説明

免疫反応測定用担体及びその製造方法ならびにこれを用いた免疫反応測定用装置、免疫反応測定用キット及び免疫反応測定方法

【課題】均一かつ高密度に抗体を捕捉することにより被検物質を高感度に検出する性能を保持でき、かつ、その捕捉性能を容易に制御(調整)できる免疫反応測定用担体を提供する。
【解決手段】本発明に係る免疫反応測定用担体は、被検物質Xに対する抗体X´を捕捉するものであって、放電処理、エネルギー線照射による処理、オゾン処理及び漂白剤処理のいずれかの改質処理をされたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗体量の測定に用いられる免疫反応測定用担体及びその製造方法ならびにこの免疫反応測定用担体を用いた免疫反応測定用装置、免疫反応測定用キット及び免疫反応測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PCB(ポリ塩化ビフェニル)などの人体及び環境への有害性がある化学物質は、これを含有するおそれのある廃棄物中の残留濃度、環境中の濃度などを検査することが極めて重要である。
【0003】
このような化学物質の測定としては、イムノアッセイを用いる方法が知られている。イムノアッセイとは、抗原抗体反応に基づく手法であり、測定対象化学物質と抗体との結合を検出するものである。
【0004】
このイムノアッセイを用いる方法の1つとして、擬似抗原が固定された担体を用いる方法がある。例えば、担体となる膜に擬似抗原を塗布(例えば浸漬、エアースプレー、インクジェット等)する方法が知られている。
【0005】
また、特許文献1には、擬似抗原を固定せずに抗体を捕捉するための担体膜が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−206062号公報(2007年8月16日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
人工的に擬似抗原を合成して担体膜に固定する場合には、費用、人手、時間などを要するため、安価に担体膜を製造することができないという問題がある。
【0008】
また、特許文献1に記載された技術によれば、担体膜を低コストにて製造可能であり、かつ実用上充分な被検物質の検出精度を得ることができる。しかし、担体に、より多量に抗体を捕捉させることができれば、イムノアッセイに使用する抗体量を減らすことができるため、コストをより低減させることが可能となる。また、一般的にイムノアッセイでは、抗体濃度を高くすると感度が低下することが知られているが、担体に、より多量に抗体を捕捉させることができれば、抗体濃度を低くすることができるため、感度をより高くすることが可能となる。
【0009】
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、均一かつ高密度に抗体を捕捉することにより被検物質を高感度に検出する性能を保持でき、かつ、その捕捉性能を容易に制御(調整)できる免疫反応測定用担体及びその製造方法ならびにこれを用いた免疫反応測定用装置、免疫反応測定用キット及び免疫反応測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明に係る免疫反応測定用担体は、被検物質Xに対する抗体X´を捕捉するものであって、放電処理、エネルギー線照射による処理、オゾン処理及び漂白剤処理のいずれかの改質処理をされたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る免疫反応測定用担体では、セルロース、フミン酸、ニトロセルロース、リグニンスルホン酸、アルキルベンゼン、アルキルフェノール、セルロースアセテート、セルロース混合エステル、及びジオール導入ポリマー、並びにこれらの誘導体の少なくともいずれかにより構成されることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る免疫反応測定用担体では、繊維体からなることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る免疫反応測定用担体では、前記抗体X´が、1種類以上のモノクローナル抗体、1種類以上のポリクローナル抗体、及びこれらの混合物のいずれかであることが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る免疫反応測定用担体では、前記抗体X´は、前記被検物質Xと、免疫原性を有する高分子物質Zと、前記被検物質X及び前記高分子物質Zを結合するリンカーYと、からなるX−Y−Zで表される複合体を用いて作製された抗体であり、前記リンカーYの少なくとも一部の構造、及びそのアナログのいずれかを分子中に含むものであることが好ましい。
【0015】
また、本発明に係る免疫反応測定用担体では、前記リンカーYが、下記構造式(I)及び(II)のいずれかで表される構造を含むことが好ましい。
【0016】
【化1】

【0017】
(前記構造式(I)及び(II)中、nは、1〜20の整数を表す。)
また、本発明に係る免疫反応測定用担体では、n種(ただし、nは2以上の自然数)の被検物質X〜Xと、免疫原性を有する高分子物質Zと、前記被検物質X及び前記高分子物質Zを結合するリンカーYと、からなるn種の複合体を用いて作製された前記被検物質X〜Xに対するn種の抗体X´〜X´を捕捉するものであることが好ましい。
【0018】
上記の課題を解決するために、本発明に係る免疫反応測定用担体の製造方法は、被検物質Xに対する抗体X´を捕捉する免疫反応測定用担体の製造方法であって、放電処理、エネルギー線照射による処理、オゾン処理及び漂白剤処理のいずれかの改質処理を行なう工程を含むことを特徴とする。
【0019】
上記の課題を解決するために、本発明に係る免疫反応測定用装置は、上述したいずれかの免疫反応測定用担体を備えることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る免疫反応測定用装置では、前記免疫反応測定用担体を収容し、光が通過可能な貫通孔が形成されてなる測定用セルと、前記測定用セルに収容された前記免疫反応測定用担体に光を照射する発光部と、前記発光部から前記免疫反応測定用担体に照射された光のうち、前記測定用セルに収容された前記免疫反応測定用担体を透過する透過光を受光し、受光した前記透過光の光量を測定する受光部と、を備えることが好ましい。
【0021】
上記の課題を解決するために、本発明に係る免疫反応測定用キットは、上述したいずれかの免疫反応測定用担体と、前記抗体X´とを含むことを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係る免疫反応測定用キットでは、光が通過可能な貫通孔が形成されてなる測定用セルと、被検試料中の夾雑物を除去するための前処理用の試薬とを含み、前記測定用セルは前記免疫反応測定用担体を収容することが好ましい。
【0023】
上記の課題を解決するために、本発明に係る免疫反応測定方法は、被検物質Xに対する抗体X´を添加した被検試料を、請求項1から7のいずれか1項に記載の免疫反応測定用担体に供給し、前記被検試料中において前記被検物質Xと結合していない前記抗体X´を、前記免疫反応測定用担体上に捕捉し、前記抗体X´の捕捉量から前記被検試料中の前記被検物質Xの濃度を求めることを特徴とする。
