説明

入浴用タオル、垢すりおよび清掃具

【課題】タオルの使用に熟練を要せず、しかも凹凸ブロックのどの部分を、タオルのどの向きに配置して使用しても、凹凸ブロックを利用した身体への効果的な洗浄やマッサージを施せる入浴用タオルを提供する。
【解決手段】タオル本体11の長さ方向の中間部分に配置された袋部12に、凹凸ブロック14を固定状態で収納するように構成したので、入浴用タオル10の使用方法に熟練を要せず、しかも凹凸ブロック14のどの部分を、タオルのどの向きに配置して入浴用タオル10を使用しても、凹凸ブロック14を効果的に利用した身体に対する洗浄やマッサージを行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は入浴用タオル、垢すりおよび清掃具、詳しくは例えば背中を洗うとき、左右の肩甲骨の間の窪みに当接することで、背中の全域を余すことなく洗える入浴用タオル、垢すりおよび清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
入浴の途中、浴槽から上がって洗い場で身体を洗うとき、背中部分、特に左右の肩甲骨間の窪み、および、背骨を構成する腰椎間の窪みなどが存在することから、単なる布帛(織布、不織布、網布)製のタオルでは洗い残しが発生し易かった。
従来の垢すりタオルでは、背中の中心部、特に左右の肩甲骨の窪み部分の洗浄が効果的でない。そのため、これらの窪み部分に古い角質および体内から排出された老廃物が残り易い。これらが毛根、汗腺などに詰まり、本来の健康的な新陳代謝を阻害して吹き出物、湿疹などを起こし易い。
【0003】
そこで、これを解消する従来のタオルとして、例えば特許文献1が知られている。
特許文献1は、タオルを筒形状として、タオルの長さ方向の中間部に、ボール状のスポンジ、または、硬めの凹凸球状の物を交換自在に収納したものである。例えば、ボール状のスポンジを収納した場合には、スポンジの膨らみにより、左右の肩甲骨の間の窪み部分などを良好に洗うことができる。また、硬めの凹凸球状の物を収納した場合には、例えば柔らかい素材(綿など)のタオルを使用したときでも、硬い凹凸球状の物が当接した肌などの部分を押圧し、頭や背中を含む全身をマッサージすることができる。
【特許文献1】特開2000−287870号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、筒形状のタオルにボール状のスポンジまたは硬めの凹凸球状の物が、単に収納されているだけだった。そのため、タオルの使用開始時には、このボール状のスポンジなどが、最初に収納された通りのタオルの長さ方向の中間部に存在しても、タオルを使っている間にタオルの長さ方向に移動していた。これにより、タオルの使い方に十分熟練しなければ、ボール状のスポンジを利用した身体の窪み部分の洗浄が難しかったり、硬めの凹凸球状の物を利用して身体を洗いながらマッサージすることが難しかった。
【0005】
また、特許文献1では、タオルに収納されるボール状のスポンジまたは硬めの凹凸球状の物が、図示のない点を含めて、具体的には全く開示されていなかった。そのため、ボール状のスポンジまたは硬めの凹凸球状の物は、どの程度の大きさをそれぞれ有しているのか、かつこれらの総使用数も不明であった。
さらには、このうち、硬めの凹凸球状の物だけに言及すれば、凹部の深さおよび凸部の高さがそれぞれ不明であるとともに、凹部および凸部の各形成総数もそれぞれ不明であった。よって、ボール状のスポンジまたは硬めの凹凸球状の物のどの部分を、タオルのどの向きに配置して使用すれば、ボール状のスポンジまたは硬めの凹凸球状の物を効果的に利用し、身体を洗ったり、マッサージを行うことができるのかが判らなかった。
【0006】
この発明は、タオルの使用に熟練を要せず、しかも凹凸ブロックのどの部分を、タオルのどの向きに配置して使用しても、凹凸ブロックを利用した身体への効果的な洗浄やマッサージを施すことができる入浴用タオルを提供することを目的としている。
また、この発明は、タオル本体の縫製中に、接着剤などを使用することなく、タオル本体内に凹凸ブロックをしっかりと固定することができ、しかも使用時に、タオルの両端部が握り易い入浴用タオルを提供することを目的としている。
