説明

光源ユニット及び照明器具

【課題】光源ユニットの径を調節してLEDの直下光を制御することにより、配光制御を実現する照明器具を提供することを目的とする。
【解決手段】底部71と開口部72と底部71から開口部72に向かって形成される曲面部73とを備える意匠カバー70と、複数のLED40を備えるフレキシブル基板50とを備え、意匠カバー70は、曲面部73に形成された複数の抜け穴7aであって、底部71から開口部72の縁に向かって略放射状に位置するように形成された複数の抜け穴7aを備え、フレキシブル基板50は、LED40を抜け穴7aに挿入するように意匠カバー70の外面に沿って設置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を光源として用いる光源ユニットに関するものであり、特に、フレキシブル基板を用いて配光の制御を行う光源ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のLEDを光源とした照明器具において、LEDから出る光を集光レンズによって、集光させる技術がある(特許文献1参照)。また、拡散レンズを用いることにより、LEDから出る光の配光を実現する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4341245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のLED照明器具の配光技術では、集光レンズや拡散レンズを用いるため、レンズのコストがかかり、照明器具全体としてのコストも高くなるという課題がある。また、例えば、LEDを光源としたダウンライト等は、主に拡散レンズにより配光の幅を持たせているが、拡散レンズによる配光では配光制御が困難であるという課題がある。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためのものであり、レンズを使用することなくLEDの発する光の配光制御を実現することのできる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る光源ユニットは、
底部と開口部とを備える鉢状の意匠カバーであって、前記底部から前記開口部に向かって形成される曲面部を備える意匠カバーと、
複数の光源を備える光源基板とを備え、
前記意匠カバーは、
前記曲面部に形成された複数の孔であって、前記底部から前記開口部の縁に向かって略放射状に位置するように形成された複数の孔を備え、
前記光源基板は、
前記複数の光源の各光源を前記複数の孔の各孔に挿入するように前記意匠カバーの外面に沿って設置される
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る光源ユニットは、底部と開口部とを備える鉢状の意匠カバーであって、前記底部から前記開口部に向かって形成される曲面部を備える意匠カバーと、複数の光源を備える光源基板とを備え、前記意匠カバーは、前記曲面部に形成された複数の孔であって、前記底部から前記開口部の縁に向かって略放射状に位置するように形成された複数の孔を備え、前記光源基板は、前記複数の光源の各光源を前記複数の孔の各孔に挿入するように前記意匠カバーの外面に沿って設置されるので、光源ユニットの半径を変更することにより光源(LED)で最も強い光を放つ直下光を制御することができ、レンズを使用せずに、スポット配光やバッドウイング配光を得ることができるので、照明器具のコストを低減することができる。また、レンズを使用しないことで、レンズを透過する際にロスになる光をなくすことができ、光源の照射効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1に係る照明器具100の斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る照明器具100の分解斜視図である。
【図3】実施の形態1に係る照明器具100の光源ユニット30と枠部15との固定部分の部分断面図である。
【図4】実施の形態1に係る照明器具100の光源ユニット30の一部破断図及びB部拡大断面図である。
【図5】実施の形態1に係る照明器具100の光源ユニット30のスポット配光を示す配光図である。
【図6】実施の形態2に係る照明器具100の光源ユニット30のバッドウィング配光を示す配光図である。
【図7】実施の形態3に係る照明器具100aの斜視図である。
【図8】実施の形態3に係る照明器具100aの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、本実施の形態について、図を用いて説明する。
【0010】
