説明

内視鏡装置およびプログラム

【課題】記憶部が記憶する複数言語の表示データの展開に必要な一時記憶部の容量をより少なくしつつ、一時記憶部が記憶する表示データの書き換え中であることを、書き換え後の表示データの言語で通知することができる。
【解決手段】記憶部24は複数言語の表示データを記憶する。一時記憶部25は一の言語の表示データと、複数言語に基づく複数のメッセージデータとを記憶する。表示制御部27は、一時記憶部25が記憶するデータに基づいたメニュー画面を表示部28に表示させる。書き換え部23は、制御部22による言語の指定があったとき、表示データを記憶部24から読み出し、一時記憶部25が記憶する表示データを、当該読み出した表示データに書き換える。表示制御部27は、書き換え部23が表示データを書き換えている間、制御部22が指定する言語の、一時記憶部25が記憶するメッセージデータを表示部28に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来知られている内視鏡装置は、システム起動時にROM(Read Only Memory)が記憶しているプログラムデータやグラフィックデータなどのデータを全てRAM(Random Access Memory)に展開し、RAMに展開したデータを用いて動作している。また、近年、内視鏡装置の高機能化に伴い、ROMが記憶しているデータ量が増大する傾向にある。さらに、内視鏡装置が備えるLCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)などの表示デバイスの性能向上により、表示用に用いるデータ量が増大している。例えば、表示デバイスに表示するメニュー画面の見栄えを良くするために高解像度の画像を用いた場合、グラフィックデータ量が増大する。
【0003】
このように、ROMが記憶しているデータ量が増大した場合、ROMが記憶しているデータ全てをRAMに展開するためには大容量のRAMを備える必要がある。また、ROMが記憶しているデータ量が増大した場合、ROMが記憶しているデータをRAMに展開するために要する時間も多くなる。また、RAMを内蔵するCPUも存在するが、CPUが内蔵するRAMの容量は小さい。そのため、RAM内蔵のCPUを用いる場合、ROMが記憶しているデータ量が増大すると、大容量の外付けのRAMを用いる必要がある。
【0004】
これを解決する方法として、プログラムを処理ルーチン単位で分割してROM上に配置し、必要なルーチンのみをRAMに展開して実行する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−201617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した技術では、処理ルーチンを切り換える際には切り替え後の処理ルーチンのプログラムをRAMに展開するが、RAMへの展開が完了するまでは切り替え後の処理ルーチンの内容が分からないという問題がある。また、処理ルーチンのプログラムサイズが大きくなれば当然その切り替えにも時間がかかる。例えば、ユーザによる変更が可能な設定値があり、その設定値に応じて処理ルーチンが変わる場合を想定する。ユーザが設定値を変更したとき、処理ルーチンの切り替え中は切り替え先の処理ルーチンの内容が不明であるため、設定値の変更が反映されているのかどうか、ユーザは認識することができないという問題がある。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、記憶部が記憶する複数言語の表示データの展開に必要な一時記憶部の容量をより少なくしつつ、一時記憶部が記憶する表示データの書き換え中であることを、書き換え後の表示データの言語で通知することができる内視鏡装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数言語の表示データを記憶する記憶部と、複数言語の前記表示データのうち一の言語の前記表示データと、前記複数言語に基づく複数のメッセージデータとを記憶する一時記憶部と、前記一時記憶部が記憶するデータに基づいたメニュー画面を表示部に表示させる表示制御部と、複数言語のうち一の言語を指定する言語指定部と、前記言語指定部による言語の指定があったとき、前記表示データを前記記憶部から読み出し、前記一時記憶部が記憶する前記表示データを、当該読み出した表示データに書き換える書き換え部と、を備え、前記表示制御部は、前記書き換え部が前記表示データを書き換えている間、前記言語指定部が指定する言語の、前記一時記憶部が記憶する前記メッセージデータを前記表示部に表示させることを特徴とする内視鏡装置である。
【0009】
