説明

冷凍装置

【課題】実機評価を行うことなく、簡単な算出式により精度の高い目標吐出管温度を設定でき、コストを低減できる冷凍装置を提供することにある。
【解決手段】圧縮機1の吐出管温度を検出する吐出管温度センサ21と、室外熱交換器3の凝縮温度または蒸発温度を検出する温度センサ22と、各室内熱交換器5A,5B,5Cの蒸発温度または凝縮温度を検出する温度センサ23,24,25を備える。上記温度センサ22,23,24,25からの凝縮温度および蒸発温度を夫々表わす信号に基づく算出式を用いて、目標吐出管温度を目標吐出管温度算出部7aにより算出する。この算出式に高圧圧力損失の補正項と吸入圧力損失の補正項が含まれる。そしても上記目標吐出管温度算出部7aにより算出された目標吐出管温度になるように、電動膨張弁4A〜4Cの開度を電動膨張弁制御部7bにより制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷凍装置としては、圧縮機と凝縮器と蒸発器で構成された冷媒回路を有し、凝縮器に設けられた温度センサにより凝縮温度を検出し、検出された凝縮温度に対応した目標吐出管温度を算出して、圧縮機の吐出管温度が目標吐出管温度になるように、電動膨張弁の開度を調節するものがある(例えば、特開平3−267656号公報(特許文献1)参照)。
【0003】
しかしながら、上記冷凍装置では、凝縮温度と圧縮機の圧縮能力に基づいて、予め作成されたテーブルを用いて目標吐出管温度を設定するため、精度の高い目標吐出管温度を得るには実機評価を行う必要があり、特に機種が多いほど機種毎に実機評価を行うのはコストが高くつくという欠点がある。
【特許文献1】特開平3−267656号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、この発明の目的は、実機評価を行うことなく、簡単な算出式により精度の高い目標吐出管温度を設定でき、コストを低減できる冷凍装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、この発明の冷凍装置は、
圧縮機と凝縮器と電動膨張弁および蒸発器が環状に接続された冷媒回路を備えた冷凍装置であって、
上記凝縮器の凝縮温度を検出する凝縮器温度センサと、
上記蒸発器の蒸発温度を検出する蒸発器温度センサと、
上記凝縮器温度センサにより検出された温度および上記蒸発器温度センサにより検出された温度に基づいて算出式を用いて、目標吐出管温度を算出する目標吐出管温度算出部と、
上記目標吐出管温度算出部により算出された上記目標吐出管温度になるように、上記電動膨張弁の開度を制御する電動膨張弁制御部と
を備え、
上記目標吐出管温度算出部は、上記算出式に圧力損失の補正項を含んでいて、圧力損失の補正を行うことを特徴とする。
【0006】
上記構成の冷凍装置によれば、凝縮器温度センサにより検出された温度および蒸発器温度センサにより検出された温度に基づいて圧力損失の補正項を含む算出式を用いて、上記目標吐出管温度算出部により目標吐出管温度を算出するときに圧力損失の補正を行うので、実機評価を行うことなく、簡単な算出式により精度の高い目標吐出管温度を設定でき、コストを低減できる。
【0007】
また、一実施形態の冷凍装置は、上記圧力損失の補正項は、高圧圧力損失または吸入圧力損失の少なくとも一方の補正項であることを特徴とする。ここで、「高圧圧力損失」とは、圧縮機の吐出部から凝縮器までの圧力損失のことであり、「吸入圧力損失」とは、蒸発器から圧縮機の吸入部までの圧力損失のことである。
【0008】
上記実施形態の冷凍装置によれば、上記算出式に含まれる圧力損失の補正項として、高圧圧力損失または吸入圧力損失の少なくとも一方の補正項を用いることによって、目標吐出管温度の精度を高めることができる。
【0009】
また、一実施形態の冷凍装置は、
上記圧力損失の補正項が高圧圧力損失の補正項であるとき、目標吐出管温度DOSETは、
DOSET=A×(DC−△Thp)−B×DE+C
(ただし、A,B,Cは定数、DCは凝縮温度、DEは蒸発温度、△Thpは高圧圧力損失)
で表され、
上記圧力損失の補正項が吸入圧力損失の補正項であるとき、目標吐出管温度DOSETは、
DOSET=A×DC−B×(DE−△Tlp)+C
(ただし、A,B,Cは定数、DCは凝縮温度、DEは蒸発温度、△Tlpは吸入圧力損失)
で表され、
