説明

冊子状製品の製造装置

【課題】異なる紙質の用紙を積層できると共に、任意の枚数の冊子状製造装置を製造する。
【解決手段】 製品幅と同一または複数倍の、及び同一と複数倍の幅を有する複数の連続紙7a,7b,7a′,7b′、を下流側へ供給する給紙部1と、給紙部から供給された各連続紙をそれぞれ製品幅の連続紙となるように位相を合わせて重ね合わせる重ね合わせ部3と、重ね合わせ部にて重ね合わせた重ね合わせシートを、製品長さの分断シートに切断して搬送路へ走行させる切断部4と、上記搬送路を搬送される分断シート15を所定の部数ごとに集積して集積シートとして排出する積層排出部5とからなり、上記重ね合わせ部に、分断シートとなる相互の連続紙の対向する一方に糊を塗布する糊ノズル13a,13bと、分断シートの上側となる連続紙の上面に、集積シートの区分け部となる分断シートの上側の連続紙をスキップして糊を塗布する糊ノズル13cを設けた構成になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品冊子幅の複数倍の幅を有する連続紙を、搬送方向にスリッタ装置にて各列を製品幅に切断してこれらを、あるいは/及び製品幅の連続紙を1列に幅寄せし、さらにこの搬送途中で綴じ側に糊塗布を行い、その後、積層搬送して製品長さに切断することで糊綴じされた冊子状製品を製造する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の装置としては、例えば特許文献1にて知られているように、連続紙を搬送する間に、これの搬送方向にスリッタ装置にて幅方向に複数列に切断し、その後1枚幅に幅寄せし、搬送途中で糊塗布を行い、さらに積層搬送しながら製品長さに切断して積み重ね排出することで冊子状製品を製造するようにしたものがある。
【0003】
また、特許文献2にて知られているものは単列の生産方式であり、多列幅のロール紙より給紙して、流れ方向に多列にスリットして後、搬送途上の各列の綴じ側面に糊塗布を行い、各列を積層搬送して上記塗布糊により積層各紙を接着し、これの最上面の用紙にスキップ糊塗布を行いながら羽根車による集積装置で集積排出することにより、その処理速度を大幅に向上することができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−6666号公報
【特許文献2】特開2002−86966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の装置では、製品を構成する各シートは同一の紙に限定されてしまい、また製品を構成するシートの枚数がスリット時の列数の整数倍に限定されてしまうという問題がある。
【0006】
本発明は上記のことに鑑みなされたもので、異なる紙質の用紙を積層できると共に、任意の枚数の冊子状製品を製造できるようにした冊子状製品の製造装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る上記装置は、製品幅と同一または複数倍の、及び同一と複数倍の幅を有する複数の連続紙を、下流側へ供給する給紙部と、給紙部から供給された各連続紙をそれぞれ製品幅の連続紙となるように位相を合わせて重ね合わせる重ね合わせ部と、重ね合わせ部にて重ね合わせた重ね合わせシートを、製品長さの分断シートに切断して搬送路へ走行させる切断部と、上記搬送路を搬送される分断シートを所定の部数ごとに集積して集積シートとして排出する積層排出部とからなり、上記重ね合わせ部に、分断シートとなる相互の連続紙の対向する一方に糊を塗布する糊ノズルと、分断シートの上側となる連続紙の上面に、集積シートの区分け部となる分断シートの上側の連続紙をスキップして糊を塗布する糊ノズルを設けた構成になっている。
【0008】
また、請求項2に係る装置は、上記請求項1に係る装置において、給紙部と重ね合わせ部の間に、給紙部から供給される連続紙に可変情報を印刷する印刷機を有する印刷部を設け、または請求項3に係る装置にあっては、上記印刷部に印刷しない連続紙を案内するバイパス通路を設けた構成になっている。
【0009】
