説明

再充填可能な空気式動力供給源

一実施例では、空気式動力源組み立て体が、圧縮流体を保有可能な内部を有する再充填可能なチャンバと、逃がし口と、流体流入孔とを含んでいる。チャンバ内の圧力は、予め定めた最適圧を超えると、チャンバ内の圧力逃がし機構により逃がすことができる。空気式モータは、チャンバ内に配置され、チャンバ内部と流体連通する流入口を含んでいる。空気式モータは、チャンバ内部の圧縮流体を利用して、空気式モータに回転可能に取り付けられた歯車を駆動する。加えて、該歯車はチャンバに回転可能に取り付けられ、これによって、前記組み立て体が空気式に操作される装置に付加された場合、該装置は回転可能な軸を利用することができる。更に、流体流入孔には、チャンバに連続的に再充填するための外部ポンプが取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気式に操作される装置に係わり、より具体的には、該装置を操作するのに使用される再充填可能な空気式動力供給源に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気式に操作される装置は、先行技術で周知であり、きわめて広い様々な用途や分野で使用されている。空気式エンジンは、たいていの電気式又は電池式の動力エンジンに代わる能力を有している。しかし、先行技術の空気式に操作される装置には、寸法上の制限、簡便性、効率等の点で種々の問題があり、これらの問題を本発明は解決するものである。
【0003】
典型的な先行技術の空気式に操作される装置、例えば玩具の自動車は、圧縮流体を保有するための極めて小さいリザーバや空気式のモータ又は機構を必要とする。例えばアキヤマに交付された米国特許第4,329,806号参照。しかし、先行技術の空気式動力供給源は、空気式エンジン/リザーバ間に複雑な吸気及び排気マニホールドを必要とする。例えばコワナキに交付された米国特許第6,006,517号参照。加えて、幾つかの空気式に操作される装置は、米国特許第4,329,806号にも記載されている、リザーバ内の過剰空気を逃がす複雑な圧力逃がし弁を有する再充填可能なリザーバを含んでいる。こうしたことはみな、空気式動力供給源の製造を複雑にし、個々の部品が故障して装置が操作不能になる恐れを増大させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、先行技術の空気式に操作される装置より良い装置を得る必要がある。このより良い装置は、複雑な機構を必要とせず簡単に製造でき、かつ個々の構成部品への、又はそれらからの管又は通路が不要でなければならない。このより良い装置によって、更に他の先行技術のモータより小型の、軽量かつコンパクトで安価な空気式動力供給源が得られることになろう。
【0005】
加えて、管等の接続部材の極めて少ない空気式装置には、リザーバ用にプラスチック(又は金属)製のビンが使用され、該ビンに空気式モータ何らかに形式で付加される。通常、ビンが使用されるのは、通常のビンの形状が圧縮流体を保有するのに最適だからである。モータを外部に取り付けると、空気式装置が必要以上に大きくならざるを得ず、かつまたより重大ことは、装置を出来るだけ小型にしなければならない場合には、ビンの寸法および形状が装置のスタイルに影響することがある。したがって、よりよい装置では、空気式モータをリザーバ内に取り付け、それによって、モータ出力軸が、ビンの端部から突出するのではなく、いずれかの望ましい位置でリザーバから突出するようにせねばならない。
【0006】
加えて、装置の寸法は部品のすべてに左右される。本発明により実現される利点は、寸法が最小化される一方、スペース利用が最大限可能になり、本発明の簡単さのために、空気式に操作される装置が極めて小型にできる点である。しかし、他方、本発明は簡単なため、空気式動力供給源を、実施例によっては、より大型にすることもきわめて容易である。したがって、本発明は、米国特許第6,006,519号に記載されたような原寸の圧縮流体動力エンジンに使用可能である。更にモータ作動継続時間は、モータ寸法及びリザーバ寸法に左右されることが理解されよう。したがって、持続時間を最大化するには、空気式に操作される装置の場合、リザーバの形状を装置形状に合致させることが必要になるが、ビンでは、そのように合致させることはできない。本発明の或る実施例では、空気式モータはリザーバ内に統合され、固定され、更に製品の設計上の制限が低減される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明により再充填可能な空気式動力供給源が得られる。この動力供給源は、第1実施例では、圧縮流体を保有できる再充填可能なチャンバを含んでいる。