説明

光起電力素子の製造方法、及び光起電力素子

【課題】光起電力素子の製造方法、および光起電力素子を提供する。
【解決手段】半導体基板310の第1面にベース部及びエミッタ部を形成するステップと、ベース部及びエミッタ部の上に絶縁層361,362を形成するステップと、ベース部及びエミッタ部が部分的に露出されるように、絶縁層361,362にビアホールを形成するステップと、少なくとも一つのビアホールを通じて、エミッタ部の領域と接触する第1電極371を形成するステップと、少なくとも一つの他のビアホールを通じて、ベース部の領域と接触する第2電極372を形成するステップと、ベース部上に切断線C−Cを形成するステップと、切断線C−Cに沿って半導体基板310を切断するステップと、を含む光起電力素子の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光起電力素子の製造方法、及び光起電力素子に関する。
【背景技術】
【0002】
光起電力素子を製造するためには、p型(または、n型)基板に、n型(または、p型)不純物をドーピングしてpn接合を形成し、エミッタを形成する手法が一般的に用いられている。このような光起電力素子では、受光により形成された電子−正孔の対が分離し、電子はn型領域の電極に、正孔はp型領域の電極に収集されて、電力を生産する。
【0003】
光起電力素子は、受光面である前面、そして背面にそれぞれ電極が備えられる構造を有するが、前面に電極が備えられた場合、電極の面積が多くなるほど受光面積が縮小する。このような受光面積が縮小する問題を解決するために、従来、電極が背面にのみ備えられた背面接合の構造を有する光起電力素子が用いられてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4036880号公報
【特許文献2】特開2001−111085号公報
【特許文献3】特許第4495318号公報
【特許文献4】大韓民国特許公開第2011−0030561号公報
【特許文献5】大韓民国特許公開第2011−0011984号公報
【特許文献6】特開2006−156663号公報
【特許文献7】特開2011−512661号公報
【特許文献8】米国特許公開2011/0100414号公報
【特許文献9】米国特許第7812250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の一般的な背面接合の光起電力素子は、製造原価が高く、構造に起因して電力損失が増加するという問題があった。そこで、本発明の目的は、上記問題に鑑みてなされたものであり、製造原価を低減し、構造に起因する電力損失を軽減することが可能な、新規かつ改良された光起電力素子の製造方法、及び光起電力素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、半導体基板の第1面にベース部及びエミッタ部を形成するステップと、前記ベース部及び前記エミッタ部の上に絶縁層を形成するステップと、前記ベース部及び前記エミッタ部が部分的に露出されるように、前記絶縁層にビアホールを形成するステップと、少なくとも一つの前記ビアホールを通じて、前記エミッタ部の領域と接触する第1電極を形成するステップと、少なくとも一つの他の前記ビアホールを通じて、前記ベース部の領域と接触する第2電極を形成するステップと、前記ベース部上に切断線を形成するステップと、前記切断線に沿って前記半導体基板を切断するステップと、を含む光起電力素子の製造方法が提供される。
【0007】
前記切断線を形成するステップは、前記エミッタ部を避けて前記ベース部上に切断線を形成するステップを含み、前記半導体基板を切断するステップは、前記エミッタ部を避けた前記半導体基板の領域で、前記半導体基板を切断するステップを含んでもよい。
【0008】
前記第1電極は、第1バスバーと、前記第1バスバーから延びた複数の第1フィンガー電極と、を備え、前記第2電極は、前記第1面の中心を横切るように延びた第2バスバーと、前記第2バスバーから延びて第1フィンガー電極と互いに噛み合うように形成された複数の第2フィンガー電極を備えてもよい。
【0009】
前記切断線を形成するステップは、前記第2バスバーに沿って前記第2バスバーの中心に、前記切断線となる開口を形成するステップを含んでもよい。
【0010】
前記半導体基板は、単一の半導体ウェーハの少なくとも二つの角をトリミングされて形成されてもよい。
【0011】
前記単一の半導体ウェーハから複数の光起電力素子を形成してもよい。
【0012】
前記第1電極を形成するステップは、第1バスバーと、前記第1バスバーから延びた複数の第1フィンガー電極とを備える第1電極を、前記複数の光起電力素子それぞれに形成するステップを含み、前記第2電極を形成するステップは、第2バスバーと、前記第2バスバーから延びた複数の第2フィンガー電極とを備える第2電極を、前記複数の光起電力素子それぞれに形成するステップを含んでもよい。
【0013】
前記第1面の反対側に備えられた半導体基板の第2面に少なくとも一つのパッシベーション層または反射防止膜を形成するステップをさらに含んでもよい。
【0014】
前記第1面の反対側に備えられた半導体基板の第2面をテクスチャリングするステップをさらに含んでもよい。
【0015】
前記ベース部及び前記エミッタ部は、それぞれストライプ状に形成されてもよい。
【0016】
前記ベース部及び前記エミッタ部は、それぞれ複数の離散した領域で形成されてもよい。
【0017】
前記離散した領域は、ドット、楕円形、円形または多角形の形状で形成されてもよい。
【0018】
前記第1面の反対側に備えられた半導体基板の第2面は、光源と対向する前面であり、前記第1面は、前記光源の反対側に位置する背面であってもよい。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、半導体基板の第1面上に形成されたベース部及びエミッタ部と、前記ベース部及び前記エミッタ部の上に形成された絶縁層と、前記絶縁層に形成された複数のビアホールと、少なくとも一つの前記ビアホールを通じて、前記エミッタ部の領域と接触する第1電極と、少なくとも一つの他の前記ビアホールを通じて、前記ベース部の領域と接触する第2電極と、を備え、前記第2電極は、切断された電極であり、前記半導体基板は、前記エミッタ部側に少なくとも二つのトリミングされた角を備える光起電力素子が提供される。
