説明

再生方法、記録・再生方法、及び再生装置、記録・再生装置

【課題】 本発明は、照射すべき光の強度設定を行いながら、光記録媒体に対して情報の記録や再生を行う再生方法、記録・再生方法、及び再生装置、記録・再生装置に関し、最適記録パワーや最適再生パワー更新の際の処理時間を短縮することを目的とする。
【解決手段】 光記録媒体の複数の領域において第1の試し書きを行い、その第1の試し書きの結果に応じて複数の領域に照射すべき記録光強度を個別に設定する第1の記録光強度設定手順と、第1の記録光強度設定手順の実行後に、複数の領域のうち一部の領域で第2の試し書きを行い、その第2の試し書きの結果に基づいて、第1の記録光強度設定手順により設定された記録光強度を個別に更新する第2の記録光強度設定手順と、設定または更新された記録光強度で、光記録媒体に情報を記録する記録手順とを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照射すべき光の強度設定を行いながら、光記録媒体に対して情報の記録や再生を行う再生方法、記録・再生方法、及び再生装置、記録・再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高密度にデータの蓄積ができ、かつ高速に情報処理が可能な光ディスクはオーディオや画像用途、さらにはコンピュータの外部メモリとして注目されている。このコンピュータの外部メモリのうち情報の書換えが可能である光磁気ディスクと、そのドライブ装置(記録再生装置)とからなるシステムは、急速に普及が進んでいる。
【0003】この記録再生装置による記録は、回転制御された光磁気ディスクに高い周波数で変調された記録用光ビームを照射し、光スポットの中心で一時的に加熱された微小な領域に記録マークを形成している。再生は、回転制御された光磁気ディスクに比較的低い強度である再生用光ビームを照射し、記録マークの有無に応じて変化するその光ビームの反射光を検出することで実現する。
【0004】一般に、記録再生装置では、光磁気ディスクの回転速度は一定値に制御される。この場合、光磁気ディスクと光スポットとの相対速度がディスクの半径位置によって変わってしまうので、記録または再生の対象となった領域が光磁気ディスクの外周側に位置するときには光ビームの強度を高くし、一方、その領域が光磁気ディスクの内周側に位置するときには光ビームの強度を低くするというように、照射位置に応じて光ビームの強度を変えている。これにより、光磁気ディスク上の位置に依らず、同じ条件で記録または再生が行える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光磁気ディスクは、製造のばらつきによってそれぞれ記録や再生の感度が異なる。つまり、記録再生装置側からいえば、個々の光磁気ディスクによって、適正な形状で記録マークを形成できる光ビームの強度(最適記録パワー)や、適正に記録マークを検出できる光ビームの強度(最適再生パワー)、さらには半径位置によるこれら最適パワーの傾向が異なる。
【0006】従って、記録再生装置では、装填された光磁気ディスク毎に最適記録パワーや最適再生パワーを調べ、それらパワーが半径位置によりどれだけ異なるかを計測する必要がある。実際には、これら最適パワーとその傾向は、異なる半径位置の複数のテスト領域において試験的に記録する(試し書き)したり、試験的に再生する(試し読み)ことによって取得される。
【0007】しかし、記録や再生の感度は、光磁気ディスク固有であるだけでなく環境温度の変化によっても変化する。例えば、作動中の記録再生装置とそれに装填されたばかりの光磁気ディスクとの温度差は約10℃となることもあり、特にその後光磁気ディスクが暖まって温度が定常的になるまでの間は、光磁気ディスクの記録感度や再生感度が、光ビームの強度にして5%も変化する。
【0008】したがって、光磁気ディスクの感度に追従するためには、記録ディスクの装填直後および、一定時間毎、または温度変化が認められる度に、記録パワーおよび再生パワーを設定し直す必要がある。これらの設定は、温度変化の影響を受けやすい光磁気ディスクに合わせて比較的短い時間間隔や、小さい温度変化毎に頻繁に行われることが望ましい。
【0009】ところが、上記説明したようにパワー設定では、複数の領域毎にヘッドの移動や計測結果の評価等かなり煩雑な処理を行っているため、記録再生装置はユーザの指示の下で行うべき記録や再生の動作を一定時間中断することになる。このような中断が頻繁に起きれば、データ転送レートの低下、即ち装置の性能低下は避けられない。