また、請求項4に係る装置は、上記請求項1,2,3に係る装置において、積層排出部が、切断部にて切断されて搬送路にて搬送される分断シートを下方へ集積する集積装置と、集積装置からの分断シートを長手方向に複数設けたバケットにて所定部数ずつ受けて間欠的に搬送する搬送コンベヤとからなり、搬送コンベヤの上記集積装置の上流側と下流側の側方に、搬送コンベヤのバケットに単体シートを供給する単体シート供給装置を設けた構成になっている。
【0010】
また、請求項5に係る装置は、上記請求項4に係る装置において、積層排出部の集積装置を分断シートを搬送する搬送路の搬送方向の2個所に設けると共に、上流側の集積装置の上流側に搬送路を搬送してくる分断シートを両集積装置に選択的に案内する切換ゲートを設け、各集積装置の下側に設けた搬送コンベヤの下流側を1つの排出コンベヤに接続した構成になっている。
【0011】
さらに、請求項6に係る装置は、上記請求項4,5に係る装置において、積層排出部の搬送コンベヤのバケットに挿入する単体シートの紙質を、給紙部から供給される連続紙の紙質と異ならせた構成になっている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、積層処理する処理効率を維持したまま冊子状製品の構成枚数を自由に設定することができる。また、複数の連続紙の紙質を変えることにより、複数の紙質からなり、異種用紙の組み合わせによる製品の生産を行うことができて、冊子状製品を構成する用紙が1種類の紙質に限定されないことになり、これにより製品企画が容易となり、提案可能な商品形態の範囲を拡大することができる。
【0013】
また、異種用紙の組み合わせによる商品の生産が可能になることで、商品に特徴を持たせることができ、これにより商品価値を高めると共に、用紙が限定されることによる不都合も排除することができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、給紙部から供給される連続紙に、印刷部にて所定の可変情報を印刷することができる。そして請求項3に係る発明によれば、印刷部にて複数の連続紙のうちの所定の連続紙を印刷部の印刷機にて印刷し、他の連続紙をバイパス通路を通すことにより、固定情報をプリプリントされた連続紙と、印刷機にて可変印刷された連続紙との組み合わせによる商品の生産を行うことができて各種企画が可能であり、メリハリのある商品の生産を可能にし、また生産可能な商品範囲を広げることができる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、積層排出部において、この積層排出部において集積される集積シートの下側面と上側面に単体シートを供給することができ、この単体シートにて上記集積シートを構成する用紙と紙質が異なる表紙、間紙を構成することができる。また、この単体シートにて、偶数枚あるいは奇数枚数の冊子を自由に生産することができる。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、積層排出部の集積装置を分断シートを搬送する搬送路の搬送方向に2個所設け、これに選択的に分断シートを集積可能にしたことにより、この両集積装置を交互に使い分けることにより、効率よく集積シートを集積することができる。
【0017】
さらに請求項6に係る発明によれば、集積シートの下側と上側に、集積シートを構成する用紙と異なる用紙にて表紙、間紙として単体シートを備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態を概略的に示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態を概略的に示す平面図である。
【図3】単体シート供給装置を概略的に示す正面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態を概略的に示す平面図である。
【図5】本発明の異なる他の実施の形態を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態を概略的に示す正面図、図2はその平面図、図3は単体シート供給装置を示す正面図、図4及び図5は他の実施の形態を示す平面図である。
【0020】