【0020】
前記半導体基板は、半導体ウェーハから形成され、前記光起電力素子のサイズは前記半導体ウェーハの1/2のサイズであってもよい。
【0021】
前記第2電極の一部分は、前記半導体ウェーハの中心を横切るように延びてもよい。
【0022】
前記第1電極は、前記トリミングされた角の間に備えられた前記半導体基板の第1側に沿って延びた第1バスバーと、前記第1バスバーから延びた複数の第1フィンガー電極とを備え、前記第2電極は、前記第1側の反対側に備えられた第2側に沿って延びた第2バスバーと、前記第2バスバーから延びて前記第1フィンガー電極と互いに噛み合うように配置された複数の第2フィンガー電極を備えてもよい。
【0023】
前記第1面の反対側に備えられた半導体基板の第2面に形成された少なくとも一つのパッシベーション層または反射防止膜をさらに備えてもよい。
【0024】
前記ベース部及び前記エミッタ部は、それぞれストライプ状に形成されてもよい。
【0025】
前記ベース部及び前記エミッタ部は、それぞれ複数の離散した領域で形成されてもよい。
【0026】
前記絶縁層は、第1層、及び前記第1層と異なる物質を含む第2層の複数層で形成されてもよい。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明によれば、光起電力素子の製造原価を低減し、構造に起因する電力損失を軽減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1A】本発明の一実施形態による光起電力素子を概略的に示す斜視図である。
【図1B】図1AのIB−IB線における断面図である。
【図2A】本発明の一実施形態による光起電力素子の背面図である。
【図2B】本発明の他の実施形態による光起電力素子の背面図である。
【図3A】本発明の一実施形態による光起電力素子の製造過程における半導体基板を示す斜視図である。
【図3B】図3Aの変形例における半導体基板を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態による光起電力素子の製造過程のうち、パッシベーション層及び反射防止膜が形成された状態を示す斜視図である。
【図5A】本発明の一実施形態による光起電力素子の製造過程のうち、ベース層及びエミッタ層が形成された状態を示す斜視図である。
【図5B】図5AのVB−VB線における断面図である。
【図6A】本発明の一実施形態による光起電力素子の製造過程のうち、絶縁層が形成された状態を示す斜視図である。
【図6B】図6AのVIB−VIB線における断面図である。
【図7A】本発明の一実施形態による光起電力素子の製造過程のうち、第1及び第2金属電極が形成された状態を示す斜視図である。
【図7B】図7AのVIIB−VIIB線における断面図である。
【図7C】図7Aの背面図である。
【図8A】本発明の一実施形態による光起電力素子の製造過程のうち、図7Aの切断線C−Cに沿ってカットされた状態を示す斜視図である。
【図8B】図8Aの背面図である。
【図9A】LBIC(Laser Beam Induced Current)法により、一般的な背面接合の光起電力素子のQE(Quantum Efficiency)を測定した結果図である。
【図9B】LBIC法により、他の一般的な背面接合の光起電力素子のQEを測定した結果図である。
【図10】本発明の一実施形態による光起電力素子を電気的に連結した実施形態を示す図面である。
【図11】本発明の他の実施形態による光起電力素子を電気的に連結した実施形態を示す図面である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態による光起電力素子を電気的に連結した実施形態を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0030】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に説明する実施形態を参照すれば明確になる。ただし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、相異なる多様な形態で実現される。本実施形態は、本発明の開示を完全にし、当業者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明の定義は、特許請求の範囲により定められる。
【0031】
また、本明細書で使われる用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。本明細書において、単数型は、文言で特に言及しない限り複数型も含む。明細書で使われる“含む(comprises)”及び“含んだ(comprising)”は、言及された構成要素、ステップ、動作及び素子以外の他の一つ以上の構成要素、ステップ、動作及び素子の存在または追加を排除しない。
【0032】
さらに、第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するのに使われるが、当該構成要素は、用語により限定されない。第1、第2などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで用いられる。以下では、同じ構成要素に対しては、同じ符号を使用して説明を行う。
【0033】
図面では、複数の層、領域、膜を明確に表現するために、厚さを拡大して示した。層、膜の構成が他の構成“上に”あるとは、他の構成の“真上に”ある場合だけでなく、その中間に他の構成が備えられた場合も含む。一方、ある構成が他の構成の“真上に”あるとは、その中間に他の構成が備えられていない場合を表す。
【0034】
