説明

光源モジュールおよびそれを備えた電子機器

【課題】光源から導光板への結合効率を高め、光利用効率を向上することのできる光源モジュールおよびそれを備えた電子機器を提供する。
【解決手段】本発明に係る光源モジュールは、光源23と、光源23を担持した基板24と、光源23からの出射光を導光して光取出し面から照射させる導光板13とを備えている。光源23からの出射光が導光板13の内部を導光するように該出射光を該導光板13に結合する光結合部材30が、導光板13の、上記光取出し面と対向する背面と、上記光源との間に設けられており、さらに、光結合部材30と基板24とを繋止する繋止部40が、光結合部材30と基板24との間に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光板の下方に光源が設けられた直下型の光源モジュール、および、それを備えた電子機器に関する。より詳細には、バックライトとして好適な光源モジュール、および、それを備えた液晶表示装置等の電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、薄型、軽量に出来ることから色々な分野に使用されている。液晶テレビをはじめとする液晶表示装置においては、光源からの光を導光板によって面状に照射させる導光板を備えたバックライトが多用されている。また、バックライトの光源として、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)が使用されている。
【0003】
バックライトの光源の配置には、直下型と、サイドエッジ型(サイドライト型ともいう)とがある。一般的な直下型は、液晶パネルの下に、LEDをマトリックス状に配列させて液晶パネルを均一に照射する方式である。また、直下型には、LEDと拡散レンズ(光を拡散させるレンズ)を用いてLEDから出射される光を広げて液晶パネルを均一に照射する方式もある。拡散レンズを用いた場合は、光を拡散させてパネルに照射するため、少ない光源数で均一にパネルを照射することができる。
【0004】
しかし、一般的な直下型のバックライトにおいては、光を拡散させて均一に照射するために、光源とパネルまでの距離をある程度とらなければならない。そこで、導光板を利用した直下型のバックライトが検討されている。直下型では、導光板の直下(液晶表示パネルの直下)に光源が配置され、導光板の下方から光を、導光板に入射させる。
【0005】
一方、サイドライト型では、導光板の長手方向の両端面に光源が配置され、各端面から光を導光板に入射させる。
【0006】
しかし、サイドエッジ型のバックライトにおいては、熱膨張により導光板が伸縮する。特に、導光板の長手方向の伸縮量が大きい。このため、導光板の端部においては、光源を導光板に密着させることはできず、熱膨張による伸縮量を見越した隙間を有する構造となっている。この結果、隙間の存在により光源からの光の導光板への入射効率が悪くなる、あるいは動作中に変化するという問題点を有している。液晶表示装置が大型になればあるほど、すなわち、導光板が大型になればなるほど、導光板の伸縮量は大きくなり、この問題も顕著になる。従って、大型の導光板の場合、光源と導光板との隙間を大きくしなければならず、入射効率がさらに低下しやすい。
【0007】
これに対し、直下型のバックライトの場合、導光板の厚さ方向の伸縮量は大きくないので、LEDを導光板に近接して配設することができる。このため、サイドエッジ型のバックライトのような問題は生じない。従って、直下型のバックライトは、サイドエッジ型のバックライトよりも導光板への光の結合効率及び光利用効率を向上できるものとなっている。
【0008】
ところで、例えば、特許文献1には、導光板への結合効率を高めることを目的とした、バックライトが開示されている。具体的には、特許文献1のバックライトは、光源からの光を、導光板の内部に入射するために、多角柱状の光結合部を備えている。この光結合部は、導光板の表面に接している。また、光源は、導光板における光結合部との接触面に対して、斜めに配置されている。これにより、光源からの光は、光結合部材を介して導光板に対して斜め方向に導光板内部に入射され、導光板に光結合される。
【0009】
また、図13に示すように、特許文献2のバックライト200では、導光板210の一端に受光面211a及び反射面211bを有する受光反射部211が形成されている。また、光源であるLED201は、導光板210における受光反射部211の真下に配置されている。そして、受光反射部211に、LED201へ向けて突出した張出部212を設けることによって、LED201からの出射光の取り込み効率を上げている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−257921号公報(2008年10月23日公開)
【特許文献2】特開2004−319164号公報(2004年11月11日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1のバックライトでは、導光板の照射面で反射した光、および、導光板の背面と光結合部との界面で反射した光は、利用されない。このため、特許文献1のバックライトの結合効率は高いとは言い難い。つまり、特許文献1のバックライトも、依然として光源から導光板への結合効率が低く、光利用効率が悪いという問題がある。しかも、特許文献1に開示された技術のように導光板に対して斜め方向に入射するようにLEDを斜めに配置することは、一般的に困難である。例えば、LEDを斜めに配置するために、シャーシにLEDを斜めに保持するための台座を設置した上で、この台座にLEDを斜め方向から実装する必要がある。このため、特許文献1に開示された技術では、バックライトの組立てが困難となり、実用に供し得ない。
【0012】
特許文献2のバックライト200では、導光板210の側部の一端のみに形成された受光反射部211から光を入射させる構成になっている。このため、導光板210の中央にLED201を配置することができない。それゆえ、特に大型の導光板を必要とする大型TVでは、導光板210における中央部の光強度が低下するという問題がある。
【0013】
また、バックライト200の製造方法に着目すると、受光反射部211の加工のため、コスト高となるという問題点がある。
【0014】
まず、導光板210の一部の形状を加工し受光反射部211を形成する場合、導光板210の加工にコストがかかるという問題がある。また、受光反射部211の加工に耐え得る程度に導光板210の厚さを大きくする必要がある。
【0015】
