説明

入力支援プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法

【課題】文例に関する情報に基づいて利便性の高い機能の提供に寄与すること。
【解決手段】入力支援プログラムと該入力支援プログラム以外の他のプログラムとを実行するコンピュータに、読み情報に対応付けて文例を記憶する文例記憶部を用いて、読み情報の入力に応じ、該読み情報に対応する文例を表示させ、表示された文例の中から選択された文例に含まれる各単語について、単語情報記憶部が記憶する利用回数を更新し、複数の文字列を前記他のプログラムより受け付け、前記複数の文字列のそれぞれに一致する前記単語の前記利用回数を用いて、前記複数の文字列に含まれる各文字列について、該他のプログラムにて該複数の文字列が表示される際の表示順序を決定し、前記複数の文字列の各々と、決定された表示順序とを対応付けた情報を前記他のプログラムに出力する処理を実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書の入力を支援する入力支援プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、文書の入力負担を軽減するため、利用頻度の高い文例を予め記憶し、読みの入力に応じて、当該読みに対応する文例を入力候補として提示するソフトウェアがある。このようなソフトウェアの中には、過去の利用頻度に応じた順序で、読みに対応する文例を表示するものもある(例えば、特許文献1)。
【0003】
利用頻度の高い文例が上位に表示されることで、文書の入力負担は、更に軽減されうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−216757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、文例に関する情報は、上記ソフトウェア内に閉じられていた。すなわち、他のアプリケーションプログラム等は、当該文例に関する情報を知る術がなかった。文例として登録されている文字列や、どのような文例の利用頻度が高いかといった情報は、ユーザ(一人には限られない。)の属性(例えば、所属、氏名、識別番号、住所等)を知る手がかりとなりうる。したがって、文例に関する情報の用途を、文例の表示順以外に拡張することにより、更に利便性の高い機能の提供が可能であると考えられる。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、文例に関する情報に基づいて利便性の高い機能の提供に寄与することのできる入力支援プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで上記課題を解決するため、入力支援プログラムと該入力支援プログラム以外の他のプログラムとを実行するコンピュータに、読み情報に対応付けて文例を記憶する文例記憶部を用いて、読み情報の入力に応じ、該読み情報に対応する文例を表示させ、表示された文例の中から選択された文例に含まれる各単語について、単語情報記憶部が記憶する利用回数を更新し、複数の文字列を前記他のプログラムより受け付け、前記複数の文字列のそれぞれに一致する前記単語の前記利用回数を用いて、前記複数の文字列に含まれる各文字列について、該他のプログラムにて該複数の文字列が表示される際の表示順序を決定し、前記複数の文字列の各々と、決定された表示順序とを対応付けた情報を前記他のプログラムに出力する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
文例に関する情報に基づいて利便性の高い機能の提供に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態における情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における情報処理装置のソフトウェア構成例を示す図である。
【図3】文例表示及び入力処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図4】文例辞書記憶部の構成例を示す図である。
【図5】構成単語情報記憶部の構成例を示す図である。
【図6】文例表示及び入力処理の第一の具体例を示す図である。
【図7】文例表示及び入力処理の第二の具体例を示す図である。
【図8】構成単語の利用回数の更新処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図9】業務アプリケーションの業務画面の初期化時の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図10】値リストの設定後の業務画面の状態の一例を示す図である。
【図11】値リストの再設定後の業務画面の状態の一例を示す図である。
【図12】注目値の問い合わせ処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図13】問い合わせデータの構成例を示す図である。
【図14】値リストの再設定処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図15】注目値リストデータの構成例を示す図である。
【図16】注目値の問い合わせに応じて実行される処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図17】利用度算出処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図18】利用度算出用ワークテーブルの構成例を示す図である。