図1は、本実施の形態に係る照明器具100の斜視図である。図2は、本実施の形態に係る照明器具100の分解斜視図である。図3は、本実施の形態に係る照明器具100の光源ユニット30と枠部15との固定部分の断面図である。図4は、本実施の形態に係る照明器具100の光源ユニット30の一部破断図(部分断面図)及びB部拡大断面図である。図1〜図4を用いて、本実施の形態に係る照明器具100の構成について説明する。
【0011】
本実施の形態に係る照明器具100は、例えば、天井等の取付穴に埋め込まれて取り付けられるダウンライト等を想定している。
【0012】
照明器具100は、照明器具本体20と、光源ユニット30と、光源ユニット30に取り付けられる枠部15とを備える。枠部15は、天井等の取付穴に照明器具を固定するための取付バネ151を備える。
【0013】
照明器具本体20には、点灯装置80と電源端子台90とがネジ(図示なし)によりネジ止めされ取り付けられている。点灯装置80は、光源ユニット30の備えるLED40(光源)を点灯させる。点灯装置80は、光源ユニット30と電気的に接続されている。また、電源端子台90は、点灯装置80に電源を供給する。電源端子台90は、点灯装置80と電気的に接続されている。
【0014】
図2に示すように、光源ユニット30は、意匠カバー70と、フレキシブル基板50(光源基板)と、ユニットカバー60とを備える。
【0015】
意匠カバー70は、底部71と開口部72とを備える鉢状(ボウル(bowl)状、椀状)であって、底部71から開口部72に向かって形成される曲面部73を備える。また、意匠カバー70は、曲面部73に形成された複数の抜け穴7a(孔)を備える。複数の抜け穴7aは、底部71から開口部72の縁部74に向かって略放射状に位置している。図2では、底部71から縁部74に向かう放射線状の軸(以下、放射線状の軸75ともいう)が略等間隔に8本あり、1つの放射線状の軸75上には4つの抜け穴7aが略等間隔に並んで形成されている。すなわち、意匠カバー70の曲面部73には、「4個の抜け穴7a」×「8本の放射線状の軸75」=「32個の抜け穴7a」が形成されている。
【0016】
意匠カバー70は、縁部74から外側方向に略水平に突出したつば部7bと、つば部7bの端部である爪部7cとを備える。つば部7b及び爪部7cは、光源ユニット30を枠部15に固定する構成部である。光源ユニット30を枠部15に固定する方法については後述する。
【0017】
意匠カバー70は、絶縁物により形成される。
【0018】
フレキシブル基板50(光源基板)は、複数のLED40(光源)を備えるLED基板である。また、フレキシブル基板50は、柔軟性があり変形可能である。
【0019】
フレキシブル基板50は、基板底部51と基板開口部52と、基板底部51から基板開口部52に向かって形成される基板曲面部53とを備える鉢状(ボウル(bowl)状、椀状)である。基板曲面部53は、基板底部71から基板開口部52の基板縁部54に向かって略放射状にカットされたカット部56を備える。
【0020】
図2に示すように、フレキシブル基板50は、基板底部51の中央部510から基板縁部54までを切り欠いたカット部56を8カ所備える。フレキシブル基板50の基板曲面部53は、8カ所のカット部56により8個(8枚)に分割される。すなわち、フレキシブル基板50は、中央部510を接続部として8つの花びらを有する花状である。
【0021】
フレキシブル基板50は、上述した1つの花びら部分に、基板底部51の中央部510から基板縁部54までの放射線状の軸(基板放射線状の軸55という)上に4つのLED40を実装する。4つのLED40を実装する1つの花びら部分を実装部5と呼ぶ。フレキシブル基板50は、8つの実装部5(実装部5a〜実装部5h)を備える。
【0022】
フレキシブル基板50は、8個の実装部5a〜5hの各実装部5に1本ずつ基板放射線状の軸55を有し、基板放射線状の軸55上に4つのLED40を実装する。すなわち、フレキシブル基板50は、8本の基板放射線状の軸55を有し各基板放射線状の軸55上に4つのLED40を実装するので、全体で32個のLED40を実装する。
【0023】
ユニットカバー60は、意匠カバー70と略同一形状である。ユニットカバー60は、ユニットカバー底部61とユニットカバー開口部62と、ユニットカバー底部61からユニットカバー開口部62に向かって形成されたユニットカバー曲面部63とを備える鉢状(ボウル(bowl)状、椀上)であり、形状は意匠カバー70と略同一である。
【0024】
ユニットカバー60は、ユニットカバー開口部62の縁から外側に延設されたユニットカバーフリンジ部64を備える。ユニットカバー60は、絶縁物で形成される。例えば、絶縁物が貼付されたアルミカバー等でもよい。絶縁物が貼付されたアルミカバーで形成されたユニットカバー60は、フレキシブル基板50の発する熱を放熱する放熱体でもある。