図1、図2において、1は給紙部、2は印刷部、3は重ね合わせ部、4は切断部、5は積層排出部である。
【0021】
上記給紙部1は上下に2本の繰り出し軸6a,6bが設けてあり、これのそれぞれにロール状の第1・第2の連続紙7a,7bが支持され、それぞれが供給ロール8a,8bにて繰り出されるようになっている。このときの第1の連続紙7aはダブル幅、第2の連続紙7bはシングル幅になっていて、この第2の連続紙7bは第1の連続紙7aの片側位置の上側に対応する状態で繰り出されるようになっている。なお、図1、図2において第1の連続紙7aと第2の連続紙7bを区別するために、便宜上第2の連続紙7bに斜線を付して区別した。この両連続紙7a,7bにはあらかじめ所定の印刷が、少なくとも切断部4にて切断される1シートごとに所定のタイミングマークが印刷されており、この各タイミングマークが上記供給ロール8a,8bに対向して設けたマークセンサ9a,9bにて検出されるようになっている。
【0022】
印刷部2は連続紙の表面を印刷する表面印刷機2aと、この連続紙を反転させた後、これの裏面を印刷する裏面印刷機2bと、それぞれの印刷機の下流側に設けた乾燥機2c,2dとからなっていて、この印刷部2には上記給紙部1において下側に位置するダブル幅の第1の連続紙7aが紙通しされるようになっている。そして上記各印刷機2a,2bには、それぞれ複数のインクジェットプリンタが用いられている。この両印刷機2a,2bにおいては、連続紙7aの表面と裏面のそれぞれに1シートごとの絵柄が印刷されるが、これと共に一方の面に、各シートに対応するタイミングマークが印刷され、この各タイミングマークが印刷部2の下流側に設けたマークセンサ10aにて検出されるようになっている。
【0023】
またこの印刷部2には、この印刷部2の印刷機2a,2bを通らない連続紙7bを通すバイパス通路2eが設けてある。
【0024】
なお、この実施の形態では、ダブル幅の第1の連続紙7aとシングル幅の第2の連続紙7bを用いて、ダブル幅の第1の連続紙7aを印刷部2に紙通した例を示したが、後述する図4に示した他の実施の形態のように、双方ともシングル幅の第1・第2の連続紙を幅方向にならべて給紙する場合には、バイパス通路2eを用いずに図1において鎖線で示すように、上側の連続紙を下側の連続紙とならべて印刷部2に紙通しすることができ、この印刷部2にて両連続紙の両面に印刷することができる。そしてこれと共にタイミングマークも印刷され、このときの第1・第2の連続紙のタイミングマークは、第1・第2のマークセンサ10a,10bにて検出する。
【0025】
重ね合わせ部3には、ダブル幅の第1の連続紙7aの幅方向中央で切断する中央スリッタ11aと、幅方向両端部の仕上げ幅とするサイドスリッタ11b,11cとからなるスリッタ装置11と、2本のターンバーからなり、第2の連続紙7bが重なっていない方の第1の連続紙7aの片側用紙を、第2の連続紙7bが重なっている方の片側用紙の下側へ幅寄せして重ね合わせる重ね合わせ装置12と、第1の連続紙7aの一方の片側用紙の内側面に糊を塗布する第1の糊ノズル13aと、第2の連続紙7bの裏面に糊を塗布する第2の糊ノズル13bと、重ね合わせた重ね合わせシートの上側のシートに糊を塗布する第3の糊ノズル13cと、上記スリッタ装置11の中央スリッタ11aにて2分された上側の片側用紙を用紙の走行方向に位置調整可能にした調整ローラに巻き掛け、この調整ローラを片側用紙の走行方向に移動することにより、この片側用紙の走行スパンを調整して、この上側の片側用紙の位相を下側の片側用紙に合せる位置合わせ装置14とからなっている。上記各糊ノズル13a,13b,13cは、製品の糊綴じ部に線糊あるいは点糊を施すようにしている。
【0026】
切断部4は、重ね合わせ部3にて重ね合わされた重ね合わせシートを所定長さの分断シート15に切断する切断装置16からなっている。そしてこの切断装置16にて切断された分断シート15は、図示しない搬送手段を用いた搬送路17にて所定の間隔を有して積層排出部5へ搬送されるようになっている。上記搬送手段は、上下の搬送ベルト等、公知の手段が用いられる。
【0027】