【図19】注目値リストデータの応答処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態における情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。図1の情報処理装置10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、インタフェース装置105、表示装置106、及び入力装置107等を有する。
【0011】
情報処理装置10での処理を実現するプログラムは、記録媒体101によって提供される。プログラムを記録した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0012】
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従って情報処理装置10に係る機能を実現する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置106はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置107はキーボード及びマウス等であり、様々な操作指示を入力させるために用いられる。
【0013】
なお、記録媒体101の一例としては、CD−ROM、DVDディスク、又はUSBメモリ等の可搬型の記録媒体が挙げられる。また、補助記憶装置102の一例としては、HDD(Hard Disk Drive)又はフラッシュメモリ等が挙げられる。記録媒体101及び補助記憶装置102のいずれについても、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に相当する。
【0014】
図2は、本発明の実施の形態における情報処理装置のソフトウェア構成例を示す図である。同図において、情報処理装置10は、オペレーティングシステム11、文書作成アプリケーション12、業務アプリケーション13、及び文例入力支援プログラム14等を有する。
【0015】
オペレーティングシステム11は、一般的なOS(Operating System)である。オペレーティングシステム11は、例えば、表示制御部111及び入力検知部112等を有する。表示制御部111は、表示装置106へのGUI(Graphical User Interface)等の表示を制御する。入力検知部112は、入力装置107からの入力を検知する。
【0016】
文書作成アプリケーション12は、文書データの作成を支援するアプリケーションプログラムである。文書作成アプリケーション12となりうるアプリケーションプログラムは、ワープロソフトに限定されない。文字列を入力するアプリケーションプログラムであれば、表計算ソフト、メーラー等、どのようなものでもよい。
【0017】
業務アプリケーション13は、例えば、ユーザが業務に利用する任意のアプリケーションプログラムである。本実施の形態において、業務アプリケーション13は、コンボボックス又はリストボックス等、複数の選択肢を含む表示部品が一以上配置された画面(以下、「業務画面」という。)を表示させる。本実施の形態では、便宜上、当該表示部品の具体例としてコンボボックスを用いる。
【0018】
同図において、業務アプリケーション13は、ロジック部131、値リスト設定部132、注目値問い合わせ部133、値リスト再設定部134、及びプロセス間通信部135等を有する。これら各部は、メモリ装置103にロードされた業務アプリケーション13が、CPU104に実行させる処理によって実現される。
【0019】
ロジック部131は、業務アプリケーション13の本来の機能の実行を制御する。値リスト設定部132は、コンボボックスに、選択肢として値(文字列)のリスト(値リスト)を設定する。値リスト設定部132は、値リストを、予め決められた並び順でコンボボックスに設定する。予め決められた並び順の一例としては、数値順、あいうえお順、又はアルファベット順等、値自体の特性に基づく並びが挙げられる。又は、値の意味に基づく並び順であってもよい。例えば、コンボボックスに役職名又は部署名の一覧が表示される場合、役職間の上下関係又は部署間の関係に応じた並び順で、値(役職名又は部署名)が設定されてもよい。斯かる並び順は、例えば、業務アプリケーション13の開発者又は運用管理者等によって決定される。
【0020】
注目値問い合わせ部133は、コンボボックスに設定される値の中で注目すべき値(注目値)を文例入力支援プログラム14に問い合わせる。当該問い合わせには、コンボボックスに設定される値の一覧等が指定される。本実施の形態において、注目値は、文書作成アプリケーション12等において、ユーザによって入力されている回数の多い単語に一致する値である。
【0021】
値リスト再設定部134は、注目値問い合わせ部133による問い合わせに対する文例入力支援プログラム14からの応答に基づいて、コンボボックスにおける値リストの並び順を再設定する。例えば、注目値が上位に移動又は追加される。注目値の追加とは、注目値と判定された値が、元の並び順による位置とは別に、上位の位置に追加されることをいう。したがって、この場合、当該値に対応する選択肢は二つ存在することになる。
【0022】
プロセス間通信部135は、文例入力支援プログラム14のプロセスとのプロセス間通信を実現する。例えば、プロセス間通信部135は、注目値問い合わせ部133による問い合わせを文例入力支援プログラム14に送信する。また、プロセス間通信部135は、当該問い合わせに対する文例支援プログラムからの応答を受信する。プロセス間通信の実現方法は、公知技術に従えばよい。
【0023】
文例入力支援プログラム14は、文書データに対する文字列の入力の支援等を行うプログラムである。文書データは、特定のアプリケーションの文書データに限定されない。ワープロソフトの文書データでもよいし、電子メールであってもよい。この点は、一般的な仮名漢字変換プログラムと同様である。
【0024】
