光電変換装置
【課題】本発明は、光電効率を向上させることができる光電変換装置を開示する。
【解決手段】本発明による光電変換装置において、順次に積層された第1および第2光電変換ユニットを含み、第1光電変換ユニットは第1エネルギーバンドギャップを有し、第2光電変換ユニットは第1エネルギーバンドギャップと異なる第2エネルギーバンドギャップを有する。第1および第2光電変換ユニットの間には前記第1光電変換ユニットよりも小さい屈折率を有する中間ユニットが介される。中間ユニットは、第1屈折率を有する少なくとも一つの第1中間層、および第1中間層と交互的に配置され、第1屈折率よりも小さい第2屈折率を有する少なくとも一つの第2中間層を含む。
【解決手段】本発明による光電変換装置において、順次に積層された第1および第2光電変換ユニットを含み、第1光電変換ユニットは第1エネルギーバンドギャップを有し、第2光電変換ユニットは第1エネルギーバンドギャップと異なる第2エネルギーバンドギャップを有する。第1および第2光電変換ユニットの間には前記第1光電変換ユニットよりも小さい屈折率を有する中間ユニットが介される。中間ユニットは、第1屈折率を有する少なくとも一つの第1中間層、および第1中間層と交互的に配置され、第1屈折率よりも小さい第2屈折率を有する少なくとも一つの第2中間層を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換装置に関し、特に、光電効率を向上させることができる光電変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光電変換装置は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する素子であり、前記光電変換素子は、外部から提供される光のエネルギーを吸収して光電効果を奏する光電変換層を備える。光電変換層は、光のエネルギーを吸収して光電作用(photoelectric effect)を起こして自由電子を発生させて電流を発生させる。
【0003】
光電変換装置の光電効率は、光電変換装置に提供される光の量に対比した光電変換装置から出力される電流の量で決定される。
【0004】
従来の光電変換装置は、光電効率を向上させるためにエネルギーバンドギャップが異なる2つ以上の光電変換層を積層する積層型構造を採用している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、光電効率を向上させるための光電変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面による光電変換装置は、基板上に備えられ、第1エネルギーバンドギャップを有する第1光電変換ユニット、前記第1エネルギーバンドギャップと異なる第2エネルギーバンドギャップを有し、前記第1光電変換ユニット上部に備えられる第2光電変換ユニット、および前記第1および第2光電変換ユニットの間に介され、前記第1光電変換ユニットよりも小さい屈折率を有する中間ユニットを含む。
【0007】
前記中間ユニットは、第1屈折率を有する少なくとも一つの第1中間層、および前記第1中間層と交互的に配置され、前記第1屈折率よりも小さい第2屈折率を有する少なくとも一つの第2中間層を含む。
【0008】
本発明の他の一側面による光電変換装置は、複数のセル領域を有する基板および前記複数のセル領域にそれぞれ対応して前記基板上に備えられ、互いに直列連結された複数の光電変換セルを含む。
【0009】
各光電変換セルは、前記基板上に備えられた第1電極層、前記第1電極層上に備えられ、第1エネルギーバンドギャップを有する第1光電変換ユニット、前記第1エネルギーバンドギャップと異なる第2エネルギーバンドギャップを有し、前記第1光電変換ユニット上部に備えられる第2光電変換ユニット、前記第1および第2光電変換ユニットの間に介され、前記第1光電変換ユニットよりも小さい屈折率を有する中間ユニット、および前記第2光電変換ユニット上に備えられた第2電極層を含む。
【0010】
前記中間ユニットは、第1屈折率を有する少なくとも一つの第1中間層、および前記第1中間層と交互的に配置され、前記第1屈折率よりも小さい第2屈折率を有する少なくとも一つの第2中間層を含む。
【発明の効果】
【0011】
前述のように、前記中間ユニットは、第1屈折率を有する少なくとも一つの第1中間層、および前記第1中間層と交互的に配置され、前記第1屈折率よりも小さい第2屈折率を有する少なくとも一つの第2中間層からなることによって、第1光電変換ユニットの光電効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態による光電変換装置を示す図面である。
【図2】波長による第1および第2光電変換ユニットの光吸収率を示すグラフである。
【図3】図1に示されたR1部分を拡大して示す断面図である。
【図4】二酸化炭素の濃度による屈折率の変化を示すグラフである。
【図5】屈折率による膜内酸素濃度を示すグラフである。
【図6A】二酸化炭素(CO2)の濃度による酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の原子濃度(%)を示すグラフである。
【図6B】二酸化炭素(CO2)の濃度による酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の原子濃度(%)を示すグラフである。
【図6C】二酸化炭素(CO2)の濃度による酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の原子濃度(%)を示すグラフである。
【図6D】二酸化炭素(CO2)の濃度による酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の原子濃度(%)を示すグラフである。
【図6E】二酸化炭素(CO2)の濃度による酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の原子濃度(%)を示すグラフである。
【図7】3重膜構造を有する中間層形成時における酸素濃度の変化を示すグラフである。
【図8】本発明の第2実施形態による中間層の構造を示す断面図である。
【図9A】本発明の他の実施形態による光電変換装置を示す断面図である。
【図9B】本発明の他の実施形態による光電変換装置を示す断面図である。
【図9C】本発明の他の実施形態による光電変換装置を示す断面図である。
【図9D】本発明の他の実施形態による光電変換装置を示す断面図である。
【図10】複数の光電変換セルを含む光電変換装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
各図面を説明しながら類似する参照符号を類似する構成要素に対して使用した。添付した図面において、構造物のサイズは本発明の明確性のために実際より拡大して示した。第1、第2などの用語は多様な構成要素の説明に使用され得るが、前記構成要素は前記用語により限定されてはならない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しないながら第1構成要素は第2構成要素として命名されてもよく、類似しているように、第2構成要素も第1構成要素として命名されてもよい。単数の表現は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0015】
本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないと理解しなければならない。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるというとき、これは他の部分の「直上」にある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。反対に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下」にあるというとき、これは他の部分の「直下」にある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。
【0016】
以下、添付した図面を参照して本発明の好適な実施形態をより詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態による光電変換装置を示す図面であり、図2は、波長による第1および第2光電変換ユニットの光吸収率を示すグラフである。図2において、第1グラフ(G1)は第1光電変換ユニットの波長による光吸収率を示し、第2グラフ(G2)は第2光電変換ユニットの波長による光吸収率を示し、第3グラフ(G3)は第1および第2グラフ(G1、G2)の合計を示す。
【0018】
図1を参照すれば、光電変換装置100は、基板10、第1電極層11、第1および第2光電変換ユニット20、40、および第2電極層13を含む。前記基板10上には前記第1電極層11が備えられ、前記第1および第2電極層11、13の間には前記第1および第2光電変換ユニット20、40が介される。
【0019】
前記第1電極層11には、透明導電膜、例えば、酸化錫(SnO2)、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)などの透明導電性酸化物(TCO)を使用することができる。前記第2電極層13は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)およびクロム(Cr)の少なくともいずれか一つを含む金属物質からなることができる。
【0020】
一方、前記第1光電変換ユニット20は、前記第1電極層11上に備えられ、前記第1光電変換ユニット20の上には前記第2光電変換ユニット40が備えられる。前記第1および第2光電変換ユニット20、40の間には中間ユニット30が介される。
【0021】
前記第1光電変換ユニット20は、1.7〜1.8eVのエネルギーバンドギャップを有し、第1グラフ(G1)に示されたように短波長の光を吸収する。前記第2光電変換ユニット40は、前記第1光電変換ユニット20よりも小さいエネルギーバンドギャップ(例えば1.1〜1.2eV)を有し、第2グラフ(G2)に示されたように長波長の光を吸収する。このように、エネルギーバンドギャップが異なる二つの光電変換ユニット20、40を積層して波長帯が異なる光をそれぞれ吸収することによって光電変換装置100の全体光吸収率を向上させることができる。
【0022】
再び図1を参照すれば、前記第1光電変換ユニット20は、前記第1電極層11上に順次に積層される第1型導電層21、第1真性シリコン層23および第2型導電層22を含む。前記第1光電変換ユニット20は、非晶質シリコンからなることができる。具体的に、前記第1型導電層21は、非結晶質シリコンにホウ素(B)をドーピングして正孔(hole)の数字が増加するように形成されたP型導電層であってもよい。また、前記第2型導電層22は、非結晶質シリコンにリン(P)をドーピングして電子の数字が増加するように形成されたN型導電層であってもよい。
【0023】
前記第1真性シリコン層23は、非結晶質シリコン層からなり、前記第1型導電層21および第2型導電層22の間に介される。
【0024】