また、受光反射部211を導光板210と別部材で形成し導光板210に接着する場合、受光反射部211を厚さ数mmの導光板210の側面に接着する必要があるので、接着が非常に困難である。それゆえ、導光板210の側面と受光反射部211との接着にコストがかかるという問題がある。
【0016】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、導光板における光取出し面の背面側に光源が設けられた直下型の光源モジュールにおいて、導光板の加工を伴うことなく、光源から導光板への結合効率を高め、光利用効率を向上し得る光源モジュールおよびそれを備えた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の光源モジュールは、上記課題を解決するために、光源と、上記光源を担持した基板と、上記光源からの出射光を導光して光取出し面から照射させる導光板とを備え、上記出射光が上記導光板の内部を導光するように該出射光を該導光板に結合する光結合部材が、該導光板の、上記光取出し面と対向する背面と、上記光源との間に設けられており、上記光結合部材と上記基板とを繋止する繋止部が、該光結合部材と該基板にわたって形成されていることを特徴としている。
【0018】
本発明の光源モジュールは、基板に担持された光源が、導光板における光取出し面の背面側に設けられた、直下型の光源モジュールである。この光源モジュールは、光結合部材の下面に配置された光源から出射される光が、導光板内部を導光するように(すなわち、導光板に対して斜めに入射するように)、光を結合する光結合部材を備えている。
【0019】
上記の発明によれば、光結合部材は、光源を担持した基板に繋止されている。これにより、導光板に入射した光が導光板内部を導光するための入射角が一定に保たれる。従って、光源から導光板への結合効率を高め、光利用効率を向上することができる。このように、本発明の光源モジュールにおける繋止部は、基板に対する光結合部材の適切な位置決めを行うための構造である。
【0020】
本明細書中において、特に説明がない限り、「表面」方向は、本発明の光源モジュールの導光板における光取出し面(照射面)の向きであり、「裏面」方向は光取出し面と対向する背面の向きであり、「側面」方向は、表面方向および裏面方向の両方に直交する向きである。すなわち、本発明の光源モジュールが液晶テレビとして室内に設置された場合、「表面」側はユーザ側であり、「裏面」側はその背面側である。また、本明細書中において直下型の光源モジュールについて説明する場合、「表面」方向および「裏面」方向はそれぞれ「上方」および「下方」ともいい、上面は部材の上方に形成された面であり、下面は下方に形成された面である。
【0021】
上記繋止部は、嵌合構造であることが好ましく、この場合、基板および光結合部材のいずれか一方に凸部が形成されており、該凸部を受容する凹部が他方に形成されている。凹部に凸部を嵌め合わせることによって、上記光結合部材と上記基板とを容易に繋止することができる。
【0022】
さらに、凸部側面には、凸部先端方向に垂直な向きに可撓性である突起部(フック)が形成されていることが好ましく、凹部の側面には上記突起部と掛合する突起収容部(孔または溝)が形成されていることが好ましい。
【0023】
このような構成を有している場合、凸部が凹部に挿入された際に、該突起部は凹部の側面からの押力によって凸部内向きに収縮し、突起収容部へ到達した際に、収縮していた突起部が凸部外向きに開放されて突起収容部に掛合する。これにより、基板に対して垂直な方向への光結合部材の脱離を防ぐことができるとともに、基板に対して垂直な方向への光結合部材の位置決めを正確に行うことができる。また、凹部と凸部との嵌合が緩い場合であっても、突起部および突起収容部の掛合を併用することによって、光結合部材と基板との強固な繋止を実現することができる。
【0024】
さらに、本発明の光源モジュールにおいて、上記光結合部材と上記基板との接触を回避するためのスペーサが、上記光結合部材と上記基板との間に設けられていることが好ましい。これにより、上記光結合部材と上記基板との繋止による光源の破損を防止することができる。
【0025】
上記基板に凹部が形成される場合、凹部は、基板上への光源の配置を妨げない箇所に設けられればよい。上記光結合部材に凹部が形成される場合、結合効率の低下を避けるために、凹部は、光源から導光板までの光路を遮らないように設けられればよい。
【0026】
上記光結合部材に凹部が形成される場合、本発明の光源モジュールは、上記導光板に光結合せずに光結合部材に戻った光を、導光板に反射する第1の反射部材を上記凹部に備えていることが好ましい。上記構成を有することにより、光源から導光板への結合効率が高められ、光利用効率を向上させることができる。また、光結合部材を軽量化させると共に、光結合部材の材料費を削減することが可能となる。
【0027】
なお、特許文献1には、本発明における凹部を設けることも、第1の反射部材を設けることも一切記載されていない。つまり、特許文献1では、導光板に光結合せずに光結合部材へ戻った光を、再度導光板に光結合するように再反射させることはできない。
【0028】
本発明の光源モジュールにおいて、上記光結合部材は、導光板の下面に平面で当接する頂部平坦面を有しており、上記導光板の下面に、上記頂部平坦面との接触部分を避けて設けられた、導光板内部を導光する光を反射させる第2の反射部材を備えていることが好ましい。
【0029】
上記発明によれば、光結合部材は、導光板の下面に平面で当接する頂部平坦面を有している。このため、導光板と頂部平坦面との接触部分には、導光板内部を導光する光を反射させる第2の反射部材を設けることができない。その結果、導光板に光結合しなかった光が、光結合部材へ戻りやすい。従って、特に、導光板と頂部平坦面との接触部分(接合部分)では、結合効率の低下や、輝度ムラの発生など、光学特性に影響が出やすい。
【0030】
しかし、上記発明によれば、導光板に光結合せずに光結合部材へ戻った光は、第1の反射部材によって、導光板へ確実に反射される。これにより、導光板と頂部平坦面との接触部分において、光源から導光板への結合効率を高め、光利用効率を向上することができる。従って、第2の反射部材が形成された領域と、形成されていない領域との光取り出し効率を均一にすることができる。それゆえ、光源モジュールの輝度均一性を向上することができる。
【0031】
なお、光結合部材の頂部平坦面は、直接導光板に接していてもよいし、接着部を介して導光板に接していてもよい。
【0032】
本発明の光源モジュールにおいて、上記凹部は、上記頂部平坦面に対して平行な平坦面を有し、上記第1の反射部材は、上記平坦面に設けられていることが好ましい。
【0033】
上記の発明によれば、第1の反射部材が、凹部に形成された平坦面上に設けられている。従って、凹部への第1の反射部材の形成を容易に実施することができる。
