説明

円板体投入部

【課題】本発明は、円板体投入口からの異物の挿入を阻止すると共に、円板体の遊戯者の意思によらない装置内への案内を阻止して保通協の規定基準を満たすことを目的とする。
【解決手段】本発明の円板体投入部は、円板体投入口から延在している円板体案内通路と、円板体投入口の側方に位置し、投入された円板体を保留する円板体保留部と、円板体案内通路に突出自在に支承され、投入された円板体を円板体保留部に案内するレール部分を備えたシャッタレバーと、シャッタレバーを駆動させる駆動手段とを含み、シャッタレバーが円板体案内通路を閉鎖した場合に、シャッタレバーのレール部分が最初に投入された円板体を円板体保留部に案内し、以降投入された円板体が円板体保留部の反対側にある壁面と最初に投入され円板体保留部に保留された円板体との間に係止され、何れの円板体もシャッタレバーのレール部分に当接せず且つ蓄積されない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円板体を使用する装置の円板体投入部に関し、特に遊戯機にかかる技術上の規定基準に準拠する装置の円板体投入部に関する。ここで、「円板体」とは、硬貨、代用硬貨(トークン)、又は遊戯用のメダル等の円板体をいう。
【背景技術】
【0002】
従来のスロットマシン等の円板体投入口に投入された遊戯用のメダル等の円板体は、公知の円板体選別装置へと案内され、円板体選別装置の円板体選別機構によって、投入された円板体が真円板体と偽円板体とに振り分けられる。偽円板体は、返却口から返却される。真円板体は、円板体選別装置内の円板体選別機構の下流に設置された円板体検知センサによって検出され、円板体検知センサは、検出信号を出力する。円板体選別装置内で真円板体と判定された円板体は、円板体選別装置の下流に配置された公知のホッパ装置に案内され、蓄積される。円板体選別装置は、投入された円板体を返却口に案内する返却機構を備えている。このような従来の円板体選別装置の構成及び動作の詳細は、特開平2001−155206号公報に開示されている。
【0003】
スロットマシンの主制御部は、円板体検知センサの検出信号を受信して真円板体の受け入れ枚数を計数する。スロットマシンの主制御部が計数する円板体の枚数は、予めその上限が定められており、主制御部は、規定枚数まで計数すると、円板体の受け入れを禁止して円板体の計数を停止し、制御信号を出力して、円板体選別装置の返却機構が、規定枚数以上投入された円板体を返却口に案内するように制御する。このような従来のスロットマシンの構成及び動作は、特開平2005−21443号公報に開示されている。
【0004】
近年、このようなスロットマシンにおいて、投入口から円板体選別装置内に異物を挿入し、円板体選別機構の下流に配置された円板体検知センサを誤動作させ、実際には真円板体を投入していないにもかかわらず、スロットマシンに真円板体を誤って計数させる不正行為が行われている。このような不正行為を行ってスロットマシンに真円板体を誤って計数させた後に、その不正行為をした者が返却操作をすると、誤って計数された分の真円板体がホッパ装置から返却される。あるいは、不正行為を行った者は、誤って計数させた真円板体の分だけ遊戯を行うことができ、不正な利益を得ることが可能である。
【0005】
上記の問題を解決する技術として、円板体の投入口から円板体選別装置内の円板体検知センサに円板体を案内する円板体案内通路に沿って、円板体案内通路内に突出自在のシャッタを設け、そのシャッタによる円板体案内通路の閉塞を検知する開閉検知センサを設けた技術が特開2005−305103号公報に開示されている。特開2005−305103号公報に開示された技術によれば、スロットマシンが円板体を受け入れ可能なときは、シャッタを円板体案内通路から退避させて通路を開放し、規定枚数までの円板体の投入を許可する。一方、スロットマシンの主制御部が予め定められた枚数の円板体を計数すると、スロットマシンが円板体の受け入れ禁止状態になり、シャッタが円板体案内通路内に突出して通路を閉鎖する。このとき、シャッタが円板体案内通路を閉鎖したことを開閉検知センサが検知する。これにより、上記のような不正行為が行われていた場合には、円板体投入口から異物が挿入されているためシャッタが円板体案内通路を閉じることができないので、シャッタが円板体案内通路を閉鎖していないことを開閉検知センサが検知することで不正行為を検知することが可能である。
