説明

光源モジュール及びそれを備えた電子機器

【課題】高精度な光学部品を用い、かつ安価に製造できる光源モジュールを提供する。
【解決手段】バックライト10は、導光板13と、光源としてLEDを搭載したLED基板24と、導光板13とLED基板24との間に配される光結合部材とを備えている。光結合部材は、1方向に長尺な光結合部材を複数に分割した形状の光結合部材要素30’を並べて配置することで構成されている。各光結合部材要素30’は頂部の平坦面にて導光板13に対して接合され、各光結合部材要素30’同士は接合されない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光板の下方に光源が設けられた直下型の光源モジュール、および、それを備えた電子機器に関する。より詳細には、バックライトとして好適な光源モジュール、および、それを備えた液晶表示装置等の電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、薄型、軽量に出来ることから色々な分野に使用されている。液晶テレビをはじめとする液晶表示装置においては、光源からの光を導光板によって面状に出射させる導光板を備えたバックライトが多用されている。また、バックライトの光源として、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)が使用されている。
【0003】
バックライトの光源の配置には、直下型と、サイドエッジ型(サイドライト型ともいう)とがある。一般的な直下型は、液晶パネルの下に、LEDをマトリックス状に配列させて液晶パネルを均一に照射する方式である。また、直下型には、LEDと拡散レンズ(光を拡散させるレンズ)を用いてLEDから出射される光を広げて液晶パネルを均一に照射する方式もある。
【0004】
このようなバックライトでは、光源や導光板以外にも、種々の光学部品を用いることがある。また、それらの光学部品は、光源(例えばLED)の列に沿って配置されるように、1方向に長尺な光学部品が用いられることもある。
【0005】
しかしながら、このような長尺な光学部品は、熱膨張による歪み等が問題となりやすい。すなわち、長尺な光学部品は、固定の仕方によっては熱膨張によって歪みや反りが生じ、所望の光学作用が得られなくなる。
【0006】
ここで、特許文献1には、液晶表示装置のバックライトではなく電子写真装置の光走査装置に用いられるものではあるが、長尺な光学部品における熱膨張の問題を軽減する手法が開示されている。特許文献1では、光学部品の長尺方向の熱膨張を可動支持部を用いて長尺方向に可動にすることにより、熱膨張による歪みを防止している。
【0007】
さらに他の文献として、特許文献2には多角形の光結合部材を導光板に接合して、導光板に対して斜めに配置した光源より光を入射させる導光結合部材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−13331号公報(2011年1月20日公開)
【特許文献2】特開2008−257921号公報(2008年10月23日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1のような長尺な光学部品を用いる場合、上記熱膨張の問題以外に、精度やコストの問題もある。すなわち、このような光学部材の製造方法には、押し出し成形による製造方法や、金型成形による製造方法が考えられるが、それぞれの方法において以下のような問題がある。
【0010】
押し出し成形では、アクリル樹脂等の透明樹脂を用いて、長尺な光学部品を安価に製造することができるが、加工精度はあまり高くない。このため、上記光学部材がレンズ等の高精度を要する部材である場合には、適した製造方法とは言えない。また、金型成形においても、大型な(長尺な)部材の成形を行う場合には、金型内部の熱的ひずみなどによってその精度を低下させる。さらに、金型成形にて大型な(長尺な)部材を成形する場合には、特に金型のコストが高くなり、製造コストを増大させるといった問題もある。
【0011】
