説明

再生装置及び表示装置

【課題】表示装置と着脱自在に装着可能であり、表示装置又は外部表示装置への映像信号の変換回路の給電を停止することにより、省電可能となる再生装置及び表示装置を提供する。
【解決手段】再生装置1を内蔵型表示装置2から着脱自在にする。HDMI規格のホットプラグ検出信号により、再生装置1の接続相手が内蔵型表示装置2と外部表示装置3とのいずれかを判定し、電源回路112から内部HDMIトランスミッタ150又は外部HDMIトランスミッタ151への給電を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像の再生が可能な再生装置及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器本体、自動車等に内蔵して使用する内蔵型の電気機器がある。例えば、前記内蔵型の電気機器として、表示装置に内蔵された再生装置が実用化されている。該再生装置は、表示装置と接続するケーブルが一切不要なので、煩わしい設定の手間が省け、配線の少ないすっきりした意匠が可能となっている。
前記内蔵型の電気機器の中には、電気機器本体、自動車等から着脱自在な構成としたものがある。例えば、特許文献1には自動車から着脱自在なカーステレオが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−275059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、再生装置を着脱自在とした再生装置内蔵型の表示装置は、従来知られていない。再生装置内蔵型の表示装置から分離した前記再生装置を外部表示装置に接続することにより、前記再生装置の利用機会は大幅に増大する。
尤も、前記再生装置が再生装置内蔵型の表示装置及び外部表示装置のために映像信号の変換回路を二つ備える場合、一方の表示装置のみを視聴するときには、両者の変換回路へ給電することは無駄である。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、再生装置内蔵型の表示装置及び外部表示装置の内、映像信号を出力しない表示装置のための映像信号の変換回路については給電を制御することにより、省電が可能となる再生装置及び該再生装置を着脱自在に装着可能とする表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る再生装置は、記録媒体から映像信号を再生する再生装置において、再生した映像信号を所定の規格の映像信号に変換する複数の変換回路と、各変換回路により変換された映像信号を夫々出力する複数の端子と、該端子に入力される所定の信号を検出する検出手段と、各変換回路へ給電する電源回路と、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記電源回路から各変換回路への給電を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る再生装置は、前記制御手段は、前記検出手段が前記所定の信号を検出した場合、該所定の信号を検出した端子以外の端子へ映像信号を出力する変換回路への給電を停止するようにしてあることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る再生装置は、所定の制御信号を受信する受信部を備え、前記検出手段が前記所定の信号を前記複数の端子の内の特定の端子から検出した場合、前記受信部が受信した所定の制御信号に基づく制御動作を行うようにしてあることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る再生装置は、前記電源回路へ給電するための複数の受電端子を備える
ことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る表示装置は、筐体と、該筐体の一面に配され、映像を表示する表示部とを備える表示装置において、前記筐体の一面に対向する面に他の装置を着脱自在に装着可能としてあることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る表示装置は、筐体と、該筐体の一面に配され、映像を表示する表示部と、上述のいずれか一つの再生装置とを備え、前記筐体の一面に対向する面に前記再生装置を着脱自在に装着していることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、記録媒体から映像信号を再生する。複数の変換回路は、再生された映像信号を所定の規格の映像信号に変換し、複数の端子は、各変換回路により変換された映像信号を夫々出力する。検出手段は、各端子に入力される所定の信号を検出する。電源回路は各変換回路へ給電をする。制御手段は、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記電源回路から各変換回路への給電を制御する。
【0013】
本発明にあっては、前記検出手段により、前記所定の信号が検出された場合、該所定の信号が検出された端子以外の端子へ映像信号を出力する前記変換回路への給電が停止される。
【0014】
本発明にあっては、所定の制御信号を受信する受信部を備えている。前記検出手段が前記所定の信号を前記複数の端子の内の特定の端子から検出した場合、前記受信部が受信した前記所定の制御信号に基づいて、本発明に係る再生装置は制御動作を行う。
【0015】
本発明にあっては、前記電源回路へ給電するための複数の受電端子を備えており、複数の受電方式に対応する。
【0016】
本発明にあっては、筐体と表示部とを備えている表示装置である。前記表示部は前記筐体の一面に配されている。前記筐体の一面に対向する面は、他の装置を着脱自在に装着することができる。
【0017】
本発明にあっては、筐体と、表示部と、上述のいずれか一つの再生装置とを備える表示装置である。前記表示部は前記筐体の一面に配されている。前記筐体の一面に対向する面は、前記再生装置を着脱自在に装着している。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る再生装置及び表示装置は、省電が可能であり、着脱自在に装着可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】内蔵型表示装置から分離した再生装置を内蔵型表示装置の背面から示した説明図である。
【図3】内蔵型表示装置から分離した再生装置を内蔵型表示装置の側面から示した説明図である。
【図4】内蔵型表示装置から分離中の再生装置を内蔵型表示装置の背面から示した説明図である。
【図5】再生装置及び外部表示装置が接続されている状態を示す説明図である。
【図6】内蔵型表示装置の構成を示すブロック図である。
【図7】給電を停止する判定と、再生装置の動作を制御する判定とに係る手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、再生装置1の構成を示すブロック図である。本発明の実施形態に係る再生装置1は、内部コネクタ110、外部コネクタ111、電源回路112、再生部120、信号処理部130、再生装置制御部140、内部HDMI(High Definition Multimedia Interface)トランスミッタ150、外部HDMIトランスミッタ151、内部HDMIコネクタ160、外部HDMIコネクタ161及び再生装置受光部170を含んで構成される。
【0021】
内部コネクタ110は、再生装置1が内蔵型表示装置2に装着されている場合、内蔵型表示装置2から、直流電圧、例えばDC15Vの給電を再生装置1が受けるための端子である。
外部コネクタ111は、再生装置1が内蔵型表示装置2から分離された場合、図示しないACアダプタから、直流電圧、例えばDC15Vの給電を再生装置1が受けるための端子である。
【0022】
電源回路112は、内部コネクタ110又は外部コネクタ111から取り入れた直流電圧を所定の直流電圧に変換する。電源回路112は、変換した直流電圧を内部HDMIトランスミッタ150及び外部HDMIトランスミッタ151等へ給電するように構成されている。
【0023】
再生部120は、例えばBD(Blu-ray Disc)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ等であり、光ディスク8に対して映像信号の記録/再生を行う。ここで、記録/再生とは、記録及び再生あるいは記録又は再生の意味である。再生部120は、例えばATAPI(AT Attachment Packet Interface)により、信号処理部130と接続してある。再生部120は、再生された映像信号を信号処理部130へ出力する。該映像信号は、圧縮されている。また、圧縮された映像信号が信号処理部130から再生部120へ入力され、その後再生部120は前記映像信号を光ディスク8に記録する。
