説明

光束制御部材および照明装置

【課題】色むらに起因する照明品質の低下を招くことなく、配光特性が蛍光灯に近い光束制御部材を提供すること。
【解決手段】光束制御部材3は、基板4上に第1の方向に沿って1列または複数列に実装された複数の発光素子2に対して空気層を介して配置される。発光素子2の出射光と交わる面は、第1の方向では曲率を有しておらず、かつ第1の方向に直交する第2の方向では曲率を有している。発光素子2の出射光のうち一部の出射光と交わる面に、透過反射膜13が形成されている。透過反射膜13は、一部の出射光のうち更に一部を反射し、一部の出射光の残部を透過させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子から出射された光の進行方向を制御する光束制御部材に関する。また、本発明は、前記光束制御部材を有する照明装置であって、蛍光灯に代えて使用できる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギーや環境保全の観点から、発光ダイオード(LED)を光源とする照明装置(例えばLED電球やLED蛍光灯など)が、白熱電球または蛍光灯に代わるものとして使用されている。
【0003】
しかしながら、従来のLEDを光源とする照明装置は、前方方向のみに光を出射し、白熱電球または蛍光灯のように全方位に光を出射することができない。このため、従来の照明装置は、白熱電球または蛍光灯のように天井や壁面からの反射光を利用して室内を広範囲に照明することができない。
【0004】
このような従来のLEDを光源とする照明装置の配光特性を白熱電球または蛍光灯の配光特性に近づけるため、LEDからの出射光の進行方向を光束制御部材で制御することが提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
【0005】
図1は、特許文献1に記載の光方向変換素子(光束制御部材)の構成を示す図である。図1Aは、光方向変換素子の平面図であり、図1Bは、図1AのA−A線の断面図である。これらの図に示されるように、光方向変換素子101は、LED100からの光をB面(回転放物面)102およびE面(面取り状の傾斜面)103で反射させ、B面102およびE面103で反射した光をD面104(LED100が実装された基板表面)で更に反射させ、D面104で反射した光をB面102から出射する。また、光方向変換素子101は、B面102で反射してC面105に到達した光を外部の斜め後方(下方)へ向けて出射する。
【0006】
このような光方向変換素子101でLED100の光の進行方向を制御することにより、上方向(前方方向)および水平方向(前方方向に直交する方向)への出射光を得ることができる。したがって、従来のLEDを光源とする照明装置に光方向変換素子101を適用すれば、その配光特性を白熱電球または蛍光灯の配光特性に近づけることが可能になると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−216540号公報
【特許文献2】特開2007−034307号公報
【特許文献3】特開2007−048883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図1に示される光方向変換素子101では、LED100からの光のうち、B面102に対して全反射条件を満たす光がB面102で反射され、B面102に対して全反射条件を満たさない光はB面102を透過する。したがって、図1に示される光方向変換素子101を使用した場合、B面102に対して全反射条件を満たさない光は、B面102を透過する際に色分離してしまう。その結果、色むらが生じてしまい、照明品質が低下してしまう。特に、LED100の発光面積が点光源とみなせない程度に大きい場合、B面102に対して全反射条件を満たさない光の比率が多くなり、出射光の色むらがより一層生じやすくなる。
【0009】
そこで、本発明は、色むらに起因する照明品質の低下を招くことなく、配光特性を蛍光灯に近づけることができる光束制御部材、およびこの光束制御部材を有する照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の光束制御部材は、基板上に第1の方向に沿って1列または複数列に実装された複数の発光素子に対して空気層を介して配置される光束制御部材であって、前記発光素子の出射光と交わる面は、前記第1の方向では曲率を有しておらず、かつ前記第1の方向に直交する第2の方向では曲率を有しており、前記発光素子の出射光のうち一部の出射光と交わる面に、透過反射膜が形成され、前記透過反射膜は、前記一部の出射光のうち更に一部を反射し、前記一部の出射光の残部を透過する、構成を採る。
【0011】
本発明の光束制御部材は、基板上に第1の方向に沿って1列または複数列に実装された複数の発光素子に対して空気層を介して配置され、前記発光素子の光軸と交わるように形成される蓋部と、前記第1の方向に直交する第2の方向において、前記蓋部の外縁から前記基板側へ延びる側壁部と、を有する光束制御部材であって、前記蓋部の内面は、前記第1の方向では曲率を有しておらず、かつ前記第1の方向に直交する第2の方向では曲率を有しており、前記蓋部の内面は、前記第1の方向に直交する断面において、外周部よりも中心部の方が前記発光素子寄りに位置する凹面であり、前記蓋部の内面は、透過反射膜で覆われており、前記透過反射膜は、前記発光素子からの光の一部を前記側壁部に向けて反射し、前記発光素子からの光の残部を透過し、前記蓋部の外面は、前記透過反射膜を透過して入射した光を蓋部の外方へ出射し、前記側壁部は、前記透過反射膜で反射されて前記側壁部の内面に到達した光および前記発光素子から前記側壁部の内面に直接到達した光を前記側壁部の外面から外方へ出射する、構成を採る。
