説明

共役基を含むモノマー及びポリマー並びにその製造方法

共役芳香族基を含み、適宜窒素を含むビス−フェノールから誘導されたポリマー組成物が開示されている。前記ポリマーを製造するのに適切なビス−フェノール及び方法も開示されている。また、前記ポリマーを含む電気活性層及び前記層を含む電気活性装置も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共役基を含むモノマー、オリゴマー及びポリマー、その製造方法、並びに前記ポリマーを含む電気活性層及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気活性装置は、その構成物質の電子特性が環境により変化し、その変化を用いて1つの形態のエネルギーを別の形態に有効に変換することができるものである。電気活性装置の適切な例としては、特に限定されないが、光電装置、電気発光装置、電気光学装置などがある。電気発光装置は、電場が加えられると発光する構造体である。最も簡単な形態の電気発光装置は、2つの電極の間に発光層を含んでいる。カソード電極が負の電荷担体(電子)を発光層中に注入し、アノード電極が正の電荷担体(正孔)を注入する。発光層内で電子と正孔が結合して光子が生成したときに発光が起こる。実際的な問題として、光子が装置を抜け出ることができるように、一方の電極は通例透明である。発光層は通例発光物質、多くの場合は有機物質を含んでおり、この物質はその発光特性に実質的に影響することなく薄膜として設置することができ、かつ装置の作動温度で安定である。
【0003】
発光物質により生成される光の色は、有機発光物質の光学ギャップ又はバンドギャップ、すなわち、「最高被占分子軌道」(HOMO)と「最低非占(空)分子軌道」(LUMO)レベル間のエネルギーの差によって決まる。事実上、このバンドギャップは、価電子帯と伝導帯との間のエネルギー差すなわちエネルギーギャップである。これらのエネルギーレベルは、光電子放出の測定及び酸化・還元の電気化学ポテンシャルの測定によって推定することができる。これらのエネルギーのレベルは数多くの要因の影響を受ける。従って、かかるエネルギー値の使用は定量的ではなく指標である。
【0004】
有機材料を発光物質として用いる有機電気発光装置は当技術分野で公知である。有機材料の中で、アントラセン、ペリレン及びコロネンのような簡単な芳香族分子がエレクトロルミネッセンスを示すことが知られている。米国特許第4539507号には、小分子の有機材料を発光物質として使用することが開示されている。ポリマーは電気発光装置に使用する場合小分子より有利である。すなわち、ポリマー装置は可撓性の基材上に製造することができ、しかもポリマーの層は経済的な塗工法によって設けることができるからである。
【0005】
国際公開第90/13148号には、1種以上の共役ポリマーからなるポリマーフィルムである発光層を含む電気発光装置が開示されている。この場合、ポリマーフィルムはポリ(パラ−フェニレンビニレン)(PPV)フィルムからなる。
【0006】
電気発光装置中の発光層として半導体共役ポリマーを使用することが、例えば欧州特許第0544795号から公知である。欧州特許第0686662号には、緑色光を放出する装置が開示されている。アノードは透明な酸化インジウムスズの層である。カソードはLiAl層である。これらの電極の間にPPVの発光層がある。この装置はまたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)の正孔輸送層も含んでおり、この層は、アノードから注入された正孔がPPV中のHOMOレベルに到達するのを助ける中間のエネルギーレベルを提供する。
【0007】
ポリフェニレン、ポリフルオレン及びその他の共役芳香族ポリマーも、電気発光装置中の活性層として周知である。それらの合成及び特性は、例えば、U.Scherfら、Adv.Mater.、14(7)、477(2002)、及びM.T.Berniusら、Adv.Mater.、12(23)、1737(2000)に挙げられている。これらのポリマー性材料は一般に、芳香族カップリング反応、例えば、Suzuki若しくはStilleカップリング、又はアリールハロゲン化物のニッケル触媒カップリング反応を用いて製造される。これらのポリマーを製造するための方法論は十分に確立されているが、多くの場合これらのカップリング−重合反応で得られる副生成物は、分子量を制限し、しかも蛍光を消光し得るか又はポリマーの発光スペクトルに重大なレッドシフトを誘発し得、従って対応する電気発光装置の色の調整可能性を制限することになり得る。当技術分野には、電気活性装置に使用する上でより多才であって、しかも高い収率で経済的に得ることができる材料を開発するという要望がある。
【特許文献1】米国特許第4539507号明細書
【特許文献2】国際公開第90/13148号パンフレット
【特許文献3】欧州特許第0544795号明細書
【特許文献4】欧州特許第0686662号明細書
【特許文献5】米国特許第5041514号明細書
【特許文献6】米国特許第5247190号明細書
【特許文献7】米国特許第5708130号明細書
【特許文献8】米国特許第6169163号明細書
【特許文献9】米国特許第6255447号明細書
【特許文献10】米国特許第6353083号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2005/0064231号明細書
【特許文献12】米国特許出願公開第2005/0075473号明細書
【特許文献13】国際公開第00/53656号パンフレット
【特許文献14】国際公開第92/03490号パンフレット
【特許文献15】欧州特許出願公開第1323762号明細書
【非特許文献1】U.Scherfら、Adv.Mater.、14(7)、477(2002)
【非特許文献2】M.T.Berniusら、Adv.Mater.、12(23)、1737(2000)
【非特許文献3】Mitevaら、Adv.Mater.、13(8)、565(2001)
【非特許文献4】Schmittら、Macromolecular Rapid Communications,22(8),624(2001)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、電気活性装置に有利に使用することができる多才なモノマー並びに対応するオリゴマー及びポリマーを発見した。様々な実施形態では、オリゴマー及びポリマーの電気活性特性、特に発光特性は、望ましい加工処理特性、発色の変化、放出効率及び電荷輸送特性が達成されるように容易に変化させることができる。さらに、オリゴマー及びポリマーの共役長は容易に調整することができ、また重合化学を選択して、副反応を最小にし、分子量制御を最大にし、かつ最終ポリマーの物理的性質を調整することができる。従って、1つの態様では、本発明は、以下の(i)と(ii)の反応から誘導された構造単位を含むポリマーを提供する。
(i)次式(I)を有するビス−フェノール
【0009】
【化1】

式中、Wは適宜窒素を含んでいてもよい共役芳香族基であり、Rは各々独立に脂肪族基、芳香族基又は環式脂肪族基であり、「a」は0〜4の範囲の値を有する整数である。
(ii)次式の化合物及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される第2の化合物
【0010】
【化2】

式中、Xはハロゲン基である。
【0011】
別の態様では、本発明は、以下の(i)と(ii)を反応させる段階を含んでなるポリマーの製造方法を提供する。
(i)次式(II)を有するビス−フェノール
【0012】
【化3】

式中、Wは適宜窒素を含んでいてもよい共役芳香族基であり、Rは各々独立に脂肪族基、芳香族基又は環式脂肪族基であり、「a」は0〜4の範囲の値を有する整数である。
(ii)次式の化合物及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される第2の化合物
【0013】
【化4】