該チャンバは、逃がし口、出口、流体の受容及び圧縮用の流入孔を含んでいる。動力供給源は、また再充填可能なチャンバ内の過剰圧力を、逃がし口を介して逃がす装置をも含んでいる。圧力逃がし装置は、また再充填可能なチャンバ内に完全に収容されており、したがって、圧力逃がし装置を収容するためのスペースを空気式操作装置に取っておく必要がない。動力供給源は再充填可能なチャンバ内の流体を出口から放出する装置を含んでいる。この流体放出装置も、再充填可能なチャンバ内に配置されている。これにより、チャンバを圧力逃がし装置又は流体放出装置に接続する流入管又は排出管が不要になる。入り口は、第1実施例では、流体(液体又は気体)を再充填するのに使用される外部ポンプと接続でき、かつ流体を圧縮できる。流体放出装置は、好ましくは、押されると、チャンバ内の流体を押し出すことのできる制御開口を含んでいる。流体放出装置には外部空気式モータを取り付けできるので、流体が放出されると、空気式モータは、その流体を空気操作式装置の駆動に使用する。
【0008】
本発明の第2実施例では、チャンバにもポンプが内蔵されている。該ポンプは、チャンバに対し可動であるため、使用者がチャンバからポンプを引き出したり、チャンバ内へ押し込んだりすることで、チャンバ内に空気を圧入し、チャンバ内の空気を圧縮する。したがって、本発明は、別個のポンプを付加する必要がないので、携帯用の種類の空気式製品には好都合である。
【0009】
本発明の第3実施例では、チャンバは、チャンバ内に固定された、チャンバ内部と直接連通する空気式モータを含んでいる。空気式モータの流入マニホールドは、したがってチャンバ内の圧縮流体と連通しているので、複雑な流入マニホールド又はリザーバから空気式モータへ通じる管類は不要である。加えて、空気式モータは、チャンバ内にあるため、寸法面の制限が有意に低減する。なぜなら、チャンバとは別個に空気式モータを収容する必要がないからである。空気式モータは、チャンバを横切って両端が外部へ突出する軸を駆動する。あるいはまた第4実施例では、この軸が、チャンバ中心線の後部あたりからチャンバ外部へ突出する単一の端部を有している。
【0010】
どの実施例でも、チャンバは、完全にチャンバ内に配置され、チャンバに固定された圧力逃がし装置を含んでいる。この圧力逃がし装置は、またチャンバ内部や逃がし口と連通しているので、チャンバ内圧が圧力逃がし装置に対し予め設定した最適圧力を超えた場合には、チャンバ内の流体を大気中へ逃がすことができる。圧力逃がし装置については、より詳しくは後述するが、どのような加圧チャンバ又はリザーバにも使用することができる。
更に、実施例の各々から得られる種々の概念は、本発明に含められる意図の新たな実施例を構成するために、別個に又は一緒に採用できる。本発明のこのほかの利点及び特徴は、以下で行なう本発明およびその実施例の詳細な説明、特許請求の範囲の記載、添付図面から容易に明らかになるだろう。
以上に述べてことは、添付図面を参照することにより、より完全に理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、多くの異なる形式で具体化できるが、複数の好適実施例を図示し、詳細に説明する。しかし、ここに開示することは、本発明の原理を例示するものと見るべきで、図示の実施例は、本発明及び/又は特許請求の範囲の精神を制限する意図のものではないことを理解されたい。
【0012】
既述のように、本発明は、空気式に操作される装置で、広範囲の種々の用途に使用される。空気式に操作されるこの装置は、圧縮流体を利用して装置を駆動又は作動させる空気式のモータ又は機構を操作する。幾つかの装置は、外部圧縮流体源に接続されるのに対し、他の装置は、再充填可能な内蔵リザーバを含み、使用者がリザーバに圧縮流体を再充填できる。圧縮流体を連続的にリザーバに再充填するための装置は、手動ポンプ又は自動機械式ポンプで実現できる。これらの空気式に操作される装置は、したがって「空気式動力源」を含み、該動力源は、この場合、空気式モータと連通するチャンバを含むように構成されている。加えて、本発明の幾つかの実施例では、「空気式動力源部分組立体」が示され、それが、ここでは、空気式モータと連通するチャンバとして構成されている。これらの構成は、図面及び以下の説明を参照することで、よりはっきりすることだろう。
【実施例1】
【0013】
図1及び図2を見ると、空気式動力源部分組立体10が示されている。この部分組立体10は、圧縮流体を保有又は内包するチャンバ12を含んでいる。チャンバ12の形状は、本発明にとって重要ではないが、特別の空気式に操作される装置又はスペース要求用に予め定めることができる。加えて、前述のように、チャンバ12の寸法は、用途又は部分組立体10の使用の仕方に応じて、極端に小さくも、大きくも作ることができる。例えば、部分組立体を玩具の自動車又は飛行機の操作に使用する場合には、チャンバ12の寸法は極小にできる。しかし、部分組立体は、実物大の自動車を操作するさいには、チャンバ12の寸法は、実物大の自動車を操作するのに要する空気力を発生させるために、より大型にできる。