【0025】
枠部15は、枠開口部155を有する。また、図2及び3に示すように、枠部15は、ドーナツ状(リング状)の外枠部15cと、外枠部15cの内側に立設する部位を有する内枠部15aと、内枠部15aに設けられる取付穴15bと、内枠部15aに取り付けられ内枠部15aから外側(及び天井面側)に突出するV字状の取付バネ151とを備える。
【0026】
図3に示すように、内枠部15aは、外枠部15cの内側に立設する部分である内枠立設部152と、内枠立設部152から延設され、外枠部15cの照射方向側に沿って形成される内枠フリンジ部153とを備える。すなわち、内枠部15aは、断面略L字状である。内枠フリンジ部153には、取付穴15bが形成される。図3に示すように、取付穴15bに意匠カバー70の爪部7cが挿入されることにより、枠部15がユニットカバー60とフレキシブル基板50と意匠カバー70とを固定する。
【0027】
次に、光源ユニット30の組み立て方法について説明する。
【0028】
フレキシブル基板50は、LED40を意匠カバー70の抜け穴7aに挿入するように意匠カバー70の外面に沿って設置される。意匠カバー70の曲面部73の放射線状の軸75上に形成された4つの抜け穴7aに、1つの実装部5の基板放射線状の軸55上に実装された4つのLED40を挿入しながら、フレキシブル基板50を意匠カバー70の外面に這わせるように設置する。
【0029】
図4に示すように、フレキシブル基板50は、抜け穴7aからフレキシブル基板50に実装されたLED40を外観に出すように、意匠カバー70の外郭に取り付けられる。図4のB部拡大図に示すように、LED40は、意匠カバー70の外側から意匠カバー70の内側を臨むように抜け穴7aに挿入され設置される。このとき、LED40の直下光の照射方向41が、抜け穴7a部分の曲面部の接線77と略直角になるように設置するのが好ましい。LED40の直下光の照射方向41が、抜け穴7a部分の曲面部の接線77と略直角になるように設置することにより、後述する配光制御の精度が向上するからである。
【0030】
ユニットカバー60は、意匠カバー70の外面に沿って設置されたフレキシブル基板50を覆って意匠カバー70に被せられる。ユニットカバー60は、ユニットカバー60と意匠カバー70とでフレキシブル基板50を挟んで取り付けられる。
【0031】
意匠カバー70とフレキシブル基板50とユニットカバー60とから構成される光源ユニット30は、照射方向側から枠部15の枠開口部155に挿入される(図2参照)。
【0032】
図3の斜線部に示すように、光源ユニット30は、意匠カバー70とフレキシブル基板50とユニットカバー60とが重なった状態で枠開口部155に照射方向側から挿入される。また、意匠カバー70のつば部7bの天井面側にユニットカバー60のユニットカバーフリンジ部64が接するように配置される。
【0033】
意匠カバー70の爪部7cが、枠部15の内枠フリンジ部153に設けられた取付穴15bにはめこまれる。そして、爪部7c(つば部7b)をかしめることにより、枠部15にユニットカバー60とフレキシブル基板50と意匠カバー70とが固定される。
【0034】
さらに、ネジ12(図2)によって、意匠カバー70及びユニットカバー60(光源ユニット30)が、照明器具本体20に固定される。
【0035】
なお、本実施の形態では、ユニットカバー60が絶縁物である場合を説明したが、ユニットカバー60を構成する材質は非絶縁物であってもよい。この場合、ユニットカバー60とフレキシブル基板50との間に別途絶縁物を設ける必要がある。
【0036】
フレキシブル基板50のカット部56の間隔は、広げたり狭くしたりすることができる。したがって、意匠カバー70の開口部72の径(ユニット径L1)を広くしたり狭くしたりしても、同一のフレキシブル基板50で対応することができる。
【0037】
本実施の形態では、フレキシブル基板50を8枚の花びらを有する形状、すなわち、8枚の実装部5(5a〜5h)を備える形状とした。しかし、4枚の実装部、6枚の実装部、10枚の実装部、あるいは12枚の実装部でも良い。また、本実施の形態では、1つの実装部に4つのLED40を実装したが、1つの実装部に実装するLED40の数も、例えば、2個、3個、5個、・・・、10個等、あるいはそれ以上の個数でも良い。照明器具の使用目的や設置場所によって器具の大きさや配光設計等が異なるが、本実施の形態は適宜柔軟に適用可能である。
【0038】
次に、本実施の形態に係る照明器具100(光源ユニット30)の配光制御について説明する。
【0039】
照明器具100は、フレキシブル基板50の基板曲面部53のカット部56の間隔を調節することにより、複数のLED40の配光を制御する。基板曲面部53のカット部56の間隔を調節するとは、光源ユニット30のユニット径L1を調節することでもある。すなわち、照明器具100は、光源ユニット30のユニット径L1を調節することにより、複数のLED40の配光を制御する。
