説明

内部医薬リザーバの状態を表すディスプレイを有する医薬分与装置

【課題】吸入器内に収容された医薬キャニスタの状態をユーザに対し表示する装置を有する新規、且つ改良された医薬吸入器を提供する。
【解決手段】ユーザに対しキャニスタの状態を表示するディスプレイを有する、取り外し可能な加圧されたエアロゾルキャニスタ又はリザーバと共に使用される計測した投与量の吸入器である。キャニスタ又は該キャニスタを収容するハウジングにおけるメモリ装置は、キャニスタから分与され又はキャニスタ内に残る投与量を表す情報を記憶する。キャニスタの状態を表す情報を提供し、且つ表示するために、この情報が処理される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬分与装置、より具体的には、流体医薬の個々の量又は計測した量すなわち計測した投与量をリザーバから分与するのに適した装置であって、ユーザに対し、医薬リザーバの状態を表示するディスプレイを有する上記装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2003年3月5日に出願された米国仮特許出願第60/452,260号、2003年3月4日に出願された英国特許出願第0304905.3号及び2004年1月26日に出願された英国特許出願第0401649.9号に基づく優先権を主張するものである。
【0003】
計測した投与量吸入器(インヘイラー)は、喘息のような呼吸作用の障害を治療し又は緩和するため医学分野にて周知である。呼気作動型の装置も知られており、多くの特許の主題である。
【0004】
多くの吸入作動型の分与装置は、加圧したエアロゾル分与容器と共に使用し得るようにされている。分与容器は、弁を有しており、該弁は、弁を作動させる内部のばねが十分な程度、圧縮されたとき、計測した量のエアロゾル中身を通常、解放することのできる弁を有している。分与装置は、吸い込み口を有するチャンバと、空気入口と、分与容器10の弁を作動させる作動手段と、上記計測用の弁を充填位置に解放可能に保持する掛止め手段と、計測した量のエアロゾル化合物が吸い込み口の領域内に排出されるように、掛止めを解放する吸入応動手段とをしばしば備えている。全体的な目的は、エアロゾル容器からの医薬の排出を患者の吸入と調和させ、これにより、医薬の最大投与量が肺の内部の気道に到達するのを許容することである。
【0005】
本発明の譲受人に譲渡され、且つその内容を参考として本明細書に加えた米国特許5,447,150号明細書には、計測した供給投与量の吸入器が開示されている。医薬の放出は、米国特許5,447,150号明細書の吸入器の吸入作動型装置を介して患者による吸入を通じて起動される。
【0006】
先行技術の吸入器は、典型的に、その内部にエアロゾル医薬キャニスタが取り外し可能に配置されるハウジングを有している。キャニスタは、患者がアクセス可能な吸い込み口に達する空気流路を提供する構造により支持されたノズルを一端に有している。先行技術の吸入器の多くにおいて、エアロゾルキャニスタは、吸入器ハウジングから取り外し、空気通路を画成する構造体を効率良く洗浄することを許容する。幾つかの吸入器において、ハウジングは、ユーザが導入した一連のエアロゾル医薬キャニスタを受容し、且つ洗浄のためキャニスタを取り外し得るような設計とされている。
【0007】
これらの装置を使用するとき、ユーザは、キャニスタが内部にあり又は内部に配置されようとしているか、ユーザの吸入器が短期間及び長期間にわたる投与量の十分な供給回数分を有するかどうかを知ることが望ましい。その情報によって、ユーザは、所定の医薬キャニスタを交換すべきときを知ることになろう。
【0008】
先行技術において、医薬吸入器から投与量が分与された数又は医薬吸入器内に残る投与量の数を示す情報を得て、且つユーザがその情報を利用できるようにするための努力が為されてきた。一例として、本発明の譲受人に同様に譲渡された米国特許6,446,627号明細書には、吸入器のハウジングに配置された機械的カウンタ組立体が示されており、該カウンタ組立体は、医薬キャニスタから投与量が分与された数又は医薬キャニスタ内に残る投与量の数に相応する数字を表示する(ユーザが視認可能なカウンタディスプレイを介して)。作動され、その後に、一回分の投与量が分与されたとき、カウンタは、吸入器の可動部分により駆動される機械的連結機構(例えば、米国特許5,447,150号の図3ないし図6に関して説明した型式の呼気作動型吸入器の場合、ノズルに対するキャニスタの動き)を介して漸増する(分与された投与量の数が表示される場合である。投与量の残りの数量が表示される場合は、漸減する)よう駆動される。
【0009】
かかる機械的カウント/作動組立体は、ユーザに対し投与量の数のカウント情報を表示するが、その後に開発された先行技術の吸入器は、電子及び(又は)電子機械的投与量カウンタ及びインジケータ組立体を介して同様の情報を表示する。一例として、米国特許5,622,163号明細書及び米国特許5,544,647号明細書には、一方が吸入器ハウジングのスリーブに取り付けられ、他方がエアロゾル医薬キャニスタの基部に取り付けられた閉じたカプセルが開示されている。これらの特許において、投与量カウンタ/インジケータ組立体の全体は、閉じたカプセル内に配置された単一構造体である。更に、これらの開示された組立体は、キャニスタから分与された又はキャニスタ内に残る投与量を表わす複数桁数字を表示する液晶ディスプレイ(LCD)を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
電子及び(又は)電子機械的投与量カウンタ及びインジケータ組立体を有する別の先行技術の吸入器は、米国特許6,431,168号明細書に開示されている。該特許には、閉じた又は密封したカプセル内にあり、エアロゾル医薬キャニスタから分与され又は該キャニスタ内に残る投与量の数をユーザに対して表示する複数桁LCDを有する、単一体である電子及び(又は)電子機械的投与量カウンタ/作動インジケータ組立体が開示されている。電子機械的投与量カウンタインジケータ組立体は、キャニスタのノズル端にてキャニスタに固定されている。
【0011】
上述した参考特許の全ての場合、ディスプレイによりユーザに提供された表示は、数(投与された投与量又は残る投与量による)の形態をしている。これらの特許において、カウンタ及びインジケータの数は、投与量の供給又は吸入器の「作動」に応答して漸増又は漸減される。このように、ディスプレイがユーザに対し「作動」を表示する程度にて、かかる表示は、表示されたカウント値が1つの数字から次の数字に変化するのを観察することにより、ユーザが判別しなければならない。更に、「キャニスタの状態」、すなわち、「警告」範囲にて(残る投与量数が少量の状態)又は「危険」範囲にて(残る投与量数は無し)使用することが「安全」か(残る投与量数が十分な数である状態)どうかを直接、表わす情報はユーザに表示されない。ユーザは、数字を観察し(特に、視力又は思考能力が損なわれたユーザの場合、容易に行い得る作業とは限らない)、次に、観察されたカウント値が「安全」「警告」又は「危険」範囲にあるかどうかを決定することにより、「キャニスタの状態」を自分で判断しなければならない。
【0012】
更に、これらの先行技術の特許の幾つかにおいて、単一体の電子及び(又は)電子機械的投与量カウンタ及び作動インジケータ組立体は、キャニスタに直接、固定され、このことは、多数キャニスタを単一のハウジング内にて順次に使用することを目的とする吸入器システムの場合、キャニスタの各々は、それ自体の完全な電子及び(又は)電子機械的投与量カウンタ及び作動インジケータ組立体を備えなければならないから、相対的にコスト高となる。
【0013】
本発明の1つの目的は、吸入器内に収容された医薬キャニスタの状態をユーザに対し表示する装置を有する新規、且つ改良された医薬吸入器を提供することである。
本発明の更なる目的は、ユーザに対し表示されるキャニスタの状態の情報を発生させるときに使用し得るようキャニスタに記憶させたキャニスタに関係する情報を有する改良された吸入器を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、取り外し可能な医薬リザーバ又はキャニスタを有して、ユーザの質問に基づいて、キャニスタの状態を表わす情報を提供しつつ、洗浄することを許容する改良された吸入器を提供することである。