図1Aは、本発明の一実施形態による光起電力素子を概略的に示す斜視図であり、図1Bは、図1AのIB−IB線における断面図である。図2Aは、本発明の一実施形態による光起電力素子の背面図であり、第1及び第2金属電極、エミッタ層及びベース層を示す。図2Bは、本発明の他の実施形態による光起電力素子の背面図であり、第1及び第2金属電極、エミッタ層及びベース層を示す。図1A及び図1Bでは、説明の便宜上、光電変換素子の背面を上にして示し、図2A及び図2Bでは、エミッタ層(エミッタ部)及びベース層(ベース部)を形成する不純物のドーピング領域を点線で表す。
【0035】
図1A及び図1Bを参照すると、光起電力素子100は、半導体基板110、パッシベーション層120、反射防止膜130、エミッタ層(あるいは、エミッタ部)140、ベース層(あるいは、ベース部)150、絶縁層160、第1及び第2金属電極170、および180を備える。
【0036】
半導体基板110は、光吸収層であって、半導体基板110の第1側辺111の両端の角は、トリミングされた形状であり、半導体基板110の第1側辺と平行に対向する第2側辺112の両端の角は、トリミングされない形状である。一般的な半導体基板は、四方向の角がトリミングされた形状であるのに対し、本発明の実施形態による半導体基板110は、一般的な半導体基板を半分に切断した形状であるため、四つの角のうち二つの角、すなわち、第1側辺111の両端に備えられた角のみがトリミングされた形状である。半導体基板110は、5インチ(12.7cm)または6インチ(15.24cm)のウェーハを半分に切断したサイズであるか、またはさらに大きいサイズでもよい。
【0037】
半導体基板110は、単結晶のシリコン基板または多結晶のシリコン基板であってもよい。また、半導体基板110は、n型不純物が含まれた単結晶または多結晶のシリコン基板であってもよい。n型不純物としては、リン(P)、砒素(As)などのような5族元素を含んでもよい。
【0038】
本実施形態では、半導体基板110がn型不純物を含むシリコン基板を使用する場合を説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、半導体基板110として、p型不純物を含む単結晶または多結晶のシリコン基板を使用してもよい。p型不純物としては、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)などのような3族元素を含んでもよい。
【0039】
図示していないが、半導体基板110は、テクスチャー構造を形成されていてもよい。テクスチャー構造により、入射光の表面反射率を低下させ、半導体基板110内での光の通過長さを長くし、背面からの内部反射を利用して、吸収される光の量を増加させることができる。上記により、光起電力素子の短絡電流を増加させることができる。
【0040】
パッシベーション層120は、半導体基板110の前面に形成される。パッシベーション層120は、不純物がドーピングされた非晶質シリコン(a−Si)または窒化ケイ素(SiN)で形成される。例えば、パッシベーション層120が、不純物をドーピングされた非晶質シリコンである場合、パッシベーション層120は、半導体基板110に添加された不純物と同程度の導電性を有する不純物が半導体基板110より高濃度にドーピングされて形成される。
【0041】
パッシベーション層120は、半導体基板110で生成されたキャリアの表面再結合を防止して、キャリアの収集効率を向上させる。例えば、パッシベーション層120は、キャリアが半導体基板110の前面に移動することを防止するので、半導体基板110の前面近辺で電子と正孔とが再結合して消滅することを防止できる。
【0042】
反射防止膜130は、半導体基板110の前面に形成され、太陽光が入射する際に、光が反射されて、光起電力素子の光吸収損失が起こることを防止し、光起電力素子の効率を向上させる。反射防止膜130は、透明な物質であってもよい。例えば、反射防止膜130は、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、酸窒化ケイ素(SiO)などであってもよい。または、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)などであってもよい。反射防止膜130は、単一または互いに屈折率が異なる複数の層を積層することによって形成される。
【0043】
本実施形態では、パッシベーション層120と反射防止膜130とを別個の層で形成したが、本発明は、これに限定されない。例えば、窒化ケイ素(SiN)を形成することで、パッシベーション層120の機能と反射防止膜130の機能とを単一の層に備えさせてもよい。
【0044】
エミッタ層140は、半導体基板110の背面に備えられ、半導体基板110とpn接合を形成する。半導体基板110がn型である場合、エミッタ層140は、p型不純物を含み、半導体基板110がp型である場合、エミッタ層140は、n型不純物を含む。
【0045】
図2Aを参照すると、エミッタ層140は、p型(または、n型)不純物がドープされることによって形成され、拡散領域は、縞状に形成されてもよい。すなわち、本発明の一実施形態によれば、エミッタ層(エミッタ部)140は、ストライプ状に形成されてもよい。または、図2Bを参照すると、p型(または、n型)不純物の拡散領域(エミッタ部)140´は、円形または楕円形のようなドット型で形成されてもよい。ドット型の拡散領域(エミッタ部)140´は、多角形のような他の形状のドット型も含む。すなわち、本発明の一実施形態によれば、エミッタ部140´は、複数の離散領域で形成されてもよい。この時、それぞれの離散領域(エミッタ部)140´は、図2Bに鎖線で表したようなドット、または楕円形、円形、多角形など多様な形状を有する。
【0046】
再び図1A、図1B及び図2Aを参照すれば、エミッタ層140は、両端の角がトリミングされた半導体基板110の第1側辺111、及び第1側辺111と垂直な方向に沿って形成される。エミッタ層140は、第1側辺111に沿って形成された第1エミッタ領域141を備え、第1エミッタ領域141に対してほぼ垂直に形成された複数の第2エミッタ領域142を備える。第2エミッタ領域142は、互いに離隔されるように形成される。