【特許文献1】特開2005−305103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、財団法人保安電子通信技術協会(保通協)は、保通協の遊戯機にかかる技術上の規定基準において、スロットマシン等の遊技機について、「遊戯者が直接操作する場合を除くほか、動作させることができない構造を有していなければならない」旨規定する。しかしながら、上記の特開2005−305103号公報に記載されたスロットマシンは、シャッタが円板体案内通路を閉塞した状態で遊戯者が円板体を円板体投入口から投入した場合に、その投入した円板体がシャッタの上面に当接した状態で円板体案内通路に蓄積しているため、再びシャッタが円板体案内通路を開放したときに上記の蓄積した円板体が円板体案内通路の下流に配設されている円板体選別装置に自動的に案内される。この「蓄積した円板体が円板体案内通路の下流に配設されている円板体選別装置に自動的に案内される」との状態は、上記の「遊戯者が直接操作する場合を除くほか、動作させることができない構造を有していなければならない」旨の規定に違反することとなる。従って、本発明は、かかる問題を解決すること、すなわち、円板体の投入口において、円板体の投入口からの異物の挿入を阻止すると共に、円板体の遊戯者の意思によらない装置内への案内を阻止して保通協の規定基準を満たすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、1つの態様において、円板体を使用する装置の円板体投入部であって、円板体を投入する円板体投入口から延在している円板体案内通路と、該円板体投入口の側方に位置し、投入された円板体を保留する円板体保留部と、該円板体案内通路に突出自在に支承され、該投入された円板体を円板体保留部に案内するレール部分を備えたシャッタレバーと、該シャッタレバーの該レール部分を該円板体案内通路に突出させ、該円板体案内通路を閉鎖するように該シャッタレバーを駆動させる駆動手段とを含み、該シャッタレバーが該円板体案内通路を閉鎖した場合に、該シャッタレバーの該レール部分が最初に投入された円板体を円板体保留部に案内し、以降投入された円板体が円板体保留部の反対側にある壁面と該最初に投入され円板体保留部に保留された円板体との間に係止され、何れの円板体も該シャッタレバーの該レール部分に当接せず且つ蓄積されない円板体投入部である。
【0008】
上記の状態においては、遊戯者が自ら、係止された2枚目以降の円板体を円板体投入部から取り除き、且つ、最初に投入され保留された円板体を押し上げない限り、保留された円板体は、円板体案内通路には進入しない。従って、本発明のスロットマシンは、保通協の遊戯機にかかる技術上の規定基準において規定されている「遊戯者が直接操作する場合を除くほか、動作させることができない構造を有していなければならない」旨の規定に準拠したものとなる。
【0009】
上記の円板体を使用する装置の円板体投入部においては、シャッタレバーの一部が円板体案内通路の一部を形成している。かかる構成により、円板体案内通路自体の幅を狭めて円板体案内通路を閉鎖するため、確実に通路を閉鎖することが可能である。さらに、ソレノイドを含む投入口部分を構成する部品点数を削減し、装置全体の小型化も可能となる。また、部品点数の削減に伴うコストダウンも可能となる。
【0010】
さらに、上記の円板体を使用する装置の円板体投入部において、シャッタレバーが、レール部分のレール面に略垂直に形成されたガイド部分をさらに備え、投入された円板体がレール部分のレール面上にある場合においてシャッタレバーが円板体案内通路を開放しようとしたときに、ガイド部分と対向する円板体案内通路の壁面とガイド部分との間に投入された円板体を挟持する。
【0011】
上記の構成により、投入された円板体がシャッタレバーのレール部分の上に当接して蓄積された場合又は円板体保留部に誘導される前にシャッタレバーが誤って円板体案内通路を開放しようとした場合であっても、本発明のスロットマシンは、保通協の遊戯機にかかる技術上の規定基準において規定されている「遊戯者が直接操作する場合を除くほか、動作させることができない構造を有していなければならない」旨の規定に準拠したものとなる。
【0012】