【0034】
本発明の光源モジュールにおいて、上記平坦面は、上記導光板の下面に対して平行であることが好ましい。
【0035】
上記の発明によれば、光結合部材の頂部平坦面と、第1の反射部材が設けられる平坦面とが、いずれも導光板の下面と平行となる。従って、第1の反射部材が設けられる平坦面において、光の拡散を抑制することができる。
【0036】
本発明の光源モジュールにおいて、上記光源は、複数のLEDからなり、上記LEDは、上記光結合部材の長手方向に沿って2列に並んで設けられていることが好ましい。これにより、導光板に入射させるときに、2列の光源をそれぞれ反対方向に光出射させることによって、2列間の中点を通る線を軸対称として光結合部材の両側つまり導光板の両端側にそれぞれ導光させることができる。尚、上記2列間の中点を通る線が導光板の中心線に一致する場合には、導光板の中心線を軸対称として導光板の両端側にそれぞれ導光させて該導光板の中心線に軸対称となる輝度分布を得ることができる。したがって、導光板において輝度分布の均一化を図ることができる。なお、LEDは形状が小さくかつ照度も大きいので、バックライトの光源として適切である。
【0037】
本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、前記いずれかの光源モジュールを備えていることを特徴としている。
【0038】
上記の発明によれば、光源から導光板への結合効率を高め、光利用効率を向上することのできる光源モジュールを備えた電子機器を提供することができる。
【0039】
なお、本願明細書において、「垂直」および「平行」とは、完全な垂直、または、完全な平行であることのみを示すのではなく、実質的に同様の作用効果が得られる範囲であればよい。つまり、「垂直」および「平行」は、「略垂直」および「略平行」を包含する意味である。
【発明の効果】
【0040】
本発明は、導光板の加工を伴うことなく、光源から導光板への結合効率を高め、光利用効率を向上した光源モジュールおよび電子機器を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明における液晶表示装置の実施の一形態を示す断面図である。
【図2】上記液晶表示装置の構成を示す分解斜視図である。
【図3】上記液晶表示装置における光源ユニットの構成を示す斜視図である。
【図4】上記液晶表示装置における光源モジュールの構成を示す斜視図である。
【図5】(a)はLEDから出射した光が放物面を有する光結合部材を介して導光板に入射するときの光路を示す断面図であり、(b)はそのLED近傍を示す要部断面図である。
【図6】(a)はLEDから出射した光が楕円面を有する光結合部材を介して導光板に入射するときの光路を示す断面図であり、(b)はそのLED近傍を示す要部断面図であり、(c)は頂部平坦面近傍を示す要部断面図である。
【図7】図6(b)の構成におけるLEDと曲面の焦点との位置関係を示し、(a)は、LEDの発光点が焦点よりも端部側にある場合の光路を示した断面図であり、(b)は、LEDの発光点が焦点と一致する場合の光路を示した断面図であり、(c)は、LEDの発光点が焦点よりも中央部側にある場合の光路を示した断面図であり、(d)は、LEDにおける中央部側の端部が焦点よりも端部側にある場合を示す断面図であり、(e)は、LEDにおける中央部側の端部が焦点よりも中央部側にある場合を示す断面図である。
【図8】(a)は、頂部平坦面の幅と導光板下面に照射される光線照射領域の幅との関係を模式的に示した断面図であり、(b)は、頂部平坦面の幅が光線照射領域の幅よりも小さい場合を示し、(c)は、頂部平坦面の幅が光線照射領域の幅よりも大きい場合を示す。
【図9】(a)は液晶表示装置の構成を示す断面図であり、(b)は導光板の高さ方向の輝度分布を示すグラフである。
【図10】上記液晶表示装置の端部の構成を示す要部断面図である。
【図11】上記液晶表示装置における光源ユニットの構成を示す断面図である。(a)は、光結合部材に設けられた凸部がヒートシンクを貫通して、光結合部材およびヒートシンクが繋止されていることを示す断面図であり、(b)は、光結合部材に設けられた凸部がLED基板に設けられた凹部に受容されて、光結合部材およびLED基板が繋止されていることを示す断面図である。
【図12】上記液晶表示装置における光源ユニットの構成を示す断面図である。(a)は、ヒートシンクに設けられた凸部が光結合部材に設けられた凹部に受容されて、光結合部材およびヒートシンクが繋止されていることを示す断面図であり、(b)は、LED基板に設けられた凸部が光結合部材に設けられた凹部に受容されて、光結合部材およびLED基板が繋止されていることを示す断面図であり、(c)は、嵌挿部材がヒートシンクを介して表面側に突出することによってヒートシンクの凸部を形成し、これが、光結合部材に設けられた凹部に受容されて、光結合部材およびヒートシンクが繋止されていることを示す断面図であり、(d)は、(a)の構成における頂部平坦面に対向する凹部の平坦面に反射シートが設けられていることを示す断面図である。
【図13】特許文献2のバックライトの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の一実施形態について図1〜図12に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0043】
図2は、本発明の光源モジュールを備えた液晶表示装置(電子機器)の構成を示す分解斜視図である。本実施の形態の液晶表示装置1は、図2に示すように、下(背面側)から上(表面側)へ向う順に、光源モジュール10、拡散シート2、プリズムシート3、液晶パネル4及びベゼル5にて構成されている。
【0044】
そして、光源モジュール10は、下から上へ向う順に、光源ユニット20、シャーシ11,反射シート12、および導光板13にて構成されている。シャーシ11は、光源ユニット20内の図示せぬ光結合部材30が導光板13に当接する部分で2つに区切られ11a、11bで構成される。反射シート12も、シャーシ11と同様に光源ユニット20内の図示せぬ光結合部材30が導光板13に当接する部分で2つに区切られ、反射シート12a、12bで構成される。シャーシ11a、11bと反射シート12a、12bとの間にスリット14が形成される。
【0045】
