説明

内視鏡湾曲部

【課題】湾曲駒の連結体の外周面にブレードを設けなくても、各湾曲駒の間に外皮が挟み込まれない構造を有する内視鏡湾曲部を提供することにある。
【解決手段】内視鏡1の挿入方向に並設した円環状の湾曲駒8を回動可能に連結し、湾曲駒8の連結体の外周面が柔軟性のある外皮10で被覆れた内部構造を有する湾曲部5において、湾曲駒8の外周面端部13に傾斜面14を設けることで、外皮10が湾曲駒8の角部15に引っかかりにくくなる。このため、外皮10が摺動しやすくなり、ブレードを設けなくても各湾曲駒の間に外皮が挟み込まれない構造を有する内視鏡湾曲部を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は軟性の内視鏡の挿入部の一部を構成する内視鏡湾曲部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、体腔内に挿入される可撓性のある挿入部の一部に湾曲部が配設されている軟性の内視鏡が開示されている。この種の内視鏡の湾曲部には、管状体である湾曲駒が挿入部の軸方向に複数個並設され、それぞれ湾曲駒は間に接続ピンを介して回動自在に連結され、湾曲可能となっている。これら湾曲駒の連結体の外周面には金網等によって形成されたブレードを設け、ブレードの外周面は柔軟性のある外皮で被覆されている。また、湾曲駒の連結体の外周面を直接外皮で被覆した内視鏡湾曲部も開示されている。
【0003】
一般にこの外皮の内径は、外皮装着後の弛み防止のため、湾曲駒あるいはブレードの外径よりも小さくなっている。そのため、外皮と湾曲駒あるいはブレードが張り付いてしまい、外皮が摺動しにくくなる。そこで、特許文献1記載の内視鏡湾曲部では、外皮の内周面に凹凸を形成することで、外皮とブレードとの間に隙間を生じさせ、外皮がブレードに貼り付くのを防止することができるようにしている。
【特許文献1】特開2002−224019号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1で開示された湾曲駒の連結体の外周面にブレードを設けた湾曲部を有する内視鏡では、ブレードを設けたため、湾曲部の構造が複雑化され、コストがかかる。しかし、ブレードを設けない構造として外皮の内周面に凹凸を形成しても、外皮の内径は湾曲駒の外径より小さいため、湾曲駒によって広げられた径を元に戻そうと縮む力によって、各湾曲駒の間に外皮が入り込む。そのため、湾曲部を湾曲させた際に、各湾曲駒の間に外皮が挟み込まれる可能性が高くなる。その結果、所望の湾曲角度が得られないという問題が生じ、内視鏡で観察したい箇所を観察できず、内視鏡の性能は低下する。
【0005】
本発明は上記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、湾曲駒の連結体の外周面にブレードを設けなくても、各湾曲駒の間に外皮が挟み込まれない構造を有する内視鏡湾曲部を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、
内視鏡の挿入方向に並設した複数の円環状の湾曲駒を回動可能に連結し、前記湾曲駒の連結体の外周面が柔軟性のある外皮に被覆された内部構造を有する内視鏡湾曲部であって、
前記湾曲駒の外周面端部は端部に向かって前記湾曲駒の外径が減少する傾斜部を有し、
前記外皮は前記傾斜面と摺動可能に接していることを特徴とする内視鏡湾曲部を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、湾曲駒の連結体の外周面にブレードを設けなくても、各湾曲駒の間に外皮が挟み込まれない構造を有する内視鏡湾曲部を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図3(a)〜(f)を参照して説明する。
【0009】
図1は内視鏡1全体の構成を示す図である。内視鏡1は体腔内に挿入する細長い挿入部2と、この挿入部2の基端側に接続された操作部3とを有する。挿入部2は、細長く可撓性を有する可撓管部4と、この可撓管部4の先端側に接続された湾曲部5と、この湾曲部5の先端側に接続された先端部6から構成されている。操作部3には湾曲部5の湾曲操作を行う操作ノブ7が設けられている。
【0010】
図2は湾曲部5の内部構造を示す図である。湾曲部5は管状となっており、その内部では、複数の円環状の湾曲駒8が挿入部2の長手方向に並設されている。湾曲駒8はステンレス等の金属材料によってプレス加工や切削加工等により成型される。各湾曲駒8は連結ピン9等を介してそれぞれが回動可能に順次連結されている。この各湾曲駒8の連結体の外周面にはゴム材等の柔軟性のある外皮10で被覆されている。
【0011】
