説明

再凝縮装置及びこれを備えたNMR分析装置

【課題】NMR分析装置全体の小型化と、液体ヘリウム槽に対する熱侵入の抑制との両立を図ることができる再凝縮装置及びこれを備えたNMR分析装置を提供すること。
【解決手段】冷凍機11の第2冷却段11bに熱的に接続されるとともに、一部がネックチューブ24に挿入されて液体ヘリウムの再凝縮を行う第2冷却部材15と、冷凍機11の第1冷却段11aに熱的に接続されるとともに、一部がネックチューブ24に挿入される第1冷却部材14とを備え、第1冷却部材14は、前記ネックチューブ24に挿入可能となる直径寸法を有する第1挿入部20dと、この第1挿入部20dの外側面に設けられ、外側接触部8a、9aが接触するネックチューブ24の一部に対し内側から接触することにより熱シールと8、9を冷却する内側接触部21とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超伝導磁石及びこの超伝導磁石を冷却するための液体ヘリウムを収納する液体ヘリウム槽と、この液体ヘリウム槽に設けられ、前記液体ヘリウムを再凝縮するための再凝縮装置とを備えたNMR分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、超伝導磁石により生じる静磁場を利用して被検体を分析するNMR分析装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、超伝導磁石と、この超伝導磁石及び超伝導磁石を冷却するための液体ヘリウムを収納する液体ヘリウム槽と、この液体ヘリウム槽を取り囲むとともに液体窒素を収納する液体窒素槽と、液体ヘリウム槽及び液体窒素槽を覆う真空槽と、前記液体ヘリウム槽及び液体窒素槽内に連通した状態で取り付けられる2段式冷凍機とを備えた分析装置が開示されている。
【0004】
特許文献1の分析装置では、液体窒素槽に収納された液体窒素の冷熱によって液体ヘリウム槽に対する外部からの熱侵入を抑制し、2段式冷凍機の低温側のステージによって液体ヘリウムの再凝縮を行うとともに、2段式冷凍機の高温側のステージによって液体窒素の再凝縮を行う。
【0005】
具体的に、2段式冷凍機の低温側のステージには、液体ヘリウム再凝縮槽が設けられ、この液体ヘリウム再凝縮槽内に液体ヘリウム槽からのヘリウムガスを受け入れるようになっている。一方、2段式冷凍機の高温側のステージには、熱伝導棒を介して液体窒素再凝縮槽が設けられ、この液体窒素再凝縮槽内に液体窒素槽からの窒素ガスを受け入れるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−51850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の分析装置では、超伝導磁石を冷却するために液体ヘリウム槽だけでなく液体窒素槽も必要となり分析装置全体の小型化を図ることが難しかった。
【0008】
ここで、液体窒素槽を省略することも考えられるが、液体窒素槽を省略した場合には液体ヘリウム槽に対する外部からの熱侵入を如何にして抑制するかが課題となる。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、NMR分析装置全体の小型化と、液体ヘリウム槽に対する熱侵入の抑制との両立を図ることができる再凝縮装置及びこれを備えたNMR分析装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、超伝導磁石及び前記超伝導磁石を冷却するための液体ヘリウムを収納する液体ヘリウム槽と、この液体ヘリウム槽から上に突出するネックチューブと、前記液体ヘリウム槽を外側から覆うとともに前記ネックチューブに対して外側から熱的に接触する外側接触部を有する被覆部材とを備えた磁場発生部に設けられ、前記液体ヘリウムの再凝縮を行うための再凝縮装置であって、第1冷却段及びこの第1冷却段よりも低温となる第2冷却段を有する冷凍機と、前記第2冷却段に熱的に接続されるとともに、少なくとも一部が前記ネックチューブに挿入されて前記液体ヘリウムの再凝縮を行う第2冷却部材と、前記第1冷却段に熱的に接続されるとともに、少なくとも一部が前記ネックチューブに挿入される第1冷却部材とを備え、前記第1冷却部材は、前記ネックチューブに挿入可能となる直径寸法を有する第1挿入部と、この第1挿入部の外側面に設けられ、前記ネックチューブの一部に対し内側から接触することにより前記被覆部材を冷却する内側接触部とを有することを特徴とする再凝縮装置を提供する。
【0011】
本発明によれば、冷凍機の第1冷却段に熱的に接続された内側接触部をネックチューブの内側に接触させることにより、被覆部材をネックチューブを介して冷却することができる。したがって、本発明によれば、液体ヘリウム槽を外側から覆う被覆部材が前記のように冷却されることにより、液体ヘリウム槽に対する外部からの熱侵入を抑制することができるので、従来設けられていた液体窒素槽を省略して装置全体の小型化を図りつつ液体ヘリウム槽に対する熱侵入を抑制することができる。
