説明

内視鏡の可撓管部と、この可撓管部を有する内視鏡

【課題】直線状態の可撓管部に荷重を加えても可撓管部の撓み量が小さく、撓んだ状態の可撓管部に荷重を加えると可撓管部の撓み量が大きくなる内視鏡の可撓管部と、この可撓管部を有する内視鏡とを提供すること。
【解決手段】内視鏡1の可撓管部25は、螺旋管31を有している。螺旋管31は、初張力が少なくとも一部に付与された密着巻き部32と、密着巻き部32の少なくとも一端に配設されている疎巻き部33とによって形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡の可撓管部と、可撓管部を有する内視鏡とに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に内視鏡は、可撓管部を有している。可撓管部は、例えば特許文献1に開示されている。この可撓管部は、例えば金属製の螺旋管と、この螺旋管の外側に配設され、螺旋管に積層する網状管と、この網状管の外側に配設され、網状管に積層する外皮とによって構成されている。網状管は螺旋管を覆い、外皮は網状管を覆う。このように可撓管部は、3層構造を有している。
【0003】
可撓管部は、可撓性を有しており、このため例えば荷重を受けることで撓む。このとき荷重と撓み量(変形量)とは比例しており、荷重が大きいほど、撓み量は大きくなる。この荷重は、例えば可撓管部が大腸内に挿入されて大腸におけるS状結腸のような屈曲部に当接した時に、腸から受ける外圧などを示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−285469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記した可撓管部は例えば大腸内に挿入されて屈曲部を通過する場合、可撓管部は小さな力(荷重)で大きく撓む(曲がる)必要がある。
【0006】
また可撓管部がS状結腸を通過した後、その後の可撓管部が挿入されやすくするために、操作者は可撓管部を略直線形状にする必要がある。この後、略直線形状の可撓管部が撓んでしまうと、可撓管部の先端に力が伝わらず、可撓管部の挿入が更に難しくなる。このため可撓管部が一度直線状態になった後、可撓管部は容易に撓まないことが必要である。
【0007】
このように可撓管部において、これら2つの特性を両立することが困難である。つまり可撓管部は、直線状態で大きな荷重が加わっても小さく撓み(撓み量が小さく)、撓んだ状態で小さな荷重が加わっても大きく撓む(撓み量が大きい)必要がある。
【0008】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、直線状態の可撓管部に荷重を加えても可撓管部の撓み量が小さく、撓んだ状態の可撓管部に荷重を加えると可撓管部の撓み量が大きくなる内視鏡の可撓管部と、この可撓管部を有する内視鏡とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は目的を達成するために、螺旋管を有する内視鏡の可撓管部であって、前記螺旋管は、初張力が少なくとも一部に付与された密着巻き部と、前記密着巻き部の少なくとも一端に配設されている疎巻き部と、を具備することを特徴とする内視鏡の可撓管部を提供する。
【0010】
また本発明は目的を達成するために、前記に記載の内視鏡の可撓管部を有する内視鏡を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、直線状態の可撓管部に荷重を加えても可撓管部の撓み量が小さく、撓んだ状態の可撓管部に荷重を加えると可撓管部の撓み量が大きくなる内視鏡の可撓管部と、この可撓管部を有する内視鏡とを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明に係る内視鏡の概略図である。
【図2】図2は、可撓管部の3層構造を示す図である。
【図3A】図3Aは、初張力が付与された螺旋管(密着巻き部)を示す図である。
【図3B】図3Bは、初張力の計測方法を示す図である。
【図3C】図3Cは、帯状の薄板素材が螺旋形状に成形されることで形成される一般的な螺旋管を示す図である。
【図3D】図3Dは、図3Aに示す状態から初張力以上の荷重が加わり密着巻き部が撓んでいる状態を示す図である。
【図4】図4は、密着巻き部と一般的な螺旋管とにおける、荷重と撓み量との関係を示す図である。
【図5A】図5Aは、直線状態における螺旋管の長さと疎巻き部の長さと密着巻き部の長さとの関係を示す図である。
【図5B】図5Bは、曲がった状態における螺旋管の長さと疎巻き部の長さと密着巻き部の長さとの関係を示す図である。
【図6A】図6Aは、密着巻き部と疎巻き部との配列における第1の変形例を示す図である。
【図6B】図6Bは、密着巻き部と疎巻き部との配列における第2の変形例を示す図である。
【図6C】図6Cは、密着巻き部の巻き数の変化を示す図である。
【図7A】図7Aは、密着巻き部における素線の断面形状の第1の変形例を示す図である。