【0010】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、最適記録パワーや最適再生パワー更新の際の処理時間を短縮する再生方法、記録・再生方法、及び再生装置、記録・再生装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、光記録媒体の複数の領域において第1の試し読みを行い、その第1の試し読みの結果に応じて複数の領域に照射すべき再生光強度をそれぞれ設定する第1の再生光強度設定手順と、第1の再生光強度設定手順の実行後に、複数の領域のうち一部の領域で第2の試し読みを行い、その第2の試し読みの結果に基づいて、第1の再生光強度設定手順により設定された再生光強度をそれぞれ更新する第2の再生光強度設定手順と、設定または更新された再生光強度で、光記録媒体から情報を再生する再生手順とを含むことを特徴とする。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の再生方法において、光記録媒体は、光ディスクであり、複数の領域は、光記録媒体の異なる半径位置に存在し、第1の再生光強度設定手順では、第1の試し読みの結果に応じて、複数の領域と、それら複数の領域以外の光記録媒体の各領域とに照射すべき再生光強度をそれぞれ設定することを特徴とする。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の再生方法において、第2の再生光強度設定手順では、一部の領域に照射すべき再生光強度の変化率を求め、第1の再生光強度設定手順で設定された再生光強度を、その変化率に応じて変化させた値に更新することを特徴とする。請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の再生方法において、第2の再生光強度設定手順が実行されるのは、第1の再生光強度設定手順が実行されてから所定時間が経過したとき、または第1の再生光強度設定手順が実行されてから光記録媒体の温度変化が所定値を超えたときであることを特徴とする。
【0014】請求項5に記載の発明は、光記録媒体の複数の領域において第1の試し書きおよび第1の試し読みを行い、その第1の試し書きの結果に応じて複数の領域に照射すべき記録光強度をそれぞれ設定し、第1の試し読みの結果に応じて複数の領域に照射すべき再生光強度をそれぞれ設定する第1の光強度設定手順と、第1の光強度設定手順の実行後に、複数の領域のうち一部の領域で第2の試し書きを行い、その第2の試し書きの結果に基づいて、第1の光強度設定手順により設定された記録光強度および再生光強度をそれぞれ更新する第2の光強度設定手順と、設定または更新された記録光強度で光記録媒体に情報を記録し、設定または更新された再生光強度で光記録媒体から情報を再生する記録・再生手順とを含むことを特徴とする。
【0015】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の記録・再生方法において、光記録媒体は、光ディスクであり、複数の領域は、光記録媒体の異なる半径位置に存在し、第1の光強度設定手順では、第1の試し書きの結果に応じて、複数の領域と、それら複数の領域以外の光記録媒体の各領域とに照射すべき記録光強度をそれぞれ設定し、第1の試し読みの結果に応じて、複数の領域と、それら複数の領域以外の光記録媒体の各領域とに照射すべき再生光強度をそれぞれ設定することを特徴とする。
【0016】請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載の記録・再生方法において、第2の光強度設定手順では、一部の領域に照射すべき記録光強度の変化率を求め、第1の記録光強度設定手順で設定された記録光強度と、第1の再生光強度設定手順で設定された再生光強度とを、変化率に応じて変化させた値に更新することを特徴とする。
【0017】請求項8に記載の発明は、請求項5〜請求項7の何れか1項に記載の記録・再生方法において、第2の光強度設定手順が実行されるのは、第1の光強度設定手順が実行されてから所定時間が経過したとき、または第1の記録光強度設定手順が実行されてから光記録媒体の温度変化が所定値を超えたときであることを特徴とする。
【0018】請求項9に記載の発明は、光記録媒体の複数の領域において第1の試し読みを行い、その第1の試し読みの結果に応じて複数の領域に照射すべき再生光強度をそれぞれ設定する第1の再生光強度設定手段と、第1の再生光強度設定手段の動作後に、複数の領域のうち一部の領域で第2の試し読みを行い、その第2の試し読みの結果に基づいて、第1の再生光強度設定手段により設定された再生光強度をそれぞれ更新する第2の再生光強度設定手段と、設定または更新された再生光強度で、光記録媒体から情報を再生する再生手段とを含むことを特徴とする。
【0019】請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の再生装置において、光記録媒体は、光ディスクであり、複数の領域は、光記録媒体の異なる半径位置に存在し、第1の再生光強度設定手段では、第1の試し読みの結果に応じて、複数の領域と、それら複数の領域以外の光記録媒体の各領域とに照射すべき再生光強度をそれぞれ設定することを特徴とする。
【0020】請求項11に記載の発明は、請求項9または請求項10に記載の再生装置において、第2の再生光強度設定手段では、一部の領域に照射すべき再生光強度の変化率を求め、第1の再生光強度設定手段で設定された再生光強度を、その変化率に応じて変化させた値に更新することを特徴とする。請求項12に記載の発明は、請求項9〜請求項11の何れか1項に記載の再生装置において、第2の再生光強度設定手段が動作するのは、第1の再生光強度設定手段が動作してから所定時間が経過したとき、または第1の再生光強度設定手段が動作してから光記録媒体の温度変化が所定値を超えたときであることを特徴とする。
