説明

内視鏡装置

【課題】装置内の回路調整の容易な内視鏡装置を提供する。
【解決手段】内視鏡装置1は、カメラ31により被写体を撮像する内視鏡装置である。内視鏡装置1は、回路基板21上に搭載され、CPUコア61とカメラ31を駆動するための駆動回路71aとを含む半導体装置22と、半導体装置22内に設けられ、駆動回路71aの駆動信号の出力タイミング又はカメラ31からの画像信号の入力タイミングを調整するためのパラメータデータを設定するパラメータ設定部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡装置は、工業分野及び医療分野において広く利用されている。内視鏡装置は、先端部にカメラが設けられた挿入部を有する。ユーザは、挿入部の先端部に設けられたカメラを被写体の近傍に接近させ、そのカメラにより撮像された画像をモニタに表示させることができる。内視鏡装置は、各種機能を制御する制御部と、カメラを制御するカメラコントロールユニットとを含む(例えば、特許文献1参照)。内視鏡装置は、細長な挿入部の先端部に設けられたカメラにより撮像して得られた被写体の画像をモニタに表示するだけでなく、その画像を記憶装置に記憶することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−145099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カメラの高画素化に伴い内視鏡装置のEMC(Electromagnetic Compatibility)対策が望まれている。
例えば、内視鏡装置の個々の回路ユニット等から発せられるノイズの抑制や、外部から受けるノイズに対する対策が挙げられる。
【0005】
特に、内視鏡装置の場合は、挿入部は細長く、その細長い挿入部への外部からのノイズ対策が望まれる。挿入部には、短いものだけでなく、長いものもあるので、その対策は、カメラの駆動に関係する回路毎の調整として行わなければならなかった。
【0006】
内視鏡装置の製造時には、カメラの駆動回路の調整だけでなく、モニタの駆動回路の調整等も駆動回路毎にハードウェア回路の調整作業として行われなければならず、その調整作業は、繁雑であった。すなわち、検査者あるいは調整者は、接続すべき機器を本体装置に取り付ける度に、それぞれの駆動回路等の調整をしなければならない。
【0007】
また、内視鏡装置の挿入部が着脱可能で、現場で挿入部が交換されて別な挿入部に変更された場合、交換された別な挿入部に対するカメラの駆動回路の調整も必要な場合があり、それもまた、繁雑で時間の掛かる作業となっていた。
【0008】
そこで、高画素化した撮像素子を用いても、簡易な構成で、回路調整の容易な内視鏡装置が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、撮像素子により被写体を撮像する内視鏡装置であって、回路基板上に搭載され、CPU及び前記撮像素子を駆動するための第1の駆動回路を有する半導体装置と、前記半導体装置内に設けられ、前記第1の駆動回路の駆動信号の出力タイミング、又は前記撮像素子からの画像信号の入力タイミングを調整するための第1のパラメータデータを設定する第1のパラメータ設定部と、を具備した内視鏡装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高画素化した撮像素子を用いても、簡易な構成で、回路調整の容易な内視鏡装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係わる内視鏡装置の外観構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる内視鏡装置1の本体部2の内部の回路構成を説明するためのブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる半導体装置22の内部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係わるスコープユニット3の種類に応じたカメラに関連する調整パラメータが記憶されたテーブルデータの例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係わるモニタの種類に応じたモニタに関連する調整パラメータが記憶されたテーブルデータの例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係わるタッチパネルの種類に応じたタッチパネルに関連する調整パラメータが記憶されたテーブルデータの例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係わる内視鏡装置1の製造時の調整パラメータの設定処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係わる調整パラメータの設定画面の例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係わるRAM62に記憶される各種調整パラメータ及び機器IDのメモリマップの例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係わる、内視鏡装置1のON時の調整パラメータの設定処理の流れの例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
1.全体構成
まず図1に基づき、本実施の形態に係わる内視鏡装置の構成を説明する。図1は、本実施の形態に係わる内視鏡装置の外観構成図である。