さらに、この発明は、洗浄液を凹凸ブロックの全周にわたって満遍なく導くことができ、この洗浄液を凹凸ブロック内に長時間保持することができ、しかも洗浄液(洗剤)の泡立ちが良くてより以上に洗浄効果が高める入浴用タオル、垢すりおよび清掃具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、所定長さの帯状の柔軟素材からなるタオル本体と、このタオル本体の長さ方向の中間部分に形成された袋部と、この袋部の中に収納された凹凸ブロックとを備えた入浴用タオルであって、前記凹凸ブロックは、大略球形であって、その外周面の全域に複数個の突起が設けられた入浴用タオルである。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、タオル本体の長さ方向の中間部分に配置された袋部に、凹凸ブロックを固定状態で収納したので、タオルの使用中にタオルの長さ方向に凹凸ブロックが移動する従来品とは異なる。そのため、凹凸ブロックがタオル内で移動しないタオルの使い方を習得する必要がなく(タオルの使用方法に熟練を要さず)、しかも凹凸ブロックのどの部分を、タオルのどの向きに配置して入浴用タオルを使用しても、凹凸ブロックを効果的に利用した身体への洗浄やマッサージを施すことができる。
すなわち、従来のタオルでは洗浄がし難くかった左右の肩甲骨間の窪みなどに、凹凸ブロックの各突起を適度な圧力でそれぞれ押し当てて洗浄し、その部位に蓄積した古い角質や老廃物を容易に除去することができる。
【0009】
タオル本体の素材としては、例えば 各種の天然繊維(綿、シルク、麻など)、各種の合成繊維(ナイロン、アクリル、ポリエチレン、レーヨン)などを採用することができる。このうち、タオル本体の素材としては、肌に優しい綿、シルク、麻が好ましい。タオル本体は布帛である。すなわち、織布、不織布、網布の何れでもよい。
タオル本体は、1枚布でもよいし、2枚以上の布を重ねたものでもよい。この場合、表布部と裏布部との素材を異ならせてもよい。なお、1枚または複数枚の布(布帛)を、その長さ方向の両辺の各中間点同士を結ぶ仮想線に沿って2つ折りにしたものでもよい。また、縫い目が存在しない一体縫製法により作成されたタオル本体でもよい。さらに、タオル本体に香料、香水を少量含ませてもよい。こうすれば、香りによる入浴時のリラックス効果を高めることができる。
【0010】
タオル本体は、垢すり用のタオルでもよいし、湯上がり用のタオルでもよい。
タオル本体の寸法は限定されない。また、タオル本体の形状は限定されない。例えば、長方形のシート状でもよいし、筒形状でもよい。筒形状の場合には、タオル本体に袋部を固定する必要がある。なぜなら、凹凸ブロックを袋部に固定しても、凹凸ブロックを収納した袋部自体がタオル本体内で移動するからである。
タオル本体の長さ方向の両端部には、把手を配設して入浴用タオルをさらに使い易いようにしてもよい。把手の素材としては、例えば各種の合成樹脂(アクリル、ナイロン、テトロンなど)、綿、シルク、麻といった天然繊維などを採用することができる。このうち、強度および速乾性の面でアクリルが好ましい。
【0011】
袋部は、タオル本体と一体形成されてもよいし、別体で形成されてもよい。袋部は、タオル本体と同じ素材でもよいし、別素材でもよい。ただし、袋部は、水に対して浸透性を有するものでなければならない。
袋部の大きさおよび形状は、収納される凹凸ブロックの大きさ、形状によって適宜変更される。また、袋部の形成数は1つでもよいし、複数でもよい。
袋部が複数の場合には、凹凸ブロックは当然複数となる。すなわち、凹凸ブロックの総使用数は1個でもよいし、複数個でもよい。
【0012】
凹凸ブロックの素材は限定されない。例えば、各種の軟質素材(天然ゴム、SBR(スチレンブタジエンエラストマ)、NBR(ニトリルブタジエンゴム)などの合成ゴム、発泡質合成樹脂(発泡ポリエチレン、ポリウレタンフォーム(発泡ポリウレタン)など)を含む各種の軟質合成樹脂(軟質塩化ビニル、軟質ポリプロピレンなど))を採用することができる。このうち、それぞれ適度な強度、弾力性、復元性、柔軟性、保水性および通気性を有する発泡ポリエチレンが好ましい。
凹凸ブロックの素材として、例えば各種の硬質素材(各種の硬質合成樹脂(ABS樹脂、ポリエステル、メラミンなど)、各種の金属(鉄、アルミニウムなど)、各種の木(杉、檜、楠、桐など)、各種のセラミックス)を採用することができる。
凹凸ブロックの外周部に形成される各突起は、凹凸ブロックと一体形成されてもよいし、別体で形成されてもよい。
【0013】
凹凸ブロックの形状は限定されない。例えば、球体でもよいし、長円球体でもよい。または、略ラグビーボール形状の平面視して楕円形状などでもよい。その他、例えば円柱形状、立方体を含む直方体形状、任意の立体形状でもよい。
