冷凍装置の冷媒漏れ検出方法
【課題】 蒸発器前または後の冷媒温度により冷媒漏れを検出する冷媒漏れ検出方法を、複数の蒸発器が接続されている冷凍・冷蔵・空調設備に適用する場合であっても、冷媒漏れ検出システムの検出能力を最良の状態に確保すると共に冷媒漏れ検出装置のコストを低減する。更に、蒸発器に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止した場合、その後の蒸発器への冷媒の流入・流出再開後、冷媒漏れの誤検出を回避可能な冷凍・冷蔵・空調設備の冷媒漏れ検出方法を提供する。
【解決手段】 冷媒の温度を検出するセンサを、冷媒配管末端、または、冷媒が届きづらい蒸発器のみに取付ける。また、蒸発器に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止した場合、蒸発器への冷媒の流入・流出再開後、所定時間経過するまで、または、電磁弁が所定回数作動するまで冷媒量の判定を行わないことを特徴とする冷凍・冷蔵・空調設備用の冷媒漏れ検出方法。
【解決手段】 冷媒の温度を検出するセンサを、冷媒配管末端、または、冷媒が届きづらい蒸発器のみに取付ける。また、蒸発器に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止した場合、蒸発器への冷媒の流入・流出再開後、所定時間経過するまで、または、電磁弁が所定回数作動するまで冷媒量の判定を行わないことを特徴とする冷凍・冷蔵・空調設備用の冷媒漏れ検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒回路内の冷媒量の不足を検出する冷凍装置の監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図2は一般的な冷凍装置の冷媒回路図である。圧縮機25、油分離器28(オイルセパレータとも言う。)、凝縮器29(コンデンサとも言う。)、レシーバタンク39(受液器とも言う。)第1の管継手24a、電磁弁27、膨張弁38、蒸発器(冷却器又はエバポレータとも言う。)20、第2の管継手24b、液分離器37(アキュムレータとも言う。)等の間を冷媒配管で接続し、前記第1の管継手24aと前記第2の管継手24bの間の電磁弁27、膨張弁38、蒸発器20に直列に接続された冷媒経路を単独又は並列に複数(図2では4系統の並列)に設けて、ショーケース23の冷媒回路24を形成している。
【0003】
例えば冷凍装置の冷媒回路24から冷媒が漏れた場合、冷凍を行いたい対象物は目標の温度まで下げることが出来なくなる。店舗などで使用されている冷凍ショーケース23の場合、冷凍を行いたい対象物、すなわちショーケース23の庫内温度が目標とする温度に到達しないことで、例えばアイスクリームが溶けてしまうような庫内温度の異常を、検出することになる。ショーケース23の庫内温度が目標に到達しなくなる故障の原因としては、冷媒が漏れる以外にも圧縮機25の焼き付き、電磁弁27のコイル断線、その他複数存在するため、庫内温度の異常のみから冷媒の漏れを特定することは不可能である。また、冷媒の漏れが原因によりショーケース23の庫内温度が目標温度に到達しない状況となる時点では、冷媒回路内24の冷媒は殆ど漏れてしまっている状態である。それと同時に、庫内温度が目標に到達していないので、ショーケース23内の商品の品質も低下してしまう。更に、その修理には専門技術者と道具を必要とし、手間と時間が掛かり、ショーケース23が使用できるまでには、相当の日数を費やすこととなる。
【0004】
この対策として、冷媒漏れだけを特定して検出する方式を採用することが考えられる。そして、冷媒回路24からの冷媒漏れを検出する従来の方式として、冷房装置(自動車の冷房装置)の冷媒量不足による圧縮機25の破損を防止するために、蒸発器20(冷却器又はエバポレータとも言う。)の入口21の冷媒温度を検出する第1の検出部材と、蒸発器出口22の冷媒温度を検出する第2の検出部材で検出した冷媒温度が所定以上の差が生じた時動作する接点を有することを特徴とする冷房装置の冷媒量不足検出スイッチを設けるものがある。その他のものとして、冷媒量不足検出機能を兼ね備え、冷却制御温度を検出してオン・オフ制御信号を発生する温度応答制御装置を有するものとして、蒸発器の入口21と出口22における冷媒温度をサーミスタで検出し、両サーミスタの出力の差が所定値以上になると検知信号を出力するものがある。なお、上記したような本願発明に関連する公知技術として次の特許文献1〜2を挙げることが出来る。
【0005】
【特許文献1】実公昭55―023169号公報
【特許文献2】実開昭56−118365号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の如く、従来技術に係る(特許文献1)の一方の技術では、冷媒温度の検出部材が冷媒に接するようにセンサを取付ける必要がある。そして、この技術は、自動車の冷房装置を前提にしている為、蒸発器が接続されている冷媒経路が基本的に1つの場合を想定している。図2は冷凍装置の冷媒回路図であるが、この場合は、4系統の冷媒経路となっている。本冷媒量不足検出装置を図2の様な4系統の冷媒経路に適用する場合、蒸発器20(冷却器又はエバポレータとも言う。)の入口21と蒸発器出口22に、冷媒量不足検出装置取付け用の配管加工(温度センサを蒸発器の入口と出口の部分に、冷媒に温度センサが直接接するように)を4経路分施す必要があり、困難な作業である。このように、蒸発器20が冷凍機26に複数台接続されている場合は、費用、作業的にも大変困難となる。
【0007】
図3は蒸発器の上流にある電磁弁(図2の27)を蒸発器の霜取りの為に閉状態で停止した状態30を含む、蒸発器入口(図2の21)と蒸発器出口(図2の22)の冷媒温度差の変化を示す図である。また、この電磁弁が閉状態で停止した状態30以外の部分で、冷媒を時間の経過と共に徐々に冷媒回路から抜いて、擬似的な冷媒漏れを再現したものである。霜取りの期間30では、電磁弁の開閉信号33は、閉の状態を示しており、ショーケースの庫内の温度32は上昇している。図3から蒸発器入口(図2の21)と出口(図2の22)の間の温度差31は冷媒の流れが再開した条件(霜取りが終了し電磁弁が開いて冷媒が再び流れ始めた状態)34と冷媒が抜けてきた条件35でほとんど同じような状態を示すことが分る。(特許文献2)の他方の技術では、冷媒が流れているかいないかに係らず、蒸発器の入口(図2の21)と出口(図2の22)における冷媒温度をサーミスタで検出し、両サーミスタの出力の差が所定値以上になると冷媒量不足の検知信号を出力している。しかし、冷凍サイクル内の冷媒量が一定であっても、上述のように冷却対象の温度が上昇し本来であれば蒸発器へ冷媒を流すべき条件時に強制的に冷媒の流れを停止した後では、蒸発器の入口と出口の温度差が大きくなるため、(特許文献2)の技術のみでは冷媒量の誤判定を引き起こしてしまう。
【0008】
前述の従来技術の一方を、蒸発器が冷凍機に複数台接続されている冷凍設備に適用するためには、作業量が大きくなり費用が掛かること、また、他方の方式のみでは誤判定を生ずる可能性がある条件があり、経済的損失に対するリスクが大きい。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、蒸発器が冷凍機に複数台接続されている場合であっても、費用、作業的にも負担が軽く、かつ、検出性能の向上を図ることが可能な冷凍装置の冷媒漏れ検出方法を提供すること、また、冷凍装置の運転条件や環境条件の変化による誤判定を生こさない頑強な冷媒漏れ検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成する本発明は、(1)〜(3)により提供される。
【0011】
(1)図1に示す冷凍装置Aのように、圧縮機1(コンプレッサとも言う。)、油分離器2(オイルセパレータとも言う。)、凝縮器3(コンデンサとも言う。)、レシーバタンク4(受液器とも言う。)、第1の管継手5(パイプジョイント、パイプフィッティングとも言う。)、電磁弁6、膨張弁7、蒸発器8(冷却器又はエバポレータとも言う。)、第2の管継手9(パイプジョイント、パイプフィッティングとも言う。)、液分離器10(アキュムレータとも言う。)等の間を冷媒用配管11で接続すると共に、前記レシーバタンク4(受液器)の出口側と、前記液分離器10(アキュムレータ)の入口側との間において、電磁弁6、膨張弁7、蒸発器8、とを冷媒配管11を用いて直列に接続された冷媒経路を、冷媒用配管11を介して前記レシーバタンク4の出口側に接続された第1の管継手5と、前記液分離器10の入口側に冷媒用配管11を介して接続された第2の管継手9との間に、単独、または、並列に複数(図1の実施例では1系統、図4では8系統の並列)設けられた冷媒経路を有する冷凍装置Aの冷媒回路にて、膨張弁7と蒸発器8の入口側17との間に設けられた第1の温度センサ12と蒸発器8の出口側16と第2の管継手9との間に設けられた、第2の温度センサ13の各々の電気的信号を電気的信号線14を通して演算器15に入力し、蒸発器出口16および、または蒸発器入口17の冷媒または冷媒に相当する温度により、冷凍装置Aの冷媒回路内の冷媒量を判定することを特徴とする冷凍装置Aの冷媒漏れ検出方法において、第1の温度センサ12と第2の温度センサ13はその冷媒回路内の冷媒漏れに対する温度の感度が高い蒸発器8のみ(全体の台数以下の数の蒸発器8)に取付けることで、上記課題を解決する。
【0012】
