説明

公営競走ゲームシステム

【課題】 公営競走の着順予想を単なる情報として利用者に提供するのではなく、的中率
の高い予想方法で得た予想情報の中から利用者がルーレットやスロットのような高い感興
を与える形で自己の意思と偶然性により予想出目を選択するゲームを楽しみ、引き続き予
想出目を公営競走主催者へ電子投票するシステムを提供する。
【解決手段】 予め一定の手順で最新のデータを用いてレース出走者の格付け値を求めて
データベース化し、遊技者が通信端末によりベットするレース対象を特定すると、CPU
で格付け値にリンクする出目出現確率が演算され、出目がシンボル可変表示形態で通信端
末に表示され、遊技者が表示された出目からルーレットやスロットのように自己の意思で
ベットする予想出目を選択し公営電子投票部へ送信する、ゲームシステムを構築する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、競艇や競馬等いわゆる公営競走について、インターネットを介して出走者の
着順予想に係る人気投票(以下、ベットと記す。)を行うゲームに関するものであり、更
にはこのゲームで提供された予想結果を用いて公営競走での配当を獲得する電子投票を行
うためのビジネスモデルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スロットマシーン等の遊戯機に見られるようにいわゆるシンボル可変表示タイプ
の遊戯機(以下、ゲーム機と記す。)にあっては、絵柄や記号あるいは数字を含む複数種
類のシンボルを、隣り合う複数個の表示部に独立かつ可変に表示できるようにしつらえて
いる。遊技者がこのシンボルを変動させる開始レバー或は開始ボタンを押すと、各シンボ
ルの出現確率に対応して各表示部ごとに独立してシンボルが表示される。
【0003】
遊技者が可変表示を停止させるレバー或は停止ボタン押すと、各表示部において変動中
のシンボルの変動が停止し、隣り合う複数個の表示部に現れたシンボルの組合せ一組が得
られる。例えば、表示部が隣り合う3個の窓からなり、シンボルが果物の絵柄と¥などの
記号と数字である場合、得られる図柄組合せは「バナナ、オレンジ、リンゴ」の組合せ、
或は「オレンジ、数字の7、¥」の組合せ、或は「7、7、7」等となる。
【0004】
代表的なゲーム機として、この様な図柄組合せのうち予め特別なものに対してこれの出
現確率に対応する賞を定めておき、シンボルの変動を電動式変動あるいは電子式変動によ
り可変にし、遊技者が遊技コインを投入することでシンボルが変動を開始、遊技者が停止
操作によりシンボルの変動を停止させると、特別図柄の入賞確率に対応して遊技コインを
与えるように構成したゲーム機が知られている。
【0005】
例えば特開2004−344681号公報には、遊戯台(スロットマシーン)にシンボ
ル表示部として3連窓を設け、各窓に対応して独立に電動する3個のリールの夫々に絵柄
配列を設け、遊技者が停止操作を行うと、CPU(中央制御装置)から指令する入賞確率
にリンクして絵柄配列の移動を停止させるゲーム機が開示されている(特許文献1)。
【0006】
また、特開2003−154096号公報には、遊戯機(パチンコ)の特別図柄表示装
置に設けた電光表示板型の隣り合う3連窓に一定のシンボル組合せが現れるとき大当たり
とする機構、および表示を制御するブロック図並びに大当たりの出現確率を乱数表に基づ
いてCPUから与えるメインルーチンのフロー図が開示されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2004−344681号公報
【特許文献2】特開2003−154096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のゲーム機にあってはシンボルの種類や個数に限りがあり、また入
賞の感興を催させる特別図柄(特別なシンボル組合せ)の種類もありふれたものであるた
め遊技者に飽きられ易く、このような事情から、嗜好性やゲーム性が更に高いゲーム機の
出現が待望されている。
【0008】
本発明は、従来のような絵柄、記号、数字などの特別な組合せの発生確率を乱数表など
に基づいてランダムに出現させるゲームに代えて、公営競走の結果予想をゲームの対象と
するものである。すなわち、実際に公営競走の種類、開催場所と日時、及び競走名称或は
競走番号を特定して行われる競走(以下、レースと記す。)における出走者の着順をゲー
ムと云う形態で予想し入賞を競うことにより、ゲーム終了後まもなく判明する実際の競走
結果とベットとを照合できるようにして、遊技者に高い感興を与えるゲームシステムを提
供するものである。
【0009】
具体的に述べれば、本発明はレース出走者の格付け値を予め一定の手順で最新のデータ
を用いて求めておき、遊技者がベットの対象とする競走を特定するレース番号などのデー
タをゲーム機、パーソナルコンピュータ、あるいは携帯電話等の通信端末に入力すること
で当該レースの出目出現率が演算され、演算された出目出現率に準拠した出目をスロット
マシーン等のようなシンボル可変表示形態の表示部に表示できるように構成し、しかも、
表示された出目から遊技者の意思で予想出目を選択できるようにした嗜好性あるいは娯楽
性の高いゲームシステムを提供するものである。
【0010】
更に、本発明は、インターネットを介して配信される出走者の最新の格付け値に基づい
てレースの予想出目を得るゲームを行い、ゲームの結果を参考にしてインターネットを介
してレースに係る電子投票を行える仕組みを備えることにより、公営競走の着順予想に関