【0024】
また、本発明に係る免疫反応測定方法では、被検物質Xを含む被検試料を供給した前記免疫反応測定用担体の抗体捕捉量と、被検物質Xを含まない基準試料を供給した前記免疫反応測定用担体の抗体捕捉量とから相対抗体捕捉量を計算し、該相対抗体捕捉量から前記被検試料中の前記被検物質Xの濃度を求めることが好ましい。
【0025】
また、本発明に係る免疫反応測定方法では、被検物質Xに対する抗体X´が標識物質を含み、該標識物質に由来する発色を測定することが好ましい。
【0026】
また、本発明に係る免疫反応測定方法では、免疫反応測定用担体上に捕捉された抗体を、標識物質を含む二次抗体と反応させることが好ましい。
【0027】
また、本発明に係る免疫反応測定方法では、前記標識物質が、酵素、放射性同位元素、蛍光物質、及び着色微粒子のいずれかであることが好ましい。
【0028】
また、本発明に係る免疫反応測定方法では、被検物質が、PCB、ダイオキシン、ホルモン、ビタミン類、農薬、重金属、多環芳香族類、及び臭素系難燃剤のいずれかであることが好ましい。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る免疫反応測定用担体は、均一かつ高密度に抗体を捕捉することにより被検物質を高感度に検出する性能を保持でき、かつ、その捕捉性能を容易に制御(調整)できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施例における免疫反応測定用担体について、放電量(W・min/m)と着色性との関係を示すグラフである。
【図2】本発明の他の実施例における免疫反応測定用担体について、紫外線照射時間(分)と着色性との関係を示すグラフである。
【図3】本発明の他の実施例における免疫反応測定用担体について、オゾン処理時間(時間)と着色性との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の他の実施例における免疫反応測定用担体について、漂白時間(分)と着色性との関係を示すグラフである。
【図5】コロナ放電を行なうためのコロナ放電処理装置の一例を示す図である。
【図6】紫外線を照射する紫外線照射装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0032】
〔免疫反応測定用担体〕
本発明に係る免疫反応測定用担体は、被検物質Xに対する抗体X´を捕捉する担体であり、放電処理、エネルギー線照射による処理、オゾン処理及び漂白剤処理のいずれかの改質処理をされた担体である。
【0033】
被検物質Xとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、環境汚染物質等の低分子量の有害物質であってもよく、ビタミン様物質等の低分子量の有用物質であってもよい。具体的には、PCB類、ダイオキシン、天然あるいは環境ホルモン、ビタミン類、農薬、重金属(キレート複合体)、多環芳香族類、臭素系難燃剤等が挙げられる。
【0034】
抗体X´とは、被検物質Xに対する抗体であれば、特に限定されない。抗体X´は、被検物質Xに対する1種類以上のモノクローナル抗体、1種類以上のポリクローナル抗体、及びこれらの混合物のいずれかであることが好ましい。混合物とは、例えば、1種類以上のモノクローナル抗体と1種類以上のポリクローナル抗体との組合せ、2種類以上のモノクローナル抗体、2種類以上のポリクローナル抗体などが挙げられる。また、これらの抗体の組合せは、複数種類の被検物質のそれぞれに対する複数種類の抗体の組合せであってもよい。また、抗体X´は、標識化されていてもいなくてもよいが、標識化されていることが好ましい。
【0035】
抗体X´が標識化されている場合、抗体X´に結合される標識物質としては、酵素、放射性同位元素、蛍光物質、発光物質、着色微粒子、電気化学的な反応を示す物質、電子スピンを示す物質などが挙げられる。これらのうち、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0036】
標識物質の具体例として、例えば、酵素としては、ペルオキシターゼ、アルカリフォスファターゼ、チロシナーゼ、ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、グルコースオキシダーゼ等が挙げられる。放射性同位体としては、I125、I131、H等が挙げられる。蛍光物質としては、テトラメチルローダミン、ユーロピウムキレート、フルオレセインなどのイソシアネ―ト誘導物質等が挙げられる。着色微粒子としては、アクリジニウムエステル、アクリジニウムスルホン酸、ルシフェリン、NADオキシドレダクターゼ、ルシゲニン、ロフィン、金コロイド、セレンコロイド、着色ラテックス、磁性微粒子等が挙げられる。その他、標識物質としては、ピペリジン−N−オキシド誘導体、ピロリヂン−N−オキシド誘導体、オキサゾリジン−N−オキシド誘導体のようなフリーラジカルを示す物質などが挙げられる。
【0037】
これらの中でも、標識物質が着色微粒子である態様が好ましく、金コロイドである態様がより好ましい。すなわち、抗体X´は、金コロイド標識されていることがより好ましい。
【0038】
<免疫反応測定用担体の材料等>
まず、免疫反応測定用担体の材料等について説明する。
【0039】
本発明に係る免疫反応測定用担体としては、試料との均一な接触が可能であれば、材料、形状および材質に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0040】
免疫反応測定用担体の材料としては、特に限定されないが、例えば、セルロース、フミン酸、ニトロセルロース、リグニンスルホン酸、アルキルベンゼン、アルキルフェノール、セルロースアセテート、セルロース混合エステル、ジオール導入ポリマー等、およびこれらの誘導体などを用いることができる。
【0041】
免疫反応測定用担体は、例えば、繊維体であることが好ましく、多数の繊維を高密度に含むものがより好ましい。このような繊維体としては、例えば、ろ紙、吸湿紙、織物、編物、不織布等が挙げられる。
【0042】
免疫反応測定用担体は、上述したような繊維を所望の形状に成形したものであってもよく、シート状の繊維体を所望のサイズ及び形状に公知の方法で裁断や打抜することにより調製したものであってもよい。
【0043】
また、免疫反応測定用担体の形状としては、例えば、薄膜状、ディスク状、粒子状、針状、平板状などの形状が好ましい。
【0044】
さらに、免疫反応測定用担体の通気性としては、ポンプや遠心等の物理的な手段、及び電気泳動等の電気化学的な手段などにより、通液される試料が均一な流速で通過する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1〜100cm/cm/分が好ましい。
【0045】
免疫反応測定用担体は、一定の流速で通液されることにより、捕捉される抗体X´の量が累積的に増加する。捕捉される前記抗体X´の量としては、平衡状態において、添加した抗体の総量の0.01〜10%であることが好ましい。
