説明

児童の所在位置確認装置

【課題】児童の所在を確認することができる簡易な所在位置確認装置を提供する。
【解決手段】複数の確認ホルダー部材3Aと所在表示部材2で構成され、前記確認ホルダー部材3Aは、複数の建造物の壁部に固定され、表面に輪郭に凹部を有するカバー部材5と、それぞれのカバー部材の受け凹部にそれぞれ第1のキャラクター部とを備え、前記所在表示部材2は、前記カバー部材の受け凹部に嵌合する基体と、基体に設けられるバッグ8等の着脱部8aと、前記基体の表面を膨出するマーク部と、このマーク部の表面に前記第1のキャラクター部に一致する第2のキャラクター部とを備え、前記確認ホルダー部材3Aと前記所在表示部材2は着磁可能で、移動時に一方の建造物Aの確認ホルダー部材3Aからバッグ8等の肩紐部8aに取り付けられて移動し、他方の建造物の確認ホルダー部材に着磁され、第1のキャラクター部に第2のキャラクター部が被せられて膨出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
児童のバッグ等に設けて児童の所在を確認するための装置に係る。
【背景技術】
【0002】
幼稚園や学校では、壁掛け用のフックに児童のバッグ等を掛けているが、壁掛け用のフックは児童の手が届く壁面高さに設置され、先端が細くなっているものが多い。そのために、フックの周辺で遊んでいる際、フックによって児童が怪我をすることがある。上記事情に鑑みてこの種の壁掛け用のフックは、突起のある先端部を面取りし、丸みを帯びた形に成形されている。
【0003】
児童が通学途中あるいは下校途中で事故に巻込まれるケースが増えてきたために、保護者からは児童の所在を確認できるシステムが望まれている。前述のシステムとしては、例えば、特許文献1、2に記載のものがある。
特許文献1に記載のシステムは、GPS機能を有する携帯電話器(児童側)から無線受信手段(管理者側あるいは保護者側)へ位置情報を送信し続けてもらうことで、携帯電話器の位置を追跡できるものとなっている。特許文献2に記載のシステムは、見守り対象者にはタグ装置を、見守り保護者には保護者用端末を所持させ、タグ装置と保護者用端末との通信を可能とするサーバ装置によって、見守り対象者がサーバ装置の設置箇所に到達した際の到達記録を取得保持するとともに、保護者用端末へ到達記録をメール送信するものとなっている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−017027号公報。
【特許文献2】特開2004−086394号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の壁掛け用のフックは、丸みを帯びたとしても突起のある先端部が存在しているものであるため、児童の衣服の一部に突起部が引っ掛かることにより転倒する。あるいは、フックの周辺で遊び、接触することによって児童が怪我をすることがあるなどの何らかの危険性は避けることはできていない。
また、児童は、自分の壁掛け用のフックが決められている場合には、自分のフックを間違う、あるいは位置を忘れてしまうことがある。逆に壁掛け用のフックが決められていない場合には、フックに対して特段の意識を持つことがない。
【0006】
一方、特許文献1に記載のシステムでは、学校への携帯電話器自体の持込みを禁止するか、あるいは放課後まで教員が一時的に預かるといった対応をとっているため、携帯電話器を利用して児童の所在を確認するシステムが充分に機能しない。
特許文献2に記載のシステムでは、見守り対象者の行動拠点となる場所にサーバ装置を各所に設ける必要がある。そのため、実際の使用においては大きな設備投資が必要となる。
【0007】
そこで、本発明者は、児童の行動パターンを繰り返し研究し、データ収集した。児童に対しては、何らかの意欲を湧かせたり、興味を持たせることが必要であった。保護者や教師等からは、安全性の高いもので、簡易なものが望まれていた。