【図7B】図7Bは、密着巻き部における素線の断面形状の第2の変形例を示す図である。
【図7C】図7Cは、密着巻き部における素線の断面形状の第3の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1と図2と図3Aと図3Bと図3Cと図3Dと図4と図5Aと図5Bとを参照して第1の実施形態について説明する。
図1に示すように内視鏡1は、患者の体腔内等に挿入される細長い挿入部10と、挿入部10の基端部と連結し、内視鏡1を操作する操作部60とを有している。
【0014】
挿入部10は、挿入部10の先端部側から挿入部10の基端部側に向かって、先端硬質部21と、湾曲部23と、可撓管部25とを有している。先端硬質部21の基端部は湾曲部23の先端部と連結し、湾曲部23の基端部は可撓管部25の先端部と連結している。
【0015】
先端硬質部21は、挿入部10の先端部であり、硬く、曲がらない。
湾曲部23は、後述する湾曲操作部67の操作によって、例えば上下左右といった所望の方向に湾曲する。湾曲部23が湾曲することにより、先端硬質部21の位置と向きとが変わり、観察対象物が観察視野内に捉えられ、照明光が観察対象物に照明される。
可撓管部25は、所望な可撓性を有している。よって可撓管部25は、外力によって曲がる。可撓管部25は、操作部60における後述する本体部61から延出されている管状部材である。可撓管部25の構造については、後述する。
【0016】
操作部60は、可撓管部25が延出している本体部61と、本体部61の基端部と連結し、内視鏡1を操作する操作者によって把持される把持部63と、把持部63と接続しているユニバーサルコード65とを有している。
【0017】
把持部63は、湾曲部23を湾曲操作する湾曲操作部67を有している。湾曲操作部67は、湾曲部23を左右に湾曲操作させる左右湾曲操作ノブ67aと、湾曲部23を上下に湾曲操作させる上下湾曲操作ノブ67bと、湾曲した湾曲部23の位置を固定する固定ノブ67cとを有している。
【0018】
また、把持部63は、スイッチ部69を有している。スイッチ部69は、吸引スイッチ69aと、送気・送水スイッチ69bとを有している。スイッチ部69は、把持部63が操作者に把持された際に、操作者の手によって操作される。吸引スイッチ69aは、先端硬質部21に配設される図示しない吸引開口部から図示しない吸引チャンネルを介して、粘液や流体等を内視鏡1が吸引するときに操作される。送気・送水スイッチ69bは、先端硬質部21において図示しない撮像ユニットの観察視野を確保するために図示しない送気・送水チャンネルから流体を送気・送水するときに操作される。流体は、水や気体を含む。
【0019】
また、把持部63は、内視鏡撮影用の各種ボタン71を有している。
【0020】
ユニバーサルコード65は、図示しないビデオプロセッサや光源装置に接続する接続部65aを有している。
【0021】
次に図1と図2とを参照して、可撓管部25の構造について説明する。
可撓管部25は、例えば中空形状を有している。詳細には、図2に示すように可撓管部25は、例えば、螺旋管31と、この螺旋管31の外側に配設され、螺旋管31に積層する網状の網状管41と、この網状管41の外側に配設され、網状管41に積層する外皮51とを有している。網状管41は螺旋管31を覆い、外皮51は網状管41を覆う。
このように可撓管部25は螺旋管31と網状管41と外皮51とによって構成されており、可撓管部25はこれらによって3層構造を有することとなる。可撓管部25の直径は、例えば12mmとなっている。
【0022】
本実施形態の螺旋管31は、弾性力を有する螺旋状の弾性管部材である。螺旋管31は、図2と図3Aとに示すように、初張力が付与された密着巻き部32と、密着巻き部32の両端に配設されている疎巻き部33とによって形成されている。螺旋管31が弾性力を有しているため、密着巻き部32は例えば密着コイルバネとして構成され、疎巻き部33は例えば疎巻きコイルバネとして構成されている。密着巻き部32は例えば密着コイルであり、疎巻き部33は例えば疎巻きコイルである。
【0023】
図2と図3Aとに示すように、密着巻き部32は、先端部32aと基端部32bとを有している。この先端部32aは一方の疎巻き部33aと連接しており、この基端部32bは他方の疎巻き部33bと連接している。このように密着巻き部32は、螺旋管31の軸方向において、疎巻き部33によって挟持されており、先端部32aと基端部32bとにおいて疎巻き部33と隣接している。よって、本実施形態では、螺旋管31の軸方向において、螺旋管31(可撓管部25)の先端部31gから螺旋管31(可撓管部25)の基端部31hに向かって、疎巻き部33a、密着巻き部32、疎巻き部33bの順で、螺旋管31が形成されている。
【0024】
密着巻き部32と疎巻き部33とは、螺旋状の素線31bによって形成される螺旋状の線材である。密着巻き部32と疎巻き部33とは、1本の同じ素線31bによって形成されており、一体である。
【0025】
次に初張力について説明する。