尚、冷媒回路内の冷媒漏れに対する温度の感度が高い蒸発器の例を示す。図4のように冷凍機45一台に対して、複数台のショーケースが(本図では8台)接続されている場合、冷凍機45から離れていて冷媒配管44が長いショーケースの組41の、さらに末端にあるショーケース43の蒸発器49では冷媒の温度上昇による一部ガス化が発生するため、冷媒供給量が他のショーケースの蒸発器に比べて少なくなる。また、図4の左側のショーケースの組42では冷媒配管44は冷凍機45から離れていないが、中間に位置するショーケース46への冷媒配管の接続が冷媒配管44の上方部位に位置しており、冷媒配管44内の上方に存在している冷媒ガスを吸入し易いため、冷媒供給量が他のショーケースの蒸発器と比較して少ない。冷媒の量が減少した場合、十分な量の冷媒が到達しづらい条件のこれらの蒸発器の出口側冷媒温度の変化や、入口側冷媒温度と出口側冷媒温度との差の変化は、他の蒸発器に比べて大きい。従って、これらの蒸発器は冷媒漏れによる冷媒回路内の冷媒量の減少に対し、一層敏感に蒸発器の出口温度や、入口温度と出口温度との温度差に変化が現れる蒸発器、すなわち冷媒漏れに対する温度の感度が高い蒸発器であるといえる。
【0013】
(2)はまた、図1に示す冷凍装置Aのように、圧縮機1、油分離器2、凝縮器3、レシーバタンク4、第1の管継手5、電磁弁6、膨張弁7、蒸発器8、第2の管継手9、液分離器10等の間を冷媒用配管11で接続すると共に、前記レシーバタンク4の出口側と、前記液分離器10の入口側との間において、電磁弁6、膨張弁7、蒸発器8、とを冷媒配管11を用いて直列に接続された冷媒経路を、冷媒用配管11を介して前記レシーバタンク4の出口側に接続された第1の管継手5と、前記液分離器10の入口側に冷媒用配管11を介して接続された第2の管継手9との間に、単独、または、並列に複数(図1の実施例では1系統、図4では8系統の並列)設けられた冷媒経路を有する冷凍装置Aの冷媒回路にて、膨張弁7と蒸発器8の入口側17との間に設けられた第1の温度センサ12と蒸発器の出口側16と第2の管継手9との間に設けられた、第2の温度センサ13の各々の電気的信号を電気的信号線14を通して演算器15に入力し、蒸発器出口16および、または蒸発器入口17の冷媒または冷媒に相当する温度により、冷凍装置Aの冷媒量を判定することを特徴とする冷凍装置Aの冷媒漏れ検出方法において、冷却対象の温度を目標値まで到達させるためには蒸発器8に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止した場合、蒸発器8への冷媒の流入・流出再開後に所定時間経過するまでは冷媒量の判定を行わない、又は、冷媒量の判定結果を基に異常判定を行わないようにすることで、上記課題を解決する。
【0014】
(3)はまた、図1に示す冷凍装置Aのように、圧縮機1、油分離器2、凝縮器3、レシーバタンク4、第1の管継手5、電磁弁6、膨張弁7、蒸発器8、第2の管継手9、液分離器10等の間を冷媒用配管11で接続すると共に、前記レシーバタンク4の出口側と、前記液分離器10の入口側との間において、電磁弁6、膨張弁7、蒸発器8、とを冷媒配管11を用いて直列に接続された冷媒経路を、冷媒用配管を介して前記レシーバタンク4の出口側に接続された第1の管継手5と、前記液分離器10の入口側に冷媒用配管11を介して接続された第2の管継手との間に、単独、または、並列に複数(図1の実施例では1系統、図4では8系統の並列)設けられた冷媒経路を有する冷凍装置Aの冷媒回路にて、膨張弁7と蒸発器8の入口側17との間に設けられた第1の温度センサ12と蒸発器の出口側16と第2の管継手9との間に設けられた、第2の温度センサ13の各々の電気的信号を電気的信号線14を通して演算器15に入力し、蒸発器出口16および、または蒸発器入口17の冷媒または冷媒に相当する温度により、冷凍装置Aの冷媒量を判定することを特徴とする冷凍装置Aの冷媒漏れ検出方法において、冷却対象の温度を目標値まで到達させるためには蒸発器8に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止した場合、蒸発器8への冷媒の流入・流出再開後に電磁弁6が所定回数動作するまでは冷媒量の判定を行わない、又は、冷媒量の判定結果を基に異常判定を行わないようにすることで、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、蒸発器が冷凍機に複数台接続されている冷凍設備に冷媒漏れ検出方法を適用する場合にも容易にしかも安価に実施可能である。更に、冷媒抜け(漏れ)に関する感度が高い蒸発器の特性変化を基に冷媒漏れの検出を実施するため、検出の感度が高くなり、早期の冷媒漏れ検出が可能となる。また、冷媒の流れを冷却条件に係らず遮断するような通常以外の条件であっても、誤判定を生じない信頼性の高い冷媒漏れ検出機能を提供できるようになる。
【0016】
[第1実施例の効果]
(請求項1関連)
図1は冷凍機一台に対して、接続されている冷却対象のショーケースが一台であったが、図4は冷却対象のショーケースが複数台(本図では8台)接続されている場合の簡略図である。図4の右側のショーケースの組41では冷媒配管44が長く、冷凍機45から離れている。その中でも末端にあるショーケース43では冷媒の温度上昇による一部ガス化が発生するため、冷媒供給量が他のショーケースに比べ少なくなる。また、図4の左側のショーケースの組42では冷媒配管44は冷凍機45から離れていないが、中間に位置するショーケース46の蒸発器49への冷媒配管44の接続で、冷媒配管44からの冷媒の取り出しが管の上方からの取り出しとなっている場合である。この場合も、冷媒配管内44の上方に存在しているガスを吸入し易いため、冷媒の供給量が他のショーケースに比較して少なくなる。その他、ショーケースへの冷媒の供給量が少なくなってしまう条件としては、冷媒配管44の傾斜が冷媒配管44の末端に行くほど高くなる場合などが考えられる。図7は、冷凍装置から冷媒漏れが発生した場合の冷凍機45の近くに位置するショーケース内の蒸発器出口と入口の冷媒の温度差71すなわち第1の温度センサ(図4の47)と第2の温度センサ(図4の48)の出力差である。図8は、冷凍装置から冷媒漏れが発生した場合の冷凍機45から離れた所に位置する冷媒配管44末端のショーケース内の蒸発器出口と入口の冷媒の温度差81の実測データである。図7と図8は、何れも冷媒配管44からの冷媒の取り出しは管の側面からであり、同一条件である。冷凍機45も同一であり、また、データも同一のタイミングで取得したものである。なお、冷媒漏れは冷媒を時間の経過と共に徐々に冷媒回路から抜いて擬似的な冷媒漏れを再現したものである。その結果、冷凍機45からの冷媒配管44の距離が短い図7のショーケースの場合71に比べ、冷媒配管44の距離が長く、しかも、冷媒配管44の末端にある図8のショーケースでは、冷媒量の減少に対する蒸発器出口と入口の温度差81が非常に大きくなっていることが分る。つまり、冷媒量の減少は、冷媒が十分に到達しづらい条件の冷凍ショーケースの蒸発器に関する冷媒温度の情報のみから高感度に検出可能であることになる。
【0017】
この効果を使えば、冷凍機一台に複数の冷凍ショーケースが接続されている場合であっても、その全ての冷凍ショーケースに温度センサを取付ける必要はなく、ショーケース全体の中から、冷媒が到達しづらい条件と思われるもの、または、冷媒の量を故意に変化させた場合の冷媒温度の実測データを取得・解析し冷媒温度に変化が出やすい冷凍ショーケースの蒸発器のみに温度センサを取付け、そのデータから冷媒漏れを判定することが出来る。
【0018】
その結果、冷凍機に接続されている冷凍ショーケースなどの冷却対象の数によらず、少ない数の温度センサ、少ない数の演算器で冷媒量不足検出装置を組むことが出来、取付け工数や機器の費用を最小限に抑えることが可能となる。そして、その際の冷媒検出性能も感度が最高の状態が維持されている。
【0019】
[第2実施例の効果]
(請求項2関連)
図12はショーケースの蒸発器出口と入口の冷媒の温度差91と電磁弁の信号93、ショーケースの庫内の温度92を示したものである。本図の先頭の部分90は、蒸発器に付着した霜を取るために、ショーケースの庫内の温度92が上昇しているにも係わらず、電磁弁93を強制的に閉じ、冷媒を蒸発器内に流さないようにしている。この強制的に冷媒を止める操作を解除97した後、10〜20分経過した時点94で蒸発器の入口と出口の温度差が約2〜3度ほど広がっている98ことが分る。本冷媒漏れ検出では、この温度差を基に、温度差が大きければ冷媒漏れが生じているというように、冷媒漏れを判定する為、この温度差98は誤判定を起こす要因となる。また、この温度差分98冷媒漏れの判定敷居値を高くした場合、冷媒漏れの判定が可能な冷媒漏れ量の最低値が大きくなってしまう。しかし、強制的に冷媒を止める操作の解除97から約30分経過96した時点で、蒸発器内の暖まった冷媒が排出され、蒸発器出口と入口の冷媒の温度差91は元の状態に戻っている95。よって、第2実施例の様に強制的に冷媒を止めた後90、所定時間経過96するまでは、図9のフローチャートに於けるS14の条件判定部分により、蒸発器出口と入口の冷媒温度データを読み込まない方式であれば、電磁弁93が開弁していても冷媒漏れの判定は実施しない。これにより、冷媒漏れの誤判定を防ぐことが可能となり、また、強制的に冷媒を止める操作を解除97した後の蒸発器の出口と入口の温度差の広がり98を考慮して冷媒漏れの判定敷居値を高くすることも不要となる。
【0020】
以上説明した強制的に冷媒を止める操作後に誤判定を起こしやすくなる状態は、蒸発器後の冷媒最低温度や蒸発器後の冷媒平均温度でも同様に生ずる為、これらの温度で冷媒漏れを判定する方式に対しても、冷媒漏れの誤判定を防ぐことが可能となる。これにより、信頼性の高い冷媒量不足検出装置を構築することが可能となる。
【0021】
上述のような、蒸発器に付着した霜を取るために、ショーケース内の温度92が上昇しているにも係わらず、電磁弁93を強制的に閉じ、冷媒を蒸発器内に流さない場合90と同様な現象は、冷凍装置の点検の為に強制的に冷媒の流れを停止させた場合、および、停電により冷媒の流れが停止させられた場合にも現れる。しかし、上述の所定時間経過96するまでは、蒸発器出口と入口の冷媒温度データを読み込まない方法を取ることにより、同様に、冷媒漏れの誤判定を防ぐことが可能である。
