説明

入浴用糠袋

【課題】米糠などを袋に入れたいわゆる糠袋は、従来から美肌のための入浴具として用いられてきた。しかし、近年では美肌のための洗浄組成物が化学的に多数作られ、香りや使用感が優れている点と相俟って米糠を用いた糠袋は殆ど省みられない。 一方、米糠は産業廃棄物となっている現状があり、また、ユーザーが自然志向であるという実情がある。 そうした事情に鑑み、自然素材である米糠を用いた糠袋を、ぬいぐるみとしても使用できるよう形成し、その糠袋を、強く揉み手指に潤い成分を与える美肌用具として提供する。
【解決手段】本発明の入浴用糠袋Aは、米糠など1を袋2に封入した糠袋において、該袋2の全体で動植物などの姿形や顔を表現し、ぬいぐるみ風の糠袋4に形成する。また、本発明の入浴用糠袋4は、米糠など1を袋に封入した糠袋において、該袋に突出させた腕や足5などを設け、ぬいぐるみ風の糠袋4に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌を洗浄したりマッサージするための入浴用糠袋に関し、詳しくは、米糠などを封入した糠袋に、動植物などの姿形や顔を表現したり、腕や足などを突出させたりして、ぬいぐるみ風の糠袋に形成した入浴用糠袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アルコール分を含む内容物をパックした美肌のための入浴具の先行技術として「浴用健康パック体」がある(例えば、特許文献1参照)。
また、牛乳の乾物とホウ砂粉末とからなる肌洗浄料を袋体に充填した入浴具の先行技術として「美肌用ぬか袋」がある(例えば、特許文献2参照)。
また、コンブやササの葉などを通水性袋に収納した入浴具の先行技術として「浴用マッサージ袋」がある(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】 実開昭62−66640号公報(請求項1、図1〜2)
【特許文献2】 実開昭63−145827号公報(請求項1、図1〜2)
【特許文献3】 特開平8−154862号公報(請求項1〜7、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
米糠などを袋に入れたいわゆる糠袋は、従来から美肌のための入浴具として用いられてきた。しかし、近年では美肌のための洗浄組成物が化学的に多数作られ、香りや使用感が優れている点と相俟って米糠を用いた糠袋は殆ど省みられなくなってきている。
一方、米糠は産業廃棄物となっているという現状があり、また、ユーザーが自然志向であるという実情がある。
そうした事情に鑑み、自然素材である米糠を用いた糠袋を、ぬいぐるみとしても使用できるよう形成し、そのぬいぐるみ風の糠袋を、強く揉むことによって手指に潤い成分を与えられる美肌用具として提供しようとするものである。また、産業廃棄物としての糠の廃棄量削減にも貢献しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明の入浴用糠袋は、米糠などを袋に封入した糠袋において、該袋の全体で動植物などの姿形や顔を表現し、ぬいぐるみ風の糠袋に形成する。
【0005】
また、本発明の入浴用糠袋は、米糠などを袋に封入した糠袋において、該袋に突出させた腕や足などを設け、ぬいぐるみ風の糠袋に形成する。
【発明の効果】
【0006】
請求項1のように、米糠などを袋に封入した糠袋において、その袋の全体で動植物などの姿形や顔を表現し、ぬいぐるみ風の糠袋に形成した場合、糠袋をぬいぐるみやアクセサリーと兼用して使用することができる。この場合、ぬいぐるみやアクセサリーとして一定期間使用した後、入浴用糠袋として実用的に使用することができるので好都合である。
また、ぬいぐるみやアクセサリーとして使用する場合、玩具的に弄ぶような使用法が派生する。例えば、ぬいぐるみ風の糠袋は、強く揉むことによって、通水性の袋を通して潤い成分を含んだ糠の微粒子が手指に付着する。従って、ぬいぐるみ風の糠袋を、強く揉むことによって手指に潤い成分を与えられる美肌用具として提供することができる。
また、ぬいぐるみ風の糠袋を強く揉むことによって握力を鍛えることができる。従って、握力強化具としても提供することができる。この場合、掌のツボが刺激されボケ防止の効果を伴うので好都合である。
【0007】
また、請求項2のように、米糠などを袋に封入した糠袋において、その袋に突出させた腕や足などを設け、ぬいぐるみ風の糠袋に形成した場合には、上記効果のほか下記の効果を得る。
浴用具として使用する場合、糠袋に腕や足などを突出させて設けてあるので、その突出させた腕や足を指間に挟んで使用することができるので、水分を含ませて滑りやすくなった糠袋の操作がしやすくなるという効果を得る。なお、本願発明では、突出させた腕や是がぬいぐるみの姿形を形成する重要な要素である点に特徴を有するものである。
勿論、腕や足などを突出させたぬいぐるみ風の糠袋は、単に動植物などの姿形や顔を表現するための絵を書き加えたぬいぐるみ風の糠袋よりもデザイン的に優れたものとなり商品価値も高い。
