説明

冷凍サイクル装置

【課題】本発明は冷房暖房運転時の熱交換器効率を最大限発揮する構成を安価な逆止弁と最適な吸接配管を配置することによって実現することを目的とする。
【解決手段】室内外熱交換器の少なくとも一つに複数の熱交換器ブロックを配置し、それぞれが蒸発器時並列、凝縮器時直列となるように弁を配置し、熱交換器すべてを利用しつつ熱交換器効率を最大限向上させることを特徴とする安価で高性能な熱交換器と最適な吸接配管を有する冷凍サイクル装置を供給することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍サイクル装置に関するもので、特に熱交換器に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の冷凍サイクル装置において、熱交換器の損失を最小限としてより効率よく使用するために、蒸発器として使用する場合には圧力損失を削減するために多パス化して冷媒流速を低減したほうが良い。しかし凝縮器として使用する場合には圧力損失を考慮する必要性が低いため、パス数を削減したほうが冷媒の熱伝達率を増加でき、効率良く運転することができる。
【0003】
例えば図22は特許文献1に記載された従来の冷凍サイクル装置であるが、蒸発器と凝縮器の切り換えに応じて電磁二方弁又は逆止弁を複数組み合わせることでパス数の切り換えを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−170081号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】瀬下裕、藤井雅雄著「コンパクト熱交換器」日刊工業新聞社、P85
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら前記従来の冷凍サイクル装置の構成では以下のような課題があった。
【0007】
パス数を切り換えるために配置された電磁二方弁は高価であり、かつ複数(3個)配置するため製造原価を考慮した場合、商品への採用が困難であった。また実施例にあるように安価な逆止弁による切り換え方式では熱交換器の一部を使用できないため、熱交換器を最大限効率良く使用できるとはいえない構成となっていた。また熱交換器と圧縮機を接続する吸接配管については特に記載がなく効率改善効果を完全には確保できない構成となっていた。
【0008】
本発明は前記従来の課題を解決し、安価な構成でパス数の切り換えを行うことのできる冷凍サイクル装置を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の冷凍サイクル装置では、圧縮機1、四方弁2、室外側熱交換器3、膨張弁7、室内側熱交換器12、吸接配管8、9を環状に接続し、室外側熱交換器3に逆止弁20、21を配置し、冷房運転し凝縮器として使用される場合には熱交換器が直列につながれ、暖房運転し蒸発器として使用される場合には熱交換器が並列につながれる構成となっている。このような構成により凝縮器としては冷媒流速が増加し、熱伝達率が増加する。また蒸発器としては圧力損失が減少し効率が改善する。そして吸接配管の内部断面積を蒸発器として多パス化した場合の最大内部断面積或いは最小断面積に対して一定の割合以上となるような構成となっている。
【0010】
この構成によれば、新たに追加した部品は安価な逆止弁だけであり、一般的なエアコン
ではオゾン層破壊係数の小さな高圧冷媒(R410A)が使用されているため弁圧損は無視でき、安価で効率の良い熱交換器を構成することができる。また吸接配管のみを最適な配管径とすることで銅管コスト及び冷媒保持量と冷媒の圧力損失を最適化することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の冷凍サイクル装置によれば、安価な逆止弁のみで熱交換器を高効率に使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1における3つの熱交換器ブロックからなる場合の熱交換器の構成を示す図
【図2】本発明の実施の形態1におけるn個の熱交換器ブロックからなる場合の熱交換器の構成を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における3つの熱交換器ブロックからなる熱交換器を室外熱交換器の一部として適用した場合の構成を示す図
【図4】本発明の実施の形態1における3つの熱交換器ブロックからなる熱交換器を室外熱交換器全体に適用した場合の構成を示す図
【図5】本発明の実施の形態1における3つの熱交換器ブロックからなる熱交換器を室内熱交換器の一部として適用した場合の構成を示す図
【図6】本発明の実施の形態1における3つの熱交換器ブロックからなる熱交換器を室内熱交換器全体に適用した場合の構成を示す図
【図7】蒸発器と凝縮器における熱交換器能力と圧力損失の関係を示した図
【図8】従来の熱交換器モデルと凝縮器及び蒸発器での最適な構成を示す図
【図9】本発明の実施の形態1における室外熱交換器へ適用した実施例と従来構成を比較した図
【図10】本発明の実施の形態1における室外熱交換器へ適用した場合の、運転能力変化時の熱交換器能力と圧力損失の関係図
【図11】本発明の実施の形態2における3つの熱交換器ブロックからからなる場合の配管長さを統一した例と不統一の場合の概略図
【図12】本発明の実施の形態1における室外熱交換器における圧力損失の比較図
【図13】本発明の実施の形態3における2つの熱交換器ブロックからなる場合の熱交換器の構成を示す図
【図14】本発明の実施の形態4における蒸発器時に3パスとなる場合の熱交換器の構成を示す図
【図15】本発明の実施の形態4における熱交換器入口部のレイノルズ数(Re)と冷媒側熱交換効率を代表するヌッセルト数(Nu)の関係図
【図16】本発明の実施の形態4における室外熱交換器の蒸発器入口部を3パスにした場合の冷凍サイクル構成図
【図17】本発明の実施の形態4における室外熱交換器の蒸発器入口部を5パス及び7パスにした場合の冷凍サイクル構成図
【図18】本発明の実施の形態4における蒸発器時の熱交換器入口部のパス数を3〜7と変化させた場合の暖房能力を示す図
【図19】本発明の実施の形態4における1パス部の配管本数を2〜8本と変化させた場合の凝縮能力と冷媒圧力損失を比較した比較図
【図20】本発明の実施の形態5,6における1パス部の配置を比較した図
【図21】本発明の実施の形態5における1パス部の配置を変更した場合の凝縮能力と冷媒圧力損失を比較した比較図
【図22】本発明の実施の形態7における室外熱交換器から圧縮機アキュームまでの吸接配管を太くした冷凍サイクル構成図
【図23】本発明の実施の形態7における室外熱交換器〜吸接配管での冷媒配管の断面積分布図
【図24】本発明の実施の形態7における室外熱交換器から圧縮機アキュームまでの吸接配管を太くした冷凍サイクル構成図
【図25】本発明の実施の形態8における室外熱交換器から四方弁までの部分のみ吸接配管を太くした冷凍サイクル構成図
【図26】本発明の実施の形態8における室外熱交換器〜吸接配管での冷媒配管の断面積分布図
【図27】本発明の実施の形態8における室外熱交換器〜吸接配管での圧力分布図
【図28】本発明の実施の形態9における室外熱交換器出口から圧縮機アキュームまでの電磁二方弁を介して直結した冷凍サイクル構成図