また、本発明の内視鏡装置において、前記表示制御部は、前記書き換え部が前記表示データを書き換えたとき、前記表示部による前記メッセージデータの表示を終了し、前記書き換え部によって書き換えられた前記表示データに基づいて前記メニュー画面を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の内視鏡装置において、前記書き換え部は、前記記憶部が記憶する前記表示データから前記メッセージデータを取得し、前記一時記憶部に記憶させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の内視鏡装置において、前記記憶部は、Read Only Memoryまたは外部記録媒体であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、コンピュータに、記憶部が記憶する複数言語の表示データのうち一の言語の前記表示データと、前記複数言語に基づく複数のメッセージデータとを一時記憶部に記憶する一次記憶ステップと、前記一時記憶部が記憶するデータに基づいたメニュー画面を表示部に表示させる表示制御ステップと、複数言語のうち一の言語を指定する言語指定ステップと、前記言語指定ステップで言語の指定があったとき、前記表示データを前記記憶部から読み出し、前記一時記憶部が記憶する前記表示データを、当該読み出した表示データに書き換える書き換えステップと、前記書き換えステップで前記表示データを書き換えている間、前記言語指定ステップで指定する言語の、前記一時記憶部が記憶する前記メッセージデータを前記表示部に表示させるメッセージデータ表示制御ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、記憶部は複数言語の表示データを記憶する。また、一時記憶部は、複数言語の表示データのうち一の言語の表示データと、複数言語に基づく複数のメッセージデータとを記憶する。また、表示制御部は、一時記憶部が記憶するデータに基づいたメニュー画面を表示部に表示させる。また、言語指定部は、複数言語のうち一の言語を指定する。また、書き換え部は、言語指定部による言語の指定があったとき、表示データを記憶部から読み出し、一時記憶部が記憶する表示データを、当該読み出した表示データに書き換える。また、表示制御部は、書き換え部が表示データを書き換えている間、言語指定部が指定する言語の、一時記憶部が記憶するメッセージデータを表示部に表示させる。
【0014】
これにより、記憶部が記憶する複数言語の表示データの展開に必要な一時記憶部の容量をより少なくしつつ、一時記憶部が記憶する表示データの書き換え中であることを、書き換え後の表示データの言語で通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態における内視鏡装置の外観を示した全体斜視図である。
【図2】本実施形態における内視鏡装置の構成を示したブロック図である。
【図3】本実施形態における記憶部が記憶する複数言語の表示データのデータ構造を示した概略図である。
【図4】本実施形態における一時記憶部が記憶する表示データの例を示した概略図である。
【図5】本実施形態における表示制御部が表示部に表示させる英語の言語切り替えメニュー画面を示した概略図である。
【図6】本実施形態における表示制御部が表示部に表示させる言語切り替え中画面を示した概略図である。
【図7】本実施形態における表示制御部が表示部に表示させる日本語の言語切り替えメニュー画面を示した概略図である。
【図8】本実施形態における内視鏡装置の起動時の動作手順を示したフローチャートである。
【図9】本実施形態における内視鏡装置の言語設定を切り換える際の動作手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における内視鏡装置の外観を示した全体斜視図である。本実施形態の内視鏡装置1は、細長い挿入経路の先にある被検物の観察や、被検物の内部観察等に用いられる。また、図示する例では、内視鏡装置1は、挿入部10と、挿入部10の湾曲操作や、内視鏡装置1に対して指示の入力を行うための操作部21と、挿入部10で取得された映像を表示する表示部28と、操作部21および表示部28を収容する筐体部60とを備えている。
【0017】
