説明

入浴装置及び入浴装置の洗浄方法

【課題】
攪拌されて洗浄剤の濃度が一定になった貯水で、浴槽、還流管路及び貯湯タンクの洗浄が可能な入浴装置及び入浴装置の洗浄方法を提供することにある。
【解決手段】
浴槽と貯湯タンクとを有し、該浴槽と該貯湯タンクとが還流管路で連通され、該還流管路に設けられたポンプにより該貯湯タンクの貯水を該浴槽に移す入浴装置において、洗浄剤を投入した貯水を攪拌する攪拌装置を浴槽又は貯湯タンクに備え、攪拌された貯水を、ポンプを用いて浴槽と貯湯タンクとの間で還流させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽と貯湯タンクとを有し貯湯タンクの貯水を浴槽に移す構造の入浴装置及び入浴装置の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車椅子に座位する入浴者を、その乗座部ごと浴槽内に搬入させたり、担架に乗せた入浴者を、その担架ごと浴槽内に搬入して入浴させる入浴装置が提供されている(例えば、特許文献1)。この入浴装置は、浴槽と貯湯タンクとを有し、浴槽と貯湯タンクとが還流管路で連通され、還流管路に設けられたポンプにより貯湯タンクの貯水を浴槽に移すことにより入浴を可能としている。この入浴装置は、次の入浴者の入浴に先立ち、浴槽内のお湯を貯湯タンク内へ一旦回収した状態において、貯湯タンク内のお湯を薬液注入による殺菌により、衛生的になったお湯を再び浴槽に戻し、このお湯を浴槽内に停滞又は循環濾過して入浴が行われることようにしている。
【特許文献1】特開2002−28211号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の入浴装置では、お湯に薬液を注入してお湯自体の殺菌は行うものの、浴槽、管路及び貯湯タンクの洗浄を行う手段を有していないことから、浴槽、管路及び貯湯タンクに付着した汚れや菌を取り除くことができず、入浴装置を清潔に保つことが困難である。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、攪拌されて洗浄剤の濃度が一定になった貯水で、浴槽、還流管路及び貯湯タンクの洗浄が可能な入浴装置及び入浴装置の洗浄方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の入浴装置は、洗浄剤を投入した貯水を攪拌する攪拌装置を浴槽又は貯湯タンクに備え、攪拌された貯水を、ポンプを用いて浴槽と貯湯タンクとの間で還流させることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の入浴装置は、洗浄剤を投入した貯水を攪拌する攪拌装置を浴槽又は貯湯タンクに備え、還流管路を構成する2本の管路の間を連通する連絡管路を設け、還流管路と連絡管路とを用いて、攪拌された貯水を、浴槽、連絡管路及びその間の還流管路、又は貯湯タンク、連絡管路及びその間の還流管路を循環させることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の入浴装置は、貯水の排水装置を備え、攪拌された貯水を循環又は還流させた後、貯水を所定時間、浴槽、貯湯タンク、還流管路又は連絡管路に浸漬後、再び循環又は還流されてから排水装置を用いて排水することを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の入浴装置は、攪拌装置が、浴槽に設けられた気泡発生装置であることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の入浴装置の洗浄方法は、洗浄剤を貯水に投入し、貯水を浴槽又は貯湯タンクで攪拌した後、攪拌された貯水を、ポンプを用いて浴槽と貯湯タンクとの間で還流させることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の入浴装置の洗浄方法は、洗浄剤を貯水に投入し、貯水を浴槽又は貯湯タンクで攪拌した後、還流管路と還流管路を構成する2本の管路の間を連通する連絡管路とを用いて、攪拌された貯水を、浴槽、連絡管路及びその間の還流管路、又は貯湯タンク、連絡管路及びその間の還流管路を循環させることを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の入浴装置の洗浄方法は、攪拌された貯水を循環又は還流させた後、貯水を所定時間、浴槽、貯湯タンク、還流管路又は連絡管路に浸漬後、再び循環又は還流されてから排水することを特徴とする。