同図において、文例入力支援プログラム14は、入力支援部141、文例辞書記憶部142、文例解析部143、構成単語利用回数更新部144、構成単語情報記憶部145、利用度算出部146、注目値出力部147、及びプロセス間通信部148等を有する。
【0025】
入力支援部141、文例解析部143、構成単語利用回数更新部144、利用度算出部146、注目値出力部147、及びプロセス間通信部148は、メモリ装置103にロードされた文例入力支援プログラム14が、CPU104に実行させる処理によって実現される。
【0026】
文例辞書記憶部142及び構成単語情報記憶部145は、例えば、補助記憶装置102を用いて実現することができる。
【0027】
入力支援部141は、文例入力支援プログラム14の基本的な機能を実現する。すなわち、入力支援部141は、文例辞書記憶部142を用いて、読みの入力に応じ、当該読みに合致する文例を入力候補(又は変換候補)として表示させる。入力支援部141は、表示させた文例の中から入力対象として選択された文例を文書データに入力する。
【0028】
文例辞書記憶部142は、読みに対応付けて文例を記憶する。文例辞書記憶部142は、また、各文例について、入力された回数(利用回数)を記憶する。文例の具体例として、一以上の文節又は一以上の文の集合が挙げられる。但し、一つの単語が一つの文例として文例辞書記憶部142に登録されてもよい。何を文例として登録するかは、ユーザの任意である。また、文穴埋め部分を有する文例が登録されてもよい。穴埋め部分とは、例えば、「企画業務部の■活動について」という文例において「■」の部分である。穴埋め部分を有する文例については、当該文例が入力された際に、穴埋め部分の位置にテキストボックスが表示される。ユーザは、テキストボックスに文字列を入力することで、穴埋め部分を埋めることができる。なお、本実施の形態において文例辞書記憶部142は、ユーザごとに存在する。
【0029】
文例解析部143は、入力された(入力対象として選択された)文例について、当該文例を構成する単語(以下、「構成単語」という。)に分解し、分解された構成単語を構成単語情報記憶部145に記録する。穴埋め部分を有する文例については、穴埋め部分に入力された文字列も単語への分解の対象とされる。単語への分解は、例えば、形態素解析等の公知技術を用いればよい。また、構成単語情報記憶部145には、全ての単語は記録されなくてもよい。例えば、助詞等は除かれてもよい。本実施の形態では、業務アプリケーション13のコンボボックスの選択肢の値となりうる品詞の単語が記録されればよい。但し、全ての単語が記録されてもよい。
【0030】
構成単語利用回数更新部144は、構成単語情報記憶部145に記録された構成単語ごとに、当該構成単語が属する文例が文書データに入力された回数(利用回数)を記録又は更新する。したがって、複数の文例に属する構成単語は、当該複数の文例のいずれかが入力された場合に利用回数がカウントアップされる。構成単語の利用回数は、構成単語に関連付けられて構成単語情報記憶部145に記録される。
【0031】
利用度算出部146は、注目値の問い合わせの入力に応じ、当該問い合わせに指定された値リストに含まれる各値の利用の程度に関して順序付けを行う(順序関係を判定する)。具体的には、利用度算出部146は、当該各値について、利用度を算出する。利用度は、各値に一致する構成単語の利用回数に基づいて算出される。したがって、利用回数の高い構成単語に一致する値の利用度は高くなる。
【0032】
注目値出力部147は、利用度算出部146による順序付けの結果に基づいて、利用度が相対的に高い値を注目値として、注目値の問い合わせ元に応答する。なお、本実施の形態では、注目値問い合わせ部133からの問い合わせに、利用度に対する閾値及び注目値の上限数(以下、「注目値上限数」という。)が指定される。注目値出力部147は、閾値以上の利用度を有する値であって、利用度の高い順において注目値上限数を超えない範囲に含まれる値を注目値とする。
【0033】
以下、情報処理装置10の処理手順について説明する。図3は、文例表示及び入力処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。文書作成アプリケーション12の文書編集画面において、入力装置107を用いて読み情報(読み又は未確定文字列)が入力されると同図の処理が開始される。
【0034】
ステップS101において、文例入力支援プログラム14の入力支援部141は、入力された読み又は未確定文字列に対応する文例一覧を文例辞書記憶部142より抽出する。なお、本実施の形態において、「文例一覧」は、一つの文例をも意味する。
【0035】
図4は、文例辞書記憶部の構成例を示す図である。同図において、文例辞書記憶部142は、文例ごとに、キー及び利用回数等を記憶する。キーは、文例に対する読みである。利用回数は、文例が利用された(入力対象として選択された)回数である。
【0036】
なお、読み又は未確定文字列に対応する文例とは、入力された読みにキーが適合する文例、又は当該文例自体が未確定文字列に適合する文例をいう。入力された読みに適合するキーとは、例えば、入力された読みを先頭から含むキーをいう。入力された読みとキーとが完全に一致する場合も含まれるし、キーの先頭の一部分が、入力された読みに一致する場合も含まれる。また、未確定文字列に適合する文例とは、例えば、未確定文字列を先頭から含む文例をいう。未確定文字列と文例とが完全に一致する場合も含まれるし、文例の先頭の一部分が、未確定文字列に一致する場合も含まれる。なお、未確定文字列とは、入力された読みが、非図示の仮名漢字変換ソフトウェアによって変換された文字列であって、かつ、入力が確定されていない文字列をいう。
【0037】
続いて、入力支援部141は、文例一覧を表示制御部111を介して表示装置106に表示させる(S102)。なお、文例一覧における文例の表示順は、利用回数等によってソートされてもよい。
