光記録媒体用ケース
【課題】台紙の構成を複雑なものにすることなく、かつ接着剤等を用いることなく固定強度の高い光記録媒体用ケースを提供する。
【解決手段】折り曲げ可能な素材からなる光記録媒体用ケース1において、光記録媒体の一方の面を覆う台紙部2と、台紙部の一方の辺に折り曲げ線3を介して連接され、光記録媒体を保持する為のスリット4が形成された保持片5と、台紙部2の他方の辺に折り曲げ線6を介して連接され、つめ部7が形成された折り返し片8とを備え、スリットにつめ部7を挿入することにより光記録媒体を梱包する。記録媒体用ケース1は、光記録媒体が保持されるスリットと、最終的につめ部が挿入されて梱包が完了するスリットが同じであるため、設計構造がシンプルになるとともに接着剤等をもちいることなく固定強度の高い光記録媒体用ケース。
【解決手段】折り曲げ可能な素材からなる光記録媒体用ケース1において、光記録媒体の一方の面を覆う台紙部2と、台紙部の一方の辺に折り曲げ線3を介して連接され、光記録媒体を保持する為のスリット4が形成された保持片5と、台紙部2の他方の辺に折り曲げ線6を介して連接され、つめ部7が形成された折り返し片8とを備え、スリットにつめ部7を挿入することにより光記録媒体を梱包する。記録媒体用ケース1は、光記録媒体が保持されるスリットと、最終的につめ部が挿入されて梱包が完了するスリットが同じであるため、設計構造がシンプルになるとともに接着剤等をもちいることなく固定強度の高い光記録媒体用ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD(コンパト・ディスク)、DVD(デジタル・ヴァーサタイル・ディスク)、BD(ブルーレイ・ディスク)等の円盤状光記録媒体の梱包用ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、CD、DVD、BD等の円盤状光記録媒体の梱包用ケースとしては、光記録媒体収納用の凹部を有する本体と、この本体に開閉可能に連結された蓋体とからなる透明なプラスチック製ケースが一般に用いられてきた。しかしながら、近年は、廃棄時の公害防止・環境配慮の観点や、製造コスト軽減の観点より、上記プラスチック製のケースに替わり紙製のケースが主流になりつつあり、特に街頭で配られる配布CD等は紙製のケースを用いられることが多くなってきている。
【0003】
ところで、紙製のケースは、当初、複数の紙材を接着剤等で張り合わせたり、1枚の紙材を折り曲げた後接着剤等で張り合わせて袋状のケースを作り、その中に光記録媒体を挿入する構造になっていた。しかしながら、上記のような構造では、ケースの中に挿入された光記録媒体の固定が十分ではなく、ケースの向きによって光記録媒体がケースから抜け出てしまう問題が生じていた。また、作業工程を削減しコストの軽減を図るべく接着剤を用いない、より製造の容易な紙製のケースが求められてきた。そして最近、固定強度を高めるとともに、接着剤等を用いない紙製の光記録媒体用ケースが各種提案されている。
【0004】
実案第3037023号には、押え板紙に設けた舌片をコンパクトディスクの中央開口を通して基本台紙に設けた切り込みに差し込んでコンパクトディスクを固定するとともに、第1、2保護板紙を折り曲げてコンパクトディスクを梱包する構造が開示されている。
【0005】
次に、特開2003−137382には、台紙部に設けられた光ディスク記録媒体の中心孔を固定する固定部と、光ディスク記録媒体の周縁の一部を挿入し得る切り込み部により光ディスク記録媒体を固定する構造が開示されている。
【0006】
また、特開平10−329882には、折り返し片に設けられた切り込み部にコンパクトディスクを挿入し、表台紙と裏台紙とを折重ねてコンパクトディスクを梱包する構造が開示されている。
【0007】
さらに、特開平11−292179には、ベース板の両側縁に連接された保持片に切込みを設け、該両切込みにディスクを挿入して固定し、ディスク重合板に設けられた切欠部に抑え板に設けられた差し込み舌片を挿入して梱包する構造が開示されている。さらにまた、これら上記公報に記載のケースは、接着剤等を用いることなく、紙状の台紙を折り込むことのみで梱包する構造になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実案第3037023号
【特許文献2】特開2003−137382
【特許文献3】特開平10−329882
【特許文献4】特開平11−292179
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した実案第3037023号、特開2003−137382、特開平10−329882に関しては、光記録媒体の固定はされているものの、ケース自体を閉じる係止機能にあたるものはなく、携行する時などに意図せずにケースが開いてしまい光記録媒体を傷つけてしまう問題が生じる。ケースを閉じるためには接着剤等を使用する必要がある。
【0010】
また、特開平11−292179に関しては、保持片をベース板の両側に連接させるような構造になっているため、ケースを閉じる係止機能を付加すると開示されているような切欠部を設ける必要が生じ、台紙の構造が複雑になる。
【0011】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、台紙の構成を複雑なものにすることなく固定強度が高い光記録媒体用ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、次のような技術手段によって前記課題を解決する。
【0013】
本願の第1の発明は、折り曲げ可能な素材からなる光記録媒体用ケースにおいて、光記録媒体の一方の面を覆う台紙部と、該台紙部の一方の辺に折り曲げ線を介して連接され、光記録媒体を保持する為のスリットが形成された保持片と、前記台紙部の他方の辺に折り曲げ線を介して連接され、つめ部が形成された折り返し片とを備え、前記スリットに前記つめ部を挿入することにより光記録媒体を梱包することを特徴とする。
【0014】
本願の第2の発明は、第1の発明において、前記つめ部は光記録媒体の中心孔を通して前記スリットに挿入されることを特徴とする。
【0015】
本願の第3の発明は、第1または2の発明において、前記折り曲げ可能な素材は紙であることを特徴とする。
【0016】
本願の第4の発明は、第1または2の発明において、前記折り曲げ可能な素材は合成樹脂であることを特徴とする。
【0017】
本願の第5の発明は、折り曲げ可能な素材からなる光記録媒体用ケースにおいて、光記録媒体を保持する為のスリットが設けられた台紙部と、該台紙部の相対する2辺にそれぞれ折り曲げ線を介して連接され、つめ部が形成された折り返し片とを備え、該両折り返し片を折り曲げ線に沿って前記台紙部を介して相対する方向に折り曲げ、前記つめ部を前記スリットに挿入することにより光記録媒体を梱包することを特徴とする。
【0018】
本願の第6の発明は、第5の発明において、前記つめ部は光記録媒体の中心孔を通して前記スリットに挿入されることを特徴とする。
【0019】
本願の第7の発明は、第5または6の発明において、前記折り曲げ可能な素材は紙であることを特徴とする。
【0020】
本願の第8の発明は、第5または6の発明において、前記折り曲げ可能な素材は合成樹脂であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、光記録媒体が保持されるスリットと、梱包するためのつめ部を挿入固定するスリットとが同一のスリットで構成するため、設計構造をシンプルにすることができる。また、本発明で説明する光記録媒体用ケースは、A4判の印刷サイズ(297mm×210mm
)で収めることができるため、多様なユーザーのニーズに合わせた光記録媒体用ケースの提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る光記録媒体用ケースの平面展開図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る光記録媒体用ケースを用いて光記録媒体を梱包する様子を示した図である。
【図3】本発明の第二の実施形態に係る光記録媒体用ケースの平面展開図である。
【図4】本発明の第二の実施形態に係る光記録媒体用ケースを用いて光記録媒体を梱包する様子を示した図である。
【図5】本発明の第二の実施形態に係る光記録媒体用ケースを開封する様子を示す図である。
【図6】本発明の第三の実施形態に係る光記録媒体用ケースの平面展開図である。
【図7】本発明の第三の実施形態に係る光記録媒体用ケースを用いて光記録媒体を梱包する様子を示した図である。
【図8】本発明の第四の実施形態に係る光記録媒体用ケースの平面展開図である。
【図9】本発明の第四の実施形態に係る光記録媒体用ケースを用いて光記録媒体を梱包する様子を示した図である。
【図10】本発明の第五の実施形態に係る光記録媒体用ケースの平面展開図である。
【図11】本発明の第五の実施形態に係る光記録媒体用ケースを用いて光記録媒体を梱包する様子を示した図である。
【図12】本発明の第六の実施形態に係る光記録媒体用ケースの平面展開図である。
【図13】本発明の第六の実施形態に係る光記録媒体用ケースを用いて光記録媒体を梱包する様子を示した図である。
【図14】本発明の第七の実施形態に係る光記録媒体用ケースの平面展開図である。