【0021】請求項13に記載の発明は、光記録媒体の複数の領域において第1の試し書きおよび第1の試し読みを行い、その第1の試し書きの結果に応じて複数の領域に照射すべき記録光強度をそれぞれ設定し、第1の試し読みの結果に応じて複数の領域に照射すべき再生光強度をそれぞれ設定する第1の光強度設定手段と、第1の光強度設定手段の動作後に、複数の領域のうち一部の領域で第2の試し書きを行い、その第2の試し書きの結果に基づいて、第1の光強度設定手段により設定された記録光強度および再生光強度をそれぞれ更新する第2の光強度設定手段と、設定または更新された記録光強度で光記録媒体に情報を記録し、設定または更新された再生光強度で光記録媒体から情報を再生する記録・再生手段とを含むことを特徴とする。
【0022】請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の記録・再生装置において、光記録媒体は、光ディスクであり、複数の領域は、光記録媒体の異なる半径位置に存在し、第1の光強度設定手段では、第1の試し書きの結果に応じて、複数の領域と、それら複数の領域以外の光記録媒体の各領域とに照射すべき記録光強度をそれぞれ設定し、第1の試し読みの結果に応じて、複数の領域と、それら複数の領域以外の光記録媒体の各領域とに照射すべき再生光強度をそれぞれ設定することを特徴とする。
【0023】請求項15に記載の発明は、請求項13または請求項14に記載の記録・再生装置において、第2の光強度設定手段では、一部の領域に照射すべき記録光強度の変化率を求め、第1の記録光強度設定手段で設定された記録光強度と、第1の再生光強度設定手段で設定された再生光強度とを、変化率に応じて変化させた値に更新することを特徴とする。
【0024】請求項16に記載の発明は、請求項13〜請求項15の何れか1項に記載の記録・再生装置において、第2の光強度設定手段が動作するのは、第1の光強度設定手段が動作してから所定時間が経過したとき、または第1の記録光強度設定手段が動作してから光記録媒体の温度変化が所定値を超えたときであることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。先ず、本発明に係る第1実施形態を、図1〜図8に基づいて説明する。本第1実施形態は、請求項1〜4、9〜12に対応する。図1は、本第1実施形態における記録再生装置の主な構成を示す図である。この記録再生装置は、光ヘッド11、レーザダイオード駆動回路(LD駆動回路)13、記録波形生成回路12、再生回路16、制御部14、記憶部15、温度センサ17、図示されない磁界発生回路等を備える。
【0026】光ヘッド11は、レーザダイオード、光学系(レンズ、回折格子等)、光検出素子等を搭載する。記録および再生時にレーザダイオードから出射される光は集光され、回転制御された光ディスクのトラック上に記録用または再生用の光ビームを照射する。また、光ヘッド11は、再生時に光ビームの反射光をその偏光角に応じた電気信号に変換した後再生回路16に与える。
【0027】再生回路16は、光ヘッド11から得られる電気信号を増幅し、A/D変換を行うことによって再生データを生成する。記録波形生成回路12は、記録時に制御部14が出力する記録信号に応じて記録波形を生成し、その波形をLD駆動回路13に出力する。この記録波形は、記録信号のデータビット列の”1””0”に応じて生成され、記録用光ビームのパワーレベルが変化するタイミングを規定するタイミング波形である。
【0028】LD駆動回路13は、記録波形が示すタイミングおよびレベルに応じて光ヘッドに搭載されたレーザダイオードを駆動する。具体的には、制御部14により設定される記録波形の各レベルに対応した電流値を、記録波形が示すタイミングでレーザダイオードに与える。なお、再生時には、レーザダイオードを定常的に駆動して、連続光を出射させる。
【0029】記憶部15には、記録・再生の制御プログラムが格納され、本第1実施形態の記録再生方法を実現するプログラムは、例えば、図4に示す手順を含む。制御部14は、ホストコンピュータからの指示に従って、記憶部15に格納された記録・再生プログラムに基づく各部の制御を行い、記録再生装置の諸機能を実現する。
【0030】制御部14の制御態様については、記録時には、光ヘッド11と光ディスクの相対位置を制御し、光ヘッド11の出射口を指定領域に正対させる。そして、記録信号を記録波形生成回路12に与えると共に、LD駆動回路13が光ヘッド11に与えるべき電流値を記録用の値に設定する。この記録時には、図示されない磁界発生回路を駆動することにより、光ディスクに記録用の磁界を印加する。
【0031】一方、再生時には、LD駆動回路13が光ヘッド11に与えるべき電流値を再生用の値に設定することにより、光ビームの強度を記録時と比べて低く設定する。そして、通常の再生時には、再生回路16から得られた再生データのエラー訂正を行い、復元された情報をホストコンピュータに出力する。なお、MSRの技術が適用された光磁気ディスクの再生時には、図示されない磁界発生回路を駆動して光磁気ディスクにMSR再生用の磁界を印加する。