【0012】
本発明の照明装置は、複数の発光素子が1列または複数列に実装された基板と、前記基板上に固定されて前記発光素子からの光を出射する上記光束制御部材と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の光束制御部材は、発光素子からの光の一部を透過反射膜で反射するようになっており、発光素子からの光を全反射によって反射するものではないため、出射光に色むらが生じるのを防止しつつ、蓋部および側壁部から広範囲に光を出射することができる。
【0014】
本発明の照明装置は、照明光の配光特性を蛍光灯の配光特性に近づけることができる。また、本発明の照明装置は、色むらがない高品質の照明光を出射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1Aは、従来の光束制御部材(光方向変換素子)の平面図である。図1Bは、図1Aに示されるA−A線の断面図である。
【図2】図2Aは、実施の形態1の照明装置の外観斜視図である。図2Bは、実施の形態1の照明装置の透視斜視図である。
【図3】図3Aは、実施の形態1の照明装置の第2の方向の断面図である。図3Bは、複数の発光素子が実装された基板の平面図である。
【図4】図4Aは、実施の形態1の照明装置の光束制御部材の底面図であり、図4Bは、実施の形態1の照明装置の光束制御部材の平面図である。図4Cは、図4Bに示されるB−B線の断面図であり、図4Dは、図4Bに示されるC−C線の断面図である。
【図5】図5Aは、光束制御部材の透過反射膜の光反射機能を説明するための模式図である。図5Bは、光束制御部材の透過反射膜の光透過機能を説明するための模式図である。
【図6】透過反射膜の光反射率が50%の場合の実施の形態1の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図7】透過反射膜の光反射率が60%の場合の実施の形態1の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図8】透過反射膜の光反射率が70%の場合の実施の形態1の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図9】透過反射膜の光反射率が80%の場合の実施の形態1の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図10】照明装置の配光特性の測定方法を説明するための図である。
【図11】図11Aは、実施の形態2の照明装置の第2の方向の断面図である。図11Bは、複数の発光素子が実装された基板の平面図である。
【図12】図12Aは、実施の形態2の照明装置の光束制御部材の底面図であり、図12Bは、実施の形態2の照明装置の光束制御部材の平面図である。図12Cは、図12Bに示されるD−D線の断面図であり、図12Dは、図12Bに示されるE−E線の断面図である。
【図13】透過反射膜の光反射率が50%の場合の実施の形態2の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図14】透過反射膜の光反射率が60%の場合の実施の形態2の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図15】透過反射膜の光反射率が70%の場合の実施の形態2の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図16】透過反射膜の光反射率が80%の場合の実施の形態2の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図17】図17Aは、実施の形態3の照明装置の第2の方向の断面図である。図17Bは、複数の発光素子が実装された基板の平面図である。
【図18】図18Aは、実施の形態3の照明装置の光束制御部材の底面図であり、図18Bは、実施の形態3の照明装置の光束制御部材の平面図である。図18Cは、図18Bに示されるF−F線の断面図であり、図18Dは、図18Bに示されるG−G線の断面図である。
【図19】透過反射膜の光反射率が50%の場合の実施の形態3の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図20】透過反射膜の光反射率が60%の場合の実施の形態3の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図21】透過反射膜の光反射率が70%の場合の実施の形態3の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図22】透過反射膜の光反射率が80%の場合の実施の形態3の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図23】図23Aは、実施の形態4の照明装置の第2の方向の断面図である。図23Bは、複数の発光素子が実装された基板の平面図である。
【図24】図24Aは、実施の形態4の照明装置の光束制御部材の底面図であり、図24Bは、実施の形態4の照明装置の光束制御部材の平面図である。図24Cは、図24Bに示されるH−H線の断面図であり、図24Dは、図24Bに示されるI−I線の断面図である。
【図25】透過反射膜の光反射率が50%の場合の実施の形態4の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図26】透過反射膜の光反射率が60%の場合の実施の形態4の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図27】透過反射膜の光反射率が70%の場合の実施の形態4の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図28】透過反射膜の光反射率が80%の場合の実施の形態4の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図29】実施の形態5の照明装置の第2の方向の断面図である。