【図15】本発明の第七の実施形態に係る光記録媒体用ケースを用いて光記録媒体を梱包する様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0023】
本発明の実施形態に係る光記録媒体用ケースについて、図1乃至図15とともに説明する。
【0024】
図1は、本発明の第一の実施形態に係る光記録媒体用ケースを示す展開平面図である。本実施形態の光記録媒体用ケース1は、折り曲げ可能な素材から成り、光記録媒体の一方の面を覆う台紙部2と、台紙部2の一の辺に折り曲げ線3を介して連接され、光記録媒体を保持するスリット4が形成された保持片5と、台紙部2の辺のうち、保持片5が連接された辺と向かい合う辺に折り曲げ線6を介して連接され、つめ部7が形成された折り返し片8とから構成される。光記録媒体用ケース1は、例えば、紙、薄いプラスチック、アルミ素材などであるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0025】
図2は、光記録媒体用ケース1で光記録媒体を梱包する様子を示した図である。光記録媒体用ケース1は、折り曲げ線3において保持片5を折り曲げ(図2−A)、スリット4に光記録媒体を挿入した後、折り曲げ線6において、台紙部2の保持片5を折り曲げた面と同じ方向に光記録媒体を覆うように折り返し片8を折り曲げ、折り返し片8に設けられたつめ部7を保持片5に設けられたスリット4に挿入することによって光記録媒体を梱包する(図2−B)。
【0026】
光記録媒体用ケース1は、スリット4で光記録媒体を保持した上で、つめ部7をスリット4に挿入することにより光記録媒体を梱包するため、接着剤等を用いることなく光記録媒体のケースからの脱落を防ぐことができるとともに、
光記録媒体を携行する時などに意図せずにケースが開いてしまい光記録媒体を傷つけてしまうことも防ぐことができる。
【0027】
また、光記録媒体用ケース1は、光記録媒体が保持されるスリット4と、最終的につめ部7が挿入されて梱包が完了するスリット4が同じであるため、設計構造がシンプルになり、製造が容易になる。
【0028】
上記設計構造がシンプルであることに加えて、光記録媒体用ケース1は、A4判の印刷サイズ(297mm×210mm
)に収まるため、例えば、A4判の用紙に構造をプリントし、ユーザーが切り取ることにより光記録媒体用ケース1が完成するようなことも可能になる。さらには、設計構造の電子データのみを提供し、ユーザーが好みの用紙でプリントアウトすることによって光記録媒体用ケース1が完成するようなことも可能になる。
【0029】
光記録媒体用ケース1をこのような構成にすることにより、光記録媒体の固定・梱包強度を落とすことなく、多様なユーザーのニーズに合わせた光記録媒体用ケースの提供が可能になる。
【実施例2】
【0030】
次に、上記した本発明の第一の実施形態の光記録媒体用ケース1の保持片5及び折り返し片8の構造を変えた第二の実施形態に係る光記録媒体用ケースを説明するが、上記第一の実施形態と同一箇所については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0031】
図3は、本発明の第二の実施形態に係る光記録媒体用ケース11を示す展開平面図である。光記録媒体用ケース11は、前述した第一の実施形態の光記録媒体用ケース1から保持片、折り返し片、スリットの構造に変化を加えたものである。
【0032】
保持片15は、光記録媒体の直径より少し大きいスリット14が設けられ、折り曲げ線3に対向しスリット14に沿う辺に膨らみを持たせた略台形の形状をしている。また、スリット14は、折り曲げ線3で折り曲げた時に台紙部2の一方の対角線上に略重なるように保持片15に形成されている。次に、折り返し片18は、上記保持辺15を180°回転させた構造になっており、折り曲げ線6に対向する辺には保持片15同様に膨らみが形成されている。
【0033】
図4は、光記録媒体用ケース11で光記録媒体を梱包する様子を示した図である。光記録媒体用ケース11は、折り曲げ線3において保持片15を折り曲げ(図4−A)、スリット14に光記録媒体を挿入した後、折り曲げ線6において、台紙部2の保持片15を折り曲げた面と同じ方向に光記録媒体を覆うように折り返し片18を折り曲げ、折り返し片18の膨らみ部分を保持片15に設けられたスリット14に挿入することによって光記録媒体を梱包する(図4−B)。
【0034】
光記録媒体用ケース11は、スリット14で光記録媒体を保持した上で、折り返し片18の膨らみ辺をスリット14に挿入することにより光記録媒体を梱包するため、接着剤等を用いることなく光記録媒体のケースからの脱落を防ぐことができるとともに、光記録媒体を携行する時などに意図せずにケースが開いてしまい光記録媒体を傷つけてしまうことも防ぐことができる。
【0035】
また、スリットの大きさを光記録媒体の直径より少し大きくすることでより保持強度は高くなり光記録媒体の脱落を防ぐことができる。しかしながら、スリットを大きくすれば、スリットの端と保持片の端との距離が短くなり、特に光記録媒体用ケースが紙でできている場合、その部分が折れ曲がったり、切れたりする原因になる。しかしながら本発明は、スリット14を台紙部2の一方の対角線に略重なるように形成しているので、スリット14の大きさを光記録媒体の直径より少し大きくし保持強度を高くするとともに、スリット14の端と保持片15の端との距離を広くすることができ、折れ曲がりや、切れを防ぐことができ強度を保つことができる。
【0036】
そして、光記録媒体用ケース11は、光記録媒体が保持されるスリット14と、最終的に折り返し片18の膨らみ辺が挿入されて梱包が完了するスリット14が同じであるため、設計構造がシンプルになり、製造が容易になる。
【0037】
上記設計構造がシンプルであることに加えて、光記録媒体用ケース11は、A4判の印刷サイズ(297mm×210mm
)に収まるため、例えば、A4判の用紙に構造をプリントし、ユーザーが切り取ることにより光記録媒体用ケース11が完成するようなことも可能になる。さらには、設計構造の電子データのみを提供し、ユーザーが好みの用紙でプリントアウトすることによって光記録媒体用ケース11が完成するようなことも可能になる。
【0038】
さらに、光記録媒体用ケース11においては、折り返し片18の1辺をつめ部として利用する構造になっているため、新たにつめ部を設ける必要がなく、光記録媒体用ケース1に比べてさらに簡易な設計構造になっている。
【0039】
さらにまた、上記のような構造にすることにより、光記録媒体用ケース11の開封が飛躍的に容易になる。図5は、光記録媒体用ケース11を開封する様子を示す図である。光記録媒体用ケース2は、つめ部として折り返し片の1辺を利用しているので、親指をスライドさせることにより片手で簡単にケースの開封することが可能になる。
【実施例3】
【0040】
次に、上記した本発明の第二の実施形態の光記録媒体用ケース11の折り返し片18の構造を変えた第三の実施形態に係る光記録媒体用ケースを説明するが、上記第二の実施形態と同一箇所については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0041】
図6は、本発明の第三の実施形態に係る光記録媒体用ケース21を示す展開平面図である。光記録媒体用ケース21は、前述した第二の実施形態の光記録媒体用ケース11から折り返し片の構造に変化を加えたものである。
【0042】
折り返し片28は、折り曲げ線6の対角に位置する辺を、光記録媒体用ケース11の折り返し片18の膨らみ辺の中点近辺にくぼみを加え、2つの膨らみ部分を有する形状にしている。
【0043】
図7は、光記録媒体用ケース21で光記録媒体を梱包する様子を示した図である。光記録媒体用ケース21は、折り曲げ線3において保持片15を折り曲げ(図7−A)、スリット14に光記録媒体を挿入した後、折り曲げ線6において、台紙部1の保持片5を折り曲げた面と同じ方向に光記録媒体を覆うように折り返し片28を折り曲げ、折り返し片28の膨らみ辺の一方の膨らみ部分を保持片15に設けられたスリット14に挿入することによって光記録媒体を梱包する(図7−B)。
【0044】
光記録媒体用ケース21は、スリット14で光記録媒体を保持した上で、折り返し片28の膨らみ辺の一方の膨らみをスリット14に挿入することにより光記録媒体を梱包するため、接着剤等を用いることなく光記録媒体のケースからの脱落を防ぐことができるとともに、
光記録媒体を携行する時などに意図せずにケースが開いてしまい光記録媒体を傷つけてしまうことも防ぐことができる。
【0045】
また、スリットの大きさを光記録媒体の直径より少し大きくすることでより保持強度は高くなり光記録媒体の脱落を防ぐことができる。しかしながら、スリットを大きくすれば、スリットの端と保持片の端との距離が短くなり、特に光記録媒体用ケースが紙でできている場合、その部分が折れ曲がったり、切れたりする原因になる。しかしながら本発明は、スリット14を台紙部2の一方の対角線に略重なるように形成しているので、スリット14の大きさを光記録媒体の直径より少し大きくし保持強度を高くするとともに、スリット14の端と保持片15の端との距離を広くすることができ、折れ曲がりや、切れを防ぐことができ強度を保つことができる。
【0046】
そして、光記録媒体用ケース21は、光記録媒体が保持されるスリット14と、最終的に折り返し片28の膨らみ辺の一方の膨らみが挿入されて梱包が完了するスリット14が同じであるため、設計構造がシンプルになり、製造が容易になる。