【0032】温度センサ17は、例えば、光ディスク10の表面に対面して備えられた放射温度センサであり、記録再生時には光ディスク10の温度を監視し、監視した温度値を制御部14に与える。なお、この再生装置に装填される光ディスクとしては、図2、図3に示すようなMSRの技術が適用された光磁気ディスク10が挙げられる。
【0033】光磁気ディスク10は、図2上部に示すように、基板41上に、下部保護膜50、再生層51、転写層52、切断層55、メモリー層53、上部保護膜54を順に成膜してなる。このうち再生層51、転写層52、切断層55、メモリー層53の4層は、磁性膜であり、下部保護膜50と上部保護膜54とはこれら3層を保護する誘電体膜である。
【0034】メモリー層53は、情報を記録する機能を有する垂直磁化膜であり、比較的高い保磁力を有する。再生層51は、再生時にメモリー層53の情報が転写される垂直磁化膜であり、比較的保磁力は低い。
【0035】転写層52は、室温で面内磁化しているが、室温から温度を上昇させた場合に垂直磁化し始める。切断層55は、メモリー層53から再生層51への情報の転写を適宜阻止する層であり、上記転写層52が垂直磁化し始める温度よりさらに高い温度でキュリー温度に達する。
【0036】この構成によると、再生時に、基板41側から照射され、かつMSR再生用の磁界が印加されると、図2下部に示すように、スポット33内の低温領域37および高温領域35にダブルマスクを形成することが可能である。また、この光磁気ディスク10には、ユーザ領域とは別に、試し書きや試し読みを行うための領域であるテスト領域が用意される。図3に示すように、テスト領域としては、例えば、半径位置23.2mm付近のテスト領域T1と、半径位置31.0mm付近のテスト領域T2と、半径位置39.5mm付近のテスト領域T3との3つがある。
【0037】このテスト領域は、試し書き用テスト領域と試し読み用テスト領域とからなり、例えば、テスト領域の前半部分が試し書き用テスト領域、後半部分が試し読み用テスト領域というように、予めその割り当ては決められている。このうち試し読み用テスト領域には、テストパターンが形成されている。このテストパターンは、例えば、0.38(μm)の長さの記録マークと0.38(μm)の非記録部(スペース)とが交互に並ぶものであり、再生パワーが適正であるか否か、即ち、光ビームの照射面であるスポット33(図2下部参照)内の開口部(中温領域36)の大きさが適正か否かを確実に判定するために、この記録マークまたは非記録部の長さは、スポット径の1/2以下となっている。
【0038】なお、予め、ディスクの所定位置にはこれらのテスト領域T1、T2、T3の位置を示すアドレス信号が記録されているので、記録再生装置が光ヘッド11をこれらのテスト領域に正対する位置まで移動させることが可能となっている。
【0039】図4は、記録再生装置における制御部14の動作フローチャートである。制御部14は、次のようにして記録および再生を行う。先ず、光磁気ディスク10が装填されたことを認識すると(図4S1)、記録パワーおよび再生パワーの初期設定を行う(図4S2〜S5)。その後、通常の記録再生動作(図4S14)に移るが、温度センサ17が監視する光磁気ディスク10の温度変化が所定値より上回った時点で、初期設定された記録パワーや再生パワーを更新する(図4S7〜S12)。
【0040】ここでは、初期設定が行われた時点の光磁気ディスク10の温度が25℃であり、その後温度が上昇し、温度変化が5℃を超えた時点で更新が行われた場合を例として説明する。
(再生パワーおよび記録パワーの初期設定)再生パワーの初期設定では、図3に示したテスト領域T1〜T3全てにおいて試し読みを行う。この試し読みは、再生パワーを変化させながら複数回ずつ行われ、各テスト領域、各回毎に、再生信号のエラーレートが取得される(図4S2)。
【0041】次いで、各テスト領域について、再生信号のエラーレートが許容される値となる再生パワーの範囲を求め、最適再生パワーとしてその範囲の中心値を各テスト領域毎に取得する。さらに、各テスト領域の最適再生パワーから、光磁気ディスク10上を内周から外周にN(例えば、N=20)分割したゾーン1〜N各々についての最適再生パワーを求め、記憶部15に格納する(図4S3)。
【0042】図5(1)および図5(3)上段は、このようにして格納された各ゾーンの最適再生パワーを示しているが、最内周のゾーン1、半径位置31.0(mm)付近のゾーンi、最外周のゾーンNに対しては、それぞれテスト領域T1、T2、T3の最適再生パワーがそのまま格納され(斜線部)、その他のゾーンには近似的に求めた値が格納される。これらの値は、例えば、図5R>5(1)に示すように、テスト領域T1、T2、T3の最適再生パワーの値を通過する曲線(a)上の値とされる。
【0043】記録パワーの初期設定も略同様に行われれる。即ち、図3に示したテスト領域T1〜T3の全てにおいて試し書きを行う。この試し書きは、記録パワーを変化させながら複数回ずつ行われ、各テスト領域、各回毎に再生信号のエラーレートが取得される(図4S4)。なお、この試し書きでは、所定の情報である基準情報を記録する。このとき記録用光ビームは通常の記録と同様の方法で変調されており、例えば、図6〜8の何れかの波形を示す。因みに、図6(2)以降に示した波形は、光ディスク10に形成される記録マークの形状を整えることを目的としており、データ”1”を書込む高パワーレベルPH、またはデータ”0”を書込む低パワーレベルPLとを更に細かく変調している。
