説明

冷凍装置の冷媒漏れ検出方法

【課題】 蒸発器出口、および、入口の冷媒または冷媒に相当する温度により冷凍・冷蔵・空調設備の冷媒量を判定することを特徴とする冷凍装置の冷媒量検出方法において、冷媒漏れ量が少ない時点においてその漏れを検出方法を提供する。
【解決手段】 蒸発器に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止した場合、蒸発器への冷媒の流入・流出再開直後の蒸発器出口と入口の冷媒温度差により、冷媒量の判定を行なうことを特徴とする冷凍・冷蔵・空調設備用の冷媒漏れ検出方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒回路内の冷媒量の不足を検出する冷凍装置の監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図2は一般的な冷凍装置の冷媒回路図である。圧縮機25、油分離器28(オイルセパレータとも言う。)、凝縮器29(コンデンサとも言う。)、レシーバタンク32(受液器とも言う。)第1の管継手24a、電磁弁27、膨張弁31、蒸発器(冷却器又はエバポレータとも言う。)20、第2の管継手24b、液分離器30(アキュムレータとも言う。)等の間を冷媒配管で接続し、前記第1の管継手24aと前記第2の管継手24bの間の電磁弁27、膨張弁31、蒸発器20に直列に接続された冷媒経路を単独又は並列に複数(図2では4系統の並列)に設けて、ショーケース23の冷媒回路24を形成している。
【0003】
例えば冷凍装置の冷媒回路24から冷媒が漏れた場合、冷凍を行いたい対象物は目標の温度まで下げることが出来なくなる。店舗などで使用されている冷凍ショーケース23の場合、冷凍を行いたい対象物、すなわちショーケース23の庫内温度が目標とする温度に到達しないことで、例えばアイスクリームが溶けてしまうような庫内温度の異常を、検出することになる。ショーケース23の庫内温度が目標に到達しなくなる故障の原因としては、冷媒が漏れる以外にも圧縮機25の焼き付き、電磁弁27のコイル断線、その他複数存在するため、庫内温度の異常のみから冷媒の漏れを特定することは不可能である。また、冷媒の漏れが原因によりショーケース23の庫内温度が目標温度に到達しない状況となる時点では、冷媒回路内24の冷媒は殆ど漏れてしまっている状態である。それと同時に、庫内温度が目標に到達していないので、ショーケース23内の商品の品質も低下してしまう。更に、その修理には専門技術者と道具を必要とし、手間と時間が掛かり、ショーケース23が使用できるまでには、相当の日数を費やすこととなる。
【0004】
この対策として、冷媒漏れだけを特定して検出する方式を採用することが考えられる。そして、冷媒回路24からの冷媒漏れを検出する従来の方式として、冷房装置(自動車の冷房装置)の冷媒量不足による圧縮機25の破損を防止するために、蒸発器20(冷却器又はエバポレータとも言う。)の入口21の冷媒温度を検出する第1の検出部材と、蒸発器出口22の冷媒温度を検出する第2の検出部材で検出した冷媒温度が所定以上の差が生じた時動作する接点を有することを特徴とする冷房装置の冷媒量不足検出スイッチを設けるものがある。その他のものとして、冷媒量不足検出機能を兼ね備え、冷却制御温度を検出してオン・オフ制御信号を発生する温度応答制御装置を有するものとして、蒸発器の入口21と出口22における冷媒温度をサーミスタで検出し、両サーミスタの出力の差が所定値以上になると検知信号を出力するものがある。なお、上述したような本願発明に関連する公知技術として次の特許文献1〜2を挙げることが出来る。
【0005】
【特許文献1】実公昭55―023169号公報
【特許文献2】実開昭56−118365号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図3は蒸発器入口(図2の21)と蒸発器出口(図2の22)の冷媒温度差の変化を示す図である。冷媒を時間の経過と共に徐々に冷媒回路から抜いて、擬似的な冷媒漏れを再現したものである。図3から蒸発器入口(図2の21)と出口(図2の22)の間の温度差33は、冷媒が少量抜けた条件36から冷媒がかなり抜けてきた条件37になるにつれ広がってくるが、かなりな時間が必要であることが分る。尚、図3において、庫内温度は34,電磁弁の開閉信号は35である。上述の如く、従来技術(特許文献1及び2)の技術では、蒸発器の入口(図2の21)と出口(図2の22)における冷媒温度の差が所定値以上になると冷媒量不足の検知信号を出力している。しかし、この様に単に蒸発器の入口と出口の温度差のみを使用していたのでは、判定に時間を要することになり、冷媒漏れ判定がなされるまでにはかなりな量の冷媒が大気中に放出されてしまう。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は冷媒が少量抜けた条件であっても、早期に冷媒の漏れを検出する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成する本発明は、以下により提供される。