して統計的処理や理論的計算による予想を超える新たな感興をもたらすゲーム性を導入し
たシステムを提供するものである。
【0011】
本発明は、予想出目を公営競走におけるレース出走者の強さの格付け値にリンクさせる
ことでベットの的中率が高められ、一方、投票の決定には遊技者の意思による出目選択操
作を関与させることで偶然性が加味され、しかも出目の表現形態が遊技者に親しみ易さを
与えるスロットマシーンやルーレット等の幅広い表現形態を包含できるゲームシステムを
提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば上記課題は、予想情報提供者が出走者に関する最新のデータを用いて予
め一定の計算手順により出走者の格付け値を算出してデータベースに納めておき、遊技者
がベットの締切時間前にインターネットを介してベットの対象とするレースを特定するこ
とによりCPU(中央演算装置)において当該レースの各出走者について上位着順の出現
確率が演算され、各出走者番号が上位着順の出現確率に従って循環しつつ出現し、出現し
た出走者番号を遊技者が瞬間的に自己の意思により任意に選択することにより予想出目が
得られ、これを遊技者にゲームにおけるいわゆる出目の型式(優勝者番号、或は1着およ
び2着連続番号、あるいは1着2着および3着連続番号など)でインターネットを介して
配信するゲームシステムにより解決される。
【0013】
すなわち、第1の本発明は、コンピュータを用いた公営競走に係る着順予想ゲームシス
テムであって、
(a)公営競走の各レースに関して当該レース及びこれの出走者名を特定するデータを入
力して記憶する手段と、
(b)各出走者に係る複数種類の関連データを入力する手段と、
(c)全てのレースについて出走者に係る当該関連データを記憶し更新する手段と、
(d)各出走者のパフォーマンスについて前記関連データを用いて評価演算を行い格付け
値を算出する手段と、
(e)前記格付け値を記憶し更新する手段と、
(f)遊技者が選択する少なくともレース名、出目型式、投票選択指示をインターネット
を介して入力する手段と、
(g)遊技者により選択された前記レース名を基に出走者名を抽出し、各出走者に係る格
付け値を抽出し、当該レースにおける各出走者に係る着順1位の出現確率を当該格付け値
にリンクする按分比例により算出し、当該出現確率に対応する長さの時間だけ順次出走者
番号を循環的に出現させつつ遊技者が自己の意思で任意の出走者番号を選択する信号を入
力することにより着順1位を決定し、
次いで当該着順1位の出走者番号を除去した残り出走者番号について前記手順により着順
2位を決定し、入力された出目型式を満たすまで当該手順を続行することにより所要出走
者番号を決定し各レースごとに予想出目として出力する手段と、
を有することを特徴とする公営競走に係る着順予想ゲームシステムの発明である。
【0014】
ここで、出走者のパフォーマンスとはゲームの対象とする競走において当該出走者がお
さめる成績を云う。格付け値とは当該出走者がレースで着順1位を獲得する蓋然性を一定
の基準により数値化したものを意味する。これを導入することにより予想の的中率が高め
られる。また、遊技者が選択するレース名とは、例えば競艇あるいは競馬などゲームの対
象とする競走の種類、例えば11月2日多摩川11Rなどレースを特定する開催日と開催
場所およびレース番号などの情報を云う。
【0015】
順次出走者番号を循環的に出現させるとの記載は、当該レースに係る出走者番号を出現
確率の多きい順或は小さい順の配列で繰り返し出現させることを意味する。さらに、自己
の意思で任意の出走者番号を選択する信号とは、前記の通り繰り返し出現する一定の配列
中に遊技者が選択しようと意図する出走者番号が出現した時これを確定するために選択ボ
タン或はストップボタン等の操作で入力する指令信号を云う。この手順を導入したことに
より、格付け値の順位通りの予想出目が与えられるとは限らないことになり、予想出目の
生成に偶然性が加味されることで、ゲームの感興が一層高められる。
【0016】
また、本発明によれば、遊技者は自己の思考で立てる予想と前記ゲームで得た予想との
対比を楽しむと共に、更にこうしてゲームで得た予想情報をそのまま直接に電子投票とし
て、又は自己の予想を加味して変更したうえで電子投票として公営競走主催者へオンライ
ンで投票を送信することができる。本発明によれば、予想出目を公営競走におけるレース
出走者の強さの格付け値にリンクさせることでベットの的中率が高められ、一方、投票の
決定には遊技者の意思による出目選択操作を関与させることで偶然性が加味され、しかも
出目の表現形態は遊技者が親しみ易いスロットマシーンやルーレット等、幅広い表現形態
を包含できるゲームシステムが提供される。
【0017】
すなわち、第2の本発明は、コンピュータを用いた公営競走に係る着順予想ゲームシス
テムであって、
(a)公営競走の各レースに関して当該レース及びこれの出走者名を特定するデータを入
力して記憶する手段と、
(b)各出走者に係る複数種類の関連データを入力する手段と、
(c)全てのレースについて出走者に係る当該関連データを記憶し更新する手段と、
(d)各出走者のパフォーマンスについて前記関連データを用いて評価演算を行い格付け
値を算出する手段と、
(e)前記格付け値を記憶し更新する手段と、
(f)遊技者が選択する少なくともレース名、出目型式、投票選択指示をインターネット
を介して入力する手段と、
(g)遊技者により選択された前記レース名を基に出走者名を抽出し、各出走者に係る格
付け値を抽出し、当該レースにおける各出走者に係る着順1位の出現確率を当該格付け値