【図29】従来の発明における系統図
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1の発明は圧縮機の吐出口から四方弁、凝縮器、膨張弁、蒸発器へと接続された冷凍サイクルにおいて、2つの熱交換器のうち少なくとも1つに、複数の熱交換器ブロックを並列に配置し、冷媒入口と出口をそれぞれ直結された熱交換器において、凝縮器時の熱交換器入口管を一番外側に配置された熱交換器ブロックとその隣の2番目の熱交換器ブロックの間に接続し、前記熱交換器ブロックの冷媒入口管を直結した配管において入口管とは反対方向のみに流れる逆止弁を熱交換器ブロックの奇数番目と隣接する出口管側の偶数番目の間に配置し、前記熱交換器ブロックの冷媒出口管を直結した配管において出口管方向のみに流れる逆止弁を熱交換器ブロックの偶数番目と隣接する出口管側の奇数番目の間に配置し、凝縮器時の熱交換器出口管を入口管とは反対側の一番外側に配置された熱交換器ブロックとその隣の熱交換器ブロックの間に接続したことにより、凝縮器の場合は直列に、蒸発器の場合は並列に構成することで、熱交換器性能を最大限利用することができようにしたものである。
【0014】
第2の発明は圧縮機の吐出口から四方弁、凝縮器、膨張弁、蒸発器へと接続された冷凍サイクルにおいて、室内熱交換器及び室外熱交換器の少なくとも一方に、熱交換器全体又はその一部が2個の熱交換器ブロックと凝縮時出口方向のみにしか冷媒を通過させない逆止弁を含む配管を並列に配置しかつ冷媒入口と出口をそれぞれ直結された熱交換器において、凝縮器時の熱交換器入口管を出口管から最も遠い位置に配置された熱交換器ブロックとその隣の熱交換器ブロックの間に接続し、前記熱交換器ブロックの冷媒入口管を直結した配管において入口管とは反対方向のみに流れる逆止弁を熱交換器ブロックの1番目と隣接する出口管側の2番目の間に配置し、前記熱交換器ブロックの冷媒出口管を直結した配管において出口管方向のみに流れる逆止弁を熱交換器ブロックの2番目と前記隣接する逆止弁を含む配管の間に配置し、凝縮器時の熱交換器出口管を入口管とは反対側に配置された熱交換器ブロックとその隣の前記逆止弁を含む配管の間に接続したことにより蒸発器時は2つの熱交換器ブロックを並列に冷媒が流れ、圧力損失が削減され、凝縮器時には直列に冷媒が流れるため冷媒の熱伝達率を増加させることで熱交換器性能を最大限利用することができる。
【0015】
第3の発明は特に第1又は2の発明の逆止弁を電磁二方弁とすることにより循環量や空調条件等に応じて弁開閉を選択することによって最適な熱交換器能力を得ることができる。
【0016】
第4の発明は特に第1〜3のいずれかの発明において複数の熱交換器ブロックを直列、並列切り換えをする熱交換器を蒸発器時冷媒入口部に配置したことにより、最小限のブロックのみに対して本システムを適用するだけで最大限の効率向上を図ることができる。
【0017】
第5の発明は特に第1〜4の発明において複数の熱交換器ブロックの配管本数を冷媒流れ方向に対して同一としたことにより、冷媒の偏流を削減し最大限の熱交換器効率向上を図ることができる。
【0018】
第6の発明は特に第1〜5の発明において蒸発器時冷媒流れの上流に配置された逆止弁の口径よりも下流側に配置された逆止弁の口径を同等以上とすることにより、冷媒圧力損失の削減を図ることができる。
【0019】
第7の発明は圧縮機の吐出口から四方弁、凝縮器、膨張弁、蒸発器へと接続された冷凍サイクルにおいて、2つの熱交換器のうち少なくとも1つに、複数の熱交換器ブロックを並列に配置し、冷媒入口と出口をそれぞれ直結された熱交換器において、凝縮器時の熱交換器入口管を一番外側に配置された熱交換器ブロックとその隣の2番目の熱交換器ブロックの間に接続し、前記熱交換器ブロックの冷媒入口管を直結した配管において入口管とは反対方向のみに流れる逆止弁を熱交換器ブロックの奇数番目と隣接する出口管側の偶数番目の間に配置し、前記熱交換器ブロックの冷媒出口管を直結した配管において出口管方向のみに流れる逆止弁を熱交換器ブロックの偶数番目と隣接する出口管側の奇数番目の間に配置し、凝縮器時の熱交換器出口管を入口管とは反対側の一番外側に配置された熱交換器ブロックとその隣の熱交換器ブロックの間に接続したことにより、凝縮器の場合は直列に、蒸発器の場合は並列に構成した場合において、蒸発器として用いた場合に蒸発器入口部でのレイノルズ数が3000以上となるようにパス数を決定することで熱交換器能力を最も効率よく利用することができる。
【0020】
第8の発明は特に前記ブロック化した熱交換器の配管が直径7mmの場合、蒸発器として用いたときのパス数を6パス以下、直径6.35mmの場合、蒸発器として用いたときのパス数を7パス以下、直径5mmの場合、蒸発器として用いたときのパス数を12パス以下、直径7.94mm以上の場合、蒸発器として用いたときのパス数を4パス以下とした事で安定的に熱交換器性能を確保することができる。
【0021】
第9の発明は特に第7又は8の発明において熱交換器の配管が直径7mmの場合、蒸発器として用いたときのパス数を6パス以下、直径6.35mmの場合、蒸発器として用いたときのパス数を7パス以下、直径5mmの場合、蒸発器として用いたときのパス数を12パス以下、直径7.94mm以上の場合、蒸発器として用いたときのパス数を4パス以下とすることで熱交換器能力を最も効率よく利用することができる。
【0022】
第10の発明は特に第7〜9の発明において凝縮器として用いられた場合の1パス部の配管本数を配管が直径7mmの場合4本又は6本とし、凝縮器出口配管8本を熱交換器の風上側に配置したことで熱交換器能力を最も効率よく利用することができる。
【0023】
第11の発明は圧縮機の吐出口から四方弁、凝縮器、膨張弁、蒸発器へと接続された冷凍サイクルにおいて、2つの熱交換器のうち少なくとも1つに、複数の熱交換器ブロックを並列に配置し、冷媒入口と出口をそれぞれ直結された熱交換器において、凝縮器時の熱交換器入口管を一番外側に配置された熱交換器ブロックとその隣の2番目の熱交換器ブロックの間に接続し、前記熱交換器ブロックの冷媒入口管を直結した配管において入口管とは反対方向のみに流れる逆止弁を熱交換器ブロックの奇数番目と隣接する出口管側の偶数番目の間に配置し、前記熱交換器ブロックの冷媒出口管を直結した配管において出口管方向のみに流れる逆止弁を熱交換器ブロックの偶数番目と隣接する出口管側の奇数番目の間に配置し、凝縮器時の熱交換器出口管を入口管とは反対側の一番外側に配置された熱交換器ブロックとその隣の熱交換器ブロックの間に接続したことにより、凝縮器の場合は直列に、蒸発器の場合は並列に構成した場合において、両端の熱交換器ブロックの冷媒流れ方向の配管本数のいずれか或いは両方よりも、内側の熱交換器ブロックの冷媒流れ方向の配
管本数を少なくすることで分流特性を改善することができる。
【0024】
第12の発明は特に第1〜11の発明において冷房運転と暖房運転に応じてパス数が切り替わるシステムを有する室外熱交換器と四方弁とを接続する吸接配管に対して、(室外熱交換器内配管の最大断面積)×1.2>(吸接配管の断面積)≧(室外熱交換器内配管の最大断面積)×0.8の条件を満たすように吸接配管の径を決定することによって、室外熱交換器を流出したガス冷媒による吸接配管における圧力損失を適切なレベルに抑制しつつ、製造原価の増加や充填冷媒量の増加等の課題と両立することができる。