式中、Xはハロゲン基である。
【0014】
別の態様では、本発明は、次式(I)を有するビス−フェノールモノマーを提供する。
【0015】
【化5】

式中、Wは適宜窒素を含んでいてもよい共役芳香族基であり、Rは各々独立に脂肪族基、芳香族基又は環式脂肪族基であり、「a」は0〜4の範囲の値を有する整数である。
【0016】
他の実施形態では、本発明は、本明細書中に記載したポリマーを含む電気活性層及びその層を含む電気活性装置に関する。本発明の様々な他の特徴、態様及び利点は以下の説明及び特許請求の範囲を参照することによってより明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下の明細書及び特許請求の範囲においては、幾つかの用語を参照するが、それらは以下の意味をもつものとして定義される。単数形は、前後関係から明らかに他の意味を示さない限り複数形も包含する。
【0018】
本明細書で使用する場合、用語「脂肪族基」とは、環状ではない線状又は枝分かれした原子配列からなり1以上の価数を有する有機基をいう。脂肪族基は1以上の炭素原子を含むものと定義される。脂肪族基を構成する原子の配列は、窒素、イオウ、ケイ素、セレン及び酸素のようなヘテロ原子を含んでいてもよいし、又は、専ら炭素と水素から構成されていてもよい。便宜上、本明細書中で用語「脂肪族基」は、「環状ではない線状又は枝分かれした原子配列」の一部として、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、共役ジエニル基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、アシル基(例えば、エステル及びアミドのようなカルボン酸誘導体)、アミン基、ニトロ基などのような広範囲の官能基を包含するものと定義される。例えば、4−メチルペント−1−イル基は、メチル基を含むC脂肪族基であり、このメチル基はアルキル基の1つの官能基である。同様に、4−ニトロブト−1−イル基はニトロ基を含むC脂肪族基であり、このニトロ基は1つの官能基である。脂肪族基は、同一でも異なっていてもよい1以上のハロゲン原子を含むハロアルキル基であってもよい。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素がある。1以上のハロゲン原子を含む脂肪族基としては、ハロゲン化アルキルのトリフルオロメチル、ブロモジフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、ヘキサフルオロイソプロピリデン、クロロメチル、ジフルオロビニリデン、トリクロロメチル、ブロモジクロロメチル、ブロモエチル、2−ブロモトリメチレン(例えば、−CHCHBrCH−)などがある。脂肪族基のその他の例としては、アリル、アミノカルボニル(すなわち、−CONH)、カルボニル、ジシアノイソプロピリデン(すなわち、−CHC(CN)CH−)、メチル(すなわち、−CH)、メチレン(すなわち、−CH−)、エチル、エチレン、ホルミル(すなわち、−CHO)、ヘキシル、ヘキサメチレン、ヒドロキシメチル(すなわち、−CHOH)、メルカプトメチル(すなわち、−CHSH)、メチルチオ(すなわち、−SCH)、メチルチオメチル(すなわち、−CHSCH)、メトキシ、メトキシカルボニル(すなわち、CHOCO−)、ニトロメチル(すなわち、−CHNO)、チオカルボニル、トリメチルシリル(すなわち、(CHSi−)、t−ブチルジメチルシリル、トリメトキシシリルプロピル(すなわち、(CHO)SiCHCHCH−)、ビニル、ビニリデンなどがある。その他の例として、C〜C10脂肪族基は1以上10以下の炭素原子を含有する。メチル基(すなわち、CH−)はC脂肪族基の一例である。デシル基(すなわち、CH(CH−)はC10脂肪族基の一例である。
【0019】
本明細書で使用する場合、用語「芳香族基」は、1以上の芳香族基を含み1以上の価数を有する原子の配列をいう。この1以上の芳香族基を含み1以上の価数を有する原子の配列は、窒素、イオウ、セレン、ケイ素及び酸素のようなヘテロ原子を含んでいてもよいし、又は、専ら炭素と水素から構成されていてもよい。本明細書で使用する場合、用語「芳香族基」には、制限されることはないが、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ナフチル、フェニレン及びビフェニル基が包含される。上述の通り、芳香族基は1以上の芳香族基を含有する。芳香族基は常に4n+2個の「非局在化」電子を有する環状構造体であり、「n」は1以上の整数である。例としては、フェニル基(n=1)、チエニル基(n=1)、フラニル基(n=1)、ナフチル基(n=2)、アズレニル基(n=2)、アントラセニル基(n=3)などがある。芳香族基はまた非芳香族成分を含んでいてもよい。例えば、ベンジル基は、フェニル環(芳香族基)とメチレン基(非芳香族成分)からなる芳香族基である。同様に、テトラヒドロナフチル基は、非芳香族成分−(CH−と融合した芳香族基(C)からなる芳香族基である。便宜上、本明細書中で用語「芳香族基」は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、ハロ芳香族基、共役ジエニル基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、アシル基(例えば、エステル及びアミドのようなカルボン酸誘導体)、アミン基、ニトロ基などのような広範囲の官能基を包含するものと定義される。例えば、4−メチルフェニル基はメチル基を含むC芳香族基であり、このメチル基はアルキル基の1つである官能基である。同様に、2−ニトロフェニル基はニトロ基を含むC芳香族基であり、このニトロ基は官能基である。芳香族基には、トリフルオロメチルフェニル、ヘキサフルオロイソプロピリデンビス(4−フェン−1−イルオキシ)(すなわち、−OPhC(CFPhO−)、クロロメチルフェニル、3−トリフルオロビニル−2−チエニル、3−トリクロロメチルフェン−1−イル(すなわち、3−CClPh−)、4−(3−ブロモプロプ−1−イル)フェン−1−イル(すなわち、BrCHCHCHPh−)などのようなハロゲン化芳香族基が包含される。芳香族基のその他の例としては、4−アリルオキシフェン−1−オキシ、4−アミノフェン−1−イル(すなわち、HNPh−)、3−アミノカルボニルフェン−1−イル(すなわち、NHCOPh−)、4−ベンゾイルフェン−1−イル、ジシアノイソプロピリデンビス(4−フェン−1−イルオキシ)(すなわち、−OPhC(CN)PhO−)、3−メチルフェン−1−イル、メチレンビス(フェン−4−イルオキシ)(すなわち、−OPhCHPhO−)、2−エチルフェン−1−イル、フェニルエテニル、3−ホルミル−2−チエニル、2−ヘキシル−5−フラニル、ヘキサメチレン−1,6−ビス(フェン−4−イルオキシ)(すなわち、−OPh(CHPhO−)、4−ヒドロキシメチルフェン−1−イル(すなわち、4−HOCHPh−)、4−メルカプトメチルフェン−1−イル(すなわち、4−HSCHPh−)、4−メチルチオフェン−1−イル(すなわち、4−CHSPh−)、3−メトキシフェン−1−イル、2−メトキシカルボニルフェン−1−イルオキシ(例えば、メチルサリチル)、2−ニトロメチルフェン−1−イル(すなわち、−PhCHNO)、3−トリメチルシリルフェン−1−イル、4−t−ブチルジメチルシリルフェニル−1−イル、4−ビニルフェン−1−イル、ビニリデンビス(フェニル)などがある。用語「C〜C10芳香族基」には、3以上10以下の炭素原子を含有する芳香族基が包含される。芳香族基1−イミダゾリル(C−)はC芳香族基の代表である。ベンジル基(C−)はC芳香族基の代表である。
【0020】
本明細書で使用する場合、用語「環式脂肪族基」とは、環状ではあるが芳香族ではない原子の配列を含み1以上の価数を有する基をいう。本明細書中で定義されるように、「環式脂肪族基」は芳香族基を含有しない。「環式脂肪族基」は1以上の非環式成分を含んでいてもよい。例えば、シクロヘキシルメチル基(C11CH−)は、シクロヘキシル環(環状ではあるが芳香族ではない原子の配列)とメチレン基(非環式成分)からなる環式脂肪族基である。環式脂肪族基は、窒素、イオウ、セレン、ケイ素及び酸素のようなヘテロ原子を含んでいてもよいし、又は、専ら炭素と水素から構成されていてもよい。便宜上、本明細書中で用語「環式脂肪族基」は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、共役ジエニル基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、アシル基(例えば、エステル及びアミドのようなカルボン酸誘導体)、アミン基、ニトロ基などのような広範囲の官能基を包含するものと定義される。例えば、4−メチルシクロペント−1−イル基はメチル基を含むC環式脂肪族基であり、このメチル基はアルキル基の1種である官能基である。同様に、2−ニトロシクロブト−1−イル基はニトロ基を含むC環式脂肪族基であり、このニトロ基は1種の官能基である。環式脂肪族基は同一でも異なっていてもよい1以上のハロゲン原子を含んでいてもよい。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素がある。1以上のハロゲン原子を含む環式脂肪族基としては、2−トリフルオロメチルシクロへキス−1−イル、4−ブロモジフルオロメチルシクロオクト−1−イル、2−クロロジフルオロメチルシクロへキス−1−イル、ヘキサフルオロイソプロピリデン−2,2−ビス(シクロへキス−4−イル)(すなわち、−C10C(CF10−)、2−クロロメチルシクロへキス−1−イル、3−ジフルオロメチレンシクロへキス−1−イル、4−トリクロロメチルシクロへキス−1−イルオキシ、4−ブロモジクロロメチルシクロへキス−1−イルチオ、2−ブロモエチルシクロペント−1−イル、2−ブロモプロピルシクロへキス−1−イルオキシ(例えば、CHCHBrCH10−)などがある。環式脂肪族基のその他の例としては、4−アリルオキシシクロへキス−1−イル、4−アミノシクロへキス−1−イル(すなわち、HNC10−)、4−アミノカルボニルシクロペント−1−イル(すなわち、NHCOC−)、4−アセチルオキシシクロへキス−1−イル、2,2−ジシアノイソプロピリデンビス(シクロへキス−4−イルオキシ)(すなわち、−OC10C(CN)10O−)、3−メチルシクロへキス−1−イル、メチレンビス(シクロへキス−4−イルオキシ)(すなわち、−OC10CH10O−)、1−エチルシクロブト−1−イル、シクロプロピルエテニル、3−ホルミル−2−テトラヒドロフラニル、2−ヘキシル−5−テトラヒドロフラニル、ヘキサメチレン−1,6−ビス(シクロへキス−4−イルオキシ)(すなわち、−OC10(CH10O−)、4−ヒドロキシメチルシクロへキス−1−イル(すなわち、4−HOCH10−)、4−メルカプトメチルシクロへキス−1−イル(すなわち、4−HSCH10−)、4−メチルチオシクロへキス−1−イル(すなわち、4−CHSC10−)、4−メトキシシクロへキス−1−イル、2−メトキシカルボニルシクロへキス−1−イルオキシ(2−CHOCOC10O−)、4−ニトロメチルシクロへキス−1−イル(すなわち、NOCH10−)、3−トリメチルシリルシクロへキス−1−イル、2−t−ブチルジメチルシリルシクロペント−1−イル、4−トリメトキシシリルエチルシクロへキス−1−イル(例えば、(CHO)SiCHCH10−)、4−ビニルシクロヘキセン−1−イル、ビニリデンビス(シクロヘキシル)などがある。用語「C〜C10環式脂肪族基」には、3以上10以下の炭素原子を含有する環式脂肪族基が含まれる。環式脂肪族基2−テトラヒドロフラニル(CO−)はC環式脂肪族基の代表であり、シクロヘキシルメチル基(C11CH−)はC環式脂肪族基の代表である。
【0021】
一実施形態では、本発明は、共役基を含むポリマーに関する。共役基及びこれらのポリマーを用いて製造される最終生成物の性質に応じて、これらのポリマー上の共役基は様々な用語で呼ぶことができる。ある非限定的な実施形態では、共役基は放出性セグメントということができる。別の非限定的な実施形態では、共役基はまた電荷輸送セグメントといってもよい。さらに別の非限定的な実施形態では、共役基は電荷ブロックセグメントということもできる。これらのポリマーは次式(II)で表される二官能性化合物から誘導される。
【0022】
【化6】

式中、Wは適宜窒素を含んでいてもよい共役芳香族基であり、Rは各々独立に脂肪族基、芳香族基又は環式脂肪族基であり、「a」は0〜4の範囲の値を有する整数であり、「A」はO、N及びSからなる群から選択され、「n」は1又は2の値を有する整数である。
【0023】
1つの特定の実施形態では、本発明では、アリールハロゲン化物又はアリールボロン酸若しくはエステルで置換されているフェノール、チオール又はアミン官能性部分を含む第1の化合物と、ビス−ボロン酸若しくはエステル又はビス−ハロアレーンを含む第2の化合物とを、Suzukiカップリング条件を用いて反応させて、ポリアリーレンのフェノール、チオール又はアミン末端官能化共役オリゴマーを形成する。本発明の幾つかの特定のモノマー、オリゴマー及びポリマーを製造する特定の方法の具体例を図1及び図2に示す。これらの反応式の各々で、Arは芳香族部分を表し、部分「A」は酸素、イオウ又は窒素であることができ、パラメーター「n」はAの種類に応じて1又は2であり、部分「R」は各場合に独立に脂肪族、環式脂肪族、又は芳香族であることができ、パラメーター「m」は約1〜約1000の値を有することができ、さらに好ましくは「m」は約1〜約250の値を有することができる。図2で、パラメーター「x」は一実施形態では0〜約100の値、別の実施形態では1〜約50の値を有することができる。
【0024】
また、図1に示されているArと部分Aをもつアリール環とは、次式(AA)の具体的な部分構造のようなスピロ構造内で炭素−炭素又は炭素−ヘテロ原子結合によって互いに連結され得る。
【0025】
【化7】

式中、芳香環は置換又は非置換であり得、「X」はNR、O、又はSであり、部分Rは脂肪族、環式脂肪族、又は芳香族でよい。
【0026】
同様に、図1に示されているR基は次式の具体的な部分構造(BB)のようにスピロ構造で結合され得る。
【0027】
【化8】

式中、芳香環は置換又は非置換であり得る。
【0028】
さらに、次の構造(CC)を有する化合物を使用することができる。
【0029】
【化9】

式中、芳香環は置換又は非置換でよく、部分「A」は酸素、イオウ又は窒素であることができ、パラメーター「n」はAの種類に応じて1又は2であり、部分Rは脂肪族、環式脂肪族、又は芳香族でよく、パラメーター「x」は一実施形態では0〜約100の値、別の実施形態では1〜約50の値を有し得る。
【0030】
また、本発明の幾つかのポリマーは、図3の反応式に具体的な実施形態として示されているように、最初にA部分官能性成分同士をカーボネートその他の適切な結合を介して連結した後、典型的なアリールカップリング化学を用いてアリールハロゲン化物官能性を介して重合することによって得ることができる。図3で、部分「A」は酸素、イオウ又は窒素であることができ、パラメーター「n」はAの種類に応じて1又は2である。図3で、部分「R」は各場合に
独立に脂肪族、環式脂肪族、又は芳香族でよく、部分「X」は単結合、NR、O、又はSである。図3において、パラメーター「m」は約1〜約1000の値を有し得、さらに好ましくは「m」は約1〜約250の値を有し得る。各図1、2及び3中の化合物MXは、部分AHと反応してホモポリマー又はコポリマーを形成することができる任意の二官能性有機モノマーである。MXの例としては、特に限定されないが、BPA−ビス−クロロホルメート、テレフタル酸又はその二酸塩化物若しくはジエステル、ジクロロフェニルスルホン、ピロメリト酸二無水物、塩化アジポイル、ジフェニルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ホスゲンなど、及びこれらの混合物がある。図1、2及び3に示されている化合物の芳香環は置換又は非置換であり得る。
【0031】
用語「ホモポリマー」は、本発明の幾つかの実施形態では、電気活性セグメント同士がリンカーMXだけで互いに結合されているポリマー性構造体をいう。用語「コポリマー」は、本発明の幾つかの実施形態では、1以上の電気活性セグメント及び/又は1以上の非電気活性セグメントがリンカーMXにより結合されているポリマー性構造体をいう。コポリマー中の結合セグメントはランダム又は交互に分散していることができる。
【0032】
幾つかの特定の実施形態では、適切なモノマーは、「A」が酸素であり、パラメーター「n」が1に等しいビス−フェノール化合物(I)で表されるものからなる。共役単位を含む代表的なビス−フェノール化合物は、本明細書中で既に挙げたものに加えて、以下の(a)〜(f)からなる。
(a)次式(IIIa)のもの
【0033】
【化10】

