内視鏡除菌乾燥装置およびそれを備えた内視鏡保管庫
【課題】使用後の内視鏡の内腔を除菌および乾燥させることができる内視鏡除菌乾燥装置およびそれを備えた内視鏡保管庫を提供する。
【解決手段】本発明の内視鏡除菌乾燥装置1は、内視鏡30の吸引チャンネル口31に取り付けられる第1チューブ10と、内視鏡30の鉗子挿入口32に取り付けられる第2チューブ11と、内視鏡30の送気・送水チャンネル口33に取り付けられる第3チューブ12を介して空気を内視鏡の内腔に流通させることで、使用後の内視鏡の内腔を除菌および乾燥させることができるように構成されており、本発明の内視鏡保管庫20はその内視鏡除菌乾燥装置1を内部に有している。
【解決手段】本発明の内視鏡除菌乾燥装置1は、内視鏡30の吸引チャンネル口31に取り付けられる第1チューブ10と、内視鏡30の鉗子挿入口32に取り付けられる第2チューブ11と、内視鏡30の送気・送水チャンネル口33に取り付けられる第3チューブ12を介して空気を内視鏡の内腔に流通させることで、使用後の内視鏡の内腔を除菌および乾燥させることができるように構成されており、本発明の内視鏡保管庫20はその内視鏡除菌乾燥装置1を内部に有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡を除菌および乾燥する内視鏡除菌乾燥装置およびそれを備えた内視鏡保管庫に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡を使用すると、血液、粘液、分泌液、組織片、消化物、薬剤などが付着するため、使用された内視鏡は速やかに洗浄、消毒、除菌および乾燥して次の患者が使用するまで保管する必要がある。
【0003】
しかし、洗浄および消毒をしても、内視鏡の内腔を除菌および乾燥させることは困難であり、この除菌および乾燥が不十分であると内腔に残存したバクテリア等が繁殖して院内感染を発症させるため、内腔まで除菌および乾燥させなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】引用なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の課題は、使用後の内視鏡の内腔を除菌および乾燥させることができる内視鏡除菌乾燥装置およびそれを備えた内視鏡保管庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するものは、空気を分岐させる分岐部と、該分岐部の第1分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の吸引チャンネル口に取り付けられる第1チューブと、該分岐部の第2分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の鉗子挿入口に取り付けられる第2チューブと、該分岐部の第3分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の送気・送水チャンネル口に取り付けられる第3チューブと、前記分岐部および前記第1ないし第3チューブを介して内視鏡の吸引チャンネル口、鉗子挿入口および送気・送水チャンネル口内に空気を送風するための送風手段を有していることを特徴とする内視鏡除菌乾燥装置である。
【0007】
前記内視鏡除菌乾燥装置は、除菌促進手段を有していてもよい。前記除菌促進手段は、プラスイオンおよびマイナスイオンを発生させるためのイオン発生手段であってもよい。
【0008】
上記課題を解決するものは、空気を分岐させる分岐部と、該分岐部の第1分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の吸引チャンネル口に取り付けられる第1チューブと、該分岐部の第2分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の鉗子挿入口に取り付けられる第2チューブと、該分岐部の第3分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の送気・送水チャンネル口に取り付けられる第3チューブと、前記分岐部および前記第1ないし第3チューブを介して内視鏡の吸引チャンネル口、鉗子挿入口および送気・送水チャンネル口内に空気を送風するための送風手段を備えた内視鏡除菌乾燥装置を内部に有していることを特徴とする内視鏡保管庫である。
【0009】