【0022】
[第3実施例の効果]
(請求項2関連)
本実施例は、第2実施例と同様な条件の場合、すなわち、図12の先頭部分90の様に強制的に冷媒を止めた後、所定時間経過96するまでの間は、図10のフローチャートに於けるS14の条件判定部分により、蒸発器出口と入口の冷媒温度データを元にS6で算出した判定用温度データを用いたS11での冷媒漏れ判定値との比較を実施しないものである。本実施例は、蒸発器入口と出口の冷媒温度データを一定周期で常に読み込ませたい場合に適用される方式である。この実施例の場合も、冷媒漏れの誤判定を防ぐことが可能となり、また、強制的に冷媒を止める操作を解除97した後の蒸発器の出口と入口の冷媒温度差の広がり98を考慮して冷媒漏れの判定敷居値を高くすることも不要となる。
【0023】
本実施例の場合も、蒸発器後の冷媒最低温度や蒸発器後の冷媒平均温度で冷媒漏れを判定する方式に対しても、冷媒漏れの誤判定を防ぐことが可能となる。これにより、信頼性の高い冷媒量不足検出装置を構築することが可能となる。
【0024】
また、冷凍装置の点検の為に強制的に冷媒の流れを停止させた場合、および、停電により冷媒の流れが停止させられた場合等に対しても、第2実施例と同様に、冷媒漏れの誤判定を防ぐことが可能である。
【0025】
[第4実施例の効果]
(請求項3関連)
図12はショーケースの蒸発器出口と入口の冷媒の温度差91と電磁弁の信号93、ショーケースの庫内の温度92を示したものである。本図の先頭の部分90は、蒸発器に付着した霜を取るために、ショーケースの庫内の温度92が上昇しているにも係わらず、電磁弁93を強制的に閉じ、冷媒を蒸発器内に流さないようにしている。この強制的に冷媒を止める操作を解除97した後、10〜20分経過した時点94で蒸発器の出口と入口の温度差が約2〜3度ほど広がっている98ことが分る。本冷媒漏れ検出では、この温度差を基に、温度差が大きければ冷媒漏れが生じているというように、冷媒漏れを判定する為、この温度差98は誤判定を起こす要因となる。また、この温度差分98冷媒漏れの判定敷居値を高くした場合、冷媒漏れの判定が可能な冷媒漏れ量の最低値が大きくなってしまう。しかし、強制的に冷媒を止める操作の解除97後、蒸発器出口と入口の冷媒の温度差91が一旦広がった94後、元の状態に戻る95までの間96に、電磁弁の開閉93が2回ほど行われていることが分る。この、電磁弁の開閉93により、蒸発器内の暖まった冷媒が排出され、蒸発器出口と入口の冷媒の温度差94は元の状態に戻っている95。よって、第2実施例の様に強制的に冷媒を止めた90後、電磁弁93が所定回数開閉するまで96は、蒸発器出口と入口の冷媒温度データを読み込まない方法をとること、または、第3実施例の様に冷媒漏れの判定を実施しない方法を取ることにより、冷媒漏れの誤判定を防ぐことが可能となり、また、強制的に冷媒を止める操作を解除97した後の蒸発器の出口と入口の冷媒温度差の広がり98を考慮して冷媒漏れの判定敷居値を高くすることも不要となる。
【0026】
以上説明した強制的に冷媒を止める操作後に誤判定を起こしやすくなる状態は、蒸発器後の冷媒最低温度や蒸発器後の冷媒平均温度でも同様に生ずる為、これらの温度で冷媒漏れを判定する方式に対しても、冷媒もれの誤判定を防ぐことが可能となる。これにより、信頼性の高い冷媒量不足検出装置を構築することが可能となる。
【0027】
上述のような、蒸発器に付着した霜を取るために、図12の様にショーケースの庫内温度92が上昇しているにも係わらず、電磁弁93を強制的に閉じ、冷媒を蒸発器内に流さない場合90と同様な現象は、冷凍空装置の点検の為に強制的に冷媒の流れを停止させた場合、および、停電により冷媒の流れが停止させられた場合にも現れる。しかし、上述の電磁弁が所定回数開閉するまで96は、冷媒漏れの判定を実施しない方法を取ることにより、同様に、冷媒漏れの誤判定を防ぐことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
[第1の実施例]
図1に示すような、圧縮機1、油分離器2、凝縮器3、レシーバタンク4、第1の管継手5、電磁弁6、膨張弁7、蒸発器8、第2の管継手9、液分離器10等の間を冷媒用配管11で接続すると共に、前記レシーバタンク4と、前記液分離器10との間において、電磁弁6、膨張弁7、蒸発器8、を経由する冷媒経路を単独、または、並列に複数(図1の実施例では1系統、図4では8系統の並列)設けた冷凍装置Aの冷媒回路において、蒸発器8の上流、かつ、膨張弁7の下流の部分に第1の温度センサ12を取付ける。また、蒸発器8の下流、かつ、他の冷却経路との合流(第2の管継手9)前の部分に第2の温度センサ13を取付ける。温度センサは、どの様な種類のものでも良いが、温度信号をマイコンなどの演算器で処理するため、熱電対やサーミスタなどの様になんらかの電気的出力信号が得られるものである必要がある。温度センサの取付けは、内部の冷媒に直接接するような取付け方であっても、冷媒配管11に取付けることで冷媒の温度を間接的に検出するような方式であっても良い。ただし、冷媒配管11に取付ける場合は、配管周囲の空気温度の影響を受けないようにするため、配管に取付けた温度センサ12,13の周囲は保温材などで覆い、極力冷媒温度と同一な温度となるような処置をする必要がある。第1の温度センサ12と第2の温度センサ13の出力は、電気的信号線14により演算器15に入力する。
【0030】
また、冷媒の蒸発器8への流れ込みを制御している電磁弁6の開閉の状態と相関がある電磁弁6の駆動信号を取り出せるようにする。これは、電磁弁6に対して開閉命令を直接指示しているコントローラ(演算器)15内のソフト上の開閉命令信号であっても、電磁弁6に掛かる電圧信号を電気的に取り出した信号であってもよい。電磁弁6に掛かる電圧信号を用いる場合は、図1のように演算器15に電磁弁6の電気的信号線を入力する。
【0031】
図4は、温度センサの取付け方に関する第1の実施例である。図1は冷凍機一台18に対して、接続されている冷却対象のショーケースが一台であったが、図4は冷却対象のショーケースが複数台(本図では8台)接続されている場合の簡略図である。図4の右側のショーケースの組41では冷媒の配管44が長く冷凍機45から離れている。その中でも末端にあるショーケース43では冷媒の温度上昇による一部ガス化が発生するため、冷媒供給量が他のショーケースに比べ少なくなる。また、図4の左側のショーケースの組42では冷媒配管44は冷凍機45から離れていないが、中間に位置するショーケース46の蒸発器49への冷媒配管44の接続で、冷媒配管44からの冷媒の取り出しが管の上方からの取り出しとなっている場合である。この場合も、冷媒配管44内の上方に存在しているガスを吸入し易いため、冷媒の供給量が他のショーケースに比較して少なくなる。冷媒配管44からの冷媒の取り出しが上方からとなってしまう理由は、冷凍ショーケースを設置する店舗の構造上の影響で配管レイアウトが上方からしか取り出せない場合などがある。その他、ショーケースへの冷媒の供給量が少なくなってしまう条件としては、冷媒配管の傾斜が冷媒配管44の末端に行くほど高くなる場合などが考えられる。
【0032】
前述の蒸発器の入口と出口の温度センサは、冷凍機に複数台のショーケースが繋がっている場合であっても、その全ての冷凍ショーケースの中から、前述の理由で冷媒が液体の状態で到達しづらい条件と思われるもの、または、冷媒の量を故意に変化させた場合の冷媒温度の実測データを取得・解析し、冷媒温度に変化が出やすい冷凍ショーケースの蒸発器のみに温度センサを取付ける。例えば、図4の場合は、冷媒の供給量が他のショーケースに比較して少ないショーケース43,46のみに温度センサ47,48を取付ける。
【0033】
図5は、第1実施例における、上述の温度センサ信号と電磁弁の信号を使用した冷媒漏れ判定プログラムの例である。本プログラムは、図1の演算器15の中に記述され、所定の演算周期にてステップ的に実行される。まず、S1で電磁弁(図4の40)の駆動信号を読込み、電磁弁40の駆動信号を監視する。S2で電磁弁40が開弁しているか判定し、電磁弁40が開弁していない場合は、開弁するまでその他の演算処理は無しに電磁弁40の開弁の監視を継続するため、再びS1に戻る。電磁弁40が開弁した場合、S3以降の処理が実施され、第1および第2の温度センサ47,48の信号処理が開始される。このことにより、蒸発器49に冷媒が流れ、冷凍サイクルが成立している時点のデータのみで冷媒漏れの判定がなされこととなる。
【0034】
開弁が判定された場合、初回の開弁判定の時点で冷媒漏れ判定用温度データ演算結果データを入れるメモリーを図5のS3にて初期化する。これは、開弁期間毎に判定用温度データの算術平均値を算出する為である。また、この算術平均値算出用として、S4にて温度センサのデータ取得数のカウントを一つ進める。次にS5にて蒸発器部分の第1(入口)および第2(出口)の温度センサ47,48の信号を読み込む。そして、このセンサ信号を基に、冷媒漏れ判定用温度データ演算処理部分(S6)で、第2の温度センサ48による蒸発器出口の冷媒温度の最低値の検出処理および、または第2の温度センサ48による蒸発器出口の冷媒温度の積算処理および、または第2の温度センサ48による蒸発器出口の冷媒温度と第1の温度センサによる蒸発器入口47の冷媒温度との差を積算する処理を行う。
【0035】
冷媒漏れ判定用温度データ演算処理の後、図5のS7にて電磁弁40の駆動信号を再び読み込む。そして、S8にて電磁弁40が閉弁したかどうかの判定を行う。
【0036】
電磁弁40が閉弁していない場合、すなわち開弁した状態のままである場合、S4に戻り、再び温度センサ47,48のデータ取得数のカウントを一つ進めた後、第1および第2の温度センサ47,48の信号を読み込み(S5)、冷媒漏れ判定用温度データ演算処理(S6)を行う。
