説明

光表示装置

【課題】パチンコ遊技場等の遊技機配列島の妻板(側板)の端面その他の光表示装置取付け対象部へ取り付けて使用できる長尺な光表示装置であり、発光状態の電気的制御とは別に、簡単、安価に光表示状態を変更することができる用途の広い光表示装置を提供する。
【解決手段】光表示装置取り付け対象部101に取り付け使用する長尺な光表示装置Aであり、発光素子11を配列した発光基板1を保持し、取り付け対象部101へ取り付け可能の長尺な保持枠2と、保持枠2に装着されて発光基板1を覆う透明な長尺のカバー3と、カバー3に装着された透光性の長尺な光表示板4(41、42)とを含み、カバー3は、カバー長手方向に沿って光表示板4を抜き出し可能に挿入嵌め込み装着するための挿入嵌装部30を有しており、光表示板4は、カバー3から抜き出して別途準備された光表示板と交換可能である光表示装置A。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコホール等の遊技場における各種光表示、各種物品の展示場における光表示、工場における各種光表示、広告等用の看板における光表示等、様々の分野における光表示に利用できる光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光表示装置は、パチンコホール等の遊技場における光表示、各種物品の展示場における光表示、工場における各種光表示、広告等用の看板における光表示等のために様々のタイプのものが提案され、実用化されてきた。
【0003】
その多くは、コンパクトにブロック状に纏まったものであったが、最近では、より目立つ光表示、より斬新な光表示等のために長尺に形成された光表示装置も提案され、実用化されるようになってきている。
【0004】
例えば、パチンコ機やパチスロ機等の遊技機を備えた遊技場において遊技機を所定個数配列した所謂島の妻板(側板)の端面に上下方向にわたって設けたり、その上下方向に対し横方向に交わって延びるように設けたりすることができる長尺の光表示装置が実用化され、店員等の目につきやすい島の代表ランプとして利用されている。
【0005】
すなわち、遊技機にトラブルが発生したとき、その遊技機において呼出しボタンが押されると店員呼出し表示を行ったり、その島のいずれかの遊技機において所謂大当たりが発生すると、そのことを店員や遊技者へ知らしめるための表示を行ったり、或いは、不正行為があると、そのことを店員に知らせるための表示を行ったりすることに利用されている。
【0006】
このような長尺の光表示装置は、例えば、月刊雑誌「プレイグラフ 第42巻 第3号」(平成18年3月20日 株式会社プレイグラフ社発行)の58頁、59頁に掲載されている。
【非特許文献1】月刊雑誌「プレイグラフ 第42巻 第3号」(平成18年3月20日 株式会社プレイグラフ社発行)
【0007】
そして、長尺タイプのものであれ、そうでないものであれ、従来の光表示装置においては、光表示状態の変更は、光表示装置に組み込まれた発光素子(例えばLED)の発光状態(連続点灯、点滅、複数の発光素子の順次点灯消灯など)を電気的に制御することで行われてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、発光素子の発光状態を電気的に制御する方法では、発光素子から発せられる光が人目に触れるまでに反射したり、屈折したり、通過する部材は光表示装置の製造当初と同じ状態のままであった。
【0009】
そのため、一つの光表示装置における光表示状態の変更には限りがあり、その光表示装置を利用できる分野にも限りがあった。
【0010】
そこで本発明は、電気的制御による発光状態の制御とは別に、簡単、安価に光表示状態を変更することができる用途の広い光表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は前記課題を解決するため、
光表示装置取り付け対象部に取り付け使用する長尺な光表示装置であり、
発光素子を配列した1又は2以上の発光基板と、
該発光基板を保持し、前記光表示装置取り付け対象部へ取り付け可能の長尺な保持枠と、
該保持枠に装着されて該発光基板を覆う透明な長尺のカバーと、
該カバーに装着された透光性の長尺な光表示板とを含み、