挿入部10は先端部に撮像部11と照明部12とを備えている。撮像部11はCCD(Charge Coupled Device)等の撮像機構を備えており、先端部前方の被検物等の静止画像や動画等の映像を取得することができる。照明部12はLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)等を備えており、先端部前方に光を照射する。また、挿入部10は、図示しない複数の節輪または湾曲コマ(以下、「節輪等」と総称する。)が軸線方向に並べて連結された公知の湾曲部13を有しており、自身の中心軸線と交差する二軸において中心軸線から離間する四方向に湾曲可能である。複数の節輪等のうち、最も先端側の節輪等には、上記四方向に対応した四本のワイヤ等の操作部材が接続されている。各操作部材は、各節輪等を通って筐体部60の内部まで延び、操作部21に接続されている。
【0018】
操作部21は、湾曲部13を操作するための第一ジョイスティック211と、表示部28に表示されるカーソル等を操作するための第二ジョイスティック212と、第一ジョイスティック211を介して操作される湾曲機構とを有する。なお、本実施形態における操作部21(第一ジョイスティック211)は、傾倒動作によって操作部材を牽引して湾曲部13を操作する機械式の機構で構成されている。なお、操作部21(第一ジョイスティック211)は、電気的に検知した傾倒量、及び傾倒方向に応じてモータ等の駆動手段によって操作部材を牽引し、湾曲部13を操作する電動式の機構で構成されてもよい。
【0019】
図2は、本実施形態における内視鏡装置1の構成を示したブロック図である。内視鏡装置1は、筐体部60に、操作部21と、制御部22(言語指定部)と、書き換え部23と、記憶部24と、一時記憶部25と、画像処理部26と、表示制御部27と、表示部28と、画像記憶部29と、フラッシュメモリ30とを備えている。
【0020】
撮像部11と、照明部12と、操作部21との構成は上述した通りである。制御部22は、内視鏡装置1が備える各部の制御を行う。また、制御部22は、内視鏡装置1の言語設定を指定する。書き換え部23は、一時記憶部25の記憶内容を書き換える。記憶部24は、例えばROMであり、内視鏡装置1が備える各部の動作に必要なプログラムや情報などを記憶する。なお、記憶部24の代わりに外部記録媒体を用いるようにしてもよい。外部記録媒体の例としては、CD−ROMや、DVD−ROM等の光ディスクや、メモリカードや、USBメモリなどがある。
【0021】
一時記憶部25は、例えばRAMであり、記憶部24が記憶している情報のうち、一部のデータを記憶する。画像処理部26は、撮像部11が撮像した画像に対して画像処理を行う。表示制御部27は、一時記憶部25が記憶するデータを読み出し、読み出したデータに基づいた映像を表示部28に表示させる。表示部28は、液晶ディスプレイ等の表示機構を備え、表示制御部27の制御により映像を表示する。画像記憶部29は、撮像部11が撮像した画像を記憶する。フラッシュメモリ30は、内視鏡装置1の電源をOFFした後もデータを保持しておくことのできるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)などのメモリであり、内視鏡装置1の言語設定を示す言語設定情報を記憶する。
【0022】
次に、記憶部24が記憶する複数言語の表示データについて説明する。図3は、本実施形態における記憶部24が記憶する複数言語の表示データのデータ構造を示した概略図である。複数言語の表示データは、内視鏡装置1の表示部28に表示するメニュー画面などを表示する際に用いるデータである。複数言語の表示データは、例えば、日本語でメニュー画面を表示するための日本語表示データや、英語でメニュー画面を表示するための英語表示データなど、各言語の表示データを含んでいる。
【0023】
図示する例では、複数言語の表示データは、「ROM情報ヘッダー」と、「グラフィックデータ本体」とのデータを含んでいる。「ROM情報ヘッダー」は、「共通グラフィックデータ情報」と、「言語別グラフィックデータ情報」とのデータを含んでいる。「共通グラフィックデータ情報」は、「共通グラフィックデータ群のヘッダー部のサイズ」と、「共通グラフィックデータ群のオフセット」とのデータを含んでいる。「言語別グラフィックデータ情報」は、「言語別グラフィックデータ群のヘッダー部のサイズ」と、各言語の「言語別グラフィックデータ群のオフセット」とのデータを含んでいる。なお、「言語別グラフィックデータ情報」はシステムで使用する言語の数(X)だけ「言語別グラフィックデータ群のオフセット」のデータを含んでいる。
【0024】
「グラフィックデータ本体」は、「共通グラフィックデータ群」と、各言語の「言語別グラフィックデータ群」とのデータを含んでいる。なお、「グラフィックデータ本体」はシステムで使用する言語の数(X)だけ「言語別グラフィックデータ群」のデータを含んでいる。「共通グラフィックデータ群」は、「共通ヘッダー部」と「共通データ部」とのデータを含んでいる。「共通ヘッダー部」は、システムで使用する共通グラフィックの数(Y)だけ「共通グラフィックデータのオフセット」のデータを含んでいる。「共通データ部」は、システムで使用する共通グラフィックの数(Y)だけ「共通グラフィックデータ」を含んでいる。