【0044】次いで、各テスト領域について、再生信号のエラーレートが許容される値となるような記録パワーの範囲を求め、最適記録パワーとしてその範囲の中心値を取得する。さらに、各テスト領域の最適記録パワーから、光磁気ディスク10上を内周から外周にN分割したゾーン1〜N各々についての最適記録パワーを求め、記憶部15に格納する(図4S5)。
【0045】図5(1)および図5(2)上段は、このようにして格納された各ゾーンの最適記録パワーを示しているが、最内周のゾーン1、半径位置31.0(mm)付近のゾーンi、最外周のゾーンNに対しては、それぞれテスト領域T1、T2、T3の最適記録パワーがそのまま格納され(斜線部)、その他のゾーンには近似的に求めた値が格納される。これらの値は、例えば、図5R>5(1)に示すように、テスト領域T1、T2、T3の最適記録パワーの値を通過する曲線(b)上の値とされる。
【0046】つまり、初期設定では、最適再生パワーおよび最適記録パワーが、ゾーン1、ゾーンi、ゾーンNについては実際に計測され、その他のゾーンについてはその計測の結果から演算で求められる。
(再生パワーおよび記録パワーの更新)一方、上記設定した値の更新時には、最適再生パワー及び最適記録パワーの計測が単一のゾーンでしが行われない。
【0047】例えば、テスト領域T1を利用してゾーン1の最適再生パワーを求める(図4S7)。初期設定と同様に再生パワーを変化させながら試し読みを行ったところ、図5(3)下段の斜線で示すように、初期設定で2.50(mW)であったゾーン1の最適再生パワーは2.45(mW)に変化したことが分かったとする。
【0048】即ち、ゾーン1の最適再生パワーの変化率αは、α=2.45/2.50≒98.0%の式で求まる(図4S8)。そして、本第1実施形態では、ゾーン1を除くその他のゾーンの最適記録パワーも、この変化率αと同じだけ変化しているとみなす。つまり、この変化率αを初期設定された最適再生パワー(図5(3)上段)に乗算し、得られた積を全ゾーンの最適再生パワーとして更新する(図4S9)。
【0049】このように各ゾーン毎に更新された値は、図4(3)下段に示すとおりであり、図5(1)の曲線(c)上に並ぶことになる。すなわち、初期設定時に求めた最適再生パワーの半径位置による傾向はそのままとして、単一のゾーンでの計測で得られた最適再生パワーの変化率で、全ゾーンの最適再生パワーを更新する。
【0050】記録パワーの更新も同様に行われる。即ち、テスト領域T2のみで試し書きを行い(図4S10)、ゾーン1の最適記録パワーの変化率βを求める(図4S11)。
【0051】因みに、図5(2)では、この変化率βは、β=6.00/6.10≒98.4%となっている。次いで、この変化率βを、初期設定された最適記録パワー(図4(2)上段)に乗算し、全ゾーンの最適記録パワーを更新する(図4S12)(図4(2)下段、図4(1)(d))。
【0052】つまり、初期設定時に求めた最適記録パワーの半径位置による傾向はそのままとして、単一のゾーンでの計測で得られた最適記録パワーの変化率で、全ゾーンの最適記録パワーを更新する。要するに、本第1実施形態では、各設定値の更新では、単一のテスト領域でしか試し書きおよび試し読みが行われず、初期設定よりも短い時間でその更新が完了する。しかも、初期設定の時点で半径位置によるパワーの傾向が求められているため、全ゾーンの最適記録パワーと最適再生パワーとをその傾向を保ったまま確実に更新することができる。
【0053】したがって、装置の性能を低下させることなく最適記録パワーや最適再生パワー更新の際の処理時間が短縮され、装置のデータ転送レートの低下が抑えられる。なお、請求項と以上説明した第1実施形態との対応関係をいうと、第1の再生光強度設定手段、第2の再生光強度設定手段、再生手段、記録・再生手段には、主として制御部14が対応する。また、第1の再生光強度設定手順には制御部14のステップ2、3が対応し、第2の再生光強度設定手順には制御部14のステップ7、8、9が対応し、再生手順には制御部14のステップ14が対応する。
【0054】次に、本発明に係る第2実施形態を、図9R>9、図10に基づいて説明する。本第2実施形態は、請求項5〜8、13〜16に対応する。ここでは、第1実施形態との相違点についてのみ説明し、その他の部分については説明を省略する。図9は、本第2実施形態における制御部14の動作フローチャートである。本第2実施形態では、初期設定(図9S2〜S5)は第1実施形態と同様にして行われ、その結果設定された記録パワーおよび再生パワーは、図10(1)(2)の上段に示すとおりである。
【0055】更新時には、先ずテスト領域T1で試し書きを行い(図9S10)、ゾーン1の最適記録パワーの変化率βを求める(図9S11)。因みに、図10(2)では、この変化率βは、β=6.00/6.10≒98.4%となっている。次いで実行される図9のステップ20では、この変化率βを初期設定された最適記録パワー(図10(2)上段)に乗算し、全ゾーンの最適記録パワーを更新する(図10(2)下段、図10(1)(d))。