【0015】
別の目的は、吸入器内に収容された交換可能な医薬リザーバ又はキャニスタの全体的な状態を表わす情報をユーザに対し表示する吸入器を提供することである。
別の目的は、キャニスタの状態を表わす情報を提供するためユーザがアクセス可能な質問組立体を支持する医薬リザーバ又はキャニスタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、ユーザに対する「キャニスタの状態」インジケータを有する吸入器を提供する。該吸入器は、例えば、米国特許明細書5,447,150号の図3ないし図5に開示された型式のエアロゾル医薬吸入器装置、又はこれと代替的に、医薬保持リザーバ(本明細書にて広く「キャニスタ」と称する)を有するその他の吸入器装置を備えることができる。
【0017】
一例としての実施の形態において、本発明は、中心軸線に沿って配置された中央空隙領域を画成するハウジングと、医薬容器であって、内部の医薬保持リザーバを有し、該容器の軸線に沿って延び、その一端に、容器の軸線に沿って延び、且つリザーバに連結された分与ポートを有する上記医薬容器とを備える医薬吸入器組立体を提供する。該吸入器は、また、容器の軸線がハウジングの中心軸線と実質的に同軸状の状態にて医薬容器をハウジングの中央空隙領域内に支持する手段も有しており、これにより、中心軸線に沿って第一の方向に向けてハウジングに対するユーザにより誘発された容器の所定の量の動きにより、医薬は分与ポートから分与される。
【0018】
該吸入器は、また、ハウジングと関係させた容器の同一性を表わす情報を提供すべく容器に取り付けられた識別手段と、ハウジングに取り付けられ、容器がハウジングの中央空隙領域内に配置されたとき、提供された情報を検知し得るようにされた検出器とを有している。該検出器は、容器の検知され、且つ提供された情報がハウジングと関係させた同一性の情報に該当するとき、有効(VALID)信号を発生し、また、その他の場合、無効(INVALID)信号も発生する。容器の状態インジケータは、ハウジングに取り付けられ、且つ有効信号に応答してハウジングに対する容器の医薬分与動作を検知し、また、容器の状態を表わすユーザ読み取り可能な信号を発生させる手段を有している。
【0019】
別の一例としての形態において、本発明の吸入器は、カラーコード化した情報をユーザに対し表示する、すなわち表わす。例えば、点灯した緑発光ダイオード(LED)は、ユーザがキャニスタ内に残る投与量の数の十分さについて心配しなくてもよい、「安全」な範囲にキャニスタがあることを示し、点灯した黄LEDは、キャニスタ内に残る投与量の数が相対的に少なく、キャニスタの交換を考えるべきであるとの「注意」をユーザに示し、点灯した赤LEDは、キャニスタが使い切る状態に近いことを示す。この一例としての形態において、緑、黄及び赤LEDは、適宜な緑、黄及び赤フィルタを有する多数の単色LEDと交換することが考えられよう。装置は、また、LEDに代えて、LCDを使用することもできる。
【0020】
この一例としての形態において、ユーザには、分与された投与量の数又は残る投与量の数ではなく、ユーザが実際に必要とする情報、すなわち、キャニスタの「安全」、「注意」又は「警告」(すなわち投与量の残り数が無い)状態の表示が与えられる。先行技術において、ユーザは、この情報を能動的に演繹しなければならないが、このことは、視力が低下したユーザ、又は思考過程が劣るユーザにとって困難な作業である。本発明により、ユーザは、緑、黄又は赤を認識するだけでよい(また、複数桁数字を判別し、且つキャニスタが「安全」、「注意」又は「警告」状態にあることを表わすかどうかを論理的に決定する必要はない)。
【0021】
ディスプレイはカウンタにより制御される。カウンタは、患者に投与された投与量の数をカウントすべく吸入器のハウジングに取り付けられることが好ましい。該カウンタは、キャニスタとハウジングとの相対的な動きに応答可能なスイッチの状態の変化に応答可能である。
【0022】
本発明の別の一例としての形態において、キャニスタの状態インジケータ組立体は、機能ブロックに分割されており、該組立体の一部分はキャニスタに固定され、(且つ一投与量を分与する間、ハウジングに対し動く)、一部分は該ハウジングに固定される。
【0023】
本発明の一例としての形態において、電池のエネルギを節約するため、一投与量が分与された後、相対的に短時間のみ、キャニスタの状態に関する情報がユーザに示される。これと代替的に、電池のエネルギを節約するため、キャニスタの状態に関する情報は、ユーザが特定の動作(一投与量の供給を行う以外の動作)を行った後、相対的に短時間のみ、ユーザに示される。かかる動作は、吸入器のヒンジ止め式吸い込み口カバーを「開ける」又はハウジングに取り付けた「質問」スイッチを押すことを含めることができる。
【0024】
本発明の更に他の形態において、キャニスタは、バーコード又はその他の機械読み取り可能な標識のような識別標識を付すことができ、かかる標識は、キャニスタの状態インジケータにより使用され、投与量の供給を監視し、且つその情報をユーザに表示し、また、該情報をキャニスタにて電子的に記憶する状態を保つことができる。
【0025】
1つの代替的な形態において、投与量供給に関する情報がハウジングに取り付けられたメモリチップに記憶され、カウンタには、キャニスタの識別標識を認識し得るようプログラム化したマイクロプロセッサが設けられる。マイクロプロセッサがキャニスタの識別標識を認識したときにのみ、キャニスタをハウジングと共に使用することができる。さもなければ、カウンタはディスプレイに「エラー」又は「空」情報を示すことになろう。
【0026】
本発明の更なる形態及び有利な効果は、単に一例としてのみ本発明の一例としての実施の形態を示し、且つ説明する、以下の詳細な説明から当該技術分野の当業者に容易に明らかになるであろう。認識し得るように、本発明は、その他の、且つ異なる実施の形態にて具体化可能であり、また、その幾つかの細部は色々な明白な点にて、且つ全て本発明から逸脱せずに、形態変更することが可能である。従って、図面及び説明は、性質上、単に説明のためであり、限定的なものではないと見なすべきである。
【0027】
本発明の性質及び目的をより完全に理解するため、以下の詳細な説明及び同様の要素を同様の参照番号にて表わす添付図面に関して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に従ったキャニスタの状態表示組立体の一例としての実施の形態を含む、医薬吸入器の一例としての実施の形態の部分断面図、特にブロック線図である。
【図2A】図1の吸入器と共に使用される隔膜の様々な実施の形態の拡大図である。
【図2B】図1の吸入器と共に使用される隔膜の様々な実施の形態の拡大図である。
【図2C】図1の吸入器と共に使用される隔膜の様々な実施の形態の拡大図である。
【図3】作動前の状態にあるときの、図1の吸入器の隔膜の拡大断面図である。
【図4】作動状態にあるときの、図1の吸入器の隔膜の拡大断面図である。
【図5】図1の吸入器の一例としてのキャニスタの状態表示組立体のブロック線図形態の図である。
【図6】本発明に従ったキャニスタの状態表示組立体の一例としての実施の形態を含む、医薬吸入器の一例としての実施の形態の断面図である。
【図7】本発明に従ったキャニスタの状態表示組立体の一例としての実施の形態を含む、医薬吸入器の別の実施の形態の断面図である。
【図8】本発明に従ったキャニスタの状態表示組立体の一例としての実施の形態を含む、医薬吸入器の更に別の実施の形態の断面図である。
【図9】図7のキャニスタの状態表示組立体の実施の形態に対する一例としての電気接続の断面図である。
【図10】図8のキャニスタの状態表示組立体の実施の形態に対する一例としての電気接続の断面図である。
【図11】本発明に従った構造とされたキャニスタの状態表示組立体の代替的な実施の形態の図である。
【図12】本発明に従った構造とされたキャニスタの状態表示組立体の代替的な実施の形態の図である。