【0012】
請求項8記載の入浴装置の洗浄方法は、貯水の攪拌を、浴槽に設けられた気泡発生装置で行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1及び請求項5の発明によれば、洗浄剤を投入した貯水を攪拌する攪拌装置を浴槽又は貯湯タンクに備え、攪拌された貯水を、ポンプを用いて浴槽と貯湯タンクとの間で還流させることから、攪拌されて洗浄剤の濃度が一定になった貯水で、浴槽、還流管路及び貯湯タンクの洗浄が可能である。
【0014】
請求項2及び請求項6の発明によれば、洗浄剤を投入した貯水を攪拌する攪拌装置を浴槽又は貯湯タンクに備え、還流管路を構成する2本の管路の間を連通する連絡管路を設け、還流管路と連絡管路とを用いて、攪拌された貯水を該浴槽と該連絡管路とその間の循環または該貯湯タンクと該連絡管路とその間の還流管路で循環させることから、洗浄すべき管路を短く抑えることにより、攪拌されて洗浄剤の濃度が一定になった貯水で、勢いよく浴槽、還流管路及び貯湯タンクの洗浄することができる。
【0015】
請求項3及び請求項7の発明によれば、攪拌された貯水を循環又は還流させた後、貯水を所定時間、浴槽、貯湯タンク、還流管路又は連絡管路に浸漬後、再び循環又は還流されてから排水装置を用いて排水することから、浴槽、貯湯タンク、還流管路又は連絡管路に洗浄剤を留め置くことで汚れを剥がれやすくすることが可能である。
【0016】
請求項4及び請求項8の発明によれば、攪拌装置が、浴槽に設けられた気泡発生装置であることから、既存の装置を攪拌装置として用いることができ、装置のコストを抑えることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。本発明の形態における入浴装置は、浴槽と貯湯タンクとを有し、該浴槽と該貯湯タンクとが還流管路で連通され、該還流管路に設けられたポンプにより該貯湯タンクの貯水を該浴槽に移すことにより入浴者が入浴可能となるものである。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明に係る入浴装置の第1の実施例を示す構造図である。図2は、同入浴装置の動作を示すフローチャートである。図3及び図4は、同入浴装置の動作の詳細を示すフローチャートである。
【0019】
図1において、入浴装置1は、開閉可能な扉6を備える浴槽5に車椅子に座位する入浴者を、その乗座部ごと浴槽5内に搬入させる構造のものである。入浴装置1は、浴槽5にお湯を供給する貯湯タンク10を備えている。また、浴槽5には、気泡を発生させるための気泡発生装置7が設けられ、気泡を発生させるブロワ8からの気泡が浴槽5に放出される。浴槽5又は貯湯タンク10に給湯する構造としては、給水管12及び給湯管13を介して入浴装置1の外部から供給されるお湯及び水を混同するミキシング14を備え、ミキシング14が管路27に接続され、管路27の一端がバルブ34及び管路26を介して浴槽5に連通されている。また、管路27の他端がバルブ35及び管路28を介して貯湯タンク10に連通されている。
【0020】
浴槽5と貯湯タンク10との間には、管路21,22,23,24,25が設けられている。管路21は、一端が浴槽5の底面に配管され分岐しており、他端の一方は貯湯タンク10方向に伸びてバルブ31が設けられ、他端の他方はバルブ30を介して排水管20に接続されている。管路21のバルブ31の先は、管路22が分岐するように設けられ、分岐の一方にはポンプ18が設けられ、分岐の他方にはバルブ32が設けられている。バルブ32の先には管路23が設けられ、管路23は貯湯タンク10の底位置に連通している。
【0021】