【0046】
なお、本発明に係る免疫反応測定用担体には、抗原物質(擬似抗原)として被検物質X及びその類似体のいずれも添加されている必要はなく、また、被検物質X及びその類似体のいずれも固定する処理が行われている必要はない。
【0047】
<改質処理>
次に、改質処理について説明する。
【0048】
改質処理とは、放電処理、エネルギー線照射による処理、オゾン処理及び漂白剤処理のいずれかの処理をさす。
【0049】
本発明に係る免疫反応測定用担体は、改質処理をされることによって、均一かつ高密度に抗体を捕捉することができ、被検物質を高感度に検出する性能を保持することができる。また、この免疫反応測定用担体は、改質処理の処理量を制御または調整することによって、その捕捉性能を容易に制御することができ、また、好適な捕捉性能となるように容易に調整することができる。
【0050】
また、免疫反応測定用担体は、着色性の標識物質(例えば着色微粒子)に結合された抗体を捕捉するものであって、免疫反応測定用担体の着色性を検出することによって捕捉した抗体の量が検出できるものである場合には、改質処理の処理量を制御または調整することによって、その着色性能を容易に制御または調整することができる。
【0051】
したがって、本発明に係る免疫反応測定用担体は、より多量に抗体を捕捉できるので、イムノアッセイに使用する抗体量を減らすことができるため、コストをより低減させることが可能となる。また、使用する抗体の濃度を低くすることができるため、検出感度をより高くすることが可能となる。
【0052】
以下に、それぞれの処理について詳細に説明する。
【0053】
(放電処理)
放電処理とは、免疫反応測定用担体を製造するための担体に対して放電を行なう処理である。放電処理では、放電量、例えば放電によって流れる電流の量、および放電する時間等を制御または調整することによって、処理量を容易に制御または調整することができる。放電処理の具体例としては、例えばコロナ放電等が挙げられる。コロナ放電は、短時間で大量処理が可能であり、コストの点で有利である。
【0054】
コロナ放電を行なう場合に用いることができるコロナ放電処理装置の例について、図5を参照して説明する。図5は、コロナ放電を行なうためのコロナ放電処理装置の一例を示す図である。
【0055】
図5に示すコロナ放電処理装置20は、高周波高電圧電源21と、この高周波高電圧電源21に接続された電極22(放電電極)と、誘電体被覆電極23とを備えた装置である。電極22と誘電体被覆電極23とは、これらの間の距離が一定となるように構成されている。担体膜1を、誘電体被覆電極23に密着させ、電極22と誘電体被覆電極23との間に通させることにより、電極22から放電されたコロナ放電24が担体膜1に照射される。
【0056】
電極22には、例えば金属、クォーツなどを用いることができる。放電量は、200W・min/m以上10,000W・min/m以下であることが好ましい。担体膜1を電極22と誘電体被覆電極23との間に通す速度は、0.1m/min以上10m/min以下であることが好ましい。用いる電力は、50W以上10000W以下であることが好ましい。また、担体膜1をコロナ放電処理する回数は、1回以上50回以下であることが好ましい。
【0057】
また、誘電体被覆電極23は、誘電体が被覆された電極であり、図5では板状であるが、これに限らず、例えばロール状のものを用いてもよい。
【0058】
(エネルギー線照射による処理)
エネルギー線照射による処理とは、免疫反応測定用担体を製造するための担体に対してエネルギー線を照射する処理である。エネルギー線照射による処理では、照射するエネルギー線の量、および照射時間等を制御または調整することにより、処理量を容易に制御または調整することができる。エネルギー線とは、電磁波等が挙げられ、紫外線であることが好ましい。なお、本明細書中「紫外線」とは、波長が400nm以下150nm以上の電磁波をさす。
【0059】
紫外線を照射する場合に用いることができる紫外線照射装置の例について、図6を参照して説明する。図6は、紫外線を照射する紫外線照射装置の一例を示す図である。
【0060】
図6に示す紫外線照射装置10は、紫外線ランプ11と、照射される紫外線を測定するための紫外線測定器12とを備えた装置である。この紫外線照射装置10を用いることにより、改質処理される前の担体膜1に紫外線を照射することができる。紫外線ランプ11としては、汎用されている紫外線ランプを用いることができる。そのため、免疫反応測定用担体を低コストにて製造することができる。また、紫外線ランプ11は、複数が並べられていてもよく、多数並べられることによって、広範囲の担体膜1を照射することができ、免疫反応測定用担体の製造効率を上げることができる。
【0061】
照射する紫外線のエネルギー量は、照射強度と時間とを制御することにより制御することができる。照射する紫外線のエネルギー量は、免疫反応測定用担体に用いる材料により異なるが、例えば0.05〜100mW/cm以下であることが好ましい。
【0062】
(オゾン処理)
オゾン処理とは、免疫反応測定用担体を製造するための担体をオゾンと接触させる処理である。オゾン処理では、オゾンに接触させる時間等を制御または調整することにより、処理量を容易に制御または調整することができる。
【0063】
オゾン処理に用いるオゾンは、免疫反応測定用担体に用いる材料により異なるが、例えば一般的に入手可能な発生器を用いて発生させたガス状のオゾンであることが好ましい。このガス状のオゾンを担体に接触させることにより、オゾン処理を行なうことができる。また、オゾンの濃度は、0.1〜100g/mであることが好ましい。オゾン処理としては、例えば、一般的に入手可能な発生器を用いて発生させたガス状態のオゾンを、閉鎖空間中に設置した担体にフロー式で接触させる方法などによって行なうことができる。オゾンに接触させる時間は、オゾン濃度によるが、10秒〜50時間であることが好ましい。
【0064】
(漂白剤処理)
漂白剤処理とは、免疫反応測定用担体を製造するための担体を漂白剤に接触させる処理である。漂白剤処理では、漂白剤の濃度、漂白剤に接触させる時間等を制御または調整することにより、処理量を容易に制御または調整することができる。
【0065】
漂白剤としては、酸素系の漂白剤を用いることが好ましく、例えば過酸化水素等が挙げられる。また、免疫反応測定用担体に用いる材料により異なるが、例えば処理する漂白剤の濃度は0.1〜20%であることが好ましい。また、漂白剤処理において、担体を漂白剤に接触させる時間は1〜30分であることが好ましい。また、担体と漂白剤との接触には、超音波洗浄器を用いることが好ましい。
【0066】
<抗体X´を作製する方法>
次に、抗体X´を作製する方法の一例について説明するが、本発明における抗体X´は、以下の方法により作製されたものに限定されない。
【0067】
抗体X´は、被検物質Xを含む抗体調製用化合物を免疫源として用いて、公知の方法(例えば特許文献1に記載されている方法)により作製することができる。抗体調製用化合物は、例えば、被検物質Xのみからなっていてもよいし、被検物質Xと、免疫原性を有する高分子物質Zとの複合体であってもよい。また、抗体調製用化合物は、被検物質Xと、免疫原性を有する高分子物質Zと、前記被検物質X及び前記高分子物質Zを結合するリンカーYと、からなるX−Y−Zで表される複合体であってもよい。