前記内視鏡除菌乾燥装置は、除菌促進手段を有していてもよい。前記除菌促進手段は、プラスイオンおよびマイナスイオンを発生させるためのイオン発生手段であってもよい。前記除菌促進手段を経て形成された空気は内視鏡保管庫の内部にも流通可能に構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載した内視鏡除菌乾燥装置によれば、内視鏡の内腔に送風することで、使用後の内視鏡の内腔を除菌および乾燥させることができる。
請求項2または3に記載した内視鏡除菌乾燥装置によれば、除菌促進手段の作用により、使用後の内視鏡の内腔をより除菌することができる。
請求項4に記載した内視鏡保管庫によれば、内視鏡の内腔に送風することで、使用後の内視鏡の内腔を除菌および乾燥させることができる。
請求項5または6に記載した内視鏡保管庫によれば、除菌促進手段の作用により、使用後の内視鏡の内腔をより除菌することができる。
請求項7に記載した内視鏡保管庫によれば、内視鏡の外部も除菌および乾燥させると共に保管庫内部も除菌および乾燥させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の内視鏡除菌乾燥装置の一実施例の正面概略図である。
【図2】図1に示した内視鏡除菌乾燥装置の右側面概略図である。
【図3】図1に示した内視鏡除菌乾燥装置の作用を説明するための斜視図である。
【図4】本発明の内視鏡除菌乾燥装置を備えた内視鏡保管庫の一実施例の正面概略図であり、開き戸を開いた状態の図である。
【図5】図4に示した内視鏡除菌乾燥装置を備えた内視鏡保管庫の右側面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明では、内視鏡30の吸引チャンネル口31に取り付けられる第1チューブ10と、内視鏡30の鉗子挿入口32に取り付けられる第2チューブ11と、内視鏡30の送気・送水チャンネル口33に取り付けられる第3チューブ12を介して空気を内視鏡の内腔に流通させることで、使用後の内視鏡の内腔を除菌および乾燥させることができる内視鏡除菌乾燥装置1および内視鏡保管庫20を実現した。
【実施例1】
【0013】
本発明の内視鏡除菌乾燥装置を図1ないし図3に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例の内視鏡除菌乾燥装置1は、吸気口2と吹出口3とを連通する通気路4と、通気路4内に設けられプラスイオンおよびマイナスイオンを発生させるためのイオン発生手段5と、吹出口3に連結されプラスイオンおよびマイナスイオンを含有した空気を分岐させる分岐部6と、分岐部6の第1分岐口7に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡30の吸引チャンネル口31に取り付けられる第1チューブ10と、分岐部6の第2分岐口8に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡30の鉗子挿入口32に取り付けられる第2チューブ11と、分岐部6の第3分岐口9に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡30の送気・送水チャンネル口33に取り付けられる第3チューブ12と、プラスイオンおよびマイナスイオンを含有した空気を、通気路4、分岐部6および第1ないし第3チューブ10,11,12を介して内視鏡30の吸引チャンネル口31、鉗子挿入口32および送気・送水チャンネル口33内に送風するための送風手段13を有している。以下、各構成について順次詳述する。
【0014】
吸気口2は、外気を内視鏡除菌乾燥装置1のハウジング本体1a内に取り込むための部位であり、図2に示すように、ハウジング本体1aの背面側に設けられている。
【0015】
吹出口3は、プラスイオンおよびマイナスイオンを含有させた空気をハウジング本体1aから吹き出させる部位であり、図1または図2に示すように、ハウジング本体1aの正面側の略全面に渡って設けられている。
【0016】
通気路4は、吸気口2と吹出口3を連通する通路であり、この通気路内でプラスイオンおよびマイナスイオンが空気内に混入される。
【0017】
イオン発生手段5は、通気路4を流通する空気内にプラスイオンおよびマイナスイオンを混入させるためのものであり、図2に示すように、通気路4内に設けられている。
【0018】
このイオン発生手段5は、針状や平面状の複数の放電電極(図示しない)を有しており、これら複数の放電電極に高電圧がそれぞれ印加されることによりプラズマ放電が生起されるように構成されている。具体的には、一の放電電極では正電圧が印加されることで、電離により発生するイオンが空気中の水分と結合してH+(H2O)mからなる電荷によってプラスイオンが発生する。他の放電電極では負電圧が印加されることで、電離により発生するイオンが空気中の水分と結合してO2−(H2O)nからなる電荷によってマイナスイオンが発生する。なお、m、nは任意の自然数である。