【0047】
ベース層150は、半導体基板110の背面に形成され、半導体基板110と同じ不純物を含む。ベース層150は、半導体基板110より不純物が高濃度にドープされ、背面電界(Back Surface Field: BSF)を形成し、第2金属電極180の付近で、正孔と電子とが再結合して消滅することを防止することができる。
【0048】
図2Aを参照すると、ベース層(ベース部)150は、n型(または、p型)不純物がドープされることによって形成され、不純物の拡散領域は、縞状に形成されてもよい。すなわち、本発明の一実施形態において、ベース層(ベース部)150は、ストライプ状に形成されてもよい。
【0049】
または、図2Bを参照すると、n型(または、p型)不純物の拡散領域(ベース部)150´は、円形または楕円形のようなドット型で形成されてもよい。ドット型の拡散領域(ベース部)150´は、多角形のような他の形状のドット型も含む。すなわち、本発明の一実施形態によれば、拡散領域(ベース部)150´は、複数の離散領域で形成されてもよい。この時、それぞれの離散領域(ベース部)150´は、図2Bに鎖線で表したようなドット、または楕円形、円形、多角形など多様な形状を有する。
【0050】
再び図1A、図1B及び図2Aを参照すると、ベース層150は、角がトリミングされない半導体基板110の第2側辺112、及び第2側辺112と垂直な方向に沿って形成される。ベース層150は、第2側辺112に沿って形成された第1ベース領域151を備え、第1ベース領域151に対してほぼ垂直に形成された複数の第2ベース領域152を備える。
【0051】
互いに離隔された第2エミッタ領域142の間に、第2ベース領域152は配置される。したがって、第2エミッタ領域142と第2ベース領域152とは、半導体基板110の背面で噛み合うように形成される。
【0052】
絶縁層160は、エミッタ層140及びベース層150上に、第1及び第2金属電極170、180の下部に形成されて、互いに逆の極性を有する構成要素間の電気的短絡を防止する。例えば、絶縁層160は、第1金属電極170とベース層150との間の電気的短絡を防止し、第2金属電極180とエミッタ層140との間の電気的短絡を防止する。
【0053】
絶縁層160は、第1及び第2金属電極170、180がそれぞれエミッタ層140とベース層150とに直接接触するように、ビアホール165を含む。ビアホール165を通じて、第1金属電極170は、エミッタ層140と電気的に連結され、第2金属電極180は、ベース層150と電気的に連結される。
【0054】
絶縁層160は、第1絶縁層161及び第2絶縁層162を備える。例えば、第1絶縁層161としては、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、またはSiOとSiNとをいずれも含む。第2絶縁層162は、第1絶縁層161を形成した以後、より確実な電気的絶縁のために形成され、ポリイミド(polyimide:PI)を含む。または、第2絶縁層162は、エチレンビニルアセテート(ethylene vinyl acetate:EVA)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate:PET)、またはポリカーボネート(polycarbonate:PC)を含む。
【0055】
本実施形態では、絶縁層160が第1絶縁層161と第2絶縁層162とを備える場合を説明したが、本発明は、これに限定しない。第2絶縁層162は、第1絶縁層161を形成した以後、より確実な電気的絶縁のために形成されるものであって、絶縁層160は、第1絶縁層161のみで形成されていてもよい。
【0056】
第1金属電極170は、エミッタ層140と対応するように絶縁層160上に形成され、ビアホール165を通じて、エミッタ層140と電気的に連結される。第1金属電極170は、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)及びそれらの合金で形成されてもよい。第1金属電極170は、第1バスバー171を備え、第1バスバー171に対して垂直に形成され、第1バスバー171から延びる第1フィンガー電極172を備える。
【0057】
第2金属電極180は、ベース層150と対応するように絶縁層160上に形成され、ビアホール165を通じて、ベース層150と電気的に連結される。第2金属電極180は、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)及びそれらの合金で形成されてもよい。第2金属電極180は、第2バスバー181を備え、第2バスバー181に対して垂直に形成され、第2バスバー181から延びる第2フィンガー電極182を備える。
【0058】
第1バスバー171は、半導体基板110の第1側辺111に形成され、第2バスバー181は、ほぼ第1バスバー171と平行になるように、半導体基板110の第2側辺112に形成される。第1フィンガー電極172は、第1バスバー171と垂直になるように、第2バスバー181に向かって延び、第2フィンガー電極182は、第2バスバー181と垂直になるように、第1バスバー171に向かって延びる。したがって、第1フィンガー電極172と第2フィンガー電極182とは、交互に配置される。言い換えれば、第1及び第2フィンガー電極172、182は、互いに噛み合うように形成されて、キャリアを収集する。
【0059】
一般的な背面接合の光起電力素子は、受光面積が増大しても、受光面積の増大によって電流が増加するので、電流の自乗に比例する電力損失を誘発し、受光面積の増大による効果の効率は高くない。しかし、本発明の実施形態によれば、ウェーハを半分に切断して光起電力素子を形成することで、電圧を約2倍に高め、電流を減らすことができる。したがって、電流の2倍に比例する電力損失を減少させることができる。一実施形態として、第2電極180は、切断された電極であってもよい。すなわち、第2電極180の第2バスバー181は、より大きいサイズのバスバーが二つに切断されることによって形成されてもよい。上記についての内容は、該当部分で詳細に後述する。