上記圧力損失の補正項が高圧圧力損失および吸入圧力損失の補正項であるとき、目標吐出管温度DOSETは、
DOSET=A×(DC−△Thp)−B×(DE−△Tlp)+C
(ただし、A,B,Cは定数、DCは凝縮温度、DEは蒸発温度、△Thpは高圧圧力損失、△Tlpは吸入圧力損失)
で表されることを特徴とする。
【0010】
上記実施形態の冷凍装置によれば、上記圧力損失の補正項が高圧圧力損失の補正項であるときは、
DOSET=A×(DC−△Thp)−B×DE+C
(ただし、A,B,Cは定数、DCは凝縮温度、DEは蒸発温度、△Thpは高圧圧力損失)
の算出式により、目標吐出管温度DOSETを容易に算出することができる。
【0011】
また、上記圧力損失の補正項が吸入圧力損失の補正項であるときは、
DOSET=A×DC−B×(DE−△Tlp)+C
(ただし、A,B,Cは定数、DCは凝縮温度、DEは蒸発温度、△Tlpは吸入圧力損失)
の算出式により、目標吐出管温度DOSETを容易に算出することができる。
【0012】
また、上記圧力損失の補正項が高圧圧力損失および吸入圧力損失の補正項であるときは、
DOSET=A×(DC−△Thp)−B×(DE−△Tlp)+C
(ただし、A,B,Cは定数、DCは凝縮温度、DEは蒸発温度、△Thpは高圧圧力損失、△Tlpは吸入圧力損失)
の算出式により、目標吐出管温度DOSETを容易に算出することができる。
【0013】
また、一実施形態の冷凍装置は、上記圧力損失の補正項が、配管長を変数とする関数で表されることを特徴とする。
【0014】
上記実施形態の冷凍装置によれば、配管長を変数とする関数で表される圧力損失の補正項を含む上記算出式によって、上記目標吐出管温度算出部が目標吐出管温度を算出するので、据付した状態の圧力損失を配管長によって設定可能となり、据付状態に応じた精度の高い目標吐出管温度を得ることができる。例えば、圧力損失が高圧圧力損失の場合は、圧縮機の吐出部から凝縮器までの配管長を用いり、圧力損失が吸入圧力損失の場合は、蒸発器から圧縮機の吸入部までの配管長を用いる。
【0015】
また、一実施形態の冷凍装置は、上記配管長を設定する配管長設定部を備えたことを特徴とする。
【0016】
上記実施形態の冷凍装置によれば、現地に据え付けた状態の配管長を、例えばジャンパーやスイッチ等を用いた配管長設定部により設定するので、現地で簡単に配管長を設定できる。
【0017】
また、一実施形態の冷凍装置は、上記圧力損失の補正項が、上記配管長と上記圧縮機の運転周波数とを変数とする関数で表されることを特徴とする。
【0018】
上記実施形態の冷凍装置によれば、上記圧力損失の補正項として、配管長と圧縮機の運転周波数とを変数とする関数を用いることによって、据付状態や運転状態に応じた精度の高い目標吐出管温度を得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上より明らかなように、この発明の冷凍装置によれば、実機評価を行うことなく、圧力損失の補正項を含む簡単な算出式により精度の高い目標吐出管温度を設定することができ、コストを低減することができる。
【0020】
また、一実施形態の冷凍装置によれば、上記算出式に含まれる圧力損失の補正項として、高圧圧力損失または吸入圧力損失の少なくとも一方の補正項を用いることによって、目標吐出管温度の精度を高めることができる。
【0021】
また、一実施形態の冷凍装置によれば、上記圧力損失の補正項が高圧圧力損失の補正項であるときは、
DOSET=A×(DC−△Thp)−B×DE+C
(ただし、A,B,Cは定数、DCは凝縮温度、DEは蒸発温度、△Thpは高圧圧力損失)
の算出式により、目標吐出管温度DOSETを容易に算出することができる。
【0022】
また、上記圧力損失の補正項が吸入圧力損失の補正項であるときは、
DOSET=A×DC−B×(DE−△Tlp)+C
(ただし、A,B,Cは定数、DCは凝縮温度、DEは蒸発温度、△Tlpは吸入圧力損失)
の算出式により、目標吐出管温度DOSETを容易に算出することができる。
【0023】
また、上記圧力損失の補正項が高圧圧力損失および吸入圧力損失の補正項であるときは、
DOSET=A×(DC−△Thp)−B×(DE−△Tlp)+C
(ただし、A,B,Cは定数、DCは凝縮温度、DEは蒸発温度、△Thpは高圧圧力損失、△Tlpは吸入圧力損失)