また、光源ユニット20には、図3に示すように、帯状に形成された光源ホルダー21の上にシート状のヒートシンク22が設けられていると共に、このヒートシンク22の上には、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)基板24a・24bが設けられ、光源としての半導体のLEDチップが光源ユニット20の長手方向に沿ってLED基板24a・24b上に配置されている。半導体のLEDチップは非常に微細なサイズであるため、図3では、図面の煩雑さを防ぐための記載を割愛する。なお、本実施の形態では、光源としてLEDチップ25a・25bを用いているが、これに限るものではなく、例えば、パッケージに収納されたLEDでもよく、有機EL発光素子又は無機EL発光素子を用いることも可能である。なお、シャーシ11と光源ホルダー21が板状部材の成形等で一体に形成されていても構わない。
【0046】
上記LEDチップの上部には、上記光結合部材30が設けられている。すなわち、LED基板24a・24b上に図示せぬLEDチップが配列され、その上部に光結合部材30が配置される。しかしそのまま光結合部材30を載せたのでは、LEDチップが破損するので、光結合部材30はLEDチップとの間に高さ方向に僅かに隙間をもって配置される。光結合部材30は断面略U字形状(図3ではトンネル状)をしており、2つの端面側に0.5mm程度の高さのスペーサ23a・23bを設けている。このスペーサ23a・23bのおかげで、LED基板24a・24bと、光結合部材30の上記2つの端面間にLEDチップを配置しかつチップを破損させない隙間を設けることができる。
【0047】
すなわち、本実施の形態の液晶表示装置1は、図1に示すように、液晶パネル4と、液晶パネル4に光を照射する導光板13と、導光板13に光を結合する光学素子としての光結合部材30と、上記光結合部材30に入射光を発するLEDチップ25a・25bとを備え、上記液晶パネル4、導光板13、光結合部材30、LEDチップ25a・25bが表面側から裏面側へ向けてこの順に並んで配設されたものからなっている。光結合部材30はLEDチップ25a・25bを破損しないためのスペーサ23a・23bが構成される。したがって、本実施の形態の液晶表示装置1における光源モジュール10は、LEDチップ25a・25bが導光板13の下方に設けられた光源直下型の光源モジュールとなっている。
【0048】
また、図1に示すように、液晶表示装置1の裏面側には、突出部として光源ユニット20が設けられており、その内部に光結合部材30とLEDチップ25a・25bとが格納された構成となっている。また、光源ユニット20は、液晶表示装置1の長手方向に帯状に形成されており、内部に格納されている光結合部材30も液晶表示装置1の長手方向に帯状に形成されている。
【0049】
ここで、本実施の形態では、光結合部材30は、図4に示すように、導光板13とLEDチップ25a・25bからなる光源25との間に設けられた断面略かまぼこ状の帯体からなっていると共に、光結合部材30の材質は導光板13の材質と同じ樹脂からなっている。詳細には、光結合部材30における導光板13側の表面は、平板状の導光板13に当接する頂部平坦面31と、この頂部平坦面31から両端側にそれぞれ曲面(反射面)32a・32bを有する形状からなっている。なお、導光板13と光結合部材30とは、別部材であり、その間に空気が介在しないようになっている。具体的には、両部材は、接着剤やレーザ溶着により接合されている。
【0050】
光源モジュール10によれば、例えばLEDチップ25aから出射された光が光結合部材30の曲面32aにて反射され、その反射光が光結合部材30の頂部平坦面31に到達し、到達方向を維持して導光板13に入射する。そして、導光板13に入射された光は、図4に示す導光板13の右側の内部を全反射して進みつつ、図示しない光路変換部である光散乱体と衝突することにより導光板13中を進む角度が変わり、全反射条件が破られ、導光板13の液晶パネル4側表面から出射し、拡散シート2及びプリズムシート3を通して液晶パネル4に向かう。
【0051】
このように、光源モジュール10によれば、光結合部材30の厚さ方向の伸縮量は大きくないため、伸縮量を考慮して、LEDチップ25a・25bと光結合部材30との間にクリアランスを設ける必要がない。また、LEDチップ25a・25bからの出射光は、光結合部材30に入射すると、曲面32a・32bにて反射され、頂部平坦面31を介して導光板13に入射する。光結合部材30の材質は導光板13の材質と同じ樹脂からなっているので、LEDチップ25a・25bからの出射光は、光の損失なしに頂部平坦面31を通過し導光板13に入射する。それゆえ、LEDチップ25a・25bからの出射光が外部に直接漏れることを防止することができ、光結合効率を向上させることができる。
【0052】
また、光源モジュール10によれば、導光板13と光結合部材30とは別部材であり、かつ通常使用されている平板状の導光板13に光結合部材30が接着された構造である。このため、導光板13への加工が不要となり、コストダウンを実現することができる。
【0053】
また、本実施の形態の光源モジュール10では、LEDチップ25a・25bからの出射光は、導光板13に対して垂直方向に放射して、光結合部材30に入射する。そして、光結合部材30の側面の曲面32a・32bにて反射し、光路の方向が、(導光板13に対して)垂直方向から(導光板13に対して)斜め方向に変換されて、頂部平坦面31を介して導光板13に光結合する。
【0054】
一方、光源からの光を、光結合部材を介して導光板に対して斜め方向に導光板内部に導入し、導光板と光結合する技術として、特許文献1に開示された技術が知られている。開示された技術では、光源(LED)は、導光板に対して斜めに配置されている。すなわち、光源からの光の出射方向が導光板に対して斜め方向である。
【0055】
しかし、特許文献1に開示された技術のように導光板に対して斜め方向に入射するようにLEDを斜めに配置することは、一般的に困難である。例えば、LEDを斜めに配置するために、シャーシにLEDを斜めに保持するための台座を設置した上で、この台座にLEDを斜め方向から実装する必要がある。このため、特許文献1に開示された技術では、バックライトの組立てが困難となり、実用に供し得ない。
【0056】
これに対し、光源モジュール10では、出射光が導光板13に対して垂直方向に放射するようにLEDチップ25a・25bが配置されている。すなわち、特許文献1に記載の技術のように、導光板に対して斜め方向に入射するようにLEDを斜めに配置する必要がなく、LEDチップ25a・25bを平板状のシャーシ11に対し垂直にかつ真上から実装するのみである。それゆえ、本実施の形態の光源モジュール10では、組立て方法や構造を単純化することが可能である。このように、本実施の形態の光源モジュール10は、特許文献1の技術に対し、構造的な面で、LEDチップ25a・25bを垂直に実装できるというメリットがある。
【0057】