本願発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高精度な光学部品を用い、かつ安価に製造できる光源モジュールを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明の光源モジュールは、平板状の導光板と、上記導光板の下方に配された光源と、上記導光板と上記光源との間に配され、上記導光板と平行な面で当接する頂部平坦面を有する光結合部材とを備え、上記光結合部材は、1方向に長尺な光結合部材を複数に分割した形状の光結合部材要素を並べて配置することで構成されるものであり、上記各光結合部材要素は上記頂部平坦面にて上記導光板に対して接合され、上記各光結合部材要素同士は接合されていないことを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、光結合部材を一つの長尺部材として形成せずに、長尺方向に複数に分割して形成することができ、高精度かつ低コストで光結合部材を製造することができる。すなわち、上記光結合部材要素は、金型成形を適用することで高精度に形成できる。また、分割によって小型化された光結合部材要素は、大きな金型を必要とせず、金型コストを大幅に低減できるため、製造する部材数が増えたとしても製造コストを安価に抑えられる。
【0014】
また、光結合部材を分割して形成した場合には、バックライト内で、分割された光結合部材(すなわち光結合部材要素)同士を高精度に配置する必要がある。しかしながら、光結合部材要素同士を高精度に位置合わせして接合することは極めて困難である。これに対し、上記の構成によれば、上記光結合部材要素同士は、その長尺方向の端面を対向させて配置するのみであり、この端面同士は接合されない。代わりに、各光結合部材要素は、導光板との接触する頂部平坦面において導光板に接合される。これにより、各光結合部材要素が導光板に対して精度良く位置合わせされていれば、光結合部材要素同士においても高精度の位置合わせが達成される。また、導光板と光結合部材の接合において互いの平坦面が平行にずれても光学的にほとんど影響を与えない為、導光板と光結合部材の接合に要求される位置精度は光結合部材要素どうしの接合に要求される位置精度よりもはるかに低くてよい。
【0015】
さらに、上記光結合部材要素同士は接合されないため、隣接する光結合部材要素間に隙間が生じる可能性があるが、光結合部材要素を通過した光はさらに導光板を通過して出射される。このため、導光板における光拡散作用によって、光結合部材要素間の継ぎ目は視認されにくくなり、特に問題とならない。
【0016】
また、本発明の光源モジュールでは、上記光結合部材は光源からの光を反射し上記頂部平坦面へ導く反射面を有する構成とすることができる。上記の構成によれば、上記光結合部材が光源からの光を反射し上記頂部平坦面へ導く反射面を有する場合であっても、上記反射面の形状を高精度に形成できる。
【0017】
また、本発明の光源モジュールでは、上記光源は、上記光結合部材要素毎に備えられている構成とすることができる。上記の構成によれば、上記光結合部材要素同士は接合されないため、隣接する光結合部材要素間に隙間が生じる可能性があるが、上記光源は上記光結合部材要素の各々に配置され、光結合部材要素を通過した光はさらに導光板を通過して出射される。このため、光結合部材要素間の隙間により光結合部材要素間で光が導通しない場合であっても、導光板における光拡散作用によって、光結合部材要素間の継ぎ目は視認されにくくなり、特に問題とならない。
【0018】
また、本発明の光源モジュールでは、上記光源は光源基板上に搭載されているとともに、上記光源基板は上記光結合部材要素毎に備えられており、上記光源基板は、上記光結合部材要素に対して、上記光結合部材の長尺方向に可動域を有するように取り付けられている構成とすることができる。
【0019】
上記の構成によれば、光結合部材要素および導光板に熱膨張が生じても、LED基板が可動することによって上記熱膨張による歪みを防止できる。
【0020】
本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、前記いずれかの光源モジュールを備えていることを特徴としている。
【0021】