【0068】
高分子物質Zとしては、免疫応答を誘導可能な限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、多糖類、タンパク質、核酸、生物あるいは環境由来の微粒子等を用いることができる。Zとして用いるタンパク質としては、例えば、スカシガイ由来ヘモシアニン(KLH)、卵白アルブミン(OVA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン、ウサギ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン、ウシガンマグロブリン等が挙げられる。
【0069】
リンカーYとしては、被検物質Xと高分子物質Zとを連結可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、高分子物質Zと共有結合を形成しうる反応性の官能基を少なくとも1種含有し、かつ、1〜20個の炭素分子鎖により構成されている化合物が好ましく、例えば、下記構造式(I)〜(III)で表される構造を含む化合物が挙げられる。
【0070】
リンカーYは、これらの中でも下記構造式(I)及び(II)で表される構造を含む化合物が好ましい。
【0071】
【化2】

【0072】
ただし、前記構造式(I)中、nは、1〜20の整数を表す。
【0073】
【化3】

【0074】
ただし、前記構造式(II)中、nは、1〜20の整数を表す。
【0075】
【化4】

【0076】
なお、構造式(I)及び(II)で表される構造のアナログとしては、例えば、
O(CHONH(ただし、Lは、1以上の整数を表す。)、
OCO(CHONH(ただし、Lは、1以上の整数を表す。)、
CH(CHCH(CHCH(ただし、n及びmは、それぞれn+m≧2を満たす整数を表す。)、
等が挙げられる。
【0077】
X−Y−Zで表される抗体調製用化合物の調製方法としては、特に制限はなく、公知の合成方法により調製することができる。例えば、リンカーYと被検物質Xとからなる化合物(以下、「ハプテン化合物」という)を合成し、これを、高分子物質Zを含む溶液中に添加し、リンカーYの反応性の官能基反応基を高分子物質Zに結合させることにより調製する方法が挙げられる。
【0078】
得られた抗体調製用化合物は、必要に応じて、免疫源として使用するのに好適な中性溶液に置換し、ろ過や透析等の公知の方法により精製することが好ましい。
【0079】
また、抗体調製用化合物は、n種(ただし、nは2以上の自然数)の被検物質X〜Xを含むものであってもよい。例えば抗体調製用化合物は、被検物質X〜Xと、免疫原性を有する高分子物質Zと、被検物質X〜X及び高分子物質Zを結合するリンカーYと、からなるn種の複合体であってもよい。このn種の抗体調製用化合物を用いることにより、被検物質X〜Xに対するn種の抗体X´〜X´を作製することができる。これらの抗体調製用化合物に用いるリンカーYは、同じ構造であることが好ましい。
【0080】
n種の被検物質X〜Xとしては、例えば、n種のPCB類の異性体等が挙げられ、n種の抗体調製用化合物としては、下記構造式で表される複合体が挙げられる。
【0081】
【化5】

【0082】
また、本発明に係る免疫反応測定用担体は、X−Y−Zで表される抗体調製用化合物を用いて作製された抗体X´を捕捉するものである場合には、リンカーYの少なくとも一部の構造、及びそのアナログのいずれかを分子中に含んだものであってもよい。
【0083】
このような免疫反応測定用担体としては、例えば、前記構造式(I)〜(III)で表される構造の少なくとも一部の構造及びそのアナログのいずれかを含む化合物が挙げられる。なかでも、前記構造式(I)及び(II)で表される構造の少なくとも一部の構造及びそのアナログのいずれかを含む化合物であることが好ましく、例えば、下記構造式(A)及び(B)で表される多糖類(例えばセルロース等)、下記構造式(C)〜(E)で表されるベンゼン骨格を含む化合物(例えば、アルキルベンゼン、アルキルフェノール等)、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロース混合エステル、リグニン、リグニンスルホン酸、及びフミン酸、並びにこれらの誘導体が挙げられる。
【0084】
【化6】

【0085】
ただし、前記構造式(A)中、Mは、O(CHONHを表し、Lは、1以上の整数を表す。
【0086】
【化7】

【0087】
ただし、前記構造式(B)中、Nは、OCO(CHONHを表し、Lは、1以上の整数を表す。
【0088】
【化8】

【0089】
ただし、前記構造式(C)中、Mは、O(CHONHを表し、Lは、1以上の整数を表し、Qは、OH及びSONaのいずれかを表す。
【0090】
【化9】

【0091】
ただし、前記構造式(D)中、Nは、OCO(CHONHを表し、Lは、1以上の整数を表し、Qは、OH及びSONaのいずれかを表す。
【0092】
【化10】

【0093】
ただし、前記構造式(E)中、Rは、CH(CHCH(CHCHを表し、n及びmは、それぞれn+m≧2を満たす整数を表し、Qは、OH及びSONaのいずれかを表す。
【0094】
また、前記構造式(III)で表される構造の少なくとも一部の構造及びそのアナログのいずれかを含む化合物としては、例えば、ポリベンゼン、ポリベンゼンビニル、アミノベンゼンスルホン酸塩リグニン、ポリフェノール等が挙げられる。
【0095】
また、免疫反応測定用担体としては、リンカーYの少なくとも一部の構造及びそのアナログのいずれかが存在しない分子に、リンカーYの少なくとも一部の構造及びそのアナログのいずれかを適宜付加したものでもよい。この付加は、リンカーYの少なくとも一部の構造、及びそのアナログのいずれかである化合物、蛋白質、核酸、ポリマー、及びこれらの複合体のいずれかを、物理的(原子間力、疎水)、電気的、または化学的(水素結合、配位結合、共有結合)に付加する公知の方法により行うことができる。
【0096】
〔免疫反応測定用担体の製造方法〕
本発明には、上述した免疫反応測定用担体の製造方法が含まれる。本発明に係る免疫反応測定用担体の製造方法は、放電処理、エネルギー線照射による処理、オゾン処理及び漂白剤処理のいずれかの改質処理を行なう工程を含むものである。
【0097】
なお、本発明に係る免疫反応測定用担体の製造方法は、免疫反応測定用担体に、放電処理、エネルギー線照射による処理、オゾン処理及び漂白剤処理のいずれかの改質処理を行なう工程を含む、免疫反応測定用担体の改質方法を含む概念である。
【0098】
〔免疫反応測定用装置〕
本発明に係る免疫反応測定用装置は、本発明に係る免疫反応測定用担体を備える限り、特に制限はなく、例えば、フロースルー式検出装置、イムノクロマトグラフィー式装置、分光光度計、マイクロプレートリーダー装置、蛍光光度計、電気化学計測装置、磁気・磁性測定装置、屈折測定装置等が挙げられるが、これらの中でもフロースルー式検出装置であることが好ましい。