図3(a)は本実施形態の湾曲部5の湾曲駒8と外皮10を示す断面図である。前述したように、湾曲部5の内部には湾曲駒8が挿入部2の長手方向に並設されており、湾曲駒8の連結体の外周面は外皮10が被せられている。湾曲駒8の外径よりも外皮10の内径のほうが小さいため、外皮10を各湾曲駒8の連結体に装着する際、湾曲駒8によって広げられた外皮10の内径を基に戻そうと径方向に縮む力が働く。この縮む力により湾曲駒8と外皮10は固定される。一方、各湾曲駒8の間では、縮む力によって湾曲駒8の外径より内側に外皮10が入り込んでいる。
【0012】
図3(b)は本実施形態の湾曲駒8の外周面端部13を示す拡大図である。図3(c)は図3(a)のXの範囲を示す拡大図である。図3(b)及び(c)に示すように、各湾曲駒8の外周面中央部には外方向に向けて複数の突起12が突設されている。突起12は湾曲駒8の周方向に並設している。また、湾曲駒8の外径よりも外皮10の内径のほうが小さくなっており、外皮10の内周面には上記突起12と対応する位置に突起12と対応する形状の凹部11が設けられている。突起12と凹部11が嵌合することによって外皮10が湾曲駒8に固定される。突起12と凹部11の嵌合部で湾曲駒8と外皮10が固定されることによって、湾曲部5を湾曲させた時に湾曲駒8と外皮10の相対位置がずれるのを防止することができる。突起12と凹部11の嵌合部以外では外皮10は摺動可能となっている。なお、突起12は湾曲駒8の外周面中央部において、湾曲駒8の周方向に連続しているリング状の構造としてもよい。
【0013】
また、外皮10は柔軟性があるため、必ずしも外皮10の内周面に突起12と嵌合する凹部11を設けなくてもよい。この場合は、湾曲駒8の外径よりも外皮10の内径のほうが小さく設定されているので、外皮10を湾曲駒8に被覆した際に、突起12によって外皮10は弾性変形し、外皮10の内周面に突起12が食い込む状態で圧接される。したがって、凹部11を設けなくても、突起12と外皮10が接触する部分で湾曲駒8と外皮10は固定される。ここで、突起12は湾曲駒8の外周面に湾曲駒8とは別体の部材を結合剤によって取り付けるか鋳造等により湾曲駒と一体的に成形される構成にしてもよい。
【0014】
各湾曲駒8の外周面端部13では、図3(b)に示すように、平面状の傾斜面14が設けられている。ここで、湾曲駒8の外周面と傾斜面14によって形成される角部15の角度をθとすると、θ>90°となる。平面上の傾斜面14と接する部分では外皮10は摺動可能となっている。
【0015】
なお、外皮10の内周面に凹凸構造を設けてもよい。外皮10の内周面に凹凸構造を設けることで、湾曲駒8と外皮10の間に隙間ができる。このため、外皮10が湾曲駒8に貼り付くことがなく、外皮10は摺動しやすくなる。
【0016】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施形態において湾曲駒8に装着後の外皮10の弛み防止のため、湾曲駒8の外径より外皮10の内径のほうが小さい。そのため、湾曲駒8の外周面に突設された突起12が、外皮10の内周面の凹部11に嵌合することで、または外皮10の内周面に食い込む状態になることで、外皮10が湾曲駒8の外周面に固定されるとともに、湾曲駒8によって広げられた外皮10の内径を基に戻そうと径方向に縮む力が働く。この縮む力によって各湾曲駒8の間では、図3(a)に示すように、湾曲駒8の外径(外周面の位置)より内側に外皮10が入り込んでいる。
【0017】
湾曲部5を湾曲させた時の湾曲部ループの様子を図3(d)乃至(f)に示す。図3(d)は湾曲部5を湾曲させた時の湾曲駒8と外皮10を示す断面図である。図3(e)は図3(d)の湾曲部ループの内側におけるYの範囲を示す拡大図である。そして、図3(f)はさらに湾曲部5を湾曲させた時の図3(d)のYの範囲を示す拡大図である。
【0018】
湾曲部5を湾曲させると湾曲駒8は各湾曲駒8同士の接続部分を中心に回転し、湾曲した内側で湾曲駒8間の幅が狭くなる。湾曲駒8間の幅が狭くなった部分では、湾曲駒8の外周面の位置よりも内側に外皮10がさらに入り込む。このため、湾曲駒8間にある外皮10は行き場がなくなり、湾曲駒8間に挟まれそうになる。
【0019】
しかし、本実施形態では各湾曲駒8の外周面端部13には平面状の傾斜面14を設けている。平面状の傾斜面14を設けることで、湾曲駒8の外周面と傾斜面14によって形成される角部15の角度θが90°より大きくなるため、湾曲駒8と外皮10との引っ掛かりが少なくなる。この結果、外皮10の内周面は湾曲駒8の外周面端部13の平面状の傾斜面14と接する部分では摺動可能であるため、湾曲駒8間の外皮10が図3(e)の矢印の方向に摺動しやすくなる。つまり、外皮10の内周面が平面状の傾斜面14に沿って摺動しやすくなることで、湾曲駒8間に入り込んだ外皮10が、湾曲駒8間から逃げることができる。このため、湾曲部5をさらに湾曲させても、図3(f)に示すように、湾曲駒8間で外皮10が挟みこまれることが起こりにくくなる。
【0020】