【0012】
しかも、本発明では、冷凍機自体をネックチューブ内に挿入するのではなく、冷凍機と熱的に接続された第1冷却部材をネックチューブ内に挿入することとしているため、ネックチューブの太さに合わせて第1冷却部材を形成すれば、ネックチューブの太さを変更することなく既存のネックチューブに対して取付可能な再凝縮装置を提供することができる。したがって、本発明によれば、既存のネックチューブの内径を広げずに再凝縮装置を適用することができるので、外部から熱侵入を受けるネックチューブの面積を拡大することなく、被覆部材を冷却することが可能となる。
【0013】
前記再凝縮装置において、前記第1冷却部材は、筒状に形成され、前記第2冷却部材は、前記第1冷却部材の内側を通って前記ネックチューブ内に挿入可能な直径寸法を有することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、第1冷却部材の内側を通して第2冷却部材もネックチューブ内に挿入することができるので、既存のネックチューブの内径を広げずに、当該ネックチューブ内に第1冷却部材及び第2冷却部材の双方を挿入することができる。しかも、前記構成によれば、第2冷却部材が第1冷却部材の内側に配設されるため、この第1冷却部材によって第2冷却部材に対する外部からの熱侵入を抑制することができ、当該熱侵入に起因する再凝縮の効率の低下を抑えることができる。
【0015】
前記再凝縮装置において、前記第1冷却部材のうち、前記ネックチューブの外部に配置される部分を外側から覆うことにより、前記第1本体部との間に第1室を形成する室形成部材をさらに備え、前記第1室内には、負圧が形成されることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、第1室内に負圧が形成されていることにより、この第1室内の気体を介した熱伝達が抑制されるため、室形成部材に覆われた部分における第1冷却部材に対する外部からの熱侵入を抑制することができる。特に、室形成部材は、第1冷却部材のうちのネックチューブの外部に配置される部分を覆うため、第1冷却部材のうちのネックチューブの外部に配置された部分に対する外側(つまり室温環境)からの熱侵入を有効に抑制することができる。ここで、第1室に負圧を形成する際に、当該第1室内に断熱部材(例えば、Super Insulation)を挿入することとすれば、第1冷却部材に対する熱侵入をより有効に抑制することができる。
【0017】
前記再凝縮装置において、前記第1冷却部材と第2冷却部材との間には、前記第1冷却部材の外部から隔離された第2室が形成され、前記第2室内には、負圧が形成されることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、第1冷却部材と第2冷却部材との間の第2室内に負圧が形成されることにより、この第2室内の気体を介した熱伝達も抑制されるため、第1冷却部材と第2室との双方によって第2冷却部材に対する熱侵入を有効に抑制することができる。
【0019】
前記再凝縮装置において、前記室形成部材は、前記第1室内の気体を排出可能な排出ポートを有し、前記第1冷却部材には、前記第1室と第2室とを連通させる連通孔が形成されていることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、第1室と第2室とが連通孔を介して連通しているため、排出ポートから第1室内の気体を排出することにより、第1室及び第2室内に負圧を形成することができる。
【0021】
前記再凝縮装置において、前記第1冷却部材は、前記冷凍機から前記内側接触部へ向けて伝達する振動を吸収する振動吸収部を有することが好ましい。
【0022】
この構成によれば、振動吸収部を有する第1冷却部材により、冷凍機で発生した振動が内側接触部を介してネックチューブに伝達するのを抑制することができるため、超伝導磁石による静磁場に対して振動が与える影響を抑えることができ、分析精度の低下を抑制することができる。
【0023】
また、本発明は、超伝導磁石による静磁場を利用して被検体の分析を行うNMR分析装置であって、前記超伝導磁石及び前記超伝導磁石を冷却するための液体ヘリウムを収納する液体ヘリウム槽と、この液体ヘリウム槽から上に突出するネックチューブと、前記液体ヘリウム槽を外側から覆うとともに前記ネックチューブに対して外側から熱的に接触する外側接触部を有する被覆部材と、前記ネックチューブに設けられ、前記液体ヘリウムの再凝縮を行う前記再凝縮装置とを備え、前記再凝縮装置の第1冷却部材は、前記ネックチューブに挿入可能となる直径寸法を有する第1挿入部と、この第1挿入部の外側面に設けられ、前記ネックチューブの一部に対し内側から接触することにより前記被覆部材を冷却する内側接触部とを有することを特徴とするNMR分析装置を提供する。