【0047】
上記設計構造がシンプルであることに加えて、光記録媒体用ケース21は、A4判の印刷サイズ(297mm×210mm
)に収まるため、例えば、A4判の用紙に構造をプリントし、ユーザーが切り取ることにより光記録媒体用ケース21が完成するようなことも可能になる。さらには、設計構造の電子データのみを提供し、ユーザーが好みの用紙でプリントアウトすることによって光記録媒体用ケース21が完成するようなことも可能になる。
【0048】
さらに、光記録媒体用ケース21においては、折り返し片28の1辺をつめ部として利用する構造になっているため、新たにつめ部を設ける必要がなく、光記録媒体用ケース1に比べてさらに簡易な設計構造になっている。
【0049】
さらにまた、光記録媒体用ケース21は、ケースの開封時において、前述した第二の実施形態の光記録媒体用ケース11に比べて親指をスライドさせる距離が短くなり、より容易に開封することが可能になる。
【実施例4】
【0050】
次に、上記した本発明の第二の実施形態の光記録媒体用ケース11の折り返し片18の構造を変えた第四の実施形態に係る光記録媒体用ケースを説明するが、上記第二の実施形態と同一箇所については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0051】
図8は、本発明の第四の実施形態に係る光記録媒体用ケース31を示す展開平面図である。光記録媒体用ケース31は、光記録媒体用ケース11から折り返し片の構造に変化を加えたものである。
【0052】
折り返し片38は、光記録媒体用ケース11の折り返し片18の膨らみ辺の中点近辺に、梱包時に光記録媒体の中心孔に挿入する挿入辺39を形成した形状になっている。
【0053】
図9は、光記録媒体用ケース31で光記録媒体を梱包する様子を示した図である。光記録媒体用ケース31は、折り曲げ線3において保持片15を折り曲げ(図9−A)、スリット14に光記録媒体を挿入した後、折り曲げ線6において、台紙部1の保持片5を折り曲げた面と同じ方向に光記録媒体を覆うように折り返し片38を折り曲げ、折り返し片38の膨らみ部分を保持片15に設けられたスリット14に挿入するとともに、挿入辺39を光記録媒体の中心孔に挿入することによって光記録媒体を梱包する(図9−B)。
【0054】
光記録媒体用ケース31は、スリット14で光記録媒体を保持した上で、折り返し片38の膨らみ部分をスリット14に挿入するとともに挿入辺39を光記録媒体の中心孔に挿入することにより光記録媒体を梱包するため、接着剤等を用いることなく光記録媒体のケースからの脱落を防ぐことができるとともに、
光記録媒体を携行する時などに意図せずにケースが開いてしまい光記録媒体を傷つけてしまうことも防ぐことができる。
【0055】
また、スリットの大きさを光記録媒体の直径より少し大きくすることでより保持強度は高くなり光記録媒体の脱落を防ぐことができる。しかしながら、スリットを大きくすれば、スリットの端と保持片の端との距離が短くなり、特に光記録媒体用ケースが紙でできている場合、その部分が折れ曲がったり、切れたりする原因になる。しかしながら本発明は、スリット14を台紙部2の一方の対角線に略重なるように形成しているので、スリット14の大きさを光記録媒体の直径より少し大きくし保持強度を高くするとともに、スリット14の端と保持片15の端との距離を広くすることができ、折れ曲がりや、切れを防ぐことができ強度を保つことができる。
【0056】
そして、光記録媒体用ケース31は、光記録媒体が保持されるスリット14と、最終的に折り返し片38の膨らみ辺が挿入されて梱包が完了するスリット14が同じであるため、設計構造がシンプルになり、製造が容易になる。
【0057】
上記設計構造がシンプルであることに加えて、光記録媒体用ケース31は、A4判の印刷サイズ(297mm×210mm
)に収まるため、例えば、A4判の用紙に構造をプリントし、ユーザーが切り取ることにより光記録媒体用ケース31が完成するようなことも可能になる。さらには、設計構造の電子データのみを提供し、ユーザーが好みの用紙でプリントアウトすることによって光記録媒体用ケース31が完成するようなことも可能になる。
【0058】
さらに、光記録媒体用ケース31においては、折り返し片38の膨らみ辺をスリット14に挿入固定することに加えて、挿入辺39を光記録媒体の中心孔に挿入するので、光記録媒体の固定強度が増す。
【実施例5】
【0059】
上述した本発明の第一乃至第四の実施形態に係る光記録媒体用ケース1乃至4は、台紙部、スリットが設けられた保持辺、及びスリットに挿入固定する折り返し片からなる光記録媒体用ケースを説明してきたが、以降では、スリットが設けられ光記録媒体を保持する機能を有した台紙部と、その両端に設けられた2つの折り返し片からなる光記録媒体用ケースを説明する。
【0060】
図10は、本発明の第五の実施形態に係る光記録媒体用ケースを示す展開平面図である。本実施形態の光記録媒体用ケース41は、折り曲げ可能な素材から成り、光記録媒体の直径より少し大きいスリット44が略対角線上に設けられた台紙部42と、該台紙部42の両辺に折り曲げ線3、6を介して連接され、折り曲げ線3、6の対角に位置する辺に膨らみを持たせた略台形状でかつ互いに180°回転させた形状の折り返し片45、48から構成される。光記録媒体用ケース41は、例えば、紙、薄いプラスチック、アルミ素材などであるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0061】
図11は、光記録媒体用ケース41で光記録媒体を梱包する様子を示した図である。光記録媒体用ケース41は、折り曲げ線3、6において折り返し片45、48を台紙部42の面に対して互いに逆方向に折り曲げ、それぞれの折り返し片45,48を台紙部42に設けられたスリット44に互いに逆方向(逆の面)から挿入することによって光記録媒体を梱包する。
【0062】
光記録媒体用ケース41は、スリット44で光記録媒体を保持した上で、折り返し片45、48をスリット44に挿入することにより光記録媒体を梱包するため、接着剤等を用いることなく光記録媒体のケースからの脱落を防ぐことができるとともに、
光記録媒体を携行する時などに意図せずにケースが開いてしまい光記録媒体を傷つけてしまうことも防ぐことができる。
【0063】
また、スリットの大きさを光記録媒体の直径より少し大きくすることでより保持強度は高くなり光記録媒体の脱落を防ぐことができる。しかしながら、スリットを大きくすれば、スリットの端と保持片の端との距離が短くなり、特に光記録媒体用ケースが紙でできている場合、その部分が折れ曲がったり、切れたりする原因になる。しかしながら本発明は、スリット44を台紙部42の一方の略対角線上に形成しているので、スリット44の大きさを光記録媒体の直径より少し大きくし保持強度を高くするとともに、スリット44の端と台紙部42の端との距離を広くすることができ、折れ曲がりや、切れを防ぐことができ強度を保つことができる。
【0064】
そして、光記録媒体用ケース41は、光記録媒体が保持されるスリット44と、最終的に折り返し片45、48が挿入されて梱包が完了するスリット44が同じであるため、設計構造がシンプルになり、製造が容易になる。
【0065】
上記設計構造がシンプルであることに加えて、光記録媒体用ケース41は、A4判の印刷サイズ(297mm×210mm
)に収まるため、例えば、A4判の用紙に構造をプリントし、ユーザーが切り取ることにより光記録媒体用ケース41が完成するようなことも可能になる。さらには、設計構造の電子データのみを提供し、ユーザーが好みの用紙でプリントアウトすることによって光記録媒体用ケース41が完成するようなことも可能になる。
【0066】
光記録媒体用ケース41をこのような構成にすることにより、光記録媒体の固定・梱包強度を落とすことなく、多様なユーザーのニーズに合わせた光記録媒体用ケースの提供が可能になる。
【0067】
さらに、光記録媒体用ケース41は、つめ部として折り返し片45,48の1辺を利用しているので、親指をスライドさせることにより片手で簡単にケースの開封することが可能になる。
【0068】
さらにまた、光記録媒体用ケース41は、台紙部42の両端に設けられた折り返し片45,48を台紙部42に設けられたスリット44に挿入し固定する構造になっているため、光記録媒体用ケース41の両面のどちらからでも開封をすることが可能になる。そのため、使用者の利き腕が右でも左でも関係なく開封作業を行うことができる。
【実施例6】
【0069】
次に、上記した本発明の第五の実施形態の光記録媒体用ケース41の折り返し片45、48の構造を変えた第六の実施形態に係る光記録媒体用ケースを説明するが、上記第五の実施形態と同一箇所については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0070】
図12は、本発明の第六の実施形態に係る光記録媒体用ケース51を示す展開平面図である。光記録媒体用ケース51は、光記録媒体用ケース41から折り返し片の構造に変化を加えたものである。
【0071】
折り返し片55、58は、折り曲げ線3、6の対角に位置する辺を、光記録媒体用ケース41の折り返し片45,48の膨らみ辺の中点近辺にくぼみを加えた2つの膨らみ部分を有する形状にしている。