【0038】
続いて、ユーザによって、文例一覧の中から一つの文例が選択されると(S103でYES)、入力支援部141は、選択された文例を文書編集画面に入力する(S104)。続いて、入力支援部141は、入力された文例に対応する利用回数の値に1を加算する(S105)。
【0039】
続いて、文例解析部143は、入力された文例を構成単語に分解する(S106)。続いて、構成単語利用回数更新部144は、構成単語情報記憶部145に対して、構成単語の利用回数の更新(カウントアップ)を実行する(S107)。
【0040】
図5は、構成単語情報記憶部の構成例を示す図である。同図に示されるように、構成単語情報記憶部145は、構成単語ごとに利用回数を記憶する。ステップS107では、入力された文例の構成単語に関して、利用回数が更新される。
【0041】
図3の処理手順に関して具体例を示す。図6は、文例表示及び入力処理の第一の具体例を示す図である。
【0042】
同図において、(1)は、文書編集画面210に読み(「おつ」)が入力された状態を示す。読みの入力に応じ、ステップS101及びS102が実行され、(2)に示されるように、文例一覧220が表示される。なお、本実施の形態では、2文字以上の読みの入力に応じてステップS101以降が実行される。但し、1文字の入力に応じてステップS101以降が実行されてもよい。
【0043】
文書一覧220において、一つの文例が選択されると、ステップS104〜S107が実行され、(3)に示される状態となる。(3)では、選択された文例が文書編集画面に入力されている。また、当該文例が構成単語に分解され、各構成単語の利用回数に1が加算されている。なお、同図の構成単語情報記憶部145は、図5の一部分が抽出されたものである。同図の構成単語情報記憶部145に示されるように、入力された文例を構成しない「第一開発部」等については、利用回数の更新は行われない。なお、入力された文例の構成単語が、構成単語情報記憶部145に記録されていない場合、当該構成単語は新たに構成単語情報記憶部145に記録される。当該構成単語の利用回数は1とされる。
【0044】
また、図7は、文例表示及び入力処理の第二の具体例を示す図である。同図において、(1)及び(2)のは、図6とほぼ同様である。但し、入力された読みは、図6と異なる。したがって、(2)の文例一覧230の内容は、図6の文例一覧220の内容と異なる。
【0045】
(3)では、穴埋め部分を有する文例が選択された状態が示されている。この場合、穴埋め部分にはテキストボックス240が表示される。ユーザによってテキストボックス240に文字列が入力されると、文例の入力は確定する。
【0046】
(4)は、図6の(3)と同様である。但し、(4)では、穴埋め部分に入力された文字列(「10−12345」)についても、構成単語に分解され、当該構成単語が構成単語情報記憶部145に記録された例が示されている。
【0047】
続いて、図3のステップS107の詳細について説明する。図8は、構成単語の利用回数の更新処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0048】
ステップS111において、構成単語利用回数更新部144は、入力された文例の構成単語の一つを処理対象(以下、「対象構成単語」という。)とする。続いて、構成単語利用回数更新部144は、構成単語情報記憶部145より、対象構成単語が登録されているレコードを検索する(S112)。
【0049】
該当するレコードが検索されない場合(S113でNO)、構成単語利用回数更新部144は、対象構成単語に係るレコードを構成単語情報記憶部145に追加する(S114)。構成単語利用回数更新部144は、追加されたレコードの利用回数を1とする。一方、該当するレコードが検索された場合(S113でYES)、構成単語利用回数更新部144は、当該レコードの利用回数に1を加算する(S115)。
【0050】
入力された文例より分解された全ての構成単語の中で、未処理の構成単語が有る場合(S116でNO)、構成単語利用回数更新部144は、未処理の構成単語のうちの一つを処理対象として、ステップS112以降を繰り返す。入力された文例より分解された全ての構成単語について処理が完了した場合(S116でYES)、図8の処理は終了する。
【0051】
上記のように、構成単語情報記憶部145は、文書作成アプリケーション12における文例の入力に応じて更新される。したがって、ユーザが日常において作成する文書において入力される機会の多い(利用回数の多い)文例に係る構成単語の利用回数が大きくなる。なお、上記では、文例の入力に応じて、逐次的に構成単語の利用回数が更新される例を説明した。しかし、所定のタイミングで(例えば、定期的に)、一括して文例の利用回数に基づいて構成単語の利用回数が更新されるようにしてもよい。この場合、文例辞書記憶部142は、構成単語の利用回数に反映済みの利用回数を記憶するようにすればよい。構成単語の利用回数の更新のタイミングが到来した場合、各文例の利用回数から既に反映済みの利用回数を差し引いた値を、各文例の構成単語に記録すればよい。但し、この場合、最新の文例の利用状況と、構成単語情報記憶部145との間に一時的に不整合が生じる。また、穴埋め部分に入力された単語については、逐次的に利用回数を記録する必要がある等、処理が煩雑となる可能性がある。
【0052】
続いて、業務アプリケーション13が情報処理装置10に実行させる処理について説明する。図9は、業務アプリケーションの業務画面の初期化時の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。業務画面の初期化時とは、業務画面の表示前の任意のタイミングでよい。例えば、業務アプリケーション13の起動時、又は業務画面の表示指示の入力受け付け時等である。
【0053】