図1に示すように、内視鏡装置1は、メインユニットである本体部2と、本体部2に接続されるスコープユニット3とを含んで構成される。本体部2は、内視鏡画像、操作メニュー等が表示される表示装置としての液晶パネル(以下、LCDと略す)4を有する。LCD4には、後述するようにタッチパネル(図2)が取り付けられている。スコープユニット3は、操作部5と、接続ケーブルであるユニバーサルケーブル6により、本体部2と接続され、可撓性の挿入チューブからなる挿入部7とを有する。挿入部7の先端部8には、図示しない撮像素子、例えばCCD等、が内蔵され、撮像素子の撮像面側には、レンズ等の撮像光学系が配置されている。先端部8の基端側には、湾曲部9が設けられている。先端部8には、光学アダプタ10が取り付け可能になっている。レリーズボタン、上下左右(U/D/L/R)方向湾曲ボタン、等の各種操作ボタンが、操作部5に設けられている。
【0013】
ユーザは、操作部5の各種操作ボタンを操作して、被写体の撮像、静止画記録等を行うことができる。また、ユーザは、タッチパネルを操作して、内視鏡装置1の種々の操作を指示することができる。すなわち、タッチパネルは、内視鏡装置1の動作内容を指示する指示部を構成する。
【0014】
撮像して得られた画像データは、検査対象の検査データであり、メモリカード等の記録媒体に記録され、そのメモリカード(図2)は、本体部2に対して着脱可能となっている。
【0015】
スコープユニット3は、本体部2に着脱可能となっている。また、LCD4及びLCD4に取り付けられるタッチパネルも、本体部2に対して着脱可能となっている。よって、スコープユニット3は、製造時あるいは使用時に、製品の種類あるいは使用目的に応じて、交換可能となっている。スコープユニット3は、その種類によって、挿入部7の長さ等が異なる。また、LCD4とタッチパネルは、製造時に、製品の種類に応じて、本体部2に取り付けられる。LCD4とタッチパネルも、それぞれ、種類に応じて、本体部2の回路基板(図2)との接続ケーブルの長さ等が異なる。
【0016】
スコープユニット3、LCD4及びタッチパネルは、後述するように、本体部2への接続時に、それぞれの種類を判別するための識別部を有している。本体部2は、スコープユニット3、LCD4及びタッチパネルが接続されると、それぞれの識別部の状態あるいは識別データ(すなわちIDデータ)を検出あるいは読み出して、それぞれの種類を判別するように構成されている。ここでは、IDは、機器の型番等の種類の情報だけでなく、個体識別のための製造番号等のユニークな情報も含んでいる。
2.回路構成
図2は、内視鏡装置1の本体部2の内部の回路構成を説明するためのブロック図である。図3は、半導体装置22の内部構成を示すブロック図である。
本体部2の内部には、回路基板21に、後述する各種機能を内蔵する半導体装置22が搭載されている。半導体装置22は、1チップの半導体装置である。半導体装置22は、カメラコントロールユニットと制御部の機能を有する1チップICである。
【0017】
半導体装置22は、駆動回路あるいはコネクタを介して、カメラ、LCD等の機器と接続されている。半導体装置22とカメラ等の機器は、1枚の回路基板21上の配線とその配線と接続された信号ケーブルとによって電気的に接続されている。
カメラ31は、挿入部7の先端部8内に設けられており、半導体装置22と接続されている。半導体装置22は、各種駆動信号OUT1をカメラ31へ出力し、カメラ31は、映像信号等の各種入力信号INP1を半導体装置22へ出力する。カメラ31は、ここでは、CMOSセンサである。
【0018】
従って、半導体装置22は、挿入部7のカメラ31と信号線により電気的に接続され、カメラ31へ駆動信号を直接供給するようにその駆動回路を内部に含み、CMOSセンサを含むカメラからの撮像信号が直接入力される。
【0019】
LED32は、観察対象の被写体を照明する照明部として、挿入部7の先端部8内に設けられており、DC駆動回路33を介して接続されている。半導体装置22は、LED32の駆動信号OUT2をDC駆動回路33へ出力し、DC駆動回路33の出力によりLED32は駆動される。DC駆動回路33は、回路基板21上に搭載されている。
【0020】
操作部5は、半導体装置22と接続されている。操作部5は、操作部5に対する操作内容を示す各種操作信号である入力信号INP2を半導体装置22へ出力する。
【0021】
タッチパネル34は、LCD4の表面に配置されて取り付けられ、タッチパネル用コネクタ35とDC電極駆動回路36を介して半導体装置22と接続されている。半導体装置22は、タッチパネル34の各電極を駆動するための駆動信号OUT3をDC電極駆動回路36へ出力し、DC電極駆動回路36の出力によりタッチパネル用コネクタ35を介してタッチパネル34は駆動される。タッチパネル用コネクタ35とDC電極駆動回路36は、回路基板21上に搭載されている。DC電極駆動回路36は、半導体装置22からの駆動信号OUT3を、タッチパネル34の各電極を駆動できる電圧信号に変換する回路である。
【0022】
タッチパネル34からのタッチ位置の検出信号である入力信号INP3は、タッチパネル用コネクタ35を介して半導体装置22へ出力される。
【0023】
従って、半導体装置22は、タッチパネル34と信号線により電気的に接続され、タッチパネル34へ駆動信号を供給するようにその駆動回路を含み、タッチパネル34からの入力信号を直接入力する。
【0024】
LCD4は、LCD用コネクタ37を介して半導体装置22に接続されている。LCD用コネクタ37には、バックライト用のDC電源が与えられている。LCD用コネクタ37は、回路基板21上に搭載されている。半導体装置22は、LCD4との間で各種コマンド信号を通信すると共に、LCD4からの入力信号INP4を入力し、各種駆動信号OUT4をLCD4へ出力する。
従って、半導体装置22は、LCD4と信号線により電気的に接続され、LCD4へ駆動信号を直接供給するように、その駆動回路を含む。
【0025】