凹凸ブロックは、複層式のブロックとしてもよい。例えば、芯部(本体)を前記軟質素材からなるものとし、表層部を硬質素材としてもよい。これにより、軟質素材を本体とする凹凸ブロックの強度を高めることができる。
凹凸ブロックの大きさは限定されない。袋部と略同じ大きさでもよいし、それより小さくてもよい。
各突起は、凹凸ブロックと同じ素材でもよいし、別素材でもよい。
各突起の長さは限定されない。例えば3〜7mm、好ましくは5mm程度である。
【0014】
各突起の先部の形状としては、各突起の素材が軟質素材の場合には、例えば円錐形状、三角錐以上の角錐形状を採用することができる。また、各突起の素材が硬質素材の場合には、例えば各突起の先部の形状を半球状としてもよい、突起の長さ方向に直交した面で切断した形状としてもよい。
各突起の形成範囲は、凹凸ブロックの外周部の全域でもよいし、それより若干狭い範囲でもよい。
【0015】
請求項2に記載の発明は、前記凹凸ブロックは、該凹凸ブロックの長軸方向を、前記タオル本体の長さ方向に向けた大略長円球形状を有し、前記凹凸ブロックの外周部には、該凹凸ブロックの周方向に沿って延びる環状溝が、前記凹凸ブロックの長軸方向に所定間隔を有して複数個並んで形成され、該凹凸ブロックの外周部のうち、隣接する各環状溝間に現出された複数の環状部分には、前記複数個の突起が、前記凹凸ブロックの周方向に離間して配設された請求項1に記載の入浴用タオルである。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、袋部を浸透して凹凸ブロックに達した洗浄液は、凹凸ブロックの各環状溝に導入される。これにより、洗浄液を凹凸ブロックの全周にわたって満遍なく導くことができる。しかも、各環状溝を介して、洗浄液を凹凸ブロック内に長時間保持することができる。
また、長円球形状(略ラグビーボール形状)の凹凸ブロックは、その長さ方向をタオル本体の長さ方向に向けて袋部に収納されている。そのため、タオル本体をその長さ方向に移動させて背中などを洗うとき、凹凸ブロックと肌との接触感が良い。
さらに、凹凸ブロックの外周部には、該凹凸ブロックの周方向に沿って延びる環状溝が凹凸ブロックの長軸方向に所定間隔を有して複数個並んで形成されている。そして、凹凸ブロックの外周部のうち、隣接する各環状溝間に現出された複数の環状部分には、複数個の突起が、前記凹凸ブロックの周方向に離間して配設されている。そのため、タオルの使用時において、袋部内の洗浄液は、各環状溝および各突起により激しく攪拌され、洗浄液の泡立ちが良くなって身体の洗浄効果をさらに高めることができる。しかも、各突起の効果的な配置により、さらに高いマッサージ効果も得られる。
【0017】
長円球形状とは、例えば、完全なラグビーボール形状およびラグビーボールを若干偏平化した形状などを含む。
環状溝の条数としては、例えば3つ、4つ以上などが挙げられる。
環状溝の溝幅は、例えば3〜11mm、好ましくは5〜9mmである。
環状溝の深さは、例えば3〜7mm、好ましくは5mm前後である。
環状溝の形成間隔(ピッチ)としては、例えば5〜15mm、好ましくは10mm前後である。
各環状部分における各突起の形成ピッチとしては、凹凸ブロックの周方向に向かって5〜15mm、好ましくは10mm前後である。
【0018】
請求項3に記載の発明は、前記タオル本体は、長さ方向の両側に向かって徐々に先細り形状となった表布部と裏布部とを、多数の升目が連続する斜向縫い付けにより縫着することで形成され、前記タオル本体の長さ方向の中間に配置された1つの升目部分が、前記袋部である請求項1または請求項2に記載の入浴用タオルである。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、表布部と裏布部とを斜向縫い付けにより縫着してタオル本体を縫製する途中、タオル本体の長さ方向の中間部に該当する升目を縫い付けるとき、その升目部分(袋部)を構成する表布部の一部と裏布部の一部との隙間に、凹凸ブロックを挟み込んで縫い付ける。その結果、タオル本体の縫製と同時に、接着剤などを使用することなく、タオル本体の袋部に凹凸ブロックをしっかりと固定することができる。
しかも、タオル本体は、長さ方向の両側に向かって徐々に先細り化した形状を有しているので、タオル使用時にタオルの両端部が握り易い。なお、先細り化したタオル本体の両端部に、前記把手をそれぞれ設ければ、さらにタオルが使い易い。
【0020】
表布部と裏布部とは同じ素材でもよいし、異なる素材でもよい。表布部および裏布部の素材としては、例えば前記タオル本体の素材と同じでもよい。