また、本発明の第2の態様において、本発明に従った円板体を使用する装置の円板体投入部は、円板体を投入する円板体投入口から延在している円板体案内通路と、該円板体投入口の両側方に位置し、投入された円板体を保留する2つの円板体保留部と、該円板体案内通路に突出自在に支承され、該投入された円板体を円板体保留部に案内するレール部分を備えたシャッタレバーと、該シャッタレバーの該レール部分を該円板体案内通路に突出させ、該円板体案内通路を閉鎖するように該シャッタレバーを駆動させる駆動手段とを含み、該シャッタレバーが該円板体通路を閉鎖した場合に、該シャッタレバーの該レール部分が最初に投入された円板体を前記両側方の何れか一方の円板体保留部に案内し、次に投入された円板体を他方の円板体保留部に案内し、以降に投入された円板体が、最初に投入され前記一方の円板体保留部に保留された円板体と、次に投入され前記他方の円板体保留部に保留された円板体との間に係止され、何れの円板体も該シャッタレバーの該レール部分に当接せず且つ蓄積されない円板体投入部である。
【0013】
上述した構成とすることにより、複数の円板体保持部を設けたことで、第1の態様の円板体投入部よりも多くの円板体を円板体投入部に保持可能としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
第1図は、スロットマシン1の斜視図を示す図である。スロットマシン1において、表示窓7には、回転自在に組み込まれた複数のリール7a乃至7cが配設されている。表示窓7の下方には、円板体投入口9、及びベットボタン10、スタートレバー11、ストップボタン12a乃至12c等の各種の操作ボタンが設けられている。下部パネル5の下方には、円板体の払い出しを行う円板体払出し口13及び円板体受け皿14が設けられている。遊戯者が、遊技開始時に、円板体投入口9から1枚の円板体を投入したときには、中央横1本の入賞有効ラインが有効化され、2枚では横3本、3枚ではさらに斜め2本を加えた5本の入賞有効ラインが有効化される。スロットマシン1では、予め定められた枚数の円板体(例えば、50枚)を限度に一時に投入することが可能である。スロットマシン1では、遊戯者が予め定められた枚数の円板体を投入口9から投入すると、図示しないシャッタレバーが投入口9に連接する円板体案内通路を閉塞するようになっている。
【0015】
スロットマシン1に投入された円板体は、円板体投入口に連接している円板体選別措置の円板体案内通路に入り、真円板体と偽円板体とに類別される。第2図は、円板体選別装置20の正面図を示す。
【0016】
図3(a)及び図3(b)は、それぞれ、円板体投入部30の斜視図及び正面図を示す図である。円板体投入部30は、円板体投入部の筐体31と、その筐体31の下方に格納され図示しないシャッタレバーを駆動させる駆動部32とからなる。円板体投入部の筐体31には、円板体投入口9がスリット形状をなして形成されており、円板体投入部の筐体31は、その円板体投入口9に向かって延在する円板体案内面33を有している。円板体投入口9の側方には、円板体保留部34が形成されている。
【0017】
第4図は、円板体投入部30を筐体31と駆動部32とに分解し、さらに、駆動部32を各部品単位に分解した状態を示す図である。円板体投入部の筐体31は、上記で説明したとおりである。駆動部は、ソレノイド41と、ソレノイドケース42と、プランジャ45と、プランジャ押え46と、スプリング49と、シャッタレバー50と、光センサ60とからなる。ソレノイド41は、ソレノイドケース42に収容されている。ソレノイド41は、プランジャ45を有し、プランジャ45は、凹部45aを有しており、その凹部45aは、プランジャ押え46のプランジャ受け部47と係合する。従って、ソレノイド41がプランジャ45を吸引すると、プランジャ45は、プランジャ押え46をソレノイドケース42の壁面に向かって引き寄せる。そのソレノイドケースの壁面とプランジャ押え46との間には、スプリング49が設けられている。
【0018】