メモリカード38は、内視鏡画像を記録するための記憶媒体であり、メモリカード用コネクタ39を介して半導体装置22に接続されている。メモリカード用コネクタ39は、回路基板21上に搭載されている。
【0026】
回路基板21には、フラッシュメモリ40が搭載されており、フラッシュメモリ40は、半導体装置22に接続されている。なお、後述する半導体装置22に内蔵されているフラッシュメモリ63(図3)で、各種処理に必要な記憶容量が足りている場合は、フラッシュメモリ40は、省略してもよい。
【0027】
バッテリ41は、回路基板21上の1又は2以上のDC/DC回路(図示せず)に電源を供給し、各DC/DC回路が、回路基板21上の各回路に必要な電源を供給している。
【0028】
なお、上述した例では、タッチパネル用コネクタ35、LCD用コネクタ37及びメモリカード用コネクタ39は、回路基板21上に設けられているが、これらのコネクタは回路基板21上になくてもよい。
【0029】
本体部12に対して着脱可能なスコープユニット3,LCD4及びタッチパネル34は、上述したように、それぞれ種類を識別するための識別部3a、4a、34aを有する。各識別部は、抵抗器、IDデータが記憶されたメモリ等である。スコープユニット3,LCD4及びタッチパネル34が本体部2あるいは回路基板21に接続されると、半導体装置22は、接続された各機器の識別部の抵抗値を検出し、あるいはIDデータを読み出すことによって、接続された機器の種類を判別することができる。
【0030】
ここで、上述した入力信号と出力信号の中で、調整パラメータに関連するものの例を説明する。なお、調整パラメータは、接続された機器あるいはその機器に含まれる回路、素子等についての設定データである。
カメラ31がCCD撮像素子である場合、駆動信号OUT1に関する映像信号調整パラメータは、例えば、駆動信号OUT1のタイミングの基準信号である水平同期信号(Hsync)、垂直同期信号(Vsync)のタイミングや、CCD撮像素子へ出力する水平転送パルス、垂直転送パルス、リセットパルス、電子シャッターに使用するサブパルス(SUB)の出力タイミング及び電圧である。入力信号INP1に関する映像信号調整パラメータは、例えば、CDS(相関二重サンプリング)のサンプルホールドパルス、A/Dのサンプリングクロック、オプティカルブラックパルス、プリブランキングパルスのタイミング及び電圧である。
【0031】
また、カメラがCMOSの撮像素子である場合、駆動信号OUT1に関する調整パラメータは、例えば、CMOS動作クロックの出力タイミングである。入力INP1に関する調整パラメータは、ピクセルクロック(PxClk)、水平同期信号、垂直同期信号、ビデオ入力フォーマットの8ビットのデジタル映像信号に対して1ビットずつタイミングを調整する信号、水平有効画像データ信号(V offset)、及び垂直有効画像データ信号(H offset)の入力タイミング及び電圧である。
【0032】
LCD4に関する調整パラメータは、例えば、水平同期信号、垂直同期信号、映像データ有効信号、LCD駆動クロック信号、及びRGB24ビット信号に対して1ビットずつタイミングを調整する信号の入出力タイミング及び電圧である。
タッチパネル34に関する調整パラメータは、電極駆動信号、タッチ位置検出信号(例えば、タッチパネル電極信号あるいはペンダウン信号)の入出力タイミング及び電圧である。
【0033】
次に、図3を用いて、半導体装置22の内容を説明する。
半導体装置22は、上述したように1チップICである。半導体装置22は、内部に、中央処理装置(CPU)のコア部であるCPUコア61、RAM62、不揮発性の書き換え可能なメモリとしてのフラッシュメモリ63と、映像処理部64と、ビデオ入出力プロセッサ65と、グラフィック処理部66と、ID入力回路67と、その他回路68とを有する。CPUコア61と各回路部は、内部バスあるいは信号線群によって接続され、回路部間も内部バスあるいは信号線群によって接続されている。半導体装置22は、上述したように、内視鏡装置1全体を制御するとともに、従来のカメラコントロールユニットの機能も有する。後述するように、半導体装置22には、各機器の駆動回路とタイミング調整回路が内蔵されているので、各機器の駆動回路とタイミング調整回路を内蔵する半導体装置22は、EMC対策上でも好ましい。
【0034】
CPUコア61は、各種演算等の処理を行う制御部であり、内視鏡装置1の各機能の動作を実行する。RAM62は、CPUコア61の作業用の記憶領域のためのメモリである。フラッシュメモリ63には、後述する各駆動回路及び各タイミング調整回路に各種調整パラメータを設定するためのプログラムを含む各種プログラム、および各種パラメータデータが予め記憶されている。調整パラメータを設定するプログラムは、各種調整パラメータを設定するパラメータ設定部として機能する。CPUコア61は、その処理プログラム等を、フラッシュメモリ63から読み出してRAM62に展開して実行する。
なお、RAM62は、半導体装置22の外部にあってもよい。
【0035】
映像処理部64は、カメラ31により撮像して得られた動画及び静止画の処理を行う回路であり、静止画符号化部64a、静止画復号化部64b、動画符号化部64c及び動画復号化部64dを含む。映像処理部64は、入力されたJPEGフォーマット等の静止画及びMPEG4フォーマット等の動画の画像データの符号化を行い、メモリカード38に記憶された画像データを復号化する。符号化されたデータは、メモリカード38に記憶され、復号化されたデータは、LCD4に出力されて画面上に画像が表示される。
【0036】
ビデオ入出力プロセッサ65は、カメラ31やLCD4に対する映像データの入出力を制御するプロセッサであり、カメラI/F65a、ディスプレイコントローラ65b、スケーラ65c、エンハンサ65d等を含む。
【0037】