【0024】
信号処理部130は、再生部120からの圧縮された映像信号を伸張して、内部HDMIトランスミッタ150又は外部HDMIトランスミッタ151へ出力する。
また、信号処理部130は、内部HDMIトランスミッタ150又は外部HDMIトランスミッタ151からの伸張された映像信号を圧縮して、再生部120へ出力する。
【0025】
内部HDMIトランスミッタ150は、信号処理部130からの映像信号をHDMI規格の映像信号に変換して、内部HDMIコネクタ160に出力する変換回路である。この変換は、例えば映像信号について、低電圧差動信号への変換及びパラレルデータからシリアルデータへの変換等が含まれる。また、再生装置1が内蔵型表示装置2のレシーバとして機能する場合には、内部HDMIトランスミッタ150は、内部HDMIコネクタ160からのHDMI規格の映像信号を、元の映像信号へ変換する。
外部HDMIトランスミッタ151は、内部HDMIトランスミッタ150と同様に、再生部120と外部表示装置3との間で映像信号の変換を行う変換回路である。
内部HDMIトランスミッタ150及び外部HDMIトランスミッタ151は、高周波信号を扱うため、チップの種類によっては消費電力がたいへん大きい。
【0026】
内部HDMIコネクタ160は、HDMI規格の映像信号を内蔵型表示装置2との間で入出力する入出力端子である。内部HDMIコネクタ160は、内部HDMIケーブル2cを介して内蔵型表示装置2と接続される。
外部HDMIコネクタ161は、HDMI規格の映像信号を外部表示装置3との間で入出力する入出力端子である。外部HDMIコネクタ161は、外部HDMIケーブル3cを介して外部表示装置3と接続される。
内部HDMIコネクタ160及び外部HDMIコネクタ161は、夫々内蔵型表示装置2及び外部表示装置3から、HDMI規格のホットプラグ検出信号及びDDC(Display Data Channel)信号を入力する。ホットプラグ検出信号は、電気機器同士がHDMI接続されている場合、一方の電気機器から他方の電気機器へ入力される所定のハイレベル信号である。DDC信号は、パソコン等の電気機器が表示装置とHDMI接続されている場合、表示装置が備えるEDID(Extended Display Identification Data)の固有情報を表示装置から電気機器へ伝える信号である。EDIDは、例えば表示装置が1秒間に画面を書き換える回数を示す周波数、表示装置の解像度、製造メーカ名及び型式等である。
【0027】
内部HDMIケーブル2c及び外部HDMIケーブル3cは、夫々振動、外力等により内部HDMIコネクタ160及び外部HDMIコネクタ161から抜けないように、ネジ、ツメ等で固定される。内部HDMIコネクタ160及び内部HDMIケーブル2cの固定は、外部HDMIコネクタ161及び外部HDMIケーブル3cの固定よりも頑強に構成してある。再生装置1を内蔵型表示装置2に装着した状態で出荷する場合、流通段階での振動、外力等により内部HDMIコネクタ160及び内部HDMIケーブル2cの接続部が変形又は破壊を被らないようにするためである。
【0028】
再生装置制御部140は、再生装置1の各構成部を制御する。また、再生装置制御部140は、内部HDMIコネクタ160又は外部HDMIコネクタ161を介して夫々内蔵型表示装置2又は外部表示装置3との間でHDMI規格に含まれるCEC(Consumer Electronics Control)信号を入出力する。これにより、再生装置1と、内蔵型表示装置2又は外部表示装置3との間で連携動作が実現する。連携動作とは、再生装置1が内蔵型表示装置2又は外部表示装置3の動作を制御すると共に、内蔵型表示装置2又は外部表示装置3が再生装置1の動作を制御することである。
再生装置制御部140と信号処理部130とは、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)、USART(Universal Synchronous and Asynchronous Receiver and Transmitter)等で通信を行う。
【0029】