【0014】
チャンバ12は、好ましくは、それぞれ符号14と16で示す2部分からなるハウジングであり、該ハウジングが互いに気密に密封されている。好ましくは射出成形されたこの2部分チャンバにより、空気式に操作される装置は、どのようなスタイルにすることもでき、該装置によって提供されるスペースを最も効率的に利用できる。したがって、可能な最大の空気チャンバが得られる一方、空気式に操作される装置のスタイルが維持される。
2個のハウジング14,16の間にはシール18が配置され、2個のハウジングは、複数のねじ19によって互いに固定されている。しかし、固定形式はどのようなものでもよく、接着でもよい。チャンバ12は、流体の受容装置20と、圧力逃がし装置40と、チャンバ内の流体の放出を制御する放出装置60とを含んでいる。
【0015】
また、図3を見ると、流体受容装置20は、ハウジングの一方(好ましくはハウジング14)に設けられた流入孔22として形成されている。流入孔22は、チャンバ12内部と連通し、これにより使用者は、外部ポンプ24を流入孔22に取り付けて、流体(空気等)をチャンバ12内へ給送できる。さらに、ポンプによる連続的な送入によってチャンバ12内の流体は圧縮せしめられる。しかし、圧縮流体の連続的な供給源、例えば外部タンクを、流入孔22に取り付けることもできる。流体受容装置20は、更に密封手段26を含み、該密封手段によって流入孔22がチャンバ12の内部に対し閉じられることで、チャンバ12内の流体の流出が防止される。再び図2を見ると、密封手段26は、可とう性のフラップ28として構成され、該フラップが、流入孔22に形成された流入開口32に対して当て付けられ、該流入開口はチャンバ12内部に連通している。部材30が、2部分構成のハウジングの一方(好ましくはハウジング16)から内方へ、それも流入開口32のほうへ延び、流入開口32に対し可とう性フラップ28を当て付ける。
【0016】
作動時、流体が流入孔22に流入すると、流体が可とう性フラップ28を押し曲げ、流体がチャンバに流入できる一方、部材30は流入開口32に対する可とう性フラップ28の相対位置を維持する。チャンバ12に流入する流体は、予め圧縮しておいてもよいが、既述のように、ポンプ装置を使用してチャンバ12内で圧縮してもよい。流入孔22内の流体が無くなると、チャンバ12内の流体がチャンバから出ようとして可とう性フラップ28を押し付ける(チャンバ外側の圧力がチャンバ内側の圧力より低いので)。可とう性フラップ28は、これにより流入開口32に押し付けられ、開口を密封し、流入孔22を閉じ、これにより、チャンバ12内の流体はチャンバ12を出ることが阻止される。この形式の流体受容装置20により動作過程が簡単化されるが、別の種類の一方弁(専攻技術で周知の)を使用してもよい。
【0017】
圧力逃がし装置40は圧力逃がし弁42として構成され、該弁全体が完全にチャンバ12内に配置される。圧力逃がし弁は、通常、チャンバ又はリザーバの外部に配置されるが、本発明の圧力逃がし弁42は、完全にチャンバ12自体内に配置される。これにより、チャンバの外部に配置される圧力逃がし弁及びチャンバと弁とを接続する管を収容するために要するスペース量が低減される。本発明による圧力逃がし弁42は、チャンバ12の内部と連通する開口44を含み、かつ過剰圧力を逃がすために大気と連通している逃がし口46をも含んでいる。圧力逃がし弁42は、図11及び図12に関連して、更に詳しく後述する。作動時、チャンバ内の流体が圧縮されるさい、圧縮流体は開口44に流入し、圧力逃がし弁42を押し込む。チャンバ12内の流体圧力が圧力逃がし弁42に対し予め設定された最適圧力を超えると、圧力逃がし弁42が開き、逃がし口46から過剰圧力を逃がすことができる。
【0018】
図3を見ると、制御された放出装置60が完全にチャンバ12内に配置され、空気式モータ70は、取り外し可能にチャンバ12に取り付けられ、チャンバ12と連通せしめられるか、又はチャンバ12と遠隔連通せしめられるのが好ましい。図3に示すように、空気式モータ70は、管72を介して制御された放出装置60の外部に取り付けられる。したがって、空気式モータ70が特定の空気式に操作される装置を作動させる場合、管72を取り外して、別の空気式に操作される装置を作動させる異なる空気式モータを接続する第2の管に換えることができる。チャンバ12は、また異なる空気式に操作される装置に各々接続される多重逃がし装置を含むこともできる。
【0019】