【0024】
本発明によれば、冷凍機の第1冷却段に熱的に接続された内側接触部をネックチューブの内側に接触させることにより、被覆部材をネックチューブを介して冷却することができる。したがって、本発明によれば、液体ヘリウム槽を外側から覆う被覆部材が前記の様に冷却されることにより、液体ヘリウム槽に対する外部からの熱侵入を抑制することができるので、従来設けられていた液体窒素槽を省略して装置全体の小型化を図りつつ液体ヘリウム槽に対する熱侵入を抑制することができる。
【0025】
しかも、本発明では、冷却器自体をネックチューブ内に挿入するのではなく、冷凍機と熱的に接触した第1冷却部材をネックチューブ内に挿入することとしているため、ネックチューブの太さに合わせて第1冷却部材を形成すれば、ネックチューブの太さを変更することなく既存のネックチューブに対して取付可能な再凝縮装置を提供することができる。したがって、本発明によれば、既存のネックチューブの内径を広げずに再凝縮装置を適用することができるので、外部から熱侵入を受けるネックチューブの面積を拡大することなく、被覆部材を冷却することが可能となる。
【0026】
前記NMR分析装置において、前記被覆部材は、前記液体ヘリウム槽を外側から覆うとともに前記ネックチューブに対して外側から熱的に接触する第2外側接触部を有する第2被覆部材と、この第2被覆部材を外側から覆うとともに前記ネックチューブに対して熱的に接触する第1外側接触部を有する第1被覆部材とを備え、前記内側接触部が前記ネックチューブに接触する位置は、前記第1外側接触部の高温側端部と前記第2外側接触部の低温側端部との間であることが好ましい。
【0027】
この構成によれば、内側接触部が第1外側接触部の高温側端部と第2外側接触部の低温側端部との間でネックチューブに接触するため、当該ネックチューブを介して第1外側接触部及び第2外側接触部の少なくとも一方を冷却することにより、上述のように液体ヘリウム槽に対する外部からの熱侵入を有効に抑制することができる。しかも、前記構成では、第2被覆部材を覆う第1被覆部材によって当該第2被覆部材に対する外部からの熱侵入をも抑制することができるため、液体ヘリウム槽に対する外部からの熱侵入をより有効に抑制することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、NMR分析装置全体の小型化と、液体ヘリウム槽に対する熱侵入の抑制との両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態に係るNMR分析装置の全体構成を概略的に示す正面断面図である。
【図2】図1の再凝縮装置を拡大して示す正面図である。
【図3】図2の再凝縮装置を取り外した状態を示す正面図である。
【図4】図2の再凝縮装置のみを示す正面図である。
【図5】液体ヘリウム槽からネックチューブの先端部までの高さ位置と温度との関係を示す概略図である。
【図6】内側接触部を有する本実施形態に係るNMR分析装置と内側接触部を有しない比較例とにおける各部の温度を示す表である。
【図7】図1のNMR分析装置の変形例の一部を拡大して示す正面断面図である。
【図8】図2の内側接触部を示す平面断面図である。
【図9】図2の内側接触部の変形例を示す平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
【0031】
図1は、本発明の実施形態に係るNMR分析装置の全体構成を概略的に示す正面断面図である。
【0032】
図1を参照して、NMR分析装置1は、超伝導磁石による静磁場内に配置された被検体(図示せず)の分析を行うためのものである。具体的に、NMR分析装置1は、貫通孔2a内に静磁場を生じさせる磁場発生部2と、この磁場発生部2に設けられ当該磁場発生部2において気化した冷媒を再凝縮するための再凝縮装置3と、前記貫通孔2a内の磁場の均一度を補正するための磁場補正部4とを備えている。そして、NMR分析装置1は、磁場補正部4内に配置された被検体について分析を行う。
【0033】
磁場発生部2は、環状の超伝導磁石5と、この超伝導磁石5及び超伝導磁石5を冷却するための液体ヘリウム6を収納する液体ヘリウム槽7と、この液体ヘリウム槽7から上に突出する一対のネックチューブ24及びネックチューブ25と、内部に真空室を形成するとともにこの真空室内に前記液体ヘリウム槽7及び各ネックチューブ24、25を収容する真空容器10と、液体ヘリウム槽7と真空容器10との間で液体ヘリウム槽7を包囲することにより液体ヘリウム槽7に対する外部からの熱侵入を抑制する熱シールド8(第2被覆部材)及び熱シールド9(第1被覆部材)とを備えている。