ここで、本実施形態の湾曲駒8の有効性を示すため、外周面端部18に平面状の傾斜面14を設けなかった湾曲駒17を並設した湾曲部16(比較例)と比較する。従来の湾曲部では湾曲駒17の外周面に金網等で形成されたブレードを設けている。しかし、本実施形態の湾曲駒8との比較のため、ブレードを設けず湾曲駒17の連結体の外周面を直接外皮10で被覆する。
【0021】
ここで、図4(a)は比較例の湾曲部16の湾曲駒17と外皮10を示す断面図である。図4(b)は湾曲部16を湾曲させた時の湾曲駒17と外皮10を示す断面図である。図4(c)は図4(b)のY’の範囲を示す拡大図である。そして、図4(d)はさらに湾曲部16を湾曲させた時の図4(b)のY’の範囲を示す拡大図である。
【0022】
比較例の場合も、湾曲駒17の外径より外皮10の内径のほうが小さい。よって、湾曲駒8の場合と同様に、湾曲駒17によって広げられた外皮10の内径を元に戻そうと径方向に縮む力が働く。この縮む力によって各湾曲駒17の間では、図4(a)に示すように、湾曲駒17の外周面の位置よりも内側に外皮10が入り込んでいる。
【0023】
湾曲部16を湾曲させると、図4(b)に示すように、湾曲駒17は各湾曲駒17同士の接続部分を中心に回転し、湾曲した内側で湾曲駒17間の幅が狭くなる。湾曲駒17間の幅が狭くなった部分では、湾曲駒17の外周面の位置よりも内側に外皮10がさらに入り込む。このため、湾曲駒17間にある外皮10は行き場がなくなり、湾曲駒17間に挟まれそうになる。
【0024】
湾曲駒17の外周面端部18は、図4(c)及び(d)に示すように、平面状の傾斜面14が設けられていないため、角度90°の角部19が形成される。ブレードを設けないと、図4(c)に示すように、湾曲駒17の外周面端部18の角部19に外皮10の内周面が引っかかり、外皮10が摺動しにくくなる。このため、湾曲駒17間に入り込んだ外皮10が湾曲駒17間から逃げることがでない。そして、さらに湾曲部16を湾曲させると、図4(d)に示すように、湾曲駒17間で外皮10が挟み込まれる。
【0025】
そこで、上記構成のものにあっては以下の効果を奏する。すなわち、本実施形態の湾曲部5の内部に並設した湾曲駒8では外周面端部13に平面状の傾斜面14を設けたため、傾斜面14を設けない湾曲駒17に比べて外皮10が湾曲駒8の外周面と傾斜面14によって形成される角部15に引っかかりにくくなる。このため、湾曲駒8間に入り込んだ外皮10が湾曲駒8間から逃げる方向に摺動しやすく、湾曲部5を大きく湾曲させても湾曲駒8間で外皮10が挟みこまれることが起こりにくくなる。したがって、ブレードを設けなくても所望の湾曲角度が得られ、内視鏡1の性能も向上する。また、湾曲駒8の外周面と傾斜面14によって形成される角部15の角度θが鈍角であることから、外皮10が角部15と接触しても外皮10へのダメージは少なくなる。この際、湾曲駒8の周方向に突設された複数の突起12により、外皮10の内周面が各突起12の位置で湾曲駒8の外周面に固定された状態となっているので、湾曲部5を湾曲させたときの湾曲部ループの内側における各湾曲駒8間に位置する外皮10が湾曲駒8間から逃げやすくなっている。
【0026】
次に、本発明の第2の実施形態について図5(a)及び(b)を参照して説明する。本実施形態では第1の実施形態の湾曲駒8の構成を湾曲駒20のように変更したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0027】
図5(a)は本実施形態の湾曲駒20の外周面端部21を示す拡大図である。湾曲駒20の外周面端部21には傾きの異なる2つの平面状の傾斜面22a、22bが設けられている。2つの平面状の傾斜面22a、22bを設けることで、湾曲駒20の外周面と傾斜面22aのなす角部23aの角度θ、傾斜面22aと傾斜面22bのなす角部23bの角度θは第1の実施形態の角部15の角度θより大きくなっている。なお、本実施形態において湾曲駒20の外周面端部21に2つの傾きの異なる傾斜面22a、22bを設けたが、傾斜面の数は複数であれば3つでも4つでも良い。
【0028】
次に上記構成の作用について説明する。本実施形態においても第1の実施形態と同様に湾曲駒20に装着後の外皮10の弛み防止のため、湾曲駒20の外径より外皮10の内径のほうが小さい。そのため、湾曲駒20によって広げられた外皮10の内径を基に戻そうと径方向に縮む力が働く。この縮む力によって各湾曲駒20の間では、湾曲駒20の外周面の位置よりも内側に外皮10が入り込んでいる。
【0029】
図5(b)は本実施形態の湾曲部を湾曲させた時の隣り合った湾曲駒20間を示す拡大図である。湾曲部を湾曲させると湾曲駒20は各湾曲駒20同士の接続部分を中心に回転し、湾曲した内側で湾曲駒20間の幅が狭くなる。湾曲駒20間の幅が狭くなった部分では、湾曲駒20の外周面の位置よりも内側に外皮10がさらに入り込む。このため、湾曲駒20間にある外皮10は行き場がなくなり、湾曲駒20間に挟まれそうになる。