式中、R、R、R、R、R及びRは各々独立に脂肪族、芳香族又は環式脂肪族基であり、「b」は値0、1、又は2を有する整数であり、「c」は0〜3の範囲の値を有する整数であり、「d」は0〜3の範囲の値を有する整数であり、「e」は0〜4の範囲の値を有する整数であり、「f」は0〜5の範囲の値を有する整数であり、「g」は0〜4の範囲の値を有する整数であり、「n」は0〜100の範囲の数である。
(b)次式(IIIb)のもの
【0034】
【化11】

式中、R及びRは各々独立に脂肪族、芳香族又は環式脂肪族基、特に式C2x−1の脂肪族基であり、より具体的にはRがC13であり、RがCHであり、「n」は1〜100の範囲の数である。
(c)次式(IIIc)のもの
【0035】
【化12】

式中、R及びRは各々独立に、脂肪族、芳香族又は環式脂肪族基、特に式C2x−1の脂肪族基であり、より具体的にはRがC13であり、RがCHであり、「n」は1〜100の範囲の数である。
(d)次式のもの
【0036】
【化13】

式中、Arは各々独立に芳香族基であり、「x」は0〜10の範囲の整数である。
(e)以下の式のいずれか
【0037】
【化14】

(f)以上の化合物の任意の組合せ。
【0038】
本発明に使用する場合、ビス−フェノール化合物は、通例市販されているか、又は広く公知であり、炭素−炭素結合を形成するため、殊に共役系及び芳香族−芳香族結合の合成のために使用されるSuzuki又はStilleカップリング反応によって合成される。かかる反応は通例、共役基を含む有機ホウ素試薬と共役基を含む有機ハロゲン化物との間で行われる。適切な有機ホウ素試薬はボロン酸エステルを含むもの及びボロン酸を含むものからなる。
【0039】
このカップリング反応に使用する有機ホウ素試薬は通例、有機リチウム試薬とホウ酸トリアルコキシの反応と、その後の酸性化によって合成される。別の方法として、有機マグネシウムハロゲン化物のようなグリニャール試薬とホウ酸トリアルコキシ又はホウ酸トリアルキルとの反応がある。これらの反応は通例、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、ジグライム、グライム、テトラヒドロフランなどのようなエーテル性溶媒中で行われる。有機ホウ素試薬を得るための別の方法は、有機ハロゲン化物と有機ホウ素化合物の交差カップリング反応によるものである。この交差カップリング反応は広範囲の官能基に対して寛容であることが知られている。幾つかの代表的な有機ホウ素化合物としては、特に限定されないが、イソプロポキシピナコラト二ホウ素、ビス−ピナコラト二ホウ素、ジシアミル(disiamyl)ボラン及びテキシルボランがある。この反応は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランなどのような極性溶媒中、又はトルエン、ベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、四塩化炭素などのような非極性溶媒中で実施することができる。収率を改良し、反応速度を増大するために、この交差カップリング反応に金属錯体触媒を有利に使用することができる。典型的な触媒としては、PdCl、Pd(OAc)などのようなパラジウム錯体がある。交差カップリング反応は、約−100〜約150℃の範囲、さらに好ましくは約0〜約100℃の範囲の温度で行われる。最終生成物は、ろ過及び溶媒の蒸発のような当業者に公知の標準的な技術により単離し、クロマトグラフィーのような技術によりさらに精製することができる。
【0040】
カップリング反応は通例有機ホウ素試薬と有機ハロゲン化物の反応を含む。有機ハロゲン化物はまたアルケン、アルキン、芳香族化合物などから誘導してもよい。有機ハロゲン化物上の不飽和がハロゲン基に対してα炭素上にある場合、この反応では共役生成物が生成する。有機ホウ素試薬と有機ハロゲン化物の反応は通例触媒、特にパラジウム触媒の存在下で行われる。他の金属錯体触媒はNi(II)錯体、Fe(III)触媒などからなる。典型的な触媒には、PdCl、Pd(OAc)などのようなパラジウム錯体がある。この反応はジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランなどのような極性溶媒中、又はトルエン、ベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、四塩化炭素などのような非極性溶媒中で行うことができる。反応は通例約−100℃〜約150℃の範囲、さらに好ましくは約0〜約100℃の範囲の温度で行う。最終生成物は、ろ過及び溶媒の蒸発のような当業者に公知の標準的な技術により単離し、クロマトグラフィーのような技術によりさらに精製することができる。
【0041】
典型的な実施形態では、カップリング反応に使用する有機ハロゲン化物は有機二ハロゲン化物である。有機ホウ素試薬は、通例1以上のヒドロキシル又はフェノール性基を含んでおり、通例有機二ハロゲン化物に対して2:1以上のモル比で使用する。共役基を含むビス−フェノール化合物はこのようにして得ることができる。
【0042】
共役の程度は共役分子のバンドギャップに影響することが知られている。共役の程度を増大すると、バンドギャップをバンドギャップ変換の点まで低下させる効果がある。従って、適当な分子構造の選択はバンドギャップを選択する1つの方法である。これにより、分子に光を放出させるときに光出力の色を制御するという非常に望ましい特徴が得られる。この性質は電気発光装置の構築において特に有用である。本発明の一実施形態では、ビス−フェノール末端基を含む異なる長さの共役単位を含むオリゴマーを合成することによって共役長を変化させる。本明細書で使用する場合、オリゴマーは、他の二官能性モノマーとの重合反応に有用な官能性末端基を有する繰返し構造単位を含むモノマーである。
【0043】
本発明に有用なポリマーは式(I)の上記化合物をコモノマーと反応させることによって合成することができる。使用されるコモノマーは、ビス−フェノール化合物のヒドロキシル基のような、式(I)の化合物上の求核基と反応することができる官能基を含んでいる。求核基と反応する代表的な官能基には、特に限定されないが、無水物、カルボン酸、ハロゲン化物、シラン、ヒドリドシロキサン、ハロホルメートなどがある。また、コモノマーは適宜共役基を含んでいてもよい。典型的なコモノマーは次式の化合物及びこれら化合物の任意の組合せからなる群から選択される。
【0044】
【化15】

式中、Xはハロゲン基である。ビス−フェノール化合物上のヒドロキシル基とコモノマー上の官能基との反応により生成する典型的な連結基はエステル、エーテル、カーボネート、シランなどである。
【0045】
本発明のポリマーを形成する重合反応は溶媒の存在下で行うのが有利である。溶媒は、使用するモノマーの種類に基づいて容易に選択することができる。典型的な溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのような塩素化溶媒、N−メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどのような二極性非プロトン性溶媒、トルエン、クロロベンゼン、オルト−ジクロロベンゼン、キシレンなどのような芳香族溶媒、THF、ジオキサン、グライムなどのようなエーテル溶媒がある。重合反応は通例適切な触媒の存在下で行う。エステル、カーボネート及びエーテルを生成させるのに使用する典型的な触媒としては、トリエチルアミン、N−メチルピロリジノン、炭酸カリウムなどのような塩基がある。一実施形態では、使用する溶媒はまた触媒としても作用し得る。シランを生成させるのに使用する典型的な触媒としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのようなLewis酸触媒がある。
【0046】
本発明のポリマーの溶解性は第2の化合物の選択によって調節することができる。従って、一実施形態では、繰返し単位中にカーボネート結合のような極性基を導入することによって、一般的な溶媒に可溶性のポリマーが得られる。この溶解特性の改良により、装置を製造するのがより容易になる。
【0047】
共役基を含むポリマーから得られる装置は、当業者に公知の技術を用いて製造することができる。正孔のみの装置を製造する代表的な方法は次の通りである。インジウム−スズ−酸化物(ITO)を被覆したガラスを清浄化し、UV光又はオゾンに暴露することにより滅菌し、導電性ポリマーの薄い層で被覆し、ベーキングした後、標準的な方法により試験ポリマーで被覆する。シャドーマスクを用いて頂部電極を真空蒸着する。その後、その表面上に金の薄膜を適切な速度で蒸着する。電子のみの装置の場合、通例アルミニウムを底部電極として使用し、アルミニウムを含むフッ化ナトリウムの薄い層を頂部電極として使用する。スピンコーティング法を用いて異なるスピンスピードの幾つかの試料を製造し、厚さ50nmの目的の値に内挿することができる。最後に、マイクロプローブに取り付けた細い金線との電気的接触を確立する。本明細書中に記載した方法の変形は当業者には明らかであろう。
【0048】
本発明で記載したポリマーを含む装置の色の調整可能性は小分子染料を使用することによってさらに精緻化することができる。染料は、特に限定されないが、溶液、分散、又は溶融混合技術のような当技術分野で公知の方法を用いてポリマー中に導入することができる。特定の実施形態では、染料は溶液ブレンド法によってポリマー中に導入することができる。装置に使用することができる代表的な染料は、ペリレン染料、アントラセン染料、クマリン染料、スチベン染料、キサンテン染料、オキサジン染料、ピロメタン染料、4−ジシアンメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン染料、ポルフィリノイド染料、ポルフィリノイド染料の金属錯体などからなる。+2、+3、又は+4の酸化状態を有するランタニド系列の金属の有機錯体からなる染料も本発明で使用できる。Os、Ir、Ru、Re、Rhなどのような遷移金属の錯体からなる染料は、共役基を含むポリマーと共に様々な用途に使用することができる。以上の染料の組合せも装置に使用することが考えられる。
【0049】
本発明のポリマーは、驚くべきことに、特に限定されないが電気発光装置、電気光学装置、光電装置などのような幾つかの用途に優れた潜在能力を示すことが判明した。共役基を含むポリマーはそのまま使用してもよい。或いは、別の実施形態では、ポリマーは1種以上の他のポリマーを含むブレンドの一部として使用できると考えられる。幾つかの具体的な実施形態では、本明細書中に記載したポリマーは、互いにブレンドしてもよいし、又は他の電気活性ポリマーとブレンドしてもよい。代表的な電気活性ポリマーとしては、特に限定されないがポリ(チオフェン)、ポリ(フルオレン)、ポリ(アニリン)、ポリ(フェニレン)及びポリ(ビニルフェニレン)がある。
【実施例】
【0050】
さらに詳細に述べることなく、当業者は、本明細書中の記載に基づいて本発明を最大限に利用することができると考えられる。以下の実施例は、特許請求の範囲に記載の本発明を実施する上での追加の指針を当業者に提供するためのものである。ここに挙げる実施例は本出願の教示の元となった研究の単なる代表例である。従って、これらの実施例は、特許請求の範囲に定義されている本発明をいかなる意味でも限定するものではない。
【0051】
2,7−ジブロモ−9,9−ジヘキシルフルオレン、9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ビス−トリメチレンボロネート、フルオレノン、酢酸パラジウム、水酸化テトラエチルアンモニウム(20wt.%水溶液)及びN−ブロモスクシンイミドはAldrichから購入し、さらに精製することなく使用した。テトラキス−トリフェニルホスフィンパラジウム(0)はAldrichから購入したか又は、Coulson、D.R.によりInorganic Syntheses(1990)、vol.28、pp.107−9に記載されているようにして新たに調製した。ヘキサン中のn−ブチルリチウム(約1.2モル濃度)はAldrichから入手し、使用前にN−ピバロイル−o−トルイジンを用いて滴定した。デカフルオロビフェニルはTCI Americaから入手した。BPAはビスフェノール−Aを意味する。3−(ジエチレントリアミノ)プロピル−官能化シリカゲルは200〜400メッシュであり、SiliCycle、Quebec City、Quebec、Canadaから入手した。試験ポリマーのポリ(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)(商標ADS329(登録商標)で入手可能)及びポリ[9,9−ジ−(2−エチルヘキシル)−フルオレニル−2,7−ジイル]はAmerican Dye Source、Inc.、Quebec、Canadaから購入し、受領したままさらに精製することなく使用した。H NMRスペクトルはBruker 500メガヘルツ機器で記録した。UVスペクトルはVarian−Cary 300 Scan UV−Vis分光光度計で記録した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーはPerkin−Elmer Series 200ポンプ及びPerkin−Elmer 235 Diode Array Detectorを用いて行った。クロロホルムを溶離剤として使用し、流速1.0ミリリットル/分(ml/min)でMetaChem Technologies、5ミクロン線状300ミリメートル(mm)×7.8mmのカラムに通した。液体クロマトグラフィーはPerkin−Elmer Series 200ポンプ及びUV−Vis検出器を用いてWhatman Partisil 5 ODS−3 10mm×4.5mmのカラムで行い、水−アセトニトリル直線勾配(50%〜95%vol/volアセトニトリル)を用いて流速1.5ml/minで溶出した。
【0052】
2−ブロモフルオレノンの合成:フルオレノン(41グラム(g)、0.228mol)を225ミリリットル(ml)のメタンスルホン酸に溶解し、室温において固体のN−ブロモスクシンイミド(NBS)(38.55g、0.217mol)で少しずつ処理した。混合物は暗く暖かくなった。NBS添加の速度を制御することによって温度を60℃未満に維持した。NBSの添加が完了したら、混合物を室温まで冷却させ、1リットルの氷水中に注ぎ入れた。分離した黄色い固体をろ過により集め、大量の水で洗浄し、風乾した後、約1.5リットルのエタノールから再結晶した。収量(収率)は40g(71%)であり、生成物はLC分析で示されたように5〜10%の2,7−ジブロモフルオレノンを含有していた。小量の試料をカラムクロマトグラフィーで精製したが、通常はこの汚染されている物質を次の段階に用いた。
【0053】
【化16】