上記の発明によれば、高精度な光学部品を用い、かつ安価に製造できる光源モジュールを備えた電子機器を提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の光源モジュールおよび電子機器は、以上のように、上記光結合部材は、1方向に長尺な光結合部材を複数に分割した形状の光結合部材要素を並べて配置することで構成されるものであり、上記各光結合部材要素は上記頂部平坦面にて上記導光板に対して接合され、上記各光結合部材要素同士は接合されていない構成である。それゆえ、光結合部材要素を高精度かつ安価に製造でき、光結合部材要素の配置も容易になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の光源モジュールの要部構成を示す断面図である。
【図2】本発明の光源モジュールを備えた液晶表示装置の構成を示す分解斜視図である。
【図3】上記液晶表示装置における光源モジュール本体の構成を示す斜視図である。
【図4】上記液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図5】(a)はLEDから出射した光が放物面を有する光結合部材を介して導光板に入射するときの光路を示す断面図であり、(b)はLED近傍を示す要部断面図である。
【図6】(a)はLEDから出射した光が楕円面を有する光結合部材を介して導光板に入射するときの光路を示す断面図であり、(b)はLED近傍を示す要部断面図である。
【図7】2つのLEDから出射した光が放物面・楕円面を有する光結合部材を介して導光板に入射するときの光路を示す断面図である。
【図8】(a)は液晶表示装置の構成を示す正面図であり、(b)はその側面図である。
【図9】(a)は液晶表示装置の構成を示す断面図であり、(b)は導光板の高さ方向の輝度分布を示すグラフである。
【図10】上記液晶表示装置の端部の構成を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0025】
図2は、本発明の光源モジュールを備えた液晶表示装置(電子機器)の構成を示す分解斜視図である。本実施の形態の液晶表示装置1は、図2に示すように、下(背面側)から順に、バックライト(光源モジュール)10、拡散シート2、プリズムシート3、液晶パネル4及びベゼル5にて構成されている。
【0026】
バックライト10は、下から順に、光源モジュール本体20、一筋の開口11aを有するシャーシ11、シャーシ11と同様に一筋の開口を有する反射シート12及び導光板13にて構成されている。光源モジュール本体20には、図3,4に示すように、帯状に形成された光源ホルダー21の上にシート状のヒートシンク22が設けられている。また、ヒートシンク22の上には、LED基板24a・24bが設けられ、光源としての半導体のLEDチップ(Light Emitting Diode:発光ダイオード)23a・23bが光源モジュール20の長手方向に沿ってLED基板24a・24b上に配置される。LED基板24a・24b上には、LED基板24a・24bと光結合部材30との間に隙間を設けるためのスペーサ25a・25bが形成されている。この隙間により、光結合部材30がLEDチップ23a・23bに当接して、LEDチップ23a・23bが破損することを防止できる。但し、これに限られず、LEDチップ23a・23bに損傷を与えない範囲であれば、LEDチップ23a・23bが光結合部材30と密着していても構わない。なお、半導体のLEDチップは非常に微細なサイズであるため、図3では、図面の煩雑さを防ぐためLEDチップの記載を割愛する。
【0027】
本実施の形態では、光源としてLEDチップを用いているが、これは、半導体チップ状のLEDは形状がさらに小さくかつ狭い領域に配置できるので、安価な低出力のLEDチップを用いた場合にも、間隔を詰めて多くのLEDを配置することで照度も向上し、高機能の、バックライトの光源として利用できる点で好ましいためである。ただし、これに限るものではなく、例えば、パッケージに収納されたLEDでもよく、有機EL発光素子又は無機EL発光素子を用いることも可能である。
【0028】
上記LED23a・23bは、2列に並んで互いに平行に複数個設けられていると共に、それら複数のLED23a・23bの上側には、光結合部材30が設けられている。
【0029】
すなわち、本実施の形態の液晶表示装置1は、図4に示すように、液晶パネル4と、液晶パネル4に光を照射する導光板13と、導光板13に光を結合する光学素子としての光結合部材30と、光結合部材30に入射光を発するLED23a・23bとを備えている。そして、液晶パネル4、導光板13、光結合部材30、LED23a・23bがこの順に並んで配設されたものからなっている。したがって、本実施の形態の液晶表示装置1におけるバックライト10は、LED23a・23bが導光板13の下方に設けられた光源直下型のバックライト10となっている。