【0056】そして、本第2実施形態では、最適再生パワーも、最適記録パワーの変化率βと同じだけ変化しているとみなす。つまり、この変化率βを、初期設定された最適再生パワー(図10(3)上段)に乗算し、全ゾーンの最適再生パワーを更新する(図10(3)下段、図10(1)(c))。
【0057】要するに、本第2実施形態では、各設定値の更新では試し読みが全く行われることなく、再生パワーの更新値は演算によって求められる。したがって、上述した第1実施形態よりも短い時間でその更新が完了する。即ち、装置のデータ転送レートの低下がさらに抑えられる。ここで、図10(1)にも明らかなように、最適再生パワーよりも最適記録パワーの方が絶対値が大きいので、実際に計測される最適記録パワーの変化率は、比較的精度よく求められる。そして、この変化率の値をそのまま最適再生パワーに利用しても、所望の精度でその更新を行うことができる。
【0058】また、図9のステップ10、11が実行される時点での再生パワーは、光磁気ディスク10に所定の温度変化が生じる以前の値に設定されているはずである。したがって、試し書きの結果を得るための読み出しは、そのような更新前の古い再生パワー、即ち最適再生パワーからずれたパワーで行うことになる。
【0059】したがって、本第2実施形態では、この読み出しを確実に行うために、所定の温度変化により最適再生パワーがずれたとしても、そのずれは、高々、情報の読み出しが可能である範囲内に収まる程度であることが前提となっている。なお、請求項と以上説明した第2実施形態との対応関係をいうと、第1の光強度設定手段、第2の光強度設定手段、記録・再生手段には、主として制御部14が対応する。また、第1の光強度設定手順には制御部14のステップ2、3、4、5が対応し、第2の光強度設定手順には制御部14のステップ10、11、20が対応し、記録・再生手順には制御部14のステップ14が対応する。
【0060】なお、上記第2実施形態では、同じ環境変化の下における最適記録パワー(記録感度)の変化率と最適再生パワー(再生パワー)の変化率とを同じとみなしているが、これに限定されない。例えば、記録感度と再生感度との間での、環境変化による影響の受け方の相異を考慮するならば、予め、ある光磁気ディスクについて記録感度変化率と再生感度変化率を計測し、更新時にその相異に対応した補正を行えばよい。
【0061】なお、上記各実施形態では、温度変化分が所定値となった時点で記録パワーおよび再生パワーの更新を行っているが、一定時間間隔で同様の更新を行うこととしてもよい。この場合には、温度センサ17に代えてタイマーが備えられる。また、上記各実施形態では、環境温度に応じた感度変化率が光磁気ディスク上において一様であるとみなしており、全てのゾーンの最適パワーを所定ゾーンの最適パワーと同じ変化率で変化させているが、これに限定されない。例えば、光磁気ディスク上の位置によって、環境変化による影響の受け方の相異があることを考慮するならば、予め各ゾーンの感度変化率を計測しておき、更新時にその感度変化率のずれに対応した補正を行えばよい。
【0062】また、記録感度や再生感度の半径位置による傾向が環境変化によって変化することに適応するために、各設定値の更新時に2つのテスト領域で試し書きまたは試し読みを行ってその都度半径位置による傾向を大まかに求めることとしてもよい。この場合にも、更新の処理が初期設定時よりも短縮されるので効果が得られる。
【0063】上記各実施形態では、試し読みおよび試し書きで再生信号のエラーレートを計測しているが、再生信号の振幅を計測し、その振幅を基に再生信号の優劣を判断してもよい。なお、上記各実施形態では、MSRの技術が適用された光磁気ディスク10の記録再生についての例が挙げられているが、記録パワーに要求される精度が比較的厳しいダイレクトオーバーライト方式が適用された光磁気ディスクの記録再生に適用しても、所望の精度で記録パワーの更新を行うことができる。また、記録パワーや再生パワーの設定が必要な光ディスクであれば如何なる光ディスクに適用してもよい。さらに、これら光記録媒体の形状については、ディスク以外の形状であっても構わない。
【0064】
【発明の効果】上述したように請求項1に記載の発明では、試し読みの回数が少なくなることから、第1の再生光強度設定手順よりも第2の再生光強度設定手順の処理時間を短縮できる。請求項2に記載の発明は光ディスクの再生に関し、仮に、再生光が生じさせる温度分布が光ディスクの半径位置によって異なる場合にも、光ディスクの各領域に照射すべき再生光強度をそれぞれ設定できる。
【0065】請求項3に記載の発明では、複数の領域に照射すべき再生光強度を、一部の領域に照射すべき再生光強度の変化率に基づく所定の演算によって更新することができる。請求項4に記載の発明では、環境変化に依らず光記録媒体の再生感度に追従して、常に適正な再生を行うことができる。
【0066】請求項5に記載の発明では、試し書きの回数が少なくなり、かつ試し読みが省略されることから、第1の光強度設定手順よりも第2の光強度設定手順の処理時間を短縮できる。請求項6に記載の発明は光ディスクの記録・再生に関し、仮に、記録光および再生光が生じさせる温度分布が光ディスクの半径位置によって異なる場合にも、光ディスクの各領域に照射すべき記録光強度および再生光強度をそれぞれ設定できる。