【図30】透過反射膜の光反射率が50%の場合の実施の形態5の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図31】透過反射膜の光反射率が60%の場合の実施の形態5の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図32】透過反射膜の光反射率が70%の場合の実施の形態5の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図33】透過反射膜の光反射率が80%の場合の実施の形態5の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図34】実施の形態6の照明装置の斜視図である。
【図35】図35Aは、実施の形態6の照明装置の第2の方向の断面図である。図35Bは、複数の発光素子が実装された基板の平面図である。
【図36】図36Aは、実施の形態6の照明装置の光束制御部材の平面図であり、図36Bは、図36Aに示されるJ−J線の断面図であり、図36Cは、実施の形態6の照明装置の光束制御部材の底面図である。
【図37】透過反射膜の光反射率が50%の場合の実施の形態6の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図38】透過反射膜の光反射率が60%の場合の実施の形態6の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図39】透過反射膜の光反射率が70%の場合の実施の形態6の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図40】透過反射膜の光反射率が80%の場合の実施の形態6の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図41】図41Aは、実施の形態7の照明装置の第2の方向の断面図である。図41Bは、複数の発光素子が実装された基板の平面図である。
【図42】図42Aは、実施の形態7の照明装置の光束制御部材の平面図であり、図42Bは、図42Aに示されるK−K線の断面図であり、図42Cは、実施の形態7の照明装置の光束制御部材の底面図である。
【図43】透過反射膜の光反射率が50%の場合の実施の形態7の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図44】透過反射膜の光反射率が60%の場合の実施の形態7の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図45】透過反射膜の光反射率が70%の場合の実施の形態7の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図46】透過反射膜の光反射率が80%の場合の実施の形態7の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
(実施の形態1)
[照明装置の構成]
図2Aは、本発明の実施の形態1の照明装置1の外観斜視図である。図2Bは、照明装置1の透視斜視図である。照明装置1は、直管形蛍光灯に代えて使用されうる。
【0018】
図2Aおよび図2Bに示されるように、照明装置1は、発光素子2、光束制御部材3および基板4を有する。実施の形態1〜5の説明では、基板4の長軸方向を第1の方向といい、基板4の短軸方向を第2の方向という。第1の方向および第2の方向は、互いに直交している。
【0019】
図3Aは、照明装置1の第2の方向の断面図(横断面)である。図3Bは、複数の発光素子2が実装された基板4の平面図である。
【0020】
図3Aおよび図3Bに示されるように、照明装置1は、第1の方向に沿って1列に配置された複数の発光素子2(例えば、LED又は封止部材によって封止されたLED)からの光を光束制御部材3を介して出射する。光束制御部材3の一端5は、複数の発光素子2が実装された基板4上に接着剤で固定されている。光束制御部材3の中心線L1(図3Aおよび図4A参照)は、各発光素子2の中心を結ぶ直線L2(図3B参照)上に位置する。
【0021】
[光束制御部材の構成]
図4Aは、光束制御部材3の底面図であり、図4Bは、光束制御部材3の平面図である。図4Cは、図4Bに示されるB−B線の断面図(第2の方向の断面図;図3Aに対応)であり、図4Dは、図4Bに示されるC−C線の断面図(第1の方向の断面図)である。
【0022】
光束制御部材3は、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)やポリカーボネート(PC)、エポキシ樹脂(EP)などの透明樹脂材料や透明なガラスで形成されている。
【0023】
光束制御部材3は、平面形状が長方形となるように形成されている。光束制御部材3は、基板4上に一端5が固定される2つの側壁部(支持部)6と、側壁部6の他端7に固定される蓋部(光束制御部材本体部)8とを有している(図3A参照)。蓋部8の内面10および外面14は、第1の方向では曲率を有していない。すなわち、蓋部8の内面10および外面14は、第1の方向に関しては発光素子2の出射光の配光特性に影響を与えない。一方、蓋部8の内面10および外面14は、第2の方向では曲率を有している。したがって、蓋部8の内面10は、第2の方向に関しては、発光素子2からの光の反射方向を制御することで、発光素子2の出射光の配光特性を所望の配光特性に変化させることができる。