【0009】
図1に示す冷凍装置Aのように、圧縮機1(コンプレッサとも言う。)、油分離器2(オイルセパレータとも言う。)、凝縮器3(コンデンサとも言う。)、レシーバタンク4(受液器とも言う。)、第1の管継手5(パイプジョイント、パイプフィッティングとも言う。)、電磁弁6、膨張弁7、蒸発器8(冷却器又はエバポレータとも言う。)、第2の管継手9(パイプジョイント、パイプフィッティングとも言う。)、液分離器10(アキュムレータとも言う。)等の間を冷媒用配管11で接続すると共に、前記レシーバタンク4(受液器)の出口側と、前記液分離器10(アキュムレータ)の入口側との間において、電磁弁6、膨張弁7、蒸発器8、とを冷媒配管11を用いて直列に接続された冷媒経路を、冷媒用配管11を介して前記レシーバタンク4の出口側に接続された第1の管継手5と、前記液分離器10の入口側に冷媒用配管11を介して接続された第2の管継手9との間に、単独、または、並列に複数(図1の実施例では1系統、図2では4系統の並列)設けられた冷媒経路を有する冷凍装置Aの冷媒回路にて、膨張弁7と蒸発器8の入口側17との間に設けられた第1の温度センサ12と蒸発器8の出口側16と第2の管継手9との間に設けられた、第2の温度センサ13の各々の電気的信号を電気的信号線14を通して演算器15に入力し、蒸発器出口16および、または蒸発器入口17の冷媒温度または冷媒温度に相当する温度により、冷凍装置Aの冷媒回路内の冷媒量の不足を判定する冷凍装置Aの冷媒漏れ検出方法において、冷却対象の温度を目標値まで到達させるためには蒸発器に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止した場合、蒸発器への冷媒の流入・流出再開直後の蒸発器出口と蒸発器入口の温度差により冷媒漏れを判定することで、上記課題を解決する。
【0010】
即ち、請求項1の発明では、蒸発器出口、および、入口の冷媒温度または冷媒温度に相当する温度により冷凍装置の冷媒量の不足を判定する冷凍装置の冷媒漏れ検出方法において、冷却対象の温度を目標値まで到達させるためには蒸発器に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止した場合、蒸発器への冷媒の流入・流出再開直後の蒸発器出口と蒸発器入口の温度差により冷媒量の不足を検出することを特徴とする冷凍装置の冷媒漏れ検出方法である。
【0011】
請求項1の発明によれば、冷媒漏れが発生した場合でも、その漏れ量がまだ少ない早期における冷媒漏れ検出が可能となる。
【0012】
請求項2の発明では、蒸発器出口、および、入口の冷媒温度または冷媒温度に相当する温度により冷凍装置の冷媒量の不足を判定する冷凍装置の冷媒漏れ検出方法において、冷却対象の温度を目標値まで到達させるためには蒸発器に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止した場合、蒸発器への冷媒の流入・流出再開直後の蒸発器出口と蒸発器入口の温度差が所定値以上に達した場合に冷媒量が不足であると判定することを特徴とする冷凍装置の冷媒漏れ検出方法である。
【0013】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様に冷媒漏れが発生した場合でも、その漏れ量がまだ少ない早期における冷媒漏れ検出が可能となる。
【0014】
請求項3の発明では、請求項1〜2に記載された冷凍装置の冷媒漏れ検出方法において、蒸発器への冷媒の流入・流出再開直後であることを、蒸発器への冷媒の流入・流出再開から所定時間内であることにより判定することを特徴とする冷凍装置の冷媒漏れ検出方法である。
【0015】
請求項3の発明によれば、請求項1〜2の発明と同様に冷媒漏れが発生した場合でも、その漏れ量がまだ少ない早期における冷媒漏れ検出が可能となる。
【0016】
請求項4の発明では、請求項1〜2に記載された冷凍装置の冷媒漏れ検出方法において、蒸発器への冷媒の流入・流出再開直後であることを、蒸発器出口と蒸発器入口の冷媒の温度差、または、冷媒の温度差に相当する温度差、の時間的変化により判定することを特徴とする冷凍装置の冷媒漏れ検出方法である。
【0017】