カメラI/F65aは、カメラ31用の駆動回路71aとタイミング調整回路72aを介してカメラ31を駆動し、かつタイミング調整回路72aを介して撮像信号を受信する。
なお、カメラ31からの撮像信号がアナログ信号の場合は、その撮像信号を受信するA/D変換器が、タイミング調整回路72aに含まれる。
【0038】
駆動回路71aには、レジスタ73aに設定された複数の調整パラメータデータが供給すなわち伝送される。駆動回路71aは、供給された調整パラメータデータに応じた電圧の駆動信号OUT1を出力するカメラ31を駆動するための回路である。
【0039】
タイミング調整回路72aには、レジスタ74aに設定された複数の調整パラメータデータが供給すなわち伝送される。
タイミング調整回路72aは、半導体装置22内に設けられ、駆動回路71aの駆動信号の出力タイミングを調整し、かつカメラ31からの入力信号の入力タイミングを調整する調整回路であり、述するようにパラメータ設定部としてのプログラムが調整パラメータのデータをタイミング調整回路72aに設定することによって、入出力信号のタイミングが、その設定された調整パラメータのデータに応じて調整される。タイミング調整回路72aは、供給された調整パラメータに応じたタイミングで各種駆動信号OUT1の基準信号のタイミングを調整したり、供給された調整パラメータデータに応じたタイミングで各種駆動信号OUT1を出力し、かつ供給された調整パラメータデータに応じたタイミングで入力信号INP1を受信する。
【0040】
駆動回路71aとタイミング調整回路72aでは、それぞれレジスタ73aと74aから入力された調整パラメータデータに対応したビット値に応じて、アンプのゲイン調整、遅延回路の遅延量の調整やパルス幅やパルスのデューティー比の調整等が行われる。
【0041】
ディスプレイコントローラ65bは、LCD4用の駆動回路71bを駆動して、タイミング調整回路72bを介して、LCD4へ表示用データを出力する。駆動回路71bには、レジスタ73bに設定された複数の調整パラメータデータが供給される。駆動回路71bは、カメラ31によって撮像して得られた被写体の画像を表示する表示部としてのLCD4を駆動するための回路であり、駆動回路71bは、供給された調整パラメータデータに応じた電圧の駆動信号OUT4を出力する。
【0042】
タイミング調整回路72bには、レジスタ74bに設定された複数の調整パラメータデータが供給される。タイミング調整回路72bは、タイミング調整回路71aと同様に、供給された調整パラメータデータに応じたタイミングで各種駆動信号OUT4を出力し、かつ供給された調整パラメータデータに応じたタイミングで入力信号INP4を受信する。
グラフィック処理部66は、キャラクタ重畳部66aを含む。
【0043】
ID入力回路67は、スコープユニット3、LCD4及びタッチパネル34のそれぞれの識別部3a、4a、34aからの識別信号(電圧あるいはデータ)を入力して、入力された識別信号に応じたデータを生成して、CPUコア61に出力する回路である。
その他回路68は、メモリカードコントローラ66a、パラレルI/O66b、シリアルI/O66c、USBI/F66d、時計66e、タッチパネルコントローラ66f等が含まれる。
【0044】
メモリカードコントローラ66aは、メモリカード38とのデータの入出力を制御する回路である。
パラレルI/O(PIO)66bは、操作部5からの操作ボタン信号の入力や、図示しないパラレル信号の入出力のためのインターフェース回路であり、シリアルI/O(SIO)66cは、図示しないシリアル信号の入出力のためのインターフェース回路である。USBI/F66dは、USB規格の機器とのデータの入出力のためのインターフェース回路である。時計66eは、内部の時間管理のための回路である。
【0045】
タッチパネルコントローラ66fは、タッチパネル34用の駆動回路71cとタイミング調整回路72cを介して、タッチパネル34への駆動信号OUT3を出力し、タイミング調整回路72cを介して入力信号INP3を入力する。駆動回路71cには、レジスタ73cに設定された複数の調整パラメータデータが供給される。駆動回路71cは、駆動回路71cは、内視鏡装置1の動作内容を指示する指示部を駆動する回路であり、供給された調整パラメータデータに応じた電圧の駆動信号OUT3を出力する。
【0046】
タイミング調整回路72cには、レジスタ74cに設定された複数の調整パラメータデータが供給される。タイミング調整回路72cは、タイミング調整回路71aと同様に、供給された調整パラメータデータに応じたタイミングで各種駆動信号OUT3を出力し、かつ供給された調整パラメータデータに応じたタイミングで入力信号INP3を受信する。
【0047】
以上のように、上述したレジスタ73a,73b、73c、74a、74b、74cは、それぞれ1又は2以上の調整パラメータデータをストア可能な1又は2以上のレジスタである。図3では、駆動回路毎に1つのレジスタが設けられ、さらに、タイミング調整回路毎に1つのレジスタが設けられているようにレジスタが図示されているが、各調整パラメータ毎にレジスタが設けられている。なお、1つのレジスタの中に複数の調整パラメータが記憶できるものであってもよい。
【0048】
なお、各入力信号INPについてタイミング調整の必要の無い場合がある。そのような場合は、図3において2点鎖線で示すように、入力信号は、タイミング調整回路を介さずに、ビデオ入力プロセッサ65あるいはその他回路68に入力するようにしてもよい。
【0049】
また、カメラ31、LCD4あるいはタッチパネル34と半導体装置22間とのデータの送受信が、LVDS等のシリアル通信により行われる場合、そのLVDS等の回路は、各タイミング調整回路72とカメラ31,LCD4あるいはタッチパネル34の間に設けられる。
【0050】
