光源装置
【課題】均一な配光特性を有する照明光を射出する光源装置を提供する。
【解決手段】第1の励起光源162及び第2の励起光源164は、制御装置170の制御下で、それぞれ第1の励起光及び第2の励起光を射出する。第1の励起光及び第2の励起光は、光カプラー150を介して波長変換ユニット110に入射する。第1の波長変換部材112は、透明蛍光体であり、第1の励起光の一部を波長変換して第1の蛍光を等方的に放射し、また、波長変換しなかった第1の励起光と第2の励起光を透過する。第2の波長変換部材114は、第2の励起光の一部を波長変換して第2の蛍光を等方的に放射する。また、第2の波長変換部材114は、波長変換されなかった第1の励起光及び第2の励起光を散乱させる。その結果、第1の励起光、第2の励起光、第1の蛍光及び第2の蛍光は、統一された広い広がり角を有して波長変換ユニット110から射出される。
【解決手段】第1の励起光源162及び第2の励起光源164は、制御装置170の制御下で、それぞれ第1の励起光及び第2の励起光を射出する。第1の励起光及び第2の励起光は、光カプラー150を介して波長変換ユニット110に入射する。第1の波長変換部材112は、透明蛍光体であり、第1の励起光の一部を波長変換して第1の蛍光を等方的に放射し、また、波長変換しなかった第1の励起光と第2の励起光を透過する。第2の波長変換部材114は、第2の励起光の一部を波長変換して第2の蛍光を等方的に放射する。また、第2の波長変換部材114は、波長変換されなかった第1の励起光及び第2の励起光を散乱させる。その結果、第1の励起光、第2の励起光、第1の蛍光及び第2の蛍光は、統一された広い広がり角を有して波長変換ユニット110から射出される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、小型固体光源から光を射出し、この光を光変換部材によって変換し、照明光を所望の照射パターンや所望の色に変化させる光源装置が開発されている。例えば特許文献1には、金属基板上に配置されたLEDチップと、LEDチップを封止する封止樹脂と、封止樹脂上に配置された蛍光体とを組み合わせた光源装置が提案されている。この光源装置では、LEDチップから射出された励起光の一部を、LEDチップ上に配置された板状の蛍光体で波長変換して蛍光を放射させる。このようにして、特許文献1に係る技術では、蛍光体を透過した励起光と、蛍光体から放射された蛍光とにより、照明光を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008−105527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1のように、蛍光体を透過した励起光と、蛍光体から放射された蛍光とにより照明光を調整する光源装置では、次のような課題がある。すなわち、蛍光体を透過する励起光は、光軸近くの光強度が強く、周縁部の光強度が弱くなる。これに対して、蛍光体から放射される蛍光は、等方的に散乱し、等方的な光強度を有する。そのため、このような光源装置から射出される照明光は、中心部において励起光成分が強く、周縁部において蛍光成分が強い、色むらを有する光となる。
【0005】
そこで本発明は、均一な配光特性を有する照明光を射出する光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を果たすため、本発明の光源装置の一態様は、第1の波長領域の波長を有する第1の励起光を射出する第1の励起光源と、前記第1の励起光の少なくとも一部を吸収し波長変換して第1の波長変換光を放射し、透過する前記第1の励起光の広がり角を第1の増加角度だけ増加させる第1の光学部材と、前記第1の励起光の光軸上を含む少なくとも前記第1の励起光についてこの第1の励起光の光軸における光強度の1/e倍(eはネーピア数)以上の光強度を有する範囲を含む領域に配置され、透過する前記第1の励起光の広がり角を前記第1の増加角度よりも大きい第2の増加角度だけ増加させる第2の光学部材と、前記第1の光学部材と前記第2の光学部材とを保持する保持部材と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第2の光学部材によって励起光の広がり角が調整されるので、均一な配光特性を有する照明光を射出する光源装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光源装置の構成例を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態に係る波長変換ユニットの構成例の概略を示す図。
【図3】第1の実施形態に係る第1の波長変換部材の吸収/蛍光特性の一例を示す図。
【図4】第1の実施形態に係る第2の波長変換部材の吸収/蛍光特性の一例を示す図。
【図5】第1の実施形態に係る波長変換ユニットにおける第1の励起光に由来する第1の励起光及び第1の蛍光の広がり角について説明するための図。
【図6】第1の実施形態に係る波長変換ユニットにおける第2の励起光に由来する第2の励起光及び第2の蛍光の広がり角について説明するための図。
【図7】第1の実施形態に係る波長変換ユニットから射出される照明光のスペクトル特性の一例を示す図。
【図8】第1の実施形態の第1の変形例に係る波長変換ユニットの構成例の概略を示す図。
【図9】第1の実施形態の第2の変形例に係る波長変換ユニットの構成例の概略を示す図。
【図10】第2の実施形態に係る波長変換ユニットの構成例の概略を示す図。
【図11】第2の実施形態に係る波長変換ユニットの構成例の概略を示す図。
【図12】第3の実施形態に係る波長変換ユニットの構成例と波長変換ユニットから射出される照明光の広がり角について説明するための図。
【図13】第3の実施形態に係る第3の波長変換部材の吸収/蛍光特性の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る光源装置100の構成の概要を図1に示す。この図に示すように、光源装置100は、波長変換ユニット110と、光カプラー150と、第1の励起光源162と、第2の励起光源164と、制御装置170とを有する。
【0010】
第1の励起光源162は、第1の波長領域の波長を有する励起光を発生する光源である。本実施形態では、第1の波長領域の中心波長を450nmとし、第1の励起光源162は波長450nmのレーザ光を射出する青色半導体レーザ(青色LD)とする。以降、第1の励起光源162から射出される励起光を第1の励起光と称する。第2の励起光源164は、第2の波長領域の波長を有する励起光を発生する光源である。本実施形態では、第2の波長領域の中心波長を405nmとし、第2の励起光源164は波長405nmのレーザ光を射出する青紫色半導体レーザ(青紫LD)とする。以降、第2の励起光源164から射出される励起光を第2の励起光と称する。
【0011】
制御装置170は、第1の励起光源162と、第2の励起光源164とを駆動及び制御する。すなわち、制御装置170は、第1の励起光源162と第2の励起光源164とをそれぞれ駆動する複数の駆動回路を備えている。制御装置170は、これら駆動回路をそれぞれ独立に制御する。制御装置170は、第1の励起光源162と第2の励起光源164とをそれぞれ連続駆動することもできるし、パルス駆動することもできる。また、制御装置170は、第1の励起光源162と第2の励起光源164とのうち、一方を点灯し、他方を消灯することもできる。また、制御装置170は、第1の励起光源162と第2の励起光源164との励起光量比率を調整して、照明光の色を調整すること、すなわちスペクトル調整することができる。
【0012】
光カプラー150は、第1の光ファイバ152と、第2の光ファイバ154と、第3の光ファイバ156とを有する。第1の光ファイバ152は、第1の励起光源162から射出されたレーザ光である第1の励起光を導光する。第2の光ファイバ154は、第2の励起光源164から射出されたレーザ光である第2の励起子を導光する。第1の光ファイバ152と第2の光ファイバ154とは、それらの導光路を1つに結合させる。すなわち、光カプラー150は第1の励起光と第2の励起光とを合波する。第3の光ファイバ156は、この合波された光を波長変換ユニット110に導く。
【0013】
波長変換ユニット110は、光カプラー150によって導かれた第1の励起光及び第2の励起光を受光し、それら励起光の一部を、波長が異なる照明光に変換する波長変換ユニットである。波長変換ユニット110の構造の概略を図2に示す。この図に示すように、波長変換ユニット110は、第1の波長変換部材112と、第2の波長変換部材114と、光透過部材122と、ホルダ124とを有する。光透過部材122と、第1の波長変換部材112と、第2の波長変換部材114とは、光カプラー150の射出端と共にホルダ124に保持されている。
【0014】
すなわち、ホルダ124は、例えば円筒形状をしている。ホルダ124は、光カプラー150の第3の光ファイバ156の射出端を、ホルダ124の一端の入射開口124−1の部分で保持している。ホルダ124は、前記入射開口124−1と対向する位置に射出開口124−2を有しており、入射開口124−1から射出開口124−2まで、連続する貫通孔を有している。この貫通孔の内面には図示しない反射部材が形成されている。
【0015】
ホルダ124は、光カプラー150の射出端側から当該射出端から射出される励起光の射出方向に順に、光透過部材122と、第1の波長変換部材112と、第2の波長変換部材114とを保持する。その結果、光カプラー150の射出端から射出された励起光は、光透過部材122、第1の波長変換部材112、第2の波長変換部材114の順に通過し、ホルダ124の射出開口124−2から射出される。このように光透過部材122と、第1の波長変換部材112と、第2の波長変換部材114とは、例えばホルダ124の貫通孔の直径よりも小さい直径の円柱形状を有している。なお、本実施形態では、ホルダ124の形状を円筒形状としたが、これに限らない。例えば、入射開口を頂点とし、射出開口を底面とする円錐形状のような形状をしていてもよい。
【0016】
光透過部材122は、光カプラー150の射出端から射出される第1の励起光と第2の励起光と、第1の波長変換部材112と第2の波長変換部材114とから放射される蛍光とを透過する性質を有している。光透過部材122は、例えば透過率が高いガラスやシリコーン樹脂で構成される。波長変換ユニット110内において光透過部材122は、光カプラー150の射出端から第1の波長変換部材112までの間隔を所望の間隔とする厚みを備えている。