【図13】本発明に従った構造とされたキャニスタの状態表示組立体の代替的な実施の形態の図である。
【図14】本発明に従った構造とされたキャニスタの状態表示組立体の代替的な実施の形態の図である。
【図15】本発明に従った構造とされたキャニスタの状態表示組立体の代替的な実施の形態の図である。
【図16】本発明に従った吸入器及びキャニスタの状態表示組立体の他の一例としての実施の形態の断面図である。
【図17】図16の吸入器及びキャニスタの状態表示組立体の分解斜視図である。
【図18】本発明に従った構造とされたスリーブ部材の一例としての別の実施の形態と共に示した、図16の吸入器の部分断面図およびスリーブの斜視図である。
【図19】本発明の一例としての実施の形態に従った向き決め機構の図である。
【図20A】本発明のキャニスタの状態表示組立体の一例として使用されるスイッチ組立体の一例としての実施の形態を示す図である。
【図20B】本発明のキャニスタの状態表示組立体の一例として使用されるスイッチ組立体の一例としての実施の形態を示す図である。
【図21】本発明に従った別の一例としてのステッチ組立体の図である。
【図22】本発明に従った更なる一例としてのスイッチ組立体の図である。
【図23】本発明に従った更に別の一例としてのスイッチ組立体の図である。
【図24A】キャニスタの状態表示組立体の一部として使用される本発明によるディスプレイの一例としての実施の形態の図である。
【図24B】キャニスタの状態表示組立体の一部として使用される本発明によるディスプレイの別の一例としての実施の形態の図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明を具体化する一例としての吸入器が図1に示されている。該図示した吸入器は、米国特許第5,447,150号明細書に示された全体型式であるが、キャニスタの表示組立体700を更に有する空気圧力均衡型呼気作動吸入器である。組立体700は、図1に全体的な形態にて示されている。組立体700の詳細な一例としての形態は、以下に説明する図5ないし図8に示されている。
【0030】
図1ないし図4に示した配置において、吸入装置400は、主本体又はハウジング402から成っており、該ハウジング402は、軸線X−Xに沿って延びており、また、全体として円筒形の断面であり、一端に吸い込み口部分405を有し、且つ他端に空気入口420を収容する端部キャップ407を有している。全体として円筒形の形状をした、計測した投与量エアロゾル医薬分与容器25の既知の型式のものが軸線Y−Yに沿って延び、且つ装置の主本体内に収容されている。エアロゾル医薬分与容器は、エアロゾル分与弁(図示せず)を保持するステム部40を有している。該ステム部40は、ハウジング402から延びるステムブロック41内に支持されている。穴15は、エアロゾル分与容器25のステム部40に気密のシールを形成するようなものである。肩部45は、ステム部40の位置を制限し、且つ位置決めする一方、該ステム部40は、容器25がハウジング402と実質的に同軸状となるようにエアロゾル分与容器25をハウジング402内の所要位置に位置決めする。通路50は、肩部45から続いて、分与ノズル55と相互に接続する穴15から延びている。
【0031】
分与容器25の他端は、ハウジング402と同様の断面のスリーブ421内に保持されている。スリーブ421及びハウジング402の双方の長手方向軸線は、全体として同軸状である。スリーブは、主本体の内壁とルーズに滑り接触し、また、その壁に幾つかの細くした(rebated)溝430を有して、主本体内の空気がスリーブを経て自由に通るのを許容する。該スリーブ421は、以下に説明するように、ハウジング402の頂部と接続状態に保持された隔膜440と接続することにより、所要位置に保持される。このように、スリーブ421は、ハウジングの頂部から効果的に張り出す。
【0032】
硬いディスク状部分441と、可撓性の全体として円筒形の壁部分445と、より硬いコネクタ部分447と、を備える一例としての成形した可撓性の隔膜440(図2Aに図示)の一端は、例えば、スナップ嵌めによってスリーブに所要目的のため形成された溝450の周りに装着される。隔膜における更なる成形したリップ部470は、圧縮ばね460の一端をぴったりと嵌める。このように、圧縮ばねは、位置決めされ、且つスリーブ上にて自由に作用する。圧縮ばねの他端は、ハウジング402の頂部分内に収容された主として円筒形のフランジ付き挿入体480内に環状肩部481により配置される。この挿入体は、可撓性の隔膜440のディスク状部分441がスナップ嵌めする溝490を有している。
【0033】
好ましくは、隔膜440は、マルチショット成形過程により製造された、多数材料から成る隔膜(図2B及び図2Cに図示)であり、この成形過程において、第一の部分(ディスクのような)は、第一のステップにて成形され、第二の部分(撓み部分及びリングのような)は、第二のステップにて成形され、これと同時に、第一の部分に接着される。これと代替的に、隔膜は、1回のショットにて成形してもよい。
【0034】
図2Bに示した多数材料の隔膜の形態の場合、相対的に厚いディスク部分「A」は、閉じた領域600が負圧にあるとき、撓み変形に特に抵抗性のある硬い材料(相対的に高剛性)にて成形される一方、相対的に薄い撓み部分「B」は、最適な程度に可撓性である(相対的に低剛性である)材料にて成形され、高性能を許容する。相対的に薄い撓み部分「B」は、隔膜の中心軸線に対し実質的に平行な連続面に沿ってディスク部分「A」に接着される。図2Cには、多数材料から成る隔膜の別の形態が示されており、ここにおいて、隔膜440のディスク部分は、2つの層A´、B´を有しており、これら2つの層A´、B´の一方は、硬い材料にて出来ており、他方は、相対的に可撓性の材料にて出来ている。
【0035】
隔膜のディスク部分に対し硬い材料を使用することは、ディスク部分の剛性を損なうことなく、該部分の厚さを減少させ、これにより、必要とされる成形工程時間を実質的に短くすることを許容する。当該技術分野の当業者は、1つの構成要素に同等の部分を使用することは、最適化を促進し、且つ成形過程の効率を向上増すことが理解されよう。本発明の一例としての形態において、ディスクが最初に成形され、次に、撓み部分を成形し、撓み部分の内側部分が中央ディスクの周縁部分に隣接し、且つ該周縁部分に接着するようにする、2ショット成形過程にて隔膜は製造される。加硫材料を使用して撓み部分を硬い挿入体に圧縮成形し、又はシリコーンゴムを硬い挿入体に鋳造するといったような代替的な方法を使用することもできる。
【0036】
隔膜のコネクタ部分447と内側スリーブの溝450との間の接続部は、気密であるように配置され、また、スリーブ422の上面の形状は、隔膜の内側形状に順応するようにし、吸入器の休止位置において、2つの面が近接し、また、それらの間の閉じた空間が極めて小さいようにする。
【0037】
円筒形挿入体480は、装置の主本体内に嵌入させた端部キャップ407により所定位置に保持される。このことは、空気入口スロット420と隔膜の硬い部分441との間にチャンバ590を形成することになる。該チャンバには、1つ又はより多くの空気通路580が設けられ、このため、空気は空気入口スロット420から吸い込み口405まで流れることができる。隔膜の硬いディスク状部分441は、挿入体480に回動可能に接続されたベーン550内に収容された弁シール(フラップ)540により通常、覆われた小さい弁ポート495も有している。
【0038】
ベーン550は、その休止位置において、チャンバ590を空気入口420と空気通路580とに仕切り、該空気通路は、吸い込み口に接続し、該ベーンは、空気入口と吸い込み口との間の圧力降下によりその休止位置から動くことができる。ベーンが作動位置まで動くと、ベーンシール(フラップ)540は、弁ポート495を開くのに十分、動く。(ベーン550は、図示しない軽いばね撓み部、重り又は磁石により偏倚させて閉じることができる)。
【0039】