すなわち、保護者や教師等にとっては、最低限児童が日常的にいる自宅や学校、塾等における所在をすばやく確認することができればよく、その後の対応を迅速にできることになる。つまりは、必ずしも携帯電話器を使用する必要はなく、大掛りな設備を必要としない装置であることが好ましい。
【0008】
そこで本発明は、児童の自覚と知育を促す壁掛け機能を有するとともに、児童の所在をすばやく確認することができ、かつ日常的に使用可能で簡易な所在位置確認装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る所在位置確認装置は、複数の建造物にそれぞれ設けられる複数の確認ホルダー部材とこの確認ホルダー部材に着脱して所在を確認する所在表示部材との組合せから構成され、前記複数の確認ホルダー部材は、複数の建造物の壁面等にそれぞれ固定され表面には所望の輪郭に凹設される受け凹部を有するカバー部材と、それぞれのカバー部材の受け凹部にそれぞれ同一に表示される第1のキャラクター部とを備え、前記所在表示部材は、前記カバー部材の受け凹部に嵌合する基体と、基体に設けられるバッグ等の着脱部と、前記基体の表面を膨出するマーク部と、このマーク部の表面に表示され前記第1のキャラクター部に一致するキャラクターを表示する第2のキャラクター部とを備え、前記確認ホルダー部材と前記所在表示部材は着磁可能に設けられ、前記所在表示部材は移動に際して一方の建造物の確認ホルダー部材から取り外されてバッグ等の肩紐部に取り付けされて移動し、他方の建造物の確認ホルダー部材に着磁され、第1のキャラクター部に第2のキャラクター部が被せられて膨出することを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、受け凹部を有するカバー部材を備える確認ホルダー部材が複数の建造物に設置され、所在表示部材の有無によって児童の存在または不在を示す。
所在表示部材は一方の建造物の確認ホルダー部材の受け凹部に着磁し、一方の建造物における存在を表示する。そして、表示すると同時に所在表示部材がバッグ等の壁掛け部となる。
他方の建造物への移動においては、確認ホルダー部材の受け凹部から所在表示部材を取外してバッグ等の肩紐部に取付けられて移動する。移動完了後は、他方の建造物における確認ホルダー部材に所在表示部材を着磁し、他方の建造物における存在を表示する。そして、表示すると同時に所在表示部材がバッグ等の壁掛け機能を有する所在表示部材となる。
【0011】
また、所在表示部材を受け凹部に着磁する際、受け凹部に表示されている第1のキャラクター部と、マーク部に表示されている第2のキャラクター部は同一のものとなっている。つまり、児童は自己のキャラクター部を自覚し、間違いなく第2のキャラクター部を選んで着磁する。その際、輪郭によっても第2のキャラクター部の選択が保証される。
さらに、所在表示部材を確認ホルダー部材の受け凹部に着磁すると、受け凹部に対してマーク部が膨出することで所在が表示される。
【0012】
また本発明に係る所在位置確認装置は、前記所在表示部材は、輪郭に規制されつつ下側の基体と表側のマーク部とに分割され、基体とマーク部とがヒンジを設けて開閉自在とする輪郭部の側面にバッグ等の着脱部が形成されることを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、ヒンジによって基体とマーク部が開閉自在となり、開放状態にしてバッグ等の肩紐部を着脱部に嵌め込み、基体の嵌合溝とマーク部の嵌合突起を嵌め合わせることによって閉止する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の建造物におけるいずれかの確認ホルダー部材の所在表示部材の有無を確認することで簡易的に児童の存在あるいは不在を確認することができるとともに、確認ホルダー部材が簡易であるために、容易に設置することができる。