再生装置制御部140は、内部HDMIコネクタ160及び外部HDMIコネクタ161に入力されるHDMI規格のホットプラグ検出信号から、内蔵型表示装置2及び外部表示装置3がHDMI接続されているコネクタが夫々内部HDMIコネクタ160及び外部HDMIコネクタ161のいずれであるか判定する。また、再生装置制御部140は、内部HDMIコネクタ160及び外部HDMIコネクタ161に入力されるHDMI規格のDDC信号から、内蔵型表示装置2及び外部表示装置3の周波数及び解像度を入手する。
【0030】
再生装置制御部140は、電源回路112に対する制御を通して、電源回路112から内部HDMIトランスミッタ150及び外部HDMIトランスミッタ151への給電を制御する。
【0031】
再生装置リモコン1bは、再生装置1の動作を制御する制御信号を、赤外線通信により再生装置受光部170へ送信する遠隔操作装置である。
【0032】
再生装置受光部170は、再生装置リモコン1bから赤外線通信を介して前記制御信号を受信する。再生装置受光部170は、受信した前記制御信号を再生装置制御部140へ出力する。
【0033】
図2は、内蔵型表示装置2から分離した再生装置1を内蔵型表示装置2の背面から示した説明図である。図3は、内蔵型表示装置2から分離した再生装置1を内蔵型表示装置2の側面から示した説明図である。図4は、内蔵型表示装置2から分離中の再生装置1を内蔵型表示装置2の背面から示した説明図である。
【0034】
内蔵型表示装置2は、例えば薄型の表示装置であり、筐体21の正面21aに映像表示部260を備えている。再生装置1は、内蔵型表示装置2の筐体21の正面21aと対向する背面21b側に装着される。再生装置1が装着される再生装置装着部の背面21bにおける位置は、再生装置1の着脱操作及び再生装置1への光ディスク8の挿入操作の便宜を考慮して、背面21b上部側端にしてある。なお、内蔵型表示装置2の筐体21における再生装置装着部の位置は、背面21b上部側端に限られるものではなく、操作性、美観等を考慮して適切な位置に設ければよい。
【0035】
再生装置1を内蔵型表示装置2に装着するときに、内蔵型表示装置2と対向する再生装置1の筐体面には、突出した2本のレール1a、1aが装着時に略水平となる方向に設けられている。レール1a、1aの長さは、装着時に略水平となる方向に沿った再生装置1の筐体の幅と略同一である。レール1a、1aの断面形状は台形をなし、装着時の再生装置1から内蔵型表示装置2へ向かってレール1a、1aの幅が広くなるように構成されている。レール1a、1aの幅は、快適に着脱操作が可能であり、支障が生じない程度であれば、どのような大きさでもよい。
【0036】
内蔵型表示装置2の再生装置装着部には、レール1a、1aを嵌合可能とする2本のガイド溝2a、2aが略水平方向に形成されている。ガイド溝2a、2aの断面形状は、レール1a、1aを嵌合可能とすべく、レール1a、1aの断面形状と略同一にしてある。ガイド溝2a、2aの長さ及び幅は、夫々レール1a、1aの長さ及び幅と略同一である。
内蔵型表示装置2の再生装置装着部の奥端には、再生装置1用の内部DC電源コード2b及び内部HDMIケーブル2cが取り付けられている。
【0037】
再生装置1を内蔵型表示装置2の背面21bに対して略平行に、略水平方向かつ再生装置装着部の奥端方向へスライドさせて、レール1a、1aをガイド溝2a、2aに嵌合させることにより、再生装置1は内蔵型表示装置2に装着される。
内蔵型表示装置2に対する再生装置1の装着が完了する前に、内部DC電源コード2b及び内部HDMIケーブル2cを夫々内部コネクタ110及び内部HDMIコネクタ160に接続する。該接続が完了したときに、再生装置1をさらにスライドさせて、完全に再生装置1を内蔵型表示装置2に装着する。
【0038】
再生装置1を内蔵型表示装置2から分離するときは、上記と逆の手順になる。再生装置1を内蔵型表示装置2の背面21bに対して略平行に、略水平方向かつ再生装置1から離れる方向へ少しスライドさせる。現れた内部DC電源コード2b及び内部HDMIケーブル2cを、夫々内部コネクタ110及び内部HDMIコネクタ160から解除する。その後、再生装置1をさらにスライドさせて前記レール1a、1aとガイド溝2a、2aとの嵌合を解除することにより、再生装置1は内蔵型表示装置2から完全に分離する。
【0039】