にリンクする按分比例により算出し、当該出現確率に対応する長さの時間だけ順次出走者
番号を循環的に出現させつつ遊技者が自己の意思で任意の出走者番号を選択する信号を入
力することにより着順1位を決定し、
次いで当該着順1位の出走者番号を除去した残り出走者番号について前記手順により着順
2位を決定し、入力された出目型式を満たすまで当該手順を続行することにより所要出走
者番号を決定し各レースごとに予想出目として出力する手段と、
(h)前記出力された予想出目に係る情報を遊技者の投票指示により公営競走に係る電子
投票部へ送信する手段と、
を有することを特徴とする公営競走に係る着順予想ゲームシステムの発明である。
【0018】
なお、前記出力された予想出目に係る情報に遊技者が自己の意思を加味して変更し、電
子投票として公営競走主催者へオンラインで送信しても良い。すなわち、前記手段と、
(k)前記出力された予想出目に係る情報を遊技者が改訂したのち公営競走に係る電子投
票部へ送信する手段と、
を有することを特徴とする公営競走に係る着順予想ゲームシステムの発明である。
前記ゲームで与えられる予想出目が遊技者に納得し難いものである場合、遊技者による
改訂を可能にしたことにより電子投票に当たり遊技者の意思も入ることとなり、満足度の
高いベットが可能となる。
【0019】
本発明に係る各ゲームシステムに共通して用いる評価演算手段は、従来のスロットゲー
ム、ダイスゲーム、ルーレット等に採用されているような偶然性に支配された数字を乱数
表の使用により発生させる手段とは全く異なる。すなわち、本発明の演算手段は、予想情
報提供者が各出走者について前記各関連データと当該出走者の成績との関連を過去のレー
スの統計に基づいて分析して得た相関関係を用いる。このような相関関係を成績に対する
寄与度として把握し、各関連データに対応する寄与度に基づいて重み付け係数を設定し、
関連データと重み付け係数との積を集計して格付け値とする。しかも関連データはレース
が行われた後に予想情報提供者により随時オンラインで改訂できるので、極めて信頼性の
高いものである。
【0020】
すなわち、本発明における前記演算手段(d)は、予想情報提供者が前記各関連データ
のパフォーマンスへの寄与度に基づいて設定する重み付け係数を各出走者の最新の各デー
タに乗じて積算した数値を格付け値として算出することを特徴とする演算手段である。
但し重み付け係数としてどのような数値を用いるかは、予想の信頼性が高まる限りにお
いて任意であり、本発明はこれに制約されるものではない。例えば、予想情報提供者が重
み付け係数は全て等しく1と設定するも自由、また、寄与度の低い関連データの入力を取
り止めることも自由であるが、将来の相関分析に備えてデータベースへの蓄積は行い、当
面の演算に際しては対応する重み付け係数の数値をゼロと設定しても良い。
【0021】
本発明で云う公営競走は、先ず第一に人間がエンジン付き走行機を操縦して着順を競う
競艇、カーレース、オートレース等を含むが、エンジンの無い走行機として自転車を用い
る競輪も包含する。更に、走行機に代えて馬を用いる競馬も包含するが、本発明に係るゲ
ームシステムを適用する場合は業界慣行により馬名を出走者名とし、騎乗する騎手は関連
データとして扱う。いずれも、地方自治体等が主催する公営であることを要する。
【0022】
本発明に係るゲームシステムを図1により説明する。図1は、システムの全体像及びC
PUの機能を示すフロー図である。本発明に係るシステムの中心となるサーバに用いるC
PUにはデータ入力部があり、レース及び出走者を特定するデータとして予想情報提供者
がレースの種類(例えば競艇、競馬等)、レース開催場所、開催月日、投票締切時刻、レ
ース番号、出走者名および対応する出走者番号など、また出走者関連データとして全ての
出走者について少なくとも過去直近レースまでの成績、当該レース直前に行う試験走行で
の特定項目の測定値或は観測値、使用する走行機名、当該レースでの天候等の与件、など
を入力する。関連データは常に更新される。特に、当該レース直前に当該競走場で行われ
る試験走行における測定値を携帯電話或はノート型パーソナルコンピュータ等で上記関連
データに逐一反映させることで予想情報の信頼性を高められるのは本発明の利点である。
但し、本発明において出走者関連データとしてどのような項目を用いるかは、予想の信頼
性が高められる限り任意であり、これにより本発明が制約されるものではない。
【0023】
上記のようにして入力したデータは、RAM(読み書き自由メモリー)に収めた関連デ
ータ記憶部にデータベースとして蓄積させる。評価演算部は前記関連データ記憶部から出
走者関連データを引きだし、当該関連データの数値をそのまま或は数値に一定の変換を加
えたのち、データ種類別に予め予想情報提供者により設定された重み付け係数を乗じ、こ
れを出走者ごとに集計して当該出走者に係る格付け値として算出し、格付け値記憶部にデ
ータベースとして収納させる。ここで、出走者関連データに加える一定の変換は、格付け
値を表示に便利な或る範囲に収めるための任意的な操作であり、例えば数値の大小の順に
順位を付与することによる指数化とか、数値を相対的な比率或は倍率に変える等が考えら
れる。本発明はこの変換の方法に制約されるものではない。なお、このような演算を実行
させる電子回路は当業者によく知られているので説明を省略する。
【0024】
遊技者の通信端末からインターネットを介して送信されるレース選択データ(レースの
種類とレース番号或は番号を特定する情報)は、選択データ入力部に入力される。格付け
値抽出部はこのレース選択データに基づき前記格付け値データベースから当該レースの出