【0037】
電磁弁40が閉弁した場合(S8にてYesの判定がなされた場合)、第1および第2の温度センサ47,48の信号は読み込まず、S9にて第2の温度センサ48による蒸発器出口の冷媒温度の積算値および、または第2の温度センサ48による蒸発器出口の冷媒温度と第1の温度センサ47による蒸発器入口の冷媒温度との差の積算値から開弁期間におけるそれぞれの平均値を算出する。このとき、平均値の算出は、それぞれの積算値を温度センサのデータ取得数のカウント値(S4でのカウント値)によって除することにより求める。
【0038】
こうして、一回の開弁期間における、蒸発器出口の冷媒温度の最低値および、または蒸発器出口の冷媒温度平均値および、または図8に示すような蒸発器出口と入口の冷媒温度差の平均値、すなわち、冷媒漏れ判定用温度データが算出される。
【0039】
開弁期間毎に算出された冷媒漏れ判定用温度データは、周囲の温度変化や装置の動作ばらつきやノイズ(電気的)などの外乱により、各タイミング毎にある程度のばらつきを持つ。このばらつきの影響を低減させるため、開弁期間毎に算出された冷媒漏れ判定用温度データに一次遅れ処理などの逐次平均化処理を図5のS10にて施す。
【0040】
下の式(数1)はS10で逐次平均化処理として用いる一次遅れ処理の例である。yは一次遅れ処理を行った平均値、uは一次遅れ処理前の冷媒漏れ判定用温度データ、Tsは温度センサの信号のサンプリング周期(演算器内のプログラムの演算タイミング)、Tは一次遅れ処理の重みすなわち時定数、添え字のkはサンプリング又は演算のタイミングを表す。すなわち、k-1は一回前の演算タイミングでの演算値または、一回前のサンプリングタイミングでの温度センサ信号のサンプリング値をあらわす。
【0041】
【数1】
【0042】
その平均化処理が施された冷媒漏れ判定用温度データを冷媒もれ判定値と比較することにより、図5のS11にて異常判定を行う。異常判定がなされた場合はS12にて、冷媒漏れランプ点灯などの異常判定時処理を実施し、正常判定がなされた場合はS13にて、正常ランプ点灯などの正常判定処理を実施する。正常又は異常判定処理の終了後再びS1に戻り、電磁弁駆動信号40を読み込み、上述の処理を繰り返す。
【0043】
また、冷媒漏れ判定プログラムは、必要に応じて図6の様に各開弁期間毎の平均値の算出を行わない形に簡略化したプログラムに変更することも可能である。
【0044】
[第2の実施例]
図9は第2の実施例であり、請求項2の実施例である。第1の実施例にて示した図6のプログラムのフローチャート対してS2とS5の間にS14の条件判定処理を追加したものである。このS14は、ショーケースの庫内温度等、冷却対象の温度が上昇し、本来であれば蒸発器に冷媒を流すべき条件であるにもかかわらず、電磁弁を閉じることによって、冷媒の流れを強制的に停止していた条件となっていた場合、その状態から開放されてから所定の時間が経過しているかを判定するものである。その結果、所定時間経過していない場合は、蒸発器の入口と出口の温度データの読込みを実施せずに次のループに移行する。
【0045】
図5に示すプログラムの場合は、上述のS14の判定は、S2とS3の間に組み込むこととなる。
【0046】
また、本方式は、冷凍装置に接続されている冷媒経路の数に係わらず、適用可能である。
【0047】
[第3の実施例]
図10は第3の実施例であり、請求項2の実施例である。第1の実施例にて示した図6のプログラムのフローチャート対してS10とS11の間にS14の条件判定処理を追加したものである。このS14は、ショーケースの庫内温度等、冷却対象の温度が上昇し、本来であれば蒸発器に冷媒を流すべき条件であるにもかかわらず、電磁弁を閉じることによって、冷媒の流れを強制的に停止していた条件となっていた場合、その状態から開放されてから所定の時間が経過しているかを判定するものである。その結果、所定時間経過していない場合は、判定用温度データの演算結果を用いた冷媒漏れ判定処理を実施せずに次のループに移行する。
【0048】
図5に示すプログラムの場合は、上述のS14の判定は、S10とS11の間に組み込むこととなる。
【0049】
また、本方式は、冷凍装置に接続されている冷媒経路の数に係わらず、適用可能である。
【0050】
[第4の実施例]
図11は第4の実施例であり、請求項3の実施例である。第1の実施例にて示した図6のプログラムのフローチャート対してS1とS2の間にS15の条件判定処理を追加したものである。このS15は、ショーケースの庫内温度等、冷却対象の温度が上昇し、本来であれば蒸発器に冷媒を流すべき条件であるにもかかわらず、電磁弁を閉じることによって、冷媒の流れを強制的に停止していた条件となっていた場合、その状態を解除してから所定の回数電磁弁を開閉したか判定するものである。その結果、所定回数電磁弁を開閉していない場合は、判定用温度データの演算結果を用いた冷媒漏れ判定処理を実施せずに次のループに移行する。
【0051】
図5に示すプログラムの場合は、上述のS15の判定は、S2とS3の間に組み込むこととなる。また、本方式の場合も第3実施例のように、S15をS10とS11の間に組み込んでも成立する。
【0052】
また、本方式は、冷凍装置に接続されている冷媒経路の数に係わらず、適用可能である。
【0053】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、食料品等展示販売用の冷凍ショーケース用の冷凍・冷蔵設備、店舗・ビル・住宅等の空調設備、冷蔵庫・自動販売機などの冷媒を使用している冷凍・冷蔵設備にて利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明を適用した冷凍・冷凍・空調設備の一般的な構成図面である。
【図2】冷凍・冷蔵・空調設備の一般的な構成図面にて、従来技術を説明した図である。
【図3】冷凍・冷蔵・空調設備の従来技術の問題点を説明した図である。
【図4】第1の実施例の構成を表した図である。
【図5】第1の実施例におけるプログラム部分の例をフローチャートで表した図である。
【図6】第1の実施例におけるプログラム部分の例をフローチャートで表した図である。
【図7】第1の実施例の効果を表した図である。
【図8】第1の実施例の効果を表した図である。
【図9】第2の実施例をフローチャートで表した図である。
【図10】第3の実施例をフローチャートで表した図である。
【図11】第4の実施例をフローチャートで表した図である。
【図12】第2、第3、第4実施例の効果を説明した図である。
【符号の説明】
【0056】
A:冷凍装置、1:圧縮機、2:油分離器、3:凝縮器、4:レシーバタンク、5:管継手、6:電磁弁、7:膨張弁、8:蒸発器、9:第2の管継手、10:液分離器、11:冷媒用配管、12:第1の温度センサ、13:第2の温度センサ、14:電気的信号線、15:演算器、16:蒸発器出口、17:蒸発器入口、18:冷凍機、19:ショーケース、20:蒸発器、21:蒸発器入口、22:蒸発器出口、23:ショーケース、24:冷媒回路、24a:第1の管継手、24b:第2の管継手、25:圧縮機、26:冷凍機、27:電磁弁、28:油分離器、29:凝縮器、30:蒸発器の霜取りの為に強制的に電磁弁を閉状態にしている期間、31:蒸発器の入口と出口の冷媒温度差、32:ショーケースの庫内温度、33:電磁弁の開閉信号、34:冷媒の流れが再開した条件、35:暖まった蒸発器内の冷媒が抜けてきた条件、37:液分離器、38:膨張弁、39:レシーバタンク、40:電磁弁、41:右側のショーケースの組、42:左側のショーケースの組、43:冷媒配管末端のショーケース、44:冷媒配管、45:冷凍機、46:冷媒配管の取り出しが管の上方からの取り出しとなっているショーケース、47:第1の温度センサ、48:第2の温度センサ、49:蒸発器、50:圧縮機、51:凝縮器、71:蒸発器出口と入口の冷媒の温度差、72:電磁弁開閉信号、81:蒸発器出口と入口の冷媒の温度差、82:電磁弁開閉信号、90:蒸発器の霜取りの為に強制的に電磁弁を閉状態にしている期間、91:蒸発器出口と入口の冷媒の温度差、92:ショーケースの庫内温度、93:電磁弁の開閉信号、94:冷媒の流れが再開した条件、95:暖まった蒸発器内の冷媒が抜けてきた条件、96:電磁弁が所定回数開閉する期間、97:強制的に冷媒を止める操作を解除した瞬間、98:蒸発器の出口と入口の冷媒温度差の広がり。
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒回路内の冷媒量の不足を検出する冷凍装置の監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図2は一般的な冷凍装置の冷媒回路図である。圧縮機25、油分離器28(オイルセパレータとも言う。)、凝縮器29(コンデンサとも言う。)、レシーバタンク39(受液器とも言う。)第1の管継手24a、電磁弁27、膨張弁38、蒸発器(冷却器又はエバポレータとも言う。)20、第2の管継手24b、液分離器37(アキュムレータとも言う。)等の間を冷媒配管で接続し、前記第1の管継手24aと前記第2の管継手24bの間の電磁弁27、膨張弁38、蒸発器20に直列に接続された冷媒経路を単独又は並列に複数(図2では4系統の並列)に設けて、ショーケース23の冷媒回路24を形成している。
【0003】