【0040】
あるいは、フレキシブル基板50の基板曲面部53のカット部56の間隔を調節するとは、基板曲面部53の曲面の曲げ径を調節することでもある。すなわち、照明器具100は、後述するように、光源ユニット30の曲面部73の曲げ径Rを調節することにより、複数のLED40の配光を制御する。
【0041】
図5は、本実施の形態に係る照明器具100の光源ユニット30の配光(スポット配光)を示す配光図である。
【0042】
光源ユニット30の内径(ユニット径L1)をA(L1=A)、光源ユニット30の端部(光源ユニット端部31)から集光させたい位置P点までの直下距離をLとする。このとき、光源ユニット30の曲げ径Rは、以下の式1となる。
R=√((A/2)+L)・・・・・(式1)
【0043】
照明器具100から真下へ距離L離れた位置P点に、LED40の直下光を集光させるスポット配光となるように光源ユニット30を設定する場合を想定する。すなわち、開口部72の略中心から開口部72の開口面に略垂直な方向へ向かって距離L離れた位置がP点である。式1の関係を満たすように、Lと光源ユニットの曲げ径Rとユニット径L1=Aとを設定することにより、P点にLED40の直下光を集光するスポット配光とすることができる。
【0044】
図4で説明したように、LED40が発する光のうち最も強い光を放つ直下光の照射方向41は、光源ユニット30の曲面部の接線77に略垂直となっている。したがって、上記のように設定された照明器具100は、高い精度でP点にLED40の直下光を集光することができる。
【0045】
以上のように、光源ユニット30の曲げ径Rを変えることで、LED40から出る一番強い光である直下光を制御することができる。
【0046】
本実施の形態では、光源ユニット30の形状が、曲げ径R(半径R)の球面の一部をなしている場合を想定している。すなわち、本実施の形態の照明器具100は、上記式1を満たすように、曲げ径Rとユニット径L1(=A)とL(P点までの距離)とが設定されている場合、集光レンズ等を装着しなくても、光源ユニット30に実装された複数のLED40の直下光がP点近傍に集光するスポット配光を実現することができる。また、意匠カバー70(及びユニットカバー60)の形状を変更することで、曲げ径Rとユニット径L1とを変更することができるので、LED40の直下光を集光させたい位置(P点)を変更することができる。
【0047】
本実施の形態に係る照明器具100は、低コストで配光制御を実現することができる。LEDを光源としたダウンライトは主に、拡散レンズにより配光の幅を持たせてきた。そのため、配光制御が困難であり、レンズのコストも高かった。しかし、本実施の形態では、光源ユニット30の半径を変更することにより、光源(LED)で最も強い光を放つ直下光を制御することができるので、コストを低減することができる。また、本実施の形態に係る照明器具100では、レンズを使用しないので、レンズを透過する際にロスになる光をなくすことができ、LED40の照射効率を向上することができる。
【0048】
実施の形態2.
本実施の形態では、照明器具100がバッドウィング配光を実現するための配光制御について説明する。照明器具100の構成及び構造については実施の形態1の図1〜図4の内容と同様であるため、その説明を省略する。本実施の形態では、照明器具100がバッドウィング配光を実現するための配光制御について説明する。
【0049】
図6は、本実施の形態に係る照明器具100の光源ユニット30のバッドウィング配光を示す配光図である。
【0050】
図6に示すように、本実施の形態に係る光源ユニット30の断面は、フレキシブル基板50の中央部510(図2参照)に対応する位置(以下、頂点部310とする)を中心に対称関係にある2つの曲面部A73a,曲面部B73bを備える。
【0051】
実施の形態1の光源ユニット30は、図5に示すように、曲面部73の断面が頂点部310を中心に対称関係ではあるが、曲面部73の断面が1つの円弧を形成する形状であった。本実施の形態に係る光源ユニット30は、曲面部73(頂点部310を中心に対称関係にある曲面部A73a及び曲面部B73b)の断面は1つの円弧を形成するのではなく、頂点部310を中心として対称に2つの円弧が形成された形状となっている。例えば、図6の曲面部73(曲面部A73a及び曲面部B73b)の形状は、図5の光源ユニット30のユニット径L1をAより小さくすることにより、図5の曲面部73を頂点部310で折ったような形状である。
【0052】