制御された放出装置60は、チャンバ12内部と連通する開口(図示せず)を含み、この開口から圧縮流体が、制御された放出装置60に流入できる。チャンバ12を外部から操作可能なボタン62により、使用者は、常時閉の放出装置60を機械式に開くことができる。放出装置60が開くと、チャンバ12内の圧縮流体が出口64から流出できる。放出装置60は、上述のボタンを押すことで開く公知の機械式弁でよい。放出装置60は、ボタンを押すたびに開位置又は閉位置になるようにしてもよいが、ボタンを押している間、同じ位置にとどまるようにしてもよい。
【実施例2】
【0020】
図4に示した本発明の第2実施例では、部分組立体100(第1実施例と類似している)が、流体受容装置20と、圧力逃がし装置40と、制御された放出装置60とを含んでいる。しかし、第2実施例による部分組立体はポンプ110を含み、該ポンプが流体受容装置20に組み込まれており、チャンバ102に対し可動である。部分組立体にポンプを容易に組み込み可能なことにより、更に持ち運びが容易で、別個の付加ポンプが不要なため管等の接続部材のない空気式に操作される装置が得られる。
【0021】
ポンプ110は、シリンダ114内を滑動する細長のピストン112を含んでいる。ピストン112の端部113は、シール122を受容する溝120を含み、かつ溝120を横切るノッチ124を有している。ピストン112がチャンバ102から引き出される間に、シール122の移動で、空気がノッチ124を通過して、ピストン124の端部113と流体受容装置20(より詳しく言えば流体受容装置20の流入孔2)との間に形成されるシリンダ区域116に流入することができる。続いて、シリンダ114内へピストンが押し込まれると、シール122はノッチ124に対して移動し、シリンダ区域116から空気が逃げるのを防止する。したがって、ピストン112がチャンバ102のほうへ押し込まれると、シリンダ区域116内の空気は、流入孔22から可とう性フラップの周囲へ押し出され、チャンバ102内へ流入する。繰り返しポンプを操作して空気をチャンバ102内へ押し込むことで、チャンバ内の流体が圧縮される。ポンプ10は、またポンプ操作により流体をチャンバ102内へ送入し圧縮するさいに、使用者が掴むためのハンドル126を有しているのが好ましい。
【実施例3】
【0022】
図5〜図7に示した本発明の第3実施例では、空気式動力源組み立て体150は、第1ハウジング152と第2ハウジング154とを含み、これらが組み立てられて、チャンバ156を形成する。チャンバ156には、また流体受容装置20と圧力逃がし装置40とが備えられ、これら双方とも既述のものに類似している。
【0023】
第1ハウジング152はモータソケット158を含み、該ソケットは、空気式モータ160を収容するように設計され、かつ第1ハウジング152を貫通する開口(図示せず)を含んでいる。空気式モータ160は、プラグ164を形成するモータハウジング162を含み、該プラグが、モータソケット158内へ摩擦ばめされ、チャンバ156内部と第1ハウジング152を貫通する開口との間のシールを形成する。空気式モータ160は、また流体流入口166を含み、該流入口が空気式モータ160の上部に形成されている。空気式モータ160がモータ受容部158内に挿入されると、流体流入口166は直接、チャンバ156の内部と連通する。プラグ164の下方の開口内に、空気式モータ160は、チャンバ156の外部に露出したモータ歯車168を有している。モータ歯車168は、空気式モータによって回転させられ、軸歯車170と軸172とを駆動する。ハウジングプレート174は、モータソケット158の下方で第1ハウジング152に取り付けられ、軸と軸歯車とを定位置に固定し、開口を覆っている。
【0024】
作動時の空気式モータ160は、チャンバ156内部から流体流入口166を介して圧縮空気を吸い込み、モータ歯車168を駆動する。空気式モータ160によって使用される圧縮流体は、空気式モータ160によってプラグ164の下方でモータソケット158をへて、ハウジングプレート174のモータ逃がし口176から放出できる。空気式モータ160は、チャンバ156に圧縮流体が充填された場合に、自動式に始動するようにしてもよし、手動式に開始を要求してもよい。一度始動すれば、チャンバ内の圧縮流体が空気式モータ160を回転させなくなるまで動作は続けられる。空気式動力源組み立て体150のチャンバ156に再充填するには、外部ポンプ24を流体受容装置20に取り付ける。
【0025】