【0025】
各言語の「言語別グラフィックデータ群」は、「言語別ヘッダー部」と「言語別データ部」とを含んでいる。「言語別ヘッダー部」は、システムで使用する言語別グラフィックの数(Z)だけ「言語別グラフィックデータのオフセット」のデータを含んでいる。「言語別データ部」は、システムで使用する言語別グラフィックの数(Z)だけ「言語別グラフィックデータ」のデータを含んでいる。
【0026】
次に、一時記憶部25が記憶する表示データについて説明する。図4は、本実施形態における一時記憶部25が記憶する表示データの例を示した概略図である。図示する例は、一時記憶部25が英語表示データを記憶する例を示している。図示する例では、一時記憶部25は、記憶部24が記憶するデータのうち、「共通ヘッダー部」と、「言語別ヘッダー部(英語)」と、「共通データ部」と、「言語別データ部」とを記憶している。
【0027】
「共通ヘッダー部」と「言語別ヘッダー部(英語)」とは、一時記憶部25の記憶領域のうち、各データが記憶されている領域を指定するオフセットを含んでいる。図示する例では、「共通ヘッダー部」と「言語別ヘッダー部(英語)」とは、「NONの情報 ID:0」と「情報(1)のオフセット ID:1」〜「情報(p)のオフセット ID:MAX」とを含んでいる。「共通データ部」と「言語別データ部(英語)」とは、表示データを含んでいる。図示する例では、「共通データ部」と「言語別データ部(英語)」とは、「情報(1) ID:1」〜「情報(p) ID:MAX」とを含んでいる。
【0028】
このように、本実施形態では、記憶部24が記憶している表示データのうち、各言語で共通な表示(例えば図形の表示)を行うための表示データと、内視鏡装置1の言語設定で指定された言語特有の表示(例えば、操作を説明するための文字表示)を行うための表示データとを一時記憶部25に展開する。
【0029】
次に、表示制御部27が表示部28に表示する画面例について図5〜図7を参照して説明する。図5〜図7は、内視鏡装置1の言語設定を英語から日本語に切り換える場合に、表示制御部27が表示部28に表示させる画面例を示している。図5は、本実施形態における表示制御部27が表示部28に表示させる英語の言語切り替えメニュー画面を示した概略図である。図示する例では、画面上部の領域にタイトル「LANGUAGE」が表示されており、タイトルの下側に各国の言語のリスト「ENGLISH」「日本語」「DEUTSCH」などが表示されている。また、各国の言語のリストのうち「ENGLISH」が選択されている。
【0030】
図6は、本実施形態における表示制御部27が表示部28に表示させる言語切り替え中画面を示した概略図である。図示する例では、図5に示した英語の言語切り替えメニュー画面にて、各国の言語リストのうち「日本語」が選択された場合に表示制御部27が表示部28に表示させる言語切り替え中画面を示している。すなわち、内視鏡装置1の言語設定を日本語に切り換える際に、表示制御部27が表示部28に表示させる言語切り替え中画面を示している。図示する例では、図5に示した英語の言語切り替えメニューの表示に重ねて、言語の切り替え中であることを示すメッセージデータ「実行中」が表示されている。なお、本実施形態では、表示制御部27は、切り替え先の言語のメッセージデータを表示部28に表示させる。例えば、内視鏡装置1の言語設定を日本語に切り換える際には、表示制御部27は日本語のメッセージデータを表示部28に表示させる。また、内視鏡装置1の言語設定を英語に切り換える際には、表示制御部27は英語のメッセージデータを表示部28に表示させる。内視鏡装置1の言語設定を他の言語に切り換える際にも同様に、表示制御部27は切り替え先の言語のメッセージデータを表示部28に表示させる。
【0031】
図7は、本実施形態における表示制御部27が表示部28に表示させる日本語の言語切り替えメニュー画面を示した概略図である。図示する例では、画面上部の領域にタイトル「日本語」が表示されており、タイトルの下側に各国の言語のリスト「ENGLISH」「日本語」「DEUTSCH」などが表示されている。また、各国の言語のリストのうち「日本語」が選択されている。図5〜図7に示したとおり、内視鏡装置1の言語設定を英語から日本語に切り換えている間には、表示制御部27は切り替え先の言語のメッセージデータを表示部28に表示させる。すなわち、一時記憶部25が記憶しているある言語の表示データを書き換える間、表示制御部27は書き換え後の言語のメッセージデータを表示部28に表示させる。
【0032】