実施例1
2−ブロモ−9−(4−tert−ブチル)フェニル−9−(4−ヒドロキシ)フェニルフルオレン(IVa)の合成:固体の2−ブロモフルオレノン(5.18g、20ミリモル(mmol))を、75mlの無水エーテル中で4−ブロモ−tert−ブチルベンゼン(4.47g、21mmol)、1,2−ジブロモエタン(1.88g、10mmol)及びマグネシウム(0.753g、31mg−原子)から調製したグリニャール試薬に、少しずつ加えた。全ての固体を加えた後反応混合物を1時間還流した。冷却した混合物を、50mlの飽和塩化アンモニウム溶液を加えることによってクエンチした。有機相を等容積の水と飽和NaClで洗浄した後、無水CaSOのコーンに通した。回転蒸発器で溶媒を除去して10gの琥珀色の油を得、これをシリカゲル(約300g)クロマトグラフィーにかけ、ヘキサン−酢酸エチルで溶出して5.64g(72%)の所望のカルビノールを無色の油として得た。質量スペクトルとH NMRのデータは、所望のカルビノールの形成を示していた。このカルビノール(6.0g、15mmol)とフェノール(2.2g、23.25mmol)を10mlの塩化メチレンに溶解した。メタンスルホン酸(200マイクロリットル、3.08mmol)を加え、混合物を周囲温度で撹拌した。反応が完了した(約5min)ところで、有機相を水と飽和NaClで洗浄した。溶媒の蒸発により油が得られ、これを200gのシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル勾配)にかけて4.4g(61%)の生成物を無色の油として得た。この油はエーテル−ヘキサン溶液のゆっくりした蒸発によって結晶化することができた。質量スペクトルとH NMRのデータは所望の生成物の形成を示していた。
【0054】
実施例2
2−ブロモ−9−(3,5−ビス−トリフルオロメチル)フェニル−9−(4−ヒドロキシ)フェニルフルオレン(IVb)の合成:再結晶化に由来する過剰のエタノールを除去するために65℃の真空オーブンで一晩乾燥した固体の2−ブロモフルオレノン(42g、161.5mmol)を、400mlの無水エーテルを充填した1リットルの三首フラスコ中で3,5−ビス−トリフルオロメチルブロモベンゼン(50g、170mmol)、1,2−ジブロモエタン(7.36ml、85mmol)及びマグネシウム(6.223g、256mg−原子)から調製したグリニャール試薬に、固体添加漏斗を介して少しずつ加えた。30分後、過剰の飽和塩化アンモニウム溶液を加えることによって混合物をクエンチした。有機相を等容積の水と飽和NaClで3回洗浄した後、無水MgSOのコーンに通した。回転蒸発器で溶媒を除去して淡褐色の固体を得た。その塊全体をフェノール(24g、256mmol、1.5モル過剰)と共に1リットルの一首フラスコ中の800mlの塩化メチレンに溶解した。メタンスルホン酸(21.5ml)を加え、混合物を周囲温度で18時間撹拌した。反応が完了したところで、有機相を水と飽和NaClで洗浄した。溶媒の蒸発によりオフホワイトの固体を得た。この生成物を最小量の塩化メチレンとヘキサン(20/80vol/vol)を用いた磨砕によってさらに精製した。最終収率は58.9g(63.6%)であった。質量スペクトルとH NMRのデータは所望の生成物の形成を示していた。
【0055】
【化17】

実施例3
2−(1,1,2,2−テトラメチルエチレンボロナト)−9−(4−tert−ブチル)フェニル−9−(4−ヒドロキシ)フェニルフルオレン(Va)の合成:臭化物(IVa)(0.469g、1.0mmol)、ビス−ピナコラト二ホウ素(0.279g、1.1mmol)、酢酸カリウム(0.294g、3.0mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.0075g、0.03mmol)及びDMF(10ml)の混合物を、80℃で正の窒素圧の下5hr撹拌した。追加のビス−ピナコラト二ホウ素(0.075g)とPd(OAc)(0.002g)を加え、加熱と撹拌をさらに1.5hr続けた。この混合物を、HClで僅かに酸性にした100mlの冷水中に注ぎ入れた。ろ過により固体を集め、50mlの酢酸エチルと共に撹拌した。この溶液をCELITE(登録商標)に通してろ過し、塩水で洗浄し、無水CaSOのコーンを通して乾燥した。溶媒の蒸発により得た残渣を50gのシリカゲルクロマトグラフィーにかけ、10〜20%の酢酸エチル/ヘキサンで溶出した。主画分をエーテル−ヘキサン溶液からゆっくり結晶化した。質量スペクトルとH NMRのデータは所望の生成物の形成を示していた。
【0056】
実施例4
2−(1,1,2,2−テトラメチルエチレンボロナト)−9−(3,5−ビストリフルオロメチル)フェニル−9−(4−ヒドロキシ)フェニルフルオレン(Vb)の合成:25mlのDMF中の臭化物(IVb)(5.5g、10mmol)、ビス−ピナコラト二ホウ素(3.0g、12mmol)、酢酸カリウム(2.9g、30mmol)及び酢酸パラジウム(II)(0.075g、0.3mmol)の混合物を、75℃の浴中で3時間撹拌した。冷却した混合物をHClで僅かに酸性にした250mlの水中に注ぎ入れた。分離した暗い固体をろ過により集め、水で洗浄し、150mlの酢酸エチルと共に撹拌した。得られたスラリーをCELITE(登録商標)に通してろ過し、ろ液を水と塩水で引き続いて洗浄した後、無水CaSOのコーンに通した。溶媒の除去により得た暗い残渣を150gのシリカゲルクロマトグラフィーにかけ、ヘキサン中10〜20%の酢酸エチルで溶出して、化合物(Vb)を無色の油として得た。質量スペクトルとH NMRのデータは所望の生成物の形成を示していた。
【0057】
実施例5
以下の実施例では、次の一般式(VI)を有するフェノールで末端封鎖したポリフルオレンの合成について記載する。
【0058】
【化18】

フェノール官能性ビフルオレン化合物(VIb)、n=0、R=H、R’=CFの合成:フェノールボレート化合物(Vb)(0.596g、1.0mmol)、フェノール臭化物化合物(IVb)(0.549g、1.0mmol)、トルエン(15ml)及び水酸化テトラエチルアンモニウム(0.275g、1.4gの20%水溶液)の混合物を、アルゴンで約20分脱ガスした。次いで、テトラキス−トリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.0035g、0.022mmol)を加え、混合物を正の窒素圧下75℃で18時間撹拌した。冷却した混合物を酢酸エチル(25ml)及び1.0Normal(1N)の塩酸(25ml)で希釈し、軽く撹拌した後、CELITE(登録商標)を通してろ過した。有機相を水で二回、塩水で一回洗浄した後、1センチメートル(cm)の3−(ジエチレントリアミノ)プロピル−官能化シリカゲルの層の上にDrieriteを含有する漏斗に通した。真空中で溶媒を除去して生成物を白色粉末として得た。
【0059】
実施例6
フェノール官能性ビフルオレン化合物(VIa)、n=0、R=t−Bu、R’=Hの合成:実施例5で化合物(VIb)の調製に関して記載したのと基本的に同一の手順を用いて、フェノールボレート化合物(Va)とフェノール臭化物化合物(IVa)から調製した。
【0060】
実施例7
フェノール封鎖ターフルオレン(terfluorene)化合物(VIb)、Ar=9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル、n=1、R=H、R’=CFの合成:フェノール臭化物化合物(IVb)(3.288g、6mmol)、2,7−ビス−トリメチレンボロナト−9,9−ジヘキシルフルオレン(1.266g、3mmol)、塩化ヘキサエチルグアニジニウム(HEGCl、80マイクロリットル、0.15mmol)、トルエン(150ml)及び2モル濃度(2M)のKCO水溶液(25ml)の混合物をアルゴンで20分脱ガスした。次いで、テトラキス−トリフェニルホスフィンパラジウム(0)(75mg)を加え、混合物を110℃の浴に浸漬した。この混合物を正の窒素圧下で4.5時間撹拌した後室温まで放冷した。この時点で薄層クロマトグラフィーにより1つのスポットのみが明らかであった。この混合物を75mgの3−(ジエチレントリアミノ)プロピル−官能化シリカゲルで処理し、半時間撹拌した。次に、混合物をCELITE(登録商標)に通してろ過した。ろ液を等容積の10%HCl(1X)、水(2X)及び塩水(1X)で引き続いて洗浄した。溶媒の蒸発により得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、短いシリカゲルカラムに通し、10〜25%vol/volの酢酸エチル−ヘキサンで溶出して白色の固体を得た。所望の生成物が収率85%で得られた。
【0061】
実施例8
フェノールで末端封鎖したターフルオレン化合物(VIa)、Ar=9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル、n=1、R=t−Bu、R’=Hの合成:フェノール−臭化物化合物(a)(7.74g、16.5mmol)、2,7−ビス−トリメチレンボロナト−9,9−ジヘキシルフルオレン(4.07g、8.1mmol)、塩化ヘキサエチルグアニジニウム(40mg、0.15mmol)、並びに2M水性KCO(50ml)及びトルエン(120ml)の混合物をアルゴンで20分脱ガスした。次いで、テトラキス−トリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.26g、0.225mmol)を加え、混合物を110℃の浴に浸漬した。この混合物を正の窒素圧下で23時間撹拌した後、CELITE(登録商標)を通してろ過した。ろ液を等容積の10%HCl(1X)、水(2X)及び塩水(1X)で引き続いて洗浄した。次に、この溶液を、3−(ジエチレントリアミノ)プロピル−官能化シリカゲルの5〜10mmの層を含有するフリット化フィルターに通した。溶媒の蒸発により得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、短いシリカゲルカラムに通して8gのオレンジ色の固体を得た。この物質の3.0gの試料を120gのシリカゲルクロマトグラフィーにかけて(10〜25%の酢酸エチル−ヘキサンで溶出)1.96gの所望の生成物を得た。
【0062】
【化19】