本発明により実現される利点の1つは、空気式動力源組み立て体150を極めてさまざまな形式で利用して、多くの空気式に操作される装置を動作させ得ることである。チャンバの形状を始終変更する必要なしに、異なる装置に適応させることができる。一例に過ぎないが、第3実施例による構成の空気式動力源組み立て体150は、図8に示した前もって組み立てられたシャシ180に簡単に取り付けることができる。同じ空気式動力源組み立て体150は、容易に取り外し可能で、別の空気式に操作される装置に取り付けでき、しかも先行技術の動力源の場合に必要だった動力源組み立て体全体を分解する必要がない。
【0026】
図8の参照を続けると、軸172がチャンバ156から外部へ突出し、1対の歯車182を駆動する。歯車182は、シャシの歯車184とかみ合い、第1ホイール対186を回転させる。シャシ180は、自由回転する第2ホイール対188を含んでいる。更に、本発明により、チャンバ156の内部に複数の空気式モータを組み込むようにして、それにより第2軸をもチャンバから突出させて第2ホイール対を回転させることも考えられる。加えて、各空気式モータは、同じ1つのチャンバ内から出力するので、複数チャンバの場合に、各空気式モータ出力率を等しくするために、複数チャンバを等しく加圧することにかかわる厄介な問題が解消される。
空気式動力源組み立て体150には、第2空気式モータを取り外し可能に取り付けることが望ましい場合もあり、その場合には、該組み立て体が別個の、制御された放出装置を含むようにすることができる。これによって空気式動力源組み立て体150は、一度に2つ以上の空気式に操作される装置を操作したり、装置を切り換えたりすることができる。
【実施例4】
【0027】
次に図9及び図10を見ると、本発明の第4実施例として、第3実施例の空気式動力源組み立て体150に類似の構成の空気式動力源組み立て体200が示されている。しかし、空気式動力源組み立て体200(第4実施例の)は、中心線に沿った駆動軸202を含み、該駆動軸は、一端204のみがチャンバ206から突出している。図10の断面図からよりはっきり分かるように、空気式モータ160は、チャンバ206内部と直接に連通する流体流入口166を有している。空気式モータ160は、チャンバ206の外部に露出しているモータ歯車168を駆動する。モータ歯車168は、軸歯車170とかみ合い、該軸歯車は駆動軸に固定され、駆動軸を駆動する。
【0028】
次に図11及び図12には、既述のように各チャンバに備えられた圧力逃がし装置40が示されているが、該圧力逃がし装置は、好ましくは、完全にチャンバ210内に配置された圧力逃がし弁42として構成されている。これにより、空気式に操作される装置がチャンバ外部に圧力逃がし弁配置用に留保する必要のあるスペース量が低減されると同時に、チャンバに圧力逃がし弁を取り付けるのに要する組み立て体と流体供給用のポンプが不要になる。圧力逃がし弁42は弁ハウジング220を含み、該ハウジングが、完全にチャンバ210の内部に配置され、固定されている。好ましくは、弁ハウジング220は、逃がし口46を取り囲むためにチャンバ210の一区域に組み付けられた基部222を含んでいる。しかし、固定手段は、どのようなものを使用してもよい。この組み付けにより、チャンバ210の内部と弁ハウジング220との間に気密のシールが得られ、それにより、チャンバ210内の流体が弁ハウジング220の下部から漏れて逃がし口46から流出することがない。弁ハウジング220は、チャンバ210の内部に開く開口44を含んでいる。弁ハウジング220内に形成される第1内室224は、開口44と連通し、第2内室226は、第1内室224及び逃がし口44に連通している。第2内室226の壁部に沿って、複数の内部通路228が延びている。
【0029】
圧力逃がし弁42は、またばね230と、ばねスリーブ232と、弾性的なスリーブキャップ234とを含み、これらのすべてが、弁ハウジング220に内蔵されている。ばね230は、一端がチャンバ210に固定され、他端がばねスリーブ232に固定されている。ばね230は、予め定めた圧縮力を有し、該圧縮力により、チャンバ210内に許容される最適圧力が設定される。スリーブキャップ234は、ばねスリーブ232の頂部に固定され、第1内室224にほぼ等しい直径を有しており、このため圧力逃がし開口44から第1内室224内へ流入する流体は、スリーブキャップ234の下へ通過できず、第2内室226内へ流入する。ばねスリーブ232は、ばねスリーブ232から外方へ突出している剛性部分236を有し、該剛性部分は、第2内室226の壁部に形成された内側通路228の1つにかん合することで、ばねスリーブ232の運動を制御する案内として働く。
【0030】