さらになお、照明用のLED32をPWM駆動する場合、そのPWM駆動用のI/Fは、その他回路68の中に含まれ、半導体装置22は、LED32を直接PWM駆動する、あるいは別途設けられた駆動回路を介してLED32を駆動する。
3.調整パラメータの初期値とその設定
各調整パラメータは、初期設定値として、接続される機器の種類に応じて設定される。図4は、スコープユニット3の種類に応じたカメラに関連する調整パラメータが記憶されたテーブルデータの例を示す図である。なお、以下に説明する図4から図6のテーブルデータは、フラッシュメモリ63(あるいは40)に記憶されている。
【0051】
図4のテーブルデータ81は、スコープユニットに関する各種調整パラメータを、スコープユニット3の種類を示すスコープタイプ毎に、テーブルデータ形式で記憶する。後述するように、CPUコア61は、接続された機器(すなわちスコープユニット)のIDに対応する各調整パラメータをフラッシュメモリ63から読み出して、対応するレジスタに設定する。スコープユニット3のID1は、ID入力回路67を介して入力された識別部3aからの識別信号(電圧あるいはデータ)に基づいて、CPUコア61により判定される。
【0052】
テーブルデータ81に記憶される各調整パラメータは、機器毎に(すなわちスコープユニット毎に)異なる挿入部7の長さ等及びEMC対策内容に応じて、各機器が適切に動作するようにするためのパラメータ値である。各パラメータ値は、例えば、各機器を実際に接続して調整した結果、得られた調整パラメータ値が使用される。
【0053】
調整パラメータ1は、水平転送パルスの出力電圧値であり、調整パラメータ2は、水平転送パルスの出力タイミング値である。そのIDの機器を本体部2に接続し、水平転送パルスの出力電圧値と出力タイミングを調整し、その調整して得られた値が、テーブルデータ81に、調整パラメータ1及び2として記憶されている。
【0054】
調整パラメータ1の出力電圧値は、レジスタ73aにストアされ、駆動回路71aに出力される。調整パラメータ2の出力タイミング値は、レジスタ74aにストアされ、タイミング調整回路72aに出力される。
【0055】
駆動回路71aは、入力された調整パラメータ1の値に応じて出力電圧を調整して出力する電圧調整回路を有している。よって、駆動回路71aは、調整パラメータ1の値に応じて、水平転送パルスの出力電圧を調整して出力することができる。駆動回路71aでは、レジスタ73aから入力された調整パラメータデータに対応したビット値に応じて、アンプのゲイン調整等が行われる。
【0056】
タイミング調整回路72aは、入力された調整パラメータ2の値に応じて水平転送パルスの出力タイミングを調整する回路を有している。よって、タイミング調整回路72aは、調整パラメータ2の値に応じて、水平転送パルスの出力タイミングを調整して出力することができる。タイミング調整回路72aでは、レジスタ74aから入力された調整パラメータデータに対応したビット値に応じて、遅延回路の遅延量の調整やパルス幅やパルスのデューティー比の調整等が行われる。
【0057】
同様に他の調整パラメータも、調整パラメータ3,調整パラメータ4等として、レジスタ73aあるいは74aにストアされ、駆動回路71aあるいはタイミング調整回路72aに供給される。そして、駆動回路71a及びタイミング調整回路72aは、それぞれ、与えられた調整パラメータに応じて、駆動信号OUT1の電圧及び出力タイミングを調整してカメラ31へ出力する。
【0058】
カメラ31は、スコープユニット3の種類に応じて、各種駆動信号OUT1を、適切な電圧及び出力タイミングで出力し、かつ各種入力信号INP1を、適切な入力タイミングで入力することができる。
【0059】
特に、挿入部7は、スコープユニット3の種類によって、長さが異なっており、かつEMC対策も他のスコープユニットとは異なっている。よって、複数の適切な調整パラメータが、スコープユニット3の種類に応じて、レジスタ73a及び74aに設定されて、適切な駆動信号OUT1が出力され、適切な入力信号INP1が入力されるので、カメラ31は適切に動作する。
【0060】
図5は、モニタの種類に応じたモニタに関連する調整パラメータが記憶されたテーブルデータの例を示す図である。
図5のテーブルデータ82は、モニタに関する各種調整パラメータを、LCD4の種類を示すモニタタイプ毎に、テーブルデータ形式で記憶する。CPUコア61は、接続された機器(すなわちモニタ)のID2に対応する各調整パラメータをフラッシュメモリ63から読み出して、対応するレジスタの所定の記憶領域に設定する。LCD4のIDは、ID入力回路67を介して入力された識別部4aからの識別信号(電圧あるいはデータ)に基づいて、CPUコア61により判定される。
【0061】
テーブルデータ82に記憶される各調整パラメータは、機器毎に(すなわちモニタ毎に)異なるLCD4と回路基板21間の配線長等及びEMC対策内容に応じて、各機器が適切に動作するようにするためのパラメータ値である。この各パラメータ値も、例えば、各機器を実際に接続して調整した結果、得られた調整パラメータが使用される。
【0062】
同様に、図6は、タッチパネルの種類に応じたタッチパネルに関連する調整パラメータが記憶されたテーブルデータの例を示す図である。
図6のテーブルデータ83は、タッチパネルに関する各種調整パラメータを、タッチパネル34の種類毎に、テーブルデータ形式で記憶する。CPUコア61は、接続された機器(すなわちタッチパネル)のID3に対応する各調整パラメータをフラッシュメモリ63から読み出して、対応するレジスタの所定の記憶領域に設定する。タッチパネル34のIDは、ID入力回路67を介して入力された識別部34aからの識別信号(電圧あるいはデータ)に基づいて、CPUコア61により判定される。
【0063】