初張力は、無荷重時において、密着巻き部32の軸方向において密着巻き部32の素線31bを互いに密着させる方向に働く力を示す。言い換えると、初張力は、無荷重時において密着巻き部32に外力がかかっても、密着巻き部32が撓まずに直線状態を維持する力を示す。よって無荷重時において密着巻き部32に外力がかかった際、素線31b同士は軸方向において初張力によって互いに密着し、密着巻き部32は初張力によって撓まない。
【0026】
このような初張力は、密着巻き部32が形成される際に、図3Aに示すように密着巻き部32の先端部32a側と密着巻き部32の基端部32b側とから密着巻き部32の軸方向に沿って密着巻き部32の中心に向かって密着巻き部32に付与される。初張力は、密着巻き部32の軸方向において、例えば先端部32aから基端部32bにまで付与されている。このとき初張力Aは、例えば0N<A≦25Nとなっている。このような密着巻き部32の初張力は、例えば素線31bが螺旋状に巻かれる際の巻き付け方向によって調整することができる。
【0027】
初張力が測定されるためには、図3Bに示すように、フック部35が密着巻き部32の基端部32bに配設される。このフック部35には、デジタルフォースゲージなどの計測器37が引っかかる。密着巻き部32の先端部32aが固定され、計測器37はフック部35を介して密着巻き部32を密着巻き部32の軸方向に沿って引っ張る。そして密着巻き部32が引っ張られ軸方向に伸びた際(素線31b同士が離れた際)の荷重を、計測器37は計測する。この計測された荷重が初張力となる。
【0028】
なお一般的な螺旋管131は、図3Cに示すように、例えばステンレス鋼材製の帯状の薄板素材が螺旋形状に成形されることで、略円管状に形成されている。このような螺旋管131は、例えば薄肉金属螺旋管である。
【0029】
また、螺旋管131の径方向に荷重が加わることで、螺旋管131は撓む。このとき、螺旋管131において、荷重と撓み量(変形量)とは比例しており、荷重が大きいほど、撓み量は大きくなる。なお同じ荷重では、撓み量は、螺旋管131の剛性が小さいほど、大きくなる。言い換えると、図4に示すように、同じ荷重では、剛性が小さい螺旋管131aの撓み量は、剛性が大きい螺旋管131bの撓み量よりも大きい。
【0030】
図3Dと図4とに示すように、密着巻き部32は、初張力以上の荷重(以下、荷重Aと称する)が加わることで、密着巻き部32のバネ定数に応じて初めて撓む。この荷重は、例えば可撓管部25が大腸内に挿入されて大腸におけるS状結腸のような屈曲部に当接した時に腸から受ける外圧などを示す。
【0031】
また本実施形態の密着巻き部32は、螺旋管131の剛性よりも低いバネ定数を有しており、このバネ定数に応じて撓む。
【0032】
次に、密着巻き部32と螺旋管131との撓みについて詳細に説明する。
前記したように、及び図3Aと図4とに示すように、密着巻き部32は、無荷重時においては初張力によって撓まない。また図3Aと図4とに示すように、密着巻き部32の径方向に初張力以下の荷重(以下、荷重Bと称する)が密着巻き部32に加わっても、素線31b同士が初張力によって密着しているために、密着巻き部32は撓まない。つまり撓み量は0である。このように密着巻き部32は、無荷重時及び荷重Bにおいて略直線状態を維持する。
【0033】
また図3Dと図4とに示すように、密着巻き部32の径方向に荷重Aが密着巻き部32に加わると、素線31b同士は離れ、密着巻き部32は初めて撓む。つまり撓み量は0以上となる。言い換えると、荷重Aが密着巻き部32に加わらなければ、密着巻き部32は初張力によって撓まない。
【0034】
また荷重Aが密着巻き部32に加わると、図4に示すように、密着巻き部32は螺旋管131の剛性よりも低い密着巻き部32のバネ定数に比例して撓む。
【0035】
そして密着巻き部32は、荷重Aの中の所定の荷重(以下荷重C1,C2と称する)以上では、同じ荷重であれば前記した図3Cに示す螺旋管131よりも大きく撓む。なお荷重C2は、荷重C1よりも大きいものとする。
【0036】
例えば荷重C1以上の荷重が密着巻き部32と剛性が大きい螺旋管131bとに加わると、同じ荷重では、密着巻き部32は、剛性が大きい螺旋管131bよりも大きく撓む。言い換えると、荷重C1以上の荷重が密着巻き部32と剛性が大きい螺旋管131bとに加わり、密着巻き部32の撓み量と剛性が大きい螺旋管131bの撓み量とが同じ場合、密着巻き部32に加わる荷重は、剛性が大きい螺旋管131bに加わる荷重よりも小さくなる。
【0037】
また例えば荷重C2以上の荷重が密着巻き部32と剛性が小さい螺旋管131aとに加わると、同じ荷重では、密着巻き部32は、剛性が小さい螺旋管131aよりも大きく撓む。言い換えると、荷重C2以上の荷重が密着巻き部32と剛性が小さい螺旋管131aとに加わり、密着巻き部32の撓み量と剛性が小さい螺旋管131aの撓み量とが同じ場合、密着巻き部32に加わる荷重は、剛性が小さい螺旋管131aに加わる荷重よりも小さくなる。
【0038】
