説明

内燃機関のためのスパーク点火装置およびそのための中心電極アセンブリ

スパーク点火装置(10)はセラミック絶縁体(12)を含み、金属シェル(13)がセラミック絶縁体の少なくとも一部を囲む。接地電極(30)がシェルに取付けられる。接地電極は、スパークギャップ(34)によって中心スパーク端(22)から間隔を置かれた接地電極スパーク端を有する。第1の端子(82)は、中心スパーク端(22)と電気的に通じる状態で配され、電源との電気的接続のために構成される。装置は、さらに、電源との電気的接続のために構成された第2の端子(84)を含む。第2の端子は第1の端子から間隔を置かれ、第2の端子は第1の端子と電気的に通じる状態で配される。ヒータ要素(24)は、第1の端子(82)を第2の端子(84)と電気的に通じる状態にもたらし、電気的回路を完成する。ヒータ要素(24)は第1および第2の端子より大きな抵抗を有し、それによって大きな熱源をあたえる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1. 技術分野
この発明は、一般に、内燃機関のための点火プラグのようなスパーク点火装置に関し、特に、ヒータ要素を有するスパーク点火装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2. 関連技術
点火プラグのためのような、内燃機関のための点火装置の構成では、一般に点火プラグが動作する動作ヒートレンジの選択の間に妥協が必要とされる。一方では、選択された温度が高すぎれば、点火プラグは典型的には低減された寿命を有し、究極的にエンジン構成要素の寿命を低減し得る。他方、選択された温度が低すぎる場合、点火プラグは、点火プラグの絶縁体上でカーボンデポジットを介してファウリングされる傾向を示すかもしれず、それによって、点火プラグの低減された性能および究極的な故障に終わるかもしれない。したがって、点火プラグまたはエンジン構成要素の耐用寿命に大幅に影響を与えずに考えられ得る最も高い温度で動作するよう点火プラグを設計しようとすることが慣習的である。しかしながら、この選択は、潜在的な逆効果なしではなく、なぜなら、これらの点火プラグは、典型的には、より低温の動作条件では最適に動作しないからである。
【0003】
典型的には、先行技術図1において示されるような従来の点火プラグは、高電圧源への取付けのために構成された端子1を有する。高電圧は、この端子、そして次いで1つ以上の中間の構成要素を通って、中心電極2へ伝わる。高電圧は絶縁体4によって外側金属シェル3から絶縁される。十分な高電圧が中心電極に達すると、スパークがスパークギャップ6を横切って中心電極から接地電極5へ飛び、可燃性の燃焼ガスの点火を引起す。次いで、高圧電流は、エンジンブロック(図示せず)に接している金属シェル3のねじ切り領域7および座部8を通ってエンジンブロックによって設けられた接地に流れ込む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上に記載された従来の点火プラグの継続使用中、中心電極2から電流流れのために交番通路を設けることができる絶縁体コアノーズの露出した外側表面9上に汚染が蓄積することが考えられる。したがって、電気的な流れは、ギャップ6を横切るスパークに終わらず、中心電極2からシェル3に直接飛ぶ。これは、究極的には点火プラグの不完全燃焼および不履行に終わる。コアノーズ長を増加させることによって、ファウリングを低減して、コアノーズの外側表面9上の汚染の蓄積を克服するよう、努力がなされた。増加したコアノーズの長さは、コアノーズを燃焼室内において高い動作温度に晒すことによって、コアノーズの動作温度を増加させる。さらに、増加した長さのコアノーズは、高電圧が伝わらなければならない距離を増加させることにより、ファウリングに対してより強い。しかしながら、コアノーズの長さを増加させることはトレードオフなしではない。燃焼室内において、高温に対してより近く、コアノーズの先端を延在させることによって、加熱されたコアノーズ先端は、燃焼室内において意図せずに燃焼ガスの早期点火を引起すかもしれない。加えて、加速された摩耗が、中心電極に対して生じ得、なぜなら、それは、延在されたコアノーズの先端を越えて延在させなければならないからである。したがって、点火プラグおよび関連するエンジン構成要素の耐用寿命を最適化すると同時に、予想される動作温度範囲にわたって最適な性能を有する点火プラグを提供する継続的な努力がなされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
この発明の1つの局面に従って構築されたスパーク点火装置は、中心軸に沿って延在する管状のセラミック絶縁体を含み、金属シェルがセラミック絶縁体の少なくとも一部を囲む。さらに、接地電極がシェルに作動的に取付けられ、接地電極は接地電極スパーク端を有する。さらに、装置は、中心スパーク端を含み、中心スパーク端および接地電極スパーク端は、スパークギャップをあたえる。第1の端子が、中心スパーク端と電気的に通じる状態で配され、電源との電気的接続のために構成される。装置は、さらに、電源との電気的接続のために構成された第2の端子を含む。第2の端子は第1の端子から間隔を置かれ、第2の端子は第1の端子と電気的に通じる状態で配される。さらに、ヒータ要素が、第1の端子を第2の端子と電気的に通じる状態にもたらし、電気的回路を第1の端子と第2の端子との間において完成し、ヒータ要素は、第1および第2の端子より大きな抵抗を有する。
【0006】
この発明の別の局面に従って、スパーク点火装置のための中心電極アセンブリが提供される。中心電極アセンブリは、電源との電気的接続のために構成されて配される第1の端子と、第1の端子から間隔を置かれ、第1の端子と電気的に通じる状態において配され、電源との電気的接続のために構成される第2の端子とを含む。さらに、ヒータ要素が、第1の端子を第2の端子と電気的に通じる状態にもたらし、電気的回路を第1の端子と第2の端子との間において完成する。
【0007】
この発明のこれらならびに他の局面、特徴および利点は、現在好ましい実施例および最良のモードの以下の詳細な説明、特許請求の範囲および添付の図面に関して考慮されたときにより容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】先行技術点火装置の断面立面図である。
【図2】この発明の1つの局面に従って構築されたヒータ要素を有する点火装置の断面立面図である。
【図2A】この発明のさらに別の局面に従って構築された点火装置の点火端を示す、図2の丸で囲まれた領域2Aにおいて概ねとられた部分的な断面立面図である。
【図3】この発明の別の局面に従って構築された点火装置ヒータ要素の断面立面図である。
【図4】この発明の別の局面に従って構築された点火装置ヒータ要素の断面立面図である。
【図5】この発明のさらに別の局面に従って構築されたヒータ要素を有する点火装置の断面立面図である。
【図6】この発明のさらに別の局面に従って構築されたヒータ要素を有する点火装置の断面立面図である。