の算出式により、目標吐出管温度DOSETを容易に算出することができる。
【0024】
また、一実施形態の冷凍装置によれば、配管長を変数とする関数で表される圧力損失の補正項を上記算出式に含めることよって、据付した状態の圧力損失を配管長によって設定可能となり、据付状態に応じた精度の高い目標吐出管温度を得ることができる。
【0025】
また、一実施形態の冷凍装置によれば、現地に据え付けた状態の配管長を配管長設定部により設定することによって、現地で簡単に配管長を設定できる。
【0026】
また、一実施形態の冷凍装置によれば、上記圧力損失の補正項として、配管長と圧縮機の運転周波数とを変数とする関数を用いることによって、据付状態や運転状態に応じた精度の高い目標吐出管温度を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、この発明の冷凍装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0028】
図1はこの発明の実施の一形態の冷凍装置の一例としての空気調和機の構成を示す回路図を示しており、1は圧縮機、2は上記圧縮機1に接続された四路弁、3は四路弁2に一端が接続された凝縮器の一例としての室外熱交換器、4A,4B,4Cは上記室外熱交換器3の他端に分岐ライン10A,10B,10Cを介して一端が夫々接続された電動膨張弁、5A,5B,5Cは上記電動膨張弁4A,4B,4Cの他端にライン11を介して一端が夫々接続された蒸発器の一例としての室内熱交換器である。上記室内熱交換器5A,5B,5Cの他端をライン12,分岐ライン13A,13B,13Cを介して四路弁2に接続している。そして、上記圧縮機1の吸入側と四路弁2とをライン14で接続し、そのライン14にアキュムレータ6を配設している。上記圧縮機1と室外熱交換器3と電動膨張弁4A〜4Cおよび室内熱交換器5A,5B,5Cで冷媒回路を構成している。
【0029】
また、上記空気調和機は、圧縮機1の吐出管温度を検出する吐出管温度センサ21と、室外熱交換器3の凝縮温度または蒸発温度を検出する温度センサ22と、各室内熱交換器5A,5B,5Cの蒸発温度または凝縮温度を検出する温度センサ23,24,25と、上記吐出管温度センサ21と温度センサ22,23,24,25からの吐出管温度,凝縮温度および蒸発温度を夫々表わす信号を受けると共に、電動膨張弁4A,4B,4Cの開閉を制御する制御装置7とを備えている。
【0030】
冷房運転時、温度センサ22は、室外熱交換器3の凝縮温度を検出する凝縮器温度センサの一例である一方、温度センサ23,24,25は、室内熱交換器5A,5B,5Cの蒸発温度を検出する蒸発器温度センサの一例である。また、暖房運転時、温度センサ22は、室外熱交換器3の蒸発温度を検出する蒸発器温度センサの一例である一方、温度センサ23,24,25は、室内熱交換器5A,5B,5Cの凝縮温度を検出する凝縮器温度センサの一例である。
【0031】
上記制御装置7は、入出力回路とマイクロコンピュータ等から構成されており、上記凝縮温度,蒸発温度を表わす信号に基づいて、目標吐出管温度を算出する目標吐出管温度算出部7aと、上記吐出管温度センサ21により検出された吐出管温度と目標吐出管温度算出部7aにより算出された目標吐出管温度とに基づいて、電動膨張弁4A,4B,4Cを開閉することにより圧縮機1の吐出管温度を略一定に保って、間接的な吸入過熱度制御を行う電動膨張弁制御部7bと、配管長を設定する配管長設定部7cとを備えている。
【0032】
上記圧力損失の補正項が高圧圧力損失および吸入圧力損失の補正項であるときは、
目標吐出管温度DOSETは、高圧圧力損失を△Thpとし、吸入圧力損失を△Tlpとすると、
DOSET = A×(DC−△Thp)−B×(DE−△Tlp)+C ……… (式1)
で表される(ただし、A,B,Cは定数、DCは凝縮温度、DEは蒸発温度)。
【0033】
このとき、高圧圧力損失△Thpは、配管長をLhpとし、圧縮機1の運転周波数をHZとすると、
△Thp = α×Lhp×(β×HX+γ) ……… (式2)
で表される(ここで、α,β,γは定数)。また、吸入圧力損失△Tlpは、配管長をLlpとし、圧縮機1の運転周波数をHZとすると、
△Tlp = α×Llp×(β×HX+γ) ……… (式3)
で表される。
【0034】