例えば冷凍装置の冷媒回路24から冷媒が漏れた場合、冷凍を行いたい対象物は目標の温度まで下げることが出来なくなる。店舗などで使用されている冷凍ショーケース23の場合、冷凍を行いたい対象物、すなわちショーケース23の庫内温度が目標とする温度に到達しないことで、例えばアイスクリームが溶けてしまうような庫内温度の異常を、検出することになる。ショーケース23の庫内温度が目標に到達しなくなる故障の原因としては、冷媒が漏れる以外にも圧縮機25の焼き付き、電磁弁27のコイル断線、その他複数存在するため、庫内温度の異常のみから冷媒の漏れを特定することは不可能である。また、冷媒の漏れが原因によりショーケース23の庫内温度が目標温度に到達しない状況となる時点では、冷媒回路内24の冷媒は殆ど漏れてしまっている状態である。それと同時に、庫内温度が目標に到達していないので、ショーケース23内の商品の品質も低下してしまう。更に、その修理には専門技術者と道具を必要とし、手間と時間が掛かり、ショーケース23が使用できるまでには、相当の日数を費やすこととなる。
【0004】
この対策として、冷媒漏れだけを特定して検出する方式を採用することが考えられる。そして、冷媒回路24からの冷媒漏れを検出する従来の方式として、冷房装置(自動車の冷房装置)の冷媒量不足による圧縮機25の破損を防止するために、蒸発器20(冷却器又はエバポレータとも言う。)の入口21の冷媒温度を検出する第1の検出部材と、蒸発器出口22の冷媒温度を検出する第2の検出部材で検出した冷媒温度が所定以上の差が生じた時動作する接点を有することを特徴とする冷房装置の冷媒量不足検出スイッチを設けるものがある。その他のものとして、冷媒量不足検出機能を兼ね備え、冷却制御温度を検出してオン・オフ制御信号を発生する温度応答制御装置を有するものとして、蒸発器の入口21と出口22における冷媒温度をサーミスタで検出し、両サーミスタの出力の差が所定値以上になると検知信号を出力するものがある。なお、上記したような本願発明に関連する公知技術として次の特許文献1〜2を挙げることが出来る。
【0005】
【特許文献1】実公昭55―023169号公報
【特許文献2】実開昭56−118365号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の如く、従来技術に係る(特許文献1)の一方の技術では、冷媒温度の検出部材が冷媒に接するようにセンサを取付ける必要がある。そして、この技術は、自動車の冷房装置を前提にしている為、蒸発器が接続されている冷媒経路が基本的に1つの場合を想定している。図2は冷凍装置の冷媒回路図であるが、この場合は、4系統の冷媒経路となっている。本冷媒量不足検出装置を図2の様な4系統の冷媒経路に適用する場合、蒸発器20(冷却器又はエバポレータとも言う。)の入口21と蒸発器出口22に、冷媒量不足検出装置取付け用の配管加工(温度センサを蒸発器の入口と出口の部分に、冷媒に温度センサが直接接するように)を4経路分施す必要があり、困難な作業である。このように、蒸発器20が冷凍機26に複数台接続されている場合は、費用、作業的にも大変困難となる。
【0007】
図3は蒸発器の上流にある電磁弁(図2の27)を蒸発器の霜取りの為に閉状態で停止した状態30を含む、蒸発器入口(図2の21)と蒸発器出口(図2の22)の冷媒温度差の変化を示す図である。また、この電磁弁が閉状態で停止した状態30以外の部分で、冷媒を時間の経過と共に徐々に冷媒回路から抜いて、擬似的な冷媒漏れを再現したものである。霜取りの期間30では、電磁弁の開閉信号33は、閉の状態を示しており、ショーケースの庫内の温度32は上昇している。図3から蒸発器入口(図2の21)と出口(図2の22)の間の温度差31は冷媒の流れが再開した条件(霜取りが終了し電磁弁が開いて冷媒が再び流れ始めた状態)34と冷媒が抜けてきた条件35でほとんど同じような状態を示すことが分る。(特許文献2)の他方の技術では、冷媒が流れているかいないかに係らず、蒸発器の入口(図2の21)と出口(図2の22)における冷媒温度をサーミスタで検出し、両サーミスタの出力の差が所定値以上になると冷媒量不足の検知信号を出力している。しかし、冷凍サイクル内の冷媒量が一定であっても、上述のように冷却対象の温度が上昇し本来であれば蒸発器へ冷媒を流すべき条件時に強制的に冷媒の流れを停止した後では、蒸発器の入口と出口の温度差が大きくなるため、(特許文献2)の技術のみでは冷媒量の誤判定を引き起こしてしまう。
【0008】
前述の従来技術の一方を、蒸発器が冷凍機に複数台接続されている冷凍設備に適用するためには、作業量が大きくなり費用が掛かること、また、他方の方式のみでは誤判定を生ずる可能性がある条件があり、経済的損失に対するリスクが大きい。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、蒸発器が冷凍機に複数台接続されている場合であっても、費用、作業的にも負担が軽く、かつ、検出性能の向上を図ることが可能な冷凍装置の冷媒漏れ検出方法を提供すること、また、冷凍装置の運転条件や環境条件の変化による誤判定を生こさない頑強な冷媒漏れ検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成する本発明は、(1)〜(3)により提供される。
【0011】
(1)図1に示す冷凍装置Aのように、圧縮機1(コンプレッサとも言う。)、油分離器2(オイルセパレータとも言う。)、凝縮器3(コンデンサとも言う。)、レシーバタンク4(受液器とも言う。)、第1の管継手5(パイプジョイント、パイプフィッティングとも言う。)、電磁弁6、膨張弁7、蒸発器8(冷却器又はエバポレータとも言う。)、第2の管継手9(パイプジョイント、パイプフィッティングとも言う。)、液分離器10(アキュムレータとも言う。)等の間を冷媒用配管11で接続すると共に、前記レシーバタンク4(受液器)の出口側と、前記液分離器10(アキュムレータ)の入口側との間において、電磁弁6、膨張弁7、蒸発器8、とを冷媒配管11を用いて直列に接続された冷媒経路を、冷媒用配管11を介して前記レシーバタンク4の出口側に接続された第1の管継手5と、前記液分離器10の入口側に冷媒用配管11を介して接続された第2の管継手9との間に、単独、または、並列に複数(図1の実施例では1系統、図4では8系統の並列)設けられた冷媒経路を有する冷凍装置Aの冷媒回路にて、膨張弁7と蒸発器8の入口側17との間に設けられた第1の温度センサ12と蒸発器8の出口側16と第2の管継手9との間に設けられた、第2の温度センサ13の各々の電気的信号を電気的信号線14を通して演算器15に入力し、蒸発器出口16および、または蒸発器入口17の冷媒または冷媒に相当する温度により、冷凍装置Aの冷媒回路内の冷媒量を判定することを特徴とする冷凍装置Aの冷媒漏れ検出方法において、第1の温度センサ12と第2の温度センサ13はその冷媒回路内の冷媒漏れに対する温度の感度が高い蒸発器8のみ(全体の台数以下の数の蒸発器8)に取付けることで、上記課題を解決する。
【0012】
尚、冷媒回路内の冷媒漏れに対する温度の感度が高い蒸発器の例を示す。図4のように冷凍機45一台に対して、複数台のショーケースが(本図では8台)接続されている場合、冷凍機45から離れていて冷媒配管44が長いショーケースの組41の、さらに末端にあるショーケース43の蒸発器49では冷媒の温度上昇による一部ガス化が発生するため、冷媒供給量が他のショーケースの蒸発器に比べて少なくなる。また、図4の左側のショーケースの組42では冷媒配管44は冷凍機45から離れていないが、中間に位置するショーケース46への冷媒配管の接続が冷媒配管44の上方部位に位置しており、冷媒配管44内の上方に存在している冷媒ガスを吸入し易いため、冷媒供給量が他のショーケースの蒸発器と比較して少ない。冷媒の量が減少した場合、十分な量の冷媒が到達しづらい条件のこれらの蒸発器の出口側冷媒温度の変化や、入口側冷媒温度と出口側冷媒温度との差の変化は、他の蒸発器に比べて大きい。従って、これらの蒸発器は冷媒漏れによる冷媒回路内の冷媒量の減少に対し、一層敏感に蒸発器の出口温度や、入口温度と出口温度との温度差に変化が現れる蒸発器、すなわち冷媒漏れに対する温度の感度が高い蒸発器であるといえる。
【0013】
(2)はまた、図1に示す冷凍装置Aのように、圧縮機1、油分離器2、凝縮器3、レシーバタンク4、第1の管継手5、電磁弁6、膨張弁7、蒸発器8、第2の管継手9、液分離器10等の間を冷媒用配管11で接続すると共に、前記レシーバタンク4の出口側と、前記液分離器10の入口側との間において、電磁弁6、膨張弁7、蒸発器8、とを冷媒配管11を用いて直列に接続された冷媒経路を、冷媒用配管11を介して前記レシーバタンク4の出口側に接続された第1の管継手5と、前記液分離器10の入口側に冷媒用配管11を介して接続された第2の管継手9との間に、単独、または、並列に複数(図1の実施例では1系統、図4では8系統の並列)設けられた冷媒経路を有する冷凍装置Aの冷媒回路にて、膨張弁7と蒸発器8の入口側17との間に設けられた第1の温度センサ12と蒸発器の出口側16と第2の管継手9との間に設けられた、第2の温度センサ13の各々の電気的信号を電気的信号線14を通して演算器15に入力し、蒸発器出口16および、または蒸発器入口17の冷媒または冷媒に相当する温度により、冷凍装置Aの冷媒量を判定することを特徴とする冷凍装置Aの冷媒漏れ検出方法において、冷却対象の温度を目標値まで到達させるためには蒸発器8に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止した場合、蒸発器8への冷媒の流入・流出再開後に所定時間経過するまでは冷媒量の判定を行わない、又は、冷媒量の判定結果を基に異常判定を行わないようにすることで、上記課題を解決する。
【0014】