タオル本体の長さ方向の中間部において、その位置の升目部分を構成する表布部の一部と裏布部の一部との隙間に、凹凸ブロックを挟み込んで縫い付けた後、表布部の一部と裏布部の一部とを、例えば二重または三重に縫い付けてもよい。これにより、凹凸ブロックの袋部への固定がさらに堅固となる。
斜向縫い付けにより現出される升目は、平面視して正方形でもよいし、菱形でもよいし、さらには波形、星形といった他の任意の形状でもよい。
【0021】
請求項4に記載の発明は、前記凹凸ブロックには長軸方向と直交してこれを貫通する複数の貫通孔が設けられた請求項2または請求項3に記載の入浴用タオルである。
凹凸ブロックを貫通する貫通孔の個数は限定されない。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、凹凸ブロックには長軸方向と直交してこれを貫通する複数の貫通孔が設けられている。これにより、凹凸ブロックの通気性をよくすることができる。また、入浴用タオルを使用した後、凹凸ブロックを素早く乾燥させる。さらに、洗浄液を凹凸ブロック内に保持することもできる。
【0023】
請求項5に記載の発明は、前記タオル本体の両端には、複数の輪で構成された把手が長さ方向にそれぞれ設けられた請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の入浴用タオルである。
タオル本体の両端には、この本体をつかむための把手が設けられる。この把手は複数の輪で形成されている。輪の個数は限定されず、2個でも3個でもよい。輪の大きさも限定されない。把手の素材は限定されず、ナイロン、テトロン、綿、シルク、麻、レーヨン・ゴム素材・シルク・ウレタンフォームなどが用いられる。また、天然、合成に関わらず握る動作を繰り返し、かつ、水分を含ませ、乾燥させ、その繰り返しで、ある程度の強度が保持できる物が望ましい。
この輪の形成方法も限定されない。例えば、1つの輪から縫製、ボタン、スライドクリップなどで固定化して複数の輪を構成する方法が挙げられる。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、タオル本体の両端には、複数の輪で構成された把手が長さ方向にそれぞれ設けられている。これにより、例えば、大人と子どもであっても兼用することができる。すなわち、手を肩幅方向に拡げた長さの差が異なる人に応じて、タオル本体を持つ位置を変えることができる。例えば、子どもが使用する場合には、タオル本体に近い部分の輪を持って使用する。一方、大人が使用する場合には、タオル本体から遠い部分の輪を持って使用する。
【0025】
請求項6に記載の発明は、大略長円球形状を有する凹凸ブロックからなる垢すりであって、前記凹凸ブロックの外周部には、該凹凸ブロックの周方向に沿って延びる環状溝が、前記凹凸ブロックの長軸方向に所定間隔を有して複数個並んで形成され、該凹凸ブロックの外周部のうち、隣接する各環状溝間に現出された複数の環状部分には、前記複数個の突起が、前記凹凸ブロックの周方向に離間して配設された垢すりである。
【0026】
請求項6に記載の発明によれば、大略長円球状状を有する凹凸ブロックからなる垢すりの外周部には複数の環状溝が設けられている。そして、この環状溝が現出された複数の環状溝間には、各突起が周方向にそれぞれ配設されている。凹凸ブロックを身体に押し当てる。そして、凹凸ブロックの突起により、体に溜まった垢をすり落とすことができる。この凹凸ブロックには、これを貫通する貫通孔を設けてもよい。
【0027】
請求項7に記載の発明は、大略長円球形状を有する凹凸ブロックからなる風呂、台所、トイレ、その他の清掃に使用される清掃具であって、前記凹凸ブロックの外周部には、該凹凸ブロックの周方向に沿って延びる環状溝が、前記凹凸ブロックの長軸方向に所定間隔を有して複数個並んで形成され、該凹凸ブロックの外周部のうち、隣接する各環状溝間に現出された複数の環状部分には、前記複数個の突起が、前記凹凸ブロックの周方向に離間して配設された清掃具である。
【0028】
請求項7に記載の発明によれば、凹凸ブロックは、風呂用の洗浄具に使用できる。この凹凸ブロックには、これを貫通する貫通孔を設けてもよい。風呂用の洗浄具とは身体洗浄、浴槽洗浄、コンクリート・タイル面などの洗浄、洗面台などの洗浄に使用できる。また、凹凸ブロックをソフトな素材で形成することにより、ガラス・陶器などの洗浄に使用することができる。
台所用としてはガラス類を含む食器類、鍋類、コンロ周り、流し台などの洗浄に使用することができる。
トイレ掃除用としては便器、タイルなどの洗浄に使用することができる。
【発明の効果】