図1に示すように、回動点500を有するハウジング402の端部は、回動点にて作用する除塵キャップ510と一体的なカム520を受け入れ得るようにされた凹所を有している。該凹所は、ハウジング402の内壁内に成形された同様の通路と連通する通路を更に有している。内側スリーブ421の下端縁から延びるカム従動子530は、カムに作用し、除塵キャップが閉じた位置にあるとき、カム従動子により内側スリーブがその最上方位置に付勢されるようにする。
【0040】
防塵キャップ510がその開き位置まで回転すると、カムの輪郭外形は、カム従動子が装置を作動させるのを許容するのに十分な程度、自由に下方に動くことができるようなものとする。
【0041】
その休止位置において、防塵キャップ510は、閉じられ、カム従動子530は、内側スリーブ421をその最上方位置に拘束し、このため、隔膜440と内側スリーブの上面422との間に取り込まれる包み込んだ空間は最小となり、ばね460は圧縮される。弁ポート495は、弁シール(フラップ)540により閉じられ、スリーブ421は、エアロゾル缶25の頂部から離れ、このため、該エアロゾル缶は無負荷状態となる。
【0042】
除塵キャップは、一体型カム520を回転させることで開き、カム従動子530が量DD程度だけ降下するのを許容する。内側スリーブは、ばね460の作用によって下方に付勢される。内側スリーブが下方に動くと、隔膜440と内側スリーブとの間の包み込まれた容積は、量DDに等しいか又はそれ以下である線形等価量D´D´だけ増大する。弁ポート495は閉じられるから、このことは、空間600内に低圧容積又はほぼ真空圧を発生させることになる(図3)。包み込まれた容積600と周囲圧力との間の圧力差の効果は、内側スリーブがばねの作用に抵抗する傾向となることである。内側スリーブが下方に動くと、該内側スリーブは、エアロゾル缶25と接触し、エアロゾル弁(図示せず)の圧縮を開始する。
【0043】
ばね460の圧縮力と圧力差及びエアロゾル弁の圧縮に起因する抵抗力との間にて力が均衡する迄、内側スリーブの下方への動きは続く。エアロゾル弁が該弁を作動させるのに十分に圧縮される前にこの均衡が生じるように、装置の幾何学的形態が設計される。
【0044】
典型的なエアロゾルは、作動させるため約20ないし30ニュートンの力を必要とする。従って、ばね460はより大きい力、好ましくは10%ないし50%より大きい力、を提供する必要がある。
【0045】
内側スリーブがエアロゾル缶に接触する前に、力が均衡するように配置し、ばね力は、圧力差により内側スリーブ上に生じた抵抗力と均衡するようにすることが可能である。
患者が吸い込み口405を通じて吸入したとき、一端に向けて回動されるベーン550に僅かな圧力差が生じる。該圧力差により、ベーンは、図4に示すように、休止位置から作動位置まで動く。ベーン及びチャンバ590内の空気通路580の設計は、作動位置にあるとき、空気が空気入口420から患者まで自由に流れることができるようにする。
【0046】
ベーン550が動くことにより、弁シール(フラップ)540は弁ポート495との密封位置外に動く。弁ポートを開くことは、空気が隔膜と内側スリーブとの間の空隙600内に流れるのを許容し、包み込まれた空間が周囲圧力に達するようにする。これにより、スリーブ421と容器25とに作用する力は不均衡となる。このため、スリーブ及び容器は、ばね460により下方に付勢され、その結果、患者が息を吸込むと同時に、計測した一投与量分の医薬は分与ノズル55を通じて吸い込み口内に解放される。このように、患者は計測した一投与量分の医薬と共に、空気を吸入する。
【0047】
患者が投与量を吸入した後、防塵キャップ510をその閉じた位置に戻す。このことは、カム520を回転させ、また、カム従動子530は上方に付勢される。一方、このことは、内側スリーブ421に作用し、該スリーブを上方に動かして、ばね460を圧縮し、且つ隔膜と内側スリーブの上面422との間の空隙600を閉じることになる。このことは、空気は包み込まれた空間600外に付勢され、空気は、弁ポート495を通って逃げて弁シール(フラップ)540を持ち上げる。弁シール(フラップ)はその閉じた位置に極く僅かだけ偏倚されるから、該弁シールは、包み込んだ空間からの流れ出る空気に対する抵抗力を殆ど提供しない。エアロゾル缶は、それ自体のエアロゾル弁ばねの作用の下、休止位置に自由に戻る。
【0048】
使用前、ユーザは、エアロゾル分与キャニスタ25をハウジング402内に装填する。エアロゾルキャニスタ25は、例えば、線I−Iの周りにハウジング402の並目ねじを提供することにより、装填することができる。ハウジング402の部分のねじが緩んだとき、エアロゾルキャニスタ25を挿入することができる。次に、ハウジング402を元に戻して内側スリーブをキャニスタ25の缶の上端に配置することができ、装置400は、直ちに使用可能となる。装置400は、これと代替的に、密封した装置として製造してもよい。
【0049】
装置には、ユーザ又は吸入器に対し調節された空気流を提供する手段を設けることができる。このように、吸入した空気流が、例えば、30ないし50リットル/分のような予め設定した量よりも多いときに音が鳴る、例えば、リードのような音響装置を設けることができる。該音が鳴る装置は、吸い込み口95内に又は空気入口420の下方に配置することができる。発生した音は、患者に対しより低速度にて呼吸するよう警告する。
【0050】
装置にはまた、例えば、10ないし30リットル/分のような特定の所定の空気流量以下では作動しないようにする手段を設けることもできる。1つの実施の形態において、ベーン550は、ばねによって偏倚され、該ベーンがその作動位置まで動き、且つ弁シールが開くのを可能にするには、所定の最小の空気流が必要であるようにする。
【0051】
本発明の上記の実施例にて説明したように、分与装置の主本体は、ポリプロピレン、アセタール又は成形したポリスチレンのようなプラスチックにて製造されることが好ましい。しかし、該主本体は、金属又は別の適宜な材料にて製造してもよい。
【0052】
一例としての形態において、キャニスタの状態インジケータ組立体700は、図5に示した要素を有する。キャニスタの状態インジケータ700については、以下に説明した図1ないし図4に示す形態の吸入器と共に使用されるものとして以下に説明するが、当該技術分野の当業者に明らかであるように、その他の吸入器の形態に容易に適応させることができる。
【0053】
図5において、一例としてのキャニスタの状態インジケータ700は、直列に接続された次のブロック、すなわちスイッチ702、カウンタ704、第一のメモリ706A、第二のメモリ706B、解読器708、ドライバ710、ディスプレイ712、及び電池(電源)714を有している。図示した実施の形態において、要素704、706A、706B、708、710、712は全て電池714に接続され、且つ電池714により動力を供給される。図5に示すように、電池714は単一体の要素であるが、本発明の色々な形態において、電池714は、1つ以上の電池を備え、電池の各々は要素704、706A、706B、708、710、712の1つ又はより多くの別個のものを作動させる。好ましくは、要素704、706A、706B、708、710、712は、1つ又はより多くの特定用途向け集積回路(ASICs)の形態をしているが、これらの色々な回路要素は、その他の従来の形態をとることも可能である。スイッチ702は、エアロゾル缶(又はキャニスタ)25とステム部40内のノズルとの間の相対的な動きに応答して2つの電極間に短絡回路を生じさせ、カウンタ704に対し「イベント」信号を提供する装置である。
【0054】
本発明の一例としての形態において、「イベント」は、一投与量を分与することである。スイッチ702は、キャニスタ25を直接、軸方向に動かすことにより作動させ、又はキャニスタに「側部に取り付け」、キャニスタが軸方向に動くとき、ハウジング402の内部から側方向に延びる要素によりスイッチ702が作動されるようにする。
【0055】