チャンバ210内の圧力が、ばね230により予め設定された圧縮力によって規定される予め定めた最適圧力に達したり、最適圧力を超過した場合は、スリーブキャップ234を押し込む流体が、ばね230を圧縮するので、ばねスリーブ232は、更に第2内室226内へ移動する。これが続くと、ばねスリーブ232は、ばねキャップ234が第2内室226内に入るまで移動する。ばねキャップ234が第2内室226内へ入ると、第1内室224内の流体は、ばねキャップ234の周囲を通過し、通路228を通って第2内室226内へ流入する。流体は、第2内室226内へ入ると、圧力逃がし口46から逃げることができ、チャンバ210内の圧力は、ばね230によって規定された最適圧力より低くなる。これにより、ばね230は、ばねキャップ234を第2内室226の上方へ戻し、チャンバ210が密閉される。
【0031】
以上に述べたことから、本発明の精神及び新規な概念の範囲を逸脱することなしに、数多くの変化形や変更態様が可能であることが分かるだろう。ここに示した特定の方法や装置は、本発明を限定する意図のものではなく、また限定する意味を含むものとすべきではないことが理解されよう。言うまでもなく、前記変更態様は、すべて特許請求の範囲の枠内に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施例の斜視図で、外部の空気式モータへ流体を放出する制御された開口を有する再充填可能な、空気式に操作される装置の操作に使用される空気式部分組立体を示した図。(実施例1)
【図2】図1の部分組立体の斜視断面図。
【図3】図1の部分組立体の斜視図で、部分組立体の充填及び再充填に使用する手動式外部ポンプと、制御された開口に取り付けられる外部空気式モータとを加えて示した図。
【図4】本発明の第2実施例の部分断面図で、ポンプを組み込んだ部分組立体を示す図。(実施例2)
【図5】本発明の第3実施例の斜視図で、チャンバに空気式モータが内蔵された空気式動力源組み立て体と再充填用の外部ポンプとを示した図。(実施例3)
【図6】図5に示した空気式動力源組み立て体の斜視断面図。
【図7】図5の空気式動力源組み立て体の分解図。
【図8】図5に示した空気式動力源組み立て体をシャシに取り付けるところを示した斜視図。シャシは、動力供給源組み立て体がシャシに取り付けられた場合に、組み立て体の歯車対とかみ合うタイヤ歯車対を有し、動力供給源組み立て体が充填され、組み立て体歯車を回転させると、シャシのタイヤ歯車に固定されたタイヤ対が回転する。
【図9】本発明の第4実施例の斜視図で、チャンバに空気式エンジンを内蔵し、チャンバ中心線に沿ってチャンバ後部から突出する単一の駆動軸を含む空気式動力源組み立て体を示す図。(実施例4)
【図10】図9の空気式動力源組み立て体の断面図。
【図11a】圧力逃がし弁の断面図で、該弁が閉位置にある場合の図。
【図11b】圧力逃がし弁の断面図で、該弁が開位置にある場合の図。
【図12】圧力逃がし弁の弁ハウジングの斜視図で、圧力逃がし弁の基部の内室壁部に形成された通路を示す図。
【符号の説明】
【0033】
10 空気式動力源部分組立体
12,102,156,206 チャンバ
14,16 部分ハウジング
18 シール
19 ねじ
20 流体受容装置
22 流入孔
24,110 ポンプ
26 シール装置
28 可とう性フラップ
32 流入開口
40 圧力逃がし装置
42 圧力逃がし弁
44 圧力逃がし開口
46 逃がし口
60 制御された放出装置
62 ボタン
64 放出孔
70 空気式モータ
72 管
100 空気式動力源部分組立体
102 チャンバ
112 ピストン
114 シリンダ
120 溝
122 シール
124 ノッチ
126 ハンドル
150,200 空気式動力源組み立て体
152 第1ハウジング
154 第2ハウジング
158 モータ受容部
160 モータ
162 モータハウジング
166 流入口
168 モータ歯車
170 軸歯車
172 軸
174 ハウジングプレート
176 モータ逃がし口
182 歯車対
184 シャシ歯車
186 第1ホイール対
188 第2ホイール対
202 駆動軸
220 弁ハウジング
224 第1内室
226 第2内室
230 ばね
232 ばねスリーブ
234 スリーブキャップ
236 剛性部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気式動力源部分組立体において、
圧縮流体を保有できる再充填可能なチャンバが含まれ、該チャンバが逃がし口と、流体を受容し、圧縮する流入孔とを含んでおり、また
チャンバに内包されている流体が予め定めた最適圧力を超えた場合に、逃がし口を介して再充填可能なチャンバ内の圧力を逃がす装置が含まれ、該圧力逃がし装置が再充填可能なチャンバ内に完全に内蔵されており、更に
最充填可能なチャンバ内の流体を出口を介して放出するための手動式装置が含まれ、該流体放出装置が、再充填可能なチャンバ内に完全に内蔵されている、空気式動力源部分組立体。
【請求項2】