また、所在表示部材のマーク部は、確認ホルダー部材の受け凹部に着磁した際には、膨出している状態となるので、使用における安全性を高めることが出来た。
【0015】
また、確認ホルダー部材は複数の建造物にそれぞれ設置され、いずれかの建造物の確認ホルダー部材に所在表示部材が着磁するので、自己の持ち物として認識したものを決められた場所へ設置する習慣を養うことを通じて、児童に物を片付ける習慣を養うことができる。
【0016】
さらに、確認ホルダー部材と所在表示部材に設けられている第1のキャラクター部と第2のキャラクター部は相互に一致しているため、所在表示部材は、特定の確認ホルダー部材に着磁され、児童が他の所在表示部材と見間違うことがない。
さらにまた、児童の使用したいキャラクターが同一であっても輪郭形状を違えることで、児童の好みに合わせたキャラクターを表示させることができるので児童に楽しく使用してもらうことができる。
【0017】
なお、本発明によれば、肩紐部を着脱部に嵌め込む構造となっているため、基体の嵌合溝とマーク部の嵌合突起の嵌合が解除された場合においても、所在表示部材が落ちることがなく、児童にとっても使用勝手を覚え易い構造となっている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一方の建造物(自宅)における第一の実施形態を示す概略図である。
【図2】本発明の他方の建造物(教室)における第一の実施形態を示す概略図である。
【図3】本発明の第一の実施形態を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の第一の実施形態の所在表示部材をバッグに取付けた場合を示す斜視図である。
【図5】(a)は本発明の所在表示部材の第一の実施形態を示す正面図、(b)は本発明の所在表示部材の第一の実施形態を示す背面図、(c)は本発明の所在表示部材の第一の実施形態を示す平面図、(d)は本発明の所在表示部材の第一の実施形態を示す底面図、(e)は本発明の所在表示部材の第一の実施形態を示す右側面図、(f)は図5(a)のA−A断面図である。
【図6】(a)は本発明のカバー部の第一の実施形態を示す正面図、(b)は本発明のカバー部の第一の実施形態を示す背面図、(c)は図6(a)のB−B断面図である。
【図7】(a)は本発明の取付け座の第一の実施形態を示す正面図、(b)は図7(a)のC−C断面図である。
【図8】本発明のカバー部材の他の実施形態を示す正面図である。
【図9】本発明の所在表示部材の他の実施形態を示す正面図である。
【図10】本発明の第一の実施形態の所在表示部材を別のバッグに取り付けた場合を示す斜視図である。
【図11】本発明の第二の実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に本発明の所在位置確認装置について図面に示す第一の実施形態に基づき説明する。
【0020】
図1〜図7は本発明の第一の実施形態を示す。
所在位置確認装置1は、図1、図2に示すように、複数の建造物A、B…にそれぞれ設けられる複数の確認ホルダー部材3A、3B…と、この確認ホルダー部材3A、3B…に着脱して所在を確認する所在表示部材2との組合せから構成されている。ここで、建造物Aとしては自宅、建造物Bとしては幼稚園を示す。
【0021】
前記複数の確認ホルダー部材3A、3B…は、複数の建造物A、B…の壁面4A、4B…にそれぞれ児童の手が届く高さに設置され、表面には所望の輪郭に凹設される受け凹部5aを有するカバー部材5と、それぞれのカバー部材5の受け凹部5bには、それぞれ同一の第1のキャラクター部9が表示されている。
ここで、第1のキャラクター部9に表示されているキャラクターは、児童の好む漫画のキャラクターや写真、色彩等であることが好ましい。
【0022】
確認ホルダー部材3は、図3に示すように、カバー部5と取付け座6とから構成することができる。上記カバー部5は、正面視を略正方形に成形するとともに、裏面には取付け座6を嵌め入れる略正方形の嵌合凹部5aを、正面には所在表示部材2を受け入れる所望の輪郭に凹設される受け凹部5bを成形している。なお、確認ホルダー部材3の素材としては、合成樹脂で成形することが好ましい。