前記カバーは、該カバーの長手方向に沿って前記長尺の光表示板を抜き出し可能に挿入嵌め込み装着するための挿入嵌装部を有しており、
該光表示板は、該カバーから抜き出して別途準備された光表示板と交換可能である光表示装置を提供する。
【0012】
ここで、「長尺」とは、幅や厚みに比べて長さが十分長い状態を指している。
また、カバーに装着される「光表示板」とは、「レンズ板」などとも称されているもので、片面又は両面に光屈折、光散乱等の効果を示す凹凸模様、例えば四角錐体等の多角錐体を並べた模様、半球を並べた模様、凹凸を伴う波線模様等の各種凹凸模様を設けた板体や、両面とも平坦ではあるがスリガラス様の半透明である板体、両面とも平坦ではあるが光を和やらげる等の効果を有する乳白色の光透過性の板体等である。
【0013】
本発明に係る光表示装置は、長尺の光表示装置であり、従来のコンパクトにブロック状に纏まったタイプの光表示装置に対し、長い領域にわたる長い光表示が望まれる、或いはそれが好ましい、各種分野の光表示装置取付け対象部に一つ、或いは2本以上を平行に又は直列に、或いは四角形状や三角形状等に取付け利用することができる。
【0014】
本発明に係る光表示装置は、従来の光表示装置と同様に、発光素子の発光状態(連続点灯、点滅、順次点灯消灯、選択的な発光素子の点灯など)を電気的に制御する制御部を付属させて各発光素子の発光状態を様々に制御できる。
【0015】
しかし本発明に係る光表示装置は、そのように発光素子の発光状態を電気的に制御することとは別に、前記光表示板を前記カバーから抜き出し、別の光表示効果を示す別途準備された光表示板に交換して使用することができ、該光表示板の交換だけで、簡単、安価に、単に発光素子の発光状態の電気的制御だけでは得られない趣等の点で異なった光表示状態に変更することができ、それだけ用途が広い。
【0016】
勿論、表示の変更にあたっては、光表示板の交換とともに、発光基板における発光素子の発光状態の電気的制御を行ってもよく、そうすれば、一層表示状態を大幅に変更することが可能である。
【0017】
本発明に係る光表示装置における前記保持枠としては、例えば、該保持枠に保持された前記発光基板の両外側で該保持枠の長手方向に沿って延びる一対のガイド部を有しているものを挙げることができる。
【0018】
このような保持枠を採用する場合、前記カバーとして、例えば、該カバーの長手方向に沿って延びるとともに該ガイド部に嵌合摺動可能の一対の断面凹形状の摺動係合部を有し、該摺動係合部が該ガイド部に嵌合装着されることで該保持枠に装着されるものを挙げることができる。
【0019】
かかる保持枠の具体例として、長尺な長方形状の底板部と、該底板部の両側縁から立ち上がる一対の側板部とからなる断面形状がコの字形状の部分の該各側板部の外側縁から該底板部と平行に外側へ張出部が形成され、該張出部が前記ガイド部とされるものを挙げることができる。このような保持枠は、金属或いは合成樹脂から一体的に形成することができる。
【0020】
前記カバーは、保持枠に装着可能で前記発光基板を覆うことができ、前記光表示板を挿入嵌装でき、必要に応じ、該光表示板を抜き出して別途準備された光表示板に交換できるものであれば、カバー断面形状等において特に制限はないが、合成樹脂の押し出し成形等により一体的に安価製作し易く、光表示板の交換を比較的容易に行えるものとして、例えば次のものを挙げることができる。
【0021】
すなわち、前記発光基板に対向する正面板部と該正面板部の両側縁から前記保持枠へ向かって該正面板部から一体的に延びる両側板部とを含んで断面形状がコの字状を呈しており、前記摺動係合部が該両側板部の自由端縁部に沿って該側板部と一体的に形成されており、前記光表示板を抜き出し可能に挿入嵌め込み装着するための前記挿入嵌装部が該正面板部及び両側板部の内面に沿って提供されているものである。
【0022】
このようなカバーを採用する場合、該カバーに対する挿入嵌装及び交換のための抜き出し等を容易に行える光表示板として、該カバーの正面板部の内面に沿って該カバー内に挿入嵌装される正面光表示板部と、該正面光表示板部とは分離形成されていて該カバーの各側板部の内面に沿って、且つ、該正面光表示板部(カバーの正面板部の内面に沿って配置された正面光表示板部)の側縁部と前記摺動係合部との間に挿入嵌装される側面光表示板部とからなるものを例示できる。
【0023】