【図6A】この発明のさらに別の局面に従って構築された点火装置の点火端を示す、図6の丸で囲まれた領域6Aにおいて概ねとられた部分的な断面立面図である。
【図7】この発明のさらに別の局面に従って構築されたヒータ要素を有する点火装置の断面立面図である。
【図8】この発明のさらに別の局面に従って構築されたヒータ要素を有する点火装置の断面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
現在好ましい実施例の詳細な説明
図面をより詳細に参照して、図2は、内燃機関(図示せず)において混合気に点火することに用いられる、この発明の1つの現在好ましい局面に従って構築されたスパーク点火装置10を示す。例示的なスパーク点火装置10は点火プラグの形式で示される。しかし、この発明は、たとえばグロープラグのような他の点火装置も特許請求の範囲の内にあるよう企図する。装置10は、酸化アルミニウムまたは他の好適な絶縁材料から形成された環状のセラミック絶縁体12を含む。絶縁体12は導電性の金属シェル13に少なくとも一部が捕えられる。絶縁体12は、以下、上側端子端部16および下側コア端部またはコアノーズ端部18とも称される、対向する端部間において、中心軸15に沿って軸方向に延在する中央通路14を有する。19で概ね表された中心電極アセンブリは、中央通路14に少なくとも一部が配置される。中心電極アセンブリ19は、少なくとも一部が、中心電極20;点火端22;および中心電極20と点火端24との間に配置されたヒータ要素24を含む。ヒータ要素24は、コアノーズ端部18に近接して、絶縁体12の円錐形のコアノーズ領域26内に位置する。使用中、ヒータ要素24は、それが中心電極20および点火端22に対して大きくされた抵抗率を有することにより、温度が上昇する。したがって、ヒータ要素24によって燃焼熱と無関係に実質的に生じた熱は、コアノーズ領域26の正に所望の領域に伝えられ、コアノーズ領域26の露出した外側表面28上の汚染蓄積を防止し、それによって、装置10が「ファウリング」から防止され得る。
【0010】
金属シェル13は絶縁体12の下側および中間の部分のまわりにおいて封止された関係で配置され、さまざまな鋼合金のような任意の好適な金属から形成されてもよく、Ni系合金コーティングなどでコーティングされてもよい。シェル13は、たとえば図面において示されるように、標準的な単一のL字型構成のような、多くの形状、サイズおよび構成のうちの任意のものを有する、少なくとも1つの接地電極30を含む。接地電極30は、点火端22のスパーク面36からスパークギャップ34を横切って間隔を置かれる少なくとも1つの接地電極スパーク面32を有する。スパーク面32および36の少なくとも1つは、プラチナ、イリジウム、パラジウム、ロジウム、オスミウム、金、および銀からなる群からの少なくとも1つの貴金属から少なくとも一部が形成されることができ、これらの貴金属の2つ以上を組み合わせて(たとえばPt―Ir合金のすべての態様)含んでもよい。スパーク面32および36は、さらに、合金化構成要素として、タングステン、イットリウム、ランタン、ルテニウムおよびジルコニウムからなる群から1つ以上の金属を含んでもよい。
【0011】
シェル13は、上側端子端部42と下側固定端部43との間において延在する概ね環状の外側表面40を有する概ねの管状の本体38を有する。固定端部43は、典型的にはエンジンブロック(図示せず)の燃焼室開口部内のねじ筋取り付けのために構成された外部ねじ切り領域44を有する。シェル13は、燃焼室開口部におけるスパーク点火装置10の取外しおよび設置のための、外部の六角形のツール受け部材46または他の特徴を設けられてもよい。シェル13は、さらに、軸15を実質的に横断するように延在する、環状の、概ね平面の封止座部49を設けるよう、外側表面40から径方向に外方向に延在する環状フランジ48を有し、そこからねじ切り領域44が懸架している。封止座部49は、シェル13の外側表面40と燃焼室開口部におけるねじ切りされたボアとの間の空間の熱ガス密閉封止を形成する。代替的に、ガスケット(図示せず)が封止座部49と組合わせて用いられてもよく、および/または封止座部49は、テーパされた座部(図示せず)として構成されて、この様式の点火プラグ座部のために係合するテーパとともに設計されるシリンダヘッドにおける精密公差および自己封止設置をあたえてもよい。
【0012】
管状のシェル本体38は、端子固定端部42と固定端部43との間のシェルの長さを通して延在する開いたキャビティ53を設ける内側壁または表面52を有する。内部の下側フランジ54は、固定端部43に近接して、内側表面52から径方向に内方向に延在して、絶縁体12のための停止面を設ける。内側表面52は、絶縁体12の拡大した部分に対応するために、端子端部42に近接する拡大した直径領域56を有する。したがって、環状の肩部57が、拡大した直径領域56から低減された直径領域58へ径方向に内方向に延在する。拡大した直径領域56は、肩部57から上方へ延在し、実質的に端子端部42に対して、実質的に真っすぐで、円筒形で、一定の直径を有する。シェル本体38の上側唇状部60は、絶縁体12をシェル13で捕えるよう、クリンプ工程またはロールカール工程で、径方向に内方向にカールされる。ガスケット、セメントまたは他のパッキンもしくは封止用コンパウンドを唇状部60と絶縁体14との間にはさむことにより、気密封止を完成し、組立てられたスパーク点火装置10の構造の保全性を改善することもでき、さらに、ガスケット61を下側フランジ54と下側肩部68との間に配置することができる。
【0013】
絶縁体12は、酸化アルミニウム、または指定された絶縁耐力、高い機械的強度、高い熱伝導度および熱衝撃に対する優れた抵抗性を有する他の好適な絶縁材料を含んでもよく、未焼結状態のセラミックス粉末からプレス成形し、次いで、高温で十分に焼結して、セラミックス粉末の密度を高めて焼結させてもよい。絶縁体12は長尺の本体62を有し、環状の外側表面64が、上側端子または近位端部16と下側コアノーズまたは遠位端部18との間において延在する。本体62は、大きな直径の環状の上側肩部66と、より小さな直径の環状の下側肩部68とを有する、下側部分を有する。上側マスト部分69は、上側肩部66から上方へ延在し、ゴムまたは他の絶縁性スパークプラグブーツ(図示せず)が取り囲んで掴み、点火コードおよびシステム(図示せず)との電気的接続を電気的に隔離する。マスト部分69は、一連のリブ(図示せず)または他の表面グレージングもしくは特徴を含んで、スパークまたは2次電圧フラッシュオーバに対する追加的保護を設け、マスト部分69のスパークプラグブーツとの掴み動作を改善してもよい。低減された直径のノーズ部分またはコアノーズ領域26は、下側肩部68から遠位端部18へ懸架する。コアノーズ領域26は、典型的には遠位端部18に向かって収束するわずかなテーパを有するが、真っすぐな円筒形状を含む、他の構成もここに企図される。
【0014】