前記第1真性シリコン層23は、電子と正孔の個数がほぼ同等な状態で形成され、前記第1真性シリコン層23は外部から光を受けると、前記第1真性シリコン層23を構成するシリコン原子は光のエネルギーを吸収する。前記シリコン原子が光を吸収すると、前記シリコン原子の最外側電子は励起されて電子−正孔対が形成される。また、前記電子−正孔対が生成された状態で前記第1型導電層21を陰極にバイアシングし、前記第2型導電層22を陽極にバイアシングすると、前記正孔は前記第1型導電層21側へ移動する。ここで、「バイアシング」とは、一定の電流と電圧を作るように直流電圧を印加する全ての方法を意味する。
【0025】
前記第1光電変換ユニット20の厚さは最大0.5μmに設定され得る。非結晶質シリコンからなる第1真性シリコン層23は厚さが増加しても光電効率がそれに比例して向上しない特性を有するため、前記第1光電変換ユニット20の厚さはほぼ0.5μm以下に設定される。
【0026】
一方、前記第2光電変換ユニット40は、前記中間ユニット30上に順次に積層される第3型導電層41、第2真性シリコン層43および第4型導電層42を含む。前記第2光電変換ユニット40は、複数の結晶を含む結晶質シリコンからなってもよい。具体的に、前記第3型導電層41は、結晶質シリコンにホウ素(B)をドーピングして正孔(hole)の数字が増加するように形成されたP型導電層であってもよい。また、前記第4型導電層42は、非結晶質または結晶質シリコンにリン(P)をドーピングして電子の数字が増加するように形成されたN型導電層であってもよい。
【0027】
前記第2真性シリコン層43は、結晶質シリコン層からなる。前記結晶質シリコン層を構成する各結晶の直径は、1μm以下であるマイクロ結晶であってもよい。前記各結晶の直径は、プラズマ化学気相蒸着法により成膜時、RFパワー、工程圧力、H2/SiH4流量比により調節され得る。また、前記各結晶の直径は、非結晶質シリコンに対して熱処理工程を行って前記非結晶質シリコンを結晶化させる時、前記熱処理工程の工程温度によって調節され得る。
【0028】
本発明の一例として、前記第2真性シリコン層43は前記第1真性シリコン層23よりも相対的に大きい厚さを有する。
【0029】
前記第1および第2光電変換素子20、40で発生される光電効果のメカニズムをより詳細に説明する。まず、外部から供給された光は前記第1光電変換ユニット20へ入射される。そうすると、前記第1真性シリコン層23は前記光の中の短波長の光を吸収して第1次光電効果を起こして電子−正孔対を生成する。また、前記第1真性シリコン層23に吸収されずに前記第2真性シリコン層43側へ進行する長波長の光は、前記第2真性シリコン層43で第2次光電効果を起こして電子−正孔対を生成する。
【0030】
非結晶質シリコンからなる前記第1真性シリコン層23は、結晶質シリコンからなる前記第2真性シリコン層43よりも光エネルギー吸収率が約3倍〜10倍程度優れている。
【0031】
本発明の一実施形態において、前記非結晶質シリコンからなる前記第1光電変換ユニット20の光電効率を向上させるために、前記第1および第2光電変換ユニット20、40の間には前記中間ユニット30が介される。前記中間ユニット30は、前記第1光電変換ユニット20で吸収されない光の一部を反射して前記第1光電変換ユニット20へ再入射させる。そのためには、前記中間ユニット30は、前記第1光電変換ユニット20よりも小さい屈折率を有する複数の層を含むことができる。
【0032】
本発明の一例として、前記中間ユニット30は、シリコン系物質からなる複数の層を含む。例えば、前記中間ユニット30は、SiOx:H、SiCx:H、およびSiNx:Hのうちのいずれか一つを含むことができる。
【0033】
前記中間ユニット30は、反応ガスとしてシラン(Silane)ガス(SiH4)、二酸化炭素(CO2)、水素ガス(H2)、およびホスフィン(Phosphine)ガス(PH3)(またはジボラン(Diborane)ガス(B2H6))を使用し、未結晶層製造条件であるH2/SiH4比下で、CO2/SiH4比を2〜10程度の範囲内に設定してプラズマ化学気相蒸着法により形成することができる。この時、プラズマ生成条件には容量結合型の平行平板電極、10〜100MHzの電源周波数、50〜500mW/cm2のパワー密度、50〜2000Paの圧力、および150〜250℃の基板温度などが該当し得る。
【0034】
このような条件下で形成された前記中間ユニット30は、屈折率が増加することに伴って電気伝導度が増加する特性を有する。
【0035】
つまり、前記中間ユニット30は、屈折率が増加すれば電気伝導度は増加し、屈折率が減少すれば電気伝導度は減少する特性を有する。
【0036】
前記中間ユニット30は、前記第1光電変換ユニット20の屈折率よりも小さい平均屈折率を有してこそ前記第1光電変換ユニット20から出力された光を一部反射して前記第1光電変換ユニット20へ再入射させることができる。しかし、前記中間ユニット30の平均屈折率が減少すれば、短波長反射度が増加して前記第1光電変換ユニット20の光吸収率は向上するが、電気伝導度は減少する。結果的に、前記光電変換装置100の曲線印字(Fill Factor)が減少して光電変換効率の改善効果が減少する。したがって、前記中間ユニット30の電気伝導度を補完しながら屈折率を減少するために、前記中間ユニット30は、高屈折率を有する少なくとも一つの第1中間層31、および前記第1中間層31よりも小さい低屈折率を有する少なくとも一つの第2中間層32を含む。
【0037】
図3は、図1に示されたR1部分を拡大して示す断面図である。
【0038】
図3を参照すれば、前記中間ユニット30は、高屈折率を有する少なくとも一つの第1中間層31、および低屈折率を有する少なくとも一つの第2中間層32を含む。前記第1中間層31と前記第2中間層32は交互的に配置され、N型またはP型を有する非結晶質シリコン酸化膜(n+a−SiOx、p+a−SiOx)からなることができる。N型非結晶質シリコン酸化膜(n+a−SiOx)はリン(P)のような不純物でドーピングされて形成され、P型非結晶質シリコン酸化膜(p+a−SiOx)はホウ素(B)のような不純物でドーピングされて形成され得る。ここで、前記第1および第2中間層31、32の膜内不純物濃度は、1at%以下である。本発明の一例として、図3では前記中間ユニット30が3つの第1中間層31と2つの第2中間層32を含んで5重膜構造を有するが、5つの中間層が全てN型非結晶質シリコン酸化膜(a−SiOx)からなる構造を示した。
【0039】
前記第1中間層31は、2.3〜3.0範囲の屈折率を有し、前記第2中間層32は、1.6〜2.1範囲の屈折率を有する。したがって、前記中間ユニット30へ入射された光(L1)中の一部は前記第2中間層32と前記第1中間層31との間の屈折率の差異により前記第1光電変換ユニット20側へ反射される。したがって、前記第1光電変換ユニット20の光吸収率が増加される。
【0040】
また、前記第1中間層31は、前記第2中間層32よりも結晶化度が高いため、相対的に高い電気伝導度を有する。本発明の一例として、前記第1中間層31は、10−3/Ωcm以上の電気伝導度を有し、前記第2中間層32は、10−4/Ωcm以下の電気伝導度を有する。
【0041】
前記電気伝導度が高い前記第1中間層31は、前記中間ユニット30の最外側に位置して前記第1および第2光電変換ユニット20、40にそれぞれ直接的に接触することができる。具体的に、前記電気伝導度が高い前記第1中間層31のうち、前記中間ユニット30の下側最外側に位置した第1中間層31は、前記第1光電変換ユニット20の第2型導電層(N型導電層)に接触され、前記中間ユニット30の上側最外側に位置した第1中間層31は、前記第2光電変換ユニット40の第3型導電層(P型導電層)に接触される。このように、電気伝導度が高い第1中間層31を前記第1および第2光電変換ユニット20、40にそれぞれ接触させると、前記光電変換装置100の直列抵抗が減少して曲線印字(Fill Factor)が向上することができる。また、前記第1中間層31は、10Å〜500Åの厚さを有し、前記第2中間層32は、50Å〜1500Åの厚さを有することができる。特に、前記第1中間層31は、50Å〜200Åの厚さを有し、前記第2中間層32は、50Å〜200Åの厚さを有することができる。
【0042】
このように、前記第1中間層31と前記第2中間層32が交互的に配置されて形成された前記中間ユニット30の平均屈折率(na)は、下記数式1を満たす。
【0043】
【数1】
・・・(1)
【0044】
ここで、前記中間ユニット30がk個(kは、2以上の整数)の層を含む場合、n1、n1…nkは、前記中間ユニット30に含まれた層のそれぞれの屈折率であり、d1、d1…dkは、前記中間ユニット30に含まれた層のそれぞれの厚さである。
【0045】
本発明の第1実施形態において、前記中間ユニット30は、3つの第1中間層31と2つの第2中間層32からなることができる。この場合、前記第1中間層31のそれぞれは2.55の屈折率を有し、前記第2中間層32のそれぞれは1.7の屈折率を有し、最下側第1中間層および最上側第1中間層は150Åの厚さを有し、前記最下側第1中間層および前記最上側第1中間層の間に位置する層が100Åの厚さを有することができる。
【0046】
この場合、前記中間ユニット30は、600Åの厚さを有することができ、前記数式1によってほぼ2.27の平均屈折率を有することができる。
【0047】
前記中間ユニット30の厚さが1000Å以下の場合、前記中間ユニット30によって前記第1光電変換ユニット20へ反射される短波長の光反射能力(Δn)は、下記数式2で表され得る。
【0048】
【数2】
【0049】
ここで、n1は、第1光電変換ユニット20の屈折率であり、n2は、中間ユニット30の平均屈折率であり、dは、中間ユニット30の総厚さ(×100Å)である。
【0050】
このような条件下で、前記第1光電変換ユニット20の屈折率を4と仮定すれば、前記第1実施形態による前記中間ユニット30の光反射能力は10.4と測定された。前記第1実施形態による前記中間ユニット30の光反射効率は、前記中間ユニット30が1.9の屈折率と500Åの厚さを有する低屈折率層一つを採用した比較例の光反射能力(ほぼ10.5)と類似していると示された。
【0051】
以下、表1には第1実施形態と比較例の光電効率、開放電圧(Voc)、曲線印字(Fill Factor)(FF)および短絡電流密度(short−circuit current density)(Isc)を示している。
【0052】
【表1】
【0053】
表1を参照すれば、電気伝導度が高い第1中間層31を含む前記第1実施形態の場合、比較例よりも高い光電効率を奏することが示された。具体的に、前記第1実施形態の光電効率は11.67%と示された反面、比較例の光電効率は11.14%と示された。また、前記第1実施形態の曲線印字(FF)は、比較例の曲線印字よりも高く示された。具体的に、前記比較例の曲線印字(FF)は、65.77%と示された反面、第1実施形態の曲線印字(FF)は69.65%とより高く示された。
【0054】
前記開放電圧(Voc)と短絡電流密度(Isc)は前記比較例と前記第1実施形態でほぼ同等な値と示された。
【0055】
結果的に、前記第1実施形態は、前記比較例と類似する光反射能力を有しながら、前記比較例よりも高い光電効率および高い曲線印字(FF)を有することが分かる。