かかるカバーの摺動係合部には、該摺動係合部の長手方向に沿って延びるとともに該摺動係合部から前記カバーの正面板部へ向かって、且つ、前記カバーの側板部に対し間隙をおいて立ち上がる、前記側面光表示板部の挿入嵌装案内のための突起片を形成してもよい。該突起片はカバー形成時に摺動係合部と一体的に形成されることが好ましい。
【0024】
前記カバーの前記保持枠からの該保持枠長手方向への抜け止め防止及び前記光表示板の該カバーからの該カバー長手方向への抜け止め防止のための抜け止め部材を、該保持枠に装着される該カバーの各端部に臨ませて該保持枠に設けてもよい。
【0025】
また、かかる抜け止め部材のうち少なくとも一方は、該保持枠に対し着脱可能として、該保持枠に対し着脱可能の抜け止め部材を該保持枠から取り外すことで、前記光表示板を前記カバーから抜き出し、別途準備された光表示板と交換可能としてもよい。
【0026】
また、光表示板として前記の正面光表示板部と、一対の側面光表示板部とからなるものを採用する場合には、該抜け止め部材は、該カバー内に挿入嵌装される該側面光表示板部の該カバー内中央側への倒れ込みを防止する突起部を有していてもよい。
【0027】
光表示に一層変化を持たせるために、前記発光基板には、前記発光素子のうち少なくとも一つに対しプリズムを設けてもよい。
また、該プリズムのうち少なくとも一つは、少なくとも前記カバーを前記保持枠から外す作業を伴って別途準備されたプリズムと交換可能であってもよい。
【0028】
以上説明した本発明に係る長尺光表示装置の利用の具体例としては、パチンコホール等の遊技場における所定個数の遊技機を配列した所謂島の妻板(側板)の上下方向に延びる端面に取り付けて島代表ランプや、装飾表示ランプとして利用する場合を挙げることができる。本発明に係る長尺表示ランプを複数個、島の正面側周囲に並べて装飾等に用いることも可能である。この他、各種物品の展示場における光表示、工場における各種光表示、広告等用の看板における光表示等にも利用できる。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように本発明によると、パチンコ遊技場等の遊技機配列島の妻板(側板)の端面その他の光表示装置取付け対象部へ取り付けて使用できる長尺な光表示装置であり、発光状態の電気的制御とは別に、簡単、安価に光表示状態を変更することができる用途の広い光表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明に係る光表示装置の1例を、遊技場における島の妻板(側板)の上下方向に延びる端面に取り付けて装飾ランプ、島代表ランプとして用いるものを例にとって説明する。 図1は、遊技場における島100の妻板101の上下方向に延びる前端面102に取り付けた光表示装置Aを示している。島100には本例では複数のパチンコ機103(図1には紙面の都合上、1台だけ示してある)が配列されている。
図2は図1に示すように妻板101に取り付けられた光表示装置Aの側面図である。
【0031】
光表示装置Aは長尺な装置であり、複数の発光素子11を配列した複数の発光基板1と、該発光基板1を保持した保持枠2と、保持枠2に装着されて発光基板1を覆っている透明なカバー3と、カバー3内に装着された透光性の光表示板4とを含んでいる。
【0032】
図3(A)は、複数の発光基板1を直列配置で保持した保持枠2の平面図であり、図3(B)は同正面図であり、図3(C)は同右側面図である。また、図4(A)はカバー3の平面図であり、図4(B)はカバー3の正面図である。図5(A)は光表示板4を構成している正面光表示板部41を示しており、図5(B)は光表示板4を構成している側面光表示板部42を示している。
【0033】
各発光基板1に搭載された各発光素子11は赤色発光を行うLED(発光ダイオード)、緑色発光を行うLED及び青色発光を行うLEDの3種の発光ダイオード(LED)を組み合わせた発光素子である。このタイプの発光素子として、フルカラーLED等と称され、市販されているLEDを利用できる。
【0034】
保持枠2は、図3に示すように、長尺な長方形状の底板部21と、底板部21の両側縁から立ち上がる一対の側板部22とからなる断面形状がコの字形状の部分の該各側板部22の外側縁から底板部21と平行に外側へ張出部23を形成したものであり、金属板を折り曲げ加工して一体的に長尺に形成してある。