テーブルデータ82に記憶される各調整パラメータは、機器毎に(すなわちタッチパネル毎に)異なるLCD4と回路基板21間の配線長及びEMC対策内容に応じて、各機器が適切に動作するようにするためのパラメータ値である。この各パラメータ値も、例えば、各機器を実際に接続して調整した結果、得られた調整パラメータが使用される。
【0064】
なお、本実施の形態では、CPUコア61は、各機器のIDを、各機器に設けられた識別部のデータあるいは信号を読み出すことによって得ているが、タッチパネル34が使用可能であれば、タッチパネル34からスコープユニット3及びLCD4の各IDを入力するようにしてもよい。
4.調整パラメータの設定処理
次に、上述した各調整パラメータの設定処理について説明する。
4.1 製造時のパラメータ設定
図7は、内視鏡装置1の製造時の調整パラメータの設定処理の流れの例を示すフローチャートである。LCD4、スコープユニット3及びタッチパネル34の順で、本体部12に接続あるいは取り付けられ、図7の処理は、それぞれの接続された機器毎に実行される。
【0065】
製造ラインの調整者は、本体部2のパラレルI/O66bあるいはシリアルI/O66cを介して接続されたパソコン(PC)等の装置の画面を用いて、各調整パラメータの設定を行うようにセットアップが行われる。PC等の装置は、図2において、点線で示されている。
【0066】
本体部12の電源がオンされて、調整パラメータの設定処理がユーザによって選択されると、CPUコア61は調整パラメータの設定処理プログラムを、フラッシュメモリ63から読み出して実行する。
まず、CPUコア61は、機器(最初は、LCD4)が接続あるいは取り付けられたか否かを判定する(ステップS11)。機器が接続されたか否かの判断は、例えば、コネクタ部に設けられた接続検知用の信号線における電流の導通の有無を検出することによって行われる。
【0067】
機器が接続されていれば、ステップS11でYESとなり、CPUコア61は、接続された機器のIDが読み取れたか否かを判定する(ステップS12)。
機器のIDが読み取れた場合は、ステップS12でYESとなり、CPUコア61は、読み取れた機器IDに対応する調整パラメータを読み出す(ステップS13)。まず、モニタの種類が、機器ID2の情報に基づいて判定される。モニタの種類に対応する各種調整パラメータが、フラッシュメモリ63に記憶された図5のテーブルデータ82の中から読み出されて、RAM62に書き込まれる。ステップS12で読み取れた機器IDのデータも、RAM62に書き込まれる。
【0068】
そして、CPUコア61は、読み出された各種調整パラメータを、それぞれのパラメータを設定すべき対応するレジスタ73b、74bに書き込むすなわちストアすることによって、駆動回路71bとタイミング調整回路72bに設定する(ステップS14)。ステップS14の処理が、半導体装置22内に設けられ、駆動回路71bの駆動信号の出力タイミングあるいは入力信号の入力タイミングの少なくとも一方を調整するためのパラメータデータを設定するパラメータ設定部を構成する。
【0069】
各種調整パラメータが駆動回路71bとタイミング調整回路72bに設定されることによって、出力信号の出力電圧と出力タイミング、及び入力信号の入力タイミングは、その設定された各調整パラメータに応じて調整され、LCD4の画面上には、所定の画像が表示される。表示された画像が適切なものであれば、正しく調整パラメータが設定されているので、調整処理(ステップS15)は、スキップされて、CPUコア61は、RAM62に書かれた調整パラメータをフラッシュメモリ63に機器ID(ここでは、LCD4のID2)と共に記憶する。
【0070】
ステップS15のスキップ及びステップS16の記憶処理の指示は、例えば、製造ラインの調整者あるいは検査者が、LCD4の画面を見て、PCに対して所定の操作を行ってCPUコア61に所定の指示を与えることによって行われる。
【0071】
なお、ステップS14において各種調整パラメータが駆動回路71bとタイミング調整回路72bに設定されたが、LCD4の画面上に所定の画像が適切に表示されない場合に、ステップS15の調整処理は、調整者によって行われる。この調整処理は、調整者によって、テスタ等を用いて行われる。
【0072】
調整者は、本体部2に接続されたPC等を用いて、調整処理(ステップS15)において設定された各種調整パラメータを、RAM62に記憶させる。そのPC等のモニタの画面上には、図8に示すような調整パラメータ設定画面が表示されるように、PC等は構成されている。図8は、調整パラメータの設定画面の例を示す図である。ユーザである調整者は、画面91上に表示された各調整パラメータに対応する入力フィールド92に、調整パラメータを入力できる。調整パラメータの記憶は、設定ボタン93をクリック等することによって行うことができる。
【0073】
なお、機器(すなわちLCD4)が接続されていないときは、ステップS11でNOとなり、LCD4についての処理は、行われない。
また、機器IDが読み取れない場合(識別部が異常、故障等している場合、識別部が設けられていない場合、等々)は、ステップS12でNOとなり、検査者による調整処理が行われる(ステップS15)。
【0074】
上述したように、機器IDは、機器の型番等の種類の情報だけでなく、個体識別のための製造番号等のユニークな情報も含んでいるが、ステップS13において、調整パラメータを読み出すときには、機器IDの中の機器の種類を示す型番等の情報だけが使用される。
【0075】
図9は、RAM62に記憶される各種調整パラメータ及び機器IDのメモリマップの例を示す図である。
図9に示すように、RAM62は、スコープユニット3についての調整パラメータを記憶する記憶領域MR1と、LCD4についての調整パラメータを記憶する記憶領域MR2と、タッチパネル34についての調整パラメータを記憶する記憶領域MR3と、スコープID、モニタID及びタッチパネルIDを記憶する記憶領域MR4,MR5,MR6を含む。