ポンプ18の先には、三叉のバルブ33が設けられ、分岐の一方は管路24を介して浴槽5に連通している。また、バルブ33の分岐の他方は、管路25及びフィルタ11を介して貯湯タンク10の中位置に連通している。尚、管路25の途中には、管路25内に薬液を注入するための薬液タンク15及び薬液注入ポンプ16が設けられている。尚、本実施例の入浴装置1は、浴槽5の扉6を開閉可能な構造であるが、本実施例の構造に限られるものではなく、扉6を有さず浴槽5の上方向からリフト等を用いて入浴者を入浴させるような構造のものであってもよい。
【0022】
次に、本実施例の入浴装置1の洗浄方法を説明する。尚、以後の本実施例の説明において、括弧内の符号は図2〜図4の符号に対応している。まず、入浴装置1の洗浄は、大きく分けて3つの構成からなる。図2に示すように、洗浄工程(S100)、中和工程(S150)及びすすぎ工程(S170)である。尚、中和工程(S150)は洗浄剤の種類により不要な場合もある。
【0023】
まず、洗浄工程(S100)について説明する。最初に、浴槽5の扉6を締めてロックし(S101)、洗浄剤を浴槽5に投入する(S102)。次に、入浴装置1に設けられた洗浄スイッチ(図示せず)がONされると(S103−YES)、浴槽5に給湯される(S104)。この浴槽5への給湯は、給水管12及び給湯管13を介してミキシング14で適温にされたお湯が、管路27とバルブ34を介して浴槽5に注ぎ込まれる流れで行われる。浴槽5へ給湯が終わると、次に気泡発生装置7から気泡を発生させて浴槽5内の洗浄剤を含むお湯の攪拌を行う(S105)。
【0024】
攪拌を所定時間行い(S106)、次に洗浄剤を攪拌したお湯を浴槽5から貯湯タンク10に還流させる(S107)。還流は、ポンプ18を動作させた状態で、管路21、バルブ31、管路22、ポンプ18、バルブ33、管路25及びフィルタ11を介して行う。これにより、洗浄剤を攪拌したお湯が、浴槽5から貯湯タンク10に移動して、管路21、管路22、ポンプ18、バルブ33及び管路25が洗浄されることになる。
【0025】
次に、洗浄剤を攪拌したお湯を貯湯タンク10から浴槽5に還流させる(S108)。この還流は、ポンプ18を動作させた状態で、管路23、バルブ32、管路22、ポンプ18、バルブ33及び管路24を介して行う。これにより、洗浄剤を攪拌したお湯が、貯湯タンク10から浴槽5に移動して、管路23、バルブ32、管路22、ポンプ18、バルブ33及び管路24が洗浄されることになる。浴槽5に洗浄剤を攪拌したお湯が溜められた状態で、所定時間、浸漬を行う(S109、S110)。そして、予め定められた所定回数、上述の還流を行うことになり(S111)、所定回数が終了すると(S111−YES)、洗浄工程(S100)が終了することになる。
【0026】
次に、洗浄剤の種類により中和工程(S150)が必要な場合には中和を行うことになる。中和工程(S150)は、まず中和剤を洗浄剤を攪拌したお湯が溜まった浴槽5に投入する(S151)。次に、入浴装置1に設けられた洗浄スイッチ(図示せず)がONされると(S152−YES)、気泡発生装置7から気泡を発生させて浴槽5内の中和剤を含むお湯の攪拌を行う(S153)。
【0027】
攪拌を所定時間行い(S154)、次に中和剤を攪拌したお湯を浴槽5から貯湯タンク10に還流させる(S155)。還流は、ポンプ18を動作させた状態で、管路21、バルブ31、管路22、ポンプ18、バルブ33、管路25及びフィルタ11を介して行う。これにより、中和剤を攪拌したお湯が、浴槽5から貯湯タンク10に移動して、管路21、管路22、ポンプ18、バルブ33及び管路25も中和されることになる。
【0028】
次に、中和剤を攪拌したお湯を貯湯タンク10から浴槽5に還流させる(S156)。この還流は、ポンプ18を動作させた状態で、管路23、バルブ32、管路22、ポンプ18、バルブ33及び管路24を介して行う。これにより、中和剤を攪拌したお湯が、貯湯タンク10から浴槽5に移動して、管路23、バルブ32、管路22、ポンプ18、バルブ33及び管路24も中和されることになる。そして、浴槽5に戻った中和剤を攪拌したお湯を、バルブ30及び排水管20を介して排水する。ここまでが、中和工程(S150)である。