【0019】
そして、H+(H2O)mおよびO2−(H2O)nはバクテリア等の表面に凝集しこれらを取り囲み、さらに衝突によって活性種である[・OH](水酸基ラジカル)やH2O2(過酸化水素)を生成してバクテクア等を破壊分解する。このような作用により、プラスイオンおよびマイナスイオンを含有した空気は除菌作用を発揮する。
【0020】
分岐部6は、プラスイオンおよびマイナスイオンを含有した空気を分岐させる部位であり、図1または図2に示すように、吹出口3の上半分を覆うように連結されている。分岐部6の内部には、吹出口3と第1分岐口7、第2分岐口8および第3分岐口9とをそれぞれ連通させる分岐通路6Aが設けられており、この実施例の分岐部6はこの分岐通路6Aを内部に3本有した分岐ブロック6Bが水平方向に5つ並設され構成されている。
【0021】
第1チューブ10、第2チューブ11および第3チューブ12は、ハウジング本体1A内でイオン発生手段5によってプラスイオンおよびマイナスイオンが混入された空気を分岐部6を介して内視鏡30の内腔に注入するためのものである。
【0022】
具体的には、第1チューブ10は、図1に示すように、基端部が、分岐部6の第1分岐口7に取り付けられると共に、図3に示すように、その先端部が除菌乾燥する内視鏡30の吸引チャンネル口31に取り付けられる。また、第2チューブ11は、図1に示すように、基端部が、分岐部6の第2分岐口8に取り付けられると共に、図3に示すように、その先端部が除菌乾燥する内視鏡30の鉗子挿入口32に取り付けられる。さらに、第3チューブ12は、図1に示すように、基端部が、分岐部6の第3分岐口9に取り付けられると共に、図3に示すように、その先端部が除菌乾燥する内視鏡30の送気・送水チャンネル口33に取り付けられる。
【0023】
なお、この実施例の内視鏡除菌乾燥装置1は、図1に示すように、分岐部6が5つの分岐ブロック6Bにより構成され、各分岐ブロック6Bには、第1チューブ10、第2チューブ11および第3チューブ12がそれぞれ取り付けられており、5台の内視鏡を同時に除菌および乾燥させることができるように構成されている。
【0024】
送風手段13は、プラスイオンおよびマイナスイオンを含有した空気を、前述した通気路4、分岐部6および第1ないし第3チューブ10,11,12を介して内視鏡30の吸引チャンネル口31、鉗子挿入口32および送気・送水チャンネル口33内にそれぞれ送風するためのものであり、この実施例では、図2に示すように、通気路4内に設けられたファンモータにより構成されている。
【0025】
この実施例の内視鏡除菌乾燥装置1は、以上のような構成により、プラスイオンおよびマイナスイオンを含有した空気を、送風手段13により、内視鏡30の吸引チャンネル口31、鉗子挿入口32および送気・送水チャンネル口33から内視鏡の内腔内に流通させ、内視鏡30の先端部34から排出させることにより、内視鏡の内腔を確実に除菌および乾燥させることができるように構成されている。
【0026】
つぎに、本発明の内視鏡保管庫20を図4および図5に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例の内視鏡保管庫20は、吸気口2と吹出口3とを連通する通気路4と、通気路4内に設けられプラスイオンおよびマイナスイオンを発生させるためのイオン発生手段5と、吹出口3に連結されプラスイオンおよびマイナスイオンを含有した空気を分岐させる分岐部6と、分岐部6の第1分岐口7に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡30の吸引チャンネル口31に取り付けられる第1チューブ10と、分岐部6の第2分岐口8に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡30の鉗子挿入口32に取り付けられる第2チューブ11と、分岐部6の第3分岐口9に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡30の送気・送水チャンネル口33に取り付けられる第3チューブ12と、プラスイオンおよびマイナスイオンを含有した空気を、通気路4、分岐部6および第1ないし第3チューブ10,11,12を介して内視鏡30の吸引チャンネル口31、鉗子挿入口32および送気・送水チャンネル口33内に送風するための送風手段13を備えた内視鏡除菌乾燥装置1を内部に有している。以下、各構成について順次説明するが、前述した内視鏡除菌乾燥装置1については同様であるため説明を省略する。
