説明

冷却システム

【課題】アンモニア等の有害冷媒使用の冷却装置で小型化省エネ化ができ、有害ガス漏洩等に耐える効率的冷却システムの提供
【解決手段】冷風吸入部に取り付けられた冷風吸入部用ダンパー25と、
前記冷却器の冷風吹出部に取り付けられた冷風吹出部用ダンパー26と、通常は閉とされて前記冷却器の一部に取り付けられている排出ダンパー27と、有害冷媒の漏れを検出する冷媒漏洩検出センサ28と、該冷媒漏洩検出センサにより前記有害冷媒の漏洩が検出された際、前記冷凍機18の運転を停止し、かつ、前記冷風吸入部用ダンパー25及び前記冷風吹出部用ダンパー26をそれぞれ閉操作する制御装置13と、排出用開閉手段27に着脱自在に装着され、前記漏洩した有害冷媒を前記被冷却室10の外側に排出する排出用ダクト35,29と、該排出用ダクト内に漏洩した漏洩冷媒が液相から気相に変化する温度まで該排出用ダクト内を加熱可能な加熱手段とを設けて漏洩アンモニアを簡便に回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷却システムに関するものであり、特に、毒性及び刺激臭並びに可燃性等を有する有害ガス、例えば、アンモニアガスやフロン等を冷媒として使用する冷却システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、室内の空調や物品の冷却・冷凍に用いる冷凍装置の冷媒としてフロンが広く用いられてきた。しかし、フロンの一部はオゾン層を破壊し、また外気へ漏れると地球温暖化の原因となる。そこで、オゾン層破壊防止や温暖化防止等の地球環境保全の観点から、フロンに代えて自然冷媒であるアンモニア(NH3)が見直され、このアンモニアを冷媒として使用する冷凍装置の採用が増加している。
【0003】
しかしながら、アンモニアは人体に有害で、また刺激臭を発する。このため、アンモニアが被冷却室内に漏洩すると、人体に危害を与え、また、製品に臭いが付着して不良品になる虞がある。したがって、アンモニアガスが漏洩した場合であっても安全性が十分担保できるように冷却システムを構成する必要がある。
【0004】
そこで、アンモニアを冷媒として使用する冷却装置で被冷却室を冷却する場合、アンモニア冷媒回路の冷熱を直接付加側に供給するのではなく、毒性の無い二酸化炭素(CO2、「炭酸ガス」)を冷媒として使用する2次冷媒回路、すなわち二酸化炭素冷媒回路を介在せしめた冷却システムが広く採用されている。この冷却システムでは、アンモニア冷媒回路で冷却したCO2ブラインを被冷却室内に送り、被冷却室内では該CO2ブラインと室内空気との熱交換により被冷却室内を冷却するようにし、万一、アンモニアが漏洩しても被冷却室に流れ込まないようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−243350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、該特許文献1に記載の冷却装置のように二酸化炭素冷媒回路を介在せしめ、CO2ブラインを被冷却室内に送って冷却する冷却システムでは、間接冷却システムを採用しているため冷却効率が悪く電力消費が若干大きくなる。また、装置そのものが大型化するという問題があった。さらに、アンモニア冷媒回路と二酸化炭素冷媒回路の両方を駆動運転するため、運転制御が複雑であった。
【0007】
そこで、アンモニアやフロン等、人体及び地球環境等に有害な冷媒(以下、「人体等に有害冷媒」という)を使用した冷媒回路の冷熱を直接冷却器に供給するのを可能にして冷却効率を改善するとともに、小型化が可能で、且つ、省エネルギー化を図ることができる冷却システムを提供するために解決すべき技術的問題が生じてくるものであり、本発明はこの課題を解決することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、被冷却室と、該被冷却室内に設置された冷却器と、該被冷却室の外側に設置された冷凍機と、該冷却器と前記冷凍機に接続され、該冷却器と前記冷凍機を通って人体等に有害な有害冷媒が循環される冷媒配管とを備えて成る冷却システムにおいて、前記冷却器の冷風吸入部に取り付けられた冷風吸入部用ダンパーと、前記冷却器の冷風吹出部に取り付けられた冷風吹出部用ダンパーと、通常は閉とされて前記冷却器の一部に取り付けられている排出用開閉手段と、前記有害冷媒の漏れを検出する冷媒漏洩検出センサと、該冷媒漏洩検出センサにより前記有害冷媒の漏洩が検出された際、前記冷凍機の運転を停止し、かつ、前記冷風吸入部用ダンパー及び前記冷風吹出部用ダンパーをそれぞれ閉操作する制御装置と、前記排出用開閉手段に着脱自在に装着され、前記漏洩した有害冷媒を前記被冷却室の外側に排出する排出用導管を有する排出装置と、上記排出用導管内に漏洩した上記漏洩冷媒が液相から気相に変化する温度まで該排出用導管内を加熱可能な加熱手段と、を設けて成ることを特徴とする冷却システムを提供するものである。
【0009】