【0034】
液体ヘリウム槽7は、超伝導磁石5及び液体ヘリウム6を収納するステンレスからなる容器である。具体的に、液体ヘリウム槽7は、超伝導磁石5の形状に対応して環形状を有している。
【0035】
ネックチューブ24、25の上端部はそれぞれ真空容器10を貫通して上に開口している。ネックチューブ24には、再凝縮装置3が着脱可能に取り付けられている。一方、本実施形態において、ネックチューブ25には、図外の蓋体が取り付けられ、当該ネックチューブ25の上部の開口は、閉じられている。なお、ネックチューブ25にも再凝縮装置3を設けることにより、液体ヘリウムの再凝縮の効率化を図ることもできる。
【0036】
熱シールド8は、各ネックチューブ24、25を挿通させた状態で液体ヘリウム槽7の周囲を覆う。具体的に、熱シールド8は、液体ヘリウム槽7の形状に対応して環形状を有し、ネックチューブ24、25の外周面のそれぞれに対し全周にわたり熱的に接触する一対の外側接触部8aを有している。
【0037】
熱シールド9は、各ネックチューブ24、25を挿通させた状態で熱シールド8の周囲を覆うことにより、熱シールド8に対する外部からの熱侵入を抑制する。具体的に、熱シールド9は、熱シールド8の形状に対応して環形状を有し、ネックチューブ24、25の外周面のそれぞれに対し全周にわたり熱的に接触する一対の外側接触部9aを有している。
【0038】
図2は、図1の再凝縮装置を拡大して示す正面図である。図3は、図2の再凝縮装置を取り外した状態を示す正面図である。図4は、図2の再凝縮装置のみを示す正面図である。
【0039】
図1〜図4を参照して、再凝縮装置3は、前記液体ヘリウム槽7で気化してネックチューブ24内で上昇するヘリウムガスを再凝縮するとともに、各熱シールド8、9を冷却するためのものである。具体的に、再凝縮装置3は、冷凍機11と、この冷凍機11を磁場発生部2に取り付けるための取付部材12と、前記冷凍機11の第1冷却段11aに熱的に接続された第1冷却部材14と、前記冷凍機11の第2冷却段11bに熱的に接続された第2冷却部材15とを備えている。
【0040】
冷凍機11は、2段式の極低温冷凍機である。具体的に、冷凍機11は、冷凍機本体11cと、この冷凍機本体11cに設けられた30K〜60K(−243℃〜−213℃)の第1冷却段11aと、この第1冷却段11aよりも先端側の位置で冷凍機本体11cに設けられた4.2K(−269℃)の第2冷却段11bとを備えている。
【0041】
取付部材12は、前記冷凍機11をネックチューブ24に取り付けるためのものである。具体的に、取付部材12は、冷凍機11から先端側(図の下方)に延びる取付部材本体16と、この取付部材本体16の下面とネックチューブ24の上面との間に設けられるOリング17と、取付部材本体16をネックチューブ24に固定する固定部材18と、取付部材本体16を支持するための支持台19(図1参照)と、取付部材本体16と第1冷却部材14とを接続するための第1接続部23とを備えている。この第1接続部23は、第1冷却部材14と取付部材本体16との間で第1室S1(図4参照)を形成するためのものである。つまり、本実施形態では、取付部材本体16及び第1接続部23が第1冷却部材14の外側に第1室S1を形成するための室形成部材の一例を構成する。
【0042】
取付部材本体16は、後述する第1冷却部材14のうちネックチューブ24の外部に配置される部分を外側から覆う。具体的に、取付部材本体16は、第1冷却段11aよりも基端側(図の上側)で冷凍機本体11cに固定されるとともに先端側に延びる筒状部16aと、この筒状部16aの途中部に設けられた振動吸収部16bと、筒状部16aの先端部(下端部)に設けられたフランジ16cと、筒状部16a内の気体を排出可能な排出ポート16dとを備えている。前記振動吸収部16bは、前記筒状部16aの一部が蛇腹(ベローズ)状に加工された部分からなり、弾性変形(伸縮)することにより冷凍機11において発生した振動が磁場発生部2(ネックチューブ24)に伝達するのを抑制する。Oリング17は、前記取付部材本体16のフランジ16cとネックチューブ24の開口縁部との間で挟持されることにより、取付部材本体16とネックチューブ24との間からヘリウムガスが流出するのを抑制する。固定部材18は、前記Oリング17を挟持した状態にある取付部材本体16とネックチューブ24との上下方向の移動を拘束するためのものである。
【0043】
支持台19は、磁場発生部2とは別に冷凍機11自体を支持するためのものである。具体的に、支持台19は、図1に示すように、冷凍機11に固定された固定板19aと、この固定板19aを支持する4本の脚部19bとを備えている。このように、支持台19によって冷凍機11自体が支持されることにより、冷凍機11が直接磁場発生部2に支持されている場合と比較して、冷凍機11からの振動が磁場発生部2(ネックチューブ24)に伝達するのを抑制することができる。