【0029】
次に、すすぎ工程(S170)を行う。すすぎ工程(S170)で、まず、浴槽5に給湯する(S171)。次に、お湯を浴槽5から貯湯タンク10に還流させる(S171)。還流は、ポンプ18を動作させた状態で、管路21、バルブ31、管路22、ポンプ18、バルブ33、管路25及びフィルタ11を介して行う。これにより、お湯が浴槽5から貯湯タンク10に移動して、管路21、管路22、ポンプ18、バルブ33及び管路25がすすがれることになる。更に、お湯を貯湯タンク10から浴槽5に還流させる(S173)。この還流は、ポンプ18を動作させた状態で、管路23、バルブ32、管路22、ポンプ18、バルブ33及び管路24を介して行う。これにより、お湯が、貯湯タンク10から浴槽5に移動して、管路23、バルブ32、管路22、ポンプ18、バルブ33及び管路24がすすがれることになる。そして、そして、浴槽5に戻ったお湯を、バルブ30及び排水管20を介して排水する。
【0030】
そして、予め定められた所定回数、上述のすすぎを行うことになり(S171〜S174)、所定回数が終了すると(S175−YES)、すすぎ工程(S170)が終了することになる。その後、扉6のロックを解除し(S176)、入浴装置1の電源スイッチが自動的にOFFになり(S177)、入浴装置1の洗浄が終了する。
【0031】
以上のように、本実施例の入浴装置1では、洗浄剤を投入したお湯(貯水)を攪拌する攪拌装置である気泡発生装置7を浴槽5に備え、攪拌されたお湯(貯水)を、ポンプ18を用いて浴槽5と貯湯タンク10との間で還流させることから、攪拌されて洗浄剤の濃度が一定になったお湯(貯水)で、浴槽5、還流管路である管路21,22,23,24,25及び貯湯タンク10の洗浄が可能である。また、ポンプ18を用いて還流が、更に圧力を加えるような構造を設け、水圧の高い状態で洗浄を向上させることも可能である。尚、攪拌装置を貯湯タンク10に設けることも可能である。また、本実施例では、まず最初に給湯するのを浴槽5として説明しているので洗浄剤を浴槽5に投入するが、貯湯タンク10に最初に給湯又は給水する場合には最初に貯湯タンク10に洗浄剤を投入するようにしてもよい。更に、洗浄剤の投入を自動化することも可能である。更に、本実施例では、浴槽5又は貯湯タンク10の一方に一度に攪拌されたお湯(貯水)を還流させるように説明したが、還流の他、浴槽5と貯湯タンク10との間に、攪拌されたお湯(貯水)を循環させるようにしてもよい。
【0032】
また、本実施例では攪拌装置として気泡を発生する気泡発生装置7を用いていることから、既存の装置を攪拌装置として用いることができ、装置のコストを抑えることが可能である。尚、本実施例では攪拌装置として気泡発生装置7を用いたが、羽が回転する物等、洗浄剤をお湯に攪拌できるものであればかまわない。更に、浴槽5に設けられた気泡発生装置7は本来入浴時のために従来から設けられているもので、この従来からある気泡発生装置7を洗浄に用いることで、入浴装置1のコストを上げることなく攪拌機能を備えさせることが可能である。尚、上述の洗浄等の工程に関わる管路やバルブは、従来より入浴装置1に設けられているもので、バルブ等の制御はソフトウェアで行うことが可能であることから、新たな部品の追加を避け、入浴装置1のコストを抑えることが可能である。
【0033】
また、攪拌された貯水を循環又は還流させた後、貯水を所定時間、浴槽5に浸漬後、再び循環又は還流させて排水装置を用いて排水することから、浴槽5に洗浄剤を留め置くことで汚れを剥がれやすくすることが可能である。尚、浸漬させるのは貯湯タンク10や管路内でもよく、貯湯タンク10や管路内に洗浄剤を留め置くことで汚れを剥がれやすくすることが可能である。
【0034】
尚、本実施例では、お湯に洗浄剤を投入して洗浄を行う場合について説明したが、必ずしもお湯である必要はなく、貯水は水であってもよい。また、本実施例では、洗浄剤の種類により中和する工程も考慮しており、洗浄に用いた貯水を排水するにあたって環境汚染を引き起こさない配慮を行っている。
【0035】