【0099】
本発明に係る免疫反応測定用装置は、例えば、後述する本発明に係る免疫反応測定方法に好適に利用することができる。
【0100】
免疫反応測定用装置としては、例えば、免疫反応測定用担体を透過する透過光の光量を測定する透過光量測定部を備えていることが好ましい。透過光量測定部としては、例えば、免疫反応測定用担体を収容し、光が通過可能な貫通孔が形成されてなる測定用セルと、この測定用セルに収容された免疫反応測定用担体に光を照射させる発光部と、この発光部から免疫反応測定用担体に照射された光のうち、測定用セルに収容された免疫反応測定用担体を透過する透過光を受光し、受光した透過光の光量を測定する受光部と、により構成されることが好ましい。
【0101】
免疫反応測定用装置を用いた免疫反応測定方法としては、例えば、免疫反応測定用担体を収納した測定用セル内に、被検物質Xに対する抗体X´を添加した被検試料を送液することにより、被検試料中において被検物質Xと結合していない抗体X´を免疫反応測定用担体上に捕捉し、その捕捉量から間接的に被検試料中の被検物質Xの濃度を求める方法が挙げられる。また、被検物質Xと被検物質Xに対する抗体X´とを含む被検試料を供給した免疫反応測定用担体の抗体捕捉量と、抗体X´のみを含む基準試料を供給した免疫反応測定用担体の抗体捕捉量とから相対捕捉量を計算し、該相対捕捉量から被検試料中の被検物質Xの濃度を求める方法が挙げられる。
【0102】
<測定用セル>
測定用セルの素材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、透光性素材であってもよいし、非透光性素材であってもよい。測定用セルには光が通過可能な貫通孔が形成されているため、測定用セルを透光性素材で構成する必要はなく、そのため、測定用セルに傷が付いたり汚れたりしても、光の通過路に影響を与えることがなく、測定の誤差が生じることがない点で、有利である。中でも、測定用セルの素材としては、非透光性素材であることが、遮光性を有するため、蓋などによって遮光する必要がない点で、好ましい。
【0103】
非透光性素材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、ナイロン、PA(ポリアミド)、PC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、LCP(液晶ポリマー)、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、エラストマー、PF(フェノール樹脂)、MF(メラミン樹脂)、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)などが挙げられる。
【0104】
測定用セルにおいて、貫通孔としては、光が通過可能な孔であれば、そのサイズ等に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0105】
測定用セルにおいて、免疫反応測定用担体は、測定用セル内に収容されていれば特に制限はなく、貫通孔を通過する光が少なくとも免疫反応測定用担体の一部に照射されるように、目的に応じて適宜配置される。中でも、免疫反応測定用担体は、貫通孔から脱落しないように、貫通孔内に固定されていることが好ましい。固定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、貫通孔の内壁を付勢する免疫反応測定用担体自体の付勢力によって、貫通孔に固定されていてもよく、また、貫通孔の内壁に溝を形成し、その溝に免疫反応測定用担体の外周を当接することによって固定されていてもよい。
【0106】
測定用セルは、免疫反応測定用担体とともに一体型のディスポーザブルセルの態様としてもよく、免疫反応測定用担体のみを交換可能な構造として、繰り返し使用可能な態様としてもよい。
【0107】
測定用セルは、前記したように貫通孔が形成されているため、この貫通孔に被検試料を送液するだけで、容易に免疫反応測定用担体に被検試料を通液させることができる。また、測定用セルは、着脱可能に接続された通液手段によって、被検試料が免疫反応測定用担体に通液されるように構成されていてもよい。この通液手段としては、例えば、免疫反応測定用担体に対して被検試料が均一に流通するように、被検試料を加圧して、免疫反応測定用担体へ送液する手段などが挙げられる。具体的には、例えば、測定用セルに、シリンジ、ポンプ、遠心分離装置等を接続し、被検試料を加圧して送液する手段などが挙げられる。なお、通液手段は、さらに流量を制御する制御部を備え、加圧の動作が制御できるものであってもよい。
【0108】
<発光部>
発光部としては、少なくとも光源を備え、測定用セル中の免疫反応測定用担体に光を照射可能であるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。光源としては、例えば、レーザ、発光ダイオード、ハロゲンランプ、タングステンランプなどが挙げられる。また、発光部は、二以上の光源を備えていてもよい。
【0109】
発光部から発光される光としては、一の単色光であってもよいし、複色光であってもよいし、また、二以上の単色光であってもよいが、免疫反応測定用担体に照射される光としては、一の単色光であることが好ましい。そのため、発光部から発光される光が複色光又は二以上の単色光である場合には、発光部は、この複色光又は二以上の単色光のうち、一の単色光のみを選択でき、かつ、その選択する単色光を変更することが可能な、単色光選択部を備えることが好ましい。
【0110】
この単色光選択部によれば、発光部から発光された複色光又は二以上の単色光を、一の単色光として免疫反応測定用担体に照射することができ、さらにその単色光を他の単色光に変更することにより、例えば、免疫反応測定用担体に付着した二以上の発色物質の透過光量を測定することができる。
【0111】
<受光部>
受光部としては、発光部から免疫反応測定用担体に照射された光のうち、免疫反応測定用担体(被検試料が通液された部分)を透過した透過光を受光し、受光した光量を測定可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0112】
免疫反応測定用担体からの透過光が、複色光又は二以上の単色光である場合には、受光部は、一の単色光のみを選択でき、かつ、その選択する単色光を変更することが可能な、単色光選択部を備えることが好ましい。
【0113】
この単色光選択部によれば、免疫反応測定用担体を透過した複色光又は二以上の単色光を、一の単色光として受光することができ、さらにその単色光を他の単色光に変更することにより、例えば、免疫反応測定用担体に付着した二以上の発色物質の透過光量を測定することができる。
【0114】
免疫反応用測定用装置は、受光部により受光した光量を、電気信号の信号強度として計測可能な測定手段を備えることが好ましい。測定手段は、例えば、受光部と接続されることにより、受光部により受光した光量を、電気信号の信号強度として変換し、出力することができる。
【0115】