請求項4の発明によれば、請求項1〜3の発明と同様に冷媒漏れが発生した場合でも、その漏れ量がまだ少ない早期における冷媒漏れ検出が可能となる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、冷媒漏れが発生した場合でも、その漏れ量がまだ少ない早期における冷媒漏れ検出が可能となる。
【0019】
図4はショーケースで冷媒漏れが生じているときの蒸発器出口と入口の冷媒の温度差41と電磁弁の信号43、ショーケースの庫内の温度42を示したものである。本図の中央の部分40では、蒸発器に付着した霜を取るために、ショーケースの庫内の温度42が上昇しているにも係わらず、電磁弁の信号43により電磁弁を強制的に閉じ、冷媒を蒸発器内に流さないようにしている。この強制的に冷媒を止める操作を解除44した後、10〜20分経過した時点45で蒸発器の入口と出口の温度差がその他の部分よりも約15℃大きくなっている46ことが分る。図4は、冷媒漏れが生じている際のデータであるので、強制的に冷媒を止めている時間帯40以外の部分でも蒸発器出口と入口の冷媒の温度差41は、冷媒もれが生じていない時に比べて高い値となっている(図5参照)。本冷媒漏れ検出では、この温度差41を基に、温度差が大きければ冷媒漏れが生じているというように、冷媒漏れを判定するため、強制的に冷媒を止める操作を解除44した後、10〜20分経過した時点45での温度差46を冷媒漏れの判定に使用すると、冷媒漏れ検出の感度が向上することとなる。
【0020】
図5はショーケースで冷媒漏れが生じていないときの蒸発器出口と入口の冷媒の温度差51と電磁弁の信号53、ショーケースの庫内の温度52を示したものである。本図の中央の部分50では、蒸発器に付着した霜を取るために、ショーケースの庫内の温度52が上昇しているにも係わらず、電磁弁の信号53により電磁弁を強制的に閉じ、冷媒を蒸発器内に流さないようにしている。この強制的に冷媒を止める操作を解除54した後、数分経過した時点55で蒸発器の入口と出口の温度差がその他の部分よりも約1℃大きくなっているが。しかし、この値は、冷媒漏れが生じているときの値に対して十分に小さい(図4参照)。よって、ショーケースの庫内の温度52が上昇しているにも係わらず、電磁弁53を強制的に閉じ、冷媒を蒸発器内に流さないようにしている操作を解除した直後の蒸発器の入口と出口の温度差51により、冷媒漏れ検出が可能であることがわかる。
【0021】
その結果、本方式を用いることにより冷媒漏れの判定が早期に実施できることとなり、冷媒漏れが発生した際の冷媒漏れ量を少なくすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
図1に示すような、圧縮機1、油分離器2、凝縮器3、レシーバタンク4、第1の管継手5、電磁弁6、膨張弁7、蒸発器8、第2の管継手9、液分離器10等の間を冷媒用配管11で接続すると共に、前記レシーバタンク4と、前記液分離器10との間において、電磁弁6、膨張弁7、蒸発器8、を経由する冷媒経路を単独、または、並列に複数(図1の実施例では1系統、図2では4系統の並列)設けた冷凍装置Aの冷媒回路において、蒸発器8の上流、かつ、膨張弁7の下流の部分に第1の温度センサ12を取付ける。また、蒸発器8の下流、かつ、他の冷却経路との合流(第2の管継手9)前の部分に第2の温度センサ13を取付ける。温度センサは、どの様な種類のものでも良いが、温度信号をマイコンなどの演算器で処理するため、熱電対やサーミスタなどの様になんらかの電気的出力信号が得られるものである必要がある。温度センサの取付けは、内部の冷媒に直接接するような取付け方であっても、冷媒配管11に取付けることで冷媒の温度を間接的に検出するような方式であっても良い。ただし、冷媒配管11に取付ける場合は、配管周囲の空気温度の影響を受けないようにするため、配管に取付けた温度センサ12,13の周囲は保温材などで覆い、極力冷媒温度と同一な温度となるような処置をする必要がある。第1の温度センサ12と第2の温度センサ13の出力は、電気的信号線14により演算器15に入力する。
【0024】
また、冷媒の蒸発器8への流れ込みを制御している電磁弁6の開閉の状態と相関がある電磁弁6の駆動信号を取り出せるようにする。これは、電磁弁6に対して開閉命令を直接指示しているコントローラ(演算器)15内のソフト上の開閉命令信号であっても、電磁弁6に掛かる電圧信号を電気的に取り出した信号であってもよい。電磁弁6に掛かる電圧信号を用いる場合は、図1のように演算器15に電磁弁6の電気的信号線を入力する。
【0025】
