説明

再閉鎖自在の容器蓋

【課題】容器の中味を分与するための開口を画定する蓋部分と、シール部材及び弾性部材を含む、閉鎖自在のフラップ部分とを含む再閉鎖自在の蓋を提供することである。
【解決手段】上向きに湾曲した表面特徴部316を押し下げると閉鎖自在のフラップ部分106がヒンジ構造402を中心として回転する。弾性部材318が溝212に圧接されて曲がる又は撓む。後端部314は、押し下げられるに従い、ハンドル114の中空セクション214の創出する空間内に押し込まれる。閉鎖自在のフラップ部分106の後端部314はアバットメント216と接触するまで押し込み得る。後端部314がアバットメントと接触すると、前端部304が最大限に開放される。閉鎖自在のフラップ部分106の前端部304が開放すると前端部304と注ぎ口112との間のシールが解除され、シール部材306が開口204から外れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に容器蓋に関し、詳しくは、容器と共に使用する、自閉式の再閉鎖自在の蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、大抵の容器は、容器を閉じる及びある時はシールするための、相当する蓋と共に製造される。容器蓋は代表的には、容器の中味を当該容器内部から蓋を貫いて流動させ得る注ぎ口又は類似手段を含み得る。
【0003】
しかしながら既存の容器蓋の多くはそのデザイン上、代表的にはユーザーが両手を使って蓋を開ける必要がある。代表的には、片手で容器を固定又は確保し、もう片方の手で容器蓋を“捻る”又は“こじ”って開けることで容器の中味にアクセス出来るようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
容器の中味を分与するための開口を画定する蓋部分と、シール部材及び弾性部材を含む閉鎖自在のフラップ部分とを含む再閉鎖自在の蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、容器の中味を分与するための開口を画定する蓋部分と、シール部材及び弾性部材を含む閉鎖自在のフラップ部分とを含む再閉鎖自在の蓋が提供され、閉鎖自在の蓋部分は、弾性部材が固定され且つシール部材が開口と係合しない第1位置と、シール部材が開口と係合し且つ弾性部材が固定されない第2位置と、の間で廻動自在である。
【0006】
1様相において、閉鎖自在のフラップ部分上に、閉鎖自在の蓋部分と係合し且つ該フラップ部分を第2位置に固定するスライドロックが配置され得る。
他の様相では、容器の中味を分与する開口を画定する蓋部分と、シール部材及び弾性部材を含む閉鎖自在のフラップ部分とを含む再閉鎖自在の蓋が提供される。閉鎖自在のフラップ部分は、弾性部材が撓み、シール部材が開口から離間する第1位置と、シール部材が非撓み状態となる第2位置との間で廻動自在である。閉鎖自在のフラップ部分には、タブを含むスライドブロックも配置される。タブは閉鎖自在のフラップ部分を第2位置とした時に蓋部分における相当するスロットと係合するように構成される。
【0007】
更に他の様相では再閉鎖自在の蓋が提供される。当該蓋は、開口を画定し且つ蓋部分の実質的に円周部分の直径位置で対向位置決めした注ぎ口及びハンドルを含む蓋部分と、該蓋部分の直径位置で注ぎ口及びハンドル間に形成した把持セクションと、を含む。再閉鎖自在の蓋は、前端部と、中央セクション部と、後端部と、を含む再閉鎖自在のフラップ部分にして、前端部が注ぎ口を越えて延び、中央セクション部が把持セクションを覆い、後端部が、再閉鎖自在のフラップ部分を閉鎖位置とした場合にハンドルの少なくとも一部を覆う構成とした再閉鎖自在のフラップ部分をも含む。該再閉鎖自在のフラップ部分には、シール部材と、弾性部材と、ヒンジ構造とも含まれる。再閉鎖自在のフラップ部分の後端部は押し込み自在とされ、当該後端部を押し込むとシール部材がヒンジ構造を中心として回転して開口から離間すると共に、弾性部材が押し込まれ、押し込まれた弾性部材が閉鎖自在のフラップ部分を開放位置に移動させる。閉鎖自在のフラップ部分の中央セクションに、タブを含むスライドロックが配置される。タブは、閉鎖自在のフラップ部分を閉鎖位置に維持するように、蓋部分の相当するスロットと合致する構成とされる。