絶縁体12は、上側近位端部16と下側遠位端部18との間において長手方向に延在する中央の貫通通路14を有する、概ね環状の、管状の構成である。中央通路14は、ここでは、軸15に対して横断するように見て、変動する断面積を有するとして表され、増大した直径の領域70が、上方へ、概ね近接するコアノーズ領域26から近位端部16に延在し、低減された直径の領域71が、増大した直径の領域70から遠位端部18に延在し、環状の肩部72が、それぞれの領域70と71との間において概ね径方向に延在する。
【0015】
中心電極アセンブリ19の中心電極20は任意の好適な外部形状を有してもよく、ここでは、例として、および限定なしで、概ね上側端子端部75と下側遠位端部76との間において延在する、円筒状または実質的に円筒状の外側表面74を伴う本体を有するものとして、および端子端部75おいて、増大した直径ヘッド78に対して、径方向に外方向のアーチ形のフレアまたはテーパを有するものとして、表される。環状のヘッド78は、絶縁体12内において肩部72に対して端子端部75を座させ封止することを容易にする。中心電極本体は構成において管状であり、したがって、端子75と遠位端部76との間において延在する外側管状壁80によって設けられた中央の貫通通路79を有する。中心電極20は、たとえば、さまざまなNiおよびNiに基いた合金のような、十分な熱伝導率および導電率ならびに燃焼環境に耐える能力を有する、任意の好適な導体材料から構築され、さらに、たとえば、CuまたはCuに基いた合金コアにわたってクラッディングされるそのような材料を含んでもよい。
【0016】
中心電極アセンブリ19は、中心端子または内側端子82とも呼ばれる第1の端子、および外側端子84とも呼ばれる第2の端子を含む。第2の端子84は、例として、および限定なしで、図2の実施例に示されるように、近位または端子端部89と遠位端部90との間において延在する内側の中央貫通通路88をあたえる、概ね円筒形の壁を有する管状本体86によって少なくとも一部が構築される。管状本体86は、絶縁体12の貫通通路14内の隙間嵌めのためにサイズ決めされた外側表面92を有する。したがって、環状のポケットまたはボイド93が外側表面92と絶縁体12との間に設けられる。絶縁体12の通路14において、第1の端子82および中心電極20を含む中心電極アセンブリ19を保持および固定することを容易にするために、封止柱94がボイド93内に設けられ、それによって、ボイドを充填または実質的に充填し、中心電極アセンブリ19を絶縁体12内で固定する。封止柱94は、例として、および限定なしで、突き固められた粉末、ガラス、セラミック、または他の好適な、熱伝導性であるが絶縁性の材料によって、設けることができる。さらに、遠位端部90に対して近接する外側表面は、第1の端子82と中心電極20との間の十分な導電率を確立するよう、中心電極20のヘッド78に対して近接した貫通通路79内における線対線またはわずかな締まり嵌めのためにサイズ決めされるとして示される。任意の取付け機構を用いて、ろう付、溶接、締まり嵌め、接着剤、または他の態様で、第1の端子82の遠位端部90を中心電極の端子端部75に固定することができる。したがって、中心電極20はこの実施例においては第1の端子82の延長部分として働く。
【0017】
点火端22は、この実施例においては、中心電極20からは別個の材料片で構築されるとして示される。点火端22は中心電極20と電気的に通じた状態で取付けられ、したがってヒータ要素24を介して第2の端子84と電気的に通じた状態で取付けられる。点火端22は、十分な熱伝導率および導電率を有する任意の好適な点火端材料から構築することができ、そして、中心電極20と同じまたは異なる材料から構築することができる。この実施例では、点火端22は、第1の端子82を有する単一または単一片の材料として構築されるが、所望の場合、ダッシュ記号付き番号がたとえば上に論じられる同様の特徴を示すために用いられる図2Aにおいて示されるように、別個の材料片でそれらを構築することができ得る。さらに、所望の場合、類似しない材料からそれらを構築することができ得る。上に注記されるように、点火端22は接地電極スパーク面32からスパークギャップ34によって間隔を置かれるスパーク面36を設ける。
【0018】
ヒータ要素24は環状本体を有し、貫通通路95が、第1の端子82との隙間嵌めのためにサイズ決めされる。ヒータ要素24は、例として、および限定なしで、中心電極20の管状壁80と同じ、または実質的に同じ壁厚および直径を有するとして表される。ヒータ要素24の一方の端部は中心電極20の遠位端部76に取付けられ、ヒータ要素24の他方の端部は点火端22の外周に取付けられ、それは、たとえば、はんだ付、ろう付け、溶接、接着剤または他の電気的に導通させる連結機構によって行われる。ヒータ要素24はコアノーズ領域26内に位置し、コアノーズ端部18に実質的に近接または隣接するとしてここに示される。ヒータ要素24は、中心電極20および点火端22と比較して増加した抵抗率を有する材料から構築され、ヒータ要素24が十分に加熱されることを保証し、それによって、所望の電気的な加熱が確実にコアノーズ領域26のこの領域で生じる。たとえば、ヒータ要素24に対して最も適しているように考えられる抵抗率は、約0.75〜20ohmcmの範囲内にあり、それは、たとえば、炭化珪素もしくは炭化硼素、またはたとえばモリブデンもしくはチタニウムに基いた抵抗調節剤の添加をともなう窒化珪素のような同様の材料によって設けることができる。ヒータ要素24の抵抗率は、ヒータ要素24の外形を変更することによって、および/または用いられる電流/電圧の変更によって、上記の指定された範囲外にあり得ることが企図される。
【0019】
第1の端子82は、点火端22とともに、単一の、単一片の材料として構築されるとして示される。第1の端子82は、点火端22から上方へ、ヒータ要素24の貫通通路95を通って;中心電極20の貫通通路79を通って、および第2の端子84の貫通通路88を通って、軸方向に露出した端子端部96に延在する。第1の端子82は、間隔を置かれた関係において前述の貫通通路95、79、88を通って延在し、第1の端子82の全長に沿って延在するボイドまたは環状空間97を設けて、第1の端子82をそれぞれの構成要素24、20、84と電気的に接触しないように維持する。空間97は、たとえばアルミナまたは酸化マグネシウム粉末によるような熱伝導性の絶縁材料で充填または実質的に充填することにより、中心電極アセンブリ19全体としての熱伝導度を増加させることができる。したがって、完全な電気的回路が、第1の端子82を通って、次いで中心電極20を通って、次いでヒータ要素24を通って、次いで点火端22を通って、そして次いで第2の端子84を通って、直列で確立される。
【0020】
使用中、相対的に低電圧の電源(たとえば12V(図示せず))が第1および第2の端子82、84の端子端部96および89に取付けられる。電気の流れは前述の流れ通路を辿り、好適な電流によって、スパークが、スパークギャップ34を横切って生成される。加えて、たとえば、約10アンペア以下のような電流により、ヒータ要素24は燃焼熱から独立して「自己加熱」され、そこで、ヒータ要素24の温度は、十分に上げられ、絶縁体12のコアノーズ領域26の温度を上げる。したがって、コアノーズ領域26の露出した外側表面28は、十分に加熱されて、その上の汚染蓄積を防止し、したがって「ファウリング」を防止し、スパーク点火装置10の耐用寿命を延長する。