【0044】
第1冷却部材14は、その一部がネックチューブ24内に挿入され、前記熱シールド8を冷却する。具体的に、第1冷却部材14は、冷凍機11の第1冷却段11aに熱的に接続された筒状の第1本体部20と、この第1本体部20に設けられた内側接触部21と、第1本体部20の先端部と後述する第2冷却部材15とを接続する第2接続部22とを備えている。この第2接続部22は、第2冷却部材15との間で第2室S2(図4参照)を形成するためのものであり、後述する第2冷却部材15とともに説明する。
【0045】
第1本体部20は、前記取付部材本体16の内側位置で冷凍機11から先端側(図の下側)に延びる部材であり、アルミニウムからなる。この第1本体部20は、前記冷凍機11の第1冷却段11aに接続された基部20aと、この基部20aから先端側に延びるとともに前記ネックチューブ24内に挿入される第1挿入部20dとを備えている。基部20aの途中部には、当該基部20aの一部が蛇腹(ベローズ)状に加工された部分からなる振動吸収部20bが設けられている。この振動吸収部20bは、弾性変形(伸縮)することにより冷凍機11において発生した振動が磁場発生部2(ネックチューブ24)に伝達するのを抑制する。第1挿入部20dは、ネックチューブ24内に挿入可能となるように基部20a及び第1冷却段11aよりも小さな直径寸法を有している。この第1挿入部20dの外側面と前記取付部材本体16の筒状部16aの内側面との間には、筒状の第1接続部23が設けられ、この第1接続部23によって第1本体部20と筒状部16aとの間に第1室S1が形成されている。この第1室S1は、前記排出ポート16dに連通し、基部20aに形成された連通孔20cを介して第1本体部20の内側のスペースにも連通している。
【0046】
図8は、図2の内側接触部を示す平面断面図である。
【0047】
図2及び図8を参照して、内側接触部21は、第1本体部20の第1挿入部20dとネックチューブ24とを熱的に接続する。具体的に、内側接触部21は、熱伝導性の良好な材質(例えば、BeCu、リン青銅等)からなり、第1挿入部20dの外側面に固定された接触部本体21aと、この接触部本体21aの外側面から突出する多数の接触フィン21bとを備えている。各接触フィン21bは、ネックチューブ24の内側面に接触することにより弾性変形して、当該ネックチューブ24の内側面に対する接触面積を有効に確保する。なお、図8では、接触フィン21bを接触部本体21aの外側にのみ設けた内側接触部21について説明したが、図9に示すように内外両側に接触フィンを設けた内側接触部21とすることもできる。具体的に、図9に示す内側接触部21は、接触部本体21cと、この接触部本体21cの外側面から突出する多数の外側フィン21dと、接触部本体21cの内側面から突出する多数の内側フィン21eとを備えている。各内側フィン21eは、接触部本体21cを第1挿入部20dの外側に嵌めることにより弾性変形して、当該第1挿入部20dの外側面に対する接触面積を有効に確保する。また、各外側フィン21dは、ネックチューブ24の内側面に接触することにより弾性変形して、当該ネックチューブ24の内側面に対する接触面積を有効に確保する。なお、前記接触フィン21b、外側フィン21d、内側フィン21eは、本実施形態の振動吸収部の一例を構成する。つまり、各フィン21b、21d、21eは、冷凍機11から伝達する振動を吸収可能な弾性率を有している。
【0048】
そして、内側接触部21は、図2に示すように、熱シールド8の外側接触部8aが接触するネックチューブ24の一部に対し内側から接触する位置に配設されている。したがって、冷凍機11の第1冷却段11aに熱的に接続された内側接触部21からの冷熱は、ネックチューブ24を介して熱シールド8に伝達する。これにより、熱シールド8は、冷凍機11の第1冷却段11aに対応する温度まで冷却されるため、この熱シールド8によって覆われた液体ヘリウム槽7に対する外部からの熱侵入が抑制される。
【0049】
図2及び図4を参照して、第2冷却部材15は、その一部がネックチューブ24内に挿入され、当該ネックチューブ24内のヘリウムガスを再凝縮するためのものである。具体的に、第2冷却部材15は、前記第1冷却部材14の第1本体部20の内側位置で冷凍機11から先端側(図の下側)に延びる筒状の部材であり、アルミニウムからなる。第2冷却部材15は、冷凍機11の第2冷却段11bに熱的に接続された筒状の基部15aと、この基部15aから先端側に延びるとともに前記ネックチューブ24内に挿入される第2挿入部15bとを備えている。この第2挿入部は、ネックチューブ24内に挿入可能となるように基部15aよりも小さな直径寸法を有している。