カウンタ704は、イベント信号が生じるとき、かかるイベント信号の各々に応答してカウンタを漸増(又は漸減)し、その結果、カウンタのカウント状態を表わすカウント信号が第一のメモリ706Aに記憶される。以下に説明するように、カウンタの状態を示す信号は、随意の第二のメモリ706B(以下に説明)にも記憶される。解読器708は、(メモリ706A又は選択的に706Bに)記憶させたカウンタ信号に応答しカウント状態信号を解読してユーザに対して表示される情報を表わす解読器の出力信号の形態にする。一例としての形態において、解読器708は、カウンタの状態信号を処理し(先行技術の装置ではユーザは頭で考えて行なう必要があった)、カウンタの状態が、キャニスタが「安全」、「注意」又は「警告」状態にあることを示すか否かを判別する。本発明のその他の形態において、例えば、2つ又は4つといったキャニスタの状態の異なる数を表示することができる。図示した実施の形態において、3つの状態を2桁の2進信号にて表現することができる。解読器の出力信号は、ドライブ710に印加され、該ドライブは、解読器の出力信号を適宜な電流及び電圧レベルに変換しディスプレイ714を駆動し、該ディスプレイは、これに応答して解読器の出力信号に従って緑、黄又は赤LEDを点灯する。
【0056】
スイッチ/カウンタの結合体は、投与量の分与に応答して作動し、各投与量すなわち作動に応答して漸増(又は漸減)する。しかし、本発明の一例としての形態において、例えば、機械的動作(例えば、カバー510の開き)又は「質問」スイッチ(図示せず)の押し動作に応答してスイッチ(図示せず)を接続するといった異なるイベントが生じた後、ドライバは相対的に短時間(例えば、10秒)だけディスプレイを点灯し得るようにされている。
【0057】
キャニスタの状態インジケータ700の色々な要素は、本発明の異なる実施の形態にて異なる位置に配置することができる。組立体700の要素がキャニスタ25に固定される場合、これらの要素はキャニスタ25に固定される単一構造体である、缶スリーブ本体720に支持される(そとすることが好ましいが、必ずしもそうする必要はない)。キャニスタ25及びハウジング402における組立体700の要素間の電気的接続部を受容するため、ハウジング402の内壁から延び、且つ本体720のその他の面にて電極732、734と接触するようばね負荷式電極722、724が使用されることが好ましい。好ましくは、本体720の接点は、本体720の全周に亘って延び、キャニスタが何ら特定の角度向きとなるようにする必要が無いように形成される。
【0058】
図6ないし図8には、かかる実施の形態が示されているが、これらは、単に一例であり、本開示に従ってその他の実施の形態を使用することが可能である。
図6において、ディスプレイ712は、ハウジング402上に配置され、且つ、組立体700の残りの要素は、キャニスタのノズル端部付近にて該キャニスタ25に固定されている。この形態において、随意の第二のメモリ706Bは使用されない。この形態の場合、キャニスタ25は、キャニスタ25内の(キャニスタから分与された)投与量の正確な数を表す情報を含み、且つ、その情報を常時保つ。しかし、解読したカウント値又は信号のインジケータ、すなわちLEDは、ハウジングに配置されている。多数のキャニスタに対し単一のディスプレイ(すなわち、1組のLED)のみが使用されるから、このLEDは、多数のキャニスタが使用される吸入器システムのコストを節減することになる。
【0059】
図7には、図6の吸入器システムの構造体の構成要素を節約する有利な効果を好適にする1つの代替的な吸入器システムが示されている。図7において、メモリ706B及び電池714は、キャニスタ25に(本体720を介して)固定され、また、組立体700の残りの要素は、ハウジング402に固定される。この形態において、キャニスタがハウジング402内の所要位置にあるとき、カウンタ704は、図6のシステムにおけるように漸増(又は漸減)され、カウンタの状態は、キャニスタ25にてメモリ706B内に記憶される。電池714は、キャニスタ25に位置し、また、メモリ706Bを作動させ、キャニスタ25がハウジング402から除去された場合でも、また、除去されたとき、その信号を維持する。この実施の形態において、カウンタ704は、ハウジング402内へのキャニスタの再配置(除去した後)を検知するプロセッサ724を有している。プロセッサ724は、ハウジング402内へのキャニスタ25の再挿入を検知したとき、カウンタ704に対しメモリ706B内に記憶されたカウント信号をロードする。
【0060】
その後、吸入器の作動(すなわち、投与量の分与)により、カウンタ704は、その記憶された値を漸増(漸減)する一方、その値は、キャニスタ25におけるメモリ706Bに伝達され、このため、キャニスタの記憶値は、キャニスタ25から分与され(又はキャニスタ内に残る)投与量の数を正確に表わす。この数は、解読され、且つカラーコード化した「キャニスタの状態」の情報に処理され、この情報はユーザに表示される。
【0061】
図8には、ノズル端部とキャニスタ25の基部との間にて本体720がキャニスタ25に固定された円筒形スリーブの形態をした、別の実施の形態が示されている。図8に示した形態において、構成要素の配置は、図7の実施の形態に対するものと同一であるが、図6に示したもののような、その他の形態が使用可能である。本体720のスリーブ構造体は、相対的に大きい細長い構造体を提供し、本体720における構成要素とハウジング402の構成要素との間の電気的接点を容易に組み立てることを可能にする。
【0062】
図7及び図8の形態において、キャニスタに取り付けられた単一の電池だけが使用される。キャニスタがハウジング402内に配置されたとき、電池は、電気的に連結され、メモリ706Bに加えて、組立体の他の構成要素700に対し電力を提供する。本発明の他の形態において、電池714は、本体720内の第一の電池と、ハウジング402における第二の電池とを有することができる。
【0063】
図9及び図10には、要素704、706A、708、710、712、724がハウジング402の「吸い込み口」側にある点にて相違する、図7及び図8の実施の形態に対する一例としての電気的接点の形態がそれぞれ詳細に示されている。これらの図面における本体720は、投与量の分与又は作動イベントの間、キャニスタ25が軸方向に動くとき、ハウジング402の内面から延びる、スイッチ702の作用可能な部分と干渉して係合するよう配置された成形した突出部728を有している。かかる干渉による係合は、カウンタ704を漸増(漸減)させる信号を提供する。簡略化のため、2つの導電性細片732、734のみが本体720に示され、また、単一のコネクタ722(本体720の導電性細片に電気的に連結するため)は、図9及び図10に示されている。かかる接続部は、任意の数にて具体化することができる。図10の相対的に細長い本体720の場合、かかる多くの接続部に十分な空間がある。
【0064】
上記の実施の形態の全ては、ディスプレイに対するLED’sを示す(関係したドライバと共に)が、発明のその他の実施の形態は、更に又はこれと代替的に、キャニスタから分与され(又はキャニスタ内に残る)投与量の数を表す信号を表示する複数桁ディスプレイ(複数桁液晶ディスプレイ(LCDs)を含む。更に、その他の実施の形態は、ユーザに対し、作動の発生を表す視認可能な信号(点滅する光のような)を直接表示することができる。
【0065】
上述した実施の形態は、カバーを開けるといったような、投与量を投与する以外のイベントに応答可能なユーザが見ることが出来るディスプレイを開示するが、その他の実施の形態は、一投与量の分与イベントの検知に応答する同様のディスプレイを提供することができる。
【0066】
図11ないし図15には、本発明の色々な形態を採用する代替的な吸入器の形態が示されている。図11及び図12において、インジケータ組立体700の全体が、ハウジング402に配置されている。図13において、メモリ796Aはキャニスタ取り付け型であるが、電力が除去された後、情報を保持する型式のものである。
【0067】