【0076】
LCD4に関する各種調整パラメータと機器ID2は、それぞれ、RAM62の記憶領域MR2とMR5に記憶される。
RAM62に記憶された各種パラメータのデータは、フラッシュメモリ63の対応する調整パラメータのデータとして記憶される(ステップS16)。図7の処理の調整処理(ステップS15)により、一旦設定された各種調整パラメータが変更されたときは、テーブルデータ82のデータは、更新される。そして、RAM62に記憶されたLCD4のIDデータも、ステップS16において、フラッシュメモリ63の所定の記憶領域に記憶される
次に、スコープユニット3について図7の調整パラメータの設定処理を行い、図9に示すように調整パラメータと機器ID1が、それぞれ、RAM62の記憶領域MR1とMR4に記憶され、フラッシュメモリ63のテーブルデータ81の対応するスコープタイプの調整パラメータとして記憶あるいは更新される。
なお、調整者は、LCD4に表示される画像を観ることによっても、スコープユニット3についての調整パラメータの設定が適切か否かを判断することができる。
【0077】
さらに、タッチパネル34について図7の調整パラメータの設定処理を行い、図9に示すように、調整パラメータと機器ID3が、それぞれ、RAM62の記憶領域MR3とMR6に記憶され、フラッシュメモリ63のテーブルデータ83の対応するタッチパネルの調整パラメータとして記憶あるいは更新される。
以上のように、カメラ31に対して行われる上述したステップS14の処理が、半導体装置22内に設けられ、駆動回路71aの駆動信号の出力タイミングあるいはカメラ31からの画像信号の入力信号の入力タイミングの少なくとも一方を調整するためのパラメータデータを設定するパラメータ設定部を構成する。同様に、タッチパネル34に対して行われる上述したステップS14の処理が、半導体装置22内に設けられ、駆動回路71cの駆動信号の出力タイミングあるいはタッチパネル34からの入力信号の入力タイミングの少なくとも一方を調整するためのパラメータデータを設定するパラメータ設定部を構成する。
【0078】
なお、上述した例では、フラッシュメモリ63に記憶された初期値としての各調整パラメータは、製造時の設定処理によって書き換えられるが、図4から図6のテーブルデータ81から83は、初期値として記憶しておき、設定により確定した調整パラメータは、フラッシュメモリ63に初期値とは別に記憶するようにしてもよい。
4.2 電源ON時のパラメータ設定
内視鏡装置1は、製造時に、図7の処理により正しく調整され、その調整されたときの調整パラメータが、フラッシュメモリ63に記憶されている。内視鏡装置1が実際に現場で使用されるときには、電源がONされて、内視鏡装置1が起動する。
【0079】
通常、工業用内視鏡装置では、本体部2に取り付けられたLCD4及びタッチパネル34は、現場で交換されることは少なく、スコープユニット3が交換される場合は、少なくない。よって、そのような場合は、ユーザは、LCD4あるいはタッチパネル34を用いて、スコープユニット3のパラメータ設定を行うことができる。
なお、LCD4の交換をする場合も、ユーザは、タッチパネル34を用いて、LCD4のパラメータ設定を行うことができる。タッチパネル34の交換をする場合は、ユーザは、上述したようにPC等を本体部2に接続して、PC等の画面を用いて、タッチパネル34のパラメータ設定を行うことができる。
【0080】
図10は、内視鏡装置1のON時の調整パラメータの設定処理の流れの例を示すフローチャートである。図10の処理は、それぞれの接続された機器毎に実行される。
本体部12の電源がオンされると、CPUコア61は、図10の調整パラメータの設定処理プログラムを実行する。
まず、CPUコア61は、機器(最初は、LCD4)が本体部2に接続あるいは取り付けられているか否かを判定する(ステップS21)。機器が取り付けられていないときは、ステップS21でNOとなり、CPUコア61は、所定のアラームを出力する(ステップS22)。所定のアラームの出力は、例えば、LCD4あるいはタッチパネル34への表示出力、音声出力、ビープ音出力、等々である。
【0081】
機器が接続されていれば、ステップS21でYESとなり、CPUコア61は、接続された機器のIDが読み取れたか否かを判定する(ステップS23)。
機器のIDが読み取れた場合は、ステップS23でYESとなり、CPUコア61は、接続されている機器ここではLCD4の機器ID2を読み込んで、フラッシュメモリ63の記憶領域MR5に記憶されている機器IDと比較することによって、接続されている機器に変更がないか否かを判定する。比較は、機器IDの種類情報の比較だけでなく製造番号等のユニークな個体識別情報も含めて行われる。
【0082】
接続されている機器に変更が無ければ、ステップS24でYESとなり、接続されている機器の種類に対応する各種調整パラメータをフラッシュメモリ63から読み出して、駆動回路71b及びタイミング調整回路72bに設定する(ステップS25)。その設定は、CPUコア61が、フラッシュメモリ63から読み出した各種調整パラメータをRAM62に書き込み、さらにレジスタ73b、74bに書き込むことによって、行われる。ステップS25の処理が、半導体装置22内に設けられ、駆動回路71bの駆動信号の出力タイミングあるいは入力信号の入力タイミングの少なくとも一方を調整するためのパラメータデータを設定するパラメータ設定部を構成する。
【0083】
また、接続されている機器に変更が有れば、ステップS24でNOとなり、CPUコア61は、図7の調整パラメータの設定処理プログラムを実行する(ステップS26)。このとき、LCD4のパラメータの設定なので、LCD4の調整パラメータの設定処理が実行される。調整パラメータの設定は、タッチパネル34が使用可能な場合は、タッチパネル34を用いて行うことができる。調整パラメータの設定処理プログラムにより、タッチパネル34には、図8で示したような画面が表示され、ユーザは、その画面を用いて調整パラメータを設定することができる。