また、上記曲面32a・32bの形状は、LEDチップ25a・25bからの出射光を結合させる機能を有していればよい。例えば、図5(a)に示すように、曲面32a・32bの形状は、断面放物線とすることができる。ただし、必ずしもこれに限らず、断面楕円、弓型等の湾曲形状、又は頂部平坦面31から斜めに傾斜する平面であっても、導光板に光を有効に結合できる形状であれば構わない。また、光結合部材30における導光板13側とは反対側の表面、つまり光結合部材30の下端は、下端平坦面33となっており、その一部に上述したスペーサ23a・23bが形成され、LEDチップ25a・25bと、光結合部材30との衝突を防ぐ。LEDチップ25aは、LED基板24aにボンディングされており、スペーサ23aの近傍に接着剤等を塗布し、LED基板24aと接着固定される。なお、図面において、LEDチップ25a・25bは、光結合部材30との間に若干の隙間が形成されているが、これに限られず、LEDチップ25a・25bに損傷を与えない範囲であれば、LEDチップ25a・25bが光結合部材30と密着していても構わない。
【0058】
なお、本実施の形態では、曲面32a・32bにて反射する光の導光板13への光路が確保できればよいので、光結合部材30の下端側の中央部を、光路とならない部分(光が通過しない部分)としてくり抜くことができる。これにより、コスト削減を図ることができる。光路とならない部分をくり抜いた光結合部材30を用いた構成は、図1および3を参照のこと。また、くり抜いた部分に反射シートを設けることも可能である。これにより、頂部平坦面31での導光板13から液晶パネル4への照射を向上させることができる。
【0059】
また、光結合部材30の下端平坦面33の下側には、LEDチップ25a・25bがそれぞれ近接して設けられている。曲面32a・32bが断面放物線からなる場合、これらLEDチップ25a・25b(における中央部側(頂部平坦面31側)の端部)は、図6(b)に示すように、断面放物線からなる曲面32a・32bの焦点fの位置よりも端部側に存在することが好ましい。これにより、LEDチップ25a・25bから放射される光を曲面32a・32bで全反射することができ、効率よく頂部平坦面31に光を到達させることが可能になる。その結果、LEDチップ25a・25bから放射される光を効率的に導光板13に光結合させることができ、サイドエッジ型の構成よりも光結合効率を向上させることができる。
【0060】
また、曲面32が断面楕円からなる場合、図6(b)及び図7に示すように、LEDチップ25a・25b(における中央部側(頂部平坦面31側)の端部)は、断面楕円からなる曲面32a・32bにおける一方の焦点fの位置よりも端部側に存在することが好ましい。さらに、この場合、図6(c)に示すように、曲面32a・32bにおける他方の焦点fは、導光板13の下面に一致していることが好ましい。これにより、LEDチップ25a・25bから放射される光を曲面32a・32bで全反射することができる。それゆえ、LEDチップ25a・25bから放射される光を効率的に導光板13に光結合させることができる。断面楕円からなる曲面は、断面放物線からなる曲面よりも光を絞って導光板13に光結合させることが可能である。それゆえ、光結合効率を向上させる観点から、曲面32a・32bは、断面楕円からなることがより好ましい。
【0061】
LEDチップ25a・25bと曲面32a・32bの焦点fとの位置関係について、図7を参照して、さらに詳述する。図7は、LEDチップ25aと曲面32aの焦点fとの位置関係を示し、図7(a)は、LEDチップ25aの発光点が焦点fよりも端部側にある場合の光路を示した断面図であり、図7(b)は、LEDチップ25aの発光点が焦点fと一致する場合の光路を示した断面図であり、図7(c)は、LEDチップ25aの発光点が焦点fよりも中央部側にある場合の光路を示した断面図である。また、図7(d)は、LEDチップ25aにおける中央部側(頂部平坦面31側)の端部が焦点fよりも端部側にある場合を示す断面図であり、図7(e)は、LEDチップ25aにおける中央部側の端部が焦点fよりも中央部側にある場合を示す断面図である。
【0062】
LEDチップ25aと曲面32aの焦点fとの位置関係は、図6(b)に示すように、(a)LEDチップ25aの発光点が焦点fよりも端部側にある場合、(b)LEDチップ25aの発光点が焦点fと一致する場合、(c)LEDチップ25aの発光点が焦点fよりも中央部側にある場合が考えられる。
【0063】
図7(a)から、LEDチップ25aの発光点が焦点fよりも端部側にある場合、LEDチップ25aから放射された光は、全て頂部平坦面31を通過し導光板13と光結合することがわかる。また、図7(b)から、LEDチップ25aの発光点が焦点fと一致する場合、LEDチップ25aから放射された光は、全て頂部平坦面31(導光板13の下面)上に存在する焦点fに集光する。一方、LEDチップ25aの発光点が焦点fよりも中央部側にある場合、図7(c)からLEDチップ25aから放射された光の大部分は、頂部平坦面31を通過せず導光板13と光結合しないことがわかる。
【0064】
ここで、LEDチップ25aは、有限のサイズを有している。それゆえ、LEDチップ25aからの放射光は、光結合部材30の下面(下端平坦面33)に、少なくともLEDチップ25aのサイズで入射する。このとき、図7(d)に示すように、LEDチップ25aにおける中央部側の端部が焦点fよりも中央部側にある場合、LEDチップ25aから放射された全ての光は、光結合部材30の下面における焦点fまたは焦点fよりも端部側から出射するので、頂部平坦面31を通過し導光板13と光結合する。それゆえ、図7(d)に示すように、LEDチップ25aにおける中央部側の端部が焦点fよりも中央部側にある場合、光結合効率が向上することが可能になる。
【0065】
一方、図7(e)に示すように、LEDチップ25aにおける中央部側の端部が焦点fよりも中央部側にある場合、LEDチップ25aから放射された光の一部は、光結合部材30の下面における焦点fよりも中央部側から出射することになり、導光板13と光結合しない光となる。よって、図7(e)のように、LEDチップ25aにおける中央部側の端部が焦点fよりも中央部側にある場合、光結合効率が低くなるので、好ましくない。
【0066】
また、帯状体である光結合部材30の伸びる方向(以下、単に伸長方向とする)及び導光板13の厚さ方向の両方に垂直な方向(以下、単に幅方向とする)において、頂部平坦面31の幅Xは、LEDチップ25a・25bにより導光板13の下面に照射される光線照射領域の幅と同じであることが好ましい。これにより、LEDチップ25a・25bから放射される光を効率的に導光板13に光結合させることができる。図8(a)は、頂部平坦面31の幅と導光板13下面に照射される光線照射領域の幅との関係を模式的に示した断面図であり、図8(b)は、頂部平坦面31の幅が光線照射領域の幅よりも小さい場合を示し、図8(c)は、頂部平坦面31の幅が光線照射領域の幅よりも大きい場合を示す。なお、図8(a)〜(c)では、図面の明確さの観点から、LEDチップ25aから放射された光のみを示している。