【0017】
第1の波長変換部材112において、光透過部材122側の面を受光面と称し、第2の波長変換部材114側の面を射出面と称する。第2の波長変換部材114において、第1の波長変換部材112側の面を受光面と称し、この受光面と対向する面を射出面と称する。第2の波長変換部材114の射出面は、ホルダ124の射出開口124−2の端面と同一平面となるように構成されている。
【0018】
本実施形態において、第1の波長変換部材112には、例えばY3Al5O12:Ce(以下YAGと称する)で示される組成の蛍光体が用いられている。第1の波長変換部材112は、多結晶化されたYAGセラミックスからなる。YAGセラミックスは、透過する励起光をほとんど拡散させないという性質がある。なお、YAGセラミックス以外にも、第1の波長変換部材112には、YAG単結晶や、LAG:Ce、TAG:Ce等のセラミックス蛍光体を用いることもできる。第1の波長変換部材112に入射した励起光の一部は、第1の波長変換部材112に吸収される。吸収された光は、波長変換されて蛍光として第1の波長変換部材112から等方的に放射される。一方、第1の波長変換部材112に吸収されなかった励起光は、第1の波長変換部材112を透過する。
【0019】
第2の波長変換部材114は、蛍光体115と、封止材116とを含む。蛍光体115は、例えば(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6Cl2:Eu(以下SCAと称する)を含む粉末蛍光体である。なお、SCAの代わりに、例えばBaMgAl10O17:Euや、BaMgAl10O17:Eu,Mnを用いることもできる。
【0020】
蛍光体115の平均粒径は、例えば4.5μmである。この蛍光体115は、封止材116中に分散されている。ここで、封止材116は、例えばシリコーン樹脂といった透明樹脂等である。蛍光体115の屈折率は、封止材116の屈折率よりも高い。透明な封止材116中に、粉末の蛍光体115を分散させた構成により、第2の波長変換部材114は、拡散部材としても機能する。すなわち、第2の波長変換部材114に入射した励起光の一部は、粉末の蛍光体115に吸収される。吸収された光は、波長変換されて蛍光として蛍光体115から放射される。ここで蛍光は、蛍光体115から全方向に等方的に放射される。一方、蛍光体115に吸収されなかった励起光は、蛍光体115により散乱されて所定の広がり角を有して、第2の波長変換部材114から放射される。このとき、第2の波長変換部材114に入射した光の広がり角と第2の波長変換部材114から射出される光の広がり角との差、すなわち広がり角の増加角度は、蛍光体115の粒径、封止材116に対する蛍光体115の濃度、蛍光体115と封止材116との屈折率、及び第2の波長変換部材114全体の厚さ等により決定される。
【0021】
なお、蛍光体115の粒径は、励起光の波長の1/10程度から1000倍程度が望ましい。特に、蛍光体115の粒径を、励起光の波長と同程度から100倍程度とすれば、広がり角を大きくすることができる。封止材116に対する蛍光体115の濃度は、例えば0.1重量%程度から70重量%程度までの間で幅広く調整することができる。例えば蛍光体115の粒径を波長と同程度から100倍程度とした場合、封止材116に対する蛍光体115の濃度を5重量%から50重量%程度とすると、広がり角を調整しやすい。
【0022】
また、蛍光体115及び封止材116の屈折率は、波長変換特性等を優先的に考慮して選択すべきである。蛍光体115の屈折率を例えば1.7以上と比較的高くする場合、封止材116には、どのような透明樹脂を用いてもよい。また、蛍光体115の屈折率を1.7よりも低い比較的低い値とする場合、封止材116には、例えば屈折率が1.5以下のものを用いることが望ましい。蛍光体115と封止材116との屈折率差を0.2程度より大きくすることが、広がり角を大きくしやすいため望ましい。また、励起光の広がり角を所望の角度とするために、励起光を波長変換せずに拡散させるフィラーを所定の濃度だけ封止材116に拡散させてもよい。
【0023】
第1の波長変換部材112の吸収/蛍光特性を図3に示す。第2の波長変換部材114の吸収/蛍光特性を図4に示す。ここで、図3及び図4において、破線は励起光の吸収特性を示し、実線は蛍光強度特性を示す。図3に示すように、第1の波長変換部材112は、第1の励起光源162が射出する波長450nmの励起光を含む光を吸収し、波長550nm付近にピークを有する黄色の蛍光を放射する。一方図4に示すように、第2の波長変換部材114は、第2の励起光源164が射出する波長405nmの励起光を含む光を吸収し、波長450nm付近にピークを有する青色の蛍光を発する。
【0024】
本実施形態に係る光源装置100の動作を説明する。ユーザの指示等に基づいて、制御装置170は、第1の励起光源162と第2の励起光源164との出力のON/OFF及びそれぞれの出力強度を制御する。第1の励起光源162は、制御装置170の制御の下、第1の励起光を射出する。第2の励起光源164は、制御装置170の制御の下、第2の励起光を射出する。
【0025】
第1の励起光源162から射出された第1の励起光は、光カプラー150の第1の光ファイバ152及び第3の光ファイバ156を通り、波長変換ユニット110に入射する。第2の励起光源164から射出された第2の励起光は、光カプラー150の第2の光ファイバ154及び第3の光ファイバ156を通り、波長変換ユニット110に入射する。
【0026】
波長変換ユニット110に入射した第1の励起光及び第2の励起光の挙動を説明する。まず、第1の励起光源162から射出された第1の励起光が波長変換ユニット110に入射した場合を説明する。光透過部材122を透過して第1の波長変換部材112に入射した波長450nmの第1の励起光は、図3にその吸収特性を示すように、第1の波長変換部材112においてその一部が吸収される。第1の波長変換部材112に吸収された第1の励起光は波長変換され、第1の波長変換部材112からは波長550nm付近にピークを有する黄色の蛍光が放射される。以降、この黄色の蛍光を第1の蛍光と称する。第1の蛍光は、第1の波長変換部材112から全方向に等方的に放射される。
【0027】
第1の蛍光の一部は、第1の波長変換部材112から第2の波長変換部材114に入射する。第2の波長変換部材114は、図4にその吸収特性を示すように、波長550nm付近にピークを有する第1の蛍光をほとんど吸収しない。第1の波長変換部材112から放射され、第2の波長変換部材114の方向以外の方向に放射された第1の蛍光は、ホルダ124の内周面で反射を繰り返し、再び第1の波長変換部材112に入射する。第1の波長変換部材112は、図3に示すように波長550nm付近にピークを有する第1の蛍光をほとんど吸収しない。第1の蛍光は、第1の波長変換部材112を透過し、第2の波長変換部材114に入射する。
【0028】
一方、第1の波長変換部材112に吸収されない第1の励起光は、第1の波長変換部材112を上述のとおりほとんど散乱されずに透過して、第2の波長変換部材114に入射する。第2の波長変換部材114は、図4にその吸収特性を示すように、波長450nm付近にピークを有する第1の励起光をほとんど吸収しない。
【0029】
第2の波長変換部材114でほとんど吸収されない第1の蛍光と第1の励起光とは、封止材116内に分散した蛍光体115によって散乱させられる。ホルダ124の内周面に当たった第1の蛍光及び第1の励起光は、その内周面で反射される。このようにして、第1の蛍光及び第1の励起光は、第2の波長変換部材114の射出面から様々な方向に射出される。すなわち、第1の蛍光及び第1の励起光は、広い広がり角を有して波長変換ユニット110から射出される。言い換えると、第1の蛍光及び第1の励起光は、第2の波長変換部材114で広がり角が増加させられる。
【0030】
ここで、第1の蛍光は、第1の波長変換部材112から様々な方向に放射され、様々な方向から第2の波長変換部材114に入射する。したがって、第2の波長変換部材114の射出面から射出される第1の蛍光は、広い広がり角を有する。また、第1の励起光は、第2の波長変換部材114で散乱される。したがって、第2の波長変換部材114の射出面から射出される第1の励起光は広い広がり角を有する。ここで、図5に示すように、第2の波長変換部材114の射出面から射出される第1の励起光の広がり角310と、第1の蛍光の広がり角320とがほぼ等しくなるように、すなわち、第1の励起光による照射領域330と第1の蛍光による照射領域340とがほぼ等しくなるように、第2の波長変換部材114における蛍光体115の粒径や濃度などが調整されている。
【0031】
なお、第1の波長変換部材112に吸収されずに透過した第1の励起光は、その光軸上で強度が最も高く、周辺程強度が低くなる。ここで、第2の波長変換部材114の入射面は、少なくとも第1の波長変換部材112を透過した第1の励起光が光軸上における強度の1/e倍(eはネーピア数)以上の光強度を有する第1の励起光が入射する範囲よりも広い。このように設計することで、第1の波長変換部材112を透過した第1の励起光のうち多くが、第1の波長変換部材112の射出面から第2の波長変換部材114に直接入射することができる。
【0032】
このように、例えば第1の励起光源162は、第1の励起光を射出する第1の励起光源として機能する。例えば第1の波長変換部材112は、第1の励起光の少なくとも一部を吸収し波長変換して第1の波長変換光を放射し、透過する第1の励起光の広がり角を第1の増加角度だけ増加させる第1の光学部材として機能する。例えば第2の波長変換部材114は、第1の励起光の光軸上を含む少なくとも第1の励起光についてこの第1の励起光の光軸における光強度の1/e倍以上の光強度を有する範囲を含む領域に配置され、透過する第1の励起光の広がり角を第1の増加角度よりも大きい第2の増加角度だけ増加させる第2の光学部材として機能する。例えばホルダ124は、第1の光学部材と第2の光学部材とを保持する保持部材として機能する。また、例えば多結晶化されたYAGセラミックス、YAG単結晶、又はLAG:Ce、TAG:Ce等のセラミックス蛍光体を含む第1の波長変換部材112は、単結晶又は多結晶の透明蛍光体である第1の光学部材として機能する。
【0033】
