説明

内部硬化性セメント質材料本出願は、米国特許法(35U.S.C.)119条に基づき、2009年9月30日に出願した米国仮出願第61/247,460号に基づく優先権を主張する。

セメント質材料のミキシング時に、セメント質材料にカルボキシル化漂白木材パルプ繊維を加えること、を含むセメント質材料の硬化方法。該繊維は、セルロース繊維100g当たり10〜70meqのカルボキシル含量を有する。該繊維は、セメント質材料の乾燥重量の0.1〜5重量%である。該硬化方法によって得られる構造物。セメント質材料の自己収縮が減少する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、内部硬化性セメント質材料を得るための方法と材料、および、結果として得られる生成物に関する。
【背景技術】
【0002】
今日の建造物は、従来のコンクリートから高性能コンクリートまで多くの形態のコンクリートを使用している。使用されるコンクリートの種類は、その用途および必要とされる強度に依存する。従来のコンクリートは、30〜50メガパスカル(MPa)の範囲の強度を有する。高性能コンクリートは、200〜400MPaの範囲の強度を有する。水の使用量も、コンクリートの種類に応じて異なる。従来のコンクリートは、0.4〜0.6の水/セメント材料比(w/cm)を有する。高性能コンクリートは、0.2〜0.3の水/セメント材料比を有する。これは、高性能コンクリート中の添加剤のためである。水/セメント比が低いと、コンクリートに高強度が付与される。
【0003】
水/セメント材料比がこのように低いと、自己収縮についての問題を引き起こす。自己収縮は内部収縮である。セメントもしくはコンクリート構造物は、元の[水成分+セメント材料成分]より少ない体積を有する。セメントが硬化するときに、セメントが収縮する。セメントもしくはコンクリート構造物の初期硬化段階においては、セメントもしくはコンクリートは流動性があって収縮しうる。セメントもしくはコンクリートが硬化して凝固すると、収縮できる能力が低下する。セメントもしくはコンクリート構造物の内部に水が不足すると、全体的な構造が収縮することなく内部収縮または自己収縮を引き起こす。構造物が凝固すると、水を外部から内部に供給する方法が無くなってしまう。
【0004】
内部収縮または自己収縮が起こるのを防止するために、セメントもしくはコンクリート構造物の内部に水を供給する必要がある。
さらに、水の供給は、セメント/水混合物の初期コンシステンシーを保持しつつ、初期硬化時間を規格内に保持しつつ、そして最終硬化時間を通常の限度内に保持しつつ行わねばならない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、多くのセメント混合物に関して経過時間と長さ変化との関係を示すグラフである。
【図2】図2は、経過時間および使用割合(dosage rate)と長さ変化との関係を示すグラフである。
【図3】図3は、多くのセメント混合物に関して経過時間と圧縮強度との関係を示すグラフである。
【図4】図4は、セルロース分子の1構造単位を示す。
【図5】図5は、カルボキシル化セルロース分子のある構造単位の1つの実施態様を示す。
【図6】図6は、カルボキシル化セルロース分子のある構造単位の他の実施態様を示す。
【図7】図7は、カルボキシル化セルロース分子のある構造単位の他の実施態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、水含有材料をセメントもしくはコンクリート構造物中に組み込むことを提唱する。この水含有材料は、セメントもしくはコンクリートの硬化サイクル時に、セメントもしくはコンクリートに水を供給する。
【0007】
この材料は、漂白セルロース木材パルプ繊維であり、制御された仕方で、セメント中の水を保持したり放出したりするように処理されている。漂白セルロース木材パルプ繊維は、カルボキシル化セルロース木材パルプ繊維である。漂白セルロース木材パルプ繊維は一般に、セルロース繊維100g当たり5ミリ当量(meq/100g)以下のカルボキシル含量を有する。セルロース木材パルプ繊維にさらなるカルボキシル化をもたらすように繊維を処理する。1つの実施態様では、セルロース木材パルプ繊維は10〜70meq/100gの全カルボキシル含量を有する。他の実施態様では、セルロース木材パルプ繊維は10〜50meq/100gの全カルボキシル含量を有する。他の実施態様では、セルロース木材パルプ繊維は20〜40meq/100gの全カルボキシル含量を有する。他の実施態様では、セルロース木材パルプ繊維は25〜30meq/100gの全カルボキシル含量を有する。
【0008】
セルロースは、グルコース単位(全て1−4位を通じてβ結合されている)の長鎖からなる炭水化物である。セルロースの構造を図4に示す。野生植物のセルロース分子は、図4に示す無水グルコース単位を2200以上有することがある。単位の数は通常、重合度(または単にD.P.)と呼ばれる。セルロースの精製時(例えば、化学パルプ化法によって、木材中のリグニンおよび幾らかのヘミセルロースからセルロースを分離して木材をパルプ化する際)に、重合度が若干低下する。最終的なパルプの重合度は、使用するパルプ化法や重合度の試験法に依存する。