ここで、高圧圧力損失△Thpにおける配管長Lhpは、圧縮機1の吐出部から凝縮器までの配管長であり、冷房運転時は、圧縮機1の吐出部から室外熱交換器3までの配管長であり、暖房運転時は、圧縮機1の吐出部から室内熱交換器23〜25までの配管長である。また、吸入圧力損失△Tlpにおける配管長Llpは、蒸発器から圧縮機1の吸入部までの配管長であり、冷房運転時は、室内熱交換器23〜25から圧縮機1の吸入部までの配管長であり、暖房運転時は、室外熱交換器3から圧縮機1の吸入部までの配管長である。なお、冷房運転時の圧縮機1の吐出部から室外熱交換器3までの配管長Lhpと、暖房運転時の室外熱交換器3から圧縮機1の吸入部までの配管長Llpは、工場出荷時に定まるので、配管長設定部7cにより予め設定しておく。一方、冷房運転時の室内熱交換器23〜25から圧縮機1の吸入部までの配管長Llpと、暖房運転時の圧縮機1の吐出部から室内熱交換器23〜25までの配管長Lhpは、現地据付時の連絡配管の長さにより定まるため、据付状態に応じて配管長設定部7cにより連絡配管の長さを設定するだけでよい。
【0035】
上記目標吐出管温度DOSETを求める算出式である(式1)を変形すると、
DOSET=A×DC−A×△Thp−B×DE−B×△Tlp+C
となり、(式2),(式3)を代入すると、
DOSET = A×DC−A×α×Lhp×(β×HX+γ)
−B×DE−B×α×Llp×(β×HX+γ)+C
となる。さらに、
DOSET = A×DC
−A×α×Lhp×β×HX−A×α×Lhp×γ
−B×DE
−B×α×Llp×β×HX−B×α×Llp×γ
+C
と変形し、さらに、
DOSET = A×DC
−B×DE
−(A×Lhp+B×Llp)×α×β×HX
−(A×Lhp+B×Llp)×α×γ
+C
となる。これを整理すると、目標吐出管温度DOSETは、
DOSET = A×DC−B×DE−D×HX+C'
ただし、D=(A×Lhp+B×Llp)×α×β
C'=−(A×Lhp+B×Llp)×α×γ+C
で表される。
【0036】
このように、上記構成の空気調和機によれば、凝縮器温度センサにより検出された温度および蒸発器温度センサにより検出された温度に基づいて圧力損失の補正項を含む算出式(式1)を用いて、目標吐出管温度算出部7aにより目標吐出管温度を算出するときに圧力損失の補正を行うので、実機評価を行うことなく、簡単な算出式により精度の高い目標吐出管温度を設定することができる。
【0037】
また、上記算出式に含まれる圧力損失の補正項として、高圧圧力損失の補正項および吸入圧力損失の補正項を用いることによって、目標吐出管温度の精度を高めることができる。
【0038】
なお、高圧圧力損失の補正項または吸入圧力損失の補正項のいずれか一方を用いてもよい。例えば、上記圧力損失の補正項が高圧圧力損失の補正項であるときは、
DOSET=A×(DC−△Thp)−B×DE+C
(ただし、A,B,Cは定数、DCは凝縮温度、DEは蒸発温度、△Thpは高圧圧力損失)
の算出式により、目標吐出管温度DOSETを容易に算出することができる。
【0039】
また、上記圧力損失の補正項が吸入圧力損失の補正項であるときは、
DOSET=A×DC−B×(DE−△Tlp)+C
(ただし、A,B,Cは定数、DCは凝縮温度、DEは蒸発温度、△Tlpは吸入圧力損失)
の算出式により、目標吐出管温度DOSETを容易に算出することができる。
【0040】
また、配管長Lhp,Llpを変数とする関数で表される圧力損失の補正項を含む上記算出式(式1)によって、目標吐出管温度算出部7aにより目標吐出管温度を算出するので、据付した状態の圧力損失を配管長Lによって設定可能となり、据付状態に応じた精度の高い目標吐出管温度を得ることができる。
【0041】
また、例えばジャンパーやスイッチ等を用いた配管長設定部7cにより連絡配管の長さを設定することによって、冷房運転時の室内熱交換器23〜25から圧縮機1の吸入部までの配管長Llpと、暖房運転時の圧縮機1の吐出部から室内熱交換器23〜25までの配管長Lhpを、現地で簡単に設定することができる。
【0042】
また、上記圧力損失の補正項として、配管長Lhp,Llpと圧縮機1の運転周波数HZとを変数とする関数を用いることによって、据付状態や運転状態に応じた精度の高い目標吐出管温度を得ることができる。
【0043】
上記実施の形態では、冷凍装置として空気調和機について説明したが、他の冷凍装置にこの発明を適用してもよい。