【0030】
しかし、湾曲駒20の外周面端部21に2つの平面状の傾斜面22a、22bを設けることで、湾曲駒20の角部23a、23bの角度θ、θは第1の実施形態の角部15の角度θより大きくなる。このため、外皮10が湾曲駒20の角部23a、23bに引っかかる可能性が第1の実施形態に比べさらに低くなる。この結果、外皮10の内周面は湾曲駒20の外周面端部21の平面状の傾斜面22a、22bと接する部分では図5(b)の矢印の方向にさらに摺動しやすくなる。つまり、外皮10の内周面が平面状の傾斜面22a、22bに沿って摺動しやすくなることで、湾曲駒20間に入り込んだ外皮10が、湾曲駒20間から逃げることができる。このため、湾曲部をさらに湾曲させても、湾曲駒20間で外皮10が挟みこまれることが起こりにくくなる。
【0031】
そこで、上記構成のものにあっては以下の効果を奏する。すなわち、本実施形態の湾曲部の内部に並設した湾曲駒20では外周面端部21に傾きの異なる2つの平面状の傾斜面22a、22bを設けたことで、湾曲駒8の外周面端部13に1つの傾斜面14を設けた第1の実施形態に比べ、湾曲駒20の角部23a、23bの角度θ、θが第1の実施形態の湾曲駒の角部15の角度θに比べ大きくなり、外皮10が角部23a、23bに引っかかりにくくなる。このため、第1の実施形態に比べ湾曲駒20間に入り込んだ外皮10が湾曲駒20間から逃げる方向にさらに摺動しやすく、湾曲部を大きく湾曲させても湾曲駒20間で外皮10が挟みこまれることがさらに起こりにくくなる。したがって、ブレードを設けなくても所望の湾曲角度が得られ、内視鏡の性能も向上する。また、湾曲駒20の外周面端部21の角部23a、23bの角度θ、θは第1の実施形態の湾曲駒8の外周面端部13の角部15の角度θと比べてさらに大きくなるため、外皮10が角部23a、23bに接触しても、外皮10へのダメージはさらに少なくなる。この際、湾曲駒20の周方向に突設された複数の突起12により、外皮10の内周面が各突起12の位置で湾曲駒20の外周面に固定された状態となっているので、湾曲部を湾曲させたときの湾曲部ループの内側における各湾曲駒20間に位置する外皮10が湾曲駒20間から逃げやすくなっている。
【0032】
次に、本発明の第3の実施形態について図6(a)及び(b)を参照して説明する。本実施形態では第1の実施形態の湾曲駒8の構成を湾曲駒30のように変更したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0033】
図6(a)は本実施形態の湾曲駒30の外周面端部31を示す拡大図である。湾曲駒30の外周面端部31に円弧状の傾斜面32を設けている。円弧状の傾斜面32は図6(a)のOを中心とする円弧の一部によって形成される。傾斜面32を設けることで、湾曲駒30の外周面端部31は第1の実施形態のように角部15を有しなくなる。
【0034】
次に上記構成の作用について説明する。本実施形態においても第1の実施形態と同様に湾曲駒30に装着後の外皮10の弛み防止のため、湾曲駒30の外径より外皮10の内径のほうが小さい。そのため、湾曲駒30によって広げられた外皮10の内径を基に戻そうと径方向に縮む力が働く。この縮む力によって各湾曲駒30の間では、湾曲駒30の外周面の位置よりも内側に外皮10が入り込んでいる。
【0035】
図6(b)は本実施形態の湾曲部を湾曲させた時の隣り合った湾曲駒30間を示す拡大図である。湾曲部を湾曲させると湾曲駒30は各湾曲駒30同士の接続部分を中心に回転し、湾曲した内側で湾曲駒30間の幅が狭くなる。湾曲駒30間の幅が狭くなった部分では、湾曲駒30の外周面の位置よりも内側に外皮10がさらに入り込む。このため、湾曲駒30間にある外皮10は行き場がなくなり、湾曲駒30間に挟まれそうになる。
【0036】
しかし、湾曲駒30の外周面端部31に円弧状の傾斜面32を設けることで、湾曲駒30の外周面端部31は第1の実施形態のように角部15を有しなくなる。このため外皮10が湾曲駒30の外周面端部31に引っかかる可能性が第1の実施形態に比べさらに低くなる。この結果、外皮10の内周面は湾曲駒30の外周面端部31の円弧状の傾斜面32と接する部分では図6(b)の矢印の方向にさらに摺動しやすくなる。つまり、外皮10の内周面が円弧状の傾斜面32に沿って摺動しやすくなることで、湾曲駒30間に入り込んだ外皮10が、湾曲駒30間から逃げることができる。このため、湾曲部をさらに湾曲させても、湾曲駒30間で外皮10が挟みこまれることが起こりにくくなる。
【0037】