この構成によれば、被冷却室内に1次冷媒回路の冷却器を設置し、該冷却器で被冷却室内の空気を直接冷却することができる。また、万一、有害冷媒ガスが漏洩したときに冷媒漏洩センサで検出され、冷凍機の運転が停止するとともに、冷風吸入部用ダンパー及び吹出部用ダンパーが閉操作されて、漏洩冷媒が被冷却室内に漏れるのを防ぐ。さらに、冷却器の一部に取り付けられている排出用開閉手段に排出装置の排出用導管を接続すると、漏洩した有害ガスを被冷却室の外側に排出用導管を介して排出できる。加えて、排出用導管内に漏洩した上記漏洩冷媒が液相から気相に変化する温度まで該排出用導管内を加熱可能な加熱手段を設けているので、排出用導管内に漏洩された冷媒を、加熱手段で加熱しガス化させて効率良く回収し、除去することができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、上記排出装置の上記排出用導管に、前記漏洩した有害冷媒ガスを強制的に吸引し排気する排出用ファンを取り付けて成ることを特徴とする請求項1記載の冷却システムを提供するものである。
【0011】
この構成によれば、漏洩した有害ガスを排出用導管の排出用ファンで作られる空気流に乗せて排出用導管側へ強制的に吸引し、排気することができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、被冷却室と、該被冷却室内に設置された冷却器と、該被冷却室の外側に設置された冷凍機と、該冷却器と前記冷凍機に接続され、該冷却器と前記冷凍機を通って人体等に有害な冷媒が循環される冷媒配管を備えて成る冷却システムにおいて、前記冷却器の冷風吸入部に取り付けられた冷風吸入部用ダンパーと、前記冷却器の冷風吹出部に取り付けられた冷風吹出部用ダンパーと、前記被冷却室の外側に設けられ、前記有害冷媒ガスを吸収して除去または一時保管して処理する有害冷媒ガス処理装置と、前記冷却器内に一端側を接続し、他端側を前記有害冷媒ガス処理装置に接続した排出用導管と該排出用導管の開閉を制御する常閉形の開閉手段を有する排出システム装置と、前記有害冷媒の漏れを検出する冷媒漏洩検出センサと、該冷媒漏洩検出センサにより前記有害冷媒の漏洩が検出された際、前記冷凍機の運転を停止するとともに前記排出システム装置の開閉手段を開操作し、かつ、前記冷風吸入部用ダンパー及び前記冷風吹出部用ダンパーをそれぞれ閉操作した後、前記有害冷媒ガス処理装置を駆動操作する制御装置と、上記排出用導管内に漏洩した上記漏洩冷媒が液相から気相に変化する温度まで該排出用導管内を加熱可能な加熱手段と、を備え、前記漏洩した有害冷媒ガスを前記有害ガス処理装置に前記排出用導管を介して強制的に回収するようにしたことを特徴とする冷却システムを提供するものである。
【0013】
この構成によれば、被冷却室内に1次冷媒回路の冷却器を設置し、該冷却器で被冷却室内の空気を直接冷却することができる。また、万一、有害冷媒ガスが漏洩したときには冷媒漏洩センサで検出され、冷凍機の運転が停止するとともに、冷風吸入部用ダンパー及び吹出部用ダンパーが閉操作されて、漏洩冷媒が被冷却室内に漏れるのを防ぐ。さらに、排出システム装置の開閉手段を開操作し、漏洩した有害冷媒ガスを強制的に有害ガス処理装置に回収し、処理できる。そして、排出用導管内に漏洩した上記漏洩冷媒が液相から気相に変化する温度まで該排出用導管内を加熱可能な加熱手段を設けているので、排出用導管内に漏洩された冷媒を、加熱手段で加熱しガス化させて効率良く回収し、除去することが可能である。
【0014】
請求項4記載の発明は、上記冷却器内に、上記冷媒配管内を流れる液化された上記有害冷媒を遮断する冷媒用送液電磁弁と、冷却用の膨張弁を設けたことを特徴とする請求項3記載の冷却システムを提供するものである。
【0015】
この構成によれば、冷却器内に冷媒用送液電磁弁と冷却用の膨張弁を設けることによってシステムのコンパクト化が可能になる。
【0016】
請求項5記載の発明は、上記冷却器と上記冷凍機との間に、一端側を前記冷却器に接続し、他端側を前記冷凍機に接続して成る冷媒配管用ダクトを備えるとともに、該冷媒配管用ダクト内に上記冷媒配管を設置し、かつ、上記排出用導管の一端側を前記冷媒配管用ダクトの少なくとも一部を介して接続して成ることを特徴とする請求項3または4記載の冷却システムを提供するものである。
【0017】
この構成によれば、冷却器内に漏洩した有害冷媒ガスと冷媒配管用ダクト内に漏洩した有害冷媒ガスを、排出用導管を介して有害ガス処理装置側に回収し、除去することができる。
【0018】
請求項6記載の発明は、上記冷却器と上記冷凍機との間に、一端側を前記冷却器に接続し、他端側を前記冷凍機に接続して成る冷媒配管用ダクトを備え、かつ、該冷媒配管用ダクト内に上記冷媒配管を設置するとともに上記冷媒配管用ダクト内に前記冷却器側と前記冷凍機側とを遮断する排出用開閉手段付の遮断壁を設けて、該冷媒配管用ダクトと上記排出用導管とを一体化して成ることを特徴とする請求項3または4記載の冷却システムを提供するものである。
【0019】
この構成によれば、有害冷媒ガスが漏洩したときには、断熱壁の排出用開閉手段を開くと、漏洩した有害冷媒ガスを冷媒配管用ダクトを通して有害ガス処理装置に回収して処理することができるので、排出用導管を別途設ける必要がなくなる。
【0020】