プランジャ押え46は、シャッタレバー受け部48a及び48bを有している。シャッタレバー50は、支点となる軸52a及び52bと、ソレノイド41の吸引力を伝達される軸51a及び51bと、シャッタレバー50の頂部を構成するレール部分53及びそのレール部分53に略垂直に形成されるガイド部分54とを有している。シャッタレバー50の支点となる軸52a及び52bは、ソレノイドケース42に形成された軸受け60と係合し、シャッタレバー50は、軸52a及び52bを支点として回動自在に支承される。一方、ソレノイド41の吸引力を伝達される軸51a及び51bは、プランジャ押え46に形成された軸受け48a及び48bと係合する。従って、ソレノイド41によるプランジャ45の吸引に伴ってプランジャ押え46がソレノイドケース42の壁面に引き寄せられると、シャッタレバー50は、軸52a及び52bを支点として回転する。シャッタレバー50が軸52a及び52bを支点として回転すると、シャッタレバー50の頂部が第1の円板体案内通路21に突出し、レール部分53及びそのレール部分53に略垂直に形成されるガイド部分54が、第1の円板体案内通路21の側壁の一部と共に円板体保留部34への通路を形成する。シャッタレバー50の一部を形成する曲面55は、ソレノイド41の不動作時には、光センサ60の凹部にはまり込み、光センサ60の光を遮光している。ソレノイド41によるプランジャ45の吸引に伴ってシャッタレバー50が軸52a及び52bを支点として回転すると、曲面55は、光センサ60の光を遮光しなくなり、光センサ60は、シャッタレバー50の頂部の第1の円板体案内通路21への突出を検出する。
【0019】
図5(a)及び図5(b)は、円板体投入部31の正面図及びA−A'の側断面図をそれぞれ示す図である。図5(a)は、ソレノイド41が不動作の状態を示す図である。図4を参照して説明したように、ソレノイド41がプランジャ45を吸引していないときは、プランジャ45は、プランジャ押え46をソレノイドケース42の壁面に向かって引き寄せていない。従って、シャッタレバー50の吸引力を伝達される軸51がソレノイドケース42の壁面に向かって引き寄せられていないため、シャッタレバー50は、軸52を支点として回転しておらず、直立したままの状態にある。この状態では、シャッタレバー50の頂部を構成するレール部分53及びそのレール部分53に略垂直に形成されるガイド部分54は、第1の円板体案内通路21に突出しておらず、プランジャ45に垂直なシャッタレバー50の面50aは、第1の円板体案内通路21の壁面の一部を構成している。この状態では、第1の円板体案内通路21内には障害は存在しないので、投入された円板体71が真円板体である場合には、円板体71は、円板体選別装置20に向かって落下する。
【0020】
これに対して、図5(b)は、ソレノイド41が動作している状態を示す図である。ソレノイド41がプランジャ45を吸引すると、それに伴ってプランジャ押え46がソレノイドケース42の壁面に引き寄せられる。そうすると、シャッタレバー50の吸引力を伝達される軸51がソレノイドケース42の壁面に向かって引き寄せられるため、シャッタレバー50は、軸52を支点として図5(b)で反時計回りの方向に回転する。シャッタレバー50が軸52a及び52bを支点として反時計回りの方向に回転すると、シャッタレバー50の頂部が第1の円板体案内通路21に突出し、レール部分53に略垂直に形成されるガイド部分54が、第1の円板体案内通路21の壁面73に形成された凹部72に収容される。凹部72は、ガイド部分54の断面に適合した形状をなしている。図5(b)に示されているように、第1の円板体案内通路21の壁面73及び壁面74と、レール部分53及びそのレール部分53に垂直に形成されるガイド部分54とが、共に円板体保留部34への通路を形成する。この状態では、投入された円板体71は、円板体選別装置20に向かって落下せずに、円板体保留部34に誘導される。尚、ソレノイド41の不動作時には、図5(a)に示されているように、シャッタレバー50の一部を形成する曲面55が、光センサ60の凹部にはまり込み、光センサ60の光を遮光している。ソレノイド41が動作すると、図5(b)に示されているように、曲面55は、光センサ60の光を遮光しなくなり、光センサ60は、シャッタレバー50の頂部の第1の円板体案内通路21への突出を検出する。
【0021】
図6(a)及び図6(b)は、円板体投入部30のA−A'平面に垂直な平面に沿った断面図であり、投入された円板体71a及び71bが円板体保留部34に案内される様子を示す図である。
【0022】