【0029】
請求項1に記載の発明によれば、タオル本体の長さ方向の中間部分に配置された袋部に、凹凸ブロックを固定状態で収納するように構成したので、タオルの使用方法に熟練を要さず、しかも凹凸ブロックのどの部分を、タオルのどの向きに配置して入浴用タオルを使用しても、凹凸ブロックを効果的に利用した身体への洗浄やマッサージを施すことができる。
【0030】
特に、請求項2に記載の発明によれば、凹凸ブロックの外周部に多数条の環状溝を形成したので、袋部を浸透した洗浄液を凹凸ブロックの全周にわたって満遍なく導くことができる。しかも、各環状溝を介して、洗浄液を凹凸ブロック内に長時間保持することができる。
また、凹凸ブロックを長円球形状とし、凹凸ブロックの長さ方向をタオル本体の長さ方向に向けて袋部に収納したので、タオル本体をその長さ方向に往復移動させて背中などを洗う際、凹凸ブロックと肌との接触感が良好となる。
さらに、各環状溝は、凹凸ブロックの周方向を溝の長さ方向とし、かつ凹凸ブロックの長さ方向に一定ピッチで配置するとともに、各突起を、各環状溝間の環状部分に凹凸ブロックの周方向に一定ピッチでそれぞれ配置したので、タオルの使用時における洗浄液の泡立ちが良くなり、身体の洗浄効果をさらに高めることができる。しかも、各突起の効果的な配置により、さらに高いマッサージ効果も得られる。
【0031】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、タオル本体の長さ方向の中間部を升目状に縫い付けるとき、その升目部分に凹凸ブロックを挟み込んで縫い付けるので、タオル本体の縫製と同時に、接着剤などを使用することなく、タオル本体の袋部に凹凸ブロックをしっかりと固定することができる。
しかも、タオル本体は、長さ方向の両側に向かって徐々に先細り化しているので、タオル使用時に入浴用タオルの両端部が握り易い。
さらに、凹凸ブロックは長円球形状を有し、かつその長さ方向をタオル本体の長さ方向に向けて袋部に収納されている。そのため、凹凸ブロックとして球形状のものを採用した場合に比べて、凹凸ブロックが袋部の中で移動し難い。
【0032】
さらに、請求項4に記載の発明によれば、凹凸ブロックには長軸方向と直交してこれを貫通する複数の貫通孔が設けられている。これにより、凹凸ブロックの通気性をよくすることができる。また、入浴用タオルを使用した後、凹凸ブロックを素早く乾燥させる。さらに、洗浄液を凹凸ブロック内に保持することもできる。
【0033】
さらに、請求項5に記載の発明によれば、タオル本体の両端には、複数の輪で構成された把手が長さ方向にそれぞれ設けられている。これにより、例えば、大人と子どもであっても兼用することができる。すなわち、手を肩幅方向に拡げた長さの差が異なる人に応じてタオル本体を持つ位置を変えることができる。例えば、子どもが使用する場合には、タオル本体に近い部分の輪を持って使用することができる。一方、大人が使用する場合には、タオル本体から遠い部分の輪を持って使用することができる。サイズ別に製品を複数製造する必要がなく、製造の効率化が図れる。
【0034】
さらに、請求項6に記載の発明によれば、大略長円球状状を有する凹凸ブロックからなる垢すりの外周部には複数の環状溝が設けられている。そして、この環状溝が現出された複数の環状溝間には、各突起が周方向にそれぞれ配設されている。凹凸ブロックを身体に押し当てる。そして、凹凸ブロックの突起の当接により、体に溜まった垢をする落とすことができる。
【0035】
さらに、請求項7に記載の発明によれば、凹凸ブロックは、風呂用の洗浄具に使用できる。溝があればあることにより、凹凸部が外部からの接触で複雑な動きをする。すなわち、突起部分の首振り角度が増す。これにより、洗浄効果を高めることができる。風呂用の洗浄具とは身体洗浄、浴槽洗浄、コンクリート・タイル面などの洗浄、洗面台などの洗浄に使用できる。また、凹凸ブロックをソフトな素材で形成することにより、ガラス・陶器などの洗浄に使用することができる。
台所用としてはガラス類を含む食器類、鍋類、コンロ周り、流し台などの洗浄に使用することができる。
トイレ掃除用としては便器、タイルなどの洗浄に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。
【実施例1】
【0037】
図1〜図5において、10はこの発明の実施例1に係る入浴用タオルで、この入浴用タオル10は、タオル本体11の長さ方向の中間部分に袋部12を形成し、袋部12の中に、多数の突起13が外周部の全域に配設された凹凸ブロック14を固定状態で収納したものである。