請求項7記載の発明は、上記制御装置は、上記排出システム装置の作動時に、上記冷風吹出部用ダンパーを開とし、かつ、上記冷却器側のファンを逆転制御して該ファンにより生起される風で、漏洩した上記有害冷媒を上記有害冷媒ガス処理装置側に送るようにしたことを特徴とする請求項3,4,5または6記載の冷却システムを提供するものである。
【0021】
この構成によれば、冷媒が漏洩した際、冷却器側のファンの逆回転で生起される風を用いて、漏洩した有害冷媒ガスを有害冷媒ガス処理装置側へ向けて効率良く送ることができる。
【0022】
請求項8記載の発明は、上記冷媒に、アンモニア冷媒を使用することを特徴とする請求項3,4,5,6または7記載の冷却システムを提供するものである。
【0023】
この構成によれば、アンモニアを冷媒とした冷却システムが得ることができる。
【発明の効果】
【0024】
請求項1記載の発明は、人体等に有害な冷媒を使用する冷却システムであっても、該冷媒を使用した冷却器を被冷却室内に設置し、該被冷却室内の空気と該冷却器の間で直接熱交換を行って該被冷却室内の空気を冷却することができるので、冷却効率が良く、大きな省エネルギーが可能になる。同時に、システム設備の構造が簡素化して小型化が可能になるとともに、設備にかかるコスト及びメンテナンスコストの節約等も可能になる。また、また、万一、有害冷媒ガスが漏洩した際には、冷媒漏洩検出センサで検出され、且つ、冷凍機の運転が停止するとともに、冷風吸入部用ダンパー及び吹出部用ダンパーが閉操作されて、漏洩冷媒が被冷却室内に漏れるのを防ぐので、安全性を期待することができる。さらに、冷却器に取り付けられている排出用開閉手段に排出装置の排出用導管を接続して漏洩した有害ガスを被冷却室の外側に排出できるので、より高度な安全性が得られる。そして、排出用導管内に漏洩した有害冷媒を加熱手段で加熱し、ガス化させて効率良く回収し、除去することができるので、前記効果に加えて、安全性がさらに向上する。
【0025】
請求項2記載の発明は、漏洩した有害ガスを排出用導管の排出用ファンで作られる空気流に乗せて排気ダクト側へ強制的に吸引し、排気することができるので、請求項1記載の発明の効果に加えて、漏洩した有害冷媒ガスをさらに強制して排出することができ、さらに安全性を高めることができる。
【0026】
請求項3記載の発明は、人体等に有害な冷媒を使用する冷却システムであっても、該冷媒を使用した冷却器を被冷却室内に設置し、該被冷却室内の空気と該冷却器の間で直接熱交換を行って該被冷却室内の空気を冷却することができるので、冷却効率が良く、大きな省エネルギーが可能になる。同時に、システム構造が簡素化して小型化が可能になるとともに、設備にかかるコスト及びメンテナンスコストの節約も可能になる。また、万一、有害冷媒ガスが漏洩した際には、冷媒漏洩検出センサで検出され、かつ、冷凍機の運転が停止するとともに、冷風吸入部用ダンパー及び冷風吹出部用ダンパーが閉操作されて、漏洩冷媒が被冷却室内に漏れるのを防ぐので安全性が期待できる。さらに、冷却器に排出装置の排出用導管を接続して漏洩した有害冷媒ガスを被冷却室の外側に排出できるので、より高度な安全性が得られる。また、さらに排出システク装置の開閉手段を開操作し、漏洩した有害冷媒ガスを強制的に有害ガス処理装置に回収し、該回収した有害冷媒ガスを有害ガス処理装置で処理することができるので、冷却室内の安全に加えて、地球環境保全に資することを期待できる。そのうえ、排出用導管内に漏洩した有害冷媒を加熱手段で加熱し、ガス化させて効率良く回収し、除去することができるので、前記効果に加えて、安全性が一層向上する。
【0027】
請求項4記載の発明は、冷却器内に冷媒用送液電磁弁と冷却用の膨張弁を設けてコンパクト化が図れるので、請求項3記載の発明の効果に加えて、設備構造をさらに小型化できるという効果を期待することができる。
【0028】
請求項5記載の発明は、冷却器内に漏洩した有害冷媒ガスと冷媒配管用ダクト内に漏洩した有害冷媒ガスを、排出用導管を介して有害ガス処理装置側に回収し、除去することができるので、請求項3または4記載の発明の効果に加えて、漏洩した有害冷媒ガスを効率良く除去できるという効果が期待できる。
【0029】
請求項6記載の発明は、冷媒配管用ダクトが排出用導管を兼ね、該排出用導管を別途設ける必要が無くなるので、請求項3,4または5記載の発明の効果に加えて、安全性のみならず、コスト面においても、有利となる。
【0030】
請求項7記載の発明は、冷媒が漏洩した際、冷却器側のファンの逆回転で生起される風により、漏洩した有害冷媒ガスを有害冷媒ガス処理装置側へ向けて強制的に送ることができるので、請求項3,4,5または6記載の発明の効果に加えて、有害冷媒ガスを有害ガス処理装置に効率良く回収して、除去することができる。
【0031】
請求項8記載の発明は、請求項3,4,5,6または7記載の発明の効果に加えて、冷却効率、省エネルギー化、小型化、安全性等が得られるアンモニアを冷媒とした冷却システムを提供できる効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る冷却システムの第1実施例を示す配管構成図。
【図2】同上冷却システムにおける制御系の概略ブロック図。
【図3】同上冷却システムにおける制御回路の一動作例を示すフローチャート。