実施例9
フェノールで末端封鎖したペンタフルオレン化合物(VIb)、Ar=9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル、n=3、R=H、R’=CFの合成:フェノール臭化物化合物(VII、R=H、R’=CF)(0.651g、0.739mmol)及び2,7−ビス−トリメチレンボロナト−9,9−ジヘキシルフルオレン(0.178g、0.355mmol)を50mlのトルエン及び15mlの2M KCO溶液に溶解した。溶液をアルゴンで20分脱ガスした。次いで、塩化ヘキサエチルグアニジニウム(40マイクロリットル、0.075mmol)をテトラキス−トリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.008g、0.70mmol)と共に加えた。この反応混合物を窒素下で24時間110℃に加熱した。冷却した混合物を20mlの1N HClで希釈し、10分撹拌した後、CELITE(登録商標)を通してろ過した。水性相を捨て、有機相を等容積の水(3X)と塩水(1X)で引き続いて洗浄した。その溶液を次に、3−(ジエチレントリアミノ)プロピル−官能化シリカゲル及び無水CaSOの5〜10mmの層を含有するフリット化フィルターに通した後、ストリッピングして得た残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにかけて(10〜25%のEtOAc/ヘキサンで溶出)0.45gの生成物を得た。
【0063】
実施例10
フェノールで末端封鎖したヘプタフルオレン化合物(VIb)、Ar=9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル、n=5、R=H、R’=CFの合成:2,7−ジヨード−9,9−ジヘキシルフルオレン(0.3635g、0.1898mmol)及び2−(1,1,2,2−テトラメチルエチレンボロナト)−9−(3,5−ビストリフルオロメチル)フェニル−9−(4−ヒドロキシ)フェニルフルオレン(0.25g、0.4176mmol)を、25mlのトルエン、1mlの40%水酸化テトラエチルアンモニウム及び1mlの水に加えた。混合物をアルゴンで20分脱ガスした。次いで、テトラキス−トリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.0225g、0.019mmol)を加え、混合物を正の窒素圧下75℃で24時間撹拌した。冷却した混合物を20mlの1N HClで希釈し、10分撹拌した後、CELITE(登録商標)を通してろ過した。水性相を捨て、有機相を等容積の水(3X)及び塩水(1X)で引き続いて洗浄した。この溶液を次に、3−(ジエチレントリアミノ)プロピル−官能化シリカゲル及び無水CaSOの5〜10mmの層を含有するフリット化フィルターに通した。溶媒を真空中で除去して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにかけて(0〜50%のEtOAc/ヘキサンで溶出)0.3gの所望の生成物をガムとして61%の収率で得た。
【0064】
実施例11
フェノールで末端封鎖した化合物(VIa)、Ar=2,5−ジフェニル−1,3,4−オキサジアゾール−4,4’−ジイル、n=1、R=t−Bu、R’=Hの合成:この化合物は本明細書中に記載したものと類似の手順を用いて調製した。質量スペクトルデータは所望の化合物の構造に一致していた。
【0065】
実施例12
フェノールで末端封鎖した化合物(VIa)、Ar=アントラセン−9,10−ジイル、n=1、R=t−Bu、R’=Hの合成:この化合物は本明細書中に記載したものと類似の手順を用いて調製した。質量スペクトルデータは所望の化合物の構造に一致していた。
【0066】
【化20】

実施例13
フェノールで末端封鎖した化合物(VIb)、Ar=3−t−ブチル−9,10−ジフェニルアントラセン−4,4’−ジイル構造(VIII)、n=1、R=H、R’=CFの合成:この化合物は本明細書中に記載したものと類似の手順を用いて調製した。
【0067】
【化21】

実施例14
フェノールで末端封鎖した化合物(VIb)、Ar=スピロ−ビス−フルオレニル構造(IX)、n=1、R=H、R’=CFの合成:この化合物は本明細書中に記載したものと類似の手順を用いて調製した。質量スペクトルデータは所望の化合物の構造に一致していた。
【0068】
実施例15
交互ポリカーボネート(Xb)、Ar=9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル、R=H、R’=CF、及び(Xa)、Ar=9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル、R=t−Bu、R’=Hの、フルオレンオリゴマービス−フェノールとビスフェノール−A−ビス−クロロホルメートからの合成
【0069】
【化22】

磁気撹拌棒と、乾燥窒素バブラーにつながっているシリンジを取り付けた隔膜とを備えた乾燥反応容器に、フェノールで末端封鎖したヘプタフルオレン化合物(VIb)、n=5(178.2mg、0.0685mmol)、ビスフェノール−Aビス−クロロホルメート(24.2mg、0.0685mmol)及び1.5mlの乾燥CHClを仕込んだ。得られた溶液を氷塩浴に15分浸漬した後、25マイクロリットル(0.179mmol)の乾燥トリエチルアミンを仕込んだ。この混合物を撹拌しながら1時間0〜5℃に維持した後、室温まで暖め、さらに1時間撹拌した。次いで、混合物を1.0mlのCHClで希釈した後に、1.0mlの10%NaHCOを添加した。混合物を10分撹拌した後、分離漏斗に移した。水性相を捨て、有機相を等容積の1N HCl(1X)及び水(2X)で引き続いて洗浄した。この溶液をその元の容積の約2/3まで濃縮した後、40mlのメタノール中に沈殿させた。集めたポリマーをCHClに再度溶解し、この溶液を100mlの沸騰脱イオン水にゆっくり加えた。固体を再び集め、風乾し、新しいCHClに再度溶解し、50mlのメタノール中に再度沈殿させた。得られたポリマーを50℃の真空オーブン内で18hr乾燥した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで決定した分子量は、重量平均分子量が56200、数平均分子量が24300、多分散指数が2.31であった。他のポリカーボネートも同様に調製した。関連特性データを表1に示す。略号「Eg」はエネルギーギャップを意味し、略号「CV」はサイクリックボルタンメトリーを示す。
【0070】
【表1】

実施例16
ポリマーXa(n=1)の溶解特性を市販のポリフルオレンと比較した結果を下記表2に示す。市販のポリフルオレンはN,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アニリン(ADS−329、American Dye Sourceから入手)で末端封鎖されたポリ(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)であり、受領したまま使用した。溶解性試験は、溶媒に対して1〜5重量パーセントの匹敵する濃度で溶媒と共にポリマーをバイアルに入れ、室温で24時間撹拌することによって行った。溶解特性は可溶、一部可溶、膨潤及び不溶に分類した。表2は、本発明のポリマーが市販のポリマーと比較して改良された溶解特性を示したことを示している。
【0071】
【表2】

実施例17
交互ポリカーボネート(Xa)、Ar=2,5−ジフェニル−1,3,4−オキサジアゾール−4,4’−ジイル、R=t−Bu、R’=Hの、フルオレンオリゴマービス−フェノール及びビスフェノール−A−ビス−クロロホルメートからの合成:このポリマーは本明細書中に記載したものと類似の手順を用いて調製した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで決定した分子量は、重量平均分子量が28547、数平均分子量が12309、多分散指数が2.32であった。
【0072】
実施例18
交互ポリカーボネート(Xa)、Ar=アントラセン−9,10−ジイル、R=t−Bu、R’=Hの、フルオレンオリゴマービス−フェノール及びビスフェノール−A−ビス−クロロホルメートからの合成:このポリマーは本明細書中に記載したものと類似の手順を用いて調製した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで決定した分子量は、重量平均分子量が31942、数平均分子量が13420、多分散指数が2.38であった。
【0073】
実施例19
交互ポリカーボネート(Xb)、Ar=3−t−ブチル−9,10−ジフェニルアントラセン−4,4’−ジイル構造(VIII)、n=1、R=H、R’=CFの、フルオレンオリゴマービス−フェノール及びビスフェノール−A−ビス−クロロホルメートからの合成:このポリマーは本明細書中に記載したものと類似の手順を用いて調製した。CHCl中のUV(max)は400nm、378nm、359nm(アントラセン)及び300nmであった。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで決定した分子量は、重量平均分子量が10000、数平均分子量が5600、多分散指数が1.78であった。NMRデータは所望の化合物の構造に一致していた。
【0074】
実施例20
交互ポリカーボネート(Xb)、Ar=スピロ−ビス−フルオレニル構造(IX)、n=1、R=H、R’=CFの、フルオレンオリゴマービス−フェノール及びビスフェノール−A−ビス−クロロホルメートからの合成:このポリマーは本明細書中に記載したものと類似の手順を用いて調製した。CHCl中のUV(max)は355nmであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで決定した分子量は、重量平均分子量が21000、数平均分子量が10400、多分散指数が2.02であった。
【0075】
実施例21
ポリカーボネート(Xa)、R=t−Bu、R’=Hの、フルオレンオリゴマービス−フェノール、ビスフェノールA及びホスゲンからの合成:フェノールで末端封鎖したターフルオレン化合物(VIa)、n=1とホスゲン及びビスフェノールAとの反応により、対応するポリカーボネートを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで決定した分子量は、重量平均分子量が35818、数平均分子量が15273、多分散指数が2.34であった。
【0076】
実施例22
統計的オリゴマー化合物(XI)の合成
【0077】
【化23】

9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ビス−トリメチレンボレート(0.301g、0.6mmol)、2,7−ジブロモ−9,9−ジヘキシルフルオレン(0.197g、0.4mmol)、化合物(IVa)(0.220g、0.4mmol)、水酸化テトラエチルアンモニウム(1.0mlの20%水溶液)及び15mlのトルエンの混合物をアルゴンで20分脱ガスした。次いで、テトラキス−トリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.03g、0.026mmol)を加え、混合物を正の窒素圧下で撹拌し、75℃の浴に3時間浸漬した。冷却した混合物を25mlの1N HClで希釈し、10分撹拌した後、CELITE(登録商標)を通してろ過した。水性相を捨て、有機相を等容積の水(3X)及び塩水(1X)で引き続いて洗浄した。この溶液を次に、3−(ジエチレントリアミノ)プロピル−官能化シリカゲル及び無水CaSOの5〜10mmの層を含有するフリット化フィルターに通した後、ストリッピングして得られた黄褐色の固体をCHClに溶解し、メタノール中に沈殿させた。集めた固体を真空オーブン中で乾燥して約0.4gの所望のオリゴマーを得た。31P−NMR末端基定量技術を用いて分子量を決定した。平均重合度は8.50と推定され、従ってMは3761と計算された。MALDI−TOF質量スペクトルは所望の化合物の構造に一致していた。
【0078】
以下の実施例は、次式(XII)の繰返し単位を有する様々な種類のポリマーの合成を例証する。
【0079】
【化24】

実施例23
ポリカーボネート(XIIa)、R=t−Bu、R’=Hの、フルオレンオリゴマービス−フェノール及びホスゲンからの合成、M=CO:フェノールで末端封鎖したターフルオレン化合物(VIa)(n=1)を1当量のホスゲンと塩化メチレン中pH10の緩衝液の存在下で反応させて、約80%の収率で対応するポリカーボネートを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで決定した分子量は、重量平均分子量が25025、数平均分子量が7808、多分散指数が2.96であった。
【0080】
実施例24
ポリエーテル(XIIa、R=t−Bu、R’=H)の、フェノールで末端封鎖したターフルオレン及び2,5−ジ−(4−フルオロ)フェニル−1,3,4−オキサジアゾールからの合成
【0081】
【化25】