【0072】
図13は、光記録媒体用ケース51で光記録媒体を梱包する様子を示した図である。光記録媒体用ケース51は、折り曲げ線3、6において折り返し片55、58を台紙部42の面に対して互いに逆方向に折り曲げ、それぞれの折り返し片55,58の膨らみ辺の一方の膨らみ部分を台紙部42に設けられたスリット44に互いに逆方向(逆の面)から挿入することによって光記録媒体を梱包する。
【0073】
光記録媒体用ケース51は、スリット44で光記録媒体を保持した上で、折り返し片55、58の膨らみ辺の一方の膨らみ部分をスリット44に挿入することにより光記録媒体を梱包するため、接着剤等を用いることなく光記録媒体のケースからの脱落を防ぐことができるとともに、
光記録媒体を携行する時などに意図せずにケースが開いてしまい光記録媒体を傷つけてしまうことも防ぐことができる。
【0074】
また、スリットの大きさを光記録媒体の直径より少し大きくすることでより保持強度は高くなり光記録媒体の脱落を防ぐことができる。しかしながら、スリットを大きくすれば、スリットの端と保持片の端との距離が短くなり、特に光記録媒体用ケースが紙でできている場合、その部分が折れ曲がったり、切れたりする原因になる。しかしながら本発明は、スリット44を台紙部42の一方の略対角線上に形成しているので、スリット44の大きさを光記録媒体の直径より少し大きくし保持強度を高くするとともに、スリット44の端と台紙部42の端との距離を広くすることができ、折れ曲がりや、切れを防ぐことができ強度を保つことができる。
【0075】
そして、光記録媒体用ケース51は、光記録媒体が保持されるスリット44と、最終的に折り返し片55、58の膨らみ辺の一方の膨らみをが挿入されて梱包が完了するスリット44が同じであるため、設計構造がシンプルになり、製造が容易になる。
【0076】
上記設計構造がシンプルであることに加えて、光記録媒体用ケース51は、A4判の印刷サイズ(297mm×210mm
)に収まるため、例えば、A4判の用紙に構造をプリントし、ユーザーが切り取ることにより光記録媒体用ケース51が完成するようなことも可能になる。さらには、設計構造の電子データのみを提供し、ユーザーが好みの用紙でプリントアウトすることによって光記録媒体用ケース41が完成するようなことも可能になる。
【0077】
光記録媒体用ケース51をこのような構成にすることにより、光記録媒体の固定・梱包強度を落とすことなく、多様なユーザーのニーズに合わせた光記録媒体用ケースの提供が可能になる。
【0078】
さらに、光記録媒体用ケース51は、つめ部として折り返し片の1辺を利用しているので、親指を上方にスライドさせることにより片手で簡単にケースの開封することが可能になる。
【0079】
さらにまた、光記録媒体用ケース51は、台紙部42の両端に設けられた折り返し片55,58の膨らみ辺の一方の膨らみをを台紙部42に設けられたスリット44に挿入し固定する構造になっているため、光記録媒体用ケース51の両面のどちらからでも開封をすることが可能になる。そのため、使用者の利き腕が右でも左でも関係なく開封作業を行うことができる。
【0080】
さらにまた、光記録媒体用ケース51は、ケースの開封時において、前述した第5の実施形態の光記録媒体用ケース41に比べて親指をスライドさせる距離が短くなり、より容易に開封することが可能になる。
【実施例7】
【0081】
次に、上記した本発明の第五の実施形態の光記録媒体用ケース41の折り返し片45、48の構造を変えた第七の実施形態に係る光記録媒体用ケースを説明するが、上記第五の実施形態と同一箇所については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0082】
図14は、本発明の第七の実施形態に係る光記録媒体用ケース61を示す展開平面図である。光記録媒体用ケース61は、光記録媒体用ケース41から折り返し片の構造に変化を加えたものである。
【0083】
折り返し片65、68は、光記録媒体用ケース41の折り返し片45、48の膨らみ辺の中点近辺に、梱包時に光記録媒体の中心孔に挿入する挿入辺69を形成した形状になっている。
【0084】
図15は、光記録媒体用ケース61で光記録媒体を梱包する様子を示した図である。光記録媒体用ケース61は、折り曲げ線3、6において折り返し片65,68を台紙部42の面に対して互いに逆方向に折り曲げ、それぞれの折り返し片65,68を台紙部42に設けられたスリット44に互いに逆方向(逆の面)から挿入するとともに、挿入辺69を光記録媒体の中心孔に挿入することによって光記録媒体を梱包する。
【0085】
光記録媒体用ケース61は、スリット44で光記録媒体を保持した上で、折り返し片65、68の膨らみ辺をスリット44に挿入するとともに挿入辺69を光記録媒体の中心孔に挿入することにより光記録媒体を梱包するため、接着剤等を用いることなく光記録媒体のケースからの脱落を防ぐことができるとともに、光記録媒体を携行する時などに意図せずにケースが開いてしまい光記録媒体を傷つけてしまうことも防ぐことができる。
【0086】
また、スリットの大きさを光記録媒体の直径より少し大きくすることでより保持強度は高くなり光記録媒体の脱落を防ぐことができる。しかしながら、スリットを大きくすれば、スリットの端と保持片の端との距離が短くなり、特に光記録媒体用ケースが紙でできている場合、その部分が折れ曲がったり、切れたりする原因になる。しかしながら本発明は、スリット44を台紙部42の一方の略対角線上に形成しているので、スリット44の大きさを光記録媒体の直径より少し大きくし保持強度を高くするとともに、スリット44の端と台紙部42の端との距離を広くすることができ、折れ曲がりや、切れを防ぐことができ強度を保つことができる。
【0087】
そして、光記録媒体用ケース61は、光記録媒体が保持されるスリット44と、最終的に折り返し片65、68の膨らみ辺が挿入されて梱包が完了するスリット44が同じであるため、設計構造がシンプルになり、製造が容易になる。
【0088】
上記設計構造がシンプルであることに加えて、光記録媒体用ケース61は、A4判の印刷サイズ(297mm×210mm
)に収まるため、例えば、A4判の用紙に構造をプリントし、ユーザーが切り取ることにより光記録媒体用ケース61が完成するようなことも可能になる。さらには、設計構造の電子データのみを提供し、ユーザーが好みの用紙でプリントアウトすることによって光記録媒体用ケース61が完成するようなことも可能になる。
【0089】
光記録媒体用ケース61をこのような構成にすることにより、光記録媒体の固定・梱包強度を落とすことなく、多様なユーザーのニーズに合わせた光記録媒体用ケースの提供が可能になる。
【0090】
さらにまた、光記録媒体用ケース61は、台紙部62の両端に設けられた折り返し片65,68の膨らみ辺の一方の膨らみをを台紙部42に設けられたスリット44に挿入し固定する構造になっているため、光記録媒体用ケース61の両面のどちらからでも開封をすることが可能になる。そのため、使用者の利き腕が右でも左でも関係なく開封作業を行うことができる。
【0091】
さらに、光記録媒体用ケース61においては、折り返し片65,68の膨らみ辺をスリット44に挿入固定することに加えて、挿入辺69を光記録媒体の中心孔に挿入するので、光記録媒体の固定強度が増す。
【符号の説明】
【0092】
1、11、21、31、41、51、61・・・光記録媒体用ケース
2、42・・・台紙部
3、6・・・折り曲げ線
4、14、44・・・スリット
5、15・・・保持片
7・・・つめ部
8、18、28、38、45、48、55、58、65.68・・・折り返し片
39、69・・・挿入片
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD(コンパト・ディスク)、DVD(デジタル・ヴァーサタイル・ディスク)、BD(ブルーレイ・ディスク)等の円盤状光記録媒体の梱包用ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、CD、DVD、BD等の円盤状光記録媒体の梱包用ケースとしては、光記録媒体収納用の凹部を有する本体と、この本体に開閉可能に連結された蓋体とからなる透明なプラスチック製ケースが一般に用いられてきた。しかしながら、近年は、廃棄時の公害防止・環境配慮の観点や、製造コスト軽減の観点より、上記プラスチック製のケースに替わり紙製のケースが主流になりつつあり、特に街頭で配られる配布CD等は紙製のケースを用いられることが多くなってきている。
【0003】
ところで、紙製のケースは、当初、複数の紙材を接着剤等で張り合わせたり、1枚の紙材を折り曲げた後接着剤等で張り合わせて袋状のケースを作り、その中に光記録媒体を挿入する構造になっていた。しかしながら、上記のような構造では、ケースの中に挿入された光記録媒体の固定が十分ではなく、ケースの向きによって光記録媒体がケースから抜け出てしまう問題が生じていた。また、作業工程を削減しコストの軽減を図るべく接着剤を用いない、より製造の容易な紙製のケースが求められてきた。そして最近、固定強度を高めるとともに、接着剤等を用いない紙製の光記録媒体用ケースが各種提案されている。
【0004】
実案第3037023号には、押え板紙に設けた舌片をコンパクトディスクの中央開口を通して基本台紙に設けた切り込みに差し込んでコンパクトディスクを固定するとともに、第1、2保護板紙を折り曲げてコンパクトディスクを梱包する構造が開示されている。