【0027】
この実施例の内視鏡保管庫20は、ハウジング21の内部に内視鏡を収納するための内視鏡収納空間22を備えている。内視鏡収納空間22には、5台の内視鏡を垂下させ収納できるように懸架部23が設けられており、ハウジング21の前面には、内視鏡を出し入れするための開き戸24が設けられている。
【0028】
内視鏡収納空間22の上部には、図4または図5に示すように、前述した内視鏡除菌乾燥装置1が固定されている。これにより、懸架部23に掛架された内視鏡の内腔内にプラスイオンおよびマイナスイオンを含有した空気を流通させて除菌および乾燥させることができ、次の使用者が使用するまで内腔内を除菌乾燥させた状態で保管することができる。また、内視鏡除菌乾燥装置1の分岐部6は吹出口3の一部(上半分)に連結され、プラスイオンおよびマイナスイオンを含有した空気は、吹出口3の下半分から収納部22にも流通可能に構成されているため、内視鏡の外部も確実に除菌および乾燥させると共に保管庫内部も除菌および乾燥させることができるように構成されている。
【0029】
なお、前述した内視鏡除菌乾燥装置1およびそれを備えた内視鏡保管庫20は、除菌促進手段としてイオン発生手段を有するものであるが、内視鏡の内腔に送風して乾燥させることにより除菌することができるため、除菌促進手段を有しないものも本発明の範疇に包含される。また、除菌促進手段はイオン発生手段に限定されるものではなく、内視鏡の内腔に流通させる空気に除菌を促進する作用を付与できる手段を備えたものは広く本発明の範疇に包含される。
【符号の説明】
【0030】
1 内視鏡除菌乾燥装置
2 吸気口
3 吹出口
4 通気路
5 イオン発生手段
6 分岐部
7 第1分岐口
8 第2分岐口
9 第3分岐口
10 第1チューブ
11 第2チューブ
12 第3チューブ
13 送風手段
20 内視鏡保管庫
21 ハウジング
22 内視鏡収納空間
23 懸架部
24 開き戸
30 内視鏡
31 吸引チャンネル口
32 鉗子挿入口
33 送気・送水チャンネル口
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡を除菌および乾燥する内視鏡除菌乾燥装置およびそれを備えた内視鏡保管庫に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡を使用すると、血液、粘液、分泌液、組織片、消化物、薬剤などが付着するため、使用された内視鏡は速やかに洗浄、消毒、除菌および乾燥して次の患者が使用するまで保管する必要がある。
【0003】
しかし、洗浄および消毒をしても、内視鏡の内腔を除菌および乾燥させることは困難であり、この除菌および乾燥が不十分であると内腔に残存したバクテリア等が繁殖して院内感染を発症させるため、内腔まで除菌および乾燥させなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】引用なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の課題は、使用後の内視鏡の内腔を除菌および乾燥させることができる内視鏡除菌乾燥装置およびそれを備えた内視鏡保管庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するものは、空気を分岐させる分岐部と、該分岐部の第1分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の吸引チャンネル口に取り付けられる第1チューブと、該分岐部の第2分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の鉗子挿入口に取り付けられる第2チューブと、該分岐部の第3分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の送気・送水チャンネル口に取り付けられる第3チューブと、前記分岐部および前記第1ないし第3チューブを介して内視鏡の吸引チャンネル口、鉗子挿入口および送気・送水チャンネル口内に空気を送風するための送風手段を有していることを特徴とする内視鏡除菌乾燥装置である。
【0007】
前記内視鏡除菌乾燥装置は、除菌促進手段を有していてもよい。前記除菌促進手段は、プラスイオンおよびマイナスイオンを発生させるためのイオン発生手段であってもよい。