【0067】請求項7に記載の発明では、複数の領域に照射すべき記録光強度および再生光強度を、一部の領域に照射すべき記録光強度の変化率に基づく所定の演算によって更新することができる。請求項8に記載の発明では、環境変化に依らず光記録媒体の記録感度や再生感度に追従して、常に適正な記録や再生を行うことができる。
【0068】請求項9〜請求項16に記載の発明は、請求項1〜請求項8に記載の発明を実現する装置を提供できる。そして、再生光強度や記録高強度の設定による装置の性能低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録再生装置の主な構成を示すブロック図である。
【図2】光磁気ディスク10の概念図である。
【図3】光磁気ディスク10のテスト領域を示す図である。
【図4】第1実施形態における制御部14の動作フローチャートである。
【図5】第1実施形態を説明する図である。
【図6】記録用光ビームのパワーの時間変化を示す図である。
【図7】記録用光ビームのパワーの時間変化を示す図である。
【図8】記録用光ビームのパワーの時間変化を示す図である。
【図9】第2実施形態における制御部14の動作フローチャートである。
【図10】第2実施形態を説明する図である。
【符号の説明】
11 光ヘッド
12 記録波形生成回路
13 レーザダイオード駆動回路(LD駆動回路)
14 制御部
15 記憶部
17 温度センサ
10 光磁気ディスク
31 トラック
33 スポット
34 蓄熱された領域
35 高温領域
36 中温領域
37 低温領域
38 記録マーク
41 基板
50 下部保護膜
51 再生層
52 転写層
53 メモリー層
54 上部保護膜
55 切断層
T1,T2,T3 テスト領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】 光記録媒体の複数の領域において第1の試し読みを行い、その第1の試し読みの結果に応じて前記複数の領域に照射すべき再生光強度をそれぞれ設定する第1の再生光強度設定手順と、前記第1の再生光強度設定手順の実行後に、前記複数の領域のうち一部の領域で第2の試し読みを行い、その第2の試し読みの結果に基づいて、前記第1の再生光強度設定手順により設定された再生光強度をそれぞれ更新する第2の再生光強度設定手順と、前記設定または前記更新された再生光強度で、前記光記録媒体から情報を再生する再生手順とを含むことを特徴とする再生方法。
【請求項2】 請求項1に記載の再生方法において、前記光記録媒体は、光ディスクであり、前記複数の領域は、前記光記録媒体の異なる半径位置に存在し、前記第1の再生光強度設定手順では、前記第1の試し読みの結果に応じて、前記複数の領域と、それら複数の領域以外の前記光記録媒体の各領域とに照射すべき再生光強度をそれぞれ設定することを特徴とする再生方法。
【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の再生方法において、前記第2の再生光強度設定手順では、前記一部の領域に照射すべき再生光強度の変化率を求め、前記第1の再生光強度設定手順で設定された再生光強度を、その変化率に応じて変化させた値に更新することを特徴とする再生方法。
【請求項4】 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の再生方法において、前記第2の再生光強度設定手順が実行されるのは、前記第1の再生光強度設定手順が実行されてから所定時間が経過したとき、または前記第1の再生光強度設定手順が実行されてから前記光記録媒体の温度変化が所定値を超えたときであることを特徴とする再生方法。
【請求項5】 光記録媒体の複数の領域において第1の試し書きおよび第1の試し読みを行い、その第1の試し書きの結果に応じて前記複数の領域に照射すべき記録光強度をそれぞれ設定し、前記第1の試し読みの結果に応じて前記複数の領域に照射すべき再生光強度をそれぞれ設定する第1の光強度設定手順と、前記第1の光強度設定手順の実行後に、前記複数の領域のうち一部の領域で第2の試し書きを行い、その第2の試し書きの結果に基づいて、前記第1の光強度設定手順により設定された記録光強度および再生光強度をそれぞれ更新する第2の光強度設定手順と、前記設定または前記更新された記録光強度で前記光記録媒体に情報を記録し、前記設定または前記更新された再生光強度で前記光記録媒体から情報を再生する記録・再生手順とを含むことを特徴とする記録・再生方法。
【請求項6】 請求項5に記載の記録・再生方法において、前記光記録媒体は、光ディスクであり、前記複数の領域は、前記光記録媒体の異なる半径位置に存在し、前記第1の光強度設定手順では、前記第1の試し書きの結果に応じて、前記複数の領域と、それら複数の領域以外の前記光記録媒体の各領域とに照射すべき記録光強度をそれぞれ設定し、前記第1の試し読みの結果に応じて、前記複数の領域と、それら複数の領域以外の前記光記録媒体の各領域とに照射すべき再生光強度をそれぞれ設定することを特徴とする記録・再生方法。