【0005】
次に、特開2003−137382には、台紙部に設けられた光ディスク記録媒体の中心孔を固定する固定部と、光ディスク記録媒体の周縁の一部を挿入し得る切り込み部により光ディスク記録媒体を固定する構造が開示されている。
【0006】
また、特開平10−329882には、折り返し片に設けられた切り込み部にコンパクトディスクを挿入し、表台紙と裏台紙とを折重ねてコンパクトディスクを梱包する構造が開示されている。
【0007】
さらに、特開平11−292179には、ベース板の両側縁に連接された保持片に切込みを設け、該両切込みにディスクを挿入して固定し、ディスク重合板に設けられた切欠部に抑え板に設けられた差し込み舌片を挿入して梱包する構造が開示されている。さらにまた、これら上記公報に記載のケースは、接着剤等を用いることなく、紙状の台紙を折り込むことのみで梱包する構造になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実案第3037023号
【特許文献2】特開2003−137382
【特許文献3】特開平10−329882
【特許文献4】特開平11−292179
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した実案第3037023号、特開2003−137382、特開平10−329882に関しては、光記録媒体の固定はされているものの、ケース自体を閉じる係止機能にあたるものはなく、携行する時などに意図せずにケースが開いてしまい光記録媒体を傷つけてしまう問題が生じる。ケースを閉じるためには接着剤等を使用する必要がある。
【0010】
また、特開平11−292179に関しては、保持片をベース板の両側に連接させるような構造になっているため、ケースを閉じる係止機能を付加すると開示されているような切欠部を設ける必要が生じ、台紙の構造が複雑になる。
【0011】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、台紙の構成を複雑なものにすることなく固定強度が高い光記録媒体用ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、次のような技術手段によって前記課題を解決する。
【0013】
本願の第1の発明は、折り曲げ可能な素材からなる光記録媒体用ケースにおいて、光記録媒体の一方の面を覆う台紙部と、該台紙部の一方の辺に折り曲げ線を介して連接され、光記録媒体を保持する為のスリットが形成された保持片と、前記台紙部の他方の辺に折り曲げ線を介して連接され、つめ部が形成された折り返し片とを備え、前記スリットに前記つめ部を挿入することにより光記録媒体を梱包することを特徴とする。
【0014】
本願の第2の発明は、第1の発明において、前記つめ部は光記録媒体の中心孔を通して前記スリットに挿入されることを特徴とする。
【0015】
本願の第3の発明は、第1または2の発明において、前記折り曲げ可能な素材は紙であることを特徴とする。
【0016】
本願の第4の発明は、第1または2の発明において、前記折り曲げ可能な素材は合成樹脂であることを特徴とする。
【0017】
本願の第5の発明は、折り曲げ可能な素材からなる光記録媒体用ケースにおいて、光記録媒体を保持する為のスリットが設けられた台紙部と、該台紙部の相対する2辺にそれぞれ折り曲げ線を介して連接され、つめ部が形成された折り返し片とを備え、該両折り返し片を折り曲げ線に沿って前記台紙部を介して相対する方向に折り曲げ、前記つめ部を前記スリットに挿入することにより光記録媒体を梱包することを特徴とする。
【0018】
本願の第6の発明は、第5の発明において、前記つめ部は光記録媒体の中心孔を通して前記スリットに挿入されることを特徴とする。
【0019】
本願の第7の発明は、第5または6の発明において、前記折り曲げ可能な素材は紙であることを特徴とする。
【0020】
本願の第8の発明は、第5または6の発明において、前記折り曲げ可能な素材は合成樹脂であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、光記録媒体が保持されるスリットと、梱包するためのつめ部を挿入固定するスリットとが同一のスリットで構成するため、設計構造をシンプルにすることができる。また、本発明で説明する光記録媒体用ケースは、A4判の印刷サイズ(297mm×210mm
)で収めることができるため、多様なユーザーのニーズに合わせた光記録媒体用ケースの提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る光記録媒体用ケースの平面展開図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る光記録媒体用ケースを用いて光記録媒体を梱包する様子を示した図である。
【図3】本発明の第二の実施形態に係る光記録媒体用ケースの平面展開図である。
【図4】本発明の第二の実施形態に係る光記録媒体用ケースを用いて光記録媒体を梱包する様子を示した図である。
【図5】本発明の第二の実施形態に係る光記録媒体用ケースを開封する様子を示す図である。
【図6】本発明の第三の実施形態に係る光記録媒体用ケースの平面展開図である。
【図7】本発明の第三の実施形態に係る光記録媒体用ケースを用いて光記録媒体を梱包する様子を示した図である。
【図8】本発明の第四の実施形態に係る光記録媒体用ケースの平面展開図である。
【図9】本発明の第四の実施形態に係る光記録媒体用ケースを用いて光記録媒体を梱包する様子を示した図である。
【図10】本発明の第五の実施形態に係る光記録媒体用ケースの平面展開図である。
【図11】本発明の第五の実施形態に係る光記録媒体用ケースを用いて光記録媒体を梱包する様子を示した図である。
【図12】本発明の第六の実施形態に係る光記録媒体用ケースの平面展開図である。
【図13】本発明の第六の実施形態に係る光記録媒体用ケースを用いて光記録媒体を梱包する様子を示した図である。
【図14】本発明の第七の実施形態に係る光記録媒体用ケースの平面展開図である。
【図15】本発明の第七の実施形態に係る光記録媒体用ケースを用いて光記録媒体を梱包する様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0023】
本発明の実施形態に係る光記録媒体用ケースについて、図1乃至図15とともに説明する。
【0024】
図1は、本発明の第一の実施形態に係る光記録媒体用ケースを示す展開平面図である。本実施形態の光記録媒体用ケース1は、折り曲げ可能な素材から成り、光記録媒体の一方の面を覆う台紙部2と、台紙部2の一の辺に折り曲げ線3を介して連接され、光記録媒体を保持するスリット4が形成された保持片5と、台紙部2の辺のうち、保持片5が連接された辺と向かい合う辺に折り曲げ線6を介して連接され、つめ部7が形成された折り返し片8とから構成される。光記録媒体用ケース1は、例えば、紙、薄いプラスチック、アルミ素材などであるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0025】
図2は、光記録媒体用ケース1で光記録媒体を梱包する様子を示した図である。光記録媒体用ケース1は、折り曲げ線3において保持片5を折り曲げ(図2−A)、スリット4に光記録媒体を挿入した後、折り曲げ線6において、台紙部2の保持片5を折り曲げた面と同じ方向に光記録媒体を覆うように折り返し片8を折り曲げ、折り返し片8に設けられたつめ部7を保持片5に設けられたスリット4に挿入することによって光記録媒体を梱包する(図2−B)。
【0026】
光記録媒体用ケース1は、スリット4で光記録媒体を保持した上で、つめ部7をスリット4に挿入することにより光記録媒体を梱包するため、接着剤等を用いることなく光記録媒体のケースからの脱落を防ぐことができるとともに、
光記録媒体を携行する時などに意図せずにケースが開いてしまい光記録媒体を傷つけてしまうことも防ぐことができる。
【0027】
また、光記録媒体用ケース1は、光記録媒体が保持されるスリット4と、最終的につめ部7が挿入されて梱包が完了するスリット4が同じであるため、設計構造がシンプルになり、製造が容易になる。
【0028】
上記設計構造がシンプルであることに加えて、光記録媒体用ケース1は、A4判の印刷サイズ(297mm×210mm
)に収まるため、例えば、A4判の用紙に構造をプリントし、ユーザーが切り取ることにより光記録媒体用ケース1が完成するようなことも可能になる。さらには、設計構造の電子データのみを提供し、ユーザーが好みの用紙でプリントアウトすることによって光記録媒体用ケース1が完成するようなことも可能になる。
【0029】
光記録媒体用ケース1をこのような構成にすることにより、光記録媒体の固定・梱包強度を落とすことなく、多様なユーザーのニーズに合わせた光記録媒体用ケースの提供が可能になる。
【実施例2】
【0030】
次に、上記した本発明の第一の実施形態の光記録媒体用ケース1の保持片5及び折り返し片8の構造を変えた第二の実施形態に係る光記録媒体用ケースを説明するが、上記第一の実施形態と同一箇所については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0031】