【0021】
図3において示されるように、上に用いられるのと同じ参照番号から100の係数だけずれたものを用いて、同様の特徴を特定し、中心電極アセンブリ119がこの発明の別の局面に従って構築される。中心電極アセンブリ119は上に論じられるものと同じかまたは同様の絶縁体12およびシェル13との関連において用いられ得、したがって、それらはさらに詳細には論じられない。中心電極アセンブリ119は、上に論じられた電極アセンブリ19に類似して機能して、絶縁体12においてコアノーズ領域26上の汚染蓄積を防止するが、構成でいくつかの構造上の差を有し、それらは以下に論じられる。
【0022】
中心電極アセンブリ119は、上記の実施例でのように、中心電極120、点火端122、ヒータ要素124、第1の端子182、および第2の端子184を含む。中心電極120は、概ね上側端子端部175と下側遠位端部176との間において延在する概ね円筒状の外側表面174を有する本体を有する。端子端部175は、増大した直径のヘッド178に対して径方向に外方向のアーチ形のフレアまたはテーパを有する。本体は形状において管状で、したがって、中央の貫通通路を有し、それはここでは、端子175と遠位端部176との間において延在する外側管状壁180によって設けられた、拡大した中央の貫通通路部分179と、遠位端部176に近接する低減された直径の貫通通路179’部分とを含むとして示される。
【0023】
点火端122は、この実施例においては、中心電極120からは別個の材料片であるが、しかしヒータ要素124と単一の、単一片の材料から構築されるとして示される。先の実施例でのように、点火端122は中心電極120と電気的に通じた状態で取付けられ、したがってヒータ要素124を介して第2の端子184と電気的に通じた状態で取付けられる。この実施例では、点火端122は第1の端子182からは別個の材料片として構築される。示されるように、点火端122およびヒータ要素124は円筒状部材として構築されるが、異なる形状を用いることができ得る。組合せ点火端/ヒータ要素122、124は、中心電極120の低減された直径の貫通通路179’内における、線対線またはわずかな締まり嵌めのような、緊密な受入れのためにサイズ決めされる。点火端122は、中心電極120の遠位端部176から軸方向に外方向に延在し、一方、ヒータ要素124は、拡大した直径の貫通通路179、および第1の端子182との電気的な取付けへと、軸方向に上方に延在している。先の実施例でのように、ボイドまたは環状の空間97は、たとえばアルミナまたは酸化マグネシウム粉末によるような熱伝導性の絶縁材料198により充填されるか、または実質的に充填されることにより、中心電極アセンブリ119全体としての熱伝導度を増加させることができる。絶縁材料198は、好適な封止材料から構築された環状封止99によって中心電極120においてさらに封止できる。環状封止99は、ここでは、拡大したヘッド178に近接するとして示され、したがって、中心電極120は絶縁材料198で実質的に充填される。
【0024】
他の態様では、中心電極アセンブリ119は、使用において概ね同じく機能し、完全な電気的回路が、第1の端子182を通って;ヒータ要素124および点火端122を通って;中心電極120を通って、および次いで第2の端子184を通って、直列で確立される。従って、電流により、ヒータ要素124は正常運転条件中に十分な温度に「自己加熱」され、絶縁体12のコアノーズ領域26の温度を上げる。したがって、コアノーズ領域26は、十分に加熱されて、その上の汚染蓄積を防止し、したがって「ファウリング」を防止し、中心電極アセンブリ119を含むスパーク点火装置の耐用寿命を延長する。
【0025】
図4において示されるように、上に用いられるのと同じ参照番号から200の係数だけずれたものを用いて、同様の特徴を特定し、中心電極アセンブリ219がこの発明の別の局面に従って構築される。中心電極アセンブリ219は上に論じられるものと同じかまたは同様の絶縁体12およびシェル13との関連において用いられ得、したがって、それらはさらに詳細には論じられない。中心電極アセンブリ219は、電極アセンブリ19に類似して機能して、絶縁体12のコアノーズ領域26上の汚染蓄積を防止するが、構成で、以下に論じられるいくつかの構造上の差を有する。
【0026】
中心電極アセンブリ219は、上記の実施例でのように、中心電極220、点火端222、ヒータ要素224、第1の端子282、および第2の端子284を含む。中心電極220は、概ね上側端子端部275と下側遠位端部276との間において延在する概ね円筒状の外側表面274を有する本体を有する。端子端部275は、増大した直径のヘッド278に対して径方向に外方向のアーチ形のフレアまたはテーパを有して、絶縁体12において中心電極220を固定することを容易にする。本体は形状において管状で、したがって、端部275、276の間において延在する中央の貫通通路279を有し、拡大した直径のカウンタボア貫通通路部分279’が、遠位端部276に近接して形成される。
【0027】
点火端222は、先の実施例の点火端122とは異なり、ヒータ要素224からは別個の材料片で構築され、点火端端部セクション222’によってヒータ要素から間隔を置かれる。点火端端部セクション222’は、貫通通路部分279’内の線対線またはわずかな締まり嵌めのような締まり嵌めのために構成された近位端部を有し、任意の好適な電気的に導通する機構、たとえば、はんだ付、溶接、ろう付け、または他の態様を介してそこに固定することができる。点火端端部セクション222’は、点火端222の受入れおよびそれへの取付けのために構成された遠位端部へ延在する。点火端222は、点火端端部セクション222’の遠位端部内に延在する窪んだポケット99において固定されるとしてここでは示される。したがってこの実施例では、点火端端部セクション222’は、中心電極220の遠位端部276に、ヒータ要素224と点火端222との間において固定され、ヒータ要素224は中心電極220の貫通通路279内において封止された態様で受けられるので、ヒータ要素224はスパークからの燃焼ガスまたはいかなる潜在的な腐食にも晒されない。さらに、異なる材料を用いて点火端222を構築しても、同じ材料を用いて点火端222を構築しても、ヒータ要素224は任意の好適な材料を用いて構築することができる。
【0028】
他の態様では、中心電極アセンブリ119は、概ね中心電極アセンブリ120に対して記載され示されるのと同じように構築され、およびしたがって、使用において概ね同じく機能し、完全な電気的な直列回路が、第1の端子282を通って;ヒータ要素224を通って;点火端222’、222を通って、中心電極220を通って、次いで第2の端子284を通って、確立される。したがって、電流により、正常運転条件中にスパークを生成するよう用いられるような別個の電源の使用なしで、ヒータ要素224は「自己加熱」される。さらに、先の実施例のように、ヒータ要素224はコアノーズ領域26内において配置されるので、コアノーズ領域26は、十分に加熱されて、その上の汚染蓄積を防止し、したがって「ファウリング」を防止し、中心電極アセンブリ219を含むスパーク点火装置の耐用寿命を延長する。