図6は、第1実施例における、上述の温度センサ信号と電磁弁の信号を使用した冷媒漏れ判定プログラムの例である。本プログラムは、図1の演算器15の中に記述され、所定の演算周期にてステップ的に実行される。まず、S1で電磁弁(図1の6)の駆動信号を読込み、電磁弁6の駆動信号を監視する。S2で電磁弁6が開弁しているか判定し、電磁弁6が開弁していない場合は、開弁するまでその他の演算処理は無しに電磁弁6の開弁の監視を継続するため、再びS1に戻る。電磁弁6が開弁した場合、S3以降の処理が実施され、第1および第2の温度センサ12,13の信号処理が開始される。このことにより、蒸発器8に冷媒が流れ、冷凍サイクルが成立している時点のデータのみで冷媒漏れの判定がなされこととなる。
【0026】
開弁が判定された場合、S3にて蒸発器部分の第1(入口)および第2(出口)の温度センサ12,13の信号を読み込む。そして、このセンサ信号を基に、冷媒漏れ判定用温度データ演算処理部分(S4)で、第2の温度センサ13による蒸発器出口の冷媒温度と第1の温度センサ12による蒸発器入口の冷媒温度との差を算出する処理を行う。
【0027】
こうして、蒸発器出口と入口の冷媒温度差、すなわち、冷媒漏れ判定用温度データが算出される。
【0028】
算出された冷媒漏れ判定用温度データは、各サンプリングデータ間である程度のばらつきを持つ。このばらつきの影響を低減させるため、算出された冷媒漏れ判定用温度データに一次遅れ処理などの逐次平均化処理を図6のS5にて施す。
【0029】
下の式(数1)はS5で逐次平均化処理として用いる一次遅れ処理の例である。yは一次遅れ処理を行った平均値、uは一次遅れ処理前の冷媒漏れ判定用温度データ、Tsは温度センサの信号のサンプリング周期(演算器内のプログラムの演算タイミング)、Tは一次遅れ処理の重みすなわち時定数、添え字のkはサンプリング又は演算のタイミングを表す。すなわち、k-1は一回前の演算タイミングでの演算値または、一回前のサンプリングタイミングでの温度センサ信号のサンプリング値をあらわす。
【0030】
【数1】

【0031】
次に、S6にて今のタイミングがショーケースの庫内温度等、冷却対象の温度が上昇し、冷却対象の温度を目標値まで到達させるためには蒸発器に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止した後、再び蒸発器への冷媒の流入・流出を開始した直後であるか判定する。ここで、蒸発器に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止する条件としては、例えば蒸発器に付着した霜を溶かすための霜取り動作などである。霜取り動作の実施は、ショーケースの庫内温度コントローラからの命令により行われるため、このコントローラの情報を利用することで判定可能である。また、流入・流出を開始した直後であるかは、霜取り動作終了後、所定時間以内であるかどうかで判定する。所定時間とは30分以内程度の時間であることを言う。この条件に合致した場合、その平均化処理が施された冷媒漏れ判定用温度データを冷媒もれ判定値と比較することにより、図6のS7にて異常判定を行う。異常判定がなされた場合はS8にて、冷媒漏れランプ点灯などの異常判定時処理を実施し、正常判定がなされた場合はS9にて、正常ランプ点灯などの正常判定処理を実施する。正常又は異常判定処理の終了後再びS1に戻り、電磁弁駆動信号6を読み込み、上述の処理を繰り返す。
【実施例2】
【0032】
図7は第2の実施例である。第1の実施例にて示した図6のプログラムのフローチャート対してS6の条件判定処理内容を変更したものである。このS6では、今のタイミングがショーケースの庫内温度等、冷却対象の温度が上昇し、冷却対象の温度を目標値まで到達させるためには蒸発器に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止した後、再び蒸発器への冷媒の流入・流出を開始した直後であるか判定する方法として、ショーケースの庫内温度コントローラからの霜取り命令が解除され、冷媒の流入・流出を開始した後、蒸発器出口と入口の冷媒温度差の上昇が初回であるかどうかで判定する方法をとる。冷媒温度差の増加は、一回前の演算タイミングでの蒸発器出口と入口の冷媒温度差演算値と今回の演算値の差を取り、その値が正か負かにより判定する。さらに、この冷媒温度差の増加が生じたことを記憶する。この冷媒温度上昇が、初回である場合は、図7のS7にて平均化処理が施された冷媒漏れ判定用温度データを冷媒もれ判定値と比較することにより、異常判定を行う。二回目以降である場合は、判定を実施せずに次のループS1に移行する。冷媒温度差の増加が生じたことの記憶は、次に冷却対象の温度を目標値まで到達させるためには蒸発器に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止した条件に入った時点で消去される。