なお本実施形態では初張力以上荷重C2以下の荷重が密着巻き部32に加わると、手元側の操作力量が可撓管部25の先端部側に伝わり、可撓管部25が体腔内に挿入しやすくなるのに十分な程度に密着巻き部32は微小に撓む。
【0039】
なお前記において、密着巻き部32の撓みについて述べたが、この点は、密着巻き部32を有する可撓管部25の撓みについても適用される。
【0040】
密着巻き部32は、例えばSUS304などの金属によって形成されている。密着巻き部32の素線31bの断面は、図2と図3Aとに示すように、例えば矩形形状を有している。このとき、素線31bの四隅は、微小なRを有していることが好適である。密着巻き部32の直径は例えば10mmであり、密着巻き部32における素線31bの厚みは例えば0.3mmである。また密着巻き部32の素線31bの断面において、密着巻き部32の軸方向における断面の長さは、それぞれ同一となっている。
【0041】
図2と図3Aとに示すように、密着巻き部32は、螺旋管31の軸方向において隣り合う素線31b同士が前記した初張力によって隙間がなくなるように互いに密着することによって、形成されている。つまり密着巻き部32において、素線31b同士は、螺旋管31の軸方向において接している。
【0042】
図2に示すように、疎巻き部33は、螺旋管31の軸方向において隙間が配設されるように、螺旋管31の軸方向において素線31b同士が互いに離れて配設されることによって、形成されている。つまり疎巻き部33において、素線31b同士は螺旋管31の軸方向において接していない。
【0043】
図2に示すように、疎巻き部33は、本実施形態では前記したように、螺旋管31(可撓管部25)の先端を含む先端部31gと、螺旋管31(可撓管部25)の基端を含む基端部31hとに配設されている。先端に配設されている一方の疎巻き部33aは湾曲部23と連結し、基端に配設されている他方の疎巻き部33bは本体部61と連結している。
【0044】
ここで図5Aに示すように、直線状態の螺旋管31の軸方向において、密着巻き部32の中心軸の長さをL1、一方の疎巻き部33aの中心軸の長さをL2、他方の疎巻き部33bの中心軸の長さをL3とし、螺旋管31の中心軸の長さをL4とする。
このとき、L4=L1+L2+L3 ・・・式(1) となる。
【0045】
一般的に外皮51の中心軸の長さは、外皮51が直線状態であっても曲がった状態であっても、不変であり、同一である。よって、外皮51によって覆われている螺旋管31の中心軸の長さも、螺旋管31が直線状態であっても曲がった状態であっても、不変であり、同一となる必要がある。
【0046】
図5Bに示すように、螺旋管31が曲がると、密着巻き部32が直線状態のときに比べて、密着巻き部32の中心軸上に配設されている素線31b同士は離れる。よって、密着巻き部32の中心軸の長さは、ΔT1伸びる。つまり螺旋管31が曲がっている際、密着巻き部32の中心軸の長さは、L1+ΔT1 となる。
【0047】
このままだと、螺旋管31の中心軸の長さは、螺旋管31が直線状態と曲がった状態とにおいて、ΔT1によって、異なることとなる。しかし、本実施形態では、疎巻き部33が配設されている。
【0048】
図5Bに示すように、螺旋管31が曲がる際、一方の疎巻き部33aが直線状態のときに比べて、一方の疎巻き部33aの中心軸上に配設されている素線31b同士は近づく。言い換えると、一方の疎巻き部33aにおいて、素線31b同士の間に配設されている隙間が狭まる。よって、一方の疎巻き部33aの中心軸の長さは、一方の疎巻き部33aが直線状態のときに比べてΔT2縮む。つまり螺旋管31が曲がる際、一方の疎巻き部33aの中心軸の長さは、L2−ΔT2 となる。
【0049】
また図5Bに示すように、螺旋管31が曲がる際、他方の疎巻き部33bが直線状態のときに比べて、他方の疎巻き部33bの中心軸上に配設されている疎巻き部33の素線31b同士は近づく。言い換えると、他方の疎巻き部33bにおいて、素線31b同士の間に配設されている隙間が狭まる。よって他方の疎巻き部33bの中心軸の長さは、他方の疎巻き部33bが直線状態のときに比べてΔT3縮む。つまり螺旋管31が曲がる際、他方の疎巻き部33bの中心軸の長さは、L3−Δ3 となる。
【0050】
このとき図5Bに示すように、曲がっている螺旋管31の中心軸の長さをL5すると、
L5=L1+ΔT1+L2−ΔT2+L3−ΔT3 ・・・式(2)となる。
【0051】
ここで、前記したように、螺旋管31の中心軸の長さは、螺旋管31が直線状態であっても曲がっている状態であっても、不変であり、同一となる必要がある。
つまりL4=L5 ・・・式(3)となる必要がある。
式(3)に、それぞれ前記した式(1),(2)を代入すると、
L1+L2+L3=L1+ΔT1+L2−ΔT2+L3−ΔT3 となり、
ΔT1=ΔT2+ΔT3・・・式(4)となる。
式(4)を言い換えると、
密着巻き部32の伸び量 = 一方の疎巻き部33aの縮み量 + 他方の疎巻き部33bの縮み量、 となる。
【0052】