(3)はまた、図1に示す冷凍装置Aのように、圧縮機1、油分離器2、凝縮器3、レシーバタンク4、第1の管継手5、電磁弁6、膨張弁7、蒸発器8、第2の管継手9、液分離器10等の間を冷媒用配管11で接続すると共に、前記レシーバタンク4の出口側と、前記液分離器10の入口側との間において、電磁弁6、膨張弁7、蒸発器8、とを冷媒配管11を用いて直列に接続された冷媒経路を、冷媒用配管を介して前記レシーバタンク4の出口側に接続された第1の管継手5と、前記液分離器10の入口側に冷媒用配管11を介して接続された第2の管継手との間に、単独、または、並列に複数(図1の実施例では1系統、図4では8系統の並列)設けられた冷媒経路を有する冷凍装置Aの冷媒回路にて、膨張弁7と蒸発器8の入口側17との間に設けられた第1の温度センサ12と蒸発器の出口側16と第2の管継手9との間に設けられた、第2の温度センサ13の各々の電気的信号を電気的信号線14を通して演算器15に入力し、蒸発器出口16および、または蒸発器入口17の冷媒または冷媒に相当する温度により、冷凍装置Aの冷媒量を判定することを特徴とする冷凍装置Aの冷媒漏れ検出方法において、冷却対象の温度を目標値まで到達させるためには蒸発器8に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止した場合、蒸発器8への冷媒の流入・流出再開後に電磁弁6が所定回数動作するまでは冷媒量の判定を行わない、又は、冷媒量の判定結果を基に異常判定を行わないようにすることで、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、蒸発器が冷凍機に複数台接続されている冷凍設備に冷媒漏れ検出方法を適用する場合にも容易にしかも安価に実施可能である。更に、冷媒抜け(漏れ)に関する感度が高い蒸発器の特性変化を基に冷媒漏れの検出を実施するため、検出の感度が高くなり、早期の冷媒漏れ検出が可能となる。また、冷媒の流れを冷却条件に係らず遮断するような通常以外の条件であっても、誤判定を生じない信頼性の高い冷媒漏れ検出機能を提供できるようになる。
【0016】
[第1実施例の効果]
(請求項1関連)
図1は冷凍機一台に対して、接続されている冷却対象のショーケースが一台であったが、図4は冷却対象のショーケースが複数台(本図では8台)接続されている場合の簡略図である。図4の右側のショーケースの組41では冷媒配管44が長く、冷凍機45から離れている。その中でも末端にあるショーケース43では冷媒の温度上昇による一部ガス化が発生するため、冷媒供給量が他のショーケースに比べ少なくなる。また、図4の左側のショーケースの組42では冷媒配管44は冷凍機45から離れていないが、中間に位置するショーケース46の蒸発器49への冷媒配管44の接続で、冷媒配管44からの冷媒の取り出しが管の上方からの取り出しとなっている場合である。この場合も、冷媒配管内44の上方に存在しているガスを吸入し易いため、冷媒の供給量が他のショーケースに比較して少なくなる。その他、ショーケースへの冷媒の供給量が少なくなってしまう条件としては、冷媒配管44の傾斜が冷媒配管44の末端に行くほど高くなる場合などが考えられる。図7は、冷凍装置から冷媒漏れが発生した場合の冷凍機45の近くに位置するショーケース内の蒸発器出口と入口の冷媒の温度差71すなわち第1の温度センサ(図4の47)と第2の温度センサ(図4の48)の出力差である。図8は、冷凍装置から冷媒漏れが発生した場合の冷凍機45から離れた所に位置する冷媒配管44末端のショーケース内の蒸発器出口と入口の冷媒の温度差81の実測データである。図7と図8は、何れも冷媒配管44からの冷媒の取り出しは管の側面からであり、同一条件である。冷凍機45も同一であり、また、データも同一のタイミングで取得したものである。なお、冷媒漏れは冷媒を時間の経過と共に徐々に冷媒回路から抜いて擬似的な冷媒漏れを再現したものである。その結果、冷凍機45からの冷媒配管44の距離が短い図7のショーケースの場合71に比べ、冷媒配管44の距離が長く、しかも、冷媒配管44の末端にある図8のショーケースでは、冷媒量の減少に対する蒸発器出口と入口の温度差81が非常に大きくなっていることが分る。つまり、冷媒量の減少は、冷媒が十分に到達しづらい条件の冷凍ショーケースの蒸発器に関する冷媒温度の情報のみから高感度に検出可能であることになる。
【0017】
この効果を使えば、冷凍機一台に複数の冷凍ショーケースが接続されている場合であっても、その全ての冷凍ショーケースに温度センサを取付ける必要はなく、ショーケース全体の中から、冷媒が到達しづらい条件と思われるもの、または、冷媒の量を故意に変化させた場合の冷媒温度の実測データを取得・解析し冷媒温度に変化が出やすい冷凍ショーケースの蒸発器のみに温度センサを取付け、そのデータから冷媒漏れを判定することが出来る。
【0018】
その結果、冷凍機に接続されている冷凍ショーケースなどの冷却対象の数によらず、少ない数の温度センサ、少ない数の演算器で冷媒量不足検出装置を組むことが出来、取付け工数や機器の費用を最小限に抑えることが可能となる。そして、その際の冷媒検出性能も感度が最高の状態が維持されている。
【0019】
[第2実施例の効果]
(請求項2関連)
図12はショーケースの蒸発器出口と入口の冷媒の温度差91と電磁弁の信号93、ショーケースの庫内の温度92を示したものである。本図の先頭の部分90は、蒸発器に付着した霜を取るために、ショーケースの庫内の温度92が上昇しているにも係わらず、電磁弁93を強制的に閉じ、冷媒を蒸発器内に流さないようにしている。この強制的に冷媒を止める操作を解除97した後、10〜20分経過した時点94で蒸発器の入口と出口の温度差が約2〜3度ほど広がっている98ことが分る。本冷媒漏れ検出では、この温度差を基に、温度差が大きければ冷媒漏れが生じているというように、冷媒漏れを判定する為、この温度差98は誤判定を起こす要因となる。また、この温度差分98冷媒漏れの判定敷居値を高くした場合、冷媒漏れの判定が可能な冷媒漏れ量の最低値が大きくなってしまう。しかし、強制的に冷媒を止める操作の解除97から約30分経過96した時点で、蒸発器内の暖まった冷媒が排出され、蒸発器出口と入口の冷媒の温度差91は元の状態に戻っている95。よって、第2実施例の様に強制的に冷媒を止めた後90、所定時間経過96するまでは、図9のフローチャートに於けるS14の条件判定部分により、蒸発器出口と入口の冷媒温度データを読み込まない方式であれば、電磁弁93が開弁していても冷媒漏れの判定は実施しない。これにより、冷媒漏れの誤判定を防ぐことが可能となり、また、強制的に冷媒を止める操作を解除97した後の蒸発器の出口と入口の温度差の広がり98を考慮して冷媒漏れの判定敷居値を高くすることも不要となる。
【0020】
以上説明した強制的に冷媒を止める操作後に誤判定を起こしやすくなる状態は、蒸発器後の冷媒最低温度や蒸発器後の冷媒平均温度でも同様に生ずる為、これらの温度で冷媒漏れを判定する方式に対しても、冷媒漏れの誤判定を防ぐことが可能となる。これにより、信頼性の高い冷媒量不足検出装置を構築することが可能となる。
【0021】
上述のような、蒸発器に付着した霜を取るために、ショーケース内の温度92が上昇しているにも係わらず、電磁弁93を強制的に閉じ、冷媒を蒸発器内に流さない場合90と同様な現象は、冷凍装置の点検の為に強制的に冷媒の流れを停止させた場合、および、停電により冷媒の流れが停止させられた場合にも現れる。しかし、上述の所定時間経過96するまでは、蒸発器出口と入口の冷媒温度データを読み込まない方法を取ることにより、同様に、冷媒漏れの誤判定を防ぐことが可能である。
【0022】
[第3実施例の効果]
(請求項2関連)
本実施例は、第2実施例と同様な条件の場合、すなわち、図12の先頭部分90の様に強制的に冷媒を止めた後、所定時間経過96するまでの間は、図10のフローチャートに於けるS14の条件判定部分により、蒸発器出口と入口の冷媒温度データを元にS6で算出した判定用温度データを用いたS11での冷媒漏れ判定値との比較を実施しないものである。本実施例は、蒸発器入口と出口の冷媒温度データを一定周期で常に読み込ませたい場合に適用される方式である。この実施例の場合も、冷媒漏れの誤判定を防ぐことが可能となり、また、強制的に冷媒を止める操作を解除97した後の蒸発器の出口と入口の冷媒温度差の広がり98を考慮して冷媒漏れの判定敷居値を高くすることも不要となる。
【0023】
本実施例の場合も、蒸発器後の冷媒最低温度や蒸発器後の冷媒平均温度で冷媒漏れを判定する方式に対しても、冷媒漏れの誤判定を防ぐことが可能となる。これにより、信頼性の高い冷媒量不足検出装置を構築することが可能となる。
【0024】
また、冷凍装置の点検の為に強制的に冷媒の流れを停止させた場合、および、停電により冷媒の流れが停止させられた場合等に対しても、第2実施例と同様に、冷媒漏れの誤判定を防ぐことが可能である。
【0025】
[第4実施例の効果]
(請求項3関連)
図12はショーケースの蒸発器出口と入口の冷媒の温度差91と電磁弁の信号93、ショーケースの庫内の温度92を示したものである。本図の先頭の部分90は、蒸発器に付着した霜を取るために、ショーケースの庫内の温度92が上昇しているにも係わらず、電磁弁93を強制的に閉じ、冷媒を蒸発器内に流さないようにしている。この強制的に冷媒を止める操作を解除97した後、10〜20分経過した時点94で蒸発器の出口と入口の温度差が約2〜3度ほど広がっている98ことが分る。本冷媒漏れ検出では、この温度差を基に、温度差が大きければ冷媒漏れが生じているというように、冷媒漏れを判定する為、この温度差98は誤判定を起こす要因となる。また、この温度差分98冷媒漏れの判定敷居値を高くした場合、冷媒漏れの判定が可能な冷媒漏れ量の最低値が大きくなってしまう。しかし、強制的に冷媒を止める操作の解除97後、蒸発器出口と入口の冷媒の温度差91が一旦広がった94後、元の状態に戻る95までの間96に、電磁弁の開閉93が2回ほど行われていることが分る。この、電磁弁の開閉93により、蒸発器内の暖まった冷媒が排出され、蒸発器出口と入口の冷媒の温度差94は元の状態に戻っている95。よって、第2実施例の様に強制的に冷媒を止めた90後、電磁弁93が所定回数開閉するまで96は、蒸発器出口と入口の冷媒温度データを読み込まない方法をとること、または、第3実施例の様に冷媒漏れの判定を実施しない方法を取ることにより、冷媒漏れの誤判定を防ぐことが可能となり、また、強制的に冷媒を止める操作を解除97した後の蒸発器の出口と入口の冷媒温度差の広がり98を考慮して冷媒漏れの判定敷居値を高くすることも不要となる。