【図4】本発明に係る冷却システムの第2実施例を示す配管構成図。
【図5】第2実施例の冷却システムにおける制御系の概略ブロック図。
【図6】本発明に係る冷却システムの第3実施例を示す配管構成図。
【図7】本発明に係る冷却システムの第4実施例を示す配管構成図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、アンモニアやフロン等、人体及び地球環境等に有害な冷媒を使用した冷媒回路の冷熱を直接冷却器に供給するのを可能にして冷却効率を改善するとともに、小型化が可能で、かつ、省エネルギー化を図ることができる冷却システムを提供するという目的を達成するために、被冷却室と、該被冷却室内に設置された冷却器と、該被冷却室の外側に設置された冷凍機と、該冷却器と前記冷凍機に接続され、該冷却器と前記冷凍機を通って人体等に有害な冷媒が循環される冷媒配管とを備えて成る冷却システムにおいて、前記冷却器の冷風吸入部に取り付けられた冷風吸入部用ダンパーと、前記冷却器の冷風吹出部に取り付けられた冷風吹出部用ダンパーと、通常は閉とされて前記冷却器の一部に取り付けられている排出用開閉手段と、前記有害冷媒の漏れを検出する冷媒漏洩検出センサと、該冷媒漏洩検出センサにより前記有害冷媒の漏洩が検出された際、前記冷凍機の運転を停止し、かつ、前記冷風吸入部用ダンパー及び前記冷風吹出部用ダンパーをそれぞれ閉操作する制御装置と、前記排出用開閉手段に着脱自在に装着され、前記漏洩した有害冷媒を前記被冷却室の外側に排出する排出用導管を有する排出装置と、上記排出用導管内に漏洩した上記漏洩冷媒が液相から気相に変化する温度まで該排出用導管内を加熱可能な加熱手段と、を設けることによって、実現した。
【実施例】
【0034】
以下、本発明の冷却システムについて、好適な実施例を挙げて説明する。なお、以下の説明では、人体等に有害な冷媒としてアンモニアを使用する場合について説明するが、本発明はアンモニア冷媒に限定するものではなく、例えばフロンのように地球環境に有害な冷媒を使用する場合にも適用できるものである。
【0035】
図1乃至図3は本発明に係る冷却システムの第1実施例を示すものである。同図において、該冷却システムは、冷蔵倉庫等の被冷却室10と、該被冷却室10内を冷却するアンモニア冷媒回路11と、排出装置12と、制御装置としての制御部13と、有害ガス処理装置としてのアンモニア除外装置14とを備えている。
【0036】
前記被冷却室10は、断熱層を有する外壁体15で覆われている。また、該被冷却室10内の温度を検出する温度センサ16が設けられている。
【0037】
前記アンモニア冷媒回路11は、アンモニアを冷媒として使用する冷却回路であり、前記被冷却室10内に設置された冷却器(クーラー)17と、該被冷却室10の外側に設置されたアンモニア・冷凍機18と、該冷却器17と該アンモニア・冷凍機18を通ってアンモニア冷媒を循環させる冷媒配管19とを備えている。なお、該冷媒配管19は、外壁体15を貫通して配設されており、一端側は冷却器17に接続され、他端側はアンモニア・冷凍機18に接続されている。
【0038】
前記アンモニア・冷凍機18は、アンモニア・レシーバー20、圧縮機21、凝縮器22を有し、これらを前記冷媒配管19で前記冷却器17に接続している。なお、該冷媒配管19の媒体流通系路内には、冷却用の膨張弁23a、及び、アンモニア冷媒の流れを一時的に遮断する冷媒送液電磁弁23b及び複数の止弁24,24,24が設けられている。
【0039】
また、被冷却室10内には、前記冷却器17が該被冷却室10内の空気を吸い込む該冷却器17の冷風吸入部に取り付けられた冷風吸入部用ダンパー25、及び、該冷却器17から被冷却室10内に空気(冷気)を吹き付ける該冷却器17の冷風吹出部に取り付けられた冷風吹出部用ダンパー26が設けられている。なお、冷却器17の一部には通常は閉とされている開閉手段としての開閉ダンパー27が設けられており、前記排出装置12は該冷却器17に該開閉ダンパー27を介して着脱自在に接続される。
【0040】
前記排出装置12は、排出用導管12aと該排出用導管12aに取り付けられた排出用ファン12bを備えている。そして、該排出用導管12aの一端側は前記開閉ダンパー27を介して前記冷却器17に着脱自在に接続され、他端側はアンモニア除外装置14等に着脱自在に接続可能な構造になっている。なお、本実施例のように、冷却器17内の空気を該排出用導管12aを介して強制的に排出できるアンモニア除外装置14等を設けている場合には、該排出用導管12aに設けられる排出用ファン12bは省略してもよい。
【0041】
前記アンモニア除外装置14は、アンモニアを含む空気を水あるいは薬剤の水溶液と気液接触させ、該アンモニアを吸収・除去して無害化した空気を大気中に放出する装置であり、その具体的な構成については公知のものが各種ある。本実施例におけるアンモニア除外装置14は、水あるいは薬剤の水溶液Wを貯留したタンク14aと、該タンク14a内の前記水溶液Wをポンプ14bで汲み上げて散水する散水器14cと、前記排出用導管12aを介して冷却器17内のアンモニアを含む空気を該タンク14aに吸い込み、かつ、散水器14c内を通して該アンモニア除外装置14の外(大気中)に排出する送風装置14dとから成る。