【0067】
実際には、LEDチップ25bからも光が放射されている。図8(a)に示す構成においては、LEDチップ25bから放射された光の光路は、LEDチップ25aから放射された光の光路と、導光板13下面で交差する。ここでいう「光線照射領域」とは、LEDチップ25a及び25bの放射光により照射された導光板13下面の領域を意味する。
【0068】
頂部平坦面31の幅が光線照射領域の幅よりも小さい場合(曲面32a・32b’が形成され頂部平坦面31の幅がX1である場合)、光結合効率が低下するため好ましくない。図8(b)に示すように、LEDチップ25aから放射される光は、曲面32aで反射して、その一部が点線で囲んだ部分に到達する。点線で囲んだ部分に到達した光は、光結合部材30の外部に漏れるか、あるいは反射されて反対側のLEDチップ25bに到達し迷光となる。その結果、光結合効率が低下する。
【0069】
また、頂部平坦面31の幅が光線照射領域の幅よりも大きい場合(曲面32a・32b’’が形成され頂部平坦面31の幅がX2である場合)も、光結合効率が低下するため好ましくない。図8(c)に示すように、頂部平坦面31を通過し導光板13に入射した光の一部L1が光結合部材30内に再度反射してしまう。この結果、光結合効率が低下する。
【0070】
このように伸長方向及び導光板13の厚さ方向に垂直な方向において、頂部平坦面31の幅は、光線照射領域の幅よりも大きくても小さくても、光結合効率が低下してしまう。したがって、頂部平坦面31の幅は、LEDチップ25a・25bにより導光板13の下面に照射される光線照射領域の幅と同じであることが好ましい。
【0071】
また、光結合部材30の高さは、LEDチップ25a・25bから放射された光が曲面32a・32bで少なくとも1回当たる高さであることが好ましい。LEDチップ25a・25bは、所定の放射角度で光を放射する。一般的に、LEDチップ25a・25bの放射角度は、84°である。このような放射角度で放射する光の一部が曲面32a・32bで反射せずに導光板13に入射した場合、導光板13内部で反射せず光漏れが生じるおそれがある。このような光漏れを回避するために、LEDチップ25a・25bからの放射光の全てが曲面32a・32bで少なくとも1回反射されるように、光結合部材30の高さが設定されていることが好ましい。
【0072】
この結果、本実施の形態の液晶表示装置1における光源モジュール10では、液晶表示装置1の画面の中央部に横切って帯状の光源ユニット20を設けることにより、図9(a)〜(b)に示す輝度分布を有する導光板13からの出射光を得ることができる。そして、この画面の中央が明るいという輝度分布は、液晶表示装置1を適切に表示するための輝度分布に一致している。したがって、従来のサイドエッジ型のバックライトよりも、優れているといえる。
【0073】
また、本実施の形態の光源モジュール10では、従来のサイドエッジ型のバックライトとは異なり、液晶パネル4の端部に光源が存在しないので、図10に示すように、液晶パネル4の端部に直接、フレーム6を設けることが可能である。その結果、額縁寸法を小さくすることが可能になる。
【0074】
また、本実施の形態の液晶表示装置1における光源モジュール10では、導光板13の直下にLEDチップ25a・25bを備えた光源モジュール本体20が配置されている。導光板13の厚み方向の伸縮量は大きくないので、導光板13の伸縮量を考慮したクリアランスを設定する必要がない。それゆえ、光結合効率を向上させることができる。
【0075】
表1は、本実施の形態の光源モジュール10とサイドエッジ型バックライトとについて、光結合効率を比較した結果を示す。表1においては、光結合部材30の曲面32a・32bが断面放物線からなる構成、光結合部材30の曲面32a・32bが断面楕円からなる構成、及び比較例としてサイドエッジ型バックライトについて、光結合効率を算出した。
【0076】
【表1】

【0077】
表1の結果から、光結合部材30を備えた光源モジュール10は、サイドエッジ型バックライトよりも光結合効率が大きくなっていることがわかる。
【0078】
尚、本実施の形態においては光源モジュール本体20には、2列のLEDチップ25a・25bが設けられていた。しかし、必ずしもこれに限らず、光結合部材の片側のみに1列のLEDチップが配された構成とすることも可能である。
【0079】
このように、本発明の光源モジュールは、基板に担持された光源が、導光板における光取出し面の背面側に設けられた、直下型の光源モジュールである。この光源モジュールは、光結合部材の下面に配置された光源から出射される光が、導光板内部を導光するように(すなわち、導光板に対して斜めに入射するように)、光を結合する光結合部材を備えている。そして、図4〜8を参照して説明した光結合を精密かつ安定的に維持するために、本発明の光源モジュールは、基板に対して光結合部材を適切に位置決めするための構造を備えている。
【0080】
すなわち、本実施の形態の光源モジュール10は、光結合部材30とヒートシンク22またはLED基板24とを繋止する繋止部40が、光結合部材30とヒートシンク22またはLED基板24にわたって形成されていることを特徴としている。
【0081】
図11(a)〜(b)に示すように、本実施の形態の光源ユニット20は、LEDチップ25a・25bを担持したLED基板24(24a・24b)がヒートシンク22上に配置されている。図11(a)には、光結合部材30に設けられた凸部40aが、ヒートシンク22に設けられた貫通孔に嵌め合わされてヒートシンク22を貫通していることを示す。凸部40aはその側面が外向きに突出したフックを有しており、フック部分が、貫通したヒートシンク22の裏面に掛合している。フック先端が、凹部内壁よりも外側へ突出していることによって、光結合部材30はヒートシンク22に繋止されている。図11(b)には、光結合部材30に設けられた凸部40aが、LED基板24に設けられた凹部40bに嵌め合わされていることを示す。凸部40aはその側面が外向きに突出したフックを有しており、凹部40bはその側面に孔を有している。フック先端が、凹部40b内壁よりも外側へ突出していることによって、フック部分が、凹部40bの孔に掛合している。この構成によって、光結合部材30はLED基板24およびヒートシンク22に繋止されている。