タオル本体11は、黄色人種用としての長さ約1100mm(白色人種および黒色人種用は1200mm)、最大幅70mmの綿織布である。なお、タオル本体11の素材としては、アクリル50%、綿35%、レーヨン15%からなる織布製のものを使用してもよい。タオル本体11は、長さ方向の両側に向かって徐々に先細り形状となった表布部15と裏布部16とを、多数の升目が連続する斜向縫い付けにより縫着することで形成されている。先細り化したタオル本体11の両端部には、例えば入浴用タオル10が使い難い背中などを洗う際にも、入浴用タオル10が使い易いように、環状のアクリル織布製の長さ120mmの把手17をそれぞれ設けている。
【0038】
袋部12は、タオル本体11の長さ方向の中間に配置された1つの升目部分(最大面積の升目部分)により構成されている。
袋部12は、表布部15の一部分と、裏布部16の一部分とにより構成されている。そのため、凹凸ブロック14を袋部12に固定する際には、まず表布部15の長さ方向の中間部と裏布部16の長さ方向の中間部との間に凹凸ブロック14を配置する。次に、この状態を維持して、表布部15と裏布部16とをミシン糸aにより斜向縫い付けする。その途中、タオル本体11の長さ方向の中間部を縫着する際には、凹凸ブロック14を、斜めに交差した2対の縫い糸aの間で挟み込む。これにより、タオル本体11の縫製と同時に、接着剤などを使用することなく、タオル本体11の袋部12に凹凸ブロック14をしっかりと固定することができる。また、実施例1では、凹凸ブロック14の固定をさらに堅固にするため、凹凸ブロック14の周囲の表布部15の一部と裏布部16の一部とを、太糸bにより二重縫いしている(図4)。しかも、タオル本体11は、長さ方向の両側に向かって徐々に先細り化した形状を有している。そのため、タオル使用時に入浴用タオル10の両端部が握り易いとともに、略ラグビーボール形状(長円球形状)の凹凸ブロック14から、タオル使用中、タオル本体11の中央部からタオル長さ方向に移動し難い。
【0039】
次に、図6および図7を参照して、凹凸ブロック14を詳細に説明する。
図6および図7に示すように、凹凸ブロック14は、長さが約110mm、幅が70mm弱、厚さが約50mmの略ラグビーボール形状を有している。凹凸ブロック14の厚さ方向の中間部には、凹凸ブロック14の全周にわたって、前記突起13が1つも存在しない厚肉なベルト部18が形成されている。凹凸ブロック14は、発泡ポリエチレン製である。各突起13およびベルト部18は、凹凸ブロック14と同じ素材で、凹凸ブロック14と一体成形(例えば射出成形)されている。凹凸ブロック14の袋部12への収納時には、略ラグビーボール形状の凹凸ブロック14の長さ方向を、タオル本体11の長さ方向に向けて収納される。これにより、球形状の凹凸ブロック14を採用した場合に比べて、凹凸ブロック14が袋部12の中で移動し難い。
【0040】
凹凸ブロック14の外周部には、凹凸ブロック14の周方向を長さ方向とした多数条の環状溝(深さ5mm、溝幅5mm)19が、凹凸ブロック14の長さ方向に5〜15mmのピッチでそれぞれ形成されている。これらの環状溝19が形成されることで、凹凸ブロック14の外周部には、隣接する各環状溝19間に多数の幅9mmの環状部分(見かけ上は環状の隆起部分)20が現出される。これらの環状部分20の外周部には、前記多数の突起13が、凹凸ブロック14の周方向に5〜15mmのピッチで突設されている。各突起13は、先部が半球形状に丸い直径5mm、長さ5mmのものである。なお、入浴用タオル10を構成する全ての部材には、衛生上、公知の抗菌加工および防カビ加工が施されている。
【0041】
次に、この発明の実施例1に係る入浴用タオル10の使用方法を説明する。
入浴用タオル10の使用時には、まず、一方の把手17を右手で握り、他方の把手17を左手で握る。そして、袋部12に洗浄液(液体洗剤)を供給する。これにより、洗浄液は袋部12を浸透して凹凸ブロック14に達し、その後、凹凸ブロック14の外周部の各環状溝19に導入される。これにより、洗浄液を凹凸ブロック14の全周にわたって満遍なく導くことができる。しかも、各環状溝19を介して、洗浄液を凹凸ブロック14内に長時間保持することができる。
【0042】
その後、入浴用タオル10を使用者の背後に回し、例えば背中を洗う。
このとき、凹凸ブロック14は略ラグビーボール形状であり、しかもその長さ方向をタオル本体11の長さ方向に向けて、前記袋部12に収納されている。そのため、タオル本体11をその長さ方向に往復移動させながら背中を洗う際、凹凸ブロック14と肌との接触感が良い。