次に、第2の励起光源164から射出された第2の励起光が波長変換ユニット110に入射した場合を説明する。光透過部材122を透過して第1の波長変換部材112に入射した波長405nmの第2の励起光は、図3にその吸収特性を示すように、第1の波長変換部材112においてほとんど吸収されず、第1の波長変換部材112を透過する。ここで、上述のとおり第2の励起光は第1の波長変換部材112においてほとんど散乱されない。すなわち、第2の励起光は、その広がり角をほとんど変化させずに第1の波長変換部材112を透過する。第1の波長変換部材112を透過した第2の励起光は、第2の波長変換部材114に入射する。
【0034】
第2の波長変換部材114に入射した波長405nmの第2の励起光は、図4にその吸収特性を示すように、第2の波長変換部材114においてその一部が吸収される。第2の波長変換部材114に吸収された第2の励起光は波長変換され、第2の波長変換部材114からは波長450nm付近にピークを有する青色の蛍光が放射される。以降、この青色の蛍光を第2の蛍光と称する。第2の蛍光は、第2の波長変換部材114から全方向に等方的に放射される。
【0035】
第1の波長変換部材112の方向に放射された第2の蛍光は、その一部が第1の波長変換部材112に吸収され、上述した第1の蛍光が放射される。この第1の蛍光の光路は、上述の場合と同様である。第1の波長変換部材112の方向に放射され、第1の波長変換部材112で吸収されずに透過した第2の蛍光は、ホルダ124の内周面で反射され、再び第1の波長変換部材112に入射し、第1の波長変換部材112で吸収され第1の蛍光が放射されるか、又は第1の波長変換部材112を透過して第2の波長変換部材114に入射する。
【0036】
第2の波長変換部材114から射出開口の方向に放射された第2の蛍光は、封止材116内に分散した蛍光体115によって拡散させられる。また、第2の波長変換部材114で吸収されない第2の励起光も、封止材116内に分散した蛍光体115によって拡散させられる。
【0037】
ホルダ124の内周面に当たった第2の蛍光及び第2の励起光は、その内周面で反射される。このようにして、第2の蛍光及び第2の励起光は、第2の波長変換部材114の射出面から様々な方向に射出される。すなわち、第2の蛍光及び第2の励起光は、広い広がり角を有して波長変換ユニット110から射出される。言い換えると、第1の蛍光及び第1の励起光は、第2の波長変換部材114で広がり角が増加させられる。
【0038】
ここで、第2の蛍光は、第2の波長変換部材114から様々な方向に放射され、広い広がり角を有する。また、第2の励起光は、第2の波長変換部材114で散乱されて広い広がり角を有する。図6に示すように、第2の波長変換部材114の射出面から射出される第2の励起光の広がり角360と、第2の蛍光の広がり角370とがほぼ等しくなるように、すなわち、第2の励起光による照射領域380と第2の蛍光による照射領域390とがほぼ等しくなるように、第2の波長変換部材114における蛍光体115の粒径や濃度などが調整されている。さらに、上述の第1の励起光の波長変換ユニット110から射出される際の広がり角と、第2の励起光の波長変換ユニット110から射出される際の広がり角とがほぼ等しくなるように、第2の波長変換部材114における蛍光体115の粒径や濃度などが調整されている。
【0039】
以上のようにして、第1の励起光及び/又は第2の励起光が波長変換ユニット110に入射すると、波長変換ユニット110の射出開口から、上述のように設定された広がり角を有する第1の励起光、第2の励起光、第1の蛍光及び/又は第2の蛍光が射出される。 なお、第1の励起光と第2の励起光とがともに波長変換ユニット110に入射した場合に、波長変換ユニット110から射出される光のスペクトルの例を図7に示す。この図に示すように、光源装置100の照明光スペクトルは、第1の励起光と第2の励起光と第1の蛍光と第2の蛍光との成分が含まれたスペクトルとなる。なお、波長変換ユニット110は、第2の波長変換部材114を第1の波長変換部材112よりも射出開口側に配置することによって、第2の励起光の第1の波長変換部材112による吸収を低減し、十分な強度の第2の励起光を射出することができるように構成されている。
【0040】
本実施形態によれば、第2の波長変換部材114による光拡散を第1の波長変換部材112による光拡散より大きくすることで、第1の励起光の射出角310、第2の励起光の射出角360、第1の蛍光の放射角320、及び第2の蛍光の放射角370を容易に等しく調整することができる。波長変換ユニット110から射出される第1の励起光の広がり角310、第2の励起光の広がり角360、第1の蛍光の広がり角320、及び第2の蛍光の広がり角370を等しくすることができるので、光源装置100は、色むらの少ない照明光を射出することができる。
【0041】
また、第1の波長変換部材112による光拡散が大きいと、第1の波長変換部材112で拡散された光は、ホルダ124の内面に照射され、吸収などによる光の損失が大きくなる。これに対して本実施形態では、第1の波長変換部材112には光拡散がほとんどないものを用いている。このため、光源装置100のエネルギー変換効率は高い。また、本実施形態のように、第2の波長変換部材114を用いて光を拡散させることで、広がり角を調整するための光拡散部材を別途設ける必要がなく、光の損失を小さくすることができる。これらのことから、光源装置100のエネルギー変換効率は高い。
【0042】
また、本実施形態では、波長変換ユニット110内に第2の波長変換部材114及び第1の波長変換部材112という異なる吸収/蛍光特性を有する蛍光体を配置し、そこに第1の励起光と第2の励起光という2種類の異なる波長を持つ励起光を照射する構成を有している。このような構成を有するため、第1の励起光と第2の励起光との光量比を変化させることで、1つの光源装置により、射出する光の色を調整することができる。
【0043】
なお、本実施形態のように、第1の波長変換部材112及び第2の波長変換部材114に用いる蛍光体について、励起光の波長と蛍光の波長との差が小さいものを用いることにより、波長変換によるエネルギー損失を小さくすることができる。その結果、光源装置100のエネルギー変換効率は高くなる。
【0044】
なお、第1の波長変換部材112及び第2の波長変換部材114の第1の励起光及び第2の励起光の光軸に対して垂直な面における大きさは、第1の励起光及び第2の励起光の光軸上の強度の1/e倍以上の強度を有する光が入射する範囲以上の大きさであれば、これら励起光のうち多くが入射することになる。
【0045】
本実施形態では、第2の波長変換部材114を波長変換する蛍光体を含むものとして説明した。これに対して、第1の励起光のみを用いるのであれば、例えばアルミナといった光を分散させる機能のみを有する分散体であってもよい。この場合、第1の励起光と第1の蛍光との広がり角を一致させて色むらのない第1の励起光と第2の励起光と第1の蛍光とを射出する光源装置を構成することができる。
【0046】
[第1の実施形態の変形例]
第1の実施形態の変形例について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。まず第1の変形例について説明する。図8に本変形例に係る波長変換ユニット110の構造の概略図を示す。この図に示すように、本変形例に係る波長変換ユニット110は、第1の実施形態に係る波長変換ユニット110と比較して、第2の波長変換部材114の厚さが異なる。本変形例の第2の波長変換部材114は、第1の励起光及び第2の励起光の光軸上について厚くなっており、射出面が凸面形状をしている。
【0047】
光カプラー150(第3の光ファイバ156)の射出端から射出される第1の励起光及び第2の励起光は、それら励起光の光路軸上が最も強い光強度を有する。第2の波長変換部材114の形状が励起光の光軸上において最も厚い形状となっていることで、第1の励起光及び第2の励起光は、十分に拡散させられる。また、この形状により、第2の励起光のうち、波長変換される第2の励起光の割合が高くなる。
【0048】
なお、図8においては、第2の波長変換部材114の射出面がホルダ124の射出開口よりも外側に突出しているが、これに限らない。また、図8に示す例では、射出面が凸面形状をしているが、第2の波長変換部材114の厚さが、光軸上付近が周縁部よりも厚い形状であれば、その形状は、図8に示す形状に限らない。入射面が凸面形状をしていてもよい。
【0049】
次に第2の変形例について説明する。図9に本変形例に係る波長変換ユニット110の構造の概略図を示す。この図に示すように、本変形例に係る波長変換ユニット110は、第1の励起光及び第2の励起光の光軸上に、第2の波長変換部材114よりも直径が小さい第1の波長変換部材112を備えており、第1の波長変換部材112の側面部も覆うように第2の波長変換部材114が配置されている。
【0050】
所定の広がり角で入射された第2の励起光は、光軸に近い中心部分は第1の波長変換部材112に入射し、光軸から遠い周縁部は、直接第2の波長変換部材114に入射する。第2の波長変換部材114に直接照射された第2の励起光は、第2の波長変換部材114により波長変換及び拡散され、一部は第1の波長変換部材112に再入射し、一部は第2の波長変換部材114を透過して波長変換ユニット110の射出開口から射出される。
【0051】
本変形例のように、励起光の光軸上に配置された第1の波長変換部材112の直径を小さくすることにより、第2の励起光によって波長変換された第2の蛍光が、第1の波長変換部材112に再入射する割合が小さくなる。その結果、第1の波長変換部材112に2次的に吸収される第2の蛍光の割合が低くなり、第2の蛍光の割合を高くすることができる。
【0052】
[第2の実施形態]
第2の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る波長変換ユニット110の構成例の概略を図10及び図11に示す。図10は、波長変換ユニット110の横断面を表す概略図であり、図11は、波長変換ユニット110の射出開口側から見た平面を表す概略図である。
【0053】
図10及び図11に示すように、光カプラー150(第3の光ファイバ156)の射出端から射出される第1の励起光及び第2の励起光の光軸上に、第2の波長変換部材114が配置されている。第2の波長変換部材114は、円柱形状をしている。ここで、第1の励起光及び第2の励起光の広がり角を図10に破線で示すように、第2の波長変換部材114の直径は、第1の励起光及び第2の励起光が第2の波長変換部材114に入射する際のビームスポット径よりも大きい。第2の波長変換部材114の外周側面を覆うように、中空の円柱形状をした第1の波長変換部材112が配置されている。