【発明の効果】
【0008】
容器の中味を分与するための開口を画定する蓋部分と、シール部材及び弾性部材を含む、閉鎖自在のフラップ部分とを含む再閉鎖自在の蓋が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】図1は、本発明に従うスライドロックを持たない再閉鎖自在の容器蓋の斜視図である。
【図1B】図1Bは、本発明に従うスライドロックを持つ再閉鎖自在の容器蓋の斜視図である。
【図2A】図2Aは本発明の1実施例における再閉鎖自在の容器蓋の蓋部分の平面図である。
【図2B】図2Bは本発明の1実施例における再閉鎖自在の容器蓋の蓋部分の底面図である。
【図3】図3は、本発明の1実施例における閉鎖自在のフラップ部分の断面図である。
【図4A】図4Aは、本発明の1実施例における閉鎖自在のフラップ部分の、開放した蓋部分との係合状況を示す断面図である。
【図4B】図4Bは、本発明の1実施例における閉鎖自在のフラップ部分の、閉鎖した蓋部分との係合状況を示す断面図である。
【図4C】図4Cは、本発明の1実施例における、スライドロックが蓋部分と係合しない状況での、閉鎖自在のフラップ部分の閉鎖位置での断面図である。
【図5】図5は、1実施例に従う、閉鎖自在のフラップ部分のシール部材と、蓋部分上に画定される開口との間の係合状況の例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1A及び1Bには、何れも各実施例に従う容器102と共に使用するようになっている再閉鎖自在の蓋100及び100aの斜視図が示される。容器102には、容器から流れ得るようにした、例えば液体、粉、その他、の様な物質を保持又は収納するために使用する容積を画定する容器胴部103を含む。容器胴部103は、上方に連続する縁部又はリム位置で終端する、全体に円形、楕円形又は矩形断面を有し得る。リムは、容器胴部103の円形の開放上部を画定する。ある実施例ではリム上に、例えば、再閉鎖自在の蓋100又は100aのような蓋を容器胴部103に取り付け及び固定するための容器溝(図示せず)が形成され得る。
【0011】
図1Aに示すように、ある実施例では再閉鎖自在の蓋100には、蓋部分104と、閉鎖自在のフラップ部分106とが含まれる。図1Bに示すような他の実施例では、随意的には、スライドロック108を閉鎖自在のフラップ部分106に一体化させ、当該固定自在のフラップ部分106を蓋部分104に固定錠止させるとともに、容器胴部103をシール出来る。ここで説明する各構成部品は、図1A及び1Bに示す再閉鎖自在の蓋100又は100aの何れかに対して参照され、スライドロック108及び関連する構成部品は図1Bの再閉鎖自在の蓋100aの実施例に対して参照されるものとする。
【0012】
図1A及び1Bに示す各実施例を参照するに、再閉鎖自在の蓋100又は100aの蓋部分104には全体に円筒形状の胴部110が含まれ、該胴部は蓋部分104の円周部分上に形成した注ぎ口112を有している。注ぎ口112は、蓋部分104の円周部分に同じく形成したハンドル114と直径位置で対向するように形成される。蓋部分104には内側溝116(図2B)が設けられる。これら内側溝は、蓋部分104が、容器胴部103のリム位置に設けた相当する容器溝(図示せず)と係合して容器胴部103に固定され得るように位置決めされる。
【0013】
図2A及び図2Bには、1実施例における蓋部分104の平面図及び底面図が夫々示される。図2Aでは蓋部分の上部が、明瞭化のために閉鎖自在のフラップ部分106を除去した状態で示される。図2Aに示すように、蓋部分104には、蓋部分104の色々の表面特徴部及び構造部を形成又は取り付け得る環状のプラットフォームセクション202が含まれる。以下に説明するように、蓋部分の各種表面特徴部及び構造部は、閉鎖自在のフラップ部分106の一部である他の各種表面特徴部及び構造部と合致するように相当する、又は作動上相互作用する。
【0014】
ある実施例では、表面特徴部及び構造部の各々は、注ぎ口112及びハンドル114間で蓋の直径位置に沿って整列する。表面特徴部及び構造部がこのように整列することにより、所望であれば片手のみでの閉鎖自在のフラップ部分106の操作が容易化される。