磁気撹拌棒、蒸留取り出し(take-off)及び受器並びに窒素導入口を備えた50mlのフラスコに、フェノールで末端封鎖したターフルオレン化合物(VIa)、n=1(0.471g、0.424mmol)、2,5−ジ−(4−フルオロ)フェニル−1,3,4−オキサジアゾール(0.109g、0.424mmol)、炭酸カリウム(0.117g、0.848mmol)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP、3.0ml)及びトルエン(10ml)を仕込んだ。フラスコを油浴に浸漬し、加熱してトルエンと水を除去した。全てのトルエンが蒸留されたとき、浴の温度を170℃まで上げ、その温度で3時間反応を維持した。冷却した混合物を固化させ、各5mlのCHClとテトラヒドロフラン(THF)及び10mlの水で希釈した。得られた2−相スラリーを、2mlの1N HClを含有する75mlのメタノール中にゆっくり注ぎ入れた。分離した白色の固体ポリマーをろ過により集めた。THFからメタノール中への二回の沈殿の後、ポリマーを60/40メタノール/アセトン混合物と共に一晩撹拌し、ろ過により集め、真空オーブンで一晩乾燥した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで決定した分子量は、重量平均分子量が34400、数平均分子量が13800、多分散指数が2.60であった。
【0082】
実施例25
ポリエーテル(XIIb、R=H、R’=CF)の、フェノールで末端封鎖したターフルオレン及びデカフルオロビフェニルからの合成
【0083】
【化26】

磁気撹拌棒、蒸留取り出し及び受器並びに窒素導入口を備えた25mlのフラスコに、フェノールで末端封鎖したターフルオレン化合物(VIb)、n=1(0.576g、0.519mmol)、デカフルオロビフェニル(0.173g、0.519mmol)、炭酸カリウム(0.148g、1.038mmol)、NMP(2.0ml)及びトルエン(6ml)を仕込んだ。フラスコを油浴に浸漬し、加熱してトルエンと水を除去した。全てのトルエンが蒸留されたときに、浴の温度を170℃まで上げ、その温度で3時間反応を維持した。冷却した混合物を3mlのCHClで希釈し、50mlの急速に撹拌するメタノール中に注ぎ入れた。残渣をメタノールで洗浄し、風乾した。その後、CHCl中に再度溶解し、グラスウールプラグを通してろ過した。この溶液を75mlの沸騰水にゆっくり加え、その水性スラリーを一晩室温で撹拌し、ろ過した後、集めた固体を真空オーブンで乾燥した。この乾燥したポリマーを塩化メチレンに再度溶解し、50mlの30/20−メタノール/アセトン混合物中に沈殿させた。この混合物中で3時間撹拌した後、固体をろ過により集め、分析した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで決定した分子量は、重量平均分子量が96600、数平均分子量が27900、多分散指数が3.46であった。
【0084】
実施例26
ポリマー(XIIa、R=t−Bu、R’=H)の、フェノールで末端封鎖したターフルオレン及びジフェニルシランからの合成
【0085】
【化27】

フェノールで末端封鎖したターフルオレン化合物(VIa)、n=1(0.555g、0.50mmol)及びジフェニルシラン(0.092g、0.50mmol)を1mlの乾燥トルエンに溶解した。トリス−ペンタフルオロフェニルホウ素(0.0018g、0.0035mmol)を加え、得られた混合物を、ガス発生が止むまで(2日)80℃で撹拌した。この溶液を25mlのメタノールに加え、白色のポリマー粉末をろ過により集めた。得られた生成物を真空中で乾燥して0.30gを得た。
【0086】
実施例27
ポリマー(XIIa、R=t−Bu、R’=H)の、フェノールで末端封鎖したターフルオレン及び1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンからの合成:
【0087】
【化28】

フェノールで末端封鎖したターフルオレン化合物(VIa)、n=1(0.222g、0.0.20mmol)及び1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(0.0273g、0.204mmol)を1.0mlの乾燥トルエンに溶解し、トリス−ペンタフルオロフェニルホウ素(0.0003g、0.00054mmol)を加えた(27マイクロリットルの0.10g/10mlトルエン溶液)。ガス発生が止んだとき(約2hr)、溶媒を真空下で除去して白色の粉末としてポリマーを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで決定した分子量は、重量平均分子量が1288、多分散指数が1.36であった。
【0088】
実施例28
ポリホルマール(XIIa、R=t−Bu、R’=H)の、フェノールで末端封鎖したターフルオレン及び塩化メチレンからの合成
【0089】
【化29】

NMP(2.5ml)中のフェノールで末端封鎖したターフルオレン化合物(VIa)、n=1(1.185g、1.067mmol)及び4−クミルフェノール(0.0034g、0.016mmol)及び過剰の塩化メチレン(0.30ml)の溶液に、乾燥顆粒状水酸化ナトリウム(0.085g、2.125mmol)を加えた。この混合物を正の窒素圧下で撹拌し、75℃に18時間加熱した。冷却した混合物を追加の3mlのNMPで希釈し、CELITE(登録商標)を通してろ過した。ろ液に、25mlの1/1メタノール/アセトン混合物を加えた。沈殿した固体をろ過により集めてポリホルマールを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで決定した分子量は、重量平均分子量が6173、多分散指数が1.41であった。
【0090】
実施例29
ポリエステル(XIIa、R=t−Bu、R’=H)の、フェノールで末端封鎖したターフルオレン及びシクロヘキサン−1,4−ジカルボニル二塩化物からの合成
【0091】
【化30】

窒素導入口を備えた25mlのフラスコに、フェノールで末端封鎖したターフルオレン化合物(VIa)、n=1(0.5g、0.45mmol)、シクロヘキサン−1,4−ジカルボニル二塩化物(0.096g、0.46mmol)及び乾燥ジクロロメタン(10ml)を仕込んだ。このフラスコを氷/塩浴に浸漬して反応混合物の温度を0℃未満に下げた。これに、トリエチルアミン(0.1g、0.99mmol)を加えた。この溶液を0℃で1時間撹拌した後、室温まで暖めた。混合物が室温になったところで、4−(1−メチル−1−フェニル−エチル)フェノール(0.002g、0.01mmol)を加えた。反応混合物をさらに10mlのジクロロメタンで希釈し、分離漏斗に移した。この溶液を等量の10%塩酸溶液で三回洗浄した後三回水洗した。有機相を分離し、約15mlの容積まで濃縮した。この溶液を15mlのメタノール中で沈殿させた。次いで、この物質をジクロロメタンから熱水中に沈殿させた後、アセトンを用いて逆沈殿させた。真空ろ過によりポリマーを集め、真空オーブンで一晩乾燥した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで決定した分子量は、重量平均分子量が49900、数平均分子量が8900、多分散指数が5.60であった。
【0092】
実施例30
N−フェニルカルバゾール−ビス−フェノールモノマー(XIII)の合成
【0093】
【化31】

3,6−ジブロモ−N−フェニルカルバゾール(0.5g、1.25mmol)、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ピナコラトボラフェニル)プロパン(0.927g、2.74mmol)、水酸化テトラエチルアンモニウム(2.5mlの20%水溶液)及びトルエン(25ml)の混合物をアルゴンで15分パージした後、テトラキス−トリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.032g、0.027mmol)を加え、その混合物を油浴に浸漬し、正の窒素圧下で80℃に21時間加熱した。冷却した混合物を約20mlの10%HCl及び約10mlのテトラヒドロフランで希釈し、この混合物を30分撹拌し、CELITE(登録商標)を通してろ過した後、分離漏斗に移した。有機相を水(3×25ml)及び塩水(1×25ml)で洗浄した後、CELITE(登録商標)の短いパッドと約1gのアミン−官能性シリカゲルを含有するフリット化ガラス漏斗に通してろ過した。溶媒を除去して1.3gの暗い琥珀色の油を得、これを50gのシリカゲルのクロマトグラフィーにかけ、ヘキサン−酢酸エチル勾配で溶出した。生成物は白色固体として単離された。
【0094】
実施例31
クミルフェノールで封鎖した9,9−ジヘキシルフルオレンオリゴマー(XIV)の合成
【0095】
【化32】

トルエン(75ml)中の2,7−ジブロモ−9,9−ジヘキシルフルオレン(1.64g、3.33mmol)、9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ビス−トリメチレンボレート(2.51g、5.00mmol)、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ブロモフェニル)プロパン(0.97g、3.33mmol)、水酸化テトラエチルアンモニウム(10mlの20%水溶液)及びテトラキス−トリフェニルホスフィンパラジウム(0)(116mg、0.1mmol)の溶液を、アルゴンで20分脱ガスした後、100℃の油浴に浸漬した。混合物を窒素下で20時間撹拌した。冷却した混合物を10%HClと共に1時間撹拌した後、CELITE(登録商標)を通してろ過した。有機相を水(2×50ml)及び塩水(1×50ml)で洗浄した後、アミン−官能性シリカゲルのパッドに通した。溶媒を除去して3.2gの黄色い固体を得た。OH(4.7ppm)及びアルキル共鳴(2.15ppm、4H)のH NMRによる積分はこのオリゴマーの数平均分子量が3451であることを示している。
【0096】
実施例32
クミルフェノールで封鎖したオリゴマー及びN−フェニルカルバゾール−ビス−フェノールから誘導されたコポリマー(XV)の合成
【0097】
【化33】

乾燥CHCl(12ml)中の上記オリゴマー(0.876g、0.254mmol)、上記カルバゾール−ビス−フェノール(0.168g、0.254mmol)、p−クミルフェノール(4.3mg、0.02mmol)及びトリエチルアミン(0.150ml、1.08mmol)の溶液を氷塩浴中で約−5℃に冷やした。この溶液に、ビス−フェノール−Aビス−クロロホルメート(0.183g、0.518mmol)を一度に加えた。混合物を−5℃で30分撹拌した後、1hrかけて室温まで暖めた。中身を分離漏斗に移し、CHClと水で希釈した。有機相を10%HCl(1X)及び水(2X)で洗浄した後、回転蒸発器でその約半分の容積に濃縮した。この溶液を約5容積の急速に撹拌したメタノールにゆっくり加えた。ろ過により固体を集めて1.0gのポリマーを83%の収率で得た。このポリマーをCHClに再度溶解し、10%アセトン/メタノール中に再度沈殿させた。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで決定した分子量は、重量平均分子量が41600、数平均分子量が14000であった。
【0098】
実施例33
ターフルオレン−ビス−フェノール、N,N’−ビス−4−ヒドロキシフェニル−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン及びBPA(XVI)からの0.75/0.25/1.0コポリマーの合成
【0099】
【化34】

乾燥トルエン(16ml)中のターフルオレン−ビス−フェノール(0.419g、0.3778mmol)及びN,N’−ビス−4−ヒドロキシフェニル−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(0.0559g、0.1259mmol)の溶液を蒸留して混合物を共沸乾燥した。10mlのトルエンが除去されたとき、混合物を氷塩浴に浸漬し、トリエチルアミン(0.150ml、1.07mmol)、次いでBPA−ビス−クロロホルメート(0.176g、0.499mmol)を加えた。混合物を1時間−5℃で、2時間室温で撹拌した後分離漏斗に移した。有機相を10%HCl(1X)及び水(2X)で洗浄した後、メタノール中に沈殿させた。集めたポリマーをCHClに再度溶解し、1/1/1のメタノール/イソプロパノール/アセトン中に再度沈殿させた。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで決定した分子量は、重量平均分子量が168000、数平均分子量が66000であった。
【0100】
実施例34
トリアリールアミンビスフェノール(XVII)の調製
【0101】
【化35】