【0033】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、食料品等展示販売用の冷凍ショーケース用の冷凍・冷蔵設備、店舗・ビル・住宅等の空調設備、冷蔵庫・自動販売機などの冷媒を使用している冷凍・冷蔵設備にて利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明を適用した冷凍・冷凍・空調設備の一般的な構成図面である。
【図2】冷凍・冷蔵・空調設備の一般的な構成図面にて、従来技術を説明した図である。
【図3】従来技術の問題点を説明した図である。
【図4】第1の実施例の効果を表した図である。
【図5】第1の実施例の効果を表した図である。
【図6】第1の実施例をフローチャートで表した図である。
【図7】第2の実施例をフローチャートで表した図である。
【符号の説明】
【0036】
A:冷凍装置、1:圧縮機、2:油分離器、3:凝縮器、4:レシーバタンク、5:管継手、6:電磁弁、7:膨張弁、8:蒸発器、9:第2の管継手、10:液分離器、11:冷媒用配管、12:第1の温度センサ、13:第2の温度センサ、14:電気的信号線、15:演算器、16:蒸発器出口、17:蒸発器入口、18:冷凍機、19:ショーケース、20:蒸発器、21:蒸発器入口、22:蒸発器出口、23:ショーケース、24:冷媒回路、24a:第1の管継手、24b:第2の管継手、25:圧縮機、26:冷凍機、27:電磁弁、28:油分離器、29:凝縮器、30:液分離器、31:膨張弁、32:レシーバタンク、33:蒸発器出口と入口の冷媒温度差、34:ショーケースの庫内温度、35:電磁弁の開閉信号、36:冷媒が少量抜けた条件、37:冷媒がかなり抜けてきた条件、40:強制的に冷媒を止めている時間帯、41:蒸発器出口と入口の冷媒の温度差、42:ショーケースの庫内温度、43:電磁弁の開閉信号、44:強制的に冷媒を止める操作を解除した時点、45:強制的に冷媒を止める操作を解除後10〜20分経過した時点、46:強制的に冷媒を止める操作を解除後10〜20分経過した時点での蒸発器出口と入口の冷媒の温度差、50:強制的に冷媒を止めている時間帯、51:蒸発器出口と入口の冷媒温度差、52:ショーケースの庫内温度、53:電磁弁の開閉信号、54:強制的に冷媒を止める操作を解除した時点、55:強制的に冷媒を止める操作を解除後、数分経過した時点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸発器出口、および、入口の冷媒温度または冷媒温度に相当する温度により冷凍装置の冷媒量の不足を判定する冷凍装置の冷媒漏れ検出方法において、冷却対象の温度を目標値まで到達させるためには蒸発器に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止した場合、蒸発器への冷媒の流入・流出再開直後の蒸発器出口と蒸発器入口の温度差により冷媒量の不足を検出することを特徴とする冷凍装置の冷媒漏れ検出方法。
【請求項2】
蒸発器出口、および、入口の冷媒温度または冷媒温度に相当する温度により冷凍装置の冷媒量の不足を判定する冷凍装置の冷媒漏れ検出方法において、冷却対象の温度を目標値まで到達させるためには蒸発器に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止した場合、蒸発器への冷媒の流入・流出再開直後の蒸発器出口と蒸発器入口の温度差が所定値以上に達した場合に冷媒量が不足であると判定することを特徴とする冷凍装置の冷媒漏れ検出方法。
【請求項3】
請求項1〜2に記載された冷凍装置の冷媒漏れ検出方法において、蒸発器への冷媒の流入・流出再開直後であることを、蒸発器への冷媒の流入・流出再開から所定時間内であることにより判定することを特徴とする冷凍装置の冷媒漏れ検出方法。
【請求項4】
請求項1〜2に記載された冷凍装置の冷媒漏れ検出方法において、蒸発器への冷媒の流入・流出再開直後であることを、蒸発器出口と蒸発器入口の冷媒の温度差、または、冷媒の温度差に相当する温度差、の時間的変化により判定することを特徴とする冷凍装置の冷媒漏れ検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−236332(P2009−236332A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−79447(P2008−79447)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(591032703)群馬県 (144)
【出願人】(305026013)細谷工業株式会社 (4)