【0024】
図3Aに示されるように、蓋部8の内面10は、中心線L1上に位置する中心部11が第2の方向の外周部12よりも側壁部6の一端5側に位置する凹面(非球面)である。したがって、光束制御部材3が基板4上に固定されると、中心部11が外周部12よりも発光素子2に近い位置に配置される。蓋部8の内面10の形状は、蓋部8の中心部11から外周部12(半径方向外方)に向かうにしたがって傾斜が緩やかになる曲面形状である。また、蓋部8の内面10の形状は、中心部11と外周部12の間であって、かつ外周部12に近い位置に傾斜角度が零となる点が生じる非球面形状である。蓋部8の内面10には、その表面上にTiOおよびSiOの層を重ねて蒸着してなる透過反射膜13が形成されている。蓋部8の内面10は、全域が透過反射膜13で覆われている。透過反射膜13は、発光素子2からの光の一部を側壁部6側へ向けて反射し、発光素子2からの光の残部を蓋部8の内部に入射させる(図5参照)。なお、透過反射膜13の膜厚は、要求される光反射率に応じて調整される。透過反射膜13の膜厚が厚いほど、光反射率が高くなる。
【0025】
蓋部8の外面14は、内面10と裏表の関係であって、蓋部8の中心線L1に沿った厚みが中心部11から外周部12まで同一寸法となるように形成されている。蓋部8の外面14は、透過反射膜13を透過して蓋部8の内部に入射した光を外部に広く出射する(図5B参照)。
【0026】
2つの側壁部6は、一端5間の間隔が他端7間の間隔よりも小さくなるように対向して配置されている。側壁部6の厚みは、一端5から他端7まで同一である。側壁部6は、発光素子2から出射された光のうちで蓋部8の透過反射膜13によって反射された後に到達する光、および発光素子2から出射された光のうちで直接到達した光を外部に広く出射する(図5A参照)。
【0027】
図6〜9は、照明装置1の配光特性を示すグラフである。図6は、透過反射膜13の光反射率が50%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。また、図7は、透過反射膜13の光反射率が60%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。図8は、透過反射膜13の光反射率が70%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。図9は、透過反射膜13の光反射率が80%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。
【0028】
これらの配光特性は、以下の手順で測定した。図10に示されるように、基板4の中央15(図3B参照)から直交方向に所定距離離れた位置(基準位置0°)に照度計16を配置した。照度計16を基板4の中央15を回転中心として、右回り方向(+θ方向)に5°間隔で180°回転させて照度を測定し、左回り方向(−θ方向)に5°間隔で180°回転させて照度を測定した。測定した照度のうちの最高照度を1とした場合の相対照度(無次元値)を曲線で滑らかに結んで、図6〜9のグラフを作成した。各照明装置1について、第1の方向および第2の方向の2つの方向で配光特性を測定した。図6〜10において、第1の方向(長軸方向)の測定結果を曲線Aで示し、第2の方向(単軸方向)の測定結果を曲線Bで示す。
【0029】
図6〜9の曲線Bに示されるように、光束制御部材3の蓋部8の内面10に形成した透過反射膜13の反射率が大きくなるにしたがって、水平方向(±90°方向)および後方方向(+90°<θ<+180°,−90°<θ<−180°)の照度が増加する。また、図6,7に示される配光特性は、前方方向(θ=0°)の照度が最も大きくなっている。これに対し、図8,9に示す配光特性は、前方方向(θ=0°)の照度よりも水平方向(±90°方向)の照度の方が大きくなっており、図6,7の配光特性で示される照度バランスと異なっている。
【0030】
このように、光束制御部材3の蓋部8の内面10に形成した透過反射膜13の反射率に応じて照明装置1の配光特性が異なる。このため、照明装置1の使用形態に応じて透過反射膜13の反射率が選択され、そのような反射率となるように透過反射膜13が光束制御部材3の蓋部8の内面10に蒸着される。
【0031】
ここで、実施の形態1の光束制御部材3を有する照明装置1は、光束制御部材3の透過反射膜13の反射率が60%の場合、その配光特性(図7に示す配光特性)が蛍光灯の配光特性に最も近くなる。したがって、実施の形態1の光束制御部材3を有する照明装置1は、蛍光灯に代えて室内照明に使用する場合、光束制御部材3の透過反射膜13の反射率を60%とするのが好ましい。
【0032】
[効果]
実施の形態1の光束制御部材3は、蓋部8の内面10に形成した透過反射膜13によって発光素子2からの光の一部を反射すると共に、蓋部8の内面10に形成した透過反射膜13によって発光素子2からの光の残部(透過反射膜13で反射されなかった光)を蓋部8の外面14から出射させるようになっている。このように、実施の形態1の光束制御部材3は、発光素子2からの光を蓋部8における全反射によって反射するようになっていないため、蓋部8から出射する光が色分離を生じることがなく、色むらに起因する照明品質の低下を招くことがない。
【0033】
実施の形態1の照明装置1は、蓋部8の内面10に形成した透過反射膜13によって反射されて側壁部6の内面17に到達した発光素子2からの光、および発光素子2から側壁部6の内面17に直接到達した光を側壁部6の外面18から出射する。また、実施の形態1の照明装置1は、蓋部8の内面10に形成した透過反射膜13を透過して蓋部8内に入射した発光素子2からの光を蓋部8の外面14から出射する。このように、実施形態1の光束制御部材3は、前方方向のみならず、水平方向および後方方向にも十分に配光することができ、配光特性を蛍光灯に近づけることができる。