【0054】
光カプラー150(第3の光ファイバ156)の射出端から射出される第1の励起光及び第2の励起光は、光透過部材122を透過し、第2の波長変換部材114に入射する。第2の励起光の一部は、第2の波長変換部材114によって波長変換され、第2の蛍光が放射される。その他の第2の励起光は、第2の波長変換部材114を散乱させられながら透過する。一方、第2の波長変換部材114に入射した第1の励起光は、ほとんど波長変換されずに散乱されて、その一部は波長変換ユニット110の射出開口から射出される。また、第2の波長変換部材114で散乱されて第1の波長変換部材112に入射した第1の励起光は、波長変換されて第1の蛍光が放射される。
【0055】
第1の励起光及び第2の励起光を拡散する能力が高い第2の波長変換部材114を第1の励起光及び第2の励起光の光軸に近い領域に配置し、拡散する能力が低い第1の波長変換部材112を外周部に配置することで、第1の励起光及び第2の励起光は、ほとんど第2の波長変換部材114に入射する。その結果、第1の励起光及び第2の励起光は、第2の波長変換部材114により拡散される。このため、本実施形態によれば広い広がり角を有する光を射出することができる。
【0056】
また、第1の励起光は、第2の波長変換部材114で拡散された後に第1の波長変換部材112で波長変換される。したがって、波長変換によって生じる熱の発生個所が分散されるため、第1の波長変換部材112が局所的に高温になることを防止できる。また、第1の波長変換部材112と第2の波長変換部材114とが第1の励起光及び第2の励起光の光軸上で接していないため、第2の波長変換部材114で発生する波長変換損失熱が第1の波長変換部材112に及ぼす影響を低減できる。以上によって、第1の波長変換部材112における温度消光が抑えられる。
【0057】
[第3の実施形態]
第3の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る波長変換ユニット110の構成例の概略を図12に示す。この図に示すように、波長変換ユニット110のホルダ124には、光カプラー150の射出端の側から、第1の励起光及び第2の励起光の進行方向に順に、光透過部材122、第3の波長変換部材119及び第2の波長変換部材114が配置されている。
【0058】
第3の波長変換部材119の吸収/蛍光特性の一例を図13に示す。この図に示すように、第3の波長変換部材119は、第1の励起光の波長領域と第2の励起光の波長領域とに対して吸収特性を有しており、波長550nm付近にピークを有する蛍光を放射する。以降、この波長550nm付近にピークを有する蛍光を第3の蛍光と称する。このような第3の波長変換部材119の材質としては、例えばオルトシリケート系の蛍光体が挙げられる。また、図12には図示していないが、第3の波長変換部材119は、粉末蛍光体をシリコーン樹脂の封止材の内部に分散させた構造を有する。
【0059】
本実施形態では、第1の励起光は、第3の波長変換部材119に一部吸収され、第3の蛍光が全方向に等方的に放射される。第3の蛍光は、第2の波長変換部材114にはほとんど吸収されない。このため、第3の蛍光は、波長変換ユニット110の射出開口から、広い射出角を有して、第3の蛍光の照射領域450に照射される。
【0060】
一方で、第3の波長変換部材119を透過した第1の励起光は、第2の波長変換部材114に吸収されず、第2の波長変換部材114で拡散されて、波長変換ユニット110の射出開口から、広い広がり角を有して、第1の励起光の照射領域460に照射される。
【0061】
また、第2の励起光は、第3の波長変換部材119に一部吸収され、第3の蛍光が全方向に等方的に放射される。第3の蛍光は、上述のように波長変換ユニット110の射出開口から、広い広がり角を有して、第3の蛍光の照射領域480に照射される。一方で、第3の波長変換部材119を透過した第2の励起光は、第2の波長変換部材114で波長変換され、第2の蛍光が全方向に等方的に放射される。その結果、第2の蛍光は、波長変換ユニット110の射出開口から、広い広がり角を有して、第2の蛍光の照射領域470に照射される。
本実施形態によれば、波長変換ユニット110から第1の励起光と、第2の励起光と、第2の蛍光と、第3の蛍光とを、適切に統一された広がり角で射出することができる。
【0062】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても、発明が解決しようとする課題の欄で述べられた課題が解決でき、かつ、発明の効果が得られる場合には、この構成要素が削除された構成も発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0063】
100…光源装置、110…波長変換ユニット、112…第1の波長変換部材、114…第2の波長変換部材、115…蛍光体、116…封止材、119…第3の波長変換部材、122…光透過部材、124…ホルダ、150…光カプラー、152…第1の光ファイバ、154…第2の光ファイバ、156…第3の光ファイバ、162…第1の励起光源、164…第2の励起光源、170…制御装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、小型固体光源から光を射出し、この光を光変換部材によって変換し、照明光を所望の照射パターンや所望の色に変化させる光源装置が開発されている。例えば特許文献1には、金属基板上に配置されたLEDチップと、LEDチップを封止する封止樹脂と、封止樹脂上に配置された蛍光体とを組み合わせた光源装置が提案されている。この光源装置では、LEDチップから射出された励起光の一部を、LEDチップ上に配置された板状の蛍光体で波長変換して蛍光を放射させる。このようにして、特許文献1に係る技術では、蛍光体を透過した励起光と、蛍光体から放射された蛍光とにより、照明光を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008−105527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1のように、蛍光体を透過した励起光と、蛍光体から放射された蛍光とにより照明光を調整する光源装置では、次のような課題がある。すなわち、蛍光体を透過する励起光は、光軸近くの光強度が強く、周縁部の光強度が弱くなる。これに対して、蛍光体から放射される蛍光は、等方的に散乱し、等方的な光強度を有する。そのため、このような光源装置から射出される照明光は、中心部において励起光成分が強く、周縁部において蛍光成分が強い、色むらを有する光となる。
【0005】
そこで本発明は、均一な配光特性を有する照明光を射出する光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を果たすため、本発明の光源装置の一態様は、第1の波長領域の波長を有する第1の励起光を射出する第1の励起光源と、前記第1の励起光の少なくとも一部を吸収し波長変換して第1の波長変換光を放射し、透過する前記第1の励起光の広がり角を第1の増加角度だけ増加させる第1の光学部材と、前記第1の励起光の光軸上を含む少なくとも前記第1の励起光についてこの第1の励起光の光軸における光強度の1/e倍(eはネーピア数)以上の光強度を有する範囲を含む領域に配置され、透過する前記第1の励起光の広がり角を前記第1の増加角度よりも大きい第2の増加角度だけ増加させる第2の光学部材と、前記第1の光学部材と前記第2の光学部材とを保持する保持部材と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第2の光学部材によって励起光の広がり角が調整されるので、均一な配光特性を有する照明光を射出する光源装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光源装置の構成例を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態に係る波長変換ユニットの構成例の概略を示す図。
【図3】第1の実施形態に係る第1の波長変換部材の吸収/蛍光特性の一例を示す図。
【図4】第1の実施形態に係る第2の波長変換部材の吸収/蛍光特性の一例を示す図。
【図5】第1の実施形態に係る波長変換ユニットにおける第1の励起光に由来する第1の励起光及び第1の蛍光の広がり角について説明するための図。
【図6】第1の実施形態に係る波長変換ユニットにおける第2の励起光に由来する第2の励起光及び第2の蛍光の広がり角について説明するための図。
【図7】第1の実施形態に係る波長変換ユニットから射出される照明光のスペクトル特性の一例を示す図。
【図8】第1の実施形態の第1の変形例に係る波長変換ユニットの構成例の概略を示す図。
【図9】第1の実施形態の第2の変形例に係る波長変換ユニットの構成例の概略を示す図。
【図10】第2の実施形態に係る波長変換ユニットの構成例の概略を示す図。
【図11】第2の実施形態に係る波長変換ユニットの構成例の概略を示す図。
【図12】第3の実施形態に係る波長変換ユニットの構成例と波長変換ユニットから射出される照明光の広がり角について説明するための図。
【図13】第3の実施形態に係る第3の波長変換部材の吸収/蛍光特性の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る光源装置100の構成の概要を図1に示す。この図に示すように、光源装置100は、波長変換ユニット110と、光カプラー150と、第1の励起光源162と、第2の励起光源164と、制御装置170とを有する。
【0010】
第1の励起光源162は、第1の波長領域の波長を有する励起光を発生する光源である。本実施形態では、第1の波長領域の中心波長を450nmとし、第1の励起光源162は波長450nmのレーザ光を射出する青色半導体レーザ(青色LD)とする。以降、第1の励起光源162から射出される励起光を第1の励起光と称する。第2の励起光源164は、第2の波長領域の波長を有する励起光を発生する光源である。本実施形態では、第2の波長領域の中心波長を405nmとし、第2の励起光源164は波長405nmのレーザ光を射出する青紫色半導体レーザ(青紫LD)とする。以降、第2の励起光源164から射出される励起光を第2の励起光と称する。
【0011】