図16において、吸入器は、キャニスタ25に取り付けられた缶スリーブ802と、インジケータユニット804とを有し、該インジケータユニット804は、ハウジング402に固定されたカウンタ及びディスプレイを有する。図17には、図16の吸入器の分解図が示されている。スイッチ806、識別(ID)チップ808(例えば、無線周波数識別(RFID)チップ又は別形態の読み取り可能なデバイス)、及び構成要素を支持するプリント回路板(PCB)810は缶スリーブ802に取り付けられる。一例としての形態において、インジケータユニット804は、プラスチック製の前側ハウジング812と、プラスチック製の後側ハウジング814と、電池816と、液晶ディスプレイ(LCD)820と、構成要素を支持するプリント回路板(PCB)822と、接点826とを有している。キャニスタ25がハウジング402内にあるとき、キャニスタ取り付け型PCB810及びIDチップ808を接続するため接点826が使用される。ハウジング取り付け型PCB822は、マイクロプロセッサを有する形態とされており、該プロセッサは、IDチップ808に記憶された情報を接点826を通じて読み取り、また、その情報に応答してハウジング402と共に使用されるキャニスタ25を認識し、且つ受容する。マイクロプロセッサは、スイッチ806の「オン」及び「オフ」作動に応答して投与量の供給された数をカウントし、且つ記憶する。この実施の形態において、缶スリーブ802(又はキャニスタ)にメモリは存在しない。その他の実施の形態は、スリーブ(又はキャニスタ)にメモリを有することができる。
【0068】
LCDディスプレイ820は、ハウジング402がキャニスタ25を認識したこと及び投与量の供給動作の結果としてのキャニスタ25の状態を示す。前側ハウジング812及び後側ハウジング814は、超音波エネルギにより互いに溶接されることが好ましい。インジケータユニット804はハウジング402にスナップ嵌めされることが好ましい。
【0069】
IDチップ808は、キャニスタ25を識別する独創的な機械読み取り可能コードを有する形態とされている。この発明の一例としての形態において、ハウジングにおけるインジケータユニット804が関係したキャニスタのIDコードを認識するときにのみ、ハウジングを該キャニスタと共に使用することができ、さもなければ、カウンタは、LCDに「空」又は「エラー」情報を表示し、ユーザが、ハウジングに誤ったキャニスタを入れたことを知ることができる。1つのキャニスタのみが1つのハウジングと適合する。このことは、ハウジングにおけるマイクロプロセッサのメモリに記憶された投与量の数がキャニスタから供給され(又はキャニスタ内に残る)投与量の正確な数量を表示することを保証する。IDチップはまた、例えば、キャニスタ内の薬剤の種類、使用期限、投与量の数等を示す、追加的な情報を記憶し得るようにすることもできる。
【0070】
スリーブ802及びインジケータユニット804の双方は接点を有しており、このため、インジケータユニット804は、スリーブ802及びインジケータユニット804における接点を通じてキャニスタ25のIDを読み取ることができる。スリーブ802における接点830及びインジケータユニット804における接点826は、図18に示すように、キャニスタ25がハウジング402内に装填されたとき、接続される。好ましくは、ハウジング又はスリーブに取り付けられた1組の接点826、接点830及び他方の組の接点826、830は、ばね負荷式接点であるものとする。図18に示した実施の形態において、キャニスタ25がハウジング402内に装填される毎に、接点830、826が接続されることを保証するため、キャニスタ25には整合リブ834が設けられ、ハウジング402は、図19に示すように、リブ834を受容する整合凹所を画成する。1つの代替的な形態において、接点830には、図14及び図15に示すように、スリーブ802の外面にて円形の形状が与えられ、このため、整合リブ及び凹所により作用される向き決め機構が無い場合でさえ、スリーブ802の接点830は、インジケータユニット804の接点826と常に接触することができる。
【0071】
図20ないし図23には、本発明と共に使用することのできる幾つかのスイッチ機構が示されている。当該技術分野の当業者は、スイッチの設計は本明細書に記載した実施の形態に制限されず、当該技術分野のその他のスイッチを本発明と共に使用することが可能であることを理解すべきである。図20A、図20Bには、スイッチ組立体の一例としての設計が示されている。該スイッチは、図20Aに示すように、スリーブ802の底部に取り付けられた2つの接点850A、850Bを有している。接点850A、850Bは互いに間隔をあけて設けられている。導電性架橋部852は、図20Bに示すように、2つの接点850A、850Bの下方の位置にてハウジングに取り付けられている。スリーブ802を有するキャニスタ25が押されると、2つの接点850A、850Bは、架橋部852により電気的に接続される。これにより、スイッチが接続される一方、カウンタが、分与された投与量については1増やして(又は残りの投与量については1減らして)カウントすることになる。キャニスタ25が解放されると、接点850A、850Bは、架橋部852から隔てられ、且つ開いた状態に戻る。
【0072】
図21には、インジケータユニット804に取り付けられた接点860Aと、スリーブ802に取り付けられた接点860Bとを有する別の一例としてのスイッチが示されている。解放した状態において、接点860A、860Bは、同一の高さではなく、また、互いに接触していない(図面に図示せず)。キャニスタ25が一投与量を供給すべく押し下げられたとき、スリーブ802の接点860Bは、図21に示すように、インジケータユニット804の接点860Aと接触し、スイッチは接続され、これによりカウンタは1単位、増やされる(又は減らされる)。キャニスタ25が解放されると、スイッチは開いた状態に戻る。
【0073】
図22は、相対的に可動のスイッチである更なる一例としてのスイッチが示されている。図22に示すように、該スイッチは、スリーブ802に取り付けられた導電性トラック870を有している。導電性トラック870は線形抵抗を特徴とする。インジケータユニット804に電気的に連結された2つの接点872、874はトラック870に配置される。キャニスタ25が上方又は下方に動くと、2つの接点872、874の間の導電性トラック870の長さが変化し、2つの接点872、874の間のトラックの長さの変化に応答して、2つの接点872、874の間の抵抗も変化する。インジケータユニット804は、2つの接点872、874間の抵抗の変化を測定する回路を更に有している。抵抗の変化が、キャニスタが医薬を分与するキャニスタの移動点に相応する所定の値に等しいならば、インジケータユニット804内のカウンタは1単位だけ漸増(漸減)し、願じゃに一投与量が供給されたことが表示される。
【0074】
図23には、誘導スイッチである更に別の一例としてのスイッチが示されている。該スイッチは、インジケータユニット804及び缶スリーブ802の一方に取り付けられた誘導場発生器880と、検出器804、とを有しており、該検出器は、インジケータユニット800及び缶スリーブ802の他方に取り付けられ、且つ発生器880により発生された場と干渉し得るようにされている。誘導場は、図23に概略図的に円で示した領域を特徴とする。キャニスタ25が上方又は下方に動くと、検出器882は誘導場の領域内に、且つ該領域外に動く。検出器882の状態の変化(場に入る又は場から出る状態)は、一投与量が供給されたことを示し、カウンタのインジケータは、1単位だけ漸増(又は漸減)される。
【0075】
一例としての形態において、インジケータユニットにおける液晶ディスプレイ(LCD)は、図24A、図24Bに示すようにキャニスタの状態を示す。上述した赤−黄色−緑の形態のような、LED’sを使用して、キャニスタの状態を識別することもできる。
【0076】
図24Aには、3つの部分から成るディスプレイシステムが示されている。図示した形態は、部分2、3が「オン」状態にあり、キャニスタが所定の数を表すX1以上の投与量の医薬を保持し、安全な状態にあることを表示するとき、例えば、「オールブラック」(又は「満たされている」)医薬アイコン(部分2)と、アウトラインを示したキャニスタアイコン「部分3」とが提供される。1つの部分3のみがオン状態にあり(すなわち、部分3が「オン」、部分2が「オフ」状態にあり)、キャニスタがX1以下の投与量の医薬を保持する警告状態であることを表示するとき、ディスプレイはアウトラインを示したキャニスタアイコン(部分3)を提供する。
【0077】