【0034】
実施の形態1の照明装置1は、色むらに起因する照明品質の低下を生じることがなく、蛍光灯に代えて室内照明などに使用されうる。また、実施の形態1の照明装置1は、蛍光灯よりも消費電力を少なくすることができると共に、蛍光灯よりも長期間使用することができる。
【0035】
なお、光束制御部材3の側壁部6の外面18および/または蓋部8の外面14を光拡散面(粗面処理などの光拡散化処理を施した面)としてもよい。このようにすることで、側壁部6および/または蓋部8から出射する光を広く拡散させることができる。
【0036】
また、光束制御部材3を光拡散能を有する材料によって形成してもよい。このようにすることで、光束制御部材3の内部で光を散乱させて、側壁部6および蓋部8から出射する光を広く拡散させることができる。
【0037】
また、透過反射膜13は、蒸着以外の方法で形成されていてもよい。たとえば、予めフィルム状に作成した透過反射膜13を、蓋部8の内面10に貼着してもよい。
【0038】
また、透過反射膜13は、TiOおよびSiOの多層膜でなくてもよい。たとえば、透過反射膜13は、ZnOおよびSiOの多層膜や、TaおよびSiOの多層膜などの誘電体多層膜であってもよい。また、透過反射膜13は、必要な透過光量が得られる、アルミニウム(Al)などの金属薄膜であってもよい。
【0039】
また、透過反射膜13の光反射率を、透過反射膜13の膜厚の調整以外の手段で調整してもよい。たとえば、反射領域をドット状や網目状などのパターンで形成し、透過領域と反射領域との面積比を調整することによって所望の光反射率を得るようにしてもよい。さらに、この反射領域の光反射率を膜厚によって調整してもよい。
【0040】
また、光束制御部材3の基板4への固定方法は、接着剤による固定に限定されない。たとえば、光束制御部材3および基板4をケースなどの他の部材を介して固定してもよい。また、光束制御部材3および基板4を溶着やねじ止め機構などにより固定してもよい。
【0041】
また、光束制御部材3の蓋部8の内面10の一部を傾斜面または平面としてもよい。
【0042】
(実施の形態2)
図11Aは、実施の形態2の照明装置1の第2の方向の断面図(横断面)である。図11Bは、複数の発光素子2が実装された基板4の平面図である。図12Aは、実施の形態2の光束制御部材3の底面図であり、図12Bは、実施の形態2の光束制御部材3の平面図である。図12Cは、図12Bに示されるD−D線の断面図(第2の方向の断面図;図12Aに対応)であり、図12Dは、図12Bに示されるE−E線の断面図(第1の方向の断面図)である。なお、図2〜4に示される実施の形態1の照明装置1および光束制御部材3と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0043】
図11A,Bに示されるように、実施の形態2の照明装置1は、第1の方向に沿って2列に配置された複数の発光素子2からの光を光束制御部材3を介して出射する。光束制御部材3の中心線L1(図11Aおよび図12A参照)は、並列に配置されている2つの発光素子2の中心を結ぶ直線L2(図11B参照)上に位置する。光束制御部材3は、実施の形態1の光束制御部材3と同一である。
【0044】
図13〜16は、実施の形態2の照明装置1の配光特性を示すグラフである。図13は、透過反射膜13の光反射率が50%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。また、図14は、透過反射膜13の光反射率が60%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。図15は、透過反射膜13の光反射率が70%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。図16は、透過反射膜13の光反射率が80%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。
【0045】
図13〜16の曲線Bに示されるように、実施の形態2の照明装置1は、実施の形態1の照明装置1の配光特性(図6〜9参照)とほぼ同様の配光特性になっており、実施の形態1の照明装置1と同様の効果を得ることができる。
【0046】
(実施の形態3)
図17Aは、実施の形態3の照明装置1の第2の方向の断面図(横断面)である。図17Bは、複数の発光素子2が実装された基板4の平面図である。図18Aは、実施の形態3の光束制御部材3の底面図であり、図18Bは、実施の形態3の光束制御部材3の平面図である。図18Cは、図18Bに示されるF−F線の断面図(第2の方向の断面図;図17Aに対応)であり、図18Dは、図18Bに示されるG−G線の断面図(第1の方向の断面図)である。なお、図2〜4に示される実施の形態1の照明装置1および光束制御部材3と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0047】
図17Aおよび図18に示されるように、光束制御部材3は、光束制御部材本体部26と、光束制御部材本体部26の内面10(発光素子2に対向する内面10)の中央から下方へ向かって延びる支持部27とを有する。そして、実施の形態3の光束制御部材3は、実施の形態1の光束制御部材3の側壁部6に対応する構成を有していない(図3A,図17A参照)。
【0048】
図17Aおよび図18に示されるように、光束制御部材3の支持部27は、四角柱形状であり、光束制御部材本体部26を基板4上に支えている。光束制御部材3の支持部27の先端面(下端面)27aは、基板4に固定されている(例えば、接着、螺着、圧入など)。光束制御部材3の中心線L1(図17Aおよび図18A参照)は、並列に配置されている2つの発光素子2の中心を結ぶ直線L2(図17B参照)上に位置する。