上記のように、ソレノイド41の動作時においては、シャッタレバー50が軸52を支点として回転し、シャッタレバー50の頂部が第1の円板体案内通路21に突出して第1の円板体案内通路21を閉鎖している。この状態においては、第1の円板体案内通路21に突出したシャッタレバー50のレール部分53は、円板体保留部34への通路を形成し、円板体保留部34に向かって下る斜面を形成している。円板体保留部34の底面83は、突出したシャッタレバー50のレール部分53から円板体保留部の壁面81に向かって下る斜面を形成している。従って、この状態で遊戯者が1枚目の円板体71aを投入口9に投入すると、投入された1枚目の円板体71aは、確実に円板体保留部34に誘導される。上記のように、円板体保留部の底面83は、保留された円板体71aが再び第1の円板体案内通路21に入り込まないように第1の円板体案内通路21に向かって高くなるような斜面をなしている。従って、この状態で突出したシャッタレバー50のレール部分53及びガイド部分54が再び元に戻っても、保留された円板体71aは、円板体保留部34に保留されたままとなる。この状態では、遊戯者が自ら第1の円板体案内通路21のほうに保留された円板体71aを押し上げない限り、保留された円板体71aは、第1の円板体案内通路21には進入しない。従って、本発明のスロットマシンは、保通協の遊戯機にかかる技術上の規定基準において規定されている「遊戯者が直接操作する場合を除くほか、動作させることができない構造を有していなければならない」旨の規定に準拠したものとなる。すなわち、投入された1枚目の円板体71aが、シャッタレバー50のレール部分53に当接した状態で蓄積されることが防止されるため、円板体保留部に保留された円板体71aが自動的に第1の円板体案内通路21に進入することを防止することが可能である。
【0023】
投入された1枚目の円板体71aが円板体保留部34に保留された状態では、円板体保留部34の壁面81に対向する円板体投入口9の壁面82と保留された円板体71aとの間には図6(a)に示されているような空間が形成される。この状態で2枚目の円板体71bが投入されても、図6(b)に示されているように、投入された2枚目の円板体71bは、円板体保留部34の壁面81に対向する円板体投入口9の壁面82と、保留された円板体71aとの間に係止される。投入された2枚目の円板体71bは、シャッタレバー50のレール部分53に当接して蓄積されることはない。従って、この状態で突出したシャッタレバー50のレール部分53及びガイド部分54が再び元に戻っても、投入された2枚目の円板体71bは、円板体投入口9の壁面82と保留された円板体71aとの間に係止されたままとなり、保留された1枚目の円板体71aは、円板体保留部34に保留されたままとなる。この状態では、遊戯者が自ら、係止された2枚目の円板体71bを円板体投入口9から取り除き、且つ、円板体保留部34に保留されている1枚目の円板体71aを押し上げない限り、保留された円板体71aは、第1の円板体案内通路21には進入しない。従って、本発明のスロットマシンは、保通協の遊戯機にかかる技術上の規定基準において規定されている「遊戯者が直接操作する場合を除くほか、動作させることができない構造を有していなければならない」旨の規定に準拠したものとなる。
【0024】
さらに、特開2005−305103号公報に記載されたスロットマシンは、シャッタが円板体案内通路を閉塞した状態で遊戯者が1又は複数の円板体を円板体投入口から投入した場合に、その投入した円板体がシャッタの上面に当接した状態で円板体案内通路に蓄積する。従って、再びシャッタが円板体案内通路を開放したときに蓄積した1又は複数の円板体が円板体案内通路内に自動的且つ連続して一時に案内される。従って、円板体案内通路内に円板体が詰まるおそれがある。これに対して、本発明のスロットマシンに使用される円板体投入口9は、かかる問題を防止することが可能である。すなわち、本発明に従ったスロットマシンにおいては、予め定められた枚数の真円板体を受け入れた後に、シャッタレバー50のレール部分53及びガイド部分54が第1の円板体案内通路21内に突出して第1の円板体案内通路21を閉鎖する。その後投入された円板体は、円板体保留部34に保留され、遊戯者が自ら、円板体保留部34に保留されている円板体を押し上げない限り、保留された円板体は、第1の円板体案内通路21には進入しない。従って、装置内での円板体詰まりを防止することが可能である。