ステップS201において、業務アプリケーション13の値リスト設定部132は、業務画面のコンボボックスに値リストを設定する。値リストが何処から取得されるのかは、業務アプリケーション13の実装に依存する。
【0054】
図10は、値リストの設定後の業務画面の状態の一例を示す図である。同図に示される業務画面500は、コンボボックス510を含む。コンボボックス510には、値リストLが設定されている。同図の値リストLは、何らかの管理対象に付与された管理番号のリストであり、管理番号の昇順に並べられている。したがって、この状態でコンボボックス510が操作されると、同図に示されるように、選択肢は、管理番号順に表示される。
【0055】
続いて、注目値問い合わせ部133は、コンボボックスに設定された値リストに値は含まれているか(すなわち、値リストは空ではないか)否かを確認する(S202)。値リストが空である場合(S202でNO)、図9の処理は終了する。
【0056】
値リストに値が含まれている場合(S202でYES)、注目値問い合わせ部133は、注目値の問い合わせ処理を実行する(S203)。注目値の問い合わせ処理では、値リスト内の値について注目値の問い合わせが文例入力支援プログラム14に対して行われる。
【0057】
当該問い合わせに応じて、一以上の注目値が有る場合、当該注目値が文例入力支援プログラム14より応答される。注目値が無い場合、注目値は無いことを示す情報が文例入力支援プログラム14より応答される。
【0058】
注目値を含む応答が有った場合(S204でYES)、値リスト再設定部134は、コンボボックスに対して、値リストの再設定処理を行う(S205)。再設定処理では、注目値が上位に表示されるように、設定が行われる。
【0059】
図11は、値リストの再設定後の業務画面の状態の一例を示す図である。図11中、図10と同一部分には同一符号を付している。
【0060】
図11において、コンボボックス510に再設定された値リストLの先頭には、注目値(「10−12345」)が挿入されている。したがって、この状態でコンボボックス510が操作されると、同図に示されるように、選択肢の先頭には、注目値(「10−12345」)が表示される、本来であれば(すなわち、図10の状態では)、「10−12345」は、2345番目に表示される選択肢である。しかし、「10−12345」が先頭に表示されることで、「10−12345」の選択操作が非常に容易となっている。後述より明らかなように、注目値は、ユーザが入力する回数の多い文字列である。したがって、コンボボックス510においても、ユーザによって選択される頻度又は可能性が高いものと考えられる。選択される頻度又は可能性の高い選択肢の選択が容易となることにより、コンボボックス510の操作性を向上させることができる。
【0061】
一方、注目値は無いことを示す情報が応答された場合(S204でNO)、値リストの再設定処理は実行されない。
【0062】
なお、図9の処理手順は、業務画面に複数のコンボ卜すが有る場合、コンボボックスごとに実行されてよい。
【0063】
続いて、ステップS203の詳細について説明する。図12は、注目値の問い合わせ処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0064】
ステップS211において、注目値問い合わせ部133は、問い合わせデータのメモリ領域をメモリ装置103に確保する。問い合わせデータとは、注目値の問い合わせ内容を示すデータをいう。問い合わせデータの詳細については後述される。
【0065】
続いて、注目値問い合わせ部133は、コンボボックスより値リストを取得する(S212)。続いて、注目値問い合わせ部133は、取得された値リストに値は含まれているか(すなわち、値リストは空ではないか)否かを確認する(S213)。値リストが空である場合(S213でNO)、図12の処理は終了する。
【0066】
値リストに値が含まれている場合(S213でYES)、注目値問い合わせ部133は、業務アプリケーション13の識別子(アプリID)、値リストが設定されているコンボボックスの識別子(部品ID)、利用度に対する閾値(利用度閾値)、及び注目値上限数を問い合わせデータに設定する(S214)。続いて、注目値問い合わせ部133は、値リストの内容を問い合わせデータに設定する(S215)。続いて、注目値問い合わせ部133は、プロセス間通信部135を介して、問い合わせデータを文例入力支援プログラム14に送信する(S216)。
【0067】
図13は、問い合わせデータの構成例を示す図である。同図に示されるように、問い合わせデータは、アプリID、部品ID、利用度閾値、注目値上限数、及び値リスト等を含む。アプリIDは、問い合わせデータの送信元の業務アプリケーション13を、文例入力支援プログラム14が識別するために用いられる。部品IDは、いずれのコンボボックスに関する問い合わせデータであるか業務アプリケーション13が識別するために用いられる。利用度閾値及び注目値上限数は、コンボボックスごと(すなわち、値リストごと)に異なる可能性が有るため、問い合わせデータごとに設定される。値リストごとに値の選択傾向が相違する可能性が有るからである。値の選択傾向とは、例えば、選択対象が特定の値に集中する傾向にあるとか、選択対象が分散する傾向あるとか等である。また、同図の値リストには、各値がカンマで区切られて記録されている。但し、カンマ以外の他の記号を用いて各値が区切られてもよい。
【0068】
なお、同図には、二つの問い合わせデータが示されている。一行目は、アプリIDが「APL−A1」である業務アプリケーション13からの問い合わせデータである。二行目は、アプリIDが「APL−A2」である業務アプリケーション13からの問い合わせデータである。すなわち、二つの問い合わせデータは、問い合わせデータの具体例のバリエーションを示すものであり、同図の二行分の問い合わせデータが、一つの業務アプリケーション13から送信されることを示すものではない。但し、複数のコンボボックスを有する業務アプリケーション13に関して、アプリIDが共通し、部品IDの異なる複数の問い合わせデータが、同一の業務アプリケーション13よりまとめて送信されてもよい。
