説明

冊子状製品の製作装置

【課題】見開き6頁、巻折り6頁の冊子状製品を製作する。
【解決手段】連続紙1の走行方向上流部に、連続紙の横方向一方側の印刷部を中間の印刷部から分離するスリット装置6aを選択的に使用可能に設け、このスリット装置と下流側のプルローラ9との間に、スリット装置にて分離された分離側の印刷部4を走行案内する分離走行路8と、分離後の他の印刷部2,3及びスリット装置を使用しないで全幅状態の連続紙1aを走行案内する主走行路7を設け、上記分離走行路に、分離後の印刷部を中間の印刷部の上側へ移動するターンバー装置11装置を設け、また主走行路に、上記スリット装置を用いないで走行される連続紙の横方向一方側の印刷部を中間の印刷部側へ折り畳む第1プラウ装置10を選択的に使用可能に設け、プルローラの下流側に、横方向他方側の印刷部を中間の印刷部へ折り畳む第2プラウ装置と、各印刷部が重なった状態で各横印刷列ごとにカットするカット装置13とを設けた構成にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、見開き6頁、及び巻折り6頁の冊子状製品を選択的に、かつインラインにて製作できるようにした冊子状製品の製作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、新聞、チラシなど見開き頁を有する冊子状製品はフォーマあるいはプラウを用いて見開き状に折り畳み、ついで所定の天地方向長さに切断して見開き状の冊子状製品を製作するようにしている。
【0003】
図1はフォーマを用いた装置であり、この従来の冊子状製品の製作装置にあっては、8頁の冊子状製品を製作するようになっていて、見開き幅の2枚の連続紙a,bを、これの一方の連続紙aの幅方向中央に接着剤cを塗布した状態で重ね合わせて接着し、ついでこの2枚重ねの連続紙a,bをフォーマdにて、上記接着部にて折り畳み、その後図示しない切断装置にて天地方向にカットするようにしている(特許文献1参照)。
【0004】
図2はプラウを用いた装置であり、この従来の冊子状製品の製作装置にあっては、複数枚の連続紙a,bの一方の連続紙bの幅方向中央部に糊付け部eにて糊付けしてから集合部fにて重ね合わせて貼り合わせ、ついでこの相互に貼り合わせた複数枚の連続紙a,bを縦折り部gに設けたプラウhにて幅方向中央部で2つ折りし、その後、カット部iにて天地方向に所定の大きさに順次カットするようにしている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2001−310862号公報
【特許文献2】特許第2932336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した背景技術にあっては、見開き頁を単数枚あるいは複数枚の連続紙をフォーマあるいはプラウにて2つ折りすることにより作製するため、頁数が4頁あるいは8頁となってしまい、2つ折りの内側に見開きの1/2、すなわち表裏で2頁の1/2見開き片を挿入した6頁あるいは10頁の冊子状製品を製作するには、フォーマあるいはプラウにて例えば4頁の見開き折りをしてから、オフラインにて見開きの間に上記2頁の1/2見開き片を機械あるいは手作業にて挿入しなければならないため、非常に効率が悪かった。
【0007】
また、フォーマあるいはプラウで折るため、巻折り6頁には対応することができなかった。
【0008】
本発明は上記のことに鑑みなされたもので、プラウ折りを主とする簡単な設備でもってインラインで見開き6頁の冊子状製品と巻折り6頁の冊子状製品を選択的に、かつインラインにて効率よく製作できる冊子状製品の製作装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の冊子状製品の製作装置は、表側と裏側に対応する絵柄の印刷部を横方向3個所に有する横印刷列を繰り返し印刷した連続紙から上記横印刷列ごとで6頁の冊子状製品を製作する冊子状製品の製作装置において、上記連続紙の走行方向上流部に連続紙の横方向一方側の印刷部を中間の印刷部から分離するスリット装置を選択的に使用可能に設け、このスリット装置と下流側のプルローラとの間に、スリット装置にて分離された分離側の印刷部を走行案内する分離走行路と、分離後の他の印刷部及びスリット装置を使用しないで全幅状態の連続紙を走行案内する主走行路を設け、上記分離走行路に、分離後の印刷部を中間の印刷部の上側へ移動するターンバー装置を設け、また主走行路に、上記スリット装置を用いないで走行される連続紙の横方向一方側の印刷部を中間の印刷部側へ折り畳む第1プラウ装置を選択的に使用可能に設け、プルローラの下流側に、横方向他方側の印刷部を中間の印刷側へ折り畳む第2プラウ装置と、各印刷部が重なった状態で各横印刷列ごとにカットするカット装置とを設けた構成になっている。