【0056】
図3に示されているように、本発明では光散乱を向上させるために前記中間ユニット30の表面はエンボシング構造を有することができる。
【0057】
一方、前記中間ユニット30に含まれた層のそれぞれの屈折率は、CO2/SiH4比により調節され得る。
【0058】
図4は、プラズマ工程で使用される反応ガス中の二酸化炭素の濃度によるシリコン酸化膜の屈折率の変化を示すグラフであり、図5は、屈折率によるシリコン酸化膜中の酸素濃度を示すグラフである。但し、図4および図5では、シリコン酸化膜(SiOx:H)からなる中間ユニット30を形成する過程で633nmの波長を有する光を基準に二酸化炭素の濃度による屈折率を測定した。なお、他のガス濃度、即ちシランガス、水素ガス、およびホスフィンガス濃度は、それぞれ10sccm、4000sccm、20sccmである。本実施形態では、屈折率の測定には、分光エリプソメータ(モデル名:UVISEL、Horiba JOBIN YVON社製)を用いた。また、膜内の酸素、炭素、及びシリコンの濃度の測定は、X線光電子器(モデル名:PHI QUANTERA、ULVAC−PHI,Inc.社製)を用いたX線光電子分光法(X−ray photoelectron spectroscopy:XPS)により行われた。膜内の各原子の濃度は、膜内の総原子数に対する各原子の原子数比、即ちat%(原子%、原子濃度)で示される。
【0059】
図4を参照すれば、前記中間ユニット30を製造するためのプラズマ工程条件で前記二酸化炭素(CO2)の濃度を増加させると、屈折率が減少することが示された。したがって、前記二酸化炭素(CO2)の濃度を変化させながら、前記中間ユニット30に備えられる層の屈折率を調節することができる。つまり、2.3〜3.0の屈折率を有する前記第1中間層31を形成するために、前記二酸化炭素(CO2)の濃度は35sccm以下に減少させ、1.7〜2.1の屈折率を有する前記第2中間層32を形成するために、前記二酸化炭素(CO2)の濃度は45sccm〜70sccmに増加させる。
【0060】
前記中間ユニット30の膜内酸素濃度(at%)は、前記二酸化炭素(CO2)の濃度により決定される。したがって、図5に示されているように、屈折率が増加するほど膜内酸度濃度(at%)は減少する。
【0061】
2.3〜3.0の屈折率を有する前記第1中間層31を形成するためには、膜内酸素濃度を第1領域(A1)に含まれた値(例えば、40at%以下の値)に設定する。また、1.7〜2.1の屈折率を有する前記第2中間層32を形成するためには、膜内酸素濃度を第2領域(A2)に含まれた値(例えば、40at%〜70at%の値)に設定する。
【0062】
図6A〜図6Eは、酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の膜内での原子濃度(%)とプラズマ工程での蒸着時間との対応関係を二酸化炭素(CO2)の濃度毎に示すグラフである。但し、図6Aは、二酸化炭素(CO2)が35sccmの濃度を有する場合、酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の原子濃度(at%)を示し、図6Bは、二酸化炭素(CO2)が45sccmの濃度を有する場合、酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の原子濃度(at%)を示し、図6Cは、二酸化炭素(CO2)が55sccmの濃度を有する場合、酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の原子濃度(at%)を示し、図6Dは、二酸化炭素(CO2)が65sccmの濃度を有する場合、酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の原子濃度(at%)を示し、図6Eは、二酸化炭素(CO2)が75sccmの濃度を有する場合、酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の原子濃度(at%)を示す。図6A〜6Eにおいて、他のガス濃度、即ちシランガス、水素ガス、およびホスフィンガス濃度は、それぞれ10sccm、4000sccm、20sccmである。
【0063】
なお、図6A〜図6Eにおいて、プラズマCVD工程条件は、総中間ユニット厚さ(膜厚さ)1,000Å、蒸着温度183℃、蒸着パワー400W、工程圧力9,000Torrであった。また、図6A〜6Eの蒸着時間は、それぞれ810秒、767秒、758秒、746秒、735秒であった。
【0064】
図6A〜図6Eにおいて、第4グラフ(G4)はシリコン(Si2p)の原子濃度(at%)を示し、第5グラフ(G5)は酸素(O1s)の原子濃度(at%)を示し、第6グラフ(G6)は炭素(C1s)の原子濃度(at%)を示す。
【0065】
図6A〜図6Eを参照すれば、二酸化炭素(CO2)の濃度が35sccmから75sccmまで増加するほど酸素濃度(at%)は増加するが、シリコン濃度(at%)は減少することが示された。
【0066】
二酸化炭素(CO2)の濃度を45sccm以上に増加させると、前記酸度濃度(at%)を40at%以上に増加すると示された。反面、前記二酸化炭素(CO2)の濃度を35sccm以下に減少させると、前記酸度濃度(at%)が40at%以下に減少すると示された。
【0067】
したがって、蒸着時間及び二酸化炭素(CO2)の濃度を調節することによって、前記中間ユニット30に含まれた層のそれぞれの屈折率を調節することができる。
【0068】
図7は、3重膜構造を有する中間層形成時における酸素濃度の変化を示すグラフである。即ち、図7は、酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の膜内での原子濃度(%)とプラズマ工程での蒸着時間との対応関係を示すグラフである。二点差線のグラフはシリコン(Si2p)の原子濃度(at%)を示し、一点鎖線のグラフは酸素(O1s)の原子濃度(at%)を示し、実践のグラフは炭素(C1s)の原子濃度(at%)を示す。なお、各ガス濃度、即ちシランガス、二酸化炭素ガス、水素ガス、およびホスフィンガス濃度は、それぞれ10sccm、4000sccm、20sccmである。
【0069】
なお、図5、図6A〜6E及び図7の分析は、X線光電子分光法(X−ray photoelectron spectroscopy:XPS)により厚さ方向にイオンスパッタリング(Ion sputtering)を通じて行われた。イオンスパッタリング時にcross−contaminationにより各層の境界での組成変化が実際より徐々に現れると観測され得る。
【0070】
図7を参照すれば、100Åの厚さを有する第2中間層32、100Åの厚さを有する第1中間層31および100Åの厚さを有する第2中間層32が順次に積層された3重膜構造の中間ユニット30形成時、酸素濃度は蒸着開始後ほぼ6分間に55at%から30at%まで減少してから6分以降から10分まで徐々に上昇すると示された。
【0071】
したがって、酸素濃度(at%)の変化を通じて前記中間ユニット30が3重膜構造からなることを確認することができる。つまり、第1区間(t1)では第2中間層32が形成され、第2区間(t2)では第1中間層31が形成され、第3区間(t3)では再び第2中間層32が形成されることを確認することができる。
【0072】
図8は、本発明の第2実施形態による中間層の構造を示す断面図である。
【0073】
図8を参照すれば、本発明の第2実施形態による中間ユニット30は、高屈折率を有する第1中間層31と低屈折率を有する第2中間層32が交互的に配置されて5重膜構造を有することができる。ここで、前記第2中間層32は、前記中間ユニット30の最外側に位置して前記第1および第2光電変換ユニット20、40とそれぞれ直接的に接触され得る。
【0074】
また、前記中間ユニット30内で前記第2中間層32の個数は前記第1中間層31の個数よりも多い。前記中間ユニット30へ入射された光(L1)中の一部は、前記第2中間層32と前記第1中間層31との間の屈折率の差異により前記第1光電変換ユニット20側へ反射される。特に、前記第2中間層32の個数が前記第1中間層31の個数より多ければ、前記第1中間層31の個数が前記第2中間層32の個数より多い場合よりも入射された光(L1)の反射効率が向上し得、その結果、前記第1光電変換ユニット20の光吸収率が増加し得る。
【0075】
結果的に、前記中間ユニット30の直列抵抗を減少させるためにまたはコンタクト抵抗を向上させるために、前記第1実施形態のように前記第1中間層31が前記中間ユニット30の最外側に配置されてもよい。
【0076】
図3および図8では、前記中間ユニット30が5重膜構造からなる構造のみを示したが、ここに限定されず、2重膜、3重膜、4重膜またはそれ以上の膜構造を有することができる。
【0077】
図9A〜図9Dは、本発明の他の実施形態による光電変換装置を示す断面図である。
【0078】
図9Aを参照すれば、本発明の第3実施形態による中間ユニット30は、高屈折率を有する第1n型中間層31−nと低屈折率を有する第2n型中間層32−nが交互的に配置されて5重膜構造を有することができる。ここで、前記中間ユニット30の最外側に位置した前記第1および第2n型中間層31−n、32−nは、前記第1および第2光電変換ユニット20、40とそれぞれ直接的に接触され得る。
【0079】
特に、前記第1n型中間層31−nがN型非結晶質シリコン酸化膜(n+a−SiOx)からなる場合、前記第1光電変換ユニット20で第1型導電層21が省略され得る。したがって、前記中間ユニット30の最外側に位置する前記第1n型中間層31−nは、前記第1光電変換ユニット20の第1真性シリコン層23に直接的にコンタクトされ得る。
【0080】
図9Bを参照すれば、本発明の第4実施形態による中間ユニット31は、高屈折率を有する第1n型中間層31−n、低屈折率を有する第2n型中間層32−n、および高屈折率を有する第1p型中間層31−pを含む6重膜構造を有することができる。ここで、前記中間ユニット31の最下側には前記第1n型中間層31−nが備えられて前記第1光電変換ユニット20と直接的に接触され、前記中間ユニット31の最上側には前記第1p型中間層31−pが備えられて前記第2光電変換ユニット40と直接的に接触され得る。
【0081】
特に、前記第1p型中間層31−pがP型非結晶質シリコン酸化膜(p+a−SiOx)からなる場合、前記第2光電変換ユニット40で第2型導電層41が省略され得る。したがって、前記中間ユニット31の最外側に位置する前記第1p型中間層31−pは、前記第2光電変換ユニット40の第2真性シリコン層43に直接的にコンタクトされ得る。
【0082】
図9Cを参照すれば、本発明の第5実施形態による中間ユニット32は、高屈折率を有する第1n型中間層31−n、低屈折率を有する第2n型中間層32−n、および高屈折率を有する第1p型中間層31−pを含む5重膜構造を有することができる。ここで、前記中間ユニット32の最下側には前記第1n型中間層31−nが備えられて前記第1光電変換ユニット20と直接的に接触され、前記中間ユニット32の最上側には前記第1p型中間層31−pが備えられて前記第2光電変換ユニット40と直接的に接触され得る。