プラットフォームセクション202は、図2Aに示すように、蓋部分104の裏側からプラットフォームセクション202を抜ける主流路を提供する開口又は孔204を画定する。開口204は注ぎ口112に直近して位置決めされる。開口204は、蓋部分104を容器胴部103に連結した場合に注ぎ口112を介して容器胴部103から容器102の中味を注ぎ出し可能とする。
【0015】
プラットフォームセクション202上の、開口204のハンドル114側に直近する位置には隆起セクション206が形成される。隆起セクション206は全体に、把持可能なセクション118(図1A、1B)を提供する材料のループとして形成される。該ループは、把持可能なセクション118をプラットフォームセクション202から分離させる開放空間119(図1A、1B)にして、ユーザーが当該セクション118の下方で指を曲げる状態で再閉鎖自在の蓋を把持出来るようにする開放空間119を画定する。図1Bの実施例では、閉鎖自在のフラップ部分106を隆起セクション206上に位置決めすると、ユーザーは親指がスライドロック108の移動方向に揃う状態で再閉鎖自在の蓋100aを把持し得、かくして、スライドロック108をロック及び非ロック位置間でずっと容易に操作出来るようになる。
【0016】
隆起セクション206はプラットフォームセクション202上で注ぎ口112及びハンドル114よりも下になる高さで位置決めされる。これにより、閉鎖自在のフラップ部分106を以下に説明するように隆起セクション206上に位置決めすると、閉鎖自在のフラップ部分106が、注ぎ口112、ハンドル114及び以下に説明するその他構造部と作動上正しく合致される。
【0017】
図2Aに示すように、把持可能なセクション118は蓋部分104の把持手段を提供するのに加え、閉鎖自在のフラップ部分106を、その開閉時にピボット動作又は回転させるポイントを提供するヒンジポスト210を位置決めする支持表面をも提供し得る。図1Bの実施例では、スライドロックを使用して閉鎖自在のフラップ部分106をロック位置に配置するに際し、スライドロック108と共に作動上使用する支持表面上に位置決めされ得る。
【0018】
再度再閉鎖自在の蓋100及び100aを参照するに、プラットフォームセクション202の、ハンドル114の直ぐ前方の部分には、ガイド壁213を有する溝212が形成される。溝212は閉鎖自在のフラップ部分106に設けた、バネ機構又は類似の弾性機構のような弾性部材を受け且つ該弾性部材と係合するように構成される。溝212の、ガイド壁213を含む表面は、弾性部材に先に説明したように適宜の力を行使した場合に当該弾性部材が当該表面上で撓む、曲がる、又はコイル巻きされ得る反応表面を提供する。
【0019】
ハンドル114は、プラットフォームセクション202から上方に離れる方向に開放する、空洞又は中空セクション214を画定する。中空セクション214は、閉鎖自在のフラップ部分106をヒンジポスト210を中心として回転させて以下に説明するように開放させた場合に閉鎖自在のフラップ部分106の後方部分を受ける空間を創成する。ある実施例では中空セクション214には、閉鎖自在のフラップ部分106の中空セクション内での移動を妨害又は制限するアバットメント216を設け得る。中空セクションに入る閉鎖自在のフラップ部分106の動きは、当該閉鎖自在のフラップ部分106の後端部314とアバットメント216の表面との係合により制限される。
【0020】
図3には、スライドロック108を含む1実施例に従う閉鎖自在のフラップ部分106の断面図が示される。閉鎖自在のフラップ部分106は、スライドロック108及び図1Aに示すような関連する構成部品を持たない点を除き、図3に示すそれと同じ構成を有する。
【0021】
閉鎖自在のフラップ部分106には、該閉鎖自在のフラップ部分106の長さ方向に延在する、先に説明したように蓋部分104に配置した表面特徴部及び構造と係合する構成の表面特徴部及び構造をその上部に有する上部壁又は上部表面302を含む。
【0022】
ある実施例では上部表面302は、注ぎ口112(図2A)を覆って嵌合する寸法及び構成とした前端部304を含む。前端部304は、再閉鎖自在のフラップ部分106を閉鎖位置に移動すると注ぎ口112にシール状態で付着する。