【0035】
保持枠2の底板部21には複数本の電気絶縁性の合成樹脂からなる基板支持柱211を立設してあり、各発光基板1は該支持柱211にネジ留めされて、上記コの字形状の部分内に若干沈み込んだ状態で配置されている。
【0036】
保持枠2の底板部21の両端部にはそれぞれネジ孔212を形成してあり、このネジ孔212を利用して、保持枠2を妻板101にネジ留めすることができる。
さらに説明すると、妻板101の前端面には、図2に示すように保持枠2の前記断面コの字状の部分を嵌め込む凹所101’を形成してあり、該凹所底の上下各端部にネジ螺合用部101”を立設してあり、ネジ孔212に通したネジs1(図1、図2参照)をこのネジ螺合用部101”に螺合緊締することで保持枠2を妻板101に取り付けることができる。このように保持枠2を妻板101に取り付けた状態では、保持枠2の前記一対の張出部23は妻板前端表面から若干浮き上がって間隙を形成している。
【0037】
カバー3は長尺に、しかし保持枠2の全長より若干短く形成されている。カバー3は、、図4に示すように、発光基板1に対向する正面板部31と、該正面板部31の両側縁から保持枠2へ向かって該正面板部から一体的に延びる両側板部32とを含んで断面形状コの字状を呈している。
【0038】
そして、各側板部32の自由端縁部に沿って摺動係合部33を該側板部と一体的に形成してある。摺動係合部33は、カバー3の内側へ向かって開口する断面形状が凹形のものである。また、カバー3は各摺動係合部33に沿って延び、該摺動係合部から正面板部31の方へ立ち上がる突起片34を有している。この突起片34は側板部32との間に間隙を形成している。
【0039】
カバー3は、摺動係合部33及び突起片34を含め全体を、例えば合成樹脂の押し出し成形にて簡単安価に形成できる。本例でのカバー3は樹脂成形によって一体的に形成された透明カバーである。
そして、該カバー3の正面板部31及び両側板部32の内面に沿った領域が前記光表示板4を抜き出し可能に挿入嵌め込み装着するための挿入嵌装部30(図4(A)等参照)となっている。
【0040】
このカバー3は、その一対の摺動係合部33を保持枠2の一対の張出部23の片側端(例えば上端)において該張出部を外側から抱くように嵌め込み、該張出部23をガイドとして保持枠長手方向に摺動させることで、図6に示すように該張出部(ガイド部)23に嵌合装着でき、それにより発光基板1を覆うように保持枠2に装着できる。
【0041】
このように、カバー3をその摺動係合部33を保持枠2の張出部(ガイド部)23に嵌めて所定位置へ向け摺動させるとき、摺動係合部33の張出部23の裏側(妻板側)に位置する部分330は、妻板と張出部23との間に前記のように形成された間隙に嵌め進められる(図2参照)。
【0042】
なお、保持枠2を妻板101にネジ留めした後に該保持枠2にカバー3を装着することが困難なときは、カバー3を保持枠2に装着した後に保持枠2を妻板101にネジ留めしても構わない。
【0043】
光表示板4は、カバー3の正面板部31及び両側板部32の内面に沿って形成された光表示板4のための挿入嵌装部30に抜き出し可能に挿入嵌め込み装着できる断面コの字形状のものでも構わない。しかし、本例では、光表示板4は、図5に示すように、広い幅の正面光表示板部41と、それより幅狭の一対の側面光表示板部42とで簡単、安価に構成している。
【0044】
例えば、図6に示すように、光表示板4を構成する部材のうち正面光表示板部41は、カバー3の正面板部31の内面に沿ってカバー3内へ挿入嵌装され、光表示板4を構成する部材のうち各側面光表示板部42は、カバー3の側板部32の内面に沿ってカバー3内へ挿入嵌装される。このとき、側面光表示板部42は、カバー3の側板部32の内面と前記突起片34との間隙へ案内されつつ嵌装される。
【0045】
正面光表示板部41と側面光表示板部42はいずれを先にカバー3内へ挿入嵌装しても構わないが、最終的には図6に示すように、各側面光表示板部42が、正面光表示板部41の側縁部とカバー3の前記摺動係合部33との間に位置し、正面光表示板部41のカバー内中央部への倒れ込みが該側面光表示板部42で防止されるようにする。各側面光表示板部42のカバー内中央部への倒れ込みは、突起片34をある程度広幅に形成しておくことで防止することができるが、本例では、次に説明する抜け止め部材5の突起部514(図6、図7等参照)により一層確実に光表示板部42の倒れ込みを防止するようにしている。