【0069】
続いて、図9のステップS205の詳細について説明する。図14は、値リストの再設定処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0070】
ステップS211において、値リスト再設定部134は、プロセス間通信部135を介して、文例入力支援プログラム14より注目値リストデータを受信する(S221)。注目値リストデータは、注目値問い合わせ部133による問い合わせに対する文例入力支援プログラム14からの応答である。
【0071】
図15は、注目値リストデータの構成例を示す図である。同図において、注目値リストデータは、アプリID、部品ID、及び注目値リスト等を含む。アプリIDは、注目値の問い合わせ元の業務アプリケーション13のアプリIDである。部品IDは、注目値の問い合わせ時に指定された(すなわち、問い合わせデータに指定された)部品IDである。注目値リストデータに部品IDが含まれることで、業務アプリケーション13は、いずれのコンボボックスに関する注目値リストデータであるかを判定することができる。注目値リストは、注目値の一覧である。同図では、注目値は一つしか含まれていない例が示されているが、複数の注目値が含まれる場合も有る。また、注目値が一つも含まれていない場合もある。
【0072】
なお、同図には、二つの注目値リストデータが示されている。一行目は、図13の一行目の問い合わせデータに対する注目値リストデータである。二行目は、図13の二行目の問い合わせデータに対する注目値リストデータである。すなわち、二つの注目値リストデータは、注目値リストデータの具体例のバリエーションを示すものであり、同図の二行分の注目値リストデータが、一つの業務アプリケーション13によって受信されることを示すものではない。但し、複数のコンボボックスを有する業務アプリケーション13に関して、アプリIDが共通し、部品IDの異なる複数の注目値リストデータが、同一の業務アプリケーション13によってまとめて受信されてもよい。
【0073】
続いて、値リスト再設定部134は、当初の値リストの上位に注目値リストデータの注目値リストに含まれている注目値を追加した値リストを生成する(S222)。すなわち、注目値の後に、当初の値リストが続く値リストが生成される。当初の値リストとは、注目値リストデータの部品IDによって識別されるコンボボックスに対して設定されている値リストである。
【0074】
続いて、値リスト再設定部134は、注目値リストデータの部品IDによって識別されるコンボボックスに対して、ステップS222において生成された値リストを再設定する(S223)。再設定とは、元の設定をクリア(解除)して、改めて値リストを設定しなおすことをいう。なお、コンボボックスの仕様により、既に値リストが設定されている状態で、当該値リストの上位に新たな値を追加が可能である場合、ステップS222において、コンボボックスに対して注目値が追加設定されてもよい。この場合、ステップS223は不要である。
【0075】
なお、値リストは当初のままで、コンボボックスの表示内容が更新されてもよい。具体的には、注目値が選択状態となるように、コンボボックスの表示内容が更新されてもよい。このような形態は、注目値が一つである場合に特に有効である。
【0076】
続いて、図12のステップS216において送信された問い合わせデータの受信に応じて、文例入力支援プログラム14が情報処理装置10に実行させる処理について説明する。
【0077】
図16は、注目値の問い合わせに応じて実行される処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0078】
ステップS301において、文例入力支援プログラム14の利用度算出部146は、プロセス間通信部148を介して問い合わせデータ(図13参照)を受信する(S301)。続いて、利用度算出部146は、問い合わせデータの値リストに含まれている各値について、利用度を算出する(S302)。各値の利用度の算出によって、実質的に、各値について順序付けが行われる。続いて、注目値出力部147は、算出された利用度に基づいて注目値を判定し、注目値リストデータを含む応答をプロセス間通信部148を介して業務アプリケーション13に返信する(S303)。
【0079】
続いて、ステップS302の詳細について説明する。図17は、利用度算出処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0080】
ステップS311において、利用度算出部146は、問い合わせデータより値リストを取得する。続いて、利用度算出部146は、利用度算出用ワークテーブルをメモリ装置103に生成する(S312)。利用度算出用ワークテーブルとは、利用度の算出のために一時的に使用されるテーブルをいう。
【0081】
図18は、利用度算出用ワークテーブルの構成例を示す図である。同図において、利用度算出用ワークテーブルは、構成単語、利用回数、及び利用度等の項目を有する。利用算出用ワークテーブルの使用方法については、処理手順と共に説明する。ステップS312では、値リストに含まれている値の個数分の行を有する利用度算出用ワークテーブルが生成される。なお、同図の利用度算出用ワークテーブルは、各項目の値が記録された状態が示されているが、ステップS312の段階では、各項目は空である。
【0082】