そこで、上記構成のものにあっては以下の効果を奏する。すなわち、本実施形態の湾曲部の内部に並設した湾曲駒30では外周面端部31に円弧状の傾斜面32を設けたことで、湾曲駒8の外周面端部13に平面状の傾斜面14を設けた第1の実施形態に比べ、角部がなくなるため、外皮10が湾曲駒30の外周面端部31に引っかかりにくくなる。このため、第1の実施形態に比べ湾曲駒30間に入り込んだ外皮10が湾曲駒30間から逃げる方向にさらに摺動しやすく、湾曲部を大きく湾曲させても湾曲駒30間で外皮10が挟みこまれることがさらに起こりにくくなる。したがって、ブレードを設けなくても所望の湾曲角度が得られ、内視鏡1の性能も向上する。また、湾曲駒30の外周面端部31では第1の実施形態の湾曲駒8の外周面端部13が有する角部15を有さないため、外皮10が湾曲駒30の外周面端部31に接触しても、外皮10へのダメージはさらに少なくなる。この際、湾曲駒30の周方向に突設された複数の突起12により、外皮10の内周面が各突起12の位置で湾曲駒30の外周面に固定された状態となっているので、湾曲部を湾曲させたときの湾曲部ループの内側における各湾曲駒30間に位置する外皮10が湾曲駒30間から逃げやすくなっている。
【0038】
次に、本発明の第4の実施形態について図7(a)乃至(d)を参照して説明する。本実施形態では第3の実施形態の湾曲駒30の構成を湾曲駒40のように変更したものである。なお、第3の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0039】
図7(a)乃至(c)は本実施形態の湾曲駒40の外周面端部41を示す拡大図である。湾曲駒40の外周面端部41に2つの円弧の径または中心が異なる円弧状の傾斜面42a、42bを設けている。円弧状の傾斜面42aは図7(b)のAを中心とする円弧の一部(図7(b)の太線の部分)によって形成され、円弧状の傾斜面42bは図7(c)のBを中心とする円弧の一部(図7(c)の太線の部分)によって形成される。2つの円弧状の傾斜面42a、42bが連続することで、図7(a)に示す湾曲駒40の外周面端部41が形成される。曲率の異なる2つの円弧を設けることで、湾曲駒40の外周面から傾斜面42a、42bへの傾斜の変化が緩やかになる。なお、本実施形態において湾曲駒40の外周面端部41に2つの曲率の異なる傾斜面42a、42bを設けたが、傾斜面の数は複数であれば3つでも4つでも良い。
【0040】
次に上記構成の作用について説明する。本実施形態においても第3の実施形態と同様に湾曲駒40に装着後の外皮10の弛み防止のため、湾曲駒40の外径より外皮10の内径のほうが小さい。そのため、湾曲駒40によって広げられた外皮10の内径を基に戻そうと径方向に縮む力が働く。この縮む力によって各湾曲駒40の間では、湾曲駒40の外周面の位置よりも内側に外皮10が入り込んでいる。
【0041】
図7(d)は本実施形態の湾曲部を湾曲させた時の隣り合った湾曲駒40間を示す拡大図である。湾曲部を湾曲させると湾曲駒40は各湾曲駒40同士の接続部分を中心に回転し、湾曲した内側で湾曲駒40間の幅が狭くなる。湾曲駒40間の幅が狭くなった部分では、湾曲駒40の外周面の位置よりも内側に外皮10がさらに入り込む。このため、湾曲駒40間にある外皮10は行き場がなくなり、湾曲駒40間に挟まれそうになる。
【0042】
しかし、湾曲駒40の外周面端部41に曲率が異なる2つの円弧状の傾斜面42a、42bが設けることで、湾曲駒40の外周面から傾斜面42a、42bへの傾斜の変化が第3の実施形態に比べ緩やかになる。このため外皮10が湾曲駒40の外周面端部41に引っかかる可能性が第3の実施形態に比べさらに低くなる。この結果、外皮10の内周面は湾曲駒40の外周面端部41の円弧状の傾斜面42a、42bと接する部分では図7(d)の矢印の方向にさらに摺動しやすくなる。つまり、外皮10の内周面が円弧状の傾斜面42a、42bに沿って摺動しやすくなることで、湾曲駒40間に入り込んだ外皮10が、湾曲駒40間から逃げることができる。このため、湾曲部をさらに湾曲させても、湾曲駒40間で外皮10が挟みこまれることが起こりにくくなる。
【0043】
そこで、上記構成のものにあっては以下の効果を奏する。すなわち、本実施形態の湾曲部の内部に並設した湾曲駒40では外周面端部41に曲率の異なる2つの円弧状の傾斜面42a、42bを設けることで、湾曲駒30の外周面端部31に1つの円弧状の傾斜面32を設けた第3の実施形態に比べ、湾曲駒40の外周面から傾斜面42a、42bへの傾斜の変化が緩やかになり、外皮10が湾曲駒40の外周面端部41に引っかかりにくくなる。このため、第3の実施形態に比べ湾曲駒40間に入り込んだ外皮10が湾曲駒40間から逃げる方向にさらに摺動しやすく、湾曲部を大きく湾曲させても湾曲駒40間で外皮10が挟みこまれることがさらに起こりにくくなる。したがって、ブレードを設けなくても所望の湾曲角度が得られ、内視鏡1の性能も向上する。また、湾曲駒40の外周面端部41は角部を有さないため、外皮10が湾曲駒40の外周面端部41に接触しても、外皮10へのダメージは少なくなる。この際、湾曲駒40の周方向に突設された複数の突起12により、外皮10の内周面が各突起12の位置で湾曲駒40の外周面に固定された状態となっているので、湾曲部を湾曲させたときの湾曲部ループの内側における各湾曲駒40間に位置する外皮10が湾曲駒40間から逃げやすくなっている。