【0049】
光束制御部材本体部26は、内面10の中央に支持部27が一体として形成されている点を除き、実施の形態1の光束制御部材3の蓋部8の形状と同様の形状である(図3Aおよび図17A参照)。光束制御部材本体部26の内面10および外面14は、第1の方向では曲率を有していない。すなわち、光束制御部材本体部26の内面10および外面14は、第1の方向に関しては発光素子2の出射光の配光特性に影響を与えない。一方、光束制御部材本体部26の内面10および外面14は、第2の方向では曲率を有している。したがって、光束制御部材本体部26の内面10は、第2の方向に関しては、発光素子2からの光の反射方向を制御することで、発光素子2の出射光の配光特性を所望の配光特性に変化させることができる。
【0050】
光束制御部材本体部26の内面10は、支持部27が形成されている部分を除き、実施の形態1の光束制御部材3の蓋部8と同様に、透過反射膜13が形成されている。光束制御部材本体部26の外面14は、内面10と裏表の関係であり、実施の形態1の光束制御部材3の蓋部8の外面14と同様に形成されている。
【0051】
図17Aに示されるように、実施の形態3の照明装置1は、断面がD字状のカバー21の開口端22が基板4の外周端に固定され、カバー21と基板4とで挟まれた空間内に複数の発光素子2および光束制御部材3が収容されている。
【0052】
図19〜22は、実施の形態3の照明装置1の配光特性を示すグラフである。図19は、透過反射膜13の光反射率が50%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。また、図20は、透過反射膜13の光反射率が60%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。図21は、透過反射膜13の光反射率が70%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。図22は、透過反射膜13の光反射率が80%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。
【0053】
図19〜22の曲線Bに示されるように、実施の形態3の照明装置1は、実施の形態1の照明装置1の配光特性(図6〜9参照)とほぼ同様の配光特性になっており、実施の形態1の照明装置1と同様の効果を得ることができる。
【0054】
(実施の形態4)
図23Aは、実施の形態4の照明装置1の第2の方向の断面図(横断面)である。図23Bは、複数の発光素子2が実装された基板4の平面図である。図24Aは、実施の形態4の光束制御部材3の底面図であり、図24Bは、実施の形態4の光束制御部材3の平面図である。図24Cは、図24Bに示されるH−H線の断面図(第2の方向の断面図;図23Aに対応)であり、図24Dは、図24Bに示されるI−I線の断面図(第1の方向の断面図)である。なお、図2〜4に示される実施の形態1の照明装置1および光束制御部材3と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0055】
図23Aおよび図24に示されるように、光束制御部材3は、実施の形態1の光束制御部材3を中心線L1で半分に分割した形状をしている(図3A参照)。蓋部8の内面10および外面14は、第1の方向では曲率を有していない。すなわち、蓋部8の内面10および外面14は、第1の方向に関しては発光素子2の出射光の配光特性に影響を与えない。一方、蓋部8の内面10および外面14は、第2の方向では曲率を有している。したがって、蓋部8の内面10は、第2の方向に関しては、発光素子2からの光の反射方向を制御することで、発光素子2の出射光の配光特性を所望の配光特性に変化させることができる。
【0056】
分割面と基板4との間には、支持部27が設けられている。光束制御部材3の支持部27は、四角柱形状であり、蓋部8を基板4上に支えている。光束制御部材3の支持部27の先端面(下端面)27aは、基板4に固定されている(例えば、接着、螺着、圧入など)。
【0057】
図25〜28は、実施の形態4の照明装置1の配光特性を示すグラフである。図25は、透過反射膜13の光反射率が50%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。また、図26は、透過反射膜13の光反射率が60%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。図27は、透過反射膜13の光反射率が70%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。図28は、透過反射膜13の光反射率が80%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。
【0058】
図25〜28の曲線Bに示されるように、実施の形態4の照明装置1は、側壁部6側からのみ後方への光を出射する偏向配光を実現することができる。
【0059】
(実施の形態5)
図29は、実施の形態5の照明装置1の第2の方向の断面図(横断面)である。実施の形態5の照明装置1は、支持部27の内面をミラー面28にした点以外は、実施の形態4の照明装置1と同じである。図23,24に示される実施の形態4の照明装置1および光束制御部材3と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0060】
図29に示されるように、光束制御部材3は、支持部27の内面がミラー面28となっている(図23A参照)。したがって、発光素子2から支持部27側に出射された光は、ミラー面28において側壁部6または蓋部8方向に反射される。