【0025】
また、特開2005−305103号公報に記載されたスロットマシンにおいては、円板体案内通路とシャッタとが全く独立した部品とから構成されている。これに対して、本発明のスロットマシンにおいては、上記のように、ソレノイド41が不動作の状態で、シャッタレバー50は、軸52を支点として回転しておらず、直立したままの状態にあり、シャッタレバー50の面50aは、第1の円板体案内通路21の壁面の一部を構成している。かかる構成により、円板体案内通路21自体の幅を狭めて円板体案内通路21を閉鎖するため、確実に通路を閉鎖することが可能である。さらに、ソレノイド41を含む投入口部分30を構成する部品点数を削減し、装置全体の小型化も可能である。また、部品点数の削減に伴うコストダウンも可能としている。
【0026】
ここで、仮に、投入された円板体71がシャッタレバー50のレール部分53の上にあり円板体保留部34に誘導される前にシャッタレバー50が誤って第1の円板体案内通路21を開放しようとした場合であっても、本発明のスロットマシンの円板体投入部30は、保通協の遊戯機にかかる技術上の規定基準において規定されている「遊戯者が直接操作する場合を除くほか、動作させることができない構造を有していなければならない」旨の規定に違反することはない。第7図は、投入された円板体71がシャッタレバー50のレール部分53の上に当接して蓄積され又は円板体保留部34に誘導される前にシャッタレバー50が誤って第1の円板体案内通路21を開放しようとした状態を示す図である。第7図に示されているように、投入された円板体71がシャッタレバー50のレール部分53の上にあるときに、シャッタレバー50が第7図で時計回りの方向に軸52を支点として回転し、第1の円板体案内通路21を開放しようとする場合には、投入された円板体71は、シャッタレバー50のガイド部分54と第1の円板体案内通路21の壁面74との間にはさまれて、それ以上のシャッタレバー50の時計回りの方向への回転を阻止するストッパとしての役割を果たす。従って、遊戯者が自らの意思でその挟まれた円板体71を取り除かない限り、遊戯者が第1の円板体案内通路21に追加の円板体を投入することは不可能である。従って、かかる場合にも、本発明のスロットマシンは、保通協の遊戯機にかかる技術上の規定基準において規定されている「遊戯者が直接操作する場合を除くほか、動作させることができない構造を有していなければならない」旨の規定に準拠したものとなる。尚、ガイド部分54のレール面からの高さは、投入される円板体の厚さ以上(好適には、円板体の厚さの概ね1.3倍)にすると確実に円板体をはさむことが可能である。
【0027】
図8(a)乃至8(c)は、本発明の他の実施形態を示す図である。ソレノイド41の動作時においては、シャッタレバー50が軸52を支点として回転し、シャッタレバー50のレール部分53及びガイド部分54が第1の円板体案内通路21に突出して第1の円板体案内通路21を閉鎖している。この状態においては、第1の円板体案内通路21に突出したシャッタレバー50のレール部分53は、両側の円板体保留部34a及び34bへの通路を形成している。すなわち、シャッタレバー50のレール部分53に断面は、山形形状を有しており、左側の円板体保留部34bに向かって下る左下がりの斜面と、右側の円板体保留部34aに向かって下る右下がりの斜面とを有している。右側の円板体保留部34aの底面83aは、突出したシャッタレバー50のレール部分53から右側の円板体保留部の壁面81aに向かって下る斜面を形成している。一方、左側の円板体保留部34bの底面83bは、突出したシャッタレバー50のレール部分53から左側の円板体保留部の壁面81bに向かって下る斜面を形成している。従って、この状態で遊戯者が1枚目の円板体71aを投入口9に投入すると、投入された1枚目の円板体71aは、確実にいずれかの円板体保留部34a又は34bに誘導される。上記のように、両側の円板体保留部34a及び34bの底面83a及び83bは、保留された円板体71aが再び第1の円板体案内通路21に入り込まないように第1の円板体案内通路21に向かって高くなるような斜面をなしている。
【0028】