【0060】
また、本発明の実施形態による光起電力素子は、エミッタ部の領域から遠い側に配置されたベース部の領域を切断して製造することで、光起電力素子の製造の際の光起電力素子の性能の劣化を減少、または防止できる。
【0061】
以下では、本発明の実施形態による光起電力素子の製造方法を説明する。
【0062】
図3A〜図8Bは、本発明の実施形態による光起電力素子の製造方法による状態を概略的に示し、説明の便宜上、光起電力素子の背面を上にして示した。
【0063】
図3Aを参照すると、半導体基板310、例えば、半導体ウェーハが用いられる。半導体基板310の四つの角は、トリミングされた形状であり、5インチ(12.7cm)または6インチ(15.24cm)のサイズ、あるいはそれ以上のサイズを有する半導体基板310であってもよい。一例として、5インチ(12.7cm)または6インチ(15.24cm)のサイズ、あるいはそれ以上のサイズを有する一つの半導体ウェーハが用いられる。しかし、本発明は、これに限定されず、他の適切な形態または個数の半導体ウェーハが使われてもよい。
【0064】
半導体基板310は、単結晶のシリコン基板または多結晶のシリコン基板であってもよく、半導体基板310は、n型またはp型不純物が含まれた単結晶または多結晶のシリコン基板であってもよい。本実施形態では、説明の便宜上、半導体基板310がn型不純物を含む場合について説明する。
【0065】
まず、半導体基板310の表面に付着した物理的及び化学的不純物を除去するために、酸やアルカリ溶液を利用した洗浄工程が行われる。
【0066】
図3Bを参照すると、本発明の他の実施形態として、半導体基板310´は、テクスチャリング工程により、表面に凹凸面が形成された半導体基板310´であってもよい。テクスチャリング構造は、例えば、ウェットエッチングによる異方性エッチングや、プラズマを利用したドライエッチングなどにより形成されるが、係る例に限定されず多様な方法を使用することができる。テクスチャリング工程によって形成された凹凸面上に、以下で説明するパッシベーション層及び反射防止膜を形成することができる。
【0067】
以下では、説明の便宜上、図3Aに示す半導体基板310を利用して光起電力素子を製造する工程を説明する。
【0068】
図4を参照すると、半導体基板310の前面にパッシベーション層320と反射防止膜330とを順次形成する。まず、パッシベーション層320を形成する前に、半導体基板310の洗浄が行われる。
【0069】
パッシベーション層320は、不純物がドープされた非晶質シリコンで形成される。例えば、パッシベーション層320は、n型半導体基板310の表面に高濃度のn+層で形成され、このように形成されたパッシベーション層320は、正孔と電子との再結合による損失を減らすための前面電界(Front Surface Field:FSF)を形成する。
【0070】
他の実施形態として、パッシベーション層320は、窒化ケイ素(SiN)であってもよい。係る場合、例えば、パッシベーション層320は、プラズマ気相蒸着(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition:PECVD)法などにより形成される。
【0071】
パッシベーション層320は、半導体基板310の受光面側に形成されるので、光吸収を減らすために、バンドギャップを調節してもよい。例えば、添加物を追加することで、バンドギャップを増加させて光吸収を減らし、入射光が半導体基板310の内部に吸収されるようにしてもよい。
【0072】
反射防止膜330は、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、酸窒化ケイ素(SiO)などで形成され、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition:CVD)、スパッタリング、またはスピンコーティングなどの方法により形成される。例えば、反射防止膜330は、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、酸窒化ケイ素(SiO)の単一膜で形成されてもよいし、またはそれらの複合層で形成されてもよい。
【0073】
本実施形態では、パッシベーション層320と、反射防止膜330と、をそれぞれ形成する場合を説明したが、本発明は、係る実施例に限定されない。例えば、パッシベーション層320と反射防止膜330とは、一体化した一つの層として形成されてもよい。すなわち、SiNを含む層を形成することで、パッシベーションの効果及び反射防止の効果を得ることができる。
【0074】
図5A及び図5Bを参照すると、半導体基板310の背面にベース層(ベース部)350とエミッタ層(エミッタ部)340とが形成される。ベース層350とエミッタ層340とは、不純物を縞状にドープすることによって形成する。
【0075】
本発明の一実施形態として、半導体基板310の背面の相異なる領域に、逆の極性を有する不純物をドープすることで、ベース層350とエミッタ層340とをそれぞれ形成する。まず、半導体基板310の背面の中心領域を横切るようにn型不純物をドープして、第1ベース領域351を形成し、これと共に第1ベース領域351に対して垂直になるようにn型不純物をドープすることで、第2ベース領域352を形成する。この時、n型不純物がドープされる第2ベース領域352は、所定の間隔で離隔されて形成される。
【0076】
この後、n型不純物でドープされた領域を除いた残りの領域をp型不純物でドープすることで、エミッタ層340を形成する。したがって、エミッタ層340の領域は、ベース層350の領域を中心にベース層350の両側に備えられ、それぞれのエミッタ層340は、第1エミッタ領域341と、第1エミッタ領域341に対してほぼ垂直である第2エミッタ領域342とを備え、第2エミッタ領域342は、第2ベース領域352と互いに噛み合う形状に形成される。