【0023】
上部表面302には、隆起した又は上方に湾曲した表面特徴部316を含む後端部314をも含む。隆起した表面特徴部316は、ユーザーがハンドル114を把持した場合にその上部にユーザーの、例えば親指が配置され得る抵抗面を提供する。以下に説明するように抵抗面は、ユーザーが親指をそこに捕捉又は把持させ、湾曲した表面特徴部316の後端部314をハンドル114の中空セクション214内に押し込み、かくしてフラップ部分の前端部304を開放位置にピボット廻動させ得る表面を提供する。
【0024】
閉鎖自在のフラップ部分106の前端部304の内側にはシール部材306が含まれる。シール部材306は上部表面302から適宜長さ伸延し、蓋部分104(図2A)の開口204を覆って載置される。シール部材306は開口204を覆って嵌合するように寸法形状付けされると共に、閉鎖自在のフラップ部分106が閉鎖位置にある場合は開口204を能動的にシールする構成を有する。シール部材306は、全体に円筒形状を有するように示したが、閉鎖自在のフラップ部分106を閉鎖位置とした場合に開口204を覆って嵌合し、適宜のシール力を提供する任意の形状を有し得る。
【0025】
閉鎖自在のフラップ部分106は、シール部材に隣り合う位置に、上部表面302に一体的に切断、加工又は形成したロック溝308を含み得る。スライドロック108は、開放溝又はロック溝308内に弾発的に係入して当該ロック溝308内を移動又は摺動可能である。ロック溝308は、スライドロック108のステム309と係合する構成の開放溝310を含み、開放溝310は、全体的にスライドロック108の移動路に沿って配向された外側に突出するタブ312で終端する。ロック溝308及び相当する開放溝310は、これに限定しないが、四角形及び円形を含む様々な断面形状を有し得る。
【0026】
ある実施例では、スライドロック108は、ステム309が第1位置又はロック位置と、第2位置又はアンロック位置との間で開放溝310内を摺動するようにロック溝308と係合する構成を有する。
【0027】
ロック溝308は、タブ312を第1の方向に摺動させて蓋部分104の相当するスロット溝208(図2及び図4)に係合させることでロック位置に移動する。スロット溝208は、タブ312を捕捉することで、閉鎖自在のフラップ部分106を開放しない状態に維持し且つ容器102の中味が分与されないようにする構成を有する。逆に、所望であればタブ312がスロットから外れる第2方向にスライドロック108を移動して閉鎖自在のフラップ部分106を開放させ得る。
【0028】
図3を再度参照するに、閉鎖自在のフラップ部分106上に弾性部材318が設けられ、シリコーンのような適宜のエラストマー材料からなる自動蓋偏倚手段を提供している。蓋を自己閉鎖可能とする弾性部材318は、圧縮され、撓まされ又は折り曲げられると、非圧縮形状に復帰する方向の一定バイアスを有する。ある実施例では、弾性部材318は上部表面302上の位置決め部材320から内方に伸延され、蓋部分104の溝212に入る。弾性部材318は平頂構造体、材料の平坦ストリップその他の、必要なバイアス手段を提供する好適形状に形成され得る。あるいは弾性部材は、例えば、コイルバネその他のような任意の既知のバイアス構造体の形状を有し得る。更には弾性部材318は、シリコーン以外に、例えば金属その他材料から作製出来る。
【0029】
以下に説明するように、弾性部材318は、当該弾性部材318が各ガイド壁213間の溝212の表面と整列し且つ係合するように蓋部分104の内部に伸延される。閉鎖自在のフラップ部分106に適正な下向き力を付加すると、弾性部材318が溝212からの反力を受けて圧縮されて撓み、折り曲げ又はコイル巻きされる。弾性部材と溝とが係合すると、前記下向き力を適正に維持しない場合は閉鎖自在のフラップ部分106を閉鎖位置に全体に復帰させるバイアスが閉鎖自在のフラップ部分106に発生する。
【0030】
図4A及び4Bには、本実施例での、再閉鎖自在の蓋100aの閉鎖自在のフラップ部分106がその開閉の各位置で蓋部分104と係合する作動状況及び、スライドロック108のロック位置及びアンロック位置が示される。図4Cには、再閉鎖自在の蓋100の閉鎖自在のフラップ部分106が、その閉鎖位置にある蓋部分104とスライドロック108無しで係合する作動状況が例示される。再閉鎖自在の蓋100の開放位置が図4Bに示され、本図ではスライドロック108及びその間連部品は示されない。
