説明

光駆動型波面補正映像方法及び装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業計測や医療機器として用いられる顕微鏡、望遠鏡、カメラ等の映像装置において、光路中の媒質の位相変動により、得られた像が不鮮明となることを防止する波面補正映像方法及びその方法を実施する装置に関し、特に、その波面補正を光書き込み型液晶空間位相変調素子により実時間で行うようにした光駆動型波面補正映像方法及びその方法を実施する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】工業計測や医療機器として利用される顕微鏡、望遠鏡、カメラ等の映像装置は、除去することが本質的に難しい光路中の媒質の位相変動によって、その分解能が制限されることが知られている。例えば機械加工技術分野において、加工物を現場でモニタリングする際には工作機械の振動や発生熱に由来する空気のゆらぎにより、また、医療用の眼底カメラにおいては眼の収差(乱視)の影響により、得られた像が不鮮明となってしまうことが知られている。
【0003】即ち、顕微鏡、望遠鏡、カメラ等に代表される各種映像システムは、物体(被写体)と結像面(観察面)とを結ぶ光路中に存在する媒質の位相変動により、その分解能が著しく低下する。その位相変動の影響を実時間で補正する技術は補償光学(もしくは、アダプティブ・オプティクス)と言われ既に、大型の天体望遠鏡等に設置されその有効性が確かめられている。
【0004】従来より広く用いられているシステムの構成を図6に示す。基本的には、光路中の媒質の位相変動の影響によって乱された波面60を形状可変鏡61で反射させ、その反射光の一部をビームスプリッター(BS)62によって取り出し、それを波面センサー63に入射させる。ここで、形状可変鏡61とは、薄い鏡64の背面に電歪素子65が多数取り付けられ、それぞれの電歪素子65に印可する電圧に応じて鏡の形状を任意に変化させることができる装置である。
【0005】波面センサー63では波面の乱れが計測され、そのデータが制御装置66へと導かれる。制御装置66では、そのデータに基づいて波面を補正するために必要な鏡の形状、すなわち各電歪素子65に印可する電圧が計算され、それに基づいて形状可変鏡の形状を変化させる。この一連の動作を素早く行うことで、反射光の波面を実時間で補正することができる。この形状可変鏡61を映像システムに組み込むことにより、波面の乱れによって低下した映像システムの分解能を向上させることができる。
【0006】これを映像システムの一例である天体望遠鏡に組み込むには、望遠鏡内部の反射鏡をこの形状可変鏡61に置き換え、そこからの反射光の一部を波面センサー63に導入して鏡の制御信号を生成し、それに基づき鏡の形状を制御する。実際には、明るい星(参照星)を観察することにより、大気のゆらぎによって乱された光の波面を検出し、反射の過程で乱れた波面が補正されるよう形状可変鏡を変形させる。この状態で、参照星の近傍にある目的の星を観測すると、大気のゆらぎが補正され鮮明な天体像が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】形状可変鏡は上記のように、薄い鏡の背面に電歪素子を多数(数十個から数百個程度)貼り付け、個々の電歪素子に高電圧を印可することによって、鏡の形状を変化させる装置である。そのため、この形状可変鏡を用いた補償光学システムは、システム全体が高価となるばかりか、消費電力が莫大であり、かつ装置の駆動電源が電歪素子の数だけ必要となるため、システム全体が大規模になってしまう欠点がある。また、鏡の形状変化には物理的な限界があるため波面補正の高分解能化が困難であり、さらに、例え電歪素子の数を増加させ波面補正の高分解能化を図ったとしても、素子の増加に伴い各素子を駆動する信号を生成するための演算が膨大となり実時間での波面補正が不可能となる。
【0008】上記のような形状可変鏡を用いた従来の補償光学システムでは、1)装置が高価となる。
2)消費電力が増大する。
3)装置が大規模化する。
4)波面補正の高分解能化が困難である。
5)波面補正の高分解能化に伴い実時間での波面補正が困難になる。
等の問題があった。これらの問題により、この装置を各種工業計測や医療機器に応用することは極めて困難となる。