投入された1枚目の円板体71aが円板体保留部34に保留された状態で、遊戯者が、さらに、2枚目の円板体71bを投入口9に投入すると、2枚目の円板体71b は、1枚目の円板体71aが保留されている一方の円板体保留部とは反対の他方の円板体保留部に誘導される。上記のように、両側の円板体保留部34a及び34bの底面83a及び83bは、保留された円板体71aが再び第1の円板体案内通路21に入り込まないように第1の円板体案内通路21に向かって高くなるような斜面をなしている。従って、投入された円板体71a及び71bは、円板体保留部34a及び34bに保留されたままとなる。この場合に、2つの保留された円板体71a及び71bの間には図8(b)及び8(c)に示されているような空間が形成される。この状態で3枚目の円板体71cが投入されても、図8(c)に示されているように、投入された3枚目の円板体71cは、2つの保留された円板体71a及び71bの間に係止される。投入された3枚目の円板体71cは、シャッタレバー50のレール部分53に当接して蓄積されることはない。従って、この状態で突出したシャッタレバー50のレール部分53及びガイド部分54が再び元に戻っても、投入された3枚目の円板体71cは、2つの保留された円板体71a及び71bの間に係止されたままとなり、保留された1枚目の円板体71a及び2枚目の円板体71bは、円板体保留部34a及び34bに保留されたままとなる。この状態では、遊戯者が自ら、係止された3枚目の円板体71cを円板体投入口9から取り除き、且つ、円板体保留部34a及び34bに保留されている1枚目の円板体71a及び2枚目の円板体71bを押し上げない限り、保留された1枚目の円板体71a及び2枚目の円板体71bは、第1の円板体案内通路21には進入しない。従って、本発明のスロットマシンは、保通協の遊戯機にかかる技術上の規定基準において規定されている「遊戯者が直接操作する場合を除くほか、動作させることができない構造を有していなければならない」旨の規定に準拠したものとなる。
【0029】
さらに、図8(a)及び8(b)に示す実施形態においても、シャッタレバー50の面50aを第1の円板体案内通路21の壁面の一部として構成することが可能である。さらに、第7図に示されているように、投入された円板体71がシャッタレバー50のレール部分53の上にあるときにシャッタレバー50が第1の円板体通路21を開放しようとする場合には、投入された円板体71をシャッタレバー50がガイド部分54と第1の円板体通路21の壁面74との間に挟むように構成することが可能であるので、遊戯者自らの意思でその挟まれた円板体71を取り除かない限り、遊戯者が第1の円板体案内通路21に追加の円板体を投入することは不可能である。従って、上記の実施形態に従ったスロットマシンは、保通協の遊戯機にかかる技術上の規定基準において規定されている「遊戯者が直接操作する場合を除くほか、動作させることができない構造を有していなければならない」旨の規定に準拠したものとなる。
【0030】
以上の説明は、単なる例示に過ぎず本発明の要旨はこれに限定して解釈されるべきものではない。従って、本発明の範囲は、その発明思想と同一性を失わない範囲において変更した均等なものにも及ぶとするべきである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のスロットマシンの斜視図を示す図である。
【図2】円板体選別装置の正面図を示す図である。
【図3(a)】円板体投入部の斜視図を示す図である。
【図3(b)】円板体投入部の正面図を示す図である。
【図4】円板体投入部を筐体と駆動部とに分解し、さらに、駆動部を各部品単位に分解した状態を示す図である。
【図5(a)】円板体投入部の正面図及びA−A’の側断面図をそれぞれ示す図である。
【図5(b)】円板体投入部の正面図及びA−A’の側断面図をそれぞれ示す図である。
【図6(a)】円板体投入部のA−A’平面に垂直な平面に沿った断面図であり、投入された円板体が円板体保留部に案内される様子を示す図である。
【図6(b)】円板体投入部のA−A’平面に垂直な平面に沿った断面図であり、投入された円板体が円板体保留部に案内される様子を示す図である。
【図7】投入された円板体がシャッタレバーのレール部分の上に当接して蓄積され又は円板体保留部に誘導される前にシャッタレバーが誤って円板体案内通路を開放しようとした状態を示す図である。
【図8(a)】本発明の代替的な実施形態を示す図である。