積層排出部5には、上記搬送路17の搬送方向に離隔して設けられた第1・第2の集積装置18a,18bと、各集積装置18a,18bの下側に、この集積装置18a,18bの集積方向と直交する方向で、かつ搬送方向を同一にして設けた第1・第2の搬送コンベヤ19a,19bと、両搬送コンベヤ19a,19bの下流端に、それぞれの搬送方向が対向するようにして直交して設けた第1・第2の補助コンベヤ20a,20bと、この両補助コンベヤ20a,20bの搬送方向下流端が対向する位置に設けた排出コンベヤ21とからなっている。
【0028】
上記搬送路17の第1の集積装置18aの上流側に搬送方向切換ゲート22が設けてあり、この搬送方向切換ゲート22を切り換えることにより、搬送路17を搬送されてくる分断シート15が、第1と第2の集積装置18a,18bに選択的に送り込まれるようになっている。
【0029】
集積装置18a,18bは、一般的な羽根車式のものが用いられていて、これが回転することにより、搬送路17から搬送されてきた分断シート15を順次下側の搬送コンベヤ19a,19b上に落下集積するようになっている。
【0030】
搬送コンベヤ19a,19bはエンドレスのコンベヤにて構成されていて、これの往路側が上記集積装置18a,18bの下側に対向して走行するようになっている。そしてこの搬送コンベヤ19a,19bには、上記集積装置18a,18bから落下する分断シート15を集積するバケット23が所定間隔を有して設けてあり、搬送コンベヤ19a,19bは、このバケット23に分断シート15が所定部数集積されるごとに間欠走行するようになっている。この間欠走行間隔は、上記バケット23に集積される分断シート15の部数に応じて可変となっている。
【0031】
上記バケット23は、エンドレスの搬送コンベヤ19a,19bの折り返し部での変形に追随して変形して、搬送コンベヤ19a,19bと共に無理なく走行されるようになっている。
【0032】
各搬送コンベヤ19a,19bの上記集積装置18a,18bの上流側に上流側の単体シート供給装置24a,24bが、また下流側に下流側の単体シート供給装置25a,25bが、それぞれ各搬送コンベヤ19a,19bのバケット23に、上記分断シート15と同じ大きさの単体シート26を供給するようにして設けてある。
【0033】
上記各単体シート供給装置は同一構成になっていて、その一例を図3にて説明する。
【0034】
27は支持台で、この支持台27の上部に、両側にピン孔を有する単体シート用紙28を給紙するピントラクタ29、単体シート用紙28の両側のピン孔部を削除するサイドスリッタ30、単体シート用紙28を所定の長さの単体シート26に切断する切断装置31、単体シート26を搬送コンベヤ19a,19bのバケット23に所定のタイミングをとって供給する単体シート供給コンベヤ32とからなっている。
【0035】
上流側の単体シート供給装置24a,24bには、これの単体シート供給コンベヤ32から供給される単体シート26の上面の所定の位置に、糊を塗布する糊ノズル33aが単体シート供給コンベヤ32の上流側に、また下流側の単体シート供給装置25a,25bには、これの単体シート供給コンベヤ32から供給される単体シート26の下面の所定の位置に糊を塗布する糊ノズル33bが、単体シートコンベヤ32の下側にそれぞれ設けてある。
【0036】
上記のように構成された装置の作用を以下に説明する。
【0037】
この実施の形態は上記し、かつ図1、図2に示したように、給紙部1の下側の繰り出し軸6aにダブル幅の第1の連続紙7aを、上側の繰り出し軸6bにシングル幅の第2の連続紙7bをセットする。このとき図2に示すように、シングル幅の第2の連続紙7bをダブル幅の第1の連続紙7aの片側に揃えて配置する。
【0038】
両連続紙7a,7bは、天地用のタイミングマークがマークセンサ9a,9bにて検出され、この検出値に応じて両連続紙7a,7bが同期して供給ロール8a,8bにて繰り出される。
【0039】
この実施の形態にあっては、第1の連続紙7aが印刷部2を通り、この間にこれのタイミングマークに応じた間隔で、表面と裏面に所定の絵柄が印刷されると共に、重ね合わせ部3にて下側となる片側用紙の表面に天地用と糊塗布用のタイミングマークが印刷されてから、この重ね合わせ部へ走行される。このときにマークセンサ10aにて絵柄印刷後の天地用のタイミングマークを検出し、印刷部2をバイパスして走行してきた第2の連続紙7bの天地用のタイミングマークと同期して重ね合わせ部3に走行される。このときの第2の連続紙7bの下面には、糊塗布用のタイミングマークに応じて、重ね合わせ部3の直前で糊ノズル13bにて糊塗布される。