【0009】したがって本発明は、小形で安価な装置であって消費電力が少なく、波面補正の高分解能化が容易であり、且つ波面補正を実時間で行うことができるようにした光駆動型波面補正映像方法及び装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記1)〜4)の問題を解決するために、波面を補正する素子として高分解能の液晶空間位相変調素子を導入し、さらに5)を解決するために、素子の駆動のための演算を一切必要としない光学的フィードバック干渉計に基づく光駆動型の補償光学システムを導入した。すなわち、波面の補正装置として高分解能の光書き込み型液晶空間位相変調素子を利用し、それを光学的フィードバック干渉計に組み込むことにより、光駆動型の補償光学システムを構築し、それを映像システムに組み込んだものである。また、この装置では、各種工業計測や医療用機器で使用することを主な目的としているため、被測定物体を照明する光、及びこの補償光学システムを駆動する光は、高輝度で干渉性に優れたレーザー光を利用している。
【0011】上記のような考え方を元に、請求項1に係る発明は、書き込み面に照射した光の強さに依存して、その裏側の位相変調面の変調位相が変化する液晶空間位相変調素子を用い、被測定物体を照射した物体照射光をレンズを通して第1ビームスプリッタに導き、外部からの参照光と共に擾乱物質を通過させて前記位相変調面で反射させ、前記位相変調面で反射した物体照射光と参照光とを、第2ビームスプリッタからレンズを通して、前記参照光を結像面に微小結像させると共に物体照射光を観察可能とし、前記第2ビームスプリッタで分離した参照光から擾乱媒質の位相分布を反映した干渉縞を得て、前記書き込み面にこれを照射することにより擾乱媒質の位相分布を打ち消すように位相変調面を形成し、前記物体照射光を前記参照光に対して光軸を若干傾けることにより、物体照射光を前記位相変調面に入ることを防ぐことを特徴とする光駆動型波面補正映像方法としたものである。
【0012】また、請求項2に係る発明は、書き込み面に照射した光の強さに依存して、その裏側の位相変調面の変調位相が変化する液晶空間位相変調素子と、被測定物体を照射した物体照射光をレンズを通して第1ビームスプリッタに導き、外部からの参照光と共に擾乱物質を通過させて前記位相変調面で反射させ、前記位相変調面で反射した物体照射光と参照光とを、第2ビームスプリッタからレンズを通して、前記参照光を結像面に微小結像させると共に物体照射光を観察可能とする光学系統と、前記第2ビームスプリッタで分離した参照光から擾乱媒質の位相分布を反映した干渉縞を得て、前記書き込み面にこれを照射することにより擾乱媒質の位相分布を打ち消すように位相変調面を形成する光学系統とを備え、前記物体照射光を前記参照光に対して光軸を若干傾けたことを特徴とする光駆動型波面補正映像装置。
【0013】また、請求項3に係る発明は、前記被測定物体が加工物の表面である請求項2記載の光駆動型波面補正映像装置としたものである。
【0014】また、請求項4に係る発明は、前記被測定物体が遮蔽空間内の物体である請求項2記載の光駆動型波面補正映像装置としたものである。
【0015】また、請求項5に係る発明は、前記液晶空間位相変調素子の書き込み面に、映写機器により前記干渉縞を撮像した映像を照射する請求項2記載の光駆動型波面補正映像装置としたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面に沿って説明する。この発明の基本的な構成を図1及び図2に示す。なお、紙面の関係上、一つの装置を二分割して表示している。図1は、主に映像システムの部分であり、図2R>2は波面を補正する素子を駆動する補償光学システムの部分を、一部重複して示している。
【0017】図1において、直線偏光のレーザー光から平面波を作成し、それによって被測定物体1を照明する。被測定物体1を透過した光波は、レンズL1、ビームスプリッターBS1、レンズL2、L3を通過し、光書き込み型液晶空間位相変調素子2の位相変調面3で反射され、その反射光がビームスプリッターBS2とレンズL4を通過して観察面としての結像面6に結像される。
