説明

入力関数測定装置

【課題】脳梗塞やアルツハイマー病の診断で使用されるPETでは局所脳血流量、酸素代謝量などの測定を行う場合、動脈血中放射能濃度を測定する必要があり、現在は患者の動脈からの直接採血を行っている。このため患者に肉体的・精神的苦痛を与えるとともに採血に当たる医療従事者の血液感染の問題がある。
【解決手段】以上の問題を解決するために、消滅γ線の同時計数法により非侵襲的に動脈血中放射能を測定する。また2対以上の同時計数系を用いることによりより信号雑音比を向上させ非侵襲的に動脈血中放射能を精度よく測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は動脈血液中の放射能量を測定する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許公開平7−204181
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
脳梗塞やアルツハイマー病の診断で使用されるPETでは局所脳血流量、酸素代謝量などの測定を行う場合、動脈血中放射能濃度を測定する必要があり、現在は患者の動脈からの直接採血を行っている。このため患者に肉体的・精神的苦痛を与えるとともに採血に当たる医療従事者の血液感染の問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の問題を解決するために、第一発明は消滅γ線の同時計数法により非侵襲的に動脈血中放射能を測定することを特徴とした装置である。
また第二発明は2対以上の同時計数系を用いることを特徴とした非侵襲的に動脈血中放射能を測定することを特徴とした装置である。
【発明の効果】
【0006】
第一発明、または第二発明によれば同時計数法を用いることで非侵襲的に動脈血中放射能を精度よく測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】この発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】実測した動脈血放射能を本装置に入れた場合の測定結果計算例
【発明を実施するための形態】
【0008】
この発明の一実施例を図1に示す。動脈血中から放出される消滅γ線は腕の両側に設置されたコリメータを通過しシンチレータおよび光電子増倍管もしくは半導体検出器等の放射線検出器に入射する。1対の放射線検出器からの信号は同時計数回路に入り計数される。検出器もしくは腕を上下させることで動脈のある部分とない部分の放射能を測定し差分から動脈中の放射能を決定する。
【0009】
「実施形態の効果」
同時計数法を採用したことで検出器の指向性が高くなると同時にバックグラウンドの影響を大幅に低減できる事から動脈中放射能を精度よく測定することが出来る。図2は代表的な装置寸法に対して標準的な動脈血中ならびに腕中放射能を与えた場合の測定結果の計算例であり、ピーク部分において5%の高い精度で測定が可能である。
「他の実施形態」
図1の実施形態では、コリメータを使用しているが、2対以上の同時計数系を使用する場合、コリメータを省略し腕または検出器を動かさずに測定する形態でも良い。
【符号の説明】
【0010】
1 コリメータ
2 放射線検出器
3 同時計数回路
4 腕

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同時計数法を採用したことを特徴とする入力関数測定装置
【請求項2】
2対以上の同時計数系を設けたことを特徴とする請求項1記載の入力関数測定装置

【図1】
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【図2】
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