このように密着巻き部32の伸び量は疎巻き部33の縮み量と等しくなり、密着巻き部32が伸びた量だけ疎巻き部33は縮む。つまり疎巻き部33は、可撓管部25が曲がる際、螺旋管31の軸方向における密着巻き部32の中心軸の伸びに伴う螺旋管31の中心軸の伸びを、吸収することとなる。言い換えると、疎巻き部33は、螺旋管31の中心軸の伸びを相殺することとなる。これにより疎巻き部33は、密着巻き部32の特性を維持した状態で、可撓管部25を滑らかに曲げさせることとなる。
【0053】
網状管41は、例えばステンレス鋼材製の複数の素線が束にされた素線束が略円管状に編み込まれることで、形成される。網状管41において、素線束同士は、交差され、格子状となっている。
【0054】
また外皮51は、例えばゴム材などのフレキシブル性を有する樹脂材により網状管41の外側を覆うように略円管状に形成されている。
【0055】
次に本実施形態の動作方法について説明する。
図2に示すように、螺旋管31は、初張力が付与された密着巻き部32と、疎巻き部33とによって形成されている。可撓管部25は、このような螺旋管31を有している。
【0056】
このため可撓管部25が体腔内に挿入されて直線状態の場合、図4に示すように、初張力以下の荷重、つまり荷重Bが可撓管部25に加わっても、可撓管部25は撓まず直線状態を維持する。これにより撓み量は0となり、手元側の操作力量は可撓管部25の先端部(螺旋管31の先端部31g)側に伝わり、可撓管部25は体腔内に挿入しやすくなる。つまり可撓管部25は、荷重Bにおいて直線状態を維持でき撓まずに体腔内に挿入される。
【0057】
なお初張力以上荷重C1以下の荷重が可撓管部25に加わっても、可撓管部25は螺旋管131を有する可撓管部よりも撓みが小さい。このため、螺旋管131を有する可撓管部と比較して、手元側の操作力量が可撓管部25の先端部側に伝わり、可撓管部25が体腔内に挿入しやすくなる。
【0058】
また可撓管部25が体腔内に挿入され、初張力以上荷重C1以下の荷重によって可撓管部25が撓んでいる場合、この状態に、荷重C1以上の荷重(例えば荷重C2)が可撓管部25にさらに加わることで、図4に示すように、撓んでいる可撓管部25は螺旋管131bを有する可撓管部よりも大きく撓む。
また可撓管部25が体腔内に挿入され、初張力以上荷重C2以下の荷重によって可撓管部25が撓んでいる場合、この状態に、荷重C2以上の荷重が可撓管部25にさらに加わることで、図4に示すように、撓んでいる可撓管部25は螺旋管131aを有する可撓管部よりも大きく撓む。
【0059】
このためすでに撓んでいる可撓管部25が荷重C2以上の荷重を受けて体腔内にてさらに撓む場合、密着巻き部32を有する可撓管部25は、同じ荷重では、大腸の屈曲部に当接しても腸に強いテンションを与えず、患者に負担をかけることはない。さらに、このとき密着巻き部32を有する可撓管部25は、螺旋管131を有する可撓管部よりも大きく撓む。またこのとき、密着巻き部32を有する可撓管部25は、同じ撓み量では、螺旋管131を有する可撓管部よりも少ない荷重で撓む。このように可撓管部25の操作は、扱いやすくなる。
【0060】
また可撓管部25が曲がる際、疎巻き部33は、螺旋管31の軸方向における密着巻き部32の中心軸の伸びに伴う螺旋管31の中心軸の伸びを、吸収する。これにより可撓管部25は、疎巻き部33によって、密着巻き部32の特性が維持された状態で、滑らかに曲がる。
【0061】
このように本実施形態では、初張力が付与された密着巻き部32によって螺旋管31が形成されることで、直線状態の可撓管部25に荷重を加えても可撓管部25の撓み量を0または小さくでき、撓んだ状態の可撓管部25に荷重をさらに加えると可撓管部25の撓み量を大きくできる。
【0062】
またこれにより本実施形態では、可撓管部25を直線状態または微小に撓んだ状態で容易に体腔内に挿入できる。よって本実施形態では、手元側の操作力量を可撓管部25の先端部側に確実且つ容易に伝えることができ、可撓管部25を体腔内に挿入しやすくできる。
また本実施形態では、撓み量を大きくするために、可撓管部25を大腸の屈曲部に強く当接させる必要がなく、体腔内において、腸に強いテンションを与えず、患者に負担をかけることない。また本実施形態では、可撓管部25の操作を扱いやすくできる。
【0063】
また本実施形態では、密着巻き部32が形成される際に、初張力が密着巻き部32に付与される。このため本実施形態では、密着巻き部32や可撓管部25が製造された後に初張力を付与するわけではないために、密着巻き部32や可撓管部25の製造の手間を減らすことができる。
【0064】
また本実施形態では、図5Bに示すように、可撓管部25が曲がる際、螺旋管31の軸方向における密着巻き部32の中心軸の伸びに伴う螺旋管31の中心軸の伸びを、疎巻き部33が吸収することとなる。よって本実施形態では、疎巻き部33によって、密着巻き部32の特性が維持された状態で、可撓管部25を滑らかに曲げることができる。
【0065】
また本実施形態では、疎巻き部33は、密着巻き部32と隣接している。よって本実施形態では、密着巻き部32の伸びを直ぐに疎巻き部33によって吸収することができる。
【0066】