【0031】
図4A及び4Cでは再閉鎖自在の蓋100aは及び100はその第1位置又は閉鎖位置で示される。ある実施例では蓋部分104は、容器胴部103(図1A)上に配置した相当する溝上に当該蓋部分104を固定するために使用する内側溝116を含む。蓋部分104を容器胴部103に固定するその他の既知の方法、例えば、蓋部分104を容器胴部103のリム上に嵌合させる方法の如きを使用出来る。
【0032】
閉鎖自在のフラップ部分106は、その閉鎖位置では蓋部分104と係合して容器胴部103を能動的にシール又は閉鎖することが出来る。
【0033】
図4A及び4Cに示すようなその第1又は閉鎖位置において、閉鎖自在のフラップ部分106の前端部304は注ぎ口112を覆い、当該注ぎ口をシールする。開口204とシール状態下に合致して、容器102の中味を再閉鎖自在の蓋を確実に通過させないようにするシール部材306が開口204を覆って配置及び座着される。
【0034】
開口204とシール部材306との間の係合状況の1具体例が図5に示される。この場合、シール部材306は位置決め部材504に嵌合し、形成され又は連結される可撓性及び弾性の端部502を含む。端部502は、開口204及び位置決め部材504の直径よりも大きな寸法形状とされる。位置決め部材504は、閉鎖自在のフラップ部分106を閉鎖位置とした場合に当該位置決め部材504の一部分が開口204に進入する長さを有する。従って、位置決め部材504が開口204内に伸延し得ることから、シール部材306を開口204と係合させると位置決め部材504が弾性の端部502を開口204内に押し込む。オーバーサイズの弾性の端部502は開口204の内壁506に“押し嵌め”され、かくして端部502と開口204との間にシールが創成される。
【0035】
図4Aを参照するに、弾性部材318は、その閉鎖位置にある間は実質的に非撓み位置又は非圧縮位置にあることから、閉鎖自在のフラップ部分106に固有の偏倚は生じない。
【0036】
再閉鎖自在の蓋100aにおいて、閉鎖自在のフラップ部分106を閉鎖するとスライドロック108が“ロック”に配置され、閉鎖自在のフラップ部分106が開放状態に維持され得る。一般に、ユーザーは例えば、スライドロック108の外側部分上に親指を位置決めして把持セクション118を把持し得る。好都合には、ユーザーは片手でスライドロック108を操作出来る。
【0037】
ある実施例では、スライドロック108のステム309は、開放溝310の内部で摺動し、その第1の位置又はロック位置と、第2の位置又はアンロック位置との間でロック溝308に沿って移動する構成とされる。
図4Aに示すように、スライドロック108は注ぎ口112とハンドル114との間で蓋部分104の直径位置に一般に沿った移動路404に沿って可動である。スライドロック108のタブ312は移動路404に沿って外側に配向され、かくして、スライドロック108を第1の方向、例えば、注ぎ口112の方向に移動するとスロット406に入り且つ係合する(図4B)。スロット406は、閉鎖自在のフラップ部分106の前端部304とシール部材306とが閉鎖され且つ注ぎ口112及び開口204の夫々とのシール関係を維持するようにタブ312を捕捉する。更には、スライドロック108をロック位置とすると、閉鎖自在のフラップ部分106の後端部314を押し下げて前端部304を開放させることが出来ない。
【0038】
図4A及び4Cを参照するに、閉鎖自在のフラップ部分106を開放させる場合は、当該閉鎖自在のフラップ部分106をピボット点を中心として回転させて前端部304を上昇及び開放させれば良い。そうした回転を容易化させるためのヒンジ構造402を、上部表面302上でヒンジポスト210と係合するように位置決め出来る。
【0039】
再閉鎖自在の蓋100aの閉鎖自在のフラップ部分106を図4Bに示すように開放動作させる場合、ユーザーは、スロット406からタブ312を外す第2の方向でロック溝308内を移動路404に沿ってスライドロック108を移動させれば良い。