【0009】
カルボキシル化セルロース木材パルプ繊維中のカルボキシル基は、無水グルコース単位の6位に結合している。カルボキシル化セルロース単位の1つの構造を図5に示す。図からわかるように、無水グルコース単位の6位におけるヒドロキシル基がカルボン酸基に転化されている。カルホキシル化セルース単位の他の構造を図6に示す。2位と3位との間の結合が切断され、これらの位置におけるヒドロキシル基が酸素基になっている。図7ではさらに、この単位の2位と3位がカルボキシル化されている。
【0010】
セルロース分子鎖の無水グルコース単位が全てカルボキシル化されているわけではない。カルボキシル化されている単位の数によって、セルロース分子のカルボキシル含量とセルロース繊維のカルボキシル含量が決まる。
【0011】
カルボキシル化セルロース木材パルプ繊維は、カルボキシル基を介してセルロース分子に結合した側鎖をもたない。
この繊維がセメント質材料中に組み込まれる。1つの実施態様では、カルボキシル化セルロース木材パルプ繊維が、セメント質材料の重量の0.1〜5重量%を構成する。セメント質材料の重量は、セメントの乾量と、シリカフュームが使用されている混合物中のシリカフュームの乾量とを基準とした重量である。他の実施態様では、カルボキシル化セルロース木材パルプ繊維が、セメント質材料の重量の0.5〜3重量%を構成する。他の実施態様では、カルボキシル化セルロース木材パルプ繊維が、セメント質材料の重量の1〜2重量%を構成する。他の実施態様では、カルボキシル化セルロース木材パルプ繊維が、セメント質材料の重量の0.1〜1重量%を構成する。他の実施態様では、カルボキシル化セルロース木材パルプ繊維が、セメント質材料の重量の0.25〜0.75重量%を構成する。他の実施態様では、カルボキシル化セルロース木材パルプ繊維が、セメント質材料の重量の0.4〜0.6重量%を構成する。
【0012】
木材パルプ繊維用の木材は、マツ、トウヒ、カラマツ、ダグラスファー、モミ、アメリカツガ、ヒマラヤスギ、アメリカスギ、アスペン、シナノキ、ブナノキ、カバノキ、ハコヤナギ、ゴムノキ、カエデ、セイヨウトネリコ、クリノキ、ニレ、またはユーカリノキ等の、任意の軟材または硬材であってよい。木材パルプ繊維用の木材は、任意の標準的なパルプ化法(例えば、クラフト法や亜硫酸塩法)によってパルプ化することができる。木材パルプ繊維は、任意の標準的な漂白プロセスによって漂白される。
【0013】
繊維をパルプ化し、漂白して、セメントの硬化に対して有害となりうるヘミセルロースとリグニンを除去する。
漂白されたセルロース木材パルプ繊維を、次にカルボキシル化する。カルボキシル化法は、米国特許第6,379,494号、米国特許第6,524,348号、および米国特許第6,987,181号に記載されている。最初に、水性スラリーまたは水性懸濁液中のセルロース繊維を、ニトロキシド窒素に隣接した炭素原子のどちらに対しても水素置換が無い環状ニトロキシドを含む一次酸化剤を加えることによって酸化する。5員環と6員環の両方を有するニトロキシドが満足できるものであることが見出されている。5員環と6員環はどちらも、メチレン基を、あるいは窒素、イオウ、または酸素から選択されるもう一つのヘテロ環原子を環中の4位に有してよく、またどちらの環も、この位置に置換基を有してよい。選択されるニトロキシドは、pHが約8〜11の範囲の水性アルカリ性環境において安定であることが重要である。
【0014】
多くのニトロキシド化合物が適切であることが見出されている。代表的なニトロキシドの中で2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシ・フリーラジカル(TEMPO)が有用であることが分かっている。TEMPOと鏡像関係にて結びついている他の適切な化合物が2,2,2’,2’,6,6,6’,6’−オクタメチル−4,4’−ビピペリジニル−1,1’−ジオキシ・ジフリーラジカル(BI−TEMPO)である。同様に、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジニル−1−オキシ・フリーラジカル、2,2,6,6−テトラメチル−4−メトキシピペリジニル−1−オキシ・フリーラジカル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンジルオキシピペリジニル−1−オキシ・フリーラジカル、2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジニル−1−オキシ・フリーラジカル、2,2,6,6−テトラメチル−4−アセチルアミノピペリジニル−1−オキシ・フリーラジカル、および2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン−1−オキシ・フリーラジカルが、TEMPOの4位が置換された化合物の例であり、これらは極めて満足できる酸化剤であることが明らかになっている。環中の第2のヘテロ原子が4位(窒素原子に対して)に位置するニトロキシドの中では、3,3,5,5−テトラメチルモルホリン−1−オキシ・フリーラジカル(TEMMO)が極めて有用である。