走者に対応する格付け値を検索し、出目選択部へ送る。出目選択部は、当該レースに出走
する各出走者ごとに着順1位の出現確率を算出する。格付け値は、例えば試験走行におけ
る計測タイムとか過去の着順成績等のように、出走者がレースで好成績を収めるほど数値
が小になると云う不便が有る。そこで当該出走者間で相対的な強さを数値の大きさにより
表現できるように、当該格付け値に一定の数値変換を施したものを当該出走者間に按分比
例で割り振る。算出方法の「格付け値にリンクする按分比例」とはこの操作を意味する。
例えば、当該レース各出走者の格付け値の逆数を採り、格付け値逆数の当該出走者全員で
の合計値を100として各出走者格付け値の逆数に比例するように按分した数値を各出走
者ごとに算出し、これを各出走者が着順1位を獲得する出現確率とする。
【0025】
次いで、遊技者の端末からゲーム開始を指示する信号をインターネットを介して選択デ
ータ入力部へ入力すると、出目選択部は当該レースの出走者全員の出走者番号を着順1位
出現確率順に若しくは番号順に円順列として配列し、出力制御部を通して遊技者の端末に
循環的に繰り返し表示させる。この手順を採用することにより、例えば出走者番号を円盤
に配置し円盤の縁にサイコロを周回させるとルーレットを模した番号出現を実現でき、或
は回転するフレームの縁に出走者番号を配置し縁の部分に対して表示窓を設けるとスロッ
トマシーンを模した番号出現を実現できる。遊技者からインターネットを介して選択デー
タ入力部に出目を選択する指示信号(円順列の循環を停止する信号)を入力すると、出目
選択部は所定の停止位置に該当する出走者番号を着順1位の出目として選択し、出力制御
部を通して遊技者の端末に表示する。以上の操作経過を画像処理部を通して遊技者端末の
ディスプレイに動画として表示することでゲームの娯楽性が高められる。なお、このよう
な各単位操作の手順を実行する電子回路は当業者に公知であるので説明は省略する。
【0026】
出目選択指示により着順1位の出目選択が決まると、着順2位選択のため再び遊技者端
末からインターネットを介してゲーム開始指示信号を選択データ入力部へ入力する。出目
選択部は当該着順1位の出走者番号を除去した残り出走者について、上記の手順により着
順2位の出現確率を算出し、円順列として配列した出走者番号を遊技者の端末に循環的に
表示させ、これを見た遊技者が端末から入力する出目選択指示により着順2位の出目を選
択する。上記同様に画像も遊技者端末のディスプレイに表示する。
【0027】
先に遊技者端末から選択データ入力部に入力された出目型式選択指示(例えば3連単な
ど)に基づき当該出目型式を満たすまで上記手順を続行することにより、出目選択部は所
要出目を選択し予想出目として投票選択部へ送る。また、偶然性により遊技者が納得し難
い出目が選択された場合、第2の本発明を実行する出目選択部は次のように機能する。す
なわち、訂正を要する出目が選択された直後に遊技者の端末から図3に示したような出目
訂正ボタン等を用いて当該出目の数字を増減させる訂正信号を選択データ入力部へ入力す
ると、出目選択部は訂正した出目を予想出目として投票選択部へ送る。図3に示したよう
な再選択ボタンを用いて入力する指示信号により、出目の選択を着順1位からやり直させ
ることも可能である。
【0028】
出目型式は、一般的にはロトシックスのように6位まで或は更に多くの出目を求めるこ
とも有り得るが、競艇や競馬においては出目型式は通常3連単までであるので、前記出目
型式選択指示の手順を省き一律に着順3位までを上記手順で選択するようにしても良い。
この場合において、遊技者が選択不要とする出目(例えば2連単型式を選択したい場合に
不要な着順3位など)には、遊技者の端末から図3に示した出目訂正ボタン等を用いて不
要信号(例えば数字のゼロ)を入力させれば良い。
【0029】
投票選択部は、出目選択部から送られた予想出目と遊技者識別暗号を一組のセットとし
て一時記憶し、遊技者からインターネットを介して選択データ入力部に投票選択指示(投
票指示YESボタン、取り止めNOボタンにより入力する信号)が入力されると、これに
従い予想出目を出力制御部へ送る。
【0030】
画像処理部は、予め定められたゲーム表示様式(前記出目選択部の説明において例示的
に述べたような例えばルーレットを模した様式、或はスロットを模した様式など)に沿っ
て前記出目選択部が行う一連の出目選択経過を動画データとして出力制御部からインター
ネットを介して遊技者端末へ送信し、ディスプレイに表示させる。
【0031】
出力制御部は、遊技者からインターネットを介して選択データ入力部に入力された投票
選択指示に基づき、前記予想出目と投票金額を電子投票として遊技者識別暗号と共にイン
ターネットを介して公営競走の電子投票部へ送信する。同時に、確認のため送信済みの投
票内容をインターネットを介して遊技者の通信端末へ送信する。なお、遊技者の投票選択
指示が投票取り止めである場合、出力制御部は電子投票を送信しない。
【0032】
公営競走の電子投票部は、遊技者識別暗号により電子投票した遊技者を特定し、投票送
信が締切時刻前であれば遊技者の電子マネー口座の残高を確認し、残高が当該投票金額よ
り多い場合に電子投票を受理し、投票手続完了の信号を遊技者端末に送信する。レースが
行われると、公営競走の電子投票部から遊技者端末にレース入賞結果及び配当額の情報が
送信される。電子マネー口座残高が投票金額未満の場合又は投票が締切時刻後の場合は、
遊技者端末に前記出力制御部から送信済みの投票内容は表示されるが、公営競走電子投票
部からの投票手続完了の信号は表示されない。