【0040】
図4Bを参照するに、ユーザーは、スライドロック108が再閉鎖自在の蓋100aにおけるようにアンロック位置とされた場合、又は再閉鎖自在の蓋100におけるようにスライドロックを使用しない場合、の何れの場合でも、再閉鎖自在のフラップ部分106の後端部314上の上向きに湾曲した表面特徴部316に親指が触れないようにハンドル114を把持し得る。ユーザーは、ボタンを押し込む又は押すように又は類似の様式下に、上向きに湾曲した表面特徴部316を押し下げ又は押し込み得る(矢印410)。後端部314を押し下げると閉鎖自在のフラップ部分106がヒンジ構造402を中心として回転する。弾性部材318が溝212に圧接されて曲がる又は撓む。後端部314は、押し下げられるに従い、ハンドル114の中空セクション214の創出する空間内に押し込まれる。閉鎖自在のフラップ部分106の後端部314はアバットメント216と接触するまで押し込み得る。後端部314がアバットメントと接触すると、前端部304が最大限に開放される。閉鎖自在のフラップ部分106の前端部304が開放すると前端部304と注ぎ口112との間のシールが解除され、シール部材306が開口204から外れる。
【0041】
前端部は閉鎖自在のフラップ部分106の後端部314を押し下げ状態に維持する限り開放状態に維持される。従って、閉鎖自在のフラップ部分106を開放位置に保持するには、撓んだ弾性部材318によるバイアス力に打ち勝つように後端部314への押し下げ力を維持すればよい。閉鎖自在のフラップ部分106は、偏倚力に対する適宜の反力が無くなると閉鎖位置に自動復帰する。
ユーザーが後端部314への反力を解除すると弾性部材318は折り戻され、閉鎖自在のフラップ部分106がヒンジ構造402を中心として逆回転(矢印412)して閉鎖位置に戻る。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0042】
100、100a 再閉鎖自在の蓋
102 容器
103 容器胴部
104 蓋部分
106 フラップ部分
108 スライドロック
112 注ぎ口
114 ハンドル
116 内側溝
118 把持セクション
119 開放空間
202 プラットフォームセクション
204 開口
206 隆起セクション
208 スロット溝
210 ヒンジポスト
212 溝
213 ガイド壁
214 中空セクション
216 アバットメント
302 上部表面
304 前端部
306 シール部材
308 ロック溝
309 ステム
310 開放溝
312 タブ
314 後端部
316 表面特徴部
318 弾性部材
320 位置決め部材
402 ヒンジ構造
404 移動路
406 スロット
410、412 矢印
502 弾性の端部
504 位置決め部材
506 内壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再閉鎖自在の蓋であって、
容器の中味を分与する開口を画定する蓋部分と、
シール部材及び弾性部材を含み、弾性部材が撓み且つシール部材が開口と係合しない第1の位置と、シール部材が開口と係合し且つ弾性部材が非撓み状態となる第2の位置との間でピボット廻動自在である閉鎖自在のフラップ部分と、
を含む再閉鎖自在の蓋。
【請求項2】
蓋部分が注ぎ口及びハンドルを更に含み、ハンドル及び注ぎ口が、蓋部分の実質的に円周部分上で直径位置で対向して位置決めされる請求項1の再閉鎖自在の蓋。
【請求項3】
蓋部分と係合して閉鎖自在のフラップ部分を第2位置に固定するスライドロックを閉鎖自在のフラップ部分上に更に配置した請求項1の再閉鎖自在の蓋。
【請求項4】
スライドロックがタブを含み、該タブが、閉鎖自在のフラップ部分を第2位置とした場合に蓋部分の相当するスロットと係合する請求項3の再閉鎖自在の蓋。
【請求項5】
閉鎖自在のフラップ部分が、該閉鎖自在のフラップ部分を第2位置とした場合に蓋部分に形成した注ぎ口を覆うシールを形成する前端部を更に含む請求項1の再閉鎖自在の蓋。
【請求項6】
閉鎖自在のフラップ部分が、閉鎖自在のフラップ部分を押して第2の位置から第1の位置に移動させるように押し下げ自在の後端部を含む請求項1の再閉鎖自在の蓋。
【請求項7】