図3は、本発明の第二の実施形態に係る光記録媒体用ケース11を示す展開平面図である。光記録媒体用ケース11は、前述した第一の実施形態の光記録媒体用ケース1から保持片、折り返し片、スリットの構造に変化を加えたものである。
【0032】
保持片15は、光記録媒体の直径より少し大きいスリット14が設けられ、折り曲げ線3に対向しスリット14に沿う辺に膨らみを持たせた略台形の形状をしている。また、スリット14は、折り曲げ線3で折り曲げた時に台紙部2の一方の対角線上に略重なるように保持片15に形成されている。次に、折り返し片18は、上記保持辺15を180°回転させた構造になっており、折り曲げ線6に対向する辺には保持片15同様に膨らみが形成されている。
【0033】
図4は、光記録媒体用ケース11で光記録媒体を梱包する様子を示した図である。光記録媒体用ケース11は、折り曲げ線3において保持片15を折り曲げ(図4−A)、スリット14に光記録媒体を挿入した後、折り曲げ線6において、台紙部2の保持片15を折り曲げた面と同じ方向に光記録媒体を覆うように折り返し片18を折り曲げ、折り返し片18の膨らみ部分を保持片15に設けられたスリット14に挿入することによって光記録媒体を梱包する(図4−B)。
【0034】
光記録媒体用ケース11は、スリット14で光記録媒体を保持した上で、折り返し片18の膨らみ辺をスリット14に挿入することにより光記録媒体を梱包するため、接着剤等を用いることなく光記録媒体のケースからの脱落を防ぐことができるとともに、光記録媒体を携行する時などに意図せずにケースが開いてしまい光記録媒体を傷つけてしまうことも防ぐことができる。
【0035】
また、スリットの大きさを光記録媒体の直径より少し大きくすることでより保持強度は高くなり光記録媒体の脱落を防ぐことができる。しかしながら、スリットを大きくすれば、スリットの端と保持片の端との距離が短くなり、特に光記録媒体用ケースが紙でできている場合、その部分が折れ曲がったり、切れたりする原因になる。しかしながら本発明は、スリット14を台紙部2の一方の対角線に略重なるように形成しているので、スリット14の大きさを光記録媒体の直径より少し大きくし保持強度を高くするとともに、スリット14の端と保持片15の端との距離を広くすることができ、折れ曲がりや、切れを防ぐことができ強度を保つことができる。
【0036】
そして、光記録媒体用ケース11は、光記録媒体が保持されるスリット14と、最終的に折り返し片18の膨らみ辺が挿入されて梱包が完了するスリット14が同じであるため、設計構造がシンプルになり、製造が容易になる。
【0037】
上記設計構造がシンプルであることに加えて、光記録媒体用ケース11は、A4判の印刷サイズ(297mm×210mm
)に収まるため、例えば、A4判の用紙に構造をプリントし、ユーザーが切り取ることにより光記録媒体用ケース11が完成するようなことも可能になる。さらには、設計構造の電子データのみを提供し、ユーザーが好みの用紙でプリントアウトすることによって光記録媒体用ケース11が完成するようなことも可能になる。
【0038】
さらに、光記録媒体用ケース11においては、折り返し片18の1辺をつめ部として利用する構造になっているため、新たにつめ部を設ける必要がなく、光記録媒体用ケース1に比べてさらに簡易な設計構造になっている。
【0039】
さらにまた、上記のような構造にすることにより、光記録媒体用ケース11の開封が飛躍的に容易になる。図5は、光記録媒体用ケース11を開封する様子を示す図である。光記録媒体用ケース2は、つめ部として折り返し片の1辺を利用しているので、親指をスライドさせることにより片手で簡単にケースの開封することが可能になる。
【実施例3】
【0040】
次に、上記した本発明の第二の実施形態の光記録媒体用ケース11の折り返し片18の構造を変えた第三の実施形態に係る光記録媒体用ケースを説明するが、上記第二の実施形態と同一箇所については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0041】
図6は、本発明の第三の実施形態に係る光記録媒体用ケース21を示す展開平面図である。光記録媒体用ケース21は、前述した第二の実施形態の光記録媒体用ケース11から折り返し片の構造に変化を加えたものである。
【0042】
折り返し片28は、折り曲げ線6の対角に位置する辺を、光記録媒体用ケース11の折り返し片18の膨らみ辺の中点近辺にくぼみを加え、2つの膨らみ部分を有する形状にしている。
【0043】
図7は、光記録媒体用ケース21で光記録媒体を梱包する様子を示した図である。光記録媒体用ケース21は、折り曲げ線3において保持片15を折り曲げ(図7−A)、スリット14に光記録媒体を挿入した後、折り曲げ線6において、台紙部1の保持片5を折り曲げた面と同じ方向に光記録媒体を覆うように折り返し片28を折り曲げ、折り返し片28の膨らみ辺の一方の膨らみ部分を保持片15に設けられたスリット14に挿入することによって光記録媒体を梱包する(図7−B)。
【0044】
光記録媒体用ケース21は、スリット14で光記録媒体を保持した上で、折り返し片28の膨らみ辺の一方の膨らみをスリット14に挿入することにより光記録媒体を梱包するため、接着剤等を用いることなく光記録媒体のケースからの脱落を防ぐことができるとともに、
光記録媒体を携行する時などに意図せずにケースが開いてしまい光記録媒体を傷つけてしまうことも防ぐことができる。
【0045】
また、スリットの大きさを光記録媒体の直径より少し大きくすることでより保持強度は高くなり光記録媒体の脱落を防ぐことができる。しかしながら、スリットを大きくすれば、スリットの端と保持片の端との距離が短くなり、特に光記録媒体用ケースが紙でできている場合、その部分が折れ曲がったり、切れたりする原因になる。しかしながら本発明は、スリット14を台紙部2の一方の対角線に略重なるように形成しているので、スリット14の大きさを光記録媒体の直径より少し大きくし保持強度を高くするとともに、スリット14の端と保持片15の端との距離を広くすることができ、折れ曲がりや、切れを防ぐことができ強度を保つことができる。
【0046】
そして、光記録媒体用ケース21は、光記録媒体が保持されるスリット14と、最終的に折り返し片28の膨らみ辺の一方の膨らみが挿入されて梱包が完了するスリット14が同じであるため、設計構造がシンプルになり、製造が容易になる。
【0047】
上記設計構造がシンプルであることに加えて、光記録媒体用ケース21は、A4判の印刷サイズ(297mm×210mm
)に収まるため、例えば、A4判の用紙に構造をプリントし、ユーザーが切り取ることにより光記録媒体用ケース21が完成するようなことも可能になる。さらには、設計構造の電子データのみを提供し、ユーザーが好みの用紙でプリントアウトすることによって光記録媒体用ケース21が完成するようなことも可能になる。
【0048】
さらに、光記録媒体用ケース21においては、折り返し片28の1辺をつめ部として利用する構造になっているため、新たにつめ部を設ける必要がなく、光記録媒体用ケース1に比べてさらに簡易な設計構造になっている。
【0049】
さらにまた、光記録媒体用ケース21は、ケースの開封時において、前述した第二の実施形態の光記録媒体用ケース11に比べて親指をスライドさせる距離が短くなり、より容易に開封することが可能になる。
【実施例4】
【0050】
次に、上記した本発明の第二の実施形態の光記録媒体用ケース11の折り返し片18の構造を変えた第四の実施形態に係る光記録媒体用ケースを説明するが、上記第二の実施形態と同一箇所については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0051】
図8は、本発明の第四の実施形態に係る光記録媒体用ケース31を示す展開平面図である。光記録媒体用ケース31は、光記録媒体用ケース11から折り返し片の構造に変化を加えたものである。
【0052】
折り返し片38は、光記録媒体用ケース11の折り返し片18の膨らみ辺の中点近辺に、梱包時に光記録媒体の中心孔に挿入する挿入辺39を形成した形状になっている。
【0053】
図9は、光記録媒体用ケース31で光記録媒体を梱包する様子を示した図である。光記録媒体用ケース31は、折り曲げ線3において保持片15を折り曲げ(図9−A)、スリット14に光記録媒体を挿入した後、折り曲げ線6において、台紙部1の保持片5を折り曲げた面と同じ方向に光記録媒体を覆うように折り返し片38を折り曲げ、折り返し片38の膨らみ部分を保持片15に設けられたスリット14に挿入するとともに、挿入辺39を光記録媒体の中心孔に挿入することによって光記録媒体を梱包する(図9−B)。
【0054】
光記録媒体用ケース31は、スリット14で光記録媒体を保持した上で、折り返し片38の膨らみ部分をスリット14に挿入するとともに挿入辺39を光記録媒体の中心孔に挿入することにより光記録媒体を梱包するため、接着剤等を用いることなく光記録媒体のケースからの脱落を防ぐことができるとともに、
光記録媒体を携行する時などに意図せずにケースが開いてしまい光記録媒体を傷つけてしまうことも防ぐことができる。
【0055】
また、スリットの大きさを光記録媒体の直径より少し大きくすることでより保持強度は高くなり光記録媒体の脱落を防ぐことができる。しかしながら、スリットを大きくすれば、スリットの端と保持片の端との距離が短くなり、特に光記録媒体用ケースが紙でできている場合、その部分が折れ曲がったり、切れたりする原因になる。しかしながら本発明は、スリット14を台紙部2の一方の対角線に略重なるように形成しているので、スリット14の大きさを光記録媒体の直径より少し大きくし保持強度を高くするとともに、スリット14の端と保持片15の端との距離を広くすることができ、折れ曲がりや、切れを防ぐことができ強度を保つことができる。