また本実施形態では、図2に示すように、疎巻き部33は、螺旋管31(可撓管部25)の先端を含む先端部31gと螺旋管31(可撓管部25)の基端を含む基端部31hとに配設されている。よって本実施形態では、密着巻き部32の伸びが湾曲部23に影響することを一方の疎巻き部33aによって防止でき、密着巻き部32の伸びが本体部61に影響することを他方の疎巻き部33bによって防止できる。
【0067】
なお本実施形態では、図2に示すように、疎巻き部33は、密着巻き部32の両端に配設されている。しかし、疎巻き部33の位置は、これに限定される必要は無い。疎巻き部33は、密着巻き部32の少なくとも一端に配設されていればよい。
【0068】
また本実施形態では、図2に示すように、疎巻き部33、密着巻き部32、疎巻き部33の順で、螺旋管31が形成されている。しかし、密着巻き部32と疎巻き部33との配列は、これに限定される必要は無い。
密着巻き部32と疎巻き部33との配列における第1の変形例として、図6Aに示すように、例えば、疎巻き部33、密着巻き部32、疎巻き部33、密着巻き部32の順で、螺旋管31が形成されていてもよい。
また密着巻き部32と疎巻き部33との配列における第2の変形例として、図6Bに示すように、例えば疎巻き部33、密着巻き部32、疎巻き部33、密着巻き部32、疎巻き部33の順で、螺旋管31が形成されていてもよい。
【0069】
このように、密着巻き部32と疎巻き部33とは、螺旋管31の軸方向に沿って交互に配設されていればよい。このとき、疎巻き部33と密着巻き部32との数は、交互に配設されていれば、特に限定されない。これにより本実施形態では、密着巻き部32が多岐に渡って配設されるため、可撓管部25をより柔軟に曲げることができ、可撓管部25の曲げ具合を調整することができる。
【0070】
また疎巻き部33は、図2に示すように、螺旋管31(可撓管部25)の先端を含む先端部31gと、螺旋管31(可撓管部25)の基端を含む基端部31hとに配設されているが、これに限定する必要は無い。疎巻き部33は、例えば、螺旋管31の先端部31gと螺旋管31の基端部31hとの少なくとも一方に配設されていればよい。このように可撓管部25は、螺旋管31の先端部31gと基端部31hとの少なくとも一方に配設されている疎巻き部33を有している。
【0071】
また本実施形態の可撓管部25は、螺旋管31(密着巻き部32と疎巻き部33)と網状管41と外皮51とによって形成されており、3層構造を有している。しかし、可撓管部25の構造は、これに限定する必要はない。可撓管部25は、初張力が例えば密着巻き部32の全体に付与された密着巻き部32と、疎巻き部33とを少なくとも有していればよい。
【0072】
また本実施形態では、初張力は、密着巻き部32の全体に付与されているが、これに限定する必要は無い。初張力は、密着巻き部32の少なくとも一部に付与されていても良い。そして、螺旋管31は、初張力が少なくとも一部に付与された密着巻き部32と、疎巻き部33とによって形成されてもよい。また可撓管部25は、このような螺旋管31を少なくとも有していればよい。
【0073】
また本実施形態では、初張力は、先端部32aから基端部32bまで連続して付与されている。しかし、これに限定する必要は無い。初張力は、例えば先端部32aと基端部32bとに付与されており、先端部32aと基端部32bとの間には付与されていなくてもよい。このように初張力は、不連続で付与されていてもよい。なおこの場合、それぞれの初張力は、例えば略同一となっている。
【0074】
また本実施形態の初張力の大きさは、密着巻き部32の軸方向において、変化していてもよい。例えば密着巻き部32の基端部32b側に付与される初張力は、先端部32a側に付与される初張力よりも大きい。この場合、初張力は、密着巻き部32の先端部32a側から密着巻き部32の基端部32b側の所望な部位までは小さく、所望な部位から密着巻き部32の基端部32b側まで大きくなっている。または初張力は、先端部32a側から基端部32b側に向かって徐々に連続して大きくなってもよい。
【0075】
このため先端部32a側は軟性部として形成され、先端部32a側の剛性は小さい。また基端部32b側は硬性部として形成され、基端部32b側の剛性は大きい。
【0076】
このように本実施形態では、先端部32a側が軟性部として形成されることで、先端部32a側が大腸の屈曲部に当接しても腸に強いテンションを与えることなく、先端部32a側を腸に倣って挿入することができ、容易に先端部32a側を体腔内に挿入することができ、患者への負担を減らすことができる。
【0077】
また本実施形態では、基端部32b側が硬性部として形成されることで、手元側の操作力量を可撓管部25に加えても、つまり操作者が力(荷重)を可撓管部25に加えても、可撓管部25が簡単に撓むことを防止でき、手元側の操作力量を先端部32aに容易に伝えることができ、可撓管部25を容易に体腔内に挿入できる。
【0078】