【0018】上記光書き込み型液晶空間位相変調素子2は、書き込み面4に照射した光の強さに依存して、その裏側の位相変調面3の変調位相が変化する素子である。ただし、位相変調には偏光依存性があり、液晶分子の配向方向と平行な偏光成分の光波のみの位相を変調させる。また、この素子は書き込み面4に照射する強度パターンに応じて任意に位相変調を行うことができるため、高分解能な波面補正能力を持つ。波面を乱す擾乱媒質5はビームスプリッターBS1とレンズL2の間で、かつ位相変調面3に対してレンズL2とL3による結像面となるように配置される。各レンズの焦点距離は、レンズL1とL4、及びレンズL2とL3をそれぞれ等しくする。これらの配置については、各レンズの焦点が一致するアフォーカル系とする。
【0019】この光学系においては、液晶空間位相変調素子2の位相変調面の位相が擾乱媒質5の位相と向きが反対で大きさがその半分の分布となると、反射の過程で両者が相殺し合い、この映像システムにおける擾乱媒質の影響が除去される。このとき、擾乱媒質の影響によってぼやけていた結像面6上(この部分をのぞき込んで直接見るか、カメラや顕微鏡等を設置する)の像は、鮮明な像へと変化する。ただし、液晶空間位相変調素子2の位相変調特性には偏光依存性があるため、反射した光波の位相が十分に変調されるよう入射光の偏光方向は液晶分子の配向方向(図では紙面に対して垂直方向とする)と平行にしなければならない。
【0020】液晶空間位相変調素子2の位相変調面3の位相分布を、擾乱媒質5の位相変動を相殺する分布にするには、図2に示す補償光学システムを用いる。まず、前記図1に示すように、ビームスプリッターBS1を介して擾乱媒質を直線偏光のレーザー光から作成した平面波(前述の天体観測における『参照星』に相当)で照明し、それをレンズL2とL3を介して位相変調素子の位相変調面3に結像する。位相変調面3からの反射光は、ビームスプリッターBS3を経て、レンズL5へと導かれる(図2参照)。位相変調面3上の光波の分布はレンズL5とL6を介して仮想的な平面F1に入射され、更に偏光ビームスプリッター7に入射する。この仮想的平面F1はマッハ・ツェンダー型干渉計の入口となっている。
【0021】この干渉計では、光波の垂直偏光成分が偏光ビームスプリッター7で反射され、レンズL7とL8、半波長板8、さらにビームスプリッターBS4を介して別の仮想的平面F2に入射される。一方、水平偏光成分は偏光ビームスプリッター7を透過し、レンズL9とL10を介してその大きさが拡大され乱れた波面から擬似的に参照平面波が作成され仮想的平面F2上に結像される。その結果F2上には映像システム中に存在する擾乱媒質の位相分布を忠実に反映した干渉縞が形成される。
【0022】なお、干渉縞を形成するためには重ね合わせられる二光波の偏光方向を揃える必要があるため、半波長板を導入して一方の光波の偏光方向を90度回転させ、二光波の偏光方向を揃えている。また、このシステムを駆動するためのレーザーの偏光方向は、重ね合わせられる二光波の強度が等しくなるように調整する。
【0023】上記のように仮想的平面F2面上に形成された干渉縞は、レンズL11とL12によって光書き込み型液晶空間位相変調素子2の書き込み面4(位相変調面3の裏側)に結像される。ただし、そのままでは像が反転してしまうので、それを補うべく像回転プリズム9を挿入している。個々のレンズの焦点距離については、レンズL5とL12、L6とL11、L7とL8を等しくし、各レンズの焦点が一致するアフォーカル系となるように配置する。
【0024】レンズL9とL10については、参照平面波を作成するための拡大率に合わせて決定する(例えば、5倍の拡大率を得るためには、レンズL9とL10の焦点距離の比を1対5にする)。以上を実現すると、光書き込み型液晶空間位相変調素子2の偏光依存性により、素子の位相変調面では、入射光のうち垂直偏光成分の光波のみの位相が変調されることになり、約20年前に米国MITのグループによってその原理が創出されたフイードバック干渉計が実現される。その結果、液晶空間位相変調素子2の位相変調面3の位相分布が擾乱媒質5の位相変動を打ち消すような分布となり、補償光学システムとして動作することになる。
【0025】なお、この光学系を正確に組むと、映像に用いる光(物体照明用レーザー)が、BS3を介して図2R>2に示す補償光学システムを通って液晶空間位相変調素子の書き込み面に入り込み、その正常な動作を妨げることになる。この現象は、物体を照明する光の入射方向を若干傾けることにより回避する。一方、補償光学システムを駆動する光(補償光学システム駆動用レーザー)も、ビームスプリッターBS2を介して映像システムの結像面に入り込むが、その光は結像面上では小さなスポットとなることから、映像システムの動作に大きな影響は与えない。