制御装置170は、第1の励起光源162と、第2の励起光源164とを駆動及び制御する。すなわち、制御装置170は、第1の励起光源162と第2の励起光源164とをそれぞれ駆動する複数の駆動回路を備えている。制御装置170は、これら駆動回路をそれぞれ独立に制御する。制御装置170は、第1の励起光源162と第2の励起光源164とをそれぞれ連続駆動することもできるし、パルス駆動することもできる。また、制御装置170は、第1の励起光源162と第2の励起光源164とのうち、一方を点灯し、他方を消灯することもできる。また、制御装置170は、第1の励起光源162と第2の励起光源164との励起光量比率を調整して、照明光の色を調整すること、すなわちスペクトル調整することができる。
【0012】
光カプラー150は、第1の光ファイバ152と、第2の光ファイバ154と、第3の光ファイバ156とを有する。第1の光ファイバ152は、第1の励起光源162から射出されたレーザ光である第1の励起光を導光する。第2の光ファイバ154は、第2の励起光源164から射出されたレーザ光である第2の励起子を導光する。第1の光ファイバ152と第2の光ファイバ154とは、それらの導光路を1つに結合させる。すなわち、光カプラー150は第1の励起光と第2の励起光とを合波する。第3の光ファイバ156は、この合波された光を波長変換ユニット110に導く。
【0013】
波長変換ユニット110は、光カプラー150によって導かれた第1の励起光及び第2の励起光を受光し、それら励起光の一部を、波長が異なる照明光に変換する波長変換ユニットである。波長変換ユニット110の構造の概略を図2に示す。この図に示すように、波長変換ユニット110は、第1の波長変換部材112と、第2の波長変換部材114と、光透過部材122と、ホルダ124とを有する。光透過部材122と、第1の波長変換部材112と、第2の波長変換部材114とは、光カプラー150の射出端と共にホルダ124に保持されている。
【0014】
すなわち、ホルダ124は、例えば円筒形状をしている。ホルダ124は、光カプラー150の第3の光ファイバ156の射出端を、ホルダ124の一端の入射開口124−1の部分で保持している。ホルダ124は、前記入射開口124−1と対向する位置に射出開口124−2を有しており、入射開口124−1から射出開口124−2まで、連続する貫通孔を有している。この貫通孔の内面には図示しない反射部材が形成されている。
【0015】
ホルダ124は、光カプラー150の射出端側から当該射出端から射出される励起光の射出方向に順に、光透過部材122と、第1の波長変換部材112と、第2の波長変換部材114とを保持する。その結果、光カプラー150の射出端から射出された励起光は、光透過部材122、第1の波長変換部材112、第2の波長変換部材114の順に通過し、ホルダ124の射出開口124−2から射出される。このように光透過部材122と、第1の波長変換部材112と、第2の波長変換部材114とは、例えばホルダ124の貫通孔の直径よりも小さい直径の円柱形状を有している。なお、本実施形態では、ホルダ124の形状を円筒形状としたが、これに限らない。例えば、入射開口を頂点とし、射出開口を底面とする円錐形状のような形状をしていてもよい。
【0016】
光透過部材122は、光カプラー150の射出端から射出される第1の励起光と第2の励起光と、第1の波長変換部材112と第2の波長変換部材114とから放射される蛍光とを透過する性質を有している。光透過部材122は、例えば透過率が高いガラスやシリコーン樹脂で構成される。波長変換ユニット110内において光透過部材122は、光カプラー150の射出端から第1の波長変換部材112までの間隔を所望の間隔とする厚みを備えている。
【0017】
第1の波長変換部材112において、光透過部材122側の面を受光面と称し、第2の波長変換部材114側の面を射出面と称する。第2の波長変換部材114において、第1の波長変換部材112側の面を受光面と称し、この受光面と対向する面を射出面と称する。第2の波長変換部材114の射出面は、ホルダ124の射出開口124−2の端面と同一平面となるように構成されている。
【0018】
本実施形態において、第1の波長変換部材112には、例えばY3Al5O12:Ce(以下YAGと称する)で示される組成の蛍光体が用いられている。第1の波長変換部材112は、多結晶化されたYAGセラミックスからなる。YAGセラミックスは、透過する励起光をほとんど拡散させないという性質がある。なお、YAGセラミックス以外にも、第1の波長変換部材112には、YAG単結晶や、LAG:Ce、TAG:Ce等のセラミックス蛍光体を用いることもできる。第1の波長変換部材112に入射した励起光の一部は、第1の波長変換部材112に吸収される。吸収された光は、波長変換されて蛍光として第1の波長変換部材112から等方的に放射される。一方、第1の波長変換部材112に吸収されなかった励起光は、第1の波長変換部材112を透過する。
【0019】
第2の波長変換部材114は、蛍光体115と、封止材116とを含む。蛍光体115は、例えば(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6Cl2:Eu(以下SCAと称する)を含む粉末蛍光体である。なお、SCAの代わりに、例えばBaMgAl10O17:Euや、BaMgAl10O17:Eu,Mnを用いることもできる。
【0020】
蛍光体115の平均粒径は、例えば4.5μmである。この蛍光体115は、封止材116中に分散されている。ここで、封止材116は、例えばシリコーン樹脂といった透明樹脂等である。蛍光体115の屈折率は、封止材116の屈折率よりも高い。透明な封止材116中に、粉末の蛍光体115を分散させた構成により、第2の波長変換部材114は、拡散部材としても機能する。すなわち、第2の波長変換部材114に入射した励起光の一部は、粉末の蛍光体115に吸収される。吸収された光は、波長変換されて蛍光として蛍光体115から放射される。ここで蛍光は、蛍光体115から全方向に等方的に放射される。一方、蛍光体115に吸収されなかった励起光は、蛍光体115により散乱されて所定の広がり角を有して、第2の波長変換部材114から放射される。このとき、第2の波長変換部材114に入射した光の広がり角と第2の波長変換部材114から射出される光の広がり角との差、すなわち広がり角の増加角度は、蛍光体115の粒径、封止材116に対する蛍光体115の濃度、蛍光体115と封止材116との屈折率、及び第2の波長変換部材114全体の厚さ等により決定される。
【0021】
なお、蛍光体115の粒径は、励起光の波長の1/10程度から1000倍程度が望ましい。特に、蛍光体115の粒径を、励起光の波長と同程度から100倍程度とすれば、広がり角を大きくすることができる。封止材116に対する蛍光体115の濃度は、例えば0.1重量%程度から70重量%程度までの間で幅広く調整することができる。例えば蛍光体115の粒径を波長と同程度から100倍程度とした場合、封止材116に対する蛍光体115の濃度を5重量%から50重量%程度とすると、広がり角を調整しやすい。
【0022】
また、蛍光体115及び封止材116の屈折率は、波長変換特性等を優先的に考慮して選択すべきである。蛍光体115の屈折率を例えば1.7以上と比較的高くする場合、封止材116には、どのような透明樹脂を用いてもよい。また、蛍光体115の屈折率を1.7よりも低い比較的低い値とする場合、封止材116には、例えば屈折率が1.5以下のものを用いることが望ましい。蛍光体115と封止材116との屈折率差を0.2程度より大きくすることが、広がり角を大きくしやすいため望ましい。また、励起光の広がり角を所望の角度とするために、励起光を波長変換せずに拡散させるフィラーを所定の濃度だけ封止材116に拡散させてもよい。
【0023】
第1の波長変換部材112の吸収/蛍光特性を図3に示す。第2の波長変換部材114の吸収/蛍光特性を図4に示す。ここで、図3及び図4において、破線は励起光の吸収特性を示し、実線は蛍光強度特性を示す。図3に示すように、第1の波長変換部材112は、第1の励起光源162が射出する波長450nmの励起光を含む光を吸収し、波長550nm付近にピークを有する黄色の蛍光を放射する。一方図4に示すように、第2の波長変換部材114は、第2の励起光源164が射出する波長405nmの励起光を含む光を吸収し、波長450nm付近にピークを有する青色の蛍光を発する。
【0024】
本実施形態に係る光源装置100の動作を説明する。ユーザの指示等に基づいて、制御装置170は、第1の励起光源162と第2の励起光源164との出力のON/OFF及びそれぞれの出力強度を制御する。第1の励起光源162は、制御装置170の制御の下、第1の励起光を射出する。第2の励起光源164は、制御装置170の制御の下、第2の励起光を射出する。
【0025】
第1の励起光源162から射出された第1の励起光は、光カプラー150の第1の光ファイバ152及び第3の光ファイバ156を通り、波長変換ユニット110に入射する。第2の励起光源164から射出された第2の励起光は、光カプラー150の第2の光ファイバ154及び第3の光ファイバ156を通り、波長変換ユニット110に入射する。
【0026】
波長変換ユニット110に入射した第1の励起光及び第2の励起光の挙動を説明する。まず、第1の励起光源162から射出された第1の励起光が波長変換ユニット110に入射した場合を説明する。光透過部材122を透過して第1の波長変換部材112に入射した波長450nmの第1の励起光は、図3にその吸収特性を示すように、第1の波長変換部材112においてその一部が吸収される。第1の波長変換部材112に吸収された第1の励起光は波長変換され、第1の波長変換部材112からは波長550nm付近にピークを有する黄色の蛍光が放射される。以降、この黄色の蛍光を第1の蛍光と称する。第1の蛍光は、第1の波長変換部材112から全方向に等方的に放射される。
【0027】
第1の蛍光の一部は、第1の波長変換部材112から第2の波長変換部材114に入射する。第2の波長変換部材114は、図4にその吸収特性を示すように、波長550nm付近にピークを有する第1の蛍光をほとんど吸収しない。第1の波長変換部材112から放射され、第2の波長変換部材114の方向以外の方向に放射された第1の蛍光は、ホルダ124の内周面で反射を繰り返し、再び第1の波長変換部材112に入射する。第1の波長変換部材112は、図3に示すように波長550nm付近にピークを有する第1の蛍光をほとんど吸収しない。第1の蛍光は、第1の波長変換部材112を透過し、第2の波長変換部材114に入射する。