【請求項7】 請求項5または請求項6に記載の記録・再生方法において、前記第2の光強度設定手順では、前記一部の領域に照射すべき記録光強度の変化率を求め、前記第1の記録光強度設定手順で設定された記録光強度と、前記第1の再生光強度設定手順で設定された再生光強度とを、前記変化率に応じて変化させた値に更新することを特徴とする記録・再生方法。
【請求項8】 請求項5〜請求項7の何れか1項に記載の記録・再生方法において、前記第2の光強度設定手順が実行されるのは、前記第1の光強度設定手順が実行されてから所定時間が経過したとき、または前記第1の記録光強度設定手順が実行されてから前記光記録媒体の温度変化が所定値を超えたときであることを特徴とする記録・再生方法。
【請求項9】 光記録媒体の複数の領域において第1の試し読みを行い、その第1の試し読みの結果に応じて前記複数の領域に照射すべき再生光強度をそれぞれ設定する第1の再生光強度設定手段と、前記第1の再生光強度設定手段の動作後に、前記複数の領域のうち一部の領域で第2の試し読みを行い、その第2の試し読みの結果に基づいて、前記第1の再生光強度設定手段により設定された再生光強度をそれぞれ更新する第2の再生光強度設定手段と、前記設定または前記更新された再生光強度で、前記光記録媒体から情報を再生する再生手段とを含むことを特徴とする再生装置。
【請求項10】 請求項9に記載の再生装置において、前記光記録媒体は、光ディスクであり、前記複数の領域は、前記光記録媒体の異なる半径位置に存在し、前記第1の再生光強度設定手段では、前記第1の試し読みの結果に応じて、前記複数の領域と、それら複数の領域以外の前記光記録媒体の各領域とに照射すべき再生光強度をそれぞれ設定することを特徴とする再生装置。
【請求項11】 請求項9または請求項10に記載の再生装置において、前記第2の再生光強度設定手段では、前記一部の領域に照射すべき再生光強度の変化率を求め、前記第1の再生光強度設定手段で設定された再生光強度を、その変化率に応じて変化させた値に更新することを特徴とする再生装置。
【請求項12】 請求項9〜請求項11の何れか1項に記載の再生装置において、前記第2の再生光強度設定手段が動作するのは、前記第1の再生光強度設定手段が動作してから所定時間が経過したとき、または前記第1の再生光強度設定手段が動作してから前記光記録媒体の温度変化が所定値を超えたときであることを特徴とする再生装置。
【請求項13】 光記録媒体の複数の領域において第1の試し書きおよび第1の試し読みを行い、その第1の試し書きの結果に応じて前記複数の領域に照射すべき記録光強度をそれぞれ設定し、前記第1の試し読みの結果に応じて前記複数の領域に照射すべき再生光強度をそれぞれ設定する第1の光強度設定手段と、前記第1の光強度設定手段の動作後に、前記複数の領域のうち一部の領域で第2の試し書きを行い、その第2の試し書きの結果に基づいて、前記第1の光強度設定手段により設定された記録光強度および再生光強度をそれぞれ更新する第2の光強度設定手段と、前記設定または前記更新された記録光強度で前記光記録媒体に情報を記録し、前記設定または前記更新された再生光強度で前記光記録媒体から情報を再生する記録・再生手段とを含むことを特徴とする記録・再生装置。
【請求項14】 請求項13に記載の記録・再生装置において、前記光記録媒体は、光ディスクであり、前記複数の領域は、前記光記録媒体の異なる半径位置に存在し、前記第1の光強度設定手段では、前記第1の試し書きの結果に応じて、前記複数の領域と、それら複数の領域以外の前記光記録媒体の各領域とに照射すべき記録光強度をそれぞれ設定し、前記第1の試し読みの結果に応じて、前記複数の領域と、それら複数の領域以外の前記光記録媒体の各領域とに照射すべき再生光強度をそれぞれ設定することを特徴とする記録・再生装置。
【請求項15】 請求項13または請求項14に記載の記録・再生装置において、前記第2の光強度設定手段では、前記一部の領域に照射すべき記録光強度の変化率を求め、前記第1の記録光強度設定手段で設定された記録光強度と、前記第1の再生光強度設定手段で設定された再生光強度とを、前記変化率に応じて変化させた値に更新することを特徴とする記録・再生装置。
【請求項16】 請求項13〜請求項15の何れか1項に記載の記録・再生装置において、前記第2の光強度設定手段が動作するのは、前記第1の光強度設定手段が動作してから所定時間が経過したとき、または前記第1の記録光強度設定手段が動作してから前記光記録媒体の温度変化が所定値を超えたときであることを特徴とする記録・再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図9】
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【公開番号】特開平11−126340
【公開日】平成11年(1999)5月11日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平9−292064
【出願日】平成9年(1997)10月24日
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)