【0050】
前記第2挿入部15bの外側面と前記第1挿入部20dの先端部との間には、筒状の第2接続部22が設けられ、この第2接続部22によって第1本体部20と第2冷却部材15との間に第2室S2が形成されている。この第2室S2は、前記第1本体部20に形成された連通孔20cを介して、第1本体部20と筒状部16aとの間に形成された第1室S1と連通するため、排出ポート16dから筒状部16a内の気体を排出することにより、図4に点描で示す室内に負圧を形成することができる。したがって、第1冷却部材14に対する外部からの熱侵入を抑制することができるとともに、この第1冷却部材14の内側に位置する第2冷却部材に対する外部からの熱侵入も抑制することができる。特に、本実施形態では、ネックチューブ24の外側(上側)に位置して、室温の環境下に置かれる部分にも室S1が形成されているため、この部分に対する熱侵入を抑制することにより、液体ヘリウムの再凝縮及び熱シールド8の冷却を有効に行うことができる。なお、第1室S1に負圧を形成する際に、当該第1室S1内に断熱部材(例えば、Super Insulation)を挿入することとすれば、第1本体部20に対する熱侵入をより有効に抑制することができる。
【0051】
以下、前記NMR分析装置1による熱侵入の抑制作用について、図5及び図6を参照して説明する。図5は、液体ヘリウム槽7からネックチューブ24の先端部までの高さ位置と温度との関係を示す概略図である。図6は、内側接触部21を有する本実施形態に係るNMR分析装置と内側接触部を有しない比較例とにおける各部の温度を示す表である。
【0052】
図5及び図6を参照して、外側接触部8aが接触する部分におけるネックチューブ24の温度は、本実施形態に係る構成の方が比較例よりも低くなる。また、熱シールド8の温度T1も、本実施形態に係る構成の方が比較例よりも低くなる。そして、液体ヘリウム槽7の温度T2は、本実施形態に係る構成及び比較例において約4.2Kで同等である。
【0053】
その結果、次のようなことが起きる。
【0054】
ヘリウム槽7に対する外部からの熱侵入は、図5に示すように、外側接触部8aからネックチューブ24や構造部材を経由してヘリウム槽7に入る熱伝導分Q1と、熱シールド8から液体ヘリウム槽7に入る輻射熱伝達分Q2とに大別できる。ここで、熱伝導分Q1は、外側接触部8aと液体ヘリウム槽7との温度差が大きいほど大きくなる。同様に、輻射熱伝達分Q2は、熱シールド8と液体ヘリウム槽7との温度差が大きいほど大きくなる。したがって、ヘリウム槽7に対する外部からの熱侵入は、本実施形態に係る構成に比べて、比較例の方が大きくなる。
【0055】
以上のように、本実施形態に係るNMR分析装置1においては、内側接触部を有しない比較例と比べて、液体ヘリウム槽7に対する外部からの熱侵入を有効に抑制できていることが分かる。
【0056】
以上説明したように、前記実施形態に係るNMR分析装置1によれば、冷凍機11の第1冷却段11aに熱的に接続された内側接触部21をネックチューブ24の内側に接触させることにより、ネックチューブ24だけでなく熱シールド8もネックチューブ24を介して冷却することができる。したがって、前記NMR分析装置1によれば、ネックチューブ24及び熱シールド8が前記のように冷却されることにより、液体ヘリウム槽7に対する外部からの熱侵入(前記熱伝導分Q1及び輻射熱伝達分Q2)を抑制することができるので、従来設けられていた液体窒素槽を省略して装置全体の小型化を図りつつ液体ヘリウム槽7に対する熱侵入を抑制することができる。
【0057】
しかも、前記NMR分析装置1では、冷凍機11自体をネックチューブ24内に挿入するのではなく、冷凍機11と熱的に接続された第1冷却部材14の第1挿入部20dをネックチューブ24内に挿入することとしているため、ネックチューブ24の太さに合わせて第1冷却部材14を形成すれば、ネックチューブ24の太さを変更することなく既存のネックチューブ24に対して取付可能な再凝縮装置3を提供することができる。したがって、前記再凝縮装置3によれば、既存のネックチューブ24の内径を広げずに再凝縮装置3を適用することができるので、外部から熱侵入をうけるネックチューブ24の面積を拡大することなく、熱シールド8を冷却することが可能となる。
【0058】
さらに、前記NMR分析装置1では、冷凍機11により冷却される熱シールド8の外側に熱シールド9を設けているため、この熱シールド9によって熱シールド8に対する外部からの熱侵入をも抑制することができる。
【0059】
前記実施形態のように、第1冷却部材14の内側を通して第2冷却部材15をネックチューブ24内に挿入する構成によれば、既存のネックチューブ24の内径を広げずに、当該ネックチューブ24内に第1冷却部材14及び第2冷却部材15の双方を挿入することができる。しかも、前記実施形態では、第1冷却部材14の内側に第2冷却部材15が配設されているため、この第1冷却部材14によって第2冷却部材15に対する外部からの熱侵入を抑制することができ、当該熱侵入に起因する再凝縮の効率の低下を抑えることができる。