【0044】
次に、本発明の第5の実施形態について図8(a)(b)を参照して説明する。本実施形態では第1の実施形態の湾曲駒8の構成を湾曲駒50のように変更したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0045】
図8(a)は本実施形態の湾曲駒50の外周面端部を示す拡大図である。湾曲駒50はステンレス等の金属製の内周部51と樹脂製の外周部52から構成される2層構造となっている。外周部52の樹脂は内周部51の金属より外皮10に対する摩擦抵抗が小さいデュポン製テフロン(登録商標)等のポリテトラフルオロエチレン、デュポン製のデルリン(登録商標)等のポリアセタール樹脂やナイロン系等とする。内周部51の外周面端部53には傾斜面55が設けられている。外周部52の外周面端部54にも傾斜面56が設けられており、外皮10は傾斜面56と接する部分では摺動可能となっている。なお、本実施形態において湾曲駒50の内周部51の外周面端部53及び外周部52の外周面端部54の形状は上述した形状に限られず、第1乃至第4の実施形態の何れかと同様の形状であればよい。
【0046】
次に上記構成の作用について説明する。本実施形態においても第1の実施形態と同様に湾曲駒50に装着後の外皮10の弛み防止のため、湾曲駒50の外径より外皮10の内径のほうが小さい。そのため、湾曲駒50によって広げられた外皮10の内径を基に戻そうと径方向に縮む力が働く。この縮む力によって各湾曲駒50の間では、湾曲駒50の外周面の位置よりも内側に外皮10が入り込んでいる。
【0047】
図8(b)は本実施形態の湾曲部を湾曲させた時の隣り合った湾曲駒50間を示す拡大図である。湾曲部を湾曲させると湾曲駒50は各湾曲駒50同士の接続部分を中心に回転し、湾曲した内側で湾曲駒50間の幅が狭くなる。湾曲駒50間の幅が狭くなった部分では、湾曲駒50の外周面の位置よりも内側に外皮10がさらに入り込む。このため、湾曲駒50間にある外皮10は行き場がなくなり、湾曲駒50間に挟まれそうになる。
【0048】
しかし、湾曲駒50では外皮10と接する外周部52が金属に比べ外皮10に対する摩擦抵抗が小さい樹脂部材によって形成されるため、外皮10と接する部分が金属製の湾曲駒8である第1の実施形態に比べ外皮10が滑りやすくなる。この結果、外皮10の内周面は湾曲駒50の外周部52の傾斜面56と接する部分ではさらに図8(b)の矢印の方向に摺動しやすくなる。つまり、外皮10の内周面が傾斜面56に沿って摺動しやすくなることで、湾曲駒50間に入り込んだ外皮10が、湾曲駒50間から逃げることができる。このため、湾曲部をさらに湾曲させても、湾曲駒50間で外皮10が挟みこまれることが起こりにくくなる。
【0049】
そこで、上記構成のものにあっては以下の効果を奏する。すなわち、本実施形態の湾曲部の内部に並設した湾曲駒50では外周部52が外皮10に対する摩擦抵抗が金属に比べ小さい樹脂製であるため、外皮10と接する部分が金属製の湾曲駒8である第1の実施形態に比べ、外皮10が滑りやすい。このため、第1の実施形態に比べ湾曲駒50間に入り込んだ外皮10が湾曲駒50間から逃げる方向にさらに摺動しやすく、湾曲部を大きく湾曲させても湾曲駒50間で外皮10が挟みこまれることがさらに起こりにくくなる。したがって、ブレードを設けなくても所望の湾曲角度が得られ、内視鏡の性能も向上する。また、湾曲駒50の外周部52を形成する樹脂は金属よりも柔らかいため、外皮10が湾曲駒50外周部52の傾斜面56に接触しても、外皮10へのダメージは少なくなる。この際、湾曲駒50の周方向に突設された複数の突起12により、外皮10の内周面が各突起12の位置で湾曲駒50の外周面に固定された状態となっているので、湾曲部を湾曲させたときの湾曲部ループの内側における各湾曲駒50間に位置する外皮10が湾曲駒50間から逃げやすくなっている。
【0050】
また、図9は本実施形態の変形例を示す。図9に示すように内周部51の外周面端部53に傾斜面を設けない形状としてもよい。この場合でも、外周部52の外周面端部54に傾斜面56が設けられているため、第1の実施形態に比べ湾曲駒50間に入り込んだ外皮10が湾曲駒50間から逃げる方向に摺動しやすくなる。このため、湾曲部を大きく湾曲させても湾曲駒50間で外皮10が挟みこまれることが起こりにくくなる。したがって、本実施形態の変形例においても、ブレードを設けなくても所望の湾曲角度が得られ、内視鏡の性能も向上する。
【0051】
次に、本発明の第6の実施形態について図10を参照して説明する。本実施形態では第1の実施形態の湾曲駒8の構成を湾曲駒60のように変更したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0052】