次に、本実施形態における内視鏡装置1の起動時の動作手順について説明する。図8は、本実施形態における内視鏡装置1の起動時の動作手順を示したフローチャートである。
(ステップS101)制御部22は、フラッシュメモリ30が記憶してる言語設定情報を読み出す。その後、ステップS102の処理に進む。言語設定情報は、内視鏡装置1の言語設定を指定する情報である。
(ステップS102)書き換え部23は、記憶部24が記憶するグラフィックデータのうち、「ROM情報ヘッダー」を読み込む。その後、ステップS103の処理に進む。なお、書き換え部23は、内視鏡装置1が起動している間、記憶部24から読み出した「ROM情報ヘッダー」を保持しておく。
【0033】
(ステップS103)書き換え部23は、ステップS102の処理で記憶部24から読み出した「ROM情報ヘッダー」に含まれる「共通グラフィックデータ情報」に基づいて、記憶部24から「共通ヘッダー部」を読み出し、一時記憶部25に記憶させる。なお、「共通グラフィックデータ情報」は、「共通グラフィックデータ群のヘッダー部のサイズ」と「共通グラフィックデータ群のオフセット」とを含んでいるため、書き換え部23は、記憶部24内において「共通ヘッダー部」が記憶されている場所を特定することができる。
【0034】
(ステップS104)書き換え部23は、ステップS103の処理で一時記憶部25に記憶させた「共通ヘッダー部」に基づいて、記憶部24から「共通グラフィックデータ」を読み出し、一時記憶部25に記憶させる。なお、「共通ヘッダー部」は、「共通グラフィックデータのオフセット」を含んでいるため、書き換え部23は、記憶部24内において「共通グラフィックデータ」が記憶されている場所を特定することができる。
【0035】
(ステップS105)書き換え部23は、ステップS102の処理で読み出した「ROM情報ヘッダー」に含まれる「言語別グラフィックデータ情報」のうち、ステップS101の処理で読み出した言語設定情報で特定される言語の「言語別グラフィックデータ情報」を取得する。また、書き換え部23は、取得した「言語別グラフィックデータ情報」に基づいて、言語設定情報で特定される言語の「言語別ヘッダー部」を記憶部24から読み出し、一時記憶部25に記憶させる。なお、「言語別グラフィックデータ情報」は、「言語別グラフィックデータ群のヘッダー部のサイズ」と「言語別グラフィックデータ群のオフセット」とを含んでいるため、書き換え部23は、記憶部24内において、言語設定情報で特定される言語の「言語別ヘッダー部」が記憶されている場所を特定することができる。
【0036】
(ステップS106)書き換え部23は、ステップS105の処理で一時記憶部25に記憶させた、言語設定情報で特定される言語の「言語別ヘッダー部」に基づいて、言語設定情報で特定される言語の「言語別グラフィックデータ」を記憶部24から読み出し、一時記憶部25に記憶させる。なお、「言語別ヘッダー部」は、「言語別グラフィックデータのオフセット」を含んでいるため、書き換え部23は、記憶部24内において、言語設定情報で特定される言語の「言語別グラフィックデータ」が記憶されている場所を特定することができる。これにより、言語設定情報で特定される言語の画像を表示部28に表示させるために用いる「言語別グラフィックデータ」を一時記憶部25に展開することができる。
【0037】
(ステップS107)書き換え部23は、ステップS102の処理で読み出した「ROM情報ヘッダー」に含まれる「言語別グラフィックデータ情報」に基づいて、言語設定情報で特定される言語以外の言語の「言語別グラフィックデータ」のうち所定のデータのみを記憶部24から読み出し、「追加グラフィックデータ」として一時記憶部25に記憶させる。その後、処理を終了する。なお、所定のデータは、例えば、一時記憶部25が記憶する表示データを書き換える際に用いるグラフィックデータである。一時記憶部25が記憶する表示データを書き換える際に用いるグラフィックデータの具体例としては、図6に示した、言語の切り替え中であることを示すメッセージデータを表示するためのグラフィックデータである。これにより、各言語のメッセージデータを表示部28に表示させるための共通グラフィックデータを一時記憶部25に展開することができる。すなわち、記憶部24が記憶している表示データからメッセージデータを取得し、一時記憶部25に展開することができる。
【0038】
また、上述した例では、メッセージデータの表示のために複数言語の「言語別グラフィックデータ情報」から「追加グラフィックデータ」を取得し、取得した「追加グラフィックデータ」を一時記憶部25に展開しているが、これに限らない。例えば、記憶部24は、メッセージデータを共通データとして記憶し、書き換え部23は、記憶部24が記憶する共通データからメッセージデータを取得して一時記憶部25に展開するようにしてもよい。