【0025】
第13の発明は特に第1〜11の発明において冷房運転と暖房運転に応じてパス数が切り替わるシステムを有する室外熱交換器と四方弁を介して圧縮機吸入部とを接続する吸接配管が、四方弁及び接続部位を除いて、(室外熱交換器内配管の最大断面積)×1.0>(吸接配管の断面積)≧(室外熱交換器内配管の最大断面積)×0.6の条件を満たすように吸接配管の径を決定することによって、室外熱交換器を流出したガス冷媒による吸接配管における圧力損失を適切なレベルに抑制しつつ、製造原価の増加や充填冷媒量の増加等の課題と両立することができる。
【0026】
第14の発明は特に第1〜11の発明において冷房運転と暖房運転に応じてパス数が切り替わるシステムを有する室外熱交換器と四方弁とを接続する吸接配管が、(室外熱交換器内配管の最大断面積)×1.0>(吸接配管の断面積)≧(室外熱交換器内配管の最小断面積)×1.1の条件を満たすように吸接配管の径を決定することによって、室外熱交換器を流出したガス冷媒による吸接配管における圧力損失を適切なレベルに抑制しつつ、製造原価の増加や充填冷媒量の増加等の課題と両立することができる。
【0027】
第15の発明は第12〜14の発明において、特に熱交換器の配管としてφ7mm管及び6分岐を用いた場合には、吸接配管として5分管、4分岐を用いた場合には吸接配管として4分管を用いたことによって室外熱交換器を流出したガス冷媒による吸接配管における圧力損失を適切なレベルに抑制しつつ、製造原価の増加や充填冷媒量の増加等の課題と両立することができる。
【0028】
第16の発明は第12〜14の発明において、特に熱交換器の配管としてφ5mm管及び12分岐を用いた場合に吸接配管として5分管、8分岐を用いた場合に吸接配管として4分管を用いたことによって室外熱交換器を流出したガス冷媒による吸接配管における圧力損失を適切なレベルに抑制しつつ、製造原価の増加や充填冷媒量の増加等の課題と両立することができる。
【0029】
第17の発明は第1〜11の発明において、冷房運転と暖房運転に応じてパス数が切り替わるシステムを有する室外熱交換器と四方弁とを接続する吸接配管が、(吸接配管の断面積)<(室外熱交換器内配管の最大断面積)×0.8の条件を満たす場合において、熱交換器出口部から四方弁或いは圧縮機吸入部へ直結する配管を配置し、その中間部に電磁二方弁を有することで、必要に応じてバイパス回路を開閉し、圧力損失を最適に制御することができる。
【0030】
第18の発明は第1〜11の発明において、冷房運転と暖房運転に応じてパス数が切り替わるシステムを有する室外熱交換器と四方弁を介して圧縮機吸入部とを接続する吸接配管が、四方弁及び接続部位を除いて、(吸接配管の断面積)<(室外熱交換器内配管の最大断面積)×0.6の条件を満たす場合において、熱交換器出口部から四方弁或いは圧縮機吸入部へ直結する配管を配置し、その中間部に電磁二方弁を有することで、必要に応じてバイパス回路を開閉し、圧力損失を最適に制御することができる。
【0031】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0032】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における冷凍サイクル装置の熱交換器の特に3つの熱交換器ブロックからなる場合を示すものである。
【0033】
図1において熱交換器を蒸発器として使用した場合、熱交換器入口管5から気液二相の低圧冷媒が流入する。この場合は逆止弁21を冷媒が通過することができるので、3つの並列に配置された熱交換器ブロック22、23、24を平行して冷媒が通過することができ、熱交換後、逆止弁20を通過した冷媒と合流し出口管へ流出する。
【0034】
また、熱交換器を構成する銅管内を通過するときに冷媒が受ける圧力損失は一般的に冷媒流速の2乗に比例するため、流速を3分の1にすることのできる本発明の実施の形態1では圧力損失を9分の1にすることができる。冷媒流速が低下することによって冷媒側の熱伝達率も低下するが、一般的に圧力損失は圧縮機単体の入力に直接効果があるため、熱伝達率の低下よりも影響が大きい。そのため本発明では冷凍サイクル装置全体の消費電力削減を図ることができる構成となっている。
【0035】
次に熱交換器が凝縮器として使用される場合は、熱交換器出口管4から冷媒は高圧のガス冷媒又は気液二相冷媒として流入する。この場合、逆止弁20を冷媒が通過できないためまず熱交換器ブロック22を通過し、熱交換する。次にもう1つの逆止弁21も冷媒が通過できないため熱交換器ブロック23を逆方向へ流れ熱交換する。熱交換器には方向による悪影響はないため問題はない。
【0036】
そして逆止弁20は圧力の関係から逆方向へ流れないため冷媒は熱交換器ブロック24を通過し、熱交換される。最後に逆止弁21は圧力の関係から通過せず熱交換器入口管5を通過して次の冷凍サイクル過程へと流れていく。凝縮器の場合はこのように直列にした熱交換器ブロックを冷媒が通過するため、冷媒流速を増加させ熱伝達率を向上させることができる。冷媒の圧力損失も同時に増加してしまうが高圧の冷媒は冷媒密度が小さいため圧力損失は十分に小さく冷凍サイクル装置への影響は小さい。
【0037】
以上のような構成をなすことで、蒸発器としても凝縮器としても熱交換器効率を増大させることができる。そして本発明の実施の形態1では図1からわかるように追加部品は逆止弁(電磁二方弁の数分の1の価格)2つのみであり、従来から提案されているような構成(電磁二方弁、四方弁を使用している)とは異なり、安価な構成とすることができるだけでなく、本体収納上も逆止弁が配管形状をしているため課題が小さく、電気を使用しないため電装部品も追加する必要がない。
【0038】
信頼性上もこのような冷媒状態で使用実績が十分にあり問題がない。仮に逆止弁が完全閉塞又は常時開放状態となっても冷媒は熱交換器を通過するため不安全な状態にはならない。
【0039】
またこのとき、熱交換器ブロック22、23、24の内部構成にたいする列数、本数等の制限は特になく、最適な構成とすることが可能である。例えば熱交換器ブロック22は1列4本とし、熱交換器ブロック23、24は2列6本とすることなども可能である。しかし熱交換器の性能を最大限有効利用するためには分流を均等にしたほうが良く、後述するが、銅管本数に制限を設けたほうがよい。
【0040】
図2は前述した3つの熱交換器ブロックによる場合を拡張し、熱交換器ブロックB
をn個並列に配置した場合を示す図である。このように熱交換器ブロックは3個に限定されることはなく、増加させることができる。
【0041】
このような場合には、凝縮器時の冷媒入口管4を一番外側に配置された熱交換器ブロックBとその隣の2番目の熱交換器ブロックBの間に接続し、前記熱交換器ブロックの冷媒入口管を直結した配管において入口管とは反対方向のみに流れる逆止弁20を熱交換器ブロックの奇数番目と隣接する出口管側の偶数番目の間に配置し、前記熱交換器ブロックの冷媒出口管を直結した配管において出口管方向のみに流れる逆止弁21を熱交換器ブロックの偶数番目と隣接する出口管側の奇数番目の間に配置する。
【0042】
以下同様にして逆止弁を順次配置し、凝縮器時の熱交換器出口管を入口管とは反対側の一番外側に配置された熱交換器ブロックBn−1とその隣の熱交換器ブロックBの間に接続した構成となる。