【0028】
一方、第1の波長変換部材112に吸収されない第1の励起光は、第1の波長変換部材112を上述のとおりほとんど散乱されずに透過して、第2の波長変換部材114に入射する。第2の波長変換部材114は、図4にその吸収特性を示すように、波長450nm付近にピークを有する第1の励起光をほとんど吸収しない。
【0029】
第2の波長変換部材114でほとんど吸収されない第1の蛍光と第1の励起光とは、封止材116内に分散した蛍光体115によって散乱させられる。ホルダ124の内周面に当たった第1の蛍光及び第1の励起光は、その内周面で反射される。このようにして、第1の蛍光及び第1の励起光は、第2の波長変換部材114の射出面から様々な方向に射出される。すなわち、第1の蛍光及び第1の励起光は、広い広がり角を有して波長変換ユニット110から射出される。言い換えると、第1の蛍光及び第1の励起光は、第2の波長変換部材114で広がり角が増加させられる。
【0030】
ここで、第1の蛍光は、第1の波長変換部材112から様々な方向に放射され、様々な方向から第2の波長変換部材114に入射する。したがって、第2の波長変換部材114の射出面から射出される第1の蛍光は、広い広がり角を有する。また、第1の励起光は、第2の波長変換部材114で散乱される。したがって、第2の波長変換部材114の射出面から射出される第1の励起光は広い広がり角を有する。ここで、図5に示すように、第2の波長変換部材114の射出面から射出される第1の励起光の広がり角310と、第1の蛍光の広がり角320とがほぼ等しくなるように、すなわち、第1の励起光による照射領域330と第1の蛍光による照射領域340とがほぼ等しくなるように、第2の波長変換部材114における蛍光体115の粒径や濃度などが調整されている。
【0031】
なお、第1の波長変換部材112に吸収されずに透過した第1の励起光は、その光軸上で強度が最も高く、周辺程強度が低くなる。ここで、第2の波長変換部材114の入射面は、少なくとも第1の波長変換部材112を透過した第1の励起光が光軸上における強度の1/e倍(eはネーピア数)以上の光強度を有する第1の励起光が入射する範囲よりも広い。このように設計することで、第1の波長変換部材112を透過した第1の励起光のうち多くが、第1の波長変換部材112の射出面から第2の波長変換部材114に直接入射することができる。
【0032】
このように、例えば第1の励起光源162は、第1の励起光を射出する第1の励起光源として機能する。例えば第1の波長変換部材112は、第1の励起光の少なくとも一部を吸収し波長変換して第1の波長変換光を放射し、透過する第1の励起光の広がり角を第1の増加角度だけ増加させる第1の光学部材として機能する。例えば第2の波長変換部材114は、第1の励起光の光軸上を含む少なくとも第1の励起光についてこの第1の励起光の光軸における光強度の1/e倍以上の光強度を有する範囲を含む領域に配置され、透過する第1の励起光の広がり角を第1の増加角度よりも大きい第2の増加角度だけ増加させる第2の光学部材として機能する。例えばホルダ124は、第1の光学部材と第2の光学部材とを保持する保持部材として機能する。また、例えば多結晶化されたYAGセラミックス、YAG単結晶、又はLAG:Ce、TAG:Ce等のセラミックス蛍光体を含む第1の波長変換部材112は、単結晶又は多結晶の透明蛍光体である第1の光学部材として機能する。
【0033】
次に、第2の励起光源164から射出された第2の励起光が波長変換ユニット110に入射した場合を説明する。光透過部材122を透過して第1の波長変換部材112に入射した波長405nmの第2の励起光は、図3にその吸収特性を示すように、第1の波長変換部材112においてほとんど吸収されず、第1の波長変換部材112を透過する。ここで、上述のとおり第2の励起光は第1の波長変換部材112においてほとんど散乱されない。すなわち、第2の励起光は、その広がり角をほとんど変化させずに第1の波長変換部材112を透過する。第1の波長変換部材112を透過した第2の励起光は、第2の波長変換部材114に入射する。
【0034】
第2の波長変換部材114に入射した波長405nmの第2の励起光は、図4にその吸収特性を示すように、第2の波長変換部材114においてその一部が吸収される。第2の波長変換部材114に吸収された第2の励起光は波長変換され、第2の波長変換部材114からは波長450nm付近にピークを有する青色の蛍光が放射される。以降、この青色の蛍光を第2の蛍光と称する。第2の蛍光は、第2の波長変換部材114から全方向に等方的に放射される。
【0035】
第1の波長変換部材112の方向に放射された第2の蛍光は、その一部が第1の波長変換部材112に吸収され、上述した第1の蛍光が放射される。この第1の蛍光の光路は、上述の場合と同様である。第1の波長変換部材112の方向に放射され、第1の波長変換部材112で吸収されずに透過した第2の蛍光は、ホルダ124の内周面で反射され、再び第1の波長変換部材112に入射し、第1の波長変換部材112で吸収され第1の蛍光が放射されるか、又は第1の波長変換部材112を透過して第2の波長変換部材114に入射する。
【0036】
第2の波長変換部材114から射出開口の方向に放射された第2の蛍光は、封止材116内に分散した蛍光体115によって拡散させられる。また、第2の波長変換部材114で吸収されない第2の励起光も、封止材116内に分散した蛍光体115によって拡散させられる。
【0037】
ホルダ124の内周面に当たった第2の蛍光及び第2の励起光は、その内周面で反射される。このようにして、第2の蛍光及び第2の励起光は、第2の波長変換部材114の射出面から様々な方向に射出される。すなわち、第2の蛍光及び第2の励起光は、広い広がり角を有して波長変換ユニット110から射出される。言い換えると、第1の蛍光及び第1の励起光は、第2の波長変換部材114で広がり角が増加させられる。
【0038】
ここで、第2の蛍光は、第2の波長変換部材114から様々な方向に放射され、広い広がり角を有する。また、第2の励起光は、第2の波長変換部材114で散乱されて広い広がり角を有する。図6に示すように、第2の波長変換部材114の射出面から射出される第2の励起光の広がり角360と、第2の蛍光の広がり角370とがほぼ等しくなるように、すなわち、第2の励起光による照射領域380と第2の蛍光による照射領域390とがほぼ等しくなるように、第2の波長変換部材114における蛍光体115の粒径や濃度などが調整されている。さらに、上述の第1の励起光の波長変換ユニット110から射出される際の広がり角と、第2の励起光の波長変換ユニット110から射出される際の広がり角とがほぼ等しくなるように、第2の波長変換部材114における蛍光体115の粒径や濃度などが調整されている。
【0039】
以上のようにして、第1の励起光及び/又は第2の励起光が波長変換ユニット110に入射すると、波長変換ユニット110の射出開口から、上述のように設定された広がり角を有する第1の励起光、第2の励起光、第1の蛍光及び/又は第2の蛍光が射出される。 なお、第1の励起光と第2の励起光とがともに波長変換ユニット110に入射した場合に、波長変換ユニット110から射出される光のスペクトルの例を図7に示す。この図に示すように、光源装置100の照明光スペクトルは、第1の励起光と第2の励起光と第1の蛍光と第2の蛍光との成分が含まれたスペクトルとなる。なお、波長変換ユニット110は、第2の波長変換部材114を第1の波長変換部材112よりも射出開口側に配置することによって、第2の励起光の第1の波長変換部材112による吸収を低減し、十分な強度の第2の励起光を射出することができるように構成されている。
【0040】
本実施形態によれば、第2の波長変換部材114による光拡散を第1の波長変換部材112による光拡散より大きくすることで、第1の励起光の射出角310、第2の励起光の射出角360、第1の蛍光の放射角320、及び第2の蛍光の放射角370を容易に等しく調整することができる。波長変換ユニット110から射出される第1の励起光の広がり角310、第2の励起光の広がり角360、第1の蛍光の広がり角320、及び第2の蛍光の広がり角370を等しくすることができるので、光源装置100は、色むらの少ない照明光を射出することができる。
【0041】
また、第1の波長変換部材112による光拡散が大きいと、第1の波長変換部材112で拡散された光は、ホルダ124の内面に照射され、吸収などによる光の損失が大きくなる。これに対して本実施形態では、第1の波長変換部材112には光拡散がほとんどないものを用いている。このため、光源装置100のエネルギー変換効率は高い。また、本実施形態のように、第2の波長変換部材114を用いて光を拡散させることで、広がり角を調整するための光拡散部材を別途設ける必要がなく、光の損失を小さくすることができる。これらのことから、光源装置100のエネルギー変換効率は高い。
【0042】
また、本実施形態では、波長変換ユニット110内に第2の波長変換部材114及び第1の波長変換部材112という異なる吸収/蛍光特性を有する蛍光体を配置し、そこに第1の励起光と第2の励起光という2種類の異なる波長を持つ励起光を照射する構成を有している。このような構成を有するため、第1の励起光と第2の励起光との光量比を変化させることで、1つの光源装置により、射出する光の色を調整することができる。
【0043】
なお、本実施形態のように、第1の波長変換部材112及び第2の波長変換部材114に用いる蛍光体について、励起光の波長と蛍光の波長との差が小さいものを用いることにより、波長変換によるエネルギー損失を小さくすることができる。その結果、光源装置100のエネルギー変換効率は高くなる。
【0044】
なお、第1の波長変換部材112及び第2の波長変換部材114の第1の励起光及び第2の励起光の光軸に対して垂直な面における大きさは、第1の励起光及び第2の励起光の光軸上の強度の1/e倍以上の強度を有する光が入射する範囲以上の大きさであれば、これら励起光のうち多くが入射することになる。
【0045】
本実施形態では、第2の波長変換部材114を波長変換する蛍光体を含むものとして説明した。これに対して、第1の励起光のみを用いるのであれば、例えばアルミナといった光を分散させる機能のみを有する分散体であってもよい。この場合、第1の励起光と第1の蛍光との広がり角を一致させて色むらのない第1の励起光と第2の励起光と第1の蛍光とを射出する光源装置を構成することができる。