なお、ぬいぐるみ風の糠袋には、突出させたアクセサリー、例えば、アップリケ風の飾りやフリル、リボン、ベルト、ボタンなどを付けることによって、デザイン的な統一を保ちつつ、糠袋の洗浄性能とマッサージ効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本願請求項1の入浴用糠袋は、米糠などを封入した袋の全体で動植物などの姿形や顔を表現し、ぬいぐるみ風の糠袋に形成するものである。
本願の構成およびその構成から得られる効果は、米糠を用いた糠袋に限定されるものではなく、米糠にハーブ粉末を加えたもの、或いは、米以外の糠や粉末ハーブを用いても得られる効果である。従って、米糠などには、米糠のほか混合米糠や米同等物の糠、粉末ハーブや糠同等の成分を有する糠同等物が含まれる。
なお、動植物などの姿形や顔の表現は、動植物などの姿形や顔を表現するための絵が、手描きされたり、プリントされたり、染められたり、刺繍されたりして作られる。
なお、糠袋の袋は布地など通水性の素材を用いて作られる。
【0009】
本願請求項2の入浴用糠袋は、米糠などを袋に封入した糠袋において、その袋に突出した腕や足などを設けてぬいぐるみ風の糠袋に形成するものである。
突出には、膨出も含まれる。
突出した腕や足などは、腕や足を象った布片やフェルト片などを袋に縫着したり接着したりして設けることができる。また、膨出した腕や足などは、袋状に作られた腕や足の部分に米糠などを詰めることにより設けることができる。
なお、ぬいぐるみ風の糠袋には、突出させたアクセサリー、例えば、アップリケ風の飾りやフリル、リボン、ベルト、ボタンなどを象った布片やフェルト片など、を縫着したり接着したりして付け、糠袋の洗浄性能とマッサージ効果を高められるようにすることが望ましい。
【0010】
また、ぬいぐるみ風の糠袋には、芳香材や音響発生材を添加することができる。
芳香材の添加には、芳香材を袋に含浸させて添加する形態と袋内に芳香材を封入して添加する形態とが選択できる。
また、音響発生材の添加には、音響発生材を袋外に取り付けて添加する形態と袋内に音響発生材を封入して添加する形態とが選択できる。
本願に利用できる芳香材としては、袋に含浸させるための液状芳香剤や袋内に封入するための芳香ビーズ、粉末ハーブなどを用いることができる。
また、本願に利用できる音響発生材としては、泣き笛や鈴などを用いることができる。
【実施例1】
【0011】
以下図面に基づいて実施例を説明する。
図1は、本願請求項1よる入浴用糠袋Aを示す一部破断斜視図である。
米糠など1には、米糠が用いられ、該米糠は、加熱による防腐処理がなされている。
袋2は、通水性に優れた布地を用いて球状に作られており、米糠が封入されて糠袋となっている。
糠袋の表面全体には、姿形や顔の表現3として、猿の顔がプリントされ、ぬいぐるみ風の糠袋4に形成されている。
【実施例2】
【0012】
図2は、本願請求項2よる入浴用糠袋Aを示す一部破断斜視図である。
米糠など1には、米糠に粉末ハーブを混合した混合米糠が用いられており、該混合米糠は、加熱による防腐処理がなされている。実施例では、米糠と米糠の10重量%の粉末ミントを混合した混合米糠が用いられている。
袋2は、通水性に優れた布地で作られ、突出させた腕や足5を設けた卵型人形として形成されている。袋2には混合米糠が封入され、ぬいぐるみ風の糠袋4に形成されている。
糠袋の、突出させた腕や足5は、袋2を形成するための布地裁断の段階で腕や足部分が袋状となるよう計算されて裁断されている。従って、裁断された布地を縫着または接着することによって、突出させた腕や足5の部分が形成されることとなる。
実施例では、裁断された布地を縫着して、突出させた腕や足5を設け、卵型人形のぬいぐるみ風の糠袋4が作られている。
突出させた腕や足5の部分には混合米糠が封入され、腕や足の部分は膨出した状態に形成されている。
またぬいぐるみ風の糠袋4には、突出させたアクセサリー6として、首部分に布製フリルが縫着され、胴部分に布製ベルトが縫着されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本願請求項1よる入浴用糠袋を示す一部破断斜視図である。
【図2】本願請求項2よる入浴用糠袋を示す一部破断斜視図である。
【符号の説明】
【0014】
1 米糠など
2 袋
3 姿形や顔の表現
4 ぬいぐるみ風の糠袋
5 突出させた腕や足
6 突出させたアクセサリー
A 入浴用糠袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米糠などを袋に封入した糠袋であって、該袋の全体で動植物などの姿形や顔を表現し、ぬいぐるみ風の糠袋に形成したことを特徴とする入浴用糠袋。
【請求項2】
米糠などを袋に封入した糠袋であって、該袋に突出させた腕や足などを設け、ぬいぐるみ風の糠袋に形成したことを特徴とする入浴用糠袋。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−334374(P2006−334374A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−194340(P2005−194340)
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【出願人】(000171263)
【Fターム(参考)】