また、免疫反応測定用装置は、発光部と受光部との間に、反射筒を備えることが好ましい。反射筒は、免疫反応測定用担体を内包するように、発光部から照射される光の照射方向に貫通し、その内面が免疫反応測定用担体からの反射光を反射するように構成される。反射筒を備えることにより、免疫反応測定用担体により反射された光を収束することができるため、測定感度を向上させることができる。
【0116】
また、免疫反応測定用装置は、受光部で測定された透過光の光量について、基準となる光量から相対吸光度を計算する相対吸光度計算部を備えることが好ましい。具体的には、免疫反応測定用担体に光を照射し、被検物質Xを含む被検試料を供給した免疫反応測定用担体の透過光と、被検物質Xを含まない基準試料を供給した免疫反応測定用担体の透過光とから相対吸光度を計算する相対吸光度計算部を備えることがより好ましい。
【0117】
免疫反応測定用装置においては、フロー式とすることにより、被検試料(液相)と免疫反応測定用担体(固相)との接触時間が短く、被検試料中の抗体をフローにより連続的に捕捉するため、液相中の結合平衡状態を乱すことなく測定することができ、これにより、感度の低下、並びに測定を複雑にする液相と固相との競合反応を回避することができる。
【0118】
また、抗体の連続捕捉が可能であるため、液相中の抗原と抗体との結合が、抗体の親和性支配になるまで、具体的には抗体自体の平衡解離定数以下まで抗体の濃度を低くすることができ、さらに検出に必要な感度が得られるまで、信号値を増幅することができる。
【0119】
〔免疫反応測定用キット〕
本発明に係る免疫反応測定用キットは、本発明に係る免疫反応測定用担体と、被検物質Xに対する抗体X´とを含むキットである。
【0120】
本発明に係る免疫反応測定用キットは、例えば、後述する本発明に係る免疫反応測定方法に好適に利用することができる。すなわち、本発明に係る免疫反応測定用キットを用いれば、被検物質Xに対する抗体X´を添加した被検試料を免疫反応測定用担体に供給し、被検試料中において被検物質Xと結合していない抗体X´を、免疫反応測定用担体上に捕捉し、抗体X´の捕捉量から被検試料中の被検物質Xの濃度を求めることができる。
【0121】
また、免疫反応測定用キットは、抗体X´に対する二次抗体等をさらに含んでいてもよい。抗体X´及び二次抗体は、標識化されたもの(標識物質が結合したもの)であってもよいし、標識化されていないものであってもよい。また、免疫反応測定用キットは、抗体X´または二次抗体を標識するための標識物質を含んでいてもよい。
【0122】
免疫反応測定用キットに含まれる免疫反応測定用担体は、例えば、免疫反応測定用担体単独で含まれていてもよいし、この免疫反応測定用担体を収容し、光が通過可能な貫通孔が形成されてなる測定用セルの形態によって含まれていてもよいし、上述した免疫反応測定用装置の形態によって含まれていてもよい。
【0123】
また、免疫反応測定用キットは、被検試料中の夾雑物を除去するための前処理用の試薬をさらに含んでいてもよい。この前処理用の試薬は、カラム等に充填された形態であってもよい。カラムとは、被検試料を通すことにより夾雑物を除去できるカラムである。
【0124】
前処理用の試薬としては、例えば発煙硫酸含浸シリカゲル等が挙げられ、さらにシリカゲル、無水硫酸ナトリウム等と組み合わせられていてもよい。これらは、カラムに充填されることにより用いることができ、例えば最下層にアミノプロピルシリカゲル、中層に発煙硫酸含浸シリカゲル、上層に無水硫酸ナトリウムを重層させた3層カラムとして用いることができる。
【0125】
〔免疫反応測定方法〕
本発明に係る免疫反応測定方法は、被検物質Xに対する抗体X´を添加した被検試料を、本発明に係る免疫反応測定用担体に供給し、被検試料中において被検物質Xと結合していない抗体X´を、免疫反応測定用担体上に捕捉し、捕捉した抗体X´の量(捕捉量)から、被検試料中の被検物質Xの濃度を求める方法である。
【0126】
本発明に係る免疫反応測定方法は、本発明に係る免疫反応測定用担体を用いる方法であり、本発明に係る免疫反応測定用装置、または本発明に係る免疫反応測定用キットを用いて好適に実施することができる。
【0127】
被検試料は、夾雑物を除去するための前処理を行なった後に、免疫反応測定用担体に供給されることが好ましい。前処理を行なう方法としては、夾雑物を除去できる方法であればよいが、発煙硫酸含浸シリカゲルを含む多層カラムに前処理前の試料を添加し、多層カラム中で夾雑物の分解精製処理を行なう方法が好ましい。夾雑物の分解精製処理後における多層カラム中の被検物質は、n−ヘキサン等によって溶出され、溶媒をDMSOに置換された後に免疫反応測定用担体に供給されてもよい。このような方法であれば、簡易かつ迅速に前処理を行なうことができる。
【0128】
前処理を行なうことによって、抗原抗体反応に悪影響を及ぼす夾雑物を容易に除去でき、被検物質Xの濃度を正確に求めることができる。
【0129】
免疫反応測定用担体に捕捉された抗体量の測定方法としては、被検物質Xに対する抗体X´が標識物質を含む抗体である場合、該抗体X´の標識物質から発せられるシグナルを測定する方法、抗体X´に対する標識物質を含む二次抗体を用いる場合には、該二次抗体の標識物質から発せられるシグナルを測定する方法などが挙げられる。
【0130】
標識物質から発せられるシグナルを測定する方法としては、特に制限はなく、標識物質の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、標識物質が酵素の場合、該酵素と基質とを反応させた後、反応生成物の反射吸光度、蛍光吸光度、発光強度等を測定する方法などが挙げられる。また、標識物質が放射性同位体の場合は、シグナルとして放射線量を測定する方法などが挙げられる。また、標識物質が蛍光物質の場合、シグナルとして蛍光強度を測定する方法などが挙げられる。また、標識物質が発光物質の場合、シグナルとして発光強度を測定する方法などが挙げられる。また、標識物質が着色微粒子の場合、シグナルとして着色により変化する透過光量を測定する方法などが挙げられる。また、標識物質が電気化学的な反応を示す物質の場合、シグナルとして電流や電圧及び電位変化を測定する方法などが挙げられる。また、標識物質が電子スピンを示す物質の場合、シグナルとしてエレクトロ・スピン・レゾナンスのスペクトル変化を測定する方法などが挙げられる。
【0131】
これらの測定されたシグナルは、例えば、1秒毎に測定し、コンピュータなどに記録し、最終的に得られた残存シグナル値と、ベースライン値との差を測定値としてボルト単位で表す方法が好ましい。
【0132】
標識物質が着色微粒子である場合には、免疫反応測定方法としては、着色により変化する透過光量をシグナルとして測定する方法を用いることができる。
【0133】
また、本発明に係る免疫反応測定方法を用いれば、被検試料中のn種の被検物質X〜Xの濃度の総和、またはそれぞれの被検物質X〜Xの構成比(含有量比)を求めることができる。
【0134】
例えば、n種の被検物質X〜Xに対するn種の抗体X´〜X´を、被検試料中に添加し、免疫反応測定用担体上に同時に抗体X´〜X´を捕捉し、その捕捉量から被検物質X〜Xの量を総量として定量してもよい。これにより、同族体や異性体を多数含む被検物質を総量として定量する際、単一の抗体では困難であった正確な定量が、1回の測定で可能となる。