【0008】
上記課題を解決するものは、空気を分岐させる分岐部と、該分岐部の第1分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の吸引チャンネル口に取り付けられる第1チューブと、該分岐部の第2分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の鉗子挿入口に取り付けられる第2チューブと、該分岐部の第3分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の送気・送水チャンネル口に取り付けられる第3チューブと、前記分岐部および前記第1ないし第3チューブを介して内視鏡の吸引チャンネル口、鉗子挿入口および送気・送水チャンネル口内に空気を送風するための送風手段を備えた内視鏡除菌乾燥装置を内部に有していることを特徴とする内視鏡保管庫である。
【0009】
前記内視鏡除菌乾燥装置は、除菌促進手段を有していてもよい。前記除菌促進手段は、プラスイオンおよびマイナスイオンを発生させるためのイオン発生手段であってもよい。前記除菌促進手段を経て形成された空気は内視鏡保管庫の内部にも流通可能に構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載した内視鏡除菌乾燥装置によれば、内視鏡の内腔に送風することで、使用後の内視鏡の内腔を除菌および乾燥させることができる。
請求項2または3に記載した内視鏡除菌乾燥装置によれば、除菌促進手段の作用により、使用後の内視鏡の内腔をより除菌することができる。
請求項4に記載した内視鏡保管庫によれば、内視鏡の内腔に送風することで、使用後の内視鏡の内腔を除菌および乾燥させることができる。
請求項5または6に記載した内視鏡保管庫によれば、除菌促進手段の作用により、使用後の内視鏡の内腔をより除菌することができる。
請求項7に記載した内視鏡保管庫によれば、内視鏡の外部も除菌および乾燥させると共に保管庫内部も除菌および乾燥させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の内視鏡除菌乾燥装置の一実施例の正面概略図である。
【図2】図1に示した内視鏡除菌乾燥装置の右側面概略図である。
【図3】図1に示した内視鏡除菌乾燥装置の作用を説明するための斜視図である。
【図4】本発明の内視鏡除菌乾燥装置を備えた内視鏡保管庫の一実施例の正面概略図であり、開き戸を開いた状態の図である。
【図5】図4に示した内視鏡除菌乾燥装置を備えた内視鏡保管庫の右側面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明では、内視鏡30の吸引チャンネル口31に取り付けられる第1チューブ10と、内視鏡30の鉗子挿入口32に取り付けられる第2チューブ11と、内視鏡30の送気・送水チャンネル口33に取り付けられる第3チューブ12を介して空気を内視鏡の内腔に流通させることで、使用後の内視鏡の内腔を除菌および乾燥させることができる内視鏡除菌乾燥装置1および内視鏡保管庫20を実現した。
【実施例1】
【0013】
本発明の内視鏡除菌乾燥装置を図1ないし図3に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例の内視鏡除菌乾燥装置1は、吸気口2と吹出口3とを連通する通気路4と、通気路4内に設けられプラスイオンおよびマイナスイオンを発生させるためのイオン発生手段5と、吹出口3に連結されプラスイオンおよびマイナスイオンを含有した空気を分岐させる分岐部6と、分岐部6の第1分岐口7に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡30の吸引チャンネル口31に取り付けられる第1チューブ10と、分岐部6の第2分岐口8に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡30の鉗子挿入口32に取り付けられる第2チューブ11と、分岐部6の第3分岐口9に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡30の送気・送水チャンネル口33に取り付けられる第3チューブ12と、プラスイオンおよびマイナスイオンを含有した空気を、通気路4、分岐部6および第1ないし第3チューブ10,11,12を介して内視鏡30の吸引チャンネル口31、鉗子挿入口32および送気・送水チャンネル口33内に送風するための送風手段13を有している。以下、各構成について順次詳述する。
【0014】