【0044】
また、上記実施の形態では、高圧圧力損失の補正項として(式2)を用いて、吸入圧力損失の補正項として(式3)を用い、(式2),(式3)に配管長と圧縮機の運転周波数とを変数とする関数を圧力損失の補正項としたが、配管長を変数とする関数を圧力損失の補正項としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1はこの発明の実施の一形態の冷凍装置の一例としての空気調和機の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
【0046】
1…圧縮機
2…四路弁
3…室外熱交換器
4A,4B,4C…電動膨張弁
5A,5B,5C…室内熱交換器
6…アキュムレータ
7…制御装置
7a…目標吐出管温度算出部
7b…電動膨張弁制御部
7c…配管長設定部
21…吐出管温度センサ
22,23,24,25…温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機(1)と凝縮器(3,5A〜5C)と電動膨張弁(4A〜4C)および蒸発器(3,5A〜5C)が環状に接続された冷媒回路を備えた冷凍装置であって、
上記凝縮器(3,5A〜5C)の凝縮温度を検出する凝縮器温度センサ(22,23〜25)と、
上記蒸発器(3,5A〜5C)の蒸発温度を検出する蒸発器温度センサ(22,23〜25)と、
上記凝縮器温度センサ(22,23〜25)により検出された温度および上記蒸発器温度センサ(22,23〜25)により検出された温度に基づいて算出式を用いて、目標吐出管温度を算出する目標吐出管温度算出部(7a)と、
上記目標吐出管温度算出部(7a)により算出された上記目標吐出管温度になるように、上記電動膨張弁(4A〜4C)の開度を制御する電動膨張弁制御部(7b)と
を備え、
上記目標吐出管温度算出部(7a)は、上記算出式に圧力損失の補正項を含んでいて、圧力損失の補正を行うことを特徴とする冷凍装置。
【請求項2】
請求項1に記載の冷凍装置において、
上記圧力損失の補正項は、高圧圧力損失または吸入圧力損失の少なくとも一方の補正項であることを特徴とする冷凍装置。
【請求項3】
請求項2に記載の冷凍装置において、
上記圧力損失の補正項が高圧圧力損失の補正項であるとき、目標吐出管温度DOSETは、
DOSET=A×(DC−△Thp)−B×DE+C
(ただし、A,B,Cは定数、DCは凝縮温度、DEは蒸発温度、△Thpは高圧圧力損失)
で表され、
上記圧力損失の補正項が吸入圧力損失の補正項であるとき、目標吐出管温度DOSETは、
DOSET=A×DC−B×(DE−△Tlp)+C
(ただし、A,B,Cは定数、DCは凝縮温度、DEは蒸発温度、△Tlpは吸入圧力損失)
で表され、
上記圧力損失の補正項が高圧圧力損失および吸入圧力損失の補正項であるとき、目標吐出管温度DOSETは、
DOSET=A×(DC−△Thp)−B×(DE−△Tlp)+C
(ただし、A,B,Cは定数、DCは凝縮温度、DEは蒸発温度、△Thpは高圧圧力損失、△Tlpは吸入圧力損失)
で表されることを特徴とする冷凍装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の冷凍装置において、
上記圧力損失の補正項は、配管長を変数とする関数で表されることを特徴とする冷凍装置。
【請求項5】
請求項4に記載の冷凍装置において、
上記配管長を設定する配管長設定部(7c)を備えたことを特徴とする冷凍装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の冷凍装置において、
上記圧力損失の補正項は、上記配管長と上記圧縮機(1)の運転周波数とを変数とする関数で表されることを特徴とする冷凍装置。

【図1】
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【公開番号】特開2007−40564(P2007−40564A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−222950(P2005−222950)
【出願日】平成17年8月1日(2005.8.1)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】