【0029】
図5において示されるように、上に用いられるのと同じ参照番号から300の係数だけずれたものを用いて、同様の特徴を特定し、スパーク点火装置310がこの発明の別の局面に従って構築される。
【0030】
同様に図2に関して記載され示されるように、図5のスパーク点火装置310は、絶縁体312と、少なくとも一部が、絶縁体312をそこに受ける外側金属シェル313とを含む。さらに、上に先行する実施例で記載されるように、この発明の別の局面に従って構築された中心電極アセンブリ319は、少なくとも一部が、絶縁体312において受けられる。金属シェル313および絶縁体312の外形は、図2に記載され示されるものと同様であるが、いくつかの構造上の差が存在し、しかしそれらは当業者にとっては明らかである。つまり、この発明に従って構築された中心電極アセンブリに対応するために金属シェル313および絶縁体312の外形を変更することができることが、認識されるはずである。
【0031】
絶縁体312は、端子または上側端部316と遠位またはコアノーズ端部318との間において延在する貫通通路314を有する。貫通通路314は、ここでは、拡大した直径の上側領域、上側領域から直径において低減された中間領域314’、および中間領域314’から直径において低減された最も下の領域314”を有し、各領域314、314’、314”は円筒形または実質的に円筒形であるように表わされる。したがって、絶縁体312は、上側貫通通路領域314と中間領域314’との間の、上側の、径方向に内方向に延在する肩部372と、中間領域314’と最も下の領域314”との間において延在する下側肩部372’とを有する。さらに、絶縁体312は、シェル313のカールされた端子端部342によって動作可能に捕えられるよう構成された外側肩部366を有し、パッキン材を端子端部342と上側肩部366との間において受けることができ、絶縁体312はさらに、シェル313の下側フランジ354に直面する下側肩部368を有する。所望の場合、図2において示されるようなガスケット(図示せず)を、下側肩部368と下側フランジ354との間において挟んで、封止をその間に確立することを容易にすることができる。
【0032】
先の実施例でのように、中心電極アセンブリ319は、中心電極320、点火端322、ヒータ要素324、第1の端子382、および第2の端子384を含む。第2の端子384は、近位または端子端部389と遠位端部390との間において延在する内側の中央の貫通通路388を設ける概ね円筒形の壁387を有する。円筒壁387は、絶縁体貫通通路314の上側領域内において隙間嵌めに対してサイズ決めされた外側表面392を有する。したがって、環状のポケットまたはボイド393が外側表面392と絶縁体312との間に設けられる。さらに、遠位端部390は、貫通通路388から直径において拡大したカウンタボア101を有する。
【0033】
カウンタボア101はヒータ要素324について隙間嵌めに対してサイズ決めされるが、環状のカラー部103を介してヒータ要素324と電気的に通じるために構成される。カラー部103は、軸方向の断面で概ねT字形であり、絶縁体312の貫通通路314における緊密な受入れのためにサイズ決めされた、拡大した直径のヘッド部分105と、絶縁体312の中間領域314’においての緊密な受入れのためにヘッド部分105から懸架する低減された直径部107とを有する。したがって、カラー部103は、肩部372との当接のために構成され、絶縁体のそれぞれの領域314、314’の間において延在する肩部109を有する。低減された直径部107は環状の円筒壁を有し、外側表面111は、絶縁体312の中間領域314’内においての締まり嵌め、線対線嵌め、またはわずかな締まり嵌めのためにサイズ決めされ、内側表面は、ヒータ要素324の外側表面との締まり嵌め、線対線嵌め、またはわずかな締まり嵌めのためにサイズ決めされる。したがって、カラー部103は、ヒータ要素324の外側表面と電気的接触を確立し、ヒータ要素324および中心電極アセンブリ319を絶縁体312内において固定するよう作用する。
【0034】
絶縁体312の通路314において中心電極アセンブリ319を保持することをさらに容易にするために、封止または封止柱394がボイド393内において設けられ、それによって、少なくとも部分的にボイド393を充填し、中心電極アセンブリ319を絶縁体312内において固定する。封止柱394は、例として、および限定なしで、突き固められた粉末、金属、ガラス、セラミック、または他の好適な、熱伝導性であるが絶縁性の材料によって、設けることができる。
【0035】
ヒータ要素324は、絶縁体312の中間領域314’を実質的に通って延在する長尺の本体を有する。本体は、一方の端部113が、第1の端子382のカウンタボア101内において隙間嵌めで受けられ、およびしたがって、それとの直接的な電気的接触になく、はんだ付、ろう付け、溶接、接着剤または他の電気的に導通させる連結機構によるように、第1の端子382と直接的に電気的に通じる状態で取付けられる。ヒータ要素324は、絶縁体312のコアノーズ領域326に概ね近接する別の端部115へ延在する。端部115は、中心電極320の上側端子端部375への取付けのために構成され、端子端部375は、絶縁体312の中間領域314’内において増大した直径のヘッド378を有する。環状のヘッド378は、絶縁体312の肩部372’に対して端子端部375を座させ封止することを容易にする。端部115は、ここでは、中心電極320のヘッド378内に延在する窪んだポケット117において受けられ固定されるとして示される。
【0036】
中心電極320は、拡大したヘッド378から懸架する、低減された直径の外側表面374を有する。低減された直径の表面374は、コアノーズ領域326内における締まり嵌めのためにサイズ決めされ、コアノーズ領域326から点火端322まで軸方向に外方向に延在する。
【0037】
使用では、相対的に低い電圧が第1および第2の端子382、384に印加され、電流は第1の端子382を通ってカラー部103に流れ、ヒータ要素324の外側表面の上の外側の電気的接点へ流れる。電流は、第2の端子384を流れ戻ることによって、直列回路を完成することができる。ヒータ要素324を通って流れる電流は、ほとんど、端部115とポケット117との間において形成されたジョイント領域において、熱を発生する。ジョイント領域内において発生した熱は、主に中心電極320へ移動させられる。ヒータ要素324のまわりの環状ギャップ119は、ギャップが最小限にされるコアノーズ領域326内を除いて、ヒータ要素324と絶縁体312との間に熱障壁を形成する。したがって、熱はコアノーズ領域326内において流れ、そこでそれは温度上昇を引起し、温度は、約350〜400℃の間のような最適温度範囲で維持される。したがって、冷温始動性能は、熱が始動動作の前および間に絶縁体312のコアノーズ領域326へ移動させられる結果、改善される。これは、未燃焼の燃料および燃焼堆積物/汚染による「ファウリング」の防止によって、点火失敗を防ぐことができる。熱が低電圧源を介して生じることに加えて、高電圧源を第1および/または第2の端子382、384を介して印加することにより、スパークギャップ334を横切ってスパークを生成することができる。