更に、本実施例の構造であれば、浴槽5又は貯湯タンク10に大量に貯水を行うことなく洗浄が可能であることから、洗浄にあたり水道代を抑えることが可能であると共に、洗浄時間を短縮することが可能である。
【実施例2】
【0036】
次に、他の動作による入浴装置について説明する。尚、本実施例2の入浴装置の構造は、実施例1と同様なので説明を省略し図1を基に動作を説明する。図5は、本発明に係る入浴装置の第2の実施例を示すフローチャートである。図6は、同入浴装置の動作の詳細を示すフローチャートである。
【0037】
次に、本実施例の入浴装置1の動作を説明する。尚、以後の本実施例の説明において、括弧内の符号は図5及び図6の符号に対応している。洗浄工程について説明する。最初に、浴槽5の扉6を締めてロックし(S201)、洗浄剤を浴槽5に投入する(S202)。次に、入浴装置1に設けられた洗浄スイッチ(図示せず)がONされると(S203−YES)、浴槽5に給湯される(S204)。この浴槽5への給湯は、給水管12及び給湯管13を介してミキシング14で適温にされたお湯が、管路27とバルブ34を介して浴槽5に注ぎ込まれる流れで行われる。浴槽5へ給湯が終わると、次に気泡発生装置7から気泡を発生させて浴槽5内の洗浄剤を含むお湯の攪拌を行う(S205)。
【0038】
攪拌を所定時間行い(S206)、次に洗浄剤を攪拌したお湯を浴槽5から貯湯タンク10に還流させる(S207)。還流は、ポンプ18を動作させた状態で、管路21、バルブ31、管路22、ポンプ18、バルブ33、管路25及びフィルタ11を介して行う。これにより、洗浄剤を攪拌したお湯が、浴槽5から貯湯タンク10に移動して、管路21、管路22、ポンプ18、バルブ33及び管路25が洗浄されることになる。
【0039】
次に、洗浄剤を攪拌したお湯を貯湯タンク10から浴槽5に還流させる(S208)。この還流は、ポンプ18を動作させた状態で、管路23、バルブ32、管路22、ポンプ18、バルブ33及び管路24を介して行う。これにより、洗浄剤を攪拌したお湯が、貯湯タンク10から浴槽5に移動して、管路23、バルブ32、管路22、ポンプ18、バルブ33及び管路24が洗浄されることになる。浴槽5に洗浄剤を攪拌したお湯が溜められた状態で、所定時間、浸漬を行う(S209、S210)。
【0040】
次に、浴槽5の洗浄剤を攪拌したお湯を、ポンプ18を動作させた状態で、管路20、バルブ31、管路22、ポンプ18、バルブ33及び管路24を介して、浴槽5側で循環させる(S211)。この浴槽側循環を所定時間行うようにする(S212)。浴槽側循環が終わると(S212−YES)、上述の方法で洗浄剤を攪拌したお湯を浴槽5から貯湯タンク10に還流させる(S213)。そして、貯湯タンク10の洗浄剤を攪拌したお湯を、ポンプ18を動作させた状態で、管路23、バルブ32、管路22、ポンプ18、バルブ33、管路25及びフィルタ11を介して、貯湯タンク10側で循環させる(S214)。この貯湯タンク側循環を所定時間行うようにする(S215)。そして、還流(S207)から貯湯タンク側循環(S215)を所定回数繰り返し、その後、貯湯タンク10の洗浄剤を攪拌したお湯を浴槽5に還流して(S217)、洗浄工程を終了する。
【0041】
次に、洗浄剤の種類により中和工程が必要な場合には中和を行うことになる。中和工程は、まず中和剤を洗浄剤を攪拌したお湯が溜まった浴槽5に投入する(S251)。次に、入浴装置1に設けられた洗浄スイッチ(図示せず)がONされると(S252−YES)、気泡発生装置7から気泡を発生させて浴槽5内の中和剤を含むお湯の攪拌を行う(S253)。
【0042】
攪拌を所定時間行い(S254)、次に中和剤を攪拌したお湯を浴槽5から貯湯タンク10に還流させる(S255)。還流は、ポンプ18を動作させた状態で、管路21、バルブ31、管路22、ポンプ18、バルブ33、管路25及びフィルタ11を介して行う。これにより、中和剤を攪拌したお湯が、浴槽5から貯湯タンク10に移動して、管路21、管路22、ポンプ18、バルブ33及び管路25も中和されることになる。
【0043】