【0077】
本発明の他の実施形態として、半導体基板310の背面に全体的にベース層350を形成した後、一部の領域を選択的にドープすることで、エミッタ層340を形成してもよい。例えば、半導体基板310の背面を全体的にn型不純物でドープした後、半導体基板310の背面の一部の領域を高濃度のp型不純物でドープすることで、エミッタ層(エミッタ部)340を形成してもよい。この時、高濃度のp型不純物でドープされた領域は、図5Aに示すエミッタ層340となる。
【0078】
本実施形態では、ベース層350とエミッタ層340とのドーピング領域が縞状である場合について説明したが、それぞれの不純物が、離散領域、例えば、ドット型にドープされてもよいことはいうまでもない。離散領域、例えば、ドット型にドープされる場合のベース領域とエミッタ領域の形状および配置については、図2Bを参照して説明した通りであるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0079】
図6A及び図6Bを参照すると、ベース層350及びエミッタ層340上に絶縁層360が形成される。絶縁層360は、二層で形成される。例えば、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)を含む第1絶縁層361をCVD法などにより形成した後、電気的絶縁性を向上させるために、第2絶縁層362が形成される。
【0080】
第2絶縁層362は、ポリイミド(PI)、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、またはポリカーボネート(PC)などで形成される。
【0081】
この後、ベース層350とエミッタ層340との一部が露出するように、絶縁層360には、ビアホール365が形成される(図7B参照)。図示していないが、ビアホール365は、絶縁層360上にエッチングマスク(図示せず)を形成し、エッチングマスクにより被覆されず露出した絶縁層360の部分をエッチングすることによって形成される。
【0082】
複数のビアホール365のうち、一部のビアホール365を通じて、ベース層350の一部が露出され、残りのビアホール365を通じて、エミッタ層340の一部が露出される。一部のビアホール365は、エミッタ層340と第1金属電極370との電気的連結を目的としており、残りのビアホール365は、ベース層350と第2金属電極380との電気的連結を目的としている。
【0083】
図7A〜図7Cを参照すると、第1及び第2金属電極370、380が形成される。
【0084】
第1金属電極370は、半導体基板310の背面上の半導体基板310の両端に形成される。第1金属電極370は、エミッタ層340のドーピング領域と少なくとも一部の領域が接触しており、第1バスバー371と、第1バスバー371から延びて第1バスバー371に対して垂直に形成された第1フィンガー電極372と、を備える。
【0085】
第2金属電極380は、半導体基板310の背面上の、半導体基板310の中心に形成される。例えば、第2金属電極380は、半導体基板310の中心を横切る第2バスバー381と、第2バスバー381を中心として両端に備えられた第1金属電極370に向かって延びた第2フィンガー電極382と、を備える。例えば、第2フィンガー電極382は、第2バスバー381に対してほぼ垂直になるように延びる。第2フィンガー電極382は、第1フィンガー電極372と互いに噛み合うように形成されて、キャリアを収集する。
【0086】
第1及び第2金属電極370、380は、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)などの元素を含む伝導性のペーストを、スクリーンプリンティングを通じてパターン印刷後、熱焼成することによって形成される。
【0087】
他の実施形態として、ビアホールを通じて、エミッタ層340及びベース層350とコンタクトするシード層(図示せず)を形成し、その上に銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)及びそれらの合金をメッキすることにより、第1及び第2金属電極370、380を形成してもよい。
【0088】
第2金属電極380が形成される際、第2バスバー381の中心には、第2バスバー381の長手方向に沿って開口(ホール)hが形成される(図7A及び図7C参照)。例えば、第2金属電極380を形成する過程において、開口hと対応する領域を残して導電性ペーストを塗布または金属をメッキすることにより、第2バスバー381の中心には、金属配線が形成されないようにすることができる。ここで、第2バスバー381の中心に形成された開口hを横切る線C−Cが切断線となる。上記の実施形態では、切断線を第2金属電極380の開口で明示したが、本発明はこれに限定されるものではない。他の実施形態として、切断線は、開口またはホールを形成して明示しなくともよく、ベース部350上の第2金属電極380の切断される部分を指示できるものであれば、多様な形態を用いることができる。
【0089】
図8A及び図8Bを参照すれば、切断線に沿って半導体基板310を切断することで、二つの光起電力素子を形成する。切断は、レーザースクライビングにより行われる。または、ワイヤーソーイングなどの切断方法を用いてもよい。切断は、光起電力素子のエミッタ領域から離れたベース部で行われるので、光起電力素子の製造の際に発生する性能の劣化を最小化できる。以下でさらに具体的に説明する。
【0090】
図9A及び図9Bは、LBIC(Laser Beam Induced Current)法により、背面接合の光起電力素子の量子効率(Quantum Efficiency:QE)を測定した状態を示す。
【0091】
図9A及び図9Bを参照すると、上部に形成されたベース領域(ベース部)は、暗い領域D1、D2として表れることが確認できる。暗い領域は、該当領域の電流が非常に少ないことを意味し、すなわち、ベース領域は光起電力素子の性能に対する寄与度が非常に低いことを意味する。
【0092】