【0082】
なお、図11(a)〜(b)に示すように、凸部40aは、その先端方向に垂直な平面にて分離された複数の部材からなり、そのフック先端が、凹部40b内壁よりも外側へ向けて突出している。このような構成を有していることによって、凸部40aの先端方向に垂直に外部から押力が加わった際に、分離された各部材が内向きに傾くことができる。その結果、フックの先端が凸部40aの内向きに収縮して、凹部40b内壁よりも内側へ移動し、凸部40aの凹部40bへの嵌合を可能にする。そして、凸部40aがヒートシンク22を貫通した際に、あるいは、凸部40aのフック先端が凹部40bの孔に到達した際に、凸部40aのフックは、ヒートシンク22の裏面にて上記押力から解放されて元々の位置に回復する。このように、凸部40aのフックは、凸部40a先端方向に垂直な向きに可撓性である。
【0083】
このような構成を有していることにより、光源23a・23bを直接的に担持したLED基板24。または光源23a・23bを間接的に担持したヒートシンク22に光結合部材30が繋止され、その結果、導光板13に入射した光が導光板13内部を導光するための入射角が精密かつ安定的に保たれる。その結果、光源23a・23bから導光板13への結合効率を高め、光利用効率の向上が実現する。
【0084】
凸部40aに設けられたフックの形状は、上述した機能を果たす限りにおいて、特に限定されない。また、凹部40bに設けられた孔もまた、上述した機能を果たす限りにおいて、特に限定されず、溝形状であってもよい。また、凸部40aのフックの可撓性は、凸部40aのフックそのものに付与されていてもよく、凸部40a全体が可撓性を有していることによって、フックにその機能を提供してもよい。
【0085】
また、図11(a)〜(b)に示すように、光結合部材30とLEDチップ25a・25bとの接触を回避するためのスペーサ23(23a・23b)が、光結合部材30とLED基板24(24a・24b)との間に設けられている。これにより、光結合部材30とLED基板24との繋止によるLEDチップ25a・25bの破損を防止することができる。
【0086】
繋止部40を構成する凸部40aが光結合部材30に設けられ、凹部40bがヒートシンク22またはLED基板24に設けられた構成を用いて本実施の形態を説明したが、以下に示すように、繋止部40を構成する凸部40aがヒートシンク22またはLED基板24に設けられ、凹部40bが光結合部材30に設けられた構成であってもよい。
【0087】
図12(a)〜(d)に示すように、本実施の形態の光源ユニット20は、LEDチップ25a・25bを担持したLED基板24(24a・24b)がヒートシンク22上に配置されている。図12(a)には、ヒートシンク22に設けられた凸部40aが、光結合部材30に設けられた凹部40bに嵌め合わされていることを示す。図12(b)には、LED基板24に設けられた凸部40aが、光結合部材30に設けられた凹部40bに嵌め合わされていることを示す。図12(c)には、嵌挿部材40a’がヒートシンク22を介して表面側(図中上方)に突出することによって、図12(a)の凸部40aを形成し、これが、光結合部材30に設けられた凹部40bに嵌め合わされていることを示す。凸部40aはその側面が外向きに突出したフックを有しており、凹部40bはその側面に孔を有している。フック先端が、凹部40b内壁よりも外側へ突出していることによって、フック部分が、凹部40bの孔に掛合している。このような構成によって、光結合部材30はヒートシンク22およびLED基板24a・24bに繋止されている。
【0088】
このような構成を有していることにより、LEDチップ25a・25bを直接的に担持したLED基板24、またはLEDチップ25a・25bを間接的に担持したヒートシンク22に光結合部材30が繋止され、その結果、導光板13に入射した光が導光板13内部を導光するための入射角が精密かつ安定的に保たれる。その結果、LEDチップ25a・25bから導光板13への結合効率を高め、光利用効率の向上が実現する。なお、光利用効率の観点から、凹部40bは、LEDチップ25a・25bからの光の光路を遮らないように設けられていることが好ましいが、凹部40bは、LEDチップ25a・25bからの光の光路の少なくとも一部を避けて設けられていればよく、LEDチップ25a・25bからの光の光路の全てを避けて設けられていてもよい。これにより、光結合部材30の軽量化と共に、光結合部材30の材料費を削減することが可能となる。
【0089】
ところで、上述したように、本実施形態の光源モジュール10は、光源ユニット20が導光板13の下方に設けられた、直下型の光源モジュールである。さらに、図4〜5等のように、この光源ユニット20は、LEDチップ25a・25bから出射される光が、導光板13内部を導光するように(すなわち、導光板13に対して斜めに入射するように)、光を結合する光結合部材30を備えている。また、図11〜12のように、光結合部材30とヒートシンク22または基板24とを繋止する繋止部40を構成する凸部40a・40a’および凹部40bが、光結合部材30と光結合部材30とヒートシンク22または基板24との間に形成されている。
【0090】
図11のように、光結合部材30に凸部40aが形成されている場合、凹部(または貫通孔)は、ヒートシンク22やLED基板24だけでなく、ヒートシンク22を背面から保持する光源ホルダー21にわたって形成されていてもよい。すなわち、光源23を担持する基板は、光源ホルダー21、ヒートシンク22およびLED基板24の全てであり得る。
【0091】
また、凹部40bが、光結合部材30に、LEDチップ25a・25bからの光の光路の少なくとも一部を避けて形成されている場合、図12(d)のように、この凹部40bの内面に、反射シート35が設けられていることが好ましく、特に、光結合部材30の頂部平坦面31に対して平行な平坦面34に設けられていることが好ましい。
【0092】
光結合部材30への凹部40bの形成方法は、特に限定されるものではない。例えば、凹部40bが形成されるような金型を用いて光結合部材30を成型すれば、最初から凹部40bを有する光結合部材30が一体形成される。また、光結合部材30を切削加工して、凹部40bを形成することもできる。
【0093】
なお、特許文献1には、本発明における凹部40bを設けることも、反射シート35を設けることも一切記載されていない。つまり、特許文献1では、導光板に光結合せずに光結合部に戻った光を、再度導光板に光結合するように再反射させることはできない。
【0094】