さらに、各環状溝19は、凹凸ブロック14の外周部において、凹凸ブロック14の周方向を溝の長さ方向とし、かつ凹凸ブロック14の長さ方向に5〜15mmピッチで配置されている。しかも、各突起13は、隣接する各環状溝19間に現出した環状部分20に、凹凸ブロック14の周方向に5〜15mmピッチでそれぞれ配置されている。そのため、タオルの使用時において、袋部12内の洗浄液は、各環状溝19および各突起13により激しく攪拌される。これにより、洗浄液の泡立ちが良く、身体の洗浄効果がさらに高められる。しかも、各突起13の効果的な配置によって、さらに高いマッサージ効果も得ることができる。
【0043】
タオル本体11の長さ方向の中間部分に配置された袋部12に、凹凸ブロック14を固定状態で収納したので、従来品の欠点であったタオルの使用中にタオルの長さ方向に凹凸ブロック14が移動することがない。そのため、タオル本体11内で凹凸ブロック14が移動しないような入浴用タオル10の使い方を習得する必要がない。しかも、凹凸ブロック14のどの部分を、タオル本体11のどの向きに配置して入浴用タオル10を使用しても、凹凸ブロック14を効果的に利用した身体への洗浄やマッサージを施すことができる。
なお、凹凸ブロック14には、その表裏両面を貫通する多数の貫通孔を形成してもよい。これにより、凹凸ブロック14に対して、洗浄液をよりいっそう浸透させたり(ブロック全面に満遍なく行き渡らせたり)、保持したりすることができる。さらに、タオル使用後の凹凸ブロック14からの水切りも容易になる。
【実施例2】
【0044】
また、この発明の第2の実施例を図8を参照して説明する。
本実施例に係る発明は、前記実施例1に係る入浴用タオル10に以下の変更を加えたものである。前記実施例1の把手部分を複数の輪で構成された把手17に変更したことである。他の構成については実施例1と同じである。すなわち、複数の輪で構成した把手17をタオル本体11の両端にそれぞれ設けたものである。
具体的には、アクリル、ナイロン、テトロンなどの素材で構成された把手17が設けられている。この把手17は2つの輪で構成されている。この輪は、アクリルの素材で1つの輪を形成して、この輪から同じ直径の輪ができるように縫製して2つの輪を構成する。
そして、この輪をそれぞれタオル本体11の両端にそれぞれに連結する。
次に、使用方法については、子どもが使用する場合には、タオル本体11の両端の把手17であって、タオル本体11側の輪にそれぞれ手を通して使用する。一方、大人の場合には、タオル本体11とは遠い両端側の輪にそれぞれ手を通して使用する。これにより、肩幅方向に手を拡げた長さが異なる大人と子どもであっても兼用することができる。
なお、子どものみが使用する場合には、タオル本体11の両端側よりも遠い部分の把手17を近い部分に折り畳むように設けてもよい。
【実施例3】
【0045】
また、この発明の第3の実施例を図9および図10を参照して説明する。
本実施例に係る発明は、前記実施例1に係る入浴用タオルに以下の変更を加えたものである。前記実施例1の凹凸ブロック14の長軸方向と直交に貫通する貫通孔21を設けたことである。他の構成については実施例1と同じである。
具体的には、ポリウレタンフォーム(ウレタン類)などの素材で構成された凹凸ブロック14が設けられている。この凹凸ブロック14には、環状溝19が設けられている。そして、この環状溝19に凹凸ブロック14を貫通する貫通孔21が設けられる。これにより、凹凸ブロック14を通気性を良くすることができる。また、素早く乾燥させることができる。
この凹凸ブロック14を用いて、身体に溜まったことが垢を落とすことができる。すなわち、長円球状状を有する凹凸ブロック14からなる垢すりの外周部には複数の環状溝が設けられている。また、この環状溝が現出された複数の環状溝間には、各突起が周方向にそれぞれ配設されている。そして、凹凸ブロック14を身体に押し当てる。そして、凹凸ブロック14の突起により、体に溜まった垢をすり落とすことができる。
また、凹凸ブロック14は、風呂用、台所用、トイレ用その他用の清掃具として使用することもできる。風呂用の洗浄具については、身体洗浄、浴槽洗浄、コンクリート・タイル面などの洗浄、洗面台などの洗浄に使用できる。また、凹凸ブロック14をソフトな素材で形成することにより、ガラス・陶器などの洗浄に使用することができる。環状溝19があることにより、凹凸部が外部からの接触で複雑な動きをする。すなわち、突起13部分の首振り角度が増す。これにより、洗浄効果を高めることができる。