本発明の実施形態では、かかる特性に着目して、ベース領域を半導体基板(ウェーハ)の中心に移動させ、ベース領域を切断領域として使用するため、切断時の損傷領域による損失を最小化することができる。
【0093】
前述したように、本発明の実施形態による光起電力素子の第1及び第2金属電極170、180は、一般的な背面接合の光起電力素子に形成されたフィンガー電極に比べて、フィンガー電極172、182の長さを減らすことができるので、電力損失を減少させることができる。また、第1及び第2金属電極170、180の厚さを薄くすることができるので、第1及び第2金属電極170、180の形成のための原価を低減でき、さらに、半導体基板110の反り(bowing)を防止することができる。
【0094】
また、前述したような製造方法を用いることで、工程の数を減らしつつ複数の光起電力素子を得ることができる。例えば、図3A〜図8Bを参照して説明した一連の工程を一回(1サイクル)行うことで、二つの光起電力素子を製造することができるので、コスト及び製造時間を減少させつつ、高効率の光起電力素子を得ることができる。
【0095】
図10〜図12は、本発明の他の実施形態による光起電力素子を電気的に連結した実施形態を示す。
【0096】
図10〜図12を参照すれば、複数の光起電力素子を、リボンを利用して直列及び並列に混合して電気的に連結することで、モジュールを製作することができる。
【0097】
図10を参照すると、リボン10を利用して、いずれか一つの光起電力素子100の一側に備えられた第1バスバー171と、他の一つの光起電力素子100の他側に備えられた第2バスバー181とを連結し、直列接続を行って一つの列を形成した後、それらの光起電力素子100の列を並列連結することで、一つのモジュールを形成することができる。
【0098】
図11を参照すれば、リボン20を利用して、いずれか一つの光起電力素子100の一側に備えられた第2バスバー181と、他の一つの光起電力素子100の他側に備えられた第2バスバー181とを連結し、並列接続を行った後、それらを直列接続することで、一つのモジュールを形成することができる。
【0099】
同様に、図12を参照すると、リボン30を利用して、いずれか一つの光起電力素子100の第2バスバー181と、他の一つの光起電力素子100の第1バスバー171とを直列連結した後、直列接続された光起電力素子100を並列接続することで、一つのモジュールを形成することができる。
【0100】
前述した実施形態以外にも、複数の光起電力素子の直列/並列連結は、多様な組み合わせ及び配列により形成することができる。
【0101】
前述したように、本発明の一実施形態は、光起電力素子の製造方法を提供する。本発明の製造方法は、まず、ベース部とエミッタ部とが、半導体基板の表面に形成される。さらに、絶縁層がベース部及びエミッタ部の上に形成される。絶縁層は、ベース部とエミッタ部とを部分的に露出させるビアホールを含む。第1電極は、前述の少なくとも一つのビアホールを通じて、エミッタ部の領域とコンタクトを形成し、第2電極は、少なくとも他の一つのビアホールを通じて、ベース部の領域とコンタクトを形成する。この後、第2電極のバスバー電極部に切断線が形成され、半導体基板は、切断線に沿ってベース部で二つの光起電力素子に分割される。上記のように、本発明の一実施形態によれば、二つの光起電力素子が一つの半導体ウェーハを二つに分割することによって形成される。一つのウェーハから形成された二つの光起電力素子を用いることにより、電圧を約二倍とすることができる。また、本発明によれば、電流を減少させることができるため、電流損失を減少させることができる。
【0102】
また、相対的に光起電力素子の性能に大きく寄与しないベース領域が切断領域として用いられるので、切断による損失、またはベース領域の損傷が、光起電力素子の性能に対して大きな影響を与えないようにすることができる。
【0103】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、例えば、太陽電池関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0105】
100 光起電力素子
110、310 半導体基板
111 第1側辺
112 第2側辺
120、320 パッシベーション層
130、330 反射防止膜
140、340 エミッタ層(エミッタ部)
150、350 ベース層(ベース部)
160、360 絶縁層
161、361 第1絶縁層
162、362 第2絶縁層
170、370 第1金属電極
171、371 第1バスバー
172、372 第1フィンガー電極
180、380 第2金属電極
181、381 第2バスバー
182、382 第2フィンガー電極


【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の第1面にベース部及びエミッタ部を形成するステップと、
前記ベース部及び前記エミッタ部の上に絶縁層を形成するステップと、
前記ベース部及び前記エミッタ部が部分的に露出されるように、前記絶縁層にビアホールを形成するステップと、
少なくとも一つの前記ビアホールを通じて、前記エミッタ部の領域と接触する第1電極を形成するステップと、
少なくとも一つの他の前記ビアホールを通じて、前記ベース部の領域と接触する第2電極を形成するステップと、
前記ベース部上に切断線を形成するステップと、
前記切断線に沿って前記半導体基板を切断するステップと、を含むことを特徴とする光起電力素子の製造方法。
【請求項2】
前記切断線を形成するステップは、前記エミッタ部を避けて前記ベース部上に切断線を形成するステップを含み、
前記半導体基板を切断するステップは、前記エミッタ部を避けた前記半導体基板の領域で、前記半導体基板を切断するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の光起電力素子の製造方法。
【請求項3】
前記第1電極は、第1バスバーと、前記第1バスバーから延びた複数の第1フィンガー電極と、を備え、