本実施の形態では、図6に示すように光源ユニット30のユニット径L1はBとする(L1=B)。また、曲面部A73a及び曲面部B73bの曲げ径RもBとする(R=B)。すなわち、ユニット径L1=曲げ径R=Bである。図5の光源ユニット30のユニット径L1=Aと、図6に示す光源ユニット30のユニット径L1=Bとの関係は、A>Bである。
【0053】
ユニット径L1=曲げ径R=Bとすると、実施の形態1で説明した原理から、曲面部A73aの断面上のLED40の直下光は、集光点Paに集光する。また、曲面部B73bの断面上のLED40の直下光は、集光点Pbに集光する。すなわち、本実施の形態の光源ユニット30は、LED40の強い直下光を左右に飛ばしたバッドウイング配光となる。
【0054】
図2に示すように、8つの実装部5a〜5hに実装されたLED40は、それぞれ対向する開口部72(基板開口部52、ユニットカバー開口部62)の縁部74近傍に集光し縁部74近傍から光源ユニット30の外側に照射される。これにより、机上面または床面を均一な明るさにするバッドウィング配光を実現することができる。
【0055】
本実施の形態の照明器具100は、ユニット径L1=(曲面部A73a及び曲面部B73bの)曲げ径R=Bを満たすように設定されている場合、拡散レンズ等を装着しなくても、光源ユニット30に実装された複数のLED40の直下光が縁部74近傍に集光し縁部74近傍から光源ユニットの外側に照射されるので、バッドウィング配光を実現することができる。
【0056】
意匠カバー70(及びユニットカバー60)の形状を変更することで、図6に示すような光源ユニット30の形状とすることができる。したがって、本実施の形態に係る照明器具100は、低コストでバッドウィング配光制御を実現することができる。
【0057】
以上のように、本実施の形態に係る照明器具100は、光源ユニット30の半径を変更することにより光源(LED)で最も強い光を放つ直下光を制御することができ、レンズを使用せずに低コストでバッドウィング配光制御を実現することができる。また、レンズを使用しないことにより、レンズを通過した場合の光のロスをなくすことができ、LED照射効率も向上させることができる。
【0058】
実施の形態3.
本実施の形態では、光源をEL(エレクトロルミネッセンス)とする光源ユニット30aを備える照明器具100aについて説明する。ELには、例えば、有機EL、無機ELが含まれる。
【0059】
図7は、本実施の形態に係る照明器具100aの斜視図である。図8は、本実施の形態に係る照明器具100aの分解斜視図である。実施の形態1で説明した図1及び図2と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0060】
照明器具100aは、光源ユニット30aを備える。光源ユニット30aは、ユニットカバー60(実施の形態1と同様の形状)と、有機EL130と、光透過性のある意匠カバー(以下、透光カバー140とする)とを備える。本実施の形態では、有機EL130を用いているが、無機ELでもよい。
【0061】
透光カバー140は、底部と開口部と、底部から開口部に向かって形成される透光カバー曲面部143とを備えた形状(鉢状)である。透光カバー140の形状は、実施の形態1で説明した意匠カバー70と同様である。透光カバー140の素材は、光を通過させる素材であり絶縁物である。
【0062】
有機EL130は、透光カバー140と略同一形状であり、透光カバー140に被せるように設置される。ただし、有機EL130の底部は開口している。つまり、有機EL130は、広げると扇形であり、透過性のある意匠カバー(透光カバー140)の外面に這うように取り付けられる。
【0063】
扇形の有機EL130の両端部を接続すると、鉢状(ボウル(bowl)状、椀状)の有機EL130となる。有機EL130は、扇形の有機EL130の両端部を連結して鉢状とする。有機EL130は、扇形の両端部の連結部分(内径調節部131)の重なり幅を調節することにより、透光カバー140の外面に沿うように設置される。
【0064】
ユニットカバー60は、有機EL130を覆うように有機EL130に被せられる。光源ユニット30aは、ユニットカバー60と透光カバー140とにより有機EL130を挟んで固定される。ユニットカバー60の材質は絶縁物が望ましい。材質が非絶縁物の場合、ユニットカバー60と有機EL130との間に絶縁物を設ける必要がある。
【0065】
光源ユニット30aは照明器具本体20にネジにて取り付けられる。
【0066】
透光カバー140は、実施の形態1で説明した意匠カバー70と同様の形状であり、つば部7bに対応する透光カバーつば部147bと、爪部7cに対応する透光カバー爪部147cとを備える。枠部15を用いてユニットカバー60と有機EL130と透光カバー140とを固定する方法は、実施の形態1で説明したものと同様である。
【0067】