【0040】
上記第1の連続紙7aは、重ね合わせ部3の上流側においてスリッタ装置11の中央スリッタ11aにて幅方向に2分割されて2枚の片側用紙となると共に、これの両側がサイドスリッタ11b,11cにて切り落とされて各片側用紙は製品幅となる。そしてこの2枚の片側用紙の一方の片側用紙は、重ね合わせ装置12にて他方の片側用紙の下側へ幅寄せされて重ね合わされる。このとき、この重ね合わせ装置12を通らない方の一方の片側用紙は、位置合わせ装置14にて他方の片側用紙と位相が合わされて重ね合わされる。また、このときの他方の片側用紙の上面に糊ノズル13aにて糊塗布されて重ね合わされた両片側用紙は糊付けされる。そしてこのときの第1の連続紙7aの上側となる他方の片側用紙の上側に第2の連続紙7bが、天地方向及び幅方向に位相を合せた状態で重ね合わされると共に糊付けされて、この重ね合わせ部3にて製品幅の3枚重ねの連続した重ね合わせシートとなる。また、この重ね合わせ部3の下流部において、重ね合わせシートの上面に第3の糊ノズル13cにて糊塗布される。この第3の糊ノズル13cは、スキップ糊塗布が可能になっていて、後述する集積部5に集積する部数ごとにスキップして集積部5に集積される集積シートの最上部の分断シート15の上面には、糊が塗布されないようになっている。
【0041】
上記重ね合わせ部3にて重ね合わされた重ね合わせシートは、切断部4の切断装置16にて所定の長さの分断シート15に切断されて、図示しない搬送手段を用いた搬送路17にて所定の間隔をあけて積層排出部5へ搬送される。そしてこの搬送路17を搬送される分断シート15は、切換ゲート22の切り換えにより、積層排出部5の第1・第2の集積装置18a,18bのいずれか一方に選択的に送り込まれる。この分断シート15の両集積装置18a,18bへの送り込みは、所定部数ずつ交互に行われる。
【0042】
集積部5の各搬送コンベヤ19a,19bは、これのバケット23が集積装置18a,18bの下側位置に所定時間停止する間欠作動が行われ、この停止時に集積装置18a,18bから所定部数の分断シート15が、上記バケット23内に集積されて集積シートとなって順次下流側へ搬送される。そしてこの両搬送コンベヤ19a,19bにて搬送される集積シートは、補助コンベヤ20a,20bに乗り移り、ついでこの両補助コンベヤ20a,20bの集積シートは、交互に排出コンベヤ21に乗り移ってこの排出コンベヤにて排出されて冊子状製品となる。
【0043】
このときにおいて、搬送コンベヤ19a,19bのバケット23に集積される分断シート15の相互は、第3の糊ノズル13cにて塗布された糊にて接着されて、所定の枚数の集積シートとなる。
【0044】
上記第3の糊ノズル13cによる糊塗布は、連続紙にあらかじめ印刷されている糊塗布用のタイミングマークの検出により制御され、集積シートを構成する分断シートの部数ごとにスキップして、集積シートの最上面への糊塗布が省かれるようになっている。この各集積シートの区分け方法は、上記した特許文献2に示されているものと同様に行われる。
【0045】
上記積層排出部5において、各搬送コンベヤ19a,19bのバケット23に集積される集積シートの下側と上側に単体シート26が必要に応じて供給される。
【0046】
バケット23内の集積シートの下側に単体シート26を供給する場合には、搬送コンベヤ19a,19bの上流側の単体シート供給装置24a,24bを搬送コンベヤ19a,19bの間欠作動に同期させて、集積装置18a,18bの上流側のバケット23内に単体シート26を供給する。このときの単体シート26の上面に糊ノズル33aにて糊を塗布しておく。そしてこの単体シート26が供給されたバケット23内に集積装置18a,18bにて分断シート15が集積されることにより、これの最下面に上記単体シート26が接着される。
【0047】
