約100ミクロンの深さにあけた。光入力部分からの最初の部分は、穴あけしなかった。約10〜15nmを穴のない部分とした。この部分は、色混合部分として機能した。
【0070】
光源としてLEDアレイを用いた。マルチダイRGB LEDを光入力端部に近接して取り付けた。これらのマルチダイLEDは、単一パッケージ内に1個の赤ダイ、1個の青ダイおよび2個の緑ダイからなる(OSRAM OSTARプロジェクションデバイス、型式LE ATB A2A、OSRAM社)。これらのデバイスは、個々にターンオンすることができ、各ダイの輝度は、別個の電流源によって制御される。次いで、このサンプルをその相対光出力均一性について評価した。
【0071】
サンプル2:
他の実施例では、片面上にUVモノマー層がコーティングされている透明なポリエステルシート(デュポン社 ST505)を使用して光学フィルムを製作し、一連の外方に向く突起部を有する透明な型を非硬化性モノマーに圧入し、次いで、モノマーを紫外線光源で硬化させて層を架橋させた。次いで、型を取り除いて、一連の穴を有する薄層を残した。次いで、穴を有するUV層を有する光学フィルムを、ライトバーの非目視側に接着した(Norland UVエポキシ)。完成サンプルにサンプル1と同じLED構成を設置した。
【0072】
本発明について、特にその中の特定の好ましい実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明の精神および範囲内で変更形態および変形形態がもたらされうることが理解されよう。本明細書で参照されている特許または他の出版物は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1A】高さが可変な刻み目を有する光ガイドプレートの概略図である。
【図1B】密度が可変な刻み目を有する光ガイドプレートの概略図である。
【図1C】刻み目を有する光ガイドプレートの概略図である。
【図2】刻み目を有する光学フィルムを有する光ガイドプレートの概略図である。
【図3A】一体刻み目およびプリズム光入力端部を有する光ガイドの概略図である。
【図3B】大型プリズム光入力端部と付着された光学フィルムとを有する光ガイドプレートの概略図である。
【図4】イニシャル光混合部分と刻み目を有するテーパ面とを有する光ガイドの概略図である。
【図5A】混合タブを有する固体光ガイドの概略図である。
【図5B】光方向転換特徴を有する固体光ガイドの概略図である。
【符号の説明】
【0074】
10 固体光ガイド
11 様々な高さの穴または刻み目
12 三角形の穴
13 平頂を有する穴または刻み目
16 半導体光源
21 穴または刻み目を有する光学フィルム
22 接着剤層
23 光学フィルム内の穴すなわち光方向転換特徴
31 プリズム形の光入力端部
32 より大きなプリズム形の光入力端部
33 光混合部分
34 非目視側TIR面
35 目視側TIR面
36 光方向転換手段
40 テーパ光ガイド
41 穴を有するテーパ面または傾斜面
51 光混合タブ
52 反射体
53 固体光ガイド
55 光方向転換特徴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向するTIR面を備える固体光ガイドであって、前記TIR面間に位置しかつ前記TIR面の一方を中断する所望パターンの光方向転換表面特徴を含み、前記特徴が、前記光ガイドの固体材料の屈折率とは異なる屈折率を有する固体光ガイド。
【請求項2】
前記光方向転換表面特徴が、0.02を超える屈折率差を有する材料を含む請求項1記載の固体光ガイド。
【請求項3】
前記光方向転換表面特徴が、空気を含む請求項1記載の固体光ガイド。
【請求項4】
前記光方向転換表面特徴が、刻み目である請求項1記載の固体光ガイド。
【請求項5】
前記光方向転換表面特徴が、0.02を超える屈折率差を有する材料を含む請求項1記載の固体光ガイド。
【請求項6】
前記光方向転換表面特徴が、燐光材料を含む請求項1記載の固体光ガイド。
【請求項7】
前記光方向転換表面特徴が、0.1〜300ミクロンの深さを有する請求項1記載の固体光ガイド。
【請求項8】
前記光方向転換表面特徴が、前記中断面から前記反対側のTIR面の方へ、広い幅から狭い幅に先細りになっている請求項1記載の固体光ガイド。
【請求項9】
前記光方向転換表面特徴が、円錐状、円筒状、台形状、レンズ状、円形、正方形、三角形、およびピラミッド形からなる群から選択される少なくとも1つの形状を含む請求項1記載の固体光ガイド。
【請求項10】
前記光方向転換表面特徴の密度が、光入力面からの距離の関数として変化する請求項1記載の固体光ガイド。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2009−43705(P2009−43705A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−128786(P2008−128786)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(307010188)ローム アンド ハース デンマーク ファイナンス エーエス (51)
【Fターム(参考)】