吸気口2は、外気を内視鏡除菌乾燥装置1のハウジング本体1a内に取り込むための部位であり、図2に示すように、ハウジング本体1aの背面側に設けられている。
【0015】
吹出口3は、プラスイオンおよびマイナスイオンを含有させた空気をハウジング本体1aから吹き出させる部位であり、図1または図2に示すように、ハウジング本体1aの正面側の略全面に渡って設けられている。
【0016】
通気路4は、吸気口2と吹出口3を連通する通路であり、この通気路内でプラスイオンおよびマイナスイオンが空気内に混入される。
【0017】
イオン発生手段5は、通気路4を流通する空気内にプラスイオンおよびマイナスイオンを混入させるためのものであり、図2に示すように、通気路4内に設けられている。
【0018】
このイオン発生手段5は、針状や平面状の複数の放電電極(図示しない)を有しており、これら複数の放電電極に高電圧がそれぞれ印加されることによりプラズマ放電が生起されるように構成されている。具体的には、一の放電電極では正電圧が印加されることで、電離により発生するイオンが空気中の水分と結合してH+(H2O)mからなる電荷によってプラスイオンが発生する。他の放電電極では負電圧が印加されることで、電離により発生するイオンが空気中の水分と結合してO2−(H2O)nからなる電荷によってマイナスイオンが発生する。なお、m、nは任意の自然数である。
【0019】
そして、H+(H2O)mおよびO2−(H2O)nはバクテリア等の表面に凝集しこれらを取り囲み、さらに衝突によって活性種である[・OH](水酸基ラジカル)やH2O2(過酸化水素)を生成してバクテクア等を破壊分解する。このような作用により、プラスイオンおよびマイナスイオンを含有した空気は除菌作用を発揮する。
【0020】
分岐部6は、プラスイオンおよびマイナスイオンを含有した空気を分岐させる部位であり、図1または図2に示すように、吹出口3の上半分を覆うように連結されている。分岐部6の内部には、吹出口3と第1分岐口7、第2分岐口8および第3分岐口9とをそれぞれ連通させる分岐通路6Aが設けられており、この実施例の分岐部6はこの分岐通路6Aを内部に3本有した分岐ブロック6Bが水平方向に5つ並設され構成されている。
【0021】
第1チューブ10、第2チューブ11および第3チューブ12は、ハウジング本体1A内でイオン発生手段5によってプラスイオンおよびマイナスイオンが混入された空気を分岐部6を介して内視鏡30の内腔に注入するためのものである。
【0022】
具体的には、第1チューブ10は、図1に示すように、基端部が、分岐部6の第1分岐口7に取り付けられると共に、図3に示すように、その先端部が除菌乾燥する内視鏡30の吸引チャンネル口31に取り付けられる。また、第2チューブ11は、図1に示すように、基端部が、分岐部6の第2分岐口8に取り付けられると共に、図3に示すように、その先端部が除菌乾燥する内視鏡30の鉗子挿入口32に取り付けられる。さらに、第3チューブ12は、図1に示すように、基端部が、分岐部6の第3分岐口9に取り付けられると共に、図3に示すように、その先端部が除菌乾燥する内視鏡30の送気・送水チャンネル口33に取り付けられる。
【0023】
なお、この実施例の内視鏡除菌乾燥装置1は、図1に示すように、分岐部6が5つの分岐ブロック6Bにより構成され、各分岐ブロック6Bには、第1チューブ10、第2チューブ11および第3チューブ12がそれぞれ取り付けられており、5台の内視鏡を同時に除菌および乾燥させることができるように構成されている。
【0024】
送風手段13は、プラスイオンおよびマイナスイオンを含有した空気を、前述した通気路4、分岐部6および第1ないし第3チューブ10,11,12を介して内視鏡30の吸引チャンネル口31、鉗子挿入口32および送気・送水チャンネル口33内にそれぞれ送風するためのものであり、この実施例では、図2に示すように、通気路4内に設けられたファンモータにより構成されている。
【0025】
この実施例の内視鏡除菌乾燥装置1は、以上のような構成により、プラスイオンおよびマイナスイオンを含有した空気を、送風手段13により、内視鏡30の吸引チャンネル口31、鉗子挿入口32および送気・送水チャンネル口33から内視鏡の内腔内に流通させ、内視鏡30の先端部34から排出させることにより、内視鏡の内腔を確実に除菌および乾燥させることができるように構成されている。
【0026】