閉鎖自在のフラップ部分が、弾性部材を押して撓ませるように押し下げ自在の後端部を含む請求項1の再閉鎖自在の蓋。
【請求項8】
弾性部材がシリコーン製のバネを含む請求項1の再閉鎖自在の蓋。
【請求項9】
蓋部分が、ハンドルを形成する把持自在のセクションを更に含む請求項1の再閉鎖自在の蓋。
【請求項10】
蓋部分が、容器における相当する溝と合致して蓋部分を容器に固定する溝を含む請求項1の再閉鎖自在の蓋。
【請求項11】
再閉鎖自在の蓋であって、
容器の中味を分与する開口を画定する蓋部分と、
シール部材及び弾性部材を含み、弾性部材が撓み状態となり且つシール部材が開口から離間する第1の位置と、シール部材が開口と係合し且つ弾性部材が非撓み状態となる第2の位置との間でピボット廻動自在の閉鎖自在のフラップ部分と、
閉鎖自在のフラップ部分上に配置したタブにして、閉鎖自在のフラップ部分を第2の位置とした場合に蓋部分上の相当するスロットと係合する構成を有するタブを含むスライドロックと、
を含む再閉鎖自在の蓋。
【請求項12】
蓋部分が注ぎ口及びハンドルを更に含み、ハンドル及び注ぎ口が、蓋部分の実質的に円周部分上で直径位置で対向して位置決めされる請求項11の再閉鎖自在の蓋。
【請求項13】
蓋部分が、ハンドルを形成する把持自在のセクションを更に含む請求項11の再閉鎖自在の蓋。
【請求項14】
閉鎖自在のフラップ部分が、該閉鎖自在のフラップ部分が第2位置にある場合に、蓋部分に形成した注ぎ口を覆うシールを形成する前端部を更に含む請求項11の再閉鎖自在の蓋。
【請求項15】
閉鎖自在のフラップ部分が、該閉鎖自在のフラップ部分を押して第2の位置から第1の位置に移動させる構成を有する押し下げ自在の後端部を含む請求項11の再閉鎖自在の蓋。
【請求項16】
閉鎖自在のフラップ部分が、弾性部材を撓ませるように押され得る、押し下げ自在の後端部を含む請求項11の再閉鎖自在の蓋。
【請求項17】
弾性部材がシリコーン製のバネを含む請求項11の再閉鎖自在の蓋。
【請求項18】
蓋部分が、容器における相当する溝と合致して蓋部分を容器に固定する溝を含む請求項11の再閉鎖自在の蓋。
【請求項19】
再閉鎖自在の蓋であって、
開口を画定し且つ蓋部分の実質的に円周部分の直径位置で対向位置決めした注ぎ口及びハンドルを含む蓋部分と、該蓋部分の直径位置で注ぎ口及びハンドル間に形成した把持セクションと、
前端部、中央セクション部、後端部、を含み、前端部が注ぎ口を越えて延び、中央セクション部が把持セクションを覆い、後端部が、再閉鎖自在のフラップ部分を閉鎖位置とした場合にハンドルの少なくとも一部を覆う構成とした再閉鎖自在のフラップ部分にして、シール部材と、弾性部材とを更に含み、前記後端部が、シール部材をヒンジ構造を中心として開口から離間するように弾性部材を廻動させると共に、弾性部材を圧縮して閉鎖自在のフラップ部分を閉鎖位置から開放位置に移動させるように押し込み自在である閉鎖自在のフラップ部分と、
閉鎖自在のフラップ部分の中央セクションに配置されたタブを含むスライドロックにして、前記タブが、蓋部分の相当するスロットと合致して閉鎖自在のフラップ部分を閉鎖位置に維持するスライドロックと、
を含む再閉鎖自在の蓋。
【請求項20】
非撓み状態に復帰する弾性部材が、シール部材をヒンジ構造を中心としてピボット廻動させて該シール部材を開口と係合させて開口をシールさせると共に、前端部をして注ぎ口を覆うシールを形成せしめるように構成される請求項19の再閉鎖自在の蓋。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−57290(P2011−57290A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16976(P2010−16976)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(510025887)タケヤ・ユーエスエイ・インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】TAKEYA USA,INC.
【住所又は居所原語表記】214 5th Street,#214,Huntington Beach,CA 92648 U.S.A.
【Fターム(参考)】