バケット23内に集積された集積シートの上側に単体シート26を供給する場合には、搬送コンベヤ19a,19bの下流側の単体シート供給装置25a,25bを搬送コンベヤ19a,19bの間欠作動に同期させて、集積装置18a,18bにてバケット23上に集積された集積シートの上面に単体シート26を供給する。このときの単体シート26の下面に、糊ノズル33bにて糊を塗布しておく。これによりこの単体シート26は、上記集積シートの上側面に接着される。
【0048】
このようにして、この第1の実施の形態にあっては、第1の連続紙7aを幅方向に2分割してなる2枚のシートと、第2の連続紙7bからなる1枚のシートの3枚の重ね合わせシートからなる分断シート15を複数部積層した集積シートからなる冊子状製品を得ることができる。
【0049】
このときにおいて、第1・第2の連続紙7a,7bの相互の紙質を変えることにより、上記冊子状製品は3枚ごとに1枚の異質の紙が混入する製品とすることができる。このときの冊子状製品の枚数は、分断シート相互を糊付けするための糊の塗布を、分断シートごとにスキップ制御して糊付けする分断シートの数を変えることにより、この分断シート15の部数に応じた枚数で、かつ偶数枚、奇数枚にすることができる。
【0050】
また、上流側あるいは/及び下流側の単体シート供給装置24a,24b,25a,25bを作動させることにより、上記集積シートの下側あるいは/及び上側に連続紙とは異なる印字シート、表紙、間紙等の挿入紙を綴ることができ、これらを有する冊子状製品を生産することができる。
【0051】
この実施の形態では、ラインにインクジェットプリンタを用いた印刷部2を組み込んでオンラインにて第1の連続紙7aに可変情報印字を行うようにした例を示したが、この連続紙に可変情報をプリプリントし、これのタイミングマークを検出しながら繰り出し制御することにより、印刷部2を用いないで同様の処理を行って冊子状製品を同様の処理速度で生産することも可能である。
【0052】
図4は本発明の第1の他の実施の形態を示すもので、この実施の形態では、第1・第2の連続紙7a′,7b′とともに製品幅のものを用いると共に、この両連続紙7a′,7b′をならべて紙通し、その一方の第2の連続紙7b′を重ね合わせ部4にて第1の連続紙7a′の下側へ幅寄せして重ね合わせるようにしている。そしてこの重ね合わせシートを上記した本発明の実施の形態と同様に処理することにより、2枚ごとに1枚の異なる紙を綴った冊子とすることができる。この実施の形態においても、下側となる、例えば第1の連続紙7a′は印刷部2にて所定の印刷を行うことができる。
【0053】
このときにおいて、給紙部1で下側に位置する第1の連続紙7a′を印刷部2に通してこれに印刷することができるが、両連続紙7a′,7b′の双方を並べて印刷部2に通すことにより双方に印刷することができる。この状態を図1において、第2の連続紙7b′を鎖線で示した。
【0054】
図5は本発明の第2の実施の形態を示すもので、この実施の形態では1枚のダブル幅の連続紙7aを用い、これをスリッタ装置11にて幅方向に2分割し、重ね合わせ部3にて重ね合わせるようにしている。この場合の重ね合わせシートの2枚のシートは同一の紙質となる。この実施の形態においては、積層排出部において、単体シート26を供給することにより、1冊の冊子状製品を紙質の異なるシートにて構成することができる。
【0055】
また本発明の実施の形態では、給紙部1に2枚の連続紙7a,7bを支持し、これを繰り出すようにした例を示したが、この連続紙は3枚以上用いてもよい。そして固定情報をプリプリントされた連続紙は、印刷部をバイパスして紙通しを行い、可変情報を印刷する連続紙を印刷部2を通す。この可変情報を印刷する連続紙の枚数に応じて、印刷部2における印刷装置を複数用いる。そして重ね合わせ部3においては上記複数の連続紙を重ね合わせる。
【0056】
また、上記第1の連続紙7aは製品幅の2倍(ダブル)幅のものを用いたが、これは3倍幅、4倍幅のものでもよく、これをスリッタ装置にて製品幅にスリットして合わせ部に供給する。
【0057】