【0060】
前記実施形態のように、第1本体部20のうちネックチューブ24の外部に配置される部分を覆う取付部材本体16及び第1接続部23(室形成部材の一例)と、第1冷却部材14との間の第1室S1に負圧が形成される構成によれば、第1室S1内の気体を介した熱伝達が抑制されるため、取付部材本体16及び第1接続部23に覆われた部分における第1冷却部材14に対する外部からの熱侵入を抑制することができる。特に、取付部材本体16及び第1接続部23は、第1冷却部材14のうちのネックチューブ24の外部に配置される部分を覆うため、第1冷却部材14のうちネックチューブ24の外部に配置された部分に対する外側(つまり室温環境)からの熱侵入を有効に抑制することができる。
【0061】
前記実施形態のように第1冷却部材14と第2冷却部材15との間の第2室S2(図4参照)に負圧が形成される構成によれば、第2室S2内の気体を介した熱伝達が抑制されるため、第1冷却部材14と第2室S2との双方によって第2冷却部材15に対する熱侵入を有効に抑制することができる。
【0062】
前記実施形態のように、取付部材本体16に排出ポート16dを形成するとともに第1本体部20に連通孔20cを形成した構成によれば、第1室S1と第2室S2とが連通孔20cを介して連通しているため、排出ポート16dから第1室S1内の気体を排出することにより、室S1、S2内に負圧を形成することができる。
【0063】
前記実施形態のように、第1本体部20に振動吸収部20bを設けた構成、又は、内側接触部21が弾性変形可能な接触フィン21b、21d、21eを有する構成によれば、振動吸収部20b又は接触フィン21b、21d、21eにより、冷凍機11で発生した振動が内側接触部21を介してネックチューブ24に伝達するのを抑制することができるため、超伝導磁石5による静磁場に対して振動が与える影響を抑えることができ、分析精度の低下を抑制することができる。
【0064】
なお、前記実施形態では、図4に示すように取付部材本体16と第1冷却部材14とを接続する第1接続部23によって、第1冷却部材14と取付部材本体16との間に第1室S1を形成することとしているが、図7に示すように第1接続部23を省略することもできる。
【0065】
具体的に、図7に示す構成では、内側接触部21がネックチューブ24と第1挿入部20dとの間の気体の流通を遮断するシール部材からなる。このように構成することにより、内側接触部21よりも上のスペースを前記第1室S1として利用することができるため、前記第1接続部23を省略することが可能となる。
【0066】
前記のようなシール性をもつ内側接触部21を構成する部材として、周知のシール部材を利用することもできるが、より高い熱伝導性を確保するために以下のような構成を採用することができる。例えば、比較的融点の低い材料(例えば、ガリウム:融点32℃)をネックチューブ24と第1本体部20との間に固体の状態で配置し、この材料を融解させて凝固させる。これにより、ネックチューブ24と第1本体部20との間の気体の流通を遮断することができる。なお、前記材料としてインジウム(融点156℃)を採用することもできる。また、図8及び図9で説明した内側接触部21の各フィン21b、21d、21eの間に前記材料を固体の状態で配置し、これを融解、凝固させてもよい。
【0067】
また、前記実施形態では、ステンレスからなるネックチューブ24、25について説明したが、熱シールド8の外側接触部8aに接触する部分をより熱伝導性の高い材料(例えば、銅)で構成することもできる。
【0068】
さらに、前記実施形態では、1本の筒状部材からなる第2冷却部材15について説明したが、第2冷却部材を2本の筒を内外2重に配置した構成とすることもできる。このようにすれば、内側の管内のヘリウムガスの流動、及び、内側の管と外側の管との間のヘリウムガスの流動がそれぞれ一方通行となって、第2冷却部材内の熱伝達の効率が向上することができる。
【0069】
また、前記実施形態では、熱シールド8の外側接触部8aが接触するネックチューブ24の一部に対し内側から内側接触部21を接触させているが、内側接触部21は、熱シールド9の外側接触部9aの高温側端部(図2の上側端部)と熱シールド8の外側接触部8aの低温側端部(図2の下側端部)との間においてネックチューブ24に対し内側から接触すれば、熱シールド8、9の少なくとも一方を冷却することにより液体ヘリウム槽7に対する熱侵入を抑制することができる。
【0070】
また、内側接触部21によって熱シールド8、9の外側接触部8a、9aの双方を冷却するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