【0030】
ここで、本実施の形態では、光結合部材30は、図5(a),(b)に示すように、導光板13とLED23との間に設けられた断面略かまぼこ状、つまり断面半円状の帯状体つまり棒状体からなっている。また、光結合部材30の材質は導光板13の材質と同じ樹脂からなっている。詳細には、図5(a)に示すように、光結合部材30における導光板13側の表面は、平板状の導光板13に当接する頂部平坦面31と、この頂部平坦面31から両端側にそれぞれ垂下する垂下曲面(反射面)32・32とからなっている。上記垂下曲面32・32は、例えば、図5(a)に示す断面放物線とすることができる。ただし、必ずしもこれに限らず、図6(a),(b)に示すように、断面楕円とすることも可能である。尚、本発明においては、断面放物線又は断面楕円に限らず、頂部平坦面31を有する弓型等の湾曲形状、又は頂部平坦面31から斜めに傾斜する平面でもよい。
【0031】
また、光結合部材30における導光板13側とは反対側の表面、つまり光結合部材30の下端は、下端平坦面33となっている。さらに、光結合部材30の下端側の中央部には凹部34が形成されている。ただし、必ずしもこれに限らず、凹部34が存在しなくてもよい。すなわち、本実施の形態では、垂下曲面32・32にて反射する光の導光板13への光路が確保できればよいので、光路とならない部分は凹部34としてくり抜くことができる。これにより、コスト削減を図ることができる。尚、凹部34に図示せぬ反射シート等の反射手段を設けることも可能である。これにより、頂部平坦面31近傍で迷光が発生する場合があっても迷光の一部を導光板13側に反射させ液晶パネル4への照射を向上させることができる。
【0032】
上記光結合部材30の下端平坦面33・33の下側には、LED23a・23bがそれぞれ近接して設けられている。これらLED23a・23bは、図5(b)及び図6(b)に示すように、断面放物線又は断面楕円からなる垂下曲面32・32の焦点位置Fよりも端部側に存在することが好ましい。これにより、図5(a)に示すように、例えばLED23aから出射された光が光結合部材30の断面放物線の垂下曲面32にて反射され、その反射光が光結合部材30の頂部平坦面31に到達し、到達方向を維持して導光板13に斜めに入射する。そして、導光板13に入射された光は、図5(a)に示す導光板13の右側の内部を全反射して進み、図示しない光路変換部である光散乱体と衝突することにより導光板13中を進む角度が変わり、全反射条件が破られる。角度が変わって全反射条件が破られた光は、導光板13の液晶パネル4側表面から出射し、拡散シート2及びプリズムシート3を通して液晶パネル4に向かう。なお、LED23bから出射された光も図7に示すように、LED23aからの光とは対称に進む。
【0033】
このような光路は、図6(a),(b)に示す断面楕円の光結合部材30においても同様である。具体的には、図6(a)に示すように、LED23bから出射された光は光結合部材30の断面楕円の垂下曲面32にて反射され、その反射光が光結合部材30の頂部平坦面31に到達し、到達方向を維持して導光板13に入射する。そして、導光板13に入射された光は、図6(a)に示す導光板13の内部右側を全反射して進みつつ、図示しない光路変換部である光散乱体と衝突することにより導光板13中を進む角度が変わり、全反射条件が破られ、導光板13の液晶パネル4側表面から出射し、前記拡散シート2及びプリズムシート3を通して液晶パネル4に向かう。なお、LED23bから出射された光も図7に示すように、LED23aからの光とは対称に進む。
【0034】
この結果、本実施の形態の液晶表示装置1におけるバックライト10では、図8(a),(b)に示すように、液晶表示装置1の画面の中央部に横切って帯状の光源モジュール本体20を設けることにより、図9(a),(b)に示す輝度分布を有する導光板13からの出射光を得ることができる。そして、この画面の中央が明るいという輝度分布は、液晶表示装置1を適切に表示するための輝度分布に一致している。したがって、従来のサイドエッジ型のバックライトよりも、優れているといえる。
【0035】