【0043】
このような配置とすることですべての熱交換器ブロックを蒸発器時並列、凝縮器時直列にすることができる。もちろん、内部の一部のみ逆止弁を配置せず、直列並列の切り換えができない構成とすることもできる。
【0044】
以下本発明の実施の形態1について実際の適用例や効果を含め説明する。
【0045】
室外熱交換器は暖房運転した場合、蒸発器となるため冷媒の圧力損失が大きな消費電力の増大の原因となっていた。この場合、熱交換器のパス数を増加させ、銅管内の冷媒速度を低減させることで圧力損失を削減することが一般的な方法となっているが、このような方式を採用した場合、冷房運転に切り替わり凝縮器として使用する場合、冷媒流速の過度の低下が熱伝達率の低下につながり、熱交換器効率の低下を招いてしまう。
【0046】
そこで従来は図8のように凝縮器としての最適な構成と蒸発器としての最適な構成の折衷点で折り合いをつける構成を採用していたが、必ずしも熱交換器効率は最大ではなかった。図7はこの関係を説明したもので、蒸発器として最適なパス数よりも圧力損失の影響が小さい凝縮器として最適なパス数は小さく、一般的に3分の1程度が多い。
【0047】
図3は冷凍サイクル装置の室外熱交換器の一部へ適用した場合である。
一般的に熱交換器の構成は前述したように蒸発器と凝縮器の折衷点で構成されるため、蒸発器時の冷媒入口管部分の構成が配管断面積の小さな構成となってしまうため、この部分に圧力損失の大部分が集中する。図12のグラフは熱交換器内部を冷媒が通過する場合の圧力の動きを示したもので、入口管から流入した後、1パス部、2パス部、3パス部の細管部で圧力が急激に低下し、その後は多パス化(6パス)されるため流速が低下し圧力はさほど低下しなくなる。
【0048】
つまり圧力損失の大部分が熱交換器入口近傍の3分の1程度に集中していることがわかる。このような圧力損失の集中は既に説明したとおり凝縮器となった場合の凝縮能力を確保するためであり、熱交換器として従来から不可避なものであった。しかしながら本発明では図3に示されるように、蒸発器時の熱交換器入口部分にのみパス可変システムを適用することで、図12の一点破線に示されるように入口周辺の冷媒流速が減少するため(この図の場合入口部5パス化)圧力損失が大きく削減される。
【0049】
このような構成とすることで暖房運転時の圧縮機動力の削減による消費電力の削減を実現することができる。また冷房運転時には熱交換器ブロックが3つ直列に接続されるため熱伝達率の向上効果により高圧低下、サブクール(過冷却度)増加によって熱交換器効率の上昇=消費電力の削減を図ることができる。
【0050】
図9はこの場合の熱交換器を詳細な構成例を示している。室外熱交換器は従来図9(a)のような構成が一般的だった。凝縮運転時6パス風下側から冷媒が流入し、順次3パス、2パス、1パスと冷媒密度の増加に逆比例させて配管断面積を低下させていく。蒸発運転時は逆に冷媒の密度に逆比例させて配管断面積を増加させる構成となっているが、蒸発器入口付近は凝縮運転時において100%液冷媒だが蒸発運転時は約80%程度の液比率にしかならない。低圧冷媒では圧力損失が大きいということもあり、最適配管構成にはなっていなかった。図9(b)は本発明の実施例で、蒸発器入口部のみ3ブロック化し、冷媒入口間から熱交換器最下部の熱交換器ブロック(1列4本)へ流入する回路と逆止弁を通過して2つの熱交換器ブロック(それぞれ2列8本)へ分岐する冷媒流れに別れ、5パスで熱交換器ブロックを通過後、逆止弁を通り合流する。その後は再度冷媒分岐し、上部の6パスブロックへと流出する。
【0051】
その結果、蒸発器時は5パスにすることができ、冷媒流速は約3分の1、圧力損失は約9分の1にすることができる。同時に凝縮運転時には1パスが2本しか配置できなかった従来例とは異なり4本配置しても蒸発運転時の圧力損失を増加させることがないので、凝縮運転時の熱交換器能力を増加させることができる。
【0052】
図10はこの場合の各運転モードにおける熱交換器能力と圧力損失をまとめたものである。従来構成と比較して、蒸発能力としてはほぼ同等の性能を確保しつつ、圧力損失は循環量に比例して削減されていることがわかる。この圧力損失は冷凍サイクル装置の中で最も消費電力の大きな圧縮機の動力に直接影響を与えるため、装置全体の消費電力を大きく削減することができる。また凝縮能力については、圧力損失は若干増加しているが絶対値としての影響は小さく、それ以上に凝縮能力が増加している。そのため冷媒循環量を削減する形で圧縮機の動力を削減し、冷凍サイクル装置全体の消費電力を削減することができる。
【0053】
(実施の形態2)
図4は室外熱交換器全体に適用した場合を示している。熱交換器全体をブロック化する場合でも同様の効果を得ることができる。また図5,6は室内熱交換器へ適用した場合で、このような場合も既に述べた効果を得ることができる。
【0054】
さらに製造原価の課題を考慮しなければ逆止弁の替わりに電磁二方弁を採用することも可能である。その場合は電磁弁の消費電力を考慮する必要がある。
【0055】
図11は本発明の実施の形態2におけるブロック化する熱交換器の具体的な配置構成を示した例である。図11(a)は本発明の実施の場合で各ブロックの冷媒流量を均一化するために同一本数(4本)としている。しかし図11(b)は本数を変化させている。この場合、各銅管を通過する冷媒量はアンバランスになりやすく、熱交換器性能を十分に発揮することが困難になる。図の下に示した蒸発能力は定格運転時で比較した場合の数値で、約18Wの差が発生している。
【0056】
(実施の形態3)
図13は本発明の実施の形態3における熱交換器ブロックの構成を示した図である。蒸発器時において冷媒は図下の熱交換器入口間5から気液二相の低圧冷媒として流入する。冷媒は逆止弁25を通過できないため逆止弁21を通過し、2つの熱交換器ブロック22,23に分岐して平行して通過し、熱交換する。その後熱交換器ブロック22を通過した冷媒に熱交換器ブロック23と逆止弁20を通過した冷媒が合流し、熱交換器出口管4を通って下流側の冷凍サイクルへと流出する。凝縮器時には熱交換器出口管4から高圧の気液二相又はガス冷媒として流入し、逆止弁20は通過できないため、全量熱交換器ブロッ
ク22を通過しながら熱交換し、逆止弁21も通過できないため熱交換器ブロック23を通過しながら熱交換する。逆止弁25は通過できるため、熱交換器入口間5を通じて下流側の冷凍サイクル装置へと流出する。
【0057】
このように冷媒が流れるため、蒸発器時は2パスの平行流で圧力損失を削減し、凝縮器時には直列接続で熱伝達率を増加させ、熱交換器としての効率を最大限発揮できる構成となっている。本発明の実施の形態3は実施の形態1に比較して、逆止弁が一つ多い構成となっているが、蒸発器時のパス数が少なくなるため、熱伝達率の低下による性能低下が大きな場合に有効な構成となっている。
【0058】
(実施の形態4)
図14は本発明の第2の実施の形態における冷凍サイクル装置の熱交換器の特に蒸発器時のパス数が3パスの場合を示したものである。また図16は図14の熱交換器を室外熱交換器へ適用した場合を示した冷凍サイクル図である。本発明の実施の形態4では配管径φ7mmの熱交換器を用い、冷房標準能力4.0kW、暖房標準能力5.0kWのエアコンを想定している。
【0059】