【0015】
ニトロキシドは、飽和環を有するニトロキシドに限定されない。極めて有効であることが見出されている1つの化合物が3,4−デヒドロ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニル−1−オキシ・フリーラジカルである。
【0016】
4位が2つ置換されている6員環化合物が、合成が比較的容易であってより低コストであることから極めて有用である。これらの中で代表的なものは、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン−1−オキシ・フリーラジカルのエチレン環状アセタール、プロピレン環状アセタール、およびネオペンチル環状アセタールである。
【0017】
5員環化合物の中では、2,2,5,5−テトラメチル−ピロリジニル−1−オキシ・フリーラジカルが極めて有効であることが見出されている。
上記の化合物は、使用に適した多くのニトロキシドの中の単なる代表的なものとして見なすべきである。
【0018】
ニトロキシドは、ヒドロキシルアミンまたはそれらのアミン前駆体の酸化によって、その場で形成させることができる。ニトロキシド形は、消費される二次酸化剤によってオキソアンモニウム塩に酸化される。ニトロキシドのオキソアンモニウム塩は一次酸化剤であって、セルロースの無水グルコース部分におけるC6上の一級ヒドロキシル基の、最初はアルデヒド基への、次いでカルボキシル基への酸化を果たす。ニトロキシドが、酸化反応時にオキソアンモニウム塩に、次いでヒドロキシルアミンに転化されつつ、二次酸化剤の存在によってニトロキシドが連続的に再生され、オキソアンモニウム塩に転化される。水溶性の次亜ハロゲン酸塩が好ましい二次酸化剤である。二酸化塩素または二酸化塩素の潜在的供給源も好ましい二次酸化剤である。ニトロキシドは、酸化反応において不可逆的には消費されないので、ほんの少量だけが必要とされる。反応の進行時に、使い果たされるのは二次酸化剤である。1つの実施態様では、必要とされるニトロキシドの量は、存在するセルロースを基準として約0.005%〜1.0%の範囲である。他の実施態様では、必要とされるニトロキシドの量は約0.02%〜0.25%である。ニトロキシドのオキソアンモニウム塩は、セルロースの無水グルコース部分のC6上に位置する一級ヒドロキシルを優先的に酸化することが知られている。
【0019】
まず、ニトロキシドを次亜ハロゲン酸塩水溶液の一部と予備混合して均一な溶液を形成させてから、これをセルロース繊維スラリーに加えることができる。溶解速度を増大させるためには、超音波撹拌が有用である。酸化反応は、約1分〜10時間以上の時間にわたって続けることができる。1つの実施態様では、温度は約0℃〜75℃である。他の実施態様では、温度は約0℃〜30℃である。さらに他の実施態様では、温度は室温である。酸化反応の後に、最大重合度の安定性が要求される場合は、セルロースを洗浄し、水中にて再スラリー化し、ここで、安定剤で処理して置換基(例えばアルデヒド基やケトン基)をヒドロキシル基またはカルボキシル基に転化させる。安定化されないニトロキシド酸化パルプは、好ましくない色戻りを示し、乾燥すると自己架橋し、このため再分散する能力が低下する。
【0020】
好ましい次亜ハロゲン酸塩は次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)である。次亜塩素酸ナトリウムは、安価であって、約4〜10%w/vのNaOClを含有する安定な水溶液として容易に入手することができる。これは、NaOHの溶液中に塩素ガスを吹き込むことによって、その場で作製することができる。NaOClと臭化ナトリウム(NaBr)との混合物は酸化反応を促進し、この組み合わせ物を使用するのが極めて好ましい。約3重量部のNaBrと約4重量部のNaOClとの混合物が極めて満足できるが、この比は重要ではない。NaOClの使用量は、パルプスラリー1リットル当たり約0.8〜6.5g(好ましくは約1.1〜1.4g/リットル)の範囲である。セルロースを基準とするNaOClの使用量は約0.5〜35重量%(好ましくは約1.3〜10.5重量%)の範囲内である。正確な使用量は、必要とされるカルボキシル化の量に依存する。酸化時のpHは、一般には8〜11(好ましくは9〜10、最も好ましくは9.5〜9.8)の範囲内に保持すべきである。酸化反応は、より高いpH値でも、より低いpH値でも進行するが、効率はより低くなる。
【0021】