【0061】
図30〜33は、実施の形態5の照明装置1の配光特性を示すグラフである。図30は、透過反射膜13の光反射率が50%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。また、図31は、透過反射膜13の光反射率が60%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。図32は、透過反射膜13の光反射率が70%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。図33は、透過反射膜13の光反射率が80%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。
【0062】
図30〜33の曲線Bに示されるように、実施の形態5の照明装置1は、実施の形態4の照明装置1に比べてより偏向した配光を実現することができる。
【0063】
(実施の形態6)
[照明装置の構成]
図34は、本発明の実施の形態6の照明装置1の斜視図である。
【0064】
図34に示されるように、照明装置1は、発光素子2、光束制御部材3および基板4を有する。実施の形態6の説明では、円環状の基板4の円周方向を第1の方向といい、円環状の基板4の径方向を第2の方向という。第1の方向および第2の方向は、互いに直交している。
【0065】
図35Aは、照明装置1の第2の方向の断面図(横断面)である。図35Bは、複数の発光素子2が実装された基板4の平面図である。
【0066】
照明装置1は、環形蛍光灯に代えて使用されるものである。図35Aおよび図35Bに示されるように、照明装置1は、第1の方向(円周方向)に沿って1列に配置された複数の発光素子2からの光を光束制御部材3を介して出射する。光束制御部材3の一端5は、複数の発光素子2が実装された基板4上に接着剤で固定されている。光束制御部材3の中心線L1(図35Aおよび図36A参照)は、各発光素子2の中心を結ぶ曲線L2(図35B参照)上に位置する。
【0067】
[光束制御部材の構成]
図36Aは、光束制御部材3の平面図であり、図36Bは、図36Aに示されるJ−J線の断面図(第2の方向の断面図;図35Aに対応)であり、図36Cは、光束制御部材3の底面図である。
【0068】
図36A〜Cに示されるように、光束制御部材3は、実施の形態1の光束制御部材3の長軸方向の端部を互いに接続して円環状にした形状をしている。蓋部8の内面10および外面14は、第1の方向(円周方向)では曲率を有していない。すなわち、蓋部8の内面10および外面14は、第1の方向(円周方向)に関しては発光素子2の出射光の配光特性に影響を与えない。一方、蓋部8の内面10および外面14は、第2の方向(径方向)では曲率を有している。したがって、蓋部8の内面10は、第2の方向(径方向)に関しては、発光素子2からの光の反射方向を制御することで、発光素子2の出射光の配光特性を所望の配光特性に変化させることができる。
【0069】
図37〜40は、実施の形態6の照明装置1の配光特性を示すグラフである。図37は、透過反射膜13の光反射率が50%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。また、図38は、透過反射膜13の光反射率が60%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。図39は、透過反射膜13の光反射率が70%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。図40は、透過反射膜13の光反射率が80%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。
【0070】
図37〜40に示されるように、実施の形態6の照明装置1は、実施の形態1の照明装置1の配光特性(図6〜9参照)とほぼ同様の配光特性になっており、実施の形態1の照明装置1と同様の効果を得ることができる。
【0071】
(実施の形態7)
[照明装置の構成]
図41Aは、実施の形態7の照明装置1の第2の方向の断面図(横断面)である。図41Bは、複数の発光素子2が実装された基板4の平面図である。
【0072】
図41A,Bに示されるように、照明装置1は、発光素子2、光束制御部材3および基板4を有する。実施の形態7の説明では、円形状の基板4の円周方向を第1の方向といい、円形状の基板4の径方向を第2の方向という。第1の方向および第2の方向は、互いに直交している。
【0073】
照明装置1は、環形蛍光灯に代えて使用されるものである。図41Aおよび図41Bに示されるように、照明装置1は、第1の方向(円周方向)に沿って1列に配置された複数の発光素子2からの光を光束制御部材3を介して出射する。光束制御部材3の一端5は、複数の発光素子2が実装された基板4上に接着剤で固定されている。
【0074】
[光束制御部材の構成]
図42Aは、光束制御部材3の平面図であり、図42Bは、図42Aに示されるK−K線の断面図(第2の方向の断面図;図41Aに対応)であり、図42Cは、光束制御部材3の底面図である。
【0075】
図42A〜Cに示されるように、光束制御部材3は、実施の形態5の光束制御部材3の長軸方向の端部を互いに接続して円環状にした形状をしている。蓋部8の内面10および外面14は、第1の方向(円周方向)では曲率を有していない。すなわち、蓋部8の内面10および外面14は、第1の方向(円周方向)に関しては発光素子2の出射光の配光特性に影響を与えない。一方、蓋部8の内面10および外面14は、第2の方向(径方向)では曲率を有している。したがって、蓋部8の内面10は、第2の方向(径方向)に関しては、発光素子2からの光の反射方向を制御することで、発光素子2の出射光の配光特性を所望の配光特性に変化させることができる。