図5は、再生装置1及び外部表示装置3が接続されている状態を示す説明図である。分離した再生装置1を単体として使用する場合には、再生装置1の外部コネクタ111とACアダプタ1cとを外部DC電源コード3bを用いて接続する。また、再生装置1の外部HDMIコネクタ161と外部表示装置3とを外部HDMIケーブル3cで接続する。かかる場合、再生装置1の制御は、再生装置リモコン1b又は図示しない再生装置の操作部により行う。あるいは、再生装置1の制御は、CEC信号を介して外部表示装置3から行う。
【0040】
図6は、内蔵型表示装置2の構成を示すブロック図である。内蔵型表示装置2は、電源回路210、HDMIコネクタ220、HDMIトランスミッタ230、テレビ信号処理部240、セレクタ部250、映像表示部260、音声出力部261、内蔵型表示装置制御部270、内蔵型表示装置受光部280及び内蔵型表示装置リモコン2dを含んで構成される。
【0041】
電源回路210は、商用電源9に接続されており、内蔵型表示装置2の各構成部に給電する。
【0042】
HDMIコネクタ220は、HDMI規格の映像信号を内蔵型表示装置2及び再生装置1との間で入出力する入出力端子である。HDMIコネクタ220は、内部HDMIケーブル2cを介して再生装置1と接続される。
【0043】
HDMIトランスミッタ230は、HDMIコネクタ220からのHDMI規格の映像信号を元の映像信号へ変換する変換回路である。また、HDMIトランスミッタ230は、テレビ信号処理部240からの映像信号をHDMI規格の映像信号に変換する。
【0044】
テレビ信号処理部240は、デジタルテレビジョン放送の信号から映像及び音声を含むデータを分離し、分離して得られた映像データ及び音声データを夫々映像信号及び音声信号に復号する。また、テレビ信号処理部240は、映像データ及び音声データに付加されている時間情報に基づいて映像信号及び音声信号を時間的に同期させてセレクタ部28へ出力する。
さらに、テレビ信号処理部240は、復調器の機能を有し、アナログテレビジョン放送の映像信号及び音声信号を受信する。テレビ信号処理部240は、受信したアナログの映像信号及び音声信号をセレクタ部250へ出力する。
【0045】
セレクタ部250は、再生装置1から入力された映像信号及び音声信号を出力するか、テレビ信号処理部240から入力された映像信号及び音声信号を出力するかを、内蔵型表示装置制御部270の制御信号により選択する。
【0046】
映像表示部260は、例えば図示しない液晶パネル、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画面を備え、セレクタ部250から入力された映像信号を処理して前記画面に映像を表示する。音声出力部は、図示しないスピーカを備え、セレクタ部250から入力された音声信号を処理してスピーカから音声を出力する。
【0047】
内蔵型表示装置制御部270は、内蔵型表示装置2の各構成部を制御する。内蔵型表示装置制御部270はHDMIコネクタ220を介して再生装置1との間でHDMI規格のCEC信号を入出力する。これにより、内蔵型表示装置2及び再生装置1の間で連携動作が実現する。
また、内蔵型表示装置制御部270は、DDC信号を介して、映像表示部260に関するEDIDをHDMIコネクタ220から再生装置1へ出力する。
【0048】
内蔵型表示装置制御部270は、制御信号を電源回路210へ出力することにより、電源回路210から各構成部への給電の入切を制御する。
【0049】
内蔵型表示装置リモコン2dは、電源ボタン、チャンネル変更ボタン等を有し、赤外線通信により制御信号を内蔵型表示装置受光部280へ送信する遠隔操作装置である。
内蔵型表示装置受光部280は、受信した前記制御信号を内蔵型表示装置制御部270へ出力する。内蔵型表示装置制御部270は、前記制御信号を検知してユーザによる操作を受け付ける。内蔵型表示装置制御部270は、前記制御信号が再生装置1への制御信号である場合、前記制御信号をCECにより再生装置1へ出力する。
【0050】
図7は、給電を停止する判定と、再生装置1の動作を制御する判定とに係る手順を示したフローチャートである。
再生装置制御部140は、内部HDMIコネクタ160及び外部HDMIコネクタ161に入力されるホットプラグ検出信号を検出する(ステップS71)。
【0051】