【0033】
遊技者の通信端末は、レース選択データ、出目型式選択指示、投票選択指示、電子投票
に係る遊技者識別暗号を入力し送信できるものであれば良い。例えば、パーソナルコンピ
ュータ或は携帯電話に予想情報提供者が用意する入力用ソフトウエアをダウンロードして
用いることが可能である。また、図3に例示するように通信機能を備えたゲーム専用機を
使用することも可能である。なお、入力及び通信機能のみでなく投票内容の表示、レース
結果及び配当額の表示ができるディスプレイを有するものが便利であり、これにより感興
を一層高めることができる。
【発明の効果】
【0034】
従来のシンボル可変表示型ゲームシステムが単に任意的な特定シンボル組合せをゲーム
対象とするのに対し、本発明に係るゲームシステムにあっては、実際に行われる公営競走
についての予想をゲーム対象とするので、ゲームによる予想出目決定後まもなく遊技者端
末に表示される現実のレース結果と照合することができ、電子投票に参加するしないに係
らず感興が著しく増大し、ゲームに飽きることがない。
【0035】
従来のゲームシステムでは出目の出現確率は乱数表に基づく偶然性に依存しているのに
対し、本発明に係るゲームシステムでの予想は公営競走における出走者の強さを表す格付
け値にリンクさせているので、ベットの的中率が著しく高められている。一方、出目の最
終的決定はスロットのように遊技者の意思でシステムに入力する選択信号のタイミングに
かかっているので偶然性が加味され、公営競走におけるベットにゲーム性が導入されたこ
とで娯楽性が高められている。
【0036】
本発明に係るゲームシステムは公営競走全般に汎用であるが、予想情報提供者が入力す
る関連データや遊技者の端末を競艇用あるいは競馬用に簡略化することにより、それぞれ
競艇ファン専用あるいは競馬ファン専用の携帯型ゲーム機として特化した利用が可能であ
り、しかもゲーム感覚で公営競走のベットに参加できるので大きな需要が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
競艇を例にとって本発明の実施形態例を具体的に説明する。競艇は、水面に設けた走行
路上に或る距離を隔てて2箇所にブイを設置し、6隻の出走艇がこの2箇所のブイを周回
して着順を競う競技である。走行路は「直線コース」と半円曲線状の「回りコース」とか
らなり、出走艇はスタート地点から直線コースへ「進入枠」と称する進入路を通って入路
してくる。進入枠には周回の内側に近い方から1、2、..6と番号を付けている。
【0038】
競艇において本発明を実施する場合、前記出走者関連データのうち統計的データとして
最近の出走者勝率から変換したゴール比率、測定データとして試験走行(若しくは展示航
走)における進入枠(枠番号に該当する正の整数)、回りコースタイム(秒)、および直
線コースタイム(秒)を用いる事例が経験的に良好な結果をもたらすことを発明者は見出
している。また、重み付け係数としては、ゴール比率に2、他の項目に1を採用すること
で良い結果を得ている。
【0039】
ここで、最近の出走者勝率とは、或る出走者が最近6ケ月間に出走したレース数に対し
て着順1位となったレース数の割合をパーセントで表示した数値を意味するものとする。
また、ゴール比率は、或るレース及び出走者データが特定されると評価演算部が出走者に
対応する最近の出走者勝率を関連データベースから抽出し、一定の変換方法として勝率の
高い順に正の整数1、2、..6を割り振ってゴール比率とする。別の変換方法として、
評価演算部が各出走者勝率を当該レース出走者中で最大のもので夫々を除して得た倍率を
各出走者のゴール比率と定めても良い。
【0040】
回りコースタイムとは、展示航走において出走艇がブイの周囲を半円形曲線状に一定距
離だけ周回するに要した時間を秒単位で観測値した数値である。また、直線コースタイム
とは、展示航走において出走艇がバックストレッチの直線コースを一定距離だけ通過する
に要した時間を秒単位で観測した数値である。いずれも予想情報提供者が任意に定めた距
離を通過する時間であり、全ての出走者を相対的に比較する尺度としてのみ意味を持つ数
値である。
【0041】
或るレースの展示航走において、例えば選手番号1の出走者について進入枠が第3枠、
回りコースタイムが4.5秒、直線コースタイムが6.3秒、ゴール比率が5であったと
仮定すると、評価演算部において実行される次のような評価演算により、当該出走者の格
付け値(E )は23.8となる。
=3x1+4.5x1+6.3x1+5x2=23.8
【0042】
設例として、このようにして得た各出走者についての格付け値が、
=23.8 E =13.6 E =18.5
=17.7 E =28.4 E =19.1
であったと仮定する。ここでは、数値の小さい格付け値を有する出走者の着順が上位とな
ることになる。しかし、レースにおいて強い出走者が数値の大きい指標と対応するように
変更するのがゲームに親しむために便利である。
そこで、或る出走者が大きい確率で着順上位となる場合にこれを小さい格付け値とリン
クする一方法として、各出走者について格付け値の逆数を求め、逆数の和を100として
各出走者の逆数の按分比例値を算出し、これを各出走者の着順1位出現確率(F)と取り
決める。同様な効果が得られれば、勿論この数値変換方法に制約されるものではない。
この設例では格付け値の逆数は次の通りとなり、
100/E =4.20 100/E =7.35 100/E =5.41
100/E =5.65 100/E =3.52 100/E =5.24
出走者全員についての和は31.37となるから、着順1位出現確率(F)は、