図16において、圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒(本発明では冷媒としてR410Aを使用している)は四方弁2によって室内熱交換器12へ流れ、凝縮される。液化した冷媒は室外機に搭載されている膨張弁7あるいはキャピラリーによって減圧され気液二相の冷媒として室外熱交換器へと入る。従来の熱交換器では入口部が1パスあるいは2パスなどの流路断面積の狭い構成となっていたが、本発明では図16あるいは図14に示されるように2パス部42と1パス部44のあわせて3パスに冷媒が流れるようになる。
【0060】
このことは1パスとした場合に比べ流路断面積にして3倍、冷媒流速は3分の1、冷媒圧力損失は9分の1になることを意味している。しかしながら冷媒流速を低下させることは同時に冷媒側の熱伝達率を低下させることになるため、どこまでパス数を増加させた場合が最適なのかに関して明確ではなかった。図17の(a)と(b)は5パス、7パスとした場合の熱交換器構成を示している。これら3つの構成において暖房定格運転(暖房能力5kWに相当)した場合の室外熱交換器能力(蒸発器能力)を比較したものが図18である。図18からわかるようにパス数を3から5パスとした場合は能力が向上しているが、7パスとすると逆に能力が低下してしまっている。
【0061】
また図18は同時に蒸発器入口部での冷媒レイノルズ数を示しているが7パスの場合のみ乱流域ではなく乱流遷移域になってしまっていることがわかる。図15は非特許文献1より抽出した層流、乱流、乱流遷移域の一般的な区別(レイノルズ数との関係)を示した表であるが、レイノルズ数が2000〜3000の間で層流と乱流の遷移現象が起こることを示し、その場合、冷媒熱伝達率を代表するヌッセルト数は現在明確な関係式が見つかっていない(非特許文献1より)。
【0062】
つまり7パス化まで多パス化してしまうと乱流遷移域になってしまい、極端な熱交換器能力の低下を招く可能性があることを図15と図18は示している。さらに図15は乱流域にある場合に最適なレイノルズ数、すなわちパス数が、乱流域のなかで最も低いレイノルズ数の時、圧力損失が低く、熱伝達率の低下が最も抑制されることも示している。
【0063】
この点についてさらに詳細な説明をすると、パス数の増加は前述したように冷媒流速の低下=レイノルズ数の低下を生じるが熱伝達率はレイノルズ数=冷媒流速の0.8乗に比例して低下する。しかし冷媒の圧力損失は冷媒流速の2乗に比例して増加するため冷媒流速は最大限低下させた方が、効率が良い。つまりパス数を増加させて冷媒流速を減少させ
、できるだけ圧力損失を低減したほうが良いが、乱流域から外れて遷移域或いは層流域になってしまうと熱伝達率が急減するため、乱流域の最も低いレイノルズ数である3000になるようにパス数を決定することが最も効率の良い構成となる。
【0064】
本発明の形態4は熱交換器の配管径、冷房/暖房能力の大小に対して限定されるわけではない。
【0065】
例えば暖房能力(蒸発器能力)が5.0kWの場合、熱交換器の配管が直径6.35mm(2分管)の場合、蒸発器として用いたときのパス数を7パス以下、直径5mmの場合、蒸発器として用いたときのパス数を12パス以下、直径7.94mm(2.5分管)以上の場合、蒸発器として用いたときのパス数を4パス以下とすることで前述した冷媒レイノルズ数が3000以上となり最適な構成とすることができる。
【0066】
(実施の形態5)
従来のパス可変システムを搭載しない構成では1パス部の配管本数は自由に選択することができた。しかしながら本発明のようにパス可変システムを搭載した場合、1パス部の長さによって蒸発器時の配管本数がある程度制約を受ける。例えば1パス本数を8本、蒸発器時の熱交入口でのパス数を5パスと仮定すると、この熱交換器ブロックでは8×5=40本の配管が必要となる。
【0067】
一般的に熱交換の配管本数は配管同士のピッチやコスト、通風抵抗等の制約からφ7mmの配管を使用した2列熱交では約60〜70本しか投入できない。このうちの40本を固定されてしまうと分流性能の悪化や配管の収納性などから熱交換器全体としては最適化が困難となる。つまり1パス部の配管本数を最適化しないと、熱交換器効率の向上が困難となる。
【0068】
そこで本発明の実施の形態5は凝縮器としての最適な構成を明確とすることを目的とする。実施例としてはφ7mmの室外熱交換器を想定する。凝縮器出口部にパス可変構成を採用した場合、図14、図16に示されるような構成となるが、凝縮能力を向上させるためには凝縮器出口部の液密度の高い冷媒を圧力損失がさほど増加しないようにしながら配管断面積を減少させ冷媒流速を増加させて熱交換能力を増加させる必要がある。
【0069】
最適な出口部構成、特に1パス部の配管本数及び配置場所が重要になるが、1パス本数を2本、4本、6本、8本とした場合の熱交換器能力を比較した表が図19である。蒸発器時のパス数はすべて5パスで統一している。この表からわかるように1パスの配管本数によって凝縮性能が変化し、1パスが2本の場合よりも本数を増加させた4本、6本、8本の方が相対的に性能は向上していることがわかる。
【0070】
しかし本数を増加させても本数に比例して能力が向上するのではなく、4本〜6本あたりで上限に達し、代わりに圧力損失が急激に増加してしまっている。冷媒の圧力損失増加は圧縮機1の動力増加原因となり冷凍サイクル装置の大きな効率低下要因となるため、凝縮効率が最高となるのは1パス本数が4本ないし6本であることがわかる。
【0071】
そこで1パス本数は4本としつつ、1パス部を含む凝縮器出口配管8本を、より熱交換器効率の良い風上側に配置し、対交流効果を利用することとする。図20(a)は風上側に配置しない例であり、図20(b)は風上側に1パス4本を含む出口側8本の配管を配置した熱交換器の構成を示している。凝縮器出口部を熱交換器の風上側に配置した場合とそうでない場合の凝縮能力の差を図21に示す。この図20、21から、1パス4本を含む凝縮器出口配管を風上側に配置することが凝縮器としても熱交換器効率が最大限発揮されている構成であることがわかる。
【0072】
(実施の形態6)
図20(b)は本発明の実施の形態6の冷凍サイクル装置の熱交換器の構成を示す。熱交換器の蒸発器時の入口部を5パスにした例を示している。
【0073】
まず3つのブロックからなるパス可変構成は、凝縮器時、まず2パスで4本ずつ配管がある第一番目の熱交換器ブロック42を冷媒が通過し放熱する。その後合流し風上側に配置された第二番目の熱交換器ブロック43へ入り2パス2本ずつ配置された配管を冷媒が通過し、通常はこの配管途中でサブクールがとれ液化する。合流後に1パス部である第三番目の熱交換器ブロック46へ入り、風上側かつ1パスで冷媒流速が増加して熱伝達率が上昇した配管4本で十分にサブクールが確保される。
【0074】
次に蒸発器時について説明する。蒸発器時は凝縮器時とは逆に冷媒が流れ、冷媒入口管47から流入した冷媒は凝縮器時の1パス部である第三番目の熱交換器ブロック46の配管4本へ入る冷媒流と逆止弁21を通過した後第一番目と第二番目熱交換器ブロック42、43へと流れる冷媒流2に分岐管48で分かれる。
【0075】