【図8(b)】本発明の代替的な実施形態を示す図である。
【図8(c)】本発明の代替的な実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円板体を使用する装置の円板体投入部であって、
円板体を投入する円板体投入口から延在している円板体案内通路と、
該円板体投入口の側方に位置し、投入された円板体を保留する円板体保留部と、
該円板体案内通路に突出自在に支承され、該投入された円板体を円板体保留部に案内するレール部分を備えたシャッタレバーと、
該シャッタレバーの該レール部分を該円板体案内通路に突出させ、該円板体案内通路を閉鎖するように該シャッタレバーを駆動させる駆動手段とを含み、
該シャッタレバーが該円板体案内通路を閉鎖した場合に、該シャッタレバーの該レール部分が最初に投入された円板体を円板体保留部に案内し、以降投入された円板体が円板体保留部の反対側にある壁面と該最初に投入され円板体保留部に保留された円板体との間に係止され、何れの円板体も該シャッタレバーの該レール部分に当接せず且つ蓄積されない円板体投入部。
【請求項2】
円板体を使用する装置の円板体投入部であって、
円板体を投入する円板体投入口から延在している円板体案内通路と、
該円板体投入口の両側方に位置し、投入された円板体を保留する2つの円板体保留部と、
該円板体案内通路に突出自在に支承され、該投入された円板体を円板体保留部に案内するレール部分を備えたシャッタレバーと、
該シャッタレバーの該レール部分を該円板体案内通路に突出させ、該円板体案内通路を閉鎖するように該シャッタレバーを駆動させる駆動手段とを含み、
該シャッタレバーが該円板体通路を閉鎖した場合に、
該シャッタレバーの該レール部分が最初に投入された円板体を前記両側方の何れか一方の円板体保留部に案内し、
次に投入された円板体を他方の円板体保留部に案内し、
以降に投入された円板体が、最初に投入され前記一方の円板体保留部に保留された円板体と、次に投入され前記他方の円板体保留部に保留された円板体との間に係止され、何れの円板体も該シャッタレバーの該レール部分に当接せず且つ蓄積されない円板体投入部。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の円板体投入部において、前記シャッタレバーの一部が前記円板体案内通路の一部を形成している円板体投入部。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の円板体投入部において、前記シャッタレバーが、前記レール部分のレール面に略垂直に形成されたガイド部分をさらに備え、
投入された円板体が該レール部分の該レール面上にある場合において該シャッタレバーが前記円板体案内通路を開放しようとしたときに、該ガイド部分と対向する円板体案内通路の壁面と該ガイド部分との間に該投入された円板体を挟持する円板体案内部。

【図1】
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【図2】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図4】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図7】
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【図8(a)】
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【図8(b)】
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【図8(c)】
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【公開番号】特開2007−289277(P2007−289277A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−118230(P2006−118230)
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【出願人】(307003777)株式会社日本コンラックス (140)
【Fターム(参考)】