【0026】なお、上記実施例では各種工業計測や医療用機器に用いる例を示しているため、高輝度で干渉性の良いレーザー光を参照光及び被測定物体の照明光として利用する構成としている。
【0027】以前より光駆動型の補償光学システムは、それ自身の概念の提案と動作の検証実験に関する報告はなされているものの、それを具体的な映像システムに組み込んだ装置全体に関する具体的な提案はなされていない。これは、主に、補償光学システムの駆動に使う光と映像システムに用いる光が互いに影響を及ぼし合うために、装置全体が正常に動作しないことが原因であると考えられる。その点本発明の装置では、映像に用いる光波と補償光学システムの駆動に用いる光波が互いに影響を及ぼさないようになされているので、光駆動型補償光学システムの機能が、映像システムに組み込んだ場合にでも十分に発揮することができるようになったものである。
【0028】上記のような基本原理に基づく本発明は各種の技術に用いることができる。その中の代表的な実施例を説明する。図3には本発明の一実施例として、工場での加工物をその場でモニタリングするシステムを示す。加工物の多くは光を透過させて観察することが難しいため、ここではビームスプリッターBS0を用い、被測定物体である加工物10を正面からレーザーで照射している。一般に、このままの状態で加工物10を観察すると、稼働している機械の振動や発生熱の影響で被測定物体と観測面との間の空気がゆらぎ、観測面上での像が劣化する。それを補償するために図3のシステムが用いられる。このシステムは、基本的には図1に示したものと同様に機能する。ただし、このシステムにおける機器の配置においては、補正すべき空気のゆらぎ11が、ビームスプリッターBS1とレンズL2の間に来るように配置する。なお、補償光学システムについては、前記図2R>2のシステムが用いられる。
【0029】本発明の他の実施例として、図4に遮蔽された空間15内にある物体のモニタリングシステムを示す。高密度集積回路を初めとする微細加工物は、微小なダストの影響を受けやすいため、多くの場合はクリーンルーム内での作業が要求される。そこで加工されている物体を観察するには、観察用の窓を介した撮影が必須となる。また、原子炉等、内部にカメラ等の精密機器を持ち込めず、内部の状態の観察を遮蔽された空間の外部から窓越しに行う状況も存在する。このとき、窓の厚さ、密度の不均一さに由来する位相変動や、内部と外部との環境の相違(温度差・気圧差等)に由来する界面での光波の乱れが、観測面上での像の乱れを誘発する。図4の配置においては、遮蔽された空間15の観察用窓16の位置を、ちょうどビームスプリッターBS1とレンズL2の間に来るように配置しているため、前記の補償光学システムを用いることにより、その窓付近で発生する位相の擾乱が補正され、像の乱れが回復される。
【0030】光駆動型の補償光学システムの基本構成は前記図2に示したが、その構成を変形して用いることができる。その一つを図5に示す。同図では、仮想的平面F2に形成される干渉縞を、CCDカメラ20等で撮影し。それをビデオプロジェクター21等の映写機器を使って、実時間で位相変調素子2の書き込み面4に結像させる。このとき、位相変調面3の光波と書き込み面4の光波が1対1に対応するように、干渉縞の拡大もしくは縮小を映写機器側で行う必要がある。基本的には、仮想的平面F2上に形成される干渉縞を位相変調素子3の書き込み面4に結像させているため、この光学系は図2の光学系と全く同じ動作が行われる。
【0031】
【発明の効果】本発明は上記のように構成したので、高分解能の液晶空間位相変調素子を利用したことにより、形状可変鏡を利用する補償光学システムと比較すると、小型、安価、低消費電力、高分解能の補正能力をもつという効果がある。更に、位相変調素子の制御に電子的な演算処理を必要としないので、位相変調素子が今後さらに飛躍的に高分解能化されても、制御の実時間性が失われない利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的構成において、主に映像システム部分を示す光学機器構成図である。