まず冷媒流は分岐管49で分岐して第一と第二番目の熱交換器ブロック42、43に分かれる。第一番目の熱交換器ブロック22は2パス4本の合計8本の配管で蒸発し、逆止弁を通過することなく合流部50で合流し、次の室外側熱交換器3へと流れていく。第二番目の熱交換器ブロック43は2パス2本の合計4本の配管で構成され、ここで冷媒は蒸発し、第三番目の熱交換器ブロック46で蒸発された冷媒流と合流する。合流後冷媒は逆止弁20を通過した後、合流部50で合流後、次の室外側熱交換器3へと流れる。
【0076】
このことからわかるように、冷媒は第二番目の熱交換器ブロック23を通過する場合のみ逆止弁を2回通過することになる。逆止弁はR410Aのような高圧冷媒であれば圧力損失は無視しうるレベルにあるが0ではない。よって第二番目の熱交換器ブロック43を通過する冷媒は逆止弁を余分に通過するだけ循環量が減少しやすい傾向を有している。本発明の実施の形態3ではこの冷媒循環量が減少しやすい第二番目の熱交換器ブロック43のみ他の熱交換器ブロックよりも冷媒流方向の配管本数を減らし2本にしている。結果として暖房運転時低周波数〜定格周波数〜暖房低温時最大周波数のすべての領域において5パスという多パス熱交換器にもかかわらずパスバランスが大きく悪化することはない。
【0077】
さらに配管設計という観点から考えた場合、前述したように蒸発器入口から入る冷媒を2分岐するが、今回の熱交換器はφ7mmのため1パス部である第一番目の熱交換器ブロック42への配管はφ7mmである。これに対して第二、三番目の熱交換器ブロック43,46は合わせて4パスのため4倍の冷媒循環量が必要であり、この冷媒循環量を得るためにはφ14mmの配管が必要とされる。しかしこのような太い配管は室外機の構造上収納できなくなる場合があり、製造原価の増大や性能低下を招いてしまう。そこで本発明の実施の形態3では第二番目の熱交換器ブロック43は既に述べたように配管本数を半分の2本とすることで必要な冷媒循環量を削減し、細い配管(本発明ではφ9.54mmの配管を採用)でも冷媒の偏流や圧力損失の発生を抑制しつつ、収納性を向上させることができる。
【0078】
(実施の形態7)
図22は本発明の実施の形態7の冷凍サイクル構成図を示すものである。この実施の形態では既に説明をしたパス可変システムを搭載した熱交換器(φ7.00mm管、出口部6パス分岐)を室外熱交換器へ採用した場合で記載している。但し図示した例に限定されるものではない。
【0079】
図22に記載の通り、暖房時の蒸発器圧力損失を削減し、熱交換器効率を向上させるために蒸発器入口部(22,23,24)を多パス化する。膨張弁7によって減圧膨張させられた気液二相冷媒は図に示されるように5パスに分岐し流れるため、この部分での冷媒圧力損失はほとんど発生しない。一旦合流後再度6パスに分岐するがこの部分(熱交換器3)でも冷媒圧損は発生しない。しかし、熱交換器の内部として冷媒側からみた管内断面積は2種類あり、前半の5パス部(22,23,24)に存在する最小管内断面積(A)と後半部(3)に存在する最大管内断面積(B)がある。例えば室外熱交換器の配管としてφ7.00mm管を用いた場合はそれぞれA=171mm、B=205mmとなる。
【0080】
しかし、熱交換器を流出した冷媒は流速を高めて、吸接配管8を通過して圧縮機1吸入部にあるアキュームへと戻る。この時アキュームや途中に配置される四方弁2は一般的(一般住宅向けRACエアコンでは)に4分配管(φ12.70mm)を用いている場合が多く、必然的に周辺の吸接配管8も4分管(φ12.70mm)が使用される。ここで、4分管(φ12.70mm)の内部断面積(C)を計算すると、C=119mmしかない。
【0081】
前記熱交換器内部の断面積A、Bと比較すると、半分程度しかなく、本来冷媒の体積流量が増加し、圧力損失が増加しやすいこの吸接配管部分には熱交換器(A及びB)よりも断面積の大きな配管を用いるべきであるが、逆に細くなってしまっている。この場合のデメリットとして冷媒の大きな圧力損失が発生することがある。また本発明の実施の形態1〜6において熱交換器内部の圧力損失を削減したにも関わらず、この細い吸接配管での抵抗が律速となり十分な効果を引き出せなかった部分もある。そこで上記断面積A、B、Cの関係を最適化することによって、熱交換器効率を最大限発揮できる構成を明らかとする。
【0082】
図23は図22に記載の室外熱交換器の配管断面積を熱交換器入口から圧縮機まで比較したものである。この図からわかるように熱交換器入口よりも冷媒乾き度が増加し、体積流速の高い熱交換器出口〜圧縮機までの吸接配管8の方が、熱交換器内部よりも減少してしまっている。
【0083】
ここで冷媒の圧力損失をYとし、冷媒の体積流速をXとすると、下記の関係を満たす。Y=X・・・(式1)
また、管内断面積をZとすると、下記の関係を満たす。
X=(1/Z)・・・(式2)
つまり吸接配管によって冷媒の圧力損失は約3倍に増加してしまっている。しかし、吸接配管8は室外機機械室内にあり、収納スペースに限りがあることや、製造原価の増加、配管内に保持される冷媒量の増加等を総合的に考慮して判断する必要がある。
【0084】
そこで吸接配管8を4分管(φ12.75mm)、5分管(φ15.875mm)、6分管(φ19.05mm)とした場合について、1.6mあたりの銅管質量(g)、保持冷媒量(g)、冷媒圧力損失(MPa)について、暖房定格運転条件(Q=5000W、冷媒R410A)計算によって比較した。
【0085】
【表1】

【0086】
この計算結果から、5分管にすれば圧力損失を十分削減しつつ、冷媒保持量や銅質量の増加を抑制することができる。6分管以上では効果がそれほど増えないだけではなく、配管ブロックとして曲げ加工等の製造課題が大きく効果的な構成とは言えない。
【0087】
実機において、冷媒量は同一のまま、5分管相当の断面積を有する配管を用いて比較した結果が図24である。この図からわかるように冷媒圧力損失は0.006MPa削減された。この時、吸接配管8の冷媒圧力損失削減効果は冷凍サイクルの律速条件により熱交換器入口に現れ、圧縮機吸入圧力は同一であって圧縮機入力増加はほとんどなく、蒸発器の温度が全体に約0.1K低下し、空気側との温度差が増加(約2%)することで能力として約20W(約0.4%)増加し、冷凍サイクルとしての効率が向上した。
【0088】
また暖房中間能力運転時(Q=2500W)には圧縮機吸入部の冷媒圧力が0.003MPa上昇し、冷凍サイクルの効率が改善した。さらに暖房低温条件(室外低温条件:2/1℃)では圧縮機が100Hz以上で運転するため効率改善効果が大きく、圧縮機吸入圧力が上昇し、圧縮機入力が同一のまま暖房能力が約90W(約1%)増加した。
【0089】
以上の結果をまとめると吸接配管8の管内断面積Cは最大管内断面積(B)に対して
【0090】
【表2】

【0091】
の関係があり、最大管内断面積(B)×1.2> 管内断面積C≧最大管内断面積(B)×0.8が最適な構成となった。また最小管内断面積(A)に対する関係を検討すると、
【0092】
【表3】

【0093】
の関係となり、最適な構成としては管内断面積C≧最小管内断面積(A)×1.1となる。
【0094】
また、熱交換器としてφ5.00mm管を使用した場合、熱交換器の圧力損失増加を現状程度に抑制するためには12パスが必要とされ、この場合、上述した例と同様に試算すると吸接配管8として5分管を使用することで
最大管内断面積(B)×1.2>管内断面積C≧最大管内断面積(B)×0.8(式1)