続いて、利用度算出部146は、値リストに含まれている値ごとに、当該値と一致する構成単語に係るレコードの内容(構成単語、利用回数)を構成単語情報記憶部145より取得し、取得されたデータを利用度算出用ワークテーブルに転記する(S313)。図18では、構成単語「10−12343」、「10−12344」、及び「10−12345」と、それぞれの利用回と数が、利用度算出用ワークテーブルに転記された例が示されている。
【0083】
利用度算出用ワークテーブルにレコードが存在する場合(S314でYES)、利用度算出部146は、利用度算出用ワークテーブルの各レコードの利用回数を母集合として、利用回数の偏差値をレコードごとに算出する。利用度算出部146は、各偏差値を、対応するレコードの利用度の項目に記録する(S315)。すなわち、当該偏差値が、各構成単語(値リストの各値)の利用度とされる。なお、利用回数がそのまま利用度とされてもよい。但し、偏差値を利用度とすることにより、値リストに含まれる各値に一致する構成単語の利用の程度の相対的な関係を、より顕著に把握することができる。
【0084】
また、利用度算出用ワークテーブルの各レコードは、値リストに含まれている各値に対応する。したがって、当該レコードの利用回数を母集合とすることは、値リストに含まれている各値の利用回数を母集合とすることと等価である。よって、値リスト内における各値の相対的な関係を算出することができる。換言すれば、構成単語情報記憶部145に記録されている全ての構成単語の利用回数が母集合とされる場合に比べて、値リスト内における各値の相対的な関係をより顕著に把握することができる。
【0085】
続いて、図16のステップS303の詳細について説明する。図19は、注目値リストデータの応答処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0086】
ステップS321において、注目値出力部147は、注目値リストデータ(図15)のメモリ流域をメモリ装置103に確保する。続いて、注目値出力部147は、問い合わせデータ(図13)に含まれている、アプリID及び部品IDを、注目値リストデータに転記する(S322)。
【0087】
利用度算出用ワークテーブル(図18)にレコードが存在する場合(S323でYES)、注目値出力部147は、利用度算出用ワークテーブルのレコードを、利用度の降順にソートする(S324)。続いて、注目値出力部147は、利用度算出用ワークテーブルより、問い合わせデータに含まれている利用度閾値未満の利用度を含むレコードを削除する(S325)。これによって、注目値の候補が、注目値の問い合わせ元の業務アプリケーション13が所望する利用度以上の値に絞り込まれる。
【0088】
続いて、注目値出力部147は、利用度算出用ワークテーブルのレコード数が、問い合わせデータに含まれている、注目値上限数を超えているか否かを判定する(S326)。当該レコード数が、当該注目値上限数を超えている場合(S326でYES)、注目値出力部147は、利用度算出用ワークテーブルより、「注目値上限数+1」番目以降のレコードを削除する(S327)。その結果、注目値の数が、注目値の問い合わせ元の業務アプリケーション13が所望する上限以下に絞り込まれる。なお、利用度算出用ワークテーブルのレコードは、ステップS324において、利用度の降順にソートされている。したがって、「注目値上限数+1」番目以降のレコードが削除されるということは、利用度が「注目値上限数+1」番目以降のレコードが削除されるということである。
【0089】
ステップS327又はステップS326でNOの場合に続いて、注目値出力部147は、利用度算出用ワークテーブルの先頭(上位)のレコードから順に、構成単語の値を注目値リストデータの注目値リストの項目に記録する(S328)。複数の注目値が記録される場合、各注目値は、カンマ等、所定の記号によって区切られる。なお、図15の注目値リストには1つの注目値しか含まれていないが、複数の注目値が注目値リストに含まれうる。
【0090】
ステップS328又はステップS323でNOの場合続いて、注目値出力部147は、プロセス間通信部148を介して注目値リストデータを、問い合わせデータの送信元に返信する(S329)。続いて、注目値出力部147は、利用度算出用ワークテーブル等、一時的に確保したメモリ領域を解放する(S330)。
【0091】
上述したように、本実施の形態の文例入力支援プログラム14は、他のプログラムより入力される文字列群に関して、構成単語情報記憶部145に記憶された情報(すなわち、文例辞書記憶部142に基づく情報)を用いて、当該文字列群内の文字列の順序付けを行う。文例入力支援プログラム14は、その順序付けに基づく情報(本実施の形態では、注目値リストデータ)を他のプログラムに出力する。したがって、文例入力支援プログラム14が有する文例辞書記憶部142に記憶された情報(文例に関する情報)を用いて、利便性の高い機能を提供することができる。
【0092】
例えば、業務画面のコンボボックスでは、ユーザが過去に利用した文例に含まれる単語の中で利用回数が相対的に高い単語に一致する選択肢が上位に表示される。したがって、コンボボックスに多数の選択肢が表示される場合であっても、選択肢の並び順を、ユーザに選択される可能性に応じたものとすることができる。その結果、所望の選択肢のために、毎回スクロールをしなければならない等の操作負担を軽減することができる。
【0093】
また、業務アプリケーション13に関して、コンボボックスにおける選択肢の並び順、学習機能の実装を省略することができる。換言すれば、業務アプリケーション13は、当該並び順に関して、学習期間を要することなく、ユーザに選択される可能性に応じた並び順で、選択肢を表示させることができる。
【0094】
また、文例入力支援プログラム14は、利用度閾値や注目値上限数等を注目値の問い合わせ元に指定させる。その結果、文例入力支援プログラム14は、問い合わせ元の業務アプリケーション13又は業務アプリケーション13のコンボボックスに表示される値リストの特性に応じた注目値を出力することができる。