【0039】
次に、本実施形態における内視鏡装置1の言語設定を切り換える際の動作手順について説明する。図9は、本実施形態における内視鏡装置1の言語設定を切り換える際の動作手順を示したフローチャートである。
【0040】
(ステップS201)制御部22は、表示制御部27が、一時記憶部25が記憶している「言語別グラフィックデータ」に基づいて「言語切り替えメニュー画面」を表示部28に表示させているか否かを判定する。表示制御部27は「言語切り替えメニュー画面」を表示部28に表示させていると制御部22が判定した場合にはステップS202の処理に進み、それ以外の場合には再度ステップS201の処理を実行する。なお、「言語切り替えメニュー画面」は、図5に示したような画面である。
【0041】
(ステップS202)ユーザは内視鏡装置1の言語設定を切り換える場合、操作部21を操作して、切り替え後の言語を指定する言語指定情報を入力する。操作部21は、言語指定情報の入力を受け付ける。制御部22は、操作部21が受け付けた言語指定情報に基づいて、複数の言語のうち1の言語を指定する。例えば、ユーザは、内視鏡装置1の言語設定を日本語に切り換える場合、「日本語」を指定する言語指定情報を操作部21に入力する。この場合、制御部22は、操作部21が入力を受け付けた言語指定情報に基づいて、複数の言語のうち「日本語」を指定する。また、制御部22は、操作部21が言語指定情報の入力を受け付けたか否かを判定する。言語指定情報の入力を受け付けたと制御部22が判定した場合にはステップS203の処理に進み、それ以外の場合にはステップS202の処理を再度実行する。
【0042】
(ステップS203)制御部22は、フラッシュメモリ30が記憶している言語設定情報を、ステップS202の処理で制御部22が指定した言語を示す情報に書き換える。その後、ステップS204の処理に進む。
【0043】
(ステップS204)表示制御部27は、一時記憶部25が記憶している各言語のメッセージデータのうち、ステップS202の処理で制御部22が指定した言語のメッセージデータに基づいた切り替えメニュー画面を表示部28に表示させる。その後、ステップS205の処理に進む。これにより、一時記憶部25が記憶している表示データを書き換え部23が書き換えている間、表示制御部27は、一時記憶部25が記憶している複数言語のメッセージデータに基づいて、変更後の言語の「言語切り替え中画面」を表示部28に表示させることができる。なお、切り替えメニュー画面は、図6に示したような画面である。例えば、ステップS202の処理で操作部21が指定した言語が「日本語」である場合、表示制御部27は、日本語の「言語切り替え中画面」を表示部28に表示させる。
【0044】
(ステップS205)書き換え部23は、起動時に読み出した「ROM情報ヘッダー」に含まれる「言語別グラフィックデータ情報」に基づいて、ステップS202の処理で制御部22が指定した言語の「言語別ヘッダー部」を記憶部24から読み出し、一時記憶部25に記憶させる。その後、ステップS206の処理に進む。
【0045】
(ステップS206)書き換え部23は、一時記憶部25が記憶している「言語別ヘッダー部」に基づいて、ステップS202の処理で制御部22が指定した言語の「言語別グラフィックデータ」を記憶部24から読み出す。また、書き換え部23は、一時記憶部25が記憶している「言語別グラフィックデータ」を、新たに読み出した「言語別グラフィックデータ」に書き換える。その後、ステップS207の処理に進む。これにより、切り替え後の言語の「言語別グラフィックデータ」を一時記憶部25に展開することができる。
【0046】
(ステップS207)表示制御部27は、一時記憶部25が記憶している「言語別グラフィックデータ」に基づいて、言語切り替えメニュー画面を表示部28に表示させる。その後、処理を終了する。なお、切り替えメニュー画面は、図7に示したような画面である。例えば、一時記憶部25が日本語の「言語別グラフィックデータ」を記憶している場合、表示制御部27は日本語の「言語切り替えメニュー画面」を表示部28に表示させる。これにより、表示制御部27は、切り替え後の言語の「言語切り替えメニュー画面」を表示部28に表示させることができる。
【0047】
上述した通り、本実施形態によれば、記憶部24は複数言語の表示データを記憶している。また、内視鏡装置1の起動時に、書き換え部23は、設定されている言語の表示データと、書き換え中であることを示す複数言語のメッセージデータとを記憶部24から読み出して一時記憶部25に展開する。表示制御部27は、一時記憶部25が記憶している表示データに基づいて、表示部28に映像を表示させる。これにより、内視鏡装置1の起動時において、設定されていない言語の表示データを一時記憶部25に展開する必要がないため、展開時間を短くすることができ、一時記憶部25の容量も少なくて済む。