Stabrex(商標)(イリノイ州シカゴのNalco Chemical社から市販)として販売されている特許組成物を、次亜塩素酸塩酸化剤の代わりに使用することができる。Stabrexは、臭素含有組成物の安定化された高アルカリ性水溶液(1〜5%のNaOHを含有、最小pHが13)であって、次亜臭素酸塩の潜在的供給源である。該組成物は、スルホン化窒素含有化合物と考えられる安定剤を含有する。Stabrexは、環境的または他の考慮すべき要素によって、塩素系材料の使用が抑制される場合に有用である。
【0022】
二酸化塩素は、元素状塩素非含有の二次酸化剤として好ましい酸化剤である。二酸化塩素は、ニトロキシドを一次酸化剤(そのオキソアンモニウム塩)に酸化するための効率的な二次酸化剤である。二酸化塩素はさらに、ヒドロキシルアミンと前駆体アミンをそれぞれのニトロキシドに酸化するための酸化剤である。ニトロキシド、ヒドロキシルアミン、またはそれらの前駆体アミンを使用してセルロースを接触カルボキシル化するための二酸化塩素と共に使用する塩基としては、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、または重炭酸ナトリウム水溶液が好ましい。
【0023】
言うまでもなく、通常の反応速度論によれば、酸化反応は、酸化剤の濃度が増大するほど、そして温度が高くなるほど、より速い速度で進行する。セルロースの重合度.の低下を少なくするという観点から、より低い温度(例えば0℃〜10℃)での反応が好ましい。しかしながら、反応をより高い温度で行って、600以上の重合度.を有する生成物を得ることもできる。
【0024】
酸化の後に、セルロースを洗浄して残留化学物質を除去し、次いで乾燥することもできるし、あるいはさらに処理することもできる。最大安定性と重合度.の保持が要求される場合は、酸化生成物を水中に再スラリー化して安定剤で処理する。安定剤は、還元剤であってもよいし、あるいは他の酸化剤であってもよい。好ましい還元剤はアルカリ金属ホウ水素化物である。コストと入手しやすさの観点から、ホウ水素化ナトリウム(NaBH)が好ましい。しかしながら、LiBH等の他のホウ水素化物、またはNaBHCN等のアルカリ金属シアノホウ水素化物も適切である。NaBHとLiClとを混合して極めて有用な還元剤を作製することができる。NaBHを還元用に使用する場合、その量は約0.1〜100g/リットルの量にて存在すべきである。より好ましい量は約0.25〜5g/リットルであり、最も好ましい量は0.5〜2.0g/リットルである。セルロースを基準として、還元剤の量は約0.1〜4重量%の範囲にすべきであり、好ましくは約1〜3重量%である。還元は、室温以上の温度にて10分〜10時間(好ましくは約30分〜2時間)行うことができる。
【0025】
アルカリ金属亜塩素酸塩が、安定剤として使用される好ましい酸化剤であり、原価要素の点から亜塩素酸ナトリウムが好ましい。酸化剤として同様に良く機能しうる他の化合物は、過マンガン酸塩、クロム酸、臭素、および酸化銀である。塩化ナトリウム用に指定されたpH範囲にて使用する場合は、二酸化塩素と過酸化水素との組み合わせ物も適切な酸化剤である。亜塩素酸ナトリウムを使用する酸化は、約1.5〜5(好ましくは2〜4)のpH範囲にて約25℃〜90℃の温度で約5分〜50時間(好ましくは約10分〜2時間)行うことができる。還元剤とは対照的に酸化剤が有利である1つのファクターは、酸化セルロース上のアルデヒド基がさらなるカルボキシル基に転化され、従ってより高度にカルボキシル化された生成物が得られる、という点である。これらの安定化用酸化剤は、ニトロキシド/次亜塩素酸塩の一次酸化剤/二次酸化剤と区別するために“三次酸化剤”と呼ばれる。三次酸化剤は、酸化セルロースの推定アルデヒド含量の約1.0〜15倍(好ましくは約5〜10倍)のモル比にて使用される。必要とされる三次酸化剤量を測定する簡便法では、好ましい亜塩素酸ナトリウムの使用量は、繊維1g当たり亜塩素酸ナトリウム約0.001g〜0.2g/g(好ましくは0.01〜0.09g/g)の範囲に入るはずであり、ここで亜塩素酸塩は100%活性の物質に基づいて算出されている。
【0026】
安定化が完了した後、セルロースを再び洗浄し、必要に応じて乾燥することができる。これとは別に、カルボキシル置換基を、水素形やナトリウム形のほかに他のカチオン形(例えば、カルシウム形、マグネシウム形、またはアンモニウム形)に転化させることもできる。
【0027】
図6と7に示されている構造は、2位と3位の過ヨウ素酸塩による酸化、およびこれらの位置でのさらなる酸化によって形成させることができる。
このプロセスの1つの具体的な利点は、全ての反応を水性媒体中で行って、カルボキシル化が主として繊維表面上にてなされている生成物を得る、ということである。この生成物は、繊維表面上に少なくとも約20%の全カルボキシル含量を有する。未処理繊維の場合は、繊維表面上の全カルボキシル含量は約10%である。
【0028】
カルボキシル化木材パルプ繊維を水/セメント混合物に加える。