図10は本実施形態の湾曲部を湾曲させた時の隣り合った湾曲駒60間を示す拡大図である。湾曲駒60の外周面端部62には傾斜面63が設けられている。また、湾曲駒60の外周面には金属より外皮10に対する摩擦抵抗が小さくなるようにモリブデン粒子含有の樹脂コーティングやフッ素樹脂等のコーティング61が施されている。外皮10は傾斜面63をコーティング61した傾斜面コーティング部65と接し、傾斜面コーティング部65で摺動可能となっている。なお、本実施形態において湾曲駒60の外周面端部62の形状は上記の形状に限られず、第1乃至第4の実施形態の何れかと同様の形状であればよい。
【0053】
次に上記構成の作用について説明する。本実施形態においても第1の実施形態と同様に湾曲駒60に装着後の外皮10の弛み防止のため、湾曲駒60の外径より外皮10の内径のほうが小さい。そのため、湾曲駒60によって広げられた外皮10の内径を基に戻そうと径方向に縮む力が働く。この縮む力によって各湾曲駒60の間では、湾曲駒60の外周面の位置よりも内側に外皮10が入り込んでいる。
【0054】
湾曲部を湾曲させると、図10に示すように、湾曲駒60は各湾曲駒60同士の接続部分を中心に回転し、湾曲した内側で湾曲駒60間の幅が狭くなる。湾曲駒60間の幅が狭くなった部分では、湾曲駒60の外周面の位置よりも内側に外皮10がさらに入り込む。このため、湾曲駒60間にある外皮10は行き場がなくなり、湾曲駒60間に挟まれそうになる。
【0055】
しかし、外皮10と接触する湾曲駒60の外周面にコーティング61が施されることによって金属に比べ外皮10に対する摩擦抵抗が小さくなっているため、湾曲駒8の外周面端部13が金属製である第1の実施形態に比べ外皮10が滑りやすくなる。このため、外皮10の内周面はコーディング61の傾斜面コーティング部65とで接する部分でさらに図10の矢印の方向に摺動しやすくなる。つまり、外皮10の内周面が傾斜面コーティング部65に沿って摺動しやすくなることで、湾曲駒60間に入り込んだ外皮10が、湾曲駒60間から逃げることができる。このため、湾曲部をさらに湾曲させても、湾曲駒60間で外皮10が挟みこまれることが起こりにくくなる。
【0056】
そこで、上記構成のものにあっては以下の効果を奏する。すなわち、本実施形態の湾曲部の内部に並設した湾曲駒60では外皮10と接触する外周面にコーティング61が施されているため、外皮10と接する部分が金属製の湾曲駒8である第1の実施形態に比べ、外皮10が滑りやすい。このため、第1の実施形態に比べ湾曲駒60間に入り込んだ外皮10が湾曲駒60間から逃げる方向にさらに摺動しやすく、湾曲部を大きく湾曲させても湾曲駒60間で外皮10が挟みこまれることがさらに起こりにくくなる。したがって、ブレードを設けなくても所望の湾曲角度が得られ、内視鏡の性能も向上する。また、コーティング61の部材が金属よりも柔らかいため、外皮10が傾斜面コーティング部65に接触しても、外皮10へのダメージは少なくなる。この際、湾曲駒60の周方向に突設された複数の突起12により、外皮10の内周面が各突起12の位置で湾曲駒60の外周面に固定された状態となっているので、湾曲部を湾曲させたときの湾曲部ループの内側における各湾曲駒60間に位置する外皮10が湾曲駒60間から逃げやすくなっている。
【0057】
次に、本発明の第7の実施形態について図11を参照して説明する。本実施形態では第1の実施形態の湾曲駒8の構成を湾曲駒70のように変更したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0058】
図11は本実施形態の湾曲駒70の外周面端部71を示す図である。ここで、例えば第1の実施形態において、湾曲駒8製作時には一度切削及びプレス加工によって円環形状を形成した後、湾曲駒8の外周面端部13を面取り加工等することによって、傾斜面14を形成する。
【0059】
しかし、プレス加工を行う際に、湾曲駒70の外周面端部71にプレスだれ72が生じる。外皮10を摺動しやすくするため湾曲駒70の外周面端部71に傾斜面73を設ける必要があるが、本実施形態では、このプレスだれ72を傾斜面73として利用する。このため、湾曲駒70の製作時において、切削及びプレス加工をした後に傾斜面73を形成するための面取り加工等を行う必要がない。
【0060】
そこで、上記構成のものにあっては以下の効果を奏する。すなわち、本実施形態の湾曲駒70では、プレス加工時に生じるプレスだれ72を湾曲駒70の外周面端部71の傾斜面73として利用するため、切削及びプレス加工をした後面取り加工等を行う必要がない。そのため、加工工程が1工程減ることで、製作時間を短縮することができ、コストを抑えることができる。
【0061】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形ができることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は本発明の第1の実施形態の内視鏡の構成を示す斜視図。