【0042】
そして、該アンモニア除外装置14では、冷却器17に排出用導管12aを介して接続された状態において、送風装置14dが駆動されて該送風装置14d内の空気が外部に排出されると、タンク14a側が負圧になり、前記冷却器17内に漏洩されたアンモニアを含む空気を該タンク14a内に前記排出用導管12aを通して引く。また、タンク14a内に引かれた該空気は散水器14c内を通って送風装置14d内に入り、その後、大気中に排出される。而して、その空気が散水器14c内を通るとき、アンモニアを含む空気は水溶液Wと気液接触し、該アンモニアが該水溶液Wに吸収されて除去されることになる。
【0043】
なお、前記冷却器17及び前記アンモニア・冷凍機18内には、前記アンモニア冷媒回路11内のアンモニアが漏洩したとき、該アンモニアの漏洩を検出する冷媒漏洩検出センサとして、アンモニア漏洩検出センサ28が各々設けられている。
【0044】
また、排出用導管12aの一部にヒータ等の加熱手段(図示せず)が設けられており、これにより、排出用導管12a内に漏洩されたアンモニア冷媒が液相から気相に変化する温度まで排出用導管12a内を加熱し、回収時に排出用導管12a内に霜を付着せずに回収することができる。
【0045】
図2は、図1に示した冷却システムにおける制御系の概略ブロック図である。同図において、制御装置としての制御部13と、冷却器17とアンモニア・冷凍機18と開閉ダンパー27及びアンモニア漏洩検出センサ28並びに温度センサ16は、図1に対応するものである。
【0046】
前記制御部13は、A/D変換器13、入力回路31、中央演算装置(CPU)32、メモリ33、及び出力回路34を備えている。
【0047】
この制御回路構成では、アンモニア漏洩検出センサ28及び温度センサ16から出力されるアナログの温度検出信号は、制御部13のA/D変換器30に入力される。該A/D変換器30では、これ等のアナログ信号をA/D変換し、デジタル信号として入力回路31に出力する。該入力回路31はデジタル化されたアンモニア漏洩出力信号及び温度検出信号をそれぞれ中央演算装置32に入力するインターフェースである。
【0048】
前記中央演算装置32では、入力回路31から入力される各種信号に基づき、アンモニア・冷凍機18と冷却器17(冷風吸入部用ダンパー25及び冷風吹出部用ダンパー26を含む)と、開閉ダンパー27等の動作制御を行う。また、該中央演算装置32には、演算処理に必要なメモリ33が接続されている。
【0049】
前記出力回路34は、中央演算装置32からアンモニア・冷凍機18、冷却器17、開閉用ダンパー27等にそれぞれ送信される制御信号を出力するための出力インターフェースである。また、該中央演算装置32には、演算処理に必要なメモリ33が接続されている。該出力回路34から出力される制御信号は、それら各装置に送信される。
【0050】
図3は、冷却システムにおける制御回路の一動作例を示すフローチャートである。同図のフローチャートとともに、図1の冷却システム及び図2の制御回路におけるアンモニア除害処理の動作を説明する。
【0051】
まず、冷却システムの運転開始信号が入力されると、制御部13はアンモニア冷媒回路11を駆動し、冷却運転に入る(ステップS1)。このとき、開閉ダンパー27は閉成されている。また、冷却運転時、制御部13は温度センサ16から出力される被冷却室10内の温度をデジタル値として取得する。そして、予め設定された温度値と比較してアンモニア冷媒回路11を制御、すなわち、冷却器17及びアンモニア・冷凍機18等をそれぞれ制御して被制御室10内の温度を所望の温度に維持する。
【0052】
つぎに、制御部13は、ステップS2において、アンモニア漏洩検出センサ28が出力する値から、冷却器17内またはアンモニア・冷凍機18内にアンモニア冷媒の漏洩が生じているか否かを検出する。
【0053】
アンモニア漏洩が生じている場合は、アンモニア・冷凍機18の運転及び冷却器17の運転を停止する。また、同時に、冷却器17側の冷風吸入部用ダンパー25及び冷風吹出部用ダンパー26を閉にする。なお、該アンモニア・冷凍機18の停止においては、アンモニア冷媒回路11内のアンモニア冷媒をレシーバー20内に回収させた後、圧縮機21を停止する。その後は、アンモニア除害処理を行う。
【0054】
そして、第1実施例におけるアンモニア除害処理では、冷却器17内にアンモニアが漏洩している場合、他端側がアンモニア除害装置14に接続されている前記排出用導管12aの一端側を開閉ダンパー27に接続し、その後、該開閉ダンパー27を開にするとともに、アンモニア除害装置14を起動してアンモニア除害を行う。また、必要に応じて排出装置12の排出用ファン12bも駆動する。一方、アンモニア・冷凍機18内にアンモニア漏洩が生じている場合には、排出用導管12aの一端側をアンモニア・冷凍機18内に接続してアンモニア除害処理を行う。
【0055】
したがって、第1実施例の冷却システムでは、万一、アンモニア冷媒ガスが漏洩しても、アンモニア漏洩検出センサ28で検出され、冷却器17及びアンモニア・冷凍機18の運転を停止するので、安全性が期待できる。また、アンモニア冷媒回路11の冷熱を直接冷却器17に供給するので、冷却効率が良く、省エネルギーに寄与することができる。