また、本実施の形態のバックライト10では、導光板13の下方からLED23a・23bの光を導入させる。したがって、表1に示すように、従来のサイドエッジ型のバックライトの光利用効率が75%であるのに対して、本実施の形態のバックライト10の光利用効率は88%であるので、光利用効率においても優れている。
【0036】
また、本実施の形態のバックライト10では、従来のサイドエッジ型のバックライトとは異なり、図10に示すように、液晶パネル4の端部に光源が存在しないので、液晶パネル4の端部に直接、フレーム6を設けることが可能である。この結果、表1に示すように、額縁寸法も6mm以下にすることが可能となる。
【0037】
【表1】

【0038】
ところで、上述のように、本実施形態のバックライト10は、LED23が、導光板13の下方に設けられた、直下型のバックライトである。さらに、使用される光源モジュール本体20は、LED23から出射される光が、導光板13内部を導光するように(すなわち、導光板13に対して斜めに入射するように)、光を結合する光結合部材30を備えている。
【0039】
ここで、図8に示すように、光源モジュール本体20は、液晶表示装置1の画面の中央部を横切って設けられるため、画面幅とほぼ同じ長さが必要となる。そして、当然ながら、光結合部材30についても、上記画面幅とほぼ同じ長さに設置される必要があるため、1方向(この場合は画面幅方向)に長尺となる。しかしながら、光結合部材30を、一つの長尺部材として形成しようとすると、精度およびコストの面で問題が生じることは、「発明が解決しようとする課題」の欄で説明したとおりである。
【0040】
本実施形態のバックライト10では、高精度に形成された光結合部材30を低コストに供給するため、一つの長尺部材として形成せずに、長尺方向に複数に分割して形成するものとする。また、分割された各光結合部材(後述する光結合部材要素)は、金型成形にて形成されるものとする。このように金型成形を適用することで各光結合部材要素を高精度に形成できる。また、分割によって小型化された光結合部材要素は、大きな金型を必要とせず、金型コストを大幅に低減できるため、製造する部材数が増えたとしても製造コストを安価に抑えられる。
【0041】
但し、光結合部材を分割して形成した場合には、バックライト内で、光結合部材要素同士を高精度に配置する必要がある。このためには、光結合部材要素同士を高精度に位置合わせして接合するといった手法が考えられる。しかしながら、実際には、光結合部材要素同士を高精度に位置合わせして接合することは極めて困難である。その理由は以下の通りである。
【0042】
上記光結合部材のような光学部材の結合には、光学用接着剤を用いて接着する方法、レーザ溶着による方法がある。光学用接着剤を用いて接着する方法では、光結合部材の接合端面に接着剤を塗布してから接合する端面同士を接触させるが、接触後の接着剤の硬化が速く、光結合部材同士を位置合わせするための微調整が困難である。また、レーザ溶着による方法は、部材の長手方向の端面同士を接合しようとする場合、その接合面にレーザを照射することができず、この方法を適用することができない。
【0043】
このため、本実施形態のバックライト10では、以下の手法によって光結合部材30における高精度の位置合わせを実現している。この手法を、図1(a)を参照して説明する。
【0044】
図1(a)に示すように、光結合部材30は長尺方向に複数に分割されており、ここでは、分割された各光結合部材を光結合部材要素30’とする。すなわち、光結合部材要素30’を並べて配置することで光結合部材30が構成される。隣接する光結合部材要素30’同士は、その長尺方向の端面を対向させて配置されるが、この端面同士は接合しない。代わりに、各光結合部材要素30’は、導光板13との接触面において導光板13に接合される。すなわち、この場合は、頂部平坦面31を導光板13との接合面とする。各光結合部材要素30’が導光板13に対して精度良く位置合わせされていれば、光結合部材要素30’同士においても高精度の位置合わせが達成される。
【0045】
光結合部材要素30’と導光板13との接合(接着)においては、レーザ溶着が好適に用いられる。すなわち、各光結合部材要素30を導光板13に対して精度良く位置合わせした状態で、接合面にレーザを照射し、接合面の樹脂を熱溶解させることで接合を行う。上記レーザは、導光板13側から照射すれば、接合面へのレーザ照射は容易である。但し、本発明では、光結合部材要素30’と導光板13との位置合わせが行えるのであれば、接着剤や両面接着テープを用いての接着も可能である(接着剤を用いても、光結合部材要素30’の端面同士を接着する場合に比べると位置合わせは容易と考えられる)。