【0038】
図6において示されるように、上に用いられるのと同じ参照番号から400の係数だけずれたものまたはダッシュ記号を付されたものを用いて、同様の特徴を特定し、スパーク点火装置410がこの発明の別の局面に従って構築される。
【0039】
同様に図5に関して記載され示されるように、図6のスパーク点火装置410は、絶縁体412と、少なくとも一部が、絶縁体412をそこに受ける外側金属シェル413とを含む。さらに、上に先行する実施例で記載されるように、この発明の別の局面に従って構築された中心電極アセンブリ419は、少なくとも一部が、絶縁体312において受けられる。
【0040】
絶縁体412は、端子または上側端部416と遠位またはコアノーズ端部418との間において延在する貫通通路414を有する。貫通通路414は、ここでは、拡大した直径の上側領域、上側領域から直径において低減された中間領域414’、および中間領域414’から直径において低減された最も下の領域414”を有し、各領域414、414’、414”は円筒形または実質的に円筒形であるように表わされる。したがって、絶縁体412は、上側貫通通路領域414と中間領域414’との間の、上側の、径方向に内方向に延在する肩部472と、中間領域472’と最も下の領域414”との間において延在する下側肩部472’とを有する。さらに、絶縁体412は、シェル413のカールされた端子端部442によって動作可能に捕えられるよう構成された外側肩部466を有し、パッキン材を端子端部442と上側肩部466との間において受けることができ、絶縁体412はさらに、シェル413の下側フランジ454に直面する下側肩部468を有する。所望の場合、ガスケット(図示せず)を、下側肩部468と下側フランジ454との間にはさむことにより、封止をその間に容易に確立することができる。
【0041】
上記の実施例におけるように、中心電極アセンブリ419は、ヒータ要素424と、第1の端子482と、第2の端子484とを含む。第2の端子484は、近位または端子端部489と遠位端部490との間において延在する内側の中央の貫通通路488を設ける概ね円筒形の壁487を有する。円筒壁487は、絶縁体貫通通路414の上側領域内における締まり嵌めに対してサイズ決めされた外側表面492を有し、遠位端部490に近接する貫通通路488は、ヒータ要素424の拡大した直径の上側端部113’と電気的に通じた状態で締まり嵌めのためにサイズ決めされる。壁部487の遠位端部490は、絶縁体412の、低減された直径の中間領域414’から、軸方向に間隔を置かれ、したがって、環状空間またはボイド493がヒータ要素424のまわりに設けられ、ボイド493は、ヒータ要素424と絶縁体412との間に熱障壁を形成する。
【0042】
図5において示される実施例でのように、ヒータ要素424は、接地電極430に近接する点火端422への、完全に絶縁体412のコアノーズ領域426を通っての緊密な受入れのためにサイズ決めされた、わずかに低減された直径の遠位端部115’に延在する。点火端422のスパーク面436は、接地電極430の自由端スパーク面432に向かって横方向に面しているヒータ要素424の側面に設けられる。他の態様では、図6Aで示されるように、中間素材をヒータ要素424の遠位端部115’に取付けることができ、中間素材は点火端422’を設けるよう働く。したがって、ヒータ要素424は、点火端422としてさらに機能する一方で、コアノーズ領域426の外表面上の汚染の蓄積を防止するよう、加熱装置を兼ねる。ヒータ要素424は、コアノーズ領域426の全長を通る、接近した最小のクリアランス関係で通過するため、コアノーズ領域426は使用において十分に加熱され、冷温始動を容易にすると同様に、スパーク点火装置410の「ファウリング」を防ぐことが保証される。
【0043】
中心電極アセンブリ419を絶縁体412内において所定の固定された位置で維持するために、カラー部103’と環状封止または封止柱494との組合せが、ボイド493内において設けられ、それによって少なくとも部分的にボイド493を充填し、中心電極アセンブリ419を絶縁体412内において固定する。封止柱494は、カラー部103’の外周について形成され、カラー部103’の外周と絶縁体412との間のボイド493を充填するとして示される。さらに、封止柱494は、ヒータ要素424と絶縁体412との間においてボイド493の少なくとも一部をさらに封止するよう、カラー部103’から軸方向に上方へ延在する。したがって、カラー部103’は、ヒータ要素424とともにしっかりと適所に固定される。横方向移動に対するヒータ要素424の固定をさらに助けるために、カラー部103’は、絶縁体412の中間領域414’内に延在するカウンタボアCB内において一部が受けられる、低減された直径の端部部分EPを有する。端部部分EPは、ヒータ要素424の追加された保持を設けることとは別に、ヒータ要素424に自己センタリング機構を設ける。封止柱494は、例として、および限定なしで、突き固められた粉末、金属、ガラス、セラミック、または他の好適な、熱伝導性であるが、絶縁性の材料によって、設けることができる。
【0044】
図7において示されるように、上に用いられるのと同じ参照番号から500の係数だけずれたものまたは2ダッシュ記号を付されたものを用いて、同様の特徴を特定し、スパーク点火装置510がこの発明の別の局面に従って構築される。
【0045】
同様に図5に関して記載され示されるように、図7のスパーク点火装置510は、絶縁体512と、少なくとも一部が、絶縁体512をそこに受ける外側金属シェル513とを含む。さらに、上に先行する実施例で記載されるように、この発明の別の局面に従って構築された中心電極アセンブリ519は、少なくとも一部が、絶縁体512において受けられる。
【0046】
絶縁体512は、端子または上側端部516と遠位またはコアノーズ端部518との間において延在する貫通通路514を有する。貫通通路514は、ここでは、拡大した直径の上側領域、上側領域から直径において低減された中間領域514’、および中間領域514’から直径において低減された最も下の領域514”を有するように表わされる。したがって、絶縁体512は、上側貫通通路領域514と中間領域514’との間の、上側の、径方向に内方向に延在する肩部572と、中間領域514’と最も下の領域514”との間において延在する下側肩部572’とを有する。さらに、絶縁体512は、シェル513のカールされた端子端部542によって動作可能に捕えられるよう構成された外側肩部566と、さらに、シェル513の下側フランジ554に直面する下側肩部568とを有する。
【0047】