【0048】
また、内視鏡装置1の言語設定を変更する場合、一時記憶部25が記憶している表示データを、変更後の言語の表示データに書き換える必要があるが、本実施形態では、書き換え部23が一時記憶部25に記憶させる表示データを書き換えている間、表示制御部27は、一時記憶部25が記憶している複数言語のメッセージデータに基づいて変更後の言語のメッセージデータを表示部28に表示させる。これにより、記憶部24が記憶する複数言語の表示データの展開に必要な一時記憶部25の容量をより少なくしつつ、一時記憶部25が記憶する表示データの書き換え中であることを、書き換え後の表示データの言語で通知することができる。
【0049】
なお、上述した内視鏡装置1が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0050】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0051】
以上、この発明の一実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1・・・内視鏡装置、10・・・挿入部、11・・・撮像部、12・・・照明部、13・・・湾曲部、21・・・操作部、22・・・制御部、23・・・書き換え部、24・・・記憶部、25・・・一時記憶部、26・・・画像処理部、27・・・表示制御部、28・・・表示部、29・・・画像記憶部、30・・・フラッシュメモリ、60・・・筐体部、211・・・第一ジョイスティック、212・・・第二ジョイスティック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数言語の表示データを記憶する記憶部と、
複数言語の前記表示データのうち一の言語の前記表示データと、前記複数言語に基づく複数のメッセージデータとを記憶する一時記憶部と、
前記一時記憶部が記憶するデータに基づいたメニュー画面を表示部に表示させる表示制御部と、
複数言語のうち一の言語を指定する言語指定部と、
前記言語指定部による言語の指定があったとき、前記表示データを前記記憶部から読み出し、前記一時記憶部が記憶する前記表示データを、当該読み出した表示データに書き換える書き換え部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記書き換え部が前記表示データを書き換えている間、前記言語指定部が指定する言語の、前記一時記憶部が記憶する前記メッセージデータを前記表示部に表示させる
ことを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記書き換え部が前記表示データを書き換えたとき、前記表示部による前記メッセージデータの表示を終了し、前記書き換え部によって書き換えられた前記表示データに基づいて前記メニュー画面を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
前記書き換え部は、前記記憶部が記憶する前記表示データから前記メッセージデータを取得し、前記一時記憶部に記憶させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記記憶部は、Read Only Memoryまたは外部記録媒体である
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
コンピュータに、
記憶部が記憶する複数言語の表示データのうち一の言語の前記表示データと、前記複数言語に基づく複数のメッセージデータとを一時記憶部に記憶する一次記憶ステップと、
前記一時記憶部が記憶するデータに基づいたメニュー画面を表示部に表示させる表示制御ステップと、
複数言語のうち一の言語を指定する言語指定ステップと、
前記言語指定ステップで言語の指定があったとき、前記表示データを前記記憶部から読み出し、前記一時記憶部が記憶する前記表示データを、当該読み出した表示データに書き換える書き換えステップと、
前記書き換えステップで前記表示データを書き換えている間、前記言語指定ステップで指定する言語の、前記一時記憶部が記憶する前記メッセージデータを前記表示部に表示させるメッセージデータ表示制御ステップと、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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