さらに、嵌合凹部5aの一側面中央部には切欠き溝5cを、対向する側面の中央内側には嵌合溝5dを形成する一方、受け凹部5bには、第2のキャラクター部10と同一の第1のキャラクター部9が表示され、磁石5eが埋め込まれている。
ここで、受け凹部5bの所望の輪郭部5fの形状は、円形形状としている。
【0023】
取付け座6は、嵌合凹部5aに嵌合する略正方形に成形するとともに、四隅にはねじ孔6a…とテーパ部6b…をそれぞれ形成し、側面中央部には係止突起6c…を、側面近傍には、弾性を付与する間隙6d…が側面に沿ってそれぞれ形成している。
ここで、テーパ部6b…が形成されていることにより、ねじ7の頭部は取付け座6に埋没し、取付け座6とカバー部5の嵌合を阻害しないように形成されている。
【0024】
前記所在表示部材2は、図3〜図5に示すように、前記カバー部材5の受け凹部5aに嵌合する基体2aと、基体2aに設けられるバッグ8等の肩紐部8aの着脱部2e,2eと、前記基体2aの表面を膨出するマーク部2bとが備えられ、このマーク部2bの表面には、第1のキャラクター部9と一致する第2のキャラクター部10が表示されている。
ここで、前述の第1のキャラクター部9と同一の第2のキャラクター部10は、後述する受け凹部5b、マーク部2bのそれぞれの輪郭部5f、2hにあわせてキャラクターとの一体感を表すことが好ましい。
【0025】
また、前記確認ホルダー部材3と前記所在表示部材2には、着磁可能なものとして磁石5e、2gが設けられている。前記所在表示部材2は移動に際して、例えば、一方の自宅Aの玄関壁部4Aの確認ホルダー部材3Aから取り外されてバッグ8の肩紐部8aに取り付け移動し、他方の幼稚園Bの教室壁部4Bにおいて肩紐部8aから確認ホルダー部材3Bに着磁され、第1のキャラクター部9に第2のキャラクター部10が被せられて膨出して表示する。ここでバッグ8は、所在表示部材2から取り外してもよい。
【0026】
所在表示部材2は、全体として略円盤形を呈し、嵌合凹部5aの輪郭形状に一致する基体2aとマーク部2bとがヒンジ2cによって開閉自在に連結形成されている。マーク部2bは、ヒンジ2cと対向する縁部に嵌合溝2dと嵌合する嵌合突起2fを形成している。
一方、基体2aは、ヒンジ2cと対向する縁部の内側に嵌合溝2dを形成するとともに、前記ヒンジ2cと前記嵌合溝2dを結ぶ線と直交する方向、あるいはヒンジ2cの側面に着脱部2e、2eが所定の幅をもって形成し、底部には磁石2gが埋め込まれている。
ここで、基体2aとマーク部2bの輪郭部2hは、受け凹部5bの輪郭部5fに一致しており、着脱部2e、2eにおける所定の幅は、バッグ8の肩紐部8aを挿通することができる幅となっている。
【0027】
本発明の第一の実施形態は、上述のように構成されるもので、次に使用の手順に従ってさらに説明することにする。
例えば、児童Pの所在を確認する位置、自宅Aの玄関壁部4Aに取付け座6を設置し、ねじ孔6a…にねじ7…を挿入し、玄関壁部4Aに螺入することで取付け座6を玄関壁部4Aに固定し、取付け座6とカバー部5の嵌合凹部5aを嵌め合わせて、確認ホルダー部材3Aを形成する。一方、幼稚園Bの教室壁部4Bにも自宅Aの玄関壁部4Aと同様の手順で取り付ける。
さらに、確認ホルダー部材3Aには、所在表示部材2が着磁し、所在表示部材2の嵌合溝2dにはバッグ8等の肩紐部8aが掛けられている。児童Pは肩紐部8aの所在表示部材2が邪魔とならないで、第1のキャラクター部9を見ながら移動する。
【0028】
児童Pは、予め自宅Aの玄関壁部4Aに設置されている確認ホルダー部材3Aに着磁し、バッグ8等が掛けられている所在表示部材2をバッグ8等を手に取る際に一緒に確認ホルダー部材3Aから外すと同時に、確認ホルダー部材3Aが児童の不在を表示する。