【図2】本発明の基本的構成において、主に補償光学システム部分を示す光学機器構成図である。
【図3】本発明を工場での加工物をその場でモニタリングするために用いた例を示す、映像システムの部分の光学機器構成図である。
【図4】本発明を遮蔽された空間内の被測定物体の観察に用いた例を示す、映像システムの部分の光学機器構成図である。
【図5】光駆動型の補償光学システムの他の実施例を示す光学機器構成図である。
【図6】形状可変鏡を用いた従来の補償光学システムの概念図である。
【符号の説明】
1 被測定物体
2 光書き込み型液晶空間位相変調素子
3 位相変調面
4 書き込み面
5 擾乱媒質
6 結像面
7 偏光ビームスプリッター
8 半波長板
9 像回転プリズム

【特許請求の範囲】
【請求項1】 書き込み面に照射した光の強さに依存して、その裏側の位相変調面の変調位相が変化する液晶空間位相変調素子を用い、被測定物体を照射した物体照射光をレンズを通して第1ビームスプリッタに導き、外部からの参照光と共に擾乱物質を通過させて前記位相変調面で反射させ、前記位相変調面で反射した物体照射光と参照光とを、第2ビームスプリッタからレンズを通して、前記参照光を結像面に微小結像させると共に物体照射光を観察可能とし、前記第2ビームスプリッタで分離した参照光から擾乱媒質の位相分布を反映した干渉縞を得て、前記書き込み面にこれを照射することにより擾乱媒質の位相分布を打ち消すように位相変調面を形成し、前記物体照射光を前記参照光に対して光軸を若干傾けることにより、物体照射光を前記位相変調面に入ることを防ぐことを特徴とする光駆動型波面補正映像方法。
【請求項2】 書き込み面に照射した光の強さに依存して、その裏側の位相変調面の変調位相が変化する液晶空間位相変調素子と、被測定物体を照射した物体照射光をレンズを通して第1ビームスプリッタに導き、外部からの参照光と共に擾乱物質を通過させて前記位相変調面で反射させ、前記位相変調面で反射した物体照射光と参照光とを、第2ビームスプリッタからレンズを通して、前記参照光を結像面に微小結像させると共に物体照射光を観察可能とする光学系統と、前記第2ビームスプリッタで分離した参照光から擾乱媒質の位相分布を反映した干渉縞を得て、前記書き込み面にこれを照射することにより擾乱媒質の位相分布を打ち消すように位相変調面を形成する光学系統とを備え、前記物体照射光を前記参照光に対して光軸を若干傾けたことを特徴とする光駆動型波面補正映像装置。
【請求項3】 前記被測定物体が加工物の表面である請求項2記載の光駆動型波面補正映像装置。
【請求項4】 前記被測定物体が遮蔽空間内の物体である請求項2記載の光駆動型波面補正映像装置。
【請求項5】 前記液晶空間位相変調素子の書き込み面に、映写機器により前記干渉縞を撮像した映像を照射する請求項2記載の光駆動型波面補正映像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【特許番号】特許第3455775号(P3455775)
【登録日】平成15年8月1日(2003.8.1)
【発行日】平成15年10月14日(2003.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−227874(P2000−227874)
【出願日】平成12年7月27日(2000.7.27)
【公開番号】特開2002−40368(P2002−40368A)
【公開日】平成14年2月6日(2002.2.6)
【審査請求日】平成12年7月27日(2000.7.27)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【参考文献】
【文献】T.Shirai et al,ADAPTIVE WAVE−FRONT CORRECTION BY MEANS OF ALL−OPTICAL FEEDBACK INTERFEROMETRY,Optics Letters,2000年 6月 1日,vol.25,no.11,pp.773−775
【文献】T.Shirai et al,SURFACE−PROFILE MEASUREMENT BY MEANS OF A POLARIZATION SAGNAC INTERFEROMETER WITH PARALLEL OPTICAL..,Optics Letters,1999年 3月 1日,vol.24,no.5,pp.297−299