S1 第1室
S2 第2室
1 NMR分析装置
2 磁場発生部
5 超伝導磁石
7 液体ヘリウム槽
24、25 ネックチューブ
8、9 熱シールド(被覆部材)
8a、9a 外側接触部
11 冷凍機
11a 第1冷却段
11b 第2冷却段
14 第1冷却部材
15 第2冷却部材
16 取付部材本体(室形成部材の一例)
16d 排出ポート
20b 振動吸収部
20c 連通孔
20d 第1挿入部
21 内側接触部
23 第2接続部(室形成部材の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超伝導磁石及び前記超伝導磁石を冷却するための液体ヘリウムを収納する液体ヘリウム槽と、この液体ヘリウム槽から上に突出するネックチューブと、前記液体ヘリウム槽を外側から覆うとともに前記ネックチューブに対して外側から熱的に接触する外側接触部を有する被覆部材とを備えた磁場発生部に設けられ、前記液体ヘリウムの再凝縮を行うための再凝縮装置であって、
第1冷却段及びこの第1冷却段よりも低温となる第2冷却段を有する冷凍機と、
前記第2冷却段に熱的に接続されるとともに、少なくとも一部が前記ネックチューブに挿入されて前記液体ヘリウムの再凝縮を行う第2冷却部材と、
前記第1冷却段に熱的に接続されるとともに、少なくとも一部が前記ネックチューブに挿入される第1冷却部材とを備え、
前記第1冷却部材は、前記ネックチューブに挿入可能となる直径寸法を有する第1挿入部と、この第1挿入部の外側面に設けられ、前記ネックチューブの一部に対し内側から接触することにより前記被覆部材を冷却する内側接触部とを有することを特徴とする再凝縮装置。
【請求項2】
前記第1冷却部材は、筒状に形成され、
前記第2冷却部材は、前記第1冷却部材の内側を通って前記ネックチューブ内に挿入可能な直径寸法を有することを特徴とする請求項1に記載の再凝縮装置。
【請求項3】
前記第1冷却部材のうち、前記ネックチューブの外部に配置される部分を外側から覆うことにより、前記第1本体部との間に第1室を形成する室形成部材をさらに備え、
前記第1室内には、負圧が形成されることを特徴とする請求項2に記載の再凝縮装置。
【請求項4】
前記第1冷却部材と第2冷却部材との間には、前記第1冷却部材の外部から隔離された第2室が形成され、
前記第2室内には、負圧が形成されることを特徴とする請求項3に記載の再凝縮装置。
【請求項5】
前記室形成部材は、前記第1室内の気体を排出可能な排出ポートを有し、
前記第1冷却部材には、前記第1室と第2室とを連通させる連通孔が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の再凝縮装置。
【請求項6】
前記第1冷却部材は、前記冷凍機から前記内側接触部へ向けて伝達する振動を吸収する振動吸収部を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の再凝縮装置。
【請求項7】
超伝導磁石による静磁場を利用して被検体の分析を行うNMR分析装置であって、
前記超伝導磁石及び前記超伝導磁石を冷却するための液体ヘリウムを収納する液体ヘリウム槽と、
この液体ヘリウム槽から上に突出するネックチューブと、
前記液体ヘリウム槽を外側から覆うとともに前記ネックチューブに対して外側から熱的に接触する外側接触部を有する被覆部材と、
前記ネックチューブに設けられ、前記液体ヘリウムの再凝縮を行う請求項1〜6の何れか1項に記載の再凝縮装置とを備え、
前記再凝縮装置の第1冷却部材は、前記ネックチューブに挿入可能となる直径寸法を有する第1挿入部と、この第1挿入部の外側面に設けられ、前記ネックチューブの一部に対し内側から接触することにより前記被覆部材を冷却する内側接触部とを有することを特徴とするNMR分析装置。
【請求項8】
前記被覆部材は、前記液体ヘリウム槽を外側から覆うとともに前記ネックチューブに対して外側から熱的に接触する第2外側接触部を有する第2被覆部材と、この第2被覆部材を外側から覆うとともに前記ネックチューブに対して熱的に接触する第1外側接触部を有する第1被覆部材とを備え、
前記内側接触部が前記ネックチューブに接触する位置は、前記第1外側接触部の高温側端部と前記第2外側接触部の低温側端部との間であることを特徴とする請求項7に記載のNMR分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−2411(P2012−2411A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136897(P2010−136897)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)