なお本実施形態では、初張力が基端部32b側にのみ付与されていれば、前記した効果を得ることができる。このとき例えば、初張力が、先端部32aに付与されておらず、基端部32b側に付与されている場合、基端部32b側に付与されている初張力の大きさは、基端部32b側全体に渡って均一であってもよいし、基端部32bにむかって徐々に大きくなっていてもよい。
【0079】
また前記したように初張力は、不連続で付与されていてもよい。このとき、先端部32a側に付与される初張力は基端部32b側に付与される初張力よりも小さい。さらに先端部32a側に付与される初張力の大きさは前記したように基端部32bにむかって徐々に大きくなり、基端部32b側に付与される初張力は前記したように基端部32bにむかって徐々に大きくなる。このとき先端部32a側に付与される最も大きい初張力は、基端部32b側に付与される最も小さい初張力よりも、例えば小さい。
【0080】
このように初張力の大きさは、密着巻き部32の軸方向において、同一または異なっている。言い換えると、密着巻き部32は、それぞれが均一の初張力、またはそれぞれが異なる複数の初張力を有している。これにより、本実施形態では、可撓管部25の使用用途に応じて、可撓管部25の硬さや弾発性を自在に調整でき、可撓管部25の操作性を自在に調整できる。
【0081】
なお前記した初張力の変化は、図6Aに示すように1つの密着巻き部32において、適用されていてもよいし、図6Bに示すように複数の密着巻き部32において適用されていても良い。複数の密着巻き部32が配設されている場合、先端部31g側の密着巻き部32に付与されている初張力と、基端部31h側の密着巻き部32に付与されている初張力とは、同一であっても良いし異なっていても良い。また初張力が異なっている場合、先端部31g側の密着巻き部32の先端部32aから基端部31h側の密着巻き部32の基端部32bに向かって、初張力は、徐々に大きくなっていても良い。このように初張力の付与状態は、初張力が密着巻き部32の少なくとも一部に付与されていれば、特に限定されない。
【0082】
また本実施形態では、図2に示すように、密着巻き部32の素線31bの断面において、密着巻き部32の軸方向における断面の長さは、それぞれ同一となっているがこれに限定する必要はない。例えば、密着巻き部32の軸方向における密着巻き部32の素線31bの断面形状は、密着巻き部32の軸方向において変化していてもよい。この変化とは、例えば、密着巻き部32の軸方向において、素線31bの径方向の長さに相当する素線31bの板厚と、素線31bの板幅に相当する長さとの少なくとも一方が変化していることを示す。この変化とは、例えば、螺旋管31の先端部31g側に配設されている密着巻き部32の板幅が、螺旋管31の基端部31h側に配設されている密着巻き部32の板幅よりも短いことを示す。またこの変化とは、例えば、1つの密着巻き部32において、先端部31g側の板幅が、基端部31h側の板幅よりも短いことを示す。これにより本実施形態では、可撓管部25をより柔軟に曲げることができ、可撓管部25の曲げ具合を調整することができる。このように密着巻き部32の素線31bの断面において、密着巻き部32の軸方向における断面の長さは、同一または異なっていてもよい。
【0083】
また本実施形態では、密着巻き部32の巻き数は、変化していても良い。例えば図6Cに示すように、螺旋管31の先端部31g側に配設されている密着巻き部321aの巻き数は3巻き、この密着巻き部321aよりも螺旋管31の基端部31h側に配設されている密着巻き部321bの巻き数は5巻き、密着巻き部321bよりも螺旋管31の基端部31h側に配設されている密着巻き部321cの巻き数は7巻きとなっている。巻き数の変化は、前記した初張力の変化と略同様である。
【0084】
これにより、本実施形態では、螺旋管31の可撓性を変化させることができ、可撓性の自由度を向上でき、多様な可撓性を有する可撓管部25を提供できる。
【0085】
なお本実施形態では、密着巻き部32の巻き数が変化しているが、これに限定させる必要は無く、疎巻き部33の巻き数が変化していても良い。このように密着巻き部32と疎巻き部33との少なくとも一方の巻き数は、軸方向において変化していればよい。
【0086】
また本実施形態では、螺旋管31の可撓性を変化させることができれば、前記に限定される必要は無い。例えば、密着巻き部32の外径が変化していても良い。例えば、密着巻き部321bの外径は密着巻き部321aの外径よりも大きく、密着巻き部321cの外径は密着巻き部321bの外径よりも大きい。また例えば密着巻き部321aの外径は、螺旋管31の軸方向において、先端部31gから基端部31hに向かって例えば大きくなるように変化していてもよい。外径の変化は、前記した初張力の変化と略同様である。
【0087】
なお本実施形態では、密着巻き部32の外径が変化しているが、これに限定させる必要は無く、疎巻き部33の外径が変化していても良い。このように密着巻き部32と疎巻き部33との少なくとも一方の外径は、螺旋管31の軸方向において、変化していればよい。
【0088】