光源ユニット30aの配光制御方法は、透光カバー曲面部143の曲げ径R(有機EL130の曲面部の曲げ径R)を調節したり、ユニット径L1を調節したりすることにより実現する。光源ユニット30aの配光制御方法については、実施の形態1あるいは実施の形態2で説明した配光制御方法を適用することができる。
【0068】
以上のように、本実施の形態の照明器具100aでは、実施の形態1あるいは実施の形態2に係る照明器具100の備えるLED40(光源)の代わりに有機EL130を使用したものである。有機EL130を使用することで、より均一な配光を得ることができる。
【0069】
以上、実施の形態1〜3について説明したが、これらのうち、2つ以上の実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施の形態を部分的に実施しても構わない。あるいは、これらのうち、2つ以上の実施の形態を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
【符号の説明】
【0070】
5,5a,5b,5c,5d,5e,5f,5g,5h 実装部、7a 抜け穴、7b つば部、7c 爪部、12 ネジ、15 枠部、15a 内枠部、15b 取付穴、15c 外枠部、20 照明器具本体、30,30a 光源ユニット、31 光源ユニット端部、40 LED、41 直下光の照射方向、50 フレキシブル基板、51 基板底部、52 基板開口部、53 基板曲面部、54 基板縁部、55 基板放射線状の軸、56 カット部、60 ユニットカバー、61 ユニットカバー底部、62 ユニットカバー開口部、63 ユニットカバー曲面部、64 ユニットカバーフリンジ部、70 意匠カバー、71 底部、72 開口部、73 曲面部、73a 曲面部A、73b 曲面部B、74 縁部、75 放射線状の軸、77 曲面部の接線、80 点灯装置、90 電源端子台、100,100a 照明器具、130 有機EL、131 内径調節部、140 透光カバー、143 透光カバー曲面部、147b 透光カバーつば部、147c 透光カバー爪部、151 取付バネ、152 内枠立設部、153 内枠フリンジ部、155 枠開口部、310 頂点部、510 中央部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と開口部とを備える鉢状の意匠カバーであって、前記底部から前記開口部に向かって形成される曲面部を備える意匠カバーと、
複数の光源を備える光源基板とを備え、
前記意匠カバーは、
前記曲面部に形成された複数の孔であって、前記底部から前記開口部の縁に向かって略放射状に位置するように形成された複数の孔を備え、
前記光源基板は、
前記複数の光源の各光源を前記複数の孔の各孔に挿入するように前記意匠カバーの外面に沿って設置される
ことを特徴とする光源ユニット。
【請求項2】
前記光源基板は、
基板底部と基板開口部と前記基板底部から前記基板開口部に向かって形成される基板曲面部とを備える鉢状であり、前記基板曲面部は前記基板底部から前記基板開口部の縁に向かって略放射状にカットされたカット部を備えることを特徴とする請求項1に記載の光源ユニット。
【請求項3】
前記光源基板は、フレキシブル基板であることを特徴とする請求項1または2に記載の光源ユニット。
【請求項4】
前記光源ユニットは、
前記意匠カバーの前記曲面部によって前記基板曲面部の前記カット部の間隔を調節することにより、前記複数の光源の配光を制御することを特徴とする請求項3に記載の光線ユニット。
【請求項5】
前記光源ユニットは、さらに、
前記意匠カバーと略同一形状のユニットカバーであって、前記意匠カバーの外面に沿って設置された前記光源基板を覆って前記意匠カバーに被せられるユニットカバーを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光源ユニット。
【請求項6】
前記光源ユニットは、さらに、
前記ユニットカバーと前記光源基板と前記意匠カバーとを固定する枠部を備えることを特徴とする請求項5に記載の光源ユニット。
【請求項7】
光を通過させる素材により形成される鉢状の意匠カバーを備え、
前記意匠カバーと略同一形状のエレクトロルミネッセンスであって、前記意匠カバーの外面に被せるように設置されるエレクトロルミネッセンスを光源として備えることを特徴とする光源ユニット。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の光源ユニットと、前記光源ユニットの備える光源を点灯する点灯装置とを備えることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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