管内断面積C≧最小管内断面積(A)×1.1
を満足する構成とすることができる。さらに8パスとした場合には4分管が最適であり上記関係式を満足する。
【0095】
(実施の形態8)
図25は本発明の実施の形態8における冷凍サイクル構成図を示すものである。実施の形態8は前述した実施の形態7と異なり、吸接配管のうち室外側熱交換器3から四方弁2までのみを5分管化し、四方弁2から圧縮機1までは従来通り4分管とした例である。図26はこの時の管内断面積を示している。熱交換器出口から四方弁までのみを5分管としたため、断面積は119から188mmへ増加している。この部分だけでも変更することによって、図27に示されるように蒸発器での冷媒圧力損失削減効果を得ることができる。
この時の構成は以下の関係式を満足している。
【0096】
最大管内断面積(B)×1.0> 管内断面積C≧最大管内断面積(B)×0.6、また管内断面積C≧最小管内断面積(A)×1.1
本実施の形態8によれば、実施の形態7と比較して効果は小さいものの配管ブロックの構成が容易であり製造上の課題が小さいという利点を持つ。
【0097】
(実施の形態9)
図28は本発明の実施の形態9における冷凍サイクル構成図を示すものである。実施の形態9は、前述した実施の形態7、8とは異なり、室外側熱交換器3を流出した冷媒が吸接配管8を経由せずにバイパスさせるバイパス回路10を作成し、暖房時のみ電磁二方弁9を開放する(冷房時は閉塞)ことで実質的に吸接配管の断面積を増加させる効果を得るものである。具体的にはバイパス回路として2.5分管(φ7.94mm、断面積44.7mm)を用いることで、ほぼ所定の効果を得ることができる。
【0098】
また図28は熱交換器出口から圧縮機へ直接バイパスしているが、効率改善効果は減少するものの構造上の制約等から四方弁前後へつなぐ構成も可能である。
【産業上の利用可能性】
【0099】
以上のように、本発明にかかる冷凍サイクル装置は、簡単な構成により凝縮器の場合は直列に、蒸発器の場合は並列に構成することができ、熱交換器性能を最大限利用することが可能となるので、空気調和機を始めとして種々の冷凍サイクル装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0100】
1 圧縮機
2 四方弁
3 室外側熱交換器
4 熱交換器出口管
5 熱交換器入口管
7 膨張弁
8 吸接配管
9 電磁二方弁
10 バイパス回路
12 室内熱交換器
20 逆止弁
21 逆止弁
22 第一番目の熱交換器ブロック
23 第二番目の熱交換器ブロック
24 第三番目の熱交換器ブロック
25 逆止弁
42 2パス部
43 2パス部
44 1パス部
46 1パス部の熱交換器
47 蒸発器時の冷媒入口管
48 分岐管
49 分岐管
50 合流部
101 パス1
102 パス2
103 開閉弁1
104 開閉弁2
105 開閉弁3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内熱交換器及び室外熱交換器の少なくとも一方に、熱交換器全体又はその一部が奇数個の熱交換器ブロックを並列に配置されかつ冷媒入口と出口をそれぞれ直結された熱交換器において、凝縮器時の熱交換器入口管を一番外側に配置された熱交換器ブロックとその隣の2番目の熱交換器ブロックの間に接続し、前記熱交換器ブロックの冷媒入口管を直結した配管において入口管とは反対方向のみに流れる逆止弁を熱交換器ブロックの奇数番目と隣接する出口管側の偶数番目の間に配置し、前記熱交換器ブロックの冷媒出口管を直結した配管において出口管方向のみに流れる逆止弁を熱交換器ブロックの偶数番目と隣接する出口管側の奇数番目の間に配置し、凝縮器時の熱交換器出口管を入口管とは反対側の一番外側に配置された熱交換器ブロックとその隣の熱交換器ブロックの間に接続したことを特徴とする冷凍サイクル装置。
【請求項2】
室内熱交換器及び室外熱交換器の少なくとも一方に、熱交換器全体又はその一部が2個の熱交換器ブロックと凝縮時出口方向のみにしか冷媒を通過させない逆止弁を含む配管を並列に配置しかつ冷媒入口と出口をそれぞれ直結された熱交換器において、凝縮器時の熱交換器入口管を出口管から最も遠い位置に配置された熱交換器ブロックとその隣の熱交換器ブロックの間に接続し、前記熱交換器ブロックの冷媒入口管を直結した配管において入口管とは反対方向のみに流れる逆止弁を熱交換器ブロックの1番目と隣接する出口管側の2番目の間に配置し、前記熱交換器ブロックの冷媒出口管を直結した配管において出口管方向のみに流れる逆止弁を熱交換器ブロックの2番目と前記隣接する逆止弁を含む配管の間に配置し、凝縮器時の熱交換器出口管を入口管とは反対側に配置された熱交換器ブロックとその隣の前記逆止弁を含む配管の間に接続したことを特徴とする冷凍サイクル装置。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の冷凍サイクル装置において逆止弁の替わりに電磁二方弁を配置したことを特徴とする冷凍サイクル装置。
【請求項4】
前記請求項1〜3に記載の熱交換器において、特に蒸発器時の冷媒入口部に前記熱交換器ブロックを配置したことを特徴とする冷凍サイクル装置。
【請求項5】
前記請求項1〜4のいずれかに記載の熱交換器において、特に熱交換器ブロックの冷媒配管長さを同一としたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
【請求項6】
前記請求項1又は2に記載の熱交換器において、蒸発器時の冷媒流れに対して上流側に配置された逆止弁に対して弁口径が同等以上の逆止弁を下流側に配置したことを特徴とする冷凍サイクル装置。
【請求項7】
少なくとも圧縮機、四方弁、凝縮器、絞り装置、蒸発器を順次接続して形成された主冷媒回路と、前記2つの熱交換器のうち少なくとも1つの熱交換器において、熱交換器全体又はその一部が奇数個の熱交換器ブロックを並列に配置され冷媒入口と出口をそれぞれ直結された熱交換器において、凝縮器時の熱交換器入口管を一番外側に配置された熱交換器ブロックとその隣の2番目の熱交換器ブロックの間に接続し、前記熱交換器ブロックの冷媒入口管を直結した配管において入口管とは反対方向のみに流れる逆止弁を熱交換器ブロックの奇数番目と隣接する出口管側の偶数番目の間に配置し、前記熱交換器ブロックの冷媒出口管を直結した配管において出口管方向のみに流れる逆止弁を熱交換器ブロックの偶数番目と隣接する出口管側の奇数番目の間に配置し、凝縮器時の熱交換器出口管を入口管とは反対側の一番外側に配置された熱交換器ブロックとその隣の熱交換器ブロックの間に接続された熱交換器を有し、定格運転時に、前記ブロック化した熱交換器が蒸発器となる場合に熱交換器入口での冷媒のレイノルズ数が3000以上となるような可変パス構成としたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
【請求項8】