さらに、所在表示部材2の基体1aとマーク部2bをヒンジ2cによって開放し、開放状態でバッグ8等の肩紐部8aを着脱部2e、2eに嵌め込み、基体1a側の嵌合溝2dとマーク部2b側の嵌合突起2fを嵌合させて装着してから外出する。
【0029】
児童Pが、他の所在を確認する位置、幼稚園Bの教室壁部4Bに到着すると、肩紐部8aに装着されている所在表示部材2の基体2aとマーク部2bをそれぞれ摘み、引くことで嵌合溝2dと嵌合突起2fの嵌合状態を解除し、肩紐部8aを着脱部2e、2eから外すことで、所在表示部材2を装脱する。
さらに、装脱した所在表示部材2を他の確認ホルダー部材3Bに着磁させて、幼稚園Bにおける所在を表示する。
ここで、着磁させる確認ホルダー部材3Bに表示されている第1のキャラクター部9と第2のキャラクター部10は一致しており、表示されているキャラクターは、児童の好むものとすることが好ましい。
【0030】
第1の実施形態によると、確認ホルダー部材3A、3B…における所在表示部材2の有無を確認することで簡易的に児童Pの存在あるいは不在を確認することができるとともに、確認ホルダー部材3A、3B…は簡易なものであるため、容易に複数の建造物A、B…に設置することができる。
一方、所在表示部材2のマーク部2bは、確認ホルダー部材3A、3B…の受け凹部5bに着磁した際、膨出している状態となるので、使用において安全なものになっている。
つまり、児童にとっては、所在位置確認装置を日常的に自発的使用することとなるので、興味を持って楽しく利用することができるとともに、簡易的で、かつ、知育を促すものであることが好ましい。
【0031】
さらに、所在表示部材2と確認ホルダー部材3A、3B…は、磁石2g、5eによる脱着であるため、児童Pにとっては、使用方法が理解し易い所在位置確認装置1となっている。
【0032】
また、確認ホルダー部材3A、3B…と所在表示部材2に設けられている第1のキャラクター部9と第2のキャラクター部10は相互に一致しているため、所在表示部材2は、特定の確認ホルダー部材3A、3B…に着磁され、児童が他の所在表示部材と見間違うことがない。
なお、児童Pの使用したいキャラクターが同一であっても輪郭形状を違えることで、児童Pの好みに合わせたキャラクターを表示させることができるので、児童に楽しく使用してもらうことができる。
【0033】
さらに、第1のキャラクター部9と第2のキャラクター部10に児童の好む漫画のキャラクターや写真、色彩等が表示されているので、児童Pは楽しみながら所在位置確認装置1を使用することができる。つまりは、キャラクターが児童への使用の習慣を促すものとなっている。
【0034】
一方で所在位置確認装置1の交換、つまりは壁部4からの取付け座6とカバー部5の取外しにおいては、カバー部5に設けられている切欠き溝5cにドライバー等を差込み、取付け座6の嵌合突起6cを押圧すると同時に、嵌合突起6c側の側面が間隙6dを利用して変形し、嵌合突起6c、6cと切欠き溝5c、嵌合溝5dの嵌合状態が解除され、カバー部5を取付け座6から取り外し、所在位置確認装置1を交換することができる。
つまり、所在位置確認装置1の交換が容易であるため、学年が上がることによって教室が変わった場合には、所在位置確認装置1を移動させ、長く使ってもらうことができ、児童の入学時、卒業時においては、取り外して新児童の好みの変化に柔軟に対応し易いものとなっている。
【0035】
図8〜図11は、本発明の第二の実施形態における所在位置確認装置である。第二の実施形態は、第一の実施形態における受け凹部5c、基体2a、マーク部2bの輪郭部2h、5fを星形に成形したものである。ここで、上記輪郭部2h、5fは、三角形状、四角形状等であってもよい。
また、学校Cの教室壁部4Cには、予め複数の確認ホルダー部材3C(1,1)…3C(m,n)が設置され、第2のキャラクター部10と同一の第1のキャラクター部9で、かつ、所在表示部材2の輪郭部2hと同一形状の輪郭部5fを有する確認ホルダー部材3Bに着磁する。