【0026】
以上説明した強制的に冷媒を止める操作後に誤判定を起こしやすくなる状態は、蒸発器後の冷媒最低温度や蒸発器後の冷媒平均温度でも同様に生ずる為、これらの温度で冷媒漏れを判定する方式に対しても、冷媒もれの誤判定を防ぐことが可能となる。これにより、信頼性の高い冷媒量不足検出装置を構築することが可能となる。
【0027】
上述のような、蒸発器に付着した霜を取るために、図12の様にショーケースの庫内温度92が上昇しているにも係わらず、電磁弁93を強制的に閉じ、冷媒を蒸発器内に流さない場合90と同様な現象は、冷凍空装置の点検の為に強制的に冷媒の流れを停止させた場合、および、停電により冷媒の流れが停止させられた場合にも現れる。しかし、上述の電磁弁が所定回数開閉するまで96は、冷媒漏れの判定を実施しない方法を取ることにより、同様に、冷媒漏れの誤判定を防ぐことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
[第1の実施例]
図1に示すような、圧縮機1、油分離器2、凝縮器3、レシーバタンク4、第1の管継手5、電磁弁6、膨張弁7、蒸発器8、第2の管継手9、液分離器10等の間を冷媒用配管11で接続すると共に、前記レシーバタンク4と、前記液分離器10との間において、電磁弁6、膨張弁7、蒸発器8、を経由する冷媒経路を単独、または、並列に複数(図1の実施例では1系統、図4では8系統の並列)設けた冷凍装置Aの冷媒回路において、蒸発器8の上流、かつ、膨張弁7の下流の部分に第1の温度センサ12を取付ける。また、蒸発器8の下流、かつ、他の冷却経路との合流(第2の管継手9)前の部分に第2の温度センサ13を取付ける。温度センサは、どの様な種類のものでも良いが、温度信号をマイコンなどの演算器で処理するため、熱電対やサーミスタなどの様になんらかの電気的出力信号が得られるものである必要がある。温度センサの取付けは、内部の冷媒に直接接するような取付け方であっても、冷媒配管11に取付けることで冷媒の温度を間接的に検出するような方式であっても良い。ただし、冷媒配管11に取付ける場合は、配管周囲の空気温度の影響を受けないようにするため、配管に取付けた温度センサ12,13の周囲は保温材などで覆い、極力冷媒温度と同一な温度となるような処置をする必要がある。第1の温度センサ12と第2の温度センサ13の出力は、電気的信号線14により演算器15に入力する。
【0030】
また、冷媒の蒸発器8への流れ込みを制御している電磁弁6の開閉の状態と相関がある電磁弁6の駆動信号を取り出せるようにする。これは、電磁弁6に対して開閉命令を直接指示しているコントローラ(演算器)15内のソフト上の開閉命令信号であっても、電磁弁6に掛かる電圧信号を電気的に取り出した信号であってもよい。電磁弁6に掛かる電圧信号を用いる場合は、図1のように演算器15に電磁弁6の電気的信号線を入力する。
【0031】
図4は、温度センサの取付け方に関する第1の実施例である。図1は冷凍機一台18に対して、接続されている冷却対象のショーケースが一台であったが、図4は冷却対象のショーケースが複数台(本図では8台)接続されている場合の簡略図である。図4の右側のショーケースの組41では冷媒の配管44が長く冷凍機45から離れている。その中でも末端にあるショーケース43では冷媒の温度上昇による一部ガス化が発生するため、冷媒供給量が他のショーケースに比べ少なくなる。また、図4の左側のショーケースの組42では冷媒配管44は冷凍機45から離れていないが、中間に位置するショーケース46の蒸発器49への冷媒配管44の接続で、冷媒配管44からの冷媒の取り出しが管の上方からの取り出しとなっている場合である。この場合も、冷媒配管44内の上方に存在しているガスを吸入し易いため、冷媒の供給量が他のショーケースに比較して少なくなる。冷媒配管44からの冷媒の取り出しが上方からとなってしまう理由は、冷凍ショーケースを設置する店舗の構造上の影響で配管レイアウトが上方からしか取り出せない場合などがある。その他、ショーケースへの冷媒の供給量が少なくなってしまう条件としては、冷媒配管の傾斜が冷媒配管44の末端に行くほど高くなる場合などが考えられる。
【0032】
前述の蒸発器の入口と出口の温度センサは、冷凍機に複数台のショーケースが繋がっている場合であっても、その全ての冷凍ショーケースの中から、前述の理由で冷媒が液体の状態で到達しづらい条件と思われるもの、または、冷媒の量を故意に変化させた場合の冷媒温度の実測データを取得・解析し、冷媒温度に変化が出やすい冷凍ショーケースの蒸発器のみに温度センサを取付ける。例えば、図4の場合は、冷媒の供給量が他のショーケースに比較して少ないショーケース43,46のみに温度センサ47,48を取付ける。
【0033】
図5は、第1実施例における、上述の温度センサ信号と電磁弁の信号を使用した冷媒漏れ判定プログラムの例である。本プログラムは、図1の演算器15の中に記述され、所定の演算周期にてステップ的に実行される。まず、S1で電磁弁(図4の40)の駆動信号を読込み、電磁弁40の駆動信号を監視する。S2で電磁弁40が開弁しているか判定し、電磁弁40が開弁していない場合は、開弁するまでその他の演算処理は無しに電磁弁40の開弁の監視を継続するため、再びS1に戻る。電磁弁40が開弁した場合、S3以降の処理が実施され、第1および第2の温度センサ47,48の信号処理が開始される。このことにより、蒸発器49に冷媒が流れ、冷凍サイクルが成立している時点のデータのみで冷媒漏れの判定がなされこととなる。
【0034】
開弁が判定された場合、初回の開弁判定の時点で冷媒漏れ判定用温度データ演算結果データを入れるメモリーを図5のS3にて初期化する。これは、開弁期間毎に判定用温度データの算術平均値を算出する為である。また、この算術平均値算出用として、S4にて温度センサのデータ取得数のカウントを一つ進める。次にS5にて蒸発器部分の第1(入口)および第2(出口)の温度センサ47,48の信号を読み込む。そして、このセンサ信号を基に、冷媒漏れ判定用温度データ演算処理部分(S6)で、第2の温度センサ48による蒸発器出口の冷媒温度の最低値の検出処理および、または第2の温度センサ48による蒸発器出口の冷媒温度の積算処理および、または第2の温度センサ48による蒸発器出口の冷媒温度と第1の温度センサによる蒸発器入口47の冷媒温度との差を積算する処理を行う。
【0035】
冷媒漏れ判定用温度データ演算処理の後、図5のS7にて電磁弁40の駆動信号を再び読み込む。そして、S8にて電磁弁40が閉弁したかどうかの判定を行う。
【0036】
電磁弁40が閉弁していない場合、すなわち開弁した状態のままである場合、S4に戻り、再び温度センサ47,48のデータ取得数のカウントを一つ進めた後、第1および第2の温度センサ47,48の信号を読み込み(S5)、冷媒漏れ判定用温度データ演算処理(S6)を行う。
【0037】
電磁弁40が閉弁した場合(S8にてYesの判定がなされた場合)、第1および第2の温度センサ47,48の信号は読み込まず、S9にて第2の温度センサ48による蒸発器出口の冷媒温度の積算値および、または第2の温度センサ48による蒸発器出口の冷媒温度と第1の温度センサ47による蒸発器入口の冷媒温度との差の積算値から開弁期間におけるそれぞれの平均値を算出する。このとき、平均値の算出は、それぞれの積算値を温度センサのデータ取得数のカウント値(S4でのカウント値)によって除することにより求める。
【0038】
こうして、一回の開弁期間における、蒸発器出口の冷媒温度の最低値および、または蒸発器出口の冷媒温度平均値および、または図8に示すような蒸発器出口と入口の冷媒温度差の平均値、すなわち、冷媒漏れ判定用温度データが算出される。
【0039】
開弁期間毎に算出された冷媒漏れ判定用温度データは、周囲の温度変化や装置の動作ばらつきやノイズ(電気的)などの外乱により、各タイミング毎にある程度のばらつきを持つ。このばらつきの影響を低減させるため、開弁期間毎に算出された冷媒漏れ判定用温度データに一次遅れ処理などの逐次平均化処理を図5のS10にて施す。
【0040】
下の式(数1)はS10で逐次平均化処理として用いる一次遅れ処理の例である。yは一次遅れ処理を行った平均値、uは一次遅れ処理前の冷媒漏れ判定用温度データ、Tsは温度センサの信号のサンプリング周期(演算器内のプログラムの演算タイミング)、Tは一次遅れ処理の重みすなわち時定数、添え字のkはサンプリング又は演算のタイミングを表す。すなわち、k-1は一回前の演算タイミングでの演算値または、一回前のサンプリングタイミングでの温度センサ信号のサンプリング値をあらわす。
【0041】
【数1】
【0042】
その平均化処理が施された冷媒漏れ判定用温度データを冷媒もれ判定値と比較することにより、図5のS11にて異常判定を行う。異常判定がなされた場合はS12にて、冷媒漏れランプ点灯などの異常判定時処理を実施し、正常判定がなされた場合はS13にて、正常ランプ点灯などの正常判定処理を実施する。正常又は異常判定処理の終了後再びS1に戻り、電磁弁駆動信号40を読み込み、上述の処理を繰り返す。
【0043】
また、冷媒漏れ判定プログラムは、必要に応じて図6の様に各開弁期間毎の平均値の算出を行わない形に簡略化したプログラムに変更することも可能である。
【0044】
[第2の実施例]
図9は第2の実施例であり、請求項2の実施例である。第1の実施例にて示した図6のプログラムのフローチャート対してS2とS5の間にS14の条件判定処理を追加したものである。このS14は、ショーケースの庫内温度等、冷却対象の温度が上昇し、本来であれば蒸発器に冷媒を流すべき条件であるにもかかわらず、電磁弁を閉じることによって、冷媒の流れを強制的に停止していた条件となっていた場合、その状態から開放されてから所定の時間が経過しているかを判定するものである。その結果、所定時間経過していない場合は、蒸発器の入口と出口の温度データの読込みを実施せずに次のループに移行する。