=13.4 F =23.4 F =17.2
=18.0 F =11.3 F =16.7
と演算される。この演算結果にのみ基づくと着順1位となる蓋然性が最高の選手は出現確
率が最大である出走者番号2であり、予想出目は2となる確率が高い。
【0043】
然るに本発明に係るゲームシステムにおいては、表示される演算結果の中から遊技者が
自己の意思で出目を選択する指示信号を入力することで出目選択が行われる。この過程を
図2により説明する。
図2は一事例としてルーレット型のゲーム表示を行う遊技者端末のディスプレイに出目
選択過程を表示する画像の説明図である。前記演算で得た当該レース出走者全員の着順1
位出現確率をエクセルを利用して円グラフに表示し、円グラフをルーレット盤に見立て、
円盤の円周にサイコロを周回させると、サイコロに対して出走者番号が循環的に出現する
(図2a)ことになる。しかも、周回するサイコロは各出走者番号に与えられた出現確率
に対応する長さの時間だけ当該出走者番号に振り当てられる。
【0044】
このようにして、出目選択部が出走者番号2−4−3−6−1−5の順に円順列で夫々
の出現確率に対応する時間だけ出走者番号をサイコロに対し繰り返し出現させている状態
において、遊技者がインターネットを介して選択データ入力部に出目を選択する指示信号
(この場合はサイコロの周回を停止する信号)を入力すると、出目選択部はサイコロの停
止位置に該当する出走者番号を着順1位の予想出目として選択し、出力制御部を通して遊
技者の端末に表示する。従って、大きな着順1位出現確率を有する出走者番号ほどサイコ
ロが振り当てられる確率は高い。しかし、停止信号が入力された瞬間に偶然に出現確率の
低い出走者番号に振り当てられることも起り得る。このような手順を用いることにより、
出目選択に偶然性が導入される。
【0045】
この設例では、遊技者が出目選択信号を入力した結果、出走者番号2が着順1位として
選択されたと仮定する。次に、出走者番号2を除いた残り出走者の格付け値逆数の和は
31.37−7.35=24.02
となるから、これを100とする按分比例値である着順2位出現確率(S)は、
=17.5 S =22.5
=23.5 S =14.7 S =21.8
となり、着順2位の蓋然性が最高の選手は出走者番号4となる。ところが、出目選択部が
番号4−3−6−1−5の順で円順列を循環的に出現している状態で遊技者が出目選択の
指示信号を入力した結果、図2(b)に示すように出走者番号3を予想着順2位として選
択したと仮定する。
【0046】
出目選択部は同様にして、出走者番号2、出走者番号3を除外した残り出走者について
着順3位出現率を生成する。格付け値逆数の合計は
31.37−7.35−5.41=18.61
であるから、これを100とする按分比例値である着順3位出現確率(T)は、
=22.6 T =30.4 T =18.9 T =28.1
となり、着順3位となる蓋然性の高い選手は出走者番号4である。出目選択部が出走者番
号4−6−1−5の順で円順列を循環的に出現している状態で遊技者が出目選択指示を入
力した結果、図2(c)に示すように出走者番号4を予想着順3位として選択したと仮定
する。この設例では選択された予想出目は2−3−4となる。このような出目選択の過程
は、図2(a)(b)(c)に例示したようなルーレット様式で遊技者端末のディスプレ
イに予想着順決定の進行を追って表示される。
【0047】
上記出目選択の過程において、例えば着順2位の選択に際して偶然性により選択された
出目3を遊技者が納得し難い場合、出目選択部が出目3を選択した画像が遊技者端末のデ
ィスプレイに表示された直後に遊技者の端末から図3に示したような出目訂正ボタン等を
用いて当該出目の数字を増減させる訂正信号を選択データ入力部へ入力する。例えば、出
目増加ボタンを用いて出目3を出目4に訂正すると出目選択部は訂正した出目を予想出目
として投票選択部へ送る。この場合、着順3位の選択は出走者番号2と出走者番号4を除
外した残り出走者について行われる。
【0048】
上記着順3位の選択において出走者番号6が選択された場合、予想出目は2−4−6と
なる。上記訂正を行ったにもかかわらず訂正後の出目を遊技者が納得し難い場合、図3に
示したような再選択ボタンを用いて遊技者が再選択指示信号を入力することにより、当該
出目全部をリセットすると共に自動的にゲーム開始指示信号が入力されて出目の選択を着
順1位からやり直させる。着順2位以降の出目選択については上記と同様である。
【0049】
図3は、ディスプレイを見ながらこのような出目選択の操作を行えるような携帯型の競
艇専用ゲーム機の一例を示すものである。起動ボタンON(図示せず)を押すとパスワー
ドが自動入力されて予想情報提供者のサーバと接続するように予め顧客登録手続を済ませ
ておき、予想情報提供者から本発明に係るゲームソフトをダウンロードしておく。ゲーム
機が当該ゲームシステムに接続すると、ディスプレイに選択データ入力画面が表示される
ので、案内メッセージに従って遊技者が各レース選択ボタンを順送りして開催月日、開催
場所、レース番号を選択し実行ボタンENTERを押すと、ディスプレイがゲーム情報表
示画面に切り替わり、入力したデータに加え、投票締切時刻、出走者番号、当該出走者夫
々の格付け値が表示される。
【0050】
遊技者がゲームボタンGOを押してゲーム開始指示信号を入力すると、図2(a)のよ
うに、サイコロが周回することにより各出走者が着順1位を獲得する確率に対応する時間
だけサイコロが出走者番号のところに出現する動画が表示される。サイコロの目は着順1