【0056】
次に、本発明の第2実施例の冷却システムについて、図4及び図5を参照して説明する。この冷却システムは、アンモニア冷媒の漏洩が検出されたら、該漏洩したアンモニア冷媒ガスを自動的に除害処理する構成にしたものであり、図1及び図2に開示したものと同一の構成部分に関しては同一符号を付して重複説明を省略する。
【0057】
この冷却システムは、アンモニア除害装置14が排出用導管35を介して冷却器17及びアンモニア・冷凍機18と常に接続された状態で設置されている。すなわち、排出用導管35の一端側はアンモニア除害装置14に接続され、他端側は2本に分岐されている。そして、2本に分岐された他端部のうち、1本の他端部を冷却器17に接続し、もう1本の他端部を、アンモニア・冷凍機18に接続した構造になっている。また、冷却器17とアンモニア除害装置14との間に配置された排出用導管35の部分には、開閉手段としての開閉ダンパー36が設けられている。
【0058】
また、この冷却システムでは、アンモニア除害装置14は図5に示すように制御部13に接続されており、アンモニア冷媒の漏洩が検出されると、制御部13により起動されてアンモニア冷媒の除害処理を自動的に行うようになっている。
【0059】
すなわち、この冷却システムでは、冷却システムの運転開始信号が入力されると、制御部13はアンモニア冷媒回路11を駆動し、冷却運転に入る。このとき、開閉ダンパー36は閉で、かつ、アンモニア除害装置14は停止している。また、冷却運転時、制御部13は温度デンサ16から出力される被冷却室10内の温度をデジタル値として取得して冷却器17及びアンモニア・冷凍機18等をそれぞれ制御し、該被冷却室10内の温度を所望の温度に維持する。
【0060】
そして、運転途中において、アンモニア漏洩検出センサ28が出力する値から、冷却器17またはアンモニア・冷凍機18内にアンモニア冷媒が漏洩していることが検出されると、制御部30は、アンモニア・冷凍機18の運転及び冷却器17の運転を停止させる。同時に、冷却器17側の冷風吸入部用ダンパー25及び冷風吹出部用ダンパー26を閉にする。また、開閉ダンパー36を開に成し、アンモニア除害処理を自動的に開始する。
【0061】
したがって、第2実施例の冷却システムでは、万一、アンモニア冷媒ガスが漏洩しても、アンモニア漏洩検出センサ28で検出されるとともに、該漏洩したアンモニアをアンモニア除害装置14で回収して自動的に吸収・除去するので、安全性が期待できる。また、アンモニア冷媒回路11の冷熱を直接冷却器17に供給するので、冷却効率が良く、省エネルギーに寄与することができる。
【0062】
次に、本発明の第3実施例における冷却システムについて、図6を参照して説明する。この冷却システムは、図4に示した構成に、外壁体15を貫通している冷媒配管用ダクト37を加え、かつ、該冷媒配管用ダクト37の途中に冷却器17に接続される排出用導管35の一端を接続したものであり、他の構成は図4に開示の内容と同一であるから、同一の構成部分は同一符号を付して重複説明を省略する。
【0063】
この第3実施例では、循環冷媒配管19は冷媒配管用ダクト37内に配設されている。また、該冷媒配管用ダクト37内には、前記冷却器17及び前記アンモニア・冷凍機18内と同じアンモニア漏洩検出センサ28が設けられ、さらに、前記被冷却室10の内側と外側の間を断熱する遮断壁38が設けられている。
【0064】
そして、第3実施例では、運転途中において、アンモニア漏洩検出センサ28が出力する値から、冷却器17内または冷媒配管用ダクト37内あるいはアンモニア・冷凍機18内にアンモニア冷媒が漏洩していることが検出されると、制御部30は、アンモニア・冷凍機18の運転及び冷却器17の運転を停止させる。同時に、冷却器17側の冷風吸入部用ダンパー25及び冷風吹出部用ダンパー26を閉とする。また、アンモニア除害装置14を起動し、かつ、開閉ダンパー36を開成してアンモニア除害処理を自動的に開始し、冷却器17または冷媒配管用ダクト37あるいはアンモニア・冷凍機18の内部に漏洩したアンモニア冷媒をアンモニア除害装置14側に排出用導管35を介して回収し、除去する。
【0065】
したがって、第3実施例の冷却システムでも、万一、アンモニア冷媒ガスが漏洩するとアンモニア漏洩検出センサ28で検出されるとともに、該漏洩したアンモニアはアンモニア除害装置14で回収されて自動的に吸収・除去されるので、安全性を期待することができる。また、アンモニア冷媒回路11の冷熱を直接冷却器17に供給するので、冷却効率が良く、省エネルギーに寄与できる。さらに、冷媒配管19の外側を冷媒配管用ダクト37で覆った構造にしているので、万一、冷媒配管19の途中からアンモニア冷媒が漏洩したような場合でも、冷媒配管用ダクト37の外側に漏らすことなく回収し、処理することができる。
【0066】