図5の実施例でのように、中心電極アセンブリ519は、中心電極520、点火端522、ヒータ要素524、第1の端子582、および第2の端子584を含む。第2の端子584は、近位または端子端部589と遠位端部590との間において延在する内側の中央の貫通通路588を設ける概ね円筒形の壁587を有する。円筒壁587は、ボイドが確立される図5の実施例と異なり、絶縁体貫通通路514の上側領域内において締まり嵌めまたは線対線嵌めのためにサイズ決めされた外側表面592を有する。
【0048】
貫通通路588はヒータ要素324について締まり嵌めまたは線対線嵌めに対してサイズ決めされるが、したがって、ヒータ要素324の外側表面と電気的に通じるために構成される。したがって、第2の端子584は絶縁体512内において固定された位置でヒータ要素524を維持することを容易にする。
【0049】
ヒータ要素524は、絶縁体貫通通路514の拡大した領域内において第2の端子584の貫通通路588内に延在する上側部分と、絶縁体貫通通路514’の低減された直径部内に延在する下側部分とを有する。ヒータ要素524の下側部分は貫通通路514’内において隙間嵌めで受けられ、そこにおいて自由端515に延在する。端部515は、中心電極520の上側端子端部575と電気的に通じるために構成され、端子端部575は、そこからヒータ要素524に向かって軸方向に外方向に延在するバッキングワイヤ121を有する。封止要素123はバッキングワイヤ121および中心電極520の拡大したヘッド578のまわりに配置することができ、それらを絶縁体512内において固定し、維持することを容易にする。所望の場合、封止要素123は導電性であり得る。電気的移動部材125が、さらに、封止要素123と電気的に通じる状態で設けられる。電気的移動部材125は、バッキングワイヤ121の端子端部のまわりに形成され、上方に端子インタフェース127へと延在して示される。端子インタフェースはヒータ要素524の遠位の自由端515のまわりに形成され、電気的および熱的エネルギをヒータ要素524から中心電極520に移動するよう作用する。したがって、電気的および熱的エネルギがヒータ要素524から、端子インタフェース127を通って、電気的移動部材125を通って、および封止要素123を通って、バッキングワイヤ121に自由に移動されることが認識されるべきである。
【0050】
使用では、スパーク点火装置510は図5のスパーク点火装置310と同様に機能するが、ヒータ要素524によって生じた熱は、絶縁体512のコアノーズ領域526に隣接するのではなく、軸方向に下方に、熱インタフェース127、移動要素125、封止要素123および中心電極520を通って、コアノーズ領域526に移動される。別個の熱インタフェース127、移動要素125および封止要素123を含む複数構成要素封止を形成するのではなく、複数構成要素部材の1つ以上が組合せられてもよく、たとえば、熱インタフェース127および移動要素125は単一構成要素として形成することができる。
【0051】
図8において示されるように、上に用いられるのと同じ参照番号から600の係数だけずれたものを用いて、同様の特徴を特定し、スパーク点火装置610がこの発明の別の局面に従って構築される。
【0052】
図8のスパーク点火装置610は、絶縁体612と、少なくとも一部が、絶縁体612をそこに受ける外側金属シェル613とを含む。さらに、上に先行する実施例で記載されるように、この発明の別の局面に従って構築された中心電極アセンブリ619は、少なくとも一部が、絶縁体612において受けられる。
【0053】
絶縁体612は、端子または上側端部616と遠位またはコアノーズ端部618との間において延在する貫通通路614を有する。絶縁体612は、シェル613のカールされた端子端部642によって動作可能に捕えられるよう構成された外側肩部666と、さらに、シェル613の下側フランジ654に直面する下側肩部668とを有する。
【0054】
中心電極アセンブリ619は、中心電極620、点火端622、ヒータ要素624、第1の端子682、および第2の端子684を含む。第2の端子684は、内側の中央の貫通通路688を設ける概ね円筒形の壁687を有する。貫通通路688は、ヒータ要素624をそこにおいて受けるためにサイズ決めされ、円筒壁687は、ヒータ要素624の外側表面と電気的に通じる状態にもたらされる。円筒壁687を含む第2の端子684は、絶縁体貫通通路514の上側領域内における隙間嵌めのためにサイズ決めされる。第2の端子684は、例として、円筒壁687から上方に、絶縁体612の端子端部616から外方向に延在する、長尺の端子コネクタ129を有し、端子コネクタ129は絶縁体612と接触しないままであるように、表される。
【0055】
ヒータ要素624は、絶縁体貫通通路614の拡大した領域内において延在し、絶縁体612の端子端部616と近接する上側部分と、絶縁体612のノーズコア領域626の低減された直径の貫通通路614’内に延在する下側部分とを有する。ヒータ要素624は、その全長にわたって一定または実質的に一定の直径の円筒形または実質的に円筒形の外側表面を有するとして示される。ヒータ要素624の外側表面は、貫通通路614および614’を通ってその全長に沿って隙間嵌めのためにサイズ決めされるが、低減された環状ギャップが、ノーズコア領域626においてヒータ要素624と絶縁体620との間に形成される。ヒータ要素624の下側部分は、ノーズコア領域626で中心電極620の端子端部675と電気的に通じる状態で取付けられる自由端615で終端する。自由端615と端子端部675との間のジョイントは、ヒータ要素624をその固定または実質的に固定された位置で維持するよう、たとえば樹脂状物質のような十分な熱伝導性および導電性機構131を用いて、形成される。熱伝導性かつ導電性であるため、自由端615の領域およびコアノーズ領域626内において生じた熱は、絶縁体のコアノーズ領域626へ移動させられる。したがって、コアノーズ領域626の外側表面628が加熱されて、温度は最適温度範囲内において維持され、それによって未燃焼燃料および燃焼堆積物/汚染による「ファウリング」を防止し、冷温始動動作を容易にする。所望の場合、追加的支持要素133を、さらにヒータ要素624を固定するために、貫通通路614内において、ヒータ要素624と絶縁体612との間に配置することができる。支持要素133は、好ましくは、可撓性または半可撓性部材として設けられ、点火スパーク装置610を通して伝達されるかもしれない任意の振動の減衰を容易にし、使用でのヒータ要素624の伸縮を可能にする。
【0056】
明らかに、この発明の多くの修正および変形が上記の教示に照らして考えられ得る。したがって、この発明は、特許請求の範囲内で、具体的に記載された通り以外に実行されてもよいことが理解される。したがって、この発明は、究極的には、任意の許可された請求の範囲によって規定され、上に論じられた例示的な実施例によってのみ規定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパーク点火装置であって、