更に、取り外す可能に流入孔に取り付けられた外部のポンプが含まれ、該ポンプが、再充填可能なチャンバ内部の流体を圧縮するために、該チャンバ内へ流体をポンプ給送する装置を有している、請求項1に記載された部分組立体。
【請求項3】
前記流体放出装置が、再充填可能なチャンバと流体連通する開口を含み、かつ出口と流体連通しており、該流体放出装置が、更にスイッチを有し、使用者が、該スイッチを再充填可能なチャンバの外部から手動式に操作可能であり、それにより該チャンバ内の流体の放出を制御することができる、請求項1に記載された部分組立体。
【請求項4】
更に、空気式に操作される装置の操作に使用される外部空気式モータが含まれ、該外部空気式モータが出口の外部に接続されることで、流体放出装置が手動で操作されると、空気式モータが再充填可能なチャンバ内の圧縮流体を利用して空気式に操作される装置を操作する、請求項1に記載された部分組立体。
【請求項5】
前記圧力逃がし装置が、弁ハウジングと、ばねと、スリーブキャップとを有することにより形成され、
前記弁ハウジングが、チャンバ内に完全に配置され、チャンバに取り付けられて、逃がし口を取り囲んでおり、また前記弁ハウジングが、チャンバ内部区域と流体連通する開口を有し、更に前記弁ハウジングが、該開口と流体連通する第1内室と、該第1内室と流体連通する第2内室及び逃がし口とを含み、該第2内室が壁部に複数通路を有しており、
前記ばねが、ばねスリーブとチャンバとの間に取り付けられた弁ハウジングの内部に配置されており、
前記スリーブキャップが、ばねスリーブ上方に配置され、かつ第1内室と事実上等しい寸法を有することで、第1内室内の流体が第2内室に入ることが防止されており、
しかも、チャンバ内の流体圧力が予め定めた最適圧力を超えた場合には、スリーブキャップが第2内室内へ移動するまで流体がばねを圧縮し、それにより流体が第2内室壁部の通路をへて逃がし口からチャンバ外へ排出される、請求項1に記載された部分組立体。
【請求項6】
更に、ポンプが含まれ、該ポンプが、流入孔と一体に取り付けられ、再充填可能なチャンバに対し可動であり、また前記ポンプが、流体を再充填可能なチャンバ内へポンプ給送する装置を有しており、それによって再充填可能なチャンバ内の流体が圧縮される、請求項1に記載された部分組立体。
【請求項7】
空気式動力源組み立て体において、
圧縮流体を保有できる内部を有する再充填可能なチャンバが含まれ、該チャンバが流体を受容する装置を有しており、また
前記チャンバ内に配置され、該チャンバに取り付けられた空気式モータが含まれ、該空気式モータが、チャンバ内部と流体連通する流入口と、前記空気式モータにより回転させられ、かつ前記空気式モータに取り付けられた歯車とを有している、空気式動力源組み立て体。
【請求項8】
流体を受容する前記装置が、更に、チャンバの内部に開いた流体流入孔と、可とう性のフラップとを含み、該フラップ全体がチャンバ内部に配置され、かつ流入孔に対して当て付けられ、これにより外部流体源が、前記流入孔を介してチャンバ内へ流体をポンプにより給送可能だが、前記流体は流入孔を介してチャンバから流出することが防止される、請求項7に記載された空気式動力源組み立て体。
【請求項9】
前記チャンバが更に、逃がし口と、該逃がし口を介してチャンバ内の過剰圧力を逃がす装置とを含み、該圧力逃がし装置全体がチャンバ内部に配置されている、請求項7に記載された空気式動力源組み立て体。
【請求項10】
前記圧力逃がし装置が、弁ハウジングと、ばねと、スリーブキャップとを有することにより構成され、
前記弁ハウジングが、逃がし口を取り囲むように、チャンバ内に完全に配置され、かつチャンバに取り付けられており、また前記弁ハウジングが、チャンバ内部区域と流体連通する開口を有し、更に前記弁ハウジングが、該開口と流体連通する第1内室と、該第1内室と流体連通する第2内室及び逃がし口とを含み、該第2内室壁部が複数通路を有しており、
前記ばねが、ばねスリーブとチャンバとの間に取り付けられた弁ハウジング内に配置されており、
前記スリーブキャップが、ばねスリーブ上方に位置せしめられ、第1内室と事実上等しい寸法を有することで、第1内室内の流体が第2内室に入ることが防止されており、
しかも、チャンバ内の流体圧力が予め定めた最適圧力を超えた場合には、スリーブキャップが第2内室内へ移動するまで流体がばねを圧縮し、それにより流体が第2内室壁部の通路をへて逃がし口からチャンバ外へ排出される、請求項9に記載された部分組立体。
【請求項11】
空気式動力源組み立て体において、
圧縮流体を保有できる内部を有し、かつ流体を受容する装置を有する再充填可能なチャンバと、
前記チャンバ内に完全に配置され、流入口を有する空気式モータが含まれ、これにより該流入口が該チャンバの内部と直接に流体連通し、該空気式モータが、前記空気式モータに回転可能に取り付けられた歯車を駆動し、