位の選択であることを示すため1を表示するようにソフトを設計してにしておくと便利で
ある。遊技者がゲームボタンSTOPを押して出目選択指示信号を入力すると、サイコロ
の周回が停止し、この事例では停止位置に該当する出走者番号2が着順1位の出目2とし
て出目表示窓に表示される。
【0051】
次にGOボタンを押すと、同じく図2(b)のように、着順1位の出目表示窓に表示さ
れた出走者番号を除く残り出走者について上記同様に動画が表示され、STOPボタンを
押すと、同様にサイコロの停止位置から出走者番号3が着順2位の出目3として表示窓に
示される。サイコロの目は着順2位の選択を表す2を表示するように設計しておく。選択
された出目を訂正する場合は、該当する出目表示窓の直下に配置された出目訂正ボタンを
用いて出目表示窓の数字を増減して訂正を行う。訂正した場合もディスプレイの画像は変
わらず残るので訂正の前と後が判る。着順3位の選択も同様に操作して出目表示窓に3個
の出目2−3−4が表示される。
【0052】
遊技者が出目選択を初めからやり直す場合は、再選択ボタンAGAINを押すと出目表
示窓の数字が全部リセットされ、ディスプレイに着順1位を選択する画像が現れ、遊技者
が納得するまで上記選択手順を繰り返すことができる。また、遊技者が電子投票を望まず
予想ゲームを楽しむのみとする場合は、レース選択ボタンを用いて新たなレース選択デー
タを入力することで実行できる。
【0053】
遊技者がこの出目を用いて電子投票を行う場合は、予め公営競走の電子投票部へ顧客登
録手続を行い、遊技者識別暗号、電子マネー口座等の登録を済ませておく。ゲーム機の投
票コーナー部分に投票金額表示窓と金額増減ボタンが設けてあり、遊技者は増減ボタンを
上下方向に動かすことで、出目表示窓に示した予想出目に対してベットする金額を例えば
100円単位で調整する。電子投票部に接続するため呼出しボタンCALLを押すと、予
想情報提供者サーバとの接続が待機状態となると共に遊技者識別暗号が自動送信されるよ
うにゲームソフトを設計しておく。遊技者がCALLボタンを押して電子投票部と当該ゲ
ーム機を接続状態としたのち、遊技者が投票ボタンYESを押すと、出目表示窓に示され
た予想出目と投票金額が送信される。
【0054】
電子投票部は投票締切時刻前の投票であり且つ電子マネー口座残高以内の投票金額であ
るかチェックし、チェックに適合すれば受理し、受領信号がゲーム機の完了確認表示ラン
プの点灯により表示される。受領信号を受けると同時に予想情報提供者との接続が再開さ
れると共に接続再開後は電子投票部からのレース結果送信を優先的に割り込み受信し記憶
するようにように予想情報提供者のゲームソフトを設計しておくことにより、当該レース
結果の発表までの間に次の新たなレースについてゲームを行うことができる。
【0055】
上記投票が電子投票部のチェックに適合しない場合は完了表示ランプが点灯しない。こ
のように、遊技者が電子投票部を呼出した後に投票を取り止める場合は、取り止めボタン
NOを押すと電子投票部との接続が切断され、自動的に予想情報提供者サーバへの接続が
再開される。予想情報提供者サーバへの接続が再開され、投票時のレース番号などをその
まま表示しておくと、当該レース結果がディスプレイに表示される。遊技者が当該レース
結果の発表を待たずに次のレースについてゲームを行う場合は、新たなレース選択データ
を入力することで開始できる。この後もメモリー容量の許容する限り、先に行われたレー
スの結果は、投票したレース番号等のレース選択データを入力することで表示できる。
【0056】
競馬を例にとって、本発明の別の実施形態を具体的に説明する。ダービーなど通常の公
営競馬は、競走馬として登録された十数頭の馬が、それぞれ騎乗する騎手に操られて馬場
の所定コースを周回して着順を競う競走である。競馬の慣行として出走馬名に対して投票
が行われるので、本発明に係る出走者には出走馬名(当該ゲームにおける出走馬番号)を
充当し、騎手に関するデータは出走者関連データとして扱うことにより本発明に係るゲー
ムシステムを適用することができる。
【0057】
本発明に係る出走馬関連データとしては、馬の血統を用いること、前記競艇選手に関し
て行ったと同様な統計計算により得た出走馬勝率を用いること、レース当日の馬体外観や
動作について、例えば毛のつやとか気負い立つ動き具合など幾つかの観測項目を考慮する
こと、レース当日の走行路に関する重馬場等の与件など、通常の競馬ファンが予想の際に
用いる要素を使用することができる。騎手関連データについても同様に騎手勝率や当日の
体調外観等を用いることができる。
【0058】
但し、レース当日の試験走行における計測データを全出走馬について揃えることはシス
テムとして困難であり、予想情報提供者が恣意に依らず経験に基づく一定の基準を定めて
上記観測結果を指数化して用いるのが現実的である。指数化方法の一例として、全ての関
連データを当該レースの出走者間で夫々比較して順位を付け、順位の悪い方から指数とし
て1、2、3と正の整数を振り当てる。この方法により、レースにおいて強い出走者の格
付け値が大きいので、ゲームに親しむのに便利である。例えば、出走馬が18頭であれば
出走馬勝率1位の格付け値は18となり、出走馬勝率15位の格付け値は4となる。
【0059】
評価演算部で使用する重み付け係数については、予想の客観性を担保するため常に一定
の数値を使用することで本発明に係るシステムが機能するに充分である。例えば出走馬勝
率と騎手勝率の重み付けをどのようにするかなど実際の数値は、予想情報提供者が経験に
基づいて設定すべきものであり、本発明に係るシステムの仕組みはこれにより制約される