【0056】
そして、光記録媒体用ケース31は、光記録媒体が保持されるスリット14と、最終的に折り返し片38の膨らみ辺が挿入されて梱包が完了するスリット14が同じであるため、設計構造がシンプルになり、製造が容易になる。
【0057】
上記設計構造がシンプルであることに加えて、光記録媒体用ケース31は、A4判の印刷サイズ(297mm×210mm
)に収まるため、例えば、A4判の用紙に構造をプリントし、ユーザーが切り取ることにより光記録媒体用ケース31が完成するようなことも可能になる。さらには、設計構造の電子データのみを提供し、ユーザーが好みの用紙でプリントアウトすることによって光記録媒体用ケース31が完成するようなことも可能になる。
【0058】
さらに、光記録媒体用ケース31においては、折り返し片38の膨らみ辺をスリット14に挿入固定することに加えて、挿入辺39を光記録媒体の中心孔に挿入するので、光記録媒体の固定強度が増す。
【実施例5】
【0059】
上述した本発明の第一乃至第四の実施形態に係る光記録媒体用ケース1乃至4は、台紙部、スリットが設けられた保持辺、及びスリットに挿入固定する折り返し片からなる光記録媒体用ケースを説明してきたが、以降では、スリットが設けられ光記録媒体を保持する機能を有した台紙部と、その両端に設けられた2つの折り返し片からなる光記録媒体用ケースを説明する。
【0060】
図10は、本発明の第五の実施形態に係る光記録媒体用ケースを示す展開平面図である。本実施形態の光記録媒体用ケース41は、折り曲げ可能な素材から成り、光記録媒体の直径より少し大きいスリット44が略対角線上に設けられた台紙部42と、該台紙部42の両辺に折り曲げ線3、6を介して連接され、折り曲げ線3、6の対角に位置する辺に膨らみを持たせた略台形状でかつ互いに180°回転させた形状の折り返し片45、48から構成される。光記録媒体用ケース41は、例えば、紙、薄いプラスチック、アルミ素材などであるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0061】
図11は、光記録媒体用ケース41で光記録媒体を梱包する様子を示した図である。光記録媒体用ケース41は、折り曲げ線3、6において折り返し片45、48を台紙部42の面に対して互いに逆方向に折り曲げ、それぞれの折り返し片45,48を台紙部42に設けられたスリット44に互いに逆方向(逆の面)から挿入することによって光記録媒体を梱包する。
【0062】
光記録媒体用ケース41は、スリット44で光記録媒体を保持した上で、折り返し片45、48をスリット44に挿入することにより光記録媒体を梱包するため、接着剤等を用いることなく光記録媒体のケースからの脱落を防ぐことができるとともに、
光記録媒体を携行する時などに意図せずにケースが開いてしまい光記録媒体を傷つけてしまうことも防ぐことができる。
【0063】
また、スリットの大きさを光記録媒体の直径より少し大きくすることでより保持強度は高くなり光記録媒体の脱落を防ぐことができる。しかしながら、スリットを大きくすれば、スリットの端と保持片の端との距離が短くなり、特に光記録媒体用ケースが紙でできている場合、その部分が折れ曲がったり、切れたりする原因になる。しかしながら本発明は、スリット44を台紙部42の一方の略対角線上に形成しているので、スリット44の大きさを光記録媒体の直径より少し大きくし保持強度を高くするとともに、スリット44の端と台紙部42の端との距離を広くすることができ、折れ曲がりや、切れを防ぐことができ強度を保つことができる。
【0064】
そして、光記録媒体用ケース41は、光記録媒体が保持されるスリット44と、最終的に折り返し片45、48が挿入されて梱包が完了するスリット44が同じであるため、設計構造がシンプルになり、製造が容易になる。
【0065】
上記設計構造がシンプルであることに加えて、光記録媒体用ケース41は、A4判の印刷サイズ(297mm×210mm
)に収まるため、例えば、A4判の用紙に構造をプリントし、ユーザーが切り取ることにより光記録媒体用ケース41が完成するようなことも可能になる。さらには、設計構造の電子データのみを提供し、ユーザーが好みの用紙でプリントアウトすることによって光記録媒体用ケース41が完成するようなことも可能になる。
【0066】
光記録媒体用ケース41をこのような構成にすることにより、光記録媒体の固定・梱包強度を落とすことなく、多様なユーザーのニーズに合わせた光記録媒体用ケースの提供が可能になる。
【0067】
さらに、光記録媒体用ケース41は、つめ部として折り返し片45,48の1辺を利用しているので、親指をスライドさせることにより片手で簡単にケースの開封することが可能になる。
【0068】
さらにまた、光記録媒体用ケース41は、台紙部42の両端に設けられた折り返し片45,48を台紙部42に設けられたスリット44に挿入し固定する構造になっているため、光記録媒体用ケース41の両面のどちらからでも開封をすることが可能になる。そのため、使用者の利き腕が右でも左でも関係なく開封作業を行うことができる。
【実施例6】
【0069】
次に、上記した本発明の第五の実施形態の光記録媒体用ケース41の折り返し片45、48の構造を変えた第六の実施形態に係る光記録媒体用ケースを説明するが、上記第五の実施形態と同一箇所については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0070】
図12は、本発明の第六の実施形態に係る光記録媒体用ケース51を示す展開平面図である。光記録媒体用ケース51は、光記録媒体用ケース41から折り返し片の構造に変化を加えたものである。
【0071】
折り返し片55、58は、折り曲げ線3、6の対角に位置する辺を、光記録媒体用ケース41の折り返し片45,48の膨らみ辺の中点近辺にくぼみを加えた2つの膨らみ部分を有する形状にしている。
【0072】
図13は、光記録媒体用ケース51で光記録媒体を梱包する様子を示した図である。光記録媒体用ケース51は、折り曲げ線3、6において折り返し片55、58を台紙部42の面に対して互いに逆方向に折り曲げ、それぞれの折り返し片55,58の膨らみ辺の一方の膨らみ部分を台紙部42に設けられたスリット44に互いに逆方向(逆の面)から挿入することによって光記録媒体を梱包する。
【0073】
光記録媒体用ケース51は、スリット44で光記録媒体を保持した上で、折り返し片55、58の膨らみ辺の一方の膨らみ部分をスリット44に挿入することにより光記録媒体を梱包するため、接着剤等を用いることなく光記録媒体のケースからの脱落を防ぐことができるとともに、
光記録媒体を携行する時などに意図せずにケースが開いてしまい光記録媒体を傷つけてしまうことも防ぐことができる。
【0074】
また、スリットの大きさを光記録媒体の直径より少し大きくすることでより保持強度は高くなり光記録媒体の脱落を防ぐことができる。しかしながら、スリットを大きくすれば、スリットの端と保持片の端との距離が短くなり、特に光記録媒体用ケースが紙でできている場合、その部分が折れ曲がったり、切れたりする原因になる。しかしながら本発明は、スリット44を台紙部42の一方の略対角線上に形成しているので、スリット44の大きさを光記録媒体の直径より少し大きくし保持強度を高くするとともに、スリット44の端と台紙部42の端との距離を広くすることができ、折れ曲がりや、切れを防ぐことができ強度を保つことができる。
【0075】
そして、光記録媒体用ケース51は、光記録媒体が保持されるスリット44と、最終的に折り返し片55、58の膨らみ辺の一方の膨らみをが挿入されて梱包が完了するスリット44が同じであるため、設計構造がシンプルになり、製造が容易になる。
【0076】
上記設計構造がシンプルであることに加えて、光記録媒体用ケース51は、A4判の印刷サイズ(297mm×210mm
)に収まるため、例えば、A4判の用紙に構造をプリントし、ユーザーが切り取ることにより光記録媒体用ケース51が完成するようなことも可能になる。さらには、設計構造の電子データのみを提供し、ユーザーが好みの用紙でプリントアウトすることによって光記録媒体用ケース41が完成するようなことも可能になる。
【0077】
光記録媒体用ケース51をこのような構成にすることにより、光記録媒体の固定・梱包強度を落とすことなく、多様なユーザーのニーズに合わせた光記録媒体用ケースの提供が可能になる。
【0078】
さらに、光記録媒体用ケース51は、つめ部として折り返し片の1辺を利用しているので、親指を上方にスライドさせることにより片手で簡単にケースの開封することが可能になる。
【0079】
さらにまた、光記録媒体用ケース51は、台紙部42の両端に設けられた折り返し片55,58の膨らみ辺の一方の膨らみをを台紙部42に設けられたスリット44に挿入し固定する構造になっているため、光記録媒体用ケース51の両面のどちらからでも開封をすることが可能になる。そのため、使用者の利き腕が右でも左でも関係なく開封作業を行うことができる。
【0080】
さらにまた、光記録媒体用ケース51は、ケースの開封時において、前述した第5の実施形態の光記録媒体用ケース41に比べて親指をスライドさせる距離が短くなり、より容易に開封することが可能になる。