使用できるセメント質材料の特定の例としては、アルミニウムセメント、高炉セメント、アルミン酸カルシウムセメント、タイプIポルトランドセメント、タイプIAポルトランドセメント、タイプIIポルトランドセメント、タイプIIAポルトランドセメント、タイプIIIポルトランドセメント、タイプIIIAポルトランドセメント、タイプIVポルトランドセメント、タイプVポルトランドセメント、水硬性セメント(例えば、ホワイトセメント、グレーセメント、およびブレンド水硬性セメント)、タイプIS−ポルトランド高炉スラグセメント、タイプIP−ポルトランドポゾランセメント、タイプP−ポルトランドポゾランセメント、タイプS−スラグセメント、タイプI(PMY)−ポゾラン変性ポルトランドセメント、タイプI(SM)−スラグ変性ポルトランドセメント、タイプGU−ブレンド水硬性セメント、タイプHE−高早強セメント、タイプMS−中耐硫酸塩セメント、タイプHS−高耐硫酸塩セメント、タイプMH−中水和熱セメント、タイプLH−低水和熱セメント、タイプK膨張セメント、タイプO膨張セメント、タイプM膨張セメント、タイプS膨張セメント、調整硬化セメント、高鉄セメント(high iron cement)、油井セメント、さらなるコンクリート繊維セメントデポジット(further concrete fiber cement deposits)、および上記セメントのいずれかを含む任意の複合材料などがある。
【0029】
種々のタイプのセメントは、米国材料試験協会(ASTM)規格C−150によって特性決定することができる。例えば、タイプIポルトランドセメントは、あらゆる用途に適した汎用セメントである。タイプIポルトランドセメントは、ビル、橋、床、舗装道路、および他のプレキャストコンクリート物品等の一般的な建設計画において使用される。タイプIAポルトランドセメントは、タイプIに類似していて、空気連行特性が加わっている。タイプIIポルトランドセメントは、より少ない熱をより遅い速度で発生し、硫酸塩の攻撃に対して中程度の耐性を有する。タイプIIAポルトランドセメントは、タイプIIによく類似していて、空気連行特性が加わっている。タイプIIIポルトランドセメントは、高性能もしくは高早強セメントであって、コンクリートを硬化させて、速やかに強度をもたせる。タイプIIIポルトランドセメントは、その粒子がより細かく粉砕されているという点を除いて、タイプIに化学的・物理的に類似している。タイプIIIAポルトランドセメントは、空気連行性の高早強セメントである。タイプIVポルトランドセメントは、低い水和熱を有していて、他のタイプのセメントより遅い速度で強度を生じ、従って、熱が逃げるための機会がほとんどないダムや他の大規模コンクリート構造物に使用するのに好ましいセメントである。タイプVポルトランドセメントは、硫酸塩による厳しい作用にさらされるコンクリート構造物においてのみ(主として、コンクリートが硫酸塩含量の高い土壌や地下水にさらされる場合)使用される。
【0030】
繊維は、セメント混合物と比較して少ない量の水を有する高性能コンクリートにおいて有用である。
セメント質材料は、この開示内容が関係する当業者に公知の他の成分やフィラー(例えば、種々のタイプのコンクリートを作製するのに使用されるもの)を含んでよい。例えば、セメント質材料は、骨材、空気連行剤、遅延剤、促進剤(例えば触媒)、可塑剤、腐食抑制剤、アルカリ−シリカ反応性低下剤、結合剤、および着色剤等を含んでよい。特に明記しない限り、ここで使用している“骨材”とは、砂、砂利、砕石、またはシリカフュームを表わしている。骨材は、細骨材と粗骨材に分けることができる。細骨材の例としては、天然砂、砕石、またはシリカフュームなどがあり、ほとんどの粒子が3/8インチ(9.5mm)の篩を通過する。粗骨材の例としては、約0.19インチ(4.75mm)より大きい粒子があるが、一般には、直径が約3/8インチ〜約1.5インチ(9.5mm〜37.5mm)の範囲(例えば砂利)である。天然砂利や天然砂等の骨材は、露天採掘場、川、湖、または海底から掘り上げることもできるし、あるいは浚渫することもできる。破砕骨材は、採石場の岩石、玉石、栗石、または大きめの砂利を破砕することによって得ることができる。骨材材料の他の例としては、再生コンクリート、破砕スラグ、破砕鉄鉱石、膨張(すなわち熱処理)クレー、シェール、またはスレートなどがある。
【0031】
カルボキシル化繊維は、下記の手順によってセメント質材料に加えることができる。
(a)繊維を水中にて混合して分散させる。
(b)水中への繊維の分散の後に、高性能減水剤(superplasticizer:SP)を加える。
(c)水と繊維とSPの混合物をセメント質材料に加えてしみ込ませる。時間は30秒である。
(d)成分を低速で混合する。時間はバッチの規模に依存する。時間は1分以上であってよく、1分〜5分であってよい。
(e)必要ならば、さらなる量の高性能減水剤を混合物に加えて、加工性を向上させる。
(f)このバッチを高速で混合する。この場合も、時間は混合物の規模に依存する。時間は1分以上であり、1分〜5分であってよい。