図24Bには、代替的な4つの部分から成るディスプレイシステムが示されている。図示した形態は、部分2、3及び4が「オン」状態にあり、キャニスタが第一の所定の数を表すX1以上の投与量の医薬を保持した「安全」な状態であることを表示するとき、例えば、「オールブラック」(又は「充填」)医薬アイコン(部分2、3)と、アウトラインを示したキャニスタアイコン「部分4」とが提供される。部分3及び4が「オン」状態にあり、キャニスタがX1より少ないが、X1より少ない第二の所定の数を表すX2より多い投与量の医薬を保持した「注意」状態にあることを表示するとき、ディスプレイは、部分的なブラックコンテンツ(又は半充填)医薬品アイコン(部分3)と共にブラックにアウトラインを示したキャニスタアイコン(部分4)を提供する。1つの部分4のみが「オン」状態にあり、キャニスタがX2より少ない数の投与量の医薬を保持する「警告」状態にあることを表示するとき、ディスプレイは、コンテンツ無し(又は「空」)医薬アイコンと共に、アウトラインを示したキャニスタアイコン(部分4)を提供する。
【0078】
その他の実施の形態において、より細かいキャニスタの状態を表示するため、異なる多数部分ディスプレイを使用することができる。
医薬分与装置のハウジングは、ステムブロックの詰りを回避するため洗浄を必要とする。患者に対しディスペンサを洗浄すべきとの注意を喚起するため、LCDは、図24A、図24Bに部分1として示した洗浄インジケータを更に有しており、該洗浄インジケータは、所定数の投与量が供給された後、作動される。キャニスタの状態を表示し、且つ患者に対しディスペンサを洗浄すべきの注意を喚起するため、その他の形態のディスプレイアイコンを使用することができる。
【0079】
1つの実施の形態において、分与装置は、LCDを作動させ、各投与量が供給された後、相対的に短時間、キャニスタの状態に関する情報を示す機構(図16にて状況ボタン900)を更に有している。該形態において、分与装置は、LCDを制御する状況ボタンを更に有している。別の実施の形態において、患者は、状況ボタンを押してLCDにスイッチを入れることにより、任意の時点にてキャニスタの状況を点検することができる。本発明の一例としての形態において、短時間の後、LCDは自動的にオフに切り換わり、電池のエネルギを節約する。
【0080】
本発明の装置は、本発明の有利な効果を享受することができる任意の哺乳類に対して使用することを目的とする。かかる哺乳類の最たるものは人間であるが、本発明は、このように限定することを意図するものではなく、獣医科分野にも適用可能である。このように、本発明に従い、「哺乳類」又は「必要とする哺乳類」は、人間、猫、犬及び馬を含む、飼育動物のような人間以外の哺乳類を含むが、これらにのみ限定されるものではない。
【0081】
装置は、あらゆる病気又はその症状を治療し又は緩和するため哺乳類の肺又は鼻通路に有益に供給することのできる任意の薬剤の製剤に対して使用することができる。多岐に亙る医療、生物活性物質及び医薬組成物を本発明の投与量の形態に含めることができる。有用な薬剤の例は、アンジオテンシン変換酵素(ace)抑制剤、にきび薬剤、アルカロイド、アミノ酸製剤、同化作用製剤、鎮痛剤、麻酔薬、制酸剤、抗狭心症薬剤、抗不安剤、抗不整脈剤、抗喘息剤、抗生物質、抗コレステロール血症剤、抗凝血薬、抗痙攣剤、抗うつ剤、抗糖尿病薬、止しゃ(瀉)薬製剤、解毒剤、鎮吐剤、抗ヒスタミン薬、抗高血圧剤、抗炎症薬、抗脂質剤、抗躁剤、制嘔吐剤、抗新生物薬、抗肥満薬剤、抗パーキンソン症候群剤、抗精神症剤、解熱剤、抗リウマチ剤、鎮痙剤、抗発作剤、抗血栓症薬剤、抗甲状腺製剤、抗腫瘍薬剤、咳止め、抗潰瘍剤、抗尿酸血薬剤、抗ウイルス薬剤、食欲刺激剤又は抑制剤、生物学的反応調整剤、血液調整剤、骨代謝調整剤、心臓血管剤、中枢神経系刺激薬、大脳拡張剤、コリンエステラーゼ阻害剤、避妊薬、冠状血管拡張剤、咳抑制剤、充血抑制剤、規定食の追加剤、利尿薬、DNA及び遺伝子変更薬剤、ドーパミンレセプタ作用薬、子宮内膜症管理薬剤、酵素、勃起性機能障害療剤、赤血球生成薬剤、去痰剤、受精能剤、胃腸剤、同種療法医薬、ホルモン、高−及び低−血糖症剤、高カルシウム血症及び低カルシウム血症管理剤、催眠薬、免役調整薬、免役抑制薬、イオン交換樹脂、緩下剤。偏頭痛製剤、乗り物酔い療法、粘液溶解剤、筋弛緩剤、神経筋薬剤、肥満管理剤、骨粗鬆症製剤、子宮収縮薬、副交感神経抑制剤、副交感神経興奮剤、末梢血管拡張剤、プロスタグランジン、神経療法剤、向神経薬、興奮剤、呼吸剤、鎮静剤、禁煙補助薬、交感神経遮断剤、全身性及び非全身性抗感染剤、terine弛緩薬、甲状腺及び抗甲状腺製剤、精神安定剤、振戦製剤、尿路剤、血管収縮剤、血管拡張剤、及びそれらの組み合わせである。
【0082】
本発明は、その精神又は必須の特徴から逸脱せずに、その他の特定の形態にて具体化することができる。このため、これらの実施の形態は、全ての点にて一例であり、且つ限定的ではなく、本発明の範囲は、上記の説明ではなくて、特許請求の範囲により示され、このため特許請求の範囲の等価物の意義及び範囲の属する全ての変更例を本発明に包含することを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬吸入器組立体において、
A.中心軸線に沿って配置された中央空隙領域を画成するハウジングと、
B.内部の医薬保持リザーバを有する医薬容器であって、容器の軸線に沿って延び、その一端部に、前記容器の軸線に沿って延びる分与ポートを有し、該分与ポートが前記リザーバに連結されるようになっている、前記医薬容器と、
C.前記容器の軸線が前記中心軸線と実質的に同軸状の状態にて前記医薬容器を前記中央空隙領域内に支持する支持手段であって、これにより前記中心軸線に沿った第一の方向に向けてのユーザ誘発による前記ハウジングに対する前記容器の所定量の動きによって医薬が前記分与ポートから分与されるようにする、支持手段と、
D.前記ハウジングと関係付けられた前記容器の同一性を表す情報を提供し得るよう前記容器に取り付けられた識別手段と、
E.前記ハウジングに取り付けられ、且つ、前記容器が前記ハウジングの前記中央空隙領域内に配置されたときに前記提供された情報を検知し得るようにされた検出器であって、前記検知され且つ提供された情報が前記ハウジングと関係付けられた前記同一性の情報に相応するときには有効信号を発生させ、そうでないときには無効信号を発生させる前記検出器と、
F.前記ハウジング及び前記容器に取り付けられた容器の状態インジケータ組立体であって、前記ハウジングに対する前記容器の前記医薬の分与動作を検知し、且つ、前記容器の状態を表す信号を発生させる手段を有する、前記容器の状態インジケータ組立体と、
を備える、医薬吸入器組立体。
【請求項2】
請求項1に記載の組立体において、
前記容器は、少なくとも2つの状態のうちの1つによって特徴付けられる、組立体。
【請求項3】
請求項2に記載の組立体において、
第一の状態は、前記リザーバが少なくともX1の投与量の医薬を保持することを表し、ここで、X1は、第一の所定の数であり、前記第一の状態は、安全状態であり、
第二の状態は、前記リザーバがX1よりも少ない数の投与量を保持することを表し、該第二の状態は警告状態である、組立体。
【請求項4】
請求項3に記載の組立体において、
前記容器の状態インジケータは、内側空隙領域を有する外側フィールドと、該外側フィールドの前記空隙領域内の医薬フィールドとを有する図形ディスプレイ装置を備え、
前記第一の状態にあるときには前記外側フィールド及び前記医薬フィールドが作動し、
前記第二の状態にあるときには前記外側フィールドのみが作動する、組立体。
【請求項5】
請求項4に記載の組立体において、
前記外側フィールドは、容器の形状をしている、組立体。
【請求項6】
請求項4に記載の組立体において、
前記外側フィールドは、矩形の形状を有する、組立体。
【請求項7】
請求項4に記載の組立体において、
前記外側フィールドは、三角形の形状を有する、組立体。
【請求項8】
請求項1に記載の組立体において、
前記容器は、少なくとも3つの状態のうちの1つによって特徴付けられる、組立体。
【請求項9】
請求項8に記載の組立体において、
第一の状態は、前記リザーバが少なくともX1の投与量の医薬を保持することを表し、ここで、X1は、第一の所定の数であり、前記第一の状態は、安全状態であり、