【0046】
[第1の実施形態の変形例]
第1の実施形態の変形例について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。まず第1の変形例について説明する。図8に本変形例に係る波長変換ユニット110の構造の概略図を示す。この図に示すように、本変形例に係る波長変換ユニット110は、第1の実施形態に係る波長変換ユニット110と比較して、第2の波長変換部材114の厚さが異なる。本変形例の第2の波長変換部材114は、第1の励起光及び第2の励起光の光軸上について厚くなっており、射出面が凸面形状をしている。
【0047】
光カプラー150(第3の光ファイバ156)の射出端から射出される第1の励起光及び第2の励起光は、それら励起光の光路軸上が最も強い光強度を有する。第2の波長変換部材114の形状が励起光の光軸上において最も厚い形状となっていることで、第1の励起光及び第2の励起光は、十分に拡散させられる。また、この形状により、第2の励起光のうち、波長変換される第2の励起光の割合が高くなる。
【0048】
なお、図8においては、第2の波長変換部材114の射出面がホルダ124の射出開口よりも外側に突出しているが、これに限らない。また、図8に示す例では、射出面が凸面形状をしているが、第2の波長変換部材114の厚さが、光軸上付近が周縁部よりも厚い形状であれば、その形状は、図8に示す形状に限らない。入射面が凸面形状をしていてもよい。
【0049】
次に第2の変形例について説明する。図9に本変形例に係る波長変換ユニット110の構造の概略図を示す。この図に示すように、本変形例に係る波長変換ユニット110は、第1の励起光及び第2の励起光の光軸上に、第2の波長変換部材114よりも直径が小さい第1の波長変換部材112を備えており、第1の波長変換部材112の側面部も覆うように第2の波長変換部材114が配置されている。
【0050】
所定の広がり角で入射された第2の励起光は、光軸に近い中心部分は第1の波長変換部材112に入射し、光軸から遠い周縁部は、直接第2の波長変換部材114に入射する。第2の波長変換部材114に直接照射された第2の励起光は、第2の波長変換部材114により波長変換及び拡散され、一部は第1の波長変換部材112に再入射し、一部は第2の波長変換部材114を透過して波長変換ユニット110の射出開口から射出される。
【0051】
本変形例のように、励起光の光軸上に配置された第1の波長変換部材112の直径を小さくすることにより、第2の励起光によって波長変換された第2の蛍光が、第1の波長変換部材112に再入射する割合が小さくなる。その結果、第1の波長変換部材112に2次的に吸収される第2の蛍光の割合が低くなり、第2の蛍光の割合を高くすることができる。
【0052】
[第2の実施形態]
第2の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る波長変換ユニット110の構成例の概略を図10及び図11に示す。図10は、波長変換ユニット110の横断面を表す概略図であり、図11は、波長変換ユニット110の射出開口側から見た平面を表す概略図である。
【0053】
図10及び図11に示すように、光カプラー150(第3の光ファイバ156)の射出端から射出される第1の励起光及び第2の励起光の光軸上に、第2の波長変換部材114が配置されている。第2の波長変換部材114は、円柱形状をしている。ここで、第1の励起光及び第2の励起光の広がり角を図10に破線で示すように、第2の波長変換部材114の直径は、第1の励起光及び第2の励起光が第2の波長変換部材114に入射する際のビームスポット径よりも大きい。第2の波長変換部材114の外周側面を覆うように、中空の円柱形状をした第1の波長変換部材112が配置されている。
【0054】
光カプラー150(第3の光ファイバ156)の射出端から射出される第1の励起光及び第2の励起光は、光透過部材122を透過し、第2の波長変換部材114に入射する。第2の励起光の一部は、第2の波長変換部材114によって波長変換され、第2の蛍光が放射される。その他の第2の励起光は、第2の波長変換部材114を散乱させられながら透過する。一方、第2の波長変換部材114に入射した第1の励起光は、ほとんど波長変換されずに散乱されて、その一部は波長変換ユニット110の射出開口から射出される。また、第2の波長変換部材114で散乱されて第1の波長変換部材112に入射した第1の励起光は、波長変換されて第1の蛍光が放射される。
【0055】
第1の励起光及び第2の励起光を拡散する能力が高い第2の波長変換部材114を第1の励起光及び第2の励起光の光軸に近い領域に配置し、拡散する能力が低い第1の波長変換部材112を外周部に配置することで、第1の励起光及び第2の励起光は、ほとんど第2の波長変換部材114に入射する。その結果、第1の励起光及び第2の励起光は、第2の波長変換部材114により拡散される。このため、本実施形態によれば広い広がり角を有する光を射出することができる。
【0056】
また、第1の励起光は、第2の波長変換部材114で拡散された後に第1の波長変換部材112で波長変換される。したがって、波長変換によって生じる熱の発生個所が分散されるため、第1の波長変換部材112が局所的に高温になることを防止できる。また、第1の波長変換部材112と第2の波長変換部材114とが第1の励起光及び第2の励起光の光軸上で接していないため、第2の波長変換部材114で発生する波長変換損失熱が第1の波長変換部材112に及ぼす影響を低減できる。以上によって、第1の波長変換部材112における温度消光が抑えられる。
【0057】
[第3の実施形態]
第3の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る波長変換ユニット110の構成例の概略を図12に示す。この図に示すように、波長変換ユニット110のホルダ124には、光カプラー150の射出端の側から、第1の励起光及び第2の励起光の進行方向に順に、光透過部材122、第3の波長変換部材119及び第2の波長変換部材114が配置されている。
【0058】
第3の波長変換部材119の吸収/蛍光特性の一例を図13に示す。この図に示すように、第3の波長変換部材119は、第1の励起光の波長領域と第2の励起光の波長領域とに対して吸収特性を有しており、波長550nm付近にピークを有する蛍光を放射する。以降、この波長550nm付近にピークを有する蛍光を第3の蛍光と称する。このような第3の波長変換部材119の材質としては、例えばオルトシリケート系の蛍光体が挙げられる。また、図12には図示していないが、第3の波長変換部材119は、粉末蛍光体をシリコーン樹脂の封止材の内部に分散させた構造を有する。
【0059】
本実施形態では、第1の励起光は、第3の波長変換部材119に一部吸収され、第3の蛍光が全方向に等方的に放射される。第3の蛍光は、第2の波長変換部材114にはほとんど吸収されない。このため、第3の蛍光は、波長変換ユニット110の射出開口から、広い射出角を有して、第3の蛍光の照射領域450に照射される。
【0060】
一方で、第3の波長変換部材119を透過した第1の励起光は、第2の波長変換部材114に吸収されず、第2の波長変換部材114で拡散されて、波長変換ユニット110の射出開口から、広い広がり角を有して、第1の励起光の照射領域460に照射される。
【0061】
また、第2の励起光は、第3の波長変換部材119に一部吸収され、第3の蛍光が全方向に等方的に放射される。第3の蛍光は、上述のように波長変換ユニット110の射出開口から、広い広がり角を有して、第3の蛍光の照射領域480に照射される。一方で、第3の波長変換部材119を透過した第2の励起光は、第2の波長変換部材114で波長変換され、第2の蛍光が全方向に等方的に放射される。その結果、第2の蛍光は、波長変換ユニット110の射出開口から、広い広がり角を有して、第2の蛍光の照射領域470に照射される。
本実施形態によれば、波長変換ユニット110から第1の励起光と、第2の励起光と、第2の蛍光と、第3の蛍光とを、適切に統一された広がり角で射出することができる。
【0062】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても、発明が解決しようとする課題の欄で述べられた課題が解決でき、かつ、発明の効果が得られる場合には、この構成要素が削除された構成も発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0063】
100…光源装置、110…波長変換ユニット、112…第1の波長変換部材、114…第2の波長変換部材、115…蛍光体、116…封止材、119…第3の波長変換部材、122…光透過部材、124…ホルダ、150…光カプラー、152…第1の光ファイバ、154…第2の光ファイバ、156…第3の光ファイバ、162…第1の励起光源、164…第2の励起光源、170…制御装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の波長領域の波長を有する第1の励起光を射出する第1の励起光源と、
前記第1の励起光の少なくとも一部を吸収し波長変換して第1の波長変換光を放射し、透過する前記第1の励起光の広がり角を第1の増加角度だけ増加させる第1の光学部材と、
前記第1の励起光の光軸上を含む少なくとも前記第1の励起光についてこの第1の励起光の光軸における光強度の1/e倍(eはネーピア数)以上の光強度を有する範囲を含む領域に配置され、透過する前記第1の励起光の広がり角を前記第1の増加角度よりも大きい第2の増加角度だけ増加させる第2の光学部材と、
前記第1の光学部材と前記第2の光学部材とを保持する保持部材と、
を具備することを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記第1の光学部材は、透明蛍光体であり、
前記第2の光学部材は、前記第1の波長領域とは異なる第2の波長領域の波長を有する光を吸収し波長変換して第2の波長変換光を放射する粉末蛍光体と、光を透過する透明部材とを含み、前記粉末蛍光体は前記透明部材中に分散している、
ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記保持部材は、前記第1の励起光が入射する入射部と、前記第1の波長変換光を射出する射出部とを有しており、
前記第1の光学部材と前記第2の光学部材とは、ともに前記入射部から入射する前記第1の励起光の光軸上に配置されており、