【0135】
上述のとおり、本発明に係る免疫反応測定方法は、液相と固相との競合反応を回避し、蓄積効果により、測定時の抗体濃度を該抗体自体が有する平衡解離定数以下に設定できるため、同一溶液中の複数の抗原抗体反応が、それぞれの平衡解離定数に依存して、同時にかつ非依存的に起きる。よって、被検物質がn種あっても、n種の抗体の抗原抗体反応の総和として捕らえることができる。
【0136】
また、n種の抗体が有するそれぞれの抗原に対する結合親和性を変えることにより、n種の抗原の同族体や異性体の構成比(含有量比)を明らかにすることができる。
【0137】
この場合、例えば、被検試料中の被検物質がXとX2である場合、Xに結合する抗体X´、X2に結合する抗体X´、及びX及びX2のいずれにも結合する抗体を混合する。前記被検物質XとX2とが同一の濃度である場合、測定条件の設計により、X´に由来する信号と、X´に由来する信号とを等しくすることができる。また、その総和が被検物質X及びX2のいずれにも結合する抗体に由来する信号となる。一方、XとX2の濃度がそれぞれ異なるとき、X´に由来する信号と、X´に由来する信号とは異なるが、X及びX2の濃度の総和はX及びX2のいずれにも結合する抗体に由来する信号から求められる。このように、添加する抗体の結合特異性を選択することでn種の被検物質X〜Xの構成比(含有量比)を推定することができる。
【0138】
さらに、抗体X´〜X´を単独で添加したn種の試料を用意し、各試料における抗体の捕捉量を定量し、該捕捉量から被検物質の量を定量してもよい。これにより、同族体や異性体を多数含む被検物質の組成を評価する際、同じ免疫反応測定用担体を用いて抗体の捕捉量、及び被検物質の量を定量することができる。この場合、それぞれの測定は、並列的に同時に行なうことが可能であり、並列的に行なった測定の結果から、上記のように被検物質X〜Xの構成比(含有量比)を推定することもできる。
【0139】
本発明に係る免疫反応測定用担体は、ELISA法、イムノクロマト法などの従来のイムノアッセイ向けの担体としての適用も可能であり、極めて広い応用範囲を持つ。
【0140】
本発明に係る免疫反応測定方法は、免疫反応測定用担体上に捕捉された抗体量から、被検試料中の被検物質の量を求める方法であることが好ましく、以下にその例を示す。
【0141】
標識物質から発生したシグナルの測定においては、ある濃度の抗体X´を免疫反応測定用担体に結合させた場合のシグナル強度(ブランク、例えば「F0」とする)を測定しておく。次に、被検試料に、ブランク測定時と同じ濃度の抗体X´を添加した混合液を、免疫反応測定用担体に供給し、未結合の抗体X´を結合させた場合のシグナル強度(例えば、「F1」とする)を測定する。
【0142】
ここで、被検試料中に被検物質Xが存在するとき、抗体X´は被検試料中の被検物質Xと結合するため、免疫反応測定用担体と結合する、Xと未結合の抗体X´の量は少なくなる。したがって、シグナル強度がF1<F0となるとき、被検試料中に被検物質Xが存在すると判断することができる。
【0143】
F1の低下割合が、被検試料中に含まれる被検物質Xの量と相関関係を有するため、既知の濃度の被検物質Xを用い、予め検量線を作成しておくことにより、F1の低下割合に応じて被検物質Xの定量を行うことができる。
【0144】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例】
【0145】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
【0146】
〔実施例1:コロナ放電処理〕
(抗体)
本実施例では、被検物質XとしてPCBを用いた。抗体調製用化合物に用いるリンカーYに、下記構造式(IV)で表される構造を採用し、この抗体調製用化合物を免疫源として用いて、抗体X´として抗PCBモノクローナル抗体を作製した。
【0147】
【化11】

【0148】
(免疫反応測定用担体の調製)
免疫反応測定用担体に用いる材料としては、上記構造式(IV)と類似の構造を分子中に含むセルロースの繊維体を選択した。
【0149】
この担体膜に対して、種々の放電量によりコロナ放電処理することによって改質処理を行なった後、直径約5mmの円状に切り出し、免疫反応測定用担体を調製した。
【0150】
(抗体捕捉性能の評価)
次に、これらの免疫反応測定用担体を用いて、抗体捕捉性能を評価した。抗体捕捉性能は、着色した抗体を用いて、免疫反応測定用担体の着色性能を調べることにより評価した。
【0151】
抗PCBモノクローナル抗体を常法により金コロイドで標識し、牛血清アルブミンを1g/L含む生理食塩水に溶解し、抗体溶液を得た。
【0152】
次に、免疫反応測定用担体を、抗体溶液を通液可能なホルダー(測定用セル)内に設置した。ホルダーには直径3mmの穴部が設けられており、抗体溶液は、この穴部に接続した注射器からホルダー内に通液されることにより、免疫反応測定用担体に通される。
【0153】
免疫反応測定用担体の抗体捕捉性能の評価は、抗体溶液4mLを注射器にとり、接続されたポンプによって8.5mL/minの一定流速で通液させることにより行なった。抗体溶液を通液させた後、同じ流速で抗体を含まない牛血清アルブミンを1g/L含む生理食塩水1mLを通液した後、担体を乾燥させ、ホルダーの透過光量を測定した。
【0154】
なお、抗体溶液を通液する前に、ホルダーの透過光量を測定した。そして、抗体溶液を通液する前後の透過光量の変化を、抗体の捕捉性能の指標とした。透過光量の測定は、ホルダーを挟む位置に光源(発光部)とフォトダイオード(受光部)とを備え、免疫反応測定用担体を通過する光の透過を電気信号として計測できる装置(免疫反応測定用装置)を用いて行なった。
【0155】
測定した透過光量から、免疫反応測定用担体の着色度を算出した。なお、免疫反応測定用担体に捕捉される抗体量が多いほど、標識金コロイドに由来する担体上の赤色が濃くなるため、着色度は高くなるとともに、測定される信号値は小さくなる。
【0156】
この結果を図1に示す。図1は、本発明の一実施例における免疫反応測定用担体について、放電量(W・min/m)と着色性との関係を示すグラフである。図1に示すように、高い放電量でコロナ放電処理した免疫反応測定用担体ほど、着色性が向上した。したがって、コロナ放電処理によって抗体捕捉性能が向上することが示された。
【0157】
〔実施例2:紫外線照射処理〕
(免疫反応測定用担体の調製)
実施例1で用いた方法と同じ方法により担体膜を調製した。次に、調製した担体膜に対して、種々の照射(暴露)時間にて紫外線(UV)を照射することによって改質処理を行ない、免疫反応測定用担体を調製した。紫外線の照射時間は、それぞれ0時間、2時間、4時間、6時間とした。
【0158】
(抗体捕捉性能の評価)
次に、これらの免疫反応測定用担体を用いて、実施例1と同様の方法により、抗体捕捉性能を評価した。その結果を図2に示す。図2は、本発明の他の実施例における免疫反応測定用担体について、紫外線照射時間(分)と着色性との関係を示すグラフである。図2に示すように、免疫反応測定用担体は、改質処理における紫外線の照射時間が長いほど、すなわち照射するエネルギー量が多いほど、着色性能が向上した。したがって、紫外線照射により抗体捕捉性能が向上することが示された。