9−(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)−9−(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン−2−ボロン酸(4.33g、9.975mmol)、N,N−ビス−4−ブロモフェニル−N−フェニルアミン(2.0g、4.988mmol)、水酸化テトラエチルアンモニウム(4.7gの40%水溶液)、水(4.7ml)及びトルエン(90ml)の混合物を20分アルゴンで脱ガスした後、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム(0.187g、0.16mmol)を加え、混合物を80℃の油浴に浸漬した。混合物をこの温度において正の窒素圧下で2日撹拌した。冷却した混合物を希HCl(2%)と共に1時間撹拌した後、CELITE(登録商標)を通してろ過した。有機相を水(3×100ml)及び塩水(1×100ml)で洗浄した後、メルカプト官能性シリカゲルの短いプラグに通した。溶媒を除去して固体の泡沫状塊を得、これを塩化メチレン/ヘキサンから再結晶した。
【0102】
実施例35
トリフェニルアミン−ビス−フェノール−altBPA−コポリカーボネート(XVIII)の調製
【0103】
【化36】

乾燥CHCl(3ml)中の上記トリアリールアミン−ビス−フェノール(0.200g、0.196mmol)、p−クミルフェノール(0.0017g、0.08mmol)及びトリエチルアミン(0.07ml、0.4mmol)の溶液を氷塩浴で−5℃に冷やし、BPA−ビス−クロロホルメート(0.0706g、0.200mmol)を一度に加えた。混合物を1時間−5℃で撹拌した後、室温まで暖まらせた。混合物をCHClで希釈し、有機相を10%HCl(1X)及び水(2X)で洗浄した後、回転蒸発器で濃縮し、メタノール中に二回沈殿させた。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーは、この物質が二峰性で、主ピーク(約85%の面積)の重量平均分子量は約25000であることを示している。
【0104】
装置の製造と測定:正孔のみの装置の場合、インジウム−スズ−酸化物(ITO)で被覆したガラスを清浄化し、UV/オゾンに暴露し、約60ナノメートル(nm)の厚さのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)で被覆し、ベーキングした後、m−キシレン中2wt%溶液をスピンコートすることによって試験ポリマーで被覆した。8つの0.03cmの大きさの孔を有するシャドーマスクを用いて頂部電極を真空蒸着した。正孔のみの試料の場合、約60nmの厚さの金の薄膜を約0.8nm/secの速度で蒸着した。電子のみの試料の場合、アルミニウムを底部電極として用い、フッ化ナトリウム+アルミニウムの薄い層を頂部電極として用いた。異なるスピンスピードで幾つかの試料を製造することにより、50nmの目的の値に内挿することができた。電気的接触は、マイクロプローブにつなげた細い金線で確保した。初期特性に関してはTextronix曲線トレーサーを使用し、次いで標準的な電源測定装置を用いて安定な画素のI−Vを記録した。極性に関して報告された値はPEDOT接触からの正孔注入及び頂部接触からの電子注入に対応している。二極性の結果についての構造は、ガラス/ITO/PEDOT:PSSに続いて約65nmの厚さの発光ポリマーの層があり、4nmのフッ化ナトリウム(NaF)のカソードが真空蒸着され、約100nmの厚さのアルミニウムを有していた。
【0105】
電気化学:電気化学的測定用に用いた溶液は、0.1Mの乾燥テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート(最小98%、GFS Chemicals)をアセトニトリル(HPLC級、J.T.Baker)に溶解することによって調製した。アセトニトリルは使用前に蒸留し凍結乾燥した。全てのサイクリックボルタンメトリー曲線は、CH Instrumentsモデル660A定電圧及び3つの電極の電池からなる標準的な電気化学的セットアップを用いて得た。この電池をグローブボックス(水が1ppm未満、酸素が2ppm未満)に入れた。白金板(0.2平方センチメートル(cm))を各実験前に1マイクロメートルのアルミナで磨き、作用電極として使用した。グローブボックスの外でスピンコートすることによってポリマー性薄膜を約3000rpm付着させた。参照電極Ag/Ag(0.1M AgNO(99.9%、Alfa−Ventron)、アセトニトリル中)は、Fc/Fc(98%、Aldrich)電極(0.017V対Ag/Ag)に対して校正した。白金メッシュを対極として使用した。ボルタンモグラムは、0.1ボルト/秒で記録し、常に開回路電位でスタートした。ここでも、S.Janietzら、Appl.Phys.Lett.(1998),73、2453に記載のように酸化及び還元電位からHOMO及びLUMO値をそれぞれ計算するための手順に従った。
【0106】
以下のようにして有機発光装置を製造した。インジウムスズ酸化物(ITO)層からなるアノード基材を紫外オゾンで処理した。これを次に、ポリ(3,4)−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)の60nmの層でスピンコートした。この被覆したアノード基材を次いで、1時間170℃でベーキングした。その後、試験ポリマーの層をPEDOT/PSS層の上にスピンコートした。試験ポリマー層を含むアノード基材上に4nmのNaF層及び100nmのアルミニウムからなるカソード層をシャドーマスクを通して熱蒸着した。最後に、製造された装置をガラススライド内にカプセル化し、エポキシ樹脂で密封した。
【0107】
図4に、nの値が0、1、3、5及び8.5である試験ポリマー(Xb)(黒い菱形)、nの値が0及び1である試験ポリマー(Xa)(白い正方形)、並びにポリ(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)ホモポリマーの単一の対照試料(黒丸)の特性を示す。示してある特性は、フルオレンブロックの長さ(n)の関数としての、(a)塩化メチレン中での光吸収の始まり、(b)最低非占(空)分子軌道(LUMO)及び(c)最高被占分子軌道(HOMO)である。この図は、本発明のポリマーのUVバンドギャップが共役長を変えることによって調整可能であることを示している。
【0108】
図5は、nの値が3、5、7及び約10.5のフルオレン単位に対応する式(Xb)の交互ポリカーボネートからなる50nmの厚さのコポリマー薄膜の正孔のみの装置について、電流密度1mA/cm(菱形)及び10mA/cm(正方形)における電圧を示す。2つの線はポリ(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)ホモポリマーで測定された電圧を示し、破線は電流密度10mA/cmで測定された電圧を表し、実線は電流密度1mA/cmで測定された電圧を表す。この図は、カーボネートで結合したフルオレンオリゴマーがポリフルオレンホモポリマーと同程度又はそれ以上の良好な電気活性特性を示すこと、及び本発明のポリマーが電気活性装置に有用な材料として機能することを明白に示している。
【0109】
図6に示したように、1つの試験ポリマー及び2つの市販ポリマーを用いてOLED装置の効率を測定した。試験したポリマーは、市販のポリ(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)(図6中に正方形で示す)、市販のポリ[9,9−ジ−(2−エチルヘキシル)−フルオレニル−2,7−ジイル](三角で示す)及びポリマーXa(n=1)(菱形で示す)であった。結果は図6にプロットされている。この図は、アノード層としてPEDOT/PSSポリマーを含むOLED装置に対する効率対電流密度の曲線を示している。図6に示した結果は、本発明のポリマーが電気活性装置に使用するのに適切であることを立証している。
【0110】
染料をドープしたポリマーフィルムの調製:イリジウム錯体は別として、ドーパント溶液はトルエン中2mg/mlの濃度で調製した。イリジウム錯体は、溶解度が限られていることからトルエン中0.2mg/mlの濃度で調製した。10mg/mlのポリマーXa(n=1)のストック溶液はm−キシレン中で調製した。ポリマーXa(n=1)溶液を250マイクロリットルずつの部分に分割し、各部分に10マイクロリットルの2mg/ml染料溶液を加えた(Ir錯体の場合は100マイクロリットル)。これらの溶液を十分に混合し、石英板上に滴下鋳造した。乾燥したフィルムの染料の重量添加量は0.8%(w/w)であった(2.5mgのホスト当たり0.02mgの染料)。使用したドーパントの構造は次の通りである。
【0111】
【化37】

【0112】
【化38】

図7に、染料とブレンドしたポリマーXa(n=1)を含む個々の電気活性装置の発光(カウント対波長)を示す。ここで、ポリマーと染料の両方からの発光が明らかである。観察される発光の原因は、染料中の励起スピン状態と基底スピン状態にある電子の様々な遷移である。幾つかの代表的な遷移として、特に限定されないが、一重項−一重項、一重項−三重項、三重項−三重項、五重項−七重項などがある。表3に、様々な染料と共にポリマーを含むフィルムの光ルミネッセンスの原因となり得る遷移を示す。ここに示した結果は、明らかに、本発明のポリマーが蛍光又はリン光染料に適切なホストであることを立証している。
【0113】
【表3】

典型的な実施形態として本発明を例示し説明して来たが、いかなる意味でも本発明の思想から逸脱することなく様々な修正及び置換をなすことができるので、本発明は以上の詳細に特に限定されない。従って、本明細書に開示した本発明の別の修正及び等価物が日常的な実験により当業者には明らかであり、そのような修正及び等価物は全て特許請求の範囲に定義される本発明の思想と範囲内に入るものと考えられる。本明細書中で引用した特許及び刊行物は全て援用により本明細書の内容の一部をなす。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】図1は、本発明の幾つかのオリゴマー及びポリマーの製造方法の一実施形態を概略的に示す。
【図2】図2は、本発明の幾つかのオリゴマー及びポリマーの製造方法の別の実施形態を概略的に示す。
【図3】図3は、本発明の幾つかのオリゴマー及びポリマーの製造方法の別の実施形態を概略的に示す。
【図4】図4は、nの値が0、1、3、5及び8.5である試験ポリマー(Xb)(黒い菱形)、nの値が0及び1である試験ポリマー(Xa)(白い正方形)、並びにポリ(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)ホモポリマーの単一の対照試料(黒丸)に対する特性を示す。示されている特性は、フルオレンブロックの長さ(n)の関数としての、(a)塩化メチレン中での光吸収の始まり、(b)最低非占(空)分子軌道(LUMO)及び(c)最高被占分子軌道(HOMO)である。
【図5】図5は、正孔のみの装置に関して、3、5、7及び約10.5フルオレン単位に対応するnの値を有する式(Xb)の交互ポリカーボネートを含む50nmの厚さのコポリマーフィルムに対する1mA/cm(菱形)及び10mA/cm(正方形)の電流密度での電圧を示す。2つの線はポリ(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)ホモポリマーに対して測定された電圧を示しており、破線は10mA/cmの電流密度で測定された電圧を表し、実線は1mA/cmの電流密度で測定された電圧を表す。
【図6】図6は、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)(正方形)、ポリ[9,9−ジ−(2−エチルヘキシル)−フルオレニル−2,7−ジイル](三角)及びポリマーXa(n=1)(菱形)に基づくOLEDの効率対電流密度の曲線を示す。
【図7】図7は、様々な染料とブレンドされたポリマーXa(n=1)を含む電気活性装置に関して励起に起因する放出された発光を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)以下の式(I)を有するビス−フェノールと、
(ii)以下の式の化合物及びこれらの化合物の任意の組合せからなる群から選択される第2の化合物との反応から誘導された構造単位を含むポリマー。
【化1】

式中、Wは適宜窒素を含んでいてもよい共役芳香族基であり、Rは各々独立に脂肪族基、芳香族基又は環式脂肪族基であり、「a」は0〜4の範囲の値を有する整数である。
【化2】