中心軸に沿って延在する管状のセラミック絶縁体と;
前記セラミック絶縁体の少なくとも一部を囲む金属シェルと;
前記シェルに作動的に取付けられる接地電極とを含み、前記接地電極は接地電極スパーク端を有し;前記スパーク点火装置はさらに、
中心スパーク端を含み、前記中心スパーク端および前記接地電極スパーク端は、スパークギャップをあたえ、前記スパーク点火装置はさらに;
前記中心スパーク端と電気的に通じる状態で配され、電源との電気的接続のために構成される第1の端子と;
前記第1の端子から間隔を置かれ、前記第1の端子と電気的に通じる状態において配され、電源との電気的接続のために構成される第2の端子と;
前記第1の端子を前記第2の端子と電気的に通じる状態にもたらし、電気的回路を前記第1の端子と前記第2の端子との間において完成するヒータ要素とを含み、前記ヒータ要素は、前記第1および第2の端子より大きな抵抗を有する、スパーク点火装置。
【請求項2】
前記絶縁体は前記中心スパーク端に近接するコアノーズに延在し、前記ヒータ要素は前記コアノーズで受けられる、請求項1に記載の点火装置。
【請求項3】
前記第1の端子は前記中心軸に沿って同軸で延在し、前記第2の端子は前記第1の端子から径方向に外方向に間隔を置かれる、請求項1に記載のスパーク点火装置。
【請求項4】
前記ヒータ要素は前記第1の端子から径方向に外方向に間隔を置かれる、請求項3に記載のスパーク点火装置。
【請求項5】
前記中心軸に沿って自由端に延在する長尺の本体を有する中心電極をさらに含み、前記ヒータ要素は、前記中心軸のまわりに延在する環状リングとして構成され、前記中心電極の前記自由端と前記中心スパーク端との間に配置される、請求項4に記載のスパーク点火装置。
【請求項6】
長尺の本体を有する中心電極をさらに含み、前記第1の端子は前記中心軸に沿って前記中心電極を実質的に通って延在する、請求項3に記載のスパーク点火装置。
【請求項7】
前記第1の端子は前記中心スパーク端に取付けられる、請求項6に記載のスパーク点火装置。
【請求項8】
前記第1の端子および前記中心スパーク端は単一体の材料片として構築される、請求項7に記載のスパーク点火装置。
【請求項9】
前記ヒータ要素は対向する端部間において延在し、前記第1の端子は前記端部の1つに取付けられる、請求項7に記載のスパーク点火装置。
【請求項10】
前記第1の端子の反対側の前記ヒータ要素の端部は前記中心スパーク端を形成する、請求項9に記載のスパーク点火装置。
【請求項11】
前記第1の端子の反対側の前記ヒータ要素の端部は、前記中心スパーク端に動作可能に取付けられる、請求項9に記載のスパーク点火装置。
【請求項12】
前記中心軸に沿って延在する中心電極をさらに含み、前記第1の端子の反対側の前記ヒータ要素の端部は、前記中心電極に取付けられる、請求項9に記載のスパーク点火装置。
【請求項13】
前記中心電極は、前記中心軸に沿って延在するポケットを有し、前記ヒータ要素は、前記ポケットで少なくとも一部が受けられる、請求項12のスパーク点火装置。
【請求項14】
前記中心軸に沿って延在する中心電極と、前記第1の端子と前記中心電極との間に延在し、前記第1の端子と前記中心電極との間に封止された環状チャンバをあたえる環状封止とをさらに含む、請求項3のスパーク点火装置。
【請求項15】
前記封止された環状チャンバに配置される熱伝導性の絶縁材料をさらに含む、請求項14に記載のスパーク点火装置。
【請求項16】
前記ヒータ要素は、外方向に前記絶縁体から前記中心軸に沿って前記接地電極に近接して延在する、請求項1のスパーク点火装置。
【請求項17】
前記スパーク端は、前記ヒータ要素によってあたえられる、請求項16のスパーク点火装置。
【請求項18】
スパーク点火装置のための中心電極アセンブリであって:
電源との電気的接続のために構成されて配される第1の端子と;
前記第1の端子から間隔を置かれ、前記第1の端子と電気的に通じる状態において配され、電源との電気的接続のために構成される第2の端子と;
前記第1の端子を前記第2の端子と電気的に通じる状態にもたらし、電気的回路を前記第1の端子と前記第2の端子との間において完成するヒータ要素とを含む、中心電極アセンブリ。
【請求項19】
前記第1の端子は前記中心軸に沿って同軸で延在し、前記第2の端子は前記第1の端子から径方向に外方向に間隔を置かれる、請求項18に記載の中心電極アセンブリ。
【請求項20】
前記ヒータ要素は前記第1の端子から径方向に外方向に間隔を置かれる、請求項19に記載の中心電極アセンブリ。
【請求項21】
中心スパーク端と、前記中心軸に沿って自由端に延在する長尺の中心電極本体とをさらに含み、前記ヒータ要素は、前記中心軸のまわりに延在する環状リングとして構成され、前記中心電極本体の前記自由端と前記中心スパーク端との間に配置される、請求項20に記載の中心電極アセンブリ。
【請求項22】
中心スパーク端と、長尺の中心電極本体とをさらに含み、前記第1の端子は前記中心軸に沿って前記中心電極本体を実質的に通って延在する、請求項20に記載の中心電極アセンブリ。
【請求項23】
前記第1の端子は前記中心スパーク端に取付けられる、請求項22に記載の中心電極アセンブリ。
【請求項24】
前記ヒータ要素は対向する端部間において延在し、前記第1の端子は前記端部の1つに取付けられる、請求項18に記載の中心電極アセンブリ。
【請求項25】
前記第1の端子の反対側の前記ヒータ要素の端部は中心スパーク端を形成する、請求項24に記載の中心電極アセンブリ。
【請求項26】
前記中心軸に沿って延在する中心電極本体をさらに含み、前記第1の端子の反対側の前記ヒータ要素の端部は、前記中心電極本体に取付けられる、請求項24に記載の中心電極アセンブリ。
【請求項27】
前記中心電極本体は、前記中心軸に沿って延在するポケットを有し、前記ヒータ要素は、前記ポケットで少なくとも一部が受けられる、請求項26に記載の中心電極アセンブリ。
【請求項28】
前記中心軸に沿って延在する中心電極本体と、前記第1の端子と前記中心電極本体との間に延在し、前記第1の端子と前記中心電極本体との間に封止された環状チャンバをあたえる環状封止とをさらに含む、請求項18に記載の中心電極アセンブリ。
【請求項29】
前記封止された環状チャンバに配置される熱伝導性の絶縁材料をさらに含む、請求項28に記載の中心電極アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−513928(P2013−513928A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544537(P2012−544537)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/057140
【国際公開番号】WO2011/075266
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(506146389)フェデラル−モーグル・イグニション・カンパニー (38)
【氏名又は名称原語表記】FEDERAL−MOGUL IGNITION COMPANY
【Fターム(参考)】