【実施例7】
【0081】
次に、上記した本発明の第五の実施形態の光記録媒体用ケース41の折り返し片45、48の構造を変えた第七の実施形態に係る光記録媒体用ケースを説明するが、上記第五の実施形態と同一箇所については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0082】
図14は、本発明の第七の実施形態に係る光記録媒体用ケース61を示す展開平面図である。光記録媒体用ケース61は、光記録媒体用ケース41から折り返し片の構造に変化を加えたものである。
【0083】
折り返し片65、68は、光記録媒体用ケース41の折り返し片45、48の膨らみ辺の中点近辺に、梱包時に光記録媒体の中心孔に挿入する挿入辺69を形成した形状になっている。
【0084】
図15は、光記録媒体用ケース61で光記録媒体を梱包する様子を示した図である。光記録媒体用ケース61は、折り曲げ線3、6において折り返し片65,68を台紙部42の面に対して互いに逆方向に折り曲げ、それぞれの折り返し片65,68を台紙部42に設けられたスリット44に互いに逆方向(逆の面)から挿入するとともに、挿入辺69を光記録媒体の中心孔に挿入することによって光記録媒体を梱包する。
【0085】
光記録媒体用ケース61は、スリット44で光記録媒体を保持した上で、折り返し片65、68の膨らみ辺をスリット44に挿入するとともに挿入辺69を光記録媒体の中心孔に挿入することにより光記録媒体を梱包するため、接着剤等を用いることなく光記録媒体のケースからの脱落を防ぐことができるとともに、光記録媒体を携行する時などに意図せずにケースが開いてしまい光記録媒体を傷つけてしまうことも防ぐことができる。
【0086】
また、スリットの大きさを光記録媒体の直径より少し大きくすることでより保持強度は高くなり光記録媒体の脱落を防ぐことができる。しかしながら、スリットを大きくすれば、スリットの端と保持片の端との距離が短くなり、特に光記録媒体用ケースが紙でできている場合、その部分が折れ曲がったり、切れたりする原因になる。しかしながら本発明は、スリット44を台紙部42の一方の略対角線上に形成しているので、スリット44の大きさを光記録媒体の直径より少し大きくし保持強度を高くするとともに、スリット44の端と台紙部42の端との距離を広くすることができ、折れ曲がりや、切れを防ぐことができ強度を保つことができる。
【0087】
そして、光記録媒体用ケース61は、光記録媒体が保持されるスリット44と、最終的に折り返し片65、68の膨らみ辺が挿入されて梱包が完了するスリット44が同じであるため、設計構造がシンプルになり、製造が容易になる。
【0088】
上記設計構造がシンプルであることに加えて、光記録媒体用ケース61は、A4判の印刷サイズ(297mm×210mm
)に収まるため、例えば、A4判の用紙に構造をプリントし、ユーザーが切り取ることにより光記録媒体用ケース61が完成するようなことも可能になる。さらには、設計構造の電子データのみを提供し、ユーザーが好みの用紙でプリントアウトすることによって光記録媒体用ケース61が完成するようなことも可能になる。
【0089】
光記録媒体用ケース61をこのような構成にすることにより、光記録媒体の固定・梱包強度を落とすことなく、多様なユーザーのニーズに合わせた光記録媒体用ケースの提供が可能になる。
【0090】
さらにまた、光記録媒体用ケース61は、台紙部62の両端に設けられた折り返し片65,68の膨らみ辺の一方の膨らみをを台紙部42に設けられたスリット44に挿入し固定する構造になっているため、光記録媒体用ケース61の両面のどちらからでも開封をすることが可能になる。そのため、使用者の利き腕が右でも左でも関係なく開封作業を行うことができる。
【0091】
さらに、光記録媒体用ケース61においては、折り返し片65,68の膨らみ辺をスリット44に挿入固定することに加えて、挿入辺69を光記録媒体の中心孔に挿入するので、光記録媒体の固定強度が増す。
【符号の説明】
【0092】
1、11、21、31、41、51、61・・・光記録媒体用ケース
2、42・・・台紙部
3、6・・・折り曲げ線
4、14、44・・・スリット
5、15・・・保持片
7・・・つめ部
8、18、28、38、45、48、55、58、65.68・・・折り返し片
39、69・・・挿入片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り曲げ可能な素材からなる光記録媒体用ケースにおいて、
光記録媒体の一方の面を覆う台紙部と、
該台紙部の一方の辺に折り曲げ線を介して連接され、光記録媒体を保持する為のスリットが形成された保持片と、
前記台紙部の他方の辺に折り曲げ線を介して連接され、つめ部が形成された折り返し片とを備え、
前記スリットに前記つめ部を挿入することにより光記録媒体を梱包することを特徴とする光記録媒体用ケース。
【請求項2】
前記つめ部は光記録媒体の中心孔を通して前記スリットに挿入されることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項3】
前記折り曲げ可能な素材は紙であることを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項4】
前記折り曲げ可能な素材は合成樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項5】
折り曲げ可能な素材からなる光記録媒体用ケースにおいて、
光記録媒体を保持する為のスリットが設けられた台紙部と、
該台紙部の相対する2辺にそれぞれ折り曲げ線を介して連接され、つめ部が形成された折り返し片とを備え、
該両折り返し片を折り曲げ線に沿って前記台紙部を介して相対する方向に折り曲げ、前記つめ部を前記スリットに挿入することにより光記録媒体を梱包することを特徴とする光記録媒体用ケース。
【請求項6】
前記つめ部は光記録媒体の中心孔を通して前記スリットに挿入されることを特徴とする請求項5に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項7】
前記折り曲げ可能な素材は紙であることを特徴とする請求項5または6に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項8】
前記折り曲げ可能な素材は合成樹脂であることを特徴とする請求項5または6に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項1】
折り曲げ可能な素材からなる光記録媒体用ケースにおいて、
光記録媒体の一方の面を覆う台紙部と、
該台紙部の一方の辺に折り曲げ線を介して連接され、光記録媒体を保持する為のスリットが形成された保持片と、
前記台紙部の他方の辺に折り曲げ線を介して連接され、つめ部が形成された折り返し片とを備え、
前記スリットに前記つめ部を挿入することにより光記録媒体を梱包することを特徴とする光記録媒体用ケース。
【請求項2】
前記つめ部は光記録媒体の中心孔を通して前記スリットに挿入されることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項3】
前記折り曲げ可能な素材は紙であることを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項4】
前記折り曲げ可能な素材は合成樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項5】
折り曲げ可能な素材からなる光記録媒体用ケースにおいて、
光記録媒体を保持する為のスリットが設けられた台紙部と、
該台紙部の相対する2辺にそれぞれ折り曲げ線を介して連接され、つめ部が形成された折り返し片とを備え、
該両折り返し片を折り曲げ線に沿って前記台紙部を介して相対する方向に折り曲げ、前記つめ部を前記スリットに挿入することにより光記録媒体を梱包することを特徴とする光記録媒体用ケース。
【請求項6】
前記つめ部は光記録媒体の中心孔を通して前記スリットに挿入されることを特徴とする請求項5に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項7】
前記折り曲げ可能な素材は紙であることを特徴とする請求項5または6に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項8】
前記折り曲げ可能な素材は合成樹脂であることを特徴とする請求項5または6に記載の光記録媒体用ケース。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−93568(P2011−93568A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249313(P2009−249313)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(709006323)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(709006323)
【Fターム(参考)】
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