【0046】
また、本実施形態のバックライト10では、LED基板24およびヒートシンク22も光結合部材要素30’に合わせて分割されることが好ましい。そして、LED基板24およびヒートシンク22は、光結合部材要素30’に対してビス留めされるものとし、ビス穴は光結合部材要素30’の長尺方向を長軸とする長穴とする。これにより、LED基板24およびヒートシンク22は、光結合部材30の長尺方向にたいして上記長穴分の可動域を有することになる。光結合部材要素30’および導光板13は、アクリル樹脂等の透明樹脂にて形成されるため、熱による膨張が生じやすいが、上記構成によりLED基板24およびヒートシンク22が可動することによって熱膨張による歪みを防止できる。光結合部材要素30’および導光板13に熱膨張が生じている場合の様子を図1(b)に示す。
【0047】
また、光結合部材要素30’を導光板13に接合する際にあたっては、隣接する光結合部材要素30’の間は、隙間が無くても良く、あるいは隙間が合っても良い。本実施形態のバックライト10では光結合部材要素30’同士は接合されていないため、光結合部材要素30’の間に隙間が無いようにして光結合部材要素30’と導光板13との接合を行ったとしても、熱膨張が生じた場合には、光結合部材要素30’間に隙間が生じる可能性もある。
【0048】
しかしながら、本実施形態のバックライト10では、光結合部材要素30’間に隙間が生じていたとしても、光結合部材要素30’を通過した光はさらに導光板13を通過してから液晶パネル4側へ出射される。このため、導光板13における光拡散作用によって、光結合部材要素30’間の継ぎ目は視認されにくくなり、特に問題とならない。
【0049】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、テレビ、モニター等の液晶表示装置のバックライトに用いることができ、特に、光源直下型のバックライトに適用可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 液晶表示装置(電子機器)
10 バックライト(光源モジュール)
13 導光板
20 光源モジュール本体
23a,23b LED(光源)
24a・24b LED基板(光源基板)
30 光結合部材
30’ 光結合部材要素
31 頂部平坦面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の導光板と、
上記導光板の下方に配された光源と、
上記導光板と上記光源との間に配され、上記導光板と平行な面で当接する頂部平坦面を有する光結合部材とを備え、
上記光結合部材は、1方向に長尺な光結合部材を複数に分割した形状の光結合部材要素を並べて配置することで構成されるものであり、
上記各光結合部材要素は上記頂部平坦面にて上記導光板に対して接合され、上記各光結合部材要素同士は接合されていないことを特徴とする光源モジュール。
【請求項2】
上記光結合部材は光源からの光を反射し上記頂部平坦面へ導く反射面を有することを特徴とする請求項1に記載の光源モジュール。
【請求項3】
上記光源は、上記光結合部材要素毎に備えられていることを特徴とする請求項1または2に記載の光源モジュール。
【請求項4】
上記光源は光源基板上に搭載されているとともに、上記光源基板は上記光結合部材要素毎に備えられており、
上記光源基板は、上記光結合部材要素に対して、上記光結合部材の長尺方向に可動域を有するように取り付けられていることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の光源モジュール。
【請求項5】
上記請求項1から4の何れか一項に記載の光源モジュールを備えた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−216430(P2012−216430A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81175(P2011−81175)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】