式中、Xはハロゲン基である。
【請求項2】
ビス−フェノールが以下の(a)〜(f)からなる群から選択される、請求項1記載のポリマー。
(a)次式のもの
【化3】

式中、R、R、R、R、R及びRは各々独立に脂肪族、芳香族又は環式脂肪族基であり、「b」は0又は1の値を有する整数であり、「c」は0〜3の範囲の値を有する整数であり、「d」は0〜3の範囲の値を有する整数であり、「e」は0〜4の範囲の値を有する整数であり、「f」は0〜5の範囲の値を有する整数であり、「g」は0〜4の範囲の値を有する整数であり、「n」は0〜100の範囲の数である。
(b)次式のもの
【化4】

式中、R及びRは各々独立に脂肪族、芳香族又は環式脂肪族基であり、「n」は1〜100の範囲の数である。
(c)次式のもの
【化5】

式中、R及びRは各々独立に脂肪族、芳香族又は環式脂肪族基であり、「n」は1〜100の範囲の数である。
(d)次式のもの
【化6】

式中、Arは各々独立に芳香族基であり、「x」は各々0〜10の範囲の整数である。
(e)以下の式のいずれか
【化7】

(f)以上の化合物の任意の組合せ。
【請求項3】
ビス−フェノールが以下の(a)〜(e)からなる群から選択される、請求項1記載のポリマー。
(a)次式のもの
【化8】

式中、Rは水素又はtert−ブチル基であり、各R’は水素又はトリフルオロメチル基であるが、但しR又は各R’のいずれかが水素であり、「n」は0〜100の範囲の整数であり、Arは以下の(i)〜(v)からなる群から選択される。
(i)2,5−ジフェニル−1,3,4−オキサジアゾール−4,4’−ジイル、
(ii)アントラセン−9,10−ジイル、
(iii)3−t−ブチル−9,10−ジフェニルアントラセン−4,4’−ジイル
(iv)次式の化合物
【化9】

(v)次式の化合物
【化10】

式中、各Rは独立に脂肪族基、環式脂肪族基及びC13からなる群から選択される。
(b)次式のもの
【化11】

式中、RはC13であり、RはCHであり、「n」は1〜100の範囲の数である。
(c)次式のもの
【化12】

式中、RはC13であり、RはCHであり、「n」は1〜100の範囲の数である。
(d)以下の式のいずれか
【化13】

(e)以上の化合物の任意の組合せ。
【請求項4】
ポリマーが反応性末端基を含んでいる、請求項1記載のポリマー。
【請求項5】
ポリマーがアルコール末端基、フェノール末端基、塩化アシル末端基、芳香族ハロゲン化物末端基、脂肪族ハロゲン化物末端基、ヒドリドシラン末端基及びこれらの組合せを含んでいる、請求項4記載のポリマー。
【請求項6】
さらに、ポリ(チオフェン)、ポリ(フルオレン)、ポリ(アニリン)、ポリ(フェニレン)及びポリ(ビニルフェニレン)からなる群から選択される1種以上の追加のポリマーを含んでいる、請求項1記載のポリマー。
【請求項7】
組成物がさらに1種以上の染料を含んでいる、請求項1記載のポリマー。
【請求項8】
染料が、ペリレン染料、アントラセン染料、クマリン染料、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−メチルキノリジノ−[9,9a,1−gh]−クマリン、スチベン染料、キサンテン染料、オキサジン染料、ピロメタン染料、4−ジシアンメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン染料、ポルフィリノイド染料、ポルフィリノイド化合物の金属錯体からなる染料、+2、+3、若しくは+4の酸化状態を有するランタニド系列の金属の有機錯体からなる染料、トリス(ジナフトイルメタン)−モノ(フェナントロリン)ユーロピウム(III)、遷移金属の有機錯体からなる染料、Os、Ir、Ru、Rh、若しくはReの1種以上を含む染料、ビス(1−フェニルイソキノリン)−(アセチルアセチネート)イリジウム(III)、又は以上の染料の組合せからなる、請求項7記載のポリマー。
【請求項9】
バンドギャップが共役長の変動により調整可能である、請求項1記載のポリマー。
【請求項10】
溶媒に溶解している、請求項1記載のポリマー。
【請求項11】
請求項1記載のポリマーを含んでなる電気活性層。
【請求項12】
請求項7記載のポリマーを含んでなる電気活性層。
【請求項13】
請求項11記載の電気活性層を含んでなる発光装置。
【請求項14】
請求項12記載の電気活性層を含んでなる発光装置。
【請求項15】
電気活性層を含んでなる光電装置であって、電気活性層が請求項1記載のポリマーから形成されている、光電装置。
【請求項16】
ポリマーの製造方法であって、当該方法が、
以下の式(I)を有するビス−フェノールと、
(ii)以下の式の化合物及びこれらの化合物の任意の組合せからなる群から選択される第2の化合物と
を反応させる段階を含んでなる、方法。
【化14】

式中、Wは適宜窒素を含んでいてもよい共役芳香族基であり、Rは各々独立に脂肪族基、芳香族基又は環式脂肪族基であり、「a」は0〜4の範囲の値を有する整数である。
【化15】

式中、Xはハロゲン基である。
【請求項17】
ビス−フェノールが以下の(a)〜(f)からなる群から選択される、請求項16記載の方法。
(a)次式のもの
【化16】

式中、R、R、R、R、R及びRは各々独立に脂肪族、芳香族又は環式脂肪族基であり、「b」は0又は1の値を有する整数であり、「c」は0〜3の範囲の値を有する整数であり、「d」は0〜3の範囲の値を有する整数であり、「e」は0〜4の範囲の値を有する整数であり、「f」は0〜5の範囲の値を有する整数であり、「g」は0〜4の範囲の値を有する整数であり、「n」は0〜100の範囲の数である。
(b)次式のもの
【化17】

式中、R及びRは各々独立に脂肪族、芳香族又は環式脂肪族基であり、「n」は1〜100の範囲の数である。
(c)次式のもの
【化18】

式中、R及びRは各々独立に脂肪族、芳香族又は環式脂肪族基であり、「n」は1〜100の範囲の数である。
(d)次式のもの
【化19】

式中、Arは各々独立に芳香族基であり、「x」は各々0〜10の範囲の整数である。
(e)以下の式のいずれか
【化20】

(f)以上の化合物の任意の組合せ。
【請求項18】
ビス−フェノールが以下の(a)〜(e)からなる群から選択される、請求項16記載の方法。
(a)次式のもの
【化21】

式中、Rは水素又はtert−ブチル基であり、各R’は水素又はトリフルオロメチル基であるが、但しR又は各R’のいずれかが水素であり、「n」は0〜100の範囲の整数であり、Arは以下の(i)〜(v)からなる群から選択される。
(i)2,5−ジフェニル−1,3,4−オキサジアゾール−4,4’−ジイル、
(ii)アントラセン−9,10−ジイル、
(iii)3−t−ブチル−9,10−ジフェニルアントラセン−4,4’−ジイル、
(iv)次式の化合物
【化22】

(v)次式の化合物
【化23】

式中、各Rは独立に脂肪族基、環式脂肪族基及びC13からなる群から選択される。
(b)次式のもの
【化24】

式中、RはC13であり、RはCHであり、「n」は1〜100の範囲の数である。
(c)次式のもの
【化25】

式中、RはC13であり、RはCHであり、「n」は1〜100の範囲の数である。
(d)以下の式のいずれか
【化26】

(e)以上の化合物の任意の組合せ。
【請求項19】
ポリマーが反応性末端基を含む、請求項16記載の方法。
【請求項20】
ポリマーがアルコール末端基、フェノール末端基、塩化アシル末端基、芳香族ハロゲン化物末端基、脂肪族ハロゲン化物末端基、ヒドリドシラン末端基及びこれらの組合せを含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
さらにポリマーを、ポリ(チオフェン)、ポリ(フルオレン)、ポリ(アニリン)、ポリ(フェニレン)及びポリ(ビニルフェニレン)からなる群から選択される1種以上の追加のポリマーとブレンドする、請求項16記載の方法。
【請求項22】
さらにポリマーを1種以上の染料とブレンドする、請求項16記載の方法。
【請求項23】
染料が、ペリレン染料、アントラセン染料、クマリン染料、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−メチルキノリジノ−[9,9a,1−gh]−クマリン、スチベン染料、キサンテン染料、オキサジン染料、ピロメタン染料、4−ジシアンメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン染料、ポルフィリノイド染料、ポルフィリノイド化合物の金属錯体からなる染料、+2、+3、若しくは+4の酸化状態を有するランタニド系列の金属の有機錯体からなる染料、トリス(ジナフトイルメタン)−モノ(フェナントロリン)ユーロピウム(III)、遷移金属の有機錯体からなる染料、Os、Ir、Ru、Rh、若しくはReの1種以上を含む染料、ビス(1−フェニルイソキノリン)−(アセチルアセチネート)イリジウム(III)、又は以上の染料の組合せからなる、請求項22記載の方法。
【請求項24】
ポリマーのバンドギャップが共役長の変動により調整可能である、請求項16記載の方法。
【請求項25】
ポリマーを溶媒に溶解させる、請求項16記載の方法。
【請求項26】
次式(I)を有するビス−フェノールモノマー。
【化27】

式中、Wは適宜窒素を含んでいてもよい共役芳香族基であり、Rは各々独立に脂肪族基、芳香族基又は環式脂肪族基であり、「a」は0〜4の範囲の値を有する整数である。
【請求項27】
ビス−フェノールが以下の(a)〜(f)からなる群から選択される、請求項26記載のモノマー。
(a)次式のもの
【化28】

式中、R、R、R、R、R及びRは各々独立に脂肪族、芳香族又は環式脂肪族基であり、「b」は0又は1の値を有する整数であり、「c」は0〜3の範囲の値を有する整数であり、「d」は0〜3の範囲の値を有する整数であり、「e」は0〜4の範囲の値を有する整数であり、「f」は0〜5の範囲の値を有する整数であり、「g」は0〜4の範囲の値を有する整数であり、「n」は0〜100の範囲の数である。
(b)次式のもの
【化29】

式中、R及びRは各々独立に脂肪族、芳香族又は環式脂肪族基であり、「n」は1〜100の範囲の数である。
(c)次式のもの
【化30】

式中、R及びRは各々独立に脂肪族、芳香族又は環式脂肪族基であり、「n」は1〜100の範囲の数である。
(d)次式のもの
【化31】

式中、Arは各々独立に芳香族基であり、「x」は各々0〜10の範囲の整数である。
(e)以下の式のいずれか
【化32】

(f)以上の化合物の任意の組合せ。
【請求項28】
ビス−フェノールが以下の(a)〜(e)からなる群から選択される、請求項26記載のモノマー。
(a)次式のもの
【化33】

式中、Rは水素又はtert−ブチル基であり、各R’は水素又はトリフルオロメチル基であるが、但しR又は各R’のいずれかが水素であり、「n」は0〜100の範囲の整数であり、Arは以下の(i)〜(v)からなる群から選択される。
(i)2,5−ジフェニル−1,3,4−オキサジアゾール−4,4’−ジイル、
(ii)アントラセン−9,10−ジイル、
(iii)3−t−ブチル−9,10−ジフェニルアントラセン−4,4’−ジイル、
(iv)次式の化合物
【化34】

(v)次式の化合物
【化35】

式中、各Rは独立に脂肪族基、環式脂肪族基及びC13からなる群から選択される。
(b)次式のもの
【化36】

式中、RはC13であり、RはCHであり、「n」は1〜100の範囲の数である。
(c)次式のもの
【化37】

式中、RはC13であり、RはCHであり、「n」は1〜100の範囲の数である。
(d)以下の式のいずれか
【化38】

(e)以上の化合物の任意の組合せ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−545046(P2008−545046A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519397(P2008−519397)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/024113
【国際公開番号】WO2007/005289
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】