【図2】図2は第1の実施形態の内視鏡湾曲部の内部構造を示す縦断面図。
【図3】図3は第1の実施形態の内視鏡湾曲部の湾曲駒及び外皮で、(a)は湾曲部を湾曲させる前の断面図、(b)は湾曲駒の外周面端部の断面図、(c)は(a)のXの範囲を示した拡大図、(d)は湾曲部を湾曲させた時の断面図、(e)は(d)のYの範囲を示した拡大図、(f)は湾曲部を(e)よりさらに湾曲させた時の(d)のYの範囲を示した拡大図。
【図4】図4は比較例の湾曲駒及び外皮で、(a)は湾曲部を湾曲させる前の断面図、(b)は湾曲部を湾曲させた時の断面図、(c)は(b)のY’の範囲を示した拡大図、(d)は湾曲部を(c)よりさらに湾曲させた時の(b)のY’の範囲を示した拡大図。
【図5】図5は本発明の第2の実施形態の内視鏡湾曲部で、(a)は湾曲駒の外周面端部の断面図、(b)は隣り合った湾曲駒の間を拡大して示した断面図。
【図6】図6は本発明の第3の実施形態の内視鏡湾曲部で、(a)は湾曲駒の外周面端部の断面図、(b)は隣り合った湾曲駒の間を拡大して示した断面図。
【図7】図7は本発明の第4の実施形態の内視鏡湾曲部で、(a)は湾曲駒の外周面端部の断面図、(b)は湾曲駒の外周面端部の2つの円弧状の傾斜面のうち一方の円弧の中心を示した断面図、(c)は他方の円弧の中心を示した断面図、(d)は隣り合った湾曲駒の間を拡大して示した断面図。
【図8】図8は本発明の第5の実施形態の内視鏡湾曲部で、(a)は湾曲駒の外周面端部の断面図、(b)は隣り合った湾曲駒の間を拡大して示した断面図。
【図9】図9は第5の実施形態の内視鏡湾曲部における湾曲駒の外周面端部の変形例を示した断面図。
【図10】図10は本発明の第6の実施形態の内視鏡湾曲部における隣り合った湾曲駒の間を拡大して示した断面図。
【図11】図11は本発明の第7の実施形態の内視鏡湾曲部における湾曲駒の外周面端部を拡大して示した断面図。
【符号の説明】
【0063】
1…内視鏡、 2…挿入部、 3…操作部、 4…可撓管部、 5,16…湾曲部、6…先端部、 8,17,20,30,40,50,60,70…湾曲駒、 10…外皮、 13,18,21,31,41,54,62,71…外周面端部、 14,22a,22b,32,42a,42b,56,63,73…傾斜面、 15,19,23a,23b…角部、 51…内周部、 52…外周部、 61…コーティング、 65…傾斜面コーティング部、 72…プレスだれ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の挿入方向に並設した複数の円環状の湾曲駒を回動可能に連結し、前記湾曲駒の連結体の外周面が柔軟性のある外皮に被覆された内視鏡湾曲部であって、
前記湾曲駒の外周面端部は端部に向かって前記湾曲駒の外径が減少する傾斜部を有し、
前記外皮は前記傾斜部と摺動可能に接していることを特徴とする内視鏡湾曲部。
【請求項2】
前記湾曲駒は外周面中央部に前記外皮の内周面が固定される突起部を有し、
前記湾曲駒の外周面端部では前記傾斜部に前記外皮が摺動可能に接していることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡湾曲部。
【請求項3】
前記傾斜部は平面状の傾斜面であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の内視鏡湾曲部。
【請求項4】
前記平面状の傾斜面は複数あり、各々の傾斜面が異なる傾斜であることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡湾曲部。
【請求項5】
前記傾斜部は円弧状の傾斜面であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の内視鏡湾曲部。
【請求項6】
前記円弧状の傾斜面は複数あり、各々の傾斜面を形成する円弧の径または円弧の中心が異なることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡湾曲部。
【請求項7】
前記湾曲駒は金属製の内周部と、前記内周部の外周面側に設けられ、前記外皮に対する摩擦抵抗が金属よりも小さい樹脂を部材とする外周部から構成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の内視鏡湾曲部。
【請求項8】
前記湾曲駒の外周面を前記外皮に対する摩擦抵抗が金属よりも小さい部材でコーティングしていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の内視鏡湾曲部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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