第二の状態は、前記リザーバがX1よりも少なく且つX2よりも多い数の投与量を保持することを表し、ここで、X2は第二の所定の数であり、X1はX2よりも大きく、前記第二の状態は、注意状態であり、
第三の状態は、前記リザーバがX2よりも少ない数の投与量を保持することを表し、前記第三の状態は警告状態である、組立体。
【請求項10】
請求項9に記載の組立体において、
前記容器の状態インジケータは、内側空隙領域を有する外側フィールドと、該外側フィールドの前記空隙領域内に配置された第一及び第二の医薬フィールドとを有する図形ディスプレイ装置を備え、
前記第一の状態にあるときには前記外側フィールド、前記第一及び第二の医薬フィールドが作動し、
前記第二の状態にあるときには前記外側フィールド及び前記第一の医薬フィールドのみが作動し、
前記第三の状態にあるときには前記外側フィールドのみが作動する、組立体。
【請求項11】
請求項10に記載の組立体において、
前記外側フィールドは、容器の形状をしている、組立体。
【請求項12】
請求項10に記載の組立体において、
前記外側フィールドは、矩形の形状を有する、組立体。
【請求項13】
請求項10に記載の組立体において、
前記外側フィールドは、三角形の形状を有する、組立体。
【請求項14】
請求項1に記載の組立体において、
前記容器はエアロゾル容器である、組立体。
【請求項15】
請求項14に記載の組立体において、
有用な薬剤は、アンジオテンシン変換酵素(ace)抑制剤、にきび薬剤、アルカロイド、アミノ酸製剤、同化作用製剤、鎮痛剤、麻酔薬、制酸剤、抗狭心症薬剤、抗不安剤、抗不整脈剤、抗喘息剤、抗生物質、抗コレステロール血症剤、抗凝血薬、抗痙攣剤、抗うつ剤、抗糖尿病薬、止しゃ(瀉)薬製剤、解毒剤、鎮吐剤、抗ヒスタミン薬、抗高血圧剤、抗炎症薬、抗脂質剤、抗躁剤、制嘔吐剤、抗新生物薬、抗肥満薬剤、抗パーキンソン症候群剤、抗精神症剤、解熱剤、抗リウマチ剤、鎮痙剤、抗発作剤、抗血栓症薬剤、抗甲状腺製剤、抗腫瘍薬剤、咳止め、抗潰瘍剤、抗尿酸血薬剤、抗ウイルス薬剤、食欲刺激剤又は抑制剤、生物学的反応調整剤、血液調整剤、骨代謝調整剤、心臓血管剤、中枢神経系刺激薬、大脳拡張剤、コリンエステラーゼ阻害剤、避妊薬、冠状血管拡張剤、咳抑制剤、充血抑制剤、規定食の追加剤、利尿薬、DNA及び遺伝子変更薬剤、ドーパミンレセプタ作用薬、子宮内膜症管理薬剤、酵素、勃起性機能障害療剤、赤血球生成薬剤、去痰剤、受精能剤、胃腸剤、同種療法医薬、ホルモン、高−及び低−血糖症剤、高カルシウム血症及び低カルシウム血症管理剤、催眠薬、免役調整薬、免役抑制薬、イオン交換樹脂、緩下剤。偏頭痛製剤、乗り物酔い療法、粘液溶解剤、筋弛緩剤、神経筋薬剤、肥満管理剤、骨粗鬆症製剤、子宮収縮薬、副交感神経抑制剤、副交感神経興奮剤、末梢血管拡張剤、プロスタグランジン、神経療法剤、向神経薬、興奮剤、呼吸剤、鎮静剤、禁煙補助薬、交感神経遮断剤、全身性及び非全身性抗感染剤、terine弛緩薬、甲状腺及び抗甲状腺製剤、精神安定剤、振戦製剤、尿路剤、血管収縮剤、血管拡張剤、及びそれらの組み合わせから成る群から選ばれる、組立体。
【請求項16】
請求項1に記載の組立体において、
前記識別手段はRFID装置である、組立体。
【請求項17】
請求項1に記載の組立体において、
前記検出器は、ばね負荷式接点組立体により前記識別手段に連結され、
前記ばね負荷式接点組立体は、前記ハウジング及び前記容器の一方に取り付けられた固定の接点を有し、また、前記ハウジング及び前記容器の他方に取り付けられたばね負荷式接点を有する、組立体。
【請求項18】
請求項1に記載の組立体において、
前記容器の状態インジケータは、ばね負荷式接点組立体により前記容器に連結され、
前記ばね負荷式接点組立体は、前記ハウジング及び前記容器の一方に取り付けられた固定の接点を有し、また、前記ハウジング及び前記容器の他方に取り付けられたばね負荷式接点を有する、組立体。
【請求項19】
請求項1に記載の組立体において、
前記検出器は、前記検出器により発生された前記有効信号又は無効信号を表すディスプレイを備える、組立体。
【請求項20】
請求項1に記載の組立体において、
前記容器の状態のインジケータは、該容器の状態インジケータにより発生された信号を表すディスプレイを備える、組立体。
【請求項21】
請求項20に記載の組立体において、
前記ディスプレイは液晶ディスプレイ(LCD)である、組立体。
【請求項22】
請求項20に記載の組立体において、
前記ディスプレイは発光ダイオード(LED)装置を備える、組立体。
【請求項23】
請求項20に記載の組立体において、
前記ディスプレイはスイッチを備え、
該スイッチは、前記ユーザ誘発による、前記ハウジングに対する前記容器の動きに応答して前記ディスプレイを作動させ、次に、相対的に短時間の後、前記ディスプレイを不作動にする、組立体。
【請求項24】
請求項20に記載の組立体において、
前記ディスプレイは、組立体の外部からアクセス可能な制御ボタンを有するスイッチを備え、
該スイッチは、ユーザが前記制御ボタンを押したとき、前記ディスプレイを作動させ、次に、相対的に短時間の後、前記ディスプレイを不作動にする、組立体。
【請求項25】
請求項20に記載の組立体において、
前記ディスプレイは、図形ディスプレイと、数値ディスプレイとを備える、組立体。
【請求項26】
請求項1に記載の組立体において、
前記容器に取り付けられたスリーブを備え、前記識別手段は前記スリーブに取り付けられる、組立体。
【請求項27】
請求項26に記載の組立体において、
前記スリーブは、前記分与ポートを有する前記端部に配置される、組立体。
【請求項28】
請求項26に記載の組立体において、
前記スリーブは、前記容器の中間部分付近に配置される、組立体。
【請求項29】
請求項26に記載の組立体において、
前記スリーブは、少なくとも1つの長手方向リブを備え、
前記ハウジングは、前記少なくとも1つの長手方向リブを受容して前記ハウジング内にて前記容器の所望の整合状態を維持する少なくとも1つの溝を画成する、組立体。
【請求項30】
請求項1に記載の組立体において、
前記容器の状態インジケータは、前記容器の状態を記憶するメモリ装置を備える、組立体。
【請求項31】
請求項1に記載の組立体において、
前記ハウジングに対する前記容器の前記医薬の分与動作を検知し且つ前記容器の状態を表す信号を発生させる前記手段が、前記容器及び前記ハウジングに作用可能に接続されたスイッチ組立体と、前記容器から分与された投与量の数をカウントするカウンタとを備え、
前記医薬の分与動作が前記スイッチ組立体を作動させ、該スイッチ組立体が前記カウンタを作動させて1単位カウントする、組立体。
【請求項32】
請求項31に記載の組立体において、
前記スイッチ組立体は、前記容器及び前記ハウジングの一方に取り付けられた実質的にU字形の導電性トラックと、前記容器及び前記ハウジングの他方に取り付けられ、且つ、前記トラックと電気的に接続された2つの接点とを備え、
前記ハウジングに対する前記容器の分与動作が、前記2つの接点間のトラックの長さを変化させ、前記カウンタを作動させて1単位カウントする、組立体。
【請求項33】
請求項31に記載の組立体において、
前記スイッチ組立体は、前記容器及び前記ハウジングの一方に取り付けられた誘導場発生器と、前記容器及び前記ハウジングの他方に取り付けられた誘導検出器とを備え、
前記誘導検出器は、該誘導検出器に対する前記誘導発生器の動きを感知して、前記カウンタを作動させて1単位カウントする、組立体。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【公開番号】特開2011−143273(P2011−143273A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−83757(P2011−83757)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【分割の表示】特願2006−509046(P2006−509046)の分割
【原出願日】平成16年3月4日(2004.3.4)
【出願人】(508008555)ノートン・ヘルスケアー リミテッド (10)