(g)必要ならば、さらなる量の高性能減水剤を混合物に加えて、加工性をさらに向上させる。
(h)この混合物を30秒静置する(この工程は任意である)。
(i)この混合物を高速でさらに1分以上混合し、混合時間は1分〜5分であってよい。
(j)必要ならば、さらなる量の高性能減水剤を混合物に加えて、加工性をさらに向上させる。
【0032】
繊維の量を増やすと、高性能減水剤の量を増やす必要がある。繊維を加えると、セメント混合物の流動性が低下するので、流動性を高めるために高性能減水剤を加える。加える繊維の量が多くなるほど、流動性の低下が大きくなり、流動性を通常の状態に戻すのに必要とされる高性能減水剤の量が多くなる。必要とされる繊維の量を減らすための1つの方法は、繊維上のカルボキシル化の量を増やすことである。セメント混合物の重量を基準として約0.5%(例えば0.35〜0.65%)の繊維を加えると、必要とされる高性能減水剤の量が最少となる。
【0033】
繊維は、セメント混合物にカルボキシル含量をもたらしている。繊維上のカルボキシル基が、セメント中の水を、制御された仕方で保持したり放出したりしている。1つの実施態様では、セメント質材料100kg当たり20〜600meqのカルボキシル含量が使用される(繊維100g当たり20〜60meq、セメント中0.1〜1%の繊維)。他の実施態様では、セメント質材料100kg当たり20〜500meqのカルボキシル含量が使用される(繊維100g当たり20〜50meq、セメント中0.1〜1%の繊維)。他の実施態様では、20〜400meqのカルボキシル含量が使用される(繊維100g当たり20〜40meq、セメント中0.1〜1%の繊維)。
【0034】
繊維のカルボキシル含量が高い場合は、必要とされる繊維がより少なくて済む。例えば、20meq/100gのカルボキシル含量を有する繊維は、40meq/100gのカルボキシル含量を有する繊維の半分のカルボキシル基を有しており、セメント混合物に同じカルボキシル含量をもたらすのに、前者の繊維については2倍多い量が必要とされる。
【0035】
セメントもしくはコンクリートの硬化における重要な時間は最初の7日である。初期の硬化時に生じる亀裂は、セメントもしくはコンクリートの長期安定性にとって有害である。
【0036】
カルボキシル化繊維を加えても、圧縮強度に対する影響はない。圧縮強度の傾向は同じままである。
【実施例】
【0037】
下記の実施例等においては、繊維を含まないセメント混合物(対照標準:C)、約25meq/100gのカルボキシル含量を有する漂白サザン軟材クラフトパルプ繊維を含むセメント混合物(SSK)、約25meq/100gのカルボキシル含量を有する漂白ノーザン軟材クラフトパルプ繊維を含むセメント混合物(NSK1)、および約10meq/100gのカルボキシル含量を有する漂白ノーザン軟材クラフトパルプ繊維サンプルを含むセメント混合物(NSK2)を使用した。これらの繊維は、そのままの漂白パルプ繊維が実質的に均一なカルボキシルレベルを有するので選択した。繊維の添加量は、セメント混合物の重量を基準として1重量%(1)、セメント混合物の重量を基準として1.5重量%(1.5)、セメント混合物の重量を基準として2重量%(2)の3つである。
【0038】
サンプルは、前述のように混合した。
2通りの実験、すなわち、一方は、セメント単独にて、もう一方は、セメントとシリカフュームを使用して行った。試験について得られた知見を表1〜3に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
【表3】

【0042】
硬化時間
硬化時間は、「ASTM C191 Standard Test Methods for Time of Setting of Hydraulic Cement by Vicat Needle」(ASTM C191標準試験法:ビカー針による水硬性セメントの硬化時間)に基づいた。ペースト混合物に対し、1mmのビカー針をペースト中に沈ませることによって、定期的な針入度試験を行う。初期軟度もしくは標準軟度は、初期混合物中への針の針入深さで示される。測定できる最大深さは40mmである。ASTM C150/C150Mによれば、初期軟度は10±1mmでなければならない。ビカー初期硬化時間は、針入度が25mmであると測定されるか、又は算出されるときの時間である。ビカー最終硬化時間は、セメントと水との最初の接触と、ペースト表面に針が完全な円形の痕跡を残さなくなる時間との間に経過した時間である。ASTM C150/C150Mによれば、ポルトランドセメントペーストに対する初期硬化時間の規格限界は45分〜375分の範囲である。最終的な硬化タイプに対するASTM時間はなく、一般には300分である。
【0043】
下記の試験においては、混合物の加工性を維持するために高性能減水剤を加える。対照標準を種々の量の高性能減水剤で処理して初期軟度を測定した。シリカフュームの試験では、90重量%のセメントと10重量%のシリカフュームを使用した。