次に、本発明の第4実施例における冷却システムについて、図7を参照して説明する。この冷却システムは、図6に示した構成の冷媒配管用ダクト37の一部と排出用導管35に変えて、該冷媒配管用ダクト37の一部と、排出用導管35に変えて、該冷媒配管用ダクト37の一部と排出用導管35を一体化して成るユニット化ダクト39を設けたものであり、他の構成は図4と同一であるから、同一の構成部分は同一符号を付して重複説明を省略する。
【0067】
前記ユニット化ダクト39は、前記被冷却室10の内側と外側の間に、この間を断熱する遮断壁40を設けている。また、遮断壁40を貫通して前記開閉ダンパー36と前記冷媒配管19が配設されている。さらに、該ユニット化ダクト39内には、前記冷却器17及び前記アンモニア・冷凍機18内と同じアンモニア漏洩検出センサ28が設けられている。そして、該ユニット化ダクト39の一端側は、前記冷却器17に接続され、他端側はアンモニア・冷凍機18に接続されている。
【0068】
そして、第4実施例においては、アンモニア漏洩検出センサ28が出力する値から、冷却器17内またはユニット化ダクト39内あるいはアンモニア・冷凍機18内の何れかにアンモニア冷媒の漏洩が検出されると、制御部30は、アンモニア・冷凍機18の運転を停止させ、同時に、冷却器17側の冷風吸入用ダンパー及び冷風吹出用ダンパー26を閉にする。その後、アンモニア・冷凍機18の開放部ダンパーを閉とする。同時に、アンモニア除害装置14を駆動し、かつ、開閉ダンパー36を開成してアンモニア除害処理を自動的に開始し、冷却器17またはユニット化ダクト39あるいはアンモニア・冷凍機18の内部に漏洩したアンモニア冷媒をアンモニア除害装置14側に該ユニット化ダクト39を介して回収し、除去する。
【0069】
したがって、第4実施例の冷却システムにおいて、万一、アンモニア冷媒ガスが漏洩するとアンモニア漏洩検出センサ28で検出されるとともに、該漏洩したアンモニアはアンモニア除害装置14で回収されて自動的に吸収・除去されるので、安全性を期待することができる。また、アンモニア冷媒回路11の冷熱を直接冷却器17に供給するので、冷却効率が良く、省エネルギーに寄与できる。さらに、冷媒配管19の外側を冷媒配管用ダクト39で覆った構造にしているので、万一、冷媒配管19の途中からアンモニア冷媒が漏洩したような場合でも、冷媒配管用ダクト39の外側に漏らすことなく回収して処理することができる。さらに、前記第3実施例の冷却システムと比べると、構造が簡略化されており、省スペース、省資源に資することを期待できる。
【0070】
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことが可能であり、そして、本発明は該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0071】
例えば、実施例2〜4において、排出用導管(排出用ダクト)35、冷媒配管用ダクト37、ユニット化ダクト39の一部にヒータ等の加熱手段を設け、該ダクト35,37,39内に漏洩されたアンモニア冷媒が液相から気相に変化する温度まで該ダクト35,37,39内を加熱可能な構造にした場合では、回収時にダクト35,37,39内に霜を付着せずに回収することができる。この場合、電源の投入はアンモニア除害装置14の駆動と同時に行うようにする等の操作手順で実践する等が考えられる。
【0072】
また、排出用導管35等の排出用ダクト内の漏洩アンモニアをアンモニア除害装置14に強制的に送る方法としては、排出用導管35、冷媒配管用ダクト37、または、ユニット化ダクト39内にそれぞれファン等を別途設置し、該ファンで生起される風に乗せて送るようにしてもよい。さらに、冷却器17側における冷風吹出部用ダンパー26を開とし、かつ、冷却器17側のファンを逆転制御して、該ファンで生起される風に乗せ漏洩アンモニアをアンモニア除害装置14に送るようにしてもよい。
【0073】
さらに、実施例1〜4において、アンモニア漏洩が生じた際、アンモニア除害装置14に接続して該アンモニア除害装置14を使用してアンモニア冷媒を吸収除去するようにしているが有害冷媒ガスを一時保管容器(アンモニア冷媒一時保管容器等)に蓄えておき、後からアンモニア除害装置14等で処理するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上説明したように、本発明は、万一、アンモニアガス漏洩しても、アンモニア漏洩検出センサ28により検出され、かつ、アンモニア除害装置14でアンモニアを自動的に吸収・除去し、高い安全性を得るようにしているので、冷凍倉庫に限らず、例えば、冷凍ショーケース等にも応用することができる。
【符号の説明】
【0075】
10 被冷却室
11 アンモニア冷媒回路
12 排出装置
12a 排出用導管
12b 排出用ファン
13 制御部(制御装置)
14 アンモニア除害装置(有害ガス処理装置)
14a タンク
14b ポンプ
14a タンク
14c 散水器
14d 送風装置
15 外壁体
16 温度センサ
17 冷却器
18 アンモニア・冷凍機
19 冷媒配管
20 アンモニア・レシーバー
21 圧縮機
22 凝縮機
23a 膨張弁
23b 冷媒送液電磁弁
24 止弁
25 冷風吸入部用ダンパー
26 冷風吹出部用ダンパー
27 開閉ダンパー(開閉手段)
28 アンモニア漏洩検出センサ(冷媒漏洩検出センサ)