【0083】
特に、前記第1p型中間層31−pがP型非結晶質シリコン酸化膜(p+a−SiOx)からなる場合、前記第2光電変換ユニット40で第2型導電層41が省略され得る。したがって、前記中間ユニット32の最外側に位置する前記第1p型中間層31−pは、前記第2光電変換ユニット40の第2真性シリコン層43に直接的にコンタクトされ得る。
【0084】
また、前記中間ユニット32の前記第1n型中間層31−nがN型非結晶質シリコン酸化膜(n+a−SiOx)からなる場合、前記第1光電変換ユニット20で第1型導電層21が省略され得る。したがって、前記中間ユニット32の最外側に位置する前記第1n型中間層31−nは、前記第1光電変換ユニット20の第1真性シリコン層23に直接的にコンタクトされ得る。
【0085】
図9Dを参照すれば、本発明の第6実施形態による中間ユニット33は、高屈折率を有する第1n型中間層31−n、高屈折率を有する第1p型中間層31−p、低屈折率を有する第2n型中間層32−n、および低屈折率を有する第2p型中間層32−pを含む6重膜構造を有することができる。
【0086】
ここで、前記中間ユニット33の6重膜のうちの上部3重膜は、P型中間層(つまり、第1P型中間層および第2P型中間層31−p、32−p)からなり、下部3重膜はN型中間層(つまり、第1N型中間層および第2N型中間層31−n、32−n)からなる。
【0087】
特に、前記中間ユニット33の最下側には前記第1n型中間層31−nが備えられて前記第1光電変換ユニット20と直接的に接触され、前記中間ユニット33の最上側には前記第1p型中間層31−pが備えられて前記第2光電変換ユニット40と直接的に接触され得る。また、前記上部3重膜の最下側には前記第1P型中間層が備えられ、前記下部3重膜の最上側には前記第1N型中間層が備えられて前記上部3重膜と前記下部3重膜の接合部にはP−N接合が形成され得る。
【0088】
図10は、複数の光電変換セルを含む光電変換装置を示す断面図である。
【0089】
図10を参照すれば、光電変換装置200は、複数のセル領域を有する基板10を含む。前記基板10上には前記複数のセル領域にそれぞれ対応して複数の光電変換セル100が備えられる。前記複数の光電変換セル100は互いに直列連結される。
【0090】
各光電変換セル100は、図1に示された光電変換素子と類似する構造を有する。しかし、図10に示された各光電変換セル100は、隣接するセルと直列連結されるためにビアホール50aを有するという側面から図1の光電変換素子と異なる。
【0091】
具体的に、光電変換セル100のそれぞれは、第1電極層11、前記第1電極層11上に順次に積層されて外部から提供された光を吸収する第1および第2光電変換ユニット20、40、および前記第2光電変換ユニット40上に備えられた第2電極層13を備える。
【0092】
前記第1および第2光電変換ユニット20、40の間には、前記第1光電変換ユニットの光電効率を向上させるための中間ユニット30がさらに備えられる。前記中間ユニット30は、図4に示された中間ユニットと同一の構造を有するため省略する。
【0093】
前記第1電極層11は、第1分離溝11aによってセル領域単位に分離され、前記第1および第2光電変換ユニット20、40、前記中間ユニット30および前記第2電極層13は、第2分離溝13aによってセル領域単位に分離される。前記第1および第2分離溝11a、13aは、レーザー工程を通じて形成され得る。
【0094】
また、前記第1光電変換ユニット20、前記中間ユニット30および前記第2光電変換ユニット40をレーザー工程を通じてパターニングし、隣接する光電変換セルの第1電極層11を露出させるためのビアホール50aを形成することができる。したがって、前記第2電極層13は、前記ビアホール50aを通じて前記隣接光電変換セルの前記第1電極層11に電気的に連結される。このような方式により前記複数の光電変換セル100は直列連結される。
【0095】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0096】
100…光電変換装置
10…基板
11…第1電極層
13…第2電極層
20…第1光電変換ユニット
30…中間ユニット
31…高屈折率層
32…低屈折率層
40…第2光電変換ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換装置に関し、特に、光電効率を向上させることができる光電変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光電変換装置は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する素子であり、前記光電変換素子は、外部から提供される光のエネルギーを吸収して光電効果を奏する光電変換層を備える。光電変換層は、光のエネルギーを吸収して光電作用(photoelectric effect)を起こして自由電子を発生させて電流を発生させる。
【0003】
光電変換装置の光電効率は、光電変換装置に提供される光の量に対比した光電変換装置から出力される電流の量で決定される。
【0004】
従来の光電変換装置は、光電効率を向上させるためにエネルギーバンドギャップが異なる2つ以上の光電変換層を積層する積層型構造を採用している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、光電効率を向上させるための光電変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面による光電変換装置は、基板上に備えられ、第1エネルギーバンドギャップを有する第1光電変換ユニット、前記第1エネルギーバンドギャップと異なる第2エネルギーバンドギャップを有し、前記第1光電変換ユニット上部に備えられる第2光電変換ユニット、および前記第1および第2光電変換ユニットの間に介され、前記第1光電変換ユニットよりも小さい屈折率を有する中間ユニットを含む。
【0007】
前記中間ユニットは、第1屈折率を有する少なくとも一つの第1中間層、および前記第1中間層と交互的に配置され、前記第1屈折率よりも小さい第2屈折率を有する少なくとも一つの第2中間層を含む。
【0008】
本発明の他の一側面による光電変換装置は、複数のセル領域を有する基板および前記複数のセル領域にそれぞれ対応して前記基板上に備えられ、互いに直列連結された複数の光電変換セルを含む。
【0009】
各光電変換セルは、前記基板上に備えられた第1電極層、前記第1電極層上に備えられ、第1エネルギーバンドギャップを有する第1光電変換ユニット、前記第1エネルギーバンドギャップと異なる第2エネルギーバンドギャップを有し、前記第1光電変換ユニット上部に備えられる第2光電変換ユニット、前記第1および第2光電変換ユニットの間に介され、前記第1光電変換ユニットよりも小さい屈折率を有する中間ユニット、および前記第2光電変換ユニット上に備えられた第2電極層を含む。
【0010】
前記中間ユニットは、第1屈折率を有する少なくとも一つの第1中間層、および前記第1中間層と交互的に配置され、前記第1屈折率よりも小さい第2屈折率を有する少なくとも一つの第2中間層を含む。
【発明の効果】
【0011】
前述のように、前記中間ユニットは、第1屈折率を有する少なくとも一つの第1中間層、および前記第1中間層と交互的に配置され、前記第1屈折率よりも小さい第2屈折率を有する少なくとも一つの第2中間層からなることによって、第1光電変換ユニットの光電効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態による光電変換装置を示す図面である。
【図2】波長による第1および第2光電変換ユニットの光吸収率を示すグラフである。
【図3】図1に示されたR1部分を拡大して示す断面図である。
【図4】二酸化炭素の濃度による屈折率の変化を示すグラフである。
【図5】屈折率による膜内酸素濃度を示すグラフである。
【図6A】二酸化炭素(CO2)の濃度による酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の原子濃度(%)を示すグラフである。
【図6B】二酸化炭素(CO2)の濃度による酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の原子濃度(%)を示すグラフである。
【図6C】二酸化炭素(CO2)の濃度による酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の原子濃度(%)を示すグラフである。
【図6D】二酸化炭素(CO2)の濃度による酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の原子濃度(%)を示すグラフである。
【図6E】二酸化炭素(CO2)の濃度による酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の原子濃度(%)を示すグラフである。
【図7】3重膜構造を有する中間層形成時における酸素濃度の変化を示すグラフである。
【図8】本発明の第2実施形態による中間層の構造を示す断面図である。
【図9A】本発明の他の実施形態による光電変換装置を示す断面図である。
【図9B】本発明の他の実施形態による光電変換装置を示す断面図である。
【図9C】本発明の他の実施形態による光電変換装置を示す断面図である。
【図9D】本発明の他の実施形態による光電変換装置を示す断面図である。
【図10】複数の光電変換セルを含む光電変換装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
各図面を説明しながら類似する参照符号を類似する構成要素に対して使用した。添付した図面において、構造物のサイズは本発明の明確性のために実際より拡大して示した。第1、第2などの用語は多様な構成要素の説明に使用され得るが、前記構成要素は前記用語により限定されてはならない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しないながら第1構成要素は第2構成要素として命名されてもよく、類似しているように、第2構成要素も第1構成要素として命名されてもよい。単数の表現は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0015】
本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないと理解しなければならない。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるというとき、これは他の部分の「直上」にある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。反対に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下」にあるというとき、これは他の部分の「直下」にある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。
【0016】