【0046】
光表示板部41、42は、「レンズ板」とも称されているもので、ここでは、片面に四角錐体を並べた凹凸模様を呈している透明な板体であり、発光基板1上の発光素子11から発せられ、入射してくる光を屈折したり、反射したり、散乱させる等しながら、透明カバー3を介して外部へ放出することで、該凹凸模様に応じた光表示効果を発揮するものである。
【0047】
光表示板部41、42はこのようなものに限定されることはなく、片面又は両面に光屈折、光散乱等の効果を示す上記以外の凹凸模様、例えば四角錐体以外の多角錐体を並べた模様、半球を並べた模様、凹凸を伴う波線模様等の各種凹凸模様を設けたレンズ効果或いはプリズム効果を示す板体や、両面とも平坦ではあるがスリガラス様の半透明である板体、両面とも平坦ではあるが光を和やらげる等の効果を有する乳白色の光透過性の板体等も採用できる。
【0048】
具体的製品として、例えば、旭化成ケミカルズ株式会社から「デラプリズム」(登録商標)の商品名で提供されている各種照射パターンを実現できるアクリル樹脂やスチロール樹脂からなる透光性板体を利用できる。
【0049】
光表示装置Aは以上の部品のほか、さらに、カバー3の各端部に臨んで保持枠2に着脱可能に設けられた抜け止め部材5を含んでいる。
各抜け止め部材5は同じ構造のものであり、図7に示す内側部品51と図8に示す外側部品52とを含んでいる。
【0050】
図7(A)は内側部品51の正面図であり、図7(B)は同部品の平面図であり、図7(C)は同部品の右側面図である。
内側部品51は、底板部511の前後の各端縁から前板部512及び後ろ板部513を立ち上がらせ、前板部512の中央部にネジ孔512hを、後ろ板部513の左右端部にネジ通し孔513hを設けたものである。底板部51の下面には一対の突起部514を突設してある。
【0051】
図8(A)は外側部品52の正面図であり、図8(B)は同部品の平面図であり、図8(C)は同部品の右側面図である。
外側部品52は、前板部521の左右端から奥側へ側板部522を突設し、前板部521の中央部にネジ通し孔521hを形成したものである。
【0052】
抜け止め部材5は次のようにして保持枠2にネジ留めする。保持枠2の上下端部を予め妻板101にネジs1にて留め、その状態で、保持枠2に既に装着されている、或いはこれから保持枠2に装着するカバー3の下端に臨む位置に下側の抜け止め部材5を取り付ける。このとき、その抜け止め部材5を構成する内側部材51は図7(A)に示す姿勢に対し上下逆向きにし、後ろ板部513の左右のネジ通し孔513hに通したネジs2を保持枠2の下端部の左右の張出部23に設けた左右のネジ孔25(図3(B)参照)に螺合させることで該内側部材51を保持枠2にネジ留めする(図1、図2、図9参照)。
【0053】
次いで、外側部品52を図8(A)に示す姿勢に対し逆向きにして内側部品51に外嵌し、外側部品52のネジ通し孔521hに通したボルトs3を内側部品51の前板部512のネジ孔512hに螺合させ、かくして外側部品52を内側部品51に被せ着ける。
【0054】
このように保持枠2の下端部に下側の抜け止め部材5を取り付けた状態では、該抜け止め部材5を取り付けるに先立って、或いは該抜け止め部材5を取り付けた後に保持枠2に装着したカバー3の保持枠2からの下方への抜け及びカバー3内に挿入嵌装した光表示板部41、42のカバー3から下方への抜けが該抜け止め部材5により防止される。
【0055】
上側の抜け止め部材5は、カバー3を保持枠2に装着し、該カバー内に光表示板部41、42を挿入嵌装した後、該上側抜け止め部材5の内側部品51を図7(A)に示す姿勢で保持枠2の上端部にネジs2で留め、さらに該内側部品51に図8(A)に示す姿勢で被せた外側部品52をボルトs3で内側部品51に被せ着ける。
【0056】
このように保持枠2の上端部に上側の抜け止め部材5を取り付けた状態では、保持枠2に装着したカバー3の保持枠2からの上方への抜けが防止されるとともに、カバー3内に挿入嵌装した光表示板部41、42のカバー3から上方への抜けが防止される。
【0057】