また、光源ユニット20では、光結合部材30は、導光板13の下面に平面で当接する頂部平坦面31を有しており、導光板13の下面に、反射シート12が設けられていることが好ましい。反射シート12は、導光板13と頂部平坦面31との接触部分を避けて設けられており(図1および2参照)、導光板13内部を導光する光を反射させる。
【0095】
このような構成では、光結合部材30の、導光板13と頂部平坦面31との接触部分には、導光板13内部を導光する光を反射させる反射シート12を設けることができない。その結果、導光板13に光結合しなかった光が、光結合部材30に戻りやすい。従って、特に、導光板13と頂部平坦面31との接触部分(接合部分)では、結合効率の低下や、輝度ムラの発生など、光学特性に影響が出やすい。
【0096】
しかし、導光板13に光結合せずに光結合部材30に戻った光は、凹部40bに設けられた反射シート34によって、導光板13へ確実に反射される。これにより、導光板13と頂部平坦面31との接触部分において、LEDチップ25a・25bから導光板13への結合効率を高め、光利用効率を向上することができる。従って、反射シート12が形成された領域と、形成されていない領域との光取り出し効率を均一にすることができる。それゆえ、光源モジュールの輝度均一性を向上することができる。
【0097】
なお、光結合部材30の頂部平坦面31は、直接導光板13に接していてもよいし、接着部を介して導光板13に接していてもよい。
【0098】
図12(a)〜(d)に示した光結合部材30では、凹部40bにおける頂部平坦面31との対向部分34が平面となっている。しかし、凹部40bにおける頂部平坦面31との対向部分の形状は、平面に限定されるものではなく、光結合部材30とヒートシンク22または基板24との繋止が実現する限りにおいて、図1および3に示されるような、断面が弓状または円弧状であってもよい。
【0099】
なお、本実施の形態においては光源ユニット20には、2列のLEDチップ25a・25bが設けられていた。しかし、必ずしもこれに限らず、例えば、片側のみの光結合部材(一列配置のLED)とすることも可能である。
【0100】
また、本実施の形態では、光源モジュール10を液晶表示装置1に適用していた。しかし、必ずしもこれに限らず、例えば、光源モジュール10を照明装置に適用することが可能である。すなわち、本実施の形態の光源モジュール10は、そのまま大型平面光源への適用が可能である。また、導光板13の周辺に部材が不要であることから、シームレスに並べることにより、さらに、大きな平面光源への適用が可能である。
【0101】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、テレビ、モニター等の液晶表示装置のバックライトに用いることができ、特に、光源直下型のバックライトに適用可能である。
【符号の説明】
【0103】
1 液晶表示装置
2 拡散シート
3 プリズムシート
4 液晶パネル
10 光源モジュール
11 シャーシ
11a・11b シャーシ
12 反射シート(第2の反射部材)
12a・12b 反射シート(第2の反射部材)
13 導光板
14 スリット
20 光源ユニット
21 光源ホルダー(基板)
22 ヒートシンク(基板)
23 スペーサ
23a・23b スペーサ
24 LED基板(基板)
24a・24b LED基板(基板)
25 LED(光源)
25a・25b LEDチップ(光源)
30 光結合部材
31 頂部平坦面
32 曲面
32a・32b 曲面
33 下端平坦面
34 平坦面
35 反射シート(第1の反射部材)
40 繋止部
40a 凸部(繋止部)
40a’ 嵌挿部材(凸部、繋止部)
40b 凹部(繋止部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
上記光源を担持した基板と、
上記光源からの出射光を導光して光取出し面から照射させる導光板とを備え、
上記出射光が上記導光板の内部を導光するように該出射光を該導光板に結合する光結合部材が、該導光板の、上記光取出し面と対向する背面と、上記光源との間に設けられており、
上記光結合部材と上記基板とを繋止する繋止部が、該光結合部材と該基板にわたって形成されていることを特徴とする光源モジュール。
【請求項2】
前記繋止部は、前記基板および前記光結合部材のいずれか一方に形成されている凸部が、他方に形成されている凹部に受容される嵌合構造であることを特徴とする請求項1に記載の光源モジュール。
【請求項3】
前記凸部側面には、前記凸部先端方向に垂直な向きに可撓性である突起部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の光源モジュール。
【請求項4】
前記凹部の側面には前記突起部と掛合する突起収容部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の光源モジュール。
【請求項5】
前記基板および前記光結合部材との間にスペーサが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光源モジュール。
【請求項6】
前記凹部が前記光結合部材に形成される場合、該凹部が、光源から導光板までの光路を遮らないように設けられていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の光源モジュール。
【請求項7】
前記凹部は、上記導光板に光結合せずに光結合部材に戻った光を、導光板に反射する第1の反射部材が備えられていることを特徴とする請求項6に記載の光源モジュール。
【請求項8】
上記光結合部材は、導光板の下面に平面で当接する頂部平坦面を有しており、
上記導光板の下面に、上記頂部平坦面との接触部分を避けて設けられた、導光板内部を導光する光を反射させる第2の反射部材を備えていることを特徴とする請求項7に記載の光源モジュール。
【請求項9】
上記凹部は、上記光結合部に対して平行な平坦面を有し、
上記第1の反射部材は、上記平坦面に設けられていることを特徴とする請求項7または8に記載の光源モジュール。
【請求項10】
上記平坦面は、上記導光板の下面に対して平行であることを特徴とする請求項9に記載の光源モジュール。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の光源モジュールを備えた電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−216429(P2012−216429A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81168(P2011−81168)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】