【0044】
【表4】

【0045】
自己収縮試験
O.M.JensenとP.F.Hansenによる「A dilatometer for measuring autogenous shrinkage deformation in hardening cement paste」(Materials and Structures, 1995, 28(181): 406-409」に記載の手順に従って自己変形を測定した。試験片を計量して波形のポリエチレン管中に密閉し、室温で貯蔵した。自己線形変形の測定値を連続的にモニターし、14日間にわたって記録した。最初の測定値は、各混合物に対してASTM C191に従って測定された最終硬化時間において採取した。各混合物に関して3つの試験片を試験した。得られた結果を表5に示す。
【0046】
【表5】

【0047】
カルボキシル化繊維を含有させると、収縮が大幅に減少した。
次のセットの実施例においては、対照標準である4つのセメント混合物と、カルボキシル化繊維を使用した3つのセメント混合物について調べた。最小標準のうちの2つ(M1とM3)は、繊維または他の硬化剤を使用しないセメント混合物であった。対照標準の中の1つ(M2)は、軽量骨材(PLWA)を予備浸漬(セメントやコンクリートを硬化させるための業界標準)させたセメント混合物であった。対照標準の1つ(M7)は、Buckeye UltraFiber(登録商標)500(U500)を含有させたセメント混合物であった。U500対照標準は、試験される繊維の使用割合(dosage rates)と同等の使用割合であり、Buckeyeによって示される使用割合でなくてよい。実施例の1つ(M4)は、GP5(約10meq/100gのカルボキシル含量を有する漂白ノーザン軟材パルプ繊維)を組み込んだセメント混合物であり、実施例の1つ(M5)は、GP20(25〜30meq/100gのカルボキシル含量を有する漂白ノーザン軟材パルプ繊維)を組み込んだセメント混合物であり、実施例の1つ(M6)は、CM(約22meq/100gのカルボキシル含量を有する、化学的に繊維内架橋した漂白サザン軟材パルプ繊維)を組み込んだセメント混合物であった。2つの水/セメント質材料比(w/cm)(0.30と0.40)を使用した。
【0048】
表6は、繊維と水の使用割合を示す。
【0049】
【表6】

【0050】
モルタル混合物は、タイプIポルトランドセメントと10%シリカフューム(SF)とのブレンドを含む。モルタル混合物はさらに、砂を含む。(a)混合手順は以下の通りであった。
(b)試験繊維を水中にて混合して分散させた。(c)水中に繊維を分散させた後に、高性能減水剤を加えた。(d)水と繊維と高性能減水剤との混合物をセメント質材料に加え、30秒浸漬した。(f)バッチを低速で1分混合した。ミキシングしながら、砂を加えた。この時点で、M7におけるUltraFiber500繊維を加えた。加工性を向上させるために、必要に応じてさらに高性能減水剤を加えた。(g)バッチを中速で少なくとも1分混合した。加工性を向上させるために、必要に応じてさらに高性能減水剤を加えた。(h)流動性を測定した。(i)バッチを中速で1分さらに混合した。加工性を向上させるために、必要に応じてさらに高性能減水剤を加えた。
【0051】
混合物を、自己収縮サンプル用のモールドに充填しつつ、揺り動かしてモールド中に行き渡らせ、圧縮立方体に関するASTM C109法に従って突き固めた。
種々の混合物の自己収縮率をある時間にわたって測定した。得られた結果を図1に示す。GP20とCMに対する自己収縮率は、他より少ないカルボキシル化度を有するGP5に対する自己収縮率より小さい、ということがわかった。GP5とU500は、繊維またはPLWAを含まない2つの対照標準(M1とM3)と同等であった。
【0052】
自己収縮に及ぼすGP5の種々の添加量の影響も調べた。添加割合は、セメント混合物の重量を基準として0.5%、1.5%、および2%であった。得られた結果を図2に示す。GP5の2%添加の影響は、図1におけるPLWA添加と同等であった。繊維を2%添加する場合は、多量の高性能減水剤が必要となる。目標は、繊維を2%添加した場合と同じ量のカルボキシル基を含むように繊維の0.5%添加を使用することである。このことは、40meq/100g以上のカルボキシル基含量を有する繊維を使用することを意味している。
【0053】
40meq/100g以上のカルボキシル基含量を有する繊維を製造することは可能である。40meq/100g以上のカルボキシル基含量を有する繊維の自己収縮率は、GP5の2%添加の場合と同等の自己収縮率を有する、と推測される。
【0054】
繊維を添加したときの圧縮強度も測定した。得られた結果を図3に示す。繊維を添加しても、圧縮強度に影響を及ぼさなかった。