以上説明した光表示装置Aによると、従来の光表示装置と同様に、発光基板1に搭載された各発光素子11の発光状態(連続点灯、点滅、順次点灯消灯、選択的な発光素子の点灯など)、さらには各発光素子11における赤色LED、緑色LED及び青色LEDのそれぞれの発光状態(連続点灯、点滅、順次点灯消灯、選択的な発光素子の点灯など)を電気的に制御する制御部(図示省略)を回路構成にて組み合わせて各発光素子11、さらには各発光素子11における各色のLEDの発光状態を様々に制御できる。
【0058】
しかし光表示装置Aは、そのように発光素子11の発光状態を電気的に制御することとは別に、光表示板4(より具体的には本例では光表示板部41、42のうち少なくとも一方)を、例えば上側抜け止め部材5を取り外してカバー3から抜き出し、別の光表示効果を示す別途準備された光表示板(図示省略)に交換してカバー3へ挿入嵌装し、再び上側抜け止め部材を保持枠2に取り付け、使用することができ、該光表示板の簡単、容易な交換だけで、簡単、安価に、単に発光素子11の発光状態の電気的制御だけでは得られない趣等の点で異なった光表示状態に変更することができる。
【0059】
勿論、表示の変更にあたっては、光表示板の交換とともに、発光素子11の発光状態の電気的制御も行ってもよく、そうすれば、一層表示状態を大幅に変更することが可能である。
【0060】
以上説明した光表示装置Aは、複数の発光素子11のうち少なくとも一つに対しプリズムを設けてもよい。図10(A)は各発光素子11に対し図10(B)に例示するプリズム6を被せ着け、発光基板1に取り付けた様子を例示している。プリズム6の発光基板1への取り付けは、例えば基板1の裏面側から基板1に通したボルト(図示省略)で行える。各プリズム6は別途準備された、異なるプリズム効果を示す他のプリズムに適宜変更可能である。
かかるプリズムの採用、該プリズムの適宜の交換により一層趣の異なる光表示が可能となる。
【0061】
以上説明した光表示装置Aは遊技場の島100の妻板101に取り付け使用したが、表示装置Aはそのような部位以外の、光表示装置取り付けが要求される、或いは取り付けが望ましいというような、様々の分野における光表示装置取り付け対象部に取り付け使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、パチンコホール等の遊技場における各種光表示、各種物品の展示場における光表示、工場における各種光表示、広告等用の看板における光表示等に使用できる光表示装置を提供することに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】遊技場における島の妻板に取り付けた本発明に係る光表示装置の1例の正面図である。
【図2】図1に示すように妻板に取り付けられた光表示装置の側面図である。
【図3】図3(A)は、発光素子を配列した発光基板を保持した保持枠の平面図であり、図3(B)は同保持枠の正面図であり、図3(C)は同保持枠の右側面図である。
【図4】図4(A)はカバーの平面図であり、図4(B)はカバーの正面図である。
【図5】図5(A)は光表示板を構成している正面光表示板部を示す図であり、図5(B)は同光表示板を構成している側面光表示板部を示す図である。
【図6】保持枠、これに装着されたカバー及びカバーに挿入嵌装された光表示板の断面図である。
【図7】図7(A)は抜け止め部材を構成している内側部品の正面図であり、図7(B)は同部品の平面図であり、図7(C)は同部品の右側面図である。
【図8】図8(A)は抜け止め部材を構成している外側部品の正面図であり、図8(B)は同部品の平面図であり、図8(C)は同部品の右側面図である。
【図9】保持枠及びこれに装着された抜け止め部材の平面図である。
【図10】図10(A)は図3(B)に示す発光基板上の発光素子に対しプリズムを設けた状態を例示する図であり、図10(B)は該プリズムの斜視図である。
【符号の説明】
【0064】
100 遊技場の島
101 島の妻板
101’ 妻板の凹所
101” ネジネジ螺合用部
102 妻板の端面
103 パチンコ機
A 光表示装置
1 発光基板
11 発光素子
2 保持枠
21 底板部
211 基板支持柱
212 ネジ孔
s1 ネジ
22 側板部
23 張出部(ガイド部)
3 カバー
31 正面板部
32 側板部
33 摺動係合部
34 突起片
30 光表示板の挿入嵌装部
4 光表示板
41 正面光表示板部
42 側面光表示板部