以下、添付した図面を参照して本発明の好適な実施形態をより詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態による光電変換装置を示す図面であり、図2は、波長による第1および第2光電変換ユニットの光吸収率を示すグラフである。図2において、第1グラフ(G1)は第1光電変換ユニットの波長による光吸収率を示し、第2グラフ(G2)は第2光電変換ユニットの波長による光吸収率を示し、第3グラフ(G3)は第1および第2グラフ(G1、G2)の合計を示す。
【0018】
図1を参照すれば、光電変換装置100は、基板10、第1電極層11、第1および第2光電変換ユニット20、40、および第2電極層13を含む。前記基板10上には前記第1電極層11が備えられ、前記第1および第2電極層11、13の間には前記第1および第2光電変換ユニット20、40が介される。
【0019】
前記第1電極層11には、透明導電膜、例えば、酸化錫(SnO2)、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)などの透明導電性酸化物(TCO)を使用することができる。前記第2電極層13は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)およびクロム(Cr)の少なくともいずれか一つを含む金属物質からなることができる。
【0020】
一方、前記第1光電変換ユニット20は、前記第1電極層11上に備えられ、前記第1光電変換ユニット20の上には前記第2光電変換ユニット40が備えられる。前記第1および第2光電変換ユニット20、40の間には中間ユニット30が介される。
【0021】
前記第1光電変換ユニット20は、1.7〜1.8eVのエネルギーバンドギャップを有し、第1グラフ(G1)に示されたように短波長の光を吸収する。前記第2光電変換ユニット40は、前記第1光電変換ユニット20よりも小さいエネルギーバンドギャップ(例えば1.1〜1.2eV)を有し、第2グラフ(G2)に示されたように長波長の光を吸収する。このように、エネルギーバンドギャップが異なる二つの光電変換ユニット20、40を積層して波長帯が異なる光をそれぞれ吸収することによって光電変換装置100の全体光吸収率を向上させることができる。
【0022】
再び図1を参照すれば、前記第1光電変換ユニット20は、前記第1電極層11上に順次に積層される第1型導電層21、第1真性シリコン層23および第2型導電層22を含む。前記第1光電変換ユニット20は、非晶質シリコンからなることができる。具体的に、前記第1型導電層21は、非結晶質シリコンにホウ素(B)をドーピングして正孔(hole)の数字が増加するように形成されたP型導電層であってもよい。また、前記第2型導電層22は、非結晶質シリコンにリン(P)をドーピングして電子の数字が増加するように形成されたN型導電層であってもよい。
【0023】
前記第1真性シリコン層23は、非結晶質シリコン層からなり、前記第1型導電層21および第2型導電層22の間に介される。
【0024】
前記第1真性シリコン層23は、電子と正孔の個数がほぼ同等な状態で形成され、前記第1真性シリコン層23は外部から光を受けると、前記第1真性シリコン層23を構成するシリコン原子は光のエネルギーを吸収する。前記シリコン原子が光を吸収すると、前記シリコン原子の最外側電子は励起されて電子−正孔対が形成される。また、前記電子−正孔対が生成された状態で前記第1型導電層21を陰極にバイアシングし、前記第2型導電層22を陽極にバイアシングすると、前記正孔は前記第1型導電層21側へ移動する。ここで、「バイアシング」とは、一定の電流と電圧を作るように直流電圧を印加する全ての方法を意味する。
【0025】
前記第1光電変換ユニット20の厚さは最大0.5μmに設定され得る。非結晶質シリコンからなる第1真性シリコン層23は厚さが増加しても光電効率がそれに比例して向上しない特性を有するため、前記第1光電変換ユニット20の厚さはほぼ0.5μm以下に設定される。
【0026】
一方、前記第2光電変換ユニット40は、前記中間ユニット30上に順次に積層される第3型導電層41、第2真性シリコン層43および第4型導電層42を含む。前記第2光電変換ユニット40は、複数の結晶を含む結晶質シリコンからなってもよい。具体的に、前記第3型導電層41は、結晶質シリコンにホウ素(B)をドーピングして正孔(hole)の数字が増加するように形成されたP型導電層であってもよい。また、前記第4型導電層42は、非結晶質または結晶質シリコンにリン(P)をドーピングして電子の数字が増加するように形成されたN型導電層であってもよい。
【0027】
前記第2真性シリコン層43は、結晶質シリコン層からなる。前記結晶質シリコン層を構成する各結晶の直径は、1μm以下であるマイクロ結晶であってもよい。前記各結晶の直径は、プラズマ化学気相蒸着法により成膜時、RFパワー、工程圧力、H2/SiH4流量比により調節され得る。また、前記各結晶の直径は、非結晶質シリコンに対して熱処理工程を行って前記非結晶質シリコンを結晶化させる時、前記熱処理工程の工程温度によって調節され得る。
【0028】
本発明の一例として、前記第2真性シリコン層43は前記第1真性シリコン層23よりも相対的に大きい厚さを有する。
【0029】
前記第1および第2光電変換素子20、40で発生される光電効果のメカニズムをより詳細に説明する。まず、外部から供給された光は前記第1光電変換ユニット20へ入射される。そうすると、前記第1真性シリコン層23は前記光の中の短波長の光を吸収して第1次光電効果を起こして電子−正孔対を生成する。また、前記第1真性シリコン層23に吸収されずに前記第2真性シリコン層43側へ進行する長波長の光は、前記第2真性シリコン層43で第2次光電効果を起こして電子−正孔対を生成する。
【0030】
非結晶質シリコンからなる前記第1真性シリコン層23は、結晶質シリコンからなる前記第2真性シリコン層43よりも光エネルギー吸収率が約3倍〜10倍程度優れている。
【0031】
本発明の一実施形態において、前記非結晶質シリコンからなる前記第1光電変換ユニット20の光電効率を向上させるために、前記第1および第2光電変換ユニット20、40の間には前記中間ユニット30が介される。前記中間ユニット30は、前記第1光電変換ユニット20で吸収されない光の一部を反射して前記第1光電変換ユニット20へ再入射させる。そのためには、前記中間ユニット30は、前記第1光電変換ユニット20よりも小さい屈折率を有する複数の層を含むことができる。
【0032】
本発明の一例として、前記中間ユニット30は、シリコン系物質からなる複数の層を含む。例えば、前記中間ユニット30は、SiOx:H、SiCx:H、およびSiNx:Hのうちのいずれか一つを含むことができる。
【0033】
前記中間ユニット30は、反応ガスとしてシラン(Silane)ガス(SiH4)、二酸化炭素(CO2)、水素ガス(H2)、およびホスフィン(Phosphine)ガス(PH3)(またはジボラン(Diborane)ガス(B2H6))を使用し、未結晶層製造条件であるH2/SiH4比下で、CO2/SiH4比を2〜10程度の範囲内に設定してプラズマ化学気相蒸着法により形成することができる。この時、プラズマ生成条件には容量結合型の平行平板電極、10〜100MHzの電源周波数、50〜500mW/cm2のパワー密度、50〜2000Paの圧力、および150〜250℃の基板温度などが該当し得る。
【0034】
このような条件下で形成された前記中間ユニット30は、屈折率が増加することに伴って電気伝導度が増加する特性を有する。
【0035】
つまり、前記中間ユニット30は、屈折率が増加すれば電気伝導度は増加し、屈折率が減少すれば電気伝導度は減少する特性を有する。
【0036】
前記中間ユニット30は、前記第1光電変換ユニット20の屈折率よりも小さい平均屈折率を有してこそ前記第1光電変換ユニット20から出力された光を一部反射して前記第1光電変換ユニット20へ再入射させることができる。しかし、前記中間ユニット30の平均屈折率が減少すれば、短波長反射度が増加して前記第1光電変換ユニット20の光吸収率は向上するが、電気伝導度は減少する。結果的に、前記光電変換装置100の曲線印字(Fill Factor)が減少して光電変換効率の改善効果が減少する。したがって、前記中間ユニット30の電気伝導度を補完しながら屈折率を減少するために、前記中間ユニット30は、高屈折率を有する少なくとも一つの第1中間層31、および前記第1中間層31よりも小さい低屈折率を有する少なくとも一つの第2中間層32を含む。
【0037】
図3は、図1に示されたR1部分を拡大して示す断面図である。
【0038】
図3を参照すれば、前記中間ユニット30は、高屈折率を有する少なくとも一つの第1中間層31、および低屈折率を有する少なくとも一つの第2中間層32を含む。前記第1中間層31と前記第2中間層32は交互的に配置され、N型またはP型を有する非結晶質シリコン酸化膜(n+a−SiOx、p+a−SiOx)からなることができる。N型非結晶質シリコン酸化膜(n+a−SiOx)はリン(P)のような不純物でドーピングされて形成され、P型非結晶質シリコン酸化膜(p+a−SiOx)はホウ素(B)のような不純物でドーピングされて形成され得る。ここで、前記第1および第2中間層31、32の膜内不純物濃度は、1at%以下である。本発明の一例として、図3では前記中間ユニット30が3つの第1中間層31と2つの第2中間層32を含んで5重膜構造を有するが、5つの中間層が全てN型非結晶質シリコン酸化膜(a−SiOx)からなる構造を示した。
【0039】
前記第1中間層31は、2.3〜3.0範囲の屈折率を有し、前記第2中間層32は、1.6〜2.1範囲の屈折率を有する。したがって、前記中間ユニット30へ入射された光(L1)中の一部は前記第2中間層32と前記第1中間層31との間の屈折率の差異により前記第1光電変換ユニット20側へ反射される。したがって、前記第1光電変換ユニット20の光吸収率が増加される。
【0040】
また、前記第1中間層31は、前記第2中間層32よりも結晶化度が高いため、相対的に高い電気伝導度を有する。本発明の一例として、前記第1中間層31は、10−3/Ωcm以上の電気伝導度を有し、前記第2中間層32は、10−4/Ωcm以下の電気伝導度を有する。
【0041】
前記電気伝導度が高い前記第1中間層31は、前記中間ユニット30の最外側に位置して前記第1および第2光電変換ユニット20、40にそれぞれ直接的に接触することができる。具体的に、前記電気伝導度が高い前記第1中間層31のうち、前記中間ユニット30の下側最外側に位置した第1中間層31は、前記第1光電変換ユニット20の第2型導電層(N型導電層)に接触され、前記中間ユニット30の上側最外側に位置した第1中間層31は、前記第2光電変換ユニット40の第3型導電層(P型導電層)に接触される。このように、電気伝導度が高い第1中間層31を前記第1および第2光電変換ユニット20、40にそれぞれ接触させると、前記光電変換装置100の直列抵抗が減少して曲線印字(Fill Factor)が向上することができる。また、前記第1中間層31は、10Å〜500Åの厚さを有し、前記第2中間層32は、50Å〜1500Åの厚さを有することができる。特に、前記第1中間層31は、50Å〜200Åの厚さを有し、前記第2中間層32は、50Å〜200Åの厚さを有することができる。
【0042】