つぎに、本発明の内視鏡保管庫20を図4および図5に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例の内視鏡保管庫20は、吸気口2と吹出口3とを連通する通気路4と、通気路4内に設けられプラスイオンおよびマイナスイオンを発生させるためのイオン発生手段5と、吹出口3に連結されプラスイオンおよびマイナスイオンを含有した空気を分岐させる分岐部6と、分岐部6の第1分岐口7に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡30の吸引チャンネル口31に取り付けられる第1チューブ10と、分岐部6の第2分岐口8に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡30の鉗子挿入口32に取り付けられる第2チューブ11と、分岐部6の第3分岐口9に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡30の送気・送水チャンネル口33に取り付けられる第3チューブ12と、プラスイオンおよびマイナスイオンを含有した空気を、通気路4、分岐部6および第1ないし第3チューブ10,11,12を介して内視鏡30の吸引チャンネル口31、鉗子挿入口32および送気・送水チャンネル口33内に送風するための送風手段13を備えた内視鏡除菌乾燥装置1を内部に有している。以下、各構成について順次説明するが、前述した内視鏡除菌乾燥装置1については同様であるため説明を省略する。
【0027】
この実施例の内視鏡保管庫20は、ハウジング21の内部に内視鏡を収納するための内視鏡収納空間22を備えている。内視鏡収納空間22には、5台の内視鏡を垂下させ収納できるように懸架部23が設けられており、ハウジング21の前面には、内視鏡を出し入れするための開き戸24が設けられている。
【0028】
内視鏡収納空間22の上部には、図4または図5に示すように、前述した内視鏡除菌乾燥装置1が固定されている。これにより、懸架部23に掛架された内視鏡の内腔内にプラスイオンおよびマイナスイオンを含有した空気を流通させて除菌および乾燥させることができ、次の使用者が使用するまで内腔内を除菌乾燥させた状態で保管することができる。また、内視鏡除菌乾燥装置1の分岐部6は吹出口3の一部(上半分)に連結され、プラスイオンおよびマイナスイオンを含有した空気は、吹出口3の下半分から収納部22にも流通可能に構成されているため、内視鏡の外部も確実に除菌および乾燥させると共に保管庫内部も除菌および乾燥させることができるように構成されている。
【0029】
なお、前述した内視鏡除菌乾燥装置1およびそれを備えた内視鏡保管庫20は、除菌促進手段としてイオン発生手段を有するものであるが、内視鏡の内腔に送風して乾燥させることにより除菌することができるため、除菌促進手段を有しないものも本発明の範疇に包含される。また、除菌促進手段はイオン発生手段に限定されるものではなく、内視鏡の内腔に流通させる空気に除菌を促進する作用を付与できる手段を備えたものは広く本発明の範疇に包含される。
【符号の説明】
【0030】
1 内視鏡除菌乾燥装置
2 吸気口
3 吹出口
4 通気路
5 イオン発生手段
6 分岐部
7 第1分岐口
8 第2分岐口
9 第3分岐口
10 第1チューブ
11 第2チューブ
12 第3チューブ
13 送風手段
20 内視鏡保管庫
21 ハウジング
22 内視鏡収納空間
23 懸架部
24 開き戸
30 内視鏡
31 吸引チャンネル口
32 鉗子挿入口
33 送気・送水チャンネル口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を分岐させる分岐部と、該分岐部の第1分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の吸引チャンネル口に取り付けられる第1チューブと、該分岐部の第2分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の鉗子挿入口に取り付けられる第2チューブと、該分岐部の第3分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の送気・送水チャンネル口に取り付けられる第3チューブと、前記分岐部および前記第1ないし第3チューブを介して内視鏡の吸引チャンネル口、鉗子挿入口および送気・送水チャンネル口内に空気を送風するための送風手段を有していることを特徴とする内視鏡除菌乾燥装置。
【請求項2】
前記内視鏡除菌乾燥装置は、除菌促進手段を有している請求項1に記載の内視鏡除菌乾燥装置。
【請求項3】
前記除菌促進手段は、プラスイオンおよびマイナスイオンを発生させるためのイオン発生手段である請求項2に記載の内視鏡除菌乾燥装置。
【請求項4】