5 抜け止め部材
51 内側部材
511 底板部
512 前板部
512h ネジ孔
513 後ろ板部
513h ネジ通し孔
s2 ネジ
52 外側部材
521 前板部
521h ネジ通し孔
s3 ボルト
522 側板部
6 プリズム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光表示装置取り付け対象部に取り付け使用する長尺な光表示装置であり、
発光素子を配列した1又は2以上の発光基板と、
該発光基板を保持し、前記光表示装置取り付け対象部へ取り付け可能の長尺な保持枠と、
該保持枠に装着されて該発光基板を覆う透明な長尺のカバーと、
該カバーに装着された透光性の長尺な光表示板とを含み、
前記カバーは、該カバーの長手方向に沿って前記長尺の光表示板を抜き出し可能に挿入嵌め込み装着するための挿入嵌装部を有しており、
該光表示板は、該カバーから抜き出して別途準備された光表示板と交換可能であることを特徴とする光表示装置。
【請求項2】
前記保持枠は、該保持枠に保持された前記発光基板の両外側で該保持枠の長手方向に沿って延びる一対のガイド部を有しており、前記カバーは、該カバーの長手方向に沿って延びるとともに該ガイド部に嵌合摺動可能の一対の断面凹形状の摺動係合部を有しており、該摺動係合部が該ガイド部に嵌合装着されることで該保持枠に装着されている請求項1記載の光表示装置。
【請求項3】
前記カバーは、前記発光基板に対向する正面板部と該正面板部の両側縁から前記保持枠へ向かって該正面板部から一体的に延びる両側板部とを含んで断面形状コの字状を呈しており、前記摺動係合部は該両側板部の自由端縁部に沿って該側板部と一体的に形成されており、前記光表示板を抜き出し可能に挿入嵌め込み装着するための前記挿入嵌装部は該正面板部及び両側板部の内面に沿って提供されている請求項2記載の光表示装置。
【請求項4】
前記光表示板は、前記カバーの正面板部の内面に沿って該カバー内に挿入嵌装される正面光表示板部と、該正面光表示板部とは分離形成されていて前記カバーの各側板部の内面に沿って、且つ、該正面光表示板部の側縁部と前記摺動係合部との間に挿入嵌装される側面光表示板部とからなっている請求項3記載の光表示装置。
【請求項5】
前記摺動係合部には、該摺動係合部の長手方向に沿って延びるとともに該摺動係合部から前記カバーの正面板部へ向かって、且つ、前記カバーの側板部に対し間隙をおいて立ち上がる、前記側面光表示板部の挿入嵌装案内のための突起片が形成されている請求項4記載の光表示装置。
【請求項6】
前記カバーの前記保持枠からの該保持枠長手方向への抜け止め防止及び前記光表示板の該カバーからの該カバー長手方向への抜け止め防止のための抜け止め部材が、該保持枠に装着される該カバーの各端部に臨んで前記保持枠に設けられており、該抜け止め部材のうち少なくとも一方は該保持枠に対し着脱可能であり、該保持枠に対し着脱可能の抜け止め部材を該保持枠から取り外すことで、前記光表示板を該カバーから抜き出し、別途準備された光表示板と交換可能である請求項1から5のいずれかに記載の光表示装置。
【請求項7】
前記カバーの前記保持枠からの該保持枠長手方向への抜け止め防止及び前記光表示板の該カバーからの該カバー長手方向への抜け止め防止のための抜け止め部材が、該保持枠に装着される該カバーの各端部に臨んで前記保持枠に設けられており、該抜け止め部材のうち少なくとも一方は該保持枠に対し着脱可能であり、該保持枠に対し着脱可能の抜け止め部材を該保持枠から取り外すことで、前記光表示板を該カバーから抜き出し、別途準備された光表示板と交換可能であり、該抜け止め部材は、該カバー内に挿入嵌装される前記側面光表示板部の該カバー内中央側への倒れ込みを防止する突起部を有している請求項4又は5記載の光表示装置。
【請求項8】
前記発光基板には、前記発光素子のうち少なくとも一つに対しプリズムが設けられている請求項1から7のいずれかに記載の光表示装置。
【請求項9】
前記プリズムのうち少なくとも一つは、少なくとも前記カバーを前記保持枠から外す作業を伴って別途準備されたプリズムと交換可能である請求項8記載の光表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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