上記した第1の実施の形態において、第1・第2の連続紙7a,7bのいずれもが、少なくともタイミングマークが印刷されていて、この各タイミングマークを、各供給ロール8a,8bに対向して設けたマークセンサにて検出し、この検出値により下流側での各連続紙の位相合わせをするようにした例を示したが、この連続紙7a,7bには必ずしもタイミングマークがプレプリントされてなくてもよく、必要なタイミングマークは印刷部2の印刷機2a,2bにて印刷するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1…給紙部、2…印刷部、2a,2b…印刷機、2c,2d…乾燥機、2e…バイパス通路、3…重ね合わせ部、4…切断部、5…積層排出部、6a,6b…繰り出し軸、7a,7b,7a′,7b′…連続紙、8a,8b…供給ロール、9a,9b,10a,10b…マークセンサ、11…スリッタ装置、11a…中央スリッタ、11b,11c…サイドスリッタ、12…重ね合わせ装置、13a,13b,13c…糊ノズル、14…位置合わせ装置、15…分断シート、16…切断装置、17…搬送路、18a,18b…集積装置、19a,19b…搬送コンベヤ、20a,20b…補助コンベヤ、21…排出コンベヤ、22…切換ゲート、23…バケット,24a,24b,25a,25b…単体シート供給装置、26…単体シート、27…支持台、28…単体シート用紙、29…ピントラクタ、30…サイドスリッタ、31…切断装置、32…単体シート供給コンベヤ、33a,33b…糊ノズル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品幅と同一または複数倍の、及び同一と複数倍の幅を有する複数の連続紙を、下流側へ供給する給紙部と、
給紙部から供給された各連続紙をそれぞれ製品幅の連続紙となるように位相を合わせて重ね合わせる重ね合わせ部と、
重ね合わせ部にて重ね合わせた重ね合わせシートを、製品長さの分断シートに切断して搬送路へ走行させる切断部と、
上記搬送路を搬送される分断シートを所定の部数ごとに集積して集積シートとして排出する積層排出部とからなり、
上記重ね合わせ部に、分断シートとなる相互の連続紙の対向する一方に糊を塗布する糊ノズルと、分断シートの上側となる連続紙の上面に、集積シートの区分け部となる分断シートの上側の連続紙をスキップして糊を塗布する糊ノズルを設けた
ことを特徴とする冊子状製品の製造装置。
【請求項2】
給紙部と重ね合わせ部の間に、給紙部から供給される連続紙に可変情報を印刷する印刷部を設けたことを特徴とする請求項1記載の冊子状製品の製造装置。
【請求項3】
給紙部と重ね合わせ部の間に、給紙部から供給される少なくとも1枚の連続紙に可変情報を印刷する印刷機と、印刷しない連続紙を案内するバイパス通路を有する印刷部を設けたことを特徴とする請求項1記載の冊子状製品の製造装置。
【請求項4】
積層排出部が、
切断部にて切断されて搬送路にて搬送される分断シートを下方へ集積する集積装置と、集積装置からの分断シートを長手方向に複数設けたバケットにて所定部数ずつ受けて間欠的に搬送する搬送コンベヤとからなり、
搬送コンベヤの上記集積装置の上流側と下流側の側方に、搬送コンベヤのバケットに単体シートを供給する単体シート供給装置を設けた
ことを特徴とする請求項1,2,3のいずれか1項記載の冊子状製品の製造装置。
【請求項5】
積層排出部の集積装置を分断シートを搬送する搬送路の搬送方向の2個所に設けると共に、上流側の集積装置の上流側に搬送路を搬送してくる分断シートを両集積装置に選択的に案内する切換ゲートを設け、各集積装置の下側に設けた搬送コンベヤの下流側を1つの排出コンベヤに接続したことを特徴とする請求項4記載の冊子状製品の製造装置。
【請求項6】
積層排出部の搬送コンベヤのバケットに挿入する単体シートの紙質を、給紙部から供給される連続紙の紙質と異ならせたことを特徴とする請求項4,5のいずれか1項記載の冊子状製品の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−110814(P2011−110814A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−269443(P2009−269443)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000161057)株式会社ミヤコシ (122)