【0036】
第二の実施形態は、児童Pの所在を簡易的に確認する形態であり、使用の手順については第一の実施形態において、所在表示部材2の嵌合溝2dにバッグ8等の肩紐部8aを掛け、所在表示部材2が確認ホルダー部材3の受け凹部5bに着磁する点を除き同様であるため省略する。
【0037】
本実施形態によると、受け凹部5bに印刷される第1のキャラクター部9とマーク部2bに印刷される第2のキャラクター部10のみならず、所在表示部材2の形状ならびに受け凹部5bの形状によっても、識別することができるものとなっている。
つまり、所在位置確認装置1で使用されているキャラクターが、同一であったとしても輪郭部2h、5fの形状を違えることにより、所在位置確認装置1を識別することができ、児童Pの要望もかなえることができる。
また、所在表示部材2の輪郭形状が星形となっているため、確認ホルダー部材3の嵌合凹部5aに所在表示部材2を着磁させ、嵌合溝2dにバッグ8等の肩紐部8aを掛けた場合においても、バッグ8の重量によって所在表示部材2が回転してしまうことがない。
【0038】
また、本実施形態によると、教室壁部4Cを見て、所在表示部材2の有無を確認するだけで児童Pの出欠の確認が出来き、簡易的な所在の確認装置としてだけでも使用することが出来る。
【0039】
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って、本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【符号の説明】
【0040】
1 所在位置確認装置
2 所在表示部材
2a 基体
2b マーク部
2c ヒンジ
2d 嵌合溝
2e 着脱部
2f 嵌合突起
2g 磁石
2h 輪郭部
3、3A、3B、3C… 確認ホルダー部材
4 壁部
4A 玄関壁部
4B、4C 教室壁部
5 カバー部材
5a 嵌合凹部
5b 受け凹部
5c 切欠き溝
5d 嵌合溝
5e 磁石
5f 輪郭部
6 取付け座
6a ねじ孔
6b テーパ部
6c 嵌合突起
6d 間隙
7 ねじ
8 バッグ
8a 肩紐部
9 第1のキャラクター部
10 第2のキャラクター部
A、B、C… 建造物
A 自宅
B 幼稚園
C 学校
P 児童

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の建造物にそれぞれ設けられる複数の確認ホルダー部材とこの確認ホルダー部材に着脱して所在を確認する所在表示部材との組合せから構成され、
前記複数の確認ホルダー部材は、複数の建造物の壁面等にそれぞれ固定され表面には所望の輪郭に凹設される受け凹部を有するカバー部材と、それぞれのカバー部材の受け凹部にそれぞれ同一に表示される第1のキャラクター部とを備え、
前記所在表示部材は、前記カバー部材の受け凹部に嵌合する基体と、基体に設けられるバッグ等の肩紐部の着脱部と、前記基体の表面を膨出するマーク部と、このマーク部の表面に表示され前記第1のキャラクター部に一致するキャラクターを表示する第2のキャラクター部とを備え、
前記確認ホルダー部材と前記所在表示部材は着磁可能に設けられ、前記所在表示部材は移動に際して一方の建造物の確認ホルダー部材から取り外されてバッグ等の肩紐部に取付けされて移動し、他方の建造物の確認ホルダー部材に着磁され、第1のキャラクター部に第2のキャラクター部が被せられて膨出する児童の所在確認装置。
【請求項2】
前記所在表示部材は、輪郭に規制されつつ下側の基体と表側のマーク部とに分割され、基体とマーク部とがヒンジを設けて開閉自在とする輪郭部の側面にバッグ等の着脱部が形成されることを特徴とする請求項1記載の児童の所在確認装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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