30 A/D変換器
31 入力回路
32 中央演算装置(CPU)
33 メモリ
34 出力回路
35 排出用導管(排出用ダクト)
36 開閉ダンパー(排出用開閉手段)
37 冷媒配管用ダクト
38 遮断壁
39 ユニット化ダクト
40 遮断壁
41 排気ダクト
W 水溶液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被冷却室と、該被冷却室内に設置された冷却器と、該被冷却室の外側に設置された冷凍機と、該冷却器と前記冷凍機に接続され、該冷却器と前記冷凍機を通って人体等に有害な有害冷媒が循環される冷媒配管とを備えて成る冷却システムにおいて、
前記冷却器の冷風吸入部に取り付けられた冷風吸入部用ダンパーと、
前記冷却器の冷風吹出部に取り付けられた冷風吹出部用ダンパーと、
通常は閉とされて前記冷却器の一部に取り付けられている排出用開閉手段と、
前記有害冷媒の漏れを検出する冷媒漏洩検出センサと、
該冷媒漏洩検出センサにより前記有害冷媒の漏洩が検出された際、前記冷凍機の運転を停止し、かつ、前記冷風吸入部用ダンパー及び前記冷風吹出部用ダンパーをそれぞれ閉操作する制御装置と、
前記排出用開閉手段に着脱自在に装着され、前記漏洩した有害冷媒を前記被冷却室の外側に排出する排出用導管を有する排出装置と、
上記排出用導管内に漏洩した上記漏洩冷媒が液相から気相に変化する温度まで該排出用導管内を加熱可能な加熱手段と、
を設けて成ることを特徴とする冷却システム。
【請求項2】
上記排出装置の上記排出用導管に、前記漏洩した有害冷媒ガスを強制的に吸引し排気する排出用ファンを取り付けて成ることを特徴とする請求項1記載の冷却システム。
【請求項3】
被冷却室と、該被冷却室内に設置された冷却器と、該被冷却室の外側に設置された冷凍機と、該冷却器と前記冷凍機に接続され、該冷却器と前記冷凍機を通って人体等に有害な有害冷媒が循環される冷媒配管を備えて成る冷却システムにおいて、
前記冷却器の冷風吸入部に取り付けられた冷風吸入部用ダンパーと、
前記冷却器の冷風吹出部に取り付けられた冷風吹出部用ダンパーと、
前記被冷却室の外側に設けられ、前記有害冷媒ガスを吸収して除去または一時保管して処理する有害冷媒ガス処理装置と、
前記冷却器内に一端側を接続し、他端側を前記有害冷媒ガス処理装置に接続した排出用導管と該排出用導管の開閉を制御する常閉形の開閉手段を有する排出システム装置と、
前記有害冷媒の漏れを検出する冷媒漏洩検出センサと、
該冷媒漏洩検出センサにより前記有害冷媒の漏洩が検出された際、前記冷凍機の運転を停止するとともに前記排出システム装置の開閉手段を開操作し、かつ、前記冷風吸入部用ダンパー及び前記冷風吹出部用ダンパーをそれぞれ閉操作した後、前記有害冷媒ガス処理装置を駆動操作する制御装置と、
上記排出用導管内に漏洩した上記漏洩冷媒が液相から気相に変化する温度まで該排出用導管内を加熱可能な加熱手段と、
を備え、前記漏洩した有害冷媒ガスを前記有害ガス処理装置に前記排出用導管を介して強制的に回収するようにしたことを特徴とする冷却システム。
【請求項4】
上記冷却器内に、上記冷媒配管内を流れる液化された上記有害冷媒を遮断する冷媒用送液電磁弁と、冷却用の膨張弁を設けたことを特徴とする請求項3記載の冷却システム。
【請求項5】
上記冷却器と上記冷凍機との間に、一端側を前記冷却器に接続し、他端側を前記冷凍機に接続して成る冷媒配管用ダクトを備えるとともに、該冷媒配管用ダクト内に上記冷媒配管を設置し、かつ、上記排出用導管の一端側を前記冷媒配管用ダクトの少なくとも一部を介して接続して成ることを特徴とする請求項3または4記載の冷却システム。
【請求項6】
上記冷却器と上記冷凍機との間に、一端側を前記冷却器に接続し、他端側を前記冷凍機に接続して成る冷媒配管用ダクトを備え、かつ、該冷媒配管用ダクト内に上記冷媒配管を設置するとともに上記冷媒配管用ダクト内に前記冷却器側と前記冷凍機側とを遮断する排出用開閉手段付の遮断壁を設けて、該冷媒配管用ダクトと上記排出用導管とを一体化して成ることを特徴とする請求項3または4記載の冷却システム。
【請求項7】
上記制御装置は、上記排出システム装置の作動時に、上記冷風吹出部用ダンパーを開とし、かつ、上記冷却器側のファンを逆転制御して該ファンにより生起される風で、漏洩した上記有害冷媒を上記有害冷媒ガス処理装置側に送るようにしたことを特徴とする請求項3,4,5または6記載の冷却システム。
【請求項8】
上記冷媒に、アンモニア冷媒を使用することを特徴とする請求項3,4,5,6または7記載の冷却システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−47608(P2013−47608A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−263893(P2012−263893)
【出願日】平成24年12月1日(2012.12.1)
【分割の表示】特願2009−55756(P2009−55756)の分割
【原出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(390026974)株式会社東洋製作所 (132)