【0095】
なお、本実施の形態では、選択肢を表示させる表示部品として、コンボボックスを用いた例を示した。但し、リストボックス、テーブル、ツリー部品、又はラジオボックス等、複数の選択肢を有する表示部品であれば、本実施の形態は有効に適用されうる。
【0096】
また、文例入力支援プログラム14より出力される注目値リストの用途は、上記表示部品における選択肢の並び順の変更に限定されない。すなわち、文例入力支援プログラム14は、注目値リストの用途については関与しない。このことは、注目値リストをどのように利用するかは、他のプログラム(本実施の形態では業務アプリケーション13)の任意であることを意味する。したがって、例えば、仮名漢字変換プログラム等が、変換候補の表示順の決定に注目値リストを用いても良い。
【0097】
また、文例入力支援プログラム14から出力される注目値リストデータには、値リストに含まれる全ての値について、利用度に基づくソート結果が含まれていてもよい。
【0098】
なお、本実施の形態において、文例辞書記憶部142は、文例記憶部の一例である。構成単語利用回数更新部144は、更新部の一例である。構成単語情報記憶部145は、構成単語情報記憶部145の一例である。利用度算出部146は、順序付け部の一例である。注目値出力部147は、出力部の一例である。
【0099】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0100】
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
【符号の説明】
【0101】
10 情報処理装置
11 オペレーティングシステム
12 文書作成アプリケーション
13 業務アプリケーション
14 文例入力支援プログラム
100 ドライブ装置
101 記録媒体
102 補助記憶装置
103 メモリ装置
104 CPU
105 インタフェース装置
106 表示装置
107 入力装置
111 表示制御部
112 入力検知部
131 ロジック部
132 値リスト設定部
133 注目値問い合わせ部
134 値リスト再設定部
135 プロセス間通信部
141 入力支援部
142 文例辞書記憶部
143 文例解析部
144 構成単語利用回数更新部
145 構成単語情報記憶部
146 利用度算出部
147 注目値出力部
148 プロセス間通信部
B バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力支援プログラムと該入力支援プログラム以外の他のプログラムとを実行するコンピュータに、
読み情報に対応付けて文例を記憶する文例記憶部を用いて、読み情報の入力に応じ、該読み情報に対応する文例を表示させ、
表示された文例の中から選択された文例に含まれる各単語について、単語情報記憶部が記憶する利用回数を更新し、
複数の文字列を前記他のプログラムより受け付け、
前記複数の文字列のそれぞれに一致する前記単語の前記利用回数を用いて、前記複数の文字列に含まれる各文字列について、該他のプログラムにて該複数の文字列が表示される際の表示順序を決定し、
前記複数の文字列の各々と、決定された表示順序とを対応付けた情報を前記他のプログラムに出力する処理を実行させる入力支援プログラム。
【請求項2】
前記表示順序を決定する処理は、前記複数の文字列のそれぞれに一致する前記単語の前記利用回数を母集合として、該利用回数の偏差値を算出し、該偏差値に基づいて前記複数の文字列の順序付けを行う請求項1記載の入力支援プログラム。
【請求項3】
前記表示順序を決定する処理は、前記他のプログラムより前記偏差値に対する閾値を受け付け、
前記出力する処理は、前記偏差値が前記閾値以上である前記文字列を前記他のプログラムに出力する請求項2記載の入力支援プログラム。
【請求項4】
前記表示順序を決定する処理は、前記他のプログラムが選択肢として表示させる複数の文字列を受け付ける請求項1乃至3いずれか一項記載の入力支援プログラム。
【請求項5】
読み情報に対応付けて文例を記憶する文例記憶部を用いて、読み情報の入力に応じ、該読み情報に対応する文例を表示させる入力支援部と、
表示された文例の中から選択された文例に含まれる各単語について、単語情報記憶部が記憶する利用回数を更新する更新部と、
複数の文字列をプログラムより受け付け、前記複数の文字列のそれぞれに一致する前記単語の前記利用回数を用いて、前記複数の文字列に含まれる各文字列について、該プログラムにて該複数の文字列が表示される際の表示順序を決定する順序付け部と、
前記複数の文字列の各々と、決定された表示順序とを対応付けた情報を前記プログラムに出力する出力部とを有する情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが、
読み情報に対応付けて文例を記憶する文例記憶部を用いて、読み情報の入力に応じ、該読み情報に対応する文例を表示させ、
表示された文例の中から選択された文例に含まれる各単語について、単語情報記憶部が記憶する利用回数を更新し、
複数の文字列をプログラムより受け付け、
前記複数の文字列のそれぞれに一致する前記単語の前記利用回数を用いて、前記複数の文字列に含まれる各文字列について、該プログラムにて該複数の文字列が表示される際の表示順序を決定し、
前記複数の文字列の各々と、決定された表示順序とを対応付けた情報を前記プログラムに出力する処理を実行する情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−150675(P2012−150675A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9277(P2011−9277)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】