空気を分岐させる分岐部と、該分岐部の第1分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の吸引チャンネル口に取り付けられる第1チューブと、該分岐部の第2分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の鉗子挿入口に取り付けられる第2チューブと、該分岐部の第3分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の送気・送水チャンネル口に取り付けられる第3チューブと、前記分岐部および前記第1ないし第3チューブを介して内視鏡の吸引チャンネル口、鉗子挿入口および送気・送水チャンネル口内に空気を送風するための送風手段を備えた内視鏡除菌乾燥装置を内部に有していることを特徴とする内視鏡保管庫。
【請求項5】
前記内視鏡除菌乾燥装置は、除菌促進手段を有している請求項4に記載の内視鏡保管庫。
【請求項6】
前記除菌促進手段は、プラスイオンおよびマイナスイオンを発生させるためのイオン発生手段である請求項5に記載の内視鏡保管庫。
【請求項7】
前記除菌促進手段を経て形成された空気は内視鏡保管庫の内部にも流通可能に構成されている請求項5または6に記載の内視鏡保管庫。
【請求項1】
空気を分岐させる分岐部と、該分岐部の第1分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の吸引チャンネル口に取り付けられる第1チューブと、該分岐部の第2分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の鉗子挿入口に取り付けられる第2チューブと、該分岐部の第3分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の送気・送水チャンネル口に取り付けられる第3チューブと、前記分岐部および前記第1ないし第3チューブを介して内視鏡の吸引チャンネル口、鉗子挿入口および送気・送水チャンネル口内に空気を送風するための送風手段を有していることを特徴とする内視鏡除菌乾燥装置。
【請求項2】
前記内視鏡除菌乾燥装置は、除菌促進手段を有している請求項1に記載の内視鏡除菌乾燥装置。
【請求項3】
前記除菌促進手段は、プラスイオンおよびマイナスイオンを発生させるためのイオン発生手段である請求項2に記載の内視鏡除菌乾燥装置。
【請求項4】
空気を分岐させる分岐部と、該分岐部の第1分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の吸引チャンネル口に取り付けられる第1チューブと、該分岐部の第2分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の鉗子挿入口に取り付けられる第2チューブと、該分岐部の第3分岐口に基端部が取り付けられると共に先端部が内視鏡の送気・送水チャンネル口に取り付けられる第3チューブと、前記分岐部および前記第1ないし第3チューブを介して内視鏡の吸引チャンネル口、鉗子挿入口および送気・送水チャンネル口内に空気を送風するための送風手段を備えた内視鏡除菌乾燥装置を内部に有していることを特徴とする内視鏡保管庫。
【請求項5】
前記内視鏡除菌乾燥装置は、除菌促進手段を有している請求項4に記載の内視鏡保管庫。
【請求項6】
前記除菌促進手段は、プラスイオンおよびマイナスイオンを発生させるためのイオン発生手段である請求項5に記載の内視鏡保管庫。
【請求項7】
前記除菌促進手段を経て形成された空気は内視鏡保管庫の内部にも流通可能に構成されている請求項5または6に記載の内視鏡保管庫。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2013−70764(P2013−70764A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210820(P2011−210820)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(507226994)株式会社エフズインターナショナル (3)
【出願人】(599126545)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(507226994)株式会社エフズインターナショナル (3)
【出願人】(599126545)
【Fターム(参考)】
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