台所用については、ガラス類を含む食器類、鍋類、コンロ周り、流し台などの洗浄に使用することができる。
トイレ掃除用については、便器、タイルなどの洗浄に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】この発明の実施例1に係る入浴用タオルのタオル本体を想像線により示した斜視図である。
【図2】この発明の実施例1に係る入浴用タオルの平面図である。
【図3】この発明の実施例1に係る入浴用タオルのタオル本体を想像線により示した側面図である。
【図4】この発明の実施例1に係る入浴用タオルのタオル本体を想像線により示した要部拡大平面図である。
【図5】この発明の実施例1に係る入浴用タオルのタオル本体を想像線により示した要部拡大側面図である。
【図6】この発明の実施例1に係る入浴用タオルに組み込まれる凹凸ブロックの拡大平面図である。
【図7】この発明の実施例1に係る入浴用タオルに組み込まれる凹凸ブロックの拡大側面図である。
【図8】この発明の実施例2に係る入浴用タオルのタオル本体を想像線により示した斜視図である。
【図9】この発明の実施例3に係る凹凸ブロックの拡大平面図である。
【図10】この発明の実施例3に係る凹凸ブロックの拡大側面図である。
【符号の説明】
【0047】
10 入浴用タオル、
11 タオル本体、
12 袋部、
13 突起、
14 凹凸ブロック、
15 表布部、
16 裏布部、
19 環状溝、
20 環状部分。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定長さの帯状の柔軟素材からなるタオル本体と、
このタオル本体の長さ方向の中間部分に形成された袋部と、
この袋部の中に収納された凹凸ブロックとを備えた入浴用タオルであって、
上記凹凸ブロックは、大略球形であって、その外周面の全域に複数個の突起が設けられた入浴用タオル。
【請求項2】
前記凹凸ブロックは、該凹凸ブロックの長軸方向を、前記タオル本体の長さ方向に向けた大略長円球形状を有し、
前記凹凸ブロックの外周部には、該凹凸ブロックの周方向に沿って延びる環状溝が、前記凹凸ブロックの長軸方向に所定間隔を有して複数個並んで形成され、
該凹凸ブロックの外周部のうち、隣接する各環状溝間に現出された複数の環状部分には、前記複数個の突起が、前記凹凸ブロックの周方向に離間して配設された請求項1に記載の入浴用タオル。
【請求項3】
前記タオル本体は、長さ方向の両側に向かって徐々に先細り形状となった表布部と裏布部とを、多数の升目が連続する斜向縫い付けにより縫着することで形成され、
前記タオル本体の長さ方向の中間に配置された1つの升目部分が、前記袋部である請求項1または請求項2に記載の入浴用タオル。
【請求項4】
前記凹凸ブロックには長軸方向と直交してこれを貫通する複数の貫通孔が設けられた請求項2または請求項3に記載の入浴用タオル。
【請求項5】
前記タオル本体の両端には、複数の輪で構成された把手が長さ方向にそれぞれ設けられた請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の入浴用タオル。
【請求項6】
大略長円球形状を有する凹凸ブロックからなる垢すりであって、
前記凹凸ブロックの外周部には、該凹凸ブロックの周方向に沿って延びる環状溝が、前記凹凸ブロックの長軸方向に所定間隔を有して複数個並んで形成され、
該凹凸ブロックの外周部のうち、隣接する各環状溝間に現出された複数の環状部分には、前記複数個の突起が、前記凹凸ブロックの周方向に離間して配設された垢すり。
【請求項7】
大略長円球形状を有する凹凸ブロックからなる風呂、台所、トイレ、その他の清掃に使用される清掃具であって、
前記凹凸ブロックの外周部には、該凹凸ブロックの周方向に沿って延びる環状溝が、前記凹凸ブロックの長軸方向に所定間隔を有して複数個並んで形成され、
該凹凸ブロックの外周部のうち、隣接する各環状溝間に現出された複数の環状部分には、前記複数個の突起が、前記凹凸ブロックの周方向に離間して配設された清掃具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−198386(P2006−198386A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−133477(P2005−133477)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(504471768)
【出願人】(504471779)
【Fターム(参考)】