なお本実施形態では、密着巻き部32の素線31bの断面形状の第1の変形例として、図7Aに示すように密着巻き部32の素線31bの断面は、長円形状を有していてもよい。これにより本変形例では、素線31bの断面がR形状を有しているため、断面が矩形形状を有している場合と比較して素線31bが螺旋状に巻かれる際の巻き付け角度を鈍角にできる。よって本変形例では、より強い初張力を密着巻き部32に付与できる。また本変形例では、断面が長円形状を有することで、素線31b同士が互いに点接触になり、素線31b同士の接触面積が少なくなる。よって本変形例では、素線31b同士の摩擦が低減し、密着巻き部32がスムーズに曲がることができる。
【0089】
また本実施形態では、密着巻き部32の素線31bの断面形状の第2の変形例として、図7Bに示すように、密着巻き部32の素線31bの断面は円形状を有していてもよい。これにより本変形例では、素線31bの断面はエッジを有していないため、曲率の小さなRに湾曲させた時に、素線31b同士が径方向において互いに乗り上げることが防止される。
【0090】
また本実施形態では、密着巻き部32の素線31bの断面形状の第3の変形例として、図7Cに示すように、密着巻き部32の素線31bの断面は楕円形状を有していてもよい。これにより本変形例では、素線31bを径方向に大きくすること無く、素線31bの潰れ耐性を向上できる。
【0091】
なお前記を鑑みて、密着巻き部32の素線31bの断面は、例えば、矩形形状と長円形状と円形状と楕円形状との少なくとも1つを有していればよい。
【0092】
このとき前記した密着巻き部32の軸方向における断面の長さは、素線31bの断面が矩形形状と長円形状と楕円形状とのいずれかを有する場合、前記したように密着巻き部32において、素線31bの板厚に相当する長さと、例えば素線31bの板幅に相当する長さとの少なくとも一方を示す。また素線31bの断面が円形状を有する場合、例えば素線31bの線径を示す。
【0093】
また内視鏡1は、医療用に用いられても工業用に用いられても良い。
【0094】
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
【符号の説明】
【0095】
1…内視鏡、10…挿入部、21…先端硬質部、23…湾曲部、25…可撓管部、31…螺旋管、31b…素線、32…密着巻き部、33…疎巻き部、41…網状管、51…外皮、131…一般的な螺旋管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
螺旋管を有する内視鏡の可撓管部であって、
前記螺旋管は、
初張力が少なくとも一部に付与された密着巻き部と、
前記密着巻き部の少なくとも一端に配設されている疎巻き部と、
を具備することを特徴とする内視鏡の可撓管部。
【請求項2】
前記密着巻き部と前記疎巻き部は、前記螺旋管の軸方向に沿って交互に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の可撓管部。
【請求項3】
前記密着巻き部と前記疎巻き部の少なくとも一方の巻き数は、軸方向において変化していることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡の可撓管部。
【請求項4】
前記密着巻き部と前記疎巻き部の少なくとも一方の外径は、前記螺旋管の軸方向において、変化していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の内視鏡の可撓管部。
【請求項5】
前記疎巻き部は、前記螺旋管の先端と前記螺旋管の基端との少なくとも一端に配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の内視鏡の可撓管部。
【請求項6】
前記初張力の大きさは、前記密着巻き部の軸方向において、変化していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の内視鏡の可撓管部。
【請求項7】
前記密着巻き部の軸方向における前記密着巻き部の素線の断面形状は、前記密着巻き部の軸方向において変化していることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の可撓管部。
【請求項8】
前記密着巻き部の素線は、矩形形状と長円形状と円形状と楕円形状との少なくとも1つを有していることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の可撓管部。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の内視鏡の可撓管部を有する内視鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【公開番号】特開2013−97327(P2013−97327A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242704(P2011−242704)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】