このように、前記第1中間層31と前記第2中間層32が交互的に配置されて形成された前記中間ユニット30の平均屈折率(na)は、下記数式1を満たす。
【0043】
【数1】
・・・(1)
【0044】
ここで、前記中間ユニット30がk個(kは、2以上の整数)の層を含む場合、n1、n1…nkは、前記中間ユニット30に含まれた層のそれぞれの屈折率であり、d1、d1…dkは、前記中間ユニット30に含まれた層のそれぞれの厚さである。
【0045】
本発明の第1実施形態において、前記中間ユニット30は、3つの第1中間層31と2つの第2中間層32からなることができる。この場合、前記第1中間層31のそれぞれは2.55の屈折率を有し、前記第2中間層32のそれぞれは1.7の屈折率を有し、最下側第1中間層および最上側第1中間層は150Åの厚さを有し、前記最下側第1中間層および前記最上側第1中間層の間に位置する層が100Åの厚さを有することができる。
【0046】
この場合、前記中間ユニット30は、600Åの厚さを有することができ、前記数式1によってほぼ2.27の平均屈折率を有することができる。
【0047】
前記中間ユニット30の厚さが1000Å以下の場合、前記中間ユニット30によって前記第1光電変換ユニット20へ反射される短波長の光反射能力(Δn)は、下記数式2で表され得る。
【0048】
【数2】
【0049】
ここで、n1は、第1光電変換ユニット20の屈折率であり、n2は、中間ユニット30の平均屈折率であり、dは、中間ユニット30の総厚さ(×100Å)である。
【0050】
このような条件下で、前記第1光電変換ユニット20の屈折率を4と仮定すれば、前記第1実施形態による前記中間ユニット30の光反射能力は10.4と測定された。前記第1実施形態による前記中間ユニット30の光反射効率は、前記中間ユニット30が1.9の屈折率と500Åの厚さを有する低屈折率層一つを採用した比較例の光反射能力(ほぼ10.5)と類似していると示された。
【0051】
以下、表1には第1実施形態と比較例の光電効率、開放電圧(Voc)、曲線印字(Fill Factor)(FF)および短絡電流密度(short−circuit current density)(Isc)を示している。
【0052】
【表1】
【0053】
表1を参照すれば、電気伝導度が高い第1中間層31を含む前記第1実施形態の場合、比較例よりも高い光電効率を奏することが示された。具体的に、前記第1実施形態の光電効率は11.67%と示された反面、比較例の光電効率は11.14%と示された。また、前記第1実施形態の曲線印字(FF)は、比較例の曲線印字よりも高く示された。具体的に、前記比較例の曲線印字(FF)は、65.77%と示された反面、第1実施形態の曲線印字(FF)は69.65%とより高く示された。
【0054】
前記開放電圧(Voc)と短絡電流密度(Isc)は前記比較例と前記第1実施形態でほぼ同等な値と示された。
【0055】
結果的に、前記第1実施形態は、前記比較例と類似する光反射能力を有しながら、前記比較例よりも高い光電効率および高い曲線印字(FF)を有することが分かる。
【0056】
図3に示されているように、本発明では光散乱を向上させるために前記中間ユニット30の表面はエンボシング構造を有することができる。
【0057】
一方、前記中間ユニット30に含まれた層のそれぞれの屈折率は、CO2/SiH4比により調節され得る。
【0058】
図4は、プラズマ工程で使用される反応ガス中の二酸化炭素の濃度によるシリコン酸化膜の屈折率の変化を示すグラフであり、図5は、屈折率によるシリコン酸化膜中の酸素濃度を示すグラフである。但し、図4および図5では、シリコン酸化膜(SiOx:H)からなる中間ユニット30を形成する過程で633nmの波長を有する光を基準に二酸化炭素の濃度による屈折率を測定した。なお、他のガス濃度、即ちシランガス、水素ガス、およびホスフィンガス濃度は、それぞれ10sccm、4000sccm、20sccmである。本実施形態では、屈折率の測定には、分光エリプソメータ(モデル名:UVISEL、Horiba JOBIN YVON社製)を用いた。また、膜内の酸素、炭素、及びシリコンの濃度の測定は、X線光電子器(モデル名:PHI QUANTERA、ULVAC−PHI,Inc.社製)を用いたX線光電子分光法(X−ray photoelectron spectroscopy:XPS)により行われた。膜内の各原子の濃度は、膜内の総原子数に対する各原子の原子数比、即ちat%(原子%、原子濃度)で示される。
【0059】
図4を参照すれば、前記中間ユニット30を製造するためのプラズマ工程条件で前記二酸化炭素(CO2)の濃度を増加させると、屈折率が減少することが示された。したがって、前記二酸化炭素(CO2)の濃度を変化させながら、前記中間ユニット30に備えられる層の屈折率を調節することができる。つまり、2.3〜3.0の屈折率を有する前記第1中間層31を形成するために、前記二酸化炭素(CO2)の濃度は35sccm以下に減少させ、1.7〜2.1の屈折率を有する前記第2中間層32を形成するために、前記二酸化炭素(CO2)の濃度は45sccm〜70sccmに増加させる。
【0060】
前記中間ユニット30の膜内酸素濃度(at%)は、前記二酸化炭素(CO2)の濃度により決定される。したがって、図5に示されているように、屈折率が増加するほど膜内酸度濃度(at%)は減少する。
【0061】
2.3〜3.0の屈折率を有する前記第1中間層31を形成するためには、膜内酸素濃度を第1領域(A1)に含まれた値(例えば、40at%以下の値)に設定する。また、1.7〜2.1の屈折率を有する前記第2中間層32を形成するためには、膜内酸素濃度を第2領域(A2)に含まれた値(例えば、40at%〜70at%の値)に設定する。
【0062】
図6A〜図6Eは、酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の膜内での原子濃度(%)とプラズマ工程での蒸着時間との対応関係を二酸化炭素(CO2)の濃度毎に示すグラフである。但し、図6Aは、二酸化炭素(CO2)が35sccmの濃度を有する場合、酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の原子濃度(at%)を示し、図6Bは、二酸化炭素(CO2)が45sccmの濃度を有する場合、酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の原子濃度(at%)を示し、図6Cは、二酸化炭素(CO2)が55sccmの濃度を有する場合、酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の原子濃度(at%)を示し、図6Dは、二酸化炭素(CO2)が65sccmの濃度を有する場合、酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の原子濃度(at%)を示し、図6Eは、二酸化炭素(CO2)が75sccmの濃度を有する場合、酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の原子濃度(at%)を示す。図6A〜6Eにおいて、他のガス濃度、即ちシランガス、水素ガス、およびホスフィンガス濃度は、それぞれ10sccm、4000sccm、20sccmである。
【0063】
なお、図6A〜図6Eにおいて、プラズマCVD工程条件は、総中間ユニット厚さ(膜厚さ)1,000Å、蒸着温度183℃、蒸着パワー400W、工程圧力9,000Torrであった。また、図6A〜6Eの蒸着時間は、それぞれ810秒、767秒、758秒、746秒、735秒であった。
【0064】
図6A〜図6Eにおいて、第4グラフ(G4)はシリコン(Si2p)の原子濃度(at%)を示し、第5グラフ(G5)は酸素(O1s)の原子濃度(at%)を示し、第6グラフ(G6)は炭素(C1s)の原子濃度(at%)を示す。
【0065】
図6A〜図6Eを参照すれば、二酸化炭素(CO2)の濃度が35sccmから75sccmまで増加するほど酸素濃度(at%)は増加するが、シリコン濃度(at%)は減少することが示された。
【0066】
二酸化炭素(CO2)の濃度を45sccm以上に増加させると、前記酸度濃度(at%)を40at%以上に増加すると示された。反面、前記二酸化炭素(CO2)の濃度を35sccm以下に減少させると、前記酸度濃度(at%)が40at%以下に減少すると示された。
【0067】
したがって、蒸着時間及び二酸化炭素(CO2)の濃度を調節することによって、前記中間ユニット30に含まれた層のそれぞれの屈折率を調節することができる。
【0068】
図7は、3重膜構造を有する中間層形成時における酸素濃度の変化を示すグラフである。即ち、図7は、酸素(O1s)、炭素(C1s)およびシリコン(Si2p)の膜内での原子濃度(%)とプラズマ工程での蒸着時間との対応関係を示すグラフである。二点差線のグラフはシリコン(Si2p)の原子濃度(at%)を示し、一点鎖線のグラフは酸素(O1s)の原子濃度(at%)を示し、実践のグラフは炭素(C1s)の原子濃度(at%)を示す。なお、各ガス濃度、即ちシランガス、二酸化炭素ガス、水素ガス、およびホスフィンガス濃度は、それぞれ10sccm、4000sccm、20sccmである。
【0069】
なお、図5、図6A〜6E及び図7の分析は、X線光電子分光法(X−ray photoelectron spectroscopy:XPS)により厚さ方向にイオンスパッタリング(Ion sputtering)を通じて行われた。イオンスパッタリング時にcross−contaminationにより各層の境界での組成変化が実際より徐々に現れると観測され得る。
【0070】
図7を参照すれば、100Åの厚さを有する第2中間層32、100Åの厚さを有する第1中間層31および100Åの厚さを有する第2中間層32が順次に積層された3重膜構造の中間ユニット30形成時、酸素濃度は蒸着開始後ほぼ6分間に55at%から30at%まで減少してから6分以降から10分まで徐々に上昇すると示された。
【0071】
したがって、酸素濃度(at%)の変化を通じて前記中間ユニット30が3重膜構造からなることを確認することができる。つまり、第1区間(t1)では第2中間層32が形成され、第2区間(t2)では第1中間層31が形成され、第3区間(t3)では再び第2中間層32が形成されることを確認することができる。
【0072】
図8は、本発明の第2実施形態による中間層の構造を示す断面図である。
【0073】
図8を参照すれば、本発明の第2実施形態による中間ユニット30は、高屈折率を有する第1中間層31と低屈折率を有する第2中間層32が交互的に配置されて5重膜構造を有することができる。ここで、前記第2中間層32は、前記中間ユニット30の最外側に位置して前記第1および第2光電変換ユニット20、40とそれぞれ直接的に接触され得る。
【0074】
また、前記中間ユニット30内で前記第2中間層32の個数は前記第1中間層31の個数よりも多い。前記中間ユニット30へ入射された光(L1)中の一部は、前記第2中間層32と前記第1中間層31との間の屈折率の差異により前記第1光電変換ユニット20側へ反射される。特に、前記第2中間層32の個数が前記第1中間層31の個数より多ければ、前記第1中間層31の個数が前記第2中間層32の個数より多い場合よりも入射された光(L1)の反射効率が向上し得、その結果、前記第1光電変換ユニット20の光吸収率が増加し得る。