軸が、チャンバを貫通して回転可能に取り付けられ、前記歯車に固定され、これにより、前記歯車を空気式モータが回転させると、前記軸が回転し、前記軸が、前記チャンバから横方向に突出する1対の端部を有している、空気式動力源組み立て体。
【請求項12】
更に、再充填可能なチャンバ内の流体を放出する制御された出口が含まれ、該制御された出口が再充填可能なチャンバ内に配置され、該制御された出口が、前記チャンバの外部から操作可能な、流体の放出を制御するためのスイッチを有している、請求項11に記載された空気式動力源組み立て体。
【請求項13】
シャシが含まれ、該シャシが1対のタイヤ歯車対を含み、チャンバがシャシに固定されると、該タイヤ歯車対が、軸の両端に固定された1対の組み立て体歯車対とかみ合い、しかも、空気式動力源組み立て体に圧縮空気が充填されると、空気式モータが、組み立て体歯車を回転させることでシャシのタイヤを回転させる、請求項11に記載された空気式動力源組み立て体。
【請求項14】
前記チャンバがシャシに取り外し可能に固定される、請求項11に記載された空気式動力源組み立て体。
【請求項15】
前記チャンバが、更に逃がし口と、該逃がし口を介してチャンバ内の過剰圧力を逃がす装置とを含み、該圧力逃がし装置が完全にチャンバ内に配置されている、請求項11に記載された空気式動力源組み立て体。
【請求項16】
前記圧力逃がし装置が、弁ハウジングと、ばねと、スリーブキャップとを有することにより構成され、
前記弁ハウジングが、チャンバ内に完全に配置され、かつチャンバ内部区域と流体連通する開口を有し、更に前記弁ハウジングが、逃がし口と連通する複数通路を含み、
前記ばねが、ばねスリーブとチャンバとの間に取り付けられた弁ハウジング内に配置されており、
前記スリーブキャップが、ばねスリーブ上方に位置せしめられ、かつ弁ハウジングと事実上等しい寸法を有することで、流体の漏れが防止され、
しかも、チャンバ内の流体圧力が予め定めた最適圧力を超えた場合には、前記流体が通路をへて逃がし口からチャンバ外へ逃がされるまで、流体がスリーブキャップを移動させる、請求項15に記載された部分組立体。
【請求項17】
空気式動力源部分組立体において、
圧縮流体を保有できる内部と、流体を受け入れる流入孔と、逃がし口とを有する再充填可能なチャンバと、
逃がし口を介してチャンバ内の過剰圧力を逃がす装置とが含まれ、該圧力逃がし装置が、完全に前記チャンバ内に配置されている、空気式動力源部分組立体。
【請求項18】
前記圧力逃がし装置が、弁ハウジングと、ばねと、スリーブキャップとを含み、
前記弁ハウジングが、完全にチャンバ内に配置され、かつチャンバ内部区域と流体連通する開口を有し、更に前記弁ハウジングが、逃がし口と連通する複数通路を含んでおり、
前記ばねが、弁ハウジング内に配置され、かつばねスリーブとチャンバとの間に取り付けられ、
前記スリーブキャップが、ばねスリーブ上方に位置せしめられ、かつ弁ハウジングと事実上等しい寸法を有することで、逃がし口からの流体の漏れが防止され、
しかも、チャンバ内の流体圧力が予め定めた最適圧力を超えた場合には、流体が通路をへて逃がし口からチャンバ外へ逃がされるまで、流体がスリーブキャップを移動させる、請求項17に記載された空気式動力源部分組立体。
【請求項19】
更に、再充填可能なチャンバ内の流体を該チャンバによって画成される出口を介して放出する外部から制御される開口が含まれ、外部から制御される該開口が、再充填可能なチャンバ内に完全に固定され、また
空気式に操作される装置の操作に使用される外部の空気式モータが含まれ、該外部の空気式モータが出口の外部に接続されることで、制御された開口が手動式に操作されると、空気式モータが、再充填可能なチャンバ内の圧縮流体を利用して空気式に操作される装置を操作する、請求項18に記載された部分組立体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

image rotate

【図12】
image rotate


【公表番号】特表2006−518609(P2006−518609A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501128(P2006−501128)
【出願日】平成16年2月2日(2004.2.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/002903
【国際公開番号】WO2004/076818
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(503107646)レーコ、エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】