【0045】
図5に示すプログラムの場合は、上述のS14の判定は、S2とS3の間に組み込むこととなる。
【0046】
また、本方式は、冷凍装置に接続されている冷媒経路の数に係わらず、適用可能である。
【0047】
[第3の実施例]
図10は第3の実施例であり、請求項2の実施例である。第1の実施例にて示した図6のプログラムのフローチャート対してS10とS11の間にS14の条件判定処理を追加したものである。このS14は、ショーケースの庫内温度等、冷却対象の温度が上昇し、本来であれば蒸発器に冷媒を流すべき条件であるにもかかわらず、電磁弁を閉じることによって、冷媒の流れを強制的に停止していた条件となっていた場合、その状態から開放されてから所定の時間が経過しているかを判定するものである。その結果、所定時間経過していない場合は、判定用温度データの演算結果を用いた冷媒漏れ判定処理を実施せずに次のループに移行する。
【0048】
図5に示すプログラムの場合は、上述のS14の判定は、S10とS11の間に組み込むこととなる。
【0049】
また、本方式は、冷凍装置に接続されている冷媒経路の数に係わらず、適用可能である。
【0050】
[第4の実施例]
図11は第4の実施例であり、請求項3の実施例である。第1の実施例にて示した図6のプログラムのフローチャート対してS1とS2の間にS15の条件判定処理を追加したものである。このS15は、ショーケースの庫内温度等、冷却対象の温度が上昇し、本来であれば蒸発器に冷媒を流すべき条件であるにもかかわらず、電磁弁を閉じることによって、冷媒の流れを強制的に停止していた条件となっていた場合、その状態を解除してから所定の回数電磁弁を開閉したか判定するものである。その結果、所定回数電磁弁を開閉していない場合は、判定用温度データの演算結果を用いた冷媒漏れ判定処理を実施せずに次のループに移行する。
【0051】
図5に示すプログラムの場合は、上述のS15の判定は、S2とS3の間に組み込むこととなる。また、本方式の場合も第3実施例のように、S15をS10とS11の間に組み込んでも成立する。
【0052】
また、本方式は、冷凍装置に接続されている冷媒経路の数に係わらず、適用可能である。
【0053】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、食料品等展示販売用の冷凍ショーケース用の冷凍・冷蔵設備、店舗・ビル・住宅等の空調設備、冷蔵庫・自動販売機などの冷媒を使用している冷凍・冷蔵設備にて利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明を適用した冷凍・冷凍・空調設備の一般的な構成図面である。
【図2】冷凍・冷蔵・空調設備の一般的な構成図面にて、従来技術を説明した図である。
【図3】冷凍・冷蔵・空調設備の従来技術の問題点を説明した図である。
【図4】第1の実施例の構成を表した図である。
【図5】第1の実施例におけるプログラム部分の例をフローチャートで表した図である。
【図6】第1の実施例におけるプログラム部分の例をフローチャートで表した図である。
【図7】第1の実施例の効果を表した図である。
【図8】第1の実施例の効果を表した図である。
【図9】第2の実施例をフローチャートで表した図である。
【図10】第3の実施例をフローチャートで表した図である。
【図11】第4の実施例をフローチャートで表した図である。
【図12】第2、第3、第4実施例の効果を説明した図である。
【符号の説明】
【0056】
A:冷凍装置、1:圧縮機、2:油分離器、3:凝縮器、4:レシーバタンク、5:管継手、6:電磁弁、7:膨張弁、8:蒸発器、9:第2の管継手、10:液分離器、11:冷媒用配管、12:第1の温度センサ、13:第2の温度センサ、14:電気的信号線、15:演算器、16:蒸発器出口、17:蒸発器入口、18:冷凍機、19:ショーケース、20:蒸発器、21:蒸発器入口、22:蒸発器出口、23:ショーケース、24:冷媒回路、24a:第1の管継手、24b:第2の管継手、25:圧縮機、26:冷凍機、27:電磁弁、28:油分離器、29:凝縮器、30:蒸発器の霜取りの為に強制的に電磁弁を閉状態にしている期間、31:蒸発器の入口と出口の冷媒温度差、32:ショーケースの庫内温度、33:電磁弁の開閉信号、34:冷媒の流れが再開した条件、35:暖まった蒸発器内の冷媒が抜けてきた条件、37:液分離器、38:膨張弁、39:レシーバタンク、40:電磁弁、41:右側のショーケースの組、42:左側のショーケースの組、43:冷媒配管末端のショーケース、44:冷媒配管、45:冷凍機、46:冷媒配管の取り出しが管の上方からの取り出しとなっているショーケース、47:第1の温度センサ、48:第2の温度センサ、49:蒸発器、50:圧縮機、51:凝縮器、71:蒸発器出口と入口の冷媒の温度差、72:電磁弁開閉信号、81:蒸発器出口と入口の冷媒の温度差、82:電磁弁開閉信号、90:蒸発器の霜取りの為に強制的に電磁弁を閉状態にしている期間、91:蒸発器出口と入口の冷媒の温度差、92:ショーケースの庫内温度、93:電磁弁の開閉信号、94:冷媒の流れが再開した条件、95:暖まった蒸発器内の冷媒が抜けてきた条件、96:電磁弁が所定回数開閉する期間、97:強制的に冷媒を止める操作を解除した瞬間、98:蒸発器の出口と入口の冷媒温度差の広がり。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸発器出口および、または入口の冷媒または冷媒に相当する温度により冷凍装置の冷媒量を判定することを特徴とする冷凍装置の冷媒漏れ検出方法において、一台の冷凍機に接続されている蒸発器が複数台ある場合、該冷凍装置内の冷媒量の減少に対する前記温度の感度が他の蒸発器よりも高く、かつ、接続されている蒸発器の全台数以下の数の蒸発器の前記冷媒温度検出結果を用いて、該冷凍装置の冷媒量を判定することを特徴とする冷凍装置の冷媒漏れ検出方法。
【請求項2】
蒸発器出口および、または入口の冷媒または冷媒に相当する温度により冷凍装置の冷媒量を判定することを特徴とする冷凍装置の冷媒漏れ検出方法において、冷却対象の温度を目標値まで到達させるためには蒸発器に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止した場合、蒸発器への冷媒の流入・流出再開後に所定時間経過するまでは冷媒量の判定を行わない、又は、冷媒量の判定結果を基に異常判定を行わないことを特徴とする冷凍装置の冷媒漏れ検出方法。
【請求項3】
蒸発器出口および、または入口の冷媒または冷媒に相当する温度により冷凍装置の冷媒量を判定することを特徴とする冷凍装置の冷媒漏れ検出方法において、冷却対象の温度を目標値まで到達させるためには蒸発器に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止した場合、蒸発器への冷媒の流入・流出再開後、冷媒の流れを制御する電磁弁が所定回数作動するまでは冷媒量の判定を行わない、又は、冷媒量の判定結果を基に異常判定を行わないことを特徴とする冷凍装置の冷媒漏れ検出方法。
【請求項1】
蒸発器出口および、または入口の冷媒または冷媒に相当する温度により冷凍装置の冷媒量を判定することを特徴とする冷凍装置の冷媒漏れ検出方法において、一台の冷凍機に接続されている蒸発器が複数台ある場合、該冷凍装置内の冷媒量の減少に対する前記温度の感度が他の蒸発器よりも高く、かつ、接続されている蒸発器の全台数以下の数の蒸発器の前記冷媒温度検出結果を用いて、該冷凍装置の冷媒量を判定することを特徴とする冷凍装置の冷媒漏れ検出方法。
【請求項2】
蒸発器出口および、または入口の冷媒または冷媒に相当する温度により冷凍装置の冷媒量を判定することを特徴とする冷凍装置の冷媒漏れ検出方法において、冷却対象の温度を目標値まで到達させるためには蒸発器に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止した場合、蒸発器への冷媒の流入・流出再開後に所定時間経過するまでは冷媒量の判定を行わない、又は、冷媒量の判定結果を基に異常判定を行わないことを特徴とする冷凍装置の冷媒漏れ検出方法。
【請求項3】
蒸発器出口および、または入口の冷媒または冷媒に相当する温度により冷凍装置の冷媒量を判定することを特徴とする冷凍装置の冷媒漏れ検出方法において、冷却対象の温度を目標値まで到達させるためには蒸発器に冷媒を流入・流出させるべき条件であっても冷媒の流れを停止した場合、蒸発器への冷媒の流入・流出再開後、冷媒の流れを制御する電磁弁が所定回数作動するまでは冷媒量の判定を行わない、又は、冷媒量の判定結果を基に異常判定を行わないことを特徴とする冷凍装置の冷媒漏れ検出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−92268(P2009−92268A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−261279(P2007−261279)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(591032703)群馬県 (144)
【出願人】(305026013)細谷工業株式会社 (4)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(591032703)群馬県 (144)
【出願人】(305026013)細谷工業株式会社 (4)
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