【0075】
結果的に、前記中間ユニット30の直列抵抗を減少させるためにまたはコンタクト抵抗を向上させるために、前記第1実施形態のように前記第1中間層31が前記中間ユニット30の最外側に配置されてもよい。
【0076】
図3および図8では、前記中間ユニット30が5重膜構造からなる構造のみを示したが、ここに限定されず、2重膜、3重膜、4重膜またはそれ以上の膜構造を有することができる。
【0077】
図9A〜図9Dは、本発明の他の実施形態による光電変換装置を示す断面図である。
【0078】
図9Aを参照すれば、本発明の第3実施形態による中間ユニット30は、高屈折率を有する第1n型中間層31−nと低屈折率を有する第2n型中間層32−nが交互的に配置されて5重膜構造を有することができる。ここで、前記中間ユニット30の最外側に位置した前記第1および第2n型中間層31−n、32−nは、前記第1および第2光電変換ユニット20、40とそれぞれ直接的に接触され得る。
【0079】
特に、前記第1n型中間層31−nがN型非結晶質シリコン酸化膜(n+a−SiOx)からなる場合、前記第1光電変換ユニット20で第1型導電層21が省略され得る。したがって、前記中間ユニット30の最外側に位置する前記第1n型中間層31−nは、前記第1光電変換ユニット20の第1真性シリコン層23に直接的にコンタクトされ得る。
【0080】
図9Bを参照すれば、本発明の第4実施形態による中間ユニット31は、高屈折率を有する第1n型中間層31−n、低屈折率を有する第2n型中間層32−n、および高屈折率を有する第1p型中間層31−pを含む6重膜構造を有することができる。ここで、前記中間ユニット31の最下側には前記第1n型中間層31−nが備えられて前記第1光電変換ユニット20と直接的に接触され、前記中間ユニット31の最上側には前記第1p型中間層31−pが備えられて前記第2光電変換ユニット40と直接的に接触され得る。
【0081】
特に、前記第1p型中間層31−pがP型非結晶質シリコン酸化膜(p+a−SiOx)からなる場合、前記第2光電変換ユニット40で第2型導電層41が省略され得る。したがって、前記中間ユニット31の最外側に位置する前記第1p型中間層31−pは、前記第2光電変換ユニット40の第2真性シリコン層43に直接的にコンタクトされ得る。
【0082】
図9Cを参照すれば、本発明の第5実施形態による中間ユニット32は、高屈折率を有する第1n型中間層31−n、低屈折率を有する第2n型中間層32−n、および高屈折率を有する第1p型中間層31−pを含む5重膜構造を有することができる。ここで、前記中間ユニット32の最下側には前記第1n型中間層31−nが備えられて前記第1光電変換ユニット20と直接的に接触され、前記中間ユニット32の最上側には前記第1p型中間層31−pが備えられて前記第2光電変換ユニット40と直接的に接触され得る。
【0083】
特に、前記第1p型中間層31−pがP型非結晶質シリコン酸化膜(p+a−SiOx)からなる場合、前記第2光電変換ユニット40で第2型導電層41が省略され得る。したがって、前記中間ユニット32の最外側に位置する前記第1p型中間層31−pは、前記第2光電変換ユニット40の第2真性シリコン層43に直接的にコンタクトされ得る。
【0084】
また、前記中間ユニット32の前記第1n型中間層31−nがN型非結晶質シリコン酸化膜(n+a−SiOx)からなる場合、前記第1光電変換ユニット20で第1型導電層21が省略され得る。したがって、前記中間ユニット32の最外側に位置する前記第1n型中間層31−nは、前記第1光電変換ユニット20の第1真性シリコン層23に直接的にコンタクトされ得る。
【0085】
図9Dを参照すれば、本発明の第6実施形態による中間ユニット33は、高屈折率を有する第1n型中間層31−n、高屈折率を有する第1p型中間層31−p、低屈折率を有する第2n型中間層32−n、および低屈折率を有する第2p型中間層32−pを含む6重膜構造を有することができる。
【0086】
ここで、前記中間ユニット33の6重膜のうちの上部3重膜は、P型中間層(つまり、第1P型中間層および第2P型中間層31−p、32−p)からなり、下部3重膜はN型中間層(つまり、第1N型中間層および第2N型中間層31−n、32−n)からなる。
【0087】
特に、前記中間ユニット33の最下側には前記第1n型中間層31−nが備えられて前記第1光電変換ユニット20と直接的に接触され、前記中間ユニット33の最上側には前記第1p型中間層31−pが備えられて前記第2光電変換ユニット40と直接的に接触され得る。また、前記上部3重膜の最下側には前記第1P型中間層が備えられ、前記下部3重膜の最上側には前記第1N型中間層が備えられて前記上部3重膜と前記下部3重膜の接合部にはP−N接合が形成され得る。
【0088】
図10は、複数の光電変換セルを含む光電変換装置を示す断面図である。
【0089】
図10を参照すれば、光電変換装置200は、複数のセル領域を有する基板10を含む。前記基板10上には前記複数のセル領域にそれぞれ対応して複数の光電変換セル100が備えられる。前記複数の光電変換セル100は互いに直列連結される。
【0090】
各光電変換セル100は、図1に示された光電変換素子と類似する構造を有する。しかし、図10に示された各光電変換セル100は、隣接するセルと直列連結されるためにビアホール50aを有するという側面から図1の光電変換素子と異なる。
【0091】
具体的に、光電変換セル100のそれぞれは、第1電極層11、前記第1電極層11上に順次に積層されて外部から提供された光を吸収する第1および第2光電変換ユニット20、40、および前記第2光電変換ユニット40上に備えられた第2電極層13を備える。
【0092】
前記第1および第2光電変換ユニット20、40の間には、前記第1光電変換ユニットの光電効率を向上させるための中間ユニット30がさらに備えられる。前記中間ユニット30は、図4に示された中間ユニットと同一の構造を有するため省略する。
【0093】
前記第1電極層11は、第1分離溝11aによってセル領域単位に分離され、前記第1および第2光電変換ユニット20、40、前記中間ユニット30および前記第2電極層13は、第2分離溝13aによってセル領域単位に分離される。前記第1および第2分離溝11a、13aは、レーザー工程を通じて形成され得る。
【0094】
また、前記第1光電変換ユニット20、前記中間ユニット30および前記第2光電変換ユニット40をレーザー工程を通じてパターニングし、隣接する光電変換セルの第1電極層11を露出させるためのビアホール50aを形成することができる。したがって、前記第2電極層13は、前記ビアホール50aを通じて前記隣接光電変換セルの前記第1電極層11に電気的に連結される。このような方式により前記複数の光電変換セル100は直列連結される。
【0095】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0096】
100…光電変換装置
10…基板
11…第1電極層
13…第2電極層
20…第1光電変換ユニット
30…中間ユニット
31…高屈折率層
32…低屈折率層
40…第2光電変換ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に備えられ、第1エネルギーバンドギャップを有する第1光電変換ユニット;
前記第1エネルギーバンドギャップと異なる第2エネルギーバンドギャップを有し、前記第1光電変換ユニット上部に備えられる第2光電変換ユニット;および
前記第1および第2光電変換ユニットの間に介され、前記第1光電変換ユニットよりも小さい屈折率を有する中間ユニットを含み、
前記中間ユニットは、第1屈折率を有する少なくとも一つの第1中間層、および前記第1中間層と交互的に配置され、前記第1屈折率よりも小さい第2屈折率を有する少なくとも一つの第2中間層を含むことを特徴とする、光電変換装置。
【請求項2】
前記第1中間層は、前記第2中間層よりも高い電気伝導度を有することを特徴とする、請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項3】
前記第1および第2中間層は、N型またはP型不純物でドーピングされた層であることを特徴とする、請求項2に記載の光電変換装置。
【請求項4】
前記第1および第2中間層のそれぞれの膜内不純物濃度は、1at%以下であることを特徴とする、請求項3に記載の光電変換装置。
【請求項5】
前記第1中間層は、前記中間ユニットの最外側にそれぞれ位置して前記第1および第2光電変換ユニットとそれぞれ直接的に接触される二つのN型中間層を含むことを特徴とする、請求項3に記載の光電変換装置。
【請求項6】
前記第1光電変換ユニットは、非晶質シリコンからなる第1真性シリコン層、前記第1真性シリコン層と前記基板との間に介された第1型導電層、および前記第1真性シリコン層上に具備された第2型導電層を含み、
前記第2光電変換ユニットは、複数の結晶を含む結晶質シリコンからなる第2真性シリコン層、前記第2真性シリコン層と前記中間ユニットとの間に介された第3型導電層、および前記第2真性シリコン層上に備えられた第4型導電層を含むことを特徴とする、請求項5に記載の光電変換装置。
【請求項7】
前記第1中間層は、前記中間ユニットの最外側にそれぞれ位置して前記第1および第2光電変換ユニットとそれぞれ直接的に接触されるN型中間層およびP型中間層を含むことを特徴とする、請求項3に記載の光電変換装置。
【請求項8】
前記第1光電変換ユニットは、非晶質シリコンからなり、前記N型中間層と接触する第1真性シリコン層を含み、
前記第2光電変換ユニットは、複数の結晶を含む結晶質シリコンからなり、前記P型中間層と接触する第2真性シリコン層を含むことを特徴とする、請求項7に記載の光電変換装置。
【請求項9】
前記第1および第2中間層は、SiOx:H、SiCx:H、およびSiNx:Hのうちのいずれか一つを含むことを特徴とする、請求項3に記載の光電変換装置。
【請求項10】
前記第1中間層は、2.3〜3.0範囲の屈折率を有し、前記第2中間層は、1.6〜2.1範囲の屈折率を有することを特徴とする、請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項11】
前記第1中間層は、10−3/Ωcm以上の電気伝導度を有し、前記第2中間層は、10−4/Ωcm以下の電気伝導度を有することを特徴とする、請求項10に記載の光電変換装置。
【請求項12】
前記第1中間層は、10Å〜500Åの厚さを有し、前記第2中間層は、50Å〜1500Åの厚さを有することを特徴とする、請求項10に記載の光電変換装置。
【請求項13】
前記第1中間層は、40at%以下の酸素濃度を有し、前記第2中間層は、40at%〜70at%の酸素濃度を有することを特徴とする、請求項10に記載の光電変換装置。
【請求項14】
前記中間ユニットの屈折率(na)は、
【数1】
と定義され、
ここで、前記中間ユニットは、k(2以上の整数)個の層からなり、n1〜nkは、前記中間ユニットに含まれたk個の層のそれぞれの屈折率を示し、d1〜dkは、前記中間ユニットに含まれたk個の層のそれぞれの厚さを示すことを特徴とする、請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項15】