【0076】
図43〜46は、実施の形態7の照明装置1の配光特性を示すグラフである。図43は、透過反射膜13の光反射率が50%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。また、図44は、透過反射膜13の光反射率が60%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。図45は、透過反射膜13の光反射率が70%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。図46は、透過反射膜13の光反射率が80%の場合の照明装置1の配光特性を示すグラフである。
【0077】
図43〜46に示されるように、実施の形態7の照明装置1は、実施の形態1の照明装置1の配光特性(図6〜9参照)とほぼ同様の配光特性になっており、実施の形態1の照明装置1と同様の効果を得ることができる。
【0078】
(変形例)
上記各実施の形態では、光束制御部材3の内面10に透過反射膜13が形成されている。しかしながら、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、光束制御部材3の外面14に透過反射膜13を形成してもよい。すなわち、本発明の光束制御部材3の透過反射膜13は、発光素子2の出射光の一部の出射光と交わる面(内面10または外面14のいずれか)に形成されることで、所望の配光特性を得ることができる。ただし、反射光の光路における界面を少なくして光ロスを抑えるためには、光束制御部材本体部の内面10に透過反射膜13を形成した方が好ましい。内面10に形成された透過反射膜13は、光束制御部材3の取扱いなどによる傷付きおよび剥離を抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の光束制御部材およびこの光束制御部材を含む照明装置は、光束制御部材の透過反射膜の反射率を所望の配光特性になるように決定すれば、蛍光灯に代えて使用する場合に限られず、シャンデリアの一部や間接照明装置などとしても広く使用することができる。
【符号の説明】
【0080】
1 照明装置
2 発光素子(例えば、LED)
3 光束制御部材
4 基板
5 一端
6 側壁部
7 他端
8 蓋部
10 内面
11 中心部
12 外周部
13 透過反射膜
14 外面
17 内面(内周面)
18 外面(外周面)
21 カバー
22 開口端
27 支持部
27a 先端面(下端面)
28 ミラー面
100 LED
101 光方向変換素子
102 B面
103 E面
104 D面
105 C面
L 光軸(光束の中心)
L1 中心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に第1の方向に沿って1列または複数列に実装された複数の発光素子に対して空気層を介して配置される光束制御部材であって、
前記発光素子の出射光と交わる面は、前記第1の方向では曲率を有しておらず、かつ前記第1の方向に直交する第2の方向では曲率を有しており、
前記発光素子の出射光のうち一部の出射光と交わる面に、透過反射膜が形成され、
前記透過反射膜は、前記一部の出射光のうち更に一部を反射し、前記一部の出射光の残部を透過する、
光束制御部材。
【請求項2】
前記透過反射膜は、前記発光素子と対向する内面に形成され、
前記内面とは裏表の関係にある外面は、前記透過反射膜を透過して内部入射した光を外方へ出射する、
請求項1に記載の光束制御部材。
【請求項3】
基板上に第1の方向に沿って1列または複数列に実装された複数の発光素子に対して空気層を介して配置され、前記発光素子の光軸と交わるように形成される蓋部と、
前記第1の方向に直交する第2の方向において、前記蓋部の外縁から前記基板側へ延びる側壁部と、
を有する光束制御部材であって、
前記蓋部の内面は、前記第1の方向では曲率を有しておらず、かつ前記第1の方向に直交する第2の方向では曲率を有しており、
前記蓋部の内面は、前記第1の方向に直交する断面において、外周部よりも中心部の方が前記発光素子寄りに位置する凹面であり、
前記蓋部の内面は、透過反射膜で覆われており、
前記透過反射膜は、前記発光素子からの光の一部を前記側壁部に向けて反射し、前記発光素子からの光の残部を透過し、
前記蓋部の外面は、前記透過反射膜を透過して入射した光を蓋部の外方へ出射し、
前記側壁部は、前記透過反射膜で反射されて前記側壁部の内面に到達した光および前記発光素子から前記側壁部の内面に直接到達した光を前記側壁部の外面から外方へ出射する、
光束制御部材。
【請求項4】
前記側壁部の外面は、光拡散面である、請求項3に記載の光束制御部材。
【請求項5】
前記蓋部の外面は、光拡散面である、請求項3または4に記載の光束制御部材。
【請求項6】
前記蓋部および前記側壁部は、光散乱能を有する材料によって形成されている、請求項3〜5のいずれか一項に記載の光束制御部材。
【請求項7】
複数の発光素子が1列または複数列に実装された基板と、
前記基板上に固定されて前記発光素子からの光を出射する請求項1〜6のいずれか一項に記載の光束制御部材と、
を有する、照明装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate


【公開番号】特開2012−256555(P2012−256555A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129749(P2011−129749)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000208765)株式会社エンプラス (403)
【Fターム(参考)】