【発明の効果】
【0010】
上記構成における冊子状製品の製作装置にあっては、見開き4頁の間に1/2見開き片を挿入した見開き6頁の冊子状製品と、巻折り6頁の冊子状製品とをそれぞれ選択的に製作することができることにより、装置に汎用性を持たせることができる。そしてこの製作装置にあっては、プラウ装置によるプラウ折りを主とする簡単な設備とすることができる。
そしてこの製作装置により製作される各冊子状製品はインラインにて行われることにより効率よく製作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図3は4頁の見開きと2頁の1/2見開き片からなる見開き6頁の冊子状製品の製作工程図、また図4は巻折り6頁の冊子状製品の製作工程図、図5は上記両冊子状製品を製作する製作装置を概略的に示した正面図である。
【0012】
見開き6頁の場合を図3にて説明する。
【0013】
連続紙1には、表側と裏側に対応する絵柄の印刷部を横方向(連続紙1の幅方向)3箇所に有する横印刷列がそれぞれの間に空白部5を設けて繰り返し印刷されている。そしてこの実施の形態では上記連続紙1の上記横印刷列の横方向の各絵柄のうち一方側が見開きの右側片2に、中間が見開きの左側片3に、横方向他方側が、左側片3から切り離されたペラ紙状の1/2見開き片4にそれぞれなるようにしている。そして各片2,3,4に示した数字の絵柄は各片からなる見開き6頁の各頁数を示しており、図において裏側は点線にて示した。
【0014】
すなわち、右側片2は、これの表側が第2頁、裏側が1頁に、また左側片3は、これの表側が第5頁、裏側が第6頁に、さらに1/2見開き片4は、これの表側が第3頁、裏側が第4頁にそれぞれなるようにしている。
【0015】
上記のように印刷された連続紙1は、これの走行途中で、スリット刃6にて1/2見開き片4が左側片3から切り離なされ、ついで、ターンバー装置にてこの1/2見開き片4を左側片3上に重ねる。その後、右側片2と左側片3の間でプラウにて谷折りして右側片2を左側片3側へ折り畳む。この状態で、左側片3上に1/2見開き片4を挟んだ状態で右側片2が重なり、これを上部空白部5をカット装置にてドブ切りカットすることにより、右側片2と左側片3の見開きの間に1/2見開き片4が挿入された見開き6頁の冊子状製品Aが製作される。
【0016】
次に巻折り6頁の場合を図4にて説明する。
【0017】
連続紙1aには、上記図3にて示した連続紙1と同様の横印刷列が印刷されていて、横方向一方側から第1折り片2aと第2折り片3a及び第3折り片4aとなっている。そして片2a,3a,4aに示した数字は冊子状製品としたときの頁数を示すもので、第1折り片2aは、これの表側が第2頁、裏側が第1頁に、また第2折り片3aは、これの表側が第5頁、裏側が第6頁に、さらに第3折り片4aは、これの表側が第4頁、裏側が第3頁にそれぞれなるようにしている。そしてこれらの頁は天地方向の間に空白5をあけて繰り返し印刷されている。
【0018】
上記のように印刷された連続紙1aは、これの走行途中で、第1プラウ装置にて第2折り片3aと第3折り片4aの間で谷折りされて第3折り片4aが第2折り片3a側へ折り畳まれる。ついで第2プラウ装置にて第1折り片2aと第2折り片3aとの間で谷折りされて第1折り片2aが第2折り片3a側へ折り畳まれ、この第2折り片3a上に折り畳まれている第3折り片4a上に重ねられる。その後、カット装置にて空白部5をドブ切りカットすることにより、巻折り6頁の冊子状製品Bが製作される。
【0019】
次に上記両冊子状製品A,Bを製作する装置を図5にて説明する。
【0020】
連続紙1,1aの走行方向上流部に見開き6頁の冊子状製品A用の連続紙1の左側片3と1/2見開き片4とを切り離すスリット刃6を備えたスリット装置6aが設けてある。なおこのスリット装置6aのスリット刃6は着脱可能になっていて、巻折り6頁の冊子状製品B用の製作するときにはこれを外しておく。
【0021】
上記スリット装置6aの下流側は連続紙1,1aを案内する主走行路7と、スリット刃6にて切り離された1/2見開き片4を案内する分離走行路8とに分離されており、この両走行路7,8はプルローラ9にて合流されている。
【0022】