【0084】
また、機器IDすなわちLCD4の識別部4aのIDが読み取れない場合、ステップS23においてNOとなり、CPUコア61は、調整処理を実行する(ステップS27)。このステップS27は、図7のステップS15と同様の処理である。
【0085】
そして、CPUコア61は、RAM62に記憶された各種調整パラメータのデータを、フラッシュメモリ63の対応する調整パラメータのデータとして記憶する(ステップS28)。このステップS27は、図7のステップS16と同様の処理である。
【0086】
以上のようにして、まずLCD4の調整パラメータの設定が行われ、続いて、スコープユニット3及びタッチパネル34についても、図10の処理が実行される。
その結果、LCD4、スコープユニット3及びタッチパネル34について、適切な調整パラメータが、各駆動回路及び各タイミング調整回路に設定される。
【0087】
以上のように、本実施の形態によれば、装置内の回路調整の容易な内視鏡装置を提供することができる。特に、上述した例では、各調整パラメータは、ソフトウエアにより設定されるので、内視鏡装置内の回路調整は、容易である。
また、上述した本実施の形態の内視鏡装置には、半導体装置に各機器の駆動回路とタイミング調整回路が内蔵されているので、半導体装置が各機器の駆動回路とタイミング調整回路を内蔵するという構成は、EMC対策上でも好ましい。
【0088】
なお、上述した例では、駆動回路71a、71b、71cとタイミング調整回路72a、72b、72cのように、駆動回路とタイミング調整回路は別々の回路として示してあるが、駆動回路を調整することによって、駆動信号OUTの出力タイミングも併せて調整できる場合があるので、そのような場合は、タイミング調整回路の一部又は全部は、駆動回路に含まれる。
【0089】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【符号の説明】
【0090】
1 内視鏡装置、2 本体部、3 スコープユニット、4 LCD、5 操作部、6 ユニバーサルケーブル、7 挿入部、8 先端部、9 湾曲部、10 光学アダプタ、21 回路基板、22 半導体装置、81、82,83 テーブルデータ、91 画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子により被写体を撮像する内視鏡装置であって、
回路基板上に搭載され、CPU及び前記撮像素子を駆動するための第1の駆動回路を有する半導体装置と、
前記半導体装置内に設けられ、前記第1の駆動回路の駆動信号の出力タイミング、又は前記撮像素子からの画像信号の入力タイミングを調整するための第1のパラメータデータを設定する第1のパラメータ設定部と、
を具備した内視鏡装置。
【請求項2】
前記半導体装置内に設けられ、前記被写体の画像を表示する表示部を駆動するための第2の駆動回路と、
前記半導体装置内に設けられ、前記第2の駆動回路の駆動信号の出力タイミング、又は前記表示部からの入力信号の入力タイミングを調整するための第2のパラメータデータを設定する第2のパラメータ設定部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
前記半導体装置内に設けられ、内視鏡システムを操作するための第3の駆動回路と、
前記半導体装置内に設けられ、前記第3の駆動回路の駆動信号の出力タイミング、又は前記指示部からの入力信号の入力タイミングを調整するための第3のパラメータデータを設定する第3のパラメータ設定部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記第1のパラメータデータを記憶する不揮発性メモリをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
前記内視鏡装置の起動時に、前記第1のパラメータ設定部は、前記不揮発性メモリから前記第1のパラメータデータを読み出して前記設定を行うことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡装置。
【請求項6】
前記半導体装置内に設けられ、前記第1の駆動回路の駆動信号の出力タイミングを調整する第1のタイミング調整回路をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項7】
前記第1の駆動回路の駆動信号の出力タイミングの調整は、前記第1のパラメータ設定部が、前記第1のパラメータデータを前記第1のタイミング調整回路に伝送することによって行われることを特徴とする請求項6に記載の内視鏡装置。
【請求項8】
前記半導体装置内に設けられ、前記第1のパラメータデータを記憶する第1のレジスタをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項9】
前記第1の駆動回路の駆動信号の出力タイミング、又は前記撮像素子からの画像信号の入力タイミングの調整は、前記第1のパラメータ設定部が前記第1のパラメータデータを前記第1のレジスタに設定するすることによって行われることを特徴とする請求項8に記載の内視鏡装置。
【請求項10】
前記半導体装置は、1チップICであることを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載の内視鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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