再生装置制御部140は、内部HDMIコネクタ160に入力されるホットプラグ検出信号に基づいて、再生装置1が内蔵型表示装置2と接続されているか否か判定する(ステップS72)。再生装置制御部140は、再生装置1が内蔵型表示装置2と接続されていないと判定した場合(ステップS72:NO)、外部HDMIコネクタ161に入力されるホットプラグ検出信号に基づいて、再生装置1が外部表示装置3と接続されているか否か判定する(ステップS73)。再生装置制御部140は、再生装置1が外部表示装置3と接続されていると判定した場合(ステップS73:YES)、電源回路112から内部HDMIトランスミッタ150への給電を停止する(ステップS74)。再生装置制御部140は、外部表示装置3及び再生装置受光部170からの制御信号に基づいて、再生装置1の動作を制御し(ステップS75)、処理を終える。
【0052】
再生装置制御部140は、再生装置1が内蔵型表示装置2と接続されていると判定した場合(ステップS72:YES)、外部HDMIコネクタ161に入力されるホットプラグ検出信号に基づいて、再生装置1が外部表示装置3と接続されているか否か判定する(ステップS76)。再生装置制御部140は、再生装置1が外部表示装置3と接続されていると判定した場合(ステップS76:YES)、内部HDMIコネクタ160に入力されるDDC信号と、外部HDMIコネクタ161に入力されるDDC信号とに基づいて、内蔵型表示装置2の周波数及び解像度と、外部表示装置3の周波数及び解像度とが同じか否か判定する(ステップS79)。
再生装置制御部140は、内蔵型表示装置2の周波数及び解像度と、外部表示装置3の周波数及び解像度とが同じと判定した場合(ステップS79:YES)、電源回路112から内部HDMIトランスミッタ150及び外部HDMIトランスミッタ151の両者へ給電する(ステップS80)。再生装置制御部140は、内蔵型表示装置2からの制御信号に基づいて、再生装置1の動作を制御し(ステップS81)、処理を終える。
【0053】
再生装置制御部140は、ステップS73で再生装置1が外部表示装置3と接続されていないと判定した場合(ステップS73:NO)、電源回路112から外部HDMIトランスミッタ151への給電を停止する(ステップS77)。
再生装置制御部140は、ステップS76で再生装置1が外部表示装置3と接続されていないと判定した場合(ステップS76:NO)、電源回路112から外部HDMIトランスミッタ151への給電を停止する(ステップS77)。
再生装置制御部140は、内蔵型表示装置2の周波数及び解像度と、外部表示装置3の周波数及び解像度とが同じでないと判定した場合(ステップS79:NO)、電源回路112から外部HDMIトランスミッタ151への給電を停止する(ステップS77)。
再生装置制御部140は、内蔵型表示装置2からの制御信号に基づき、再生装置1の動作を制御し(ステップS78)、処理を終える。
【0054】
ステップS74及びステップS77では、消費電力の大きな内部HDMIトランスミッタ150及び外部HDMIトランスミッタ151への給電を切り分けているため、電源回路112から内部HDMIトランスミッタ150及び外部HDMIトランスミッタ151の両者へ給電されることはなく、省電効果が得られる。
【0055】
ステップS75では、外部表示装置3及び再生装置受光部170からの制御信号に基づいて再生装置1の動作を制御することにより、再生装置1は単体として動作可能である。
ステップS81では、再生装置1は、内蔵型表示装置2及び外部表示装置3と接続されている状態にある。かかる場合、再生装置1は、内蔵型表示装置2からの制御信号に基づいて再生装置1の動作を制御するが、外部表示装置3及び再生装置受光部170からの制御信号に基づいて再生装置1の動作を制御しない。そのため、内蔵型表示装置2からの制御信号並びに外部表示装置3及び再生装置受光部170からの制御信号が競合することはない。
【0056】
表示装置を複数台所有する家庭が普通である今日にあって、本発明のように内蔵型表示装置2に内蔵された再生装置1を着脱自在にして、外部表示装置3との接続を可能とした場合には、複数の再生装置1を購入する必要がなくなり、経済的である。
【0057】
本実施形態では、再生装置と内蔵型表示装置及び外部表示装置とは、HDMIインタフェースを介して接続されているが、例えばUSB、IEEE1394、Fibre Channel等を介して接続されてもよい。