上記主走行路7には巻折り6頁の冊子状製品B用の連続紙1aの第2折り片3aと第3折り片4aを谷折りする第1プラウ装置10が着脱可能にして設けてある。また分離走行路8には1/2見開き片4を左側片3側へ移動してこれの上側に重ねるターンバー装置11が設けてある。
【0023】
そして上記プルローラ9より下流側に、両冊子状製品A,Bの右側片2及び第1折り片2aを谷折りにて左側片3及び第2折り片4a側へ折り畳む第2プラウ装置12と、各冊子状製品A,Bにカットするカット装置13と、各冊子状製品A,Bを集積するパイルスタッカ14が設けられている。
【0024】
上記構成において、この装置にて見開き6頁の冊子状製品Aを製作する場合には、スリット装置6aのスリット刃6を装着すると共に、第1プラウ装置10を外しておく。
【0025】
この状態で、見開き6頁の冊子状製品A用の連続紙1を走行させると、スリット装置6aにて1/2見開き片4が左側片3から切り離され、右側片2と左側片3はそのまま主走行路7を走行する。一方分離された1/2見開き片4は分離走行路を走行し、この間にターンバー装置11にて左側片3側へ移動し、これの上側へ重ねられた状態でプルローラ9を通過する。
【0026】
ついで第2プラウ装置12にて右側片2が左側片3側へ折り畳まれ、この左側片3上に重ねられている1/2見開き片4上に重ねられる。その後カット装置13にて空白部5がドブ切りカットされて見開き6頁の冊子状製品Aが得られる。なお、この空白部5は必ずしも必要としない。
【0027】
一方、上記装置にて巻折り6頁の冊子状製品Bを製作する場合には、スリット装置6aのスリット刃6を外すと共に、第1プラウ装置10を装着しておく。
【0028】
この状態で、巻折り6頁の冊子状製品B用の連続紙1aを主走行路7を走行させると、この連続紙1aは第1プラウ装置10にて第3折り片4aが第2折り片3a側へ谷折りにより折り畳まれてプルローラ9に至り、ついで第2プラウ装置12にて第1折り片2aが第2折り片3a側へ谷折りにより折り畳まれ、この第2折り片3a上に折り畳まれている第3折り片4a上に重ねられる。その後カット装置13にて空白部5がドブ切りカットされて巻折り6頁の冊子状製品Bが得られる。なお上記空白部5は必ずしも必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】フォーマを用いた従来の冊子状製品の製作装置を示す斜視図である。
【図2】プラウを用いた従来の冊子状製品の製作装置を概略的に示す正面図である。
【図3】見開き6頁の冊子状製品の製作工程図である。
【図4】巻折り6頁の冊子状製品の製作工程図である。
【図5】本発明における冊子状製品の製作装置を概略的に示す正面図である。
【符号の説明】
【0030】
1,1a…連続紙、2…右側片、2a…第1折り片、3…左側片、3a…第2折り片、4…1/2見開き片、4a…第3折り片、5…空白部、6…スリット刃、6a…スリット装置、7…主走行路、8…分離走行路、9…プルローラ、10,12…第1、第2プラウ装置、11…ターンバー装置、13…カット装置、14…パイルスタッカ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表側と裏側に対応する絵柄の印刷部を横方向3個所に有する横印刷列を繰り返し印刷した連続紙から上記横印刷列ごとで6頁の冊子状製品を製作する冊子状製品の製作装置において、
上記連続紙の走行方向上流部に連続紙の横方向一方側の印刷部を中間の印刷部から分離するスリット装置を選択的に使用可能に設け、
このスリット装置と下流側のプルローラとの間に、
スリット装置にて分離された分離側の印刷部を走行案内する分離走行路と、分離後の他の印刷部及びスリット装置を使用しないで全幅状態の連続紙を走行案内する主走行路を設け、
上記分離走行路に、分離後の印刷部を中間の印刷部の上側へ移動するターンバー装置を設け、また主走行路に、上記スリット装置を用いないで走行される連続紙の横方向一方側の印刷部を中間の印刷部側へ折り畳む第1プラウ装置を選択的に使用可能に設け、
プルローラの下流側に、横方向他方側の印刷部を中間の印刷部側へ折り畳む第2プラウ装置と、各印刷部が重なった状態で各横印刷列ごとにカットするカット装置とを設けた
ことを特徴とする冊子状製品の製作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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