前記第2電極は、前記第1面の中心を横切るように延びた第2バスバーと、前記第2バスバーから延びて前記第1フィンガー電極と互いに噛み合うように形成された複数の第2フィンガー電極を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光起電力素子の製造方法。
【請求項4】
前記切断線を形成するステップは、前記第2バスバーに沿って前記第2バスバーの中心に前記切断線となる開口を形成するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の光起電力素子の製造方法。
【請求項5】
前記半導体基板は、単一の半導体ウェーハの少なくとも二つの角をトリミングされて形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光起電力素子の製造方法。
【請求項6】
前記単一の半導体ウェーハから複数の光起電力素子を形成することを特徴とする請求項5に記載の光起電力素子の製造方法。
【請求項7】
前記第1電極を形成するステップは、第1バスバーと、前記第1バスバーから延びた複数の第1フィンガー電極とを備える第1電極を前記複数の光起電力素子それぞれに形成するステップを含み、
前記第2電極を形成するステップは、第2バスバーと、前記第2バスバーから延びた複数の第2フィンガー電極とを備える第2電極を前記複数の光起電力素子それぞれに形成するステップを含むことを特徴とする請求項6に記載の光起電力素子の製造方法。
【請求項8】
前記第1面の反対側に備えられた半導体基板の第2面に少なくとも一つのパッシベーション層または反射防止膜を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光起電力素子の製造方法。
【請求項9】
前記第1面の反対側に備えられた半導体基板の第2面をテクスチャリングするステップをさらに含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光起電力素子の製造方法。
【請求項10】
前記ベース部及び前記エミッタ部は、それぞれストライプ状に形成されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光起電力素子の製造方法。
【請求項11】
前記ベース部及び前記エミッタ部は、それぞれ複数の離散した領域で形成されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光起電力素子の製造方法。
【請求項12】
前記離散した領域は、ドット、楕円形、円形または多角形の形状で形成されることを特徴とする請求項11に記載の光起電力素子の製造方法。
【請求項13】
前記第1面の反対側に備えられた半導体基板の第2面は、光源と対向する前面であり、前記第1面は、前記光源の反対側に位置する背面であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の光起電力素子の製造方法。
【請求項14】
半導体基板の第1面上に形成されたベース部及びエミッタ部と、
前記ベース部及び前記エミッタ部の上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層に形成された複数のビアホールと、
少なくとも一つの前記ビアホールを通じて、前記エミッタ部の領域と接触する第1電極と、
少なくとも一つの他の前記ビアホールを通じて、前記ベース部の領域と接触する第2電極と、を備え、
前記第2電極は、切断された電極であり、前記半導体基板は、前記エミッタ部側に少なくとも二つのトリミングされた角を備えることを特徴とする光起電力素子。
【請求項15】
前記半導体基板は、半導体ウェーハから形成され、前記光起電力素子のサイズは前記半導体ウェーハの1/2であることを特徴とする請求項14に記載の光起電力素子。
【請求項16】
前記第2電極の一部分は、前記半導体ウェーハの中心を横切るように延びることを特徴とする請求項15に記載の光起電力素子。
【請求項17】
前記第1電極は、前記トリミングされた角の間に備えられた前記半導体基板の第1側に沿って延びた第1バスバーと、前記第1バスバーから延びた複数の第1フィンガー電極とを備え、
前記第2電極は、前記第1側の反対側に備えられた第2側に沿って延びた第2バスバーと、前記第2バスバーから延びて前記第1フィンガー電極と互いに噛み合うように配置された複数の第2フィンガー電極とを備えることを特徴とする請求項14〜16のいずれか一項に記載の光起電力素子。
【請求項18】
前記第1面の反対側に備えられた半導体基板の第2面に形成された少なくとも一つのパッシベーション層または反射防止膜をさらに備えることを特徴とする請求項14〜17のいずれか一項に記載の光起電力素子。
【請求項19】
前記ベース部及び前記エミッタ部は、それぞれストライプ状に形成されたことを特徴とする請求項14〜18のいずれか一項に記載の光起電力素子。
【請求項20】
前記ベース部及び前記エミッタ部は、それぞれ複数の離散した領域で形成されたことを特徴とする請求項14〜18のいずれか一項に記載の光起電力素子。
【請求項21】
前記絶縁層は、第1層、及び前記第1層と異なる物質を含む第2層の複数層で形成されることを特徴とする請求項14〜20のいずれか一項に記載の光起電力素子。


【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図9A】
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【図9B】
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【公開番号】特開2013−84930(P2013−84930A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−203304(P2012−203304)
【出願日】平成24年9月14日(2012.9.14)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】