特定の用語を使用して本発明の好ましい実施態様を説明してきたが、このような説明は単に例証のためだけになされている。使用されている言葉は、限定の言葉ではなく説明の言葉である。理解しておかねばならないことは、当業者によって、添付の特許請求の範囲において説明する本発明の要旨を逸脱することなく種々の改良や変更がなされてよい、という点である。添付のクレームの要旨は、本明細書に含まれている好ましいバージョンの説明に限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメントであるセメント質材料と;カルボキシル化漂白セルロース木材パルプ繊維と;を含む、硬化されたセメント構造物であって、
該繊維が、セルロース繊維100g当たり10〜70meqのカルボキシル含量を有し、該繊維が、セメント質材料の乾燥重量の0.1〜5重量%である、上記セメント構造物。
【請求項2】
前記繊維が、セルロース繊維100g当たり20〜60meqのカルボキシル含量を有する、請求項1に記載のセメント構造物。
【請求項3】
前記繊維が、セルロース繊維100g当たり30〜50meqのカルボキシル含量を有する、請求項1に記載のセメント構造物。
【請求項4】
前記繊維が、セルロース繊維100g当たり35〜45meqのカルボキシル含量を有する、請求項1に記載のセメント構造物。
【請求項5】
前記繊維が、セメント質材料の乾燥重量の0.25〜0.75重量%である、請求項1に記載のセメント構造物。
【請求項6】
セメント質材料が骨材材料をさらに含む、請求項1に記載のセメント構造物。
【請求項7】
前記繊維が、セルロース繊維100g当たり20〜60meqのカルボキシル含量を有する、請求項6に記載のセメント構造物。
【請求項8】
前記繊維が、セルロース繊維100g当たり30〜50meqのカルボキシル含量を有する、請求項6に記載のセメント構造物。
【請求項9】
前記繊維が、セルロース繊維100g当たり35〜45meqのカルボキシル含量を有する、請求項6に記載のセメント構造物。
【請求項10】
前記繊維が、セメント質材料の乾燥重量の0.25〜0.75重量%である、請求項6に記載のセメント構造物。
【請求項11】
セメント質材料、水、およびカルボキシル化漂白木材パルプ繊維を含む混合物を供給することと;
該混合物を硬化させることと;
を含むセメントの硬化方法であって、該セメント質材料がセメントを含み、該カルボキシル化繊維が、セルロース繊維100g当たり10〜70meqのカルボキシル含量を有し、該カルボキシル化繊維が、セメント質材料の乾燥重量の0.1〜5重量%である、上記方法。
【請求項12】
前記繊維が、セルロース繊維100g当たり20〜60meqのカルボキシル含量を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記繊維が、セルロース繊維100g当たり30〜50meqのカルボキシル含量を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記繊維が、セメント質材料の乾燥重量の0.25〜0.75重量%である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
セメント質材料が骨材材料をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記繊維が、セルロース繊維100g当たり20〜60meqのカルボキシル含量を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記繊維が、セルロース繊維100g当たり30〜50meqのカルボキシル含量を有する、請求項15に記載のセメント構造物。
【請求項18】
前記繊維が、セルロース繊維100g当たり35〜45meqのカルボキシル含量を有する、請求項15に記載のセメント構造物。
【請求項19】
前記繊維が、セメント質材料の乾燥重量の0.25〜0.75重量%である、請求項15に記載の硬化方法。
【請求項20】
セメント質材料、水、およびカルボキシル化漂白木材パルプ繊維を含む混合物を供給することと;
該混合物を硬化させることと;
を含む、セメントまたはコンクリートの自己収縮を減少させる方法であって、該カルボキシル化繊維が、セルロース繊維100g当たり10〜70meqのカルボキシル含量を有し、該カルボキシル化繊維が、セメント質材料の乾燥重量の0.1〜5重量%である、上記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−504515(P2013−504515A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529987(P2012−529987)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/050494
【国際公開番号】WO2011/041291
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(510146193)ウェヤーハウザー・エヌアール・カンパニー (5)
【Fターム(参考)】