前記中間ユニットは、1.7〜2.5の屈折率を有し、100Å〜1500Åの厚さを有することを特徴とする、請求項14に記載の光電変換装置。
【請求項16】
複数のセル領域を有する基板および前記複数のセル領域にそれぞれ対応して前記基板上に備えられ、互いに直列連結された複数の光電変換セルを含む光電変換装置において、
各光電変換セルは、
前記基板上に備えられた第1電極層;
前記第1電極層上に備えられ、第1エネルギーバンドギャップを有する第1光電変換ユニット;
前記第1エネルギーバンドギャップと異なる第2エネルギーバンドギャップを有し、前記第1光電変換ユニット上部に備えられる第2光電変換ユニット;
前記第1および第2光電変換ユニットの間に介され、前記第1光電変換ユニットよりも小さい屈折率を有する中間ユニット;および
前記第2光電変換ユニット上に備えられた第2電極層を含み、
前記中間ユニットは、第1屈折率を有する少なくとも一つの第1中間層、および前記第1中間層と交互的に配置され、前記第1屈折率よりも小さい第2屈折率を有する少なくとも一つの第2中間層を含むことを特徴とする、光電変換装置。
【請求項17】
前記第1中間層は、前記第2中間層よりも高い電気伝導度を有し、
前記第1中間層は、前記中間ユニットの最外側にそれぞれ位置する二つの最外層からなり、前記第1および第2光電変換ユニットとそれぞれ直接的に接触されることを特徴とする、請求項16に記載の光電変換装置。
【請求項18】
前記第1光電変換ユニットは、非晶質シリコンからなる第1真性シリコン層、前記第1真性シリコン層と前記基板との間に介された第1型導電層、および前記第1真性シリコン層上に備えられた第2型導電層を含み、
前記第2光電変換ユニットは、複数の結晶を含む結晶質シリコンからなる第2真性シリコン層、前記第2真性シリコン層と前記中間ユニットとの間に介された第3型導電層、および前記第2真性シリコン層上に備えられた第4型導電層を含むことを特徴とする、請求項17に記載の光電変換装置。
【請求項19】
前記中間ユニットの屈折率(na)は、
【数2】
と定義され、
ここで、前記中間ユニットは、k(2以上の整数)個の層からなり、n1〜nkは、前記中間ユニットに含まれたk個の層のそれぞれの屈折率を示し、d1〜dkは、前記中間ユニットに含まれたk個の層のそれぞれの厚さを示すことを特徴とする、請求項16に記載の光電変換装置。
【請求項20】
前記中間ユニットは、1.7〜2.5の屈折率を有し、100Å〜1500Åの厚さを有することを特徴とする、請求項19に記載の光電変換装置。
【請求項21】
前記第1電極層は、第1分離溝により前記セル領域単位に分離され、前記第1および第2光電変換ユニット、前記中間ユニットおよび前記第2電極層は、第2分離溝により前記セル領域単位に分離されることを特徴とする、請求項19に記載の光電変換装置。
【請求項22】
前記各光電変換セルには、前記第2光電変換ユニット、前記中間ユニットおよび前記第1光電変換ユニットを順次に貫通して隣接する光電変換セルの第1電極層を露出させるビアホールが形成され、
前記第2電極層は、前記ビアホールを通じて前記隣接光電変換セルの前記第1電極層に電気的に連結されることを特徴とする、請求項21に記載の光電変換装置。
【請求項1】
基板上に備えられ、第1エネルギーバンドギャップを有する第1光電変換ユニット;
前記第1エネルギーバンドギャップと異なる第2エネルギーバンドギャップを有し、前記第1光電変換ユニット上部に備えられる第2光電変換ユニット;および
前記第1および第2光電変換ユニットの間に介され、前記第1光電変換ユニットよりも小さい屈折率を有する中間ユニットを含み、
前記中間ユニットは、第1屈折率を有する少なくとも一つの第1中間層、および前記第1中間層と交互的に配置され、前記第1屈折率よりも小さい第2屈折率を有する少なくとも一つの第2中間層を含むことを特徴とする、光電変換装置。
【請求項2】
前記第1中間層は、前記第2中間層よりも高い電気伝導度を有することを特徴とする、請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項3】
前記第1および第2中間層は、N型またはP型不純物でドーピングされた層であることを特徴とする、請求項2に記載の光電変換装置。
【請求項4】
前記第1および第2中間層のそれぞれの膜内不純物濃度は、1at%以下であることを特徴とする、請求項3に記載の光電変換装置。
【請求項5】
前記第1中間層は、前記中間ユニットの最外側にそれぞれ位置して前記第1および第2光電変換ユニットとそれぞれ直接的に接触される二つのN型中間層を含むことを特徴とする、請求項3に記載の光電変換装置。
【請求項6】
前記第1光電変換ユニットは、非晶質シリコンからなる第1真性シリコン層、前記第1真性シリコン層と前記基板との間に介された第1型導電層、および前記第1真性シリコン層上に具備された第2型導電層を含み、
前記第2光電変換ユニットは、複数の結晶を含む結晶質シリコンからなる第2真性シリコン層、前記第2真性シリコン層と前記中間ユニットとの間に介された第3型導電層、および前記第2真性シリコン層上に備えられた第4型導電層を含むことを特徴とする、請求項5に記載の光電変換装置。
【請求項7】
前記第1中間層は、前記中間ユニットの最外側にそれぞれ位置して前記第1および第2光電変換ユニットとそれぞれ直接的に接触されるN型中間層およびP型中間層を含むことを特徴とする、請求項3に記載の光電変換装置。
【請求項8】
前記第1光電変換ユニットは、非晶質シリコンからなり、前記N型中間層と接触する第1真性シリコン層を含み、
前記第2光電変換ユニットは、複数の結晶を含む結晶質シリコンからなり、前記P型中間層と接触する第2真性シリコン層を含むことを特徴とする、請求項7に記載の光電変換装置。
【請求項9】
前記第1および第2中間層は、SiOx:H、SiCx:H、およびSiNx:Hのうちのいずれか一つを含むことを特徴とする、請求項3に記載の光電変換装置。
【請求項10】
前記第1中間層は、2.3〜3.0範囲の屈折率を有し、前記第2中間層は、1.6〜2.1範囲の屈折率を有することを特徴とする、請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項11】
前記第1中間層は、10−3/Ωcm以上の電気伝導度を有し、前記第2中間層は、10−4/Ωcm以下の電気伝導度を有することを特徴とする、請求項10に記載の光電変換装置。
【請求項12】
前記第1中間層は、10Å〜500Åの厚さを有し、前記第2中間層は、50Å〜1500Åの厚さを有することを特徴とする、請求項10に記載の光電変換装置。
【請求項13】
前記第1中間層は、40at%以下の酸素濃度を有し、前記第2中間層は、40at%〜70at%の酸素濃度を有することを特徴とする、請求項10に記載の光電変換装置。
【請求項14】
前記中間ユニットの屈折率(na)は、
【数1】
と定義され、
ここで、前記中間ユニットは、k(2以上の整数)個の層からなり、n1〜nkは、前記中間ユニットに含まれたk個の層のそれぞれの屈折率を示し、d1〜dkは、前記中間ユニットに含まれたk個の層のそれぞれの厚さを示すことを特徴とする、請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項15】
前記中間ユニットは、1.7〜2.5の屈折率を有し、100Å〜1500Åの厚さを有することを特徴とする、請求項14に記載の光電変換装置。
【請求項16】
複数のセル領域を有する基板および前記複数のセル領域にそれぞれ対応して前記基板上に備えられ、互いに直列連結された複数の光電変換セルを含む光電変換装置において、
各光電変換セルは、
前記基板上に備えられた第1電極層;
前記第1電極層上に備えられ、第1エネルギーバンドギャップを有する第1光電変換ユニット;
前記第1エネルギーバンドギャップと異なる第2エネルギーバンドギャップを有し、前記第1光電変換ユニット上部に備えられる第2光電変換ユニット;
前記第1および第2光電変換ユニットの間に介され、前記第1光電変換ユニットよりも小さい屈折率を有する中間ユニット;および
前記第2光電変換ユニット上に備えられた第2電極層を含み、
前記中間ユニットは、第1屈折率を有する少なくとも一つの第1中間層、および前記第1中間層と交互的に配置され、前記第1屈折率よりも小さい第2屈折率を有する少なくとも一つの第2中間層を含むことを特徴とする、光電変換装置。
【請求項17】
前記第1中間層は、前記第2中間層よりも高い電気伝導度を有し、
前記第1中間層は、前記中間ユニットの最外側にそれぞれ位置する二つの最外層からなり、前記第1および第2光電変換ユニットとそれぞれ直接的に接触されることを特徴とする、請求項16に記載の光電変換装置。
【請求項18】
前記第1光電変換ユニットは、非晶質シリコンからなる第1真性シリコン層、前記第1真性シリコン層と前記基板との間に介された第1型導電層、および前記第1真性シリコン層上に備えられた第2型導電層を含み、
前記第2光電変換ユニットは、複数の結晶を含む結晶質シリコンからなる第2真性シリコン層、前記第2真性シリコン層と前記中間ユニットとの間に介された第3型導電層、および前記第2真性シリコン層上に備えられた第4型導電層を含むことを特徴とする、請求項17に記載の光電変換装置。
【請求項19】
前記中間ユニットの屈折率(na)は、
【数2】
と定義され、
ここで、前記中間ユニットは、k(2以上の整数)個の層からなり、n1〜nkは、前記中間ユニットに含まれたk個の層のそれぞれの屈折率を示し、d1〜dkは、前記中間ユニットに含まれたk個の層のそれぞれの厚さを示すことを特徴とする、請求項16に記載の光電変換装置。
【請求項20】
前記中間ユニットは、1.7〜2.5の屈折率を有し、100Å〜1500Åの厚さを有することを特徴とする、請求項19に記載の光電変換装置。
【請求項21】
前記第1電極層は、第1分離溝により前記セル領域単位に分離され、前記第1および第2光電変換ユニット、前記中間ユニットおよび前記第2電極層は、第2分離溝により前記セル領域単位に分離されることを特徴とする、請求項19に記載の光電変換装置。
【請求項22】
前記各光電変換セルには、前記第2光電変換ユニット、前記中間ユニットおよび前記第1光電変換ユニットを順次に貫通して隣接する光電変換セルの第1電極層を露出させるビアホールが形成され、
前記第2電極層は、前記ビアホールを通じて前記隣接光電変換セルの前記第1電極層に電気的に連結されることを特徴とする、請求項21に記載の光電変換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10】
【公開番号】特開2012−235085(P2012−235085A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−16690(P2012−16690)
【出願日】平成24年1月30日(2012.1.30)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年1月30日(2012.1.30)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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