【0058】
本実施形態では、再生装置と内蔵型表示装置及び外部表示装置とをHDMI規格のインタフェースで接続しているため、再生装置は再生部が再生した映像信号をHDMI規格に変換する内部HDMIトランスミッタ及び外部HDMIトランスミッタを備えている。しかし、再生装置と表示装置とを接続するインタフェース規格は、HDMI規格に限るものではなく、上述のようにUSB等でもよい。かかる場合、再生装置は、採用するインタフェース規格に対応した映像信号の変換回路であれば、どのような変換回路を備える構成としてもよい。
【0059】
本実施形態では、再生装置及び外部表示装置は、デジタルインタフェースを介して接続されているが、アナログインタフェースを介して接続されてもよい。そこで、再生装置は、外部表示装置のための端子として、デジタルインタフェース端子の他に、アナログ用の映像及び音声入出力端子を別途設けたものであってもよい。あるいは、再生装置は、外部表示装置のための端子として、アナログ用の映像及び音声入出力端子のみを設けたものであってもよい。
【0060】
本実施形態では、流通段間の振動等を考慮して、内部HDMIコネクタ及び内部HDMIケーブルの固定は、外部HDMIコネクタ及び外部HDMIケーブルの固定よりも頑強に構成してある。しかし、ユーザが本発明を使用する段階では、頻繁に再生装置の着脱を繰り返すユーザほど、頑強な固定手段の解除及び固定を煩わしく感じることが考えられる。そこで、内部HDMIコネクタ及び外部HDMIコネクタの内から映像信号の入出力端子をユーザが選択できる形態であってもよい。すなわち、映像信号の入出力端子を切り替えるスイッチ等を再生装置に設けることにより、ユーザは再生装置と内蔵型表示装置との接続箇所を自己の使用環境にカスタマイズすることができる。
また、内部HDMIコネクタ及び内部HDMIケーブルと、外部HDMIコネクタ及び外部HDMIケーブルとの固定は、同じ頑強さであってもよい。
【0061】
本実施形態では、再生装置制御部は、電源回路に対する制御を通して、電源回路から内部HDMIトランスミッタ及び外部HDMIトランスミッタへの給電を制御する。しかし、再生装置制御部は、電源回路を介さずに、内部HDMIトランスミッタ及び外部HDMIトランスミッタに対する制御を通して、内部HDMIトランスミッタ及び外部HDMIトランスミッタの受電を制御してもよい。
【0062】
本実施形態では、内部HDMIトランスミッタへの給電を停止する場合(ステップS74)、外部HDMIトランスミッタへの給電を停止する場合(ステップS77)、及び内部HDMIトランスミッタと外部HDMIトランスミッタとへ給電する場合(ステップS80)の3通りを扱った。しかし、再生装置が内蔵型表示装置から分離され、ACアダプタからDC給電を受けている状態で、外部表示装置3と接続されていない場合(ステップS73:NO)、内部HDMIトランスミッタ及び外部HDMIトランスミッタの両者への給電を停止するステップを追加した態様であってもよい。かかる場合、さらなる省電効果が得られる。
【0063】
本実施形態では、再生装置は、縦置き型光ディスク装置として説明した。しかし、再生装置は、横置き型光ディスク装置であってもよい。
また、本実施形態では、再生装置は光ディスク装置としたが、再生装置はHD(Hard Disc)装置であってもよい。
【0064】
本実施形態では、再生装置が内蔵型表示装置から分離された場合、ACアダプタからDC給電を受ける外部コネクタを再生装置に設けた。しかし、再生装置は、外部コネクタを設ける形態ではなく、バッテリーから給電を受ける形態であってもよい。あるいは、再生装置は、外部コネクタ及びバッテリーを備える形態であってもよい。
【0065】
本実施形態では、再生装置及び内蔵型表示装置の接続、並びに再生装置及び外部表示装置の接続は、夫々有線接続としたが、これに限るものではなく、無線接続としてもよい。
【0066】
本実施形態では、再生装置及び内蔵型表示装置をレール及びガイド溝の嵌合によって着脱自在にしたが、磁石、ネジ等固定できるものであれば、どのような手段で着脱自在にしてもよい。
【0067】