【0159】
〔実施例3:オゾン処理〕
(免疫反応測定用担体の調製)
実施例1で用いた方法と同じ方法により担体膜を調製した。次に、調製した担体膜を、生成させたガス状のオゾン(濃度4g/m)に閉鎖系空間で接触させることによって改質処理を行ない、免疫反応測定用担体を調製した。オゾン処理に供した時間は、それぞれ0時間、5時間、10時間、15時間、20時間とした。
【0160】
(抗体捕捉性能の評価)
次に、これらの免疫反応測定用担体を用いて、実施例1と同様の方法により、抗体捕捉性能を評価した。その結果を図3に示す。図3は、本発明の他の実施例における免疫反応測定用担体について、オゾン処理時間(時間)と着色性との関係を示すグラフである。図3に示すように、免疫反応測定用担体は、改質処理におけるオゾン処理時間が長いほど、着色性能が向上した。したがって、オゾン処理により抗体捕捉性能が向上することが示された。
【0161】
〔実施例4〕
(免疫反応測定用担体の調製)
実施例1で用いた方法と同じ方法により担体膜を調製した。次に、調製した担体膜を、過酸化水素を含む酸素系漂白剤(濃度:2%)に接触させる処理(漂白剤処理)を行なうことによって改質処理を行ない、免疫反応測定用担体を調製した。漂白剤処理に供した時間(漂白時間)は、それぞれ0分、10分、30分とした。
【0162】
(抗体捕捉性能の評価)
次に、これらの免疫反応測定用担体を用いて、実施例1と同様の方法により、抗体捕捉性能を評価した。その結果を図4に示す。図4は、本発明の他の実施例における免疫反応測定用担体について、漂白時間(分)と着色性との関係を示すグラフである。図4に示すように、免疫反応測定用担体は、改質処理における漂白剤処理を行なう時間が長いほど、着色性能が向上した。したがって、漂白剤処理により抗体捕捉性能が向上することが示された。
【産業上の利用可能性】
【0163】
本発明に係る免疫反応測定用担体は、均一かつ高密度に抗体を捕捉することにより被検物質を高感度に検出する性能を保持でき、かつ、その捕捉性能を容易に制御(調整)できるので、各種イムノアッセイに用いる担体として好適に使用できるとともに、各種イムノアッセイに用いる装置、キット、方法等に好適に利用でき、特に、環境汚染物質等の低分子量の有害物質、ビタミン様物質等の低分子量の測定に好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検物質Xに対する抗体X´を捕捉するものであって、放電処理、エネルギー線照射による処理、オゾン処理及び漂白剤処理のいずれかの改質処理をされた、免疫反応測定用担体。
【請求項2】
セルロース、フミン酸、ニトロセルロース、リグニンスルホン酸、アルキルベンゼン、アルキルフェノール、セルロースアセテート、セルロース混合エステル、及びジオール導入ポリマー、並びにこれらの誘導体の少なくともいずれかにより構成される、請求項1に記載の免疫反応測定用担体。
【請求項3】
繊維体からなる、請求項1または2に記載の免疫反応測定用担体。
【請求項4】
前記抗体X´が、1種類以上のモノクローナル抗体、1種類以上のポリクローナル抗体、及びこれらの混合物のいずれかである、請求項1から3のいずれか1項に記載の免疫反応測定用担体。
【請求項5】
前記抗体X´は、前記被検物質Xと、免疫原性を有する高分子物質Zと、前記被検物質X及び前記高分子物質Zを結合するリンカーYと、からなるX−Y−Zで表される複合体を用いて作製された抗体であり、
前記リンカーYの少なくとも一部の構造、及びそのアナログのいずれかを分子中に含むものである、請求項1から4のいずれか1項に記載の免疫反応測定用担体。
【請求項6】
前記リンカーYが、下記構造式(I)及び(II)のいずれかで表される構造を含む、請求項5に記載の免疫反応測定用担体。
【化1】

(前記構造式(I)及び(II)中、nは、1〜20の整数を表す。)
【請求項7】
n種(ただし、nは2以上の自然数)の被検物質X〜Xと、免疫原性を有する高分子物質Zと、前記被検物質X及び前記高分子物質Zを結合するリンカーYと、からなるn種の複合体を用いて作製された前記被検物質X〜Xに対するn種の抗体X´〜X´を捕捉するものである、請求項5または6に記載の免疫反応測定用担体。
【請求項8】
被検物質Xに対する抗体X´を捕捉する免疫反応測定用担体の製造方法であって、
放電処理、エネルギー線照射による処理、オゾン処理及び漂白剤処理のいずれかの改質処理を行なう工程を含む、免疫反応測定用担体の製造方法。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1項に記載の免疫反応測定用担体を備える、免疫反応測定用装置。
【請求項10】
前記免疫反応測定用担体を収容し、光が通過可能な貫通孔が形成されてなる測定用セルと、
前記測定用セルに収容された前記免疫反応測定用担体に光を照射する発光部と、
前記発光部から前記免疫反応測定用担体に照射された光のうち、前記測定用セルに収容された前記免疫反応測定用担体を透過する透過光を受光し、受光した前記透過光の光量を測定する受光部と、
を備える、請求項9に記載の免疫反応測定用装置。
【請求項11】
請求項1から7のいずれか1項に記載の免疫反応測定用担体と、前記抗体X´とを含む、免疫反応測定用キット。
【請求項12】
光が通過可能な貫通孔が形成されてなる測定用セルと、
被検試料中の夾雑物を除去するための前処理用の試薬とを含み、
前記測定用セルは前記免疫反応測定用担体を収容する、請求項11に記載の免疫反応測定用キット。
【請求項13】
被検物質Xに対する抗体X´を添加した被検試料を、請求項1から7のいずれか1項に記載の免疫反応測定用担体に供給し、
前記被検試料中において前記被検物質Xと結合していない前記抗体X´を、前記免疫反応測定用担体上に捕捉し、
前記抗体X´の捕捉量から前記被検試料中の前記被検物質Xの濃度を求める、免疫反応測定方法。
【請求項14】
被検物質Xを含む被検試料を供給した前記免疫反応測定用担体の抗体捕捉量と、被検物質Xを含まない基準試料を供給した前記免疫反応測定用担体の抗体捕捉量とから相対抗体捕捉量を計算し、該相対抗体捕捉量から前記被検試料中の前記被検物質Xの濃度を求める、請求項13に記載の免疫反応測定方法。
【請求項15】
被検物質Xに対する抗体X´が標識物質を含み、該標識物質に由来する発色を測定する、請求項13または14に記載の免疫反応測定方法。
【請求項16】
免疫反応測定用担体上に捕捉された抗体を、標識物質を含む二次抗体と反応させる、請求項13から15のいずれか1項に記載の免疫反応測定方法。
【請求項17】
前記標識物質が、酵素、放射性同位元素、蛍光物質、及び着色微粒子のいずれかである、請求項15または16に記載の免疫反応測定方法。
【請求項18】
被検物質が、PCB、ダイオキシン、ホルモン、ビタミン類、農薬、重金属、多環芳香族類、及び臭素系難燃剤のいずれかである、請求項13から17のいずれか1項に記載の免疫反応測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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