少なくとも圧縮機、四方弁、凝縮器、絞り装置、蒸発器を順次接続して形成された主冷媒回路と、前記2つの熱交換器のうち少なくとも1つの熱交換器において、室内熱交換器及び室外熱交換器の少なくとも一方に、熱交換器全体又はその一部が2個の熱交換器ブロックと凝縮時出口方向のみにしか冷媒を通過させない逆止弁を含む配管を並列に配置しかつ冷媒入口と出口をそれぞれ直結された熱交換器において、凝縮器時の熱交換器入口管を出口管から最も遠い位置に配置された熱交換器ブロックとその隣の熱交換器ブロックの間に接続し、前記熱交換器ブロックの冷媒入口管を直結した配管において入口管とは反対方向のみに流れる逆止弁を熱交換器ブロックの1番目と隣接する出口管側の2番目の間に配置し、前記熱交換器ブロックの冷媒出口管を直結した配管において出口管方向のみに流れる逆止弁を熱交換器ブロックの2番目と前記隣接する逆止弁を含む配管の間に配置し、凝縮器時の熱交換器出口管を入口管とは反対側に配置された熱交換器ブロックとその隣の前記逆止弁を含む配管の間に接続した熱交換器において、前記請求項1と同様に蒸発器時の場合に熱交換器入口での冷媒のレイノルズ数が3000以上となるような可変パス構成としたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
【請求項9】
特に前記ブロック化した熱交換器の配管が直径7mmの場合、蒸発器として用いたときのパス数を6パス以下、直径6.35mmの場合、蒸発器として用いたときのパス数を7パス以下、直径5mmの場合、蒸発器として用いたときのパス数を12パス以下、直径7.94mm以上の場合、蒸発器として用いたときのパス数を4パス以下とした事を特徴とする請求項7又は8に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項10】
特に前記ブロック化した熱交換器が凝縮器として用いられた場合の1パス部の配管本数を配管が直径7mmの場合4本又は6本とし、前記1パス部を含む凝縮器出口配管8本を熱交換器の風上側に配置したことを特徴とする請求項7〜9に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項11】
少なくとも圧縮機、四方弁、凝縮器、絞り装置、蒸発器を順次接続して形成された主冷媒回路と、前記2つの熱交換器のうち少なくとも1つの熱交換器において、熱交換器全体又はその一部が奇数個の熱交換器ブロックを並列に配置され冷媒入口と出口をそれぞれ直結された熱交換器において、凝縮器時の熱交換器入口管を1番外側に配置された熱交換器ブロックとその隣の2番目の熱交換器ブロックの間に接続し、前記熱交換器ブロックの冷媒入口管を直結した配管において入口管とは反対方向のみに流れる逆止弁を熱交換器ブロックの奇数番目と隣接する出口管側の偶数番目の間に配置し、前記熱交換器ブロックの冷媒出口管を直結した配管において出口管方向のみに流れる逆止弁を熱交換器ブロックの偶数番目と隣接する出口管側の奇数番目の間に配置し、凝縮器時の熱交換器出口管を入口管とは反対側の一番外側に配置された熱交換器ブロックとその隣の熱交換器ブロックの間に接続された熱交換器を有し、外側両端のブロックの冷媒の流れる方向への配管本数いずれか或いは両方よりも内側にあるブロックの冷媒の流れる方向への配管本数が少ないことを特徴とする請求項7〜10に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項12】
冷房運転と暖房運転に応じてパス数が切り替わるシステムを有する室外熱交換器と四方弁とを接続する吸接配管が
(室外熱交換器内配管の最大断面積)×1.2>(吸接配管の断面積)≧(室外熱交換器内配管の最大断面積)×0.8
の条件を満たす事を特徴とする請求項1〜11に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項13】
冷房運転と暖房運転に応じてパス数が切り替わるシステムを有する室外熱交換器と四方弁を介して圧縮機吸入部とを接続する吸接配管が、四方弁及び接続部位を除いて
(室外熱交換器内配管の最大断面積)×1.0>(吸接配管の断面積)≧(室外熱交換器内配管の最大断面積)×0.6
の条件を満たす事を特徴とする請求項1〜11に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項14】
冷房運転と暖房運転に応じてパス数が切り替わるシステムを有する室外熱交換器と四方弁とを接続する吸接配管が
(室外熱交換器内配管の最大断面積)×1.0>(吸接配管の断面積)≧(室外熱交換器内配管の最小断面積)×1.1
の条件を満たす事を特徴とする請求項1〜11に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項15】
前記請求項12〜14に記載の冷凍サイクル装置において、特に熱交換器の配管としてφ7mm管及び6分岐を用いた場合に吸接配管として5分管、4分岐を用いた場合には吸接配管として4分管を用いたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
【請求項16】
前記請求項12〜14に記載の冷凍サイクル装置において、特に熱交換器の配管としてφ5mm管及び12分岐を用いた場合に吸接配管として5分管、8分岐を用いた場合に吸接配管として4分管を用いたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
【請求項17】
冷房運転と暖房運転に応じてパス数が切り替わるシステムを有する室外熱交換器と四方弁とを接続する吸接配管が
(吸接配管の断面積)<(室外熱交換器内配管の最大断面積)×0.8
の条件を満たす場合において、熱交換器出口部から四方弁或いは圧縮機吸入部へ直結する配管を配置し、その中間部に電磁二方弁を有することを特徴とする請求項1〜11に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項18】
冷房運転と暖房運転に応じてパス数が切り替わるシステムを有する室外熱交換器と四方弁を介して圧縮機吸入部とを接続する吸接配管が、四方弁及び接続部位を除いて
(吸接配管の断面積)<(室外熱交換器内配管の最大断面積)×0.6
の条件を満たす場合において、熱交換器出口部から四方弁或いは圧縮機吸入部へ直結する配管を配置し、その中間部に電磁二方弁を有することを特徴とする請求項1〜11に記載の冷凍サイクル装置。

【図12】
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【図15】
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【図18】
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【図19】
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【図21】
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【図29】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図20】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−237543(P2012−237543A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−268843(P2011−268843)
【出願日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)