次に、中和剤を攪拌したお湯を貯湯タンク10から浴槽5に還流させる(S256)。この還流は、ポンプ18を動作させた状態で、管路23、バルブ32、管路22、ポンプ18、バルブ33及び管路24を介して行う。これにより、中和剤を攪拌したお湯が、貯湯タンク10から浴槽5に移動して、管路23、バルブ32、管路22、ポンプ18、バルブ33及び管路24も中和されることになる。そして、浴槽5に戻った中和剤を攪拌したお湯を、バルブ30及び排水管20を介して排水する(S255)。ここまでが、中和工程である。
【0044】
次に、すすぎ工程を行う。すすぎ工程で、まず、浴槽5に給湯する(S271)。次に、浴槽5のお湯を、ポンプ18を動作させた状態で、管路20、バルブ31、管路22、ポンプ18、バルブ33及び管路24を介して、浴槽5側で循環させる(S272)。この浴槽側循環を所定時間行うようにする(S273)。浴槽側循環が終わると(S273−YES)、お湯を浴槽5から貯湯タンク10に還流させる(S274)。還流は、ポンプ18を動作させた状態で、管路21、バルブ31、管路22、ポンプ18、バルブ33、管路25及びフィルタ11を介して行う。これにより、お湯が浴槽5から貯湯タンク10に移動して、管路21、管路22、ポンプ18、バルブ33及び管路25がすすがれることになる。
【0045】
そして、貯湯タンク10のお湯を、ポンプ18を動作させた状態で、管路23、バルブ32、管路22、ポンプ18、バルブ33、管路25及びフィルタ11を介して、貯湯タンク10側で循環させる(S275)。この貯湯タンク側循環を所定時間行うようにする(S276)。次に、お湯を貯湯タンク10から浴槽5に還流させる(S277)。この還流は、ポンプ18を動作させた状態で、管路23、バルブ32、管路22、ポンプ18、バルブ33及び管路24を介して行う。これにより、お湯が、貯湯タンク10から浴槽5に移動して、管路23、バルブ32、管路22、ポンプ18、バルブ33及び管路24がすすがれることになる。そして、そして、浴槽5に戻ったお湯を、バルブ30及び排水管20を介して排水する(S278)。
【0046】
そして、予め定められた所定回数、上述のすすぎを行うことになり(S271〜S278)、所定回数が終了すると(S279−YES)、すすぎ工程が終了することになる。その後、扉6のロックを解除し(S280)、入浴装置1の電源スイッチが自動的にOFFになり(S281)、入浴装置1の洗浄が終了する。
【0047】
以上のように、本実施例の入浴装置1によれば、実施例1の効果に加え、管路21、22、23及び管路24、25からなる還流管路を構成する2本の管路の間を連通する連絡管路(本実施例では管路22に接続されたポンプ18及びバルブ33により構成)を設け、還流管路と連絡管路とを用いて、攪拌された貯水を浴槽5側又は貯湯タンク10側で循環させることから、洗浄すべき管路を短く抑えることにより、攪拌されて洗浄剤の濃度が一定になった貯水で、勢いよく浴槽5、還流管路及び貯湯タンク10の洗浄することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上のように、本発明の入浴装置は、攪拌されて洗浄剤の濃度が一定になった貯水で、浴槽、還流管路及び貯湯タンクの洗浄が可能な入浴装置及び入浴装置の洗浄方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る入浴装置の第1の実施例を示す構造図である。
【図2】同入浴装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】同入浴装置の動作の詳細を示すフローチャートである。
【図4】同入浴装置の動作の詳細を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る入浴装置の第2の実施例を示すフローチャートである。
【図6】同入浴装置の動作の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
1・・・・・・・入浴装置
5・・・・・・・浴槽
6・・・・・・・扉
7・・・・・・・気泡発生装置
8・・・・・・・ブロワ