本実施形態では、再生装置受光部は、再生装置の正面に常に露出した状態で配置されている。しかし、再生装置受光部を再生装置リモコンが発する赤外線から遮蔽する遮蔽手段を再生装置又は内蔵型表示装置に設け、再生装置が内蔵型表示装置に装着されている場合には、前記遮蔽手段により再生装置受光部を遮蔽し、再生装置を内蔵型表示装置から分離して使用する場合には、再生装置受光部を露出させる態様であってもよい。
これにより、再生装置が内蔵型表示装置に装着されているときに、再生装置リモコンの制御信号と内蔵型表示装置リモコンの制御信号とが競合することを回避することができる。
【0068】
本実施形態では、再生装置は制御信号を入力する再生装置受光部を有している。しかし、外部表示装置から入力するHDMI規格のCEC信号により、再生装置の制御は可能である。そのため、再生装置受光部は必須の構成部ではない。
【0069】
本実施形態では、内蔵型再生装置は、再生装置が内蔵型表示装置に装着されている場合と、再生装置が内蔵型表示装置から分離されている場合とで、再生装置への給電を停止する等の制御は行っていない。しかし、内蔵型表示装置制御部は、HDMIコネクタに入力されるホットプラグ検出信号に基づいて、再生装置が内蔵型表示装置から分離されていると判断した場合、電源回路から再生装置への給電を停止する態様であってもよい。これにより、内蔵型再生装置の省電が実現する。
【0070】
本実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 再生装置
1a レール
1b 再生装置リモコン
1c ACアダプタ
110 内部コネクタ
111 外部コネクタ
112 電源回路
120 再生部
130 信号処理部
140 再生装置制御部
150 内部HDMIトランスミッタ
151 外部HDMIトランスミッタ
160 内部HDMIコネクタ
161 外部HDMIコネクタ
170 再生装置受光部
2 内蔵型表示装置
2a ガイド溝
2b 内部DC電源コード
2c 内部HDMIケーブル
21 筐体
21a 正面
21b 背面
260 映像表示部
3 外部表示装置
3b 外部DC電源コード
3c 外部HDMIケーブル
8 光ディスク(記録媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体から映像信号を再生する再生装置において、
再生した映像信号を所定の規格の映像信号に変換する複数の変換回路と、
各変換回路により変換された映像信号を夫々出力する複数の端子と、
該端子に入力される所定の信号を検出する検出手段と、
各変換回路へ給電する電源回路と、
前記検出手段による検出結果に基づいて、前記電源回路から各変換回路への給電を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする再生装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記検出手段が前記所定の信号を検出した場合、該所定の信号を検出した端子以外の端子へ映像信号を出力する変換回路への給電を停止するようにしてある
ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
所定の制御信号を受信する受信部を備え、
前記検出手段が前記所定の信号を前記複数の端子の内の特定の端子から検出した場合、前記受信部が受信した所定の制御信号に基づく制御動作を行うようにしてある
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の再生装置。
【請求項4】
前記電源回路へ給電するための複数の受電端子を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の再生装置。
【請求項5】
筐体と、
該筐体の一面に配され、映像を表示する表示部と
を備える表示装置において、
前記筐体の一面に対向する面に他の装置を着脱自在に装着可能としてある
ことを特徴とする表示装置。
【請求項6】
筐体と、
該筐体の一面に配され、映像を表示する表示部と、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の再生装置と
を備え、
前記筐体の一面に対向する面に前記再生装置を着脱自在に装着している
ことを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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