ものではない。
【0060】
評価演算部は、上記のように入力された出走馬関連データ、騎手関連データを検索し、
前記所定の演算方法により各出走馬について格付け値を算出し、格付け値記憶部にデータ
ベースとして収納する。このデータベースは随時更新される。この演算自体は簡単である
が、予想情報提供者の主観を混えず常時一定の基準で計算が行われること、おびただしい
頭数の競走馬や騎手について一元化された格付け値が提供されること、および随時最新の
関連データにより格付け値が更新され、客観的な評価演算が行われること等に本発明に係
るゲームシステムにおけるCPU使用の意義がある。
【0061】
格付け値を用い、前記競艇の記載例に準じて出走者全員の格付け値合計を100とする
按分比例により上位着順の出現確率を求めることができる。遊技者がレースを特定するデ
ータを選択入力すると、出目選択部は格付け値データベースの中から当該レースの各出走
馬に対応する格付け値を抽出し、上位出現確率を演算し、前記競艇記載例に準じて出走者
番号を出現確率の高い順に円順列として繰り返し出現させ、遊技者の出目選択信号入力に
より着順上位の出走者番号を出目として選択する。出目型式を満たすまでこの操作を繰り
返し、当該レースの予想出目を決定する。
【0062】
遊技者がこの予想出目を用いて電子投票を行う場合は、競艇専用ゲーム機と同様なゲー
ム機を使用することができる。競艇記載例と同様に予め公営競走の電子投票部へ顧客登録
手続を行い、遊技者識別暗号、電子マネー口座等の登録を済ませておく。遊技者がCAL
Lボタンを押して電子投票部と当該ゲーム機を接続状態としたのち、投票ボタンYESを
押すと、出目表示窓に示された予想出目と投票金額が送信される。この様な競馬専用ゲー
ム機は、ゲーム感覚でベットを楽しむと共に投票締切り間際の限られた時間内に気持ちの
迷いをあまり患わせずに投票の選択を行うのに便利である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係るゲームシステム全体及びCPU機能を示すフロー図である。
【図2】本発明に係る出目選択過程を遊技者端末のディスプレイに表示する一事例としてルーレット型のゲーム表示を行う画像の説明図である。
【図3】本発明に係るゲームシステムによりゲーム及びベットを行う競艇用ゲーム専用機の一事例を説明する図である。
【符号の説明】
【0064】
1 中央制御装置 2 データ入力部
3 評価演算部 4 格付け値抽出部
5 出目選択部 6 投票選択部
7 画像処理部 8 出力制御部
9 選択データ入力部
101 関連データ記憶部
102 格付け値記憶部
31 公営投票部 41 遊技者端末
11 レース名表示バー
12 出目選択画像/レース結果発表ディスプレイ
13 レース選択(順送り)ボタン
14 実行ボタン
15 出目表示窓
16 ゲーム(開始、選択、再選択)ボタン
17 出目訂正(数字増、数字減)ボタン
18 投票金額表示窓
19 金額調整(増、減)ボタン
20 投票(接続、送信、中止)ボタン
21 完了確認表示


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを用いた公営競走に係る着順予想ゲームシステムであって、
(a)公営競走の各レースに関して当該レース及びこれの出走者名を特定するデータを入
力し記憶する手段と、
(b)各出走者に係る複数種類の関連データを入力する手段と、
(c)全てのレースについて出走者に係る当該関連データを記憶し更新する手段と、
(d)各出走者のパフォーマンスについて前記関連データを用いて評価演算を行い格付け
値を算出する手段と、
(e)前記格付け値を記憶し更新する手段と、
(f)遊技者が選択する少なくともレース名、出目型式、投票選択指示をインターネット
を介して入力する手段と、
(g)遊技者により選択された前記レース名を基に出走者名を抽出し、各出走者に係る格
付け値を抽出し、
当該レースにおける各出走者に係る着順1位の出現確率を当該格付け値にリンクする按分
比例により算出し、当該出現確率に対応する長さの時間だけ順次出走者番号を循環的に出
現させつつ遊技者が自己の意思で任意の出走者番号を選択する信号を入力することにより
着順1位を決定し、
次いで当該着順1位の出走者番号を除去した残り出走者番号について前記手順により着順
2位を決定し、
入力された出目型式を満たすまで当該手順を続行することにより所要出走者番号を決定し
各レースごとに予想出目として出力する手段と、
を有することを特徴とする公営競走に係る着順予想ゲームシステム。
【請求項2】
(h)前記出力された予想出目に係る情報を遊技者の投票指示により公営競走に係る電子
投票部へ送信する手段を有することを特徴とする請求項1記載の公営競走に係る着順予想
ゲームシステム。
【請求項3】
(k)前記出力された予想出目に係る情報を遊技者が改訂したのち公営競走に係る電子投
票部へ送信する手段を有することを特徴とする請求項1記載の公営競走に係る着順予想ゲ
ームシステム。
【請求項4】
前記パフォーマンスの評価演算を行い格付け値を算出する手段は、予想情報提供者が前
記各関連データのパフォーマンスへの寄与度に基づいて設定する重み付け係数を各出走者
の最新の各データに乗じて積算した数値を格付け値として算出することを特徴とする請求
項1、2および3記載の公営競走に係る着順予想ゲームシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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