前記第1の光学部材は前記第2の光学部材よりも前記入射部側に配置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記第2の波長変換光の波長は、前記第1の波長変換光の波長よりも短いことを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項5】
前記第2の光学部材の前記光軸方向の厚さは、前記光軸に近いほど厚いことを特徴とする請求項3又は4に記載の光源装置。
【請求項6】
前記第1の光学部材と前記第2の光学部材とは、円柱形状であり
前記第2の光学部材の直径は、前記第1の光学部材の直径よりも大きく、
前記第2の光学部材の前記光軸方向の厚みは、前記第1の光学部材の前記光軸方向の厚みよりも厚い、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の光源装置。
【請求項7】
前記保持部材は、前記第1の励起光が入射する入射部と、前記第1の波長変換光を射出する射出部とを有しており、
前記第1の光学部材及び前記第2の光学部材は、前記入射部から入射する前記第1の励起光の光軸に対して垂直な面を分割するように配置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項8】
前記第1の励起光の光軸上には、前記第2の光学部材のみが配置されていることを特徴とする請求項7に記載の光源装置。
【請求項9】
前記第2の光学部材の前記第1の励起光が入射する面は、この面における前記第1の励起光のビームスポット径よりも大きいことを特徴とする請求項8に記載の光源装置。
【請求項10】
前記第2の波長領域の波長を有する第2の励起光を射出する第2の励起光源をさらに具備し、
前記第2の光学部材は、前記第2の励起光の少なくとも一部を吸収し波長変換して前記第2の波長変換光を放射する、
ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項11】
前記第1の励起光と前記第2の励起光とは、光カプラーにより合波され、
前記保持部材は、合波された前記第1の励起光と前記第2の励起光とが入射する入射部と、前記第1の励起光と前記第2の励起光と前記第1の波長変換光と前記第2の波長変換光とを射出する射出部とを有しており、
前記入射部から入射する前記第1の励起光の光軸と前記第2の励起光の光軸とは一致することを特徴とする請求項10に記載の光源装置。
【請求項12】
前記第1の光学部材と前記第2の光学部材とは、前記第1の励起光と前記第2の励起光とのうち少なくとも一方を透過して前記射出部より射出し、
前記射出部から射出される第1の励起光又は前記第2の励起光の広がり角と、前記第1の波長変換光の広がり角と、前記第2の波長変換光の広がり角とが等しくなるように調整されている
ことを特徴とする請求項11に記載の光源装置。
【請求項13】
前記第1の光学部材は、単結晶又は多結晶蛍光体であることを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
【請求項14】
前記第1の光学部材は、前記第1の波長領域とは異なる第2の波長領域の波長を有する光の一部をも吸収し波長変換して前記第1の波長変換光を放射し、
前記第2の光学部材は、前記第2の波長領域の波長を有する光を吸収し波長変換して第2の波長変換光を放射する粉末蛍光体と、光を透過する透明部材とを含み、前記粉末蛍光体は前記透明部材中に分散している、
ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項15】
前記第2の光学部材は、拡散粒子と、前記第1の励起光及び前記第1の波長変換光を透過する透明部材とを有しており、
前記拡散粒子は前記透明部材中に分散されており、
前記配光角調整部材は、拡散粒子を、前記第1の励起光及び前記第1の波長変換光を透過する透明部材中に分散させて構成されており、
前記拡散粒子は、
前記第1の励起光及び/又は前記第1の波長変換光を反射する反射性拡散粒子、又は
前記透明部材より高い屈折率を有して前記第1の励起光及び/又は前記第1の波長変換光を透過する透過型拡散粒子
である、
ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項1】
第1の波長領域の波長を有する第1の励起光を射出する第1の励起光源と、
前記第1の励起光の少なくとも一部を吸収し波長変換して第1の波長変換光を放射し、透過する前記第1の励起光の広がり角を第1の増加角度だけ増加させる第1の光学部材と、
前記第1の励起光の光軸上を含む少なくとも前記第1の励起光についてこの第1の励起光の光軸における光強度の1/e倍(eはネーピア数)以上の光強度を有する範囲を含む領域に配置され、透過する前記第1の励起光の広がり角を前記第1の増加角度よりも大きい第2の増加角度だけ増加させる第2の光学部材と、
前記第1の光学部材と前記第2の光学部材とを保持する保持部材と、
を具備することを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記第1の光学部材は、透明蛍光体であり、
前記第2の光学部材は、前記第1の波長領域とは異なる第2の波長領域の波長を有する光を吸収し波長変換して第2の波長変換光を放射する粉末蛍光体と、光を透過する透明部材とを含み、前記粉末蛍光体は前記透明部材中に分散している、
ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記保持部材は、前記第1の励起光が入射する入射部と、前記第1の波長変換光を射出する射出部とを有しており、
前記第1の光学部材と前記第2の光学部材とは、ともに前記入射部から入射する前記第1の励起光の光軸上に配置されており、
前記第1の光学部材は前記第2の光学部材よりも前記入射部側に配置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記第2の波長変換光の波長は、前記第1の波長変換光の波長よりも短いことを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項5】
前記第2の光学部材の前記光軸方向の厚さは、前記光軸に近いほど厚いことを特徴とする請求項3又は4に記載の光源装置。
【請求項6】
前記第1の光学部材と前記第2の光学部材とは、円柱形状であり
前記第2の光学部材の直径は、前記第1の光学部材の直径よりも大きく、
前記第2の光学部材の前記光軸方向の厚みは、前記第1の光学部材の前記光軸方向の厚みよりも厚い、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の光源装置。
【請求項7】
前記保持部材は、前記第1の励起光が入射する入射部と、前記第1の波長変換光を射出する射出部とを有しており、
前記第1の光学部材及び前記第2の光学部材は、前記入射部から入射する前記第1の励起光の光軸に対して垂直な面を分割するように配置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項8】
前記第1の励起光の光軸上には、前記第2の光学部材のみが配置されていることを特徴とする請求項7に記載の光源装置。
【請求項9】
前記第2の光学部材の前記第1の励起光が入射する面は、この面における前記第1の励起光のビームスポット径よりも大きいことを特徴とする請求項8に記載の光源装置。
【請求項10】
前記第2の波長領域の波長を有する第2の励起光を射出する第2の励起光源をさらに具備し、
前記第2の光学部材は、前記第2の励起光の少なくとも一部を吸収し波長変換して前記第2の波長変換光を放射する、
ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項11】
前記第1の励起光と前記第2の励起光とは、光カプラーにより合波され、
前記保持部材は、合波された前記第1の励起光と前記第2の励起光とが入射する入射部と、前記第1の励起光と前記第2の励起光と前記第1の波長変換光と前記第2の波長変換光とを射出する射出部とを有しており、
前記入射部から入射する前記第1の励起光の光軸と前記第2の励起光の光軸とは一致することを特徴とする請求項10に記載の光源装置。
【請求項12】
前記第1の光学部材と前記第2の光学部材とは、前記第1の励起光と前記第2の励起光とのうち少なくとも一方を透過して前記射出部より射出し、
前記射出部から射出される第1の励起光又は前記第2の励起光の広がり角と、前記第1の波長変換光の広がり角と、前記第2の波長変換光の広がり角とが等しくなるように調整されている
ことを特徴とする請求項11に記載の光源装置。
【請求項13】
前記第1の光学部材は、単結晶又は多結晶蛍光体であることを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
【請求項14】
前記第1の光学部材は、前記第1の波長領域とは異なる第2の波長領域の波長を有する光の一部をも吸収し波長変換して前記第1の波長変換光を放射し、
前記第2の光学部材は、前記第2の波長領域の波長を有する光を吸収し波長変換して第2の波長変換光を放射する粉末蛍光体と、光を透過する透明部材とを含み、前記粉末蛍光体は前記透明部材中に分散している、
ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項15】
前記第2の光学部材は、拡散粒子と、前記第1の励起光及び前記第1の波長変換光を透過する透明部材とを有しており、
前記拡散粒子は前記透明部材中に分散されており、
前記配光角調整部材は、拡散粒子を、前記第1の励起光及び前記第1の波長変換光を透過する透明部材中に分散させて構成されており、
前記拡散粒子は、
前記第1の励起光及び/又は前記第1の波長変換光を反射する反射性拡散粒子、又は
前記透明部材より高い屈折率を有して前記第1の励起光及び/又は前記第1の波長変換光を透過する透過型拡散粒子
である、
ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−84470(P2013−84470A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224114(P2011−224114)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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