10・・・・・・貯湯タンク
11・・・・・・フィルタ
12・・・・・・給水管
13・・・・・・給湯管
14・・・・・・ミキシング
15・・・・・・薬液タンク
16・・・・・・薬液注入ポンプ
18・・・・・・ポンプ
20・・・・・・排水管
21〜28・・・管路
30〜35・・・バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽と貯湯タンクとを有し、該浴槽と該貯湯タンクとが還流管路で連通され、該還流管路に設けられたポンプにより該貯湯タンクの貯水を該浴槽に移す入浴装置において、
洗浄剤を投入した貯水を攪拌する攪拌装置を該浴槽又は該貯湯タンクに備え、
該攪拌された貯水を、該ポンプを用いて該浴槽と該貯湯タンクとの間で還流させることを特徴とする入浴装置。
【請求項2】
浴槽と貯湯タンクとを有し、該浴槽と該貯湯タンクとが還流管路で連通され、該還流管路に設けられたポンプにより該貯湯タンクの貯水を該浴槽に移す入浴装置において、
洗浄剤を投入した貯水を攪拌する攪拌装置を該浴槽又は該貯湯タンクに備え、
該還流管路を構成する2本の管路の間を連通する連絡管路を設け、
該還流管路と該連絡管路とを用いて、該攪拌された貯水を、該浴槽、該連絡管路及びその間の該還流管路、又は該貯湯タンク、該連絡管路及びその間の該還流管路を循環させることを特徴とする入浴装置。
【請求項3】
貯水の排水装置を備え、
前記攪拌された貯水を循環又は還流させた後、
該貯水を所定時間、前記浴槽、前記貯湯タンク、前記還流管路又は前記連絡管路に浸漬後、再び循環又は還流させてから該排水装置を用いて排水することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の入浴装置。
【請求項4】
前記攪拌装置が、前記浴槽に設けられた気泡発生装置であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の入浴装置。
【請求項5】
浴槽と貯湯タンクとを有し、該浴槽と該貯湯タンクとが還流管路で連通され、該還流管路に設けられたポンプにより該貯湯タンクの貯水を該浴槽に移す入浴装置の洗浄方法において、
洗浄剤を貯水に投入し、該貯水を該浴槽又は該貯湯タンクで攪拌した後、
該攪拌された貯水を、該ポンプを用いて該浴槽と該貯湯タンクとの間で還流させることを特徴とする入浴装置の洗浄方法。
【請求項6】
浴槽と貯湯タンクとを有し、該浴槽と該貯湯タンクとが還流管路で連通され、該還流管路に設けられたポンプにより該貯湯タンクの貯水を該浴槽に移す入浴装置の洗浄方法において、
洗浄剤を貯水に投入し、該貯水を該浴槽又は該貯湯タンクで攪拌した後、
該還流管路と該還流管路を構成する2本の管路の間を連通する連絡管路とを用いて、該攪拌された貯水を、該浴槽、該連絡管路及びその間の該還流管路、又は該貯湯タンク、該連絡管路及びその間の該還流管路を循環させることを特徴とする入浴装置の洗浄方法。
【請求項7】
前記攪拌された貯水を循環又は還流させた後、
該貯水を所定時間、前記浴槽、前記貯湯タンク、前記還流管路又は前記連絡管路に浸漬後、再び循環又は還流させてから排水することを特徴とする請求項5又は請求項6記載の入浴装置の洗浄方法。
【請求項8】
前記貯水の攪拌を、前記浴槽に設けられた気泡発生装置で行うことを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載の入浴装置の洗浄方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−142202(P2008−142202A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−331208(P2006−331208)
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成18年9月27日〜29日 社会福祉法人全国社会福祉協議会、財団法人保健福祉広報協会主催の「第33回国際福祉機器展」に出品
【出願人】(591127825)株式会社アマノ (13)
【Fターム(参考)】